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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】製袋包装機
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/207 20120101AFI20221115BHJP
【FI】
B65B9/207
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2017030949
(22)【出願日】2017-02-22
(65)【公開番号】P2018135128
(43)【公開日】2018-08-30
【審査請求日】2020-01-21
【審判番号】
【審判請求日】2021-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】山本 晃
(72)【発明者】
【氏名】山根 雅行
(72)【発明者】
【氏名】毛利 久
【合議体】
【審判長】久保 克彦
【審判官】稲葉 大紀
【審判官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-27673(JP,A)
【文献】米国特許第3256673(US,A)
【文献】特開2017-19507(JP,A)
【文献】特開2007-302347(JP,A)
【文献】特開2006-341881(JP,A)
【文献】特開2010-89799(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/00- 9/24
B65B 51/00-51/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブ状の包材で袋を製造しつつ、前記袋を用いて物品を包装する製袋包装機であって、
前記包材を下方に搬送する搬送部と、
前記搬送部による前記包材の搬送方向に直交する横方向に前記包材をシールするシール部と、
前記シール部が前記包材をシールする前に、前記包材と接触しながら、前記搬送部によって下方に搬送される前記包材よりも速く下降することで、前記包材をしごくしごき部と、
を備え、
前記しごき部は、前記包材をしごく際に前記包材のうち前記シール部が前記包材を横シールする部分と接触する第1接触部材および第2接触部材を有し、
前記第1接触部材および前記第2接触部材は、材質および剛性互いに異なり、
前記第1接触部材および前記第2接触部材は、それぞれ、前記搬送方向および前記横方向の両方に直交する挟み込み方向に前記包材を挟み込む一対の部材であり、
前記第2接触部材は、前記搬送方向において、前記第1接触部材の上流側または下流側に配置されている、
製袋包装機。
【請求項2】
前記第2接触部材は、前記第1接触部材よりも、前記挟み込み方向の弾性率が低い、
請求項に記載の製袋包装機。
【請求項3】
前記しごき部が前記包材をしごいている間、前記第2接触部材の間の前記挟み込み方向の隙間は、前記第1接触部材の間の前記挟み込み方向の隙間よりも小さい、
請求項に記載の製袋包装機。
【請求項4】
前記第2接触部材は、前記物品を挟み込んだ場合に、前記物品の形状に合わせて弾性変形することができる、
請求項2または3に記載の製袋包装機。
【請求項5】
前記第2接触部材は、スポンジ、または、前記横方向に延びるように配置された弦巻バネである、
請求項2から4のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【請求項6】
前記第2接触部材は、前記搬送方向において、前記第1接触部材の下流側に配置されている、
請求項2から5のいずれか1項に記載の製袋包装機。
【請求項7】
前記物品は、内容物が包装された包装物である、
請求項1からのいずれか1項に記載の製袋包装機。
【請求項8】
前記搬送方向における前記シール部と前記しごき部との間の距離は、少なくとも、前記包装物の寸法の最大値と、前記包装物に包装されている前記内容物の寸法の最小値との差である、
請求項に記載の製袋包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューブ状の包材で袋を製造しつつ、その袋を用いて物品を包装する製袋包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、包材から袋を成形しつつ食品等の物品をその袋の中に充填して密閉包装する製袋包装機として、縦型のピロー製袋包装機が用いられている。この製袋包装機は、シート状のフィルムである包材をチューブ状に成形して、チューブ状の包材の重なり合った縦方向の縁を縦シール機構によりシールする。次に、製袋包装機は、横シール機構により包材を横方向にシールした後、包材の内部に物品を充填する。横シール機構は、一対のシールジョーで包材を挟み込んで、包材を横方向にシールする。次に、製袋包装機は、包材の内部に充填された物品の上方において、横シール機構により包材を横方向にシールする。次に、製袋包装機は、横シール機構により横シールされた部分を横方向にカッターで切断して、物品が充填された袋を包材から切り離す。製袋包装機は、上記の動作を繰り返し連続的に行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような製袋包装機では、横シール機構によって包材をシールする際に、包材と共に物品が一対のシールジョーに挟まれて噛み込まれることがある。そこで、物品の噛み込みによるシール不良の発生を抑制するために、従来、特許文献1(特開2008-174289号公報)に開示されているように、シールジョーの下方に配置されたしごき板が用いられている。しごき板は、包材を両側から挟み込む一対の板である。しごき板は、横シール機構によってシールされる前の包材を挟み込んで下方に向かってしごくことで、包材の内側に付着した物品を払い落として、物品の噛み込みによるシール不良の発生を抑制する。
【0004】
しかし、物品が、個包装された飴玉等のように、所定の内容物の包装物である場合、しごき板を用いても、当該包装物が一対のシールジョーに噛み込まれるおそれがある。なぜなら、一対のしごき板の間には通常1mm程度の隙間が形成されているので、その隙間に、包装物の包材が挟み込まれても、しごき板によって包装物の包材が払い落とされないおそれがあるからである。
【0005】
本発明の目的は、物品の噛み込みによるシール不良の発生を抑制することができる製袋包装機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る製袋包装機は、チューブ状の包材で袋を製造しつつ、その袋を用いて物品を包装する。この製袋包装機は、搬送部と、シール部と、しごき部とを備える。搬送部は、包材を下方に搬送する。シール部は、搬送部による包材の搬送方向に直交する横方向に包材をシールする。しごき部は、シール部が包材をシールする前に、包材と接触しながら、搬送部によって下方に搬送される包材よりも速く下降することで、包材をしごく。しごき部は、包材をしごく際に包材と接触する第1接触部材および第2接触部材を有する。第1接触部材および第2接触部材は、材質および剛性の少なくとも一方が互いに異なる。
【0007】
本発明に係る製袋包装機は、シール部が包材をシールする際における物品の噛み込みを抑制するためのしごき部を備える。しごき部は、包材の内側に付着した物品を下方にしごき落とすための第1接触部材および第2接触部材を有する。第1接触部材および第2接触部材は、材質および剛性の少なくとも一方が互いに異なる。そのため、第1接触部材および第2接触部材の一方によって物品がしごき落とされない場合でも、他方によって物品がしごき落とされる。従って、本発明に係る製袋包装機は、物品の噛み込みによるシール不良の発生を抑制することができる。
【0008】
また、本発明に係る製袋包装機では、第1接触部材および第2接触部材は、それぞれ、挟み込み方向に包材を挟み込む一対の部材であり、第2接触部材は、搬送方向において、第1接触部材の上流側または下流側に配置されていることが好ましい。挟み込み方向は、搬送方向および横方向の両方に直交する方向である。
【0009】
この場合、第1接触部材および第2接触部材は、包材の搬送方向に沿って配置されている。そのため、第1接触部材および第2接触部材の一方によって物品がしごき落とされれば、他方によって物品が噛み込まれることがない。
【0010】
また、本発明に係る製袋包装機では、第2接触部材は、第1接触部材よりも、挟み込み方向の弾性率が低いことが好ましい。
【0011】
この場合、第1接触部材によって物品が挟み込まれず物品がしごき落とされなくても、第2接触部材は、弾性変形することで物品を挟み込んでしごき落とすことができる。
【0012】
また、本発明に係る製袋包装機では、第2接触部材の間の挟み込み方向の隙間は、第1接触部材の間の挟み込み方向の隙間よりも小さいことが好ましい。
【0013】
この場合、第1接触部材によって物品が挟み込まれず物品がしごき落とされなくても、第2接触部材は、物品を挟み込んでしごき落とすことができる。
【0014】
また、本発明に係る製袋包装機では、第2接触部材は、物品を挟み込んだ場合に、物品の形状に合わせて弾性変形することができることが好ましい。
【0015】
この場合、第1接触部材によって物品が挟み込まれず物品がしごき落とされなくても、第2接触部材は、弾性変形することで物品を挟み込んでしごき落とすことができる。
【0016】
また、本発明に係る製袋包装機では、第2接触部材は、スポンジ、または、横方向に延びるように配置された弦巻バネであることが好ましい。
【0017】
この場合、第1接触部材によって物品が挟み込まれず物品がしごき落とされなくても、第2接触部材は、弾性変形することで物品を挟み込んでしごき落とすことができる。
【0018】
また、本発明に係る製袋包装機では、第2接触部材は、搬送方向において、第1接触部材の下流側に配置されていることが好ましい。
【0019】
この場合、第1接触部材によって物品が挟み込まれず物品がしごき落とされなくても、第2接触部材は、物品を挟み込んでしごき落とすことができる。
【0020】
また、本発明に係る製袋包装機では、物品は、内容物が包装された包装物であることが好ましい。
【0021】
この場合、第1接触部材および第2接触部材の一方によって、内容物が包装された包装物の包材がしごき落とされなくても、他方によって包装物の包材がしごき落とされる。
【0022】
また、本発明に係る製袋包装機では、搬送方向におけるシール部としごき部との間の距離は、少なくとも、包装物の寸法の最大値と、包装物に包装されている内容物の寸法の最小値との差であることが好ましい。
【0023】
この場合、シール部としごき部との間の距離が十分に確保されているので、内容物および包装物の位置および姿勢に関わらず、シール部によって包装物の包材が挟み込まれることが抑制される。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る製袋包装機は、物品の噛み込みによるシール不良の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態である製袋包装機1の斜視図である。
図2】製袋包装ユニット93の概略的な構成を示す斜視図である。
図3】横シール機構5を右側から見た側面図である。
図4図3のア-ア線に沿う矢視図である。
図5図3のイ-イ線に沿う部分切欠きの矢視図である。
図6】シールジョー11a,11bが対接した(閉じた)状態の横シール機構5の平面図である。
図7】シールジョー11a,11bが下死点まで降下した状態の横シール機構5の右側面図である。
図8】スプライン軸20と支持ユニット13との係合部を示す概略拡大縦断面図である。
図9】横シール機構5を右側から見た図である。
図10図9と同様の概略図であって、一対のシールジョー11a,11bおよび一対のしごき部材51,52に挟まれた筒状フィルムFを表す図である。
図11図10において、上側から下側に向かって視た第1板部材51aおよび第2板部材52aの概略図である。
図12図10のしごき部材51,52近傍の拡大図である。
図13図12と同様の側面図であって、変形例Aのしごき部材51,52近傍の拡大図である。
図14図12と同様の側面図であって、変形例Bのしごき部材51,52近傍の拡大図である。
図15】第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bの上面図である。
図16】変形例Dにおいて、物品Pの余り代を説明するための図である。
図17】変形例Eにおいて、しごき部材251,252を説明するための図である。
図18】変形例Fにおいて、しごき部材351a,351b,352a,352bを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明される実施形態は、本発明の具体例の一つであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0027】
(1)製袋包装機の構成
図1は、本発明の一実施形態である製袋包装機1の斜視図である。製袋包装機1は、食品等の物品を袋詰めするための機械である。製袋包装機1は、主として、組合せ計量ユニット92と、製袋包装ユニット93と、フィルム供給ユニット94とから構成される。
【0028】
組合せ計量ユニット92は、製袋包装ユニット93の上方に配置される。組合せ計量ユニット92は、物品の重量を複数の計量ホッパで計量し、所定の合計重量になるように各計量ホッパで計量された重量の値を組み合わせる。組合せ計量ユニット92は、組み合わせた所定の合計重量の物品を下方に排出して、製袋包装ユニット93に供給する。
【0029】
製袋包装ユニット93は、組合せ計量ユニット92から物品が供給されるタイミングに合わせて、物品を袋の中に入れて、袋をシールする。製袋包装ユニット93の詳細な構成および動作については後述する。
【0030】
フィルム供給ユニット94は、製袋包装ユニット93に隣接して設置され、袋に成形される包装用のフィルムを製袋包装ユニット93に供給する。フィルム供給ユニット94は、フィルムが巻かれたフィルムロールがセットされている。フィルムは、フィルムロールからフィルム供給ユニット94に繰り出される。
【0031】
製袋包装機1は、操作スイッチ95および液晶ディスプレイ96を備える。操作スイッチ95および液晶ディスプレイ96は、製袋包装機1本体の前面に取り付けられている。液晶ディスプレイ96は、操作スイッチ95の操作者が視認できる位置に配置されている、タッチパネル式のディスプレイである。操作スイッチ95および液晶ディスプレイ96は、製袋包装機1に対する指示、および、製袋包装機1に関する設定を受け付ける入力装置として機能する。液晶ディスプレイ96は、製袋包装機1に関する情報を表示する出力装置として機能する。
【0032】
製袋包装機1は、制御部(図示せず)を備える。制御部は、CPU、ROMおよびRAM等から構成されるコンピュータである。制御部は、組合せ計量ユニット92、製袋包装ユニット93、フィルム供給ユニット94、操作スイッチ95および液晶ディスプレイ96に接続されている。制御部は、操作スイッチ95および液晶ディスプレイ96からの入力に基づいて、組合せ計量ユニット92、製袋包装ユニット93およびフィルム供給ユニット94を制御し、液晶ディスプレイ96に各種の情報を出力する。
【0033】
(2)製袋包装ユニットの構成
図2は、製袋包装ユニット93の概略的な構成を示す斜視図である。以下の説明において、「前側」、「後側」、「上側」、「下側」、「左側」および「右側」からなる6つの方向を、図2に示されるように定義する。なお、他の図面においても、図2に示される各方向と対応する方向が示されている。
【0034】
製袋包装ユニット93は、主として、成形機構73と、プルダウンベルト機構74と、縦シール機構4と、横シール機構5とから構成される。成形機構73は、フィルム供給ユニット94から搬送されてくるシート状のフィルムFaを筒状に成形する。プルダウンベルト機構74は、筒状に成形されたフィルムFaを下方に搬送する。縦シール機構4は、筒状に成形されたフィルムFaの両端部の重なり部分を、搬送方向と平行な縦方向にシールして、筒状フィルムFを形成する。横シール機構5は、筒状フィルムFを、搬送方向と直交する横方向にシールして、上端部および下端部が横シールされた袋Xを形成する。
【0035】
(2-1)成形機構
成形機構73は、チューブ2とフォーマ2aとを有する。チューブ2は、上端および下端が開口している、円筒形状の部材である。チューブ2の上端の開口には、組合せ計量ユニット92から供給される物品Pが投入される。フォーマ2aは、チューブ2を取り囲むように配置されている。フィルム供給ユニット94のフィルムロールから繰り出されてきたフィルムFaは、チューブ2とフォーマ2aとの間の隙間を通過する際に、チューブ2に巻き付いて筒状に成形される。チューブ2およびフォーマ2aは、製造する袋Xの大きさに応じて取り替えることができる。
【0036】
(2-2)プルダウンベルト機構
プルダウンベルト機構74は、チューブ2に巻き付いたフィルムFaを吸着しながら下方に搬送する。プルダウンベルト機構74は、主として、プーリ3a,3aおよび一対のプルダウンベルト3,3を有する。一対のプルダウンベルト3,3は、図2に示されるように、チューブ2の左右両側においてチューブ2を挟むように配置され、筒状に成形されたフィルムFaを吸着する機構を有する。プルダウンベルト機構74は、プーリ3a,3aによって一対のプルダウンベルト3,3が回転駆動することで、筒状に成形されたフィルムFaを下方に搬送する。
【0037】
(2-3)縦シール機構
縦シール機構4は、筒状に成形されたフィルムFaを縦方向(図2では、上下方向)にシールする。縦シール機構4は、チューブ2の前側に配置される。縦シール機構4は、駆動機構(図示せず)によって、チューブ2に近づくように、あるいは、チューブ2から遠ざかるように前後方向に移動する。
【0038】
縦シール機構4がチューブ2に近づくように移動することで、チューブ2に巻き付いたフィルムFaの縦方向の重なり部分は、縦シール機構4とチューブ2との間に挟まれる。縦シール機構4は、フィルムFaの重なり部分を一定の圧力でチューブ2に押し付けながら加熱して、フィルムFaの重なり部分を縦方向にシールして、筒状フィルムFを形成する。縦シール機構4は、フィルムFaの重なり部分を加熱するヒータ、および、フィルムFaの重なり部分と接触するヒータベルト等を有している。
【0039】
(2-4)横シール機構
(2-4-1)全体構成
図3は、横シール機構5を右側から見た側面図である。筒状フィルムFは、チューブ2の左右両側に配置された一対のプルダウンベルト3,3(図3では右側のプルダウンベルトのみ図示される。)の駆動により下方に引き降ろされつつ、チューブ2の前側に配置された縦シール機構4により重なり合った両側縁部が縦シールされ、かつ、チューブ2の下方に配置された横シール機構5により2箇所で横シールされて袋Xとなる。2回の横シールの間において、チューブ2の上方から投入された物品Pが袋X内に充填される。袋Xは、横シール機構5に内蔵されたカッター(図示せず)により1つずつ切り離され、生産ラインの下流に運ばれる。
【0040】
製袋包装機1では、プルダウンベルト3,3、および、プルダウンベルト3,3を巻き掛けたプーリ3a,3a、および、プーリ3a,3aを矢印d,d方向に回転させるフィルム搬送用サーボモータ(図示せず)等によって、上下方向に延びる筒状フィルムFを縦方向(上下方向)に搬送する搬送手段が構成されている(図5参照)。
【0041】
図4に示されるように、横シール機構5は、前後一対のシールジョー11a,11bを備える。シールジョー11a,11bは、左右方向に水平に延び、それぞれベース12a,12bに取り付けられている。ベース12a,12bは、支持ユニット13によって、前後方向に水平かつ移動自在に支持されている。後側のジョーベース12bには、カッターが収容されている。
【0042】
支持ユニット13は、接続フレーム14で接続された左右一対の支持ブロック15,15を有する。前後方向に延びる支持ロッド16が、各ブロック15を摺動自在に貫通している。支持ロッド16,16の前端部には、前側のジョーベース12aが掛け渡され、支持ロッド16,16の後端部には、接続用のベース17が掛け渡されている。各支持ロッド16は、ブロック15から前側に向かって延設されたアーム部18で支えられて水平姿勢を保っている。後側のジョーベース12bは、アーム部18,18とブロック15,15との間において、支持ロッド16,16に摺動自在に嵌め合わされている。
【0043】
シールジョー11a,11bは、クランク機構により前後方向に往復移動する。具体的には、図5に示されるように、接続フレーム14の上面からスプライン軸20の上端部が上方に突出し、スプライン軸20の突出端部にクランク21が嵌合している。図4に示されるように、クランク21の一方の回転端部と接続用ベース17との間に、前側のシールジョー11aのためのリンク22aが備えられ、クランク21の他方の回転端部と後側のジョーベース12bとの間に、後側のシールジョー11bのためのリンク22bが備えられている。
【0044】
図4に示されるように、シールジョー11a,11bが互いに離間した状態から、スプライン軸20が矢印a方向に回転すると、クランク21も一体的に同方向aに回転する。この回転運動は、リンク22a,22bによって前後方向の直線運動に変換される。その後、前側のジョー用リンク22aは接続用ベース17を後方に押圧し、これにより、接続用ベース17と左右一対の支持ロッド16と前側ジョーベース12aとで構成される枠構造全体を後方に移動させ、前側のシールジョー11aを後方に水平移動させる。一方、後側のジョー用リンク22bは後側のジョーベース12bを前方に押圧し、これにより、後側のシールジョー11bを前方に水平移動させる。
【0045】
クランク21の回転中心から各リンク22a,22bの連結点までの距離は同じであり、かつ、リンク22a,22bの形状も同じである。よって、単一のスプライン軸20の回転により、前後一対のシールジョー11a,11bは、同時に、相互に逆方向に、同距離だけ移動する。その結果、図6に実線で示されるように、シールジョー11a,11bは筒状フィルムFを間に挟み込んで対接する(閉じる)。そして、この対接時に熱と圧力とによって筒状フィルムFを横方向(左右方向)に横シールする。
【0046】
この状態から、スプライン軸20が矢印b方向に回転すると、上述したものとは逆に、前側のシールジョー11aは前方に水平移動し、後側のシールジョー11bはこれと同時に同距離だけ後方に水平移動する。その結果、図4に示されるように、シールジョー11a,11bは相互に離間する(開く)。
【0047】
製袋包装機1では、クランク21およびリンク22a,22b等によって、シールジョー11a,11bを水平に移動させる(開閉させる)水平移動機構が構成されている。支持ユニット13は、水平移動機構とシールジョー11a,11bとを支持している。
【0048】
図5に示されるように、スプライン軸20は直立し、支持ユニット13の接続フレーム14を上下に貫通している。製袋包装機1の本体1aの前側に上下一対の水平ビーム42a,42bが架設され、下側のビーム42bの内面に軸受27が設けられて、軸受27によりスプライン軸20の下部が回転自在に支持されている。
【0049】
図3に示されるように、スプライン軸20の下端部にタイミングプーリ26が取り付けられ、タイミングプーリ26と、水平移動用(ジョー開閉用)サーボモータ23の出力軸に取り付けられたタイミングプーリ24との間に、タイミングベルト25が巻き掛けられている。すなわち、サーボモータ23の駆動によりスプライン軸20がa,b方向に回転し、シールジョー11a,11bが開閉する。サーボモータ23はブラケット(図示せず)等により包装機本体1aに据え付けられている。
【0050】
製袋包装機1では、水平移動機構とサーボモータ23とによって、一対のシールジョー11a,11bを水平方向に移動させて対接及び離間させる横移動手段が構成されている。
【0051】
図5に示されるように、上下の水平ビーム42a,42bには、取付ブロック43,43,44,44を介して左右一対のガイドロッド45,45が備えられている。各ガイドロッド45はスプライン軸20と平行に直立し、それぞれ支持ユニット13の支持ブロック15を上下に貫通している。これにより、支持ユニット13は、2本のガイドロッド45,45と1本のスプライン軸20とで3点支持されている。また、図4に示されるように、ガイドロッド45,45及びスプライン軸20が平面視で3角形の頂点に位置しているので、支持ユニット13は、面によって安定的に支持されている。
【0052】
支持ユニット13は、クランク-リンク機構によりロッド45,45及び軸20に沿って上下に往復移動する。具体的には、図5に示されるように、包装機本体1aから左右一対の縦壁36,36が立設されている。図4に示されるように、縦壁36,36間には、クランクシャフト35が回転自在に掛け渡されている。クランクシャフト35の両端には、クランクアーム37,37が取り付けられている。図3に示されるように、各クランクアーム37の回転端部には、中間リンク40の一端が連結されている。中間リンク40の他端は、揺動リンク39の長さ方向中ほどに連結されている。
【0053】
図5に示されるように、縦壁36,36間には、揺動支点用のシャフト38も回転自在に掛け渡されている。揺動支点用シャフト38の両端には、揺動リンク39,39の一端が取り付けられている。図3に示されるように、各揺動リンク39の揺動端部には、第2の中間リンク41を介して支持ユニット13の支持ブロック15が連結されている。
【0054】
包装機本体1aには、上下移動用(ジョー昇降用)サーボモータ31が据え付けられ、サーボモータ31の出力軸に取り付けられたタイミングプーリ32と、クランクシャフト35に取り付けられたタイミングプーリ34との間に、タイミングベルト33が巻き掛けられている。すなわち、サーボモータ31の駆動によりクランクシャフト35がc方向に回転し、支持ユニット13が上下移動する。その際、クランクアーム37の回転により、中間リンク40が上下に移動し、揺動リンク39を上下に揺動させる。揺動リンク39は、第2の中間リンク41で円弧運動と直線運動とのこじれを吸収しながら、支持ユニット13全体、さらにはシールジョー11a,11bおよび水平移動機構等を上下に往復移動させる。
【0055】
図3は、支持ユニット13が上死点にある状態を示し、図7は、下死点にある状態を示す。なお、詳しくは図示されていないが、上死点では、シールジョー11a,11bは、すぐに横シールが開始するのでやや閉じ気味である。また、下死点では、シールジョー11a,11bは、すでに横シールが終了しているのでやや開き気味である。
【0056】
製袋包装機1では、クランクアーム37および複数のリンク39~41等によって、支持ユニット13を上下に移動させる(昇降させる)上下移動機構が構成されている。上下移動機構とサーボモータ31とによって、一対のシールジョー11a,11bを筒状フィルムFの搬送方向に沿う縦方向に移動させる縦移動手段が構成されている。
【0057】
なお、スプライン軸20と、支持ユニット13の接続フレーム14との係合部(図5では符号Aで示される。)には、周知のボールスプラインが用いられている。すなわち、図8にやや詳しく示されているように、クランク21は、ボールスプライン81と直接つながることで、スプライン軸20の回転が伝達される。スプライン軸20と接続フレーム14との間には、クロスローラベアリング82と外側ハウジング83とが存在し、スプライン軸20と接続フレーム14とは直接接触していない。つまり、接続フレーム14には、スプライン軸20の回転が伝達されない。ただし、スプライン軸20は、上下の直動方向にのみ摺動自在である。これにより、スプライン軸20は、水平移動機構への駆動力の伝達と、支持ユニット13の上下移動のガイドとを支障なく達成できる。
【0058】
製袋包装機1では、シールジョー11a,11bは、横移動手段によって対接又は離間(開閉)するように水平移動され、縦移動手段によって支持ユニット13と共に上下移動される。これにより、シールジョー11a,11bは、図3において符号S,Sで示される軌跡のように、側面視で四辺形ないし長円形の形状を含むボックスモーションを実行することができる。
【0059】
なお、製袋包装機1では、支持ユニット13の上下方向の移動を案内する一対のガイドロッド45,45が備えられる他に、水平移動機構を駆動させるために本来備えられているスプライン軸20が、一対のガイドロッド45,45と平行に支持ユニット13を上下に貫通することでガイドロッドとしても機能している。そのため、余分な部材を新設することなく、部材の共通化、部品点数の削減、構造の簡素化を達成しつつ、支持ユニット13を3点で、しかも面で支持することができ、支持ユニット13の姿勢の安定化ないし上下移動の円滑化が図られ、かつ、支持ユニット13及びシールジョー11a,11bの上下の高速運転が確保されている。
【0060】
(2-4-2)シールジョーの構成
次に、本実施形態のシールジョー11a,11bの詳細な構成について説明する。以下、必要に応じて、一対のシールジョー11a,11bを、それぞれ、第1シールジョー11aおよび第2シールジョー11bと呼ぶ。図9は、第1シールジョー11aおよび第2シールジョー11bを有する横シール機構5を右側から見た概略図である。図9には、シールジョー11a,11bに挟み込まれて横シールされる前の筒状フィルムFが示されている。図9において、筒状フィルムFは、下端が既に横シールされており、横シール機構5の下方において筒状フィルムFの内部には、組合せ計量ユニット92から排出された物品Pが充填されている。
【0061】
なお、本実施形態では、図9に示されるように、物品Pは、内容物Cが包材Mによって包装された包装物である。例えば、物品Pは、個包装された飴玉である。この場合、内容物Cは、1つの飴玉であり、包装物である物品Pは、包材Mで包装された1つの飴玉である。すなわち、製袋包装ユニット93によって製造された袋Xの内部には、複数の物品Pが充填され、包装物である各物品Pの内部には、内容物Cが封入されている。
【0062】
シールジョー11a,11bは、それぞれ、ジョーベース12a,12bに取り付けられている。第1シールジョー11aが取り付けられている前側のジョーベース12aには、第1しごき部材51がさらに取り付けられている。第2シールジョー11bが取り付けられている後側のジョーベース12bには、第2しごき部材52がさらに取り付けられている。以下、必要に応じて、第1しごき部材51および第2しごき部材52を、まとめてしごき部材51,52と呼ぶ。
【0063】
第1しごき部材51は、第1押圧部材51cを介して前側のジョーベース12aに取り付けられている。第2しごき部材52は、第2押圧部材52cを介して後側のジョーベース12bに取り付けられている。第1押圧部材51cは、前側においてジョーベース12aに固定され、後側において第1しごき部材51に取り付けられている。第2押圧部材52cは、後側においてジョーベース12bに固定され、前側において第2しごき部材52に取り付けられている。
【0064】
しごき部材51,52は、図9の紙面に垂直な方向(図2では、左右方向)に沿って延びるように配置される。第1しごき部材51および第2しごき部材52は、それぞれ、第1シールジョー11aおよび第2シールジョー11bの下方に配置される。しごき部材51,52は、それぞれ、シールジョー11a,11bと連動して移動する。そのため、第1しごき部材51および第2しごき部材52は、前後方向に沿って、互いに近接および離間するように移動する。
【0065】
図10は、図9と同様の概略図であって、一対のシールジョー11a,11bおよび一対のしごき部材51,52に挟まれた筒状フィルムFを表す図である。図10に示される状態から、一対のシールジョー11a,11bは、互いに1mm~5mmの間隔を空けながら下方(下側)に向かって移動する。このとき、シールジョー11a,11bと連動して移動するしごき部材51,52は、互いに1mm程度の間隔を空けながら下方(下側)に向かって移動して、シールジョー11a,11bによって横シールされる前の筒状フィルムFをしごく。これにより、しごき部材51,52は、筒状フィルムFの内側に付着した物品Pを下側に押し下げて払い落とすことにより、一対のシールジョー11a,11bが物品Pを挟み込むことによる物品Pの噛み込みを防止する。物品Pの噛み込みは、筒状フィルムFの横シール時におけるシール不良の原因となる。一対のシールジョー11a,11bは、しごき部材51,52によってしごかれた筒状フィルムFに熱および圧力を加えて、筒状フィルムFを横シールする。
【0066】
次に、しごき部材51,52の詳細な構成について説明する。第1しごき部材51は、第1板部材51aと第1弾性部材51bとから構成される。第2しごき部材52は、第2板部材52aと第2弾性部材52bとから構成される。第1板部材51aおよび第1弾性部材51bは、材質および剛性の少なくとも一方が互いに異なる部材である。第2板部材52aおよび第2弾性部材52bは、材質および剛性の少なくとも一方が互いに異なる部材である。
【0067】
本実施形態では、第1板部材51aおよび第2板部材52aは、同じ材質で成形され、かつ、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bは、同じ材質で成形されている。図11は、上側から下側に向かって視た第1板部材51aおよび第2板部材52aの概略図である。図11に示される第1板部材51aおよび第2板部材52aは、筒状フィルムFをしごき始める直前の状態を表す。図11には、第1押圧部材51cおよび第2押圧部材52cが示されている。
【0068】
第1板部材51aは、本体部155aと、突出部155bと、接触部155cとを有する。第2板部材52aは、第1板部材51aと同じ形状を有し、本体部155aと、突出部155bと、樹脂部155cとを有する。第2板部材52aは、第1板部材51aと同じ形状を有する。
【0069】
本体部155aは、しごき部材51,52が筒状フィルムFをしごいている間、筒状フィルムFに当たる部分である。本体部155aは、左右方向(横シールされる方向)に沿って延び、かつ、水平面に平行に配置される金属製の板である。第1板部材51aの本体部155aの左右方向に延びる端部は、第2板部材52aの本体部155aの左右方向に延びる端部と対向している。本体部155aの左右方向の寸法は、筒状フィルムFの左右方向の寸法よりも長い。図11に示されるように、第1押圧部材51cは、例えば、第1板部材51aの本体部155aの前側の左右方向に延びる端部の両端部に取り付けられるバネである。第2押圧部材52cは、例えば、第2板部材52aの本体部155aの後側の左右方向に延びる端部の両端部に取り付けられるバネである。
【0070】
突出部155bは、本体部155aの左右方向の一端において、前後方向に突出している部分である。第1板部材51aの突出部155bは、第2板部材52a(後側)に向かって突出し、第2板部材52aの突出部155bは、第1板部材51a(前側)に向かって突出している。
【0071】
接触部155cは、しごき部材51,52が筒状フィルムFをしごいている間に、突出部155bが当たる部分である。しごき部材51,52が筒状フィルムFをしごいている間、第1板部材51aの接触部155cは、第2板部材52aの突出部155bと当たり、第2板部材52aの接触部155cは、第1板部材51aの突出部155bと当たる。
【0072】
突出部155bは、しごき部材51,52が筒状フィルムFをしごいている間において、第1板部材51aの本体部155aと、第2板部材52aの本体部155aとの間の隙間(前後方向の間隔)を設けるための部材である。すなわち、後述するように、しごき部材51,52が筒状フィルムFをしごいている間、第1しごき部材51および第2しごき部材52は、第1押圧部材51cおよび第2押圧部材52cの弾性力によって、前後方向に互いに押し合っている。その際、一対のしごき部材51,52の一方の突出部155bが、他方の接触部155cと接触することで、第1板部材51aの本体部155aが、第2板部材52aの本体部155aと接触することが回避される。なお、突出部155bは、第1板部材51aの本体部155aと、第2板部材52aの本体部155aとの間の隙間が約1mmとなるように設計されている。接触部155cは、突出部155bと当たったときに生じる音を抑えるため、樹脂およびゴム等の弾性部材で覆われていることが好ましい。
【0073】
本実施形態では、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bは、同じ材質で成形され、かつ、同じ形状を有している。第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bは、第1板部材51aおよび第2板部材52aと比較して、前後方向の弾性率が低い材質で成形される。具体的には、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bは、スポンジで成形されている。図9において、第1弾性部材51bの先端は、第1板部材51aの先端(突出部155bの先端)よりも後側に突き出しており、第2弾性部材52bの先端は、第2板部材52aの先端(突出部155bの先端)よりも後側に突き出している。
【0074】
図9,10に示されるように、第1弾性部材51bは、第1板部材51aの下面に取り付けられ、第2弾性部材52bは、第2板部材52aの下面に取り付けられている。すなわち、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bは、筒状フィルムFの搬送方向において、第1板部材51aおよび第2板部材52aの下流側に設けられている。第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bの左右方向の寸法は、筒状フィルムFの左右方向の寸法よりも長い。
【0075】
第1しごき部材51の第1板部材51a、および、第2しごき部材52の第2板部材52aは、筒状フィルムFの内側に若干の隙間が開いている状態で、下方に向かって移動する。このとき、第1しごき部材51の第1弾性部材51b、および、第2しごき部材52の第2弾性部材52bは、筒状フィルムFの内側に隙間が存在しない状態で、下方に向かって移動する。すなわち、しごき部材51,52が筒状フィルムFを下方に向かってしごいている間、第1弾性部材51bと第2弾性部材52bとの間の隙間は、第1板部材51aと第2板部材52aとの間の隙間よりも小さい。また、しごき部材51,52が筒状フィルムFを下方に向かってしごいている間、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bは、前後方向に互いに押し合っている状態にあることが好ましい。この場合、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bは、前後方向の変形に伴う弾性エネルギーを保持している。
【0076】
(3)製袋包装機の動作
最初に、製袋包装機1が物品Pを袋Xに充填する動作の概略について説明する。フィルム供給ユニット94から成形機構73に供給されたフィルムFaは、チューブ2に巻き付けられて筒状に成形され、プルダウンベルト機構74によって下方に搬送される。このとき、チューブ2に巻き付けられた筒状のフィルムFaは、上下方向に延びる両端部が重ね合わせられている。筒状に成形されたフィルムFaの重なり部分は、縦シール機構4によって縦方向にシールされ、筒状フィルムFが形成される。
【0077】
縦シールされた筒状フィルムFは、チューブ2から抜けて、横シール機構5まで下方に搬送される。横シール機構5では、一対のシールジョー11a,11bが筒状フィルムFを前後方向に挟み込む。このとき、シールジョー11a,11bよりも下方において、一対のしごき部材51,52も筒状フィルムFを前後方向に挟み込む。しごき部材51,52よりも下方には、組合せ計量ユニット92から排出された物品Pが存在する。
【0078】
次に、筒状フィルムFを挟み込んでいる一対のシールジョー11a,11bおよび一対のしごき部材51,52が、下方に搬送される筒状フィルムFより速く下方に移動する。このとき、しごき部材51,52によって、筒状フィルムFが下方に向かってしごかれ、筒状フィルムFが横シールされる部分において、筒状フィルムFの内側表面に付着している物品Pが下方へ落下する。
【0079】
次に、しごき部材51,52によって筒状フィルムFがしごかれた部分において、一対のシールジョー11a,11bによって筒状フィルムFが横シールされる。この横シール動作によって、一対のシールジョー11a,11bの下方では、物品Pが封入された袋Xが形成される。この袋Xは、後続する筒状フィルムFと連結されている。図3に示されるように、一対のシールジョー11a,11bは、その軌跡の一部が矩形であるボックスモーションを行う。一対のシールジョー11a,11bのボックスモーションは、水平移動用サーボモータ23および上下移動用サーボモータ31の変速制御と、上下移動用サーボモータ31の正転および逆転の切替制御とによって行われる。
【0080】
なお、筒状フィルムFが横シールされている間、組合せ計量ユニット92で計量された物品Pがチューブ2内を落下して、一対のシールジョー11a,11bによって挟み込まれている部分より上方の筒状フィルムFの中に物品Pが投入される。
【0081】
次に、一対のシールジョー11a,11bによる横シールが完了すると、一対のシールジョー11a,11bおよび一対のしごき部材51,52が、前後方向に互いに離れる。
【0082】
次に、第2シールジョー11bが取り付けられるジョーベース12bに収容されているカッターによって、筒状フィルムFの横シールされた部分が横方向に切断される。これにより、物品Pが封入された袋Xは、後続の筒状フィルムFから切り離される。
【0083】
以上のようにして、物品Pが封入された袋Xは、連続的に製造される。製造された袋Xは、その後、ベルトコンベア(図示せず)によって導かれ、厚みチェッカーおよび重さチェッカー等の、後工程で使用される装置に移送される。
【0084】
(4)特徴
(4-1)
製袋包装機1は、横シール機構5が筒状フィルムFを横シールする際における物品Pの噛み込みを抑制するための一対のしごき部材51,52を備える。一対のしごき部材51,52は、それぞれ、筒状フィルムFの内側に付着した物品Pを下方にしごき落とすための部材を有する。具体的には、第1しごき部材51は、材質および剛性の少なくとも一方が互いに異なる第1板部材51aおよび第1弾性部材51bを有し、第2しごき部材52は、材質および剛性の少なくとも一方が互いに異なる第2板部材52aおよび第2弾性部材52bを有する。
【0085】
本実施形態では、第1板部材51aおよび第2板部材52aは、剛性が高い金属製である。そのため、第1板部材51aおよび第2板部材52aによって筒状フィルムFを挟み込んでしごく場合、物品Pの内容物C等、比較的厚みのある異物が筒状フィルムFの内側に付着している場合に、当該異物を効果的にしごき落とすことができる。
【0086】
一方、本実施形態では、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bは、剛性が低いスポンジで形成されている。第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bは、筒状フィルムFを互いに反対方向に押し付け合いながら、筒状フィルムFを下方に向かってしごく。そのため、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bによって筒状フィルムFを挟み込んでしごく場合、物品Pの包材M等、薄い異物が筒状フィルムFの内側に付着している場合に、当該異物を効果的にしごき落とすことができる。特に、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bは、第1板部材51aおよび第2板部材52aではしごき落とせない異物、具体的には、第1板部材51aと第2板部材52aとの間の間隔(約1mm)よりも小さい異物を効果的にしごき落とすことができる。
【0087】
製袋包装機1は、内容物Cが包材Mによって包装された物品Pの噛み込みの発生を効果的に抑制することができる。その理由について、図12を参照しながら説明する。図12は、図10のしごき部材51,52近傍の拡大図である。図12に示されるように、しごき部材51,52が筒状フィルムFを挟み込んでしごいている間、第1板部材51aおよび第2板部材52aは、前後方向において互いに1mm程度離れている。第1板部材51aと第2板部材52aとの間に形成される隙間によって、しごき部材51,52が筒状フィルムFをしごく際に、剛性の高い第1板部材51aおよび第2板部材52aによって筒状フィルムFが破損することが抑制される。しかし、この隙間によって、第1板部材51aおよび第2板部材52aに挟まれている筒状フィルムFの内部にも隙間が形成されている。そのため、この隙間に、物品Pの包材Mが入り込んだ場合、第1板部材51aおよび第2板部材52aは、包材Mを下方にしごき落とすことができないことがある。反対に、第1板部材51aおよび第2板部材52aは、この隙間より大きい物品Pの内容物C等を下方にしごき落とすことができる。
【0088】
しかし、図12に示されるように、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bは、スポンジであり前後方向に弾力性を有する。そのため、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bは、筒状フィルムFを前後方向に互いに押し付け合いつつ、筒状フィルムFを挟み込みながら下方にしごくことができる。このとき、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bに挟まれている筒状フィルムFの内部には、異物が存在しない限り隙間は形成されない。また、筒状フィルムFの内部に異物が存在しても、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bが筒状フィルムFをしごく際に、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bは、異物を前後方向に互いに押し付け合いつつ下方に移動するので、異物が下方に押しやられて最終的にしごき落とされる。そのため、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bは、筒状フィルムFの内側に付着している物品Pの包材Mもしごき落とすことができる。なお、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bは、容易に変形できるため、筒状フィルムFをしごく際に筒状フィルムFが破損することが抑制される。
【0089】
以上より、製袋包装機1では、一対のしごき部材51,52は、それぞれ、材質および剛性の少なくとも一方が互いに異なる2種類の部材から構成されるので、一方の部材(第1板部材51aおよび第2板部材52a)によってしごき落とされない異物を、他方の部材(第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52b)によってしごき落とすことができる。具体的には、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bが存在しない場合において、包材Mが、第1板部材51aと第2板部材52aとの間を通り抜けて、一対のシールジョー11a,11bまで到達して筒状フィルムFと共に横シールされてしまうシール不良の発生が抑制される。一対のシールジョー11a,11bによって、筒状フィルムFと共に物品Pの包材Mが横シールされてしまうと、袋Xの気密性が保てない。従って、製袋包装機1は、一対のしごき部材51,52によって、物品Pの噛み込みによるシール不良の発生を抑制することができる。
【0090】
(4-2)
製袋包装機1では、筒状フィルムFの搬送方向において、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bは、第1板部材51aおよび第2板部材52aよりも下流側(下側)に配置されている。そのため、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bが、筒状フィルムFの内側に付着している物品Pの包材Mをしごき落とすことができれば、第1板部材51aおよび第2板部材52aによって物品Pの包材Mが噛み込まれることがない。物品Pの包材Mが噛み込まれると、筒状フィルムFと共に物品Pの包材Mが一対のシールジョー11a,11bによって挟まれて横シールされるので、不良品の袋Xが製造される。従って、製袋包装機1は、第1板部材51aおよび第2板部材52aよりも下流側(下側)に配置される第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bによって、物品Pの包材Mの噛み込みによるシール不良の発生を抑制することができる。
【0091】
(4-3)
製袋包装機1では、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bは、第1板部材51aおよび第2板部材52aよりも、挟み込み方向(前後方向)の弾性率が低く、異物を挟み込んだ場合でも、その異物の形状に合わせて弾性変形することができる。また、一対のしごき部材51,52が筒状フィルムFをしごいている間において、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bは、第1板部材51aおよび第2板部材52aよりも、挟み込み方向(前後方向)の隙間が小さい。
【0092】
そのため、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bは、第1板部材51aおよび第2板部材52aよりも、筒状フィルムFの内側に付着した異物をより効果的にしごき落とすことができる。特に、第1板部材51aと第2板部材52aとの隙間よりも異物が小さい場合、例えば、異物が物品Pの包材Mである場合であっても、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bは、当該異物をしごき落とすことができる。
【0093】
(5)変形例
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0094】
(5-1)変形例A
実施形態の製袋包装機1では、筒状フィルムFの搬送方向において、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bは、第1板部材51aおよび第2板部材52aよりも下流側(下側)に配置されている。しかし、筒状フィルムFの搬送方向において、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bは、第1板部材51aおよび第2板部材52aよりも上流側(上側)に配置されていてもよい。
【0095】
図13は、図12と同様の側面図であって、本変形例のしごき部材51,52近傍の拡大図である。図13では、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bは、第1板部材51aおよび第2板部材52aよりも上側に配置されている。本変形例においても、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bは、第1板部材51aおよび第2板部材52aよりも、筒状フィルムFの内側に付着した異物をより効果的にしごき落とすことができる。特に、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bは、筒状フィルムFの内側に付着している物品Pの包材Mをしごき落とすことができる。従って、本変形例においても、製袋包装機1は、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bによって、物品Pの包材Mの噛み込みによるシール不良の発生を抑制することができる。
【0096】
(5-2)変形例B
実施形態の製袋包装機1では、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bは、スポンジである。しかし、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bは、筒状フィルムFの挟み込み方向、すなわち、前後方向において、第1板部材51aおよび第2板部材52aよりも弾性率が低い部材あれば、スポンジ以外の部材であってもよい。具体的には、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bは、実施形態の物品Pの内容物Cを挟み込んだ場合でも内容物Cが破損しないような柔らかい材質で成形されていることが好ましい。
【0097】
例えば、第1弾性部材51bおよび第2弾性部材52bとして、弦巻バネが用いられてもよい。図14は、図12と同様の側面図であって、本変形例のしごき部材151,152近傍の拡大図である。図14において、第1板部材151aおよび第2板部材152aは、実施形態の第1板部材51aおよび第2板部材52aと同じ部材であり、第1弾性部材151bおよび第2弾性部材152bは、左右方向に延びている弦巻バネである。なお、筒状フィルムFの引っかかりを防止するために、例えば、弦巻バネにスポンジが布で巻き付けられていてもよい。図15は、第1弾性部材151bおよび第2弾性部材152bの上面図である。図15では、第1弾性部材151bと第2弾性部材152bとの間に挟まれている筒状フィルムFが示されている。図15では、見やすさのために、第1弾性部材151b、第2弾性部材152bおよび筒状フィルムFが互いに離れているが、実際には、第1弾性部材151bおよび第2弾性部材152bは、筒状フィルムFに接している。
【0098】
図14および図15に示されるように、第1弾性部材151bおよび第2弾性部材152bは、第1板部材151aおよび第2板部材152aよりも、挟み込み方向(前後方向)の弾性率が低く、異物を挟み込んだ場合でも、その異物の形状に合わせて弾性変形することができる。また、一対のしごき部材151,152が筒状フィルムFをしごいている間において、第1弾性部材151bおよび第2弾性部材152bは、第1板部材151aおよび第2板部材152aよりも、挟み込み方向(前後方向)の隙間が小さい。そのため、第1弾性部材151bおよび第2弾性部材152bは、筒状フィルムFの内側に付着している物品Pの包材Mをしごき落とすことができる。従って、本変形例においても、製袋包装機1は、第1弾性部材151bおよび第2弾性部材152bによって、物品Pの包材Mの噛み込みによるシール不良の発生を抑制することができる。
【0099】
(5-3)変形例C
実施形態の製袋包装機1では、第1しごき部材51は、材質および剛性の少なくとも一方が互いに異なる第1板部材51aおよび第1弾性部材51bを有し、第2しごき部材52は、材質および剛性の少なくとも一方が互いに異なる第2板部材52aおよび第2弾性部材52bを有する。このように、しごき部材51,52は、それぞれ、材質および剛性の少なくとも一方が互いに異なる2種類の部材で構成されている。しかし、しごき部材51,52は、材質および剛性の少なくとも一方が互いに異なる3種類以上の部材で構成されてもよい。材質および剛性の少なくとも一方が互いに異なる複数種類の部材で構成されるしごき部材51,52を用いることにより、本変形例の製袋包装機1は、物品Pの噛み込みによるシール不良の発生を効果的に抑制することができる。
【0100】
(5-4)変形例D
実施形態の製袋包装機1では、物品Pは、内容物Cが包材Mによって包装された包装物である。この場合、筒状フィルムFの搬送方向におけるシールジョー11a,11bとしごき部材51,52との間の距離である噛み込み距離は、少なくとも、物品Pの包材Mの余り代であることが好ましい。図9において、噛み込み距離は、シールジョー11a,11bの下端と、第1板部材51aおよび第2板部材52aの上端との間の距離である。
【0101】
図16は、本変形例における物品Pの余り代を説明するための図である。図16には、内容物Cが包材Mによって包装された物品Pが示されている。余り代は、包材Mの最大寸法L1と、内容物Cの最小寸法L2との差である。噛み込み距離が余り代より短い場合、物品Pの包材Mのみが、第1板部材51aと第2板部材52aとの間を通り抜けて、一対のシールジョー11a,11bまで到達して筒状フィルムFと共に横シールされてしまうおそれがある。そのため、噛み込み距離は、少なくとも、物品Pの余り代であることが好ましい。一例を挙げると、物品Pの余り代が15mmである場合、噛み込み距離は、20mm~25mmであることが好ましい。
【0102】
本変形例では、噛み込み距離が物品Pの余り代以上であるため、物品Pの包材Mのみが、しごき部材51,52の間を通り抜けて、シールジョー11a,11bまで到達することがない。すなわち、シールジョー11a,11bとしごき部材51,52との間の距離が十分に確保されているので、内容物Cおよび包材Mの位置および姿勢に関わらず、シールジョー11a,11bによって物品Pの包材Mが挟み込まれることが防止される。従って、本変形例の製袋包装機1は、物品Pの包材Mの噛み込みによるシール不良の発生を効果的に抑制することができる。
【0103】
(5-5)変形例E
実施形態の製袋包装機1では、しごき部材51,52は、それぞれ、材質および剛性の少なくとも一方が互いに異なる2種類の部材で構成されている。この構成により、しごき部材51,52は、物品Pの包材Mの噛み込みの発生を抑制することができる。
【0104】
しかし、物品Pの包材Mの噛み込みの発生を抑制するために、次に説明するしごき部材251,252が用いられてもよい。図17は、本変形例におけるしごき部材251,252を説明するための図である。図17は、図12と同様の図であって、しごき部材251,252の近傍の図である。しごき部材251,252は、シールジョー(図示せず)の下側に配置されている。
【0105】
しごき部材251,252は、第1しごき板251と、第2しごき板252とから構成される。各しごき部材251,252は、実施形態の第1板部材51aおよび第2板部材52aと同様に、剛性の高い金属で成形されている板部材である。第1しごき板251は、第2しごき板252よりも上側(筒状フィルムFの搬送方向において上流側)に配置されている。第1しごき板251と第2しごき板252との間の上下方向の間隔は、約2mm~3mmである。
【0106】
また、第1しごき板251の後側端部は、第2しごき板252の前側端部と、前後方向において同じ位置にある。すなわち、筒状フィルムFの搬送方向(上下方向)に沿って第1しごき板251および第2しごき板252を視た場合、第1しごき板251および第2しごき板252は互いに接している。
【0107】
なお、筒状フィルムFの搬送方向に沿って第1しごき板251および第2しごき板252を視た場合、第1しごき板251および第2しごき板252は互いに一部が重なっていてもよい。この場合、図17において、第1しごき板251の後側端部は、第2しごき板252の前側端部よりも、前後方向において後側に位置している。
【0108】
本変形例では、図17に示されるように、物品Pの包材Mの一部は、第1しごき板251と第2しごき板252との間の隙間に下側から入り込んだ場合でも、当該隙間において水平方向(前後方向)に曲げられる。そのため、物品Pの包材Mが、しごき部材251,252より上方のシールジョー(図示せず)まで到達することが抑制される。
【0109】
従って、本変形例のしごき部材251,252を備える製袋包装機は、物品Pの包材Mの噛み込みによるシール不良の発生を効果的に抑制することができる。
【0110】
本変形例に係る製袋包装機は、
チューブ状の包材で袋を製造しつつ、前記袋を用いて物品を包装する製袋包装機であって、
前記包材を下方に搬送する搬送部と、
前記搬送部による前記包材の搬送方向に直交する横方向に前記包材をシールするシール部と、
前記シール部が前記包材をシールする前に、前記包材と接触しながら、前記搬送部によって下方に搬送される前記包材よりも速く下降することで、前記包材をしごくしごき部と、
を備え、
前記しごき部は、前記包材をしごく際に前記包材と接触する第1しごき部材および第2しごき部材を有し、
前記第1しごき部材および前記第2しごき部材は、前記搬送方向および前記横方向の両方に直交する挟み込み方向に前記包材を挟み込み、かつ、前記搬送方向における位置が互いに異なる、
製袋包装機である。
【0111】
また、本変形例に係る製袋包装機では、前記搬送方向に沿って視た場合に、前記第1しごき部材および前記第2しごき部材は、互いに接しているか、または、少なくとも一部が重なっていることが好ましい。
【0112】
(5-6)変形例F
実施形態の製袋包装機1では、しごき部材51,52は、それぞれ、材質および剛性の少なくとも一方が互いに異なる2種類の部材で構成されている。この構成により、しごき部材51,52は、物品Pの包材Mの噛み込みの発生を抑制することができる。
【0113】
しかし、物品Pの包材Mの噛み込みの発生を抑制するために、次に説明するしごき部材351a,351b,352a,352bが用いられてもよい。図18は、本変形例におけるしごき部材351a,351b,352a,352bを説明するための図である。図18は、図12と同様の図であって、しごき部材351a,351b,352a,352bの近傍の図である。しごき部材351a,351b,352a,352bは、シールジョー(図示せず)の下側に配置されている。
【0114】
しごき部材351a,351b,352a,352bは、上側第1しごき板351aと、上側第2しごき板352aと、下側第1しごき板351bと、下側第2しごき板352bとから構成される。各しごき部材351a,351b,352a,352bは、実施形態の第1板部材51aおよび第2板部材52aと同様に、剛性の高い金属で成形されている板状部材である。
【0115】
上側第1しごき板351aおよび上側第2しごき板352aは、実施形態の第1しごき板51および第2しごき板52と同様に、同じ高さ位置(上下方向の位置)に配置されている。下側第1しごき板351bおよび下側第2しごき板352bも、同様に、同じ高さ位置に配置されている。上側第1しごき板351aおよび上側第2しごき板352aは、下側第1しごき板351bおよび下側第2しごき板352bよりも上側(筒状フィルムFの搬送方向において上流側)に配置されている。上側第1しごき板351aおよび上側第2しごき板352aと、下側第1しごき板351bおよび下側第2しごき板352bとの間の上下方向の間隔は、約2mm~3mmである。
【0116】
上側第1しごき板351aと上側第2しごき板352aとの間には、前後方向に約1mmの上側隙間353aが形成されている。下側第1しごき板351bと下側第2しごき板352bとの間には、前後方向に約1mmの下側隙間353bが形成されている。前後方向において、上側隙間353aの位置は、下側隙間353bの位置と異なっている。具体的には、上側隙間353aは、下側隙間353bよりも後側に約2mm~3mmずれている。
【0117】
本変形例では、図18に示されるように、物品Pの包材Mの一部は、下側隙間353bに下側から入り込んだ場合でも、下側隙間353bの鉛直方向上方に存在する上側第1しごき板351aによって水平方向に曲げられる。そのため、物品Pの包材Mが、しごき部材351a,351b,352a,352bより上方のシールジョー(図示せず)まで到達することが抑制される。
【0118】
従って、本変形例のしごき部材351a,351b,352a,352bを備える製袋包装機は、物品Pの包材Mの噛み込みによるシール不良の発生を効果的に抑制することができる。
【0119】
本変形例に係る製袋包装機は、
チューブ状の包材で袋を製造しつつ、前記袋を用いて物品を包装する製袋包装機であって、
前記包材を下方に搬送する搬送部と、
前記搬送部による前記包材の搬送方向に直交する横方向に前記包材をシールするシール部と、
前記シール部が前記包材をシールする前に、前記包材と接触しながら、前記搬送部によって下方に搬送される前記包材よりも速く下降することで、前記包材をしごくしごき部と、
を備え、
前記しごき部は、前記包材をしごく際に前記包材と接触する一対の上側しごき部材および一対の下側しごき部材を有し、
前記一対の上側しごき部材は、前記搬送方向および前記横方向の両方に直交する挟み込み方向に前記包材を挟み込む上側第1しごき部材と上側第2しごき部材とを有し、
前記一対の下側しごき部材は、前記挟み込み方向に前記包材を挟み込む下側第1しごき部材と下側第2しごき部材とを有し、
前記挟み込み方向において、前記上側第1しごき部材と前記上側第2しごき部材との間の上側隙間の位置は、前記下側第1しごき部材と前記下側第2しごき部材との間の下側隙間の位置と異なる、
製袋包装機である。
【符号の説明】
【0120】
1 製袋包装機
5 横シール機構(シール部)
11a 第1シールジョー
11b 第2シールジョー
51 第1しごき部材(しごき部)
51a 第1板部材(第1接触部材)
51b 第1弾性部材(第2接触部材)
52 第2しごき部材(しごき部)
52a 第2板部材(第1接触部材)
52b 第2弾性部材(第2接触部材)
74 プルダウンベルト機構(搬送部)
C 内容物
P 物品
F 筒状フィルム(チューブ状の包材)
X 袋
【先行技術文献】
【特許文献】
【0121】
【文献】特開2008-174289号公報
図1
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