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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/20 20060101AFI20221115BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20221115BHJP
   G09G 3/3233 20160101ALI20221115BHJP
   G09G 3/3266 20160101ALI20221115BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20221115BHJP
   G09F 9/46 20060101ALI20221115BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20221115BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20221115BHJP
   G02F 1/1343 20060101ALI20221115BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20221115BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20221115BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20221115BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
G09G3/20 622R
G09G3/20 691D
G09G3/20 621A
G09G3/20 622D
G09G3/20 622K
G09G3/20 621D
G09G3/20 621K
G09G3/20 660U
G09G3/20 611G
G09G3/20 650J
G09G3/20 611A
G09G3/20 611C
G09G3/20 670E
G09G3/20 680E
G09G3/36
G09G3/3233
G09G3/3266
G09G3/20 633L
G09G3/20 650E
G09F9/30 349Z
G09F9/30 365
G09F9/46 Z
G02F1/133 530
G02F1/1368
G02F1/1343
H01L27/32
H05B33/14 A
G06F3/041 512
G06F3/041 410
G06F3/044 120
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2017201055
(22)【出願日】2017-10-17
(65)【公開番号】P2018072822
(43)【公開日】2018-05-10
【審査請求日】2020-10-14
(31)【優先権主張番号】P 2016207318
(32)【優先日】2016-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2016207335
(32)【優先日】2016-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2016210464
(32)【優先日】2016-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 圭
(72)【発明者】
【氏名】山崎 舜平
【審査官】橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-097469(JP,A)
【文献】国際公開第2012/137800(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/047456(WO,A1)
【文献】特開2011-141522(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/20
G09G 3/36
G09G 3/3233
G09G 3/3266
G09F 9/30
G09F 9/46
G02F 1/133
G02F 1/1368
G02F 1/1343
H01L 27/32
H01L 51/50
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションプロセッサと、
表示ユニットと、
前記表示ユニットと重なるタッチセンサユニットと、を有し、
前記アプリケーションプロセッサは、第1の期間と、第2の期間とに分けて、前記表示ユニットおよび前記タッチセンサユニットを制御する機能を有し、
前記第1の期間は、前記表示ユニットが画像を書き換える期間であり、
前記第2の期間は、前記タッチセンサユニットが検出を行う期間であり、
前記表示ユニットは、表示領域の全領域を書き換える第1のモードと、表示領域の一部領域を書き換える第2のモードと、表示領域の全領域を書き換えない第3のモードと、を有し、
前記アプリケーションプロセッサは、前記表示ユニットにおいて現在表示している画像データと、次に表示する画像データの差分を計算することで、表示領域の書き換えが不要か否かを判断して前記第1のモード乃至前記第3のモードの切り替えを行う機能を有し、
前記第2のモードにおける前記第2の期間は、前記第1のモードにおける前記第2の期間よりも長い、表示装置。
【請求項2】
アプリケーションプロセッサと、
表示ユニットと、
前記表示ユニットと重なるタッチセンサユニットと、を有し、
前記アプリケーションプロセッサは、第1の期間と、第2の期間とに分けて、前記表示ユニットおよび前記タッチセンサユニットを制御する機能を有し、
前記第1の期間は、前記表示ユニットが画像を書き換える期間であり、
前記第2の期間は、前記タッチセンサユニットが検出を行う期間であり、
前記表示ユニットは、表示領域の全領域を書き換える第1のモードと、表示領域の一部領域を書き換える第2のモードと、表示領域の全領域を書き換えない第3のモードと、を有し、
前記アプリケーションプロセッサは、前記表示ユニットにおいて現在表示している画像データと、次に表示する画像データの差分を計算することで、表示領域の書き換えが不要か否かを判断して前記第1のモード乃至前記第3のモードの切り替えを行う機能と、前記第2のモード又は前記第3のモードを実行中に前記タッチセンサユニットにおいてタッチを検出した場合に、表示領域の書き換えが不要か否かを再度判断する機能と、を有し、
前記第2のモードにおける前記第2の期間は、前記第1のモードにおける前記第2の期間よりも長く、
前記第3のモードにおける前記第2の期間は、前記第1のモードにおける前記第2の期間よりも長い、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一形態は、表示装置およびその動作方法に関する。また、本発明の一形態は半導体装置に関する。
【0002】
なお本発明の一形態は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明の一形態は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関するものである。
【0003】
そのため、より具体的に本明細書等で開示する本発明の一形態の技術分野としては、表示装置、半導体装置、電子機器、それらの駆動方法、または、それらの製造方法を一例としてあげることができる。なお、本明細書等において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。例えば、集積回路、集積回路を備えたチップや、パッケージにチップを収納した電子部品、集積回路を備えた電子機器は、半導体装置の一例である。
【背景技術】
【0004】
表示ユニットと、タッチセンサユニットを組み合わせた表示装置が、使用されている。表示ユニットの表示領域に、タッチセンサユニットの検出領域を重ねることで、表示領域において画像の表示を行うとともに、使用者が、表示領域のどの位置を指し示したかを情報として得ることができる。使用者は、指やスタイラス等を用いて入力を行う。
【0005】
一方、表示ユニットの画素に、酸化物半導体を用いたトランジスタを適用することができる。酸化物半導体を用いたトランジスタは、オフ電流が非常に小さいため、表示ユニットが静止画を表示する際のリフレッシュ頻度を少なくすることができる。本明細書等において、上述のリフレッシュ頻度を少なくする技術を、「アイドリングストップ」または「IDS駆動」と呼称する(特許文献1、特許文献2)。IDS駆動は、表示ユニットの消費電力を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2011‐141522号公報
【文献】特開2011‐141524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
表示ユニットが画像を書き換える頻度は、1秒間に約60回(「フレーム周波数が60Hz」ともいう)のものが多い一方で、タッチセンサユニットには手書き入力等滑らかな入力が求められており、タッチセンサユニットの検出動作は、1秒間に80回、より好ましくは100回以上が必要とされている。
【0008】
また、表示ユニットが画像を書き換えるタイミングで、タッチセンサユニットが検出動作を行うと、ノイズの影響を受けて、タッチセンサユニットの検出精度が悪化する問題がある。本発明の一形態は、タッチセンサユニットの検出精度と、タッチセンサユニットによる滑らかな入力とを両立した、表示装置を提供することを課題の一つとする。
【0009】
本発明の一形態は、新規な表示装置を提供することを課題の一つとする。または、本発明の一形態は、タッチセンサユニットの検出精度と、タッチセンサユニットによる滑らかな入力とを両立した、新規な駆動方法を提供することを課題の一つとする。または、本発明の一形態は、新規な表示装置を使用した、電子機器を提供することを課題の一つとする。
【0010】
なお、本発明の一形態は、必ずしも上記の課題の全てを解決する必要はなく、少なくとも一つの課題を解決できるものであればよい。また、上記の課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。これら以外の課題は、明細書、特許請求の範囲、図面などの記載から自ずと明らかになるものであり、明細書、特許請求の範囲、図面などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一形態は、複数の画素と、ゲートドライバと、タッチセンサユニットとを有する表示装置の動作方法である。第1の期間と、第2の期間とを有し、第1の期間においてタッチセンサユニットがタッチを検出し、第2の期間においてタッチセンサユニットがタッチの検出を停止する。ゲートドライバは、第2の期間において、複数の画素のうち一部の画素に信号を供給し、残りの画素には信号を供給しないことを特徴とする。
【0012】
また、上記形態において、第1の期間および第2の期間は、1フレームに含まれることを特徴とする。
【0013】
また、上記形態において、複数の画素は、チャネル形成領域に金属酸化物を有するトランジスタを含むことが好ましい。
【0014】
また、本発明の一形態は、複数の画素と、ゲートドライバと、タッチセンサユニットとを有する表示装置の動作方法である。第1の期間と、第2の期間とを有し、第1の期間においてタッチセンサユニットがタッチを検出し、第2の期間においてタッチセンサユニットがタッチの検出を停止する。画素は、反射素子と発光素子とを有し、ゲートドライバは、第2の期間において、複数の画素のうち一部の画素に信号を供給し、残りの画素には信号を供給しないことを特徴とする。
【0015】
また、上記形態において、第1の期間および第2の期間は、1フレームに含まれることを特徴とする。
【0016】
また、上記形態において、複数の画素は、チャネル形成領域に金属酸化物を有するトランジスタを含むことが好ましい。
【0017】
また、本発明の一形態は、アプリケーションプロセッサと、表示ユニットと、タッチセンサユニットとを有する表示装置である。アプリケーションプロセッサは、第1の期間と第2の期間とに分けて、表示ユニットおよびタッチセンサユニットを制御する機能を有し、第1の期間は、表示ユニットが画像を書き換える期間であり、第2の期間は、タッチセンサユニットが検出を行う期間である。表示ユニットは、表示領域の全領域を書き換える第1のモードと、表示領域の一部領域を書き換える第2のモードと、表示領域の全領域を書き換えない第3のモードとを有する。第2のモードおよび第3のモードにおいて、第1のモードと比べて、第2の期間が長いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一形態は、新規な表示装置を提供することができる。または、タッチセンサユニットの検出精度と、タッチセンサユニットによる滑らかな入力とを両立した、表示装置を提供することができる。
【0019】
または、本発明の一形態は、タッチセンサユニットの検出精度と、タッチセンサユニットによる滑らかな入力とを両立した、新規な駆動方法を提供することができる。または、本発明の一形態は、新規な表示装置を使用した、電子機器を提供することができる。
【0020】
なお本発明の一形態の効果は、上記列挙した効果に限定されない。上記列挙した効果は、他の効果の存在を妨げるものではない。なお他の効果は、以下の記載で述べる、本項目で言及していない効果である。本項目で言及していない効果は、当業者であれば明細書又は図面等の記載から導き出せるものであり、これらの記載から適宜抽出することができる。なお、本発明の一形態は、上記列挙した効果、および他の効果のうち、少なくとも一つの効果を有するものである。従って本発明の一形態は、場合によっては、上記列挙した効果を有さない場合もある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】表示装置の構成例を示すブロック図。
図2】タッチセンサユニットの構成例を示すブロック図。
図3】表示ユニットの構成例を示すブロック図。
図4】ゲートドライバの構成例を示す回路図。
図5】シフトレジスタの構成例を示す回路図。
図6】ゲートドライバの動作例を示すタイミングチャート。
図7】通常表示の動作例を示すタイミングチャート。
図8】タブレット型情報端末の形態および使用例を示す外観図。
図9】部分IDS駆動の動作例を示すタイミングチャート。
図10】部分IDS駆動の動作例を示すタイミングチャート。
図11】IDS駆動の動作例を示すタイミングチャート。
図12】電子機器の動作例を示すフローチャート。
図13】情報端末の使用例とゲートドライバに入力される信号の様子。
図14】情報端末の動作例を示すフローチャート。
図15】情報端末の使用例とゲートドライバに入力される信号の様子(発光型素子の場合)。
図16】タッチセンサユニットの構成例を示す上面図と投影図。
図17】タッチセンサユニットの構成例を示す上面図と投影図。
図18】表示装置の構成例を示すブロック図。
図19】画素の構成例を示す回路図。
図20】画素の構成例を示す回路図。
図21】画素の構成例を示す回路図とタイミングチャート。
図22】表示装置の構成例を示す断面模式図。
図23】表示装置の構成例を示す断面模式図。
図24】表示装置の構成例を示す断面模式図。
図25】表示装置の構成例を示す断面模式図。
図26】表示装置の構成例を示す断面模式図。
図27】表示装置の構成例を示す断面図。
図28】表示装置の構成例を示す断面図。
図29】ソースドライバの構成例を示すブロック図。
図30】表示ユニットの画素の構成を説明する模式図。
図31】表示ユニットの画素の構成を説明する断面図。
図32】表示ユニットの構成を説明する上面図および断面図。
図33】表示ユニットの構成を説明する断面図。
図34】表示ユニットの構成を説明する断面図。
図35】表示ユニットの画素の構成を説明する下面図。
図36】表示ユニットの画素回路を説明する回路図。
図37】表示ユニットの反射膜の構成を説明する上面図。
図38】表示ユニットの画素と副画素を説明する上面図と導電膜の外観図。
図39】表示ユニットの画素の構成を説明する断面図。
図40】情報処理装置の構成を説明する図。
図41】情報処理装置の構成を説明する図。
図42】表示ユニットの例を示す模式図。
図43】試作した表示ユニットの外観写真。
図44】試作した表示ユニットの消費電力を示すグラフ。
図45】試作した表示ユニットの外観写真。
図46】試作した表示ユニットの消費電力を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、実施の形態は多くの異なる形態で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、以下に示される複数の実施の形態は、適宜組み合わせることが可能である。
【0023】
なお、実施の形態において説明する表示装置は、表示ユニット、タッチセンサユニット等によって構成される。したがって、表示装置を半導体装置、電子機器などと言い換える場合がある。
【0024】
また、図面等において、大きさ、層の厚さ、領域等は、明瞭化のため誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。図面は、理想的な例を模式的に示したものであり、図面に示す形状または値などに限定されない。
【0025】
また、図面等において、同一の要素または同様な機能を有する要素、同一の材質の要素、あるいは同時に形成される要素等には同一の符号を付す場合があり、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
【0026】
また、本明細書等において、「膜」という用語と、「層」という用語とは、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
【0027】
また、本明細書等において、「上」や「下」などの配置を示す用語は、構成要素の位置関係が、「直上」または「直下」であることを限定するものではない。例えば、「ゲート絶縁層上のゲート電極」の表現であれば、ゲート絶縁層とゲート電極との間に他の構成要素を含むものを除外しない。
【0028】
また、本明細書等において、「平行」とは、二つの直線が-10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、-5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。
【0029】
また、本明細書等において、「第1」、「第2」、「第3」などの序数詞は、構成要素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではない。
【0030】
また、本明細書等において、「電気的に接続」とは、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない。例えば、「何らかの電気的作用を有するもの」には、電極や配線をはじめ、トランジスタなどのスイッチング素子、抵抗素子、インダクタ、容量素子、その他の各種機能を有する素子などが含まれる。
【0031】
また、本明細書等において、「電圧」とは、ある電位と基準の電位(例えば、グラウンド電位)との電位差のことを示す場合が多い。よって、電圧、電位、電位差を、各々、電位、電圧、電圧差と言い換えることが可能である。
【0032】
また、本明細書等において、トランジスタとは、ゲートと、ドレインと、ソースとを含む、少なくとも三つの端子を有する素子である。そして、ドレイン(ドレイン端子、ドレイン領域、またはドレイン電極)とソース(ソース端子、ソース領域、またはソース電極)の間にチャネル領域を有しており、チャネル領域を介して、ソースとドレインとの間に電流を流すことができるものである。なお、本明細書等において、チャネル領域とは、電流が主として流れる領域をいう。
【0033】
また、ソースやドレインの機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書等においては、ソースやドレインの用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
【0034】
また、本明細書等において、特に断りがない場合、オフ電流とは、トランジスタがオフ状態(非導通状態、遮断状態、ともいう)にあるときのドレイン電流をいう。オフ状態とは、特に断りがない場合、nチャネル型トランジスタでは、ソースに対するゲートの電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも低い状態、pチャネル型トランジスタでは、ソースに対するゲートの電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも高い状態をいう。つまり、nチャネル型のトランジスタのオフ電流とは、ソースに対するゲートの電圧Vgsがしきい値電圧Vthよりも低いときのドレイン電流、という場合がある。
【0035】
上記オフ電流の説明において、ドレインをソースと読み替えてもよい。つまり、オフ電流は、トランジスタがオフ状態にあるときのソースを流れる電流を言う場合がある。
【0036】
また、本明細書等では、オフ電流と同じ意味で、リーク電流と記載する場合がある。また、本明細書等において、オフ電流とは、トランジスタがオフ状態にあるときに、ソースとドレインの間に流れる電流を指す場合がある。
【0037】
また、本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い表現での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductor、または単にOSともいう)などに分類される。例えば、トランジスタの活性層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、金属酸化物が増幅作用、整流作用、及びスイッチング作用の少なくとも1つを有する場合、当該金属酸化物を、金属酸化物半導体(metal oxide semiconductor)、略してOSと呼ぶことができる。また、OSトランジスタ、またはOS FETと記載する場合においては、金属酸化物または酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
【0038】
(実施の形態1)
本実施の形態では、表示ユニットと、タッチセンサユニットと、を有する表示装置について説明する。特に、表示ユニットが画像を書き換える動作と、タッチセンサユニットの検出動作との関係について説明する。
【0039】
<<表示装置>>
図1は、表示装置の構成例を示すブロック図である。表示装置50は、表示ユニット60、タッチセンサユニット70、アプリケーションプロセッサ80、を有する。
【0040】
<表示ユニット>
表示ユニット60は、画素アレイ61、ゲートドライバ62、ゲートドライバ63、およびソースドライバIC64を有する。
【0041】
画素アレイ61は、複数の画素10を有し、それぞれの画素10はトランジスタを用いて駆動されるアクティブ型の素子である。また、画素アレイ61は、表示ユニット60の表示領域を形成し、画像を表示する機能を有する。画素アレイ61のより具体的な構成例については、後述する。
【0042】
ゲートドライバ62およびゲートドライバ63は、画素10を選択するためのゲート線を駆動する機能を有する。ゲートドライバ62およびゲートドライバ63は、どちらか一方のみでもよい。なお、図1の例では、ゲートドライバ62およびゲートドライバ63は、画素アレイ61と共に同一基板上に設けられている例を示しているが、ゲートドライバ62およびゲートドライバ63を専用ICとすることもできる。
【0043】
ソースドライバIC64は、画素10に、データ信号を供給するソース線を駆動する機能を有する。ここでは、ソースドライバIC64の実装方式は、COG(Chip on Glass)方式としているが、実装方式に特段の制約はなく、COF(Chip on Flexible)方式、TAB(Tape Automated Bonding)方式などでもよい。後述する、タッチセンサユニット70のICの実装方式についても同様である。
【0044】
なお、画素10に使用されるトランジスタはOSトランジスタである。OSトランジスタは、Siトランジスタに比べてオフ電流が低い特徴を有する。
【0045】
OSトランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有することが好ましい。また、OSトランジスタに適用される金属酸化物は、インジウム(In)および亜鉛(Zn)の少なくとも一方を含む酸化物であることが好ましい。
【0046】
このような酸化物としては、In-M-Zn酸化物、In-M酸化物、Zn-M酸化物、In-Zn酸化物(元素Mは、例えば、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、イットリウム(Y)、スズ(Sn)、ホウ素(B)、シリコン(Si)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、ゲルマニウム(Ge)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、ネオジム(Nd)、バナジウム(V)、ベリリウム(Be)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、またはタングステン(W)など)が代表的である。
【0047】
OSトランジスタは、チャネル幅1μmあたりのオフ電流を1yA/μm(y;ヨクト、10-24)以上1zA/μm(z;ゼプト、10-21)以下程度に低くすることができる。
【0048】
また、OSトランジスタには、CAC(Cloud-Aligned Composite)-OSを用いることが好ましい。CAC-OSの詳細については、実施の形態8で説明する。
【0049】
もしくは、画素10に使用されるトランジスタとして、オフ電流が低ければOSトランジスタを適用しないことができる。例えば、バンドギャップが大きい半導体を用いたトランジスタを適用してもよい。バンドギャップが大きい半導体とは、バンドギャップが2.2eV以上の半導体を指す場合がある。例えば、炭化ケイ素、窒化ガリウム、ダイヤモンドなどが挙げられる。
【0050】
画素10に、オフ電流が低いトランジスタを用いることで、表示ユニット60が画像を書き換える必要がない場合(すなわち静止画を表示している場合)、一時的にゲートドライバ62、ゲートドライバ63、およびソースドライバIC64を、停止することができる(上述した、「アイドリングストップ」または「IDS駆動」)。
【0051】
<タッチセンサユニット>
図1に示す、タッチセンサユニット70は、センサアレイ71、およびタッチセンサIC72を有する。
【0052】
センサアレイ71は、タッチセンサユニット70が検出できる領域を形成し、表示装置50の使用者は、この領域に指やスタイラス等を用いて入力を行う。センサアレイ71は、画素アレイ61と重なる領域に配置され、表示装置50は、表示ユニット60の表示領域において画像の表示を行うとともに、使用者が、表示領域のどの位置を指し示したかを情報として得ることができる。
【0053】
図2は、タッチセンサユニット70の構成例を示すブロック図である。ここでは、タッチセンサユニット70が投影型静電容量方式(相互容量方式)のタッチセンサユニットである例を示す。
【0054】
センサアレイ71は、配線CLおよび配線MLを有し、配線CLおよび配線MLが重畳すること、または、配線CLおよび配線MLが近接して配置されること、で形成される複数の容量404を有する。
【0055】
図2は、一例として、配線CLをCL(1)乃至CL(6)の6本の配線、配線MLをML(1)乃至ML(6)の6本の配線として示しているが、配線の数はこれに限定されない。なお、配線CLはパルス電圧が与えられる配線であり、配線MLは電流の変化を検知する配線である。
【0056】
センサアレイ71に、被検知体(指やスタイラス等)の近接または接触を検知すると、容量404の容量値が変化し、タッチセンサユニット70はタッチを検出する。
【0057】
センサアレイ71は、配線CLおよび配線MLを介して、タッチセンサIC72に電気的に接続されている。タッチセンサIC72は、駆動回路402と検出回路403を有する。
【0058】
駆動回路402は、配線CLを介して、センサアレイ71に電気的に接続される。駆動回路402は、信号Txを出力する機能を有する。駆動回路402としては、例えばシフトレジスタ回路とバッファ回路を組み合わせた構成を用いることができる。
【0059】
検出回路403は、配線MLを介して、センサアレイ71に電気的に接続される。検出回路403は、信号Rxを検出し、タッチセンサユニット70でタッチが行われたことを検知する。例えば、検出回路403として、増幅回路と、アナログデジタル変換回路(ADC:Analog-Digital Converter)を有する構成を用いることができる。検出回路403は、センサアレイ71から出力されるアナログ信号を、デジタル信号に変換して、アプリケーションプロセッサ80に出力する機能を有する。
【0060】
なお、タッチセンサユニット70のより具体的な構成例については、実施の形態2にて説明する。
【0061】
<アプリケーションプロセッサ>
アプリケーションプロセッサ80は、ソースドライバIC64、およびタッチセンサIC72に、電気的に接続されている。
【0062】
アプリケーションプロセッサ80は、表示ユニット60に表示する画像データを、ソースドライバIC64に供給する機能を有する。また、アプリケーションプロセッサ80は、表示ユニット60に現在表示している画像データと、次に表示する画像データの差分を計算する機能を有する。
【0063】
また、アプリケーションプロセッサ80は、表示ユニット60が画像を書き換えるタイミング、およびタッチセンサユニット70が検出動作を行うタイミングを指示する機能を有する。表示ユニット60が画像を書き換えるタイミングは、アプリケーションプロセッサ80からソースドライバIC64に伝えられ、ソースドライバIC64は、ゲートドライバ62およびゲートドライバ63の動作を制御する機能を有する。タッチセンサユニット70が検出動作を行うタイミングは、アプリケーションプロセッサ80からタッチセンサIC72に伝えられる。
【0064】
なお、図1に示すブロック図において、ゲートドライバ62、63を駆動するための信号は、ソースドライバIC64を経由しなくてもよい。その場合のブロック図を図18に示す。
【0065】
図18において、アプリケーションプロセッサ80はタイミングコントローラ810を経由して、ソースドライバIC64a乃至ソースドライバIC64d、ゲートドライバ62およびゲートドライバ63へ信号を供給している。なお、タイミングコントローラ810は、アプリケーションプロセッサ80に含まれていてもよい。
【0066】
図18に示す構成は、複数のソースドライバICを有する。ソースドライバICの数は画素アレイ61の画素数に応じて設ければよい。
【0067】
図18に示す構成は、例えば、4K(3840×2160)や8K(7680×4320)など、画素アレイ61の画素数が大きくなるほど好ましい。ソースドライバICの数を複数にし、且つ、ゲートドライバを制御する機能をソースドライバICの外に設けられた回路が有することで、ソースドライバICは端子の数を少なくすることができる。ソースドライバICの端子の数が多いと、ソースドライバICを基板に圧着する際に、ソースドライバICに加える力が大きくなり、ソースドライバICが破損してしまうという問題がある。そのため、図18に示す構成にすることで、ソースドライバICの破損を防ぐことができる。
【0068】
<画素アレイ>
図3は、表示ユニット60の構成例を示すブロック図である。
【0069】
画素アレイ61は、複数の画素10(1,1)乃至画素10(m,n)と、ソース線SL(1)乃至ソース線SL(m)と、ゲート線GL(1)乃至ゲート線GL(n)を有する。ここで、mおよびnは1以上の整数であり、iは1以上m以下の整数であり、jは1以上n以下の整数である。なお、図3において、電源線や容量を形成するための定電位線等は省略している。
【0070】
ゲートドライバ62およびゲートドライバ63は、ゲート線GL(1)乃至ゲート線GL(n)を介して画素アレイ61と電気的に接続され、ソースドライバIC64は、ソース線SL(1)乃至ソース線SL(m)を介して画素アレイ61と電気的に接続される。
【0071】
また、矢印C1で示す方向に配設される一群の画素10(i,1)乃至画素10(i,n)は、ソース線SL(i)と電気的に接続され、矢印R1で示す方向に配設される一群の画素10(1,j)乃至画素10(m,j)は、ゲート線GL(j)と電気的に接続される。
【0072】
ゲートドライバ62およびゲートドライバ63は、ゲート線GL(j)を駆動し、画素10(1,j)乃至画素10(m,j)を選択する。ソースドライバIC64は、ソース線SL(1)乃至ソース線SL(m)を介して、アプリケーションプロセッサ80から供給された画像データのデータ信号を、画素10(1,j)乃至画素10(m,j)に供給する。この動作を、ゲート線GL(1)からゲート線GL(n)まで繰り返すことで、表示ユニット60は、画素アレイ61に画像を表示することができる。
【0073】
なお、画素10には、液晶、電子ペーパー、有機EL(Electro Luminescence)、QLED(Quantum-dot Light Emitting Diode)等、様々な表示素子を適用することができる。また、例えば、反射型素子として適用することができる液晶素子と、発光型素子として適用することができる有機EL素子を組み合わせた、ハイブリッド型素子を画素10に適用することができる。
【0074】
また、例えば、反射型素子として適用することができる液晶素子と、光源(例えばLED)と液晶を組みあわせた透過型液晶を組み合わせた、ハイブリッド型素子を画素10に適用してもよい。
【0075】
<ゲートドライバ>
図4は、ゲートドライバ62およびゲートドライバ63に適用可能な、ゲートドライバの構成例を示す回路図である。
【0076】
図4(A)に示すゲートドライバは、シフトレジスタSRをn個と、シフトレジスタSRDUMを2個有し、外部からスタートパルスSP、クロック信号CLK1乃至CLK4、パルス幅制御信号PWC1乃至PWC4、リセット信号RESが入力される。また、図4(A)に示すゲートドライバは、出力端子OUT_1乃至OUT_n+2を有し、出力端子OUT_1乃至OUT_nは、上述したゲート線GL(1)乃至ゲート線GL(n)に、それぞれ電気的に接続されている。
【0077】
図4(B)に示すシフトレジスタSRは、入力端子CLIN1乃至CLIN3、PWIN、LIN、RIN、RESINを有し、出力端子SROUT、OUTを有する。入力端子CLIN1乃至CLIN3には、図4(A)に示すように、クロック信号CLK1乃至CLK4のいずれかが入力され、入力端子PWINには、パルス幅制御信号PWC1乃至PWC4のいずれかが入力され、入力端子RESINには、リセット信号RESが入力される。
【0078】
シフトレジスタSRの出力端子OUTは、ゲートドライバの出力端子OUT_1乃至OUT_nにそれぞれ電気的に接続されている。また、jを1以上n以下の整数とし、ゲートドライバの出力端子OUT_jに電気的に接続されるシフトレジスタSRを、j番目のシフトレジスタSRと呼ぶと、j番目のシフトレジスタSRの入力端子LINは、j-1番目のシフトレジスタSRの出力端子SROUTに、j番目のシフトレジスタSRの入力端子RINは、j+2番目のシフトレジスタSRの出力端子SROUTに、それぞれ電気的に接続される。ただし、1番目のシフトレジスタSRの入力端子LINにはスタートパルスSPが入力され、n-1番目とn番目のシフトレジスタSRの入力端子RINは、n+1番目とn+2番目のシフトレジスタSRDUMの出力端子SROUTに、それぞれ電気的に接続される。
【0079】
図4(C)に示すシフトレジスタSRDUMは、入力端子RINがない以外はシフトレジスタSRと同様のため、説明を援用する。
【0080】
図5(A)は、シフトレジスタSRの構成例を示す回路図である。図5(A)において、回路100はトランジスタ101乃至109を有し、回路110はトランジスタ111乃至113を有し、回路120はトランジスタ121乃至123を有する。
【0081】
トランジスタ101乃至109、トランジスタ111乃至113、およびトランジスタ121乃至123は、OSトランジスタであり、図5(A)ではシングルゲートトランジスタとして図示したが、バックゲートを有するデュアルゲートトランジスタでもよい。また、トランジスタ101乃至109、トランジスタ111乃至113、およびトランジスタ121乃至123がOSトランジスタであることで、トランジスタのオフ電流が低いため、ゲートドライバの消費電流を低減することができる。
【0082】
同様に、シフトレジスタSRDUMの構成例を示す回路図を、図5(B)に示す。
【0083】
図6は、スタートパルスSP、クロック信号CLK1乃至CLK4、パルス幅制御信号PWC1乃至PWC4、および出力端子OUT_1乃至OUT_nの波形を示すタイミングチャートである。
【0084】
期間P1では、スタートパルスSP、クロック信号CLK1乃至CLK4、およびパルス幅制御信号PWC1乃至PWC4に応じて、出力端子OUT_1乃至OUT_nからは、順にパルスが出力される。
【0085】
一方、期間P2では、パルス幅制御信号PWC1乃至PWC4を、一定期間Lレベルに固定している。図6の例では、出力端子OUT_1、OUT_2、OUT_n-1、およびOUT_nからパルスが出力され、出力端子OUT_j、OUT_j+1からはパルスが出力されない。
【0086】
期間Pa、期間Pcでは、期間P1と同様に、パルス幅制御信号PWC1乃至PWC4によるトグル動作を行い、期間Pbでは、パルス幅制御信号PWC1乃至PWC4をLレベルとすることで、所定の出力端子にのみパルスを出力することができる(後述する、部分IDS駆動)。
【0087】
このように、図4(A)に示すゲートドライバは、出力端子OUT_1乃至OUT_nに、順にパルスを出力すること、および、パルス幅制御信号PWC1乃至PWC4を制御することで、所定の出力端子にのみパルスを出力することができる。
【0088】
<<タイミングチャート>>
次に、表示ユニット60が画像を書き換える動作と、タッチセンサユニット70の検出動作との関係について説明する。表示ユニット60が画像を書き換える動作については、表示領域の全領域を書き換える第1のモード(以下、「通常表示」と呼ぶ)と、表示領域の一部領域を書き換える第2のモード(以下、「部分IDS駆動」と呼ぶ)と、表示領域の全領域を書き換えない第3のモード(以下、「IDS駆動」と呼ぶ)とに分けて、説明する。
【0089】
<通常表示>
通常表示は、全表示領域を使った動画表示など、表示領域の全領域を書き換える必要がある場合に適用される。ここでは、説明をわかりやすくするため、表示ユニット60が画像を書き換える頻度は、1秒間に約60回(フレーム周波数が60Hz)であるとする。また、画素アレイ61が有する画素10(1,1)乃至画素10(m,n)について、n=18の場合を説明する。
【0090】
表示ユニット60が画像を書き換える期間を、期間Pdとすると、図7に示すように、ゲートドライバ62およびゲートドライバ63は、ゲート線GL(1)乃至ゲート線GL(18)を駆動し、順にパルスを出力する。期間Pdは、画像の書き換えを行っているため、例えば、ゲート線GL(1)乃至ゲート線GL(18)が駆動されることによるノイズ、ソース線SL(1)乃至ソース線SL(m)にデータ信号が供給されることによるノイズ、ゲートドライバ62およびゲートドライバ63が動作することによるノイズ等があり、タッチセンサユニット70が検出動作を行うタイミングとしては好適ではない。
【0091】
そこで、期間Pdとは別の期間Ptを設け、期間Ptにおいて、タッチセンサユニット70は検出動作を行う。また、期間Poは、表示ユニット60による画像の書き換え、および、タッチセンサユニット70による検出動作、のどちらも行っていない期間である。期間Poは、アプリケーションプロセッサ80や、表示装置50以外の機器とのタイミングを合わせるため等に必要となる場合があるが、必要ない場合は設けなくてもよい。
【0092】
表示装置50は、期間Pd、期間Pt、期間Po合わせて、1/60秒(約16.6ms)となるように設計を行う。
【0093】
<部分IDS駆動>
部分IDS駆動は、表示領域の一部で動画を表示する場合など、表示領域の一部領域を書き換える必要がある場合に適用される。例えば、図8は、表示装置50を、タブレット型情報端末90に適用した例である。
【0094】
図8は、タブレット型情報端末90の形態例および使用例を示す外観図である。タブレット型情報端末90は、入力領域を兼ねる表示領域91を有し、指やスタイラス等を使って、文字や絵などを入力することができる。表示領域91には、本発明の一形態である表示装置50が適用されている。
【0095】
図8は、タブレット型情報端末90の使用者が文字を学習する例を示している。タブレット型情報端末90に、イラスト92、枠93および枠94が表示されている。枠93には手本となる文字が表示されている。使用者は、スタイラス95を使って、枠93で表示されている文字を枠94の中に書き込む。タブレット型情報端末90には、枠93の中の文字と関連したイラスト92が表示される。
【0096】
この場合、画像を書き換える必要があるのは、枠94の中のみである。ゲートドライバ62およびゲートドライバ63は、枠94にかかわる領域のみ、ゲート線GLを駆動すればよい(図8では、点線で示した領域A11)。図7で示したタイミングチャートは、例えば、図9のようになる。
【0097】
図9では、パルス幅制御信号PWC1乃至PWC4を制御することで、ゲート線GL(1)乃至ゲート線GL(9)、および、ゲート線GL(16)乃至ゲート線GL(18)に、パルスが出力されていない。ゲート線GL(10)乃至ゲート線GL(15)にのみ、通常表示と同様のパルスが出力されている。このような駆動方法を、部分IDS駆動と呼ぶ。
【0098】
図9において、ゲート線GL(1)乃至ゲート線GL(9)にパルスが出力されていないため、タッチセンサユニット70が検出動作を行う期間Ptを、増やすことができる。図10に、期間Ptと同じ長さの期間Pt2を確保した例を示す。この場合、1/60秒(約16.6ms)の時間の中に、タッチセンサユニット70が2回検出動作を行うことができるため、1秒間に120回の検出動作が可能である。したがって、滑らかな入力が可能であり、手書き入力等に好適である。
【0099】
また、図9において、ゲート線GL(1)乃至ゲート線GL(9)と同様、ゲート線GL(16)乃至ゲート線GL(18)にもパルスが出力されていない。そのため、期間Pt2は、分割して確保することもできる。
【0100】
期間Pt2では、画像を書き換える必要がないため、ゲート線GL(1)乃至ゲート線GL(18)が駆動されることによるノイズ、ソース線SL(1)乃至ソース線SL(m)にデータ信号が供給されることによるノイズがなく、タッチセンサユニット70が検出動作を行う期間として好適である。
【0101】
期間Pt2においても、ゲートドライバ62およびゲートドライバ63に、クロック信号CLK1乃至CLK4が供給されているので、さらに検出精度をあげたい場合は、ゲートドライバ62およびゲートドライバ63のシフトレジスタSRおよびSRDUMを、クロック信号を使用しないデコーダ回路とすることもできる。
【0102】
<IDS駆動>
IDS駆動は、全表示領域で静止画を表示している場合など、表示領域の全領域を書き換える必要がない場合に適用される。図7で示されるタイミングチャートから、表示ユニット60が画像を書き換える期間Pdが必要なくなるため、タイミングチャートは、例えば、図11のように示される。
【0103】
図11では、ゲートドライバ62およびゲートドライバ63は停止しており、ゲート線GL(1)乃至ゲート線GL(18)にパルスは出力されていない。この場合、1/60秒(約16.6ms)の時間の中に、期間Poを除いて、自由に期間Ptおよび期間Pt2を設定でき、滑らかな入力が可能である。必要であれば、さらに、タッチセンサユニット70が検出動作を行う期間を増やすこともできる。
【0104】
IDS駆動は、静止画を表示している限り画像を書き換える必要はないが、実際には、オフ電流が低いトランジスタを用いた画素10が電荷を保持できる時間、画素10の表示素子が液晶素子である場合の反転駆動等を考慮する必要がある。
【0105】
IDS駆動および部分IDS駆動は、さらに、表示ユニットの消費電力を低減することができるため、携帯型情報端末に好適である。
【0106】
<<フローチャート>>
次に、表示装置50を適用した電子機器が、電源をONされてから、3つの動作モード(通常表示、部分IDS駆動、IDS駆動)を切り替える様子を、図12のフローチャートを用いて説明する。
【0107】
表示装置50を適用した電子機器が、電源をONされる(ステップS1)と、まずはフレーム周波数が60Hzの通常表示を行う(ステップS2)。しばらくして起動動作が終わると、全表示領域の書き換えが不要か否かの判断を行う(ステップS3)。全表示領域の書き換えが不要か否かの判断は、アプリケーションプロセッサ80が、現在表示している画像データと、次に表示する画像データの差分を計算することで行うことができる。
【0108】
全表示領域の書き換えが不要の場合、IDS駆動に移行し(ステップS4)、全表示領域の書き換えが不要ではない場合、一部表示領域の書き換えが不要か否かの判断を行う(ステップS5)。一部表示領域の書き換えが不要か否かの判断は、ステップS3と同様、アプリケーションプロセッサ80が行う。一部表示領域の書き換えが不要の場合、部分IDS駆動に移行する(ステップS6)。IDS駆動、または部分IDS駆動の場合、タッチを検出すると(ステップS7)、もう一度、全表示領域の書き換えが不要か否かの判断を行う(ステップS3)。
【0109】
また、ステップS3において全表示領域の書き換えが不要ではない、かつ、ステップS5において一部表示領域の書き換えが不要ではない、と判断されると、通常表示を行う(ステップS2)。
【0110】
次に、表示装置50を適用した電子機器が情報端末であり、情報端末に静止画のテキスト(文字)が表示され、使用者が気になった部分にマークを残す動作を、図13図14を用いて説明する。
【0111】
図13は、表示装置50を適用した情報端末の使用例と、ゲートドライバ62およびゲートドライバ63に入力される信号の様子を示している。信号は、クロック信号CLK1乃至CLK4のいずれか一つを代表してCLKと、パルス幅制御信号PWC1、PWC2を示している。図14は、図13で示した情報端末の動作を説明するフローチャートである。
【0112】
図13(A)は、アプリケーションを起動した直後である(図14、ステップS11)。通常表示であり、クロック信号CLK、およびパルス幅制御信号PWC1、PWC2は、トグル動作を行っている。
【0113】
図13(B)では、静止画のテキストが表示されているため、IDS駆動に変更される(図14、ステップS12)。IDS駆動では、クロック信号CLK、およびパルス幅制御信号PWC1、PWC2は、Lレベルに固定され、ゲートドライバ62およびゲートドライバ63は停止している。
【0114】
図13(C)では、スタイラスでのタッチが検出される(図14、ステップS13)。部分IDS駆動に変更され(図14、ステップS14)、クロック信号CLKがトグル動作を行う(図13(D))。スタートパルスSPも入力され、ゲートドライバ62およびゲートドライバ63は動作を開始するが、しばらくは、パルス幅制御信号PWC1、PWC2はLレベルである(図14、ステップS16、S17)。入力されたスタートパルスSPが、シフトレジスタをシフトし、書き換えが必要な領域のK行前まで来ると、タッチセンサユニット70は動作を停止する(図14、ステップS17、S18)。Kは回路構成にもよるが、少なくとも1以上の整数である。
【0115】
スタートパルスSPが、書き換えが必要な領域までシフトすると、パルス幅制御信号PWC1、PWC2もトグル動作を行い、ゲートドライバ62およびゲートドライバ63は、ゲート線GLにパルスを出力する。そして、画素10に画像データのデータ信号が書き込まれる(図14、ステップS19、S20)。
【0116】
書き換えが必要な領域の書き換え動作が終了すると、パルス幅制御信号PWC1、PWC2はLレベルとなり、タッチセンサユニット70は動作を再開する。スタートパルスSPがシフトレジスタの最終段までシフトすると、RES信号により、シフトレジスタはリセットされる(図14、ステップS21、S22、S23)。
【0117】
次のタッチが検出されると(図14、ステップS15)、図14のステップS14から同じ動作を繰り返し、次のタッチが検出されなければ、再び、IDS駆動に変更される(図14、ステップS12)。
【0118】
以上のように、表示装置50を適用した電子機器は、3つの動作モード(通常表示、部分IDS駆動、IDS駆動)を、適宜切り替えることができる。表示装置50は、ノイズの影響が少ないタイミングで、タッチセンサユニット70による精度の高い検出動作を行い、部分IDS駆動およびIDS駆動時は、滑らかな入力を可能とする。また、部分IDS駆動およびIDS駆動時は、書き換え動作による消費電力を低減することができる。
【0119】
なお、図13の使用例において、表示装置50の表示例は、例えば、画素10に透過型もしくは反射型の液晶素子を適用した場合である。
【0120】
また、図13の使用例は、画素10に、反射型素子と発光型素子を組み合わせたハイブリッド型素子を適用してもよい。その場合、静止画のテキストを反射型素子を用いて、マークを発光型素子を用いて、表示してもよい。静止画のテキストを表示している反射型素子を、IDS駆動とすることができる。
【0121】
また、画素10に有機EL等の発光型素子を適用した場合も同様の動作を行うことができ、上述した、精度の高い検出、滑らかな入力、書き換え動作による消費電力の低減が可能である。この場合、発光に要する消費電力は、発光型素子の発光している面積が影響する。したがって、図13の使用例は、図15のように背景を黒(発光しない)とし、必要な部分のみを光らせる構成が好ましい。
【0122】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0123】
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態に記載のタッチセンサユニット70の構成例について、図16および図17を用いて説明を行う。
【0124】
タッチセンサユニット70のより具体的な構成例について、図16および図17を用いて説明を行う。
【0125】
図16(A)はタッチセンサユニット70の上面図である。図16(B)および図16(C)は、図16(A)の一部を説明する投影図である。
【0126】
図17(A)は、制御線および検知信号線の隣接部の上面図である。図17(B)は、隣接部に生じる電界を模式的に説明する投影図である。
【0127】
タッチセンサユニット70はセンサアレイ71を有する。センサアレイ71は、配線CL(g)、配線ML(h)および導電膜を備える。(図16(A)参照)。なお、g及びhは2以上の整数である。
【0128】
例えば、複数の領域に分割された導電膜をセンサアレイ71に用いることができる(図16(A)参照)。これにより、同一の電位または異なる電位を、複数の領域のそれぞれに供給することができる。
【0129】
具体的には、配線CL(g)に用いることができる導電膜と、配線ML(h)に用いることができる導電膜と、に分割された導電膜をセンサアレイ71に用いることができる。また、複数の領域に分割された導電膜のそれぞれに、例えば、櫛歯状の形状を備える導電膜を用いることができる(図17、電極CE(1)、電極ME(1)および電極ME(2)参照)。これにより、分割された導電膜を検知素子の電極に用いることができる。
【0130】
例えば、配線CL(1)に用いることができる導電膜と、配線ML(1)に用いることができる導電膜と、配線ML(2)に用いることができる導電膜と、に分割された導電膜は、隣接部X0において互いに隣接する(図16(A)、図16(C)、または図17参照)。
【0131】
検知素子475(g,h)は、配線CL(g)および配線ML(h)と電気的に接続される(図16(A)参照)。
【0132】
配線CL(g)は信号Txを供給する機能を備え、配線ML(h)は、信号Rxを供給される機能を備える。
【0133】
配線ML(h)は、導電膜BR(g,h)を含む(図16(B)参照)。導電膜BR(g,h)は、配線CL(g)と重なる領域を備える。
【0134】
なお、検知素子475(g,h)は絶縁膜を備える。絶縁膜は、配線ML(h)および導電膜BR(g,h)の間に挟まれる領域を備える。これにより、配線ML(h)および導電膜BR(g,h)の短絡を防止することができる。
【0135】
電極CE(1)は、配線CL(1)に電気的に接続され、電極ME(1)は、配線ML(1)に電気的に接続される(図17参照)。
【0136】
同様に、電極CE(g)は、配線CL(g)に電気的に接続され、電極ME(h)は、配線ML(h)に電気的に接続される。
【0137】
検知素子475(1、1)は、電極CE(1)と電極ME(1)の間に形成される容量値の変化を読み取ることで、タッチを検出する(図17参照)。
【0138】
同様に、検知素子475(g、h)は、電極CE(g)と電極ME(h)の間に形成される容量値の変化を読み取ることで、タッチを検出する。
【0139】
同一の工程で形成することができる導電膜を、配線CL(1)および電極CE(1)に用いることができる。同一の工程で形成することができる導電膜を、配線ML(1)および電極ME(1)に用いることができる(図17参照)。
【0140】
同様に、同一の工程で形成することができる導電膜を、配線CL(g)および電極CE(g)に用いることができる。同一の工程で形成することができる導電膜を、配線ML(h)および電極ME(h)に用いることができる。
【0141】
例えば、透光性を備える導電膜を、電極CE(g)および電極ME(h)に用いることができる。または、画素と重なる領域に開口部や櫛歯状の形状を備える導電膜を、電極CE(g)および電極ME(h)に用いることができる。これにより、表示パネルの表示を遮ることなく、表示パネルと重なる領域に近接するものを検知することができる。
【0142】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0143】
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態に記載の画素10の回路構成例について図19乃至図21を用いて説明を行う。
【0144】
〈画素10a〉
図19に、液晶素子を有するパネルに用いることができる画素回路の一例を示す。図19に示す画素10aは、トランジスタ301と、容量素子303と、表示素子として機能する液晶素子304と、を有する。
【0145】
トランジスタ301のゲート(第1ゲート)はゲート線GLに電気的に接続され、トランジスタ301のバックゲート(第2ゲート)はトップゲートに電気的に接続され、トランジスタ301の第1端子はソース線SLに電気的に接続され、トランジスタ301の第2端子は容量素子303の第1端子及び液晶素子304の第1端子に電気的に接続される。なお、トランジスタ301の第2端子、容量素子303の第1端子及び液晶素子304の第1端子の結節点をノード302と呼称する。トランジスタ301は、ノード302へのデータ信号の書き込みを制御する機能を有する。
【0146】
容量素子303の第2端子は、特定の電位が供給される配線(以下、「容量線CL」ともいう)に電気的に接続される。なお、容量線CLの電位の値は、画素10aの仕様に応じて適宜設定される。容量素子303は、ノード302に書き込まれたデータを保持する保持容量としての機能を有する。
【0147】
液晶素子304の第2端子の電位は、画素10aの仕様に応じて適宜設定される。液晶素子304に含まれる液晶は、ノード302に書き込まれるデータにより配向状態が設定される。なお、複数の画素10aのそれぞれが有する液晶素子304の第2端子に、共通の電位(コモン電位)を与えてもよい。
【0148】
液晶素子304として、例えば、IPSモード、TNモード、FFSモード、ASMモード、OCBモード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード、VAモード、MVAモード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、CPA(Continuous Pinwheel Alignment)モード、ASV(Advanced Super-View)モードなどの駆動方法を用いて駆動することができる液晶素子を用いることができる。
【0149】
液晶素子304として、例えば、1.0×1013Ω・cm以上、好ましくは1.0×1014Ω・cm以上、さらに好ましくは1.0×1015Ω・cm以上の固有抵抗率を備える液晶材料を用いることが好ましい。これにより、液晶素子304の透過率の変動を抑制することができる。または、液晶素子304のチラツキを抑制することができる。または、液晶素子304の書き換える頻度を低減することができる。
【0150】
液晶素子304として、例えば、ネマチック液晶、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶等を含む液晶材料を用いることができる。または、コレステリック相等を示す液晶材料を用いることができる。または、ブルー相を示す液晶材料を用いることができる。
【0151】
また、液晶素子304として、例えば、二色性色素を含む液晶材料を用いることができる。なお、二色性色素を含む液晶材料をゲスト・ホスト液晶という。
【0152】
具体的には、分子の長軸方向に大きな吸光度を備え、長軸方向と直交する短軸方向に小さな吸光度を備える材料を、二色性色素に用いることができる。好ましくは、10以上の二色性比を備える材料を二色性色素に用いることができ、より好ましくは、20以上の二色性比を備える材料を二色性色素に用いることができる。
【0153】
例えば、アゾ系色素、アントラキノン系色素、ジオキサジン系色素等を、二色性色素に用いることができる。
【0154】
また、ホモジニアス配向した二色性色素を含む二層の液晶層を、配向方向が互いに直交するように重ねた構造を、液晶材料を含む層に用いることができる。これにより、全方位について光を吸収しやすくすることができる。または、コントラストを高めることができる。
【0155】
また、相転移型ゲスト・ホスト液晶や、ゲスト・ホスト液晶を含む液滴を高分子に分散した構造を液晶素子304として用いることができる。
【0156】
次に、画素10aの動作例について説明を行う。
【0157】
まず、ゲートドライバ62、63により各行の画素10aが順次選択され、トランジスタ301がオン状態になり、ノード302にデータが書き込まれる。
【0158】
次に、トランジスタ301をオフ状態にし、ノード302に書き込まれたデータを保持する。ノード302に書き込まれたデータに応じて、液晶素子304の透過光量が決定される。これを行毎に順次行うことにより、表示領域に画像が表示される。
【0159】
トランジスタ301は、バックゲートを設けることで電流駆動能力を向上させることができる。なお、トランジスタ301のバックゲートは、場合によっては設けなくてもよい。バックゲートを省略することで、トランジスタ301の製造工程を簡略化することができる。
【0160】
トランジスタ301として、チャネル形成領域に金属酸化物を有するトランジスタ(OSトランジスタ)を用いることが好ましい。トランジスタ301としてOSトランジスタを用いることで、画素10aはノード302に書き込まれたデータを長期間保持することが可能になり、静止画像を表示している間、画像データのリフレッシュ頻度を少なくすることができる。すなわち、画素10aはIDS駆動が可能になる。その結果、表示装置50の消費電力を低減することが可能になる。
【0161】
〈画素10b〉
図20は発光素子を有するパネルに用いることができる画素10bの一例を示す。
【0162】
画素10bは、ゲート線GL、ソース線SL、配線CTLおよび配線ANLと電気的に接続されている。また、画素10bは、トランジスタ311、トランジスタ312、容量素子310、および発光素子314を有する。
【0163】
発光素子314は一対の端子(アノードおよびカソード)を有する。発光素子314としては、電流または電圧によって輝度を制御することが可能な素子を用いることができる。例えば、発光素子314として、エレクトロルミネッセンスを利用する発光素子(「EL素子」ともいう)を適用することができる。EL素子は、一対の電極の間に発光層(「EL層」ともいう)を有する。
【0164】
図20ではトランジスタ311、312はn型トランジスタであるが、これらの1つ以上または全てをp型トランジスタとしてもよい。また、トランジスタ311、312はゲート(第1ゲート)に電気的に接続されているバックゲート(第2ゲート)を有する。このようなデバイス構造とすることで、トランジスタ311、312の電流駆動能力を向上させることができる。
【0165】
トランジスタ311は、トランジスタ312のゲート(ノード315)とソース線SLとの間を接続するパストランジスタである。トランジスタ312は駆動トランジスタであり、発光素子314に供給される電流源として機能する。トランジスタ312のドレイン電流の大きさによって、発光素子314の輝度が調節される。容量素子310は、ノード315と配線ANL間の電圧を保持する保持容量である。
【0166】
ゲートドライバ62、63により各行の画素10bが順次選択され、トランジスタ311がオン状態になり、ノード315にデータが書き込まれる。
【0167】
次に、トランジスタ311をオフ状態としてノード315に書き込まれたデータを保持する。ノード315に書き込まれたデータに応じて、発光素子314の輝度が決定される。これを行毎に順次行うことにより、表示領域に画像が表示される。
【0168】
トランジスタ311として、OSトランジスタを用いることが好ましい。トランジスタ311としてOSトランジスタを用いることで、画素10bはノード315に書き込まれたデータを長期間保持することが可能になり、静止画像を表示している間、画像データのリフレッシュ頻度を少なくすることができる。すなわち、画素10bはIDS駆動が可能になる。その結果、表示装置50の消費電力を低減することが可能になる。
【0169】
〈画素10c〉
図21(A)は発光素子を有するパネルに用いることができる画素10cの一例を示す。
【0170】
画素10cは、図20の画素10bに、配線MLおよびトランジスタ313を追加したものである。トランジスタ313は、配線MLと発光素子314のアノードとの間を接続するパストランジスタである。
【0171】
トランジスタ312の駆動能力にばらつきが発生すると、発光素子314の輝度にばらつきが発生し表示品位を低下させてしまう。画素10cは、トランジスタ312のドレイン電流をモニターすることで、発光素子314の輝度ばらつきを補正する機能を有する。
【0172】
図21(B)に、図21(A)に示すゲート線GLの電位と、ソース線SLに供給される画像信号のタイミングチャートを例示する。なお、図21(B)に示すタイミングチャートは、画素10cに含まれるトランジスタが全てnチャネル型である場合を例示するものである。
【0173】
期間T1は書き込み動作期間であり、発光素子314は発光させない。ゲート線GLにハイレベルの電位が与えられ、トランジスタ311及びトランジスタ313がオンとなる。ソース線SLには、画像信号として電位Vdataが与えられる。電位Vdataは、トランジスタ311を介してトランジスタ312のゲートに与えられる。
【0174】
期間T1では、配線MLの電位が、配線CTLの電位に発光素子314の閾値電圧Vtheを加算した電位よりも低く、配線ANLの電位が、配線MLの電位よりも高いことが望ましい。上記構成により、トランジスタ312のドレイン電流を、発光素子314ではなく配線MLの方に優先的に流すことができる。
【0175】
期間T2は発光期間であり、発光素子314は発光する。ゲート線GLにローレベルの電位が与えられ、トランジスタ311及びトランジスタ313がオフとなる。トランジスタ311がオフになることで、トランジスタ312のゲートにおいて、電位Vdataが保持される。また、配線ANLには電位Vanoが与えられ、配線CTLには電位Vcatが与えられる。電位Vanoは、電位Vcatに発光素子314の閾値電圧Vtheを加算した電位よりも高くすることが望ましい。配線ANLと配線CTLとの間に上記電位差が設けられることにより、トランジスタ312のドレイン電流が発光素子314に供給され、発光素子314が発光する。
【0176】
次いで、期間T3は、トランジスタ312のドレイン電流を取得するモニター期間である。ゲート線GLにハイレベルの電位が与えられ、トランジスタ311及びトランジスタ313がオンとなる。ソース線SLには、トランジスタ312のゲート電圧が閾値電圧Vthよりも大きくなるような電位が与えられる。配線MLの電位は、配線CTLの電位に発光素子314の閾値電圧Vtheを加算した電位よりも低くし、配線ANLの電位は、配線MLの電位よりも高くすることが望ましい。上記構成により、トランジスタ312のドレイン電流を、発光素子314ではなく配線MLの方に優先的に流すことができる。
【0177】
期間T3で画素10cから配線MLに出力される電流IMONは、発光期間にトランジスタ312に流れるドレイン電流に相当する。電流IMONはモニター回路に供給される。モニター回路は、電流IMONを解析し、解析結果に基づいて、補正信号を生成する。以上の動作によって、画素10cは輝度のずれを補正することができる。
【0178】
上記モニター動作を発光動作の後に常に行う必要はない。例えば、画素10cにおいて、データの書き込み動作と発光動作のサイクルを複数回繰り返した後に、モニター動作を行うようにすることができる。また、モニター動作させた後、最小の階調値[0]に対応するデータ信号を画素10cに書き込むことで、発光素子314を非発光状態にするようにしてもよい。
【0179】
画素10bと同様に、画素10cにおいても、トランジスタ311としてOSトランジスタを用いることが好ましい。トランジスタ311にOSトランジスタを用いることで、画素10cはIDS駆動が可能になる。その結果、表示装置50の消費電力を低減することが可能になる。
【0180】
図20及び図21(A)に示す、トランジスタ311、312、313は、場合によっては、バックゲートを設けなくてもよい。バックゲートを省略することで、トランジスタの製造工程を容易にすることができる。
【0181】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0182】
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態に記載の表示装置50の構成例について図22乃至図28を用いて説明を行う。
【0183】
図22乃至図24に、表示装置50の断面模式図を示す。なお、図22乃至図24に示す断面模式図は、タッチセンサの動作を説明する上で必要な構成要素のみが描かれている。例えば、基板411上にトランジスタなどの素子が設けられる場合もあるが、ここでは省略することにする。
【0184】
図22
図22(A)に示す表示装置50は、基板411、基板412、FPC413、配線414、液晶素子420、着色膜431、電極441等を有する。
【0185】
液晶素子420は、電極421、電極422及び液晶423により構成される。電極421上には絶縁膜424を介して電極422が配置されている。電極421は液晶素子420のコモン電極として機能し、電極422は画素電極として機能する。
【0186】
電極421および電極422は、液晶423の厚さ方向(図中A1‐A2方向)と交差する電界を形成するように配置される。液晶423としては、IPS(In-Plane-Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、またはVA-IPS(Vertical Alignment In-Plane-Switching)モードで動作する液晶材料を用いることができる。
【0187】
タッチセンサは、基板412側に設けられた電極441と、液晶素子420の一対の電極の一方として機能する電極421との間に形成される容量を利用して検出することができる。
【0188】
電極441は基板412の表示面側(基板411と反対側)の面に設けられる。また、電極441は、基板412側に設けられたFPC443と電気的に接続される。電極421は、配線414を介して基板411側に取り付けられたFPC413と電気的に接続する。
【0189】
図22(A)に示す表示装置50は、電極421を画素電極、電極422をコモン電極とし、電極441と電極422との間に形成される容量を利用して、タッチ検出を行ってもよい。その場合の模式図を図22(B)に示す。
【0190】
図22(A)に示す表示装置50は、電極441を基板412と液晶423の間に設けてもよい。その場合の模式図を図22(C)に示す。
【0191】
図22(B)に示す表示装置50は、電極441を基板412と液晶423の間に設けてもよい。その場合の模式図を図22(D)に示す。
【0192】
図22(A)乃至図22(D)に示す構成とすることで、液晶素子420の一方の電極を、タッチセンサの一対の電極の一方と兼ねることができる。よって、工程を簡略化することができ、製造コストを低減することができる。
【0193】
図23
図22(A)に示す表示装置50は、電極441およびFPC443を設けない構成でもよい。その場合の模式図を図23(A)に示す。
【0194】
図23(A)において、液晶素子420のコモン電極として機能する電極421a及び電極421bが、タッチセンサの一対の電極としても機能する。
【0195】
図23(A)に示す表示装置50は、電極422をコモン電極としてもよい。その場合の模式断面図を図23(B)に示す。図23(B)において、電極422a及び電極422bが、タッチセンサの一対の電極として機能する。
【0196】
図23(A)または図23(B)に示す構成とすることで、タッチセンサの一対の電極の両方を、液晶素子420の一方の電極で兼ねることができる。よって、図22(A)、(B)の場合よりも、より工程を簡略化することができる。
【0197】
図24
図22(A)に示す表示装置50は、電極441だけでタッチセンサの一対の電極を形成してもよい。その場合の模式断図を図24(A)に示す。
【0198】
図24(A)において、基板412上に設けられた電極441a及び電極441bが、タッチセンサの一対の電極として機能する。
【0199】
図24(A)に示す表示装置50は、電極441aおよび電極441bを基板412と液晶423の間に設けてもよい。その場合の断面模式図を図24(B)に示す。
【0200】
図24(A)または図24(B)の場合、電極441a及び電極441bは、液晶素子420の電極(電極421、電極422)から遠ざけられている。そのため、電極441aと電極441bが形成する電界と、液晶素子420が形成する電界が干渉することはない。また、電極441a及び電極441bは、基板411上に形成された配線やトランジスタなど、ノイズの発生源となり得るものから遠ざけられている。そのため、図24(A)または図24(B)に示す表示装置50は、タッチ検出の感度を高めることができる。
【0201】
図25
図24(A)または図24(B)のようにタッチセンサの電極を設けた場合、液晶423として、基板411に対して垂直方向に電界を印加することで表示を行う液晶を用いることができる。その場合の断面模式図を図25(A)、(B)に示す。
【0202】
図25(A)、(B)において、液晶423を上下に挟むように、電極421および電極422が設けられている。この場合も、電極441aと電極441bが形成する電界と、液晶素子420が形成する電界が干渉することはない。液晶423として、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertical Alignment)モード、MVA(Multi-Domain Vertical Alignment)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モードなどを用いることができる。
【0203】
図26
図24(A)または図24(B)のようにタッチセンサの電極を設けた場合、表示素子としてEL素子を用いることができる。その場合の断面模式図を図26(A)乃至(C)に示す。
【0204】
図26(A)に示す表示装置50は、図24(A)に示す液晶素子420を、EL素子463に置き替えたものである。同様に、図26(B)に示す表示装置50は、図24(B)に示す液晶素子420を、EL素子463に置き替えたものである。
【0205】
図26(A)、(B)において、EL素子463は、電極464、EL層465、電極466を有する。電極464は、EL素子463の陽極または陰極の一方としての機能を有し、電極466は、EL素子463の陽極または陰極の他方としての機能を有する。また、電極466は反射膜としての機能を有し、電極464は可視光を透過する機能を有する。EL層465は発光層を有し、電極464と電極466の間に電圧を印加すると、EL層465に電流が流れ、EL層465が発光する。EL層465が呈する光は、着色膜431及び基板412を介して、外部に取り出される。
【0206】
図26(A)、(B)に示す表示装置50は、電極441aおよび電極441bを基板411に設けてもよい。その場合の断面模式図を図26(C)に示す。この場合、電極464は反射膜としての機能を有し、電極466は可視光を透過する機能を有する。EL層465が呈する光は、着色膜431及び基板411を介して、外部に取り出される。なお、図26(C)において、電極441aおよび電極441bは、基板411とEL素子463の間に設けてもよい。
【0207】
図26(A)乃至(C)において、電極441aと電極441bが形成する電界は、EL素子463によって遮られることはない。そのため、タッチセンサは、感度の高いタッチ検出を行うことができる。
【0208】
次に、図27および図28を用いて表示装置50のより具体的な構成例について説明を行う。
【0209】
図27
図27に示す断面図は、図23(A)に示す表示装置50の断面模式図をより詳細に説明した図である。
【0210】
図27に示す表示装置は電極625を有しており、電極625はFPC413が有する端子と、異方性導電層626を介して、電気的に接続されている。また、電極625は、絶縁層624に形成された開口部において配線414と電気的に接続されている。電極625は、第1の電極422と同じ導電層から形成されている。
【0211】
また、第1の基板411上に設けられた画素10とゲートドライバ62は、トランジスタを複数有しており、図27では、画素10に含まれるトランジスタ601と、ゲートドライバ62に含まれるトランジスタ602とを例示している。図27では、トランジスタ601およびトランジスタ602上に、絶縁層624が設けられている。
【0212】
《トランジスタ601、602》
トランジスタ601およびトランジスタ602は、基板411上に設けられた電極616を有し、電極616上に絶縁層621が設けられ、絶縁層621上に半導体層612が設けられ、半導体層612上に絶縁層622が設けられ、絶縁層622上に電極617が設けられている。また、半導体層612と接するように電極610および電極611が設けられている。電極610及び電極611は、配線414と同じ導電層で形成されている。
【0213】
トランジスタ601およびトランジスタ602において、電極617は第1のゲート電極(トップゲートともいう)としての機能を有し、電極616は第2のゲート電極(バックゲートともいう)としての機能を有し、電極610はソース電極またはドレイン電極の一方としての機能を有し、電極611はソース電極またはドレイン電極の他方としての機能を有する。
【0214】
トランジスタ601及びトランジスタ602はトップゲート及びバックゲートを有することで、オン電流を増大させることができる。また、トランジスタの閾値を制御することができる。
【0215】
トランジスタ601及びトランジスタ602において、半導体層612はチャネル形成領域としての機能を有する。半導体層612として、金属酸化物などを用いればよい。
【0216】
半導体層612として金属酸化物を用いた場合、半導体層612はインジウム(In)および亜鉛(Zn)の少なくとも一方を含むことが好ましい。このような酸化物としては、In酸化物、Zn酸化物、In-Zn酸化物、In-M-Zn酸化物、In-M酸化物、Zn-M酸化物(元素Mは、例えば、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、イットリウム(Y)、スズ(Sn)、ホウ素(B)、シリコン(Si)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、ゲルマニウム(Ge)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、ネオジム(Nd)、バナジウム(V)、ベリリウム(Be)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)またはタングステン(W)など)が代表的である。
【0217】
トランジスタ601、602としてOSトランジスタを用いることで、トランジスタ601、602は、オフ状態における電流値(オフ電流値)を低くすることができる。よって、画像信号等の電気信号の保持時間を長くすることができ、電源オン状態では書き込み間隔も長く設定できる。よって、リフレッシュ動作の頻度を少なくすることができるため、消費電力を抑制する効果を奏する。
【0218】
《液晶素子420》
図27は、表示素子として液晶素子を用いた液晶表示パネルの一例である。図27において、表示素子である液晶素子420は、第1の電極422、第2の電極421、及び液晶423を含む。なお、液晶423を挟持するように配向膜631、配向膜632が設けられている。第2の電極421は、液晶材料を含む層の厚さ方向と交差する方向の電界を、第1の電極422との間に形成するように配置される。
【0219】
例えば、液晶423として、FFSモード、VA-IPSモード、IPSモード、で動作する液晶材料を用いることができる。
【0220】
《基板411》
有機材料、無機材料または有機材料と無機材料等の複合材料等を基板411等に用いることができる。例えば、ガラス、セラミックス、金属等の無機材料を基板411等に用いることができる。
【0221】
具体的には、無アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カリガラス、クリスタルガラス、アルミノ珪酸ガラス、強化ガラス、化学強化ガラス、石英またはサファイア等を、基板411等に用いることができる。具体的には、無機酸化物膜、無機窒化物膜または無機酸窒化物膜等を、基板411等に用いることができる。例えば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等を、基板411等に用いることができる。ステンレス・スチールまたはアルミニウム等を、基板411等に用いることができる。
【0222】
例えば、シリコンや炭化シリコンからなる単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウム等の化合物半導体基板、SOI基板等を基板411等に用いることができる。これにより、半導体素子を基板411等に形成することができる。
【0223】
例えば、樹脂、樹脂フィルムまたはプラスチック等の有機材料を基板411等に用いることができる。具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリル樹脂等の樹脂フィルムまたは樹脂板を、基板411等に用いることができる。
【0224】
例えば、金属板、薄板状のガラス板または無機材料等の膜を樹脂フィルム等に貼り合わせた複合材料を基板411等に用いることができる。例えば、繊維状または粒子状の金属、ガラスもしくは無機材料等を樹脂フィルムに分散した複合材料を、基板411等に用いることができる。例えば、繊維状または粒子状の樹脂もしくは有機材料等を無機材料に分散した複合材料を、基板411等に用いることができる。
【0225】
また、単層の材料または複数の層が積層された材料を、基板411等に用いることができる。例えば、基材と基材に含まれる不純物の拡散を防ぐ絶縁膜等が積層された材料を、基板411等に用いることができる。具体的には、ガラスとガラスに含まれる不純物の拡散を防ぐ酸化シリコン層、窒化シリコン層または酸化窒化シリコン層等から選ばれた一つまたは複数の膜が積層された材料を、基板411等に用いることができる。または、樹脂と樹脂を透過する不純物の拡散を防ぐ酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜等が積層された材料を、基板411等に用いることができる。
【0226】
具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート若しくはアクリル樹脂等の樹脂フィルム、樹脂板または積層材料等を基板411等に用いることができる。
【0227】
具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミド等)、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂もしくはシリコーン等のシロキサン結合を有する樹脂を含む材料を基板411等に用いることができる。
【0228】
具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)またはアクリル樹脂等を基板411等に用いることができる。または、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)等を用いることができる。
【0229】
また、紙または木材などを基板411等に用いることができる。
【0230】
例えば、可撓性を有する基板を基板411等に用いることができる。
【0231】
なお、トランジスタまたは容量素子等を基板に直接形成する方法を用いることができる。また、例えば作製工程中に加わる熱に耐熱性を有する工程用の基板にトランジスタまたは容量素子等を形成し、形成されたトランジスタまたは容量素子等を基板411等に転置する方法を用いることができる。これにより、例えば可撓性を有する基板にトランジスタまたは容量素子等を形成できる。
【0232】
《基板412》
例えば、基板411に用いることができる材料を基板412に用いることができる。例えば、基板411に用いることができる材料から選択された透光性を備える材料を、基板412に用いることができる。または、片側の表面に、例えば1μm以下の反射防止膜が形成された材料を基板412に用いることができる。具体的には、誘電体を3層以上、好ましくは5層以上、より好ましくは15層以上積層した材料を基板412に用いることができる。これにより、反射率を0.5%以下好ましくは0.08%以下に抑制することができる。または、基板411に用いることができる材料から選択された複屈折が抑制された材料を、基板412に用いることができる。
【0233】
例えば、アルミノ珪酸ガラス、強化ガラス、化学強化ガラスまたはサファイア等を、表示パネルの使用者に近い側に配置される基板412に好適に用いることができる。これにより、使用に伴う表示パネルの破損や傷付きを防止することができる。
【0234】
例えば、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、トリアセチルセルロース(TAC)等の樹脂フィルムを、基板412に好適に用いることができる。これにより、重量を低減することができる。または、例えば、落下に伴う破損等の発生頻度を低減することができる。
【0235】
《着色膜431、遮光膜630、絶縁層629》
基板412の基板411側の面には、着色膜431、遮光膜630、絶縁層629等が設けられている。
【0236】
着色膜431は、所定の色の光を透過する機能を有する。すなわち、着色膜431はカラーフィルタとしての機能を有する。
【0237】
遮光膜630は光の透過を抑制する機能を有する。すなわち、遮光膜630はブラックマトリクスとしての機能を有する。具体的には、顔料または染料を含む樹脂を遮光膜630に用いることができる。例えば、カーボンブラックを分散した樹脂を遮光膜630に用いることができる。または、無機化合物、無機酸化物、複数の無機酸化物の固溶体を含む複合酸化物等を遮光膜630に用いることができる。具体的には、黒色クロム膜、酸化第2銅を含む膜、塩化銅または塩化テルルを含む膜を遮光膜630に用いることができる。
【0238】
絶縁層629は、着色膜431、遮光膜630等に含まれる不純物が液晶423に拡散することを防ぐオーバーコートとしての機能を有する。また、着色膜431および遮光膜630に基づく凹凸を平坦にする機能を有する。
【0239】
《その他の構成要素》
スペーサ633は絶縁層を選択的にエッチングすることで得られる柱状のスペーサであり、絶縁層629と絶縁層624との間の距離(セルギャップ)を制御するために設けられている。なお球状のスペーサを用いても良い。
【0240】
シール材627には、ガラスフリットなどのガラス材料や、二液混合型の樹脂などの常温で硬化する硬化樹脂、光硬化性の樹脂、熱硬化性の樹脂などの樹脂材料を用いることができる。また、シール材627に乾燥剤が含まれていてもよい。
【0241】
必要に応じて、基板412に偏光板、又は円偏光板(楕円偏光板を含む)、位相差板などの光学フィルムを適宜設けてもよい。また、偏光板又は円偏光板に反射防止膜を設けてもよい。例えば、表面の凹凸により反射光を拡散し、映り込みを低減できるアンチグレア処理を施すことができる。
【0242】
図28
図28に示す断面図は、図26(B)に示す表示装置50の断面模式図をより詳細に説明した図である。なお、図27図28で重複する部分は符号を同じくし、説明を省略する。
【0243】
図28は、表示素子としてEL素子などの発光素子を用いた表示パネルの一例である。以下、EL素子463は有機EL素子として説明を行う。
【0244】
《EL素子463》
図28において、EL素子463は、画素10に設けられたトランジスタ601と電気的に接続している。なおEL素子463の構成は、第1の電極466、EL層465、第2の電極464の積層構造であるが、この構成に限定されない。EL素子463から取り出す光の方向などに合わせて、EL素子463の構成は適宜変えることができる。
【0245】
隔壁661は、有機絶縁材料、又は無機絶縁材料を用いて形成する。特に感光性の樹脂材料を用い、第1の電極466上に開口部を形成し、その開口部の側面が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。
【0246】
EL層465は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良い。
【0247】
また、EL素子463をマイクロキャビティ構造とすることで、色純度の高い光を取り出すことができる。また、マイクロキャビティ構造とカラーフィルタを組み合わせることで、映り込みが低減し、表示画像の視認性を高めることができる。
【0248】
第1の電極466、第2の電極464は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、インジウム錫酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を用いることができる。
【0249】
また、第1の電極466、第2の電極464はタングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)などの金属、またはその合金、もしくはその金属窒化物から一種以上を用いて形成することができる。
【0250】
また、第1の電極466、第2の電極464として、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例えば、ポリアニリンまたはその誘導体、ポリピロールまたはその誘導体、ポリチオフェンまたはその誘導体、もしくは、アニリン、ピロールおよびチオフェンの2種以上からなる共重合体またはその誘導体等が挙げられる。
【0251】
EL素子463が光を外部に取り出すため、少なくとも第1の電極466または第2の電極464の一方が透明であればよい。図28は、基板412から光を取り出すため、第2の電極464が透明であることが好ましい。
【0252】
EL素子463に酸素、水素、水分、二酸化炭素等が侵入しないように、第2の電極464および隔壁661上に保護層を形成してもよい。保護層としては、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、DLC(Diamond Like Carbon)などを形成することができる。また、第1の基板411、第2の基板412、及びシール材627によって封止された空間には充填材628が設けられ密封されている。このように、外気に曝されないように気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(貼り合わせフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)やカバー材でパッケージング(封入)することが好ましい。
【0253】
充填材628としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル樹脂、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニルアセテート)などを用いることができる。また、充填材628に乾燥剤が含まれていてもよい。
【0254】
《その他の構成要素》
基板412の基板411側の面には、着色膜431、遮光膜630、配線634、配線662、電極441a、電極441b、絶縁層663、等が設けられている。また、配線634はFPC443が有する端子と、異方性導電層654を介して、電気的に接続されている。
【0255】
配線634と電極441a、441bは、同じ導電性材料を用いて同時に形成される。
【0256】
図27と同様に、必要に応じて、基板412に偏光板、又は円偏光板(楕円偏光板を含む)、位相差板などの光学フィルムを適宜設けてもよい。また、偏光板又は円偏光板に反射防止膜を設けてもよい。例えば、表面の凹凸により反射光を拡散し、映り込みを低減できるアンチグレア処理を施すことができる。
【0257】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0258】
(実施の形態5)
本実施の形態では、上記実施の形態に記載のソースドライバIC64の構成例について、図29を用いて説明を行う。
【0259】
図29(A)及び図29(B)は、ソースドライバIC64の構成例を示すブロック図である。図29(A)及び図29(B)に示すソースドライバIC64は、反射型素子と発光素子を有するハイブリッド型素子を画素10に用いた場合のブロック図である。
【0260】
図29(A)に示すソースドライバIC64は、制御回路801と、ドライバ802と、フレームメモリ803と、フレームメモリ804と、ゲートドライバ信号生成回路806と、ゲートドライバ信号生成回路807と、を有する。
【0261】
制御回路801は、アプリケーションプロセッサ80から信号を受け取り、ソースドライバIC64に含まれる各種回路へ信号を供給する機能を有する。なお、制御回路801が、アプリケーションプロセッサ80から受け取る信号のインターフェース規格として、MIPI(Mobile Industry Processor Interface)、SPI(Serial Peripheral Interface)などが挙げられる。
【0262】
ドライバ802は、画素アレイ61へ画像信号を供給する機能を有する。
【0263】
フレームメモリ803は、画像信号を一時的に保存する機能を有する。
【0264】
ゲートドライバ信号生成回路806はゲートドライバ62へ信号を供給し、ゲートドライバ信号生成回路807はゲートドライバ63へ信号を供給する機能を有する。
【0265】
ゲートドライバ信号生成回路806またはゲートドライバ信号生成回路807の一方は、画素10が有する反射型素子を駆動するための信号を生成し、ゲートドライバ信号生成回路806またはゲートドライバ信号生成回路807の他方は、画素10が有する発光素子を駆動するための信号を生成する機能を有する。
【0266】
ソースドライバIC64は、図1に示すタッチセンサIC72としての機能を含んでいてもよい。その場合のブロック図を図29(B)に示す。
【0267】
図29(B)に示すソースドライバIC64は、図29(A)のブロック図に、図2に示す駆動回路402と検出回路403を加えている。このようにタッチセンサIC72をソースドライバIC64に含めることで、表示装置の製造コストを低減することができる。
【0268】
駆動回路402と検出回路403を1つのICに含めた場合、これら2つの回路は、互いに離れた位置に配置されることが好ましい。駆動回路402が検出回路403の近くに配置されると、駆動回路402から発生するノイズによって、検出回路403の検出感度が低下し、タッチ検出が困難になる場合がある。そのため、駆動回路402と検出回路403は、ゲートドライバ信号生成回路806、ゲートドライバ信号生成回路807およびドライバ802等の回路を間に介して、配置されることが好ましい。
【0269】
ここで、ゲートドライバ62は液晶素子を駆動し、ゲートドライバ63は発光素子を駆動すると仮定する。すなわち、ゲートドライバ信号生成回路806は液晶素子を駆動するための信号を生成し、ゲートドライバ信号生成回路807は発光素子を駆動するための信号を生成すると仮定する。このとき、駆動回路402はゲートドライバ信号生成回路806の近くに配置し、検出回路403はゲートドライバ信号生成回路807の近くに配置することが好ましい。
【0270】
一般的に、発光素子の駆動電圧は液晶素子の駆動電圧よりも低い。そのため、ゲートドライバ信号生成回路807が出力する電圧の振幅は、ゲートドライバ信号生成回路806が出力する電圧の振幅よりも低い。ゲートドライバ信号生成回路807から発生するノイズは、ゲートドライバ信号生成回路806から発生するノイズよりも小さいと言える。そのため、検出回路403は、ゲートドライバ信号生成回路806よりも、ゲートドライバ信号生成回路807の近くに配置することが好ましい。
【0271】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0272】
(実施の形態6)
本実施の形態では、上記実施の形態に記載の表示ユニット60に適用することが可能な、表示ユニット700について図30乃至図38を用いて説明を行う。
【0273】
図30は、表示ユニット700の構成を説明する図である。図30(A)は画素の投影図であり、図30(B)は図30(A)に示す画素の構成の一部を説明する分解立体図である。また、図30(C)は画素の構成の一部を説明する、図30(A)に示す切断線Y1-Y2における断面図である。図30(D)は図30(A)に示す画素を説明する上面図である。
【0274】
図31は、表示ユニット700の構成を説明する図である。図31(A)は図30(A)に示す切断線Y1-Y2における画素の断面図であり、図31(B)は図31(A)に示す画素の一部の構成を説明する断面図である。
【0275】
図32は表示ユニット700の構成を説明する図である。図32(A)は表示ユニット700の上面図であり、図32(B)は図32(A)に示す表示ユニット700の画素の一部を説明する上面図である。図32(C)は図32(A)に示す表示ユニット700の断面の構成を説明する模式図である。
【0276】
図33および図34は表示ユニット700の構成を説明する断面図である。図33(A)は図32(A)の切断線X1-X2、切断線X3-X4、図32(B)の切断線X5-X6における断面図であり、図33(B)および図33(C)はいずれも図33(A)の一部を説明する図である。
【0277】
図34図32(B)の切断線X7-X8、図32(A)の切断線X9-X10における断面図である。
【0278】
図35図32(A)に示す表示ユニット700に用いることができる画素の一部を説明する下面図である。
【0279】
図36は表示ユニット700が備える画素回路の構成を説明する回路図である。
【0280】
図37は表示ユニット700の反射膜の構成を説明する上面図である。
【0281】
<表示パネルの構成例1>
本実施の形態で説明する表示ユニット700は、画素702(i,j)を有する(図32(A)参照)。
【0282】
《画素の構成例1.》
画素702(i,j)は、機能層520、第1の表示素子750(i,j)および第2の表示素子550(i,j)を備える(図32(C)参照)。
【0283】
機能層520は画素回路530(i,j)を含み、機能層520は第1の表示素子750(i,j)および第2の表示素子550(i,j)の間に挟まれる領域を備える。
【0284】
画素回路530(i,j)は第1の表示素子750(i,j)および第2の表示素子550(i,j)と電気的に接続される。
【0285】
《第1の表示素子750(i,j)の構成例1.》
第1の表示素子750(i,j)は、第1の電極751(i,j)、第2の電極752、液晶材料を含む層753および反射膜751Bを備える(図30(B)および図31(A)参照)。また、第1の表示素子750(i,j)は、反射膜751Bが反射する光を制御する機能を備える。
【0286】
第2の電極752は、液晶材料を含む層753の厚さ方向と交差する方向の電界を、第1の電極751(i,j)との間に形成するように配置される(図30(B)および図31(A)参照)。例えば、櫛歯状の形状を第2の電極752に用いることができる。これにより、液晶材料を含む層753の厚さ方向と交差する方向の電界を、第1の電極751(i,j)との間に形成することができる。または、例えば、VA-IPS(Vertical Alignment In-Plane-Switching)モードで動作する表示素子を第1の表示素子に用いることができる。
【0287】
なお、櫛歯状の形状を備える第2の電極752が行列状に配設された導電膜の外観を図38(B)に示す。
【0288】
反射膜751Bは、第2の表示素子550(i,j)が射出する光を遮らない形状を備える(図31(A)参照)。例えば、光を遮らない領域751Hを備える形状を反射膜751Bに用いることができる。なお、反射膜751Bは、厚さ方向に凹凸を備える。例えば、第2の電極752の形状に沿って生じる凹凸を、厚さ方向の凹凸に用いることができる。これにより、反射膜751Bは入射した光をさまざまな方向に反射することができる。または、入射した光を乱反射することができる。または、第1の表示素子750(i,j)の視野角を広げることができる。
【0289】
《第2の表示素子550(i,j)の構成例1.》
第2の表示素子550(i,j)は光を射出する機能を備え、第2の表示素子550(i,j)は第1の表示素子750(i,j)を用いた表示を視認できる範囲の一部において、第2の表示素子を用いた表示を視認できるように配設される(図31(A)参照)。
【0290】
これにより、第1の表示素子を用いて、反射膜が反射する光の強度を制御して、表示をすることができる。または、第2の表示素子を用いて、第1の表示素子を用いた表示を補うことができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な表示パネルを提供することができる。
【0291】
《画素の構成例2.》
また、本実施の形態で説明する表示ユニット700は、画素702(i,j)が光学素子560および被覆膜565を備える。
【0292】
《光学素子の構成例1.》
光学素子560は透光性を備え、光学素子560は第1の領域560A、第2の領域560Bおよび第3の領域560Cを備える(図30(B)、図30(C)および図31(B)参照)。
【0293】
第1の領域560Aは光を供給される領域を含む。例えば、第1の領域560Aは第2の表示素子550(i,j)から光を供給される。
【0294】
第2の領域560Bは被覆膜565と接する領域を含む。
【0295】
第3の領域560Cは光の一部を射出する機能を備え、第3の領域は第1の領域560Aの光を供給される領域の面積以下の面積を備える。
【0296】
《被覆膜の構成例》
被覆膜565は光に対する反射性を備え、被覆膜565は光の一部を反射して第3の領域560Cに供給する機能を備える。例えば、第2の表示素子550(i,j)が射出する光を第3の領域560Cに向けて反射することができる。具体的には、実線の矢印で図示するように、第1の領域560Aから光学素子560に入射した光の一部は、第2の領域560Bに接する被覆膜565によって反射され、第3の領域560Cから射出することができる(図31(B)参照)。
【0297】
《第1の表示素子750(i,j)の構成例2.》
反射膜751Bは、第3の領域560Cが射出する光を遮らない形状を備える。
【0298】
これにより、第1の表示素子を用いて、反射膜が反射する光の強度を制御して、表示をすることができる。または、第2の表示素子を用いて、第1の表示素子を用いた表示を補うことができる。または、第1の領域に供給した光を、効率よく第3の領域から射出することができる。または、第1の領域に供給される光を集光して、第3の領域から射出することができる。例えば、第2の表示素子に発光素子を用いる場合、発光素子の面積を第3の領域の面積より広くすることができる。または、第3の領域より広い面積の発光素子が供給する光を第3の領域に集光することができる。または、第3の領域が射出する光の強度を保ちながら、発光素子に流す電流の密度を下げることができる。または、発光素子の信頼性を高めることができる。例えば、有機EL素子または発光ダイオードを発光素子に用いることができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な表示パネルを提供することができる。
【0299】
《画素の構成例3.》
また、画素702(i,j)は、機能層520の一部と、第1の表示素子750(i,j)と、第2の表示素子550(i,j)と、を有する(図32(C)参照)。
【0300】
《機能層520》
機能層520は、第1の導電膜、第2の導電膜、絶縁膜501Cおよび画素回路530(i,j)を含む。また、機能層520は、光学素子560および被覆膜565を含む(図33(A)参照)。なお、画素回路530(i,j)は、例えばトランジスタMを含む。
【0301】
機能層520は、第1の表示素子750(i,j)および第2の表示素子550(i,j)の間に挟まれる領域を備える(図33(C)参照)。第1の表示素子750(i,j)および第2の表示素子550(i,j)の間に挟まれる領域は30μm未満、好ましくは10μm未満、さらに好ましくは5μm未満の厚さを備える。
【0302】
これにより、第2の表示素子550(i,j)を第1の表示素子750(i,j)に近づけることができる。または、第1の表示素子750(i,j)を用いる表示と第2の表示素子550(i,j)を用いる表示との間に生じる視差を少なくすることができる。または、隣接する画素、例えば、画素702(i,j+1)を用いる表示が、第2の表示素子550(i,j)を用いる表示によって乱されにくくすることができる。または、隣接する画素、例えば、画素702(i,j+1)を用いる表示色と、第2の表示素子550(i,j)を用いる表示色の混合が起こりにくくすることができる。または、第2の表示素子550(i,j)が射出する光の減衰を抑制することができる。または、表示パネルの重量を軽くすることができる。または、表示パネルの厚さを薄くすることができる。または、表示パネルを曲げやすくすることができる。
【0303】
また、機能層520は、絶縁膜528、絶縁膜521A、絶縁膜521B、絶縁膜518および絶縁膜516を含む。
【0304】
《画素回路》
画素回路530(i,j)は、第1の表示素子750(i,j)および第2の表示素子550(i,j)を駆動する機能を備える(図36参照)。
【0305】
これにより、例えば同一の工程を用いて形成することができる画素回路を用いて、第1の表示素子と、第1の表示素子とは異なる方法を用いて表示をする第2の表示素子と、を駆動することができる。具体的には、反射型の表示素子を第1の表示素子に用いて、消費電力を低減することができる。または、外光が明るい環境下において高いコントラストで画像を良好に表示することができる。または、光を射出する第2の表示素子を用いて、暗い環境下で画像を良好に表示することができる。または、絶縁膜を用いて、第1の表示素子および第2の表示素子の間または第1の表示素子および画素回路の間における不純物の拡散を抑制することができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な表示装置を提供することができる。
【0306】
スイッチ、トランジスタ、ダイオード、抵抗素子、インダクタまたは容量素子等を画素回路530(i,j)に用いることができる。
【0307】
例えば、単数または複数のトランジスタをスイッチに用いることができる。または、並列に接続された複数のトランジスタ、直列に接続された複数のトランジスタ、直列と並列が組み合わされて接続された複数のトランジスタを、一のスイッチに用いることができる。
【0308】
例えば、画素回路530(i,j)は、信号線S1(j)、信号線S2(j)、走査線G1(i)、走査線G2(i)、配線CSCOMおよび導電膜ANOと電気的に接続される(図36参照)。なお、導電膜512Aは、信号線S1(j)と電気的に接続される(図34および図36参照)。
【0309】
画素回路530(i,j)は、スイッチSW1、容量素子C11を含む(図36参照)。
【0310】
画素回路530(i,j)は、スイッチSW2、トランジスタMおよび容量素子C12を含む。
【0311】
例えば、走査線G1(i)と電気的に接続されるゲート電極と、信号線S1(j)と電気的に接続される第1の電極と、を有するトランジスタを、スイッチSW1に用いることができる。
【0312】
容量素子C11は、スイッチSW1に用いるトランジスタの第2の電極と電気的に接続される第1の電極と、配線CSCOMと電気的に接続される第2の電極と、を有する。
【0313】
例えば、走査線G2(i)と電気的に接続されるゲート電極と、信号線S2(j)と電気的に接続される第1の電極と、を有するトランジスタを、スイッチSW2に用いることができる。
【0314】
トランジスタMは、スイッチSW2に用いるトランジスタの第2の電極と電気的に接続されるゲート電極と、導電膜ANOと電気的に接続される第1の電極と、を有する。
【0315】
なお、半導体膜をゲート電極との間に挟むように設けられた導電膜を備えるトランジスタを、トランジスタMに用いることができる。例えば、トランジスタMのゲート電極と同じ電位を供給することができる配線と電気的に接続される導電膜を当該導電膜に用いることができる。
【0316】
容量素子C12は、スイッチSW2に用いるトランジスタの第2の電極と電気的に接続される第1の電極と、トランジスタMの第1の電極と電気的に接続される第2の電極と、を有する。
【0317】
なお、第1の表示素子750(i,j)の第1の電極を、スイッチSW1に用いるトランジスタの第2の電極と電気的に接続する。また、第1の表示素子750(i,j)の第2の電極752を、配線VCOM1と電気的に接続する。これにより、第1の表示素子750を駆動することができる。
【0318】
また、第2の表示素子550(i,j)の電極551(i,j)をトランジスタMの第2の電極と電気的に接続し、第2の表示素子550(i,j)の電極552を導電膜VCOM2と電気的に接続する。これにより、第2の表示素子550(i,j)を駆動することができる。
【0319】
《絶縁膜501C》
絶縁膜501Cは、第1の導電膜および第2の導電膜の間に挟まれる領域を備え、絶縁膜501Cは開口部591Aを備える(図34参照)。
【0320】
《第1の導電膜》
第1の導電膜は、第1の表示素子750(i,j)と電気的に接続される。具体的には、第1の表示素子750(i,j)の電極751(i,j)と電気的に接続される。なお、電極751(i,j)を、第1の導電膜に用いることができる。
【0321】
《第2の導電膜》
第2の導電膜は、第1の導電膜と重なる領域を備える。第2の導電膜は、開口部591Aにおいて第1の導電膜と電気的に接続される。例えば、導電膜512Bを第2の導電膜に用いることができる。
【0322】
ところで、絶縁膜501Cに設けられた開口部591Aにおいて第2の導電膜と電気的に接続される第1の導電膜を、貫通電極ということができる。
【0323】
第2の導電膜は、画素回路530(i,j)と電気的に接続される。例えば、画素回路530(i,j)のスイッチSW1に用いるトランジスタのソース電極またはドレイン電極として機能する導電膜を、第2の導電膜に用いることができる。
【0324】
《第2の表示素子550(i,j)の構成例2.》
また、第2の表示素子550(i,j)は、画素回路530(i,j)と電気的に接続される(図33(A)および図36参照)。第2の表示素子550(i,j)は、機能層520に向けて光を射出する機能を備える。第2の表示素子550(i,j)は、例えば、絶縁膜501Cに向けて光を射出する機能を備える。
【0325】
第2の表示素子550(i,j)は、第1の表示素子750(i,j)を用いた表示を視認できる範囲の一部において当該第2の表示素子550(i,j)を用いた表示を視認できるように配設される。例えば、外光を反射する強度を制御して画像情報を表示する第1の表示素子750(i,j)に外光が入射し反射する方向を、破線の矢印を用いて図中に示す(図34参照)。また、第1の表示素子750(i,j)を用いた表示を視認できる範囲の一部に第2の表示素子550(i,j)が光を射出する方向を、実線の矢印を用いて図中に示す(図33(A)参照)。
【0326】
これにより、第1の表示素子を用いた表示を視認することができる領域の一部において、第2の表示素子を用いた表示を視認することができる。または、表示パネルの姿勢等を変えることなく使用者は表示を視認することができる。または、第1の表示素子が反射する光が表現する物体色と、第2の表示素子が射出する光が表現する光源色とを掛け合わせることができる。または、物体色および光源色を用いて絵画的な表示をすることができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な表示パネルを提供することができる。
【0327】
例えば、第2の表示素子550(i,j)は、電極551(i,j)と、電極552と、発光性の材料を含む層553(j)と、を備える(図33(A)参照)。
【0328】
電極552は、電極551(i,j)と重なる領域を備える。
【0329】
発光性の材料を含む層553(j)は、電極551(i,j)および電極552の間に挟まれる領域を備える。
【0330】
電極551(i,j)は、接続部522において、画素回路530(i,j)と電気的に接続される。なお、電極552は、導電膜VCOM2と電気的に接続される(図36参照)。
【0331】
《絶縁膜521、絶縁膜528、絶縁膜518、絶縁膜516等》
絶縁膜521は、画素回路530(i,j)および第2の表示素子550(i,j)の間に挟まれる領域を備える(図33(A)参照)。
【0332】
例えば、積層膜を絶縁膜521に用いることができる。例えば、絶縁膜521A、絶縁膜521Bおよび絶縁膜521Cの積層膜を絶縁膜521に用いることができる。
【0333】
絶縁膜528は、絶縁膜521および基板570の間に挟まれる領域を備え、第2の表示素子550(i,j)と重なる領域に開口部を備える。電極551(i,j)の周縁に沿って形成される絶縁膜528は、電極551(i,j)および電極552の短絡を防止する。
【0334】
なお、単層の膜または積層膜を絶縁膜518に用いることができる。例えば、絶縁膜518Aおよび絶縁膜518Bを絶縁膜518に用いることができる。または、例えば、絶縁膜518A1および絶縁膜518A2を絶縁膜518に用いることができる。
【0335】
絶縁膜518は、絶縁膜521および画素回路530(i,j)の間に挟まれる領域を備える。
【0336】
絶縁膜516は、絶縁膜518および画素回路530(i,j)の間に挟まれる領域を備える。
【0337】
また、表示ユニット700は、絶縁膜501Bを有することができる。絶縁膜501Bは、開口部592Bを備える(図33(A)参照)。
【0338】
開口部592Bは、導電膜511Bと重なる領域を備える。
【0339】
<表示パネルの構成例2>
本実施の形態で説明する表示ユニット700は、色相が異なる色を表示する機能を備える複数の画素を備えることができる。または、色相が異なる色を表示することができる複数の画素を用いて、それぞれの画素では表示できない色相の色を、加法混色により表示することができる。
【0340】
なお、色相が異なる色を表示することができる複数の画素を混色に用いる場合において、それぞれの画素を副画素と言い換えることができる。また、複数の副画素を一組にして、画素と言い換えることができる。具体的には、画素702(i,j)を副画素と言い換えることができ、画素702(i,j)、画素702(i,j+1)および画素702(i,j+2)を一組にして、画素703(i,k)と言い換えることができる(図38(A)参照)。
【0341】
例えば、青色を表示する副画素、緑色を表示する副画素および赤色を表示する副画素を一組にして、画素703(i,k)に用いることができる。
【0342】
また、例えば、シアンを表示する副画素、マゼンタを表示する副画素およびイエローを表示する副画素を一組にして、画素703(i,k)に用いることができる。
【0343】
また、例えば、白色を表示する副画素等を上記の一組に加えて、画素に用いることができる。
【0344】
また、例えば、シアンを表示する第1の表示素子750(i,j)と青色を表示する第2の表示素子550(i,j)を備える副画素、イエローを表示する第1の表示素子750(i,j+1)と緑色を表示する第2の表示素子550(i,j+1)を備える副画素およびマゼンタを表示する第1の表示素子750(i,j+2)と赤色を表示する第2の表示素子550(i,j+2)を備える副画素を一組にして、画素703(i,k)に用いることができる。これにより、第1の表示素子750(i,j)乃至第1の表示素子750(i,j+2)を用いる表示を、明るくすることができる。または、第2の表示素子550(i,j)乃至第2の表示素子550(i,j+2)を用いる表示を、鮮やかにすることができる。
【0345】
<表示パネルの構成例3>
また、本実施の形態で説明する表示ユニット700は、機能層720、端子519B、基板570、基板770、接合層505、封止材705、構造体KB1、機能膜770P、機能膜770D等を備える(図33(A)または図34参照)。
【0346】
《機能層720》
また、本実施の形態で説明する表示パネルは、機能層720を有する。機能層720は、基板770および絶縁膜501Cの間に挟まれる領域を備える。機能層720は、遮光膜BMと、絶縁膜771と、着色膜CF1と、を有する(図33(A)または図34参照)。
【0347】
遮光膜BMは、第1の表示素子750(i,j)と重なる領域に開口部を備える。
【0348】
着色膜CF1は、基板770および第1の表示素子750(i,j)の間に挟まれる領域を備える。なお、機能層720および基板770の間に接合層770Bを用いることができる。接合層770Bは、機能層720および基板770を貼り合わせる機能を備える。
【0349】
絶縁膜771は、着色膜CF1と液晶材料を含む層753の間に挟まれる領域または遮光膜BMと液晶材料を含む層753の間に挟まれる領域を備える。これにより、着色膜CF1の厚さに基づく凹凸を平坦にすることができる。または、遮光膜BMまたは着色膜CF1等から液晶材料を含む層753への不純物の拡散を、抑制することができる。
【0350】
単層または積層膜を絶縁膜771に用いることができる。例えば、絶縁膜771Aおよび絶縁膜771Bを絶縁膜771に用いることができる。
【0351】
《端子519B》
また、本実施の形態で説明する表示パネルは、端子519Bを有する(図33(A)参照)。
【0352】
端子519Bは、導電膜511Bを備える。端子519Bは、例えば、信号線S1(j)と電気的に接続される。
【0353】
《基板570、基板770》
また、本実施の形態で説明する表示パネルは、基板570と、基板770と、を有する。
【0354】
基板770は、基板570と重なる領域を備える。基板770は、基板570との間に機能層520を挟む領域を備える。
【0355】
基板770は、第1の表示素子750(i,j)と重なる領域を備える。例えば、複屈折が抑制された材料を当該領域に用いることができる。
【0356】
《接合層505、封止材705、構造体KB1》
また、本実施の形態で説明する表示パネルは、接合層505と、封止材705と、構造体KB1と、を有する。
【0357】
接合層505は、機能層520および基板570の間に挟まれる領域を備え、機能層520および基板570を貼り合せる機能を備える。
【0358】
封止材705は、機能層520および基板770の間に挟まれる領域を備え、機能層520および基板770を貼り合わせる機能を備える。
【0359】
構造体KB1は、機能層520および基板770の間に所定の間隙を設ける機能を備える。
【0360】
《機能膜770PA、機能膜770PB、機能膜770D等》
また、本実施の形態で説明する表示パネルは、機能膜770PAと、機能膜770PBと、機能膜770Dと、を有する。
【0361】
機能膜770PAおよび機能膜770PBは、第1の表示素子750(i,j)と重なる領域を備える。
【0362】
機能膜770Dは、第1の表示素子750(i,j)と重なる領域を備える。機能膜770Dは、第1の表示素子750(i,j)との間に基板770を挟むように配設される。これにより、例えば、第1の表示素子750(i,j)が反射する光を拡散することができる。
【0363】
<構成要素の例>
以下、表示ユニット700の各構成要素について説明を行う。
【0364】
《基板570》
作製工程中の熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有する材料を基板570等に用いることができる。例えば、厚さ0.7mm以下厚さ0.1mm以上の材料を基板570に用いることができる。具体的には、厚さ0.1mm程度まで研磨した材料を用いることができる。
【0365】
例えば、第6世代(1500mm×1850mm)、第7世代(1870mm×2200mm)、第8世代(2200mm×2400mm)、第9世代(2400mm×2800mm)、第10世代(2950mm×3400mm)等の面積が大きなガラス基板を基板570等に用いることができる。これにより、大型の表示装置を作製することができる。
【0366】
有機材料、無機材料または有機材料と無機材料等の複合材料等を基板570等に用いることができる。例えば、ガラス、セラミックス、金属等の無機材料を基板570等に用いることができる。
【0367】
具体的には、無アルカリガラス、ソーダ石灰ガラス、カリガラス、クリスタルガラス、アルミノ珪酸ガラス、強化ガラス、化学強化ガラス、石英またはサファイア等を、基板570等に用いることができる。具体的には、無機酸化物膜、無機窒化物膜または無機酸窒化物膜等を、基板570等に用いることができる。例えば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等を、基板570等に用いることができる。ステンレス・スチールまたはアルミニウム等を、基板570等に用いることができる。
【0368】
例えば、シリコンや炭化シリコンからなる単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウム等の化合物半導体基板、SOI基板等を基板570等に用いることができる。これにより、半導体素子を基板570等に形成することができる。
【0369】
例えば、樹脂、樹脂フィルムまたはプラスチック等の有機材料を基板570等に用いることができる。具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリル樹脂等の樹脂フィルムまたは樹脂板を、基板570等に用いることができる。
【0370】
例えば、金属板、薄板状のガラス板または無機材料等の膜を樹脂フィルム等に貼り合わせた複合材料を基板570等に用いることができる。例えば、繊維状または粒子状の金属、ガラスもしくは無機材料等を樹脂フィルムに分散した複合材料を、基板570等に用いることができる。例えば、繊維状または粒子状の樹脂もしくは有機材料等を無機材料に分散した複合材料を、基板570等に用いることができる。
【0371】
また、単層の材料または複数の層が積層された材料を、基板570等に用いることができる。例えば、基材と基材に含まれる不純物の拡散を防ぐ絶縁膜等が積層された材料を、基板570等に用いることができる。具体的には、ガラスとガラスに含まれる不純物の拡散を防ぐ酸化シリコン層、窒化シリコン層または酸化窒化シリコン層等から選ばれた一つまたは複数の膜が積層された材料を、基板570等に用いることができる。または、樹脂と樹脂を透過する不純物の拡散を防ぐ酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜等が積層された材料を、基板570等に用いることができる。
【0372】
具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート若しくはアクリル樹脂等の樹脂フィルム、樹脂板または積層材料等を基板570等に用いることができる。
【0373】
具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミド等)、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂もしくはシリコーン等のシロキサン結合を有する樹脂を含む材料を基板570等に用いることができる。
【0374】
具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)またはアクリル樹脂等を基板570等に用いることができる。または、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)等を用いることができる。
【0375】
また、紙または木材などを基板570等に用いることができる。
【0376】
例えば、可撓性を有する基板を基板570等に用いることができる。
【0377】
なお、トランジスタまたは容量素子等を基板に直接形成する方法を用いることができる。また、例えば作製工程中に加わる熱に耐熱性を有する工程用の基板にトランジスタまたは容量素子等を形成し、形成されたトランジスタまたは容量素子等を基板570等に転置する方法を用いることができる。これにより、例えば可撓性を有する基板にトランジスタまたは容量素子等を形成できる。
【0378】
《基板770》
例えば、基板570に用いることができる材料を基板770に用いることができる。例えば、基板570に用いることができる材料から選択された透光性を備える材料を、基板770に用いることができる。または、片側の表面に、例えば1μm以下の反射防止膜が形成された材料を基板770に用いることができる。具体的には、誘電体を3層以上、好ましくは5層以上、より好ましくは15層以上積層した材料を基板770に用いることができる。これにより、反射率を0.5%以下好ましくは0.08%以下に抑制することができる。または、基板570に用いることができる材料から選択された複屈折が抑制された材料を、基板770に用いることができる。
【0379】
例えば、アルミノ珪酸ガラス、強化ガラス、化学強化ガラスまたはサファイア等を、表示パネルの使用者に近い側に配置される基板770に好適に用いることができる。これにより、使用に伴う表示パネルの破損や傷付きを防止することができる。
【0380】
例えば、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、トリアセチルセルロース(TAC)等の樹脂フィルムを、基板770に好適に用いることができる。これにより、重量を低減することができる。または、例えば、落下に伴う破損等の発生頻度を低減することができる。
【0381】
また、例えば、厚さ0.7mm以下厚さ0.1mm以上の材料を基板770に用いることができる。具体的には、厚さを薄くするために研磨した基板を用いることができる。これにより、機能膜770Dを第1の表示素子750(i,j)に近づけて配置することができる。その結果、画像のボケを低減し、画像を鮮明に表示することができる。
【0382】
《構造体KB1》
例えば、有機材料、無機材料または有機材料と無機材料の複合材料を構造体KB1等に用いることができる。これにより、所定の間隔を、構造体KB1等を挟む構成の間に設けることができる。
【0383】
具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリシロキサン若しくはアクリル樹脂等またはこれらから選択された複数の樹脂の複合材料などを構造体KB1に用いることができる。また、感光性を有する材料を用いて形成してもよい。
【0384】
《封止材705》
無機材料、有機材料または無機材料と有機材料の複合材料等を封止材705等に用いることができる。
【0385】
例えば、熱溶融性の樹脂または硬化性の樹脂等の有機材料を、封止材705等に用いることができる。
【0386】
例えば、反応硬化型接着剤、光硬化型接着剤、熱硬化型接着剤または/および嫌気型接着剤等の有機材料を封止材705等に用いることができる。
【0387】
具体的には、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等を含む接着剤を封止材705等に用いることができる。
【0388】
《接合層505、接合層770B》
例えば、封止材705に用いることができる材料を接合層505または接合層770Bに用いることができる。
【0389】
《絶縁膜521》
例えば、絶縁性の無機材料、絶縁性の有機材料または無機材料と有機材料を含む絶縁性の複合材料を、絶縁膜521等に用いることができる。
【0390】
具体的には、無機酸化物膜、無機窒化物膜または無機酸化窒化物膜等またはこれらから選ばれた複数を積層した積層材料を、絶縁膜521等に用いることができる。例えば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等またはこれらから選ばれた複数を積層した積層材料を含む膜を、絶縁膜521等に用いることができる。
【0391】
具体的には、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリシロキサン若しくはアクリル樹脂等またはこれらから選択された複数の樹脂の積層材料もしくは複合材料などを絶縁膜521等に用いることができる。また、感光性を有する材料を用いて形成してもよい。なお、ポリイミドは熱的安定性、絶縁性、靱性、低誘電率、低熱膨張率、低吸湿性などの特性において優れた特性を備える。これにより、特にポリイミドを絶縁膜521等に好適に用いることができる。
【0392】
これにより、例えば絶縁膜521と重なるさまざまな構造に由来する段差を平坦化することができる。
【0393】
《光学素子560》
光学素子560は光軸Zを備える(図30(C)参照)。光軸Zは第1の領域560Aの可視光が供給される領域の中心および第3の領域560Cの中心を通る。また、第2の領域560Bは、光軸Zと直交する平面に対し45°以上の傾きθ、好ましくは75°以上85°以下の傾きθを有する傾斜部を備える。例えば、図示されている第2の領域560Bは光軸Zと直交する平面に対し約60°の傾きを全体に備える。
【0394】
また、第2の領域560Bは、当該傾斜部を第1の領域560Aの可視光を供給される領域の端から0.05μm以上0.2μm以下の範囲に備える。なお、第1の領域560Aに第2の表示素子550(i,j)が接する場合、第1の領域560Aの可視光が供給される領域は、第2の表示素子550(i,j)の可視光を供給することができる領域の面積と等しい。例えば、図示されている第2の領域560Bの傾斜部は、第1の領域の可視光を供給される領域の端から距離dにある。
【0395】
また、第1の領域560Aの可視光が供給される領域は、画素702(i,j)の面積の10%より大きい面積を備える(図30(D)参照)。
【0396】
第3の領域560Cは、画素702(i,j)の面積の10%以下の面積を備える。
【0397】
反射膜751Bは、画素702(i,j)の面積の70%以上の面積を備える。
【0398】
第1の領域560Aの可視光が供給される領域の面積および反射膜751Bの面積の和は、画素702(i,j)の面積より大きい。
【0399】
例えば、横27μm縦81μmの矩形の画素は、2187μmの面積を備える。第1の領域560Aの324μmの面積に可視光を供給する。また、第3の領域560Cは81μmの面積を備え、反射膜751Bは1894μmの面積を備える。
【0400】
この構成において、第1の領域560Aの可視光が供給される領域の面積は、画素の面積の約14.8%に相当する。
【0401】
反射膜751Bの面積は、画素の面積の約86.6%に相当する。
【0402】
第1の領域560Aの可視光が供給される領域の面積および反射膜751Bの面積の和は、2218μmである。
【0403】
これにより、第2の領域は、第1の領域にさまざまな角度で入射する光を集光することができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な表示パネルを提供することができる。
【0404】
なお、複数の材料を光学素子560に用いることができる。例えば、屈折率の差が0.2以下の範囲になるように選択された複数の材料を光学素子560に用いることができる。これにより、光学素子の内部における反射または散乱を抑制することができる。または、光の損失を抑制することができる。
【0405】
また、さまざまな形状を光学素子560に用いることができる。例えば、円または多角形を光学素子560の光軸と直交する切断面の形状に用いることができる。または、平面または曲面を光学素子560の第2の領域560Bに用いることができる。
【0406】
《被覆膜565》
単層の膜または積層膜を被覆膜565に用いることができる。例えば、透光性を備える膜および反射性を備える膜を積層した材料を被覆膜565に用いることができる。
【0407】
例えば、酸化物膜、フッ化物膜、硫化物膜等の無機材料を、上記透光性を備える膜に用いることができる。
【0408】
例えば、金属を、上記反射性を備える膜に用いることができる。具体的には、銀を含む材料を被覆膜565に用いることができる。例えば、銀およびパラジウム等を含む材料または銀および銅等を含む材料を反射膜に用いることができる。また、誘電体の多層膜を、上記反射性を備える膜に用いることができる。
【0409】
《絶縁膜528》
例えば、絶縁膜521に用いることができる材料を絶縁膜528等に用いることができる。具体的には、厚さ1μmのポリイミドを含む膜を絶縁膜528に用いることができる。
【0410】
《絶縁膜501B》
例えば、絶縁膜521に用いることができる材料を絶縁膜501Bに用いることができる。また、例えば、水素を供給する機能を備える材料を絶縁膜501Bに用いることができる。
【0411】
具体的には、シリコンおよび酸素を含む材料と、シリコンおよび窒素を含む材料と、を積層した材料を、絶縁膜501Bに用いることができる。例えば、加熱等により水素を放出し、放出した水素を他の構成に供給する機能を備える材料を、絶縁膜501Bに用いることができる。具体的には、作製工程中に取り込まれた水素を加熱等により放出し、他の構成に供給する機能を備える材料を絶縁膜501Bに用いることができる。
【0412】
例えば、原料ガスにシラン等を用いる化学気相成長法により形成されたシリコンおよび酸素を含む膜を、絶縁膜501Bに用いることができる。
【0413】
具体的には、シリコンおよび酸素を含む厚さ200nm以上600nm以下の材料と、シリコンおよび窒素を含む厚さ200nm程度の材料と、を積層した材料を絶縁膜501Bに用いることができる。
【0414】
《絶縁膜501C》
例えば、絶縁膜521に用いることができる材料を絶縁膜501Cに用いることができる。具体的には、シリコンおよび酸素を含む材料を絶縁膜501Cに用いることができる。これにより、画素回路または第2の表示素子等への不純物の拡散を抑制することができる。
【0415】
例えば、シリコン、酸素および窒素を含む厚さ200nmの膜を絶縁膜501Cに用いることができる。
【0416】
《配線、端子、導電膜》
導電性を備える材料を配線等に用いることができる。具体的には、導電性を備える材料を、信号線S1(j)、信号線S2(j)、走査線G1(i)、走査線G2(i)、配線CSCOM、導電膜ANO、端子519Bまたは導電膜511B等に用いることができる。
【0417】
例えば、無機導電性材料、有機導電性材料、金属または導電性セラミックスなどを配線等に用いることができる。
【0418】
具体的には、アルミニウム、金、白金、銀、銅、クロム、タンタル、チタン、モリブデン、タングステン、ニッケル、鉄、コバルト、パラジウムまたはマンガンから選ばれた金属元素などを、配線等に用いることができる。または、上述した金属元素を含む合金などを、配線等に用いることができる。特に、銅とマンガンの合金がウエットエッチング法を用いた微細加工に好適である。
【0419】
具体的には、アルミニウム膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、窒化タンタル膜または窒化タングステン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、チタン膜と、そのチタン膜上にアルミニウム膜を積層し、さらにその上にチタン膜を形成する三層構造等を配線等に用いることができる。
【0420】
具体的には、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物を、配線等に用いることができる。
【0421】
具体的には、グラフェンまたはグラファイトを含む膜を配線等に用いることができる。
【0422】
例えば、酸化グラフェンを含む膜を形成し、酸化グラフェンを含む膜を還元することにより、グラフェンを含む膜を形成することができる。還元する方法としては、熱を加える方法や還元剤を用いる方法等を挙げることができる。
【0423】
例えば、金属ナノワイヤーを含む膜を配線等に用いることができる。具体的には、銀を含むナノワイヤーを用いることができる。
【0424】
具体的には、導電性高分子を配線等に用いることができる。
【0425】
なお、例えば、導電材料ACF1を用いて、端子519Bとフレキシブルプリント基板FPC1を電気的に接続することができる。
【0426】
《第1の導電膜、第2の導電膜》
例えば、配線等に用いることができる材料を第1の導電膜または第2の導電膜に用いることができる。
【0427】
また、電極751(i,j)または配線等を第1の導電膜に用いることができる。
【0428】
また、スイッチSW1に用いることができるトランジスタのソース電極またはドレイン電極として機能する導電膜512Bまたは配線等を第2の導電膜に用いることができる。
【0429】
《第1の表示素子750(i,j)》
例えば、光の反射または透過を制御する機能を備える表示素子を、第1の表示素子750(i,j)に用いることができる。例えば、液晶素子と偏光板を組み合わせた構成またはシャッター方式のMEMS表示素子、光干渉方式のMEMS表示素子等を用いることができる。反射型の表示素子を用いることにより、表示パネルの消費電力を抑制することができる。例えば、マイクロカプセル方式、電気泳動方式、エレクトロウエッティング方式などを用いる表示素子を、第1の表示素子750(i,j)に用いることができる。具体的には、反射型の液晶表示素子を第1の表示素子750(i,j)に用いることができる。
【0430】
例えば、IPS(In-Plane-Switching)モード、TN(Twisted Nematic)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro-cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モードなどの駆動方法を用いて駆動することができる液晶素子を用いることができる。
【0431】
また、例えば垂直配向(VA)モード、具体的には、MVA(Multi-Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、CPA(Continuous Pinwheel Alignment)モード、ASV(Advanced Super-View)モードなどの駆動方法を用いて駆動することができる液晶素子を用いることができる。
【0432】
第1の表示素子750(i,j)は、第1電極と、第2電極と、液晶材料を含む層と、を有する。液晶材料を含む層は、第1電極および第2電極の間の電圧を用いて配向を制御することができる液晶材料を含む。例えば、液晶材料を含む層の厚さ方向(縦方向ともいう)、縦方向と交差する方向(横方向または斜め方向ともいう)の電界を、液晶材料の配向を制御する電界に用いることができる。
【0433】
《液晶材料を含む層753》
例えば、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を、液晶材料を含む層に用いることができる。または、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す液晶材料を用いることができる。または、ブルー相を示す液晶材料を用いることができる。
【0434】
例えば、ネガ型の液晶材料を、液晶材料を含む層に用いることができる。
【0435】
例えば、1.0×1013Ω・cm以上、好ましくは1.0×1014Ω・cm以上、さらに好ましくは1.0×1015Ω・cm以上の固有抵抗率を備える液晶材料を、液晶材料を含む層753に用いることが好ましい。これにより、第1の表示素子750(i,j)の透過率の変動を抑制することができる。または、第1の表示素子750(i,j)のチラツキを抑制することができる。または、第1の表示素子750(i,j)の書き換える頻度を低減することができる。
【0436】
《電極751(i,j)》
例えば、配線等に用いる材料を電極751(i,j)に用いることができる。具体的には、反射膜を電極751(i,j)に用いることができる。例えば、透光性を備える導電膜と、開口部を備える反射膜と、を積層した材料を電極751(i,j)に用いることができる。
【0437】
《反射膜》
例えば、可視光を反射する材料を上記反射膜に用いることができる。具体的には、銀を含む材料を反射膜に用いることができる。例えば、銀およびパラジウム等を含む材料または銀および銅等を含む材料を反射膜に用いることができる。
【0438】
反射膜は、例えば、液晶材料を含む層753を透過してくる光を反射する。これにより、第1の表示素子750を反射型の液晶素子にすることができる。また、例えば、表面に凹凸を備える材料を、反射膜に用いることができる。これにより、入射する光をさまざまな方向に反射して、白色の表示をすることができる。
【0439】
反射膜は、第2の表示素子550(i,j)が射出する光を遮らない領域751Hが形成される形状を備える(図37(A)乃至図37(C)参照)。
【0440】
例えば、単数または複数の開口部を備える形状を反射膜に用いることができる。具体的には、多角形、四角形、楕円形、円形または十字等の形状を領域751Hに用いることができる。また、細長い筋状、スリット状、市松模様状の形状を領域751Hに用いることができる。
【0441】
反射膜の総面積に対する領域751Hの総面積の比の値が大きすぎると、第1の表示素子750(i,j)を用いた表示が暗くなってしまう。
【0442】
また、反射膜の総面積に対する領域751Hの総面積の比の値が小さすぎると、第2の表示素子550(i,j)を用いた表示が暗くなってしまう。または、第2の表示素子550(i,j)の信頼性が損なわれてしまう場合がある。
【0443】
例えば、画素702(i,j+1)に設けられた領域751Hは、画素702(i,j)に設けられた領域751Hを通る行方向(図中に矢印R1で示す方向)に延びる直線上に配設されない(図37(A)参照)。または、例えば、画素702(i+1,j)に設けられた領域751Hは、画素702(i,j)に設けられた領域751Hを通る、列方向(図中に矢印C1で示す方向)に延びる直線上に配設されない(図37(B)参照)。
【0444】
例えば、画素702(i,j+2)に設けられた領域751Hは、画素702(i,j)に設けられた領域751Hを通る行方向に延びる直線上に配設される(図37(A)参照)。また、画素702(i,j+1)に設けられた領域751Hは、画素702(i,j)に設けられた領域751Hおよび画素702(i,j+2)に設けられた領域751Hの間において当該直線と直交する直線上に配設される。
【0445】
または、例えば、画素702(i+2,j)に設けられた領域751Hは、画素702(i,j)に設けられた領域751Hを通る、列方向に延びる直線上に配設される(図37(B)参照)。また、例えば、画素702(i+1,j)に設けられた領域751Hは、画素702(i,j)に設けられた領域751Hおよび画素702(i+2,j)に設けられた領域751Hの間において当該直線と直交する直線上に配設される。
【0446】
このように配置された光を遮らない領域に重なるように第2の表示素子を配設することにより、一の画素に隣接する他の画素の第2の表示素子を、一の画素の第2の表示素子から遠ざけることができる。または、一の画素に隣接する他の画素の第2の表示素子に、一の画素の第2の表示素子が表示する色とは異なる色を表示する表示素子を配設することができる。または、異なる色を表示する複数の表示素子を、隣接して配設する際に生じる難易度を軽減することができる。その結果、利便性または信頼性に優れた新規な表示パネルを提供することができる。
【0447】
または、領域751Hが形成されるように、端部が短く切除されたような形状を反射膜に用いることができる(図37(C)参照)。具体的には、列方向(図中に矢印C1で示す方向)が短くなるように端部が切除された形状を用いることができる。
【0448】
《電極752》
例えば、配線等に用いることができる材料を、電極752に用いることができる。例えば、配線等に用いることができる材料から選択された、透光性を備える材料を、電極752に用いることができる。
【0449】
例えば、導電性酸化物、光が透過する程度に薄い金属膜または金属ナノワイヤー等を電極752に用いることができる。
【0450】
具体的には、インジウムを含む導電性酸化物を電極752に用いることができる。または、厚さ1nm以上10nm以下の金属薄膜を電極752に用いることができる。また、銀を含む金属ナノワイヤーを電極752に用いることができる。
【0451】
具体的には、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛、アルミニウムを添加した酸化亜鉛などを、電極752に用いることができる。
【0452】
《配向膜AF1、配向膜AF2》
例えば、ポリイミド等を含む材料を配向膜AF1または配向膜AF2に用いることができる。具体的には、液晶材料が所定の方向に配向するようにラビング処理された材料または光配向技術を用いて形成された材料を用いることができる。
【0453】
例えば、可溶性のポリイミドを含む膜を配向膜AF1または配向膜AF2に用いることができる。これにより、配向膜AF1または配向膜AF2を形成する際に必要とされる温度を低くすることができる。その結果、配向膜AF1または配向膜AF2を形成する際に他の構成に与える損傷を軽減することができる。
【0454】
《着色膜CF1》
所定の色の光を透過する材料を着色膜CF1に用いることができる。これにより、着色膜CF1を例えばカラーフィルターに用いることができる。
【0455】
例えば、青色の光を透過する材料、緑色の光を透過する材料または赤色の光を透過する材料を、着色膜CF1に用いることができる。これにより、着色膜CF1を透過する光のスペクトルの幅を狭くすることができ、表示を鮮やかにすることができる。
【0456】
また、例えば、青色の光を吸収する材料、緑色の光を吸収する材料または赤色の光を吸収する材料を、着色膜CF1に用いることができる。具体的には、イエローの光を透過する材料、マゼンタの光を透過する材料またはシアンの光を透過する材料を、着色膜CF1に用いることができる。これにより、着色膜CF1に吸収される光のスペクトルの幅を狭くすることができ、表示を明るくすることができる。
【0457】
《遮光膜BM》
例えば、光の透過を抑制する材料を遮光膜BMに用いることができる。これにより、遮光膜BMを例えばブラックマトリクスに用いることができる。
【0458】
具体的には、顔料または染料を含む樹脂を遮光膜BMに用いることができる。例えば、カーボンブラックを分散した樹脂を遮光膜に用いることができる。
【0459】
または、無機化合物、無機酸化物、複数の無機酸化物の固溶体を含む複合酸化物等を遮光膜BMに用いることができる。具体的には、黒色クロム膜、酸化第2銅を含む膜、塩化銅または塩化テルルを含む膜を遮光膜BMに用いることができる。
【0460】
《絶縁膜771》
例えば、絶縁膜521に用いることができる材料を絶縁膜771に用いることができる。例えば、ポリイミド、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等を絶縁膜771に用いることができる。または、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等またはこれらから選ばれた複数を積層した積層材料を含む膜を、絶縁膜771に用いることができる。
【0461】
《機能膜770P、機能膜770D》
例えば、反射防止フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、光拡散フィルムまたは集光フィルム等を機能膜770Pまたは機能膜770Dに用いることができる。
【0462】
具体的には、2色性色素を含む膜を機能膜770Pまたは機能膜770Dに用いることができる。または、基材の表面と交差する方向に沿った軸を備える柱状構造を有する材料を、機能膜770Pまたは機能膜770Dに用いることができる。これにより、光を軸に沿った方向に透過し易く、他の方向に散乱し易くすることができる。
【0463】
また、ゴミの付着を抑制する帯電防止膜、汚れを付着しにくくする撥水性の膜、使用に伴う傷の発生を抑制するハードコート膜などを、機能膜770Pに用いることができる。
【0464】
具体的には、円偏光フィルムを機能膜770Pに用いることができる。また、光拡散フィルムを機能膜770Dに用いることができる。
【0465】
《第2の表示素子550(i,j)》
例えば、光を射出する機能を備える表示素子を第2の表示素子550(i,j)に用いることができる。具体的には、有機エレクトロルミネッセンス素子、無機エレクトロルミネッセンス素子、発光ダイオードまたはQDLED(Quantum Dot LED)等を、第2の表示素子550(i,j)に用いることができる。
【0466】
例えば、発光性の有機化合物を発光性の材料を含む層553(j)に用いることができる。
【0467】
例えば、量子ドットを発光性の材料を含む層553(j)に用いることができる。これにより、半値幅が狭く、鮮やかな色の光を発することができる。
【0468】
例えば、青色の光を射出するように積層された積層材料、緑色の光を射出するように積層された積層材料または赤色の光を射出するように積層された積層材料等を、発光性の材料を含む層553(j)に用いることができる。
【0469】
例えば、信号線S2(j)に沿って列方向に長い帯状の積層材料を、発光性の材料を含む層553(j)に用いることができる。
【0470】
また、例えば、白色の光を射出するように積層された積層材料を、発光性の材料を含む層553(j)に用いることができる。具体的には、青色の光を射出する蛍光材料を含む発光性の材料を含む層と、緑色および赤色の光を射出する蛍光材料以外の材料を含む層または黄色の光を射出する蛍光材料以外の材料を含む層と、を積層した積層材料を、発光性の材料を含む層553(j)に用いることができる。
【0471】
例えば、配線等に用いることができる材料を電極551(i,j)に用いることができる。
【0472】
例えば、配線等に用いることができる材料から選択された、可視光について透光性を有する材料を、電極551(i,j)に用いることができる。
【0473】
具体的には、導電性酸化物またはインジウムを含む導電性酸化物、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などを、電極551(i,j)に用いることができる。または、光が透過する程度に薄い金属膜を電極551(i,j)に用いることができる。または、光の一部を透過し、光の他の一部を反射する金属膜を電極551(i,j)に用いることができる。これにより、微小共振器構造を第2の表示素子550(i,j)に設けることができる。その結果、所定の波長の光を他の波長の光より効率よく取り出すことができる。
【0474】
例えば、配線等に用いることができる材料を電極552に用いることができる。具体的には、可視光について反射性を有する材料を、電極552に用いることができる。
【0475】
《駆動回路GD》
シフトレジスタ等のさまざまな順序回路等を駆動回路GDに用いることができる。例えば、トランジスタMD、容量素子等を駆動回路GDに用いることができる。具体的には、スイッチSW1に用いることができるトランジスタまたはトランジスタMと同一の工程で形成することができる半導体膜を備えるトランジスタを用いることができる。
【0476】
例えば、スイッチSW1に用いることができるトランジスタと異なる構成をトランジスタMDに用いることができる。
【0477】
なお、トランジスタMと同一の構成を、トランジスタMDに用いることができる。
【0478】
《トランジスタ》
例えば、同一の工程で形成することができる半導体膜を駆動回路および画素回路のトランジスタに用いることができる。
【0479】
例えば、ボトムゲート型のトランジスタまたはトップゲート型のトランジスタなどを駆動回路のトランジスタまたは画素回路のトランジスタに用いることができる。
【0480】
例えば、酸化物半導体を半導体膜に用いるトランジスタを利用することができる。具体的には、インジウムを含む酸化物半導体またはインジウムとガリウムと亜鉛を含む酸化物半導体を半導体膜に用いることができる。
【0481】
一例を挙げれば、オフ状態におけるリーク電流が、半導体膜にアモルファスシリコンを用いたトランジスタより小さいトランジスタを用いることができる。具体的には、酸化物半導体を半導体膜に用いたトランジスタを用いることができる。
【0482】
これにより、アモルファスシリコンを半導体膜に用いたトランジスタを利用する画素回路と比較して、画素回路が画像信号を保持することができる時間を長くすることができる。具体的には、フリッカーの発生を抑制しながら、選択信号を30Hz未満、好ましくは1Hz未満、より好ましくは一分に一回未満の頻度で供給することができる。その結果、情報処理装置の使用者に蓄積する疲労を低減することができる。また、駆動に伴う消費電力を低減することができる。
【0483】
ところで、例えば、アモルファスシリコンを半導体に用いるボトムゲート型のトランジスタの製造ラインは、酸化物半導体を半導体に用いるボトムゲート型のトランジスタの製造ラインに容易に改造できる。また、例えばポリシリコンを半導体に用いるトップゲート型の製造ラインは、酸化物半導体を半導体に用いるトップゲート型のトランジスタの製造ラインに容易に改造できる。いずれの改造も、既存の製造ラインを有効に活用することができる。
【0484】
例えば、半導体膜508、導電膜504、導電膜512Aおよび導電膜512Bを備えるトランジスタをスイッチSW1に用いることができる(図33(A)参照)。なお、絶縁膜506は、半導体膜508および導電膜504の間に挟まれる領域を備える。
【0485】
導電膜504は、半導体膜508と重なる領域を備える。導電膜504はゲート電極の機能を備える。絶縁膜506はゲート絶縁膜の機能を備える。
【0486】
導電膜512Aおよび導電膜512Bは、半導体膜508と電気的に接続される。導電膜512Aはソース電極の機能またはドレイン電極の機能の一方を備え、導電膜512Bはソース電極の機能またはドレイン電極の機能の他方を備える。
【0487】
また、導電膜524を有するトランジスタを、駆動回路または画素回路のトランジスタに用いることができる(図33(B)参照)。導電膜524は、導電膜504との間に半導体膜508を挟む領域を備える。なお、絶縁膜516は、導電膜524および半導体膜508の間に挟まれる領域を備える。また、例えば、導電膜504と同じ電位を供給する配線に導電膜524を電気的に接続することができる。
【0488】
例えば、タンタルおよび窒素を含む厚さ10nmの膜と、銅を含む厚さ300nmの膜と、を積層した導電膜を導電膜504に用いることができる。なお、銅を含む膜は、絶縁膜506との間に、タンタルおよび窒素を含む膜を挟む領域を備える。
【0489】
例えば、シリコンおよび窒素を含む厚さ400nmの膜と、シリコン、酸素および窒素を含む厚さ200nmの膜と、を積層した材料を絶縁膜506に用いることができる。なお、シリコンおよび窒素を含む膜は、半導体膜508との間に、シリコン、酸素および窒素を含む膜を挟む領域を備える。
【0490】
例えば、インジウム、ガリウムおよび亜鉛を含む厚さ25nmの膜を、半導体膜508に用いることができる。
【0491】
例えば、タングステンを含む厚さ50nmの膜と、アルミニウムを含む厚さ400nmの膜と、チタンを含む厚さ100nmの膜と、を積層した導電膜を、導電膜512Aまたは導電膜512Bに用いることができる。なお、タングステンを含む膜は、半導体膜508と接する領域を備える。
【0492】
<表示パネルの構成例4>
本発明の一態様の表示パネルの構成について、図39を参照しながら説明する。
【0493】
図39は、本発明の一態様の表示パネルの構成を説明する図である。図39(A)は図30(A)に示す切断線Y1-Y2に相当する位置における画素の断面図であり、図39(B)は図39(A)に示す画素の一部の構成を説明する断面図である。
【0494】
本構成例で説明する表示パネルの構成は、ゲスト・ホスト液晶モードを用いて駆動することができる液晶素子を第1の表示素子750(i,j)に用いる点およびボトムゲート型のトランジスタを用いる点が異なる他は、図31を参照しながら説明する表示パネルと同様の構成を備える。ここでは、異なる部分について詳細に説明し、同様の構成を用いることができる部分について上記の説明を援用する。
【0495】
本実施の形態で説明する表示パネルは、ゲスト・ホスト液晶モードを用いて駆動することができる液晶素子を第1の表示素子750(i,j)に用いる。これにより、偏光板を用いることなく反射型の表示パネルを提供することができる。または、表示パネルの表示を明るくすることができる。
【0496】
《液晶材料を含む層753》
例えば、ネマチック液晶、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶等を、液晶材料を含む層に用いることができる。または、コレステリック相等を示す液晶材料を用いることができる。または、ブルー相を示す液晶材料を用いることができる。
【0497】
また、例えば、二色性色素を液晶材料を含む層753に用いることができる。なお、二色性色素を含む液晶材料をゲスト・ホスト液晶という。
【0498】
具体的には、分子の長軸方向に大きな吸光度を備え、長軸方向と直交する短軸方向に小さな吸光度を備える材料を、二色性色素に用いることができる。好ましくは、10以上の二色性比を備える材料を二色性色素に用いることができ、より好ましくは、20以上の二色性比を備える材料を二色性色素に用いることができる。
【0499】
例えば、アゾ系色素、アントラキノン系色素、ジオキサジン系色素等を、二色性色素に用いることができる。
【0500】
また、ホモジニアス配向した二色性色素を含む二層の液晶層を、配向方向が互いに直交するように重ねた構造を、液晶材料を含む層に用いることができる。これにより、全方位について光を吸収しやすくすることができる。または、コントラストを高めることができる。
【0501】
また、相転移型ゲスト・ホスト液晶や、ゲスト・ホスト液晶を含む液滴を高分子に分散した構造を、液晶材料を含む層753に用いることができる。
【0502】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0503】
(実施の形態7)
本実施の形態では、上記実施の形態に記載の表示装置を適用することが可能な情報処理装置について、図40および図41を参照しながら説明する。
【0504】
図40および図41は、本発明の一態様の情報処理装置の構成を説明する図である。図40(A)は情報処理装置のブロック図であり、図40(B)乃至図40(E)は情報処理装置の構成を説明する斜視図である。また、図41(A)乃至図41(E)は情報処理装置の構成を説明する斜視図である。
【0505】
<情報処理装置>
本実施の形態で説明する情報処理装置5200Bは、演算装置5210と、入出力装置5220とを、有する(図40(A)参照)。
【0506】
演算装置5210は、操作情報を供給される機能を備え、操作情報に基づいて画像情報を供給する機能を備える。
【0507】
入出力装置5220は、表示部5230、入力部5240、検知部5250、通信部5290、操作情報を供給する機能および画像情報を供給される機能を備える。また、入出力装置5220は、検知情報を供給する機能、通信情報を供給する機能および通信情報を供給される機能を備える。
【0508】
入力部5240は操作情報を供給する機能を備える。例えば、入力部5240は、情報処理装置5200Bの使用者の操作に基づいて操作情報を供給する。
【0509】
具体的には、キーボード、ハードウェアボタン、ポインティングデバイス、タッチセンサ、音声入力装置、視線入力装置などを、入力部5240に用いることができる。
【0510】
表示部5230は表示パネルおよび画像情報を表示する機能を備える。例えば、上記実施の形態に記載の表示装置50を表示部5230に用いることができる。
【0511】
検知部5250は検知情報を供給する機能を備える。例えば、情報処理装置が使用されている周辺の環境を検知して、検知情報として供給する機能を備える。
【0512】
具体的には、照度センサ、撮像装置、姿勢検出装置、圧力センサ、人感センサなどを検知部5250に用いることができる。
【0513】
通信部5290は通信情報を供給される機能および供給する機能を備える。例えば、無線通信または有線通信により、他の電子機器または通信網と接続する機能を備える。具体的には、無線構内通信、電話通信、近距離無線通信などの機能を備える。
【0514】
《情報処理装置の構成例1.》
例えば、円筒状の柱などに沿った外形を表示部5230に適用することができる(図40(B)参照)。また、使用環境の照度に応じて、表示方法を変更する機能を備える。また、人の存在を検知して、表示内容を変更する機能を備える。これにより、例えば、建物の柱に設置することができる。または、広告または案内等を表示することができる。または、デジタル・サイネージ等に用いることができる。
【0515】
《情報処理装置の構成例2.》
例えば、使用者が使用するポインタの軌跡に基づいて画像情報を生成する機能を備える(図40(C)参照)。具体的には、対角線の長さが20インチ以上、好ましくは40インチ以上、より好ましくは55インチ以上の表示パネルを用いることができる。または、複数の表示パネルを並べて1つの表示領域に用いることができる。または、複数の表示パネルを並べてマルチスクリーンに用いることができる。これにより、例えば、電子黒板、電子掲示板、電子看板等に用いることができる。
【0516】
《情報処理装置の構成例3.》
例えば、使用環境の照度に応じて、表示方法を変更する機能を備える(図40(D)参照)。これにより、例えば、スマートウオッチの消費電力を低減することができる。または、例えば、晴天の屋外等の外光の強い環境においても好適に使用できるように、画像をスマートウオッチに表示することができる。
【0517】
《情報処理装置の構成例4.》
表示部5230は、例えば、筐体の側面に沿って緩やかに曲がる曲面を備える(図40(E)参照)。または、表示部5230は表示パネルを備え、表示パネルは、例えば、前面、側面および上面に表示する機能を備える。これにより、例えば、携帯電話の前面だけでなく、側面および上面に画像情報を表示することができる。
【0518】
《情報処理装置の構成例5.》
例えば、使用環境の照度に応じて、表示方法を変更する機能を備える(図41(A)参照)。これにより、スマートフォンの消費電力を低減することができる。または、例えば、晴天の屋外等の外光の強い環境においても好適に使用できるように、画像をスマートフォンに表示することができる。
【0519】
《情報処理装置の構成例6.》
例えば、使用環境の照度に応じて、表示方法を変更する機能を備える(図41(B)参照)。これにより、晴天の日に屋内に差し込む強い外光が当たっても好適に使用できるように、映像をテレビジョンシステムに表示することができる。
【0520】
《情報処理装置の構成例7.》
例えば、使用環境の照度に応じて、表示方法を変更する機能を備える(図41(C)参照)。これにより、例えば、晴天の屋外等の外光の強い環境においても好適に使用できるように、画像をタブレットコンピュータに表示することができる。
【0521】
《情報処理装置の構成例8.》
例えば、使用環境の照度に応じて、表示方法を変更する機能を備える(図41(D)参照)。これにより、例えば、晴天の屋外等の外光の強い環境においても好適に閲覧できるように、被写体をデジタルカメラに表示することができる。
【0522】
《情報処理装置の構成例9.》
例えば、使用環境の照度に応じて、表示方法を変更する機能を備える(図41(E)参照)。これにより、例えば、晴天の屋外等の外光の強い環境においても好適に使用できるように、画像をパーソナルコンピュータに表示することができる。
【0523】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0524】
例えば、本明細書等において、XとYとが接続されている、と明示的に記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とが、本明細書等に開示されているものとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図または文章に示された接続関係に限定されず、図または文章に示された接続関係以外のものも、図または文章に記載されているものとする。
【0525】
ここで、X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
【0526】
XとYとが直接的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に接続されていない場合であり、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)を介さずに、XとYとが、接続されている場合である。
【0527】
XとYとが電気的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、スイッチは、オンオフが制御される機能を有している。つまり、スイッチは、導通状態(オン状態)、または、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有している。または、スイッチは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有している。なお、XとYとが電気的に接続されている場合は、XとYとが直接的に接続されている場合を含むものとする。
【0528】
XとYとが機能的に接続されている場合の一例としては、XとYとの機能的な接続を可能とする回路(例えば、論理回路(インバータ、NAND回路、NOR回路など)、信号変換回路(DA変換回路、AD変換回路、ガンマ補正回路など)、電位レベル変換回路(電源回路(昇圧回路、降圧回路など)、信号の電位レベルを変えるレベルシフタ回路など)、電圧源、電流源、切り替え回路、増幅回路(信号振幅または電流量などを大きく出来る回路、オペアンプ、差動増幅回路、ソースフォロワ回路、バッファ回路など)、信号生成回路、記憶回路、制御回路など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、一例として、XとYとの間に別の回路を挟んでいても、Xから出力された信号がYへ伝達される場合は、XとYとは機能的に接続されているものとする。なお、XとYとが機能的に接続されている場合は、XとYとが直接的に接続されている場合と、XとYとが電気的に接続されている場合とを含むものとする。
【0529】
なお、XとYとが電気的に接続されている、と明示的に記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟んで接続されている場合)と、XとYとが機能的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の回路を挟んで機能的に接続されている場合)と、XとYとが直接接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟まずに接続されている場合)とが、本明細書等に開示されているものとする。つまり、電気的に接続されている、と明示的に記載されている場合は、単に、接続されている、とのみ明示的に記載されている場合と同様な内容が、本明細書等に開示されているものとする。
【0530】
なお、例えば、トランジスタのソース(又は第1の端子など)が、Z1を介して(又は介さず)、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、Z2を介して(又は介さず)、Yと電気的に接続されている場合や、トランジスタのソース(又は第1の端子など)が、Z1の一部と直接的に接続され、Z1の別の一部がXと直接的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、Z2の一部と直接的に接続され、Z2の別の一部がYと直接的に接続されている場合では、以下のように表現することが出来る。
【0531】
例えば、「XとYとトランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第2の端子など)とは、互いに電気的に接続されており、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yの順序で電気的に接続されている。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)はYと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この順序で電気的に接続されている」と表現することができる。または、「Xは、トランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第2の端子など)とを介して、Yと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この接続順序で設けられている」と表現することができる。これらの例と同様な表現方法を用いて、回路構成における接続の順序について規定することにより、トランジスタのソース(又は第1の端子など)と、ドレイン(又は第2の端子など)とを、区別して、技術的範囲を決定することができる。
【0532】
または、別の表現方法として、例えば、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、少なくとも第1の接続経路を介して、Xと電気的に接続され、前記第1の接続経路は、第2の接続経路を有しておらず、前記第2の接続経路は、トランジスタを介した、トランジスタのソース(又は第1の端子など)とトランジスタのドレイン(又は第2の端子など)との間の経路であり、前記第1の接続経路は、Z1を介した経路であり、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)は、少なくとも第3の接続経路を介して、Yと電気的に接続され、前記第3の接続経路は、前記第2の接続経路を有しておらず、前記第3の接続経路は、Z2を介した経路である。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、少なくとも第1の接続経路によって、Z1を介して、Xと電気的に接続され、前記第1の接続経路は、第2の接続経路を有しておらず、前記第2の接続経路は、トランジスタを介した接続経路を有し、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)は、少なくとも第3の接続経路によって、Z2を介して、Yと電気的に接続され、前記第3の接続経路は、前記第2の接続経路を有していない。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、少なくとも第1の電気的パスによって、Z1を介して、Xと電気的に接続され、前記第1の電気的パスは、第2の電気的パスを有しておらず、前記第2の電気的パスは、トランジスタのソース(又は第1の端子など)からトランジスタのドレイン(又は第2の端子など)への電気的パスであり、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)は、少なくとも第3の電気的パスによって、Z2を介して、Yと電気的に接続され、前記第3の電気的パスは、第4の電気的パスを有しておらず、前記第4の電気的パスは、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)からトランジスタのソース(又は第1の端子など)への電気的パスである。」と表現することができる。これらの例と同様な表現方法を用いて、回路構成における接続経路について規定することにより、トランジスタのソース(又は第1の端子など)と、ドレイン(又は第2の端子など)とを、区別して、技術的範囲を決定することができる。
【0533】
なお、これらの表現方法は、一例であり、これらの表現方法に限定されない。ここで、X、Y、Z1、Z2は、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
【0534】
なお、回路図上は独立している構成要素同士が電気的に接続しているように図示されている場合であっても、1つの構成要素が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合もある。例えば配線の一部が電極としても機能する場合は、一の導電膜が、配線の機能、及び電極の機能の両方の構成要素の機能を併せ持っている。したがって、本明細書における電気的に接続とは、このような、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合も、その範疇に含める。
【0535】
(実施の形態8)
<CAC-OSの構成>
以下では、本発明の一態様で開示されるトランジスタに用いることができるCAC-OSの構成について説明する。
【0536】
CAC-OSとは、例えば、酸化物半導体を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、酸化物半導体において、一つあるいはそれ以上の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、またはパッチ状ともいう。
【0537】
なお、酸化物半導体は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
【0538】
例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OS(CAC-OSの中でもIn-Ga-Zn酸化物を、特にCAC-IGZOと呼称してもよい)とは、インジウム酸化物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする)、またはインジウム亜鉛酸化物(以下、InX2ZnY2Z2(X2、Y2、およびZ2は0よりも大きい実数)とする)と、ガリウム酸化物(以下、GaOX3(X3は0よりも大きい実数)とする)、またはガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX4ZnY4Z4(X4、Y4、およびZ4は0よりも大きい実数)とする)などと、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、またはInX2ZnY2Z2が、膜中に均一に分布した構成(以下、クラウド状ともいう)である。
【0539】
つまり、CAC-OSは、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合酸化物半導体である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
【0540】
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、およびOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO(ZnO)m1(m1は自然数)、またはIn(1+x0)Ga(1-x0)(ZnO)m0(-1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
【0541】
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、またはCAAC(C-Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor、または、C-Axis Aligned and A-B-plane Anchored Crystalline Oxide Semiconductor)構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa-b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
【0542】
一方、CAC-OSは、酸化物半導体の材料構成に関する。CAC-OSとは、In、Ga、Zn、およびOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。従って、CAC-OSにおいて、結晶構造は副次的な要素である。
【0543】
なお、CAC-OSは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
【0544】
なお、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
【0545】
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれている場合、CAC-OSは、一部に該金属元素を主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
【0546】
CAC-OSは、例えば基板を意図的に加熱しない条件で、スパッタリング法により形成することができる。また、CAC-OSをスパッタリング法で形成する場合、成膜ガスとして、不活性ガス(代表的にはアルゴン)、酸素ガス、及び窒素ガスの中から選ばれたいずれか一つまたは複数を用いればよい。また、成膜時の成膜ガスの総流量に対する酸素ガスの流量比は低いほど好ましく、例えば酸素ガスの流量比を0%以上30%未満、好ましくは0%以上10%以下とすることが好ましい。
【0547】
CAC-OSは、X線回折(XRD:X-ray diffraction)測定法のひとつであるOut-of-plane法によるθ/2θスキャンを用いて測定したときに、明確なピークが観察されないという特徴を有する。すなわち、X線回折から、測定領域のa-b面方向、およびc軸方向の配向は見られないことが分かる。
【0548】
またCAC-OSは、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう)を照射することで得られる電子線回折パターンにおいて、リング状に輝度の高い領域と、該リング領域に複数の輝点が観測される。従って、電子線回折パターンから、CAC-OSの結晶構造が、平面方向、および断面方向において、配向性を有さないnc(nano-crystal)構造を有することがわかる。
【0549】
また例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X-ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
【0550】
CAC-OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、CAC-OSは、GaOX3などが主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
【0551】
ここで、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域は、GaOX3などが主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、酸化物半導体としての導電性が発現する。従って、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域が、酸化物半導体中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動度(μ)が実現できる。
【0552】
一方、GaOX3などが主成分である領域は、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、GaOX3などが主成分である領域が、酸化物半導体中に分布することで、リーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
【0553】
従って、CAC-OSを半導体素子に用いた場合、GaOX3などに起因する絶縁性と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1に起因する導電性とが、相補的に作用することにより、高いオン電流(Ion)、および高い電界効果移動度(μ)を実現することができる。
【0554】
また、CAC-OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。従って、CAC-OSは、ディスプレイをはじめとするさまざまな半導体装置に最適である。
【0555】
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【実施例
【0556】
本実施例では、実施の形態1に示す表示ユニット60を試作し、その消費電力を測定した。
【0557】
本実施例は、反射型素子と発光素子を画素10に有する表示ユニット60を試作した。図42に、試作した表示ユニットの模式図を示す。
【0558】
図42に示す表示ユニット60は、基板251と、画素アレイ61と、ゲートドライバ62と、ゲートドライバ63と、ソースドライバIC64と、配線258と、FPC252と、を有する。
【0559】
図42には、画素アレイ61の一部の拡大図を示している。画素アレイ61には、電極216Rがマトリクス状に配置されている。電極216Rは、可視光241を反射する機能を有し、反射型素子の反射電極として機能する。
【0560】
また、図42に示すように、電極216Rは開口部240を有する。さらに表示ユニット60は、電極216Rよりも基板251側に、発光素子217を有する。発光素子217が発する光242は、開口部240を通って外に取り出される。
【0561】
表示ユニット60は、反射型素子のみで表示を行う場合(反射モード)、発光素子のみで表示を行う場合(発光モード)、反射型素子と発光素子を併用して表示を行う場合(ハイブリッドモード)、の3つの表示モードを有する。
【0562】
ハイブリッドモードとは、1つのパネルにおいて、反射光と、自発光とを併用して、色調または光強度を互いに補完して、文字または画像を表示する方法である。または、ハイブリッドモードとは、同一画素または同一副画素において反射型素子と発光素子から、それぞれの光を用いて、文字及び/または画像を表示する方法である。ただし、ハイブリッド表示を行っているハイブリッドディスプレイを局所的にみると、反射型素子と発光素子のいずれか一方を用いて表示される画素または副画素と、反射型素子と発光素子の双方を用いて表示される画素または副画素と、を有する場合がある。
【0563】
なお、本明細書等において、上記構成のいずれか1つまたは複数の表現を満たすものを、ハイブリッド表示という。
【0564】
また、ハイブリッドディスプレイは、同一画素または同一副画素に複数の表示素子を有する。なお、複数の表示素子としては、例えば、光を反射する反射型素子と、光を射出する発光素子とが挙げられる。なお、反射型素子と、発光素子とは、それぞれ独立に制御することができる。ハイブリッドディスプレイは、表示部において、反射光、及び自発光のいずれか一方または双方を用いて、文字及び/または画像を表示する機能を有する。
【0565】
本実施例では、反射型素子として反射型の液晶素子(以下、液晶素子)を、発光素子217として有機EL素子(以下、EL素子)を用いた。
【0566】
図43(A)乃至(F)に試作した表示ユニットの外観写真を示す。
【0567】
図43(A)は、画素アレイに含まれる全ての液晶素子と全てのEL素子に、黒を表示させた場合である。すなわち、全てのEL素子は発光を停止している。
【0568】
図43(B)乃至(F)は、全てのEL素子に白色を表示させ、全ての液晶素子に黒色を表示させた場合である。(B)から(F)へと、EL素子の発光強度を段階的に変えている。
【0569】
図43(B)は輝度が1.3cd/mの場合、図43(C)は輝度が10.5cd/mの場合、図43(D)は輝度が28.2cd/mの場合、図43(E)は輝度が56.3cd/mの場合、図43(F)は輝度が92.4cd/mの場合、の写真をそれぞれ表している。
【0570】
図43(A)乃至(F)それぞれにおける、表示ユニットの消費電力を測定した結果を図44(A)、(B)に示す。
【0571】
図44(A)、(B)のグラフにおいて、A乃至Fは、図43(A)乃至(F)のそれぞれにおける消費電力に対応する。図中の棒グラフは、それぞれ、EL素子が消費する電力(EL)、ソースドライバが消費する電力(SD)、液晶素子を駆動しているゲートドライバが消費する電力(GD(LC))、EL素子を駆動しているゲートドライバが消費する電力(GD(EL))をそれぞれ示している。
【0572】
図44(A)は、表示ユニットを60Hzで駆動させた場合の消費電力、図44(B)は液晶素子とEL素子の両方に対してIDS駆動を行った場合の消費電力を示している。
【0573】
図44(A)、(B)ともに、表示ユニットの輝度が高くなるほど(EL素子の発光強度が強くなるほど)、消費電力も増加することが確認された。
【0574】
図44(A)と(B)を比較した場合、IDS駆動を行うことで、ソースドライバ、ゲートドライバ(液晶素子)およびゲートドライバ(EL素子)の消費電力を大幅に削減できることが確認された。
【0575】
次に、図45(A)乃至(E)に、試作した表示ユニットの外観写真を示す。
【0576】
図45(A)は上述のハイブリッドモードで蝶のカラー画像を表示している場合である。
【0577】
図45(B)は上述のハイブリッドモードで花のカラー画像を表示している場合である。
【0578】
図45(C)は上述の反射モードでテキスト(文字)と絵を表示している場合である。なお、図45(C)の画像は白と黒の2色で表示されている。
【0579】
図45(D)は、図45(C)の画像に、テキストを強調するハイライトを付した場合の画像を表示している。液晶素子で表示されている画像(白黒)に、EL素子で表示されたハイライト(カラー)を付している。
【0580】
図45(E)は、図45(C)の画像に、テキストを強調するハイライトを付した場合の画像を表示している。液晶素子で表示されている画像(白黒)に、EL素子で表示されたハイライト(カラー)を付している。図45(E)が図45(D)と異なる点は、図45(D)よりもハイライトの箇所が多い点である。すなわち、図45(D)よりも多くのEL素子が発光している点である。
【0581】
図45(A)乃至(E)のそれぞれにおける、表示ユニットの消費電力を測定した結果を図46(A)、(B)に示す。
【0582】
図46(A)、(B)のグラフにおいて、A乃至Eは、図45(A)乃至(E)のそれぞれにおける消費電力に対応する。図44(A)、(B)と同様に、図中の棒グラフは、それぞれ、EL素子が消費する電力(EL)、ソースドライバが消費する電力(SD)、液晶素子を駆動しているゲートドライバが消費する電力(GD(LC))、EL素子を駆動しているゲートドライバが消費する電力(GD(EL))をそれぞれ示している。
【0583】
図46(A)は、表示ユニットを60Hzで駆動させた場合の消費電力、図46(B)は液晶素子とEL素子の両方に対してIDS駆動を行った場合の消費電力を示している。
【0584】
図46(A)と(B)を比較した場合、IDS駆動を行うことで、ソースドライバ、ゲートドライバ(液晶素子)およびゲートドライバ(EL素子)の消費電力を大幅に削減できることが確認された。特に、液晶素子でテキスト表示を行った場合(C、D、E)については、IDS駆動を行うことで、全体の消費電力を50mW以下に下げることができる。
【0585】
以上、本実施例より、EL素子と液晶素子の両方に対してIDS駆動を行うことで、表示ユニット全体の消費電力を大幅に下げられることが確認された。
【符号の説明】
【0586】
10 画素
10a 画素
10b 画素
10c 画素
50 表示装置
60 表示ユニット
61 画素アレイ
62 ゲートドライバ
63 ゲートドライバ
64 ソースドライバIC
64a ソースドライバIC
64d ソースドライバIC
70 タッチセンサユニット
71 センサアレイ
72 タッチセンサIC
80 アプリケーションプロセッサ
90 タブレット型情報端末
91 表示領域
92 イラスト
93 枠
94 枠
95 スタイラス
100 回路
101 トランジスタ
109 トランジスタ
110 回路
111 トランジスタ
113 トランジスタ
120 回路
121 トランジスタ
123 トランジスタ
216R 電極
217 発光素子
240 開口部
241 可視光
242 光
251 基板
252 FPC
258 配線
301 トランジスタ
302 ノード
303 容量素子
304 液晶素子
310 容量素子
311 トランジスタ
312 トランジスタ
313 トランジスタ
314 発光素子
315 ノード
402 駆動回路
403 検出回路
404 容量
411 基板
412 基板
413 FPC
414 配線
420 液晶素子
421 電極
421a 電極
421b 電極
422 電極
422a 電極
422b 電極
423 液晶
424 絶縁膜
431 着色膜
441 電極
441a 電極
441b 電極
443 FPC
463 EL素子
464 電極
465 EL層
466 電極
475 検知素子
501B 絶縁膜
501C 絶縁膜
504 導電膜
505 接合層
506 絶縁膜
508 半導体膜
511B 導電膜
512A 導電膜
512B 導電膜
516 絶縁膜
518 絶縁膜
518A 絶縁膜
518A1 絶縁膜
518A2 絶縁膜
518B 絶縁膜
519B 端子
520 機能層
521 絶縁膜
521A 絶縁膜
521B 絶縁膜
521C 絶縁膜
522 接続部
524 導電膜
528 絶縁膜
530 画素回路
550 表示素子
551 電極
552 電極
553 層
560 光学素子
560A 領域
560B 領域
560C 領域
565 被覆膜
570 基板
591A 開口部
592B 開口部
601 トランジスタ
602 トランジスタ
610 電極
611 電極
612 半導体層
616 電極
617 電極
621 絶縁層
622 絶縁層
624 絶縁層
625 電極
626 異方性導電層
627 シール材
628 充填材
629 絶縁層
630 遮光膜
631 配向膜
632 配向膜
633 スペーサ
634 配線
654 異方性導電層
661 隔壁
662 配線
663 絶縁層
700 表示ユニット
702 画素
703 画素
705 封止材
720 機能層
750 表示素子
751 電極
751B 反射膜
751H 領域
752 電極
753 層
770 基板
770B 接合層
770D 機能膜
770P 機能膜
770PA 機能膜
770PB 機能膜
771 絶縁膜
771A 絶縁膜
771B 絶縁膜
801 制御回路
802 ドライバ
803 フレームメモリ
804 フレームメモリ
806 ゲートドライバ信号生成回路
807 ゲートドライバ信号生成回路
810 タイミングコントローラ
5200B 情報処理装置
5210 演算装置
5220 入出力装置
5230 表示部
5240 入力部
5250 検知部
5290 通信部
図1
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図3
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