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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】収容パック
(51)【国際特許分類】
   B65D 75/60 20060101AFI20221115BHJP
   B65D 33/00 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
B65D75/60
B65D33/00 C
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018148357
(22)【出願日】2018-08-07
(65)【公開番号】P2020023338
(43)【公開日】2020-02-13
【審査請求日】2021-06-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000241186
【氏名又は名称】朋和産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】白井 直人
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-119522(JP,A)
【文献】特開2018-070209(JP,A)
【文献】特開2016-155563(JP,A)
【文献】特開2011-251719(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/60
B65D 30/00-33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一シート部と、該第一シート部に対向する第二シート部とを有し、該第二シート部と前記第一シート部との間に流動性を有する収容物が密封されているパック本体を備えている収容パックであって、
前記パック本体を横断する方向に沿って前記第一シート部と前記第二シート部とが接着されている横断シールを備え、
該パック本体には、前記収容物を収容する収容部として前記横断シールを介して隣り合う第一収容部と第二収容部とが備えられており、
前記パック本体には、該パック本体の外周縁に沿って前記第一シート部と前記第二シート部とが接着されている縁部シールをさらに備え、
前記横断シールが前記縁部シールと交差する方向に延び、且つ、前記縁部シールには到達していないことにより、前記横断シールの先端と前記縁部シールとの間に前記第一収容部と前記第二収容部とを連通させる連通部が形成されており、前記縁部シールが少なくとも前記連通部に隣接する箇所においてイージーピール性を有している収容パック。
【請求項2】
前記第一収容部と前記第二収容部とが重なり合うように前記パック本体を折り曲げるための折り曲げ線が前記横断シールに沿って設けられている請求項1記載の収容パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は収容パックに関し、より詳しくは、第一シート部と、該第一シート部に対向する第二シート部とを有し、該第二シート部と前記第一シート部との間に流動性を有する収容物が密封されているパック本体を備えている収容パックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、1枚のシートを半折して三方シールしたり、表シートと裏シートとの2枚のシートを重ねて四方をシールしたりして内部に収容物を収容するための収容部を密封状態とした正面視矩形状の包装体が広く用いられている。そして、この種の包装体は液体などの流動性を有する収容物(以下「流動性収容物」ともいう)を密封する目的で用いられている。そして、前記包装体が流動性収容物を収容するためのパック本体として備えられた収容パックは各種の用途に用いられている。
【0003】
従来、シャンプーやリンスなどの試供品を配布する際には、例えば、図7に示すように商品の説明書きが施された台紙20xの片面に商品を収容したパック本体10xを止着した状態で配布されたりしている。従来の収容パック1xは、パック本体10xを横断する方向にシートが切断され易いように延伸フィルムを用いて構成されており、且つ、シートの切断起点となる箇所にノッチNTxが設けられたりしている。図7に示した収容パック1xでは、正面視における形状が縦長な長方形となるパック本体10xの側縁をシールする縁部シール14xの上方部に設けたノッチNTxを起点として前記パック本体10xを横断する方向Dxに開封することで収容部10axが開口して収容物を取り出すことができるようになっている。
【0004】
従来のこの種の収容パックでは、パック本体の開封が両手操作となり、しかも、収容物が流動性を有することから開封操作中に収容した流動性収容物が溢れ出し易いという問題を有する。開封操作中に流動性収容物の予期せぬ溢れ出しが起こり得るという問題に対し、例えば、下記特許文献1にはノッチなどの開封起点となる側とは反対側の側縁部に流動性収容物の注出通路を設け、収容部が切断作業の最終段階まで開封状態にならないように工夫された流動性収容物包装袋が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-222275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の発明では開封操作の途中で流動性収容物の溢れ出しが起こり得るという問題は改善され得るもののパック本体の開封のためには基本的に両手操作が必要となる点については改善されていない。
【0007】
そこで本発明は、片手操作で容易に開封可能で、且つ、収容物の予期せぬ溢れ出しを抑制することが可能な収容パックの提供を課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく、本発明は、第一シート部と、該第一シート部に対向する第二シート部とを有し、該第二シート部と前記第一シート部との間に流動性を有する収容物が密封されているパック本体を備えている収容パックであって、前記パック本体を横断する方向に沿って前記第一シート部と前記第二シート部とが接着されている横断シールを備え、該パック本体には、前記収容物を収容する収容部として前記横断シールを介して隣り合う第一収容部と第二収容部とが備えられており、前記パック本体には、該パック本体の外周縁に沿って前記第一シート部と前記第二シート部とが接着されている縁部シールをさらに備え、前記横断シールが前記縁部シールと交差する方向に延び、且つ、前記縁部シールには到達していないことにより、前記横断シールの先端と前記縁部シールとの間に前記第一収容部と前記第二収容部とを連通させる連通部が形成されており、前記縁部シールが少なくとも前記連通部に隣接する箇所においてイージーピール性を有している収容パックを提供する。
【0009】
斯かる構成によれば、縁部シールと横断シールとの間に形成された連通部によって第一収容部と第二収容部とが連通されている。そして、本発明の収容パックは、パック本体の厚さ方向に押圧するなどして第一収容部や第二収容部に圧力を加えると該第一収容部や第二収容部に収容されている流動性収容物を前記連通部に向けて移動させ得る。従って、本発明では、前記縁部シールの前記連通部と隣接する箇所に前記圧力を作用させることができる。そして、本発明の収容パックは、少なくとも前記連通部に隣接する箇所において前記縁部シールがイージーピール性を有しているため前記圧力によって内側から開封させることができる。即ち、本発明の収容パックは、圧力を加えることで特定の箇所から内部の流動性収容物を排出させることができ、収容物の予期せぬ溢れ出しを抑制することができる。しかも、本発明では、第一収容部や第二収容部に対する加圧操作を片手で行うことが可能である。即ち、本発明によれば、片手操作で容易に開封可能で、且つ、収容物の予期せぬ溢れ出しを抑制することが可能な収容パックが提供され得る。
【0010】
前記第一収容部と前記第二収容部とが重なり合うように前記パック本体を折り曲げるための折り曲げ線が前記横断シールに沿って設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明によれば、片手操作で容易に開封可能で、且つ、収容物の予期せぬ溢れ出しを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態の収容パックに係るパック本体を示した概略斜視図。
図2】一実施形態の収容パックに係るパック本体を示した概略正視図。
図3図2でのIII-III線矢視断面図。
図4】収容パックから流動性収容物を排出させる操作方法を示した概略図。
図5】(a)は、内側に凹入部を備えた縁部シールを示した概略図であり、(b)は、外側に凹入部を備えた縁部シールを示した概略図。
図6】他の実施形態の収容パックを示した概略正面図。
図7】従来の収容パックを示した概略正面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施形態の収容パックについて図を参照しつつ説明する。
図1、2に示すように、本実施形態の収容パック1は、正面視における形状が縦長な長方形となるパック本体10を有している。該パック本体10は、1枚のシートが折り返されて該シートどうしが重ね合されるとともにパック本体10の周縁部となる箇所で前記シートどうしを接着することによって内部に流動性収容物を収容するための収容部10aが形成されている。
【0014】
本実施形態の前記パック本体10は、重ね合された前記シートの一方の部分となる第一シート部11と、他方の部分である第二シート部12とを有している。前記第一シート部11は、前記パック本体10の表面側を構成し、前記第二シート部12は前記パック本体10の背面側を構成している。即ち、本実施形態の前記パック本体10は、該パック本体10の厚さ方向において対向するように前記第一シート部11と、前記第二シート部とを有している。そして、本実施形態の前記パック本体10は、前記第一シート部11と前記第二シート部12との間に流動性収容物が密封されている。
【0015】
本実施形態のパック本体10を構成する前記シートは、パック本体10の輪郭形状である長方形の一方の長辺で折り返されており、他方の長辺及び2つの短辺に沿った箇所では当該シートどうしが接着されて縁部シール14を構成している。即ち、本実施形態のパック本体10の前記縁部シール14は、長方形の1つの長辺に沿った長辺シール14aと、該長辺シール14aの一方の端縁(上端縁)から短辺に沿って延びる第一短辺シール14bと、前記長辺シール14aの他方の端縁(下端縁)から短辺に沿って延びる第二短辺シール14cとを備えている。
【0016】
前記長辺シール14aと対向する長辺では前記シートが単に折り返されているだけでなく内側に僅かに織り込まれてサイドガゼット13が形成されている。本実施形態のパック本体10は、前記サイドガゼット13の形成されている長辺の長さ方向中央部から当該パック本体10を横断して対向する長辺の中央部に向かう方向に沿って前記第一シート部11と前記第二シート部12とが接着されている横断シール15をさらに備えている。
【0017】
本実施形態の前記パック本体10には、前記流動性収容物を収容する収容部10aとして前記横断シール15を介して隣り合う第一収容部10a1と第二収容部10a2とが備えられている。前記の通り、本実施形態の前記パック本体10には、該パック本体10の外周縁に沿って前記第一シート部11と前記第二シート部12とが接着されている縁部シール14が備えられており、前記横断シール15は、前記縁部シール14の前記長辺シール14aと直交する方向に延び、且つ、前記長辺シール14aには到達していない。このことにより、本実施形態の前記パック本体10には、前記横断シール15の先端と前記縁部シール14との間に前記第一収容部10a1と前記第二収容部10a2とを連通させる連通部10bが形成されている。
【0018】
本実施形態の前記パック本体10では、前記縁部シール14が少なくとも前記連通部10bに隣接する箇所においてイージーピール性(易剥離性)を有している。そして、本実施形態の前記パック本体10は、前記第一収容部10a1や前記第二収容部10a2を構成している前記第一シート部11と前記第二シート部12とが接近するように前記第一収容部10a1や前記第二収容部10a2に圧力を加えることで、これらに収容されている流動性収容物を前記連通部10bへと移動させ得る。このようにして前記第一収容部10a1や前記第二収容部10a2から流動性収容物が移動してきた前記連通部10bでは、流動性収容物の圧力によって前記第一シート部11と前記第二シート部12とが互いに離れる方向に移動して収容容積が増大される。さらに、圧力が加わると連通部10bに隣接している箇所(イージーピール性を有する箇所)において前記長辺シール14aを構成している前記第一シート部11と前記第二シート部12とが内側から外側に向かって剥離し始める。そして、前記第一収容部10a1や前記第二収容部10a2への加圧が継続されることで、この剥離が進行して前記長辺シール14aを完全に横断する状態になり、前記流動性収容物が前記パック本体10の外部に排出される。従って、前記連通部10bに隣接する箇所であって前記縁部シール14がイージーピール性を有している箇所は、言い換えると流動性収容物の外部への排出流路となることが予定された箇所である。なお、縁部シール14における連通部10bに隣接する箇所(即ち、イージーピール性を有する箇所)において第一シート部11と第二シート部12とが剥離する態様としては、特に限定されるものではなく、例えば、層間剥離、界面剥離、及び、凝集剥離から選択される少なくとも一つの態様が挙げられる。
【0019】
このようなイージーピール性を前記縁部シール14に発揮させるには、第一シート部11と第二シート部12とを構成させるシート自体にイージーピール性を有するものを採用してもよく、第一シート部11と第二シート部12とをイージーピール性を有する接着シートを介して接着させるようにしてもよい。また、本実施形態の前記パック本体10は、液体の非透過性に優れるとともにガスバリア性にも優れ、且つ、可とう性に優れた樹脂シートによって構成されている。本実施形態では、パック本体10を構成する前記第一シート部11と前記第二シート部12とは、アルミラミネート樹脂シートによって構成されている。そして、前者であれば、アルミラミネート樹脂シートの表面にイージーピール性を発揮させるためのシーラント層(所謂、パートコート層)が設けられた積層樹脂シートによって前記第一シート部11と前記第二シート部12とを構成させればよい。後者の場合、図3に示すように前記縁部シール14は、前記アルミラミネート樹脂シートS1,S2がイージーピール性を有する接着シートASによって接着された構造とすればよい。なお、第一シート部11、又は、第二シート部12を構成するシートとしては、上記のアルミラミネート樹脂シート以外に、アルミ蒸着樹脂シート、アルミ透明蒸着樹脂シート、ナイロンMXD6シート、Kコートフィルム、及び、EVOHから構成されるガスバリア性フィルム等から選択される少なくとも一つが挙げられる。
【0020】
本実施形態のアルミラミネート樹脂シートは、前記パック本体10の内側から順にアルミニウム層S11.S21、ポリアミド樹脂層S12,S22、ポリエチレンテレフタレート樹脂層S13,S23となる3層の積層構造を有する。該アルミラミネート樹脂シートは、ポリアミド樹脂層を構成するポリアミド樹脂シートに延伸加工が施されており優れた手切れ性を発揮する。また、本実施形態のアルミラミネート樹脂シートは、アルミニウム層S11.S21を有することで遮光性及びガスバリア性に優れている。該アルミラミネート樹脂シートとしては、例えば、10μm以上100μm以下の厚さを有するものを採用することができる。
【0021】
前記シーラント層や前記接着シートASは、イージーピールシーラントフィルムなどとして市販されているものを採用することができる。前記シーラント層や前記接着シートASは、非相溶性を示す2種類以上の樹脂を含む樹脂組成物によって構成させることができ、例えば、ポリエチレン樹脂を含む連続相とポリスチレン樹脂を含む分散相とのミクロ相分離構造を有する樹脂組成物によって構成させることができる。前記シーラント層や前記接着シートASの厚さは、例えば、1μm以上50μm以下とすることができる。
【0022】
本実施形態においてイージーピール性を発揮させるのは、前記長辺シール14aの一部であっても全部であってもよい。尚、前記第一短辺シール14b、前記第二短辺シール14c、及び、前記横断シール15には、イージーピール性を発揮させる必要性はない。通常、これらには、長辺シール14aよりも高い剥離強度が発揮されることが好ましい。
【0023】
尚、前記流動性収容物を排出容易にする点を考慮すると、前記縁部シール14での前記排出流路となる箇所において第一シート部11と第二シート部12との間に作用する剥離強度は、意図しない剥離が生じない程度に低い(所謂、弱シールされている)ことが好ましい。
また、横断シール15の延びる方向(パック本体10を横断する方向)に対して交差する方向(以下、縦断方向とも記す)において、縁部シール14におけるイージーピール性を有する領域(排出流路となる箇所)の長さは、縁部シール14における縦断方向に延びる領域(本実施形態では、長辺シール14a)の全長に対して1%以上30%以下になるように構成されることが好ましい。また、縁部シール14におけるイージーピール性を有する領域(排出流路となる箇所)の両側(縦断方向の両側)には、該イージーピール性を有する領域よりも剥離強度が高いポイントシールが施されるように構成されてもよい。
【0024】
本実施形態の前記パック本体10は、前記横断シール15に沿った折り目を設けて、前記第一収容部10a1と前記第二収容部10a2とが重なり合うように当該パック本体10を折り曲げるための折り曲げ線10cが前記横断シール15に沿って設けられている。本実施形態では、この折り曲げ線10cを有することによって前記パック本体10を簡単に半折状態にすることができるため流動性収容物の排出のために前記第一収容部10a1と前記第二収容部10a2とを個別に加圧するのではなく図4に示すように前記第一収容部10a1と前記第二収容部10a2とを重ね合せて一度に加圧することが容易に行われ得る。このときパック本体10から流動性収容物FLが排出される方向は、概ね前記横断シール15の延長線上に沿った方向となるため流動性収容物排出前に十分予測できる。従って、前記横断シール15が流動性収容物FLの供給先に向かう方向となるようにして流動性収容物の排出操作を実施することで前記パック本体10に収容されている流動性収容物を供給先に確実に供給することができる。
【0025】
前記折り曲げ線10cは、例えば、熱エンボスなどによって第一シート部11と第二シート部12とを部分的に厚さを薄くさせるような方法で作製することができる。具体的には、前記折り曲げ線10cは、前記パック本体10を横断する方向に沿って延びる実線又は破線を成すように厚さの薄い領域を設けることによって作製できる。該折り曲げ線10cは、第一シート部11と第二シート部12との両方に形成させても片方のみに形成させてもよい。該折り曲げ線10cは、前記横断シール15が形成されている部分だけに形成させてもよく、パック本体10の全体に及ぶ長さのものとして形成されてもよい。
【0026】
本実施形態の前記横断シール15は、前記サイドガゼット13が形成されている側から前記連通部10bに向かう第一の方向(パック本体10を横断する方向)に向けて形成幅が変化している。即ち、前記横断シール15は、前記第一の方向に直交する第二の方向(縦断方向)における寸法が前記連通部10bに向かうにしたがって小さくなるように形成されている。そして、前記第一収容部10a1と前記横断シール15との間の境界線L1は前記連通部10bに向かうにしたがって前記折り曲げ線10cに接近している。また、前記第二収容部10a2と前記横断シール15との間の境界線L2も前記連通部10bに向かうにしたがって前記折り曲げ線10cに接近している。本実施形態のパック本体10は、この境界線(L1,L2)が傾斜していることによって前記第一収容部10a1や前記第二収容部10a2に圧力が加えられた際の流動性収容物の連通部10bへの移動が促進されるようになっている。
【0027】
前記パック本体10は、縁部シール14の内側の端縁を前記排出流路となる箇所において外向きに凹入させて縁部シール14に図5(a)に示したような凹入部14a1を形成させるようにしてもよい。このような凹入部14a1を設けることにより液体を排出させるために前記第一収容部10a1や前記第二収容部10a2に加えられた圧力を該凹入部14a1を介して前記排出流路となる箇所に集中的に作用させることができる。
【0028】
前記パック本体10は、縁部シール14の外側の端縁を前記排出流路となる箇所において内向きに凹入させて縁部シール14に図5(b)に示したような凹入部14a2を形成させるようにしてもよい。このような凹入部14a2を設けることにより液体を排出させる際にシートを剥離する区間を短くすることができるとともに液体の排出箇所を明示させることができる。前記パック本体10の縁部シール14には内側から外向きに凹入した凹入部14a1と外側から内向きに凹入した凹入部14a2との両方を形成させるようにしてもよい。
【0029】
前記第一収容部10a1や前記第二収容部10a2に収容させる流動性収容物は、特にその種類が限定されるものではなく、例えば、シャンプー、リンス、ワックス、ヘアカラーなどの頭髪用品、歯磨きペースト、うがい薬などの口腔用品、洗剤、漂白剤などの洗濯用品、洋からし、和からし、わさび、おろしショウガ、おろしニンニク、マヨネーズ、ケチャップ、ソース、醤油、めんつゆなどの調味料、ジャム、ピーナッツバター、チョコレートソースなどの食品が挙げられる。
【0030】
前記第一収容部10a1に収容させる流動性収容物と、前記第二収容部10a2に収容させる流動性収容物とは、同じ物である必要はなく異なっていてもよい。本実施形態における収容パック1は、例えば、前記第一収容部10a1にシャンプーを収容し、前記第二収容部10a2にリンスを収容させてこれらをリンスインシャンプーの状態で排出させるような目的で用いられてもよい。
【0031】
上記のように本実施形態の収容パック1は、第一シート部11と、該第一シート部11に対向する第二シート部12とを有し、該第二シート部12と前記第一シート部11との間に流動性を有する収容物が密封されているパック本体10を備えている収容パック1であって、前記パック本体10を横断する方向に沿って前記第一シート部11と前記第二シート部12とが接着されている横断シール15を備え、該パック本体10には、前記収容物を収容する収容部10aとして前記横断シール15を介して隣り合う第一収容部10a1と第二収容部10a2とが備えられており、前記パック本体10には、該パック本体10の外周縁に沿って前記第一シート部11と前記第二シート部12とが接着されている縁部シール14をさらに備え、前記横断シール15が前記縁部シール14と交差する方向に延び、且つ、前記縁部シール14には到達していないことにより、前記横断シール15の先端と前記縁部シール14との間に前記第一収容部10a1と前記第二収容部10a2とを連通させる連通部10bが形成されており、前記縁部シール14が少なくとも前記連通部10bに隣接する箇所においてイージーピール性を有している。
【0032】
そのため、本実施形態の収容パック1は、片手操作で容易に開封可能で、且つ、収容物の予期せぬ溢れ出しを抑制することが可能になっている。
【0033】
さらに、本実施形態の収容パック1は、前記第一収容部10a1と前記第二収容部10a2とが重なり合うように前記パック本体10を折り曲げるための折り曲げ線10cが前記横断シール15に沿って設けられている。そのため本実施形態の収容パック1は、上記のような効果をより顕著に発揮する。
【0034】
尚、本実施形態においては、収容パック1が1枚のシートを折り曲げて重ね合せたものに対して三方シールが施されている長方形のパック本体10を例示しているが、本発明のパック本体10は、四方シールを施したものであってもよい。即ち、パック本体10の第一シート部11と第二シート部12とは、共通する一枚のシートで形成され得るだけでなく2枚の異なる素材のシートでそれぞれ形成させてもよい。また、本発明のパック本体10は、長方形である必要はなく、別の多角形や不定形であってもよい。前記パック本体10は、図6に示すように正面視における形状が円形であってもよく、特にその形状が限定されるわけではない。また、本発明の収容パック1は、図6に示すようにパック本体10を収容するためのポケット部21を備えたペーパーケース20などをさらに備えていてもよい。また、本発明は、このようなこと以外にも従来公知の技術事項に基づいて各種変更を加えてもよく、上記例示に何等限定されるものではない。
【符号の説明】
【0035】
1…収容パック、10…パック本体、10a…収容部、10a1…第一収容部、10a2…第二収容部、10b…連通部、10c…折り曲げ線、11…第一シート部、12…第二シート部、13…サイドガゼット、14…縁部シール、14a…長辺シール、14a1,14a2…凹入部、14b…第一短辺シール、14c…第二短辺シール、15…横断シール、20…ペーパーケース、21…ポケット部、AS…接着シート、FL…流動性収容物、L1…境界線、L2…境界線、S1,S2…アルミラミネート樹脂シート、S11…アルミニウム層、S12,S22…ポリアミド樹脂層、S13,S23…ポリエチレンテレフタレート樹脂層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7