(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】トランデューサ並びにこれを用いたアクチュエータ及びエネルギハーベスタ
(51)【国際特許分類】
H02K 33/16 20060101AFI20221115BHJP
H02K 41/03 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
H02K33/16 A
H02K41/03 A
(21)【出願番号】P 2020503507
(86)(22)【出願日】2019-02-26
(86)【国際出願番号】 JP2019007193
(87)【国際公開番号】W WO2019167913
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】P 2018034551
(32)【優先日】2018-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】304021417
【氏名又は名称】国立大学法人東京工業大学
(74)【代理人】
【識別番号】100115738
【氏名又は名称】鷲頭 光宏
(74)【代理人】
【識別番号】100121681
【氏名又は名称】緒方 和文
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健一
(72)【発明者】
【氏名】門田 祥悟
(72)【発明者】
【氏名】進士 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】吾妻 範栄
【審査官】池田 貴俊
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/126577(WO,A1)
【文献】特開2015-163004(JP,A)
【文献】特開2006-136154(JP,A)
【文献】特開2002-112526(JP,A)
【文献】国際公開第2015/165335(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 33/16
H02K 41/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向及び前記第1の方向と直交する第2の方向に延在する第1の平面に位置する磁極面がN極である複数の第1の磁石と、前記第1の平面に位置する磁極面がS極である複数の第2の磁石とを含む磁石構造体と、
前記磁石構造体の前記第1の平面と重なる第1及び第2の配線が形成された回路基板と、
前記磁石構造体と前記回路基板を相対的に前記第1の方向に滑動させる第1の滑動機構と、
前記磁石構造体と前記回路基板を相対的に前記第2の方向に滑動させる第2の滑動機構と、を備え、
前記磁石構造体は、前記第1の磁石と前記第2の磁石が前記第1の方向に交互に配列された第1の配列部分と、前記第1の磁石と前記第2の磁石が前記第2の方向に交互に配列された第2の配列部分とを含み、
前記第1の配線は、前記第1の配列部分に含まれる前記第1及び第2の磁石の少なくとも一部を前記第2の方向に横断し、
前記第2の配線は、前記第2の配列部分に含まれる前記第1及び第2の磁石の少なくとも一部を前記第1の方向に横断し、
前記磁石構造体と前記回路基板は、前記第1及び第2の滑動機構を挟んで、互いに磁気吸引されていることを特徴とするトランデューサ。
【請求項2】
前記第1の滑動機構は、前記第1の方向に転動自在な第1のマイクロボールを含み、
前記第2の滑動機構は、前記第2の方向に転動自在な第2のマイクロボールを含むことを特徴とする請求項1に記載のトランデューサ。
【請求項3】
前記第1の方向に延在する第1の案内溝と前記第2の方向に延在する第2の案内溝が形成された支持体をさらに備え、
前記第1のマイクロボールは前記第1の案内溝に沿って転動し、前記第2のマイクロボールは前記第2の案内溝に沿って転動することを特徴とする請求項2に記載のトランデューサ。
【請求項4】
前記磁石構造体又はこれに固定された支持体には、前記第1の方向に延在する第3の案内溝が形成され、
前記回路基板又はこれに固定された支持体には、前記第2の方向に延在する第4の案内溝が形成され、
前記第1のマイクロボールは前記第1及び第3の案内溝に沿って転動し、前記第2のマイクロボールは前記第2及び第4の案内溝に沿って転動することを特徴とする請求項3に記載のトランデューサ。
【請求項5】
前記回路基板に固定された軟磁性体をさらに備え、
前記磁石構造体と前記回路基板は、前記磁石構造体と前記軟磁性体との間に作用する磁気吸引力によって互いに吸引されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のトランデューサ。
【請求項6】
前記回路基板は、前記第1の平面と平行な第2及び第3の平面を有し、
前記第1の配線は前記第2の平面に形成され、前記第2の配線は前記第3の平面に形成され、
前記第1の平面と前記第3の平面の距離は、前記第1の平面と前記第2の平面の距離よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のトランデューサ。
【請求項7】
前記第2及び第3の平面は、前記回路基板の表裏であることを特徴とする請求項6に記載のトランデューサ。
【請求項8】
前記第1の滑動機構は、前記磁石構造体及び前記第2の滑動機構を前記回路基板に対して相対的に前記第1の方向に滑動させ、
前記第2の滑動機構は、前記第1の滑動機構を前記回路基板に対して相対的に前記第2の方向に滑動させることなく、前記磁石構造体を前記回路基板に対して相対的に前記第2の方向に滑動させることを特徴とする請求項6又は7に記載のトランデューサ。
【請求項9】
前記第1の配線よりも前記第2の配線の方が、導体厚が大きいことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のトランデューサ。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載のトランデューサと、前記第1及び第2の配線に駆動電流を供給する駆動回路とを備えることを特徴とするアクチュエータ。
【請求項11】
前記駆動回路が前記第1の配線に供給する単位滑動量当たりの駆動電流よりも、前記駆動回路が前記第2の配線に供給する単位滑動量当たりの駆動電流の方が大きいことを特徴とする請求項10に記載のアクチュエータ。
【請求項12】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載のトランデューサと、前記第1及び第2の配線に流れる誘導電流に基づいて出力電圧を生成する整流変圧回路とを備えることを特徴とするエネルギーハーベスタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電磁誘導デバイスであるトランデューサに関し、特に、2次元的な動作が可能なアクチュエータ又はエネルギハーベスタとして利用できるトランデューサに関する。
【背景技術】
【0002】
電磁力を用いたアクチュエータとしては、1軸方向に往復運動可能なものが一般的であるが、特許文献1には、磁石をマトリクス状に配列することによって2次元的な動作を可能としたアクチュエータが記載されている。特許文献1に記載されたアクチュエータは、1個の磁石に対して4個のコイルを割り当て、これらのコイルに流す電流の向きを制御することによって2次元的な動作を実現している。
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載されたアクチュエータは、1個の磁石に対して4個のコイルを割り当てていることから、小型化することが困難であるという問題がある。特に、駆動平面に対して垂直な厚さ方向におけるサイズを縮小することは困難であり、携帯型デバイスのように低背化が求められる用途には不向きである。
【0004】
低背化が可能なアクチュエータとしては、非特許文献1に記載されたリニアモータが知られている。しかしながら、非特許文献1に記載されたリニアモータは、1軸方向に往復運動するだけであり、2次元的な動作はできない。
【0005】
これに対し、特許文献2に記載されたアクチュエータは、2次元的な動作が可能であり、且つ、低背であるという優れた特徴を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平11-196560号公報
【文献】国際公開第2017/126577号
【非特許文献】
【0007】
【文献】薄膜ネオジム磁石の交番着磁とそれを用いたMEMSリニアモータの試作(精密工学会誌, Vol. 79, No8, 2013, p773-p778)
【文献】市松模様微細着磁磁石を用いた2自由度マイクロ電磁アクチュエータ(第29回電磁力関連のダイナミクスシンポジウム 講演論文集, p411-p414, 2017年5月21日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2に記載されたアクチュエータは、回路基板と磁石構造体が互いに向かい合うように配置され、この状態で両者が相対的に2次元動作することが可能である。このような2次元動作をスムーズに行うためには、回路基板と磁石構造体を相対的にどのように滑動させるかが問題となる。この点に関し、非特許文献2には、シリコンをミアンダ状に加工した弾性ヒンジによって磁石構造体を支持する方法が提案されている。
【0009】
しかしながら、非特許文献2に記載された支持方法では、xy平面方向への変位量が不十分であるとともに、弾性ヒンジがz方向へ変形することから磁石構造体と回路基板との距離を一定に保つことができないという問題があった。
【0010】
また、アクチュエータは、外力を加えることにより微弱な発電を行うエネルギーハーベスタとして機能する。つまり、アクチュエータは、電気と力を相互に変換するトランデューサであると言える。しかしながら、特許文献2に記載されたアクチュエータをエネルギーハーベスタとして用いる場合においても、やはり、外力によって回路基板と磁石構造体を相対的にどのように滑動させるかが問題となる。
【0011】
したがって、本発明の目的は、磁石構造体と回路基板との距離を一定に保ちつつ、xy平面方向への変位量を十分に確保することが可能なトランデューサ並びにこれを用いたアクチュエータ及びエネルギハーベスタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によるトランデューサは、第1の方向及び第1の方向と直交する第2の方向に延在する第1の平面に位置する磁極面がN極である複数の第1の磁石と、第1の平面に位置する磁極面がS極である複数の第2の磁石とを含む磁石構造体と、磁石構造体の第1の平面と重なる第1及び第2の配線が形成された回路基板と、磁石構造体と回路基板を相対的に第1の方向に滑動させる第1の滑動機構と、磁石構造体と回路基板を相対的に第2の方向に滑動させる第2の滑動機構とを備え、磁石構造体は、第1の磁石と第2の磁石が第1の方向に交互に配列された第1の配列部分と、第1の磁石と第2の磁石が第2の方向に交互に配列された第2の配列部分とを含み、第1の配線は、第1の配列部分に含まれる第1及び第2の磁石の少なくとも一部を第2の方向に横断し、第2の配線は、第2の配列部分に含まれる第1及び第2の磁石の少なくとも一部を第1の方向に横断し、磁石構造体と回路基板は、第1及び第2の滑動機構を挟んで、互いに磁気吸引されていることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、第1及び第2の滑動機構を備えていることから、回路基板と磁石構造体の相対的な二次元動作をスムーズに行うことができるとともに、十分な変位量を確保することが可能となる。また、弾性ヒンジなどを用いないことから、z方向への変形も生じない。しかも、磁石構造体と回路基板が互いに磁気吸引されていることから、実使用時において各部材が分離することなく、一体化された状態を保持することが可能となる。
【0014】
本発明において、第1の滑動機構は第1の方向に転動自在な第1のマイクロボールを含み、第2の滑動機構は第2の方向に転動自在な第2のマイクロボールを含むものであっても構わない。これによれば、低背化を達成することができるとともに、磁気吸引による与圧によってマイクロボールが脱落することもない。
【0015】
本発明によるトランデューサは、第1の方向に延在する第1の案内溝と第2の方向に延在する第2の案内溝が形成された支持体をさらに備え、第1のマイクロボールは第1の案内溝に沿って転動し、第2のマイクロボールは第2の案内溝に沿って転動するものであっても構わない。これによれば、磁石構造体と回路基板の間に支持体を介在させることによって、スムーズな2次元的な動作を実現することが可能となる。
【0016】
本発明において、磁石構造体又はこれに固定された支持体には、第1の方向に延在する第3の案内溝が形成され、回路基板又はこれに固定された支持体には、第2の方向に延在する第4の案内溝が形成され、第1のマイクロボールは第1及び第3の案内溝に沿って転動し、第2のマイクロボールは第2及び第4の案内溝に沿って転動するものであっても構わない。これによれば、磁石構造体と支持体との間で第1の方向における一次元動作を行い、回路基板と支持体との間で第2の方向における一次元動作を行うことができる。
【0017】
本発明によるトランデューサは、回路基板に固定された軟磁性体をさらに備え、磁石構造体と回路基板は、磁石構造体と軟磁性体との間に作用する磁気吸引力によって互いに吸引されるものであっても構わない。これによれば、磁石構造体の他に永久磁石などを別途用いることなく、磁石構造体と回路基板を互いに磁気吸引させることが可能となる。
【0018】
本発明において、回路基板は、第1の平面と平行な第2及び第3の平面を有し、第1の配線は第2の平面に形成され、第2の配線は第3の平面に形成され、第1の平面と第3の平面の距離は、第1の平面と第2の平面の距離よりも大きくても構わない。これによれば、第1の配線の方が第2の配線よりも磁石構造体に近くなることから、第1の方向における駆動力が高められる。
【0019】
本発明において、第2及び第3の平面は、回路基板の表裏であっても構わない。これによれば、多層配線基板を用いることなく、第1及び第2の配線を回路基板上に形成することが可能となる。
【0020】
本発明において、第1の滑動機構は、磁石構造体及び第2の滑動機構を回路基板に対して相対的に第1の方向に滑動させ、第2の滑動機構は、第1の滑動機構を回路基板に対して相対的に第2の方向に滑動させることなく、磁石構造体を回路基板に対して相対的に第2の方向に滑動させるものであっても構わない。これによれば、第1の方向への駆動により大きな駆動力が必要となることから、第1の配線をより磁石構造体に近づけることにより、大きな駆動力を得ることが可能となる。
【0021】
本発明によるトランデューサは、第1及び第2の配線に駆動電流を供給する駆動回路をさらに備えるものであっても構わない。これによれば、本発明によるトランデューサをアクチュエータとして用いることが可能となる。この場合、駆動回路が第1の配線に供給する単位滑動量当たりの駆動電流よりも、駆動回路が第2の配線に供給する単位滑動量当たりの駆動電流の方が大きくても構わない。これによれば、磁石構造体からの距離が第1の配線に比べて第2の配線の方が遠く、このため第2の方向への駆動力が相対的に弱い場合であっても、第2の配線により多くの駆動電流を与えることによって、駆動力を増加させることが可能となる。
【0022】
本発明において、第1の配線よりも第2の配線の方が、導体厚が大きくても構わない。これによれば、本発明によるトランデューサをアクチュエータとして用いる場合、より大きな駆動電流の流れる第2の配線の配線抵抗を低下させることができるとともに、第1の配線の導体厚が薄いことから、磁石構造体と第2の配線との距離をより近づけることが可能となる。
【0023】
本発明によるトランデューサは、第1及び第2の配線に流れる誘導電流に基づいて出力電圧を生成する整流変圧回路をさらに備えるるものであっても構わない。これによれば、本発明によるトランデューサをエネルギーハーベスタとして用いることが可能となる。
【発明の効果】
【0024】
このように、本発明によるトランデューサは、2次元的な動作を案内する2つの滑動機構を備えていることから、磁石構造体と回路基板との距離を一定に保ちつつ、xy平面方向への変位量を十分に確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるトランデューサ100の構成を説明するための略断面図である。
【
図2】
図2は、トランデューサ100の略分解斜視図である。
【
図3】
図3は、磁石構造体10を第1の平面S1側から見た略平面図である。
【
図4】
図4は、回路基板20をy方向から見た断面図である。
【
図5】
図5は、変形例による回路基板20をy方向から見た断面図である。
【
図6】
図6は、第1の配線21を抜き出して示す平面図である。
【
図7】
図7は、第2の配線22を抜き出して示す平面図である。
【
図8】
図8は、第1の配線21に流れる電流が磁石構造体10に与える影響を説明するための図である。
【
図9】
図9は、第2の配線22に流れる電流が磁石構造体10に与える影響を説明するための図である。
【
図10】
図10は、磁石構造体10に与えられる外力によって第1の配線21に流れる誘導電流の方向を説明するための図である。
【
図11】
図11は、磁石構造体10に与えられる外力によって第2の配線22に流れる誘導電流の方向を説明するための図である。
【
図12】
図12は、支持体40の構成を説明するための略透視斜視図である。
【
図14】
図14は、支持体50の構成を説明するための略透視斜視図である。
【
図16】
図16は、支持体60の構成を説明するための略透視斜視図である。
【
図18】
図18は、トランデューサ100をアクチュエータとして用いる場合の駆動回路70の回路図である。
【
図19】
図19は、変形例による回路基板20をy方向から見た断面図である。
【
図20】
図20は、トランデューサ100をエネルギーハーベスタとして用いる場合に必要な回路を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるトランデューサ100の構成を説明するための略断面図である。また、
図2は、本実施形態によるトランデューサ100の略分解斜視図である。
【0028】
本実施形態によるトランデューサ100は、アクチュエータ又はエネルギーハーベスタとして用いることができる装置であり、
図1及び
図2に示すように、磁石構造体10と、磁石構造体10の第1の平面S1と向かい合う回路基板20と、回路基板20に固定された鋼板30と、支持体40,50,60と、マイクロボールB1,B2とを備えている。磁石構造体10は支持体40に固定され、回路基板20及び鋼板30は支持体60に固定されている。また、支持体50は、支持体40と支持体60の間に挟まれるように位置し、これにより、磁石構造体10と回路基板20のz方向における間隔が一定に保たれている。支持体50と支持体60の間には、x方向への移動を案内するマイクロボールB1が介在し、支持体50と支持体40の間には、y方向への移動を案内するマイクロボールB2が介在している。磁石構造体10と回路基板20は、磁石構造体10と鋼板30との間に作用する磁気吸引力AFによって互いに吸引されており、これにより、各部材が分離することなく、一体化された状態が保持される。尚、鋼板30の代わりに他の軟磁性体を用いても構わない。
【0029】
図3は、磁石構造体10を第1の平面S1側から見た略平面図である。
【0030】
図3に示すように、磁石構造体10は、x方向及びy方向にマトリクス状に配列された複数の第1及び第2の磁石11,12を備えている。磁石11,12は、ガラスや軟磁性体などからなる支持基板13上に設けられており、xy方向に延在する第1の平面S1に磁極面が位置している。尚、図面の見やすさを考慮して、
図3においては支持基板13が図示されていない。磁石構造体10を構成する磁石11,12のうち、第1の磁石11は第1の平面S1に位置する磁極面がN極であり、逆に、第2の磁石12は第1の平面S1に位置する磁極面がS極である。そして、これら第1の磁石11と第2の磁石12が市松模様にマトリクス配列されている。つまり、x方向に延在する各行は、第1の磁石11と第2の磁石12がx方向に交互に配列された第1の配列部分Lxを構成し、y方向に延在する各列は、第1の磁石11と第2の磁石12がy方向に交互に配列された第2の配列部分Lyを構成する。
【0031】
図3に示すように、本実施形態においては、隣接する第1の磁石11と第2の磁石12がスリットSLを介して分離しており、かかるスリットSLは支持基板13の表層に達している。但し、本発明においてこのようなスリットSLを設けることは必須でない。尚、スリットSLを形成しない場合、支持基板13は必ずしも必要ではない。
【0032】
図4は、回路基板20をy方向から見た断面図である。
【0033】
図4に示すように、回路基板20は、基板23と、基板23の一方の表面24に形成された第1の配線21と、基板23の他方の表面25に形成された第2の配線22とを備えている。表面24は第2の平面S2を構成し、表面25は第3の平面S3を構成している。第2及び第3の平面S2,S3は、磁石構造体10の第1の平面S1と重なるxy面であり、第2の平面S2の方が第3の平面S3よりも第1の平面S1に近い。つまり、磁石構造体10と基板23の表面24が互いに向かい合うように配置される。このように、第1の配線21と第2の配線22を基板23の表裏に形成すれば、多層配線基板などを使用する必要がない。
【0034】
但し、第1の配線21と第2の配線22を基板23の表裏に形成することは必須でなく、
図5に示す変形例による回路基板20のように、基板23の表面24に絶縁膜26を介して第1の配線21と第2の配線22を積層しても構わない。この場合、第2の平面S2と第3の平面S3の距離が近くなることから、磁石構造体10と第1の配線21のz方向における距離と、磁石構造体10と第2の配線22のz方向における距離の差を縮小することが可能となる。
【0035】
図6は、第1の配線21を抜き出して示す平面図である。
図6においては、磁石構造体10との平面的な位置関係を明確にすべく、第1及び第2の磁石11,12の位置についても表示されている。
【0036】
図6に示すように、第1の配線21は、一筆書き可能な1本の配線であり、ミアンダ状に蛇行する平面形状を有している。より具体的に説明すると、第1の配線21は、第1の磁石11をy方向に横断する第1の配線部分21y
1と、第2の磁石12をy方向に横断する第2の配線部分21y
2と、両者を接続するようx方向に延在する接続部分21xとを含んでいる。
【0037】
かかる構成により、第1の配線21に電流を流すと、第1の配線部分21y
1と第2の配線部分21y
2には、互いに逆方向の電流が流れる。
図6に示す例では、第1の配線21の一端Aから他端Bに向かって電流を流すと、第1の配線部分21y
1には下方向(-y方向)に電流が流れ、第2の配線部分21y
2には上方向(+y方向)に電流が流れることになる。
【0038】
図7は、第2の配線22を抜き出して示す平面図である。
図7においては、磁石構造体10との平面的な位置関係を明確にすべく、第1及び第2の磁石11,12の位置についても表示されている。
【0039】
図7に示すように、第2の配線22は、一筆書き可能な1本の配線であり、ミアンダ状に蛇行する平面形状を有している。より具体的に説明すると、第2の配線22は、第1の磁石11をx方向に横断する第3の配線部分22x
1と、第2の磁石12をx方向に横断する第4の配線部分22x
2と、両者を接続するようy方向に延在する接続部分22yとを含んでいる。
【0040】
かかる構成により、第2の配線22に電流を流すと、第3の配線部分22x
1と第4の配線部分22x
2には、互いに逆方向の電流が流れる。
図7に示す例では、第2の配線22の一端Cから他端Dに向かって電流を流すと、第3の配線部分22x
1には右方向(+x方向)に電流が流れ、第4の配線部分22x
2には左方向(-x方向)に電流が流れることになる。
【0041】
図8は、第1の配線21に流れる電流が磁石構造体10に与える影響を説明するための図である。
【0042】
図8に示すように、第1の配線21に電流I1又はI2が流れると、磁石構造体10と第1の配線21との間にはx方向のローレンツ力F
L1又はF
L2が働く。
【0043】
具体的には、第1の配線21に電流I1が流れた場合、第1の磁石11に対しては電流の方向が下方向(-y方向)であることから、第1の配線21には右方向(+x方向)のローレンツ力FL1が作用する。一方、第2の磁石12に対しては電流の方向が上方向(+y方向)であることから、第1の配線21には右方向(+x方向)のローレンツ力FL1が作用する。つまり、第1及び第2の磁石11,12のいずれに対しても、第1の配線21には右方向(+x方向)のローレンツ力FL1が作用することになる。
【0044】
逆に、第1の配線21に電流I2が流れた場合、第1の磁石11に対しては電流の方向が上方向(+y方向)であることから、第1の配線21には左方向(-x方向)のローレンツ力FL2が作用する。一方、第2の磁石12に対しては電流の方向が下方向(-y方向)であることから、第1の配線21には左方向(-x方向)のローレンツ力FL2が作用する。つまり、第1及び第2の磁石11,12のいずれに対しても、第1の配線21には左方向(-x方向)のローレンツ力FL2が作用することになる。
【0045】
したがって、本実施形態によるトランデューサ100をアクチュエータとして用いる場合、電流I1又はI2を流すことにより、磁石構造体10と回路基板20のx方向における相対的な位置関係を変化させることができる。変化の大きさ及び速度は、電流I1又はI2によって制御することができる。
【0046】
図9は、第2の配線22に流れる電流が磁石構造体10に与える影響を説明するための図である。
【0047】
図9に示すように、第2の配線22に電流I3又はI4が流れると、磁石構造体10と第2の配線22との間にはy方向のローレンツ力F
L3又はF
L4が働く。
【0048】
具体的には、第2の配線22に電流I3が流れた場合、第1の磁石11に対しては電流の方向が右方向(+x方向)であることから、第2の配線22には上方向(+y方向)のローレンツ力FL3が作用する。一方、第2の磁石12に対しては電流の方向が左方向(-x方向)であることから、第2の配線22には上方向(+y方向)のローレンツ力FL3が作用する。つまり、第1及び第2の磁石11,12のいずれに対しても、第2の配線22には上方向(+y方向)のローレンツ力FL3が作用することになる。
【0049】
逆に、第2の配線22に電流I4が流れた場合、第1の磁石11に対しては電流の方向が左方向(-x方向)であることから、第2の配線22には下方向(-y方向)のローレンツ力FL4が作用する。一方、第2の磁石12に対しては電流の方向が右方向(+x方向)であることから、第2の配線22には下方向(-y方向)のローレンツ力FL4が作用する。つまり、第1及び第2の磁石11,12のいずれに対しても、第2の配線22には下方向(-y方向)のローレンツ力FL4が作用することになる。
【0050】
したがって、本実施形態によるトランデューサ100をアクチュエータとして用いる場合、電流I3又はI4を流すことにより、磁石構造体10と回路基板20のy方向における相対的な位置関係を変化させることができる。変化の大きさ及び速度は、電流I3又はI4によって制御することができる。
【0051】
このように、本実施形態によるトランデューサ100をアクチュエータとして用いる場合、第1の配線21に電流I1又はI2を流すことによって磁石構造体10と回路基板20のx方向における相対的な位置関係を変化させることができ、第2の配線22に電流I3又はI4を流すことによって磁石構造体10と回路基板20のy方向における相対的な位置関係を変化させることができることから、電流I1~I4によって磁石構造体10と回路基板20の平面的な位置関係を変化させることができる。つまり、磁石構造体10と回路基板20を相対的に2次元動作させることが可能となる。
【0052】
一方、外力が作用することによって、磁石構造体10と回路基板20の相対的な位置が変化すると、第1及び第2の配線21,22には誘導電流が発生する。したがって、本実施形態によるトランデューサ100は、エネルギーハーベスタとして用いることができる。具体的には、
図10に示すように、外力F
E1が作用すると第1の配線21に電流I1が流れ、外力F
E2が作用すると第1の配線21に電流I2が流れる。また、
図11に示すように、外力F
E3が作用すると第2の配線22に電流I3が流れ、外力F
E4が作用すると21の配線22に電流I4が流れる。このように、外力による磁石構造体10と回路基板20の相対的な2次元動作によって、誘導電流を発生させることが可能となる。
【0053】
ここで、磁石構造体10と回路基板20のx方向における相対的な移動は、
図1に示すマイクロボールB1の転動によって案内され、磁石構造体10と回路基板20のy方向における相対的な移動は、
図1に示すマイクロボールB2の転動によって案内される。
【0054】
図12は、支持体40の構成を説明するための略透視斜視図である。
【0055】
図12に示すように、支持体40は開口部40aを有する枠状体であり、開口部40aに磁石構造体10が固定される。支持体40は、z方向における一方側の表面41と他方側の表面42を有し、他方側の表面42には4つの案内溝G4が形成されている。拡大図である
図13に示すように、案内溝G4は、支持体40の角部近傍に配置されたV字型の溝であり、その延在方向はy方向である。
【0056】
図14は、支持体50の構成を説明するための略透視斜視図である。
【0057】
図14に示すように、支持体50は開口部50aを有する枠状体であり、トランデューサ100を組み立てると、開口部50aに磁石構造体10及び回路基板20が露出し、両者が互いに向かい合う。支持体50は、z方向における一方側の表面51と他方側の表面52を有し、一方側の表面51には4つの案内溝G2が形成され、他方側の表面52には4つの案内溝G1が形成されている。拡大図である
図15に示すように、案内溝G1,G2はいずれも支持体50の角部近傍に配置されたV字型の溝であり、案内溝G1はx方向に延在し、案内溝G2はy方向に延在している。そして、支持体40と支持体50を重ねると、z方向から見て案内溝G4と案内溝G2が互いに重なり、これら案内溝G4,G2にマイクロボールB2が挟み込まれる。これにより、マイクロボールB2は案内溝G4,G2に沿ってy方向に転動自在となり、支持体40と支持体50を相対的にy方向に滑動させる滑動機構が構成される。
【0058】
図16は、支持体60の構成を説明するための略透視斜視図である。
【0059】
図16に示すように、支持体60は板状体であり、その一方側の表面61に回路基板20が固定され、他方側の表面62に鋼板30が固定される。さらに、支持体60の一方側の表面61には4つの案内溝G3が形成されている。拡大図である
図17に示すように、案内溝G3は支持体60の角部近傍に配置されたV字型の溝であり、その延在方向はx方向である。そして、支持体50と支持体60を重ねると、z方向から見て案内溝G1と案内溝G3が互いに重なり、これら案内溝G1,G3にはマイクロボールB1が挟み込まれる。これにより、マイクロボールB1は案内溝G1,G3に沿ってx方向に転動自在となり、支持体50と支持体60を相対的にx方向に滑動させる滑動機構が構成される。
【0060】
したがって、マイクロボールB1,B2を介して支持体40,50,60を重ねることによりトランデューサ100を組み立てると、磁石構造体10と回路基板20は、相対的にxy方向に滑動自在となる。つまり、磁石構造体10と回路基板20のz方向における間隔を一定に保ったまま、x方向における相対的な動きは案内溝G1,G3に沿ったマイクロボールB1の転動によって案内され、y方向における相対的な動きは案内溝G2,G4に沿ったマイクロボールB2の転動によって案内されるため、スムーズな2次元動作が可能となる。また、変位量は、案内溝G1~G4の長さによって決まることから、十分な変位量を確保することも可能となる。
【0061】
本実施形態によるトランデューサ100は、支持体40又は支持体60を機器の筐体に固定して使用することができる。例えば、支持体60を機器の筐体に固定すれば、配線21,22に電流を流すことにより、筐体に対して磁石構造体10を2次元的に駆動することが可能となる。この場合、例えば筐体に撮像素子を固定し、磁石構造体10に光学レンズを固定すれば、光学レンズを2次元的に駆動することによって手ぶれ補正を行うことも可能である。
【0062】
また、支持体60を筐体に固定する場合、磁石構造体10をx方向に滑動させる際には、磁石構造体10だけでなく支持体50についてもx方向に滑動させる必要があるのに対し、磁石構造体10をy方向に滑動させる際には、支持体50を滑動させることなく、磁石構造体10をy方向に滑動させれば足りる。このことは、x方向の滑動に必要な駆動力がy方向の滑動に必要な駆動力よりも大きいことを意味する。しかしながら、本実施形態においては、x方向への駆動力を生じさせる第1の配線21がより磁石構造体10に近い第2の平面S2に位置し、y方向への駆動力を生じさせる第2の配線22がより磁石構造体10から遠い第3の平面S3に位置していることから、単位電流量当たりの駆動力は、y方向よりもx方向の方が大きくなる。つまり、必要な駆動力が大きいx方向への滑動に寄与する第1の配線21を磁石構造体10に近い第2の平面S2に配置し、必要な駆動力が小さいy方向への滑動に寄与する第2の配線22を磁石構造体10から遠い第3の平面S3に配置することで、発生する駆動力と滑動に必要な駆動力のバランスを確保することが可能となる。
【0063】
図18は、本実施形態によるトランデューサ100をアクチュエータとして用いる場合の駆動回路70の回路図である。
【0064】
図18に示す駆動回路70は、制御信号CNTに基づいて駆動信号Dx,Dyを生成する制御回路71と、駆動信号Dxを駆動電流Ixに変換するアンプ72と、駆動信号Dyを駆動電流Iyに変換するアンプ73とを有している。制御信号CNTは、アクチュエータであるトランデューサ100の動作方向及び動作量を指示する信号であり、例えばアクチュエータであるトランデューサ100を手ぶれ補正機構として使用する場合には、加速度センサなどから供給される手ぶれ検出信号が該当する。制御回路71は、制御信号CNTに基づき、x方向への駆動量を示す駆動信号Dxと、y方向への駆動量を示す駆動信号Dyを生成し、これらをアンプ72,73にそれぞれ供給する。そして、アンプ72,73によって駆動信号Dx,Dyが駆動電流Ix
1,Iy
1に変換され、それぞれ第1及び第2の配線21,22に供給される。これにより、制御信号CNTに基づいて、磁石構造体10と回路基板20を相対的に2次元滑動させることが可能となる。
【0065】
単位滑動量当たりの駆動電流Ix1,Iy1は互いに同じであっても構わないが、y方向への滑動に寄与する第2の配線22が磁石構造体10から遠い第3の平面S3に配置されているため、基板23の厚さによっては、y方向への駆動力が不足する可能性がある。このような場合には、駆動信号Dxと駆動信号Dyのゲインに差を設け、単位滑動量当たりの駆動信号Dxの指示値よりも、単位滑動量当たりの駆動信号Dyの指示値が大きくなるよう、制御回路71を設計することによって、y方向への駆動力を増大させても構わない。或いは、制御回路71による駆動信号Dxと駆動信号Dyのゲインは一定とし、駆動信号Dxの単位指示値当たりの駆動電流Ix1よりも、駆動信号Dyの単位指示値当たりの駆動電流Iy1の方が大きくなるよう、アンプ72,73を設計しても構わない。
【0066】
これによれば、単位滑動量当たりの駆動電流Ix
1よりも単位滑動量当たりの駆動電流Iy
1の方が大きくなるため、磁石構造体10からの距離が遠いことによる駆動力の低下を補うことが可能となる。この場合、x方向の滑動に寄与する第1の配線21よりも、y方向の滑動に寄与する第2の配線22の方がより大きな電流が流れることから、
図19に示すように、第1の配線21の導体厚T1をより薄く設計し、第2の配線22の導体厚T2をより厚く設計しても構わない(T1<T2)。これによれば、より大きな電流が流れる第2の配線22の抵抗値を下げることができるとともに、第1の配線21の導体厚T1が薄いことから、磁石構造体10と第2の配線22の距離をより近づけることが可能となる。
【0067】
図20は、本実施形態によるトランデューサ100をエネルギーハーベスタとして用いる場合に必要な回路を示すブロック図である。
【0068】
本実施形態によるトランデューサ100をエネルギーハーベスタとして用いる場合、整流変圧回路80に誘導電流Ix2及びIy2を入力する。整流変圧回路80は、誘導電流Ix2及びIy2を整流し、出力電圧OUTを生成する。これにより、トランデューサ100に外力が作用すると、出力電圧OUTを得ることが可能となる。
【0069】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0070】
例えば、上記実施形態では、第1及び第2の磁石11,12の全てに第1及び第2の配線21,22が割り当てられているが、本発明においてこのような構成とすることは必須でない。したがって、第1の配線21については、第1の配列部分Lxを構成する第1の磁石11及び第2の磁石12の少なくとも一部をy方向に横断すれば足り、第2の配線22については、第2の配列部分Lyを構成する第1の磁石11及び第2の磁石12の少なくとも一部をx方向に横断すれば足りる。
【0071】
また、上記実施形態では、支持体40,60を用いているが、磁石構造体10自体に案内溝G4を設けることにより支持体40を省略しても構わないし、回路基板20自体に案内溝G3を設けることにより支持体60を省略しても構わない。
【0072】
また、上記実施形態では、x方向への滑動機構を構成するマイクロボールB1及び案内溝G1,G3を4セット用い、y方向への滑動機構を構成するマイクロボールB2及び案内溝G2,G4を4セット用いているが、これらの数については特に限定されない。
【符号の説明】
【0073】
10 磁石構造体
11 第1の磁石
12 第2の磁石
13 支持基板
20 回路基板
21 第1の配線
21x 接続部分
21y1 第1の配線部分
21y2 第2の配線部分
22 第2の配線
22x1 第3の配線部分
22x2 第4の配線部分
22y 接続部分
23 基板
24 基板の一方の表面
25 基板の他方の表面
26 絶縁膜
30 鋼板
40 支持体
40a 開口部
41 支持体の一方の表面
42 支持体の他方の表面
50 支持体
50a 開口部
51 支持体の一方の表面
52 支持体の他方の表面
60 支持体
61 支持体の一方の表面
62 支持体の一方の表面
70 駆動回路
71 制御回路
72,73 アンプ
80 整流変圧回路
100 トランデューサ
AF 磁気吸引力
B1,B2 マイクロボール
CNT 制御信号
Dx,Dy 駆動信号
FL1~FL4 ローレンツ力
FE1~FE4 外力
G1~G4 案内溝
I1~I4 電流
Ix1,Iy1 駆動電流
Ix2,Iy2 誘導電流
OUT 出力信号
S1 第1の平面
S2 第2の平面
S3 第3の平面
SL スリット