(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】包装材料を折って器具トレイを包装するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B65B 49/08 20060101AFI20221115BHJP
【FI】
B65B49/08
(21)【出願番号】P 2020522272
(86)(22)【出願日】2018-07-06
(86)【国際出願番号】 NL2018050447
(87)【国際公開番号】W WO2019009724
(87)【国際公開日】2019-01-10
【審査請求日】2021-07-05
(32)【優先日】2017-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】520006610
【氏名又は名称】アール-ソリューション メディカル ベーフェー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ファン デル フリート マリスカ サビネ
(72)【発明者】
【氏名】ウェリング ニールス パウル エメレンティアナ
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0021885(US,A1)
【文献】特表2014-500120(JP,A)
【文献】特公昭37-004200(JP,B1)
【文献】特開昭61-287509(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 49/00
B65B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装材料を折って器具トレイを包装するための装置であって、
-前記包装材料を折って前記器具トレイを包装する間に、前記器具トレイを支持するための支持面と、
-第1折り板であって、
・前記第1折り板が前記支持面に対して略垂直に延出し、それにより、前記支持面との第1交線を有して前記器具トレイの移動に対抗するリミットストップを形成する、第2位置と、
・前記支持面
上方において、包装材料の前記支持面上への配置を前記第1折り板が妨げない第1位置と、
の間で移動可能な第1折り板と、
-第2折り板であって、
・前記第2折り板が前記支持面に対して略垂直に延出し、それにより、前記支持面との第2交線を有して前記器具トレイの移動に対抗するリミットストップを形成する、第2位置と、
・前記支持面
上方において、包装材料の前記支持面上への配置を前記第2折り板が妨げない第1位置と、
の間で移動可能な第2折り板と、
を備える装置において、
-前記第1交線と前記第2交線とは、互いに略平行であり、
-折りを行う前、及び/又は、間に、予め定められた
線の上で前記包装材料を固定するための可動折り補助器具と、
-前記包装材料を把持し移動するための少なくとも1つの可動クランプと、
前記第1折り板の、その前記第1位置と前記第2位置との間の移動、前記第2折り板の、その前記第1位置と前記第2位置との間の移動、前記折り補助器具の移動、及び、前記少なくとも1つの
可動クランプの移動、把持及び解放、を制御するための制御ユニットと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記第1位置における前記第1折り板は、前記支持面に概ね沿うか、又は、前記支持面の下方に配置され、前記第1位置における前記第2折り板は、前記支持面に概ね沿うか、又は、前記支持面の下方に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1折り板、及び/又は、前記第2折り板は、前記支持面に対して平行移動可能に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1折り板、及び/又は、前記第2折り板は、前記支持面に対して回転可能に接続される、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
少なくとも前記第1折り板又は前記第2折り板には、前記第1折り板又は前記第2折り板の少なくとも第2位置において鉛直に伸びる旋回軸周りで、前記第1折り板又は前記第2折り板に接続される少なくとも1つの折り部が設けられる、請求項1~4の何れか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1折り板、及び/又は、前記第2折り板を、前記第1位置と、前記第2位置との間で移動するために前記支持面の下方に設けられる、少なくとも1つの可動磁石を更に備える、請求項1~5の何れか一項に記載の装置。
【請求項7】
押圧要素が前記第1折り板又は前記第2折り板の少なくとも一方の端部の近傍に設けられ、前記押圧要素は、前記第1折り板及び前記第2折り板によって限定される領域の外側に延出する前記包装材料の一部を、前記第1交線と前記第2交線の間に位置する領域に向かって押圧する、請求項1~6の何れか一項に記載の装置。
【請求項8】
押圧要素が前記折り部上の突起によって形成され、前記押圧要素は、前記第1折り板及び前記第2折り板によって限定される領域の外側に延出する前記包装材料の一部を、前記第1交線と前記第2交線の間に位置する領域に向かって押圧する、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記突起は、前記支持面から距離を空けて位置している、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第1交線及び前記第2交線は、包装される器具トレイの長さ又は幅に略一致する、特に10から80cmの間の相互間の距離にて配置される、請求項1~9の何れか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記第1交線と前記第2交線との間の距離は、調節可能である、請求項1~10の何れか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記折り補助器具は、少なくとも部分的に平坦な形状を有する、請求項1~11の何れか一項に記載の装置。
【請求項13】
包装材料を供給するための供給手段と、
器具トレイを供給するための供給手段と、
を備える、請求項1~12の何れか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記器具トレイを供給するための供給手段は、前記少なくとも1つの
可動クランプによって形成される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記包装材料を供給するための供給手段は、前記少なくとも1つの
可動クランプによって形成される、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記包装材料の予め定められた位置への固定を確立するための手段を更に備える、請求項1~15の何れか一項に記載の装置。
【請求項17】
包装材料を折って器具トレイを包装するための方法であって、連続するステップ
a)包装材料を支持面上に配置することであって、前記包装材料は、略長方形で、且つ、第1、第2、第3及び第4一次辺のそれぞれを有し、前記第1一次辺は、前記第2一次辺の反対側に位置し、前記第3一次辺は、前記第4一次辺の反対側に位置する、配置することと、
b)器具トレイを前記包装材料上に配置することと、
c)前記包装材料の前記第1一次辺を把持し、前記器具トレイを越えて、前記第2一次辺から予め定められた距離まで折り、それにより、第1二次辺を形成することと、
d)前記支持面から前記第1二次辺の高さに延出する第1リミットストップを配置することと、
e)前記第2一次辺を把持し、前記第1一次辺を越えて折り、それにより、第2二次辺を形成することと、
f)前記包装材料を、前記支持面に対して、前記器具トレイの前記第1リミットストップから反対を向く側の近傍に固定することと、
g)前記第2二次辺を把持し、折ることで、前記第2二次辺を前記器具トレイの上面上に配置し、それにより、三次辺を形成することと、
h)前記支持面から前記三次辺の高さに延出する第2リミットストップを配置することと、
i)前記包装材料を、前記第3一次辺に沿う
線の上で、前記器具トレイの近傍に固定することと、
j)前記包装材料の前記第3一次辺を折ることで、前記第3一次辺を前記器具トレイの上面上に少なくとも部分的に配置することと、
k)前記包装材料を、前記第4一次辺に沿う
線の上で、前記器具トレイの近傍に固定することと、
l)前記包装材料の第4一次辺を折ることで、前記第4一次辺を前記器具トレイの上面上に配置することと、
を備える方法。
【請求項18】
ステップg)と、h)とは、ほぼ同時に行われる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ステップi)と前記ステップj)との間に、ステップi2)前記包装材料の少なくとも一部を、
前記第3一次辺に沿う前記
線の高さで折ること、を更に含む請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
前記ステップj)と前記ステップk)との間に、ステップj2)前記第3一次辺と前記包装材料とを、前記器具トレイの上面上で結合すること、を更に含む請求項17~19の何れか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記ステップl)の後に、ステップl2)前記第4一次辺と前記包装材料とを、前記器具トレイの上面上で結合すること、を更に含む請求項17~20の何れか一項に記載の方法。
【請求項22】
請求項1~16の何れか一項に記載の装置を用いる、請求項17~21の何れか一項に記載の方法。
【請求項23】
-ステップc)、e)、g)、j)及びl)は、前記少なくとも1つの
可動クランプによって実行され、
-ステップd)は、前記第1折り板を、前記第1位置から前記第2位置に移動することによって行われ、
-ステップf)、i)及びk)は、前記可動折り補助器具によって実行され、
-ステップh)は、前記第2折り板を、前記第1位置から前記第2位置に移動することによって行われる、
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
ステップa)は、前記少なくとも1つの
可動クランプを用いて実行される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
ステップb)は、前記少なくとも1つの
可動クランプを用いて、又は、コンベアベルトを介して実行される、請求項23又は24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、包装材料を折って器具トレイを包装するための装置及び方法に関する。
【0002】
医学的介入の間に用いられる医療用具及び器具が滅菌状態で供給されることは重要である。このため、使用される器具は、連続的に、洗浄、消毒、且つ、滅菌されなければならない。機械的な洗浄の間に、1次の汚染物質が除去され、器具が消毒される。洗浄、消毒された医療用具、器具は、その後、検査され、且つ/又は、組み合せられ、器具トレイ内に配置される場合がある。この器具トレイは、その後、包装材料で包装される。器具トレイは、包装後に滅菌される。滅菌は不可欠なステップであり、これにより、医学的介入の前及び/又は間に、滅菌状態で器具トレイを提供可能にするために必要とされる微生物の対数減少が行われる。
【0003】
長年、器具は、中央滅菌部(CSA)で特別に訓練を受けた医療従事者によって、及び/又は、病院への外部委託供給者によって、包装されてきた。包装は多数の連続的な動作を必要とし、そこでは、プロトコルに従い予め定められた折りパターンが実行されることが不可欠である。器具トレイ内の器具の滅菌状態を保証するために、包装材料が数回の巻き(曲がりくねった経路)を含む構造を、包装材料の端部により形成することが不可欠である。この迷路のような構造は、微生物、微粒子、及び、類似のものが、外部から包装材料の端部を通って器具トレイ内に侵入可能となることを阻止するために必要である。折られる包装材料の端部に、巻きを形成することによって、遮断経路が形成され得る。プロトコルに従い器具トレイを包装することは、その器具を使用する手術室関係者が、定められた手順に従ってこれらを開封することをも意味し、その結果、器具は、使用のために滅菌状態で提供され得る。
【0004】
包装材料を手作業で折って器具トレイを包装することには、再現可能な工程がほとんど無い。器具トレイが、包装材料上の正確な位置に手作業で配置されないことが起こり得て、それにより、折る間に、包装部材の必要とされる重なりを達成できないことが明らかとなる。
【0005】
不完全さのために、正しい折りパターンが達成されず、例えば、迷路構造内の最小限の巻き数が達成されないといったリスクもあり、このことは、上述したように、微生物、微粒子及び類似のものが侵入するリスクの増加をもたらす。
【0006】
手術室における器具トレイの開封の間に、包装材料が不正確に折られており、且つ/又は、汚染物質が器具トレイ内に存在するように見える場合には、器具セット全体が拒絶され、使用できない。このような状況において、在庫に同一の滅菌器具セットが無い場合には、手術が延期されることもあり得る。器具セットの手作業での包装の更なる不利な点は、これが、肉体的に厳しい作業であることであり、そこには(慢性的な)手首、肩、肘、首、及び、背中の問題が共通の不満としてある。
【0007】
それ故に、本発明の目的は、包装材料を折って器具トレイを包装するための改善された解決策を提案することである。
【0008】
このために、本発明が創出する、包装材料を折って器具トレイを包装するための装置は、包装材料を折って器具トレイを包装する間に器具トレイを支持するための支持面と、第1折り板であって、第1折り板が支持面に対して略垂直に延出し、それにより、支持面との第1交線を有して器具トレイの移動に対抗するリミットストップを形成する、第2位置と、支持面が、第1交線の高さで空いており、且つ、平坦である第1位置と、の間で移動可能な第1折り板と、第2折り板であって、第2折り板が支持面に対して略垂直に延出し、それにより、支持面との第2交線を有して器具トレイの移動に対抗するリミットストップを形成する、第2位置と、支持面が、第2交線の高さで空いており、且つ、平坦である第1位置と、の間で移動可能な第2折り板と、を備える。第1交線と第2交線とは、互いに略平行であり、当該装置は、折りを行う前、及び/又は、間に、予め定められた線の上で包装材料を固定するための可動折り補助器具と、包装材料を把持し移動するための少なくとも1つの可動クランプと、第1折り板の、その第1位置と第2位置との間の移動、第2折り板の、その第1位置と第2位置との間の移動、折り補助器具の移動、及び、少なくとも1つのクランプの移動、把持及び解放、を制御するための制御ユニットと、を備える。
【0009】
本発明による装置は、手作業により器具トレイを包装材料で包装する作業を、ほぼ完全に自動化し得る。本発明による装置を用いて器具トレイを包装材料で包装することの1つの利点は、これが、非常に再現性の高い結果を与えることである。結果として、逸脱のために場合によっては拒絶され得る手術室内の器具セットの数が削減され得る。
【0010】
本発明による装置の更なる利点は、包装材料に触れることによる汚れ及び汚染の機会が最小限にされることである。特に、包装材料の内側、つまり、支持面とは反対を向く側に触れることはリスクを伴う。器具トレイを包装材料により手作業で包装する場合において、関係する従業員が、比較的大きな包装材料を局所的に固定するために、その本人の手、及び/又は、肘を用いなければならないことが定期的に発生し、それにより、包装材料が折られ、且つ/又は、器具トレイが(再)配置され得る。本発明による装置は、包装材料の内側、特に、器具トレイの近傍に触れることを阻止することを確実にする。
【0011】
支持面は、好ましくは、装置を使用する間、略水平に配置されるように構成される。
【0012】
包装材料は、蒸気に対して実質的に透過性のある任意の適切な包装材料、例えば、布、麻、クレープ紙、SMS材料、及び/又は、湿式不織布などによって形成されてもよい。第1折り板は、少なくとも、第1位置と第2位置との間で可動であるので、第1折り板は、包装材料を折って器具トレイを包装する間、最適に利用され得る。本願において、「空いている」という語句は、この位置において、支持面の上方に、包装材料の支持面上への配置を妨げる部品が存在しないことを意味する。本願において、「平坦な」という語句は、この位置において、支持面が、その更なる面について広がる面と同一平面内にあることを意味する。好ましくは、支持面の空いている部分は、包装材料が広がる面と少なくとも等しい。第1位置の目的は、ここでは、折りの間、特にその第1段階の間に、第1折り板が、支持面、及び/又は、包装材料に対して、いかなる障害物も形成しないことである。第1折り板が第2位置に配置される場合には、第1折り板は、器具トレイの移動に対抗するリミットストップを形成する。第1折り板は、ここで、器具トレイに直接接触しないものの、包装材料を介在させて器具トレイを制限する。このことの利点は、第1折り板が包装材料の外側、つまり、最初に支持面に面する側にのみ接触し、従って、汚染のリスクが無いことである。
【0013】
第2折り板の機能は、最初は、第1折り板の機能と同様である。第1位置において、第2折り板は、支持面に対していかなる障害物も形成しない。第2位置において、第2折り板は、器具トレイの移動に対抗するリミットストップを形成する。また、第2折り板は、器具トレイに直接接触しないものの、包装材料の介在によって、範囲を限定する機能を実現し得る。第1折り板、及び/又は、第2折り板が、それらの第1位置及び第2位置の間で移動する間に、折りの間、包装材料をガイドする(包装材料に追従する)といった付随の機能を実現することも想定され得る。
【0014】
第1折り板及び第2折り板が、器具トレイの範囲を両側で定めるように構成されるので、第1交線及び第2交線は、互いに略平行に位置する。器具トレイの範囲を定めることは、包装材料を折って器具トレイを包装することを単純化する。折り補助器具は、好ましくは、包装材料の外側、つまり、支持面に最初に面する側に係合するように構成される。折り補助器具は、好ましくは、折りを行う前、及び/又は、間に、包装材料を一時的に固定するように構成される。
【0015】
少なくとも1つの可動クランプは、好ましくは、一層の包装材料、及び、多層、及び/又は、二重又は多重に折られた包装材料の両方を把持し、移動するように構成される。クランプは、最初の折られていない状態の包装材料、好ましくは、包装材料の周縁部の近傍部分のみを把持し、それにより、クランプと包装材料の内側との接触は、最小限に限定される。
【0016】
第1位置における第1折り板は、支持面に概ね沿うか、又は、支持面の下方に配置され、第1位置における第2折り板は、支持面に概ね沿うか、又は、支持面の下方に配置されることが想定され得る。折り板は、それによって、包装材料を支持面に配置する間、及び、折りの前に、障害物を構成しない。
【0017】
1つの可能な実施形態において、第1折り板、及び/又は、第2折り板は、支持面に対して平行移動可能に配置される。このことの利点は、それによって、異なる形式の器具トレイであっても、それに対して装置を構造的に適合させることを必要とせずに、包装材料で包装できることである。平行移動可能な第1折り板、及び/又は、第2折り板を用いて、折り板が、包装材料を介在させて器具トレイを把持した瞬間に、リミットストップが設置され得る。移動は、例えば、空気圧シリンダによって達成されてもよい。
【0018】
1つの実施形態において、装置は、第1折り板、及び/又は、第2折り板が、支持面に対して回転可能に接続されるように構成される。第1折り板、及び/又は、第2折り板は、例えば、それぞれ第1交線及び第2交線の周りで、又は、第1交線及び第2交線の高さで、回転可能としてもよい。
【0019】
別の可能な変形実施形態において、第1折り板、及び/又は、第2折り板は、支持面に対して旋回可能に接続される。この移動は、例えば、空気圧シリンダによって達成されてもよい。
【0020】
装置の好ましい実施形態において、少なくとも第1折り板又は第2折り板には少なくとも1つの折り部が設けられ、折り部は、第1折り板又は第2折り板の少なくとも第2位置において鉛直に伸びる旋回軸周りで、第1折り板又は第2折り板に接続される。折り部は、形成される折りの高さで包装材料をガイドし得るので、このような折り部の使用は、折りを単純化し得る。装置に、1つ又は複数の折り部が設けられる場合には、好ましくは、制御ユニットが、折り部の旋回、及び/又は、移動を制御するように構成される。
【0021】
1つの可能な実施形態において、装置は、第1折り板、及び/又は、第2折り板を、第1位置と第2位置との間で移動するために、支持面の下方に設けられる少なくとも1つの可動磁石を備える。磁石を用いて第1折り板、及び/又は、第2折り板を移動することは、大きさの異なる器具トレイであっても、装置を構造的に適合することを必要とせずに、比較的単純に装置によって折り包装し得るといった利点を有する。この変形の実施形態において、折り板の少なくとも一部が、磁性を持つように形成される。例えば、折り板が、ブロック又は別のより容積の大きい本体の一部を形成することが可能である。ここで、磁性部は、ブロック又は本体に含まれることが可能である。
【0022】
好ましくは、押圧要素は折り板の少なくとも一端の近傍に設けられ、折り板によって限定される領域の外側へ延出する包装材料の一部を、交線の間に位置する領域に向かって押圧する。折られる包装材料の端を折り重ねる前に押圧要素が用いられる場合に、包装材料を上記の方向へ押圧することにより改善された折りがもたらされる。押圧要素は、ここで、包装材料内の折りの高さで追加的な巻きを得ることに寄与してもよく、追加的な巻きは、外部からの微生物の侵入の可能性に対抗する。好ましくは、制御ユニットは、押圧要素の移動を制御するように構成される。
【0023】
1つの可能な実施形態において、押圧要素は、折り部上の突起によって形成される。押圧要素が、折り部の一体的な部分を形成することもまた可能である。1つの可能な実施形態において、突起は、支持面から離れて位置する。突起、特に、支持面から離れて位置する突起を使用することで、包装材料の折り、及び、追加的な巻きを得ることが更に単純化され得ることが、実験により示されている。
【0024】
好ましくは、第1交線及び第2交線は、包装される器具トレイの長さ又は幅に略一致する、特に10から80cmの間の相互間の距離にて配置される。特に、この距離は、それが病院内で用いられる器具トレイに対応するように選択される。本装置は、好ましくは、第1交線と第2交線との間の距離が調節可能となるように構成される。病院は、一般に、多数の様々な形態の器具トレイを用いて稼働している。様々な形態の器具トレイの長さ、及び/又は、幅は、ばらつく可能性があり、そのため、第1交線と第2交線との間の距離、ひいては、第1折り板と第2折り板との間の距離が調節可能であると有利である。第1交線と第2交線との間の距離は、第1折り板及び第2折り板の相対運動によって調節可能であることが想定され得る。第1交線と第2交線との間の距離は、折り板を分割の形態で構成することによって調節可能であることもまた想定され得る。
【0025】
折り補助器具は、好ましくは、少なくとも部分的に平坦な形状を有するように形成される。このことは、包装材料を予め定められた線の上で一時的に固定するために有利である。折り補助器具は、折り工程の間に不必要に包装材料を妨げないので、このような折り補助器具は、折りを行う前、及び/又は、間に包装材料を一時的に固定するのに適している。折り補助器具は、例えば、可動機械式アームに接続されてもよく、ここで、機械式アームは、包装材料を折って器具トレイを包装する間に、折り補助器具が、器具トレイの上面側から見て、延出し、かつ、引込み得るように構成される。このことの1つの利点は、折り補助器具が包装材料の内側に面する部分に不必要に接触しないこと、及び、折り補助器具が横方向に移動される構成と比べ、複雑且つ場所を取る移動が低減されることである。
【0026】
折り補助器具は、好ましくは、少なくとも部分的に平坦な形状を有し、更に好ましくは、包装材料に接触する際に包装材料を損傷しないように形成される。折り補助器具は、それ故に、少なくとも部分的に丸みを帯びた又は滑らかな形状を有する。
【0027】
好適な実施形態において、装置は、包装材料を供給するための供給手段と、器具トレイを供給するための供給手段と、を備える。更に好適な実施形態において、器具トレイを供給するための供給手段は、少なくとも1つのクランプによって形成される。少なくとも1つのクランプによって形成される供給手段の利点は、装置が、更なる装置の部品を必要としないことであり、このことは、空間的及び金銭的な側面から有利である。
【0028】
ただし、代替の実施形態においては、器具トレイが折り補助器具を用いて供給されることも想定され得る。
【0029】
別の好適な実施形態においては、包装材料を供給するための供給手段は、少なくとも1つのクランプによって形成される。包装材料は、ここで、例えば、ロールから供給されてもよいが、分離された包装材料が供給されることも想定され得る。包装材料がロールから供給される場合には、略長方形の包装材料を形成するために、これは、予め定められた長さで切断されなければならない。包装材料が汚染されていないことを確認するために、例えば、スキャナの形態の計測手段が存在することも可能である。更に自動化された装置において、包装材料、及び/又は、器具トレイは、例えばコンベアベルトなどの搬送装置を用いて供給されることも想定され得る。
【0030】
可能な実施形態において、装置は、包装材料の予め定められた位置への固定を確立するための手段を備える。これらは、例えば、のりなどの接着剤、及び/又は、粘着テープを供給するための手段であってもよい。この手段が、熱接着を用いて固定を成立させるように構成されることもまた想定され得る。
【0031】
本発明は、更に、包装材料を折って器具トレイを包装するための方法であって、以下のステップを備える方法に関する。当該ステップとは、すなわち、包装材料を支持面上に配置することであって、包装材料は、略長方形で、且つ、第1、第2、第3及び第4一次辺のそれぞれを有し、第1一次辺は、第2一次辺の反対側に位置し、第3一次辺は、第4一次辺の反対側に位置する、配置することと、器具トレイを包装材料上に配置することと、包装材料の第1一次辺を把持し、器具トレイを越えて、第2一次辺から予め定められた距離まで折り、それにより、第1二次辺を形成することと、支持面から第1二次辺の高さに延出する第1リミットストップを配置することと、第2一次辺を把持し、第1一次辺を越えて折り、それにより、第2二次辺を形成することと、包装材料を、支持面に対して、器具トレイの第1リミットストップから反対を向く側の近傍に固定することと、第2二次辺を把持し、折ることで、第2二次辺を器具トレイの上面上に配置し、それにより、三次辺を形成することと、支持面から三次辺の高さに延出する第2リミットストップを配置することと、包装材料を、第3一次辺に沿う線の上で、器具トレイの近傍に固定することと、包装材料の第3一次辺を折ることで、第3一次辺を、器具トレイの上面上に少なくとも部分的に配置することと、包装材料を、第4一次辺に沿う線の上で、器具トレイの近傍に固定することと、包装材料の第4一次辺を折ることで、第4一次辺を器具トレイの上面上に配置することと、である。
【0032】
本発明による方法を用いて、折り包装された器具トレイが得られ、ここで、包装材料は、微生物の包装材料への侵入に対抗するために必要とされる迷路構造を有する。
【0033】
好ましくは、第2二次辺を把持し、折ることで、第2二次辺を器具トレイの上面上に配置し、それにより、三次辺を形成することと、支持面から三次辺の高さに延出する第2リミットストップを配置することとは、ほぼ同時に実行される。リミットストップをほぼ同時に配置することは、リミットストップが、折りの間にガイド機能も果たすといった利点を有する。
【0034】
好ましくは、本方法は、更に、包装材料の少なくとも一部を線の高さで折ることを含む。このステップは、包装材料を、第3一次辺に沿う線の上で、器具トレイの近傍に固定すること、の後に行われることが好ましい。このことは、次の、包装材料の第3一次辺を折ることで、第3一次辺を器具トレイの上面上に少なくとも部分的に配置する次テップを単純化する。包装材料の少なくとも一部を線の高さで折ることは、折りの高さで包装材料の追加的な巻きをもたらし、これは、微生物の侵入に対抗する。包装材料は、好ましくは、線の高さで両端が折られる。
【0035】
方法の可能な変形において、方法は、器具トレイの上面上で、第3一次辺と包装材料とを結合することを含む。この結合は、例えば、接着剤を用いてなされてもよい。そのような結合が、熱的手段を用いてなされることも想定され得る。
【0036】
本方法は、器具トレイの上面上で、第4一次辺と包装材料とを結合することも含んでもよい。上述の結合を行うことは、折られた包装材料が、折られた位置で固定されるといった利点をもたらし、それにより、これは、結合が積極的に破壊されるまで取り扱いが可能である。
【0037】
本発明による方法は、好ましくは、本発明による装置にて実行される。ここで、包装材料の一次辺及び二次辺を把持し折ることは、少なくとも1つのクランプによって実行され、第1リミットストップ及び第2リミットストップを配置することは、第1折り板及び第2折り板それぞれの各第1位置から第2位置への移動によって実行され、包装材料を固定することは可動折り補助器具によって実行される。
【0038】
通常、支持面上への包装材料の配置は、少なくとも1つのクランプによって実行される。包装材料上への器具トレイの配置もまた、通常、少なくとも1つのクランプを用いて実行されるが、場合により、コンベアベルトを介して実行されてもよい。
【0039】
本発明は、非限定の例示的な実施形態を描写する次の図面を参照して、以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】本発明に係る、包装材料を折って器具トレイを包装するための装置の可能な変形実施形態の図式的な描写を示す。
【
図2a-i】本発明に係る装置によって実行される本発明に係る連続的な方法のステップの図式的な描写を示す。
【
図3a-c】本発明に係る装置において用いるための押圧要素の可能な実施形態の図式的な描写を示す。
【
図4a-4b】本発明に係る折り装置の第2の可能な変形実施形態の図式的な描写を示す。
【
図5a-5b】本発明に係る折り装置の第3の可能な変形実施形態の図式的な描写を示す。
【
図6a-6b】本発明に係る折り装置の第4の可能な実施形態の図式的な描写を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、包装材料を折って器具トレイを包装するための装置(1)を示し、装置(1)は、包装材料(図示なし)を折ってその中に器具トレイ(図示なし)を収容する間に、器具トレイを支持するための支持面(2)を備える。更に、装置(1)は、第1折り板(3)を備え、第1折り板(3)は、第1折り板(3)が支持面(2)に概ね沿うか、又は、支持面の下方に配置される第1位置と、第1折り板(3)が支持面(2)に対して略垂直に延出し、それにより、支持面(2)との第1交線(5)を有して器具トレイの移動に対抗するリミットストップを形成する第2位置と、の間で移動可能である。示される実施形態において、第1折り板(3)は、第2位置近くに位置している。装置(1)はまた、第2折り板(4)を備え、第2折り板(4)は、第2折り板(4)が支持面(2)に概ね沿うか、又は、支持面(2)の下方に配置される第1位置と、第2折り板(4)が支持面(2)に対して略垂直に延出し、それにより、支持面(2)との第2交線(6)を形成して、器具トレイの移動に対抗するリミットストップを形成する第2位置と、の間で移動可能である。
図1において、説明のために、第2折り板(4)は、第1位置と第2位置との間に位置している。第1交線(5)及び第2交線(6)は、互いに略平行である。第1折り板(3)及び第2折り板(4)は、支持面(2)に対して回転可能に接続される。本図は、第2折り板(4)がシリンダ(11)、好ましくは空気圧シリンダ(11)を用いて第1位置から第2位置へ移動され得ることを示す。第1折り板(3)には、鉛直旋回軸周りで第1折り板(3)に接続される2つの折り部(12a,12b)が設けられる。第2折り板(4)にもまた、鉛直旋回軸周りで接続される2つの折り部(13a,13b)が設けられる。示される変形実施形態において、折り部(12a,12b,13a,13b)には、押圧要素(14a,14b,15a,15b)が設けられる。それぞれの押圧要素(14a,14b,15a,15b)は、折り板(3,4)によって限定される領域の外側に延出する包装材料の一部を、交線(5,6)の間に位置する領域に向かって押圧するように構成される。示される実施形態において、押圧要素(14a,14b,15a,15b)は、折り部(12a,12b,13a,13b)上の突起によって、特に、湾曲状の突起によって形成される。
【0042】
装置(1)は、折りを行う前、及び/又は、間に、予め定められた線の上に包装材料を固定するための可動折り補助器具(7)を備える。示される変形実施形態において折り補助器具(7)は、可動機械式ロボットアーム(16)に接続される。折り補助器具(7)は、包装材料を、線の上で、効率よく固定できるようにするために、少なくとも部分的に平坦な形状を有する。
【0043】
示される実施形態において、装置(1)は、包装材料を把持し、移動するための第1可動クランプ(8)と、包装材料を把持し、移動するための第2可動クランプ(9)を備える。第1クランプ(8)及び第2クランプ(9)はまた、包装材料を供給するようにも構成される。
【0044】
更に、装置(1)は、第1折り板(3)の、その第1位置と第2位置との間の移動と、第2折り板(4)の、その第1位置と第2位置との間の移動と、折り補助器具(7)の移動と、第1クランプ(8)及び第2クランプ(9)の移動、把持、及び、解放とを制御するための制御ユニット(10)を備える。
【0045】
図2a~2iは、本発明による装置(21)を用いて、包装材料(19)を折ってその中に器具トレイ(20)を収容するための連続する方法のステップの図式的な描写を示す。
図2a~dは、第1水平折り方向にて実行されるステップの側面図を示し、
図2e~2iは、第1水平折り方向に対して略垂直に位置する第2水平折り方向にて実行されるステップの上面図を示す。
図2a~2iにおける対応する参照番号が、対応する部品に割り当てられる。
【0046】
図2aは、支持面(22)上の包装材料(19)の上に配置される器具トレイ(20)を示す。装置(21)は、それぞれ第1位置に位置する第1折り板(23)及び第2折り板(24)を示し、ここで、折り板(23,24)は、支持面(22)の略下方に配置される。
図2aは、装置(21)の側面図を示し、ここで、包装材料(19)の第1一次辺(P1)及び第2一次辺(P2)が示される。
【0047】
図2bにおいて、第1一次辺(P1)は、既に把持され、器具トレイ(20)を越えて第2一次辺(P2)から予め定められた距離(D1)まで折られている。この第1一次辺(P1)の器具トレイ(20)を越える移動において、結果として、第1二次辺(S1)が形成される。第1二次辺(S1)は、ここで、器具トレイ(20)の側壁を包む。また、第1折り板(23)の形態による第1リミットストップ(23)が配置され、これは、支持面(22)から第1二次辺(S1)の高さに延出する。第1リミットストップ(23)は、第1水平折り方向の第1方向への包装材料(19)及び器具トレイ(20)の移動を阻止する。
【0048】
図2cにおいて、第2一次辺(P2)は、既に把持され、第1一次辺(P1)を越えて折られ、それにより、第2二次辺(S2)が結果として形成される。包装材料(19)は、その後、器具トレイ(20)の、第1リミットストップ(23)とは反対を向く側の近傍に固定される。本図は、F1で参照される、包装材料(19)を固定するための可能かつ好適な位置を示す。示された固定位置(F1)で固定が行われる場合には、包装材料(19)の追加的な巻きが形成される。
【0049】
図2dは、
図2a~2dに示される折り方向における包装材料(19)の折り工程の最終ステップを示す。ここで、第2二次辺(S2)は、既に把持され、固定位置F1で折り曲げられ、それにより、第2二次辺(S2)は、器具トレイ(20)の上面上に配置されて、三次辺(T1)が形成される。第2リミットストップ(24)又は第2折り板(24)が配置されており、ここで、リミットストップ(24)は支持面(22)から三次辺(T1)の高さに延出する。第2リミットストップ(24)は、第1水平折り方向の第2方向への包装材料(19)及び器具トレイ(20)の移動を阻止する。
図2dは、折られた包装材料(19)の迷路構造を示す。本図は、単に図式的に描写するものであるが、実際には、包装材料(19)は、完全に緊密には折られなくてもよい。包装材料(19)を完全に緊密に折ると、後に実行される滅菌プロセスを無効にしてしまうためである。包装材料(19)を強固に引っ張ること、及び/又は、器具トレイ(20)を包装材料(19)で過度に緊密に包装することは、包装材料の損傷の好ましくないリスクをもたらす。
【0050】
図2eは、方法ステップ2a~2dを実行することによって得られる状態の上面図を示す。器具トレイ(20)は、現段階で、2つの側で包装材料(19)により包まれている。第3一次辺(P3)及び第4一次辺(P4)は、まだ折られていない。第1折り板(23)及び第2折り板(24)には、押圧要素(25a,25b,26a,26b)が装着された折り部(25a,25b,26a,26b)が設けられる。示される実施形態において、押圧要素(25a,25b,26a,26b)は、折り部(25a,25b,26a,26b)の一体的な部分を形成する。
【0051】
図2fにおいて、2つの押圧要素(25a,26a)は旋回軸周りに移動させられ、折り板(23,24)によって限定される領域の外側に位置する包装材料(19)を、少なくとも部分的に交線(図示なし)の間に位置する領域に向かって押圧する。このようにして、包装材料(19)に内側への屈曲部が得られる。本図は、また、後の固定位置(F2)の好適な位置も示す。包装材料(19)は、第3一次辺(P3)に沿う
線の上で、F2の高さで、器具トレイ(20)の近傍に固定されることになる。このような固定は、例えば、折り補助器具(図示なし)を用いて実行されてもよい。
【0052】
図2gにおいて、包装材料(19)の第3一次辺(P3)は、既に折られており、ここで、第3一次辺(P3)は、器具トレイ(20)の上面上に配置される。第3一次辺(P3)が、器具トレイ(20)の上方に距離を空けて、第4一次辺(P4)の近傍に配置されることもまた想定され得る。
【0053】
図2hにおいて、2つの更なる押圧要素(25b,26b)が旋回軸周りに移動させられ、折り板(23,24)によって限定される領域の外側に位置する包装材料(19)を、少なくとも部分的に交線(図示なし)の間に位置する領域内に押圧する。本図は、また、包装材料(19)を、第4一次辺(P4)に沿う
線の上で、器具トレイ(20)の近傍に固定するための第3固定位置(F3)のための好適な位置も示す。
【0054】
図2iにおいて、包装材料(19)の第4一次辺(P4)は、既に折られ、ここで、第4一次辺(P4)は、器具トレイ(20)の上面上に配置される。更に、その後、包装材料(19)を、器具トレイ(20)に対して示される位置にて固定するための手段が配置されてもよい。
【0055】
図3a~cは、本発明による装置(図示なし)において用いるための押圧要素(30a,30b,30c)の可能な実施形態の図式的な描写を示す。押圧要素(30a,30b,30c)は、折り板によって限定される領域の外側に延出する包装材料の一部を、交線の間に位置する領域に向けて押圧するように構成される。本図は、それぞれ断面を示し、ここで、押圧要素(30a,30b.30c)は、支持面(31a,31b,31c)上に配置されている。
【0056】
図3aは、高さh1の押圧要素(30a)が略水滴状のものとして示される第1の可能な実施形態を示す。押圧要素(30a)は、ここで、波状の外形の突起を有する。波状の外形は、包装材料が押圧要素(30a)に接触して折られる間に、包装材料が損傷するのを防止するのに役立つ。水滴状の押圧要素(30a)の湾曲は、支持面(31a)に対して予め定められた距離x1から開始する。
【0057】
図3bは、高さh2の押圧要素(30b)に、略円形の隆起の形の突起が設けられる第2実施形態を示す。押圧要素(30b)の突起は、支持面(31b)に対して見た押圧要素(30b)の上部に配置される。押圧要素(31b)の下部は、略平坦な形状を有する。押圧要素(30b)の突起又は隆起は、ここで、支持面(31b)から予め定められた距離x2に配置される。
【0058】
図3cは、高さh3の押圧要素(30c)に、角張った外形の突起が設けられる第3の可能な実施形態を示す。角張った押圧部分は、ここで、押圧要素(30c)がその上に配置される支持面(31c)から見て、予め定められた距離x3に配置される。
【0059】
図4a及び4bは、本発明による折り装置(41)の第2の可能な実施形態の側面図を示す。折り装置(41)は、
図2a~2iに示される折り装置(21)の代替のものである。これを用いて、
図2a~dに十分に示されるような、第1水平折り方向にて実行されるステップを実行してもよい。
【0060】
図4aは、支持面(42)上の包装材料(49)の上に配置される器具トレイ(40)を示す。装置(41)は、それぞれが第1位置に位置する第1折り板(43)及び第2折り板(44)を示し、折り板(43,44)は、支持面(42)を部分的に空いたままとする。空いている部分は、ここで、包装材料(49)が広がる面と少なくとも等しい。
図4aは、装置(41)の側面図を示し、包装材料(49)の第1一次辺(P1)及び第2一次辺(P2)が示される。第1折り板(43)及び第2折り板(44)のそれぞれの下方に、第1折り板(43)及び第2折り板(44)の第1位置と第2位置との間の移動に関与する第1磁石(45)及び第2磁石(46)が配置される。第1折り板(43)及び第2折り板(44)は、少なくとも部分的に磁性を持つ。
図4bにおいて、包装材料(49)の第1一次辺(P1)は、既に、部分的に移動させられている。第2一次辺(P2)は、まだ初期位置にある。第1折り板(43)は、第1リミットストップ(43)を形成するために第2位置に向かって移動する。移動方向は、ここで、矢印にて示される。この移動は、第1磁石(45)の影響下で行われる。
【0061】
図5a及び5bは、本発明による折り装置(41)の第3の可能な実施形態の側面図を示す。折り装置(51)は、
図2a~2i及び4a~4bに示されるような折り装置(21,41)の代替のものである。これを用いて、
図2a~dに十分に示されるような、第1水平折り方向にて実行されるステップを実行できる。
【0062】
図5aは、支持面(52)上の包装材料(59)の上に配置される器具トレイ(50)を示す。装置(51)は、それぞれが第1位置に位置する第1折り板(53)及び第2折り板(54)を示し、折り板(53,54)は、支持面(52)を部分的に空いたたままとする。第1折り板(53)及び第2折り板(54)は、ここで、支持面(52)に対して平行移動可能に配置される。空いている部分は、ここで、包装材料(59)が広がる面と少なくとも等しい。
図5aは、装置(51)の側面図を示し、ここで、包装材料(59)の第1一次辺(P1)及び第2一次辺(P2)は、初期状態にて示される。
図5bにおいて、包装材料(59)の第1一次辺(P1)は、既に部分的に移動させられている。第2一次辺(P2)は、まだ初期位置にある。第1折り板(53)は、第1リミットストップ(53)を形成するために第2位置の方向に移動する。移動方向は、ここで、矢印にて示される。この移動は、機械式アーム(55)の影響下で行われる。第2折り板(54)の移動もまた、機械式アーム(56)の影響下で行われてもよい。
【0063】
図6a及び6bは、本発明による折り装置(61)の第4の可能な実施形態の側面図を示す。折り装置(61)は、
図2a~2i、4a~4b及び5a~5bに示される折り装置(21,41,51)の代替のものである。これを用いて、
図2a~dにて十分に示されるような第1水平折り方向にて実行されるステップを実行できる。
【0064】
図6aは、支持面(62)上の包装材料(69)の上に配置される器具トレイ(60)を示す。装置(61)は、それぞれが第1位置に位置する第1折り板(63)及び第2折り板(64)を示し、折り板(63,64)は、支持面(62)を部分的に空いたままとする。空いている部分は、ここで、包装材料(69)が広がる面と少なくとも等しい。
図6aは、装置(61)の側面図を示し、ここで、包装材料(69)の第1一次辺(P1)及び第2一次辺(P2)は、初期状態にて示される。
図6bにおいて、包装材料(69)の第1一次辺(P1)は、既に、部分的に移動させられている。第2一次辺(P2)は、まだ、初期位置にある。第1折り板(63)は、第1リミットストップ(63)を形成するために、第2位置の方向に移動する。移動方向は、ここで、矢印にて示される。移動は、例えば、空気圧を用いることによる、上方への力の影響下で行われる。
【0065】
本発明は、ここに示され、説明される例示的な実施形態に限定されることはなく、添付の特許請求の範囲の文脈の中で、当業者にとって明らかな多くの変形が可能である。