(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】多極コネクタ及び多極コネクタセット
(51)【国際特許分類】
H01R 12/71 20110101AFI20221115BHJP
H01R 12/57 20110101ALI20221115BHJP
H01R 13/6581 20110101ALI20221115BHJP
【FI】
H01R12/71
H01R12/57
H01R13/6581
(21)【出願番号】P 2021527545
(86)(22)【出願日】2020-06-02
(86)【国際出願番号】 JP2020021773
(87)【国際公開番号】W WO2020255700
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】P 2019114193
(32)【優先日】2019-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】眞室 稔
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-129148(JP,A)
【文献】国際公開第2018/049686(WO,A1)
【文献】特開2017-208165(JP,A)
【文献】特開2014-192102(JP,A)
【文献】特開2017-033654(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/198242(US,A1)
【文献】特開2018-116925(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/6581
H01R 12/71
H01R 12/57
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1信号端子と、第1グランド端子と、前記第1信号端子及び前記第1グランド端子を保持する絶縁部材と、前記絶縁部材の外縁に沿って配置される外部端子と、を備え、
前記第1信号端子及び前記第1グランド端子は、第1方向に並んで配置され、前記第1方向に対して直交する第2方向に延び、それぞれの一方端が、回路基板上の実装電極に接続されることで実装される実装部であり、
前記第1方向に直交し、かつ前記第2方向に直交する第3方向から視て、前記第1信号端子の実装部は前記外部端子の配置領域
に囲まれた領域内にあり、
前記第3方向から視て、前記第1グランド端子の実装部は前記第1信号端子の実装部よりも外側に位置
し、
前記第1信号端子は、第2多極コネクタの信号端子が接触する第1接触部を含み、
前記第1グランド端子は、前記第2多極コネクタのグランド端子が接触する第2接触部を含み、
前記第1接触部は、前記第3方向から視て、前記第2接触部より前記第2方向における前記絶縁部材の中央の近くに位置する、
多極コネクタ。
【請求項2】
前記第1信号端子の前記第2方向の長さは、前記第1グランド端子の前記第2方向の長さよりも短い、請求項1に記載の多極コネクタ。
【請求項3】
前記第2方向に延び、前記第1信号端子に対して前記第1方向に並んで配置され、一方端が回路基板上の実装電極に接続される実装部である第2信号端子を有し、
前記第1グランド端子は、前記第1信号端子と前記第2信号端子との間に位置する、請求項1または2に記載の多極コネクタ。
【請求項4】
前記第2信号端子の前記第2方向の長さは、前記第1グランド端子の前記第2方向の長さよりも短い、請求項3に記載の多極コネクタ。
【請求項5】
複数本の前記第1グランド端子が設けられている、
請求項1から請求項4のいずれかに記載の多極コネクタ。
【請求項6】
前記第1信号端子および前記第2信号端子の前記第2方向の長さは、前記第1グランド端子の前記第2方向の長さよりも短い、請求項3または4に記載の多極コネクタ。
【請求項7】
前記第1グランド端子から離間し、前記第1方向に並んで配置された複数の第2グランド端子を有する、
請求項1から6のいずれかに記載の多極コネクタ。
【請求項8】
前記第1信号端子の実装部が、前記第2方向から視て前記外部端子に重なる、
請求項1から7のいずれかに記載の多極コネクタ。
【請求項9】
前記第2信号端子の実装部が、前記第2方向から視て前記外部端子と重なる、
請求項3、4または6に記載の多極コネクタ。
【請求項10】
前記絶縁部材は、前記第1信号端子の実装部が前記第3方向から見て露出するような開口を有する、請求項1から9のいずれかに記載の多極コネクタ。
【請求項11】
前記絶縁部材は、前記第1信号端子の実装部が前記第3方向から見て露出するような開口と、前記第2信号端子の実装部が前記第3方向から見て露出するような開口とを有する、請求項3、4、6または9のいずれかに記載の多極コネクタ。
【請求項12】
前記絶縁部材は、前記外部端子の配置領域の中央と重なり、前記第3方向に突出する突出部を有しており、
前記第1信号端子および前記第1グランド端子の他端は、前記突出部に保持されている、
請求項1から11のいずれかに記載の多極コネクタ。
【請求項13】
前記外部端子は、前記第2多極コネクタの外部端子に係合する係合突起を有しており、
前記第1信号端子の前記実装部は、前記第3方向から視て、前記係合突起より前記第2方向における前記絶縁部材の中央の近くに位置する、
請求項1から12のいずれかに記載の多極コネクタ。
【請求項14】
前記外部端子には、部分的に切欠部が形成されており、
前記切欠部は、前記第3方向に見て、前記第1グランド端子を露出させる、
請求項1から13のいずれかに記載の多極コネクタ。
【請求項15】
第1多極コネクタと第2多極コネクタとが互いに嵌合されて構成される多極コネクタセットであって、
前記第1多極コネクタは請求項1から1
4のいずれかに記載の多極コネクタであり、
前記第1多極コネクタの前記絶縁部材は突出部を有し、前記第1多極コネクタの第1信号端子及び第1グランド端子の他方端が前記突出部の側部に沿って配置され、
前記第2多極コネクタの絶縁部材は陥凹部を有し、前記第2多極コネクタの第1信号端子及び第1グランド端子の他方端が前記陥凹部の側部に沿って配置され、
前記第1多極コネクタと前記第2多極コネクタの嵌合によって、前記第1多極コネクタの第1信号端子と前記第2多極コネクタの第1信号端子とが接触し、前記第1多極コネクタの第1グランド端子と前記第2多極コネクタの第1グランド端子とが接触し、
前記第2多極コネクタの第1信号端子の実装部は前記第1多極コネクタの外部端子の配置領域内にある、
多極コネクタセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号端子とグランド端子とを備える多極コネクタ及び多極コネクタセットに関する。
【背景技術】
【0002】
多極レセプタクルや多極プラグとして構成される多極コネクタにおいて、内部端子が複数列に分けられ、内部端子の列間に導電性のシールド部材が配置された多極コネクタが特許文献1に示されている。このように、内部端子を列間でシールドすることによって、端子の列間で信号の干渉が抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示されるような従来の多極コネクタにおいては、コネクタをその挿抜方向に視て、回路基板の実装電極に対する信号端子の実装部が外部端子より外に出ている。このような構造では、回路基板に対する多極コネクタの実装状況によっては、所定の周波数帯において、回路基板に実装されている電子部品との不要結合、外部への電磁ノイズの放射、外部からの電磁ノイズの入射等が生じるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、信号端子のシールド性を高めて、上記不要結合、電磁ノイズの放射・入射を抑制した多極コネクタ及び多極コネクタセットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一例としての多極コネクタは、
第1信号端子と、第1グランド端子と、前記第1信号端子及び前記第1グランド端子を保持する絶縁部材と、前記絶縁部材の外縁に沿って配置される外部端子と、を備え、
前記第1信号端子及び前記第1グランド端子は、第1方向に並んで配置され、前記第1方向に対して直交する第2方向に延び、それぞれの一方端が、回路基板上の実装電極に接続されることで実装される実装部であり、
前記第1方向に直交し、かつ前記第2方向に直交する第3方向から視て、前記第1信号端子の実装部は前記外部端子の配置領域内にあり、前記第1グランド端子の実装部は前記第1信号端子の実装部よりも外側に位置する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の多極コネクタによれば、第1信号端子の全体が外部端子の内部に配置されるので、また、第1グランド端子の実装部が第1信号端子の実装部よりも外側に位置するので、第1信号端子から外部への電磁ノイズの広がりが抑制され、信号端子のシールド性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は本発明の実施形態に係る多極コネクタ101の斜視図である。
【
図2】
図2は多極コネクタ101の分解斜視図である。
【
図4】
図4は本発明の実施形態に係る多極コネクタ201の斜視図である。
【
図5】
図5は多極コネクタ201の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は本発明の実施形態に係る多極コネクタ101の斜視図である。
図2は多極コネクタ101の分解斜視図である。また、
図3は多極コネクタ101の平面図である。
【0010】
多極コネクタ101は、第1信号端子11、第2信号端子12、第1グランド端子13、第2グランド端子14、絶縁部材10、及び外部端子15を備える。絶縁部材10は、第1信号端子11、第2信号端子12、第1グランド端子13及び第2グランド端子14を保持する。例えば、第1信号端子11及び第2信号端子12は絶縁部材10と一体成型し、第1グランド端子13及び第2グランド端子14は絶縁部材10にはめ込んで成型している。絶縁部材10は、4辺を有する枠状部と、この枠状部の中央部に形成される突出部10Pを備える。絶縁部材10は、枠状部を備えることにより開口を有する。外部端子15は絶縁部材10の外縁に沿って配置されている。絶縁部材10の突出部10Pは、外部端子15の配置領域の中央と重なり、後述するZ軸方向に突出する。
【0011】
第1信号端子11、第2信号端子12及び第1グランド端子13は、
図1に示すX軸に平行方向に並んで配置されている。第1グランド端子13は第1信号端子11と第2信号端子12との間に位置する。本実施形態では、複数本の第1グランド端子13が設けられている。ただし、1本の第1グランド端子13が設けられていてもよい。第1信号端子11、第2信号端子12及び第1グランド端子13は、
図1に示すY軸に平行方向に延びている。第1信号端子11及び第2信号端子12のY軸方向の長さは、第1グランド端子13のY軸方向の長さよりも短い。第2グランド端子14は第1グランド端子13から離間し、X軸に平行方向に並んで配置されている。つまり、第1グランド端子13と第2グランド端子14とは、互いに異なる列に配列されている。ここで、「X軸に平行方向」は本発明に係る「第1方向」に相当し、「Y軸に平行方向」は本発明に係る「第2方向」に相当する。Y軸方向の長さとは、Z軸に平行方向から視て、Y軸方向の両端に位置する部分のY軸方向における間隔を意味する。
【0012】
第1信号端子11の一方端は、回路基板上の実装電極に接続されることで実装される実装部11Mであり、第2信号端子12の一方端は、回路基板上の実装電極に接続されることで実装される実装部12Mである。また、第1グランド端子13の一方端は、回路基板上の実装電極に接続されることで実装される実装部13Mである。実装部11M,12M,13Mのそれぞれは、Z軸に平行方向から視て、第1信号端子11、第2信号端子12及び第1グランド端子13の内の半田等の導電性接合材と重なる部分である。
【0013】
図1においてZ軸に平行方向から視て、第1信号端子11の実装部11Mは外部端子15の配置領域内にある。また、第1信号端子11の実装部11Mは、Z軸に平行な方向から視て、絶縁部材10の開口から露出している。第2信号端子12の実装部12Mは、Z軸に平行な方向から視て、絶縁部材10の開口から露出している。また、Z軸に平行方向から視て、第1グランド端子13の実装部13Mは第1信号端子11の実装部11M及び第2信号端子12の実装部12Mよりも外側に位置する。さらに、第1信号端子11の実装部11M及び第2信号端子12の実装部12Mは、Y軸に平行方向から視て外部端子15に重なる。ここで、「Z軸に平行方向」は本発明に係る「第3方向」に相当する。
【0014】
第1信号端子11、第2信号端子12及び第1グランド端子13の他端は、絶縁部材10の突出部10Pに保持されている。
【0015】
図3に表れているように、外部端子15には、後に示す多極コネクタ201が係合する6つの係合突起15Pが形成されている。また、
図2に示すように、外部端子15は概略的には矩形の枠状を成しているが、部分的に切欠部15Nが形成されている。この切欠部15Nは、
図3に示すように、Z軸に平行方向に視て、第1グランド端子13及び第2グランド端子14を露出させる。また、第1信号端子11の実装部11Mは、Z軸に平行方向から視て、外部端子15の係合突起15Pよりも内側に位置する。
【0016】
本実施形態において、第1信号端子11及び第2信号端子12は独立した不平衡信号伝搬路の一部として用いられる。つまり、多極コネクタ101と、後に示す多極コネクタ201とで、2本の信号線を不平衡接続する。または、第1信号端子11及び第2信号端子12は、平衡信号の伝搬路の一部として用いられる。つまり、多極コネクタ101と、後に示す多極コネクタ201とで、平衡接続する。用いる信号周波数帯は、例えば数10MHz以上数10GHz以下である。
【0017】
図1に表れているように、第1信号端子11は接触部11Cを有する。この接触部11Cは、第1信号端子11が絶縁部材10に保持された状態で、突出部10Pの側部に沿って配置される部分である。同様に、第2信号端子12は接触部12Cを有する。この接触部12Cは、第2信号端子12が絶縁部材10に保持された状態で、突出部10Pの側部に沿って配置される部分である。また、第1グランド端子13は接触部13Cを有する。この接触部13Cは、第1グランド端子13が絶縁部材10に保持された状態で、突出部10Pの側部に沿って配置される部分である。なお、
図3に表れているように、第1グランド端子13の接触部13Cは、絶縁部材10の枠部の側部に沿った位置にも配置されている。接触部11Cと接触部12Cは、接触部13Cよりも内側に位置する。
図3に表れているように、第2グランド端子14は接触部14Cを有する。この接触部14Cは、第2グランド端子14が絶縁部材10に保持された状態で、突出部10Pの側部に沿って配置される部分及び絶縁部材10の枠部の側部に沿って配置される部分である。
【0018】
本実施形態の多極コネクタ101によれば、第1信号端子11の全体及び第2信号端子12の全体が外部端子15の内部に配置されるので、第1信号端子11及び第2信号端子12から外部への電磁ノイズの広がりが抑制され、信号端子11,12のシールド性が高い。さらに、第1グランド端子13の実装部13Mが第1信号端子11の実装部11M及び第2信号端子12の実装部12Mよりも外側に位置するので、それによっても、第1信号端子11及び第2信号端子12のシールド性は高い。
【0019】
また、本実施形態の多極コネクタ101によれば、第1グランド端子13が第1信号端子11と第2信号端子12との間に配置されているので、つまり、第1信号端子11と第2信号端子12との間隔が広く、さらに、その間にグランド電位の第1グランド端子13が介在するので、第1信号端子11と第2信号端子12とのアイソレーションが高い。これにより、第1信号端子11と第2信号端子12との不要結合が抑制され、信号漏洩や信号重畳が抑制される。
【0020】
また、本実施形態の多極コネクタ101によれば、複数の第1グランド端子13から離間し、X軸に平行方向に並んで配置された複数の第2グランド端子14を有するので、第1信号端子11及び第2信号端子12が第2グランド端子14によっても部分的に囲まれる。これにより、第1信号端子11及び第2信号端子12のシールド性は高い。
【0021】
なお、第1グランド端子13と外部端子15とはいずれもグランド電位であるが、僅かながらも電位差が生じることがあり、その場合には、第1グランド端子13と外部端子15との間に生じる不要な寄生容量と第1グランド端子13のインダクタンスとで寄生共振が生じる。この寄生共振周波数が使用周波数帯内であると問題となる。本実施形態の多極コネクタ101によれば、外部端子15に部分的な切欠部15Nが形成されていて、第1グランド端子13と外部端子15との間に不要な寄生容量が生じないので、上記寄生共振が抑制される。
【0022】
また、本実施形態の多極コネクタ101によれば、第1信号端子11の実装部11Mは、Z軸に平行方向から視て、外部端子15の係合突起15Pよりも内側に位置する。これにより、第1信号端子11及び第2信号端子12から外部への電磁ノイズの広がりが抑制され、信号端子11,12のシールド性が高い。
【0023】
また、本実施形態の多極コネクタ101によれば、第1信号端子11及び第2信号端子12のY軸方向の長さは、第1グランド端子13のY軸方向の長さよりも短い。これにより、第1信号端子11及び第2信号端子12から外部への電磁ノイズの広がりが抑制され、信号端子11,12のシールド性が高い。また、第1信号端子11と第2信号端子12との間のアイソレーションが確保される。
【0024】
図4は本発明の実施形態に係る多極コネクタ201の斜視図である。
図5は多極コネクタ201の分解斜視図である。また、
図6は多極コネクタ201の平面図である。
図1、
図2、
図3に示した多極コネクタ101は多極レセプタクルとして用いられ、
図4、
図5、
図6に示す多極コネクタ201は多極プラグとして用いられる。そして、多極コネクタ101と多極コネクタ201とで多極コネクタセットが構成される。
【0025】
多極コネクタ201は、第1信号端子21、第2信号端子22、第1グランド端子23、第2グランド端子24、絶縁部材20、及び2つの外部端子25を備える。絶縁部材20は、第1信号端子21、第2信号端子22、第1グランド端子23及び第2グランド端子24を保持する。絶縁部材20は、4辺を有する枠状部と、この枠状部の中央部に形成される陥凹部20Rを備える。外部端子25は絶縁部材20の外縁に沿って配置されている。
【0026】
第1信号端子21、第2信号端子22及び第1グランド端子23は、
図3に示すX軸に平行方向に並んで配置されている。第1グランド端子23は第1信号端子21と第2信号端子22との間に位置する。第1信号端子21、第2信号端子22及び第1グランド端子23は、
図3に示すY軸に平行方向に延びている。ここで、「X軸に平行方向」は本発明に係る「第1方向」に相当し、「Y軸に平行方向」は本発明に係る「第2方向」に相当する。
【0027】
第1信号端子21の一方端は、回路基板上の実装電極に接続されることで実装される実装部21Mであり、第2信号端子22の一方端は、回路基板上の実装電極に接続されることで実装される実装部22Mである。第1グランド端子23の一方端は、回路基板上の実装電極に接続されることで実装される実装部23Mである。また、第2グランド端子24の一方端は、回路基板上の実装電極に接続されることで実装される実装部24Mである。
【0028】
Z軸に平行方向から視て、第1グランド端子23の実装部23Mは第1信号端子21の実装部21M及び第2信号端子22の実装部22Mよりも外側に位置する。ここで、「Z軸に平行方向」は本発明に係る「第3方向」に相当する。
【0029】
図6に表れているように、外部端子25には、
図3に示した多極コネクタ101の係合突起15Pが係合する係合部25Eが形成されている。
【0030】
上記多極レセプタクルとしての多極コネクタ101の突出部10Pに、多極プラグとしての多極コネクタ201の陥凹部20Rを嵌合させることによって、多極コネクタ101の係合突起15Pが多極コネクタ201の係合部25Eに係合する状態で固定される。
【0031】
このように、多極コネクタ101の突出部10Pに多極コネクタ201の陥凹部20Rを嵌合させた状態で、多極コネクタ201の第1信号端子21の接触部21Cは多極コネクタ101の第1信号端子11の接触部11Cに接触する。同様に、多極コネクタ201の第2信号端子22の接触部22Cは多極コネクタ101の第2信号端子12の接触部12Cに接触する。また、多極コネクタ201の第1グランド端子23の接触部23Cは多極コネクタ101の第1グランド端子13の接触部13Cに接触する。同様に、多極コネクタ201の第2グランド端子24の接触部24Cは多極コネクタ101の第2グランド端子14の接触部14Cに接触する。
【0032】
本実施形態の多極コネクタ201によれば、第1信号端子21の大部分及び第2信号端子22の大部分が外部端子25の内部に配置されるので、第1信号端子21及び第2信号端子22から外部への電磁ノイズの広がりが抑制され、信号端子21,22のシールド性が高い。さらに、第1グランド端子23の実装部23Mが第1信号端子21の実装部21M及び第2信号端子22の実装部22Mよりも外側に位置するので、それによっても、第1信号端子21及び第2信号端子22のシールド性は高い。
【0033】
また、本実施形態の多極コネクタ201によれば、第1グランド端子23が第1信号端子21と第2信号端子22との間に配置されているので、つまり、第1信号端子21と第2信号端子22との間隔が広く、さらに、その間にグランド電位の第1グランド端子23が介在するので、第1信号端子21と第2信号端子22とのアイソレーションが高い。これにより、第1信号端子21と第2信号端子22との不要結合が抑制され、信号漏洩や信号重畳が抑制される。
【0034】
また、本実施形態の多極コネクタ201によれば、複数の第1グランド端子23から離間し、X軸に平行方向に並んで配置された複数の第2グランド端子24を有するので、第1信号端子21及び第2信号端子22が第2グランド端子24によっても部分的に囲まれるので、第1信号端子21及び第2信号端子22のシールド性は高い。
【0035】
なお、
図6においてZ軸に平行方向から視て、第1信号端子21の実装部21M、及び第2信号端子22の実装部22Mは外部端子25の配置領域内にあってもよい。つまり、2つの外部端子25で囲まれる矩形の範囲内に収まる位置に実装部21M,22Mが配置されてもよい。そのことで、多極コネクタ201についても、第1信号端子21の全体及び第2信号端子22の全体が外部端子の内部に配置されることになり、第1信号端子21及び第2信号端子22から外部への電磁ノイズの広がりが抑制され、信号端子21,22のシールド性が高まる。
【0036】
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形及び変更が適宜可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲内と均等の範囲内での実施形態からの変更が含まれる。
【符号の説明】
【0037】
10…絶縁部材
10P…突出部
11…第1信号端子
11C…第1信号端子の接触部
11M…第1信号端子の実装部
12…第2信号端子
12C…第2信号端子の接触部
12M…第2信号端子の実装部
13…第1グランド端子
13C…第1グランド端子の接触部
13M…第1グランド端子の実装部
14…第2グランド端子
14C…第2グランド端子の接触部
15…外部端子
15N…切欠部
15P…係合突起
20…絶縁部材
20R…陥凹部
21…第1信号端子
21C…第1信号端子の接触部
21M…第1信号端子の実装部
22…第2信号端子
22C…第2信号端子の接触部
22M…第2信号端子の実装部
23…第1グランド端子
23C…第1グランド端子の接触部
23M…第1グランド端子の実装部
24…第2グランド端子
24C…第2グランド端子の接触部
24M…第2グランド端子の実装部
25…外部端子
25E…係合部
101…多極コネクタ
201…多極コネクタ