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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】包装袋、包装材
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/00 20060101AFI20221115BHJP
【FI】
B65D33/00 C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018111823
(22)【出願日】2018-06-12
(65)【公開番号】P2019214395
(43)【公開日】2019-12-19
【審査請求日】2021-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000241186
【氏名又は名称】朋和産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】石川 陽一
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-012844(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0023436(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0122109(US,A1)
【文献】特開2010-036907(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装材が袋状に形成されてなり、物品を収容する収容空間を形成する包装袋であって、
前記包装材は、第一シート材と、該第一シート材に連結される第二シート材とを備え、
前記第二シート材は、同一幅の帯状であり、
第一シート材及び第二シート材の一方の面が外側となるように袋状に形成されており、
第一シート材は、第二シート材の他方の面側で第二シート材と重なり合う二つの重合端部であって一方向に間隔を空けて配置される二つの重合端部を備えており、
前記第一シート材の一方の面における前記二つの重合端部を構成する領域は、前記第二シート材の他方の面と対峙するように配置されており、
第二シート材は、第一シート材の二つの重合端部と重なり合って該二つの重合端部と分離可能に連結される二つの分離連結部を備えており、
該二つの分離連結部は、第二シート材における該二つの分離連結部が延びる方向、かつ、前記一方向に交差する他方向の一端部から他端部側へ離間した位置に形成されており、
前記二つの分離連結部は、ヒートシールにより形成されており、
第二シート材における二つの分離連結部よりも前記他方向の一端側の領域が全域にわたって包装材の他の領域と連結されないように構成される包装袋。
【請求項2】
前記第二シート材の二つの分離連結部は、前記他方向に延びるように形成されており、
前記包装材は、前記一方向に曲げられて前記他方向に延びる筒状に形成されており、
前記他方向に間隔を空けた二箇所の位置で前記一方向に延びるように形成されると共に二つの分離連結部と交差するように形成される領域で、包装材の重なり合った部分同士が連結されることで収容空間を閉塞する二つの閉塞連結部が形成されており、
第二シート材は、第二シート材の前記他方向の一端部側に位置する一方の閉塞連結部を構成する領域が包装材の他の領域に分離可能に連結される請求項1に記載の包装袋。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の包装袋を形成するための包装材であって、
第一シート材は、前記一方向に間隔を空けて並列して配置される二つの第一シート片を備えており、
一方の第一シート片は、他方の第一シート片側の端部に一方の重合端部を備え、他方の第一シート片は、一方の第一シート片側の端部に他方の重合端部を備える包装材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を収容する包装袋に関し、該包装袋を形成する包装材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、樹脂フィルムや紙等のシート材が袋状に形成されてなる包装袋が知られている。このような包装袋を形成する方法としては、例えば、一方向が長手となる長尺の包装材原反を長手方向に搬送しつつ袋状に形成するピロー包装が知られている。
【0003】
具体的には、斯かるピロー包装では、一般的に、長手方向に搬送される包装材原反上に物品を供給し、該物品を包み込むように包装材原反を短手方向に曲げて短手方向の両端部を重ね合わせつつシールする。これにより、包装材原反が筒状に形成されると共に、長手方向に延びる背貼りシール部が形成される。そして、長手方向における物品の両側で包装材原反の互いに重なり合った部分同士をシールして短手方向に延びる一対の封止シール部を形成すると共に、一対の封止シール部の位置で包装材原反を切断する。これにより、物品を内包した包装袋が形成される。
【0004】
つまり、上記のようにして形成される包装袋は、一方向に延びる背貼りシール部と、一方向に直交する他方向に延びて背貼りシール部の両端部と交差する一対の封止シール部とによって、物品の収容空間が密封されるように構成されている(特許文献1参照)。このような、包装袋から物品を取り出す際には、シート材における背貼りシール部や一対の封止シール部を構成する部分を剥離したり、前記一方向、又は、前記他方向に沿って包装袋を切断したりすることで開口部を形成する(開封する)。これにより、該開口部から物品を取り出すことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平10-250764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような方法で、包装袋を開封した場合、包装袋に形成される開口部の広さを十分に確保することができない。このため、開口部から包装袋内の物品を取り出すことが困難になる。
【0007】
そこで、本発明は、物品を収容した包装袋の内側から物品を容易に取り出すことができる包装袋を提供することを課題とする。また、本発明は、斯かる包装袋を形成する包装材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る包装袋は、包装材が袋状に形成されてなり、物品を収容する収容空間を形成する包装袋であって、前記包装材は、第一シート材と、該第一シート材に連結される第二シート材とを備え、第一シート材及び第二シート材の一方の面が外側となるように袋状に形成されており、第一シート材は、第二シート材の他方の面側で第二シート材と重なり合う二つの重合端部であって一方向に間隔を空けて配置される二つの重合端部を備えており、第二シート材は、第一シート材の二つの重合端部と重なり合って該二つの重合端部と分離可能に連結される二つの分離連結部を備えており、該二つの分離連結部は、第二シート材における前記一方向に交差する他方向の一端部から他端部側へ離間した位置に形成されており、第二シート材における二つの分離連結部よりも前記他方向の一端側の領域が包装材の他の領域と連結されないように構成される。
【0009】
斯かる構成によれば、第二シート材における二つの分離連結部よりも前記他方向の一端側の領域(以下、非連結部とも記す)が包装材の他の領域と連結されないように構成される。これにより、物品を収容した状態であっても、非連結部を指などで容易に摘むことができる。そして、非連結部を指などで摘んで第二シート材における前記他方向の他端部側へ引っ張ることで、第二シート材の二つの分離連結部が第一シート材の二つの重合端部から分離される。これにより、第一シート材から第二シート材を分離することができる。
【0010】
ここで、第一シート材の二つの重合端部は、一方向に間隔を空けて配置されるため、上述のように、第一シート材から第二シート材が分離されることで、二つの重合端部間に比較的広い開口部が形成される。これにより、斯かる開口部から包装袋内の物品を容易に取り出すことができる。
【0011】
前記第二シート材の二つの分離連結部は、前記他方向に延びるように形成されており、前記包装材は、前記一方向に曲げられて前記他方向に延びる筒状に形成されており、前記他方向に間隔を空けた二箇所の位置で前記一方向に延びるように形成されると共に二つの分離連結部と交差するように形成される領域で、包装材の重なり合った部分同士が連結されることで収容空間を閉塞する二つの閉塞連結部が形成されており、第二シート材は、第二シート材の前記他方向の一端部側に位置する一方の閉塞連結部を構成する領域が包装材の他の領域に分離可能に連結されることが好ましい。
【0012】
斯かる構成によれば、前記他方向に間隔を空けた二箇所の位置で前記一方向に延びるように形成されると共に二つの分離連結部と交差するように形成される領域で、包装材の重なり合った部分同士が連結されることで収容空間を閉塞する二つの閉塞連結部が形成される。これにより、第二シート材における前記他方向の一端側に位置する一方の閉塞連結部は、非連結部よりも第二シート材における前記他方向の他端部側に形成される。
【0013】
そして、第二シート材における一方の閉塞連結部を構成する領域は、包装材の他の領域に分離可能に連結される。これにより、非連結部を指などで摘んで、第二シート材における前記他方向の他端部側へ引っ張ることで、第二シート材における一方の閉塞連結部を形成する領域が包装材の他の領域から分離されると共に、第二シート材の二つの分離連結部が第一シート材の二つの重合端部から分離される。これによって、第一シート材から第二シート材が分離されるため、上述のように、二つの重合端部間に比較的広い開口部が形成される。このため、斯かる開口部から包装袋内の物品を容易に取り出すことができる。
【0014】
本発明に係る包装材は、上記何れかの包装袋を形成するための包装材であって、第一シート材は、前記一方向に間隔を空けて並列して配置される二つの第一シート片を備えており、一方の第一シート片は、他方の第一シート片側の端部に一方の重合端部を備え、他方の第一シート片は、一方の第一シート片側の端部に他方の重合端部を備える。
【0015】
斯かる構成によれば、包装材が前記他方向に長尺状に形成されて包装材原反が形成した場合、第一シート材と第二シート材とが重なり合う部分(以下、重合部分とも記す)が前記他方向に延びるように形成されると共に、該重合部分が幅方向(前記一方向)に間隔を空けて二つ形成される。このため、包装材原反を長手方向に巻き回してロール状にした際に、重合部分が一つのみ形成される場合よりも、ロール状の形状が崩れ難くなるため、包装材原反のロール状の形状を良好に維持することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によれば、物品を収容した包装袋の内側から物品を容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る包装袋を形成する包装材を示した図。
図2】同実施形態に係る包装袋の斜視図。
図3】同実施形態に係る包装袋を第二方向に沿って見た際の一部断面図。
図4】他の実施形態に係る包装袋の第一方向に沿った断面図。
図5】更に他の実施形態に係る包装袋の第一方向に沿った断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明に係る包装袋の一実施形態について、図1,2を参照しつつ説明する。なお、以下の図面において同一又は相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。また、以下の説明で、一方向とは、各図の座標軸のx軸に沿った方向であり、他方向とは、各図の座標軸のy軸に沿った方向である。
【0019】
本発明に係る包装袋は、包装材が袋状に形成されてなるものである。従って、まず初めに、包装袋を形成する包装材の一実施形態について説明する。
【0020】
図1に示すように、包装材1は、第一シート材2と、該第一シート材2に連結される第二シート材3とを備える。そして、包装材1は、第一シート材2及び第二シート材3の一方の面が外側となるように袋状に形成可能に構成される。
【0021】
第一シート材2は、一方向に間隔を空けて並列して配置される二つの第一シート片2a,2aを備える。該二つの第一シート片2a,2aは、一方の第一シート片2aにおける他方の第一シート片2a側の端部2bが前記一方向(以下では、第一方向とも記す)に交差する他方向(以下では、第二方向とも記す)に延びるように配置されており、他方の第一シート片2aにおける一方の第一シート片2a側の端部2bが第二方向に延びるように配置される。そして、一方の第一シート片2aにおける他方の第一シート片2a側の端部2bと、他方の第一シート片2aにおける一方の第一シート片2a側の端部2bとが第一方向に間隔を空けて配置される。
【0022】
第一シート材2は、第二シート材3の他方の面側で第二シート材3と重なり合う二つの重合端部2c,2cを備える。本実施形態では、第一シート材2の一方の面における二つの重合端部2c,2cを構成する領域が第二シート材3の他方の面と対峙するように配置される。また、二つの重合端部2c,2cは、第一方向に間隔を空けて配置される。本実施形態では、第一シート材2は、一方の第一シート片2aにおける他方の第一シート片2a側の端部2bに一方の重合端部2cを備え、他方の第一シート片2aにおける一方の第一シート片2a側の端部2bに他方の重合端部2cを備える。
【0023】
第二シート材3は、第一シート材2の二つの重合端部2c,2cと重なり合って該二つの重合端部2c,2cと分離可能に連結される二つの分離連結部3a,3aを備える。該二つの分離連結部3a,3aは、第二シート材3における第二方向の一端部3bから他端部3c側へ離間した位置に形成される。また、二つの分離連結部3a,3aは、第一方向に離れた位置に形成される。本実施形態では、二つの分離連結部3a,3aのそれぞれは、第二シート材3の第一方向の両端部の近傍に形成される。
【0024】
また、各分離連結部3aは、第二方向に延びるように形成される。換言すれば、各分離連結部3aは、第二方向に延びる帯状の領域から構成される。そして、各分離連結部3aの第二方向の一端部は、第二シート材3の第二方向の一端部3bから他端部3c側へ離間した場所に位置するように構成され、各分離連結部3aの第二方向の他端部は、第二シート材3の第二方向の他端部3cに達するように構成される。また、各分離連結部3aは、第二シート材3における第一シート材2(具体的には、重合端部2c)と重なる領域の第一方向の少なくとも一部に形成される。本実施形態では、各分離連結部3aは、第二シート材3における第一シート材2と重なり合う領域の第一方向の中央部に形成される。このため、第二シート材3における二つの分離連結部3a,3aよりも第一方向の両端側の部分は、第一シート材2に連結されないように構成される。
【0025】
二つの重合端部2c,2cと、二つの分離連結部3a,3aとを分離可能に連結する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、第一シート材2及び/又は第二シート材3に、所謂、パートコートを施して弱シールとなるようにヒートシールする方法や、剥離可能な両面テープ等を用いる方法等が挙げられる。
【0026】
また、第二シート材3は、二つの分離連結部3a,3aよりも第二方向の一端部3b側の領域(以下、非連結部とも記す)3dが包装材1の他の領域と連結されないように構成される。該非連結部3dは、第一方向の両端部が第一シート材2の二つの重合端部2c,2cと重なり合うように構成されており、該両端部が二つの重合端部2c,2cと連結されないように構成される。本実施形態では、非連結部3dは、第一方向に延びる帯状に形成される。
【0027】
上記のように構成される包装材1は、第一シート材2及び第二シート材3の一方の面が外側となるように袋状に形成されることで、図2,3に示すような包装袋10を形成する。該包装袋10では、包装材1が第一方向に曲げられて第二方向に延びる筒状に形成されており、内側に物品Xを収容可能な収容空間が形成される。また、包装袋10では、第二方向に間隔を空けた二箇所の位置で第一方向に延びるように形成される領域であって二つの分離連結部3a,3aと交差する領域で、包装材1の重なり合った部分同士が連結される。これにより、収容空間を閉塞する二つの閉塞連結部10a,10aが形成されている。
【0028】
二つの閉塞連結部10a,10aは、第二シート材3における非連結部3dよりも第二方向の他端部3c側に形成される。また、包装袋10の第二方向の一端部側(非連結部3dを備える側)に形成される一方の閉塞連結部10aでは、第二シート材3における該一方の閉塞連結部10aを構成する領域が包装材1の他の領域に分離可能に連結される。また、他方の閉塞連結部10aは、包装袋10の第二方向の他端部に形成される。
【0029】
第二シート材3における一方の閉塞連結部10aを構成する領域を包装材1の他の領域に分離可能に連結する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、第二シート材3における分離可能に連結する部分に、所謂、パートコートを施して弱シールとなるようにヒートシールする方法や、剥離可能な両面テープ等を用いる方法等が挙げられる。
【0030】
また、本実施形態では、包装袋10は、第一シート材2における二つの重合端部2c,2cと対向する位置の端部同士が連結されて形成された背貼り部10bを備える。該背貼り部10bは、第二方向に延びるように形成される。また、背貼り部10bでは、該背貼り部10bを構成する第一シート材2(二つの第一シート片2a)の各端部が第一シート材2の他方の面側を対峙させた状態(所謂、合掌状態)で連結される。
【0031】
背貼り部10bを形成する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、背貼り部10bを構成する第一シート材2(二つの第一シート片2a)の各端部をヒートシールする方法や、両面テープ等を用いる方法等が挙げられる。
【0032】
上記のように構成される包装袋10内から物品Xを取り出す際には、非連結部3dを指などで摘んで、該非連結部3dを第二シート材3における第二方向の他端部3c側へ引っ張る。これによって、第二シート材3の二つの分離連結部3a,3aが第一シート材2の二つの重合端部2c,2cから分離される。これにより、第一シート材2から第二シート材3が分離される。これにより、第一シート材2の二つの重合端部2c,2c間に開口部が形成されるため、斯かる開口部から包装袋10内の物品Xを取り出すことができる。
【0033】
以上のように、本発明に係る包装袋、及び、包装材によれば、物品Xを収容した包装袋の内側から物品Xを容易に取り出すことができる。
【0034】
即ち、第二シート材3における二つの分離連結部3a,3aよりも第二方向の一端部3b側の領域(非連結部3d)が包装材1の他の領域と連結されないように構成される。これにより、物品Xを収容した状態であっても、非連結部3dを指などで容易に摘むことができる。そして、非連結部3dを指などで摘んで第二シート材3における第二方向の他端部3c側へ引っ張ることで、第二シート材3の二つの分離連結部3a,3aが第一シート材2の二つの重合端部2c,2cから分離される。これにより、第一シート材2から第二シート材3を分離することができる。
【0035】
ここで、第一シート材2の二つの重合端部2c,2cは、第一方向に間隔を空けて配置されるため、上述のように、第一シート材2から第二シート材3が分離されることで、二つの重合端部2c,2c間に比較的広い開口部が形成される。これにより、斯かる開口部から包装袋10内の物品Xを容易に取り出すことができる。
【0036】
また、第二方向に間隔を空けた二箇所の位置で第一方向に延びるように形成されると共に二つの分離連結部3a,3aと交差するように形成される領域で、包装材1の重なり合った部分同士が連結されることで収容空間を閉塞する二つの閉塞連結部10a,10aが形成される。これにより、第二シート材3における第二方向の一端部3b側に位置する一方の閉塞連結部10aは、非連結部3dよりも第二シート材3における第二方向の他端部3c側に形成される。
【0037】
そして、第二シート材3における一方の閉塞連結部10aを構成する領域は、包装材1の他の領域に分離可能に連結される。これにより、非連結部3dを指などで摘んで、第二シート材3における第二方向の他端部3c側へ引っ張ることで、第二シート材3における一方の閉塞連結部10aを形成する領域が包装材1の他の領域から分離されると共に、第二シート材3の二つの分離連結部3a,3aが第一シート材2の二つの重合端部2c,2cから分離される。これによって、第一シート材2から第二シート材3が分離されるため、上述のように、二つの重合端部2c,2c間に比較的広い開口部が形成される。このため、斯かる開口部から包装袋10内の物品Xを容易に取り出すことができる。
【0038】
また、包装材1が第二方向に長尺状に形成されて包装材原反(図示せず)が形成した場合、第一シート材2と第二シート材3とが重なり合う部分(以下、重合部分とも記す)が第二方向に延びるように形成されると共に、該重合部分が幅方向(第一方向)に間隔を空けて二つ形成される。このため、包装材原反を長手方向に巻き回してロール状にした際に、重合部分が一つのみ形成される場合よりも、ロール状の形状が崩れ難くなるため、包装材原反のロール状の形状を良好に維持することができる。
【0039】
なお、本発明に係る包装袋、及び包装材は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。また、上記した複数の実施形態の構成や方法等を任意に採用して組み合わせてもよく(1つの実施形態に係る構成や方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよく)、さらに、下記の各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記の実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0040】
例えば、上記実施形態では、第一シート材2の一方の面における二つの重合端部2c,2cを構成する領域が第二シート材3の他方の面と対峙するように配置されているが、これに限定されるものではなく、例えば、図4に示すように、第一シート材2の他方の面における一方の重合端部2cを構成する領域が第二シート材3の他方の面と対峙するように配置されてもよい。又は、図5に示すように、第一シート材2の他方の面における二つの重合端部2c,2cを構成する領域が第二シート材3の他方の面と対峙するように配置されてもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、第一シート材2は、二つの第一シート片2a,2aから構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、図4,5に示すように、一枚のシート材から構成されてもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、二つの分離連結部3a,3aのそれぞれは、第二シート材3の第一方向の両端部の近傍に形成されているが、これに限定されるものではなく、第二シート材3の第一方向の両端部から第一方向に離間した位置に二つの分離連結部3a,3aが形成されてもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、二つの分離連結部3a,3aは、第二方向に延びる帯状に連続的に形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、第二方向に間隔を空けて断続的に形成されてもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、各分離連結部3aは、第二シート材3における第一シート材2と重なり合う領域の第一方向の一部(具体的には、中央部)にのみ形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、該領域の第一方向の全域が分離連結部3aとなるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0045】
1…包装材、2…第一シート材、2a…第一シート片、2c…重合端部、3…第二シート材、3a…分離連結部、3d…非連結部、10…包装袋、10a…閉塞連結部、10b…背貼り部、X…物品
図1
図2
図3
図4
図5