(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】スコップケース
(51)【国際特許分類】
A45C 11/00 20060101AFI20221115BHJP
E02F 3/02 20060101ALN20221115BHJP
【FI】
A45C11/00 P
E02F3/02 Z
(21)【出願番号】P 2022095151
(22)【出願日】2022-06-13
【審査請求日】2022-06-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522235560
【氏名又は名称】有限会社杉山水設
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】杉山 高志
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3232066(JP,U)
【文献】実開平01-141854(JP,U)
【文献】実開昭48-012204(JP,U)
【文献】実開昭49-007599(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 11/00
E02F 3/02
B25H 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面を構成する第1布部と、
前記第1布部に対して略直線状の折り返し接続部を介して一体に接続しており、前記折り返し接続部を基準として前記第1布部と略対称な外周形状を有しており第2面を構成する第2布部と、
前記第1布部における外縁のうち前記折り返し接続部を除く第1布部外縁の少なくとも一部と、前記第2布部における外縁のうち前記折り返し接続部を除く第2布部外縁の少なくとも一部とを、着脱自在に接続するファスナーと、を有し、
前記ファスナーにより前記第1布部外縁の少なくとも一部と前記第2布部外縁の少なくとも一部を接続して開閉接合部を形成することにより、前記第1布部と前記第2布部との間に、少なくともさじ部を含むスコップの一部または全体を収容し、
前記開閉接合部の総長さは、前記折り返し接続部の総長さの2倍以上であ
り、
前記ファスナーにより前記開閉接合部を形成する前記第1布部および前記第2布部は、スコップのさじ部を収容するさじ部収容部と、スコップの取っ手を収容する取っ手収容部と、前記さじ部収容部と前記取っ手収容部を接続してスコップの柄を収容しており前記さじ部収容部および前記取っ手収容部より幅の狭い柄収容部と、を有するスコップケース。
【請求項2】
前記開閉接合部は、直線部分を間に挟む4カ所以上の曲がり部分を有する請求項1に記載のスコップケース。
【請求項3】
前記ファスナーは、前記第1布部外縁および前記第2布部外縁において、前記折り返し接続部の一方の端部から前記折り返し接続部の他方の端部まで、連続して形成されている請求項1に記載のスコップケース。
【請求項4】
前記折り返し接続部は、互いに分離しており一方が他方の延長線上に配置される第1折り返し接続部および第2折り返し接続部を有し、
前記ファスナーは、前記第1布部外縁および前記第2布部外縁において、前記第1折り返し接続部の一方の端部から前記第2折り返し接続部の一方の端部まで続く第1ファスナー部分と、前記第1折り返し接続部の他方の端部から前記第2折り返し接続部の他方の端部まで続く第2ファスナー部分と、を有する請求項1に記載のスコップケース。
【請求項5】
前記取っ手収容部に設けられる端部持ち手部を有する請求項
1に記載のスコップケース。
【請求項6】
前記柄収容部に設けられる中央持ち手部を有する請求項
1に記載のスコップケース。
【請求項7】
前記取っ手収容部と前記さじ部収容部とに接続する肩掛け紐部を有する請求項
1に記載のスコップケース。
【請求項8】
第1面を構成する第1布部と、
前記第1布部に対して略直線状の折り返し接続部を介して一体に接続しており、前記折り返し接続部を基準として前記第1布部と略対称な外周形状を有しており第2面を構成する第2布部と、
前記第1布部における外縁のうち前記折り返し接続部を除く第1布部外縁の少なくとも一部と、前記第2布部における外縁のうち前記折り返し接続部を除く第2布部外縁の少なくとも一部とを、着脱自在に接続するファスナーと、を有し、
前記ファスナーにより前記第1布部外縁の少なくとも一部と前記第2布部外縁の少なくとも一部を接続して開閉接合部を形成することにより、前記第1布部と前記第2布部との間に、少なくともさじ部を含むスコップの一部または全体を収容し、
前記開閉接合部の総長さは、前記折り返し接続部の総長さの2倍以上であり、
前記折り返し接続部は、互いに分離しており一方が他方の延長線上に配置される第1折り返し接続部および第2折り返し接続部を有し、
前記ファスナーは、前記第1布部外縁および前記第2布部外縁において、前記第1折り返し接続部の一方の端部から前記第2折り返し接続部の一方の端部まで続く第1ファスナー部分と、前記第1折り返し接続部の他方の端部から前記第2折り返し接続部の他方の端部まで続く第2ファスナー部分と、を有するスコップケース。
【請求項9】
第1面を構成する第1布部と、
前記第1布部に対して略直線状の折り返し接続部を介して一体に接続しており、前記折り返し接続部を基準として前記第1布部と略対称な外周形状を有しており第2面を構成する第2布部と、
前記第1布部における外縁のうち前記折り返し接続部を除く第1布部外縁の少なくとも一部と、前記第2布部における外縁のうち前記折り返し接続部を除く第2布部外縁の少なくとも一部とを、着脱自在に接続するファスナーと、を有し、
前記ファスナーにより前記第1布部外縁の少なくとも一部と前記第2布部外縁の少なくとも一部を接続して開閉接合部を形成することにより、前記第1布部と前記第2布部との間に、少なくともさじ部を含むスコップの一部または全体を収容し、
前記開閉接合部の総長さは、前記折り返し接続部の総長さの2倍以上であり、
前記ファスナーにより前記開閉接合部を形成する前記第1布部および前記第2布部は、スコップのさじ部を収容するさじ部収容部を有し、
前記ファスナーは、前記第1布部外縁および前記第2布部外縁において、前記折り返し接続部の一方の端部から延びる第3ファスナー部分と、前記折り返し接続部の他方の端部から延びており前記第3ファスナー部分との間にスコップの柄を通過させる柄通過部を挟んで形成される第4ファスナー部分と、を有し、
一方の端部が、前記さじ部収容部に接続し、他方の端部に、前記さじ部収容部から露出するスコップの柄または取っ手に着脱自在に取り付けられる取り付け部材を備える外付け肩掛け紐部を有するスコップケース。
【請求項10】
前記柄通過部の近傍における前記第1布部または前記第2布部に設けられており、スコップの柄に着脱自在に係合する柄係合部を有する請求項9に記載のスコップケース。
【請求項11】
前記第1布部および前記第2布部は、前記ファスナーにより前記開閉接合部を形成した際に互いに向き合う内表面が、防水表面である請求項1に記載のスコップケース。
【請求項12】
前記
さじ部収容部は、光を透過して収容するさじ部の形状を外部から確認できる確認窓を備える窓付きさじ部収容部
である請求項1に記載のスコップケース。
【請求項13】
前記
さじ部収容部は、前記第1布部および前記第2布部の一部を他の一部に重ねて係合させる変形係合部を備える変形さじ部収容部
である請求項1に記載のスコップケース。
【請求項14】
前記ファスナー、前記第1布部および前記第2布部のいずれかに着脱自在であって、収容されるスコップのさじ部の形状を示す目印部材を有する請求項1に記載のスコップケース。
【請求項15】
前記第1布部外縁および前記第2布部外縁の少なくとも一部には、前記第1布部および前記第2布部における他の部分より厚さが厚い縁部が、前記ファスナーの近傍に形成されている請求項1に記載のスコップケース。
【請求項16】
第1面を構成する第1布部と、
前記第1布部に対して略直線状の折り返し接続部を介して一体に接続しており、前記折り返し接続部を基準として前記第1布部と略対称な外周形状を有しており第2面を構成する第2布部と、
前記第1布部における外縁のうち前記折り返し接続部を除く第1布部外縁の少なくとも一部と、前記第2布部における外縁のうち前記折り返し接続部を除く第2布部外縁の少なくとも一部とを、着脱自在に接続するファスナーと、を有し、
前記ファスナーにより前記第1布部外縁の少なくとも一部と前記第2布部外縁の少なくとも一部を接続して開閉接合部を形成することにより、前記第1布部と前記第2布部との間に、少なくともさじ部を含むスコップの一部または全体を収容し、
前記開閉接合部の総長さは、前記折り返し接続部の総長さの2倍以上であり、
前記ファスナーにより前記開閉接合部を形成する前記第1布部および前記第2布部は、スコップのさじ部を収容し、かつ、前記第1布部および前記第2布部の一部を他の一部に重ねて係合させる変形係合部を備える変形さじ部収容部を有するスコップケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スコップを収容するスコップケースに関する。
【背景技術】
【0002】
スコップは、シャベル、ショベルなどとも呼ばれ、土砂やその他の堆積物などを掘ったり、すくって移動させたりする道具である。スコップは、仕事であるか趣味であるかを問わず、工事や園芸などの様々な場面で用いられる。
【0003】
スコップは、使用時にさじ部が土砂などに触れることにより、使用後に汚れた状態となる場合が多い。また、スコップのさじ部(土砂等に接触するスコップの頭部)は、充分な強度を有する金属等などで作製されることが通常であり、その先端や角部分は、接触した他の物を傷つけやすい。そのため、使用後のスコップを、自動車などに直接積み込んで現場から持ち帰ろうとすると、自動車の内装や荷台を汚したり、傷つけたりする問題が生じる。
【0004】
また、スコップは、強度や使いやすさの観点から、柄や、持ち手のグリップ部分が太くなっているものが多く、片手で複数本のスコップを持ち運ぶのは簡単ではない。
【0005】
そこで、使用後のスコップを袋などに入れて現場から持ち帰ることも考えられるが、使い捨ての袋を用いたのでは、ごみを増やすため環境負荷の問題が生じる。また、繰り返し利用できる巾着袋のような形式のものを用いる場合も、スコップの出し入れや、袋やケース自体を清掃したり洗浄したりするのに手間がかかる問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、スコップの出し入れが容易であり、かつ、汚れた場合も洗浄や清掃がしやすいスコップケースを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るスコップケースは、
第1面を構成する第1布部と、
前記第1布部に対して略直線状の折り返し接続部を介して一体に接続しており、前記折り返し接続部を基準として前記第1布部と略対称な外周形状を有しており第2面を構成する第2布部と、
前記第1布部における外縁のうち前記折り返し接続部を除く第1布部外縁の少なくとも一部と、前記第2布部における外縁のうち前記折り返し接続部を除く第2布部外縁の少なくとも一部とを、着脱自在に接続するファスナーと、を有し、
前記ファスナーにより前記第1布部外縁の少なくとも一部と前記第2布部外縁の少なくとも一部を接続して開閉接合部を形成することにより、前記第1布部と前記第2布部との間に、少なくともさじ部を含むスコップの一部または全体を収容し、
前記開閉接合部の総長さは、前記折り返し接続部の総長さの2倍以上である。
【0009】
本発明に係るスコップケースは、略直線状の折り返し接続部を介して互いに一体に接続する第1布部と第2布部を、ファスナーにより開閉する構造であるため、第1布部と第2布部を平面状に広げることができ、汚れた場合も洗浄や清掃がしやすい。また、ファスナーによる開閉接合部の総長さが、折り返し接続部の総長さの2倍以上であり、ファスナーを開けばスコップの出し入れが容易であり、また、ファスナーを閉じることにより、スコップに付いた汚れがケースの外にでることを防止できる。また、第1布部と第2布部とがさじ部のようなスコップにおける鋭利な部分を保護し、さじ部などが接触および衝突して、他の物を傷つける問題を防止できる。
【0010】
また、たとえば、前記開閉接合部は、直線部分を互いの間に挟む4カ所以上の曲がり部分を有してもよい。
【0011】
このような開閉接合部を有するスコップケースは、第1布部および第2布部の外周形状をスコップの形状に沿わせることができ、スコップをコンパクトに収納できるとともに、外見からスコップケースであることを容易に認識できる。
【0012】
また、たとえば、前記ファスナーは、前記第1布部外縁および前記第2布部外縁において、前記折り返し接続部の一方の端部から前記折り返し接続部の他方の端部まで、連続して形成されていてもよい。
【0013】
このようなスコップケースは、ファスナーを閉めることによって、スコップを収容する空間を効果的に覆うことができるため、スコップに付いた汚れがケースの外にでることを、より効果的に防止できる。
【0014】
また、たとえば、折り返し接続部は、互いに分離しており一方が他方の延長線上に配置される第1折り返し接続部および第2折り返し接続部を有してもよく、
前記ファスナーは、前記第1布部外縁および前記第2布部外縁において、前記第1折り返し接続部の一方の端部から前記第2折り返し接続部の一方の端部まで続く第1ファスナー部分と、前記第1折り返し接続部の他方の端部から前記第2折り返し接続部の他方の端部まで続く第2ファスナー部分と、を有してもよい。
【0015】
このようなスコップケースは、第1布部と第2布部とが2つの接続部で接続されているので、第1布部と第2布部を平面状に広げた状態での形態安定性が高く、より内部の清掃や洗浄が行いやすい。また、このようなスコップケースは、ファスナーを閉めることによって、スコップを収容する空間を効果的に覆うことができるため、スコップに付いた汚れがケースの外に出る問題を、より効果的に防止できる。
【0016】
また、たとえば、前記ファスナーにより前記開閉接合部を形成する前記第1布部および前記第2布部は、スコップのさじ部を収容するさじ部収容部と、スコップの取っ手を収容する取っ手収容部と、前記さじ部収容部と前記取っ手収容部を接続してスコップの柄を収容しており前記さじ部収容部および前記取っ手収容部より幅の狭い柄収容部と、を有する。
【0017】
このようなスコップケースは、第1布部および第2布部の外周形状がスコップの形状に沿うため、スコップをコンパクトに収納できるとともに、外見からスコップケースであることを容易に認識できる。
【0018】
また、たとえば、前記取っ手収容部に設けられる端部持ち手部を有してもよい。
【0019】
このようなスコップケースは、持ち運びが容易であるとともに、通常スコップの取っ手を引っ掛けるフックや棒に対して、端部持ち手部を引っ掛けることにより、ケースに入れたままの状態でも、ケースから出したスコップと同じ姿勢で引っ掛けて保管することができる。
【0020】
また、たとえば、スコップケースは、前記柄収容部に設けられる中央持ち手部を有してもよい。
【0021】
このようなスコップケースは、スコップをバランスよく持ち運ぶことができる。
【0022】
また、たとえば、スコップケースは、前記取っ手収容部と前記さじ部収容部とに接続する肩掛け紐部を有してもよい。
【0023】
このようなスコップケースは、両手を使わず、肩に掛けてスコップをバランスよく持ち運ぶことができる。
【0024】
また、たとえば、前記ファスナーにより前記開閉接合部を形成する前記第1布部および前記第2布部は、スコップのさじ部を収容するさじ部収容部を有し、
前記ファスナーは、前記第1布部外縁および前記第2布部外縁において、前記折り返し接続部の一方の端部から延びる第3ファスナー部分と、前記折り返し接続部の他方の端部から延びており前記第3ファスナー部分との間にスコップの柄を通過させる柄通過部を挟んで形成される第4ファスナー部分と、を有してもよい。
【0025】
このようなスコップケースは、スコップのさじ部をコンパクトに収納し、さじ部についた汚れなどがケースの外に出ることを防止できる。
【0026】
また、たとえば、スコップケースは、前記柄通過部の近傍における前記第1布部または前記第2布部に設けられており、スコップの柄に着脱自在に係合する柄係合部を有してもよい。
【0027】
このようなスコップケースは、ファスナーの閉め方が不完全であるような場合であっても、スコップケースがスコップから脱落することを防止することができる。
【0028】
また、たとえば、スコップケースは、一方の端部が、前記さじ部収容部に接続し、他方の端部に、前記さじ部収容部から露出するスコップの柄または取っ手に着脱自在に取り付けられる取り付け部材を備える外付け肩掛け紐部を有してもよい。
【0029】
このようなスコップケースは、両手を使わず、肩に掛けてスコップをバランスよく持ち運ぶことができる。
【0030】
また、たとえば、前記第1布部および前記第2布部は、前記ファスナーにより前記開閉接合部を形成した際に互いに向き合う内表面が、防水表面であってもよい。
【0031】
このようなスコップケースは、内表面が汚れにくく清掃が容易であるとともに、濡れているスコップを収容した場合にも、水分がケースから染み出すことを防止することができる。
【0032】
また、たとえば、前記ファスナーにより前記開閉接合部を形成する前記第1布部および前記第2布部は、スコップのさじ部を収容し、かつ、光を透過して収容するさじ部の形状を外部から確認できる確認窓を備える窓付きさじ部収容部を有してもよい。
【0033】
このようなスコップケースは、内部に収容したスコップのさじ部の形状を、外部から容易に認識し、スコップをケースから取り出さなくても、たとえば収容されたスコップが剣スコであるか角スコであるかを容易に認識できる。
【0034】
また、たとえば、前記ファスナーにより前記開閉接合部を形成する前記第1布部および前記第2布部は、スコップのさじ部を収容し、かつ、前記第1布部および前記第2布部の一部を他の一部に重ねて係合させる変形係合部を備える変形さじ部収容部を有してもよい。
【0035】
このようなスコップケースは、変形さじ部収容部をさじ部の形状に応じて変形させておくことで、内部に収容したスコップのさじ部の形状を、外部から容易に認識し、スコップをケースから取り出さなくても、たとえば収容されたスコップが剣スコであるか角スコであるかを容易に認識できる。
【0036】
また、たとえば、スコップケースは、前記ファスナー、前記第1布部および前記第2布部のいずれかに着脱自在であって、収容されるスコップのさじ部の形状を示す目印部材を有してもよい。
【0037】
このようなスコップケースは、目印部材をさじ部の形状に応じて取り付けておくことで、内部に収容したスコップのさじ部の形状を、外部から容易に認識し、スコップをケースから取り出さなくても、たとえば収容されたスコップが剣スコであるか角スコであるかを容易に認識できる。
【0038】
また、たとえば、前記第1布部外縁および前記第2布部外縁の少なくとも一部には、前記第1布部および前記第2布部における他の部分より厚さが厚い縁部が、前記ファスナーの近傍に形成されていてもよい。
【0039】
このようなスコップケースは、縁部が衝撃を和らげることにより、スコップにおける鋭利な部分をより効果的に保護し、さじ部などが接触および衝突して、他の物を傷つける問題を効果的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係るスコップケースの外観図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すスコップケースのファスナーを開いた状態を示す平面図である。
【
図3】
図3は、本発明の第2実施形態に係るスコップケースのファスナーを開いた状態を示す平面図である。
【
図4】
図4は、本発明の第3実施形態に係るスコップケースにスコップを収納した状態を示す外観図である。
【
図5】
図5は、本発明の第4実施形態に係るスコップケースにスコップを収納した状態を示す外観図である。
【
図6】
図6は、
図5に示すスコップケースのファスナーを開いた状態を示す平面図である。
【
図7】
図7は、本発明の第5実施形態に係るスコップケースにスコップを収納した状態を示す外観図である。
【
図8】
図8は、第1変形例に係るスコップケースを示す概念図である。
【
図9】
図9は、第2および第3変形例に係るスコップケースを示す概念図である。
【
図10】
図10は、第4変形例に係るスコップケースを示す概念図である。
【
図11】
図11は、第5変形例に係るスコップケースのファスナーを開いた状態を示す平面図である。
【
図12】
図12は、第6変形例に係るスコップケースのファスナーを開いた状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
第1実施形態
図1および
図2は、本発明の第1実施形態に係るスコップケース10の外観図である。
図1は、スコップケース10のファスナー60を閉じた状態を示しており、
図2は、スコップケース10のファスナー60を全開し、スコップケース10の第1面11と第2面12とを開いた状態を示している。
図1および
図2に示すように、スコップケース10は、第1布部20、第2布部30、折り返し接続部40、ファスナー60等を有する。スコップケース10における第1布部20、第2布部30、折り返し接続部40およびファスナー60は、スコップ90(
図4および
図5参照)を内部に収容するケース本体部10aを構成する。
【0042】
図1および
図2に示すように、スコップケース10は、スコップケース10の第1面11を構成する第1布部20と、スコップケース10の第2面12を構成する第2布部30とを有する。
図2に示すように、第2布部30は、第1布部20に対して、略直線状の折り返し接続部40を介して一体に接続している。また、第2布部30は、折り返し接続部40を基準として、第1布部20と略対称な外周形状を有している。
【0043】
また、
図1および
図2に示すように、スコップケース10は、スコップケース10を開閉するファスナー60を有する。
図2に示すように、ファスナー60は、第1布部20における外縁のうち折り返し接続部40を除く第1布部外縁22の少なくとも一部と、第2布部30における外縁のうち折り返し接続部40を除く第2布部外縁32の少なくとも一部とを、着脱自在に接続する。
【0044】
図2に示すように、スコップケース10のファスナー60は、第1布部外縁22および第2布部外縁32において、折り返し接続部40の一方の端部である接続部第1端部42から、折り返し接続部40の他方の端部である接続部第2端部44まで、一筆書きに連続して形成されている。なお、スコップケース10のファスナー60は、第1布部外縁22および第2布部外縁32の全体を着脱自在に接合するが、ファスナーとしてはこれのみには限定されず、第1布部外縁22および第2布部外縁32の一部を着脱自在に接合するものであってもよい。
【0045】
図2に示すように、ファスナー60は、第1布部外縁22に沿って設けられる第1チェーン66と、第2布部外縁32に沿って設けられる第2チェーン67と、ファスナー60を開閉する第1スライダー69aおよび第2スライダー69b等を有する。また、ファスナー60は、接続部第1端部42に隣接する位置に、ファスナー60の一方の端部となる第1止め部68aを有しており、接続部第2端部44に隣接する位置に、ファスナー60の他方の端部となる第2止め部68bを有している。
【0046】
図2に示すように、第1スライダー69aを第1止め部68aの近傍に位置させ、第2スライダー69bを第2止め部68bの近傍に位置させることにより、ファスナー60を全開し、第1布部20と第2布部30とを略平らな状態とすることができる。また、第1スライダー69aは、第1止め部68aから第2止め部68bへ向けて、第2スライダー69bは、第2止め部68bから第1止め部68aへ向けて移動させ、第1スライダー69aと第2スライダー69bとを接触または接近させることにより、ファスナー60を全閉することができる。
【0047】
すなわち、スコップケース10では、ファスナー60により第1布部外縁22の少なくとも一部と第2布部外縁32の少なくとも一部を接続して、
図1に示すような開閉接合部61を形成することにより、少なくともさじ部91を含むスコップ90の一部または全体(スコップケース10ではスコップ90の全体)を、第1布部20と第2布部30との間に収容する。
【0048】
図1および
図2に示すように、ファスナー60により開閉接合部61を形成する第1布部20および第2布部30は、スコップ90のさじ部91(
図4参照)を収容するさじ部収容部13と、スコップ90の取っ手92(
図5参照)を収容する取っ手収容部14と、スコップ90の柄93(
図5参照)を収容する柄収容部15とを有する。柄収容部15は、さじ部収容部13と取っ手収容部14とを接続しており、第1面11および第2面12に垂直な方向から見て、さじ部収容部13および取っ手収容部14より幅(スコップケース10の長手方向に垂直な方向の長さ)が狭い。なお、さじ部収容部13および取っ手収容部14の幅は、略同じである。
【0049】
図2に示すように、第1布部外縁22および第2布部外縁32に沿って設けられる開閉接合部61は、11カ所の直線部分62a~62kのいずれかを間に挟む12カ所の曲がり部分63a~63lを有する。このように、開閉接合部61が、直線部分62a~62kのいずれかを間に挟む4か所以上の曲がり部分63a~63lを有することにより、スコップケース10の外周形状を、スコップ90の形状に沿った形にすることができ、このようなスコップケース10は、スコップ90をコンパクトに収容することができる。
【0050】
また、スコップケース10において、開閉接合部61の総長さは、折り返し接続部40の総長さの2倍以上であり、さらに好ましくは3倍以上である。これにより、スコップケース10は、
図1に示すようにファスナー60を全閉した状態では、内部にスコップ90の全体または一部を確実に収容するとともに、
図2に示すようにファスナー60を全開した状態では、ケース本体部10aを略平面状にすることができ、清掃および洗浄を容易に行うことができる。なお、開閉接合部61の総長さは、第1チェーン66と第2チェーン67のうち、いずれか一方の総長さに等しい。
【0051】
図1および
図2に示す第1布部20および第2布部30の材質としては、特に限定されないが、たとえば、化学繊維織布、天然繊維織布、不織布、樹脂シートなどが挙げられる。また、第1布部20および第2布部30は、ウレタン樹脂などの衝撃吸収シートおよび衝撃吸収片を有してもよい。また、第1布部外縁22および第2布部外縁32の少なくとも一部には、第1布部20および第2布部30における他の部分より厚さが厚い縁部23、33が、ファスナー60の近傍に形成されていてもよい。このようなスコップケース10は、スコップ90を内部に収納した状態で他の物に衝突したような場合であっても、衝突した対象物が傷つく問題を、より効果的に防止することができる。
【0052】
また、
図2に示すように、第1布部20および第2布部30は、ファスナー60により開閉接合部61を形成した際に互いに向き合う内表面26、36が、防水表面であることも好ましい。たとえば、水分が浸透しにくい樹脂シートや、撥水性の布を配置したり、金属膜や樹脂膜などを形成したりすることにより、内表面26、36に防水性を持たせることができる。このようなスコップケース10は、濡れた状態のスコップや、水分を含む汚れが付着したスコップを収容した場合であっても、水分がスコップケース10から染み出すことを防止するとともに、内表面26、36の清掃を容易にすることができる。
【0053】
図1および
図2に示すように、スコップケース10は、取っ手収容部14に設けられる端部持ち手部82を有する。端部持ち手部82を有するスコップケース10は、通常スコップ90の取っ手92(
図5参照)を引っ掛けるフックや棒に対して、端部持ち手部82を引っ掛けることにより、スコップ90をスコップケース10に入れたままの状態でも、スコップケース10から出したスコップ90と同じ姿勢で、引っ掛けて保管することができる。
【0054】
また、
図1および
図2に示すように、スコップケース10は、柄収容部15に設けられる中央持ち手部83を有する。中央持ち手部83を有するスコップケース10によれば、片手でバランスよく、スコップ90を持ち運びすることができる。また、柄収容部15は幅狭であるため、この部分に中央持ち手部83を設けることにより、スコップケース10の収容寸法の拡大を回避しつつ、スコップケース10に持ち手を設けることができる。
【0055】
また、
図1に示すように、スコップケース10は、取っ手収容部14とさじ部収容部13とに接続する肩掛け紐部85を有する。肩掛け紐部85を有するスコップケース10は、両手を使わずに、肩に掛けてスコップ90をバランスよく持ち運ぶことができる。
【0056】
このように、
図1および
図2に示すスコップケース10は、そのままでは持ち運びが難しいスコップ90を収容し、スコップ90を容易に持ち運びできるようにすることができる。また、
図2に示すように、スコップケース10は、略直線状の折り返し接続部40を介して互いに一体に接続する第1布部20と第2布部30を、ファスナー60により開閉する構造である。そのため、スコップケース10は、第1布部20と第2布部30を平面状に広げることができ、汚れた場合も洗浄や清掃がしやすい。
【0057】
また、スコップケース10は、ファスナー60による開閉接合部61の総長さが、折り返し接続部40の総長さの2倍以上である。このため、スコップケース10は、ファスナー60を開けばスコップ90の出し入れが容易であり、また、ファスナー60を閉じることにより、スコップ90に付いた汚れがケースの外にでることを防止できる。また、第1布部20と第2布部30とが、さじ部91のようなスコップ90における鋭利な部分を保護し、さじ部91などが接触および衝突して、他の物を傷つける問題を防止できる。
【0058】
第2実施形態
図3は、本発明の第2実施形態に係るスコップケース110の外観図である。
図3は、スコップケース110のファスナー160を全開し、スコップケース110の第1面111と第2面112とを開いた状態を示しており、第1実施形態に係るスコップケース10の
図2に対応する。
図3に示すスコップケース110は、第1布部120と第2布部130とを接続する折り返し接続部140が、第1折り返し接続部145と第2折り返し接続部155とを有し、ファスナー160が第1ファスナー部分165と第2ファスナー部分175とに分かれている点等において、
図2に示すスコップケース10とは異なる。しかしながら、スコップケース110は、スコップケース10との共通点を多く有するので、スコップケース110の説明は、スコップケース10との相違点を中心に行い、スコップケース10との共通点については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0059】
図3に示すように、スコップケース110は、スコップケース10と同様に、第1布部120、第2布部130、折り返し接続部140、ファスナー160等を有し、スコップ90(
図4および
図5参照)を内部に収容するケース本体部110aを構成する。第1布部120は、スコップケース110の第1面111を構成し、第2布部130は、スコップケース210の第2面112を構成する。
【0060】
スコップケース110において、第1布部120と第2布部130は、第1折り返し接続部145と第2折り返し接続部155の2つの折り返し接続部により、一体に接続している。すなわち、スコップケース110の折り返し接続部140は、互いに分離している第1折り返し接続部145と第2折り返し接続部155とを有する。
【0061】
また、第1折り返し接続部145と第2折り返し接続部155とは、いずれも略直線状であり、一方が他方の延長線上に配置される。このような第1折り返し接続部145と第2折り返し接続部155とを有するスコップケース110は、後述する第1ファスナー部分165と第2ファスナー部分175とを全開することにより、第1布部120と第2布部130とを略平面状に開くことができる。
【0062】
図3に示すように、ファスナー160は、第1布部20における外縁のうち第1および第2折り返し接続部145、155を除く第1布部外縁122と、第2布部130における外縁のうち第1および第2折り返し接続部145、155を除く第2布部外縁132とを、着脱自在に接続する。
【0063】
すなわち、ファスナー160は、互いに分離した第1ファスナー部分165と第2ファスナー部分175とを有する。第1ファスナー部分165は、第1布部外縁122および第2布部外縁132において、第1折り返し接続部145の一方の端部である第1接続部第1端部146から、第2折り返し接続部155の一方の端部である第2接続部第1端部156まで続き、この部分を着脱自在に接続する。第2ファスナー部分175は、第1折り返し接続部145の他方の端部である第1接続部第2端部147から、第2折り返し接続部155の他方の端部である第2接続部第2端部157まで続き、この部分を着脱自在に接続する。
【0064】
第1ファスナー部分165は、第1布部外縁122に沿って設けられる第1チェーン166と、第2布部外縁132に沿って設けられる第2チェーン167と、第1ファスナー部分165を開閉する第1スライダー169aおよび第2スライダー169b等を有する。また、第2ファスナー部分175は、第1布部外縁122に沿って設けられる第1チェーン176と、第2布部外縁132に沿って設けられる第2チェーン177と、第2ファスナー部分175を開閉する第1スライダー179等を有する。
【0065】
スコップケース110のファスナー160は、
図1および
図2に示すスコップケース10のファスナー60と同様に、第1布部外縁122と第2布部外縁132とを接続して開閉接合部161を形成し、第1布部120と第2布部130との間に、スコップ90を収容する。
図3に示すように、開閉接合部161は、第1ファスナー部分165による第1開閉接合部161aと、第2ファスナー部分175による第2開閉接合部161bとを有する。
【0066】
図3に示すように、スコップケース110の長手方向に関して、第2ファスナー部分175が接続する第1接続部第2端部147および第2接続部第2端部157は、第1ファスナー部分165が接続する第1接続部第1端部146と第2接続部第1端部156との間に配置される。スコップケース110へのスコップ90の出し入れは、主として第1ファスナー部分165を開閉して行われる。第2ファスナー部分175は、主として、スコップケース110の清掃および洗浄時や、スコップケース110内に小物を出し入れする際に開かれる。
【0067】
第1ファスナー部分165による第1開閉接合部161aは、7カ所の直線部分62a~62kのいずれかを間に挟む8カ所の曲がり部分63a~63hを有する。また、第2ファスナー部分175による第2開閉接合部161bは、3カ所の直線部分62i~62kのいずれかを間に挟む4カ所の曲がり部63i~63lを有する。したがって、ファスナー160は、全体として12カ所の曲がり部を有する。
【0068】
図3に示すスコップケース110は、さじ部収容部13の第1折り返し接続部145を介して第1布部外縁122と第2布部外縁132とが連続しているのに加えて、取っ手収容部114の第2折り返し接続部155を介して第1布部120と第2布部130とが連続している。このため、スコップケース110は、、第1布部120と第2布部130を平面状に広げた状態での形態安定性が高く、より内部の清掃や洗浄が行いやすい。
【0069】
その他、第2実施形態に係るスコップケース110は、第1実施形態に係るスコップケース10と同様の効果を奏する。
【0070】
第3実施形態
図4は、本発明の第3実施形態に係るスコップケース210の外観図である。
図4は、スコップケース210の内部にスコップ90を収容し、スコップケース210のファスナー160を閉じた状態を示している。第3実施形態に係るスコップケース210は、第1布部20により構成される第1面211に確認窓213aが形成されていること等を除き、
図1に示すスコップケース10と同様である。したがって、スコップケース210の説明は、スコップケース10との相違点を中心に行い、スコップケース10との共通点については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0071】
図4に示すように、スコップケース210は、スコップケース10と同様に、第1布部220、第2布部30、折り返し接続部40(
図2参照)、ファスナー60等を有し、これらはスコップ90を内部に収容するケース本体部210aを構成する。第1布部220は、スコップケース110の第1面211を構成し、第2布部30は、スコップケース10の第2面12を構成する。
【0072】
図4に示すように、スコップケース210は、スコップ90のさじ部91を収容する部分が、
図1に示すスコップケース10とは異なる。スコップケース210では、ファスナー60により開閉接合部61を形成する第1布部220および第2布部30が、スコップ90のさじ部91を収容し、かつ、光を透過して収容するさじ部91の形状を外部から確認する確認窓213aを備える窓付きさじ部収容部213を有する。スコップケース210において、光を透過する確認窓213aは、第1布部220に形成されているが、これとは異なり、確認窓は第2布部30に形成されていてもよく、第1布部220と第2布部30の両方に形成されていてもよい。
【0073】
第1布部220における確認窓213aは、たとえばポリ塩化ビニルやポリオレフィンなどの透明の樹脂シートなどで構成されるが、確認窓213aの材質は特に限定されない。また、スコップケース210の窓付きさじ部収容部213は、確認窓213aを備えることを除き、
図1に示すさじ部収容部13と同様である。
【0074】
スコップケース210に収容されるスコップとしては、さじ部91の形状が四角い角スコ(角スコップ)と呼ばれるものの他、さじ部の先が尖った剣スコ(剣スコップ)と呼ばれる形状のものなどが含まれる。スコップケース210は、窓付きさじ部収容部213を有するため、収容するスコップのタイプを、外部から容易に視認することができる。その他、スコップケース210は、スコップケース10と同様の効果を奏する。
【0075】
第4実施形態
図5および
図6は、本発明の第4実施形態に係るスコップケース310の外観図である。
図5は、スコップケース310のファスナー360を閉じ、スコップ90のさじ部91(
図4参照)を収容した状態を示しており、
図6は、スコップケース310のファスナー360を全開し、スコップケース310の第1面311と第2面312とを開いた状態を示している。スコップケース310は、スコップ90を収容した状態で、スコップ90の取っ手92および柄93の少なくとも一部がスコップケース310から露出する点等でスコップケース10とは異なるが、さじ部91を収容するさじ部収容部313を有する点等では、スコップケース10と同じである。スコップケース310の説明では、スコップケース10との相違点を中心に行い、スコップケース10との共通点については、説明を省略する。
【0076】
図5および
図6に示すように、スコップケース310は、第1布部320、第2布部330、折り返し接続部340、ファスナー360等を有する。スコップケース310における第1布部320、第2布部330、折り返し接続部340およびファスナー360は、スコップ90のさじ部91(
図4参照)を内部に収容するケース本体部310aを構成する。
【0077】
図5および
図6に示すように、スコップケース310は、スコップケース310の第1面311を構成する第1布部320と、スコップケース310の第2面312を構成する第2布部330とを有する。
図6に示すように、第2布部330は、第1布部320に対して、略直線状の折り返し接続部340を介して一体に接続している。また、第2布部330は、折り返し接続部340を基準として、第1布部320と略対称な外周形状を有している。
【0078】
また、
図5および
図6に示すように、スコップケース310は、スコップケース310を開閉するファスナー360を有する。
図6に示すように、ファスナー360は、第1布部320における外縁のうち折り返し接続部340および柄通過部316を除く第1布部外縁322と、第2布部330における外縁のうち折り返し接続部340および柄通過部316を除く第2布部外縁332とを、着脱自在に接続する。
【0079】
図6に示すように、ファスナー360は、互いに分離した第3ファスナー部分365と第4ファスナー部分375とを有する。第3ファスナー部分365は、第1布部外縁322および第2布部外縁332において、折り返し接続部340の一方の端部である接続部第1端部342から延びている。第4ファスナー部分375は、折り返し接続部340の他方の端部である接続部第2端部344から延びており、第3ファスナー部分365との間に、スコップ90の柄93を通過させる柄通過部316を挟んで形成される。
【0080】
スコップケース310のファスナー360は、
図1および
図2に示すスコップケース10のファスナー60と同様に、第1布部外縁322と第2布部外縁332とを接続して開閉接合部361を形成し、第1布部320と第2布部330との間に、スコップ90の一部を収容する。スコップケース310では、ファスナー360により開閉接合部361を形成する第1布部320および第2布部330は、スコップ90のさじ部91を収容するさじ部収容部313を有する。また、
図6に示すように、開閉接合部361は、第3ファスナー部分365による第3開閉接合部361aと、第4ファスナー部分375による第4開閉接合部361bとを有する。
【0081】
第3ファスナー部分365は、第1布部外縁322に沿って設けられる第1チェーン366と、第2布部外縁332に沿って設けられる第2チェーン367と、第3ファスナー部分365を開閉する第1スライダー369と、第1止め部368aおよび第2止め部368b等を有する。第3ファスナー部分365の第1止め部368aは接続部第1端部342に隣接して配置されており、第3ファスナー部分365の第2止め部368bは、柄通過部316の一方の端部に隣接して配置されている。
【0082】
第4ファスナー部分375は、第1布部外縁322に沿って設けられる第1チェーン376と、第2布部外縁332に沿って設けられる第2チェーン377と、第4ファスナー部分375を開閉する第1スライダー379と、第1止め部378aおよび第2止め部378b等を有する。第4ファスナー部分375の第1止め部378aは接続部第2端部344に隣接して配置されており、第4ファスナー部分375の第2止め部378bは、柄通過部316の他方の端部に隣接して配置されている。
【0083】
スコップケース310へのスコップ90の出し入れは、主として第3ファスナー部分365を開閉して行われる。第4ファスナー部分375は、主として、スコップケース110の清掃および洗浄時に開かれる。
【0084】
図6に示すように、第3ファスナー部分365による第3開閉接合部361aは、3カ所の直線部分62a~62cのいずれかを間に挟む4カ所の曲がり部分63a~63dを有する。また、第3開閉接合部361aは、曲がり部分63dと第2止め部368bとの間に挟まれる直線部分62mを有する。また、第4ファスナー部分375による第4開閉接合部361bは、直線部分62kを間に挟む2カ所の曲がり部分63i、63lを有する。また、第4開閉接合部361bは、曲がり部分63iと第2止め部378bとの間に挟まれる直線部分62nを有する。したがって、ファスナー360は、全体として6カ所の曲がり部を有する。
【0085】
図5および
図6に示すように、スコップケース310は、収容するスコップ90の柄93に着脱自在に係合する柄係合部388を有する。柄係合部388は、柄通過部316の近傍における第1布部320または第2布部330(スコップケース310では第2布部330)に設けられている。
図6に示す柄係合部388は、面ファスナー等で構成され、
図5に示すようにスコップ90の柄93に巻き付けて固定することができる。
【0086】
このようなスコップケース310は、ファスナー360の閉め方が不完全であるような場合であっても、スコップケース310からスコップ90が脱落することを防止することができる。
【0087】
また、スコップケース310は、さじ部収容部313に設けられる端部持ち手部384や、肩掛け紐部386を有する。端部持ち手部384や肩掛け紐部386を有するスコップケース310を用いることにより、スコップ90を容易に持ち運ぶことができる。
【0088】
スコップケース310は、スコップケース10と同様に、略直線状の折り返し接続部340を介して互いに一体に接続する第1布部320と第2布部330を、ファスナー360により開閉する構造である。そのため、スコップケース310は、第1布部320と第2布部330を平面状に広げることができ(
図6参照)、汚れた場合も洗浄や清掃がしやすい。
【0089】
また、スコップケース310は、ファスナー360による開閉接合部361の総長さが、折り返し接続部340の総長さの2倍以上である。このため、スコップケース310は、ファスナー360を開けばスコップ90の出し入れが容易であり、また、さじ部91を収容してファスナー360を閉じることにより、さじ部91に付いた汚れがケースの外にでることを防止できる。また、第1布部320と第2布部330とが、さじ部91のようなスコップ90における鋭利な部分を保護し、さじ部91などが接触および衝突して他の物を傷つける問題を、効果的に防止できる。
【0090】
その他、第4実施形態に係るスコップケース310は、第1実施形態に係るスコップケース10との共通点については、スコップケース10と同様の効果を奏する。
【0091】
第5実施形態
図7は、本発明の第5実施形態に係るスコップケース410の外観図である。
図7は、スコップケース410のファスナー360を閉じ、スコップ90のさじ部91(
図4参照)を収容した状態を示している。スコップケース410は、肩掛け紐部386(
図5参照)に換えて、外付け肩掛け紐部487を有する点で、
図5に示すスコップケース310とは異なるが、第1布部320、第2布部330およびファスナー360等を有する本体部310aなど、外付け肩掛け紐部487以外の部分については、スコップケース310と同様である。スコップケース410の説明では、スコップケース310との相違点を中心に行い、スコップケース310との共通点については、説明を省略する。
【0092】
図7に示すように、スコップケース410の外付け肩掛け紐部487は、一方の端部である肩掛け紐第1端部487aがさじ部収容部313に接続する。これに対して、外付け肩掛け紐部487の他方の端部である肩掛け紐第2端部487bは、さじ部収容部313から露出するスコップ90の柄93または取っ手92に着脱自在に取り付けられる取付部材487cを備える。
【0093】
図7に示すように、取付部材487cは、例えば面ファスナーなどを有しており、スコップ90の柄93または取っ手92に巻き付けて固定することができる。このような外付け肩掛け紐部487を有するスコップケース410は、両手を使わず、肩に掛けてスコップ90をバランスよく持ち運ぶことができる。その他、スコップケース410は、スコップケース310との共通点については、スコップケース310と同様の効果を奏する。
【0094】
本発明に係るスコップケース10、110,210、310、410について、複数の実施形態を挙げて説明を行ったが、本発明の技術的範囲は、これらの実施形態のみに限定されるものではなく、他の実施形態や変形例を数多く含むことは言うまでもない。たとえば、
図8は、第1変形例に係る変形さじ部収容部513を表す概念図であり、先述したスコップケース10等は、さじ部収容部13に換えて、
図8に示すような変形さじ部収容部513を有していてもよい。
【0095】
すなわち、
図1に示すように、ファスナー60により開閉接合部61を形成する第1布部20および第2布部30は、
図1に示すさじ部収容部13に換えて、
図8に示す変形さじ部収容部513を有していてもよい。
図8の左側の部分に示すように、変形さじ部収容部513は、スコップ90のさじ部を収容し、かつ、第1布部20および第2布部の一部を他の一部に重ねて係合させる変形係合部513a、513bを有する。
【0096】
図8に示す変形係合部513a、513bは、たとえば着脱自在に係合するスナップボタンやマグネットで構成される。変形さじ部収容部513を有するスコップケースでは、内部に収容するスコップのタイプに応じて変形係合部513a、513bを着脱し、変形さじ部収容部513を変形させることができる。たとえば、角スコを内部に収容する場合は、
図8の左側の部分に示すように変形係合部513a、513bの係合を解除することにより、変形さじ部収容部513の形状を、角スコのさじ部の外形状に沿った形にすることができる。
【0097】
これに対して、剣スコを内部に収容する場合は、
図8の右側の部分に示すように変形係合部513a、513bを係合させることにより、変形さじ部収容部513の形状を、剣スコのさじ部の外形状に沿った形にすることができる。このような変形さじ部収容部513を有するスコップケースは、内部に収容するスコップのタイプに応じて変形係合部513a、513bを変形させることにより、内部に収容するスコップのタイプを、外部から容易に視認することができる。
【0098】
図9(a)は、第2変形例に係るさじ部収容部613を表す概念図であり、スコップケース10(
図1参照)等は、さじ部収容部13に換えて、
図9(a)に示すようなさじ部収容部613を有していてもよい。さじ部収容部613は、第1布部および第2布部のいずれかに着脱自在であって、収容されるスコップのさじ部の形状を示す目印部材613a、613bを有する。さじ部収容部613では、
図9(a)の左側部分に示すような四角形の目印部材613aが取付けられていることにより、内部に収容するスコップのタイプが角スコであることが、外部から容易に認識可能である。
【0099】
また、さじ部収容部613では、
図9(a)の右側部分に示すような三角形の目印部材613bが取付けられていることにより、内部に収容するスコップのタイプが剣スコであることが、外部から容易に認識可能である。目印部材613a、613bは、たとえば面ファスナーなどを用いて、第1布部20や第2布部30(
図1等参照)に取り付けられる。
【0100】
図9(b)は、第3変形例に係る取っ手収容部614を表す概念図であり、スコップケース10(
図1参照)等は、取っ手収容部14に換えて、
図9(b)に示すような取っ手収容部614を有していてもよい。取っ手収容部614は、第1布部および第2布部のいずれかに着脱自在であって、収容されるスコップのさじ部の形状を示す目印部材614a、614bを有する。目印部材614a、614bの用途および形状等については、
図9(a)に示す目印部材613a、613bと同様である。
【0101】
図10は、第4変形例に係る目印部材617a、617bを表す概念図である。スコップケース10(
図1参照)等は、ファスナー60の第1スライダー69aまたは第2スライダー69bに着脱自在であって、収容されるスコップのさじ部の形状を示す目印部材617a、617bを有していてもよい。四角形の目印部材617aは、内部に収容するスコップのタイプが角スコであることを示し、三角形の目印部材617bは、内部に収容するスコップのタイプが剣スコであること示す。目印部材617a、617bは、取付用の二重リングなどを介して、ファスナー60等に取り付けることができる。
【0102】
図11は、第5変形例に係るスコップケースの本体部710aを示す外観図である。
図2に示すスコップケース10の第1布部20および第2布部30は、収容するスコップ90の柄93が延びる方向に略平行な折り返し接続部40を介して一体に接続されている。これに対して、
図11に示すスコップケースの第1布部720および第2布部730は、収容するスコップ90の柄93が延びる方向に略垂直な折り返し接続部740を介して一体に接続されている。
図2と
図11との比較から理解できるように、折り返し接続部40、740の方向は特に限定されず、
図11に示すような本体部710aを有するスコップケースも、スコップケース10と同様の効果を奏する。
【0103】
図12は、第6変形例に係るスコップケースの本体部810aを示す外観図である。
図6に示すスコップケース310の第1布部320および第2布部330は、収容するスコップ90の柄93が延びる方向に略平行な折り返し接続部340を介して一体に接続されている。これに対して、
図12に示すスコップケースの第1布部820および第2布部830は、収容するスコップ90の柄93が延びる方向に略垂直な折り返し接続部840を介して一体に接続されている。
図6と
図12との比較から理解できるように、折り返し接続部340、840の方向は特に限定されず、
図12に示すような本体部810aを有するスコップケースも、スコップケー310と同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0104】
10、110、210、310、410…スコップケース
10a、110a、210a、310a、710a、810a…本体部
11、111、211、311…第1面
12、112、312…第2面
13、313、613…さじ部収容部
213…窓付きさじ部収容部
213a…確認窓
513…変形さじ部収容部
513a、513b…変形係合部
14、114、614…取っ手収容部
613a、613b、614a、614b、617a、617b…目印部材
15…柄収容部
316…柄通過部
20、120、220、320、720、820…第1布部
22、122、322…第1布部外縁
23、33…縁部
26、36…内表面
30、130、330、730、830…第2布部
32、132、332…第2布部外縁
40、140、340、740、840…折り返し接続部
145…第1折り返し接続部
42、342…接続部第1端部
44、344…接続部第2端部
146…第1接続部第1端部
147…第1接続部第2端部
155…第2折り返し接続部
156…第2接続部第1端部
157…第2接続部第2端部
60、160、360…ファスナー
61、161、361…開閉接合部
161a…第1開閉接合部
161b…第2開閉接合部
361a…第3開閉接合部
361b…第4開閉接合部
165…第1ファスナー部分
175…第2ファスナー部分
365…第3ファスナー部分
375…第4ファスナー部分
62a~62k、62a~62c、62m、62k、62n…直線部分
63a~63l、62a~63d、63k、63l…曲がり部分
66、166、176、366、376…第1チェーン
67、167、177、367、377…第2チェーン
68a、368a、378a…第1止め部
68b、368b、378b…第2止め部
69a、169a、179、369、379…第1スライダー
69b、169b…第2スライダー
82、384…端部持ち手部
83…中央持ち手部
85、386…肩掛け紐部
487…外付け肩掛け紐部
487a…肩掛け紐第1端部
487b…肩掛け紐第2端部
487c…取付部材
388…柄係合部
90…スコップ
91…さじ部
92…取っ手
93…柄
【要約】
【課題】スコップの出し入れが容易であり、かつ、汚れた場合も洗浄や清掃がしやすいスコップケース。
【解決手段】第1面を構成する第1布部と、前記第1布部に対して略直線状の折り返し接続部を介して一体に接続しており、前記折り返し接続部を基準として前記第1布部と略対称な外周形状を有しており第2面を構成する第2布部と、前記第1布部における外縁のうち前記折り返し接続部を除く第1布部外縁と、前記第2布部における外縁のうち前記折り返し接続部を除く第2布部外縁とを、着脱自在に接続するファスナーと、を有し、前記ファスナーにより前記第1布部外縁の少なくとも一部と前記第2布部外縁の少なくとも一部を接続して開閉接合部を形成することにより、前記第1布部と前記第2布部との間に、少なくともさじ部を含むスコップの一部または全体を収容し、前記開閉接合部の総長さは、前記折り返し接続部の総長さの2倍以上であるスコップケース。
【選択図】
図1