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特許7176820タッチ式検出電極及びムーバブル電動装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】タッチ式検出電極及びムーバブル電動装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/04 20060101AFI20221115BHJP
   A47L 11/24 20060101ALI20221115BHJP
   A47L 11/40 20060101ALI20221115BHJP
   G01N 27/02 20060101ALI20221115BHJP
   G01N 27/22 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
G01N27/04 Z
A47L11/24
A47L11/40
G01N27/02 Z
G01N27/22 Z
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021523232
(86)(22)【出願日】2018-12-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(86)【国際出願番号】 CN2018122652
(87)【国際公開番号】W WO2020093554
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2021-04-27
(31)【優先権主張番号】201811338412.0
(32)【優先日】2018-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521007481
【氏名又は名称】▲広▼▲東▼美的白色家▲電▼技▲術▼▲創▼新中心有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG MIDEA WHITE HOME APPLIANCE TECHNOLOGY INNOVATION CENTER CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Building #4,Midea Global Innovation Center,Industry Boulevard,Beijiao,Shunde Foshan,Guangdong 528311,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B26-28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 品
(72)【発明者】
【氏名】熊 ▲貴▼林
(72)【発明者】
【氏名】黄 新建
(72)【発明者】
【氏名】伍 叔云
(72)【発明者】
【氏名】程 杰▲鋒▼
【審査官】吉田 将志
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106333631(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0020062(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0107449(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/00 - G01N 27/10
G01N 27/14 - G01N 27/24
A47L 11/00 - A47L 11/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡散可能な汚れ物を検出するためのタッチ式検出電極であって、
長尺状の支持部材と、
前記支持部材に設けられて可撓性素材である複数の導電体と
を備え
前記支持部材に正電極接続部と負電極接続部が設けられ、複数の前記導電体の中の一部の導電体が前記正電極接続部に接続され、もう一部の導電体が前記負電極接続部に接続され、
前記導電体は細毛状構造であり、
前記支持部材は長手方向の第1の側辺を有し、複数の前記導電体が前記第1の側辺に沿って間隔を開けて設置され、
前記正電極接続部に接続される2つの導電体の間に、間隔を開けて前記負電極接続部に接続される導電体が設置されることを特徴とするタッチ式検出電極。
【請求項2】
前記導電体は、導電プラスチック、金属、金属導電ペレット混合物、グラフェン又はシリカゲル導電バーで作成されることを特徴とする請求項1に記載のタッチ式検出電極。
【請求項3】
前記導電体は前記第1の側辺から凸出した凸出部を有し、隣り合う2つの前記導電体の間のピッチが2つの前記導電体の凸出部の長さの和よりも大きいことを特徴とする請求項に記載のタッチ式検出電極。
【請求項4】
前記導電体は前記支持部材内に設けられ、その一端が第1の側辺の端面から露出することを特徴とする請求項に記載のタッチ式検出電極。
【請求項5】
前記正電極接続部と前記負電極接続部は挿入接続の形のコネクタとして構成されることを特徴とする請求項に記載のタッチ式検出電極。
【請求項6】
前記支持部材は可撓性素材であることを特徴とする請求項1に記載のタッチ式検出電極。
【請求項7】
前記支持部材は可撓性プリント回路板又は可撓性絶縁体であることを特徴とする請求項に記載のタッチ式検出電極。
【請求項8】
前記支持部材は第1の側面を有し、複数の前記導電体は前記第1の側面に敷設された複数の金属シートであることを特徴とする請求項に記載のタッチ式検出電極。
【請求項9】
前記タッチ式検出電極は更に、複数の前記導電体に接続される検出・制御回路を含み、
前記検出・制御回路は複数の前記導電体の中の一部の導電体に正電気信号を供給し、もう一部の導電体に負電気信号を供給し、
前記検出・制御回路は更に、いずれか1つの帯正電気信号の導電体といずれか1つの帯負電気信号の導電体との間の電気信号の変化量に基づいて汚れ物が検出されたことを検出したかどうかを確定することを特徴とする請求項1に記載のタッチ式検出電極。
【請求項10】
前記電気信号の変化量は具体的に、電気抵抗、容量又はインピーダンスの変化量であることを特徴とする請求項に記載のタッチ式検出電極。
【請求項11】
前記正電極接続部と前記負電極接続部は磁性を有するコンタクトとして構成されることを特徴とする請求項に記載のタッチ式検出電極。
【請求項12】
前記支持部材は弧形として設置されることを特徴とする請求項1に記載のタッチ式検出電極。
【請求項13】
前記支持部材に更にブラシ毛が設けられることを特徴とする請求項1に記載のタッチ式検出電極。
【請求項14】
隣り合う2つの前記導電体の間に前記ブラシ毛が設けられることを特徴とする請求項13に記載のタッチ式検出電極。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載のタッチ式検出電極を備え
ことを特徴とするムーバブル電動装置。
【請求項16】
前記ムーバブル電動装置は床面清掃用ロボットであることを特徴とする請求項15に記載のムーバブル電動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2018年11月09日に中国特許局に出願された出願号201811338412.0(発明名称:「タッチ式検出電極及びムーバブル電動装置」)という中国特許の優先権を請求し、その全体をここに援用する。
【0002】
本願は汚れ物検出の技術分野に関し、特にタッチ式検出電極及びムーバブル電動装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ロボット技術の発展に伴って、多い機能を有する床面清掃用ロボットが現れ、人々の生活が便利になる。
【0004】
しかしながら、目の前の床面清掃用ロボットは汚れ物検出機能を有しないため、例えば床面にスープ、ペット糞便などの一定の粘性と拡散性を有する物体がある場合、もし床面清掃用ロボットで床面を清掃すると、これらの汚れ物が貼り付けられ、汚れ物を部屋全体へ拡散させて部屋をひどく汚染するようになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の主な目的は、拡散可能な汚れ物の検出を実現するタッチ式検出電極を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は、上記した目的を実現するために、
支持部材と、
前記支持部材に設けられて可撓性素材である複数の導電体と
を備えるタッチ式検出電極を開示した。
【0007】
好ましくは、前記導電体は、導電プラスチック、金属、金属導電ペレット混合物、グラフェン又はシリカゲル導電バーで作成される。
【0008】
好ましくは、前記支持部材に正電極接続部と負電極接続部が設けられ、複数の前記導電体の中の一部の導電体が前記正電極接続部に接続され、もう一部の導電体が前記負電極接続部に接続される。
【0009】
好ましくは、前記導電体は細毛状構造である。
【0010】
好ましくは、前記支持部材は第1の側辺を有し、複数の前記導電体が前記第1の側辺に沿って間隔を開けて設置される。
【0011】
好ましくは、前記正電極接続部に接続される2つの導電体の間に、間隔を開けて前記負電極接続部に接続される導電体が設置される。
【0012】
好ましくは、前記導電体は前記第1の側辺から凸出した凸出部を有し、隣り合う2つの前記導電体の間のピッチが2つの前記導電体の凸出部の長さの和よりも大きい。
【0013】
好ましくは、前記導電体は前記支持部材内に設けられ、その一端が前記第1の側辺の端面から露出する。
【0014】
好ましくは、前記正電極接続部と負電極接続部は挿入接続の形のコネクタとして構成される。
【0015】
好ましくは、前記支持部材は可撓性素材である。
【0016】
好ましくは、前記支持部材は可撓性プリント回路板又は可撓性絶縁体である。
【0017】
好ましくは、前記支持部材は第1の側面を有し、複数の前記導電体は前記第1の側面に敷設された複数の金属シートである。
【0018】
好ましくは、前記タッチ式検出電極は更に、複数の前記導電体に接続される検出・制御回路を含み、
前記検出・制御回路は複数の前記導電体の中の一部の導電体に正電気信号を供給し、もう一部の導電体に負電気信号を供給し、
前記検出・制御回路は更に、いずれか1つの帯正電気信号の導電体といずれか1つの帯負電気信号の導電体との間の電気信号の変化量に基づいて汚れ物が検出されたことを検出したかどうかを確定する。
【0019】
好ましくは、前記電気信号の変化量は具体的に、電気抵抗、容量又はインピーダンスの変化量である。
【0020】
好ましくは、前記正電極接続部と負電極接続部は磁性を有するコンタクトとして構成される。
【0021】
好ましくは、前記支持部材は長尺状又は弧形として設置される。
【0022】
好ましくは、前記支持部材に更にブラシ毛が設けられる。
【0023】
好ましくは、隣り合う2つの前記導電体の間に前記ブラシ毛が設けられる。
【0024】
本願は上記した目的を実現するために、タッチ式検出電極を備え、
前記タッチ式検出電極は、
支持部材と、
前記支持部材に設けられて可撓性素材である複数の導電体とを含むムーバブル電動装置を開示した。
【0025】
好ましくは、前記ムーバブル電動装置は床面清掃用ロボットである。
【0026】
本願の技術手段によれば、支持部材に複数の導電体を設置して検出電極を構成して拡散性の汚れ物(油、スープ、かゆ、動物糞便など)を検出し、動作の時、その中の一部の導電体に正電を供給し、一部の導電体に負電を供給することによって、2つの導電体が汚れ物に当たった場合、汚れ物を通じて通路を形成し、正電に接続される導電体と負電に接続される導電体との間の電気信号は、2つの導電体が連通していない場合よりも変化し、変化量の大きさを判別すれば汚れ物を検出したかどうかを確定でき、汚れ物を検出したと確定した場合、即時に処理するようにユーザに提示する又はムーバブル電動装置を制御してその動作を停止させることができ、汚れ物がムーバブル電動装置に貼り付けられて他の領域へ拡散して汚染面積が大きくなることを防止できる。なお、導電体として可撓性素材を採用することによって、検出精度を向上すると共に電極の摩耗を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本願に係るタッチ式検出電極の1つの実施例の構造模式図である。
図2】本願に係るタッチ式検出電極のもう1つの実施例の構造模式図である。
図3】本願に係るタッチ式検出電極のもう1つの実施例の構造模式図である。
図4図3に示すタッチ式検出電極のもう1つの視野角からの図である。
図5】本願に係るムーバブル電動装置の1つの実施例の構造模式図である。
図6図5に示すムーバブル電動装置のもう1つの視野角からの図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本願の実施例又は従来技術における手段を更に明らかに説明するために、実施例又は従来技術の記載に利用必要である添付図面を簡単に紹介するが、明らかであるように、以下に記載される添付図面はただ本願の一部の実施例であり、業者は創造的労働をしない限り、これらの添付図面に示す構造に基づいて他の添付図面を得ることができる。
【0029】
実施例に基づいて、添付図面を参照して本願目的の実現、機能特徴及び利点を更に説明する。
【0030】
以下、本願実施例における添付図面に基づいて、本願に係る実施例の技術手段を明らかで完璧に記載する。明らかであるように、記載された実施例は全部の実施例ではなく、ただ本願の一部の実施例である。業者が本願における実施例に基づいて創造的労働をしない限り得られた他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0031】
説明する必要があるように、本願に係る実施例において、全ての方向的な指示(例えば上、下、左、右、前、後…)は、ある特定の姿態(例えば、添付図面に示す)で各部材の間の相対位置関係、運転状況などを解釈するためのものであり、もし当該特定の姿態が変更すると、当該方向的な指示も対応的に変更するようになる。
【0032】
また、本願にかかる「第1」、「第2」という記載はただ記述のためのものであり、相対重要性を指示・示唆し、又は指示された技術特徴の数を隠蔽的に指定すると理解できない。そのため、「第1」、「第2」という限定を有する特徴は、少なくとも1つの当該特徴を明示的又は隠蔽的に含むことができる。また、各実施例の間の技術手段は、当業者によって実現できる限り互いに組み合わせてもよいが、技術手段の組み合わせが互いに矛盾する又は実現できない場合、このような技術手段の組み合わせは存在しないと考えるべきであり、また、本願の請求する保護範囲に含まない。
【0033】
人々の日常生活にこのような悩みがあり、部屋の床面に粘性、拡散性を有する汚れ物(油、スープ、かゆ、動物糞便)が存在して即時に整理しない場合、家の子供が電動おもちゃで遊ぶ又は床面清掃用ロボットによって床面を清掃する時、これらの汚れ物を部屋全体へ拡散させ、大面積の汚染を引き起こして多量の細菌を生成する可能性がある。特に、ペットを有する家庭では、人が居なくて床面清掃用ロボットを動作させる場合に、ペットの糞便を部屋全体に連れるようになり、清潔の難しさとコストを増加するだけでなく、生成された匂いと細菌も家庭メンバーの生活にひどい影響を与える。このように、ペット飼育と、床面清掃用ロボットなどのムーバブル電動装置の利用は互いに矛盾する。
【0034】
本願は上記問題に対して、タッチ式検出電極を開示し、床面清掃用ロボット、電動おもちゃなどのムーバブル電動装置に適用でき、汚れ物に接触する検出方式によって汚れ物を正確的に検出し、更にユーザに提示し、又はムーバブル電動装置を制御して動作を停止させ、汚れ物を拡散させて汚染面積が大きくなることを防止する。もちろん、説明する必要があるように、本願に係るタッチ式検出電極は汚れ物を検出するいずれの他の機器又は場所に適用されてもよく、単独のムーバブル検出装置として作製し、部屋に絶えずに運動していて汚れ物を検出してもよい。以下、主にムーバブル電動装置の具体的な実施構造を記述する。
【0035】
図1図4を参照し、本願の1つの実施例において、本願により開示されたタッチ式検出電極は支持部材100及び複数の導電体200を備え、複数の前記導電体200は前記支持部材100に設けられ、前記支持部材100は導電体200の間の短絡を防止するように絶縁素材であってもよいし、導電体200と支持部材100との接触部分を絶縁処理してもよく、導電体200は支持部材100に敷設されたシート状構造であってもよいし、汚れ物に接触しやすいように、支持部材100から一定長さで延伸する又は一部露出するロッド構造又は細毛状構造であってもよいが、もちろん、具体的な形態が制限されない。
【0036】
本実施例において、支持部材100はリジッド性又は可撓性の素材であってもよく、導電体200も同様に、リジッド性又は可撓性素材であってもよいが、これに制限されない。
【0037】
本実施例において、導電体200の数としては、2つであってもよいし、3つ以上の複数であってもよく、その中の一部が正電の接続に供され、一部が負電の接続に供される。タッチ式検出電極による汚れ物の検出原理としては、検出回路によって正電に接続される導電体200と負電に接続される導電体200との間の電気信号の変化量の大きさを検出し、汚れ物が検出されたことを検出したかどうかを確定する。2つの導電体200が汚れ物に当たった場合、汚れ物を通じて通路を形成し、正電に接続される導電体200と負電に接続される導電体200との間の電気信号は、2つの導電体が連通していない場合よりも変化し、変化量の大きさを判別すれば汚れ物を検出したかどうかを確定でき、汚れ物を検出したと確定した場合、即時に処理するようにユーザに提示する又はムーバブル電動装置を制御してその動作を停止させることができ、汚れ物がムーバブル電動装置に貼り付けられて他の領域へ拡散して汚染面積が大きくなるという問題を防止でき。このようにして、細菌の生成や、清潔の難しさの増加と清潔コストの増加の問題も更に低減され、人々の生活が便利になり、また、ペット飼育と、床面清掃用ロボットなどのムーバブル電動装置の利用が互いに矛盾するという問題を解決できる。
【0038】
更に、汚れ物の検出能力を向上すると共に導電体200の摩耗を回避するために、前記導電体200は可撓性素材である。理解できるように、タッチ式検出電極がムーバブル電動装置に装備される場合、もし導電体200が可撓性を有しない素材であれば、導電体200と床面又は所定のテーブルとの間に一定の距離を確保する必要がある。これによって、ムーバブル電動装置が移動している過程において、導電体200は床面又は所定のテーブルに対して抵抗を生成しなく、また、導電体200が床面又は所定のテーブルに接触して摩耗することを回避する。しかしながら、液体の汚れ物又はサイズが極めて小さいペレット状の汚れ物は可撓性を有しない導電体200により検知され難いようになる。可撓性の導電体200は床面又は所定のテーブルに直接的に接触して検知することができる。このように、床面又は所定のテーブルでの液体汚れ物及びサイズが極めて小さいペレット状の汚れ物も、導電体200が接触して検知できる。可撓性の導電体200は床面又は所定のテーブルに接触する場合、その摩擦が小さくて、余分な抵抗を生成することも基本的になく、摩耗され難い。
【0039】
上記導電体200としては、導電プラスチック、金属、金属導電ペレット混合物、グラフェン、高分子材料又はシリカゲル導電バーで作成されてもよく、これらの材料で作成された導電体200は良好な導電性を有するだけでなく、良好な可撓性を有する。その中、金属としては、銅、アルミニウムなどの一定の腰を有するものであってもよい。このような金属を利用する場合、支持部材100として可撓性素材の構造を利用し、導電体200として支持部材100に敷設された構造を利用し、支持部材100の可撓性によって導電体200と床面の接触による摩擦力を低減する。詳細的には、図1を参照し、前記支持部材100は第1の側面を有し、複数の前記導電体200は前記第1の側面に敷設された複数の金属シートであり、金属シートは2つあってもよく、汚れ物を貼り付けるように、互いに近接しながら間隔を開けて設置される。その中、導電プラスチックは導電ポリアセチレンがドープされた材料であってもよいし、樹脂をマトリックスとして導電添加剤又は導電繊維と混合した後、プラスチックの加工成形によって加工された機能型高分子材料であってもよく、その中、マトリックスとしてPC/ABS、PC、ABS、PA、PPE等を含んでもよく、添加された導電繊維としては、主にニッケルめっき炭素繊維、ステーンレススチール繊維などがある。
【0040】
説明する必要があるように、可撓性が良好である材料で導電体200を製造する場合、支持部材100の材料は制限されなく、可撓性が良好でない材料で導電体200を製造する場合、支持部材100としては、導電体200が床面に近づく又は接触して検出動作を実行する時に、摩擦力と抵抗を低減すると共に摩耗を防止するように、可撓性の良い素材を選択してもよい。その中、支持部材100はPCB板(Printed circuit board)と略称される可撓性プリント回路板、又は可撓性絶縁体であってもよく、フレキシブルPCBの基材としては、可撓性が良くて腰が強いポリイミドを利用してもよく、その中、板厚は70μm(マイクロメートル)として設計されてもよく、硬質PCB板の厚さの1/100であり、体積と消費材料が低減される。
【0041】
上記導電体200は、浸漬塗装法、バーコート法、スプレーコート法、インクジェットプリント法、スピンコート法、スクリーンプリント法、グラビアプリント法、ドクター法、静電紡糸法、電着法、真空吸引ろ過法、ドロップキャスト法、界面成長法、LB成長法又は層-層自己組み立て法で作成されてもよい。これらの作製プロセスは簡単で容易に実現する。
【0042】
更に、正電と負電を容易に導電体200に接続するために、前記支持部材100に正電極接続部と負電極接続部が設けられ、複数の前記導電体200の中の一部の導電体200が前記正電極接続部に接続され、もう一部の導電体200が前記負電極接続部に接続される。正電極接続部と負電極接続部は接続端子、コンタクト又はジャックなどであってもよく、その構造形態が制限されなく、正負電を供給する回路に容易に接続できればよい。本実施例の目的は、導電体200毎に正負電を供給する回路に接続することを回避することにあり、正電極接続部と負電極接続部によって、2つの接続端を引き出すと複数の導電体200の接続を実現でき、非常に便利である。
【0043】
当該更なる実施例において、好ましくは、前記正電極接続部と負電極接続部は挿入接続の形のコネクタとして構成される。コネクタによって、複数の導電体200と正負電を供給する回路とを接続する接続構造を簡略化させ、取り付けと電極交換の時に非常に便利である。
【0044】
当該更なる実施例において、好ましくは、正電極接続部と負電極接続部は磁性を有するコンタクトとして構成される。磁気吸着によって正負電を供給する回路への対応接続を実現し、このようにして、取り付けと電極交換の時にも非常に便利であり、また、その体積は挿入接続又は他の接続構造よりも小さい。
【0045】
図2図5及び図6を参照し、1つの実施例において、導電体200は細毛状構造であり、前記支持部材100は第1の側辺を有し、複数の前記導電体200は前記第1の側辺に沿って間隔を開けて設置される。
【0046】
当該実施例において、細毛状構造の導電体200と支持部材100はブラシに似た構造として構成され、床面清掃用ロボットでの清掃部材300として利用する又は所定の位置に取り付けることができ、塵埃の効果清掃の向上と、汚れ物の検出の実現を両立できる。
【0047】
当該実施例において、検出範囲を拡大するために、正負電を交差して設置することによって導電体200のレーアウトを実現し、具体的には、前記正電極接続部に接続される2つの導電体200の間に、間隔を開けて前記負電極接続部に接続される導電体200が設置される。導電体200のこのような配列によれば、隣り合ういずれか2つの導電体200が汚れ物に接触して汚れ物を通じて通路を形成すれば、検出信号を出力して汚れ物を検出したと確定できる。
【0048】
当該実施例において、図3及び図4を参照し、導電体200は前記支持部材100に設けられ、その一端が前記第1の側辺の端面から露出し、露出した端部で汚れ物に接触して通路を形成して汚れ物の検出を実現してもよく、又は、導電体200の一端が前記第1の側辺から凸出し、即ち、前記導電体200は前記第1の側辺から凸出した凸出部2001を有し、凸出部2001で汚れ物に接触して通路を形成して汚れ物の検出を実現してもよい。
【0049】
導電体200の一端が前記第1の側辺から凸出した場合、正負電に対応する導電体200の間に互いにショートして短絡になって誤った検出信号を出力することを回避するために、隣り合う2つの前記導電体200のピッチが2つの前記導電体200の凸出部2001の長さの和よりも大きい。
【0050】
当該実施例において、支持部材100に更にブラシ毛を設置して塵埃を清掃してもよく、特に、隣り合う2つの導電体200の間にブラシ毛を設置することによって、汚れ物を貼り付け易くなり、隣り合う2つの導電体200が汚れ物を接触した場合、通路の形成は更に容易になる。その中、支持部材100を長尺状又は弧形として設置する場合、塵埃の清掃に便利である。
【0051】
更に、タッチ式検出電極は、各種の機器又は場所に便利に適用されるように、単独の素子として作製してもよい。当該更なる実施例において、前記タッチ式検出電極は更に複数の前記導電体200に接続される検出・制御回路を含み、
前記検出・制御回路は、複数の前記導電体200の中の一部の導電体200に正電気信号を供給し、もう一部の導電体200に負電気信号を供給し、
前記検出・制御回路は更に、いずれか1つの帯正電気信号の導電体200といずれか1つの帯負電気信号の導電体200との間の電気信号の変化量に基づいて汚れ物が検出されたことを検出したかどうかを確定する。
【0052】
帯正電の導電体200と帯負電の導電体200が汚れ物に当たった場合、汚れ物を通じて電気通路を形成し、帯正電の導電体200と帯負電の導電体200との間の電気信号は2つの導電体200が連通していない場合よりも変化し、適切な比較閾値を設置すれば、電気信号の変化量に基づいて汚れ物を検出したかどうかを確定でき、汚れ物を検出したと確定した場合、即時に処理するようにユーザに提示する又はムーバブル電動装置を制御してその動作を停止させることができ、汚れ物がムーバブル電動装置に貼り付けられて他の領域へ拡散して汚染面積が大きくなるという問題を防止できる。
【0053】
その中、前記電気信号変化量具体は電気抵抗、容量又はインピーダンス変化量などであり、対応的に、検出・制御回路は電気抵抗検出回路、容量検出回路、インピーダンス検出回路に対応し、その中、電気抵抗としては導電率の形で実現してもよいし、他の形で実現してもよいが、ここでは一つ一つ列挙しない。
【0054】
上記実施例において、説明する必要があるように、本願に係るタッチ式検出電極は直接的に汚れ物に接触することによって検出するものであり、正確性が高くて実用性が強く、本当に市場に適用できる。
【0055】
なお、図1図6を参照し、本願は更にムーバブル電動装置を提供し、当該ムーバブル電動装置は床面清掃用ロボット又は電動おもちゃであってよく、前記ムーバブル電動装置は上記したタッチ式検出電極を含み、上記したタッチ式検出電極は上記の通りであり、ここでは繰り返して記述しない。
【0056】
その中、タッチ式検出電極は、ムーバブル電動装置の底盤前進方向、尾部方向(後進の場合)を含み、底盤周辺、底盤、ホイール周辺、ホイールフェンダーなどの、汚れ物に接触する確率が高い位置に取り付けられてもよいが、これに制限されない。
【0057】
説明する必要があるように、本実施例において、対応する回路を別に配置して導電体200に正負電気信号を供給し、また、判別メカニズムを提供して汚れ物の検出機能を実現してもよく、もちろん、上記した検出・制御回路を含む実施例をそのまま利用して実現してもよい。
【0058】
以上に記載されたのは本願の好ましい実施例であって、本願の特許範囲はこれに制限されない。本願の発明構想で本願の明細書及び添付図面の内容に基づいて成された等価構造変換、又は他の関連する技術分野における直接/間接的な適用は、いずれも本願の特許の保護範囲内にある。
【符号の説明】
【0059】
支持部材100
導電体200
清掃部材300
図1
図2
図3
図4
図5
図6