(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】スロットマシン
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20221115BHJP
【FI】
A63F5/04 620
(21)【出願番号】P 2018155868
(22)【出願日】2018-08-22
【審査請求日】2021-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100163212
【氏名又は名称】溝渕 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100156535
【氏名又は名称】堅田 多恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100206656
【氏名又は名称】林 修身
(74)【代理人】
【識別番号】100206911
【氏名又は名称】大久保 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
(72)【発明者】
【氏名】田名後 善人
(72)【発明者】
【氏名】池田 正和
【審査官】安藤 達哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-089170(JP,A)
【文献】特開2018-000796(JP,A)
【文献】特開2017-225598(JP,A)
【文献】特開2013-070821(JP,A)
【文献】特開2014-204862(JP,A)
【文献】特開2015-173776(JP,A)
【文献】特開2015-008759(JP,A)
【文献】特開2019-141521(JP,A)
【文献】特開2019-126431(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
遊技者の選択により第1賭数または第2賭数を含む複数種類の賭数からいずれかの賭数を設定可能な賭数設定手段と、
前記第1賭数が設定されているときにも前記第2賭数が設定されているときにもゲームを実行可能とするゲーム実行手段と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、
入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、
遊技者にとって有利な前記導出操作手段の操作態様を報知可能な有利区間に制御する有利区間制御手段と、
ゲームの開始時に
おける前記事前決定手段による決定の後に行う第1処理において、前記有利区間である場合に、前記第1賭数が設定されているか前記第2賭数が設定されているかに関わらず、前記有利区間が開始してからのゲーム数である有利区間ゲーム数を更新する有利区間ゲーム数更新手段と、
前記可変表示部に表示結果が導出された後に行う第2処理において、前記有利区間ゲーム数が規定ゲーム数に到達したか否かを判定し、規定ゲーム数に到達したと判定した場合に前記有利区間を終了させる第1有利区間終了手段と、
前記第2処理において、前記有利区間である場合に、前記第1賭数が設定されているか前記第2賭数が設定されているかに関わらず、前記有利区間が開始してからの遊技用価値の増加量である有利区間増加量を更新する有利区間増加量更新手段と、
前記第2処理において、前記有利区間増加量が更新された後、当該有利区間増加量が規定量を超えたか否かを判定し、規定量を超えたと判定した場合に前記有利区間を終了させる第2有利区間終了手段と、
前記第1処理において
前記事前決定手段の決定結果が前記有利区間へ移行させる移行決定結果であるか否かを判定し、前記有利区間へ移行させるか否かを決定する移行関連処理を行うことが可能な移行関連処理手段と、
特別遊技状態を含む複数の遊技状態に制御する遊技状態制御手段と、
前記特別遊技状態に制御されているか否かを判定する遊技状態判定手段と、
を備え、
前記移行関連処理手段は、前記有利区間以外である場合に、前記遊技状態判定手段により前記特別遊技状態に制御されていないと判定された場合には、前記移行関連処理を行い、前記特別遊技状態に制御されていると判定された場合には、前記移行関連処理を行わない、スロットマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能なスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のスロットマシンとしては、遊技者にとって有利な操作態様が報知されるAT等に制御可能な有利区間に制御するとともに、有利区間に制御されたゲーム数がリミット値である1500ゲームに到達することで、当該有利区間を終了させるとともに、ATの残りゲーム数等の有利区間の制御に関連する情報も初期化するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スロットマシンには、複数の賭数からいずれかの賭数を選択して遊技を行うことが可能なものもあるが、特許文献1に記載のスロットマシンでは、有利区間に制御される期間や有利区間おいて付与される価値を制限するにあたり複数の賭数から賭数を選択可能な構成については何ら鑑みられていない。
【0005】
本発明は、複数の賭数からいずれの賭数が選択されている場合でも有利区間に制御される期間や有利区間おいて付与される価値を制限するスロットマシンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
遊技者の選択により第1賭数または第2賭数を含む複数種類の賭数からいずれかの賭数を設定可能な賭数設定手段と、
前記第1賭数が設定されているときにも前記第2賭数が設定されているときにもゲームを実行可能とするゲーム実行手段と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、
入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、
遊技者にとって有利な前記導出操作手段の操作態様を報知可能な有利区間に制御する有利区間制御手段と、
ゲームの開始時における前記事前決定手段による決定の後に行う第1処理において、前記有利区間である場合に、前記第1賭数が設定されているか前記第2賭数が設定されているかに関わらず、前記有利区間が開始してからのゲーム数である有利区間ゲーム数を更新する有利区間ゲーム数更新手段と、
前記可変表示部に表示結果が導出された後に行う第2処理において、前記有利区間ゲーム数が規定ゲーム数に到達したか否かを判定し、規定ゲーム数に到達したと判定した場合に前記有利区間を終了させる第1有利区間終了手段と、
前記第2処理において、前記有利区間である場合に、前記第1賭数が設定されているか前記第2賭数が設定されているかに関わらず、前記有利区間が開始してからの遊技用価値の増加量である有利区間増加量を更新する有利区間増加量更新手段と、
前記第2処理において、前記有利区間増加量が更新された後、当該有利区間増加量が規定量を超えたか否かを判定し、規定量を超えたと判定した場合に前記有利区間を終了させる第2有利区間終了手段と、
前記第1処理において前記事前決定手段の決定結果が前記有利区間へ移行させる移行決定結果であるか否かを判定し、前記有利区間へ移行させるか否かを決定する移行関連処理を行うことが可能な移行関連処理手段と、
特別遊技状態を含む複数の遊技状態に制御する遊技状態制御手段と、
前記特別遊技状態に制御されているか否かを判定する遊技状態判定手段と、
を備え、
前記移行関連処理手段は、前記有利区間以外である場合に、前記遊技状態判定手段により前記特別遊技状態に制御されていないと判定された場合には、前記移行関連処理を行い、前記特別遊技状態に制御されていると判定された場合には、前記移行関連処理を行わない
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者の選択により第1賭数が設定されている場合でも第2賭数が設定されている場合でもゲームを実行可能な構成において、有利区間においては、第1賭数が設定されている場合でも第2賭数が設定されている場合でも有利区間ゲーム数が更新され、有利区間ゲーム数が規定数に到達することで有利区間を終了させるとともに、有利区間においては、第1賭数が設定されている場合でも第2賭数が設定されている場合でも有利区間増加量が更新され、有利区間増加量が規定量を超えたことで有利区間を終了させるので、第1賭数が選択されても第2賭数が選択されても長期間にわたり有利区間に制御されることがないように制限され、かつ第1賭数が選択されても第2賭数が選択されても有利区間において遊技用価値の増加量が過度に多くなってしまうことがないように制限されるため、射幸性が高まることを防止できる。
また、特別遊技状態に制御されている場合には移行関連処理が行われることがないため、特別遊技状態以外でゲームを行うことを促すことができる。
【0007】
尚、本発明は、本発明の請求項に記載された発明特定事項のみを有するものであって良いし、本発明の請求項に記載された発明特定事項とともに該発明特定事項以外の構成を有するものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明が適用された実施例のスロットマシンの正面図である。
【
図3】スロットマシンの構成を示すブロック図である。
【
図4】メダルセレクタについて説明するための図である。
【
図5】メイン制御部のROM及びRAMのメモリマップを示す図である。
【
図6】遊技領域と非遊技領域との関係を示す図である。
【
図8】内部抽選対象役(設定値1、3枚賭けゲーム)について説明するための図である。
【
図9】内部抽選対象役(設定値1、3枚賭けゲーム)について説明するための図である。
【
図10】内部抽選対象役(設定値2、3枚賭けゲーム)について説明するための図である。
【
図11】内部抽選対象役(設定値2、3枚賭けゲーム)について説明するための図である。
【
図12】内部抽選対象役(設定値3、3枚賭けゲーム)について説明するための図である。
【
図13】内部抽選対象役(設定値3、3枚賭けゲーム)について説明するための図である。
【
図14】内部抽選対象役(設定値4、3枚賭けゲーム)について説明するための図である。
【
図15】内部抽選対象役(設定値4、3枚賭けゲーム)について説明するための図である。
【
図16】内部抽選対象役(設定値5、3枚賭けゲーム)について説明するための図である。
【
図17】内部抽選対象役(設定値5、3枚賭けゲーム)について説明するための図である。
【
図18】内部抽選対象役(設定値6、3枚賭けゲーム)について説明するための図である。
【
図19】内部抽選対象役(設定値6、3枚賭けゲーム)について説明するための図である。
【
図20】内部抽選対象役(設定値1~6、2枚賭けゲーム)について説明するための図である。
【
図21】内部抽選対象役(設定値1~6、2枚賭けゲーム)について説明するための図である。
【
図22】内部抽選対象役に関連する技術事項について説明するための図である。
【
図23】内部抽選対象役に関連する技術事項について説明するための図である。
【
図24】内部抽選対象役に関連する技術事項について説明するための図である。
【
図25】内部抽選対象役に関連する技術事項について説明するための図である。
【
図26】遊技補助表示器の構成、ナビ報知及びナビ演出の実行態様について説明するための図である。
【
図27】メイン制御部が行う初期設定処理の制御内容を示すフロー図である。
【
図28】メイン制御部が行うメイン処理の制御内容を示すフロー図である。
【
図29】メイン制御部が行うメイン処理の制御内容を示すフロー図である。
【
図30】メイン制御部が行うメイン処理の制御内容を示すフロー図である。
【
図31】メイン制御部が行うグループ情報設定処理(一般役)の制御内容を示すフロー図である。
【
図32】メイン制御部が行う連続データ処理の制御内容を示すフロー図である
【
図33】メイン制御部が行う連続データ処理の制御内容を示すフロー図である
【
図34】連続データ処理テーブルについて説明するための図である
【
図35】メイン制御部が行う遊技開始待ち処理の制御内容を示すフロー図である。
【
図36】メイン制御部が行うエラー処理の制御内容を示すフロー図である。
【
図37】メイン制御部が行うメダル投入信号処理の制御内容を示すフロー図である。
【
図38】メイン制御部が行うメダルセンサ処理の制御内容を示すフロー図である。
【
図39】メイン制御部が行うメダルセンサチェック処理の制御内容を示すフロー図である。
【
図40】メダル投入信号処理及びメダルセンサチェック処理においてメダルの正常な通過が判定されるメダル投入信号の状態遷移について説明するためのタイミングチャートである。
【
図41】メイン制御部が行う出玉制御処理の制御内容を示すフロー図である。
【
図42】メイン制御部が行う操作情報出力処理の制御内容を示すフロー図である。
【
図43】メイン制御部が行う役比モニタ用データ処理の制御内容を示すフロー図である。
【
図44】メイン制御部が行う各状態カウント処理の制御内容を示すフロー図である。
【
図45】メイン制御部が行う役物比率更新処理の制御内容を示すフロー図である。
【
図46】累計バッファ、6000回算出用バッファ、総累計算出用バッファの更新状況を説明するための図である。
【
図47】メイン制御部が行う連続役物比率更新処理の制御内容を示すフロー図である。
【
図48】メイン制御部が行う指示込役物比率更新処理の制御内容を示すフロー図である。
【
図49】メイン制御部が行うAT状態管理処理の制御内容を示すフロー図である。
【
図50】純増枚数カウンタについて説明するための図である。
【
図51】メイン制御部が行うタイマ割込処理の制御内容を示すフロー図である。
【
図52】メイン制御部が行う時間監視更新処理の制御内容を示すフロー図である。
【
図53】メイン制御部が行うセンサ監視処理の制御内容を示すフロー図である。
【
図54】メイン制御部が行うセンサ監視処理の制御内容を示すフロー図である。
【
図55】メイン制御部が行う試験信号出力処理の制御内容を示すフロー図である。
【
図56】メイン制御部が行うタイマ更新処理の制御内容を示すフロー図である。
【
図57】メイン制御部が行う表示モニタ出力データ選択処理の制御内容を示すフロー図である。
【
図58】メイン制御部が行う表示モニタ出力データ選択処理の制御内容を示すフロー図である。
【
図59】メイン制御部が行うカウンタ更新処理の制御内容を示すフロー図である。
【
図60】遊技機情報表示器の設置位置について説明するための図である。
【
図61】遊技機情報表示器の表示例を示す図である。
【
図62】遊技機情報表示器の表示テストパターンについて説明するための図である。
【
図63】区間表示LED点灯中報知の報知態様について説明するための図である。
【
図64】区間表示LED点灯中報知の実行タイミングについて説明するためのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【0010】
[形態1]
形態1-1のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な可変表示部(リール2L、2C、2R)を備え、
前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(スロットマシン1)において、
遊技者の選択により第1賭数(3)または第2賭数(2)を含む複数種類の賭数からいずれかの賭数を設定可能な賭数設定手段(メイン制御部41)と、
前記第1賭数(3)が設定されているときにも前記第2賭数(2)が設定されているときにもゲームを実行可能とするゲーム実行手段(メイン制御部41)と、
遊技者にとって有利な有利区間に制御する有利区間制御手段(メイン制御部41)と、
ゲームの開始時に行う第1処理(出玉制御処理)において、前記有利区間(有利区間中信号バッファ:1)である場合に、前記第1賭数(3)が設定されているか前記第2賭数(2)が設定されているかに関わらず、前記有利区間が開始してからのゲーム数である有利区間ゲーム数を更新する有利区間ゲーム数更新手段(メイン制御部41)と、
前記有利区間ゲーム数が更新された後、当該有利区間ゲーム数が規定ゲーム数(第2規定数)に到達したか否かを判定し、規定ゲーム数(第2規定数)に到達したと判定した場合に前記有利区間を終了させる有利区間終了手段(メイン制御部41)と、
を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者の選択により第1賭数が設定されている場合でも第2賭数が設定されている場合でもゲームを実行可能な構成において、有利区間においては、第1賭数が設定されている場合でも第2賭数が設定されている場合でも有利区間ゲーム数が更新され、有利区間ゲーム数が規定数に到達することで有利区間を終了させるので、第1賭数が選択されても第2賭数が選択されても長期間にわたり有利区間に制御されることがないように制限されるため、射幸性が高まることを防止できる。
【0011】
形態1-2のスロットマシンは、形態1-1に記載のスロットマシンであって、
前記有利区間において前記有利区間中である旨を示す有利区間中信号を出力する有利区間中信号出力手段(メイン制御部41)と、
前記有利区間中か否かを判定する有利区間判定手段(メイン制御部41)と、
を備え、
前記有利区間判定手段は、前記有利区間中信号の出力中か否か(有利区間中信号バッファが0か否か)により前記有利区間中か否かを判定する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、有利区間中か否かが有利区間中信号の出力中か否かにより判定されるので、有利区間中信号が出力されている状態において有利区間に関する処理が行われることを担保することができる。
【0012】
形態1-3のスロットマシンは、形態1-2に記載のスロットマシンであって、
前記有利区間に制御される場合に有利区間情報(有利区間中フラグ)を設定する有利区間情報設定手段(メイン制御部41)を備え、
前記有利区間情報設定手段は、前記有利区間中信号の出力中でなく(有利区間中信号バッファ:0)、前記有利区間判定手段により前記有利区間中でないと判定された場合に、前記有利区間の開始条件(有利区間移行役の当選)が成立しているか否かを判定し、前記有利区間の開始条件(有利区間移行役の当選)が成立していると判定した場合に、前記有利区間情報(有利区間中フラグ)を設定し、
前記有利区間中信号出力手段は、1ゲームにおいて前記有利区間情報設定手段により前記有利区間情報(有利区間中フラグ)が設定されるタイミングよりも後に、前記有利区間情報(有利区間中フラグ)が設定されているか否かを判定し、前記有利区間情報(有利区間中フラグ)が設定されていると判定した場合に、前記有利区間中信号を出力する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、有利区間中信号の出力中でない場合に、有利区間の開始条件が成立しているかを判定して、有利区間の開始条件が成立している場合に有利区間情報を設定して有利区間に移行させるので、有利区間中信号が出力されていない状態において有利区間に移行させる処理が行われることを担保することができる。
【0013】
形態1-4のスロットマシンは、形態1-2または1-3に記載のスロットマシンであって、
前記有利区間中信号は、前記スロットマシンの性能試験に用いられる信号である
ことを特徴としている。
この特徴によれば、性能試験を行う試験装置に対して有利区間中信号が出力されている状態において有利区間に関する処理が行われること、性能試験を行う試験装置に対して有利区間中信号が出力されていない状態において有利区間に移行させる処理が行われることを担保することができる。
【0014】
形態1-5のスロットマシンは、形態1-1~1-4のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記第1処理(出玉制御処理)において前記有利区間の移行に関連する移行関連処理(有利区間移行関連処理)を行うことが可能な移行関連処理手段(メイン制御部41)と、
前記第1賭数(3)が設定されているか否かを判定する賭数判定手段(メイン制御部41)と、
を備え、
前記移行関連処理手段は、前記有利区間以外(有利区間中信号バッファ:0)である場合に、前記賭数判定手段により前記第1賭数(3)が設定されていると判定された場合には、前記移行関連処理(有利区間移行関連処理)を行い、前記第1賭数(3)が設定されていないと判定された場合には、前記移行関連処理(有利区間移行関連処理)を行わない
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1賭数が設定されていない場合には移行関連処理が行われることがないため、第1賭数でゲームを行うことを促すことができる。
【0015】
形態1-6のスロットマシンは、形態1-1~1-5のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記第1処理(出玉制御処理)において前記有利区間の移行に関連する移行関連処理(有利区間移行関連処理)を行うことが可能な移行関連処理手段(メイン制御部41)と、
特別遊技状態(BB(RB))を含む複数の遊技状態に制御する遊技状態制御手段(メイン制御部41)と、
前記特別遊技状態(BB(RB))に制御されているか否かを判定する遊技状態判定手段(メイン制御部41)と、
を備え、
前記移行関連処理手段は、前記有利区間以外(有利区間中信号バッファ:0)である場合に、前記遊技状態判定手段により前記特別遊技状態(BB(RB))に制御されていないと判定された場合には、前記移行関連処理(有利区間移行関連処理)を行い、前記特別遊技状態(BB(RB))に制御されていると判定された場合には、前記移行関連処理(有利区間移行関連処理)を行わない
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特別遊技状態に制御されている場合には移行関連処理が行われることがないため、特別遊技状態以外でゲームを行うことを促すことができる。
【0016】
形態1-7のスロットマシンは、形態1-1~1-6のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記第1処理(出玉制御処理)において前記有利区間の移行に関連する移行関連処理(有利区間移行関連処理)を行うことが可能な移行関連処理手段(メイン制御部41)と、
前記第1賭数(3)が設定されているか否かを判定する賭数判定手段(メイン制御部41)と、
特別遊技状態(BB(RB))を含む複数の遊技状態に制御する遊技状態制御手段(メイン制御部41)と、
前記特別遊技状態(BB(RB))に制御されているか否かを判定する遊技状態判定手段(メイン制御部41)と、
を備え、
前記移行関連処理手段は、前記有利区間以外(有利区間中信号バッファ:0)である場合に、前記賭数判定手段により前記第1賭数(3)が設定されていると判定され、かつ前記遊技状態判定手段により前記特別遊技状態(BB(RB))に制御されていないと判定された場合には、前記移行関連処理(有利区間移行関連処理)を行い、前記第1賭数(3)が設定されていないと判定された場合、または前記特別遊技状態(BB(RB))に制御されていると判定された場合には、前記移行関連処理(有利区間移行関連処理)を行わない
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1賭数が設定されていない場合、特別遊技状態に制御されている場合には移行関連処理が行われることがないため、第1賭数でゲームを行うこと、特別遊技状態以外でゲームを行うことを促すことができる。
【0017】
形態1-8のスロットマシンは、形態1-1~1-7のいずれかに記載のスロットマシンであって、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記導出操作手段の操作態様(停止順)を指示する操作態様指示手段(ナビ報知)と、
前記第1処理(出玉制御処理)において前記操作態様の指示に関連する指示関連処理(出玉状態に応じてナビ報知を行う処理、ED移行ゲーム数カウンタの更新、出玉状態処理等)を行うことが可能な指示関連処理手段(メイン制御部41)と、
前記第1賭数(3)が設定されているか否かを判定する賭数判定手段(メイン制御部41)と、
を備え、
前記指示関連処理手段は、前記有利区間(有利区間中信号バッファ:1)である場合に、前記賭数判定手段により前記第1賭数(3)が設定されていると判定された場合には、前記指示関連処理(出玉状態に応じてナビ報知を行う処理、ED移行ゲーム数カウンタの更新、出玉状態処理等)を行い、前記第1賭数(3)が設定されていないと判定された場合には、前記指示関連処理(出玉状態に応じてナビ報知を行う処理、ED移行ゲーム数カウンタの更新、出玉状態処理等)を行わない
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1賭数が設定されていない場合には、操作態様の指示に関連する指示関連処理が行われることがないため、第1賭数でゲームを行うことを促すことができる。
【0018】
形態1-9のスロットマシンは、形態1-1~1-8のいずれかに記載のスロットマシンであって、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記導出操作手段の操作態様(停止順)を指示する操作態様指示手段(ナビ報知)と、
前記第1処理(出玉制御処理)において前記操作態様の指示に関連する指示関連処理(出玉状態に応じてナビ報知を行う処理、ED移行ゲーム数カウンタの更新、出玉状態処理等)を行うことが可能な指示関連処理手段(メイン制御部41)と、
入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、
前記事前決定手段により特別入賞(BB1、BB2)の発生を許容する旨が決定され、当該特別入賞(BB1、BB2)が発生しなかったときに、当該特別入賞(BB1、BB2)の発生を許容する旨の決定を次ゲーム以降に持ち越す持越手段(メイン制御部41)と、
前記第2賭数(2)が設定されていることを条件に決定対象となる特定の特別入賞(BB1)の発生を許容する旨の決定が持ち越されている特定状態(RT1)であるか否かを判定する特定状態判定手段(メイン制御部41)と、
を備え、
前記指示関連処理手段は、前記有利区間(有利区間中信号バッファ:1)である場合に、前記特定状態判定手段により前記特定状態(RT1)に制御されていると判定された場合には、前記指示関連処理(出玉状態に応じてナビ報知を行う処理、ED移行ゲーム数カウンタの更新、出玉状態処理等)を行い、前記特定状態(RT1)に制御されていないと判定された場合には、前記指示関連処理(出玉状態に応じてナビ報知を行う処理、ED移行ゲーム数カウンタの更新、出玉状態処理等)を行わない
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第2賭数が設定されていることを条件に決定対象となる特定の特別入賞の発生を許容する旨の決定が持ち越されている特定状態に制御されていない場合には、操作態様の指示に関連する指示関連処理が行われることがないため、特定状態でゲームを行うことを促すことができる。
【0019】
形態1-10のスロットマシンは、形態1-1~1-9のいずれかに記載のスロットマシンであって、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記導出操作手段の操作態様(停止順)を指示する操作態様指示手段(ナビ報知)と、
前記第1処理(出玉制御処理)において前記操作態様の指示に関連する指示関連処理(出玉状態に応じてナビ報知を行う処理、ED移行ゲーム数カウンタの更新、出玉状態処理等)を行うことが可能な指示関連処理手段(メイン制御部41)と、
前記第1賭数(3)が設定されているか否かを判定する賭数判定手段(メイン制御部41)と、
入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、
前記事前決定手段により特別入賞(BB1、BB2)の発生を許容する旨が決定され、当該特別入賞(BB1、BB2)が発生しなかったときに、当該特別入賞(BB1、BB2)の発生を許容する旨の決定を次ゲーム以降に持ち越す持越手段(メイン制御部41)と、
前記第2賭数(2)が設定されていることを条件に決定対象となる特定の特別入賞(BB1)の発生を許容する旨の決定が持ち越されている特定状態(RT1)であるか否かを判定する特定状態判定手段(メイン制御部41)と、
を備え、
前記指示関連処理手段は、前記有利区間(有利区間中信号バッファ:1)である場合に、前記賭数判定手段により前記第1賭数(3)が設定されていると判定され、かつ前記特定状態判定手段により前記特定状態(RT1)に制御されていると判定された場合には、前記指示関連処理(出玉状態に応じてナビ報知を行う処理、ED移行ゲーム数カウンタの更新、出玉状態処理等)を行い、前記第1賭数(3)が設定されていないと判定された場合、または前記特定状態(RT)に制御されていないと判定された場合には、前記指示関連処理(出玉状態に応じてナビ報知を行う処理、ED移行ゲーム数カウンタの更新、出玉状態処理等)を行わない
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1賭数が設定されていない場合、第2賭数が設定されていることを条件に決定対象となる特定の特別入賞の発生を許容する旨の決定が持ち越されている特定状態に制御されていない場合には、操作態様の指示に関連する指示関連処理が行われることがないため、第1賭数でゲームを行うこと、特定状態でゲームを行うことを促すことができる。
【0020】
形態1-11のスロットマシンは、形態1-10に記載のスロットマシンであって、
前記有利区間において移行ゲーム数(ED移行ゲーム数)を更新可能な移行ゲーム数更新手段(メイン制御部41)と、
前記移行ゲーム数(ED移行ゲーム数)が所定ゲーム数(第4規定数)に到達したときに、前記有利区間が終了するまでの期間にわたり前記操作態様指示手段(ナビ報知)により操作態様が指示される指示状態(ED)に制御する指示状態制御手段(メイン制御部41)と、
を備え、
前記移行ゲーム数更新手段は、前記賭数判定手段により前記第1賭数(3)が設定されていると判定され、かつ前記特定状態判定手段により前記特定状態(RT1)に制御されていると判定された場合には、前記移行ゲーム数(ED移行ゲーム数)を更新し、前記第1賭数(3)が設定されていないと判定された場合、または前記特定状態(RT1)に制御されていないと判定された場合には、前記移行ゲーム数(ED移行ゲーム数)を更新しない
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1賭数が設定されていない場合、第2賭数が設定されていることを条件に決定対象となる特定の特別入賞の発生を許容する旨の決定が持ち越されている特定状態に制御されていない場合には、所定ゲーム数に到達することで指示状態に制御されることとなる移行ゲーム数の更新が行われないため、第1賭数でゲームを行うこと、特定状態でゲームを行うことを促すことができる。
【0021】
形態1-12のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な可変表示部(リール2L、2C、2R)を備え、
前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(スロットマシン1)において、
遊技者の選択により第1賭数(3)または第2賭数(2)を含む複数種類の賭数からいずれかの賭数を設定可能な賭数設定手段(メイン制御部41)と、
前記第1賭数(3)が設定されているときにも前記第2賭数(2)が設定されているときにもゲームを実行可能とするゲーム実行手段(メイン制御部41)と、
遊技者にとって有利な有利区間に制御する有利区間制御手段(メイン制御部41)と、
前記可変表示部(リール2L、2C、2R)に表示結果が導出された後に行う第2処理(AT状態管理処理)において、前記有利区間(有利区間ゲーム数カウンタ:0以外)である場合に、前記第1賭数(3)が設定されているか前記第2賭数(2)が設定されているかに関わらず、前記有利区間が開始してからの遊技用価値の増加量である有利区間増加量(純増枚数)を更新する有利区間増加量更新手段(メイン制御部41)と、
前記有利区間増加量(純増枚数)が更新された後、当該有利区間増加量(純増枚数)が規定量(第3規定数)を超えたか否かを判定し、規定量(第3規定数)を超えたと判定した場合に前記有利区間を終了させる有利区間終了手段(メイン制御部41)と、
を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者の選択により第1賭数が設定されている場合でも第2賭数が設定されている場合でもゲームを実行可能な構成において、有利区間においては、第1賭数が設定されている場合でも第2賭数が設定されている場合でも有利区間増加量が更新され、有利区間増加量が規定量を超えたことで有利区間を終了させるので、第1賭数が選択されても第2賭数が選択されても有利区間において遊技用価値の増加量が過度に多くなってしまうことがないように制限されるため、射幸性が高まることを防止できる。
【0022】
形態1-13のスロットマシンは、形態1-12に記載のスロットマシンであって、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記導出操作手段の操作態様(停止順)を指示する操作態様指示手段(ナビ報知)と、
前記第2処理(AT状態管理処理)において前記操作態様の指示に関連する指示関連処理(ED移行、出玉状態関連処理等)を行うことが可能な指示関連処理手段(メイン制御部41)と、
前記第1賭数(3)が設定されているか否かを判定する賭数判定手段(メイン制御部41)と、
を備え、
前記指示関連処理手段は、前記有利区間(有利区間ゲーム数:0以外)である場合に、前記賭数判定手段により前記第1賭数(3)が設定されていると判定された場合には、前記指示関連処理(ED移行、出玉状態関連処理等)を行い、前記第1賭数(3)が設定されていないと判定された場合には、前記指示関連処理(ED移行、出玉状態関連処理等)を行わない
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1賭数が設定されていない場合には、操作態様の指示に関連する指示関連処理が行われることがないため、第1賭数でゲームを行うことを促すことができる。
【0023】
形態1-14のスロットマシンは、形態1-12または1-13に記載のスロットマシンであって、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記導出操作手段の操作態様(停止順)を指示する操作態様指示手段(ナビ報知)と、
前記第2処理(AT状態管理処理)において前記操作態様の指示に関連する指示関連処理(ED移行、出玉状態関連処理等)を行うことが可能な指示関連処理手段(メイン制御部41)と、
入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、
前記事前決定手段により特別入賞(BB1、BB2)の発生を許容する旨が決定され、当該特別入賞(BB1、BB2)が発生しなかったときに、当該特別入賞(BB1、BB2)の発生を許容する旨の決定を次ゲーム以降に持ち越す持越手段(メイン制御部41)と、
前記第2賭数(2)が設定されていることを条件に決定対象となる特定の特別入賞(BB1)の発生を許容する旨の決定が持ち越されている特定状態(RT1)であるか否かを判定する特定状態判定手段(メイン制御部41)と、
を備え、
前記指示関連処理手段は、前記有利区間(有利区間ゲーム数:0以外)である場合に、前記特定状態判定手段により前記特定状態(RT1)に制御されていると判定された場合には、前記指示関連処理(ED移行、出玉状態関連処理等)を行い、前記特定状態(RT1)に制御されていないと判定された場合には、前記指示関連処理(ED移行、出玉状態関連処理等)を行わない
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第2賭数が設定されていることを条件に決定対象となる特定の特別入賞の発生を許容する旨の決定が持ち越されている特定状態に制御されていない場合には、操作態様の指示に関連する指示関連処理が行われることがないため、特定状態でゲームを行うことを促すことができる。
【0024】
形態1-15のスロットマシンは、形態1-12~1-14のいずれかに記載のスロットマシンであって、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記導出操作手段の操作態様(停止順)を指示する操作態様指示手段(ナビ報知)と、
前記第2処理(AT状態管理処理)において前記操作態様の指示に関連する指示関連処理(ED移行、出玉状態関連処理等)を行うことが可能な指示関連処理手段(メイン制御部41)と、
前記第1賭数(3)が設定されているか否かを判定する賭数判定手段(メイン制御部41)と、
入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、
前記事前決定手段により特別入賞(BB1、BB2)の発生を許容する旨が決定され、当該特別入賞(BB1、BB2)が発生しなかったときに、当該特別入賞(BB1、BB2)の発生を許容する旨の決定を次ゲーム以降に持ち越す持越手段(メイン制御部41)と、
前記第2賭数(2)が設定されていることを条件に決定対象となる特定の特別入賞(BB1)の発生を許容する旨の決定が持ち越されている特定状態(RT1)であるか否かを判定する特定状態判定手段(メイン制御部41)と、
を備え、
前記指示関連処理手段は、前記有利区間(有利区間ゲーム数:0以外)である場合に、前記賭数判定手段により前記第1賭数(3)が設定されていると判定され、かつ前記特定状態判定手段により前記特定状態(RT1)に制御されていると判定された場合には、前記指示関連処理(ED移行、出玉状態関連処理等)を行い、前記第1賭数(3)が設定されていないと判定された場合、または前記特定状態(RT1)に制御されていないと判定された場合には、前記指示関連処理(ED移行、出玉状態関連処理等)を行わない
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1賭数が設定されていない場合、第2賭数が設定されていることを条件に決定対象となる特定の特別入賞の発生を許容する旨の決定が持ち越されている特定状態に制御されていない場合には、操作態様の指示に関連する指示関連処理が行われることがないため、第1賭数でゲームを行うこと、特定状態でゲームを行うことを促すことができる。
【0025】
形態1-16のスロットマシンは、形態1-15に記載のスロットマシンであって、
前記有利区間において前記有利区間増加量(純増枚数)が所定量(第3規定数)を超えたか否かを判定可能な所定量判定手段(メイン制御部41)と、
前記所定量判定手段が前記所定量(第3規定数)を超えたと判定したときに、前記有利区間が終了するまでの期間にわたり前記操作態様指示手段(ナビ報知)により操作態様が指示される指示状態(ED)に制御する指示状態制御手段(メイン制御部41)と、
を備え、
前記所定量判定手段は、前記賭数判定手段により前記第1賭数(3)が設定されていると判定され、かつ前記特定状態判定手段により前記特定状態(RT1)に制御されていると判定された場合には、前記有利区間増加量(純増枚数)が所定量(第3規定数)を超えたか否かを判定し、前記第1賭数(3)が設定されていないと判定された場合、または前記特定状態(RT)に制御されていないと判定された場合には、前記有利区間増加量(純増枚数)が所定量(第3規定数)を超えたか否かを判定しない
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1賭数が設定されていない場合、第2賭数が設定されていることを条件に決定対象となる特定の特別入賞の発生を許容する旨の決定が持ち越されている特定状態に制御されていない場合には、所定量を超えることで指示状態に制御されることとなる有利区間増加量が所定量を超えたか否かの判定が行われないため、第1賭数でゲームを行うこと、特定状態でゲームを行うことを促すことができる。
【0026】
形態1-17のスロットマシンは、形態1-1~1-16のいずれかに記載のスロットマシンであって、
入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、
前記事前決定手段により特別入賞(BB1、BB2)の発生を許容する旨が決定され、当該特別入賞(BB1、BB2)が発生しなかったときに、当該特別入賞(BB1、BB2)の発生を許容する旨の決定を次ゲーム以降に持ち越す持越手段(メイン制御部41)と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記表示結果を導出する制御を行う導出制御手段(メイン制御部41)と、
を備え、
前記特別入賞は、前記第2賭数(2)が設定されていることを条件に決定対象となる特定の特別入賞(BB1)を含み、
前記導出制御手段は、前記第1賭数(3)が設定されているときに、前記事前決定手段の決定結果に関わらず前記特定の特別入賞(BB1)が発生する表示結果を導出不能に制御する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特定の特別入賞の発生を許容する旨の決定が持ち越されている状態においては、第1賭数を選択してゲームが行われることで事前決定手段によりいずれの入賞の発生も許容されない場合であっても、特定の特別入賞が発生してしまうことがなく、特定の特別入賞の発生を許容する旨の決定が持ち越されている状態を維持させることができる。
【0027】
形態1-18のスロットマシンは、形態1-1~1-17のいずれかに記載のスロットマシンであって、
クレジットを記憶するクレジット記憶手段(RAM41c)と、
遊技者がクレジットを用いて賭数を設定する際に操作する賭数設定操作手段(MAXBETスイッチ6)と、
を備え、
前記第1賭数(3)は、前記第2賭数(2)よりも大きい値であり、
既に設定されている賭数とクレジットを合算して前記第1賭数(3)を設定可能な場合に前記賭数設定操作手段(MAXBETスイッチ6)の操作が有効に受け付けられる
ことを特徴としている。
この特徴によれば、クレジットの残数が第1賭数を設定するのに十分な状況では、賭数設定操作手段が操作されることで第1賭数が設定される一方、クレジットの残数が第2賭数しか設定できない状況で賭数設定操作手段が操作されても第2賭数が設定されることがないため、極力第2賭数でゲームが行われることを防止できる。
【0028】
形態1-19のスロットマシンは、形態1-1~1-18のいずれかに記載のスロットマシンであって、
入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、
前記事前決定手段により特別入賞(BB1、BB2)の発生を許容する旨が決定され、当該特別入賞(BB1、BB2)が発生しなかったときに、当該特別入賞(BB1、BB2)の発生を許容する旨の決定を次ゲーム以降に持ち越す持越手段(メイン制御部41)と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記表示結果を導出する制御を行う導出制御手段(メイン制御部41)と、
特定報知(状態表示)を行う特定報知手段(メイン制御部41)と、
遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の設定値のうちから、いずれかの設定値を選択して設定することが可能な設定状態(設定変更状態)に制御する設定状態制御手段(メイン制御部41)と、
現在設定されている設定値を確認可能な設定確認状態に制御する設定確認状態制御手段(メイン制御部41)と、
を備え、
前記特別入賞は、前記第1賭数(3)が設定されていることを条件に決定対象となる第1特別入賞(BB2)と、前記第2賭数(2)が設定されていることを条件に決定対象となる第2特別入賞(BB1)と、を含み、
前記特定報知手段は、
前記第2特別入賞(BB1)の発生を許容する旨が決定されたときに前記特定報知(状態表示)を行い、
前記第1特別入賞(BB2)の発生を許容する旨が決定されたときには前記特定報知(状態表示)を行わず、
前記特定報知(状態表示)を開始した後、前記設定状態(設定変更状態)に制御された場合にも、前記設定確認状態に制御された場合にも当該特定報知(状態表示)を継続する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特定報知が行われることで、第2特別入賞の発生を許容する旨が決定されていることが報知されるとともに、特定報知は、一度開始されると設定状態や設定確認状態に制御されてもその報知が継続するので、設定状態や設定確認状態に制御されている状況であっても第2特別入賞の発生が許容されていることを確認することができる。
【0029】
形態1-20のスロットマシンは、形態1-19に記載のスロットマシンであって、
前記特定報知手段は、
前記第2特別入賞(BB1)の発生を許容する旨が決定されたゲームにおいて前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)の操作が有効となる前に前記特定報知(状態表示)を開始し、当該ゲームにおいて前記第2特別入賞(BB1)が発生した場合には前記特定報知(状態表示)を終了し、当該ゲームにおいて前記第2特別入賞(BB1)が発生しなかった場合には前記特定報知(状態表示)を継続する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、導出操作手段の操作が有効となる前に特定報知が開始することとなるため、特定報知の有無を確認してから導出操作手段の操作を行うことが可能となる。また、第2特別入賞が発生した場合にはそのゲームで特定報知を終了するので、第2特別入賞の発生が許容されている状態が終了したことを確認することができる。
【0030】
形態1-21のスロットマシンは、形態1-20に記載のスロットマシンであって、
基本処理(メイン処理)を行う基本処理手段(メイン制御部41)と、
定期的に前記基本処理(メイン処理)に割り込んで割込処理(タイマ割込処理)を行う割込処理手段(メイン制御部41)と、
を備え、
前記事前決定手段は、前記基本処理(メイン処理)において入賞の発生を許容するか否かの決定結果(当選番号)を記憶し、
前記特定報知手段は、前記割込処理(タイマ割込処理)において前記基本処理(メイン処理)により記憶された決定結果(当選番号)が前記第2特別入賞(BB1)の発生を許容する旨の第2特別決定結果(BB1に対応する当選番号)であるか否かを判定し、前記第2特別決定結果(BB1に対応する当選番号)であると判定した場合に前記特定報知(状態表示)を開始させる
ことを特徴としている。
この特徴によれば、事前決定手段により第2特別入賞の発生を許容する旨が決定されたときに、すぐに特定報知が開始するため、導出操作手段の操作が有効となる前に特定報知の有無を確認する時間を十分に確保することができる。
【0031】
形態1-22のスロットマシンは、形態1-21に記載のスロットマシンであって、
前記事前決定手段による決定結果(当選番号)が記憶された後、前記割込処理(タイマ割込処理)が行われた後に前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)の操作を有効化する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、導出操作手段の操作が有効となる前に確実に特定報知を開始させることができる。
【0032】
形態1-23のスロットマシンは、形態1-1~1-22のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記有利区間において遊技者にとって有利な有利状態(AT)に制御する有利状態制御手段(メイン制御部41)と、
前記有利状態(AT)に制御されている旨を示す有利状態信号(AT信号)を外部に出力する有利状態信号出力手段(メイン制御部41)と、
前記有利区間に制御されている旨を示す有利区間報知(区間表示)を行う有利区間報知手段(メイン制御部41)と、
を備え、
前記有利区間報知手段は、前記有利区間に制御された後、遊技者にとって有利な有利状態(AT)が開始するときに前記有利区間報知(区間表示)を開始し、
前記有利状態信号出力手段は、前記有利状態(AT)が開始するときに、前記有利区間報知(区間表示)を開始した後に、前記有利状態信号(AT信号)を外部に出力する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、有利区間報知が開始する前に、有利状態信号を受信した外部機器にて有利区間に制御されていることが特定できてしまうことを防止できる。
【0033】
形態1-24のスロットマシンは、形態1-23に記載のスロットマシンであって、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)の操作態様を指定する操作態様信号(操作情報信号)を外部に出力する操作態様信号出力手段(メイン制御部41)と、
を備え、
前記操作態様信号出力手段は、前記有利状態(AT)が開始するときに、前記有利区間報知(区間表示)を開始した後に、前記操作態様信号(操作情報信号)を外部に出力する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、有利区間報知を開始した後に操作態様信号が外部に出力されるので、有利区間報知が行われている状態で指定された操作態様であることが外部で特定可能となる。
【0034】
形態1-25のスロットマシンは、形態1-1~1-24のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記有利区間において遊技者にとって有利な有利状態(AT)に制御する有利状態制御手段(メイン制御部41)と、
前記有利区間に制御されている旨を示す有利区間報知(区間表示)を行う有利区間報知手段(メイン制御部41)と、
前記有利区間に制御されている旨を示す有利区間中信号を外部に出力する有利区間中信号出力手段(メイン制御部41)と、
前記有利区間を終了するときに前記有利区間に関連する有利区間関連情報を初期化する有利区間関連情報初期化手段(メイン制御部41)と、
を備え、
前記有利区間報知手段は、前記有利区間を終了するときに前記有利区間関連情報初期化手段が前記有利区間関連情報を初期化し、前記有利区間中信号出力手段が前記有利区間中信号の出力を終了した後に、前記有利区間報知(区間表示)を終了する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、有利区間関連情報が初期化され、有利区間中信号の出力を終了した後に、有利区間報知が終了するので、有利区間情報が初期化されていない状態で有利区間報知が終了してしまうことを防止できるとともに、外部に有利区間中信号が出力されているにも関わらず、有利区間報知が終了してしまうことを防止できる。
【0035】
形態1-26のスロットマシンは、形態1-25に記載のスロットマシンであって、
前記有利区間関連情報は、前記有利区間中信号の出力状態が設定される出力バッファ(有利区間中信号バッファ)を含み、
前記有利区間中信号出力手段は、前記有利区間関連情報が初期化された後、前記有利区間中信号の出力バッファ(有利区間中信号バッファ)にOFFが設定されているか否かを判定し、OFFが設定されていると判定した場合に前記有利区間中信号の出力を終了する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、有利区間を終了するときに有利区間関連情報を初期化することで有利区間中信号の出力バッファを個別にOFFに設定することなく有利区間中信号の出力を終了させることができる。
【0036】
形態1-27のスロットマシンは、形態1-23~1-26のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記有利区間に制御されている旨を示す有利区間中信号を外部に出力する有利区間中信号出力手段(メイン制御部41)と、
前記有利区間中信号の出力状態を出力バッファ(有利区間中信号バッファ)に設定する出力状態設定手段(メイン制御部41)と、
を備え、
前記出力状態設定手段は、ゲーム終了時に有利区間中か否かを判定し、有利区間中と判定した場合に前記有利区間中信号の出力バッファ(有利区間中信号バッファ)にONを設定し、
前記有利区間中信号出力手段は、前記出力バッファ(有利区間中信号バッファ)にONが設定されている場合に前記有利区間中信号を出力する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、ゲーム終了毎に有利区間中か否かを判定し、有利区間中と判定された場合には、有利区間中信号の出力バッファにONが設定されるので、有利区間中であるにも関わらず有利区間中信号がOFFになることを防止できる。
【0037】
形態1-28のスロットマシンは、形態1-1~1-27のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記有利区間に制御されている旨を示す有利区間報知(区間表示)を行う有利区間報知手段(メイン制御部41)と、
前記有利区間報知(区間表示)が行われている状態で電力供給が停止した後、電力供給が開始して前記有利区間報知(区間表示)が行われている状態に復帰した場合に、前記有利区間報知(区間表示)が行われている状態に復帰した旨を示す復帰時報知(区間表示LED点灯報知)を行うことが可能な復帰時報知手段(メイン制御部41)と、
を備え、
前記復帰時報知手段は、電力供給が開始した後、一定期間にわたり前記復帰時報知(区間表示LED点灯報知)を行い、一定時間経過後に前記復帰時報知(区間表示LED点灯報知)を終了する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、電力供給が開始したときに有利区間報知が行われている状態に復帰した場合には、その旨を示す復帰時報知が行われるため、遊技店の店員に対して有利区間報知が行われている状態で開店することを認識させることができる。一方で、復帰時報知は一定時間で終了するので、有利区間報知が行われた状態で開店した場合でも、遊技者に対して違和感を与えてしまうことを防止できる。
【0038】
形態1-29のスロットマシンは、形態1-28に記載のスロットマシンであって、
前記復帰時報知手段は、前記有利区間報知(区間表示)が行われている状態で電力供給が停止した後、営業時間外の特定時刻を跨いで電力供給が開始して前記有利区間報知(区間表示)が行われている状態に復帰した場合には前記復帰時報知(区間表示LED点灯報知)を行い、前記特定時間を跨がずに電力供給が開始して前記有利区間報知(区間表示)が行われている状態に復帰した場合には前記復帰時報知(区間表示LED点灯報知)を行わない
ことを特徴としている。
この特徴によれば、営業時間中に一時的に電断が発生しても遊技者に対して違和感を与えてしまうことを防止できる。
【0039】
形態1-30のスロットマシンは、形態1-28または1-29に記載のスロットマシンであって、
前記復帰時報知手段は、前記復帰時報知(区間表示LED点灯報知)を行っている状態で遊技が開始された場合に、一定時間経過を待たずに前記復帰時報知(区間表示LED点灯報知)を終了する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、一定時間経過していない状態でも遊技を開始することで復帰時報知を終了させることができる。
【0040】
形態1-31のスロットマシンは、形態1-28~1-30のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記有利区間報知手段は、前記有利区間のうち特定区間(AT開始後の区間)においてのみ前記有利区間報知(区間表示)を行い、
前記復帰時報知手段は、前記有利区間のうち前記有利区間報知(区間表示)が行われていない状態(AT開始前の区間)で電力供給が停止した後、電力供給が開始して前記有利区間報知(区間表示)が行われていない状態に復帰した場合に、前記復帰時報知(区間表示LED点灯報知)を行わない
ことを特徴としている。
この特徴によれば、有利区間に制御されており、かつ有利区間報知が行われている状態に復帰した場合のみ、遊技店の店員に対して有利区間報知が行われている状態で開店することを認識させることができる。
【0041】
形態1-32のスロットマシンは、形態1-28~1-31のいずれかに記載のスロットマシンであって、
入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、
前記事前決定手段により特別入賞(BB1、BB2)の発生を許容する旨が決定され、当該特別入賞(BB1、BB2)が発生しなかったときに、当該特別入賞(BB1、BB2)の発生を許容する旨の決定を次ゲーム以降に持ち越す持越手段(メイン制御部41)と、
電力供給が開始したときに、遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を設定可能とするための設定操作(設定キースイッチON)、または初期化操作(リセット/設定スイッチON)がされていることを契機として有利区間に関連する有利区間関連情報を初期化する有利区間関連情報初期化手段(メイン制御部41)と、
を備え、
特定の特別入賞(BB1)の発生を許容する旨の決定が持ち越されている特定状態(RT1)において遊技が行われることで遊技用価値の付与率(メダルの払出率)が適正となり、
前記有利区間関連情報初期化手段は、電力供給が開始したときに、前記設定操作(設定キースイッチON)がされていることを契機とする場合にも、前記初期化操作(リセット/設定スイッチON)がされていることを契機とする場合にも、前記有利区間関連情報を初期化し、前記有利区間及び前記有利区間報知(区間表示)を終了させる一方、前記特定状態(RT1)は初期化せずに維持する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、設定操作を行っている状態で電力供給を開始した場合にも、初期化操作を行っている状態で電力供給を開始した場合にも、有利区間を終了させかつ有利区間報知を終了させることができる一方で、特定状態は維持されるので、有利区間及び有利区間報知を終了させる度に特定状態とするための作業をすることを要しない。
【0042】
形態1-33のスロットマシンは、形態1-1~1-32のいずれかに記載のスロットマシンであって、
遊技の制御を行う遊技制御手段(メイン制御部41)と、
前記遊技制御手段から送信されたコマンドに基づいて演出の制御を行う演出制御手段(サブ制御部91)と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
を備え、
前記遊技制御手段(メイン制御部41)は、
入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、
前記表示結果を導出する制御を行う導出制御手段と、
前記事前決定手段の決定結果(当選番号)に応じた決定結果コマンド(内部当選コマンド)を送信する決定結果コマンド送信手段と、
前記導出操作手段の操作態様を指示する操作態様指示手段(ナビ報知)と、
を含み、
前記事前決定手段の決定対象は、前記第1賭数(3)が設定されているときにも、前記第2賭数(2)が設定されているときにも、複数種類の特定結果(多枚ベル、3枚役)を含み、
前記導出制御手段は、前記第1賭数(3)が設定されているか、前記第2賭数(2)が設定されているか、に関わらず、前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定結果(多枚ベル、3枚役)のいずれかとなり、当該特定結果の種類に対応する操作態様(正解の停止順)で前記導出操作手段が操作された場合には、当該特定結果(多枚ベル、3枚役)の種類に対応する操作態様以外の操作態様(正解の停止順以外の停止順)で前記導出操作手段が操作された場合よりも遊技者にとって有利となるように表示結果を導出する制御を行い、
前記操作態様指示手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定結果(多枚ベル、3枚役)のいずれかとなった場合に、当該特定結果の種類に対応する操作態様(正解の停止順)を指示可能であり、
前記決定結果コマンド送信手段は、前記第1賭数(3)が設定されているか、前記第2賭数(2)が設定されているか、に関わらず、前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定結果(多枚ベル、3枚役)のいずれかとなった場合に、前記事前決定手段の決定結果が特定結果(多枚ベル、3枚役)であることは特定可能であるが、特定結果の種類を特定不能な決定結果コマンド(グループ化された当選番号が特定される内部当選コマンド)を送信する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1賭数が設定されている場合でも、第2賭数が設定されている場合でも、複数種類の特定結果が決定対象となり、いずれかの種類の特定結果となった場合には、特定結果の種類に応じて遊技者にとって有利となる操作態様が変化することとなるが、第1賭数が設定されている場合でも、第2賭数が設定されている場合でも、事前決定手段の決定結果が特定結果であることは特定可能であるが、特定結果の種類を特定不能な決定結果コマンドが送信されるので、第1賭数が設定されても第2賭数が選択されても決定結果コマンドから遊技者にとって有利な操作態様が特定されてしまうことを防止できる。
【0043】
形態1-34のスロットマシンは、形態1-33に記載のスロットマシンであって、
前記操作態様指示手段は、前記有利区間において前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定結果(多枚ベル、3枚役)のいずれかとなった場合に、前記第1賭数(3)が設定されている場合には当該特定結果の種類に対応する操作態様(正解の停止順)を指示可能であり、前記第2賭数(2)が設定されている場合には、当該特定結果の種類に対応する操作態様(正解の停止順)を指示しない
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第2賭数が設定されている場合には、遊技者にとって有利な操作態様が指示されないため、第1賭数でゲームを行うことを促すことができる。
【0044】
形態1-35のスロットマシンは、形態1-33または1-34に記載のスロットマシンであって、
前記決定結果コマンド送信手段は、前記第1賭数(3)が設定されている場合にも、前記第2賭数(2)が設定されている場合にも、前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定結果(多枚ベル、3枚役)のいずれかとなった場合に、前記事前決定手段の決定結果が特定結果(多枚ベル、3枚役)であることは特定可能であるが、特定結果の種類を特定不能な決定結果コマンド(グループ化された当選番号が特定される内部当選コマンド)を共通の処理(グループ化処理)により作成して送信する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1賭数が設定されている場合にも、第2賭数が設定されている場合にも、前記事前決定手段の決定結果が前記複数種類の特定結果のいずれかとなった場合には共通の処理によりコマンドが作成されるので、コマンドの作成に係るプログラム容量を削減できる。
【0045】
[形態2]
形態2-1のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な可変表示部(リール2L、2C、2R)を備え、
前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(スロットマシン1)において、
基本処理(メイン処理)を行う基本処理手段(メイン制御部41)と、
定期的に前記基本処理(メイン処理)に割り込んで割込処理(タイマ割込処理)を行う割込処理手段(メイン制御部41)と、
前記基本処理(メイン処理)において特定処理(遊技プログラム)を行う特定処理手段(メイン制御部41)と、
前記基本処理(メイン処理)において特別処理(非遊技プログラム)を行う特別処理手段(メイン制御部41)と、
前記割込処理(タイマ割込処理)において1ゲームの最小時間を計時するための最小時間タイマ値(一遊技時間管理用タイマ値)を更新することが可能な最小時間タイマ値更新手段(メイン制御部41)と、
を備え、
前記特定処理(遊技プログラム)の実行中は、前記最小時間タイマ値更新手段により前記最小時間タイマ値(一遊技時間管理用タイマ値)が更新され、前記特別処理(非遊技プログラム)の実行中は、前記最小時間タイマ値更新手段により前記最小時間タイマ値(一遊技時間管理用タイマ値)が更新されない
ことを特徴としている。
この特徴によれば、最小時間タイマ値を極力更新させることで、遊技の進行を円滑に行える一方で、不正の検知に関連する特別処理が行われている期間については、最小時間タイマ値の更新を行わないことで、特別処理が最小時間タイマ値を更新する処理と混在することがない。
【0046】
形態2-2のスロットマシンは、形態2-1に記載のスロットマシンであって、
前記基本処理(メイン処理)において、1ゲームのうちの特定契機(リール回転開始前)において前記最小時間タイマ値(一遊技時間管理用タイマ値)が特定値(0)であるか否かを判定し、前記最小時間タイマ値(一遊技時間管理用タイマ値)が特定値(0)でないと判定した場合には、前記最小時間タイマ値(一遊技時間管理用タイマ値)が特定値(0)であると判定されるまで遊技を進行させず、前記最小時間タイマ値(一遊技時間管理用タイマ値)が特定値(0)と判定した場合に、遊技を進行させる
ことを特徴としている。
この特徴によれば、最小時間が経過するまで遊技を進行させず、最小時間が経過することで遊技を進行させることで、1ゲームあたりの最小時間を確保することができる。
【0047】
形態2-3のスロットマシンは、形態2-2に記載のスロットマシンであって、
前記最小時間タイマ値(一遊技時間管理用タイマ値)が特定値(0)であると判定した場合に、前記割込処理(タイマ割込処理)の実行を禁止し、前記最小時間タイマ値(一遊技時間管理用タイマ値)に初期値を設定する
ことを特徴としている。
この特徴によれば、最小時間タイマ値に初期値を設定する際に割込処理が禁止されるので、最小時間タイマ値に初期値を設定している最中に最小時間タイマ値が更新されてしまうことを防止できる。
【0048】
形態2-4のスロットマシンは、形態2-1~2-3のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記スロットマシンの外部から投入された遊技媒体(メダル)が流下し、流下した遊技媒体(メダル)を内方側(ホッパータンク34a)へ案内する流下通路(メダル受入流路29b)を備え、
前記特別処理(非遊技プログラム)は、前記流下通路(メダル受入流路29b)を流下する遊技媒体(メダル)の通過状況を監視する通過監視処理(メダルセンサ処理)である
ことを特徴としている。
この特徴によれば、流下通路を流下する遊技媒体の通過状況を監視する通過監視処理が行われている期間については、最小時間タイマ値の更新を行わないことで、不正の検知に関連する通過監視処理が最小時間タイマ値を更新する処理と混在することがない。
【0049】
形態2-5のスロットマシンは、形態2-4に記載のスロットマシンであって、
前記通過監視処理(メダルセンサ処理)において異常が検知された場合にエラー情報(エラーコード)を設定し、
前記特定処理(遊技プログラム)において前記エラー情報(エラーコード)が設定されているか否かを判定し、前記エラー情報(エラーコード)が設定されていると判定した場合にはエラー処理を実行し、
前記エラー処理の実行中は、前記最小時間タイマ値更新手段により前記最小時間タイマ値(一遊技時間管理用タイマ値)が更新される
ことを特徴としている。
この特徴によれば、エラー処理の実行中は最小時間タイマ値が更新されるので、エラー処理の終了後、円滑にゲームを行うことができる。
【0050】
形態2-6のスロットマシンは、形態2-5に記載のスロットマシンであって、
前記エラー処理は、電力供給を遮断することなく終了させることが可能である
ことを特徴としている。
この特徴によれば、エラー処理が行われても円滑にゲームを再開させることができる。
【0051】
形態2-7のスロットマシンは、形態2-1~2-6のいずれかに記載のスロットマシンであって、
遊技者にとって有利な特別遊技状態(RB、BB)に制御する特別遊技状態制御手段(メイン制御部41)と、
遊技者に対して付与された遊技用価値の総数(総累計払出枚数)に対する前記特別遊技状態において付与された遊技用価値である特別価値(総累計役物払出枚数、総累計連続役物払出枚数)の比率である特別比率(役物払出比率、連続役物比率)を表示する特別比率表示手段(遊技機情報表示器50)と、
を備え、
前記特別処理(非遊技プログラム)は、前記有利比率(役物払出比率、連続役物比率)を算出するデータ(総累計払出枚数、総累計役物払出枚数、総累計連続役物払出枚数)を更新する特別比率更新処理(役比モニタ用データ処理)である
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特別比率を算出するデータを更新する特別比率更新処理が行われている期間については、最小時間タイマ値の更新を行わないことで、遊技機の性能表示に関連する特別比率更新処理が最小時間タイマ値を更新する処理と混在することがない。
【0052】
形態2-8のスロットマシンは、形態2-7に記載のスロットマシンであって、
前記特別比率更新処理(役比モニタ用データ処理)では、前記特別遊技状態(RB、BB)に制御されているか否かを判定し、前記特別遊技状態(RB、BB)に制御されていると判定した場合に、遊技者に対して付与された遊技用価値の総数(総累計払出枚数)が上限値に到達しているか否かを判定し、上限値に到達していると判定した場合には、前記特別価値(総累計役物払出枚数、総累計連続役物払出枚数)を更新する処理を行わず、上限値に到達していないと判定した場合には、前記特別価値(総累計役物払出枚数、総累計連続役物払出枚数)を更新する処理を行う
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者に対して付与された遊技用価値の総数を更新できない状況に関わらず、特別価値が更新されてしまうことを防止できる。
【0053】
形態2-9のスロットマシンは、形態2-7または2-8に記載のスロットマシンであって、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記導出操作手段の操作態様を指示する操作態様指示手段(ナビ報知)と、
を備え、
前記特別比率表示手段は、前記特別比率(役物払出比率、連続役物払出比率)に加え、遊技者に対して付与された遊技用価値の総数(総累計払出枚数)に対する前記特別価値(総累計役物払出枚数、総累計連続役物払出枚数)と前記操作態様指示手段(ナビ報知)により遊技者にとって有利な操作態様が指示されたことにより付与された遊技用価値である指示価値(ナビ報知あり時の払出枚数)とを合算した指示込価値(累計指示込役物払出枚数)の比率である指示込比率(指示込役物比率)を表示可能であり、
前記特別比率更新処理(役比モニタ用データ処理)では、遊技者に対して付与された遊技用価値の総数(総累計払出枚数)が上限値に到達しているか否かを判定し、上限値に到達していると判定した場合には、前記指示込価値(累計指示込役物払出枚数)を更新する処理を行わず、上限値に到達していないと判定した場合には、前記特別遊技状態(BB)に制御されているか否かを判定し、前記特別遊技状態(BB)に制御されていると判定した場合には、前記指示込価値(累計指示込役物払出枚数)を更新する処理を行い、前記特別遊技状態(BB)に制御されていないと判定した場合には、前記操作態様指示手段(ナビ報知)により遊技者にとって有利な操作態様が指示されたか否かを判定し、前記操作態様指示手段(ナビ報知)により遊技者にとって有利な操作態様が指示されたと判定した場合には、前記指示込価値(累計指示込役物払出枚数)を更新する処理を行う
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者に対して付与された遊技用価値の総数を更新できない状況に関わらず、指示込価値が更新されてしまうことを防止できる。
【0054】
形態2-10のスロットマシンは、形態2-1~2-9のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記特別処理(非遊技プログラム)は、前記スロットマシンの試験を行う試験装置に対して試験信号(停止実行位置信号)を出力する試験信号出力処理(操作情報信号出力処理)である
ことを特徴としている。
この特徴によれば、スロットマシンの試験を行う試験装置に対して試験信号を出力する試験信号出力処理が行われている期間については、最小時間タイマ値の更新を行わないことで、スロットマシンの試験に関連する試験信号出力処理が最小時間タイマ値を更新する処理と混在することがない。
【0055】
形態2-11のスロットマシンは、形態2-10に記載のスロットマシンであって、
入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記導出操作手段の操作態様を指示する操作態様指示手段(ナビ報知)と、
を備え、
前記試験信号出力処理(操作情報信号出力処理)では、前記導出操作手段の操作態様が指示されるか否かを判定し、前記導出操作手段の操作態様が指示されると判定した場合には、指示される操作態様を指定する試験信号(停止実行位置信号)を出力する処理を行い、前記導出操作手段の操作態様が指示されないと判定した場合には、前記事前決定手段の決定結果(当選番号)を特定し、特定した前記事前決定手段の決定結果(当選番号)に対応する操作態様を指定する試験信号(停止実行位置信号)を出力する処理を行う
ことを特徴としている。
この特徴によれば、導出操作手段の操作態様が指示されると判定した場合には、事前決定手段の決定結果を特定する処理を省略できるため、操作態様を指定する試験信号を出力するための処理を簡素化できる。
【0056】
形態2-12のスロットマシンは、形態2-1~2-11のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記割込処理(タイマ割込処理)において、前記最小時間タイマ値(一遊技時間管理用タイマ値)を含む前記特定処理(遊技プログラム)で用いられる複数のタイマ値を更新する処理(カウンタ更新処理)と、前記特別処理(非遊技プログラム)で用いられるタイマ値を更新する処理(時間監視更新処理)と、を別個に行う
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特別処理が用いるタイマ値を更新する処理が、特定処理が用いるタイマ値を更新する処理と混在することがない。
【0057】
形態2-13のスロットマシンは、形態2-1~2-12のいずれかに記載のスロットマシンであって、
入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、
前記事前決定手段の決定結果を特定可能な事前決定信号(試験信号)を試験装置に対して出力する事前決定信号出力手段(メイン制御部41)と、
を備え、
前記最小時間タイマ値(一遊技時間管理用タイマ値)が特定値(0)と判定した場合に、前記最小時間タイマ値(一遊技時間管理用タイマ値)に初期値を設定することで前記最小時間の計時が開始されるとともに、前記最小時間タイマ値(一遊技時間管理用タイマ値)に初期値が設定されたときに前記事前決定信号(試験信号)が出力される
ことを特徴としている。
この特徴によれば、事前決定信号は、最小時間タイマ値に初期値が設定されたときに出力されるので、事前決定信号の出力間隔を特定することで、試験装置側で1ゲームの最小時間が確保されているかを特定することができる。
【0058】
形態2-14のスロットマシンは、形態2-13に記載のスロットマシンであって、
前記割込処理(タイマ割込処理)において、前記事前決定信号(試験信号)を出力する処理を前記最小時間タイマ値(一遊技時間管理用タイマ値)を更新する前に行う
ことを特徴としている。
この特徴によれば、事前決定信号の出力を開始した後に、最小時間タイマ値の更新が開始されるので、事前決定信号の出力間隔を、確実に1ゲームの最小時間以上とすることができる。
【実施例】
【0059】
本発明が適用されたスロットマシンの実施例について図面を用いて説明する。本実施例のスロットマシン1は、
図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。スロットマシン1の内部には、互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ同数ずつ配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、
図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が、スロットマシン1の正面の略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示されて遊技者側から見えるように配置されている。また、
図2に示すように、各リールには、各々が識別可能な複数種類の図柄(「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」、「スイカ」、「チェリーa」、「チェリーb」、「ベル」、「リプレイ」、「プラム」)が所定の順序で配列されている。
【0060】
尚、本実施例では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としても良い。また、本実施例では、リール2L、2C、2Rにより図柄を可変表示させる可変表示部を構成しているが、可変表示部は、リール以外であっても良く、例えば、外周面に複数の図柄が配置されたベルトを移動させることで図柄を変動表示させることが可能な構成でも良い。また、本実施例では、物理的なリールにて可変表示部を構成しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示部を構成しても良い。
【0061】
スロットマシン1の正面には、
図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて遊技状態に応じて定められた規定数(本実施例では、2または3)の賭数のうち最大の賭数(本実施例では、3枚)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
【0062】
スロットマシン1の正面には、
図1に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードや、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様に対応する操作情報(ナビ表示)等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、特定の賭数(本実施例では、2枚)が設定されているゲームで入賞可能な特別役(本実施例では、BB1)が持ち越されている内部中状態(本実施例では、RT1)に制御されている旨を点灯により報知する状態表示LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、区間状態が有利区間に制御されている旨を点灯により報知する区間表示LED19、リプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20、が設けられた遊技用表示部13が設けられている。また、スロットマシン1の正面には、画像等を表示可能な液晶表示器51が、設けられている。
【0063】
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(
図3参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールを停止させる操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(
図3参照)がそれぞれ設けられている。
【0064】
スロットマシン1の前面扉1bの内側には、所定キー操作によりスロットマシン1の外部からのエラー状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、スロットマシン1の内部に設けられた後述のホッパータンク側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入されてホッパータンク側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31a~31cを有するメダルセレクタ29が設けられている。
【0065】
また、スロットマシン1の内部には、メイン制御部41からの制御信号に応じて前述のリール2L、2C、2Rを回転させたり停止させたりするためのリールユニット34、メイン制御部41からの制御信号に応じてメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーユニット35が設けられている。
【0066】
また、スロットマシン1の内部には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
【0067】
スロットマシン1の内部には、遊技制御基板40が筐体1aの内部の所定位置に取り付けられた状態において、遊技制御基板40の正面側(遊技者側)の下部には7セグメント表示器で構成される遊技機情報表示器50が配置されている(
図60参照)。遊技機情報表示器50は、遊技制御基板40が基板ケース120aに封入されている状態で、当該基板ケース120aの外部から表示内容を視認可能となっており、メイン制御部41により集計されて遊技機情報表示器50に表示されるスロットマシン1における遊技の履歴に基づく遊技情報を、店員等が認識できるようになっている。
【0068】
図3に示すように、スロットマシン1には、遊技制御基板40、演出制御基板90が設けられており、遊技制御基板40によって遊技(ゲーム)の制御が行われ、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出の制御が行われる。
【0069】
遊技制御基板40には、前述のMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、リールユニット34のリールセンサ(図示略)、ホッパーユニット35の払出センサ及び満タンセンサ(図示略)、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類等の検出信号が入力されるようになっている。
【0070】
また、遊技制御基板40には、前述のクレジット表示器11、遊技補助表示器12、1~3BETLED14~16、状態表示LED17、スタート有効LED18、区間表示LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールユニット34、ホッパーユニット35が接続されており、これら電気部品と、遊技制御基板40に搭載された遊技機情報表示器50は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0071】
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータにより構成され、遊技の制御を行うメイン制御部41が搭載されている。
【0072】
メイン制御部41は、メインCPU41aが演算を行うために用いられる複数のレジスタを備える。当該複数のレジスタには、アキュムレータレジスタ、フラグレジスタ、汎用レジスタ、インデックスレジスタ、インタラプトレジスタ、リフレッシュレジスタ、プログラムカウンタなどのレジスタが含まれる。また、これらのレジスタのうちアキュムレータレジスタ、フラグレジスタ、汎用レジスタには、それぞれ対になるように構成された表レジスタ及び裏レジスタが含まれる(以下、表レジスタ及び裏レジスタを単にレジスタと呼ぶ場合がある)。メインCPU41aは、プログラムに含まれる演算命令や読出命令等の各種の命令を実行することにより、所定のレジスタの値を更新することや、所定のレジスタの値(アドレス)により指定されるRAM41cの記憶領域に記憶した値(データ)を更新することが可能である。
【0073】
また、メイン制御部41が備えるレジスタのうちフラグレジスタは、その状態が、メインCPU41aにより実行された命令による演算結果を示すように変化するように構成されており、フラグレジスタの状態の変化を利用して、先の命令による演算結果に応じた処理をメインCPU41aに行わせることができるようになっている。
【0074】
また、フラグレジスタは、複数のビット(本実施例では、8ビット)で構成されており、複数のビットには、メインCPU41aの処理の負担を減らすために、メインCPU41aが実行する演算命令の演算結果に応じて状態が変化するが、特定命令(例えば、読出命令LD(以下、LD命令と呼ぶ場合がある)等)では状態が変化しないように構成された第1ビット(以下、第1ゼロフラグZと呼ぶ場合がある。)や、演算命令の演算結果に応じて状態が変化し、特定命令でも状態が変化するように構成された第2ビット(以下、第2ゼロフラグTZと呼ぶ場合がある)などが含まれる。尚、後述する遊技プログラムに含まれる各処理では、命令に基づいて処理を進行させる際に、フラグレジスタに含まれる第2ゼロフラグ以外のビットの値を参照して判定等を行うようになっており、第2ゼロフラグのビットの値については参照して判定等を行うことがないようになっている。
【0075】
また、メイン制御部41は、サブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。
【0076】
また、I/Oポート41dは、出力ポート0~9を含み、メイン制御部41は、出力ポート0及び出力ポート1よりリールモータ32L、32C、32Rの制御信号を出力可能であり、出力ポート2より左・中・右停止有効LED22L、22C、22Rの制御信号、流路切替ソレノイド30の制御信号を出力可能であり、出力ポート3よりホッパーモータ34bの制御信号、外部出力信号を出力可能であり、出力ポート4及び出力ポート5よりクレジット表示器11、遊技補助表示器12、1~3BETLED14~16、状態表示LED17、スタート有効LED18、区間表示LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21の制御信号を出力可能であり、出力ポート6より試験信号を出力可能であり、出力ポート7より試験信号及び外部出力信号を出力可能であり、出力ポート8及び出力ポート9よりコマンドを出力可能である。
【0077】
また、メイン制御部41は、メイン処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ミリ秒)毎にタイマ割込み処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込み処理(メイン)の実行間隔は、メイン処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込み処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込み処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
【0078】
本実施例では、メイン制御部41が実行可能な命令として、メイン制御部41の備えるレジスタの値を、スタックポインタSPが示すRAM41cのスタック領域に所定の順序で記憶させることで退避させる退避命令と、当該退避命令によりRAM41cのスタック領域に退避させていたレジスタの値を、退避させるときと逆の順序で当該スタック領域から順次読み出して、当該順序に対応するレジスタに設定することで、該当するレジスタの状態を退避命令により退避させたときの状態に復帰させる復帰命令と、を含む。
【0079】
退避命令は、メイン制御部41が備えるすべてのレジスタの値をRAM41cのスタック領域に退避させる第1退避命令(PUSH ALL)と、メイン制御部41が備えるすべてのレジスタのうち、演算結果が格納されるフラグレジスタの値をRAM41cのスタック領域に退避させる第2退避命令(PUSH AF)と、を含む。第1退避命令は、2バイトのプログラム容量を必要とする命令であり、第2退避命令は、1バイトのプログラム容量を必要とする命令である。遊技プログラムにおいて退避命令を実行することで、遊技プログラム用に設定されているスタックポインタSPが示す遊技スタック領域にレジスタの値を退避させることが可能であり、非遊技プログラムにおいて退避命令を実行することで、非遊技プログラム用に設定されているスタックポインタSPが示す非遊技スタック領域にレジスタの値を退避させることが可能である。
【0080】
復帰命令は、メイン制御部41が備えるすべてのレジスタについて、RAM41cのスタック領域に退避されている値を設定して復帰させる第1復帰命令(POP ALL)と、メイン制御部41が備えるすべてのレジスタのうち、演算結果が格納されるフラグレジスタについて、RAM41cのスタック領域に退避されている値を設定して復帰させる第2復帰命令(POP AF)と、を含む。第1復帰命令は、2バイトのプログラム容量を必要とする命令であり、第2復帰命令は、1バイトのプログラム容量を必要とする命令である。遊技プログラムにおいて復帰命令を実行することで、遊技プログラム用に設定されているスタックポインタSPが示す遊技スタック領域から退避されていたレジスタの値を呼び出して、該当するレジスタに設定して復帰させることが可能であり、非遊技プログラムにおいて復帰命令を実行することで、非遊技プログラム用に設定されているスタックポインタSPが示す非遊技スタック領域から退避されていたレジスタの値を呼び出して、該当するレジスタに設定して復帰させることが可能である。
【0081】
演出制御基板90には、前述の液晶表示器51、音声を出力可能なスピーカ、演出に用いられ遊技者側から視認可能な演出用LED57等の演出装置が接続されており、これら演出装置の出力状態は、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により制御可能となっている。サブ制御部91は、メイン制御部41から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御等を行うようになっている。
【0082】
液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で透過性を有する液晶パネルを有しており、前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)に表示領域が配置されるように設けられている。液晶表示器51の背面側の各リール2L、2C、2Rは、液晶表示器51の表示領域のうち透視窓3に対応する透過領域及び透視窓3を介して遊技者側から視認可能である。
【0083】
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わる構成である。詳しくは、内部抽選等の遊技者に対する有利度に影響する抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1~6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
【0084】
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源スイッチ39をONにする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONにすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定値6からさらに操作されたときは、設定値1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がOFFにされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
【0085】
尚、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38は、スロットマシン1の内部に設けられ、所定のキー操作により開放可能な前面扉1bを開放しない限り操作不可能とされており、スロットマシン1が設置される遊技店の店員のうち所定のキーを所持する店員のみが操作可能となる。特に、設定キースイッチ37は、さらにキー操作を要することから、遊技店の店員の中でも、設定キースイッチ37の操作を行うためのキーを所持する店員のみが操作可能とされている。また、リセットスイッチ23は、前面扉1bを開放する必要はないが、所定のキーを用いたキー操作を必要とするため、所定のキーを所持する店員のみが操作可能となる。また、リセット/設定スイッチ38は、通常時においてはエラー状態を解除するためのリセットスイッチとしても機能するようになっている。
【0086】
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはMAXBETスイッチ6を操作してクレジットを使用して賭数を設定する。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、予め定められた入賞ラインLN(
図1参照、本実施例では、リール2L、2C、2Rの中段に水平方向に並んだ図柄に跨がって設定されている)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。また、本実施例では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用しても良い。
【0087】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転され、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動される。リール2L、2C、2Rが回転されている状態で、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rに対して停止制御が行われ、当該リールの回転が停止され、当該リールの図柄が透視窓3に表示結果として導出表示される。
【0088】
停止制御では、各ストップスイッチについて操作が行われたときから最大停止遅延時間(本実施例では、190ms(ミリ秒))以内に、操作に対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御が行われる。リール2L、2C、2Rを1分間に80回転させ、80(回転)×21(1リール当たりの図柄コマ数、例えば、21コマ)=1680コマ分の図柄を変動させるので、予め定められた最大停止遅延時間(190ms)が経過するまでの間では、最大で4コマ分の図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止制御では、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分(引込範囲)の図柄から一の図柄を選択して、リール2L、2R、2Rに導出させることが可能である。
【0089】
これにより、停止制御では、各リール2L、2C、2Rについて対応するストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されることで回転を停止させる際に、後述する内部抽選にて当選している入賞役を構成する図柄が、ストップスイッチが操作されたときの図柄から4コマ先までの引込範囲内にある場合には、当該図柄を入賞ラインLN上に引き込んで、ストップスイッチが操作されたリールの回転を停止させる一方で、内部抽選にて当選している入賞役を構成する図柄が、当該引込範囲内にない場合には、内部抽選にて当選していない入賞役を構成する図柄が、入賞ラインLN上に停止しないように、いずれの入賞役も構成しない図柄を入賞ラインLN上に引き込んで、ストップスイッチが操作されたリールの回転を停止させるように制御することが可能である。
【0090】
また、停止制御では、特別役(本実施例では、BB1、BB2)の当選が持ち越されている場合に、内部抽選にて小役(本実施例では、共通多枚役等)が当選して、特別役と小役が同時に当選している状況であるときには、当選している小役の構成図柄を前述の引込範囲内で優先して入賞ラインLNに引き込むように制御し、当選している小役の構成図柄を入賞ラインLNに引き込むことができないときに、当選している特別役の構成図柄を入賞ラインLNに引き込むように制御する。このため、特別役と小役が同時当選しているゲームにおいて、当選している特別役を入賞させることが困難になっている。
【0091】
また、停止制御では、特別役(本実施例では、BB1、BB2)の当選が持ち越されている場合に、内部抽選にて再遊技役(本実施例では、リプレイA1等)が当選して、特別役と再遊技役が同時に当選している状況であるときには、当選している再遊技役の構成図柄を優先して入賞ラインLNに引き込むようになっている。各リール2L、2C、2Rにおいて再遊技役を構成する図柄は、所定の引込範囲内に配置されており、再遊技役の当選時には必ず再遊技役の構成図柄が入賞ラインLNに引き込まれることとなる。このため、特別役と再遊技役が同時に当選しているゲームでは、当選している特別役を入賞させることができないようになっている。
【0092】
また、停止制御では、特別役(本実施例では、BB1、BB2)の当選が持ち越されており、かつ、当選している特別役に対応する規定数(BB1の場合は、2枚、BB2の場合は、3枚)の賭数が設定されているゲームでは、当選している特別役の構成図柄を入賞ラインLNに引き込むことが可能であるが、当選している特別役に対応しない規定数の賭数が設定されているゲームでは、当選している特別役の構成図柄を入賞ラインLNに引き込まないように制御する。このため、特別役が当選しているゲームでは、当選している特別役に対応する規定数の賭数が設定されていない場合には、特別役が入賞されることがないようになっている。これにより、特定の特別役(BB1)の当選が持ち越されている遊技状態であるRT1において、3枚の賭数(第1賭数)を選択してゲームが行われることで内部抽選にていずれの役も当選しない場合であっても、特定の特別役(BB1)が入賞してしまうことがなく、遊技状態をRT1に維持させることができるようになっている。
【0093】
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、予め定められた入賞役の図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rに表示結果として入賞ラインLN上に停止した場合に入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(
図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLN上に、遊技状態(本実施例では、RT0、RT1、RT2、BB1、BB2)の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行されるようになっている。
【0094】
尚、本実施例では、スタートスイッチ7の操作が有効な状態でスタートスイッチ7の操作が検出されたときにゲームが開始し、全てのリールが停止したときにゲームが終了する。また、ゲームを実行するための1単位の制御(ゲーム制御)は、前回のゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに開始し、当該ゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに終了する。
【0095】
本実施例のスロットマシン1において、入賞となる役(以下、入賞役と呼ぶ)の種類は、遊技状態に応じて定められ、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次ゲームが開始可能となる再遊技が付与される再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態(特別状態)への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグが設定されている必要がある。内部抽選は、メイン制御部41が、前述の各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出される以前(具体的には、規定数の賭数が設定された状態でスタートスイッチ7の操作が検出された時)に、乱数を用いて決定するものである。
【0096】
尚、各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次ゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次ゲームへ持ち越されるようになっている。
【0097】
また、内部抽選では、予め定められた所定の操作態様(例えば、停止操作順、操作タイミング)で停止操作が行われる場合に他の操作態様で停止操作が行われた場合よりも有利となる小役、再遊技役(以下、ナビ対象役と呼ぶ場合がある。)が当選し得るようになっている。ナビ対象役には、例えば、予め定められた所定の操作態様で停止操作が行われる場合に他の操作態様で停止操作が行われる場合に停止する停止態様よりも有利な停止態様となる役や、予め定められた所定の操作態様で停止操作が行われる場合に他の操作態様で停止操作が行われる場合よりも有利な停止態様が停止する割合が高い役等を含む。また、有利な停止態様とは、メダルの付与を伴う停止態様だけでなく、有利な遊技状態への移行を伴う停止態様、不利な遊技状態への移行が回避される停止態様なども含む。
【0098】
メイン制御部41は、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様を特定可能なナビ情報を遊技補助表示器12の点灯態様により報知するナビ報知を実行可能な報知期間となるアシストタイム(AT)に制御可能である。メイン制御部41は、ATに制御される権利が遊技者に対して付与されることで、ATの制御を開始してATに制御する。そして、ATに制御している場合には、ナビ対象役に当選することにより、ナビ報知を実行して、遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様(例えば、押し順、操作タイミング等)を遊技補助表示器12を用いて報知するとともに、遊技者にとって有利となる操作態様を特定可能なコマンドをサブ制御部91に対して送信することで、当該操作態様を液晶表示器51等を用いて報知するナビ演出を実行させる。ナビ報知及びナビ演出により報知される操作態様にて、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作することで、内部抽選にて当選したナビ対象役を確実に入賞させることができるようになっている。
【0099】
尚、本実施例では、メイン制御部41は、メダルの払出枚数やエラーコード、ナビ情報を表示させることが可能な遊技補助表示器12を備え、ナビ報知の制御において遊技補助表示器12を用いてナビ情報を報知する構成であるが、ナビ情報のみを表示させることが可能な専用の表示器を備え、ナビ報知の制御において当該専用の表示器を用いてナビ情報を報知する構成でも良い。
【0100】
[メダルセレクタについて]
前面扉1bの内側に配置されたメダルセレクタ29の構造について、
図4に基づいて説明する。尚、以下の説明において、前面扉1bの裏面側からメダルセレクタ29を見た状態を、メダルセレクタ29の前面側として説明する。
【0101】
メダルセレクタ29は、
図4に示すように直方体形状に構成されており、当該メダルセレクタ29の本体部の上側壁には、当該本体部の内部へメダルが流入可能な流入口141が設けられ、本体部の左側壁には、当該本体部の内部からホッパータンク34a側の外部へメダルが流出可能な流出口142が設けられ、本体部の下側壁には、当該本体部の内部からメダル払出口9側の外部へメダルを排出可能な排出口143が設けられている。そして、メダルセレクタ29の本体部の内部には、流入口141から流出口142に連通する正面視略L字状のメダル流下流路が形成されている。このメダル流下流路の側壁は、
図4(b)(c)に示すように、流下するメダルの上端が下端よりも前方側に傾く姿勢となるように下方から上方にかけて前面側に傾斜している。また、流入口141から排出口143に連通する正面視略S字状のメダル流下流路が形成されている。以下、メダルセレクタ29の本体部の内部のメダル流下流路のうち流入口141側の流路をメダル流入流路29a、流出口142側の流路をメダル受入流路29b、排出口143側の流路をメダル返却流路29cと呼ぶ。
【0102】
メダルセレクタ29では、投入されたメダルの真偽(形状、大きさ、厚み等)が判別されるようになっており、真正なメダルは、流入口141から流入した後、メダルセレクタ29の本体部内部のメダル流入流路29a及びメダル受入流路29bを流下して、投入メダルセンサ31a~31cの検出範囲Aを通過することで、投入メダルセンサ31a~31cにて検出された後、流出口142から流出される。そして、当該メダルは、メダルシュート142a(図示略)を介して、ホッパータンク34aに導かれるようになっている。一方、偽メダルは、流入口141から流入した後、メダル流入流路29aの流下中にメダル返却流路29cへ落下させられて、当該メダル返却流路29cを流下し、排出口143から流出される。そして、当該メダルは、メダルセレクタ29の下方に設けられたメダル返却通路(図示略)を介してメダル払出口9(
図1参照)から下皿に返却されるようになっている。
【0103】
また、メダル流入流路29a、メダル受入流路29b、メダル返却流路29cの合流部分には、メダルセレクタ29の本体部の前面側に設けられる流路切替ソレノイド30(
図3参照)の励磁に連係して、メダル流入流路29aを流下するメダルがメダル受入流路29bへ流入する前に、当該メダルをメダル流入流路29aから下方に向けて強制的に落下させて、当該メダルをメダル返却流路29cに流入させるための流路切替板147が揺動自在に設けられている。
【0104】
流路切替板147は、流路切替ソレノイド30が励磁されていない状態、すなわちメダルの受付が許可されていない状態において、
図4(c)に示すように、メダル流入流路29aの下方側が開放状態となり、メダル流入流路29aとメダル返却流路29cが連通した状態となるように搖動可能である。また、流路切替ソレノイド30が励磁されている状態、すなわちメダルの受付が許可されている状態において、
図4(b)に示すように、流路切替板147の上部が図中左方向(矢印A方向)に揺動することで、流路切替板147の上端面がメダル流入流路29aの底面を構成する状態となり、メダル流入流路29aの下方側を閉鎖状態として、メダル流入流路29aとメダル返却流路29cが連通しない状態となるように搖動可能に構成されている。このような構成により、流路切替ソレノイド30が励磁されている状態では、流入口141から流入してメダル流入流路29aを流下するメダルは流路切替板147の上端面に沿って流下し、メダル受入流路29bに流入して流出口142から流出されるようになっている。
【0105】
また、メダル流入流路29aの上流側には、流入口141から流入したメダルの通過を検出する投入口センサ26が設けられており、メダル受入流路29bの下流側には、流出口142に排出されるメダルの通過を検出する投入メダルセンサ31a~31cが設けられている。
【0106】
投入メダルセンサ31a~31cのうち投入メダルセンサ31a及び31cは、投光部と受光部の間をメダルが通過することにより受光部が投光部からの光の遮断を検知することでメダルの通過を検出するフォトセンサであり、投入メダルセンサ31bは、メダルの通過に連動して動作する可動片180の動作を検知器183により検知することでメダルの通過を検出する物理センサである。尚、以下、投入メダルセンサ31aを投入メダルセンサ1、投入メダルセンサ31bを投入メダルセンサ2、投入メダルセンサ31cを投入メダルセンサ3と呼ぶ場合がある。また、投入メダルセンサ31a~31cによりメダルの通過が検出される範囲を検出範囲Aと呼ぶ場合がある。
【0107】
次に、物理センサである投入メダルセンサ31bの構成について説明する。メダルセレクタ29におけるメダル受入流路29bの下流側の下方部分の側壁に、投入メダルセンサ31bの可動片180が、メダル受入流路29bに出没可能に設けられている。また、メダル受入流路29bの外部における可動片180に対応する位置に、検知器183が設置されている。検知器183は、検知部183aに投光部と受光部が設けられている。そして、可動片180は、メダル受入流路29bをメダルが通過する際に、メダルが可動片180の先端部180bをメダル受入流路29b内から退けることにより、可動片180の端部に設けられた被検知部180aを、検知部183aの投光部と受光部の間に進入させるようになっており、投光部から受光部へ照射される光が遮断されて、検知器183によりメダルの通過が検出されるようになっている。一方、可動片180は、メダル受入流路29bをメダルが通過していない状態では、当該可動片180の先端部180bがメダル受入流路29b内に突出するように付勢されている。この状態では、可動片180の被検知部180aが検知部183aの投光部と受光部の間に進入せず、検知部183aの投光部から受光部に照射される光を遮断することがないので、検知器183によりメダルの通過が検出されないようになっている。
【0108】
[メイン制御部のメモリ領域とプログラムについて]
メイン制御部41は、所定のプログラムやデータを記憶するメモリ領域を有するROM41b及びRAM41cを備える。
【0109】
図5は、ROM41bにおけるプログラム/データ領域及びRAM41cにおける使用可能領域のアドレスマップである。
図5(a)に示すように、ROM41bにおけるプログラム/データ領域は、遊技の進行に係わる遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムが用いる遊技データが記憶される遊技データ領域と、未使用領域1と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、非遊技プログラムが用いる非遊技データが記憶される非遊技データ領域と、未使用領域2と、を含む。
【0110】
尚、遊技の進行とは、ゲームを構成する一連のプロセスを進行させることであり、スロットマシンであれば、賭数を設定してゲームを開始可能とする段階、ゲームを開始してリールを回転させる段階、リールを停止させて表示結果を導出させる段階、表示結果に応じてメダル等の価値を付与する段階、を進行させることである。
【0111】
図5(b)に示すように、RAM41cの使用可能領域は、遊技プログラムがワークとして用いる遊技RAM領域と、非遊技プログラムがワークとして用いる非遊技RAM領域と、未使用領域4と、を含んでおり、遊技RAM領域には、特別ワークと、重要ワークと、一般ワークと、未使用領域3と、遊技プログラムがデータを退避する遊技スタック領域と、が含まれ、非遊技RAM領域には、遊技プログラムが参照可能な領域と、遊技プログラムが参照不可能な領域と、非遊技プログラムがデータを退避する非遊技スタック領域と、が含まれる。尚、本実施例では、遊技スタック領域と非遊技スタック領域とをそれぞれ異なる領域に個別に備える構成であるが、遊技プログラム及び非遊技プログラムが共用する一のスタック領域を備える構成としても良い。
【0112】
未使用領域3は、遊技プログラム及び非遊技プログラムのいずれも使用しない領域であり、予め定められた容量の遊技RAM領域に対して余剰となった領域である。
【0113】
また、未使用領域4は、遊技プログラム及び非遊技プログラムのいずれも使用しない16バイト以上の領域である。遊技RAM領域と、非遊技RAM領域とが、未使用領域4を挟んで連続しない領域に割り当てられているため、遊技の進行に係わる遊技プログラムが用いる遊技RAM領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが用いる非遊技RAM領域と、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
【0114】
以下では、遊技プログラム領域、遊技データ領域及び遊技RAM領域をまとめて遊技領域と称す場合があり、非遊技プログラム領域、非遊技データ領域及び非遊技RAM領域をまとめて非遊技領域と称す場合がある。また、未使用領域1及び未使用領域2、未使用領域3及び未使用領域4をまとめて未使用領域と称す場合がある。
【0115】
[プログラムが用いる命令について]
メイン制御部41が実行するプログラムは、プログラム全体の進行を管理するメインルーチンと、他のプログラムの実行中に呼び出されるサブルーチンとを含む。
【0116】
また、メイン制御部41にプログラム/データ領域に格納されたプログラムを呼び出して実行させる呼出命令として、CALL命令、CALLV命令、RST命令等を含む。
【0117】
CALL命令は、メインルーチンまたはサブルーチンにおいて指定されたアドレスに格納されたサブルーチンを呼び出して実行させる命令である。メイン制御部41は、CALL命令によりサブルーチンを呼び出す場合には、呼び出し元のアドレスをスタック領域に格納し、指定されたアドレスに格納されたサブルーチンを呼び出して実行する。そして、当該サブルーチンの終了後、スタック領域に格納されている呼び出し元のアドレス、すなわちCALL命令を実行した呼び出し元のメインルーチンまたはサブルーチンのプログラムに復帰する。
【0118】
また、CALL命令は、通常のCALL命令と、特殊なCALL命令であるCALLV命令と、を含む。通常のCALL命令は、上位アドレス及び下位アドレスの双方を指定して指定された上位アドレス及び下位アドレスによりアドレスを特定してサブルーチンを呼び出す命令であるのに対して、CALLV命令は、下位アドレスのみを指定することで、ROM41bのベクタテーブル領域に予め設定された上位アドレス及び指定された下位アドレスによりアドレスを特定してサブルーチンを呼び出す命令であり、通常のCALL命令に比較して少ないデータ量でサブルーチンを呼び出すことが可能となる。
【0119】
RST命令は、予め定められた複数の特定アドレスに対応する値を指定することで、指定された値に対応する特定アドレスに格納されたサブルーチンを呼び出して実行させる命令であり、上記した通常のCALL命令やCALLV命令に比較して少ないデータ量でサブルーチンを呼び出すことが可能となる。メイン制御部41は、RST命令によりサブルーチンを呼び出す場合には、呼び出し元のアドレスをスタック領域に格納し、指定された値に対応する特定アドレスに格納されたサブルーチンを呼び出して実行する。そして、当該サブルーチンの終了後、スタック領域に格納されている呼び出し元のアドレス、すなわちRST命令を実行した呼び出し元のメインルーチンまたはサブルーチンに復帰する。
【0120】
ジャンプ命令は、メインルーチンまたはサブルーチンにおいて指定されたアドレスに格納されたプログラムに移動する命令である。メイン制御部41は、ジャンプ命令により指定されたアドレスに格納されたプログラムに移動し、移動先のプログラムを実行する。この場合には、CALL命令やRST命令と異なり、移動後のプログラムが終了しても移動元のプログラムに復帰することはない。
【0121】
ROM41bに格納された遊技プログラムのうち特に使用頻度の高いサブルーチンは、ROM41bの遊技プログラム領域のうち先頭アドレスが特定値(例えば00H)となる領域に格納されている。一方、ROM41bのベクタテーブル領域には、CALLV命令で呼び出すサブルーチンの上位アドレスとして特定値が設定されている。そして、メイン制御部41は、先頭アドレスの上位アドレスが特定値となるサブルーチンを呼び出すときに、CALLV命令を用いて下位アドレスのみ指定することで、上位アドレスとしてベクタテーブル領域に設定された特定値を特定し、下位アドレスとして指定された下位アドレスを特定し、上位及び下位を合わせたアドレスに格納されたサブルーチンを呼び出して実行する。このため、遊技プログラムのうち特に使用頻度の高いサブルーチンを呼び出す際に用いるアドレスの一部を構成する上位アドレスが特定値として予めベクタテーブルに設定されており、ベクタテーブルに設定された特定値に基づいてアドレスが特定されるため、上位アドレス及び下位アドレスの双方を指定してプログラムを呼び出す通常のCALL命令に比較して少ないデータ量にてサブルーチンを呼び出すことが可能となり、これらのサブルーチンを呼び出す際にアドレスを指定するためのプログラムの無駄を削減することができる。
【0122】
本実施例では、CALLV命令により用いられるROM41bのベクタテーブル領域、及びRST命令により用いられるROM41bの特定アドレスの領域には、遊技プログラムのサブルーチンの先頭が格納されており、CALLV命令及びRST命令では通常のCALL命令に比較して少ないデータ量でサブルーチンを呼び出すことが可能であるため、遊技プログラムにおいてCALLV命令やRST命令を用いることで、当該遊技プログラムのデータ容量を削減することができるようになっている。また、ROM41bのベクタテーブル領域及び特定アドレスの領域には、遊技プログラムのサブルーチンの先頭が格納されており、非遊技プログラムの先頭が格納されないようになっており、CALLV命令及びRST命令により非遊技プログラムが呼び出されるようになってしまい、遊技プログラムのデータ容量の削減を阻害することがないようになっている。
【0123】
尚、ROM41bに格納された非遊技プログラムのうち特に使用頻度の高いサブルーチンを、ROM41bの非遊技プログラム領域のうち先頭アドレスが特定値となる領域に格納するとともに、ROM41bのベクタテーブル領域に、CALLV命令で呼び出すサブルーチンの上位アドレスとして特定値を設定し、メイン制御部41が先頭アドレスの上位アドレスが特定値となるサブルーチンを呼び出すときに、CALLV命令を用いて下位アドレスのみ指定することで、これらのサブルーチンを呼び出して実行する構成とした場合でも、上位アドレス及び下位アドレスの双方を指定してプログラムを呼び出す通常のCALL命令に比較して少ないデータ量にてサブルーチンを呼び出すことが可能となり、これらのサブルーチンを呼び出す際にアドレスを指定するためのプログラムの無駄を削減することができる。
【0124】
また、CALLV命令で呼び出す際に用いる上位アドレスを、ベクタテーブル領域ではなく、メイン制御部41の特定のレジスタに設定する構成としても良い。
【0125】
また、CALLV命令に限らず、アドレスの一部が、ベクタテーブル領域に格納された値、特定のレジスタに設定された値等を用いて特定され、アドレスの残りの部分を指定することで、サブルーチンの格納アドレスが特定可能となる特殊なCALL命令を用いる構成であれば、サブルーチンを呼び出す際にアドレスを指定するためのプログラムの無駄を削減することができる。また、ベクタテーブル領域を構成する複数の領域に、それぞれアドレスよりもデータ量の小さい識別値を割り当て、これら複数の領域にそれぞれサブルーチンの格納アドレスを設定するとともに、識別値を指定することで、識別値に対応する領域に格納されたサブルーチンの格納アドレスを特定可能となる特殊なCALL命令を用いる構成であっても、サブルーチンを呼び出す際にアドレスを指定するためのプログラムの無駄を削減することができる。
【0126】
メイン制御部41は、システムリセット信号の入力によるシステムリセット、WDT(ウォッチドックタイマ、図示略)によるWDTリセット、前述のイリーガルアクセスリセットが発生することで起動することとなるが、この際、ベクタテーブル領域に設定された値、すなわちCALLV命令のサブルーチンの上位アドレス及びタイマ割込み処理(メイン)の先頭アドレスが、プログラム領域のうちプログラム等が実際に格納された領域を示す値であるか、またはFFFFH(未使用のベクタテーブル領域に設定される値)であるか、を判定し、ベクタテーブル領域に設定された値がプログラムの設定される領域外を示す値でもなく、FFFFHでもない場合には、起動しないようになっており、割込の発生等により本来意図していない処理が実行されてしまうことを事前に防止できる。
【0127】
メイン制御部41にプログラム/データ領域に格納されたデータを読み出させる読出命令としてLD命令を含む。LD命令は、メインルーチンまたはサブルーチンにおいて指定されたアドレスに格納されたデータを指定されたレジスタに読み出す命令である。メイン制御部41は、LD命令により指定されたアドレスに格納されたデータを読み出し、LD命令により指定されたレジスタに読み出したデータを格納する。
【0128】
また、LD命令は、通常のLD命令と、特殊なLD命令であるLDQ命令と、を含む。通常のLD命令は、上位アドレス及び下位アドレスの双方を指定して指定された上位アドレス及び下位アドレスによりROM41bまたはRAM41cの特定領域に格納されているデータを読み出す命令であるのに対して、LDQ命令は、下位アドレスのみを指定することで、前述のRAM41cの内部機能レジスタ領域における特別なレジスタ(Qレジスタ)に予め設定された上位アドレス及び指定された下位アドレスによりアドレスを特定してROM41bまたはRAM41cの特定領域に格納されているデータを読み出して指定されたレジスタに読み出したデータを格納する命令であり、通常のLD命令に比較して少ないデータ量で所定のデータを所定のレジスタに格納することが可能となる。
【0129】
メインルーチンまたはサブルーチンにおいてROM41b、RAM41cの特定領域に格納されているデータを読み出す場合に、特殊なLD命令であるLDQ命令を用いることで、特定領域を示す全てのアドレス(上位部分及び下位部分)を指定するのではなく、アドレスの下位部分のみを指定して特定領域のデータを読み出すことが可能である。LDQ命令を用いることで、上位アドレス及び下位アドレスの双方を指定してデータを読み出す通常のLD命令に比較して少ないデータ量にてデータを読み出すことが可能となり、データを読み出す際にアドレスを指定するためのプログラムの無駄を削減することができる。
【0130】
また、RAM41cの遊技RAM領域に格納された遊技データのうち特に使用頻度の高い遊技データを、遊技RAM領域のうち先頭アドレスが特定値となる領域に格納するとともに、当該特定値を特別なレジスタ(Qレジスタ)に遊技データの上位アドレスとして設定し、当該遊技データをメイン制御部41が読み出すときに、LDQ命令を用いて下位アドレスのみ指定することで、遊技データを読み出す構成とした場合に、上位アドレス及び下位アドレスの双方を指定してデータを読み出す通常のLD命令に比較して少ないデータ量にて遊技データを読み出すことが可能となり、これらの遊技データを読み出す際にアドレスを指定するためのプログラムの無駄を削減することができる。
【0131】
また、メイン制御部41は、特別なレジスタ(Qレジスタ)に設定する値を、メインルーチンまたはサブルーチンにおいて変更することが可能であり、後述するように起動時において行う初期設定処理での内蔵レジスタの設定において、特別なレジスタ(Qレジスタ)に、特に遊技プログラムによる使用頻度の高い遊技データの先頭アドレスを示す特定値を設定するようになっている。また、遊技プログラムから非遊技プログラムを呼び出す際には、特別なレジスタ(Qレジスタ)に設定する値を退避し、遊技プログラムに復帰した際に、特別なレジスタ(Qレジスタ)に設定する値を退避していた値に再び設定するようになっている。これらにより、遊技プログラムが実行されているときには、遊技プログラムによる使用頻度の高い遊技データの先頭アドレスを示す特定値が特別なレジスタ(Qレジスタ)に設定されるようになっており、遊技プログラムは、LDQ命令を用いて使用頻度の高い遊技データを読み出すことができるようになっている。
【0132】
尚、特殊なLD命令としてLDQ命令で読み出す際に用いる上位アドレスを、特別なレジスタ(例えば、Qレジスタ)以外の所定の記憶領域、例えば、ベクタテーブル領域に設定する構成としても良く、ベクタテーブル領域などの所定の記憶領域に格納された値を用いてアドレスの一部が特定され、アドレスの残りの部分をプログラムにより指定することで、データの格納アドレスが特定可能となる特殊なLD命令を用いる構成であれば、データを読み出す際にアドレスを指定するためのプログラムの無駄を削減することができる。また、例えば、ベクタテーブル領域を構成する複数の領域に、それぞれアドレスよりもデータ量の小さい識別値を割り当て、これら複数の領域にそれぞれデータの格納アドレスを設定するとともに、識別値を指定することで、識別値に対応する領域に格納されたデータの格納アドレスを特定可能となる特殊なLD命令を用いる構成であっても、データを読み出す際にアドレスを指定するためのプログラムの無駄を削減することができる。
【0133】
また、本実施例では、Qレジスタに特定値として、特定プログラムにおいて用いられる値と同一の値を記憶させる構成であるが、特定プログラムにおいて用いられる値と異なる値を記憶させる構成としても良い。例えば、非特プログラムが呼び出される際に、Qレジスタに特定値として特定プログラムにおいて用いられる値と異なる値であって、非遊技プログラムにおける使用頻度の高いデータの記憶されている記憶領域の先頭アドレスの値を記憶させ、非特定プログラムにおいてデータを呼び出す際にLDQ命令を用いることで、非特定プログラムのデータ容量を削減することができる。
【0134】
遊技プログラムとは、遊技の進行に係わるプログラムであり、当該プログラムに基づく処理を実行しないと、遊技の進行に支障をきたす処理を実行するためのプログラムである。一方、非遊技プログラムとは、遊技の進行に係わらないプログラムであり、遊技プログラムから呼び出されて当該プログラムに基づく処理が実行されずに遊技プログラムに復帰した場合でも、ゲームを進行させることが可能な処理を実行するためのプログラムである。
【0135】
遊技プログラムでは、前述のCALL命令やLD命令について、特殊なCALL命令であるCALLV命令、RST命令、特殊なLD命令であるLDQ命令を含むいずれの命令も使用されることがあり、特殊なCALL命令を用いてアドレスを特定してサブルーチンを呼び出すことも、特殊なLD命令を用いてROM41b、RAM41cにおける特定の遊技データ、非遊技データを読み出すことも可能になっている。
【0136】
非遊技プログラムでは、前述のCALL命令について、通常のCALL命令が使用される一方、特殊なCALL命令であるCALLV命令が使用されないようになっており、通常のCALL命令を用いてアドレスを特定してサブルーチンを呼び出すことがある一方で、特殊なCALL命令を用いてサブルーチンを呼び出すことがなく、非遊技プログラムによりROM41bにおける遊技プログラム領域にアクセスされてしまうことがないようになっている。
【0137】
また、非遊技プログラムでは、前述のLD命令について、通常のLD命令、特殊なLD命令であるLDQ命令も使用されることがあり、通常のLD命令を用いてアドレスを特定して所定のデータを読み出すことも、特殊なLD命令を用いてサブルーチンやデータを読み出すことも可能となっている。
【0138】
このように、本実施例では、特殊なCALL命令であるCALLV命令やRST命令により用いられるROM41bのベクタテーブル領域及び特定アドレスの領域には、遊技プログラムのサブルーチンの先頭が格納されており、これらの特殊なCALL命令を用いることで遊技プログラムを呼び出すことが可能になっている。このように特殊なCALL命令により遊技プログラムのみを呼び出すことが可能な場合には、非遊技プログラムにより特殊なCALL命令が用いられることで、非遊技プログラムにより遊技プログラムが呼び出されてしまい、意図しない遊技の進行が行われたり、意図しない遊技プログラムにより遊技データが書き換えられたりしてしまう虞がある。これに対して、非遊技プログラムにより特殊なCALL命令によらず通常CALL命令によりプログラムを呼び出すことで、ベクタテーブル領域及び特定アドレスの領域を用いないことにより、意図せず遊技プログラムが呼び出されて遊技の進行が行われることを防止できるようになっている。
【0139】
また、本実施例では、特殊なLD命令であるLDQ命令は、特別なレジスタ(Qレジスタ)に記憶されている特定値を用いて遊技RAM領域を特定して、所定の遊技データを読み出すことが可能になっており、非特定プログラムでも特殊なLD命令を使用することで、非特定プログラムのデータ容量を削減しつつ、遊技データを容易に読み出すことができるようになっている。
【0140】
尚、特殊なLD命令であるLDQ命令は、特別なレジスタ(Qレジスタ)に記憶されている特定値を用いて遊技RAM領域を特定して、所定の遊技データを読み出すことが可能になっているが、特殊なLD命令により遊技データを読み出す際に、特別なレジスタ(Qレジスタ)の特定値が破損している場合には、遊技RAM領域を正常に特定することができず、意図しないデータが読み出されてしまう虞がある。これに対して、非遊技プログラムにより特殊なLD命令であるLDQ命令によらず通常のLD命令によりデータを読み出すようにすることで、遊技プログラムから非遊技プログラムに切り替わったときに特定値が破損した場合でも、非遊技プログラムから遊技RAM領域を特定してデータが読み出されるので、意図しないデータが読み出されることを防止できる。
【0141】
本実施例では、メイン制御部41が実行可能な命令として、メイン制御部41の備えるレジスタの値を、スタックポインタSPが示すRAM41cのスタック領域に所定の順序で記憶させることで退避させる退避命令と、当該退避命令によりRAM41cのスタック領域に退避させていたレジスタの値を、退避させるときと逆の順序で当該スタック領域から順次読み出して、当該順序に対応するレジスタに設定することで、該当するレジスタの状態を退避命令により退避させたときの状態に復帰させる復帰命令と、を含む。
【0142】
退避命令は、メイン制御部41が備えるすべてのレジスタの値をRAM41cのスタック領域に退避させる第1退避命令(PUSH ALL)と、メイン制御部41が備えるすべてのレジスタのうち、演算結果が格納されるフラグレジスタの値をRAM41cのスタック領域に退避させる第2退避命令(PUSH AF)と、を含む。第1退避命令は、2バイトのプログラム容量を必要とする命令であり、第2退避命令は、1バイトのプログラム容量を必要とする命令である。遊技プログラムにおいて退避命令を実行することで、遊技プログラム用に設定されているスタックポインタSPが示す遊技スタック領域にレジスタの値を退避させることが可能であり、非遊技プログラムにおいて退避命令を実行することで、非遊技プログラム用に設定されているスタックポインタSPが示す非遊技スタック領域にレジスタの値を退避させることが可能である。
【0143】
復帰命令は、メイン制御部41が備えるすべてのレジスタについて、RAM41cのスタック領域に退避されている値を設定して復帰させる第1復帰命令(POP ALL)と、メイン制御部41が備えるすべてのレジスタのうち、演算結果が格納されるフラグレジスタについて、RAM41cのスタック領域に退避されている値を設定して復帰させる第2復帰命令(POP AF)と、を含む。第1復帰命令は、2バイトのプログラム容量を必要とする命令であり、第2復帰命令は、1バイトのプログラム容量を必要とする命令である。遊技プログラムにおいて復帰命令を実行することで、遊技プログラム用に設定されているスタックポインタSPが示す遊技スタック領域から退避されていたレジスタの値を呼び出して、該当するレジスタに設定して復帰させることが可能であり、非遊技プログラムにおいて復帰命令を実行することで、非遊技プログラム用に設定されているスタックポインタSPが示す非遊技スタック領域から退避されていたレジスタの値を呼び出して、該当するレジスタに設定して復帰させることが可能である。
【0144】
[遊技領域と非遊技領域の関係について]
メイン制御部41のメインCPU41aは、
図6に示すように、遊技プログラムに基づく処理において非遊技プログラムを呼び出して非遊技プログラムに基づく処理を実行し、非遊技プログラムに基づく処理の終了後、遊技プログラムに基づく処理に復帰する。
【0145】
図6に示すように、メインCPU41aは、原則として遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技データ領域の遊技データを参照して遊技プログラムに基づく処理を実行するとともに、遊技RAM領域をワークとして使用し、遊技RAM領域の内容を参照及び更新することが可能である。また、メインCPU41aは、原則として非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技データ領域の遊技データを参照して非遊技プログラムに基づく処理を実行するとともに、非遊技RAM領域をワークとして使用し、非遊技RAM領域の内容を参照及び更新することが可能である。
【0146】
また、メインCPU41aは、遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技データ領域を参照することはなく、非遊技RAM領域を更新することはないが、非遊技RAM領域を参照することは可能であり、非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技データ領域を参照することはなく、遊技RAM領域を更新することはないが、遊技RAM領域を参照することは可能である。
【0147】
また、遊技プログラムに基づく処理は、非遊技RAM領域のうち遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、異常の検知を示すエラーフラグの設定領域等)のみ参照可能とされており、非遊技プログラムに基づく処理は、遊技RAM領域のうち非遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、内部当選フラグの設定領域、遊技状態の設定領域、RTの設定領域等)のみ参照可能とされている。また、非遊技RAM領域のうち遊技プログラムに基づく処理が参照可能な特定の領域、遊技RAM領域のうち非遊技プログラムに基づく処理が参照可能な特定の領域は、連続するアドレス領域に割り当てられることが好ましいが、一部または全部が連続しないアドレス領域に割り当てられる構成であっても良い。
【0148】
このように本実施例では、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムが参照する遊技データが読み出し可能に記憶される遊技データ領域と、遊技プログラムが参照するワークデータが読み出し及び書き込み可能に記憶される遊技RAM領域と、遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、非遊技プログラムが参照する非遊技データが読み出し可能に記憶される非遊技データ領域と、非遊技プログラムが参照するワークデータが読み出し及び書き込み可能に記憶される非遊技RAM領域と、がそれぞれ別個に割り当てられているため、遊技プログラム、遊技データ及び遊技プログラムのワークデータと、非遊技プログラム、非遊技データ及び非遊技プログラムのワークデータと、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
【0149】
また、遊技プログラム領域及び遊技データ領域と、非遊技プログラム領域及び非遊技データ領域と、を分けることで、それぞれの機能に応じてROM41bに占める領域をコンパクトに管理することができるため、各領域において該当するデータを特定することがさらに容易となる。
【0150】
また、本実施例では、遊技プログラムを実行する際に、非遊技RAM領域を参照することが可能であり、非遊技プログラムを実行する際に、遊技RAM領域を参照することが可能であるため、遊技プログラムを実行するにあたり、非遊技プログラムが使用していたデータを簡単に利用することができ、非遊技プログラムを実行するにあたり、遊技プログラムが使用していたデータを簡単に利用することができる。一方で、遊技プログラムを実行する際に、非遊技RAM領域を更新することは不可能であり、非遊技プログラムを実行する際に、遊技RAM領域を更新することは不可能であるため、遊技プログラムが非遊技プログラムの処理に影響を及ぼすことなく、非遊技プログラムが遊技プログラムの処理に影響を及ぼすことがない。
【0151】
また、本実施例では、遊技プログラムに基づく処理は、非遊技RAM領域のうち遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、異常の検知を示すエラーフラグの設定領域等)のみ参照可能とされており、非遊技プログラムに基づく処理は、遊技RAM領域のうち非遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、内部当選フラグの設定領域、遊技状態の設定領域、RTの設定領域等)のみ参照可能とされているので、遊技プログラムが非遊技RAM領域において参照可能なデータ、非遊技プログラムが参照可能なデータが特定の領域に制限されているため、遊技プログラムまたは非遊技プログラムの参照先を容易に特定することができる。
【0152】
[遊技状態について]
メイン制御部41は、
図7に示すように、遊技状態としてRT0(非内部中)、RT1(BB1の内部中)、RT2(BB2の内部中)、特別状態(BB1、BB2)のいずれかに制御することが可能である。遊技状態は、内部抽選により抽選対象となる再遊技役の種類及び内部抽選により再遊技役が当選する確率が共通である状態である。遊技状態(RT0、RT1、RT2、BB1、BB2)毎に再遊技役の当選する確率が異なるが、同一の遊技状態中では、再遊技役の当選する確率は、一律である。
【0153】
RT0(非内部中)は、特別役(BB1、BB2)の当選が持ち越されていない状態である。スロットマシン1の工場出荷時の状態や、遊技状態に関するデータが記憶されるRAM41cの所定領域が初期化された状態で、スロットマシン1が起動された場合に、先ず、非内部中に制御される。また、特別状態(BB1、BB2)が終了されることでRT0に制御される。そして、RT0は、当該RT0のゲームにおいて内部抽選にて特別役が当選し、かつ当該特別役が取りこぼされて、RT1(BB1の内部中)またはRT2(BB2の内部中)に移行されることで終了される。また、内部抽選にて特別役が当選したゲームにおいて、当該特別役が入賞し、特別状態(BB1、BB2)に移行されることでも終了される。
【0154】
また、RT0(非内部中)では、規定数として2枚または3枚の賭数を設定してゲームを行うことが可能である。規定数として2枚の賭数が設定されたゲームでは、特別役としてBB1が当選し得る一方、規定数として3枚の賭数が設定されたゲームでは、特別役としてBB2が当選し得るようになっている。RT0(非内部中)において2枚の賭数でゲームを行うことでRT1(BB1の内部中)へ移行させることが可能である一方、RT0において3枚の賭数でゲームを行うことでRT2(BB2の内部中)へ移行させることが可能である。
【0155】
尚、特別役(BB1、BB2)の当選状況に関するデータが記憶されるRAM41cの所定領域は、前述の設定変更状態に移行した場合に初期化されることがなく、設定変更状態の終了後においては、当該設定変更状態の開始前の当選状況が引き継がれる。すなわち設定変更状態の開始前にRT0(非内部中)に制御されていた場合には、設定変更状態の終了後も引き続きRT0に制御され、設定変更状態の開始前にRT1またはRT2(非内部中)に制御されていた場合には、設定変更状態の終了後も引き続き設定変更状態の開始前と同じRT1またはRT2に制御されるようになっている。
【0156】
また、RT0(非内部中)では、所定期間内のゲームにおいて、遊技者にとって有利となる操作態様でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されることで、当該期間中における一ゲーム当たりのメダルの払出率が100%を超える一方、遊技者にとって有利となる操作態様でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されないことで、当該期間中における一ゲーム当たりのメダルの払出率が100%を超えないようになっている。後述するように、RT0では、遊技者にとって有利となる操作態様が報知されないことで、一ゲーム当たりのメダルの払出率が100%を超えないようになっている。
【0157】
RT1(BB1の内部中)は、特別役(BB1)の当選が持ち越されている状態である。RT0(非内部中)における内部抽選にて特別役(BB1)が当選することで開始され、持ち越されているBB1が入賞することで終了される。
【0158】
RT1(BB1の内部中)では、規定数として3枚の賭数が設定されるゲームにおいては、後述の区間状態を遊技者にとって有利となる有利区間へ移行させることが可能である一方、規定数として2枚の賭数が設定されるゲームにおいては、有利区間へ移行させることがない。そして、有利区間では、ATの制御が行われて遊技者にとって有利となる操作態様が報知され得るようになっている。これにより、RT1では、遊技者により規定数として3枚の賭数が設定されてゲームが行われるように促すようになっている。
【0159】
また、RT1(BB1の内部中)では、所定期間内のゲームにおいて、遊技者にとって有利となる操作態様でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されることで、当該期間中における一ゲーム当たりのメダルの払出率が100%を超える一方、遊技者にとって有利となる操作態様でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されないことで、当該期間中における一ゲーム当たりのメダルの払出率が100%を超えないようになっており、遊技者にとって有利となる操作態様が報知される期間では、一ゲーム当たりのメダルの払出率が100%を超える一方で、遊技者にとって有利となる操作態様が報知されない期間では、一遊技当たりのメダルの払出率が100%を超えないようになっている。また、RT1(BB1の内部中)では、小役が内部抽選で当選する確率は、RT0(非内部中)の確率と同一である一方で、所定の再遊技役(本実施例では、再遊技役)が内部抽選で当選する確率は、RT0に比較して高く設定されており、RT1は、RT0に比較して有利な状態になっている。
【0160】
また、前述のように特別役(BB1)は、当該特別役の当選契機となったゲームでの規定数と同じ規定数の賭数(2枚)が設定されているゲームでは入賞し得る一方、当該特別役の当選契機となったゲームでの規定数と異なる規定数の賭数(3枚)が設定されているゲームでは入賞することがないようになっており、一度RT1へ移行されると、規定数として3枚の賭数が設定されてゲームが行われることで、特別役(BB1)が入賞することがなく、当該RT1が継続されるようになっている。また、後述するようにRT1において規定数として2枚の賭数が設定されるゲームでは、内部抽選にていずれの役も当選せずに不当選となる確率が0となっており、当選しているBB1を入賞させることが困難になっている。これにより、本実施例のスロットマシン1では、ゲームの大半においてRT1(BB1の内部中)に制御されることとなるので、RT1に制御されていることを前提とし、設定値(本実施例では、1~6)に応じたメダルの払出率が各設定値に応じて定められた値となるように、RT1においてATに制御するか否か、例えば、ATに制御するか否かを決定するAT抽選の当選確率等を設定することにより、設定値に応じたメダルの払出率が設定されるようになっている。RT1(BB1の内部中)においてメダルの払出率が適正となるように設計されている。
【0161】
また、RT1(BB1の内部中)に制御されていることを前提として設定値に応じたメダルの払出率が設定されることから、RT1以外の遊技状態に制御された場合には、メダルの払出率が設計通りの払出率と乖離してしまう可能性があり、極力RT1に制御されることが好ましい。このため、本実施例では、RT1(BB1の内部中)以外の遊技状態(RT0、RT2、BB1、BB2)においてRT1に移行しやすいように、遊技者に対して推奨する推奨操作態様と、特別役(BB1)を入賞させる操作態様と、が異なる。すなわちRT1において遊技者が推奨操作態様で停止操作を行っている限りは、特別役(BB1)が入賞しないようになっている。
【0162】
RT2(BB2の内部中)は、特別役(BB2)の当選が持ち越されている状態である。RT0(非内部中)における内部抽選にて特別役(BB2)が当選することで開始され、持ち越されているBB2が入賞することで終了される。
【0163】
前述のように特別役(BB2)は、当該特別役の当選契機となったゲームでの規定数と同じ規定数の賭数(3枚)が設定されているゲームでは入賞し得る一方、当該特別役の当選契機となったゲームでの規定数と異なる規定数の賭数(2枚)が設定されているゲームでは入賞することがないようになっており、RT2では、規定数として3枚の賭数を設定してゲームを行うことで、当選しているBB2を入賞させて、特別状態(BB2)へ移行させることが可能である。
【0164】
RT2(BB2の内部中)では、規定数として2枚及び3枚のいずれの賭数が設定されるゲームにおいても、区間状態を有利区間へ移行させることがないようになっており、RT2を終了させてRT1へ移行させるように促すようになっている。これにより、前述のようにスロットマシン1における設定値が設定される前提となるRT1以外の遊技状態においてゲームが極力行われることがなく、メダルの払出率が設計通りの払出率となるようになっている。
【0165】
また、RT2(BB2の内部中)では、規定数として3枚の賭数が設定されるゲームにおいて、当選しているBB2を入賞させることが可能であり、RT2を終了させて、BB2及びRT0を経てRT1へ移行させることで、メダルの払出率が設計通りの払出率となる遊技状態に制御させることが可能となっている。
【0166】
特別状態には、特別役BB1の入賞に伴い制御されるBB1と、特別役BB2の入賞に伴い制御されるBB2が含まれる。特別状態(BB1、BB2)は、予め定められた所定の終了条件(本実施例では、メダルの総払出枚数が規定枚数(例えば、50枚)を超えること)が成立するまで、RBに連続して制御される遊技状態である。RBとは、内部抽選での小役の当選確率が高まることによって他の遊技状態(非内部中(RT0)、内部中(RT1、RT2))よりも遊技者にとって有利となる遊技状態であり、RB中に予め定められた所定ゲーム数を消化したとき、または予め定められた種類の役(種類は、いずれでも可)が所定回数入賞したとき、のいずれか早いほうで終了する遊技状態である。BB1中及びBB2中において制御されるRBでは、内部抽選にて特別役及び再遊技役が抽選対象外とされることで、小役の当選確率が、BB1及びBB2に制御されていない状態よりも高い高確率(1/1.0)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率が100%を超えるようになっている。
【0167】
特別状態BB1は、RT0(非内部中)の内部抽選にて特別役BB1が当選したゲームにて当該BB1入賞すること、または、RT1(BB1の内部中)においてBB1が入賞することにより開始され、所定の終了条件の成立(例えば、特別状態中のメダルの総払出枚数が所定枚数(例えば、50枚)を超えること等)により終了される。また、特別状態BB2は、RT0(非内部中)の内部抽選にて特別役BB2が当選したゲームにて当該BB2入賞すること、または、RT2(BB2の内部中)においてBB2が入賞することにより開始され、所定の終了条件の成立(例えば、特別状態中のメダルの総払出枚数が所定枚数(例えば、50枚)を超えること等、BB1の終了条件と同じ条件であっても良いし、異なる条件であっても良い)により終了される。特別状態BB1、BB2の終了後は、いずれもRT0(非内部中)に移行される。
【0168】
本実施例では、特別状態(BB1、BB2)は、RBに連続して制御される遊技状態であるが、特別状態は、内部抽選にてRBの当選確率が高まるBB中一般遊技と、RBが当選して、当該RBの図柄組合せがリール2L、2C、2Rに停止されることで移行されるRBとにより構成され、特別状態中では、BB中一般遊技とRBのいずれかに制御される構成でも良い。
【0169】
本実施例のスロットマシン1は、前述のようにゲームの大半においてRT1(BB1の内部中)に制御されることとなるので、RT1に制御されていることを前提とし、設定値(本実施例では、1~6)に応じたメダルの払出率が各設定値に応じて定められた値となるように、RT1においてATに制御するか否か、例えば、ATに制御するか否かを決定するAT抽選の当選確率等を設定することにより、設定値に応じたメダルの払出率が設定されるようになっている。RT1(BB1の内部中)においてメダルの払出率が適正となるように設計されている。そして、メダルの払出率が適正となるRT1に制御されているときには、状態表示LED17が点灯状態に制御されるようになっている。これにより、状態表示LED17の点灯状態を確認することで、スロットマシン1がメダルの払出率の適正となる状態であることを確認できるようになっている。
【0170】
本実施例のメイン制御部41が備える状態表示LED17は、RAM41cの所定領域に設定されている状態表示LED17の出力バッファに初期値(0)とは異なる所定値(1)が設定されていることで、タイマ割込み処理のLEDダイナミック表示処理により点灯状態に制御されるようになっている。
【0171】
メイン制御部41は、後述のメイン処理に含まれ内部抽選を行う内部抽選処理にて特別役(BB1)が当選したと判定したときに、状態表示LED17の出力バッファに所定値(1)を設定することで、特別役(BB1)が当選したゲームの開始時に状態表示LED17を点灯状態に制御する。そして、当選している特別役(BB1)が入賞したときに、状態表示LED17の出力バッファを初期化して初期値(0)を設定することで、特別役(BB1)が入賞するゲームの終了時に状態表示LED17を消灯状態に制御する。ゲームの終了時に特別役(BB1)が入賞せず、当選が持ち越される場合には、状態表示LED17の出力バッファを初期化せずに、所定値(1)が設定されている状態を維持することで、特別役(BB1)の当選が持ち越されている状態(RT1)では、状態表示LED17を常に点灯状態に維持するようになっている。
【0172】
また、メイン制御部41は、内部抽選にて特別役(BB2)が当選したとき、当該特別役(BB2)の当選が持ち越されているときには、状態表示LED17の出力バッファに所定値(1)を設定することがなく、初期値(0)が設定されている状態を維持して、状態表示LED17を消灯状態に制御するようになっている。
【0173】
また、メイン制御部41は、スロットマシン1において現在設定されている設定値を確認可能な設定確認状態に制御するときには、当該設定確認状態へ移行される前の状態のまま状態表示LED17の出力バッファを維持するようになっており、状態表示LED17の出力バッファに所定値(1)が設定されている場合には、設定確認状態に制御される期間中においても、状態表示LED17が点灯状態に維持されるようになっている。
【0174】
また、状態表示LED17の出力バッファ及び遊技状態に関する情報は、設定変更状態に移行された場合や、有利区間が終了される場合等において初期化されるRAM41cの所定領域に含まれないようになっており、設定変更状態に移行された場合や有利区間が終了される場合等に、遊技状態がRT1に制御されており、状態表示LED17の出力バッファに所定値(1)が設定され状態表示LED17が点灯状態に制御されていた場合には、設定変更状態に移行された後や有利区間が終了された後も、遊技状態がRT1に維持されるとともに状態表示LED17が点灯状態に維持されるようになっている。
【0175】
このように、特定の特別役(BB1)が当選して持ち越されているときには、状態表示LED17が点灯状態に制御されて状態表示が行われることにより、2枚の賭数(第2賭数)が設定されていることを条件に内部抽選の対象となる特定の特別役(BB1)の当選が持ち越されていることが報知されるようになっている。また、状態表示は、一度開始されると設定変更状態や設定確認状態に制御されても継続されるので、設定変更状態や設定確認状態に制御されている状況であっても特定の特別役(BB1)の当選が持ち越されていることを確認することができるようになっている。
【0176】
また、メイン制御部41は、内部抽選にて特定の特別役(BB1)が当選したゲームでは、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となる前に状態表示を開始させ、当該ゲームにおいて特別役(BB1)が入賞した場合には状態表示を終了させる一方、当該ゲームにおいて特別役(BB1)が入賞しなかった場合には状態表示を継続させるようになっている。これにより、内部抽選にて特定の特別役(BB1)が当選したゲームでは、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となる前に状態表示が開始されることとなるため、状態表示の有無を確認してからストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を行うことが可能となる。また、特別役(BB2)が入賞した場合にはそのゲームで状態表示を終了するので、特別役(BB2)の当選している状態が終了したことを直ちに確認することができるようになっている。
【0177】
また、区間表示LED19の出力バッファ等の有利区間に関する情報は、設定変更状態に移行された場合や、有利区間が終了される場合等において初期化されるRAM41cの所定領域に含まれる一方、状態表示LED17の出力バッファ及び遊技状態に関する情報は、設定変更状態に移行された場合や、有利区間が終了される場合等において初期化されるRAM41cの所定領域に含まれないので、設定操作を行っている状態で電力供給を開始した場合にも、初期化操作を行っている状態で電力供給を開始した場合にも、有利区間を終了させかつ区間表示を終了させることができる一方で、遊技状態RT1は維持されるので、有利区間及び区間表示を終了させる度に遊技状態をRT1とするための作業をすることを要しないようになっている。
【0178】
[内部抽選対象役について]
メイン制御部41が行う内部抽選において抽選対象となる内部抽選対象役について、
図8~
図25に基づいて説明する。
【0179】
内部抽選対象役には、複数の内部抽選対象役が含まれる。各内部抽選対象役には、1または複数の入賞役が含まれ、内部抽選にて一の内部抽選対象役が当選したときには、当該内部抽選対象役に含まれる入賞役が同時に当選したこととなる。
【0180】
図8~
図25に示すように、内部抽選対象役には、リプレイ1A、リプレイ1B、リプレイ1C、リプレイ1D、リプレイ1E、リプレイ1F、リプレイ2、チェリー1、チェリー2、チェリー3、チャンスリプレイ1、チャンスリプレイ2、スイカ、共通1枚役、共通3枚役、共通多枚役、多枚ベル123A、多枚ベル123B、多枚ベル123C、多枚ベル123D、多枚ベル132A、多枚ベル132B、多枚ベル132C、多枚ベル132D、多枚ベル213A、多枚ベル213B、多枚ベル213C、多枚ベル213D、多枚ベル231A、多枚ベル231B、多枚ベル231C、多枚ベル231D、多枚ベル312A、多枚ベル312B、多枚ベル312C、多枚ベル312D、多枚ベル321A、多枚ベル321B、多枚ベル321C、多枚ベル321D、3枚ベル123A、3枚ベル123B、3枚ベル123C、3枚ベル123D、3枚ベル132A、3枚ベル132B、3枚ベル132C、3枚ベル132D、3枚ベル213A、3枚ベル213B、3枚ベル213C、3枚ベル213D、3枚ベル231A、3枚ベル231B、3枚ベル231C、3枚ベル231D、3枚ベル312A、3枚ベル312B、3枚ベル312C、3枚ベル312D、3枚ベル321A、3枚ベル321B、3枚ベル321C、3枚ベル321D、BB1、BB2が含まれる。
【0181】
図8~
図19に示すように、内部抽選対象役のうちBB1、BB2を除く各役は、規定数として3枚の賭数が設定されるゲームでは、スロットマシン1に設定されている設定値(1~6)に関わらず、遊技状態がRT0、RT1、RT2であるときに抽選対象となる一方、遊技状態がBB1、BB2であるときには、抽選対象とならないようになっている。また、内部抽選対象役のうちBB1は、規定数として3枚の賭数が設定されるゲームでは、スロットマシン1に設定されている設定値(1~6)、及び制御されている遊技状態(RT0、RT1、RT2)に関わらず、抽選対象とならないようになっている。また、内部抽選対象役のうちBB2は、規定数として3枚の賭数が設定されるゲームでは、スロットマシン1に設定されている設定値(1~6)に関わらず、遊技状態がRT0に制御されているときには、内部抽選の抽選対象となる一方、遊技状態がRT0以外のRT1、RT2、BB1、BB2に制御されているときには、内部抽選の抽選対象とならないようになっている。また、内部抽選対象役のうちリプレイ1Bは、規定数として3枚の賭数が設定されるゲームでは、スロットマシン1に設定されている設定値(1~6)に関わらず、制御されている遊技状態(RT0、RT1、RT2)に応じて内部抽選にて当選する確率が異なるようになっている。また、規定数として3枚の賭数が設定されるゲームでは、内部抽選にていずれの内部抽選対象役も当選しない確率(不当選)は、スロットマシン1に設定されている設定値(1~6)及び遊技状態(RT0、RT1、RT2、BB1、BB2)に関わらず、0よりも大きな所定確率となるようになっている。
【0182】
図20~
図21に示すように、内部抽選対象役のうちリプレイ1B、リプレイ1C、リプレイ1D、リプレイ1E、リプレイ1F、チェリー1、チェリー2、チェリー3、チャンスリプレイ1、チャンスリプレイ2、BB1、BB2を除く各役は、規定数として2枚の賭数が設定されるゲームでは、スロットマシン1に設定されている設定値(1~6)に関わらず、遊技状態がRT0、RT1、RT2であるときに抽選対象となる一方、遊技状態がBB1、BB2であるときには、抽選対象とならないようになっている。また、内部抽選対象役のうちリプレイ1B、リプレイ1C、リプレイ1D、リプレイ1E、リプレイ1F、チェリー1、チェリー2、チェリー3、チャンスリプレイ1、チャンスリプレイ2は、規定数として2枚の賭数が設定されるゲームでは、スロットマシン1に設定されている設定値(1~6)、及び制御されている遊技状態(RT0、RT1、RT2)に関わらず、抽選対象とならないようになっている。また、内部抽選対象役のうちBB1は、規定数として2枚の賭数が設定されるゲームでは、スロットマシン1に設定されている設定値(1~6)に関わらず、遊技状態がRT0に制御されているときには、内部抽選の抽選対象となる一方、遊技状態がRT0以外のRT1、RT2、BB1、BB2に制御されているときには、内部抽選の抽選対象とならないようになっている。また、BB1は、規定数として2枚の賭数が設定されるゲームでは、スロットマシン1に設定されている設定値(1~6)、及び制御されている遊技状態(RT0、RT1、RT2)に関わらず、抽選対象とならないようになっている。また、内部抽選対象役のうちリプレイ1Aは、規定数として2枚の賭数が設定されるゲームでは、スロットマシン1に設定されている設定値(1~6)に関わらず、制御されている遊技状態が非内部中(RT0)であるか内部中(RT1、RT2)であるかに応じて内部抽選にて当選する確率が異なるようになっている。また、規定数として2枚の賭数が設定されるゲームでは、内部抽選にていずれの内部抽選対象役も当選しない確率(不当選)は、スロットマシン1に設定されている設定値(1~6)及び遊技状態(RT0、RT1、RT2、BB1、BB2)に関わらず、0となるようになっている。
【0183】
図22及び
図23に示すように、内部抽選対象役には、それぞれ所定の役番号が予め割り当てられている。リプレイ1A、リプレイ1B、リプレイ1C、リプレイ1D、リプレイ1E、リプレイ1F、リプレイ2、チェリー1、チェリー2、チェリー3、チャンスリプレイ1、チャンスリプレイ2、スイカ、共通1枚役、共通3枚役、共通多枚役の各役番号として、1~16の範囲内の値が割り振られている。また、多枚ベル123A、多枚ベル123B、多枚ベル123C、多枚ベル123D、多枚ベル132A、多枚ベル132B、多枚ベル132C、多枚ベル132D、多枚ベル213A、多枚ベル213B、多枚ベル213C、多枚ベル213D、多枚ベル231A、多枚ベル231B、多枚ベル231C、多枚ベル231D、多枚ベル312A、多枚ベル312B、多枚ベル312C、多枚ベル312D、多枚ベル321A、多枚ベル321B、多枚ベル321C、多枚ベル321Dの各役番号として、17~40の範囲内の値が割り振られている。また、3枚ベル123A、3枚ベル123B、3枚ベル123C、3枚ベル123D、3枚ベル132A、3枚ベル132B、3枚ベル132C、3枚ベル132D、3枚ベル213A、3枚ベル213B、3枚ベル213C、3枚ベル213D、3枚ベル231A、3枚ベル231B、3枚ベル231C、3枚ベル231D、3枚ベル312A、3枚ベル312B、3枚ベル312C、3枚ベル312D、3枚ベル321A、3枚ベル321B、3枚ベル321C、3枚ベル321Dの各役番号として、41~64の範囲内の値が割り振られている。BB1の役番号は、65であり、BB2の役番号は、66が割り振られている。
【0184】
内部抽選対象役のうちリプレイ1A、リプレイ1B、リプレイ1C、リプレイ1D、リプレイ1E、リプレイ1F、リプレイ2、チェリー1、チェリー2、チェリー3、チャンスリプレイ1、チャンスリプレイ2は、それぞれ入賞役として再遊技役が含まれ、これらの内部抽選対象役が当選したゲームでは、再遊技役が入賞して再遊技が付与されることとなる。以下、リプレイ1A、リプレイ1B、リプレイ1C、リプレイ1D、リプレイ1E、リプレイ1F、リプレイ2、チェリー1、チェリー2、チェリー3、チャンスリプレイ1、チャンスリプレイ2をまとめて再遊技役と呼ぶ場合がある。
【0185】
また、内部抽選対象役のうちスイカ、共通1枚役、共通3枚役、共通多枚役は、それぞれ入賞役として小役が含まれ、当選したこれらの内部抽選対象役に含まれる入賞役が入賞することで所定枚数(例えば、スイカ、共通1枚役は、1枚、共通3枚役は、3枚、共通多枚役は、8枚)のメダルが払い出される。
【0186】
また、多枚ベル123A、多枚ベル123B、多枚ベル123C、多枚ベル123D、多枚ベル132A、多枚ベル132B、多枚ベル132C、多枚ベル132D、多枚ベル213A、多枚ベル213B、多枚ベル213C、多枚ベル213D、多枚ベル231A、多枚ベル231B、多枚ベル231C、多枚ベル231D、多枚ベル312A、多枚ベル312B、多枚ベル312C、多枚ベル312D、多枚ベル321A、多枚ベル321B、多枚ベル321C、多枚ベル321Dは、各役に割り当てられた所定の操作態様(本実施例では、操作順)でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されることで、各役に含まれる入賞役のうち、賭数(3枚)よりも多い枚数(本実施例では、8枚)のメダルが払い出される増加役が入賞する一方で、対応する操作態様以外の操作態様でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されることで、当該各役に含まれる入賞役のうち、賭数以下の枚数のメダルが払い出される減少役が入賞することもあるが、いずれの入賞役も入賞しないこともある役である。このため、多枚ベル123A、多枚ベル123B、多枚ベル123C、多枚ベル123D、多枚ベル132A、多枚ベル132B、多枚ベル132C、多枚ベル132D、多枚ベル213A、多枚ベル213B、多枚ベル213C、多枚ベル213D、多枚ベル231A、多枚ベル231B、多枚ベル231C、多枚ベル231D、多枚ベル312A、多枚ベル312B、多枚ベル312C、多枚ベル312D、多枚ベル321A、多枚ベル321B、多枚ベル321C、多枚ベル321Dの当選時には、当選した役の種類に応じた操作態様でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたか否かによって払い出されるメダル枚数の期待値を変えることができるようになっている。
【0187】
以下、多枚ベル123A、多枚ベル123B、多枚ベル123C、多枚ベル123D、多枚ベル132A、多枚ベル132B、多枚ベル132C、多枚ベル132D、多枚ベル213A、多枚ベル213B、多枚ベル213C、多枚ベル213D、多枚ベル231A、多枚ベル231B、多枚ベル231C、多枚ベル231D、多枚ベル312A、多枚ベル312B、多枚ベル312C、多枚ベル312D、多枚ベル321A、多枚ベル321B、多枚ベル321C、多枚ベル321Dをまとめて多枚押し順小役と呼ぶ場合がある。
【0188】
多枚押し順小役のいずれかが当選したときに、多枚押し順小役に含まれる入賞役のうち増加役を入賞させることが可能な操作態様、すなわち遊技者にとって有利となる操作態様は、多枚ベル123A、多枚ベル123B、多枚ベル123C、多枚ベル123Dでは、左リール2Lを1番目に停止させ、中リール2Cを2番目に停止させ、右リール2Rを3番目に停止させる操作順での操作(以下、左中右停止操作と呼ぶ場合がある)であり、多枚ベル132A、多枚ベル132B、多枚ベル132C、多枚ベル132Dでは、左リール2Lを1番目に停止させ、右リール2Rを2番目に停止させ、中リール2Cを3番目に停止させる操作順での操作(以下、左右中停止操作と呼ぶ場合がある)であり、多枚ベル213A、多枚ベル213B、多枚ベル213C、多枚ベル213Dでは、中リール2Cを1番目に停止させ、左リール2Lを2番目に停止させ、右リール2Rを3番目に停止させる操作順での操作(以下、中左右停止操作と呼ぶ場合がある)であり、多枚ベル312A、多枚ベル312B、多枚ベル312C、多枚ベル312Dでは、中リール2Cを1番目に停止させ、右リール2Rを2番目に停止させ、左リール2Lを3番目に停止させる操作順での操作(以下、中右左停止操作と呼ぶ場合がある)であり、多枚ベル231A、多枚ベル231B、多枚ベル231C、多枚ベル231Dでは、右リール2Rを1番目に停止させ、左リール2Lを2番目に停止させ、中リール2Cを3番目に停止させる操作順での操作(以下、右左中停止操作と呼ぶ場合がある)であり、多枚ベル321A、多枚ベル321B、多枚ベル321C、多枚ベル321Dでは、右リール2Rを1番目に停止させ、中リール2Cを2番目に停止させ、左リール2Lを3番目に停止させる操作順での操作(以下、右中左停止操作と呼ぶ場合がある)である。
【0189】
また、3枚ベル123A、3枚ベル123B、3枚ベル123C、3枚ベル123D、3枚ベル132A、3枚ベル132B、3枚ベル132C、3枚ベル132D、3枚ベル213A、3枚ベル213B、3枚ベル213C、3枚ベル213D、3枚ベル231A、3枚ベル231B、3枚ベル231C、3枚ベル231D、3枚ベル312A、3枚ベル312B、3枚ベル312C、3枚ベル312D、3枚ベル321A、3枚ベル321B、3枚ベル321C、3枚ベル321Dは、各役に割り当てられた所定の操作態様(本実施例では、操作順)でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されることで、各役に含まれる入賞役のうち、3枚のメダルが払い出される役が入賞する一方で、対応する操作態様以外の操作態様でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されることで、当該各役に含まれる入賞役のうち、3枚未満のメダルが払い出される役が入賞することもあるが、いずれの入賞役も入賞しないこともある役である。このため、規定数として3枚が賭数に設定されているゲームでは、3枚ベル123A、3枚ベル123B、3枚ベル123C、3枚ベル123D、3枚ベル132A、3枚ベル132B、3枚ベル132C、3枚ベル132D、3枚ベル213A、3枚ベル213B、3枚ベル213C、3枚ベル213D、3枚ベル231A、3枚ベル231B、3枚ベル231C、3枚ベル231D、3枚ベル312A、3枚ベル312B、3枚ベル312C、3枚ベル312D、3枚ベル321A、3枚ベル321B、3枚ベル321C、3枚ベル321Dは、の当選時には、当選した役の種類に応じた操作態様でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたか否かによって払い出されるメダル枚数の期待値を変えることができるようになっている。
【0190】
以下、3枚ベル123A、3枚ベル123B、3枚ベル123C、3枚ベル123D、3枚ベル132A、3枚ベル132B、3枚ベル132C、3枚ベル132D、3枚ベル213A、3枚ベル213B、3枚ベル213C、3枚ベル213D、3枚ベル231A、3枚ベル231B、3枚ベル231C、3枚ベル231D、3枚ベル312A、3枚ベル312B、3枚ベル312C、3枚ベル312D、3枚ベル321A、3枚ベル321B、3枚ベル321C、3枚ベル321Dをまとめて3枚押し順小役と呼ぶ場合がある。
【0191】
規定数として3枚の賭数が設定されたゲームにおいて、3枚押し順役が当選したときには、3枚のメダルが払い出される役が入賞する操作態様でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されることにより、遊技者はメダルを減少させることなくゲームを行うことができるようになっている。
【0192】
3枚押し順小役のいずれかが当選したときに、多枚押し順小役に含まれる入賞役のうち3枚のメダルが払い出される役を入賞させることが可能な操作態様、すなわち遊技者にとって有利となる操作態様は、3枚ベル123A、3枚ベル123B、3枚ベル123C、3枚ベル123Dでは、左中右停止操作であり、3枚ベル132A、3枚ベル132B、3枚ベル132C、3枚ベル132Dでは、左右中停止操作であり、3枚ベル213A、3枚ベル213B、3枚ベル213C、3枚ベル213Dでは、中左右停止操作であり、3枚ベル312A、3枚ベル312B、3枚ベル312C、3枚ベル312Dでは、中右左停止操作であり、3枚ベル231A、3枚ベル231B、3枚ベル231C、3枚ベル231Dでは、右左中停止操作であり、3枚ベル321A、3枚ベル321B、3枚ベル321C、3枚ベル321Dでは、右中左停止操作である。
【0193】
図22及び
図23に示すように、メイン制御部41は、内部抽選にて所定の内部抽選対象役が当選したことを契機として後述の遊技区間を有利区間へ移行させることが可能である。規定数として2枚の賭数が設定されているゲームでは、内部抽選にていずれの内部抽選対象役が当選した場合でも、遊技区間を有利区間へ移行させないようになっている。また、規定数として3枚の賭数が設定されているゲームでは、内部抽選にて有利区間非移行役(本実施例では、リプレイ1A、リプレイ1B、リプレイ1C、リプレイ1D、リプレイ1E、リプレイ1F、リプレイ2)が当選した場合には、遊技区間を有利区間へ移行させない一方、内部抽選にて有利区間移行役(本実施例では、チェリー1、チェリー2、チェリー3、チャンスリプレイ1、チャンスリプレイ2、スイカ、共通1枚役、共通3枚役、共通多枚役、多枚押し順役、3枚押し順役)が当選した場合には、遊技区間を有利区間へ移行させるようになっている。
【0194】
尚、本実施例では、メイン制御部41は、内部抽選にて所定の内部抽選対象役が当選することで、遊技区間を有利区間へ移行させる構成であるが、内部抽選にて所定の内部抽選対象役が当選したことを契機として有利区間へ移行させるか否かを決定する抽選を行い、当該抽選に当選することで有利区間へ移行させる構成でも良い。
【0195】
図22及び
図23に示すように、メイン制御部41は、内部抽選にて当選した内部抽選対象役の種類を特定可能なグループ情報を含む内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信することが可能であり、グループ情報には、特別役の当選状況を特定可能な特別役情報と、一般役の当選状況を特定可能な一般役情報が含まれる。グループ情報の特別役情報は、内部抽選にて特別役(BB1、BB2)が当選していないときには、0が設定され、特別役BB1が当選しているときには、1が設定され、特別役BB2が当選しているときには、2が設定される。グループ情報の一般役情報は、内部抽選にてリプレイ1A、リプレイ1B、リプレイ1C、リプレイ1D、リプレイ1E、リプレイ1F、リプレイ2、チェリー1、チェリー2、チェリー3、チャンスリプレイ1、チャンスリプレイ2、スイカ、共通1枚役、共通3枚役、共通多枚役のいずれかが当選しているときには、当選している役の役番号が設定され、内部抽選にて多枚押し順役が当選しているときには、多枚押し順役に含まれるいずれの役が当選しているかに関わらず、共通の17が設定され、内部抽選にて3枚押し順役が当選しているときには、3枚押し順役に含まれるいずれの役が当選しているかに関わらず、共通の41が設定され、内部抽選にていずれの一般役も当選していないときには、0が設定されるようになっている。
【0196】
図22及び
図23に示すように、メイン制御部41は、内部抽選にて当選した内部抽選対象役の役番号を特定可能な試験信号をスロットマシン1に接続される試験装置に対して送信することが可能であり、試験信号には、特別役の当選状況を特定可能な特別役情報と、一般役の当選状況を特定可能な一般役情報が含まれる。特別役情報は、内部抽選にて特別役(BB1、BB2)が当選していないときには、0が設定され、特別役BB1が当選しているときには、1が設定され、特別役BB2が当選しているときには、2が設定される。一般役情報は、内部抽選にていずれかの内部抽選対象役が当選しているときには、当選している役の役番号が設定され、内部抽選にていずれの一般役も当選していないときには、0が設定されるようになっている。
【0197】
試験装置は、スロットマシン1に接続して自動的にシミュレーション試験を行うことで、当該スロットマシン1における特定ゲーム間(例えば、400ゲーム間、1600ゲーム間、6400ゲーム間、17600ゲーム間)におけるメダルの総投入枚数及び総払出枚数を集計して、各特定ゲーム間における払出率を算出し、当該払出率が予め定められた規定値の範囲内に収まるか否か等を検査することが可能な装置である。
【0198】
図24及び
図25に示すように、メイン制御部41は、ATの制御を行ってナビ報知を行うことが可能であり、規定数として2枚の賭数が設定されるゲームでは、後述のようにナビ報知に関わる処理を行わないことでナビ報を実行しない一方、規定数として3枚の賭数が設定されるゲームでは、後述のように所定のナビ対象が当選することでナビ報知に関わる処理を行うことでナビ報を実行することがある。3枚の賭数が設定されるゲームでは、ナビ対象役として、例えば、共通多枚役、多枚押し順役、3枚押し順役が内部抽選にて当選することでナビ報を実行することがある。
【0199】
また、メイン制御部41は、ナビ報知に関わる処理では、後述のように出玉状態がATの制御が行われる出玉状態Aまたは出玉状態Bのいずれかに制御されており、かつ内部抽選にてナビ対象役(共通多枚役、多枚押し順役、3枚押し順役)が当選している場合には、当該ナビ対象役に応じて遊技者にとって有利な停止態様を特定可能なナビ番号を、サブ制御部91に対して送信することが可能である一方、出玉状態が出玉状態A及び出玉状態B以外の状態に制御されてATの制御が行われていない場合や内部抽選にてナビ対象役が当選していない場合には、遊技者にとって有利な停止態様を特定できないナビ番号を、サブ制御部91に対して送信することが可能である。
【0200】
図24及び
図25に示すように、メイン制御部41は、例えば出玉状態が出玉状態Aに制御されている場合に、内部抽選にて第1グループに含まれるナビ対象役(共通多枚役、多枚押し順役)以外の役が当選したゲーム及び内部抽選にていずれの役も当選しなかったゲームにおいては、ナビ番号として0を設定する一方、出玉状態が出玉状態Aに制御されており、内部抽選にて第1グループに含まれるナビ対象役(共通多枚役、多枚押し順役)が当選したゲームにおいては、当選したナビ対象役に応じて1~6をナビ番号として設定する。また、例えば出玉状態が出玉状態Bに制御されている場合に、内部抽選にて第2グループに含まれるナビ対象役(共通多枚役、多枚押し順役、3枚押し順役)以外の役が当選したゲーム及び内部抽選にていずれの役も当選しなかったゲームにおいては、ナビ番号として0を設定する一方、出玉状態が出玉状態Bに制御されており、内部抽選にて第2グループに含まれるナビ対象役(共通多枚役、多枚押し順役、3枚押し順役)が当選したゲームにおいては、当選したナビ対象役に応じて1~6をナビ番号として設定する。出玉状態が出玉状態Aであるか出玉状態Bであるかに応じて、遊技者にとって有利な停止態様を特定可能なナビ番号が送信されるナビ対象役が異なるようになっており、制御されている出玉状態がATの制御が行われる出玉状態Aまたは出玉状態Bでも、出玉状態が出玉状態Aであるか出玉状態Bであるかに応じて、払い出されるメダル枚数の期待値を変えることができるようになっている。
【0201】
また、メイン制御部41は、ナビ報知に関わる処理を行うことで、内部抽選にて当選しているナビ対象役に応じて遊技者にとって有利な停止態様を特定可能なナビ表示を遊技補助表示器12に表示させて、遊技者にとって有利な停止態様を報知するナビ報知を行うことが可能である。
図24及び
図25に示すように、例えば出玉状態が出玉状態Aに制御されている場合に、内部抽選にて第1グループに含まれるナビ対象役(共通多枚役、多枚押し順役)以外の役が当選したゲーム中及び内部抽選にていずれの役も当選しなかったゲーム中においては、遊技補助表示器12を消灯状態に制御してナビ表示を表示させることがない一方で、出玉状態が出玉状態Aに制御されており、内部抽選にて第1グループに含まれるナビ対象役(共通多枚役、多枚押し順役)が当選したゲーム中においては、遊技補助表示器12を所定の点灯状態(例えば、「12」等)に制御して当選しているナビ対象役に応じたナビ表示を表示させるようになっている。また、例えば出玉状態が出玉状態Bに制御されている場合に、内部抽選にて第2グループに含まれるナビ対象役(共通多枚役、多枚押し順役、3枚押し順役)以外の役が当選したゲーム中及び内部抽選にていずれの役も当選しなかったゲーム中においては、遊技補助表示器12にナビ表示を表示させることがない一方で、出玉状態が出玉状態Bに制御されており、内部抽選にて第2グループに含まれるナビ対象役(共通多枚役、多枚押し順役、3枚押し順役)が当選したゲーム中においては、遊技補助表示器12にナビ対象役に応じたナビ表示を表示させるようになっている。
【0202】
[ナビ報知及びナビ演出について]
メイン制御部41が行うナビ報知の態様及びサブ制御部91が行うナビ演出の態様について、
図26に基づいて説明する。
【0203】
メイン制御部41は、ナビ報知に関わる処理を行う所定のゲーム中(リールの回転が開始されたときからすべてのリールの回転が停止されるときまで)において、内部抽選にて当選しているナビ対象役に対応するナビ表示を遊技補助表示器12に表示させることで、当該ナビ対象役に応じて遊技者にとって有利な停止態様を報知するナビ報知を行うことが可能である。また、メイン制御部41は、ナビ報知に関わる処理を行う所定のゲームの開始時に、遊技者にとって有利な停止態様を特定可能なナビ番号を含むコマンドをサブ制御部91に対して送信することが可能である。
【0204】
これに対してサブ制御部91は、メイン制御部41から受信したコマンドに基づいて遊技者にとって有利な停止態様を特定可能なゲームにおいて、当該停止態様を報知するナビ演出を液晶表示器51等を用いて行うことが可能である。
【0205】
図26(a)に示すように、遊技補助表示器12は、第1~第8セグメントをそれぞれ点灯/消灯可能な2つの表示器12L、12Rからなり、メイン制御部41は、それぞれのセグメントを点灯させることが可能な表示器である。各表示器12L、12Rの所定セグメントを点灯態様に制御することで、所定の数字(「0」~「9」)や記号(例えば、「-」「.」等)、英字(例えば、「E」等)を1桁または2桁で表示することにより、メダルの払出枚数(図示略)や発生しているエラーの種類を特定可能なエラーコード、ナビ報知により報知するナビ表示を表示させることが可能である。
【0206】
図26(b)に示すように、メイン制御部41は、ナビ報知に関わる処理を行うことでナビ番号として「1」が設定されるゲーム中においては、遊技者にとって有利な停止態様が左中右停止操作である旨を示唆するナビ表示1(遊技補助表示器12に「12」を表示する表示)を遊技補助表示器12に表示させ、ナビ番号として「2」が設定されるゲーム中においては、遊技者にとって有利な停止態様が左右中停止操作である旨を示唆するナビ表示2(遊技補助表示器12に「13」を表示する表示)を遊技補助表示器12に表示させ、ナビ番号として「3」が設定されるゲーム中においては、遊技者にとって有利な停止態様が中左右停止操作である旨を示唆するナビ表示3(遊技補助表示器12に「21」を表示する表示)を遊技補助表示器12に表示させ、ナビ番号として「4」が設定されるゲーム中においては、遊技者にとって有利な停止態様が中右左停止操作である旨を示唆するナビ表示4(遊技補助表示器12に「23」を表示する表示)を遊技補助表示器12に表示させ、ナビ番号として「5」が設定されるゲーム中においては、遊技者にとって有利な停止態様が右左中停止操作である旨を示唆するナビ表示5(遊技補助表示器12に「31」を表示する表示)を遊技補助表示器12に表示させ、ナビ番号として「6」が設定されるゲーム中においては、遊技者にとって有利な停止態様が右中左停止操作である旨を示唆するナビ表示6(遊技補助表示器12に「32」を表示する表示)を遊技補助表示器12に表示させるようになっている。
【0207】
これに対して、
図6(b)に示すように、サブ制御部91は、メイン制御部41から受信するコマンドに基づいてナビ番号「1」が特定されるゲーム中においては、遊技者にとって有利な停止態様が左中右停止操作である旨を示唆するナビ画像1(例えば、液晶表示器51の表示領域のうちストップスイッチ8Lに対応する表示領域に「1」を表示させ、ストップスイッチ8Cに対応する表示領域に「2」を表示させ、ストップスイッチ8Rに対応する表示領域に「3」を表示させる画像等)を液晶表示器51に表示させ、ナビ番号「2」が特定されるゲーム中においては、遊技者にとって有利な停止態様が左右中停止操作である旨を示唆するナビ画像2を液晶表示器51に表示させ、ナビ番号「3」が特定されるゲーム中においては、遊技者にとって有利な停止態様が中左右停止操作である旨を示唆するナビ画像3を液晶表示器51に表示させ、ナビ番号「4」が特定されるゲーム中においては、遊技者にとって有利な停止態様が中右左停止操作である旨を示唆するナビ画像4を液晶表示器51に表示させ、ナビ番号「5」が特定されるゲーム中においては、遊技者にとって有利な停止態様が右左中停止操作である旨を示唆するナビ画像5を液晶表示器51に表示させ、ナビ番号「6」が特定されるゲーム中においては、遊技者にとって有利な停止態様が右中左停止操作である旨を示唆するナビ画像6を液晶表示器51に表示させるようになっている。
【0208】
尚、本実施例では、ナビ報知では、遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様として、操作順(正解押し順)を報知する構成であるが、ナビ報知により、遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングを示唆する構成でも良いし、遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作順と操作タイミングの組合せを示唆する構成でも良い。例えば、遊技者にとって有利となるストップスイッチの操作態様が所定リールに対する所定の操作タイミングである場合には、遊技補助表示器12において、当該所定の操作タイミングに対応する図柄の番号等を所定リールに対応する番号等とともに表示させたり、液晶表示器51において、当該所定の操作タイミングに対応する図柄の画像等を所定リールに対応する位置に表示させることで、当該操作態様を示唆することが可能である。
【0209】
[遊技区間について]
本実施例のメイン制御部41は、遊技区間として通常区間及び有利区間のいずれかに制御することが可能である。
【0210】
通常区間は、ナビ報知が行われることのない遊技区間であり、有利区間が終了された後、次ゲームが開始されることで開始される。その後、通常区間は、前述のように規定数として3枚の賭数が設定され、かつ特別状態(BB1、BB2)以外の遊技状態に制御されているゲームにおいて内部抽選にて有利区間移行役が当選したゲームにおいて終了される。通常区間では、区間表示LED19は、常に消灯状態に制御される。
【0211】
有利区間は、ナビ報知が行われることのある遊技区間であり、ナビ報知が実行され得ることで通常区間に比較して有利な遊技区間である。有利区間は、通常区間において規定数として3枚の賭数が設定され、かつ特別状態(BB1、BB2)以外の遊技状態に制御されているゲームにおいて内部抽選にて有利区間移行役が当選することで有利区間に移行させる旨が決定され、次ゲームが開始されることで開始される。その後、所定の有利区間終了条件(後述の終了条件1~3)が成立することで終了される。有利区間では、当該有利区間の開始後、最初にナビ報知が行われることでメダルの払出率(払出枚数/賭数)が100%を超え得るゲームの開始時に、区間表示LED19の出力バッファに初期値(0)とは異なる所定値(1)が設定されて、当該区間表示LED19が点灯状態に制御されることで、有利区間に制御されている旨を報知する区間表示が開始される。区間表示LED19の出力バッファは、設定変更状態に移行された場合や、有利区間が終了される場合等において初期化されるRAM41cの所定領域に含まれており、設定変更状態に移行された場合や有利区間が終了される場合に、区間表示LED19の出力バッファが初期化されて初期値(0)が設定されることにより、区間表示LED19が消灯状態に制御され、区間表示が終了されるようになっている。
【0212】
有利区間では、所定のナビ条件が成立すること(本実施例では、後述のAT状態に制御されており、規定数として3枚の賭数が設定され、かつ内部抽選にてナビ対象役が当選すること)で、ナビ報知が行われ、遊技者にとって有利なストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様が報知される。
【0213】
メイン制御部41は、有利区間に制御しているときに、内部抽選にてAT抽選対象役が当選することでATに制御するか否かを決定するAT抽選を行う。そして、当該AT抽選に当選することで、その後、ATの制御が行われる出玉状態(本実施例では、出玉状態B、出玉状態C等)に移行させる。そして、ATの制御が行われる出玉状態に制御している場合には、内部抽選にてナビ対象役が当選したときに、ナビ報知の制御(遊技補助表示器12にナビ表示を表示させる制御、ナビ表示に対応するナビ番号を特定可能なコマンドを送信する制御等)を行って、遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様を報知するようになっており、有利区間は、通常区間に比較して遊技者にとって有利な遊技区間となる。
【0214】
有利区間の終了条件には、有利区間におけるゲーム数(有利区間ゲーム数)が上限ゲーム数(本実施例では、1500ゲーム)に到達することで成立する終了条件1、有利区間におけるメダルの純増枚数が規定枚数(本実施例では、2395(上限枚数2400枚からスロットマシン1での払出枚数の最大値(8)を減算し、かつ賭数の設定に使用される最大枚数(3枚)を加算した値))を超えることで成立する終了条件2、有利区間ゲーム数及びメダルの純増枚数に基づかずに成立し得る終了条件であり、予め定められた任意条件(例えば、ATの制御が行われるATゲーム数の残数が0となること)が成立することで成立する終了条件3が含まれ、終了条件1~3のうち少なくとも一の条件が成立することで有利区間は終了される。
【0215】
尚、本実施例では、遊技区間が通常区間に制御されているときに、予め定められた有利区間移行役が当選することで、遊技区間を有利区間へ移行させる構成であるが、遊技区間が通常区間に制御されているときに、内部抽選にて有利区間移行抽選対象役が当選することで、有利区間移行抽選を行い、当該有利区間移行抽選にて当選することで、遊技区間を有利区間へ移行させる構成でも良い。
【0216】
メイン制御部41が遊技プログラム及び非遊技プログラムを実行することで行う各種処理の制御内容について、
図27~
図57に基づいて説明する。
【0217】
[初期設定処理について]
メイン制御部41が行う起動時の処理と初期設定処理について、
図27に基づいて説明する。起動時の処理、初期設定処理は、遊技プログラムに含まれるサブルーチンである。
【0218】
メイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が開始された際に、リセットの発生によりタイマ割込みが禁止に設定された状態で起動し、ROM41bに格納されているプログラムに従って各種処理を行う。起動した後は、まず、遊技プログラムに含まれる起動時設定処理を行って、すべての出力ポート0~9を初期化し、メイン制御部41が備える内部レジスタをROM41bの所定領域に予め設定されている内蔵レジスタ初期化テーブルに基づいて初期化した、遊技プログラムに含まれる初期設定処理を行う。
【0219】
図27に示すように、初期設定処理はタイマ割込みが禁止された状態で開始され、初期設定処理では、まず、入力ポートの所定領域を参照して(Sa1)、電断検出回路48から出力される電断検出信号がON状態であるか否かを判定する(Sa2)。そして、電断検出信号がON状態である場合には、電断検出信号がOFF状態となるまで待機する。その後、スロットマシン1の電源電圧が正常となり、電断検出信号がOFF状態となった後は、RAM41cの所定領域のパリティを算出し(Sa3)、スタックポインタに予め定められた初期アドレスを設定する(Sa4)。そして、Sa3のステップにおいて算出したパリティが正常であるか否かを判定し(Sa5)、パリティが正常ある場合には、電断時にRAM41cの所定領域に設定されたRAM破壊診断用固定データを取得して(Sa6)、当該RAM破壊診断用固定データに基づきRAM41cの記憶内容が破壊されていないか否かを診断する(Sa7)。
【0220】
Sa5のステップにおいてパリティが正常であると判定した場合、及びSa7のステップにおいてRAM41cの記憶内容を診断した場合は、Sa3のステップにおいて算出したRAMのパリティとSa7における診断の結果に基づいて、RAM41cに異常があるか否かを判定する(Sa8)。尚、RAM41cに異常がある場合とは、パリティが正常でない場合、またはパリティが正常であるが記憶内容に異常があると診断した場合である。
【0221】
そして、RAM41cに異常がある場合には、前述の第2退避命令を用いて、メイン制御部41が備えるレジスタのうち演算結果が格納されるフラグレジスタの値を、遊技RAM領域の遊技スタック領域に所定の順序で記憶させることで退避させた後(Sa9)、前述のCALL命令を用いて、非遊技プログラムに含まれる非遊技RAM領域初期化処理を呼び出して行う(Sa10)。
【0222】
非遊技RAM領域初期化処理では、まず、前述のLD命令を用いて、呼び出し元の遊技プログラムにより使用されていたスタックポインタSPにより示される遊技スタック領域から現在のスタックポインタSPが示すアドレスの値を読み出し、非遊技RAM領域の所定領域に記憶させて退避させる。その後、LD命令を用いて、前回の非遊技プログラムの終了時にスタックポインタSPにより示されるアドレスとして記憶されている値を、非遊技RAM領域の所定領域から読み出し、スタックポインタSPが示す値として設定することで、スタックポインタSPを非遊技プログラム用に設定する。そして、前述の第1退避命令を用いて、フラグレジスタを含むメイン制御部41が備えるすべてのレジスタ(アキュムレータレジスタ、フラグレジスタ、汎用レジスタ、インデックスレジスタ、インタラプトレジスタ、リフレッシュレジスタ、プログラムカウンタなど)の値を、スタックポインタSPにより特定される非遊技RAM領域の非遊技スタック領域に所定の順序で記憶させることで退避させる。尚、非遊技プログラムに含まれる非遊技RAM領域初期化処理が遊技プロクラムから呼び出されることに伴って、スタックポインタSPを遊技プログラム用から非遊技プログラム用に変更する際に、LD命令が用いられることで、フラグレジスタの第2ゼロフラグTZが変更されることとなり、当該LD命令の実行される前後でフラグレジスタの状態が変化することがある。すなわち、遊技プログラムから非遊技RAM領域初期化処理が呼び出された際に、当該非遊技RAM領域初期化処理により非遊技プログラム用のスタックポインタSPが設定された後に退避させられるレジスタの状態は、遊技プログラムが非遊技RAM領域初期化処理を呼び出したときのレジスタの状態と異なることがある。
【0223】
その後、初期化対象RAMの先頭アドレス(未使用領域4の最初のアドレス)と終了アドレス(非遊技RAM領域の最後のアドレス)を指定し、当該先頭アドレスを指定アドレスの初期値として指定アドレスのデータをクリアした後に指定アドレスを次のアドレスに更新する処理を、指定アドレスが当該終了アドレスとなるまで繰り返し実行することで、初期化対象RAMの先頭アドレスから終了アドレスまでの領域(本実施例では、未使用領域4の最初から非遊技RAM領域の最後までの領域)を初期化する。尚、非遊技RAM領域初期化処理において、初期化対象RAMの先頭アドレスと終了アドレスとを指定することで、初期化対象RAMの容量を算出し、当該容量分のRAM領域を初期化対象RAMの先頭アドレスから順次クリアすることで、初期化対象RAMの先頭アドレスから終了アドレスまでの領域を初期化する構成としても良い。
【0224】
そして、前述の第1復帰命令を用いて、非遊技RAM領域初期化処理を開始した際に非遊技スタック領域に記憶させて退避させていたレジスタの値を、退避させるときと逆の順序で非遊技スタック領域から順次読み出して、当該順序に対応するレジスタに設定することで、非遊技RAM領域初期化処理を開始したときの状態にすべてのレジスタを復帰させる。その後、前述のLD命令を用いて、非遊技RAM領域初期化処理を開始した際に非遊技RAM領域の所定領域に退避させたスタックポインタSPの値を読み出し、スタックポインタSPが示す値として設定することで、非遊技RAM領域初期化処理を開始したときの状態にスタックポインタSPを復帰させて、非遊技RAM領域初期化処理を終了させる。尚、非遊技プログラムに含まれる非遊技RAM領域初期化処理を終了させて、遊技プロクラムに復帰させるために、当該非遊技RAM領域初期化処理の開始時に退避させていたすべてのレジスタの値を復帰させた後に、スタックポインタSPを非遊技プログラム用から遊技プログラム用に変更する際に、LD命令が用いられることで、フラグレジスタの第2ゼロフラグTZが変更されることとなり、当該LD命令の実行される前後でフラグレジスタの状態が変化することがある。すなわち、非遊技RAM領域初期化処理が終了されるときのレジスタの状態は、当該非遊技RAM領域初期化処理が開始されるときに退避されたレジスタの状態と異なることがある。
【0225】
Sa10のステップにおいて非遊技RAM領域初期化処理を行い、RAM41cの非遊技RAM領域を初期化して、初期設定処理に戻った際には、前述の第2復帰命令を用いて、Sa9のステップにおいて遊技スタック領域に退避させたフラグレジスタの値を、退避させるときと逆の順序で遊技スタック領域から順次読み出してフラグレジスタに設定することで、非遊技RAM領域初期化処理を行う前の状態にフラグレジスタの状態を復帰させる(Sa11)。Sa10のステップにおける非遊技RAM領域初期化処理の内部での全レジスタの退避処理及び復帰処理と、Sa9及びSa11のステップにおけるフラグレジスタの退避処理及び復帰処理とが行われることにより、非遊技RAM領域初期化処理が行われた後において、メイン制御部41が備えるすべてのレジスタの状態が、当該処理が行われる前の状態に完全に復帰されることになる。
【0226】
Sa8のステップにおいてRAM41cに異常がないと判定した場合、及びSa11のステップにおいてレジスタを復帰させた場合は、RAM41cに設定されているRAM破壊診断用固定データをクリアして(Sa12)、RAM41cに異常がある場合に初期化処理を行う対象となる遊技RAM領域のアドレスを指定するためのRAM破壊時初期化開始アドレスを設定する(Sa13)。その後、入力ポート2を参照して設定キースイッチ37がON状態であるか否かを判定する(Sa14)。
【0227】
Sa14のステップにおいて設定キースイッチ37がON状態であると判定した場合は、設定変更処理を行う。設定変更処理では、リセット/設定スイッチ38及びスタートスイッチ7が所定の手順で操作されることにより設定値が確定され、設定キースイッチ37がOFFにされたことが検出されることで、設定変更処理を終了して、ゲームを進行可能な状態に移行する。また、設定変更処理では、設定変更処理を開始する際に、設定変更処理を開始する旨を示す設定コマンド(開始)をサブ制御部91に対して送信し、設定変更処理を終了する際に、設定変更処理を終了する旨を示す設定コマンド(終了)するようになっている。また、設定変更処理では、設定変更処理を終了する際に、設定変更時の初期化対象RAM領域の先頭アドレスを指定し、メイン処理のSb47のステップに復帰する。そして、Sb47のステップにおいてRAM初期化処理が行われることで、設定変更時の初期化対象RAM領域の先頭アドレスから遊技RAM領域の終端のアドレスまでの領域、すなわちすべての遊技RAM領域が初期化されるようになっている。尚、RAM41cの使用中のスタック領域を除く全ての遊技RAM領域を初期する構成としても良い。設定変更処理の終了後に行われるRAM初期化処理では、初期化される領域に、有利区間に関する情報が記憶される記憶領域が含まれ、有利区間に関する情報は初期化されることとなるが、当該初期化される領域に、特別役(BB1、BB2)の当選が持ち越されている持ち越状態に関する情報が記憶される記憶領域は含まれず、持ち越状態に関する情報は初期化されないようになっている。
【0228】
Sa14のステップにおいて設定キースイッチ37がON状態でないと判定した場合は、Sa3のステップにおいて算出したRAMのパリティとSa7における診断結果に基づいて、RAM41cに異常があるか否かを判定し(Sa15)、RAM41cに異常がないと判定した場合には、外部出力信号を出力するための出力バッファをクリアする(Sa16)。また、RAM41cの所定領域に設定されており、後述のメイン処理においてリールの回転エラーが検出された回数を計数するためのリールエラーカウンタをクリアする(Sa17)。その後、RAM41cの記憶内容に基づいてスタックポインタSPに電断時のアドレスを設定することで、スタックポインタを電断時の状態に復帰させ(Sa18)、ポート入力処理を2回連続で行う(Sa19、Sa20)。
【0229】
ポート入力処理は、パラレル入力ポート511に入力される各種スイッチ類の検出信号等の入力状態に関する入力状態データ(各種スイッチ類の現在の入力状態を示す入力データ、前回と今回の入力データが同じ状態である旨を示す確定データ、前回から確定データが変化した旨を示すエッジデータ)を更新する処理である。RAM41cの遊技RAM領域の所定領域には、各種スイッチ類の入力状態データを格納する入力バッファ0~2が設けられており、ポート入力処理により更新される各種スイッチ類の入力状態データ(本実施例では、入力データ、確定データ、エッジデータ)は、スイッチ類の種類及び入力状態データの種類毎に予め定められた入力バッファの所定ビットに格納されるようになっている。ポート入力処理では、各種スイッチ類の入力状態データのうち各種スイッチ類の検出状態(ON状態またはOFF状態)を入力データとしてパラレル入力ポート511の入力ポート0に格納することで、各種センサ類の入力データを今回のポート入力処理の実行タイミングにおける検出状態に更新する。各種スイッチ類の入力データは、スイッチ類毎に対応する入力ポート0の所定ビットに格納されるようになっている。また、ポート入力処理では、入力バッファ0に入力データを格納する際に、前回のポート入力処理により入力バッファに格納されている入力データと今回のポート入力処理により入力バッファに格納する入力データとを各種センサ類毎に比較して、今回と前回の入力データが同じ状態(前回も今回もON状態または前回も今回もOFF状態)である各種センサ類について、今回の入力データの検出状態(ON状態またはOFF状態)を示すように確定データを作成して、入力バッファ1の所定ビットに格納する一方、今回と前回の入力データが異なる状態(前回ON状態で今回OFF状態または前回OFF状態で今回ON状態)である各種センサ類について、前回の入力データの検出状態を維持するように確定データを作成して、入力バッファ1の所定ビットに格納することで、入力バッファ1に格納される各種センサ類の確定データを更新する。また、ポート入力処理では、入力バッファ1に確定データを格納する際に、今回と前回の確定データを比較して、確定データがOFF状態からON状態に変化した各種センサ類について、確定データがOFF状態からON状態に変化した旨を示すONエッジデータを入力バッファ2の所定ビットに格納し、確定データがON状態からOFF状態に変化した各種センサ類について、確定データがON状態からOFF状態に変化した旨を示すOFFエッジデータを入力バッファ2の所定ビットに格納することで、入力バッファ2に格納される各種センサ類のエッジデータを更新する。ポート入力バッファ0~2に格納された各種スイッチ類の入力データ、確定データ、エッジデータは、遊技プログラム及び非遊技プログラムから参照することが可能である。
【0230】
また、初期設定処理では、ポート入力処理を2回連続して行うことで、その後、ポート入力処理が行われる際に、初期設定処理が行われた以後の各種スイッチ類の入力状態すなわちスロットマシン1への電力供給が再開された後の各種スイッチ類の入力状態に基づいて、各種スイッチ類の検出信号等の入力状態に関する入力状態データが作成されるので、意図しない入力状況が特定されてしまうことを防止できるようになっている。また、ポート入力処理において、3回以上のポート入力処理により取得された入力データ(例えば、今回、前回及び前々回の入力データ)に基づいて確定データを作成する構成でも良い。このような構成では、確定データを作成するために必要なポート入力処理の回数よりも1回少ない回数連続してポート入力処理を初期設定処理において行う構成とすることで、初期設定処理が行われた後にポート入力処理が行われる際に、初期設定処理が行われた以後の各種スイッチ類の入力状態に基づいて入力状態データを作成させることができる。
【0231】
Sa19及びSa20のステップにおいてポート入力処理を行った後は、所定の入力ポートを参照して(Sa21)、リセット/設定スイッチ38がON状態であるか否かを判定し(Sa22)、リセット/設定スイッチ38がON状態である場合すなわちリセット/設定スイッチ38が押下されてON状態とされたままスロットマシン1の電源が投入された場合には、有利区間に関連する有利区間情報を初期化する有利区間情報初期化処理を行う(Sa23)。有利区間情報初期化処理では、RAM41cの記憶領域のうち有利区間に関する情報(有利区間中信号の出力バッファ、有利区間中フラグ、区間表示LED19の出力バッファ、有利区間ゲーム数、有利区間のメダルの純増枚数等)が記憶されている領域を初期化する。有利区間情報初期化処理では、特別役の内部当選フラグ(非当選時:0、BB1当選時:1、BB2当選時:2)や設定値(1~6)等に関する情報の記憶されている領域が初期化されることがないようになっており、特別役の内部当選フラグや設定値(1~6)等に関する情報は、前回、スロットマシン1への電力供給が停止されたとき内容で維持されることとなる。
【0232】
尚、本実施例では、初期設定処理において、リセット/設定スイッチ38がON状態である場合すなわちリセット/設定スイッチ38が押下されてON状態とされたままスロットマシン1の電源が投入された場合には、有利区間情報初期化処理によりRAM41cに記憶されている有利区間に関する情報を初期化する構成であるが、リセット/設定スイッチ38が押下されてON状態とされたままスロットマシン1の電源が投入された場合には、RAM41cに記憶されている情報のうち内部当選状況に関する情報及び設定値に関する情報は初期化されることなく維持される一方で、少なくとも有利区間に関する情報が初期化される構成であれば良く、内部当選状況に関する情報及び設定値に関する情報以外の情報を有利区間に関する情報とともに初期化可能な構成でも良い。
【0233】
Sa22のステップにおいてリセット/設定スイッチ38がON状態でないと判定した場合、及びSa23のステップにおいて有利区間情報初期化処理を実行した後は、電断前の制御状態に復帰した旨を示す復帰コマンドをサブ制御部91に送信した後(Sa24)、タイマ割込み処理(メイン)のコマンド送信処理において、ドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドを送信する旨を示すドアコマンド送信フラグをRAM41cの所定領域に設定する(Sa25)。コマンド送信処理では、通常、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した場合にドアコマンドを送信するが、RAM41cの所定領域にドアコマンド送信フラグが設定されている場合には、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化したか否かにかかわらず、ドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドを送信する。
【0234】
そして、Sa25のステップにおいてドアコマンド送信フラグを設定した後は、すべてのレジスタをRAM41cに記憶されている電断前の状態に復帰させ(Sa26)、タイマ割込みを許可に設定して(Sa27)、初期設定処理を終了させてタイマ割込み処理(メイン)に移行させた後、スロットマシン1への電力供給が停止される前に実行していたメイン処理における処理に復帰する。
【0235】
一方、Sa15のステップにおいて、RAM41cに異常があると判定した場合には、遊技RAM初期化処理を行って(Sa28)、Sa13のステップにおいて設定したRAM破壊時初期化開始アドレスからRAM41cの遊技RAM領域の終端までの領域を初期化する。その後、Sa9~Sa11のステップまでの処理と同様に、レジスタのうちフラグが設定されるフラグレジスタの値を遊技RAM領域の遊技スタック領域に退避させた後(Sa29)、非遊技プログラムに含まれる非遊技RAM領域初期化処理を呼び出して行って(Sa30)、RAM41cのすべての非遊技RAM領域を初期化した後、呼び出し元に戻り、Sa29のステップにおいて退避させたレジスタを復帰させる(Sa31)。
【0236】
Sa31のステップにおいてレジスタを復帰させた後は、ドアコマンド送信フラグを設定し(Sa32)、タイマ割込みを許可に設定し(Sa33)、RAM41cに異常がある旨を示すRAM異常エラーコード(E8)を所定のレジスタに準備して(Sa34)、初期設定処理を終了させてエラー処理に移行させる。
【0237】
尚、エラー処理では、遊技の進行が不能化されるエラー状態に制御する。また、所定のレジスタに準備されているエラーコード(E8)を特定可能なエラーコマンドをサブ制御部91に対して送信し、当該エラーコード(E8)をRAM41cの所定領域にその他の処理(例えば、後述するセンサ監視処理等)でも参照可能なエラーフラグとして設定する。また、当該エラーコード(E8)を遊技補助表示器12に表示させるように制御する。その後は、所定のレジスタに準備されているエラーコード(E8)に応じたエラー状態の解除条件が成立したことが特定されるまでエラー状態の制御を行う。RAM異常エラーコード(E8)が所定のレジスタに準備されてエラー状態に移行された場合には、設定キースイッチ37をONにした状態で電源スイッチ39を投入することによって、設定変更状態に移行させてすべての遊技RAM領域を初期化させることで、RAM41cのデータの異常を確実に解消してエラー状態を解除することができるようになっている。一方、設定キースイッチ37をON状態にせずに電源スイッチ39をONにした場合には、RAM41cの異常が再び検出されて、再度、エラー状態となる。
【0238】
このように、メイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が開始された後には、初期設定処理を最初に行うようになっており、初期設定処理では、スロットマシン1への電力供給が開始された際のメイン制御部41の状態に応じて、タイマ割込み処理(メイン)、設定変更処理、エラー処理のいずれかに移行させる。そして、これらの処理に移行させる際に、移行させる処理の種類を特定可能なコマンドをサブ制御部91に対して送信するようになっており、タイマ割込み処理(メイン)に移行させる場合すなわちスロットマシン1への電力供給が停止される前の制御状態に復帰した場合には、復帰コマンドをサブ制御部91に対して送信し、設定変更処理を開始して設定変更状態に移行する場合には、設定コマンド(開始)をサブ制御部91に対して送信し、RAM41cの異常によりエラー処理を開始してエラー状態に移行する場合には、エラーコマンドをサブ制御部91に対して送信する。
【0239】
尚、メイン制御部41は、初期設定処理から設定変更処理に移行した後は、設定変更状態を経て、遊技の進行が可能な状態に復帰するようになっており、当該遊技の進行が可能な状態に復帰する際には、当該設定変更状態が終了されることを特定可能な設定コマンド(終了)をサブ制御部91に対して送信する一方で、復帰コマンドは送信しない。また、RAM41cの異常によりエラー処理に移行した後は、前述のように設定変更処理に移行されてエラー状態が解除されることで、遊技の進行が可能な状態に復帰するようになっており、エラー処理が終了されて遊技の進行が可能な状態に復帰する場合にも、サブ制御部91に対して復帰コマンドを送信しない。
【0240】
このように、本実施例のメイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が開始されることで起動し、遊技プログラムに含まれる起動時設定処理を行い、当該起動時設定処理によりすべての出力ポート0~9を初期化するようになっている。
【0241】
また、メイン制御部41は、起動時設定処理を行った後、遊技プログラムに含まれる初期設定処理を行う。そして、初期設定処理では、RAM41cに異常があると判定した場合に、非遊技プログラムに含まれる非遊技RAM領域初期化処理を呼び出して、RAM41cの非遊技RAM領域の所定領域を初期化する。また、初期設定処理では、遊技プログラムに含まれるRAM初期化処理を呼び出して、RAM41cの遊技RAM領域の所定領域を初期化するようになっており、遊技RAM領域は遊技プログラムにより初期化し、非遊技RAM領域は非遊技プログラムにより初期化する構成になっている。
【0242】
また、初期設定処理では、リセット/設定スイッチ38がON状態である場合に、有利区間情報初期化処理を実行して、RAM41cに記憶されている有利区間に関する情報を初期化するようになっている。これにより、有利区間に関する情報として、RAM41cに設定されている区間表示LED19の出力バッファを初期化して、区間表示LED19が消灯されている状態でスロットマシン1を起動されることができるようになっている。また、初期設定処理では、有利区間情報初期化処理を実行することにより、有利区間に関する情報として有利区間中信号の出力バッファや有利区間中フラグも初期化するので、スロットマシン1の起動後には、有利区間への移行条件が成立するまで、遊技状態が通常区間に制御されて区間表示LED19が消灯状態に維持されるようになっている。
【0243】
また、設定変更処理の終了後に行われるRAM初期化処理では、有利区間に関する情報は初期化されることとなるが、特別役の持ち越状態に関する情報は初期化されないようになっており、設定値が変更された場合でも、設定値が変更される前の特別役の持ち越状態が維持されるようになっている。
【0244】
[メイン処理について]
メイン制御部41が行うメイン処理の制御内容について、
図28~
図30に基づいて説明する。尚、メイン処理は、一単位の遊技毎に繰り返し実行される。そして、メイン処理の一周期がゲームの一単位に相当している。また、メイン処理は、遊技プログラムに含まれ、複数の処理を含む。以下、特に非遊技プログラムに含まれる旨を示さない処理は、遊技プログラムに含まれる。尚、遊技プログラムにより呼び出される遊技プログラムには、非遊技プログラムを呼び出すものもある。
【0245】
図28に示すように、メイン制御部41は、まず、タイマ割込みを禁止に設定した後(Sb1)、初期化の対象とするRAM41cの所定領域の最終アドレス値をHLレジスタに設定し(Sb2)、初期化の対象とするRAM41cの所定領域の最終アドレス値より一つ前のアドレスをDEレジスタに設定する(Sb3)。そして、HLレジスタ値に基づいて特定されるRAM41cの領域に0を書き込んで初期化し(Sb4)、HLレジスタ及びDEレジスタ等に基づいて特定されるRAM41cの所定領域から、後述のSb58またはSb87により設定されるRAM初期化対象サイズ分の各記憶領域に0を書き込んで順次初期化する(Sb5)。
【0246】
その後、RAM41cの所定領域に設定されている現在の遊技状態を参照し、当該遊技状態に対応する値をAレジスタに読込み(Sb6)、一ゲームが終了された旨を特定可能な遊技終了コマンドの値をDレジスタに設定する(Sb7)。そして、通信データ格納処理を行う(Sb8)。通信データ格納処理では、Aレジスタ及びDレジスタに設定されている値に基づいてコマンドを生成してコマンドキューに設定する。例えば、Aレジスタに遊技状態が設定され、Dレジスタに遊技終了コマンドの値が設定されている場合には、現在の遊技状態を特定可能な情報を含む遊技終了コマンドを生成してコマンドキューに設定する。コマンドキューに設定されたコマンドは、その後のタイマ割込み処理に含まれるコマンド送信処理により順次送信されることとなる。
【0247】
Sb8のステップにおいて通信データ格納処理を行った後は、前述の第2退避命令を用いて、レジスタのうち演算結果が格納されるフラグレジスタの値を、遊技RAM領域の遊技スタック領域に所定の順序で記憶させることで退避させた後(Sb9)、前述のCALL命令を用いて、非遊技プログラムに含まれるRT情報出力処理を呼び出して行う(Sb10)。
【0248】
RT情報出力処理では、まず、前述のLD命令を用いて、呼び出し元の遊技プログラムにより使用されていたスタックポインタSPにより示される遊技スタック領域から現在のスタックポインタSPが示すアドレスの値を読み出し、非遊技RAM領域の所定領域に記憶させて退避させる。その後、LD命令を用いて、前回の非遊技プログラムの終了時にスタックポインタSPにより示されるアドレスとして記憶されている値を、非遊技RAM領域の所定領域から読み出し、スタックポインタSPが示す値として設定することで、スタックポインタSPを非遊技プログラム用に設定する。そして、前述の第1退避命令を用いて、フラグレジスタを含むメイン制御部41が備えるすべてのレジスタ(アキュムレータレジスタ、フラグレジスタ、汎用レジスタ、インデックスレジスタ、インタラプトレジスタ、リフレッシュレジスタ、プログラムカウンタなど)の値を、スタックポインタSPにより特定される非遊技RAM領域の非遊技スタック領域に所定の順序で記憶させることで退避させる。尚、前述の非遊技RAM領域初期化処理が呼び出される場合と同様に、非遊技プログラムに含まれるRT情報出力処理を遊技プロクラムから呼び出されることに伴って、スタックポインタSPを遊技プログラム用から非遊技プログラム用に変更する際に、LD命令が用いられることで、フラグレジスタの第2ゼロフラグが変更されることとなり、当該LD命令の実行される前後でフラグレジスタの状態が変化することがある。すなわち、遊技プログラムからRT情報出力処理が呼び出された際に、当該RT情報出力処理により非遊技プログラム用のスタックポインタSPが設定された後に退避させられるレジスタの状態は、遊技プログラムがRT情報出力処理を呼び出したときのレジスタの状態と異なることがある。
【0249】
その後、遊技RAM領域の所定領域に設定されているスロットマシン1の遊技状態に関する情報を参照し、当該遊技状態に関する情報(例えば、RTの状態)をスロットマシン1に接続される試験装置に対して出力する試験信号として出力ポート7より出力させるように設定する。そして、RT情報出力処理を開始した際に非遊技スタック領域に記憶させて退避させていたレジスタの値を、退避させるときと逆の順序で非遊技スタック領域から順次読み出して、当該順序に対応するレジスタに設定することで、RT情報出力処理を開始したときの状態にすべてのレジスタを復帰させる。その後、前述のLD命令を用いて、RT情報出力処理を開始した際に非遊技RAM領域の所定領域に退避させたスタックポインタSPの値を読み出し、スタックポインタSPが示す値として設定することで、RT情報出力処理を開始したときの状態にスタックポインタSPを復帰させて、RT情報出力処理を終了させる。尚、前述の非遊技RAM領域初期化処理が終了される場合と同様に、非遊技プログラムに含まれるRT情報出力処理を終了させて、遊技プロクラムに復帰させるために、当該RT情報出力処理の開始時に退避させていたすべてのレジスタの値を復帰させた後に、スタックポインタSPを非遊技プログラム用から遊技プログラム用に変更する際に、LD命令が用いられることで、フラグレジスタの第2ゼロフラグTZが変更されることとなり、当該LD命令の実行される前後でフラグレジスタの状態が変化することがある。すなわち、RT情報出力処理が終了されるときのレジスタの状態は、当該RT情報出力処理が開始されるときに退避されたレジスタの状態と異なることがある。
【0250】
Sb10のステップにおいてRT情報出力処理を行った後には、前述の第2復帰命令を用いて、Sb9のステップにおいて退避させたフラグレジスタの値を、退避させるときと逆の順序で遊技スタック領域から順次読み出してフラグレジスタに設定することで復帰させる(Sb11)。Sb10のステップにおけるRT情報出力処理の内部での全レジスタの退避処理及び復帰処理と、Sb9及びSb11のステップにおけるフラグレジスタの退避処理及び復帰処理とが行われることにより、RT情報出力処理が行われた後において、メイン制御部41が備えるすべてのレジスタの状態が、当該処理が行われる前の状態に完全に復帰されることになる。
【0251】
Sb11のステップにおいてフラグレジスタを復帰させた後は、予め定められた試験信号用待機時間に対応する値をBCレジスタに設定し(Sb12)、タイマ割込みがBCレジスタの値の回数行われるまで待機する割込みBC回待ち処理を行う(Sb13)。割込みBC回待ち処理では、タイマ割込みを許可に設定してタイマ割込み処理が行われるまで待機し、タイマ割込み処理が行われる毎にBCレジスタの値を1減算する処理を、当該BCレジスタの値が0となるまで繰り返し行う。そして、BCレジスタの値が0となることで割込みBC回待ち処理を終了する。Sb12のステップでは、試験信号用待機時間に対応する値として16.24m秒に相当する値(29)がBCレジスタに設定されるようになっており、Sb13のステップにおいて割込みBC回待ち処理を行うことで、Sb10のRT情報出力処理の後から次の処理を移行するまでに、少なくとも試験信号用待機時間(16.24m秒)を確保するようになっている。
【0252】
また、割込みBC回待ち処理を行うことにより、次のタイマ割込み処理が行われるまでの時間が最大限に確保されている状態で、割込みBC回待ち処理の後に行われる処理を行うことができ、割込みBC回待ち処理の後に行われる一連の処理の途中で意図せずタイマ割込みが行われてしまうことがないようになっている。Sb13ステップにおいて割込みBC回待ち処理を行うことにより、割込みBC回待ち処理の後に行われる遊技開始待ち処理のSe1のステップ~Se10のステップまでの処理の途中で意図せずタイマ割込みが行われてしまうことを防止して、Se1のステップ~Se10のステップまでの処理を一連の処理として行うことができるようになっている。
【0253】
また、割込みBC回待ち処理を行うことにより、タイマ割込み処理を確実に1回以上行うことで、当該タイマ割込み処理に含まれる各処理が行われた後の状態で、割込みBC回待ち処理の後に行われる一連の処理を行うことができる。例えば、Sb13のステップにおいて割込みBC回待ち処理を行うことにより、タイマ割込み処理に含まれる後述のポート入力処理が行われて、各種スイッチ類やセンサ類の入力データが更新された状態で、遊技開始待ち処理のSe1のステップ~Se10のステップまでの処理を行うことができるようになっている。
【0254】
そして、タイマ割込み処理が行われた後、遊技開始待ち処理を行って(Sb14)、前の1遊技の制御の終了後から次の1ゲームを開始させるまでの処理を行う。遊技開始待ち処理では、メダルの投入等に応じて賭数を設定する処理を行い、規定数の賭数が設定された状態でスタートスイッチ7の操作が検出されることで、次の1ゲームを開始させる処理を行う。
【0255】
そして、入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理を行う(Sb15)。内部抽選処理では、スロットマシン1において予め設定された設定値(1~6)やスタートスイッチ7の検出によるゲームの開始と同時に取得された内部抽選用の乱数値に基づいて、入賞の発生を許容するか否か(すなわち、表示結果の導出を許容するか否か)を決定する内部抽選を行う。そして、内部抽選での当選結果が特定可能となるように当選した役に対応する役番号(当選番号、ハズレを含む)をRAM41cの所定領域に記憶させる。また、後述のグループ情報設定処理(一般役)を行って、役番号(当選番号)に基づいて当選している一般役の種類を特定可能なグループ情報(一般役)をRAM41cの所定領域に設定する。また、内部抽選にて特別役が当選している場合(当該ゲームの内部抽選にて当選した場合及び当該ゲーム以前のゲームの内部抽選にて当選して持ち越されている場合を含む)には、特別役(BB1、BB2)が当選している旨を示す内部当選フラグをRAM41cの所定領域に設定する。また、内部抽選にて特別役(BB1、BB2)が当選している場合には、BB1が当選しているか否かを判定して、BB1が当選していると判定した場合には、RAM41cの所定領域に設定されており、状態表示LED17の点灯状態を制御するための出力バッファ(状態表示LED17の出力バッファ)に、点灯状態に制御するための所定値(ON状態の値:1)を設定する。
【0256】
状態表示LED17の出力バッファにON状態の値が設定されることで、その後行われるタイマ割込み処理のLEDダイナミック表示処理により状態表示LED17が点灯状態に制御されることとなる。本実施例のメイン制御部41は、内部抽選処理を行った後、後述のリール回転処理(Sb45)を行うことで、リール2L、2C、2Rの回転を開始させ、すべてのリールが定速状態となったことを条件としてストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化するようになっており、内部抽選処理を行った後からリール回転処理を行うまでの期間において割込みBC回待ち処理(Sb28)を行う。これにより、当該期間中に少なくとも1回、タイマ割込み処理を行わせて、状態表示LED17の出力バッファにON状態の値が設定されている場合すなわちBB1が当選している場合には、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化する前に、状態表示LED17を点灯状態に制御するようになっており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となる前に確実に状態報知を開始させることができるようになっている。また、内部抽選により特別役(BB1)が当選したときに、状態表示LED17の出力バッファに所定値(ON状態の値:1)が設定され、その後のタイマ割込み処理によりに状態表示LED17を点灯状態に制御するので、特別役(BB1)が当選した後すぐに状態表示が開始されるため、状態表示が行われているか否かを確認する時間を、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となる前に十分に確保することができるようになっている。
【0257】
そして、内部抽選処理を行った後、後述するように遊技区間に関する処理及びナビ報知に関する処理を行う出玉制御処理を行う(Sb16)。出玉制御処理では、有利区間中信号の出力バッファの値に基づいて有利区間であるか否かを判定する処理や、有利区間でないと判定した場合に、賭数として3枚が設定されておりかつ遊技状態が特別状態(BB1、BB2)でないことを条件に行う有利区間移行関連処理(例えば、内部抽選にて有利区間移行役が当選したか否かを判定する処理や、内部抽選にて有利区間移行役が当選したと判定した場合に、有利区間に制御している旨を示す有利区間中フラグを連続データ処理により設定することで有利区間へ移行させる処理、有利区間への移行に関連して各種設定等を行う処理等)、有利区間であると判定した場合に、賭数として3枚が設定されているか2枚が設定されているかに関わらず、有利区間が開始してからのゲーム数である有利区間ゲーム数を計数する有利区間ゲーム数カウンタを1ゲーム分加算して更新する処理、賭数が2枚である状態またはRT1以外の遊技状態であることを条件に行うナビ報知に関する処理(例えば、有利区間が終了するまでの期間にわたりナビ報知の制御が行われるED制御へ移行させるゲームを特定するためのED移行ゲーム数カウンタを更新する処理や、所定の出玉状態(出玉状態A、出玉状態B)に制御していることを条件に、区間表示LED19の出力バッファに点灯状態に制御するONデータ(所定値:1)を設定する処理、一般役当選番号に基づいてナビ番号に基づいて当選している役に対応するナビ番号を特定し、RAM41cの所定領域に設定する処理、現在制御されている出玉状態に応じた各種処理を行う処理等)を行う。出玉制御処理において設定されたナビ番号は、後述の遊技開始時コマンド送信処理(Sb22)において参照され、当該ナビ番号を特定可能なコマンドがサブ制御部91に対して送信されることとなる。また、当該ナビ番号は、リール停止制御処理(Sb48)においても参照され、当該リール停止制御処理によりストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の受け付けが有効化される前に、当該ナビ番号に対応するナビ表示を表示するための表示用データが遊技補助表示器12の出力バッファに設定され、ナビ表示が遊技補助表示器12に表示されることとなる。また、出玉制御処理により、有利区間中において更新された有利区間ゲーム数カウンタは、後述のAT状態管理処理(Sb60)にて有利区間ゲーム数が規定ゲーム数(第2規定数)に到達したか否かを判定する際に参照されることとなる。
【0258】
その後、Sb11のステップと同様に、前述の第2退避命令を用いて、メイン制御部41が備えるレジスタのうち演算結果が格納されるフラグレジスタの値を遊技RAM領域の遊技スタック領域に所定の順序で記憶させることで退避させ(Sb17)、タイマ割込みを禁止に設定した後(Sb18)、前述のCALL命令を用いて、非遊技プログラムに含まれる操作情報信号出力処理を行って(Sb19)、後述するように内部抽選の当選結果に応じたストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様を指定する操作情報信号を出力ポートより試験装置に対して出力する処理を行う。
【0259】
操作情報信号出力処理では、まず、前述のRT情報出力処理と同様にして、前述のLD命令を用いて、呼び出し元の遊技プログラムにより使用されていたスタックポインタSPの値を読み出し、非遊技RAM領域の所定領域に退避させる。その後、LD命令を用いて、前回の非遊技プログラムの終了時にスタックポインタSPにより示されるアドレスとして記憶されている値を読み出し、現在のスタックポインタSPが示す値として設定することで、スタックポインタSPを非遊技プログラム用に設定する。そして、前述の第1退避命令を用いて、前述のフラグレジスタを含むメイン制御部41が備えるすべてのレジスタの値を、非遊技RAM領域の非遊技スタック領域に所定の順序で記憶させることで退避させる。尚、非遊技プログラムに含まれる操作情報信号出力処理が遊技プロクラムから呼び出されることに伴って、スタックポインタSPを遊技プログラム用から非遊技プログラム用に変更する際に、LD命令が用いられることで、フラグレジスタの第2ゼロフラグTZが変更されることとなり、当該LD命令の実行される前後でフラグレジスタの状態が変化することがある。すなわち、遊技プログラムから操作情報信号出力処理が呼び出された際に、当該操作情報信号出力処理により非遊技プログラム用のスタックポインタSPが設定された後に退避させられるレジスタの状態は、遊技プログラムが操作情報信号出力処理を呼び出したときのレジスタの状態と異なることがある。
【0260】
その後、遊技RAM領域の所定領域に設定されている内部抽選の抽選結果を参照し内部抽選の当選結果に応じたストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様を指定する作情報信号を出力する処理を行う。
【0261】
そして、前述のRT情報出力処理と同様にして、前述の第1復帰命令を用いて、操作情報信号出力処理を開始した際に退避させていたレジスタの値を非遊技スタック領域から順次読み出して、操作情報信号出力処理を開始したときの状態にすべてのレジスタを復帰させる。その後、前述のLD命令を用いて操作情報信号出力処理を開始した際に非遊技RAM領域の所定領域に退避させたスタックポインタSPの値を読み出し、スタックポインタSPが示す値として設定することで、操作情報信号出力処理を開始したときの状態にスタックポインタSPを復帰させて、操作情報信号出力処理を終了させる。尚、非遊技プログラムに含まれる操作情報信号出力処理を終了させて、遊技プロクラムに復帰させるために、当該操作情報信号出力処理の開始時に退避させていたすべてのレジスタの値を復帰させた後に、スタックポインタSPを非遊技プログラム用から遊技プログラム用に変更する際に、LD命令が用いられることで、フラグレジスタの第2ゼロフラグTZが変更されることとなり、当該LD命令の実行される前後でフラグレジスタの状態が変化することがある。すなわち、操作情報信号出力処理が終了されるときのレジスタの状態は、当該操作情報信号出力処理が開始されるときに退避されたレジスタの状態と異なることがある。
【0262】
操作情報信号出力処理は、所定条件が成立することで区間表示LED19を点灯状態に制御して区間表示を行うとともにナビ番号を設定する出玉制御処理が行われた後に行われるので、当該操作情報信号出力処理では、区間表示が開始された後に操作情報信号を試験装置に対して出力するようになっている。
【0263】
Sb19のステップにおいて操作情報信号出力処理を行った後は、タイマ割込みを許可に設定する(Sb20)。そして、Sb11のステップと同様に、前述の第2復帰命令を用いて、Sb17のステップにおいて遊技スタック領域に退避させたフラグレジスタの値を、退避させるときと逆の順序で遊技スタック領域から順次読み出してフラグレジスタに設定することで、操作情報信号出力処理を行う前の状態にフラグレジスタを復帰させる(Sb21)。Sb19のステップにおける操作情報信号出力処理の内部での全レジスタの退避処理及び復帰処理と、Sb17及びSb21のステップにおけるフラグレジスタの退避処理及び復帰処理とが行われることにより、操作情報信号出力処理が行われた後において、メイン制御部41が備えるすべてのレジスタの状態が、当該処理が行われる前の状態に完全に復帰されることになる。
【0264】
Sb21のステップにおいてレジスタを復帰させた後、遊技開始コマンド送信処理を行って(Sb22)、1ゲームが開始された旨を特定可能であり、1ゲームの開始時点における各種の制御状態を特定可能な複数のコマンドを含む制御状態コマンド群をコマンドキューに設定して、サブ制御部91に対して順次送信させる。
【0265】
Sb22のステップにおいて遊技開始コマンド処理を行った後は、ゲーム開始時に出力する外部出力信号の番号をAレジスタに読み込み(Sb25)、呼出ランプやホールコンピュータ等の外部機器に対して外部出力信号を出力する外部出力信号処理を行う(Sb26)。外部出力信号処理では、当該外部出力信号処理の開始時にAレジスタに設定されている値に対応する外部出力信号を所定の出力ポートから出力させる。
【0266】
Sb26のステップにおいて外部出力信号処理を行った後は、予め定められた遊技開始待ち時間に対応する値をBCレジスタに設定し(Sb27)、タイマ割込みがBCレジスタの値の回数行われるまで待機する割込みBC回待ち処理を行う(Sb28)。割込みBC回待ち処理では、タイマ割込みを許可に設定してタイマ割込み処理が行われるまで待機し、タイマ割込み処理が行われる毎にBCレジスタの値を1減算する処理を、当該BCレジスタの値が0となるまで繰り返し行う。そして、BCレジスタの値が0となることで割込みBC回待ち処理を終了する。Sb27のステップでは、遊技開始待ち時間に対応する値として133.28m秒に相当する値(238)がBCレジスタに設定されるようになっており、Sb28のステップにおいて割込みBC回待ち処理を行うことで、Sb26の外部出力信号処理の後から次の処理を移行するまでに、少なくとも遊技開始待ち時間(133.28m秒)を確保するようになっている。
【0267】
Sb28のステップにおいて割込みBC回待ち処理を行った後は、所定期間にわたり遊技の進行を遅延させるフリーズ状態に関する制御を行う待ち時間演出判定処理を行う(Sb29)。待ち時間演出判定処理では、RAM41cの所定領域に設定されているフリーズフラグに基づいて、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されるときにフリーズ状態に制御する旨が決定されているか否かを判定し、フリーズ状態に制御する旨が決定されていると判定した場合には、BCレジスタに所定値を設定して割込みBC回待ち処理を行って、遊技の進行を所定期間にわたり遅延させる。フリーズフラグは、例えば、出玉制御処理において所定条件が成立した場合等に、フリーズ状態に制御する旨を特定可能に設定される。一方、待ち時間演出判定処理では、フリーズフラグに基づいて、フリーズ状態に制御する旨が決定されていないと判定した場合には、BCレジスタの設定や割込みBC回待ち処理等を行わずに、待ち時間演出判定処理を終了させる。
【0268】
Sb29のステップにおいて待ち時間演出判定処理を行った後は、所定の出力ポートから呼出ランプやホールコンピュータ等の外部機器に対して外部出力信号を出力する外部出力信号処理を行う(Sb30)。そして、RAM41cの所定領域に設定されており、ショートフリーズ(所定の短期間にわたり遊技の進行を遅延させるフリーズ状態、以下、SFと呼ぶ場合がある)を発生させる旨が決定されているか否かを特定可能なSFフラグ値をAレジスタに読み込み(Sb31)、当該SFフラグ値に基づいてSFを発生させる旨が決定されているか否かを判定する(Sb32)。SFフラグは、例えば、出玉制御処理において所定条件が成立した場合等に、SFに発生させる旨を特定可能に設定される。
【0269】
Sb32のステップにおいて、SFを発生させる旨が決定されていると判定した場合には、SFに制御する期間が予め登録されているSF時間設定用テーブルの先頭アドレスをHLレジスタに設定し(Sb33)、加算処理を実行する(Sb34)。加算処理では、当該加算処理の開始時にAレジスタに設定されている加算値(A)をHLレジスタに設定されているアドレス値(HL)に加算することで、アドレス値(HL)を加算値(A)分だけ進める処理を行う。また、当該加算処理では、加算値(A)を加算した後のアドレス値(HL)により特定されるROM41bの記憶領域に記憶されているデータを取得してAレジスタに設定するようになっている。AレジスタにSFフラグ値を設定し、HLレジスタにSF時間設定用テーブルのアドレスを設定して、加算処理を行うことで、SFフラグ値及びSF時間設定用テーブルに基づいてSFに制御する期間を設定するための設定値がAレジスタに取得されるようになっている。
【0270】
Sb34のステップにおいて加算処理を行った後は、Aレジスタに取得したSFに制御する期間の設定値をBレジスタに設定する(Sb35)。そして、ルーレ演出の種類を特定可能なリール演出番号をAレジスタに設定して(Sb36)、リール回転開始処理を実行する(Sb37)。リール回転開始処理では、Aレジスタ値に基づいて特定される回転態様でリールの回転制御を開始させる。その後、Bレジスタ値をAレジスタに再設定して、待ち時間実行処理を行う(Sb37)。待ち時間実行処理は、タイマ割込み処理がAレジスタ値に基づいて特定される所定回数分行われるまで待機し、タイマ割込み処理が所定回数分行われることで当該待ち時間実行処理を終了させる。
【0271】
Sb32のステップにおいてSFを発生させる旨が決定されていると判定し、待ち時間実行処理を行って、SFを行った後には、前回ゲームにおけるリール回転開始時点からの経過時間を計時するためにRAM41cの所定領域に設定されている一遊技時間管理用タイマのアドレスをHLレジスタに設定し(Sb39)、当該HLレジスタ値に基づいて一遊技時間管理用タイマを参照して、一遊技時間管理用タイマが作動中であるか否かを判定する(Sb40)。一遊技時間管理用タイマは、初期値(1ゲームの規定時間(4.1秒)に相当する値)が設定された後、タイマ割込み処理が行われる毎に所定値ずつ減算され、初期値が設定されたときから1ゲームの規定時間(4.1秒)が経過するまでは、1以上となる一方、初期値が設定されたときから1ゲームの規定時間(4.1秒)が経過した以降には、0となるようになっている。
【0272】
Sb40のステップでは、一遊技時間管理用タイマ値が0でない場合に一遊技時間管理用タイマが作動中であると判定し、一遊技時間管理用タイマ値が0である場合に一遊技時間管理用タイマが作動中でないと判定する。そして、一遊技時間管理用タイマに基づいて、前回ゲームが開始された後から規定時間が経過していないと判定した場合は、一遊技時間管理用タイマに基づいて1ゲームの規定時間が経過するまで待機する(Sb40)。
【0273】
図29に示すように、一遊技時間管理用タイマに基づいて1ゲームの規定時間が経過した後には、タイマ割込みを禁止に設定した後(Sb41)、予め定められた遊技開始時の設定インデックスデータをAレジスタに設定し(Sb42)、連続データ処理を行う(Sb43)。連続データ処理では、後述するように、当該連続データ処理の開始時にAレジスタに設定されている値(A)及び後述の連続データ処理テーブルに基づいて特定されるRAM41cの所定領域に所定データを設定する処理等を行う処理である。遊技開始時の設定インデックスデータがAレジスタに設定された状態で、連続データ処理を行うことで、一遊技時間管理用タイマに初期値(1ゲームの規定時間(4.1秒)に相当する値)を設定する処理、1ゲーム中において有効にストップスイッチ8L、8C、8Rが操作された回数を計数するストップスイッチ動作カウンタに初期値(本実施例では、3)を設定する処理、各ストップスイッチ8L、8C、8Rの動作状態を特定可能なストップスイッチ動作状態フラグに初期値を設定する処理等を行う。
【0274】
Sb43のステップにおいて連続データ処理が行われることにより一遊技時間管理用タイマに設定された初期値は、その後行われるタイマ割込み処理において参照され、当該一遊技時間管理用タイマに初期値が設定されていることに基づいて、試験信号の出力時間を管理するための試験信号出力タイマによる所定時間の計時が新たに開始されることとなる。また、一遊技時間管理用タイマは、初期値に対応する時間が経過した以降にはその値が0となるように、タイマ割込み処理により行われるカウンタ更新処理(Sv20)が行われる毎に減算されて更新される。一遊技時間管理用タイマが0となっていることに基づいて、一遊技時間管理用タイマに初期値が設定されたとき、すなわち前回ゲームにおいてリール回転開始処理が開始されたときから、1ゲームの規定時間(4.1秒)が経過していることを特定できるようになっている。
【0275】
Sb43のステップにおいて連続データ処理を行った後は、リールを用いた演出を行わない旨を示すリール演出無しデータをAレジスタに設定し(Sb44)、リール回転開始処理を行って(Sb45)。リール回転開始処理では、Aレジスタ値に基づいて特定される回転態様すなわち通常のゲームの回転態様でリールの回転制御を開始させる。その後、タイマ割込みを許可に設定した後(Sb46)、リール2L、2C、2Rの回転制御を開始させる旨を特定可能なリール回転開始コマンドをサブ制御部91に対して送信するリール回転開始コマンド送信処理を行う(Sb47)。一方、Sa40のステップにおいて一遊技時間管理用タイマに基づき1ゲームの規定時間が経過していると判定した場合は、直ちに、Sb41~Sb47のステップの処理を行う。
【0276】
Sb47のステップにおいてリール回転開始コマンド送信処理を行った後は、リールの停止制御を行うリール停止制御処理を行う(Sb48)。リール停止制御処理では、まず、RAM41cの所定領域に設定されているナビ番号を参照し、ナビ番号に応じたナビ表示を行うための表示用データ(ナビ番号が0であるときは、非表示のデータであり、ナビ番号が1以上である場合は、ナビ番号に対応するナビ表示のデータ)を遊技補助表示器12の出力バッファに設定する。これにより、その後のタイマ割込み処理により遊技補助表示器12が表示用データに応じた表示態様に制御されることとなる。遊技補助表示器12の出力バッファに表示用データを設定した後には、回転制御中のリールが所定の定速回転で回転されているかを判定し、定速回転で回転されていないリールがある場合には、リールエラーを検出して、該当するリールについて定速回転まで加速させる励磁パターンを設定して、回転制御中のすべてのリールが定速回転で回転されるように制御する。一方、回転制御中のすべてのリールが定速回転で回転されている場合には、回転制御中のリールの停止操作の受け付けを有効化し、遊技者によりストップスイッチによるリールの停止操作が行われるまで待機する。停止操作の受け付けを有効化することで、その後に行われるタイマ割込み処理により該当するストップスイッチの停止有効LED22L、22C,22Rが点灯状態に制御される。そして、停止操作が有効化されているリールについて有効な停止操作が検出されること(停止操作が有効なストップスイッチについてONエッジデータが検出されること)で、有効な停止操作が行われたリールについて、リール停止初期設定処理にて設定された情報等に基づいて所定の停止位置で停止させるリール停止制御を行う。このようなリール停止制御を、回転制御中のリールについて繰り返し行って、すべてのリールの回転を停止させることで、リール停止処理を終了させる。
【0277】
そして、リール停止処理を終了させた後は、入賞判定処理(Sb49)を行う。入賞判定処理では、内部抽選結果及びリール2L、2C、2Rに停止している図柄組合せに基づいて不正入賞が発生しているか否かを判定する。
【0278】
そして、Sa49のステップにおける入賞判定処理を行った後は、割込み1回待ち処理を行い(Sb50)、タイマ割込み処理が行われるまで待機する。そして、タイマ割込み処理が1回行われたことを条件に、割込み1回待ち処理を終了させる。
【0279】
Sb45のステップにおいて割込み1回待ち処理を行った後は、Sb9のステップやSb17のステップと同様に、前述の第2復帰命令を用いて、メイン制御部41が備えるレジスタのうち演算結果が格納されるフラグレジスタの値を遊技RAM領域の遊技スタック領域に所定の順序で記憶させることで退避させ(Sb51)、タイマ割込みを禁止に設定した後(Sb52)、前述のCALL命令を用いて、非遊技プログラムに含まれる役比モニタ用データ処理を行う(Sb53)。
【0280】
このように、Sb50のステップにおいて割込み1回待ち処理を行った後に、役比モニタ用データ処理(Sb53)を行うことで、次のタイマ割込み処理が行われるまでの時間が最大限に確保されている状態で、当該役比モニタ用データ処理を行うことができ、当該役比モニタ用データ処理の途中で意図せずタイマ割込みが行われてしまうことを防止できる。また、Sb52のステップにおいてタイマ割込みを禁止に設定して、タイマ割込みが禁止された状態で役比モニタ用データ処理を行い、その後のSb54のステップにおいてタイマ割込みの禁止設定を解除することで、当該役比モニタ用データ処理の途中で意図せずタイマ割込みが行われてしまうことを確実に防止できる。また、Sb50のステップにおいて、役比モニタ用データ処理を行うためにタイマ割込みを禁止状態に設定する前に割込み1回待ち処理を行って、タイマ割込み処理を行わせることで、タイマ割込みが禁止されている状態(Sb52~Sb54)であるときに、タイマ割込みを行うタイミングとなることを防止でき、タイマ割込みが禁止されている状態(Sb52~Sb54)であるときに、タイマ割込みを行うタイミングとなることで、当該タイマ割込みの禁止が解除されたときに、タイマ割込みが行われて、意図しないタイミングでタイマ割込み処理が行われてしまうことがないようになっている。
【0281】
また、Sb52のステップにおいてタイマ割込みを禁止に設定することで、前述のSb18のステップにおいてタイマ割込みを禁止に設定する場合と同様に、Sb51のステップにおいてフラグレジスタを退避させたときから役比モニタ用データ処理が開始され、すべてのレジスタの値を退避させる処理が行われるまでの期間に、タイマ割込み処理が行われることにより、レジスタの状態が当該フラグレジスタを退避させたときの状態から変化されてしまうことがないようになっている。
【0282】
役比モニタ用データ処理では、まず、前述のRT情報出力処理等と同様にして、前述のLD命令を用いて、呼び出し元の遊技プログラムにより使用されていたスタックポインタSPの値を読み出し、非遊技RAM領域の所定領域に退避させる。その後、LD命令を用いて、前回の非遊技プログラムの終了時にスタックポインタSPにより示されるアドレスとして記憶されている値を読み出し、スタックポインタSPが示す値として設定することで、スタックポインタSPを非遊技プログラム用に設定する。そして、前述の第1退避命令を用いて、フラグレジスタを含むメイン制御部41が備えるすべてのレジスタの値を、非遊技RAM領域の非遊技スタック領域に所定の順序で記憶させることで退避させる。尚、非遊技プログラムに含まれる役比モニタ用データ処理が遊技プロクラムから呼び出されることに伴って、スタックポインタSPを遊技プログラム用から非遊技プログラム用に変更する際に、LD命令が用いられることで、フラグレジスタの第2ゼロフラグTZが変更されることとなり、当該LD命令の実行される前後でフラグレジスタの状態が変化することがある。すなわち、遊技プログラムから役比モニタ用データ処理が呼び出された際に、当該役比モニタ用データ処理により非遊技プログラム用のスタックポインタSPが設定された後に退避させられるレジスタの状態は、遊技プログラムが役比モニタ用データ処理を呼び出したときのレジスタの状態と異なることがある。
【0283】
その後、非遊技プログラムに含まれる各状態カウント処理を行って、予め定められた所定期間(例えば、現在のゲームから6000ゲーム前までの期間、現在のゲームから175000ゲーム前までの期間、遊技者にとって有利な状態に制御された区間(有利区間)等)におけるメダルの払い出し枚数に関するデータを更新する。
【0284】
そして、前述の第1復帰命令を用いて、役比モニタ用データ処理を開始した際に非遊技スタック領域に記憶させて退避させていたレジスタの値を、退避させるときと逆の順序で非遊技スタック領域から順次読み出して、当該順序に対応するレジスタに設定することで、役比モニタ用データ処理を開始したときの状態にすべてのレジスタを復帰させる。その後、前述のLD命令を用いて、役比モニタ用データ処理を開始した際に非遊技RAM領域の所定領域に退避させたスタックポインタSPの値を読み出し、スタックポインタSPが示す値として設定することで、役比モニタ用データ処理を開始したときの状態にスタックポインタSPを復帰させて、役比モニタ用データ処理を終了させる。尚、非遊技プログラムに含まれる役比モニタ用データ処理を終了させて、遊技プロクラムに復帰させるために、当該役比モニタ用データ処理の開始時に退避させていたすべてのレジスタの値を復帰させた後に、スタックポインタSPを非遊技プログラム用から遊技プログラム用に変更する際に、LD命令が用いられることで、フラグレジスタの第2ゼロフラグTZが変更されることとなり、当該LD命令の実行される前後でフラグレジスタの状態が変化することがある。すなわち、役比モニタ用データ処理が終了されるときのレジスタの状態は、当該役比モニタ用データ処理が開始されるときに退避されたレジスタの状態と異なることがある。
【0285】
Sb53のステップにおいて役比モニタ用データ処理を行った後は、タイマ割込みを許可に設定する(Sb54)。そして、Sb11のステップやSb21のステップと同様に、前述の第2復帰命令を用いて、Sb51のステップにおいて退避させたフラグレジスタの値を、退避させるときと逆の順序で遊技スタック領域から順次読み出してフラグレジスタに設定することで、役比モニタ用データ処理を行う前の状態にフラグレジスタを復帰させる(Sb55)。Sb53のステップにおける役比モニタ用データ処理の内部での全レジスタの退避処理及び復帰処理と、Sb51及びSb55のステップにおけるフラグレジスタの退避処理及び復帰処理とが行われることにより、役比モニタ用データ処理が行われた後において、メイン制御部41が備えるすべてのレジスタの状態が、当該処理が行われる前の状態に完全に復帰されることになる。
【0286】
Sb55のステップにおいてフラグレジスタを復帰させた後、ドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドをコマンドキューに設定して(Sb56)、タイマ割込み処理(メイン)のコマンド送信処理においてドアコマンドをサブ制御部91対して送信させる。
【0287】
その後、不正入賞チェック処理を行う(Sb57)。不正入賞チェック処理では、リールの入賞ラインLNに停止している図柄の組合せ及び内部抽選の当選結果に基づいて不正入賞が発生していないか否かを判定し、不正入賞が発生している場合には、エラーコードをAレジスタに設定して当該不正入賞チェック処理を終了させる一方、不正入賞が発生していない場合には、エラーコードを設定せずに、当該不正入賞チェック処理させる。
【0288】
Sb57において不正入賞チェック処理を行った後は、役連終了チェック処理を行う(Sb58)。役連終了チェック処理では、特別状態中(BB1、BB2)であるか否かを判定し、特別状態中である場合には、当該ゲームにおいて特別状態の終了条件が成立したか否かを判定する。そして、特別状態の終了条件が成立したと判定した場合には、特別状態の終了を示すBB終了フラグをRAM41cの所定領域に設定する処理等を行う。
【0289】
Sb58において役連終了チェック処理を行った後は、遊技状態設定処理を行う(Sb59)。遊技状態設定処理では、内部抽選にて当選しているBB1またはBB2が入賞したか否かを判定して、BB1またはBB2が当選していると判定した場合には、遊技状態を入賞したBBに応じた特別状態に移行させる処理等を行う。
【0290】
Sb59において遊技状態設定処理を行った後は、後述するように遊技区間に関する処理及びナビ報知に関する処理を行うAT状態管理処理を行う(Sb60)。AT状態管理処理では、前述の有利区間ゲーム数カウンタが初期値(0)以外の値であるか否かに基づいて有利区間中であるか否かを判定する処理や、有利区間中であると判定した場合に当該ゲームにおいて3枚の賭数が設定されているか2枚の賭数が設定されているかに関わらず、有利区間において払出されたメダルの純増枚数を計数する純増枚数カウンタを更新する処理、更新された純増枚数カウンタに基づいてメダルの純増枚数が第1規定数を超えたと判定される場合に有利区間を終了させる旨を示す有利区間終了フラグを設定する処理、有利区間ゲーム数に基づいて特定される有利区間ゲーム数が第2規定数に到達したと判定される場合に有利区間終了フラグを設定する処理、賭数が2枚である状態またはRT1以外の遊技状態であることを条件に行うナビ報知に関する処理(例えば、純増枚数カウンタに基づいて特定される純増枚数が第3規定数を超えたと判定される場合にED制御を行う旨を示すED移行フラグを設定する処理、ED移行ゲーム数カウンタに基づいて特定されるED移行ゲーム数が第4規定数に到達したと判定される場合にED制御を行う旨を示すED移行フラグを設定する処理、出玉状態に応じた各種処理等)を行う。
【0291】
AT状態管理処理により設定される有利区間終了フラグは、メイン処理における後述の処理(Sb70)において参照され、当該有利区間終了フラグがRAM41cの所定領域に設定されている場合には、RAM41cの記憶領域のうち有利区間に関する情報(例えば、有利区間ゲーム数カウンタ、純増枚数カウンタ、ED移行ゲーム数カウンタ、出玉状態情報、区間表示LED19の出力バッファ、有利区間中信号の出力バッファ等)が記憶されている所定領域を初期化する有利区間データ初期化処理(Sb71~Sb79)が行われることで、一連の有利区間が終了されることとなる。有利区間終了フラグが設定されていることに基づいて有利区間データ初期化処理が行われて、区間表示LED19の出力バッファが初期化されることで、区間表示LED19は消灯状態に制御され、区間表示が終了される。また、有利区間データ初期化処理が行われて、有利区間中信号の出力バッファが初期化されることで、有利区間中信号がOFF状態に制御されることとなる。
【0292】
Sb60においてAT状態管理処理を行った後は、一括送信データ格納処理を行って(Sb61)、1ゲームの終了時にサブ制御部91に対して送信する複数のコマンドをコマンドキューに一括して設定する。一括送信データ格納処理により設定された複数のコマンドは、その後のタイマ割込み処理により順次送信されることとなる。
【0293】
Sb61のステップにおいて一括送信データ格納処理を行った後は、停止間フリーズ処理を行う(Sb62)。停止間フリーズ処理では、RAM41cの所定領域に設定されているフリーズフラグに基づいて、第3停止操作が行われたときにフリーズ状態に制御する旨が決定されているか否かを判定し、フリーズ状態に制御する旨が決定されていると判定した場合には、BCレジスタに所定値を設定して割込みBC回待ち処理を行って、遊技の進行を所定期間にわたり遅延させる。フリーズフラグは、例えば、出玉制御処理において所定条件が成立した場合等に、フリーズ状態に制御する旨を特定可能に設定される。一方、停止間フリーズ処理では、フリーズフラグに基づいて、フリーズ状態に制御する旨が決定されていないと判定した場合には、BCレジスタの設定や割込みBC回待ち処理等を行わずに、停止間フリーズ処理を終了させる。
【0294】
Sb62のステップにおいて停止間フリーズ処理を行った後は、当該ゲームの結果として発生した入賞に応じた枚数のメダルを払い出すメダル払出処理を行う(Sb63)。メダル払出処理では、発生した入賞に応じて、入賞役毎に予め定められた所定枚数のメダルを遊技者に対して付与して、付与するメダル枚数分をクレジットに加算し、クレジットが上限数(本実施例では、50)に達した場合には、ホッパーモータ34bを駆動させてクレジットに加算されなかった分のメダルをメダル払出口9から払い出す。
【0295】
Sb62のステップにおいてメダル払出処理を行った後は、メダル払出処理が終了した旨を示す送信データをAレジスタに設定し(Sb64)、払出終了コマンドの値をDレジスタに設定して(Sb65)、通信データ格納処理を行う(Sb66)。通信データ格納処理では、Aレジスタ及びDレジスタに設定されている値に基づいてコマンドを生成してコマンドキューに設定するようになっており、Aレジスタにダル払出処理が終了した旨を示す送信データが設定され、Dレジスタに払出終了コマンドの値が設定されている場合には、メダル払出処理が終了した旨を示す払出終了コマンドを生成してコマンドキューに設定する。
【0296】
Sb66のステップにおいて通信データ格納処理を行った後は、遊技終了時フリーズの設定用アドレスをHLレジスタに設定し(Sb67)、待ち時間演出処理を行う(Sb68)。待ち時間演出処理では、RAM41cにおける遊技終了時フリーズの設定用アドレスに設定されているデータに基づいて、ゲーム終了時にフリーズ状態に制御する旨が決定されているか否かを判定し、フリーズ状態に制御する旨が決定されていると判定した場合には、BCレジスタに所定値を設定して割込みBC回待ち処理を行って、遊技の進行を所定期間にわたり遅延させる。RAM41cにおける遊技終了時フリーズの設定用アドレスには、例えば、出玉制御処理において所定条件が成立した場合等に、フリーズ状態に制御する旨を特定可能なデータが設定される。一方、待ち時間演出処理では、RAM41cにおける遊技終了時フリーズの設定用アドレスに、フリーズ状態に制御する旨を特定可能なデータが設定されていないと判定した場合には、BCレジスタの設定や割込みBC回待ち処理等を行わずに、待ち時間演出処理を終了させる。
【0297】
Sb68のステップにおいて待ち時間演出を行った後は、遊技終了時の設定処理を行う(Sb69)。遊技終了時の設定処理では、再遊技役の図柄組合せがリール2L、2C、2Rに停止しているか否かを判定し、再遊技役の図柄組合せが停止している場合には、次ゲームにおいて再遊技を行うための賭数を設定する処理(本実施例では、RAM41cの所定領域に設定されている再遊技用メダルカウンタに、再遊技用メダルとして当該ゲームの規定数と同じ賭数を設定する。)や、再遊技中フラグをRAM41cの所定領域に設定する処理、リプレイ中LED20をON状態(点灯状態)に制御する処理等を行う。
【0298】
そして、Sb69のステップにおいて遊技終了時の設定処理を行った後は、有利区間を終了させる旨を示す有利区間終了フラグがRAM41cの所定領域に設定されているか否かを判定し(Sb70)、有利区間終了フラグが設定されていると判定した場合には、RAM41cの記憶領域のうち有利区間中の制御に関連するデータが記憶されている所定領域を初期化して有利区間を終了させる有利区間データ初期化処理(Sb71~Sb79)を行う。
【0299】
有利区間データ初期化処理では、まず、当該処理にて初期化するRAM41cの記憶領域の区分数(本実施例では、2)を初期化領域区分数として所定レジスタ(D)に設定する(Sb71)。そして、RAM初期化テーブル(初期化対象となるRAM41cの記憶領域の先頭アドレスの値及び初期化対象となる記憶領域数(容量、含まれるアドレスの個数)が、区分数が示す値に対応して設定されたテーブル)が記憶されているROM41bの記憶領域のアドレスを所定レジスタ(HL)に設定する(Sb72)。その後、所定レジスタ(HL)に設定されているRAM初期化データテーブルのアドレスに基づいて特定されるROM41bの記憶領域から、所定レジスタ(D)の区分数が示す値に対応する記憶領域数を取得して、初期化対象領域のアドレス数として所定レジスタ(B)に設定するとともに、所定レジスタ(D)の区分数が示す値に対応する先頭アドレスの値を取得して、初期化対象RAMアドレスとして所定レジスタ(C)に設定する(Sb73、Sb74)。
【0300】
そして、初期化用データ(例えば、0)を所定レジスタ(A)に設定した後、所定レジスタ(C)に設定されている初期化対象RAMアドレスに対応するRAM41cの所定領域に、所定レジスタ(A)に設定されている初期化用データを設定することで、当該RAM41cの所定領域を初期化用データで初期化する(Sb75)。その後、所定レジスタ(C)の値を1加算することで、初期化対象RAMアドレスを1つ進める(Sb76)。
【0301】
そして、所定レジスタ(B)の値を1減算することで、残りアドレス数を1減算した後、残りアドレス数が0より大きいか否かを判定することで初期化対象範囲が終了したか否かを判定する(Sb78)。Sd78のステップにおいて残り初アドレス数が0より大きく、初期化対象範囲が終了していないと判定した場合には、Sb75のステップに戻り、Sb75~Sb78の各処理を、残りアドレス数が0となり、初期化対象判定が終了するまで繰り返し行う。これにより、RAM初期化データテーブルに予め定められている初期化対象となるRAM41cの記憶領域の先頭アドレスから初期化対象となる記憶領域数分(アドレス数)の記憶領域(初期化対象範囲)が、初期化用データで初期化される。
【0302】
Sb78のステップにおいて残りアドレス数が0より大きくなく、初期化対象範囲が終了したと判定した場合、すなわち、RAM初期化データテーブルに基づいて特定されるRAM41cの所定領域を全て初期化した場合には、所定レジスタ(D)の値を1減算することで、初期化するRAM41cの記憶領域の区分数が示す値を1減算し(Sb78)、減算後の区分数が示す値が0であるか否かを判定し(Sb79)、区分数が示す値が0でない場合には、Sb73のステップに戻り、区分数が示す値に基づいて、次に初期化対象となる記憶領域数をRAM初期化テーブルから取得して、初期化対象領域のアドレス数として所定レジスタ(B)に設定するとともに、所定レジスタ(D)の区分数が示す値に対応する先頭アドレスの値をRAM初期化テーブルから取得して、初期化対象RAMアドレスとして所定レジスタ(C)に設定した後(Sb73、Sb74)、初期化用データ(例えば、0)を所定レジスタ(A)に設定し、所定レジスタ(C)に設定されている初期化対象RAMアドレスに対応するRAM41cの所定領域に、所定レジスタ(A)に設定されている初期化用データを設定することで、当該RAM41cの所定領域を初期化用データで初期化した後(Sb75)、所定レジスタ(C)の値を1加算することで、初期化対象RAMアドレスを1つ進める処理(Sb75)、をSb79のステップにおいてアドレス数が0になったと判定されるまで繰り返し行うことで、所定レジスタ(D)の記憶領域の区分数が示す値に対応するRAM41cの記憶領域を初期化する。このようなSb73~Sb78のステップにおける各処理を記憶領域の区分数が0となるまで繰り返し行うことで、区分数によって指定されたRAM41cの所定記憶領域を初期化する。そして、所定レジスタ(D)の記憶領域の区分数が示す値が0となることで、AT状態管理処理を終了させて、メイン処理に戻る。当該有利区間中の制御に関連するデータには、AT状態の制御に関するデータが含まれており、有利区間データ初期化処理によりRAM41cにおける有利区間中の制御に関連するデータが記憶されている所定領域を初期化することで、当該有利区間中の制御に関連するデータ及びAT状態の制御に関するデータが初期化され、有利区間が終了されるとともにAT状態が終了される。
【0303】
尚、本実施例では、有利区間データ初期化処理において、区分数の初期値を2として、RAM41cにおける所定の2つの区分における記憶領域を初期化する構成であるが、有利区間データ初期化処理によりRAM41cにおける所定の1区分の記憶領域や3区分以上の記憶領域を初期化する構成でも良い。
【0304】
図30に示すように、Sb70のステップにおいて有利区間終了フラグが設定されていると判定して、有利区間データ初期化処理(Sb71~Sb79)を行った後、及び、Sb70のステップにおいて有利区間終了フラグが設定されていないと判定した後には、有利区間に制御されている旨を示す有利区間中フラグがRAM41cの所定領域に設定されているか否かに基づいて、現在制御されている遊技区間が有利区間中であるか否かを判定する(Sb80)。有利区間中フラグは、前述のSb16のステップにおける出玉制御処理により、規定数として3枚の賭数が設定され、かつBBに制御されていないゲームにおいて内部抽選にて所定の有利区間移行役が当選することで、遊技区間が有利区間へ移行されることを条件として、RAM41cの所定領域に設定されるようになっている。
【0305】
Sb80のステップにおいて有利区間終了フラグが設定されていると判定した場合には、RAM41cの所定領域に設定されている有利区間中信号の出力バッファにON状態を示すデータ(1)を設定し(Sb81)、Sb82のステップへ進む。一方、Sb80のステップにおいて有利区間終了フラグが設定されていないと判定した場合には、有利区間中信号の出力バッファにON状態を示すデータを設定せずに、Sb82のステップへ進む。有利区間中信号の出力バッファにON状態を示すデータが設定されない場合に、有利区間中信号の出力バッファの値は、前述の有利区間データ初期化処理により初期化されたときの0値(OFF状態を示すデータ)のまま維持される。
【0306】
その後、Sb82のステップでは、有利区間中信号の出力バッファを参照して、当該有利区間中信号の出力バッファに設定されているデータの値が初期値(0:OFF状態を示すデータ)であるか否かを判定する。そして、Sb82のステップにおいて有利区間中信号の出力バッファの値が初期値(0)であると判定した場合、すなわち遊技区間が有利区間に制御されていないと判定した場合には、区間表示LED消灯時のデータ番号をAレジスタに設定して(Sb83)、連続データ処理を行った後(Sb84)、Sb85のステップへ進む。Sb84における連続データ処理では、区間表示LED消灯時のデータ番号及び後述の連続データ処理テーブルに基づいて、有利区間中信号の出力状態をOFF状態に設定する処理を行う。一方、Sb82のステップにおいて有利区間中信号の出力バッファの値が初期値(0)でないと判定した場合、すなわち所定値(1)が設定されており、遊技区間が有利区間に制御されていると判定した場合には、Sb83及びSb84のステップの処理を行わずに、Sb85のステップへ進む。
【0307】
Sb85のステップでは、1ゲームの終了毎に初期化するRAM41cの所定領域の容量(RAM初期化対象サイズ)をBCレジスタに設定した後(Sb85)、RAM41cの所定領域にBB終了フラグが設定されているか否かに基づいて、当該ゲームにおいて特別状態(BB1、BB2)が終了したか否かを判定する(Sb86)。BB終了フラグは、前述の役連終了チェック処理により当該ゲームにて特別状態(BB1、BB2)が終了されたと判定された場合に、RAM41cの所定領域に設定されるフラグである。
【0308】
そして、Sb86のステップにおいて当該ゲームにおいて特別状態が終了したと判定した場合には、特別状態の終了毎に初期化するRAM41cの所定領域の容量(RAM初期化対象サイズ)をBCレジスタに設定して(Sb87)、Sb1のステップの処理に戻る。一方、Sb86のステップにおいて当該ゲームにおいて特別状態が終了したと判定しなかった場合には、Sb87のステップの処理を行わずにSb1のステップの処理へ戻る。
【0309】
その後、Sb1~Sb87のステップを繰り返し行う。メイン処理が一巡することで、一単位の遊技の制御に関する処理が終了することとなり、一単位のゲーム毎にメイン処理が繰り返し実行されることとなる。
【0310】
このように、本実施例のメイン制御部41が行う初期設定処理及びメイン処理は、遊技プログラムに含まれる処理から非遊技プログラムに含まれる処理、例えば、非遊技RAM領域初期化処理、RT情報出力処理、メダルセンサ処理、役比モニタ用データ処理等を呼び出すようになっている。そして、非遊技プログラムに含まれる処理を呼び出す際には、該当する非遊技プログラムの処理を呼び出す毎に、呼び出し元の遊技プログラム側で、メイン制御部41が備えるレジスタのうちフラグレジスタの値を遊技スタック領域に記憶させて退避させ、呼び出し先の非遊技プログラム側で、遊技プログラムで使用しているスタックポインタSPの値を非遊技RAM領域に記憶させて退避するとともに、メイン制御部41が備えるすべてのレジスタの値を非遊技スタック領域に記憶させて退避させる処理を行う。そして、呼び出された非遊技プログラムに応じた処理(例えば、非遊技RAM領域初期化処理において非遊技RAM領域を初期化する処理、後述のメダルセンサ処理におけるメダルセンサチェック処理、後述の役比モニタ用データ処理における各状態カウント処理等)を行うようになっている。
【0311】
また、メイン制御部41は、非遊技プログラムの処理を行った後には、非遊技プログラム側で、当該非遊技プログラムの開始時に非遊技スタック領域に退避させた、すべてのレジスタの値を該当するレジスタに読み込んで当該非遊技プログラムの開始時の状態にレジスタを復帰させるとともに、当該非遊技プログラムの開始時に非遊技RAM領域に記憶させたスタックポインタSPの値をスタックポインタSPに設定して、当該非遊技プログラムの開始時の状態にスタックポインタSPを復帰させ、さらに、呼び出し元の遊技プログラム側で、非遊技プログラムの呼び出し前に遊技スタック領域に記憶させたフラグレジスタの値を、該当するフラグレジスタに読み込んで当該非遊技プログラムの呼び出し前の状態にレジスタを復帰させる処理を行うようになっている。
【0312】
また、メイン制御部41は、非遊技プログラムに従って各種処理を行う場合には、前述のCALL命令等を用いて遊技プログラムから非遊技プログラムを呼び出すことで、当該非遊技プログラムに従って各種処理を行い、当該非遊技プログラムに応じた各処理が終了することで、呼び出し元の遊技プログラムに復帰するようになっている。
【0313】
本実施例のメイン制御部41(メインCPU41a)は、遊技プログラムに含まれるメイン処理から非遊技プログラムに含まれるRT情報出力処理、操作情報信号出力処理、役比モニタ用データ処理等を呼び出すことが可能であり、メイン処理により呼び出された非遊技プログラムに含まれる処理(RT情報出力処理、操作情報信号出力処理、役比モニタ用データ処理等)は、呼び出されて所定の処理を開始する際に、まず、LD命令を用いて、呼び出し元の遊技プログラムであるメイン処理により使用してスタックポインタSPの値を読み出してRAM41cの所定領域に退避させる処理を行うとともに、LD命令を用いて、前回の非遊技プログラムの終了時に退避させたスタックポインタSPの値を読み出して現在のスタックポインタSPが示す値として設定することで、スタックポインタSPを非遊技プログラム用に設定する処理を行う。
【0314】
また、メイン処理により呼び出された非遊技プログラムは、LD命令を用いて、スタックポインタSPを非遊技プログラム用に設定した後、第1退避命令(PUSH ALL)を用いて、すべてのレジスタをRAM41cの所定領域に退避させる処理を行う。この際、スタックポインタSPを非遊技プログラム用に設定するために、LD命令が用いられることで、フラグレジスタの第2ゼロフラグTZが変更されることとなり、当該LD命令の実行される前後でフラグレジスタの状態が変化して、非遊技プログラム用のスタックポインタSPが設定されたときにおけるフラグレジスタの状態が、メイン処理が非遊技プログラムを呼び出すときにおける状態と異なることがある。すなわち、非遊技プログラム側にて、第1退避命令を用いて退避されるすべてのレジスタのうちフラグレジスタ以外のレジスタについては、メイン処理が非遊技プログラムを呼び出すときの状態と同じ状態である一方で、フラグレジスタについては、メイン処理が非遊技プログラムを呼び出すときの状態と異なることがある。
【0315】
また、メイン処理により呼び出された非遊技プログラムは、当該非遊技プログラムを終了させて遊技プログラムに含まれるメイン処理に復帰させる際に、第1復帰命令(POP ALL)を用いて、当該非遊技プログラムの処理の開始時に退避させたすべてのレジスタの値を復帰させた後、LD命令を用いて、スタックポインタSPを遊技プログラム用に設定して、メイン処理に復帰させる。この際に、LD命令が用いられることで、フラグレジスタの第2ゼロフラグTZが変更されることとなり、当該LD命令の実行される前後でフラグレジスタの状態が変化して、遊技プログラムからメイン処理に復帰するときのフラグレジスタの状態が、メイン処理が非遊技プログラムを呼び出したときの状態と異なることがある。すなわち、非遊技プログラムからメイン処理に復帰したときにおけるすべてのレジスタのうちフラグレジスタ以外のレジスタについては、メイン処理が非遊技プログラムを呼び出したときの状態と同じ状態である一方で、フラグレジスタについては、メイン処理が非遊技プログラムを呼び出したときの状態と異なることがある。
【0316】
このように、非遊技プログラム側にて、第1退避命令及び第1復帰命令を用いて退避及び復帰されたフラグレジスタの状態は、メイン処理が非遊技プログラムを呼び出したときの状態、すなわちメイン処理が用いていたフラグレジスタの状態と異なる状態となることがあり、非遊技プログラム側では、メイン制御部41が備えるフラグレジスタを含むすべてのレジスタについてメイン処理が非遊技プログラムを呼び出すときの状態を保護することが困難である。
【0317】
これに対して、本実施例のメイン処理では、非遊技プログラムに含まれる処理(RT情報出力処理、操作情報信号出力処理、役比モニタ用データ処理等)を呼び出す際に、該当する非遊技プログラムの処理を呼び出す毎に、呼び出し元のメイン処理側で、第2退避命令(PUSH AF)を用いて、メイン制御部41が備えるレジスタのうちフラグレジスタの状態を遊技スタック領域に記憶させて退避させて、非遊技プログラムに含まれる処理からメイン処理に復帰した際に、メイン処理側で、第2復帰命令(POP AF)を用いて、フラグレジスタの状態を遊技スタック領域に退避させていた状態に復帰させる。これにより、メイン処理では、呼び出した非遊技プログラムに含まれる処理から復帰した際に、メイン処理側において非遊技プログラムを呼び出すときに退避させた状態に、フラグレジスタの状態を復帰させることができるので、非遊技プログラム側により復帰されたレジスタのうちフラグレジスタ以外のレジスタについては、メイン処理が非遊技プログラムを呼び出すときの状態と同じ状態である一方で、フラグレジスタについては、メイン処理が非遊技プログラムを呼び出すときの状態と異なることがある場合でも、メイン処理に非遊技プログラムから復帰したときに、すべてのレジスタの状態を、メイン処理が非遊技プログラムを呼び出したときの状態に復帰させることができるようになっている。
【0318】
また、遊技プログラムに含まれるメイン処理から呼び出される非遊技プログラムに含まれる処理は、第1退避命令(PUSH ALL)を用いて、メイン制御部41が備えるすべてのレジスタの状態を非遊技スタック領域に退避させ、第1復帰命令(POP ALL)を用いて、メイン制御部41が備えるすべてのレジスタの状態を非遊技スタック領域に退避させた状態に復帰させる一方、メイン処理は、第2退避命令(PUSH AF)を用いて、メイン制御部41が備えるレジスタのうちフラグレジスタのみの状態を遊技スタック領域に退避させ、第2復帰命令(POP AF)を用いて、フラグレジスタの状態を遊技スタック領域に退避させた状態に復帰させるようになっている。これにより、遊技プログラムでは、1バイトの第2退避命令及び第2復帰命令を用いてフラグレジスタの状態を退避及び復帰させるので、非遊技プログラムにおいて用いられる2バイトの第1退避命令及び第1復帰命令を用いてレジスタの状態を退避及び復帰させる場合に比較して、遊技プログラムの容量を削減することができる。また、遊技プログラムでは、第2退避命令を用いて複数のレジスタのうちフラグレジスタのみの状態を遊技スタック領域に退避させるので、非遊技プログラムにおいて用いられる第1退避命令を用いてすべてのレジスタの状態を退避させる場合に比較して、遊技スタック領域の容量を削減することができる。
【0319】
本実施例のメイン処理など遊技プログラムに含まれる処理では、当該プログラムに基づいて各種処理を進行させるための判定に、フラグレジスタのうち第2ゼロフラグの値を用いることがないようになっている。
【0320】
本実施例のメイン処理では、非遊技プログラムに含まれる処理(RT情報出力処理、操作情報信号出力処理、役比モニタ用データ処理等)を呼び出す際に、タイマ割込みを禁止に設定し、呼び出した処理からメイン処理に復帰した際に、タイマ割込みを許可に設定することで、非遊技プログラムに含まれる処理が実行されている期間にわたりタイマ割込みを禁止状態にするようになっている。
【0321】
本実施例のメイン処理では、非遊技プログラムに含まれる処理(操作情報信号出力処理、役比モニタ用データ処理等)を呼び出す際に、フラグレジスタを退避させた後、タイマ割込みを禁止に設定して、呼び出した処理からメイン処理に復帰した際に、タイマ割込みを許可に設定した後、フラグレジスタを復帰させるようになっている。
【0322】
本実施例の遊技プログラムに含まれるメイン処理等では、非遊技プログラムに含まれる操作情報信号出力処理、メダルセンサ処理、役比モニタ用データ処理等を呼び出すことが可能であり、これらの非遊技プログラムに含まれる処理は、次のタイマ割込み処理が行われるまでの時間が十分に確保されている状態でメイン制御部41により実行される場合には、次のタイマ割込み処理が行われるまでの時間内に、該処理に含まれるすべての処理が完了するが、次のタイマ割込み処理が行われるまでの時間が十分に確保されていない状態でメイン制御部41により実行される場合には、次のタイマ割込み処理が行われるまでの時間内に、該処理に含まれるすべての処理が完了せず、当該処理の実行中に次のタイマ割込み処理が行われるタイミングとなる可能性がある容量のプログラムにより構成されている。
【0323】
そして、本実施例の遊技プログラム(メイン処理、遊技開始待ち処理等)では、非遊技プログラムを呼び出す際に、割込み1回待ち処理を行ってタイマ割込み処理が行われた後に、遊技プログラムから非遊技プログラムを呼び出す処理を含む一連の処理を行い、非遊技プログラムを呼び出すようになっている。すなわち、割込み1回待ち処理を契機として非遊技プログラムを呼び出して行うことで、次のタイマ割込み処理が行われるまでの時間が十分に確保されている状態で、非遊技プログラムを実行するようになっている。
【0324】
このように、本実施例のメイン処理では、RAM41cの所定領域に有利区間終了フラグが設定されており、有利区間を終了させる場合には、RAM41cの所定領域に記憶されている有利区間中信号出力バッファを含む有利区間に関する情報を初期化する有利区間データ初期化処理(Sb71~Sb79)を行って、有利区間中信号出力バッファを初期化することで有利区間中信号をOFF状態に制御した後、当該有利区間中信号出力バッファが初期値(0)となっていることに基づいて連続データ処理を行い(Sb82~Sb84)、区間表示LED19の出力バッファにOFF状態のデータを設定して、区間表示を終了させるようになっている。これにより、有利区間中信号がOFF状態となった後に、区間表示が終了されるので、有利区間関連情報が初期化されていない状態で区間表示が終了してしまうことを防止できるとともに、有利区間中信号出力バッファが初期化されていないことにより試験装置に対して有利区間中信号が出力されているにも関わらず、区間表示が終了してしまうことを防止できる。
【0325】
本実施例のメイン処理では、有利区間に関する情報を初期化する有利区間データ初期化処理(Sb71~Sb79)を行い、その後行われるタイマ割込み処理により、有利区間中信号の出力バッファにOFF状態を示す初期値(0)が設定されている場合には、有利区間中信号をOFF状態に制御させるようになっている。これにより、有利区間を終了するときに有利区間中信号を初期化することで有利区間中信号の出力バッファを個別にOFF状態に設定することなく有利区間中信号をOFF状態にすることができる。
【0326】
本実施例のメイン処理では、RAM41cの所定領域に設定される有利区間中フラグに基づいて有利区間中か否かを判定し(Sb80)、有利区間中と判定した場合に有利区間中信号の出力バッファにON状態を示す所定値(1)を設定し(Sb81)、その後行われるタイマ割込み処理により、有利区間中信号バッファに当該所定値が設定されている場合は、有利区間中信号をON状態に制御させるようになっている。これにより、ゲーム終了毎に有利区間中か否かを判定し、有利区間中と判定された場合には、有利区間中信号の出力バッファにON状態が設定されるので、有利区間中であるにも関わらず有利区間中信号がOFF状態になることを防止できる。
本実施例のメイン制御部41は、一単位のゲーム毎に繰り返し実行されるメイン処理と、当該メイン処理に一定時間間隔毎に割り込んで処理を行うタイマ割込処理を実行可能である。そして、メイン処理において特定処理(遊技プログラムによる処理)及び特別処理(非遊技プログラムによる処理)を行うことが可能であり、タイマ割込処理において1ゲームの最小時間を計時するための一遊技時間管理用タイマ値を更新するタイマ処理(Sv20)を行うことが可能である。特定処理(遊技プログラム)の実行中には、タイマ割込処理が実行されることがあり、一遊技時間管理用タイマ値が更新される一方、特別処理(非遊技プログラム)の実行中は、タイマ割込処理が実行されることがなく、一遊技時間管理用タイマ値が更新されないようになっている。これにより、一遊技時間管理用タイマ値を極力更新させることで、遊技の進行を円滑に行える一方で、特別処理が行われている期間については、一遊技時間管理用タイマ値の更新を行わないことで、一遊技時間管理用タイマ値を更新する処理と特別処理が混在することがないようになっている。
【0327】
本実施例のメイン処理では、1ゲームのうちのリール回転開始前において一遊技時間管理用タイマ値が特定値(0)であるか否かを判定し(Sb40)、一遊技時間管理用タイマ値が特定値(0)でないと判定した場合には、一遊技時間管理用タイマ値が特定値(0)であると判定されるまでゲームを進行させずに待機し、一遊技時間管理用タイマ値が特定値(0)であると判定した場合に、ゲームを進行させるようになっている。これにより、一遊技時間管理用タイマ値に基づいて最小時間が経過したことが特定されるまでゲームを進行させず、最小時間が経過することでゲームを進行させることで、1ゲームあたりの最小時間を確保することができる。
【0328】
本実施例のメイン処理では、一遊技時間管理用タイマ値が特定値(0)であると判定した場合に(Sb40)、タイマ割込処理の実行を禁止した後(Sb41)、連続データ処理を行うことで(Sb43)、一遊技時間管理用タイマに初期値(4.1秒に相当する値)を設定するようになっている。これにより、一遊技時間管理用タイマに初期値を設定する際にタイマ割込み処理が禁止されるので、一遊技時間管理用タイマに初期値を設定している最中に当該一遊技時間管理用タイマ値が更新されてしまうことを防止できる。
【0329】
本実施例のメイン制御部41は、特別処理(非遊技プログラム)として、メダル受入流路29bを流下するメダルの通過状況を監視するメダルセンサ処理(Sg9)を実行するようになっている。これにより、監視するメダルセンサ処理が行われている期間については、一遊技時間管理用タイマ値の更新を行わないことで、一遊技時間管理用タイマ値を更新する処理と不正の検知に関連するメダルセンサ処理が混在することがない。
【0330】
本実施例のメイン制御部41は、特別処理(非遊技プログラム)として、役物払出比率、連続役物比率を算出するためのデータである総累計払出枚数、総累計役物払出枚数、総累計連続役物払出枚数を更新する役比モニタ用データ処理を実行するようになっている。これにより、役物払出比率、連続役物比率を算出するデータを更新する役比モニタ用データ処理が行われている期間については、一遊技時間管理用タイマ値の更新を行わないことで、一遊技時間管理用タイマ値を更新する処理と遊技機の性能表示に関連する役比モニタ用データ処理が混在することがない。
【0331】
本実施例のメイン制御部41は、特別処理(非遊技プログラム)として、スロットマシン1の試験を行う試験装置に対して停止実行位置信号を出力する操作情報信号出力処理(Sb19)を行うようになっている。これにより、スロットマシン1の試験を行う試験装置に対して試験信号を出力する操作情報信号出力処理が行われている期間については、一遊技時間管理用タイマ値の更新を行わないことで、一遊技時間管理用タイマ値を更新する処理とスロットマシン1の試験に関連する操作情報信号出力処理が混在することがない。
【0332】
本実施例のメイン処理では、一遊技時間管理用タイマ値が特定値(0)と判定した場合に(Sb40)、遊技開始時の設定インデックスデータをAレジスタに設定して(Sb42)、連続データ処理を行うことで(Sb42)、当該連続データ処理により、一遊技時間管理用タイマ値に初期値を設定することで最小時間の計時が開始されるとともに、一遊技時間管理用タイマ値に初期値が設定されたときに試験信号が出力されるようになっている。これにより、試験信号は、一遊技時間管理用タイマ値に初期値が設定されたときに出力されるので、試験信号が出力される時間間隔を特定することで、試験装置側で1ゲームの最小時間が確保されているかを特定することができる。
【0333】
[内部抽選処理におけるグループ情報設定処理等について]
メイン制御部41が内部抽選処理において行うグループ情報設定処理について、
図31に基づいて説明する。
【0334】
メイン制御部41は、メイン処理の内部抽選処理において内部抽選を行い、当該内部抽選にて当選した役(ハズレを含む)を特定可能な役番号(当選番号)をRAM41cの所定領域に設定する。そして、内部抽選処理においてグループ情報設定処理(一般役)を行い、役番号(当選番号)に基づいて内部抽選にて当選した一般役の種類を特定可能なグループ情報(一般役)を特定して、当該グループ情報をRAM41cの所定領域に設定する。当該グループ情報は、その後、メイン処理にて行われる遊技開始時コマンド送信処理により参照され、当該グループ情報を含み内部抽選にて当選した一般役(ハズレを含む)の種類を特定可能な内部当選コマンドがサブ制御部91に対して送信されるようになっている。
【0335】
図31に示すように、グループ情報設定処理(一般役)では、まず、内部抽選処理によりRAM41cの所定領域に設定され、当該ゲームにおける内部抽選にて当選した内部抽選対象役を特定可能な役番号(当選番号)をAレジスタに読み込む(Sc1)。その後、グループ情報設定用テーブルが設定されているRAM41cの先頭アドレス値をHLレジスタに設定し(Sc2)、グループ情報変換処理を行う(Sc3)。グループ情報変換処理では、グループ情報設定用テーブル及びAレジスタ値に基づいて、役番号(当選番号、0~64)に対応するグループ情報(0、16、17、41)を特定し、Aレジスタに設定する。役番号(当選番号)が0~15の範囲内にある場合には、グループ情報として0が設定され、役番号(当選番号)が16である場合には、グループ情報として16が設定され、役番号(当選番号)が17~40の範囲内にある場合には、グループ情報として17が設定され、役番号(当選番号)が41~64の範囲内にある場合には、グループ情報として41が設定される。
【0336】
Sc3のステップにおいてグループ情報変換処理を行った後は、Aレジスタに設定されているグループ情報が0であるか否かを判定し(Sc4)、グループ情報が0であると判定した場合には、役番号をAレジスタに読み込み(Sc5)、Aレジスタの値を役番号の値に修正して、修正後のAレジスタの値をグループ情報(一般役)としてRAM41cの所定領域に記憶させる(Sc6)。一方、Sc4のステップにおいてグループ情報が0でないと判定した場合には、グループ情報変換処理により設定されたAレジスタの値をそのままグループ情報(一般役)としてRAM41cの所定領域に記憶させる(Sc6)。Sc6のステップの処理を行った後は、グループ情報設定処理(一般役)を終了させる。
【0337】
このように、メイン制御部41は、グループ情報設定処理(一般役)を行うことにより、内部抽選にて役番号(当選番号)が0~16の範囲内の内部抽選対象役(ハズレ、リプレイ1A、リプレイ1B、リプレイ1C、リプレイ1D、リプレイ1E、リプレイ1F、リプレイ2、チェリー1、チェリー2、チェリー3、チャンスリプレイ1、チャンスリプレイ2、スイカ、共通1枚役、共通3枚役、共通多枚役)が当選した場合には、グループ情報(一般役)として当選している内部抽選対象役の役番号(当選番号、0~16)を設定し、内部抽選にて役番号(当選番号)が17~40の範囲内の内部抽選対象役(多枚押し順役)が当選した場合には、グループ情報(一般役)として共通の17を設定し、内部抽選にて役番号(当選番号)が41~46の範囲内の内部抽選対象役(3枚押し順役)が当選した場合には、グループ情報(一般役)として共通の41を設定する。
【0338】
そして、内部抽選の当選結果として当該グループ情報(一般役)を含む内部当選コマンドがサブ制御部91に対して送信されることにより、サブ制御部91では、内部抽選にて当選した個別の内部抽選対象役を特定することはできないが、当選した内部抽選対象役の種類を特定することができるようになっている。
【0339】
尚、特に図示しないが、メイン制御部41は、メイン処理の内部抽選処理において内部抽選を行い、当該内部抽選にて当選した役(ハズレを含む)を特定可能な役番号(当選番号)をRAM41cの所定領域に設定した後、当該役番号(当選番号)が特別役(BB1、BB2)に対応する番号であるか否かを判定し、特別役(BB1、BB2)に対応する番号であると判定した場合には、当選している特別役に対応する値(BB1の場合は、1、BB2の場合は2)をグループ情報(特別役)としてRAM41cの所定領域に記憶させ、特別役(BB1、BB2)に対応する番号でないと判定した場合には、グループ情報(特別役)として0をRAM41cの所定領域に記憶させるようになっている。
【0340】
また、メイン制御部41は、内部抽選処理において内部抽選を行った後、内部抽選の当選結果を示す役番号(当選番号)が0~64の範囲内である場合は、当該役番号(当選番号)の値を一般役当選番号としてRAM41cの所定領域に設定し、役番号(当選番号)が65以上である場合すなわち特別役(BB1、BB2)が当選している場合には、一般役当選番号としてハズレを示す値(0)をRAM41cの所定領域に設定するようになっている。
【0341】
また、本実施例のメイン制御部41は、3枚の賭数(第1賭数)が設定されているか、2枚の賭数(第2賭数)が設定されているかに関わらず、共通のグループ情報設定処理(一般役)を行い、内部抽選にて多枚ベル、3枚役のいずれかが当選した場合に、内部抽選にて多枚ベルまたは3枚役が当選したことは特定可能であるが、当選した役の種類を特定不能となるように当選した役のグループを特定可能な内部当選コマンドを送信するようになっている。これにより、3枚の賭数(第1賭数)が設定されている場合でも、2枚の賭数(第2賭数)が設定されている場合でも、内部抽選にて多枚ベル及び3枚役のいずれもが抽選対象となり、いずれかの種類の役が当選した場合には、当選した役の種類に応じて遊技者にとって有利となる操作態様が変化することとなるが、3枚の賭数(第1賭数)が設定されている場合でも、2枚の賭数(第2賭数)が設定されている場合でも、内部抽選にて多枚ベルまたは3枚役が当選したことは特定可能であるが、当選した役の種類を特定不能となるように当選した役のグループを特定可能な内部当選コマンドを送信するので、3枚の賭数(第1賭数)が設定されている場合でも、2枚の賭数(第2賭数)が設定されている場合でも、内部当選コマンドから遊技者にとって有利な操作態様が特定されてしまうことを防止できる。
【0342】
また、3枚の賭数(第1賭数)が設定されている場合にも、2枚の賭数(第2賭数)が設定されている場合にも、内部抽選にて多枚ベルまたは3枚役が当選した場合には共通のグループ情報設定処理により内部当選コマンドが作成されるので、コマンドの作成に係るプログラム容量を削減できる。
【0343】
[連続データ処理について]
本実施例のメイン制御部41が行う連続データ処理の制御内容について、
図32~
図34に基づいて説明する。尚、連続データ処理は、遊技プログラムに含まれており、遊技プログラムに含まれるメイン処理等において呼び出されるサブルーチンである。連続データ処理は、Aレジスタにデータ番号が設定された状態でメイン処理等から呼び出されるようになっている。データ番号は、連続データ処理にて行う処理の種類を示すデータである。
【0344】
図32に示すように、連続データ処理では、まず、当該連続データ処理を開始するときにAレジスタに設定されているデータ番号がデータ設定処理を行う旨を示す番号であるであるか否かを判定する(Sd1)。Sd1のステップにおいてAレジスタに設定されているデータ番号がデータ設定処理以外の処理を行う旨を示す番号であると判定した場合には、Sd18のステップへ進み、1バイトデータ抽選処理を行う。1バイトデータ抽選処理は、Aレジスタのデータ番号に基づいて特定される所定の抽選を行う処理である。Sd18のステップにおいて1バイトデータ抽選処理を行った後は、連続データ処理を終了させて呼び出し元の処理に戻る。
【0345】
一方、Sd1のステップにおいてAレジスタに設定されているデータ番号がデータ設定処理を行う旨を示す番号であると判定した場合には、連続データ処理テーブルのインデックスデータの基準アドレスをHLレジスタに設定し(Sd2)、加算処理を行う(Sd3)。加算処理では、HLレジスタにAレジスタ値を加算し、加算後のHLレジスタ値により特定されるアドレスに格納されているデータをAレジスタに取得する。インデックスデータテーブルには、データ番号に対応するインデックスデータテーブルのアドレス領域に、基準アドレスからデータ番号に対応する設定データテーブルの先頭アドレスまでの相対距離が格納されている(
図34参照)。Sd3のステップにおいて加算処理がおこなわれることで、HLレジスタには、データ番号に対応するインデックスデータテーブルのアドレス領域が設定され、Aレジスタには、データ番号に対応する設定データテーブルの先頭アドレスまでの相対距離が設定されることとなる。例えば、Aレジスタにデータ番号1が設定されて加算処理が行われることで、
図34に示すように、連続データ処理テーブルのインデックデータのアドレスm2+1(基準アドレスm2+データ番号1)がHLレジスタに設定され、当該アドレスm2+1に格納されている相対距離データα(m6-(m2+1))がAレジスタに設定される。
【0346】
Sd3のステップにおいて加算処理を行った後は、Aレジスタの値をHLレジスタに加算して(Sd4)、HLレジスタ値により特定されるアドレスをAレジスタ値分進める。これにより、例えば、データ番号が1である場合には、データ番号1に対応する設定データテーブルの先頭アドレスm6がHLレジスタに設定されることとなる。
【0347】
その後、設定データテーブル内の領域であり、HLレジスタ値により特定されるアドレスの領域に格納されている全設定回数をBレジスタに読み込み、初期化回数をCレジスタに読み込む(Sd5)。そして、HLレジスタ値を1加算して更新した後(Sd6)、HLレジスタ値を1加算して更新する(Sd7)。その後、HLレジスタ値のアドレスに格納されている設定先アドレス値をEレジスタに読み込む(Sd8)。
【0348】
そして、Cレジスタの初期化回数が0であるか否かを判定し(Sd9)、Cレジスタの初期化回数が0であると判定した場合には、HLレジスタ値を1加算して更新し(Sd10)、更新されたHLレジスタ値のアドレスに格納されている設定データ値をAレジスタに読み込み(Sd11)、Aレジスタの値が0であるか否かを判定する(Sd12)。そしてSd12のステップにおいてAレジスタ値が0ではないと判定した場合には、Aレジスタに設定された設定データを、Eレジスタ値により特定されるアドレスのRAM41cの所定領域に設定する(Sd13)。
【0349】
一方、Sd9のステップにおいてCレジスタ値が0ではないと判定した場合には、Cレジスタの初期化回数を1減算した後(Sd16)、Aレジスタ値の排他的論理和を演算することで、Aレジスタに初期化用のデータ(0)を設定する(Sd17)。そして、Aレジスタに初期化用のデータをEレジスタ値により特定されるアドレスのRAM41cの所定領域に設定する(Sd13)これにより、Eレジスタ値により特定されるアドレスのRAM41cの所定領域が初期化されることとなる。
【0350】
Sd13のステップにおいてEレジスタ値により特定されるアドレスのRAM41cの所定領域に、Aレジスタ値を設定した後は、Bレジスタを1減算することで全設定回数を1減算して更新する(Sd14)。その後、Bレジスタ値に基づいて残り全設定回数が0であるか否かを判定する(Sd15)。
【0351】
Sd15のステップにおいてBレジスタ値が0であり残り全設定回数が0であると判定した場合には、連続データ処理を終了して呼び出し元の処理に戻る。一方、Sd15のステップにおいてBレジスタ値が0ではなく残り全設定回数が0ではないと判定した場合には、Sd7のステップに戻り、Ad7~Sd15の各ステップの処理をBレジスタ値に基づいて特定される全設定回数が0となるまで繰り返し行う。
【0352】
また、
図33に示すように、Sd12のステップにおいてAレジスタの値が0であると判定した場合には、Bレジスタの全設定回数を1減算した後(Sd19)、BCレジスタ値をRAM41cの所定領域に退避する(Sd20)。その後、HLレジスタ値に基づいて特定される設定先アドレス値をDEレジスタに読み込む(Sd21)。そして、Eレジスタ値が予め定められた待ち時間設定コード値であるか否かを判定する(Sd22)。Eレジスタ値が予め定められた待ち時間設定コード値でないと判定した場合には、ポート出力処理を行う(Sd29)。ポート出力処理では、HLレジスタにより特定される出力ポートからの出力信号をAレジスタにより特定される状態(ON状態またはOFF状態)に設定する。
【0353】
また、Sd22のステップにおいてEレジスタ値が予め定められた待ち時間設定コード値であると判定した場合には、Eレジスタ値の所定ビット目に設定されている判定コードを削除し(Sd23)、DEレジスタ値を待ち時間としてBCレジスタに設定した後(Sd24)、割込みBC回待ち処理を行う(Sd25)。これにより、BCレジスタに設定された値分の回数、タイマ割込み処理が行われるまで待機されることとなる。
【0354】
Sd25のステップにおいて割込みBC回待ち処理を行った後は、Sd20のステップにおいて退避させたBCレジスタの全設定回数を復帰させる(Sd26)。また、Sd22のステップにおいてEレジスタ値が待ち時間コードではないと判定し、Sd29のステップにおいてポート出力処理を行った場合には、Sd23~Sd25のステップの各処理を行わず、Sd26のステップへ進み、Sd20のステップにおいて退避させたBCレジスタの全設定回数を復帰させる。
【0355】
Sd26のステップにおいてBCレジスタの全設定回数を復帰させた後は、Bレジスタを1減算して全設定回数を1減算する(Sd27)。そして、Bレジスタ値に基づいて特定される残り全設定回数が0であるか否かを判定し(Sd28)、残り全設定回数が0ではないと判定した場合には、Sd20のステップへ戻り、残り全設定回数が0であると判定されるまでSd20~Sd28のステップの各処理を行う。そして、Sd28のステップにおいて残り全設定回数が0であると判定されることで、連続データ処理を終了させて呼び出し元の処理へ戻る。
【0356】
このように、連続データ処理では、データ番号と連続データ処理テーブルに基づいて特定される所定領域を初期化する処理、データ番号と連続データ処理テーブルに基づいて特定される所定領域にデータ番号と連続データ処理テーブルに基づいて特定される所定データを設定する処理、データ番号と連続データ処理テーブルに基づいて特定される所定の出力ポートからの出力信号を出力状態(ON状態またはOFF状態)に設定する処理等を行う。
【0357】
例えば、
図34に示すように、データ番号が1(スタートスイッチ操作時の設定データ)である場合には、設定データテーブルに基づいて手入れ許可フラグ、遊技補助表示器12に表示される払出枚数表示(上位桁)、払出枚数表示(下位桁)を初期化する。また、データ番号が4(区間表示LED消灯時の設定データ)である場合には、ポート出力コードが設定されていることに基づいて出力ポート処理を行い、外部出力信号1、2をOFF状態に設定し、有利区間中信号をOFF状態に設定する。また、データ番号が27(有利区間移行時の設定データ)である場合には、制御している遊技区間を特定可能な区間状態情報に有利区間(01)を設定し、制御している出玉状態を示す高確状態フラグに高確状態(1)を設定する。
【0358】
[遊技開始待ち処理について]
本実施例のメイン制御部41が行う遊技開始待ち処理の制御内容について、
図35に基づいて説明する。尚、遊技開始待ち処理は、遊技プログラムに含まれており、遊技プログラムに含まれるメイン処理において呼び出されるサブルーチンである。
【0359】
図35に示すように、遊技開始待ち処理では、まず、メダル投入枚数表示処理を行い(Se1)、スロットマシン1に投入済みのメダル枚数に応じた1~3BETLED14~16をON状態(点灯状態)に制御する。その後、ホッパータンク34aが満タン状態である旨を特定可能なエラーコード(E1)に対応するエラー番号を所定のレジスタ(A)に準備し(Se2)、所定のポート入力バッファを参照して、満タンセンサ35aの確定データに基づいてホッパータンク34aが満タン状態であるか否かを判定する(Se3)。
【0360】
Se3のステップにおいてホッパータンク34aが満タン状態であると判定した場合には、後述するエラー処理を行う(Se4)。エラー処理では、遊技の進行が不能化されるエラー状態に制御する。また、所定のレジスタに準備されているエラーコード(E1)を特定可能なエラーコマンドをサブ制御部91に対して送信し、当該エラーコード(E1)をRAM41cの所定領域にその他の処理でも参照可能なエラーフラグとして設定する。また、当該エラーコード(E1)を遊技補助表示器12に表示させるように制御する。その後は、所定のレジスタに準備されているエラーコード(E1)に応じたエラー状態の解除条件が成立したことが特定されるまでエラー状態の制御を行う。エラーコード(E1)がレジスタに設定されてエラー状態に移行された場合には、満タンセンサ35aの確定データがOFF状態となるまで待機し、当該満タンセンサ35aの確定データがOFF状態となることで、エラー状態を解除する旨のエラーコマンド(解除)をサブ制御部91に対して送信し、エラー処理を終了させて、Se5のステップへ進む。
【0361】
Se3のステップにおいてホッパータンク34aが満タン状態でないと判定した場合、及びSe4のステップにおけるエラー処理を終了した場合には、RAM41cの所定領域に設定されている再遊技用メダルカウンタの値を所定のレジスタに読み込む(Se5)。尚、再遊技用メダルカウンタには、前回のメイン処理における遊技終了時設定処理により、前回ゲームの結果に応じた値が設定されており、前回ゲームにおいて再遊技役が入賞して再遊技が付与された場合には、遊技を行うために必要な賭数の規定数に相当する数値(例えば、3)が設定されている一方で、前回ゲームにおいて再遊技が付与されなかった場合には、0が設定されている。
【0362】
その後、RAM41cの再遊技用メダルカウンタをクリアし(Se6)、Se5のステップにおいて読み込んだ再遊技用メダルカウンタの値が0より大きいか否か、すなわち再遊技が付与されている否かを判定し(Se7)、再遊技が付与されている場合には、メダル投入実行処理を行う(Se8)。メダル投入実行処理では、再遊技用メダルカウンタの値を賭数に設定するとともに、1~3BETLED14~16をON状態(点灯状態)に設定して規定数の賭数(本実施例では、3)が設定されている旨を報知する。また、賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能な投入枚数コマンドをサブ制御部91に対して送信する。
【0363】
Se7のステップにおいて再遊技用メダルカウンタの値が0である、すなわち再遊技が付与されていないと判定した場合、及びSe8のステップにおいて再遊技が付与されたことによりメダル投入実行処理を行った後は、メダル手入れ許可設定処理を行う(Se9)。メダル手入れ許可設定処理では、RAM41cの所定領域に設定されているクレジットの値を参照し、当該クレジットの値が最大値(本実施例では、50)に達していない場合に、メダル投入部4からのメダルの投入を許可する旨を示すメダル手入れ許可フラグをRAM41cの所定領域に設定する。
【0364】
Se9のステップにおいてメダル手入れ許可設定処理を行った後は、割込み1回待ち処理を行う(Se10)。割込み1回待ち処理を行うことで、タイマ割込み処理(メイン)が行われて各種スイッチ類の検出状態やLEDの点灯状態、各種タイマ等が更新されることとなり、これらの各種スイッチ類の検出状態が更新された状態で、その後の処理(例えば、後述のメダル投入払出エラーチェック処理、メダル投入信号処理、操作入力受付処理)を行わせることができる。
【0365】
Se10のステップにおいて割込み1回待ち処理を行ってタイマ割込みが1回行われた後は、前述のメイン処理のSb32のステップと同様の投入払出エラーチェック処理を行う(Se11)。そして、RAM41cの所定領域にエラー実行フラグが設定されているか否かに基づいて、エラーチェック処理にてエラー処理が実行されたか否かを判定する(Se12)。
【0366】
Se12のステップにおいてエラーチェック処理にてエラー処理が実行されたと判定した場合は、Se10のステップに戻り、Se10~Se12のステップの各処理を再び行う。その後、メダル払出信号の遷移やメダル投入信号の遷移に異常が検出されない状態で、Se10~Se12のステップの各処理が行われることで、エラー実行フラグが設定されていない状態で、Se12のステップの処理が行われることとなる。
【0367】
一方、Se12のステップにおいてエラー実行フラグが設定されていないと判定した場合は、メダル投入信号処理を行う(Se13)。メダル投入信号処理では、メダル投入信号の遷移に基づいてメダルの投入状況を判定する。そして、正常なメダルの投入が検出された場合は、賭数の設定やクレジットにメダルを受け付けて、メダル投入信号処理を終了する。一方、異常なメダルの投入が検出された場合は、エラーコード(E5)を準備してエラー処理を行う。その後、エラー状態が解除されてエラー処理が終了されることで、メダル投入信号処理を終了する。
【0368】
Se13のステップにおいてメダル投入信号処理を行った後は、各種スイッチの操作を受け付ける有効化して、操作が有効化されているスイッチの操作が行われることで、当該スイッチによる操作を受け付ける操作入力受付処理を行う(Se14)。
【0369】
操作入力受付処理では、メダル投入信号の遷移に基づいてメダルが通過中でないときに、RAM41cの所定領域に設定されているクレジットと既に設定されている賭数(設定済み賭数)との合算値が3枚の賭数を設定するために必要な値(3)以上であるか否かを判定する。そして、クレジットと設定済み賭数の合算値が3枚の賭数を設定するために必要な値(3)以上であると判定した場合には、MAXBETスイッチ6のエッジデータを参照し、ONエッジデータが設定されているか否かを判定する。そして、ONエッジデータが設定されていると判定したときには、当該MAXBETスイッチ6による操作を有効に受け付け、賭数が3枚となるようにメダル枚数を賭数に設定し、賭数に設定した分のメダル枚数をクレジットから減算する処理を行う。ONエッジデータが設定されていないと判定したときには、BETスイッチ有効LED21の出力バッファにON状態のデータを設定することで当該BETスイッチ有効LED21をON状態(点灯状態)に制御する処理を行う。一方、RAM41cの所定領域に設定されているクレジットと既に設定されている賭数(設定済み賭数)との合算値が、3枚の賭数を設定するために必要な値(3)以上でないと判定した場合には、MAXBETスイッチ6のONエッジデータが設定されているか否かを判定する処理も、BETスイッチ有効LED21をON状態に制御する処理も行わない。クレジットと既に設定されている賭数(設定済み賭数)との合算値が、3枚の賭数を設定するために必要な値(3)以上でないと判定した場合には、BETスイッチ有効LED21を消灯状態に維持する。これにより、クレジットの残数が3枚の賭数を設定するのに十分な状況では、遊技者等によりMAXBETスイッチ6が操作されることで3枚の賭数(第1賭数)が設定される一方、クレジットの残数が3枚の賭数を設定するのに不足する状況では、MAXBETスイッチ6の操作を有効に受け付けず、2枚の賭数(第2賭数)しか設定できない状況でMAXBETスイッチ6が操作されても2枚の賭数が設定されることがないため、極力第2賭数でゲームが行われることを防止できるようになっている。
【0370】
また、操作入力受付処理では、メダル投入信号の遷移に基づいてメダルが通過中でないときに、RAM41cの所定領域に設定されている賭数が規定数(2または3)である場合には、スタートスイッチ7による操作の受け付けを有効化する。また、メダル投入信号の遷移に基づいてメダルが通過中でない場合に、精算スイッチ10及び設定キースイッチ37による操作の受け付けを有効化する。
【0371】
また、操作入力受付処理では、スタートスイッチ7による操作が有効な状態で、スタートスイッチ7の操作が検出された場合には、スタートスイッチ7が操作された旨を示すスタートフラグを所定レジスタに設定した後、流路切替ソレノイド30をOFF状態としてメダルの流路をメダル払出口9側に切り替える処理を行う。また、設定キースイッチ37による操作が有効な状態で、設定キースイッチ37による操作が検出された場合には、設定値表示器24に設定値を表示させる設定値表示処理を行う。また、精算スイッチ10による操作が有効な状態で、精算スイッチ10による操作が検出された場合には、クレジットに記憶されている分のメダルを遊技者に返却する精算処理を行う。操作が検出されたスイッチ類に応じた処理を行った後、操作入力受付処理を終了させる。
【0372】
Se14のステップにおいて操作入力受付処理を行った後は、スタートフラグに基づいてスタートスイッチ7による有効な操作が検出されたか否かを判定する(Se15)。所定のレジスタにスタートフラグが設定されておらず、スタートスイッチ7による有効な操作が検出されなかったと判定した場合は、Se16のステップに進み、スタート有効LED18の点灯状態を制御するLED表示処理を行う。
【0373】
LED表示処理では、Se14のステップの操作入力受付処理によりスタートスイッチ7による操作が有効に設定されている状態において、リセットスイッチ23以外のスイッチ類の操作が検出されない場合に、スタート有効LED18をON状態(点灯状態)に制御し、スタートスイッチ7による操作が有効に設定されている状態において、リセットスイッチ23以外のスイッチ類の操作が検出される場合、及びスタートスイッチ7による操作が有効に設定されていない場合に、スタート有効LED18をOFF状態(消灯状態)に制御して、スタート有効LED18の点灯状態によりスタートスイッチ7による操作が有効であるか無効であるかを報知する。
【0374】
Se15のステップにおいて、所定のレジスタにスタートフラグが設定されており、スタートスイッチ7による有効な操作が検出されたと判定した場合は、内部抽選用の乱数値を乱数回路42から取得して、RAM41cの所定領域に設定する(Se17)。その後、設定されている賭数を特定可能なメダル投入状態データをRAM41cの所定領域に設定し(Se18)、スタート有効LED18をOFF状態(消灯状態)に設定し(Se19)、メダル手入れ許可フラグをRAM41cの所定領域からクリアし(Se20)、遊技補助表示器12における払出枚数の表示をクリアするように制御して(Se21)、遊技開始待ち処理を終了させ、メイン処理に戻る。その後、メイン処理では、Se17のステップにおいて取得された乱数値を用いて内部抽選が行われ、スタートスイッチ7の操作が検出されたことに応じてリール2L、2C、2Rの回転が開始されることで、1ゲームが開始されることとなる。
【0375】
このように、遊技プログラムに含まれる遊技開始待ち処理では、遊技プログラムに含まれるメダル投入信号処理を呼び出すことが可能であり、メダル投入信号処理を呼び出す際には、タイマ割込み処理(メイン)が1回行われるまで待機する割込み1回待ち処理を行った後に、当該メダル投入信号処理を呼び出すようになっている。後述のようにタイマ割込み処理(メイン)では、投入メダルセンサ31a~31cを含むセンサ類の入力データを更新するポート入力処理が行われるようになっており、遊技開始待ち処理により割込み1回待ち処理1を行った後に、メダル投入信号処理を呼び出して行うことで、当該メダル投入信号処理により呼び出されるメダルセンサ処理において、タイマ割込み処理(メイン)により更新された最新の入力データに基づく処理を行わせることが可能となっている。
【0376】
また、遊技開始待ち処理において行う操作入力受付処理では、既に設定されている賭数とクレジットを合算して3枚の賭数を設定可能な場合にMAXBETスイッチ6の操作を有効に受け付けるようになっている。これにより、クレジットの残数が3枚の賭数を設定するのに十分な状況では、遊技者等によりMAXBETスイッチ6が操作されることで3枚の賭数(第1賭数)が設定される一方、クレジットの残数が3枚の賭数を設定するのに不足する状況では、MAXBETスイッチ6の操作を有効に受け付けず、2枚の賭数(第2賭数)しか設定できない状況でMAXBETスイッチ6が操作されても2枚の賭数が設定されることがないようになっている。
【0377】
また、遊技開始待ち処理において行う操作入力受付処理では、メダル投入信号の遷移に基づいてメダルが通過中でないときに、RAM41cの所定領域に設定されている賭数が規定数(2または3)である場合には、スタートスイッチ7による操作の受け付けを有効化するようになっており、3枚の賭数が設定されているときにも2枚の賭数が設定されているときにも、スタートスイッチ7を操作することでゲームを開始させることが可能になっている。
【0378】
[エラー処理について]
本実施例のメイン制御部41が行うエラー処理の制御内容について、
図36に基づいて説明する。尚、エラー処理は、遊技プログラムに含まれており、遊技プログラムに含まれるメイン処理において呼び出されるサブルーチンである。エラー処理は、発生しているエラーの種類を特定可能なエラーコードに対応するエラー番号が所定のレジスタ(本実施例では、Aレジスタ)に設定された状態で呼び出される。
【0379】
図36に示すように、エラー処理では、まず、当該エラー処理の開始時にAレジスタに設定されているエラー番号をRAM41cの所定領域に格納する(Sf1)。そして、エラー処理を行っている旨を示すエラーコマンドの値をDレジスタに設定し(Sf2)、通信データ格納処理を行う(Sf3)。通信データ格納処理では、Aレジスタ及びDレジスタに設定されている値に基づいてコマンドを生成してコマンドキューに設定する。例えば、Aレジスタにエラーコードに対応するエラー番号が設定され、Dレジスタにエラーコマンドの値が設定されている場合には、発生しているエラーの種類を特定可能なエラー番号を含むエラーコマンドを生成してコマンドキューに設定する。コマンドキューに設定されたコマンドは、その後のタイマ割込み処理に含まれるコマンド送信処理により順次送信されることとなる。
【0380】
Sf3のステップにおいて通信データ格納処理を行った後は、発生しているエラーが解除可能なエラーであるか否かを判定するための判定値(解除可否判定値)が規定されている解除可否判定値テーブルの先頭アドレスをHLレジスタに設定し(Sf4)、HLレジスタ値にAレジスタ値(エラー番号)を加算することで得られるアドレスに規定されている解除可否判定値をEレジスタに読み込む(Sf5)。
【0381】
その後、遊技補助表示器12の出力バッファの値をHLレジスタに読み込み、当該HLレジスタの値をRAM1cの所定領域に退避させる(Sf6)。
【0382】
その後、遊技補助表示器12の1の位(下位)に対応する出力バッファのアドレスをCレジスタに設定し(Sf7)、7セグ表示データ格納処理を行う(Sf8)。7セグ表示データ格納処理では、予めROM41bに設定されており遊技補助表示器12に用いられる7セグ表示器に数字(本実施例では、0~9及び非表示)を表示させるための表示データが規定されている7セグ表示データテーブル及び当該7セグ表示データ格納処理の開始時にAレジスタに設定されている値に基づいて表示データを特定し、Cレジスタに設定されているアドレスの出力バッファに当該表示データを設定する。その後、所定の文字(本実施例では、「E」)を表示させるためのE表示データを遊技補助表示器12の10の位(上位)に対応する出力バッファに設定する(Sf9)。遊技補助表示器12の1の位及び10の位の出力バッファに表示データが設定され、その後、タイマ割込み処理が行われることで、遊技補助表示器12が当該表示データに応じた表示態様(例えば、「E1」等)に制御されることとなる。
【0383】
その後、Eレジスタに設定されている解除可否判定値に基づいて発生しているエラーが、スロットマシン1のRAM41cを初期化することなく解除可能なエラーであるか否かを判定する(Sf10)。Sf10のステップにおいて発生しているエラーが解除可能でないと判定した場合には、処理を停止して待機する。処理が停止された場合には、スロットマシン1への電力供給を一旦停止させた後、設定キースイッチ37をON状態として電力供給を再開させ、設定変更状態へ移行させることでRAM41cの所定領域を初期化してエラー状態を解除することが可能である。尚、エラー原因が取り除かれていない場合には、スロットマシン1への電力供給を再開させた際に設定変更状態へ移行させることでエラー状態が一旦解除されることとなるが、その後再びエラーが検出されてエラー処理が行われることとなる。スロットマシン1のRAM41cを初期化することなく解除不能なエラーは、例えば、RAMのデータ異常が検知されることで移行するRAM異常エラー等である。一方、スロットマシン1のRAM41cを初期化することなく解除可能なエラーは、例えば、後述の非遊技プログラムに含まれるメダルセンサ処理により検出されるメダル投入信号に関する異常(エラーコードE5)等である。
【0384】
Sf10のステップにおいて発生しているエラーが解除可能であると判定した場合には、割込み1回待ち処理を行って(Sf11)、タイマ割込み処理が1回行われて、各種センサ等の出力状態が更新されるまで待機する。
【0385】
そして、Sf11のステップにおいて割込み1回待ち処理を行った後は、各種スイッチ類の入力状態データ(本実施例では、入力データ、確定データ、エッジデータ)が格納される入力バッファ0~2のうち入力バッファ0に格納されている各種センサ類の入力データをAレジスタに読み込み(Sf12)、投入メダルセンサ31a~3cの入力データを抽出する(Sf13)。また、入力バッファ1に格納されている各種センサ類の確定データをAレジスタに読み込み(Sf14)、投入メダルセンサ31a~3cの確定データ及び満タンセンサの確定データを抽出する(Sf15)。そして、投入メダルセンサ31a~3cの入力データ、投入メダルセンサ31a~3cの確定データ及び満タンセンサの確定データに基づいてエラーが解除されたか否かを判定する(Sf17)。
【0386】
Sf17のステップにおいて投入メダルセンサ31a~3cの入力データ、投入メダルセンサ31a~3cの確定データ及び満タンセンサの確定データのいずれかの値が正常値ではなく、エラーが解除されていないと判定した場合には、Sf11のステップに戻り、Sf11~Sf17の各処理を繰り返し行う。一方、Sf17のステップにおいて投入メダルセンサ31a~3cの入力データ、投入メダルセンサ31a~3cの確定データ及び満タンセンサの確定データのいずれの値も正常値であり、エラーが解除されたと判定した場合には、入力バッファ2に格納されている各種センサ類のエッジデータをAレジスタに読み込み(Sf18)、リセットスイッチ23またはリセット/設定スイッチ38によるリセット操作が行われたか否かを判定する(Sf19)。
【0387】
そして、Sf19のステップにおいてリセット操作が行われていないと判定した場合には、Sf11のステップに戻り、Sf11~Sf19の各処理を繰り返し行う。一方、Sf19のステップにおいてリセット操作が行われたと判定した場合には、遊技補助表示器12の出力バッファの値をSf6のステップにおいて退避させた値に復帰させる(Sf20)。
【0388】
その後、送信データとしてクリアデータ(0)をAレジスタに設定し(Sf21)、当該Aレジスタの値を用いて、RAM41cの所定領域に記憶されているエラー番号を0に設定してクリアする(Sf22)。そして、通信データ設定処理を行う(Sf23)。
【0389】
Sf23のステップにおいて通信データ設定処理が行われるときにDレジスタには、Sf2のステップにおいて設定されたエラーコマンドの値が設定されており、Sf23のステップにおける通信データ設定処理では、エラー番号として0を含み、エラーが解除されたことを特定可能なエラーコマンドを生成してコマンドキューに設定する。
【0390】
Sf23のステップにおいて通信データ設定処理を行った後は、割込み1回待ち処理を行って(Sf24)、タイマ割込み処理によりコマンドキューに設定されているエラーコマンドを送信させる。そして、エラー処理を終了させ、エラー処理が開始される前に行われていた処理に戻る。
【0391】
このように、本実施例のエラー処理では、当該エラー処理の実行中にタイマ割込み処理を行うことが可能であり一遊技時間管理用タイマ値が更新されるようになっている。これにより、エラー処理の実行中は一遊技時間管理用タイマ値が更新されるので、エラー処理中にも最小時間の経過状況が計時されることとなり、エラー処理の終了後、円滑にゲームを行うことができる。
【0392】
本実施例のエラー処理では、スロットマシン1への電力供給を継続させたままリセットスイッチ23によるリセット操作が行われたと判定されることで(Sf19)、エラー処理を終了させるようになっており、電力供給を遮断することなく終了させることが可能になっている。これにより、エラー処理が行われても円滑にゲームを再開させることができる。
【0393】
[メダル投入信号処理について]
次に、本実施例のメイン制御部41が遊技開始待ち処理から呼び出して行うメダル投入信号処理の制御内容について、
図37に基づいて説明する。尚、メダル投入信号処理は、遊技プログラムに含まれており、遊技プログラムに含まれる遊技開始待ち処理において呼び出されるサブルーチンである。
【0394】
図37に示すように、メダル投入信号処理では、まず、前述の遊技開始待ち処理のメダル手入れ許可設定処理においてメダル投入部4からのメダルの投入を許可する旨を示すメダル手入れ許可フラグが設定されているか否かを判定する(Sg1)。そして、メダル手入れ許可フラグが設定されていない場合は、メダル投入信号処理を終了して、呼び出し元の遊技開始待ち処理に戻る。一方、メダル手入れ許可フラグが設定されている場合は、RAM41cの所定領域に設定されているメダル投入信号状態遷移データを参照する(Sg2)。メダル投入信号状態遷移データは、投入メダルセンサ31a~31cの検出信号(以下、メダル投入信号と呼ぶ場合がある)の状態の遷移を特定可能なデータであり、非遊技プログラムに含まれるメダルセンサチェック処理により、投入メダルセンサ31a~31cの入力データ等に基づいて所定のタイミングで更新されて、RAM41cの非遊技RAM領域の所定領域に設定されている。
【0395】
そして、Sg2のステップにおいて参照したメダル投入信号状態遷移データに基づいて、メダルセレクタ29における投入メダルセンサ31a~31cの検出範囲A(
図4、
図5参照)を、メダル投入部4から投入されたメダルが通過中であるか否かを判定する(Sg3)。投入メダルセンサ31a~31cの検出範囲Aをメダルが通過中でないと判定した場合は、流路切替ソレノイド30をON状態に制御して(Sg4)、メダル投入部4から投入されたメダルがメダルセレクタ29内のメダル流入流路29a及びメダル受入流路29bを流下してホッパータンク34aに導かれるように、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を筐体1aの内部に設けられたホッパータンク34a側に切替えるように制御する。その後、メダル投入信号無視タイマをクリアする(Sg6)。
【0396】
ここで、メダル投入信号無視タイマは、流路切替ソレノイド30をOFF状態に設定する際に、少なくとも流路切替ソレノイド30をOFF状態とする制御信号の出力を設定してから、当該流路切替ソレノイド30が作動してメダル投入部4から投入されたメダルの流路がメダル払出口9側に実際に切り替えられるまでの切替時間の経過を計時して、切替時間の計時中には所定処理においてメダル投入信号を無視するように制御するためのタイマである。メダル投入信号無視タイマには、メダルの流路を切り替えるために流路切替ソレノイド30の制御信号の出力が設定された際に、少なくとも流路切替ソレノイド30の制御信号の出力設定を行ってから実際にメダルの流路が切り替えられるまでの所定時間(本実施例では、504ミリ秒)が設定される。その後、タイマ割込み処理のカウンタ更新処理によりメダル投入信号無視タイマが減算されて更新され、0となることで切替時間が経過したことを特定できるようになっている。
【0397】
Sg3のステップにおいて投入メダルセンサ31a~31cの検出範囲Aをメダルが通過中であると判定した場合、及びSg6のステップにおいてメダル投入信号無視タイマをクリアした後は、前述の第2退避命令を用いて、メイン制御部41が備えるレジスタのうち演算結果が格納されるフラグレジスタの値を、遊技RAM領域の遊技スタック領域に所定の順序で記憶させることで退避させた後(Sg7)、タイマ割込みを禁止に設定し(Sg8)、前述のCALL命令を用いて、非遊技プログラムに含まれるメダルセンサ処理を呼び出して行う(Sg9)。
【0398】
メダルセンサ処理では、まず、前述のRT情報出力処理と同様にして、前述のLD命令を用いて、呼び出し元の遊技プログラムにより使用されていたスタックポインタSPにより示される遊技スタック領域から現在のスタックポインタSPが示すアドレスの値を読み出し、非遊技RAM領域の所定領域に記憶させて退避させる。その後、LD命令を用いて、前回の非遊技プログラムの終了時にスタックポインタSPにより示されるアドレスとして記憶されている値を、非遊技RAM領域の所定領域から読み出し、スタックポインタSPが示す値として設定することで、スタックポインタSPを非遊技プログラム用に設定する。そして、前述の第1退避命令を用いて、フラグレジスタを含むメイン制御部41が備えるすべてのレジスタ(アキュムレータレジスタ、フラグレジスタ、汎用レジスタ、インデックスレジスタ、インタラプトレジスタ、リフレッシュレジスタ、プログラムカウンタなど)の値を、スタックポインタSPにより特定される非遊技RAM領域の非遊技スタック領域に所定の順序で記憶させることで退避させる。尚、非遊技プログラムに含まれるメダルセンサ処理が遊技プロクラムから呼び出されることに伴って、スタックポインタSPを遊技プログラム用から非遊技プログラム用に変更する際に、LD命令が用いられることで、フラグレジスタの第2ゼロフラグTZが変更されることとなり、当該LD命令の実行される前後でフラグレジスタの状態が変化することがある。すなわち、遊技プログラムからメダルセンサ処理が呼び出された際に、当該メダルセンサ処理により非遊技プログラム用のスタックポインタSPが設定された後に退避させられるレジスタの状態は、遊技プログラムがメダルセンサ処理を呼び出したときのレジスタの状態と異なることがある。
【0399】
その後、メダル投入信号状態遷移データが正常であるか否かを判定する。そして、メダル投入信号状態遷移データが正常である場合には、メダルが投入メダルセンサ31a~31cの検出範囲Aを正常に通過した旨を示すメダル通過状態参照データ(正常通過)またはメダルが投入メダルセンサ31a~31cの検出範囲Aを通過し始めたことを検知した旨を示すメダル通過状態参照データ(メダル検知)、投入メダルセンサ31a~31cの検出範囲Aでのメダルの通過状態が前回の判定時から変化していない旨を示すメダル通過状態参照データ(変化なし)をRAM41cの非遊技RAM領域の所定領域に設定する。その後、投入メダルセンサ31a~31cの入力データに基づいてメダル投入信号状態遷移データを更新する。一方、メダル投入信号状態遷移データに異常がある場合には、メダル投入信号に関する異常が検出された旨を示すエラーコード(E5)を特定可能なメダル関連エラーデータを非遊技RAM領域の所定領域に設定する等の処理を行う。
【0400】
そして、前述のRT情報出力処理と同様にして、前述の第1復帰命令を用いて、メダルセンサ処理を開始した際に退避させていたレジスタの値を非遊技スタック領域から順次読み出して、メダルセンサ処理を開始したときの状態にすべてのレジスタを復帰させる。その後、前述のLD命令を用いて、メダルセンサ処理を開始した際に非遊技RAM領域の所定領域に退避させたスタックポインタSPの値を読み出し、スタックポインタSPが示す値として設定することで、メダルセンサ処理を開始したときの状態にスタックポインタSPを復帰させて、当選情報出力処理を終了させる。尚、非遊技プログラムに含まれるメダルセンサ処理を終了させて、遊技プロクラムに復帰させるために、当該メダルセンサ処理の開始時に退避させていたすべてのレジスタの値を復帰させた後に、スタックポインタSPを非遊技プログラム用から遊技プログラム用に変更する際に、LD命令が用いられることで、フラグレジスタの第2ゼロフラグTZが変更されることとなり、当該LD命令の実行される前後でフラグレジスタの状態が変化することがある。すなわち、メダルセンサ処理が終了されるときのレジスタの状態は、当該メダルセンサ処理が開始されるときに退避されたレジスタの状態と異なることがある。
【0401】
Sg9のステップにおいてメダルセンサ処理を行った後は、タイマ割込みを許可に設定し(Sg10)、前述の第2復帰命令を用いて、Sg7のステップにおいて退避させたレジスタの値を、退避させるときと逆の順序で遊技スタック領域から順次読み出してフラグレジスタに設定することで、当選情報出力処理を行う前の状態にフラグレジスタを復帰させる(Sg11)。Sg9のステップにおけるメダルセンサ処理の内部での全レジスタの退避処理及び復帰処理と、Sg7及びSg11のステップにおけるフラグレジスタの退避処理及び復帰処理とが行われることにより、メダルセンサ処理が行われた後において、メイン制御部41が備えるすべてのレジスタの状態が、当該処理が行われる前の状態に完全に復帰されることになる。
【0402】
その後、非遊技RAM領域の所定領域を参照してメダル関連エラーデータを所定のレジスタに読み込み(Sg12)、メダルセンサ処理(メダルセンサチェック処理)によりエラーコード(E5)が設定されているか否かを判定する(Sg13)。そして、エラーコード(E5)が設定されている場合すなわちメダル関連エラーデータが所定のレジスタに読み込まれて、エラーコード(E5)が所定のレジスタに準備されている場合には、エラー処理を行って(Sg14)、遊技の進行を不能化するエラー状態に制御する。
【0403】
エラー処理では、エラー処理では、遊技の進行が不能化されるエラー状態に制御する。また、所定のレジスタに準備されているエラーコード(E5)を特定可能なエラーコマンドをサブ制御部91に対して送信し、当該エラーコード(E5)をRAM41cの所定領域にその他の処理でも参照可能なエラーフラグとして設定する。また、当該エラーコード(E5)を遊技補助表示器12に表示させるように制御する。その後は、所定のレジスタに準備されているエラーコード(E5)に応じたエラー状態の解除条件が成立したことが特定されるまでエラー状態の制御を行う。エラーコード(E5)が所定のレジスタに準備されてエラー状態に移行された場合には、エラー状態の解除条件として、投入メダルセンサ31a~31cの検出状態がOFF状態であり、かつリセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23がON状態となったことが成立するまで、遊技を進行させる制御を行わずに待機する。そして、当該解除条件が成立することで、エラー状態を解除する旨のエラーコマンド(解除)をサブ制御部91に対して送信し、エラー処理を終了させてメダル投入信号処理に戻る。
【0404】
Sg13のステップにおいてメダル関連エラーデータとしてエラーコード(E5)が設定されていないと判定した場合、及びSg14のステップのエラー処理が終了した後は、RAM41cの非遊技RAM領域の所定領域に設定されているメダル通過状態参照データを参照して(Sg15)、メダル通過状態参照データの内容を判定する(Sg16、Sg17)。
【0405】
Sg16のステップにおいて、メダル通過状態参照データ(変化なし)が設定されていると判定した場合は、メダル投入信号処理を終了して遊技開始待ち処理に戻る。Sg17のステップにおいて、メダル通過状態参照データ(メダル検知)が設定されていると判定した場合は、Sg18のステップに進み、Sg17のステップにおいて、メダル通過状態参照データ(正常通過)が設定されており、メダル通過状態参照データ(メダル検知)が設定されていないと判定した場合には、Sg21のステップへ進む。
【0406】
Sg17のステップにおいてメダル通過状態参照データ(メダル通過)が設定されていると判定した場合には、投入状況判定処理を行う(Sg18)。投入状況判定処理では、RAM41cの所定領域に設定されている現在のクレジット数を計数するクレジットカウンタを参照し、当該クレジットカウンタの値がスロットマシン1のクレジットの最大値(本実施例では、50)より1少ない状況、すなわち次に受け付けるメダルがクレジットに加算可能な最終メダルとなる状況であるか否かを判定する。そして、次に受け付けるメダルがクレジットに加算可能な最終メダルであるか否かを特定可能な最終受付フラグを所定のレジスタに設定して、投入状況判定処理を終了する。
【0407】
Sg18のステップにおいて投入状況判定処理を行った後は、所定のレジスタに設定されている最終受付フラグに基づいて、次に受け付けるメダルがクレジットに加算可能な最終メダルであると判定される場合には、メダルブロッカオフ処理を行って(Sg20)、流路切替ソレノイド30をOFF状態に設定することで、メダル投入部4から投入されたメダルの流路をホッパータンク34a側からメダル払出口9側に切り替えて、投入メダルセンサ31cにより検出されているメダルより後にメダル投入部4に投入されたメダルを、メダル返却流路29cを介してメダル払出口9から返却するように制御する。また、メダルブロッカオフ処理では、流路切替ソレノイド30をOFF状態に設定した後、遊技RAM領域に設定されているメダル投入信号状態遷移データを参照して、投入メダルセンサ31a~31cの検出範囲Aをメダルが通過中か否かを判定し、当該検出範囲Aをメダルが通過中である場合には、前述のメダル投入信号無視タイマに所定値(本実施例では、504ミリ秒に対応する値)を設定して、メダル投入信号無視タイマによる所定時間の計時を開始させる。これにより、メダルブロッカオフ処理の終了後から所定時間にわたり後述のセンサ監視処理において、メダル投入信号の状態にかかわらず、メダル投入信号の異常が判定されてセンサエラー参照データ(投入メダルセンサ)が設定されるようなことがないようになっている。
【0408】
Sg20のステップにおいてメダルブロッカオフ処理を行った後は、メダル投入信号処理を終了させて遊技開始待ち処理に戻る。一方、最終受付フラグに基づいて、次に受け付けるメダルがクレジットに加算可能な最終メダルでないと判定される場合には、メダルブロッカオフ処理を行わずにメダル投入信号処理を終了させて遊技開始待ち処理に戻る。
【0409】
Sg17のステップにおいてメダル通過状態参照データ(正常通過)が設定されており、メダル通過状態参照データ(正常通過)が設定されていないと判定した場合には、ポート入力バッファの所定領域を参照して、投入メダルセンサ31bの確定データを取得し(Sg21)、当該確定データがON状態であるか否かを判定する(Sg22)。そして、投入メダルセンサ31bの確定データがON状態であると判定した場合は、ポート入力バッファの所定領域を参照して、投入メダルセンサ31cの入力データを取得し(Sg23)、当該入力データがOFF状態であるか否かを判定する(Sg24)。
【0410】
Sg19のステップにおいて投入メダルセンサ31bの確定データがON状態でないと判定した場合、及び、投入メダルセンサ31bの確定データがON状態であり、かつ、Sg20のステップにおいて当該投入メダルセンサ31bの入力データがOFF状態でないと判定した場合、すなわちメダル受入流路29bをメダルが通過中である場合または当該メダル受入流路29bにメダルがない場合には、メダル投入信号処理を終了させる。一方、Sg22のステップにおいて投入メダルセンサ31bの確定データがON状態であると判定し、かつ、Sg24のステップにおいて当該投入メダルセンサ31bの入力データがOFF状態である判定した場合、すなわちメダル受入流路29bにおいて投入メダルセンサ31cがメダルを検出可能な検出位置をメダルが通過し終えたときである場合には、メダル投入処理を行う(Sg25)。
【0411】
メダル投入処理では、RAM41cの所定領域に記憶されている現在設定されている賭数を参照して、規定数の賭数が設定されているか否かを判定する。そして、規定数の賭数が設定されていない場合には、現在の賭数に1加算し、既に、規定数の賭数が設定されている場合には、クレジットカウンタに1加算する。
【0412】
Sg25のステップにおいてメダル投入処理を行った後は、メダル手入れ許可設定処理を行って(Sg26)、クレジットカウンタに基づいてクレジットの値が最大値(本実施例では、50)に達していない場合に、メダル投入部4からのメダルの投入を許可する旨を示すメダル手入れ許可フラグをRAM41cの所定領域に設定する。
【0413】
Sg26のステップにおいてメダル手入れ許可設定処理を行った後、メダル手入れ許可フラグが設定されていない場合は、メダル投入信号無視タイマに予め定められた所定値(本実施例では、504ミリ秒に対応する値)を設定してメダル投入信号無視タイマによる所定時間の計時を開始させた後(Sg28)、メダル投入信号処理を終了させる。一方、メダル手入れ許可フラグが設定されている場合は、メダル投入信号無視タイマの設定を行わずに、メダル投入信号処理を終了させる。尚、メダル投入信号無視タイマは、Sg28のステップにおいて所定値(本実施例では、504ミリ秒に対応する値)が設定された後、所定時間毎に減算されて、予め定められた所定時間(本実施例では4.1秒)が経過したときに、0となるようになっておりメダル投入信号無視タイマが0か否かに基づいて所定時間が経過したか否かを判定できるようになっている。
【0414】
このように、遊技プログラムに含まれるメダル投入信号処理では、非遊技プログラムに含まれるメダルセンサ処理を呼び出すことが可能であり、メダルセンサ処理を呼び出す際には、フラグレジスタの値をRAM41cの遊技スタック領域に退避させ、メダルセンサ処理からメダル投入信号処理に復帰した際には、フラグレジスタの値をRAM41cの遊技スタック領域に退避させていた値に復帰させるようになっている。
【0415】
また、遊技プログラムに含まれるメダル投入信号処理では、非遊技プログラムに含まれるメダルセンサ処理を呼び出す際には、タイマ割込みを禁止に設定して、メダルセンサ処理を行い、その後、メダルセンサ処理からメダル投入信号処理に復帰した際には、タイマ割込みを許可に設定することで、非遊技プログラムに含まれるメダルセンサ処理の実行中には、タイマ割込みを禁止状態とするようになっている。
【0416】
また、遊技プログラムに含まれるメダル投入信号処理では、非遊技プログラムに含まれるメダルセンサ処理を呼び出す際には、フラグレジスタの値を退避させた後、タイマ割込みを禁止に設定して、メダルセンサ処理を行うようになっている。
【0417】
また、遊技プログラムに含まれるメダル投入信号処理では、タイマ割込みを禁止設定した状態で非遊技プログラムに含まれるメダルセンサ処理を行った後、メダルセンサ処理からメダル投入信号処理に復帰した際に、タイマ割込みを許可に設定した後、フラグレジスタの値をRAM41cの遊技スタック領域に退避させていた値に復帰させるようになっている。
【0418】
また、メダル投入信号処理は、遊技開始待ち処理により呼び出される処理であり、前述のように、遊技開始待ち処理では、タイマ割込み処理(メイン)が1回行われるまで待機する割込み1回待ち処理を行った後に、当該メダル投入信号処理を呼び出すようになっている。また、メダル投入信号処理では、該メダル投入信号処理を開始し、所定処理を行った後、タイマ割込みを禁止に設定して、非遊技プログラムに含まれるメダルセンサ処理を呼び出して行うようになっている。このように、遊技機開始待ち処理及びメダル投入信号処理では、遊技開始待ち処理が割込み1回待ち処理を行った後にメダル投入信号処理を呼び出し、当該メダル投入信号処理においてメダルセンサ処理を行うことで、少なくとも遊技開始待ち処理での割込み1回待ち処理によりタイマ割込み処理(メイン)が行われ、該タイマ割込み処理(メイン)に含まれるポート入力処理によりセンサ類の入力データが更新された状態で、メダルセンサ処理を行わせるようになっている。
【0419】
[メダルセンサ処理及びメダルセンサチェック処理について]
本実施例のメイン制御部41が行うメダルセンサ処理及びメダルセンサチェック処理の制御内容について、
図38~
図40に基づいて説明する。尚、メダルセンサ処理は、非遊技プログラムに含まれており、遊技プログラムに含まれるメダル投入信号処理において呼び出されるサブルーチンである。また、メダルセンサチェック処理は、非遊技プログラムに含まれており、非遊技プログラムに含まれるメダルセンサ処理において呼び出されるサブルーチンである。
【0420】
図38に示すように、メダルセンサ処理では、まず、前述のLD命令を用いて、呼び出し元の遊技プログラムにより使用されていたスタックポインタSPの示すアドレスの値を非遊技RAM領域の所定領域に記憶させて退避させる(Sh1)。その後、前述のLD命令を用いて、当該スタックポインタSPの値として非遊技スタック領域の所定値(前回の非遊技プログラムの終了時に記憶された値)を設定することで、スタックポインタSPを非遊技プログラム用に設定する(Sh2)。そして、前述の第1退避命令を用いて、メイン制御部41が備えるすべてのレジスタの値を非遊技スタック領域に所定の順序で記憶させることで退避させる(Sh3)。その後、非遊技プログラムに含まれるメダルセンサチェック処理を行う(Sh4)。
【0421】
Sh4のステップにおいてメダルセンサチェック処理を行った後は、前述の第1復帰命令を用いて、Sh3のステップにおいて退避させていたレジスタの値を非遊技スタック領域から順次読み出して、当選情報出力処理を開始したときの状態にすべてのレジスタを復帰させた後(Sh5)、LD命令を用いて、Sh1のステップにおいて非遊技RAM領域の所定領域に記憶させて退避させていたスタックポインタSPの値を、スタックポインタSPに設定することで、メダルセンサ処理を開始したときの状態にスタックポインタSPを復帰させ(Sh6)、メダルセンサ処理を終了させて呼び出し元のメダル投入信号処理に戻る。
【0422】
図39に示すように、メダルセンサチェック処理では、まず、RAM41cのうち非遊技RAM領域の所定領域に設定されているメダル通過状態参照データ及びメダル関連エラー参照データをクリアする(Si1、Si2)。メダル通過状態参照データは、メダルセンサチェック処理の処理結果として投入メダルセンサ31a~31cの検出範囲Aにおけるメダルの通過状態を特定可能なデータであり、当該メダルセンサチェック処理により、投入メダルセンサ31a~31cの入力データ等に基づいて、メダルが投入メダルセンサ31a~31cの検出範囲Aを正常に通過したと判定されたことや、メダルが投入メダルセンサ31a~31cの検出範囲Aを通過し始めたことを検知したと判定されたこと、投入メダルセンサ31a~31cによるメダルの検出状態が前回の判定時から変化していないと判定されたことを特定可能である。メダル通過状態参照データの初期値は、メダルの検出状態が前回の判定時から変化していない旨を示すメダル通過状態参照データ(変化なし)である。また、メダル関連エラー参照データは、メダルセンサチェック処理の処理結果として、投入メダルセンサ31a~31cの検出信号(以下、メダル投入信号と呼ぶ場合がある)に関する異常(エラーコードE5)が検出された旨を特定可能なデータである。また、メダル通過状態参照データ及びメダル関連エラー参照データは、RAM41cの非遊技RAM領域に設定されることで、非遊技プログラムにより参照及び更新が可能である一方で遊技プログラムからは参照のみが可能である。
【0423】
Si1、Si2のステップにおいてメダル通過状態参照データ及びメダル関連エラー参照データをクリアした後、ポート入力バッファの所定領域を参照して投入メダルセンサ31a~31cの現在データを取得し(Si3)、メダル投入信号の状態の遷移が正常であるか否かを判定するための正誤データを、ROM41bの所定領域を参照して取得し(Si4)、RAM41cの所定領域を参照して前回以前のメダルセンタチェック処理において格納されたメダル投入信号状態遷移データを取得する(Si5)。
【0424】
そして、Si5のステップにおいて取得したメダル投入信号状態遷移データとSi4のステップにおいて取得した正誤データを比較して、メダル投入信号状態遷移データが正しいか否かを判定する(Si6)。
【0425】
Si6のステップにおいてメダル投入信号状態遷移データが正しいと判定した場合は、Si3のステップにおいて取得した投入メダルセンサ31a~31cの現在データに基づいてメダル投入信号状態遷移データを更新することで、新たなメダル投入信号状態遷移データを作成してRAM41cの非遊技RAM領域の所定領域に格納する(Si7)。
【0426】
そして、RAM41cの非遊技RAM領域の所定領域に設定されているメダル通過時間タイマを参照し(Si8)、Si7のステップにおいて更新したメダル投入信号状態遷移データに基づいて、投入メダルセンサ31a~31cの今回及び前回の検出状態がOFF状態であるか否かを判定する(Si9、Si10)。メダル通過時間タイマは、投入メダルセンサ31a~31cの検出範囲Aをメダルが通過している状態であると判定される期間の継続時間を計時するタイマである。後述のするように、メダル投入信号状態遷移データに基づいて、メダル投入信号がON状態となったときに計時が開始された後、タイマ割込み処理(メイン)により更新されるようになっている。
【0427】
Si9、Si10のステップにおいて投入メダルセンサ31a~31cの今回の検出状態がOFF状態であり、かつ前回の検出状態がOFF状態でないと判定した場合、すなわち投入メダルセンサ31a~31cの検出範囲Aの内にあったメダルが当該検出範囲を出たことにより、当該投入メダルセンサ31a~31cの検出状態がON状態からOFF状態に変化した可能性がある場合には、Si8のステップにおいて参照したメダル通過時間タイマが、投入メダルセンサ31a~31cの検出範囲Aをメダルが正常に通過するために要する正常通過時間範囲の最短値(本実施例では、10.08ミリ秒)未満であるか否かを判定する(Si11)。尚、正常通過時間範囲は、メダルが投入メダルセンサ31a~31cの検出範囲を通過するために要する時間の実測値や、メダルセレクタ29のメダル受入流路29bの形状、メダル受入流路29bにおける投入メダルセンサ31a~31cの配置、投入メダルセンサ31a~31cの特性等に基づいて予め定められている(本実施例では、10.08ミリ秒~99.68ミリ秒の範囲である)。
【0428】
そして、Si11のステップにおいてメダル通過時間タイマが正常通過時間範囲の最短値未満でないと判定した場合は、Si7のステップにおいて格納されたメダル投入信号状態遷移データをクリアし(Si12)、メダル通過時間タイマをクリアした後(Si13)、メダルが投入メダルセンサ31a~31cの検出範囲Aを正常に通過した旨を示すメダル通過状態参照データ(正常通過)をRAM41cの非遊技RAM領域の所定領域に設定して、メダルセンサチェック処理を終了する。一方、メダル通過時間タイマが正常通過時間範囲の最短値未満でない場合は、後述するSi19のステップへ進む。
【0429】
Si9、Si10のステップにおいて投入メダルセンサ31a~31cの今回及び前回の検出状態がともにOFF状態であると判定した場合、すなわち投入メダルセンサ31a~31cの検出範囲Aをメダルが通過しておらず、投入メダルセンサ31a~31cの検出状態が前回の判定時から変化していない場合には、メダル通過状態参照データがSi1のステップにおいて初期化された状態、すなわちメダル通過状態参照データ(変化なし)がRAM41cの所定領域に設定されている状態を維持して、メダルセンサチェック処理を終了する。
【0430】
Si9のステップにおいて投入メダルセンサ31a~31cの今回の検出状態がOFF状態でないと判定した場合、すなわち投入メダルセンサ31a~31cの検出範囲Aをメダルが通過しており、投入メダルセンサ31a~31cがON状態である場合には、Si8のステップにおいて参照したメダル通過時間タイマが正常通過時間範囲の最大値(本実施例では、99.68ミリ秒)を超えたか否かを判定する(Si15)。
【0431】
そして、Si15のステップにおいてメダル通過時間タイマが正常通過時間範囲の最大値を超えていないと判定した場合は、メダル通過時間タイマが動作中であるか否かを判定する(Si16)。メダル通過時間タイマが作動中でない場合、すなわち投入メダルセンサ31a~31cの検出範囲Aにメダルが新たに進入したことにより、当該投入メダルセンサ31a~31cの検出状態がOFF状態からON状態に変化したときであり、未だメダル通過時間タイマによる計時を開始していないときである場合には、メダル通過時間タイマを0に設定して始動させた後(Si17)、メダルが投入メダルセンサ31a~31cの検出範囲Aを通過し始めたことを検知した旨を示すメダル通過状態参照データ(メダル検知)をRAM41cの非遊技領域の所定領域に設定して、メダルセンサチェック処理を終了する。一方、Si15のステップにおいてメダル通過時間タイマが正常通過時間範囲の最大値を超えたと判定した場合は、後述するSi19のステップへ進む。また、Si16のステップにおいてメダル通過時間タイマが作動中であると判定した場合、すなわち投入メダルセンサ31a~31cの検出範囲Aをメダルが通過しており、投入メダルセンサ31a~31cのON状態が継続されている場合には、メダル通過状態参照データがSi1のステップにおいて初期化された状態、すなわちメダル通過状態参照データ(変化なし)がRAM41cの所定領域に設定されている状態を維持して、メダルセンサチェック処理を終了する。尚、メダル通過時間タイマは、Si17のステップにおいて0に設定されて始動された後、タイマ割込み処理により所定時間毎に加算されるようになっており、Si17のステップにおいて0に設定されてからの経過時間、すなわちメダル投入信号状態遷移が正しく、かつ投入メダルセンサ31a~31cがON状態となったことが判定されたときからの経過時間がメダル通過時間タイマにより計時されるようになっている。
【0432】
Si6のステップにおいてメダル投入信号状態遷移データが正しくないと判定した場合、Si11のステップにおいてメダル通過時間タイマが正常通過時間範囲の最小値未満であると判定した場合、Si15のステップにおいてメダル通過時間タイマが正常通過時間範囲の最大値を超えたと判定した場合には、メダル投入信号に関して異常が生じている旨を示すメダル関連エラー参照データ(E5)をRAM41cの非遊技RAM領域の所定領域に設定し(Si19)、Si7のステップにおいてRAM41cの所定領域に格納したメダル投入信号状態遷移データをクリアし(Si20)、メダル通過時間タイマをクリアして計時を停止させた後(Si21)、メダルセンサチェック処理を終了してメダルセンサ処理に戻る。尚、Si19のステップにおいてメダル関連エラー参照データ(E5)が設定されて、メダルセンサチェック処理に戻る場合には、その後、遊技プログラムに含まれる遊技開始待ち処理のメダル投入信号処理においてメダル関連エラー参照データ(E5)が参照されることで、エラー状態に制御されることとなる。
【0433】
図40に示すように、非遊技プログラムに含まれるメダルセンサチェック処理のSi6のステップにおけるメダル投入信号状態遷移が正しいか否かの判定では、投入メダルセンサ1~3(投入メダルセンサ31a~31c)により当該投入メダルセンサ1~3の検出範囲をメダルが通過し始めたことが検出される際には、投入メダルセンサ1(投入メダルセンサ31a)がOFF状態からON状態となった後、投入メダルセンサ2(投入メダルセンサ31b)がOFF状態からON状態となり、その後、投入メダルセンサ3(投入メダルセンサ31b)がOFF状態からON状態となる遷移が、メダル投入信号遷移状態データに基づいて特定される場合に、メダル投入信号状態遷移が正しいと判定されるようになっている。
【0434】
また、投入メダルセンサ1~3により当該投入メダルセンサ1~3の検出範囲をメダルが通過したことが検出される際には、投入メダルセンサ1がON状態からOFF状態となった後、投入メダルセンサ2がON状態からOFF状態となり、その後、投入メダルセンサ3がON状態からOFF状態となる遷移が、メダル投入信号遷移状態データに基づいて特定される場合、及び投入メダルセンサ1がON状態からOFF状態となった後、投入メダルセンサ3がON状態からOFF状態となり、その後、投入メダルセンサ2がON状態からOFF状態となる遷移が、メダル投入信号遷移状態データに基づいて特定される場合に、メダル投入信号状態遷移が正しいと判定されるようになっている。
【0435】
そして、メダルセンサチェック処理では、メダル投入信号遷移状態データが正しいと判定されており、かつ投入メダルセンサ1~3のいずれかがON状態であると判定されることで、メダル通過状態参照データ(検知)が設定されることとなる。すなわち、投入メダルセンサ1~3のうち投入メダルセンサ1が最初にOFF状態からON状態に変化する場合に、メダル投入信号遷移状態データが正しいと判定されるので、メダル投入信号遷移状態データが正しいと判定されており、かつ投入メダルセンサ1がON状態となったときに、メダル通過状態参照データ(検知)が設定されることとなる。
【0436】
また、メダル投入信号遷移状態データが正しいと判定されており、かつ投入メダルセンサ1~3のすべてがON状態であると判定されることで、メダル通過状態参照データ(正常通過)が設定されることとなる。すなわち、投入メダルセンサ1~3のうち投入メダルセンサ2が最後にON状態からOFF状態に変化する場合、及び投入メダルセンサ3が最後にON状態からOFF状態に変化する場合に、メダル投入信号遷移状態データが正しいと判定されるので、メダル投入信号遷移状態データが正しいと判定されており、かつ投入メダルセンサ2及び3がOFF状態となったときに、メダル通過状態参照データ(正常通過)が設定されることとなる。
【0437】
遊技プログラムに含まれるメダル投入信号処理では、Sd16及びSd17のステップによりメダル通過状態参照データ(正常通過)が設定されていると判定した後に、Sd21~Sd24のステップにより投入メダルセンサ1~3の入力データがON状態からOFF状態となったことが特定される場合に、その後のメダル投入処理等に進むようになっている。すなわち、メダルセンサチェック処理によりメダル通過状態参照データ(正常通過)が設定された際に、投入メダルセンサ2または3のON状態からOFF状態への立下りが検出されることで、正常なメダルの投入が検出されるようになっている。
【0438】
[出玉制御処理について]
メイン制御部41が行う出玉制御処理の制御内容について、
図40に基づいて説明する。尚、出玉制御処理は、遊技プログラムに含まれており、遊技プログラムに含まれるメイン処理において呼び出されるサブルーチンである。
【0439】
図41に示すように、出玉制御処理では、まず、RAM41cの所定領域に設定されている有利区間中信号の出力バッファを参照して、当該有利区間中信号の出力バッファ値が初期値(OFF状態を示す0)であるか否かを判定する(Sj1)。そして、Sj1のステップにおいて有利区間中信号の出力バッファ値が初期値(0)であり、有利区間中信号を出力していない状態すなわち有利区間に制御されていない状態であると判定した場合には、RAM41cの所定領域に設定されている当該ゲームにおける賭数をAレジスタに取得し(Sj2)、当該ゲームにおける賭数が3枚であるか否かを判定する(Sj3)。
【0440】
Sj3のステップにおいて当該ゲームにおける賭数が3枚であると判定した場合には、遊技状態を判定する遊技状態判定処理を行って(Sj4)、現在制御されている遊技状態を取得した後、現在制御されている遊技状態が特別状態(BB1、BB2)であるか否かを判定する(Sj5)。そして、特別状態(BB1、BB2)ではないと判定した場合には、RAM41cの所定領域に設定されており内部抽選における一般役の当選結果を特定可能な一般役当選番号をAレジスタに取得し(Sj6)、当該一般役当選番号が所定値以上であるか否かを判定し(Sj7)、遊技区間を有利区間へ移行させる有利区間移行役が内部抽選にて当選したか否かを判定する。
【0441】
そして、Sj7のステップにおいて一般役当選番号が所定値以上であり、有利区間移行役が当選したと判定した場合には、有利区間当選時設定用のデータ番号をAレジスタに設定して(Sj8)、連続データ処理を行う(Sj9)。有利区間当選時設定用のデータ番号がAレジスタに設定して連続データ処理を行うことで、有利区間に制御している旨を示す有利区間中フラグがRAM41cの所定領域に設定する処理等が行われるようになっている。Sj9のステップにおいて有利区間中フラグが設定されることで、当該有利区間中フラグが前述のメイン処理(Sb80)において参照され、有利区間中信号の出力バッファに所定値(ON状態を示す1)が設定されて有利区間中信号の出力が開始されることとなる。
【0442】
Sj9のステップにおいて連続データ処理を行った後は、有利区間への移行に関連して各種設定等を行う有利区間移行関連処理を行った後(Sj10)、出玉制御処理を終了させてメイン処理に戻る。
【0443】
一方、Sj3のステップにおいて当該ゲームにおける賭数が3枚で内部抽選と判定した場合、及びSj5のステップにおいて現在制御されている遊技状態が特別状態(BB1、BB2)であると判定した場合、Sj7のステップにおいて一般役当選番号が所定値未満であり内部抽選にて有利区間移行役が当選していないと判定した場合には、Sj8~Sj10のステップにおける有利区間への移行に関連する処理を行わず、出玉制御処理を終了させてメイン処理に戻る。
【0444】
Sj1のステップにおいて有利区間中信号の出力バッファ値が初期値(OFF状態である0)ではなく、所定値(ON状態を示す1)であり、有利区間中信号を出力している状態すなわち有利区間に制御している状態であると判定した場合には、RAM41cの所定領域に設定されており、有利区間が開始してからのゲーム数である有利区間ゲーム数を計数する有利区間ゲーム数カウンタに1加算する(Sj11)。有利区間ゲーム数カウンタが設定されているRAM41cの所定領域は、前述のメイン処理により有利区間終了フラグが設定されていると判定されたときに初期化される所定領域内に含まれており、有利区間ゲーム数カウンタは、有利区間の終了時には初期化されて初期値(0)に設定されるようになっている。
【0445】
Sj11のステップにおいて有利区間ゲーム数カウンタに1加算した後は、賭数及び遊技状態判定処理を行って(Sj12)、当該ゲームにおいて設定されている賭数及び現在制御されている遊技状態を取得する。そして、当該ゲームにおいて設定されている賭数が2枚または現在制御されている遊技状態がRT1以外の遊技状態であるか否かを判定する(Sj12)。
【0446】
Sj12のステップにおいて当該ゲームにおいて設定されている賭数が2枚または現在制御されている遊技状態がRT1以外の遊技状態であると判定した場合には、出玉制御処理を終了させてメイン処理に戻る。一方、当該ゲームにおいて設定されている賭数が2枚または現在制御されている遊技状態がRT1以外の遊技状態でないと判定した場合、すなわち当該ゲームにおいて設定されている賭数が3枚であり、かつ現在制御されている遊技状態がRT1であると判定した場合には、RAM41cの所定領域に設定されているED移行ゲーム数カウンタに1加算する(Sj14)。
【0447】
ED移行ゲーム数カウンタは、有利区間が開始されてから、所定状態(当該ゲームにおいて設定されている賭数が3枚であり、かつ現在制御されている遊技状態がRT1である状態)で行われたゲーム数を計数するためのカウンタである。ED移行ゲーム数カウンタが設定されている、RAM41cの所定領域は、前述のメイン処理により有利区間終了フラグが設定されていると判定されたときに初期化される所定領域内に含まれており、ED移行ゲーム数カウンタは、前述の有利区間ゲーム数カウンタと同様に、有利区間の終了時には初期化されて初期値(0)に設定されるようになっている。ED移行ゲーム数カウンタは、後述のAT状態管理処理において参照され、ED移行ゲーム数カウンタ値が規定値に到達することで、有利区間が終了するまでの期間にわたりナビ報知の制御が行われるED状態に移行されるようになっている。
【0448】
Sj14のステップにおいてED移行ゲーム数カウンタに1加算した後は、フリーズ設定処理を行って(Sj15)、出玉状態や小役の当選状況等に基づいて遊技の進行を所定期間遅延させるフリーズ制御を行うか否かを決定し、フリーズ制御を行う旨の決定をした場合には、フリーズ制御を行うための設定を行う。
【0449】
Sj15のステップにおいてフリーズ設定処理を行った後は、後述の出玉状態処理やAT状態管理処理における出玉状態関連処理等により設定される次回出玉状態情報が記憶されているRAM41cの所定領域のアドレスをHLレジスタに設定し(Sj16)、当該アドレスに記憶されている次回出玉状態情報をAレジスタに取得する(Sj17)。そして、当該ゲームにおいて制御する出玉状態を示す今回出玉状態情報をSj17のステップにおいて取得した次回出玉状態情報に更新し(Sj18)、今回出玉状態情報に基づいて制御する出玉状態がナビ報知を行うことがある出玉状態Aまたは出玉状態Bであるか否かを判定する(Sj19)。出玉状態情報の値は、出玉状態A及び出玉状態Bについては1以上の値が割り振られ、出玉状態A及び出玉状態B以外の出玉状態については0が割り振られており、今回出玉状態情報が1以上であるか否かを判定することにより今回制御する出玉状態が出玉状態Aまたは出玉状態Bであるか否かを判定できるようになっている。
【0450】
Sj19のステップにおいて出玉状態が出玉状態Aまたは出玉状態Bであると判定した場合には、遊技区間を有利区間に制御している旨を点灯により示唆する区間表示LED19の出力バッファにON状態データを設定した後(Sj20)、割込み1回待ち処理を行う(Sj21)。区間表示LED19の出力バッファにON状態データを設定して割込み1回待ち処理を行うことで、割込み1回待ち処理によりタイマ割込み処理が行われ、当該タイマ割込み処理のLEDダイナミック表示処理により区間表示LED19が点灯状態に制御されることとなる。
【0451】
Sj21のステップにおいて割込み1回待ち処理を行った後は、出玉状態情報をAレジスタに取得し(Sj22)、外部出力信号番号の初期値(1)をBレジスタに設定した後(Sj23)、外部出力信号番号補正処理を行う(Sj24)。外部出力信号番号補正処理では、Aレジスタに設定されている出玉状態情報に対応する外部出力信号番号にBレジスタの値を補正する。
【0452】
その後、Bレジスタに設定されている補正後の外部出力信号番号を外部出力信号出力バッファに設定する(Sj25)。外部出力信号出力バッファに設定された外部出力信号番号は、前述のメイン処理における外部出力信号処理を行う際に参照され(Sb25)、外部出力信号処理(Sb26)により当該外部出力信号番号に応じた外部出力信号が出力されることとなり、ATの制御が開始されるときには、ATに制御している旨を示すAT信号の出力が開始されることとなる。
【0453】
Sj25のステップにおいて外部出力信号番号を外部出力信号出力バッファに設定した後は、再び出玉状態情報をAレジスタに取得するとともに(Sj26)、一般役当選番号をBレジスタに取得して(Sj27)、ナビ番号特定処理を行う(Sj28)。ナビ番号特定処理では、出玉状態情報及び一般役当選番号(当選番号)に応じて予め定められたナビ番号(
図24及び
図25参照)が特定されるようになっている。
【0454】
Sj28のステップにおいてナビ番号特定処理を行った後は、当該ナビ番号特定処理により特定されたナビ番号をRAM41cの所定領域に格納する(Sj29)。また、Sj19のステップにおいて出玉状態が出玉状態Aまたは出玉状態Bではないと判定した場合にも、Sj29のステップへ進み、出玉状態情報の値すなわち0をナビ番号として格納する。ナビ番号として0が設定されることで、ナビ報知は行われず、ナビ表示は非表示となる。ナビ番号として1~6が設定されることで、ナビ番号に対応するストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様を示すナビ表示が行われることとなる。Sj29のステップにおいて格納されたナビ番号は、前述のメイン処理における遊技開始時コマンド送信処理(Sb22)において参照され、当該ナビ番号を特定可能な押し順コマンドがサブ制御部91対して送信されることとなる。
【0455】
Sj29のステップにおいてナビ番号を格納した後は、出玉状態処理を行う(Sj30)。出玉状態処理では、出玉状態情報に基づいて特定される今回出玉状態に応じた処理や、内部抽選の当選結果等に基づいて出玉状態を移行させるか否かを決定する処理、出玉状態を移行させる旨の決定を行った場合に次回出玉状態情報をRAM41cの所定領域に設定する処理等を行う。
【0456】
Sj30のステップにおいて出玉状態処理が終了することで、出玉制御処理を終了してメイン処理に戻る。
【0457】
このように、本実施例のメイン制御部41は、メイン処理からゲーム開始時に呼び出して行う出玉制御処理(第1処理)において、有利区間中信号バッファの値が所定値(1)であり有利区間であると特定される場合に(Sj1)、賭数として3枚が設定されているか2枚が設定されているかに関わらず、有利区間ゲーム数カウンタを1ゲーム分加算して更新し(Sj11)する。そして、メイン処理からゲーム終了時に呼び出して行うAT管理処理(第2処理)において、当該ゲームにおける出玉制御処理により更新された有利区間ゲーム数カウンタの値が規定ゲーム数(第2規定数)に到達したか否かを判定し、規定ゲーム数に到達したと判定した場合には、有利区間終了フラグを設定する。その後、メイン処理では、有利区間終了フラグが設定されていることに基づいて有利区間データ初期化処理を行うことで、有利区間に関する情報を初期化して有利区間を終了させるようになっている。
【0458】
メイン制御部41は、有利区間に制御しているときには、3枚の賭数が設定されている場合でも2枚の賭数が設定されている場合でも有利区間ゲーム数カウンタを更新して、当該有利区間ゲーム数カウンタ値が規定ゲーム数(第2規定数)に到達することで有利区間を終了させるので、3枚の賭数が選択されても2枚の賭数が選択されても所定ゲーム数(本実施例では、1500ゲーム)以上の長期間にわたり有利区間に制御されることがないように有利区間のゲーム数を制限する。これにより、スロットマシン1における射幸性が過度に高まることを防止できる。
【0459】
本実施例のメイン制御部41は、出玉制御処理において、有利区間中信号バッファの値が初期値であるか否かに基づいて有利区間中信号の出力中か否かを判定することにより有利区間中か否かを判定する。そして、有利区間中であると判定した場合には、出玉制御処理において有利区間に関する処理(Sj11~Sj30)として、有利区間ゲーム数カウンタを更新する処理や、賭数が2枚である状態またはRT1以外の遊技状態であることを条件に行うナビ報知に関する処理(例えば、有利区間が終了するまでの期間にわたりナビ報知の制御が行われるED制御へ移行させるゲームを特定するためのED移行ゲーム数カウンタを更新する処理や、所定の出玉状態(出玉状態A、出玉状態B)に制御していることを条件に、区間表示LED19の出力バッファに点灯状態に制御するONデータ(所定値:1)を設定する処理、一般役当選番号に基づいてナビ番号に基づいて当選している役に対応するナビ番号を特定し、RAM41cの所定領域に設定する処理、現在制御されている出玉状態に応じた各種処理を行う処理等)を行うようになっている。これにより、有利区間中信号が出力されている状態において有利区間に関する処理が行われることを担保することができる。
【0460】
本実施例のメイン制御部41は、メイン処理からゲーム開始時に呼び出して行う出玉制御処理において、有利区間中信号バッファの値が所定値(1)でなく有利区間でないと判定される場合に(Sj1)、有利区間の開始条件として、内部抽選にて有利区間移行役が当選することが成立しているか否かを判定し(Sj6、Sj7)、有利区間の開始条件が成立していると判定した場合に、有利区間に制御する旨を示す有利区間中フラグをRAM41cの所定領域に設定する(Sj9)。その後のメイン処理において、有利区間中フラグがRAM41cの所定領域に設定されているか否かを判定し(Sb80)、当該有利区間中フラグが設定されており有利区間中であると判定した場合に、有利区間中信号バッファに所定値(ON状態を示すデータ(1))を設定する。そして、その後、タイマ割込み処理においてLEDダイナミック表示処理を行うことで、有利区間中信号を出力させるようになっている。これにより、有利区間中信号バッファの値が所定値(1)でなく、有利区間中信号の出力中でない状態において、有利区間に移行させる処理(Sj8、Sj8)が行われることを担保することができる。
【0461】
本実施例のメイン制御部41は、出玉制御処理において、有利区間中信号バッファの値に基づいて有利区間中であるか否かを判定するようになっており、有利区間中信号は、スロットマシン1の性能試験を行う試験装置に対して出力される信号である。これにより、性能試験に用いられる有利区間中信号が出力されている状態において有利区間に関する処理が行われること、及び、有利区間中信号が出力されていない状態において有利区間に移行させる処理が行われることを担保することができる。また、出玉制御処理において、有利区間中信号バッファの値に基づいて有利区間中であるか否かを判定することで、出玉制御処理において有利区間中であるか否かを判定するためのフラグを別途設ける必要がなく、データ容量を削減できる。
【0462】
本実施例のメイン制御部41は、出玉制御処理において、有利区間中信号バッファに基づいて有利区間でないと判定され(Sj1)、かつ3枚の賭数が設定されていると判定された場合には(Sj3)、有利区間に移行させる処理(Sj7、Sj8)を行う一方、有利区間中信号バッファに基づいて有利区間でないと判定したが(Sj1)、3枚の賭数が設定されていないと判定した場合には(Sj3)、有利区間に移行させる処理(Sj7、Sj8)を行わないで出玉制御処理を終了させてメイン処理に戻るようになっている。これにより、出玉制御処理では、3枚の賭数(第1賭数)が設定されていない場合には、有利区間に移行させる処理を行わないため、遊技者等に対して3枚の賭数(第1賭数)でゲームを行うように促すことができる。
【0463】
本実施例のメイン制御部41は、出玉制御処理において、有利区間中信号バッファに基づいて有利区間でないと判定され(Sj1)、かつ特別状態(BB1、BB2)に制御されていないと判定された場合には(Sj5)、有利区間に移行させる処理(Sj7、Sj8)を行う一方、有利区間でないと判定されたが(Sj1)、特別状態(BB1、BB2)に制御されていると判定した場合には、有利区間に移行させる処理(Sj7、Sj8)を行わないで出玉制御処理を終了させてメイン処理に戻るようになっている。これにより、出玉制御処理では、遊技状態が特別状態(BB1、BB2)に制御されている場合には、有利区間に移行させる処理を行わないため、遊技者等に対して特別状態(BB1、BB2)以外でゲームを行うように促すことができる。
【0464】
本実施例のメイン制御部41は、出玉制御処理において、有利区間中信号バッファに基づいて有利区間でないと判定され(Sj1)、3枚の賭数が設定されていると判定され(Sj3)、かつ特別状態(BB1、BB2)に制御されていないと判定された場合には(Sj5)、有利区間に移行させる処理(Sj7、Sj8)を行う一方、有利区間でないと判定されたが(Sj1)、3枚の賭数が設定されていないと判定された場合、または特別状態(BB1、BB2)に制御されていると判定した場合には、有利区間に移行させる処理(Sj7、Sj8)を行わないで出玉制御処理を終了させてメイン処理に戻るようになっている。これにより、出玉制御処理では、3枚の賭数(第1賭数)が設定されていない場合、または遊技状態が特別状態(BB1、BB2)に制御されている場合には、有利区間に移行させる処理を行わないため、遊技者等に対して特別状態(BB1、BB2)以外の遊技状態かつ3枚の賭数(第1賭数)でゲームを行うように促すことができる。
【0465】
本実施例のメイン制御部41は、出玉制御処理において、有利区間中信号バッファの値が所定値(1)であり有利区間であると判定され(Sj1)、かつ3枚の賭数が設定されていると判定した場合には(Sj13)、ナビ報知に関連する処理(Sj14~Sj30)を行う一方、有利区間中信号バッファの値が所定値(1)であり有利区間であると判定されたが(Sj1)、3枚の賭数が設定されていないと判定した場合には(Sj13)、ナビ報知に関連する処理(Sj14~Sj30)を行わないで出玉制御処理を終了させてメイン処理に戻るようになっている。これにより、出玉制御処理では、3枚の賭数(第1賭数)が設定されていない場合には、ナビ報知に関連する処理を行わないため、遊技者等に対して3枚の賭数(第1賭数)でゲームを行うように促すことができる。
【0466】
本実施例のメイン制御部41は、出玉制御処理において、有利区間中信号バッファの値が所定値(1)であり有利区間であると判定され(Sj1)、かつ遊技状態がBB1の当選が持ち越されているRT1であると判定した場合には(Sj13)、ナビ報知に関連する処理(Sj14~Sj30)を行う一方、有利区間中信号バッファの値が所定値(1)であり有利区間であると判定されたが(Sj1)、遊技状態がRT1以外の遊技状態であると判定した場合には(Sj13)、ナビ報知に関連する処理(Sj14~Sj30)を行わないで出玉制御処理を終了させてメイン処理に戻るようになっている。これにより、出玉制御処理では、遊技状態がRT1以外の遊技状態である場合には、ナビ報知に関連する処理を行わないため、遊技者等に対してRT1でゲームを行うように促すことができる。
【0467】
本実施例のメイン制御部41は、出玉制御処理において、有利区間中信号バッファの値が所定値(1)であり有利区間であると判定され(Sj1)、3枚の賭数が設定されており、遊技状態がBB1の当選が持ち越されているRT1であると判定した場合には(Sj13)、ナビ報知に関連する処理(Sj14~Sj30)を行う一方、有利区間中信号バッファの値が所定値(1)であり有利区間であると判定されたが(Sj1)、3枚の賭数が設定されていないと判定した場合、または遊技状態がRT1以外の遊技状態であると判定した場合には、ナビ報知に関連する処理(Sj14~Sj30)を行わないで出玉制御処理を終了させてメイン処理に戻るようになっている。これにより、出玉制御処理では、3枚の賭数(第1賭数)が設定されていない場合、または遊技状態がRT1以外の遊技状態である場合には、ナビ報知に関連する処理を行わないため、遊技者等に対して3枚の賭数(第1賭数)かつRT1でゲームを行うように促すことができる。
【0468】
本実施例の出玉制御処理では、前述の遊技区間を通常区間から有利区間へ移行させる処理(Sj1~Sj10)が行われたゲームよりも後のゲームにおいて、当該外部出力信号番号を外部出力信号出力バッファに設定する処理(Sj25)を含むSj11~Sj30のステップの各処理が行われるようになっており、AT信号の出力が開始される場合には、当該AT信号の出力が開始されるゲームよりも前のゲームにおいて、有利区間へ移行させる処理(Sj1~Sj10)が行われるので、区間表示が行われている状態でAT信号の出力が開始されるようになっている。
【0469】
本実施例の出玉制御処理では、AT信号の出力が開始される場合には、区間表示LED19の出力バッファにON状態データ(所定値1)を設定し、割込み1回待ち処理を行った後に、外部信号番号を出力バッファに格納する処理(Sj25)を行うようになっているので、区間表示を開始した後に、AT信号を出力するようになっている。これにより、区間表示が開始される前に、AT信号を受信した外部機器にて有利区間に制御されていることが特定できてしまうことを防止できる。
【0470】
本実施例の出玉制御処理では、3枚の賭数(第1賭数)が設定されている場合には、ナビ報知に関する処理(Sj14~Sj30)を行う一方で、2枚の賭数(第2賭数)が設定されている場合には当該ナビ報知に関する処理を行わないようになっており、有利区間において内部抽選にて多枚ベル、3枚役のいずれかが当選したとなった場合に、3枚の賭数(第1賭数)が設定されている場合には当選している多枚ベル、3枚役の種類に対応する操作態様(正解の停止順)を報知する一方、2枚の賭数(第2賭数)が設定されている場合には当選している多枚ベル、3枚役の種類に対応する操作態様(正解の停止順)を報知しないようになっている。これにより、2枚の賭数(第2賭数)が設定されている場合には、ナビ報知により遊技者にとって有利な操作態様が指示されないため、3枚の賭数(第2賭数)でゲームを行うことを促すことができる。
【0471】
[操作情報信号出力処理について]
メイン制御部41が行う操作情報信号出力処理の制御内容について、
図42に基づいて説明する。尚、操作情報信号出力処理は、非遊技プログラムに含まれており、遊技プログラムに含まれるメイン処理において呼び出されるサブルーチンである。
【0472】
図42に示すように、操作情報信号出力処理では、まず、前述のLD命令を用いて、呼び出し元の遊技プログラムにより使用されていたスタックポインタSPにより示される遊技スタック領域から現在のスタックポインタSPが示すアドレスの値を読み出し、非遊技RAM領域の所定領域に記憶させて退避させる(Sz501)。その後、LD命令を用いて、前回の非遊技プログラムの終了時にスタックポインタSPにより示されるアドレスとして記憶されている値を、非遊技RAM領域の所定領域から読み出し、スタックポインタSPが示す値として設定することで、スタックポインタSPを非遊技プログラム用に設定する(Sz502)。そして、前述の第1退避命令を用いて、フラグレジスタを含むメイン制御部41が備えるすべてのレジスタ(アキュムレータレジスタ、フラグレジスタ、汎用レジスタ、インデックスレジスタ、インタラプトレジスタ、リフレッシュレジスタ、プログラムカウンタなど)の値を、スタックポインタSPにより特定される非遊技RAM領域の非遊技スタック領域に所定の順序で記憶させることで退避させる(Sz503)。尚、非遊技プログラムに含まれる非遊技RAM領域初期化処理が遊技プロクラムから呼び出されることに伴って、スタックポインタSPを遊技プログラム用から非遊技プログラム用に変更する際に、LD命令が用いられることで、フラグレジスタの第2ゼロフラグTZが変更されることとなり、当該LD命令の実行される前後でフラグレジスタの状態が変化することがある。すなわち、遊技プログラムから非遊技RAM領域初期化処理が呼び出された際に、当該非遊技RAM領域初期化処理により非遊技プログラム用のスタックポインタSPが設定された後に退避させられるレジスタの状態は、遊技プログラムが非遊技RAM領域初期化処理を呼び出したときのレジスタの状態と異なることがある。
【0473】
Sz503のステップにおいて全レジスタを退避させた後は、通信設定処理を行う(Sz504)。通信設定処理では、通信信号のボーレート値の設定やメイン制御部41が備える信号の送信機能に関する設定を行う。
【0474】
Sz504のステップにおいて通信設定処理を行った後は、RAM41cの所定領域に設定されているナビ番号をAレジスタに読み込む(Sz505)。そして、ナビ番号が0であり、ナビ報知が行われないか否かを判定する(Sz506)。ナビ番号が0であると判定した場合には、RAM41cの所定領域に設定されている一般役当選番号に基づいて特定される一般役の当選状況をフラグレジスタZに読み込んだ後(Sz507)、小役の取りこぼしを最小限に抑えるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様(推奨操作態様)を示す値(0)をAレジスタに設定する(Sz508)。そして、Sz507のステップにてフラグレジスタZに読み込んだ一般役の当選状況に基づいて一般役が当選していないハズレであるか否かを判定する(Sz509)。
【0475】
Sz509のステップにおいて一般役が当選しておらずハズレであると判定した場合には、図柄停止信号パターン設定テーブルの先頭アドレスをHLレジスタに設定し(Sz510)、特別役の当選状況を特定可能な内部当選フラグの値(非当選時:0、BB1当選時:1、BB2当選時:2)をAレジスタに読み込み(Sz11)、図柄停止信号パターン設定用データ取得処理を行う(Sz512)。図柄停止信号パターン設定用データ取得処理では、図柄停止信号パターン設定テーブル及び内部当選フラグの値に基づいて図柄停止信号パターン設定用データをAレジスタに取得する。図柄停止信号パターン設定用データは、いずれの一般役も当選していない場合に、特別役の当選状況に応じて後述の加算処理(Sz516)によりリール番号設定値を取得するためのデータである。
【0476】
Sz512のステップにおいて図柄停止信号パターン設定用データ取得処理を行った場合、及び、Sz506のステップにおいてナビ番号が0ではなく、ナビ報知が行われると判定した場合、Sz509のステップにおいて一般役が当選していると判定した場合に、Sz513のステップへ進み、リール番号信号データテーブルの先頭アドレスをHLレジスタに設定する。その後、Aレジスタ値に所定の補正処理を行って補正し(Sz514)、Aレジスタ及びフラグレジスタの値をRAM41cの所定領域に退避させ(Sz515)、加算処理を行う(Sz516)。加算処理では、Aレジスタの値をHLレジスタ値に加算して、加算後のHLレジスタ値のアドレスに格納されているリール番号設定値をAレジスタに取得する。そして、Aレジスタ値をリール番号信号としてRAM41cの所定領域に設定する(Sz517)。
【0477】
Sz506のステップにおいてナビ番号が0ではないと判定し、Sz513以降のステップの処理を行う場合には、Aレジスタには、ナビ番号(1~6)が設定されており、Sz517のステップでは、ナビ番号に応じた停止順を示すリール番号信号がRAM41cの所定領域に設定される。また、Sz509のステップにおいて一般役が当選していると判定し、Sz513以降のステップの処理を行う場合には、Aレジスタには、DDTポイント値が設定されており、DDTポイントに対応する停止順を示すリール番号信号がRAM41cの所定領域に設定される。また、Sz512のステップにおいて図柄停止信号パターン設定用データ取得処理を行って、Sz513以降のステップの処理を行う場合であって、特別役が当選している場合には、Aレジスタには、当選している特別役を入賞させることが可能な停止順を示すリール番号信号を設定するための図柄停止信号パターン設定用データが設定されており、当選している特別役を入賞させることが可能な停止順を示すリール番号信号がRAM41cの所定領域に設定される。また、Sz512のステップにおいて図柄停止信号パターン設定用データ取得処理を行って、Sz513以降のステップの処理を行う場合であって、特別役が当選していない場合には、Aレジスタには、DDTポイントに対応する停止順を示すリール番号信号を設定するための図柄停止信号パターン設定用データが設定されており、DDTポイントに対応する停止順を示すリール番号信号がRAM41cの所定領域に設定されるようになっている。
【0478】
Sz517のステップにおいてリール番号信号を設定した後、Sz515のステップにおいて退避させたAレジスタ及びフラグレジスタの値を復帰させ(Sz518)、停止実行図柄番号テーブルの先頭アドレスをHLレジスタに設定する(Sz519)。そして、加算処理を行う。加算処理では、Aレジスタの値をHLレジスタ値に加算して、加算後のHLレジスタ値のアドレスに格納されている停止実行図柄番号をAレジスタに取得する。そして、Aレジスタ値を停止実行図柄番号としてRAM41cの所定領域に設定する(Sz521)。
【0479】
その後、停止実行図柄番号に基づいて停止実行ステップを演算する停止実行ステップ演算処理を行い(Sz522)、演算により取得された停止実行ステップを特定可能な停止実行位信号としてRAM41cの所定領域に設定する(Sz523)。
【0480】
Sz506のステップにおいてナビ番号が0ではないと判定し、Sz518以降のステップの処理を行う場合には、Aレジスタには、ナビ番号(1~6)が設定されており、Sz523のステップでは、ナビ番号に応じた停止タイミングを示す停止実行位信号がRAM41cの所定領域に設定される。また、Sz509のステップにおいて一般役が当選していると判定し、Sz518以降のステップの処理を行う場合には、Aレジスタには、DDTポイント値が設定されており、DDTポイントに対応する停止タイミングを示す停止実行位信号がRAM41cの所定領域に設定される。また、Sz512のステップにおいて図柄停止信号パターン設定用データ取得処理を行って、Sz518以降のステップの処理を行う場合であって、特別役が当選している場合には、Aレジスタには、当選している特別役を入賞させることが可能な停止タイミングを示す停止実行位信号を設定するための図柄停止信号パターン設定用データが設定されており、当選している特別役を入賞させることが可能な停止タイミングを示す停止実行位信号がRAM41cの所定領域に設定される。また、Sz512のステップにおいて図柄停止信号パターン設定用データ取得処理を行って、Sz518以降のステップの処理を行う場合であって、特別役が当選していない場合には、Aレジスタには、DDTポイントに対応する停止タイミングを示す停止実行位信号を設定するための図柄停止信号パターン設定用データが設定されており、DDTポイントに対応する停止タイミングを示す停止実行位信号がRAM41cの所定領域に設定されるようになっている。
【0481】
Sz523のステップにおいて停止実行位信号をRAM41cの所定領域に設定した後は、Sz517のステップにおいて設定したリール番号信号の値をAレジスタに読み込み(Sz524)、リール番号信号出力処理を行う(Sz525)。リール番号信号出力処理では、Aレジスタ値に基づいて特定される各リールの停止順を特定可能なリール番号信号を所定の出力ポートから試験装置に対して出力する処理を行う。
【0482】
Sz525のステップにおいてリール番号信号出力処理を行った後は、Sz523のステップにおいて設定した停止実行位信号の値をAレジスタに読み込み(Sz526)、停止実行位置信号出力処理を行う(Sz527)。停止実行位置信号出力処理では、Aレジスタ値に基づいて特定される各リールの停止タイミングを特定可能な停止実行位置信号を所定の出力ポートから試験装置に対して出力する処理を行う。
【0483】
そして、Sz527のステップにおいて停止実行位置信号出力処理を行った後は、Sz503のステップにおいて退避させた全レジスタの値を復帰させ(Sz528)、Sz501のステップにおいて退避させたスタックポインタの値を復帰させて、操作情報信号出力処理を終了させてメイン処理に戻る。
【0484】
このように、本実施例の操作情報信号出力処理では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様を指定する操作情報信号として、停止実行位信号、停止実行位信号を試験装置に対して出力することが可能ある。前述の出玉制御処理では、ATの制御を開始するときに区間表示LED19の出力バッファに所定値(ON状態を示す1)を設定し、タイマ割込み処理により区間表示LED19を点灯状態に制御して有利区間に制御している旨を示す区間表示を開始させた後、メイン処理において操作情報信号出力処理が呼び出されるようになっており操作情報信号出力処理では、区間表示が開始された後に操作情報信号を試験装置に対して出力するようになっている。これにより、区間表示を開始した後に操作情報信号が試験装置に対して出力されるので、区間表示が行われている状態で指定された操作態様であることが試験装置側で特定可能である。
【0485】
本実施例の操作情報信号出力処理では、RAM41cの所定領域に設定されているナビ番号に基づいてストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様が指示されるナビ報知が行われるか否かを判定し(Sz506)、ナビ報知が行われると判定した場合には、ナビ番号に基づいて指示される操作態様を指定する停止実行位置信号を出力する処理(Sz523)を行い、ナビ報知が行われないと判定した場合には、内部抽選の当選結果を示す当選番号を参照し(Sz509)、当該当選番号に対応する操作態様を指定する停止実行位置信号を出力する処理(Sz509)を行うようになっている。これにより、操作情報信号出力処理では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様が指示されると判定した場合には、内部抽選の当選結果を特定する処理を省略できるため、操作態様を指定する停止実行位置信号を出力するための処理を簡素化できる。
【0486】
[役比モニタ用データ処理について]
本実施例のメイン制御部41が行う役比モニタ用データ処理の制御内容について、
図43~
図48に基づいて説明する。尚、役比モニタ用データ処理は、非遊技プログラムに含まれており、遊技プログラムに含まれるメイン処理において呼び出されるサブルーチンである。また、役比モニタ用データ処理は、非遊技プログラムに含まれるサブルーチンである各状態カウント処理を呼び出し、当該各状態カウント処理は、非遊技プログラムに含まれるサブルーチンである役物比率更新処理、連続役物比率更新処理、指示込役比更新処理を更に呼び出すようになっている。
【0487】
メイン制御部41は、過去6000ゲーム間の役物払出比率と総累計払出数に対する役物払出比率とを比率表示として、2桁の7セグメント表示器で構成されるクレジット表示器11と遊技補助表示器12に表示させる制御を行う。クレジット表示器11と遊技補助表示器12は、遊技の進行に応じた情報が表示される表示器であり、比率表示を常時表示させることができないため、遊技が行われていない状況下で遊技店の店員などにより所定の操作が行われたことにより比率表示を表示させる。
【0488】
具体的には、ゲームが行われていないときに、通常施錠されている前面扉1bを遊技店の店員が所持する鍵により解錠して開放状態とした上で、筐体1aの内部に設けられたリセット/設定スイッチ38を操作すると、メイン制御部41は、クレジット表示器11と遊技補助表示器12における現在の表示内容が切り替えて比率表示の表示を開始させる。
【0489】
また、比率表示は、比率表示の種類を示す略記を構成する上位2桁の英数字と、比率を示す下位2桁の数字とからなる4桁の英数字により構成されており、上位2桁の表示内容をクレジット表示器11に、下位2桁の表示内容を遊技補助表示器12に表示させ、比率表示の開始から予め定められた表示順で所定時間毎に切り替えて比率表示を表示させる。
【0490】
クレジット表示器11と遊技補助表示器12とに比率表示を表示させた状態で、前面扉1bの閉鎖、スロットマシン1へのメダルの投入、エラーの発生、設定キースイッチ37の操作、精算スイッチ10の操作、スロットマシン1への電力供給の停止のいずれかが検出される、比率表示を表示させる前に表示されていた元の表示内容へ切り替えて比率表示を終了させる。
【0491】
メイン制御部41は、メイン処理において入賞判定処理(
図29のSb49のステップ)において、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を行い、割込み1回待ち処理(Sb50)を行った後に、フラグレジスタ値を退避させ(Sb51)、タイマ割込みを禁止に設定したうえで(Sb52)、非遊技プログラムに含まれる役比モニタ用データ処理を実行する。
【0492】
図43に示すように、役比モニタ用データ処理では、まず、前述のLD命令を用いて、呼び出し元の遊技プログラムにより使用されていたスタックポインタSPの示すアドレスの値を非遊技RAM領域の所定領域に記憶させて退避させ(Sk1)、その後、LD命令を用いて、当該スタックポインタSPの値として非遊技スタック領域の所定値(前回の非遊技プログラムの終了時に記憶された値)を設定することで、スタックポインタSPを非遊技プログラム用に設定する(Sk2)。そして、前述の第1退避命令を用いて、メイン制御部41が備えるすべてのレジスタの値を非遊技スタック領域に所定の順序で記憶させることで退避させる(Sk3)。そして、非遊技プログラムに含まれる各状態カウント処理(Sk4)を実行した後、前述の第1復帰命令を用いて、Sk3のステップにおいて退避させていたレジスタの値を非遊技スタック領域から順次読み出して、役比モニタ用データ処理を開始したときの状態にすべてのレジスタを復帰させた後(Sk5)、LD命令を用いて、Sk1のステップにおいて非遊技RAM領域の所定領域に記憶させて退避させていたスタックポインタSPの値を、スタックポインタSPに設定することで、役比モニタ用データ処理を開始したときの状態にスタックポインタSPを復帰させ(Sk6)、役比モニタ用データ処理を終了させて呼び出し元のメイン処理に戻り、Sb54のステップへ進む。メイン処理のSb54のステップにおいてタイマ割込みが許可されて、その後の当該役比モニタ用データ処理の実行前に退避されたフラグレジスタ値が復帰される(Sb55)。
【0493】
図44に示すように、各状態カウント処理では、総累計ゲーム数の加算が可能であるかが判定される(Sp1)。総累計ゲーム数は、3バイトの記憶領域に格納されており、上限値として16777215ゲームまで計数可能である。
【0494】
総累計ゲーム数の加算ができない場合は、Sp22のステップに進む。総累計ゲーム数の加算ができる場合、ゲームが行われたとして1を加算する(Sp2~Sp4)。前述したとおり、遊技機に用いられるマイクロコンピュータは最大2バイトの値同士の演算しか行うことができないため、この加算は3バイトデータ加算&格納処理(Sp4)のサブルーチンを呼び出して実行される。そして、加算した結果、総累計ゲーム数が上限に到達したかが判定される(Sp4)。総累計ゲーム数が上限値に到達していない場合はSp7のステップへ進む。総累計ゲーム数が上限値に到達している場合、総累計カウント停止フラグに上限値に到達した旨を示す値が設定され(Sp5、Sp6)、Sp7のステップへ進む。尚、前述したSp1のステップでは総累計カウント停止フラグを参照して総累計ゲーム数の加算が可能であるかが判定される。
【0495】
Sp7からのステップでは、総累計ゲーム数が0~5999ゲームの範囲にあるか、6000~174999ゲームの範囲にあるか、175000ゲーム以上の範囲にあるか、が判定される(Sp7~Sp20)。判定の結果に応じて、それぞれの範囲にあることを示す値を点灯識別セグとして設定する(Sp8、Sp18、Sp19)。設定された点灯識別セグは、表示モニタ消化遊技判定フラグに格納される。そして、非遊技プログラムに含まれる役物比率更新処理(Sp22)、連続役物比率更新処理(Sp23)、指示込役比更新処理(Sp24)を順次実行した後に、役比モニタ用データ処理に復帰する。
【0496】
図45に示すように、役物比率更新処理では、まず遊技回数判定用のゲーム回数の1加算を行う(Sq1)。ここで後述する判定用ゲーム数カウンタに1が加算される。次に今回のゲームで入賞が発生したことにより払い出される入賞メダル枚数の加算を行う(Sq2、Sq3)。ここで累計バッファ1~3の総払出カウンタにそれぞれ入賞メダル枚数の加算が行われる。
【0497】
累計バッファ1には3バイトの総払出カウンタと3バイトの役物払出カウンタとが設けられており、ゲームで入賞が発生してメダルの払出が行われるとそれぞれのカウンタで計数が行われる。計数を開始してから6000ゲームに到達すると総払出カウンタと役物払出カウンタを初期値である0に更新し次のゲームは初期値から計数を開始する。
【0498】
累計バッファ2も累計バッファ1と同様に3バイトの総払出カウンタと3バイトの役物払出カウンタとが設けられており、ゲームで入賞が発生してメダルの払出が行われるとそれぞれのカウンタで計数が行われる。計数を開始してから6000ゲームに到達すると総払出カウンタと役物払出カウンタを初期値である0に更新し次のゲームは初期値から計数を開始する。但し、計数を開始するゲームは累計バッファ1と2000ゲームずれている。
【0499】
累計バッファ3も累計バッファ1、累計バッファ2と同様に3バイトの総払出カウンタと3バイトの役物払出カウンタとが設けられており、ゲームで入賞が発生してメダルの払出が行われるとそれぞれのカウンタで計数が行われる。計数を開始してから6000ゲームに到達すると総払出カウンタと役物払出カウンタを初期値である0に更新し次のゲームは初期値から計数を開始する。但し、計数を開始するゲームが累計バッファ1と4000ゲーム、累計バッファ1と2000ゲームずれている。
【0500】
続いて、総累計払出枚数の加算が可能であるかが判定される(Sq4)。総累計払出枚数の加算ができない場合は、Sq10のステップに進む。総累計払出枚数の加算が可能である場合、総累計払出枚数に入賞メダル枚数の加算が行われる。そして、加算した結果、総累計払出枚数が上限に到達したかが判定される(Sq7)。総累計払出枚数が上限値に到達していない場合はSq10のステップへ進む。総累計払出枚数が上限値に到達している場合、総累計カウント停止フラグに上限値に到達した旨を示す値が設定され(Sq8、Sq9)、Sq10のステップへ進む。尚、総累計払出枚数の加算が可能であるかは総累計カウント停止フラグを参照して判定されるとともに、総累計ゲーム数が上限値に到達したときと、総累計払出枚数が上限値に到達したときとで同じフラグが用いられる。
【0501】
Sq10、Sq11のステップではゲームにおいて役物が作動しているか否か、つまりRBに制御されている期間であるかが判定される。役物が作動していない場合、Sq17に進む。役物が作動している場合、今回のゲームで入賞が発生したことにより払い出される入賞メダル枚数を役物作動期間の払出枚数として加算を行う(Sq12、Sq13)。ここで累計バッファ1~3の役物払出カウンタにそれぞれ入賞メダル枚数の加算が行われる。
【0502】
続いて、総累計役物払出枚数の加算が可能であるかが判定される(Sq14)。総累計役物払出枚数の加算ができない場合は、Sq17のステップに進む。総累計役物払出枚数の加算が可能である場合、総累計役物払出枚数に入賞メダル枚数の加算が行われ(Sb15、16)、Sq17のステップへ進む。尚、総累計役物払出枚数の加算が可能であるかは総累計カウント停止フラグを参照して判定される。
【0503】
以上のように更新された総累計払出枚数と総累計役物払出枚数から総累計払出数に対する役物払出比率の算出を行う(Sq17、Sq18)。そして算出された値が総累計払出数に対する役物払出比率として格納される(Sq19)。
【0504】
続いて、判定用ゲーム数カウンタを参照して、当該ゲームが更新ゲーム数か否かを判定する(Sq20~Sq23)。判定用ゲーム数カウンタは1~6000ゲームの間で循環して計数されるカウンタであり、計数を開始してからのゲーム数が2000ゲーム、4000ゲーム、6000ゲームに到達したかを判定するために用いられるカウンタである。上記判定は、判定用カウンタを2000で除算して余りが生じたか否かにより判定され、余りが生じていた場合、当該ゲームが更新ゲーム数でないとして各状態カウント処理に復帰する。
【0505】
判定用カウンタを2000で除算して余りが生じなかった場合、除算結果の商より当該ゲームが2000ゲーム、4000ゲーム、6000ゲームのいずれの更新ゲームかを特定する(Sq24)。そして、累計バッファ1~3のうち、特定された更新ゲームに対応する累計バッファより総払出カウンタの値を読み出して6000回算出用バッファに6000ゲーム累計払出枚数として格納するとともに読み出し元の総払出カウンタを初期値である0に更新する(Sq25~Sq27)。同様に特定された更新ゲームに対応する累計バッファより役物払出カウンタの値を読み出して6000回算出用バッファに6000ゲーム累計役物払出枚数として格納するとともに読み出し元の役物払出カウンタを初期値である0に更新する(Sq28~Sq30)。
【0506】
さらに、6000回算出用バッファに格納された6000ゲーム累計払出枚数と6000ゲーム累計役物払出枚数とから6000ゲーム累計払出枚数に対する役物払出比率の算出を行う(Sq31、Sq32)。そして算出された値が過去6000ゲーム間の役物払出比率として格納される(Sq33)。その後、各状態カウント処理に復帰する。
【0507】
総累計払出数に対する役物払出比率、過去6000ゲーム間の役物払出比率は、後述の表示モニタ用データ選択処理において参照され、表示されている比率表示の種類を示す略記とともに遊技機情報表示器50に順次表示されることとなる。
【0508】
図46を参照して、役比モニタ用データ処理による累計バッファ1~3及び6000回算出用バッファ、総累計払出枚数と総累計役物払出枚数が格納される総累計算出用バッファの更新状況を説明する。累計バッファ1~3、6000回算出用バッファ及び総累計算出用バッファの記憶内容は工場出荷時または何らかの原因でRAM41cのデータに異常が生じて初期化されない限りは保持されている。
【0509】
各バッファ値が初期化された状態から累計バッファ1と総累計算出用バッファでの計数が開始される。2000ゲームが経過すると累計バッファ2での計数が開始される。累計バッファ1は計数を継続している。続いて2000ゲームが経過すると累計バッファ3での計数が開始される。累計バッファ1と累計バッファ2は計数を継続している。
【0510】
さらに2000ゲームが経過すると累計バッファ1での計数期間が6000ゲームに達する。ここで累計バッファ1の計数内容が6000回算出用バッファに格納される。そして累計バッファ1の計数内容は初期化され初期値(0)から計数を開始する。
【0511】
次の2000ゲームが経過すると累積バッファ2での計数期間が6000ゲームに達する。ここで累積バッファ2の計数内容が6000回算出用バッファに格納される。そして累積バッファ2の計数内容は初期化され初期値(0)から計数を開始する。
【0512】
このように累計バッファ1~3に計数された6000ゲーム間の計数結果が2000ゲーム毎に6000回算出用バッファに格納されていく。尚、この間、総累計算出用バッファの計数結果は初期化されることなく累積して計数が行われている。
【0513】
次に、メイン制御部41が行う連続役物比率更新処理の制御内容について、
図47に基づいて説明する。
【0514】
図47に示すように、連続役物比率更新処理では、まず、遊技状態が特別状態中(B1、BB2)に制御されているときに、特別状態中(B1、BB2)である旨を示すBB中信号をスロットマシン1の外部に出力する出力ポートの出力バッファが初期値(0)であるか否かに基づいて、特別状態中であるか否かを判定する(Sr1)。そして、特別状態中であると判定した場合には、RAM41cの所定領域に設定されており、特別状態中(B1、BB2)のメダルの払出枚数を計数する連続役物払出枚数カウンタ(加算用)のアドレスをHLレジスタに設定する(Sr2)。そして、当該ゲームでのメダルの払出枚数をBレジスタに設定した後(Sr3)、3バイトデータ加算処理を行う(Sr4)。3バイトデータ加算処理では、3バイトの連続役物払出枚数カウンタ(加算用)に1バイトの払出枚数のデータを加算する処理を行う。
【0515】
その後、RAM41cの所定領域に設定されており、スロットマシン1において払い出されたメダルの総払出枚数を計数する払出枚数カウンタ(総累計)が上限値に到達したか否かを特定可能な上限到達判定用フラグのアドレスをHLレジスタに設定し(Sr5)、当該上限到達判定用フラグの値に基づいて、払出枚数カウンタ(総累計)が上限値に到達しているか否かを判定する(Sr6)。上限到達判定用フラグには、払出枚数カウンタ(総累計)が上限値に到達していない場合には、0が設定され、上限値に到達している場合には、1が設定されている。
【0516】
Sr6のステップにおいて払出枚数カウンタ(総累計)が上限値に到達していないと判定した場合には、当該ゲームにおけるメダルの払出枚数をEレジスタに設定し(Sr7)、Dレジスタに0を設定する(Sr8)。また、払出枚数カウンタ(総累計)のアドレスをHLレジスタに設定し(Sr9)、3バイトデータ加算格納処理を行う(Sr10)。3バイトデータ加算格納処理では、3バイトの払出枚数カウンタ(総累計)に1バイトの払出枚数のデータを加算する処理を行う。
【0517】
Sr10のステップにおいて3バイトデータ加算格納処理を行った場合、Sr1のステップにおいて特別状態中でないと判定した場合、Sr6のステップにおいて払出枚数カウンタ(総累計)が上限値に到達していると判定した場合には、Sr11のステップへ進み、連続役物払出枚数カウンタ(総累計)のアドレスをHLレジスタに設定し(Sr11)、払出枚数カウンタ(総累計)のアドレスをDEレジスタに設定する(Sr12)。その後、除算処理を行う(Sr13)。除算処理では、HLレジスタの値をDEレジスタで除算して得られる商の値をAレジスタに設定する。そして、当該除算処理により算出された商の値を連続役物比率(総累計)としてRAM41cの所定領域に格納する(Sr14)。
【0518】
その後、スロットマシン1において行われたゲーム回数を計数する遊技回数カウンタ(加算用)のアドレスをHLレジスタに設定し(Sr15)、DEレジスタに2000を設定し(Sr16)、HLレジスタの値をDEレジスタの値で除算して得られる余り値をDEレジスタに設定する(Sr17)。そして、DEレジスタの値に基づいて、余り値が0であるか否かを判定する(Sr18)。Sr18において余り値が0でないと判定した場合には、連続役物比率更新処理を終了させて各状態カウント処理へ戻る一方、Sr18において余り値が0であると判定した場合には、Sr19のステップへ進み、連続役物払出枚数カウンタ(加算用)のアドレスをHLレジスタに設定し(Sr19)、RAM41cの所定領域に設定されており、直近の連続する6000ゲーム間における特別状態中(B1、BB2)のメダルの払出枚数を計数する連続役物払出枚数カウンタ(6000G累計)のアドレスをDEレジスタに設定し(Sr20)、6000G累計データ転送処理を行う(Sr21)。6000G累計データ転送処理では、HLレジスタの値をDEレジスタ値に加算する。
【0519】
その後、連続役物払出枚数カウンタ(6000G累計)のアドレスをHLレジスタに設定し(Sr22)、前述の役物比率更新処理により更新される払出枚数カウンタ(6000G累計)のアドレスをDEレジスタに設定し(Sr23)、除算処理を行う(Sr24)。除算処理では、HLレジスタの値をDEレジスタで除算して得られる商の値をAレジスタに設定する。そして、当該除算処理により算出された商の値を過去6000ゲーム間の連続役物比率としてRAM41cの所定領域に格納する(Sr25)。
【0520】
Sr25のステップにおいて過去6000ゲーム間の連続役物比率をRAM41cの所定領域に格納した後は、連続役物比率更新処理を終了させて各状態カウント処理へ戻る。
【0521】
過去6000ゲーム間の役物払出比率は、後述の表示モニタ用データ選択処理において参照され、表示されている比率表示の種類を示す略記とともに遊技機情報表示器50に表示されることとなる。
【0522】
このように、本実施例の連続役物比率更新処理では、特別状態(BB1、BB2)に制御されているか否かを判定し(Sr1)、特別状態に制御されていると判定した場合に、遊技者に対して付与されたメダルの総枚数を計数する総累計払出枚数カウンタが上限値に到達しているか否かを判定し(Sr6)、上限値に到達していると判定した場合には、総累計役物払出枚数、総累計連続役物払出枚数を更新する処理(Sr7~Sr10)を行わず、上限値に到達していないと判定した場合には、総累計役物払出枚数、総累計連続役物払出枚数を更新する処理(Sr7~Sr10)を行うようになっている。これにより、遊技者に対して付与されたメダルの総枚数を更新できない状況に関わらず、総累計役物払出枚数、総累計連続役物払出枚数が更新されてしまうことを防止できる。
【0523】
次に、メイン制御部41が行う指示込役比更新処理の制御内容について、
図48に基づいて説明する。
【0524】
図48に示すように、指示込役物比率更新処理では、まず、スロットマシン1において払い出されたメダルの総払出枚数を計数する払出枚数カウンタ(総累計)が上限値に到達したか否かを特定可能な上限到達判定用フラグのアドレスをHLレジスタに設定し(St1)、当該上限到達判定用フラグの値に基づいて、払出枚数カウンタ(総累計)が上限値に到達しているか否かを判定する(St2)。上限到達判定用フラグには、払出枚数カウンタ(総累計)が上限値に到達していない場合には、0が設定され、上限値に到達している場合には、1が設定されている。
【0525】
St2のステップにおいて払出枚数カウンタ(総累計)が上限値に到達していないと判定した場合には、遊技状態が特別状態中(B1、BB2)に制御されているときに、特別状態中(B1、BB2)である旨を示すBB中信号をスロットマシン1の外部に出力する出力ポートの出力バッファの値をAレジスタに読み込み(St3)、当該出力バッファの値が初期値(0)であるか否かに基づいて、特別状態中であるか否かを判定する(St4)。
【0526】
そして、St4のステップにおいて特別状態中でないと判定した場合には、前述の出玉制御処理によりRAM41cの所定領域に設定される当該ゲームにおけるナビ番号をAレジスタに読み込み(St5)、1以上のナビ番号が設定されており当該ゲームがナビ報知の行われるゲームであるか否かを判定する(St6)。
【0527】
そして、St4のステップにおいて特別状態中であると判定した場合、及びSt6のステップにおいてナビ報知の行われるゲームであると判定した場合には、当該ゲームにおけるメダルの払出枚数をAレジスタに読み込み(St7)、Dレジスタに0を設定するとともに(St8)、RAM41cの所定領域に設定されており、ナビ報知が行われるゲーム及び特別状態中のゲームにおけるメダルの総払出枚数を計数するための指示込役物払出枚数カウンタ(総累計)のアドレスをHLレジスタに設定して(St9)、3バイトデータ加算格納処理を行う(St10)。3バイトデータ加算格納処理では、3バイトの指示込役物払出枚数カウンタ(総累計)に1バイトの払出枚数のデータを加算する処理を行う。
【0528】
そして、St10のステップにおいて3バイトデータ加算格納処理を行った後には、St11のステップへ進む。また、St2のステップにおいて払出枚数カウンタ(総累計)が上限値に到達していると判定した場合には、St3~St10のステップにおける各処理を行わずにSt11のステップへ進む。また、St6のステップにおいて当該ゲームがナビ報知の行われるゲームではないと判定した場合には、St7~St10のステップの各処理を行わずにSt11のステップへ進む。
【0529】
St11のステップでは、指示込役物払出枚数カウンタ(総累計)のアドレスをHLレジスタに設定し(St11)、前述の連続役物比率更新処理により更新される払出枚数カウンタ(総累計)のアドレスをDEレジスタに設定し(St12)、除算処理を行う(St13)。除算処理では、HLレジスタの値をDEレジスタで除算して得られる商の値をAレジスタに設定する。そして、当該除算処理により算出された商の値を総累計払出数に対する指示込役物払出比率としてRAM41cの所定領域に格納する(St14)。
【0530】
St15のステップにおいて総累計払出数に対する指示込役物払出比率をRAM41cの所定領域に格納した後は、指示込役物比率更新処理を終了させて各状態カウント処理へ戻る。
【0531】
総累計払出数に対する指示込役物払出比率は、後述の表示モニタ用データ選択処理において参照され、表示されている比率表示の種類を示す略記とともに遊技機情報表示器50に表示されることとなる。
【0532】
このように、本実施例の指示込役物比率更新処理では、遊技者に対して付与されたメダルの総枚数を計数する総累計払出枚数カウンタが上限値に到達しているか否かを判定し(St2)、上限値に到達していると判定した場合には、累計指示込役物払出枚数を更新する処理(St3~St10)を行わず、上限値に到達していないと判定した場合には、特別状態(BB1、BB2)に制御されているか否かを判定し(St4)、特別状態に制御されていると判定した場合には、累計指示込役物払出枚数を更新する処理(St7~St10)を行い、特別状態に制御されていないと判定した場合には、ナビ報知により遊技者にとって有利な操作態様が指示されたか否かを判定し(St6)、ナビ報知により遊技者にとって有利な操作態様が指示されたと判定した場合には、累計指示込役物払出枚数を更新する処理(St7~St10)を行うようになっている。これにより、遊技者に対して付与された総枚数を計数する総累計払出枚数カウンタを更新できない状況に関わらず、累計指示込役物払出枚数が更新されてしまうことを防止できる。
【0533】
[AT状態管理処理について]
本実施例のメイン制御部41が行うAT状態管理処理の制御内容について、
図49に基づいて説明する。尚、AT状態管理処理は、遊技プログラムに含まれるサブルーチンである。
【0534】
図49に示すように、AT状態管理処理では、まず、RAM41cの所定領域に設定されている有利区間ゲーム数カウンタの値を参照して、当該有利区間ゲーム数カウンタの値が初期値(0)であるか否かを判定する(Su1)。尚、前述の出玉制御処理により有利区間中信号の出力バッファの値に基づいて有利区間中であると判定されることで、有利区間ゲーム数は1ずつ加算されて更新されるので、有利区間中において有利区間ゲーム数カウンタの値は、1以上となるようになっている。Su1のステップにおいて有利区間ゲーム数カウンタの値が初期値(0)のままであり、有利区間中でないことが特定される場合には、後述するSu2~Su25のステップの各処理を行わずにAT状態管理処理を終了させてメイン処理に戻る。
【0535】
一方、Su1のステップにおいて有利区間ゲーム数カウンタの値が初期値(0)でなく、有利区間中であることが特定される場合には、Su2のステップへ進み、RAM41cの所定領域に設定されており、有利区間において払い出されたメダルの純増枚数(有利区間において払い出されたメダルの総枚数から有利区間において賭数の設定に用いられたメダルの総枚数を減じて得られる枚数)を計数するための純増枚数カウンタを参照して、当該純増枚数カウンタ値をHLレジスタに読み込む(Su2)。その後、RAM41cの所定領域に設定されており、当該ゲームにおける一般役の入賞状況を特定可能な入賞フラグを参照し(Su3)、当該ゲームにおいて再遊技役が入賞したか否かを判定する(Su4)。
【0536】
Su4のステップにおいて再遊技役が入賞していないと判定した場合には、当該ゲームにおけるメダルの払出枚数をAレジスタに読み込み(Su5)、Aレジスタの払出枚数をHLレジスタの純増枚数カウンタ値に加算する(Su6)。そして、当該ゲームにおいて設定されている賭数をAレジスタに読み込み(Su7)、Aレジスタの賭数をHLレジスタの純増枚数カウンタ値から減算する(Su8)。
【0537】
その後、HLレジスタの値が0以上であるか否かを判定し(Su9)、HLレジスタの値が0以上でない場合には、HLレジスタの値を0に補正して(Su10)、HLレジスタの値を純増枚数カウンタ値としてRAM41cの所定領域に記憶させる(Su11)。一方、Su9のステップにおいてHLレジスタの値が0以上であると判定した場合には、Su10のステップにおける補正を行わずに、HLレジスタの値を純増枚数カウンタ値としてRAM41cの所定領域に記憶させて(Su11)、Su12のステップへ進む。
【0538】
また、Su4のステップにおいて当該ゲームにおいて再遊技役が入賞したと判定した場合には、Su5~Su11のステップの各処理を行わずにSu12のステップへ進む。
【0539】
Su11のステップにおいて純増枚数カウンタ値をRAM41cの所定領域に記憶させて更新した場合、及びSu4のステップにおいて当該ゲームにおいて再遊技役が入賞したと判定した場合は、HLレジスタの値に基づいて純増枚数カウンタ値が有利区間の終了条件となる第1規定数(本実施例では、2395枚)を超えたか否かを判定し(Su12)、純増枚数カウンタ値が第1規定数を超えたと判定した場合には、Su15のステップへ進み、有利区間の終了条件が成立した旨を示す有利区間終了フラグをRAM41cの所定領域に設定して(Su15)、AT状態管理処理を終了させてメイン処理に戻る。
【0540】
一方、Su12のステップにおいて純増枚数カウンタ値が第1規定数を超えていないと判定した場合には、RAM41cの所定領域に設定されている有利区間ゲーム数カウンタの値をHLレジスタに読み込み(Su13)、当該有利区間ゲーム数カウンタの値が有利区間の終了条件となる第2規定数(本実施例では、1500ゲーム)に到達したか否かを判定する(Su14)。そして、有利区間ゲーム数カウンタの値が第2規定数に到達したと判定した場合には、Su15のステップへ進み、有利区間の終了条件が成立した旨を示す有利区間終了フラグをRAM41cの所定領域に設定して(Su15)、AT状態管理処理を終了させてメイン処理に戻る。
【0541】
一方、Su12のステップにおいて純増枚数カウンタ値が第1規定数を超えていないと判定し、かつSu14のステップにおいて有利区間ゲーム数カウンタ値が第2規定数に到達していないと判定した場合には、Su16のステップへ進み、賭数及び遊技状態判定処理を行って(Su16)、当該ゲームにおいて設定されている賭数及び現在制御されている遊技状態を取得する。そして、当該ゲームにおいて設定されている賭数が2枚または現在制御されている遊技状態がRT1以外の遊技状態であるか否かを判定する(Su17)。
【0542】
Su17のステップにおいて当該ゲームにおいて設定されている賭数が2枚または現在制御されている遊技状態がRT1以外の遊技状態であると判定した場合には、後述するSu18~Su25のステップにおけるナビ報知に関連する処理(ED制御を行う処理、出玉状態に関連する処理を行う出玉状態関連処理等)を行わずに、AT状態管理処理を終了させてメイン処理に戻る。
【0543】
一方、Su17のステップにおいて当該ゲームにおいて設定されている賭数が2枚または現在制御されている遊技状態がRT1以外の遊技状態でないと判定した場合、すなわち当該ゲームにおいて設定されている賭数が3枚であり、かつ現在制御されている遊技状態がRT1であると判定した場合には、Su18のステップへ進み、Su11のステップにおいて更新され、RAM41cの所定領域に設定されている純増枚数カウンタの値をHLレジスタに読み込む(Su18)。また、有利区間が終了するまでの期間にわたりナビ報知の制御が行われるED状態への移行条件となるメダルの純増枚数に関する第3規定数(本実施例では、1800枚)をDEレジスタに読み込む(Su19)。そして、HLレジスタ値とDEレジスタ値を比較して、有利区間におけるメダルの純増枚数が第3規定数を超えたか否かを判定する(Su20)。
【0544】
Su20のステップにおいて有利区間におけるメダルの純増枚数が第3規定数を超えたと判定した場合には、Su23のステップへ進み、ED状態へ移行される旨を示すED移行フラグをRAM41cの所定領域に設定する(Su23)。一方、Su20のステップにおいて有利区間におけるメダルの純増枚数が第3規定数を超えていないと判定した場合には、RAM41cの所定領域に設定されており、前述の出玉制御処理により更新され、有利区間が開始されてから、所定状態(当該ゲームにおいて設定されている賭数が3枚であり、かつ現在制御されている遊技状態がRT1である状態)で行われたゲーム数を計数するためのED移行ゲーム数カウンタ値をHLレジスタに読み込み(Su21)、当該ED移行ゲーム数カウンタ値がED状態への移行条件となる有利区間ゲーム数に関する第4規定数(本実施例では、1200ゲーム)以上であるか否かを判定する(Su122)。そして、ED移行ゲーム数カウンタ値が第4規定数に到達しており当該第4規定数以上であると判定した場合には、Su23のステップへ進み、ED移行フラグをRAM41cの所定領域に設定する(Su23)。
【0545】
そして、Su20のステップにおいてメダルの純増枚数が第3規定数を超えたと判定してSu23のステップにおいてED移行フラグを設定した後、及びSu22のステップにおいてED移行ゲーム数が第4規定数に到達していると判定してSu23のステップにおいてED移行フラグを設定した後は、RAM41cの所定領域に設定されており、当該ゲームにおいて制御している出玉状態を示す出玉状態情報をAレジスタに取得して(Su24)、出玉状態関連処理を行う(Su25)。出玉状態関連処理では、Aレジスタに取得された出玉状態情報に基づいて特定される出玉状態に応じた処理、Su23のステップにおいてED移行フラグが設定されたことに基づいてED状態に制御して有利区間が終了するまでの期間にわたりナビ報知の制御を行うための処理、ナビ報知を行うATゲーム数を管理する処理、予め定められた任意条件が成立することで有利区間終了フラグをRAM41cの所定領域に設定して有利区間を終了させる処理、ATの制御を終了させる際にAT信号の出力を停止させる処理等を行う。
【0546】
そして、出玉状態関連処理が終了した後は、AT状態管理処理を終了させてメイン処理に戻る。
【0547】
このように、AT状態管理処理では、有利区間に制御されているときに、有利区間の終了条件(有利区間のメダル純増枚数が第1規定数を超えること、有利区間ゲーム数が第2規定数に到達すること)が成立したときには、有利区間終了フラグをRAM41cの所定領域に設定して、有利区間を終了させるように制御する。有利区間終了フラグは、その後メイン処理において参照され、当該有利区間終了フラグが設定されていることに基づいて有利区間データ初期化処理が実行され、有利区間中の制御に関連するデータが初期化されることで有利区間の制御が終了される。
【0548】
AT状態管理処理では、有利区間に制御されているときに、有利区間に制御されたゲーム数が予め定められた上限ゲーム数(本実施例では、第2規定数(1500ゲーム))に到達したか否かを、有利区間ゲーム数カウンタの値に基づいて判定し、有利区間に制御されたゲーム数が上限ゲーム数に到達した場合には、有利区間終了フラグをRAM41cの所定領域に設定して、有利区間の制御を終了させるように制御する。尚、有利区間の終了条件は、有利区間に制御されたゲーム数が予め定められた上限ゲーム数(本実施例では、1500ゲーム)に到達することで成立する終了条件に替えて、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数から1減算したゲーム数(本実施例であれば1499)を超えることで成立する終了条件としても良い。
【0549】
AT状態管理処理では、有利区間におけるメダルの純増枚数が第1規定数を超えた場合、及び有利区間ゲーム数が第2規定数に到達した場合に、RAM41cの所定領域に有利区間終了フラグを設定する。そして、当該有利区間終了フラグがその後のメイン処理において参照され、当該有利区間終了フラグが設定されていることに基づいて有利区間データ初期化処理が行われることで、有利区間を終了させるようになっている。
【0550】
AT状態管理処理では、有利区間におけるメダルの純増枚数が第1規定数を超えた場合に、有利区間を終了させるようになっており、第1規定数を所定枚数とすることで、最大で所定ゲーム数にわたる有利区間におけるメダルの払出率を所定割合以内とするようにスロットマシン1を設計することができる。例えば、第1規定数を2395(上限枚数としての2400枚からスロットマシン1での払出枚数の最大値(8)を減算し、かつ賭数の設定に使用される最大枚数(3枚)を加算した値)とすることで、有利区間において払い出されるメダルの純増枚数を2400枚以下とすることができ、1600ゲーム間のメダルの払出率を150%以内とすることができる。これにより、スロットマシン1において所定期間に過大な枚数のメダルが払い出されてしまうことを防止できる。尚、有利区間において払い出されたメダルの純増枚数が予め定められた第1規定数(本実施例では、2395)を超えることで成立する終了条件に替えて、有利区間において払い出されたメダルの純増枚数が予め定められた規定枚数に1加算した枚数(本実施例であれば2396)に到達することで終了条件とした場合も同様である。尚、有利区間の終了条件は、有利区間において払い出されたメダルの純増枚数が予め定められた第1規定数(本実施例では、2395)を超えることで成立する終了条件に替えて、有利区間において払い出されたメダルの純増枚数が予め定められた規定枚数に1加算した枚数(本実施例であれば2396)に到達することで終了条件としても良い。
【0551】
AT状態管理処理では、有利区間ゲーム数が第2規定数(上限ゲーム数(1500ゲーム))に到達した場合、または、有利区間におけるメダルの純増枚数が第1規定数(2395枚)を超えた場合に、有利区間を終了させる。有利区間ゲーム数が上限ゲーム数である第2規定数に到達した場合に、有利区間を終了させることで、有利区間が長期にわたって継続することを防止するようになっているとともに、有利区間におけるメダルの純増枚数が第1規定数を超えた場合に、AT状態及び有利区間を終了させることで、有利区間ゲーム数が上限ゲーム数である第2規定数に到達しない場合でも、払出率が急激に高まるような場合に有利区間が継続することを防止するようになっている。
【0552】
AT状態管理処理では、有利区間におけるメダルの純増枚数が第1規定数を超えた場合、及び有利区間ゲーム数が第2規定数に到達した場合に、共通の有利区間終了フラグを設定し、その後メイン処理において有利区間データ初期化処理を行って有利区間を終了させるように制御する。これにより、有利区間におけるメダルの純増枚数が第1規定数を超えた場合にも、有利区間ゲーム数が第2規定数に到達した場合にも、共通の有利区間データ初期化処理を行って有利区間を終了させるようになっている。
【0553】
AT状態管理処理では、メダルの純増枚数カウンタを更新する処理において、純増枚数カウンタの値を純増枚数値として所定レジスタ(HLレジスタ)に取得して、当該純増枚数値に払出枚数値を加算し、賭数値を減算して得られる値が0より小さい場合には、純増枚数カウンタの値を0に修正することで、
図50(a)(b)に示すように、メダルの増減枚数が減少傾向であり、かつ基準値(有利区間開始時の純増枚数の値(初期値0))よりも小さくなっているときには、純増枚数カウンタの値が0となり、メダルの増減枚数が増加傾向であるときには、増加傾向となってからの増減枚数が純増枚数カウンタの値となる。
【0554】
例えば、
図50(a)に示すように、有利区間に移行された後、ナビ報知が行われずメダルの増減枚数が、減少傾向となり、純増枚数カウンタに増減枚数を加算することで、当該純増枚数カウンタの値が初期値(本実施例では、0)を下回るような場合には、純増枚数カウンタの値は、メダルの増減枚数が初期値を下回っている期間にわたり、0となる。その後、AT状態に制御され、ナビ報知に従って停止操作が行われることで、メダルの増減枚数が、増加傾向となるような場合には、純増枚数カウンタの値は、メダルの純増枚数分の値(払出枚数値から賭数値を減算した値)が順次加算されて更新される。これにより、純増枚数カウンタの値は、メダルの増減枚数が減少傾向から増加傾向に変化したとき、すなわちメダルの増減枚数が最も低い値となったときのメダルの増減枚数を基準値として、当該基準値からの増加枚数分を示す値となるようになっている。
【0555】
また、例えば、
図50(b)に示すように、メダルの増減枚数が純増枚数カウンタの初期値を一旦上回った後、減少傾向となり、再び当該初期値(本実施例では、0)を下回るような場合には、メダルの増減枚数が初期値を下回っている期間にわたり、0となる。その後、メダルの増減枚数が増加傾向となることで、純増枚数カウンタの値は、メダルの純増枚数分の値(払出枚数値から賭数値を減算した値)が順次加算されて更新される。これにより、純増枚数カウンタの値は、メダルの増減枚数が最も低い値となったときのメダルの増減枚数を基準値として、当該基準値からの増加枚数分を示す値となるようになっている。
【0556】
AT状態管理処理では、有利区間中において、当該ゲームにおけるメダルの払出枚数を純増枚数カウンタ値に加算した後、当該純増枚数カウンタ値から当該ゲームにおける賭数値を減算して得られる演算値が、0より大きい場合には、当該純増枚数カウンタ値に払出枚数値を加算するとともに賭数値を減算した値を、純増枚数カウンタに設定して更新する一方で、当該演算値が0より小さい場合には、0を純増枚数カウンタに設定して更新する処理を、毎ゲーム行うことで、有利区間中において純増枚数がマイナス値となる場合に、純増枚数カウンタを0に修正し、再度0から純増枚数の計数を始めるように純増枚数カウンタを更新するので、有利区間における実際のメダル増減枚数の遷移におけるメダルの増大幅(純増枚数)を純増枚数カウンタ値として直接特定することが可能となる(
図50(a)参照)。
【0557】
尚、本実施例では、有利区間中であるときに純増枚数カウンタを更新する処理を行うことで、有利区間に移行したときからメダルの純増枚数の計数を開始して、当該有利区間中の純増枚数を計数する構成であるが、有利区間中においてAT状態でないときには、純増枚数カウンタを更新する処理を行わず、有利区間中においてAT状態あるときに、純増枚数カウンタを更新する処理を行う構成でも良い。このような構成でも、AT状態でなくナビ報知が行われないときには、メダルの純増枚数は増加せず、AT状態でありナビ報知が行われることで、メダルの純増枚数が増加するので、有利区間中であるときに純増枚数カウンタを更新する処理を行う構成と同様に、有利区間中におけるメダルの純増枚数の計数することができる。
【0558】
また、
図50(a)に示すように、例えば、有利区間へ移行された後、ナビ報知が行われない期間において、払出率が1を超える入賞が生じず、メダルの増減枚数が基準値を下回るように変化する場合には、有利区間へ移行された後、AT状態へ移行されてナビ報知が開始されたゲームから、メダルの増減枚数が増加傾向となり、当該ゲームにおいて有利区間中における純増枚数が最も少なくなる。尚、有利区間へ移行された後のナビ報知が行われない期間でも、払出率が1を超える入賞が発生し得る。当該期間のメダルの増減枚数が単調に増加傾向となるように、当該期間において払出率が1を超える入賞が生じた場合には、有利区間に移行されたゲームにおいて、有利区間中における純増枚数が最も少なくなる。また、当該期間においてメダルの増減枚数が基準値を一旦下回った後、メダルの増減枚数が増加傾向となるように、当該期間において払出率が1を超える入賞が生じた場合には、当該期間中のゲームにおいて、有利区間中における純増枚数が最も少なくなる。このように、有利区間中において純増枚数が最も少なくなる時点は、状況に応じて変化し得る。これに対して、本実施例のメイン制御部41は、メダルの純増枚数カウンタを更新する処理において、純増枚数カウンタの値を純増枚数値として所定レジスタに取得して、当該純増枚数値に払出枚数値を加算し、賭数値を減算して得られる値が0より小さい場合には、純増枚数カウンタの値を0に修正することで、メダルの増減枚数が減少傾向から増加傾向に変化したゲームにおいて、純増枚数カウンタをリセットし、純増枚数値の計数を再び0から行うようになっており、有利区間において純増枚数が最も少なくなる時点から、純増枚数の計数を行って、正確な純増枚数を計数することができるようになっている。
【0559】
また、本実施例では、有利区間中であるときに純増枚数カウンタを更新する処理を行うことで、有利区間に移行したときからメダルの純増枚数の計数を開始して、当該有利区間中の純増枚数を計数する構成であるが、有利区間であるか否かにかかわらず、純増枚数カウンタを更新する処理を行う構成でも良い。このような構成では、有利区間に移行される前の区間において、メダルの純増枚数が増加傾向であった場合に、当該区間におけるメダルの純増枚数を引き継いで有利区間中におけるメダルの純増枚数の計数が行うことができる。
【0560】
本実施例のスロットマシン1では、ナビ報知により報知されるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様にて停止操作を行うことで、メダルの払出率を1以上にすることが可能である一方で、ナビ報知により報知されるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様以外の操作態様にて停止操作が行われることで、メダルの払出率が1未満となるようになっており、AT状態(出玉状態A、出玉状態B)では、ナビ報知に従うことでメダルの増減枚数が増加傾向となる一方、AT状態以外の状態では、メダルの増減枚数が減少傾向となるので、AT状態であるときに有利区間報知LED12aを点灯状態に制御することで、有利区間のうちメダルの増減枚数が増加傾向となる期間である旨を報知することになる。
【0561】
本実施例では、AT状態管理処理において、有利区間におけるメダルの純増枚数が第1規定数を超えたことにより有利区間終了フラグが設定される場合、有利区間ゲーム数が第2規定数(上限ゲーム数)に到達したことにより有利区間終了フラグが設定される場合、出玉関連処理により有利区間終了フラグが設定される場合のいずれの場合においても、その後のメイン処理により共通の有利区間データ初期化処理を行って、有利区間に関するデータ(AT状態に関するデータを含む)を初期化することで、有利区間を終了させる構成、すなわちAT状態管理処理では、成立した有利区間の終了条件にかかわらず、共通の有利区間データ初期化処理を行うことで一律同様に有利区間に関するデータを初期化して、有利区間を終了させる構成であるが、有利区間の終了時に、成立した有利区間の終了条件に応じた有利区間に関するデータを初期化して、有利区間を終了させる構成でも良い。
【0562】
本実施例では、有利区間中においてゲームの結果として実際に払い出されたメダル枚数を純増枚数カウンタに加算することで、有利区間におけるメダルの純増枚数を計数する構成であるが、内部抽選にてメダルの払い出しを伴う所定小役が当選した場合には、当該所定小役が入賞してゲームの結果としてメダルが実際に払い出されたか否かにかかわらず、当該所定小役が入賞してメダルが払い出されたとみなして、当該払い出される分のメダルを純増枚数カウンタに加算することで、有利区間におけるメダルの純増枚数を計数する構成でも良い。このような構成では、有利区間において、内部抽選にて所定小役が当選した場合に、当該所定小役が入賞してメダルが払い出されたとみなして、当該払い出される分のメダルを純増枚数カウンタに加算するので、意図的に当該所定小役を取りこぼすことで、純増枚数カウンタが規定枚数を超えさせず、有利区間のゲーム数を意図的に引き延ばすようなことを防止することができる。
【0563】
また、内部抽選にて所定小役が当選した場合に、当該所定小役が入賞してゲームの結果としてメダルが実際に払い出されたか否かにかかわらず、当該所定小役が入賞してメダルが払い出されたとみなして、当該払い出される分のメダルを純増枚数カウンタに加算することで、有利区間におけるメダルの純増枚数を計数する構成では、内部抽選にてメダルの払出を伴う小役を含む抽選対象役が当選した場合に、遊技者が当該小役を確実に入賞させることが可能な状況であるか否かに関わらず、当該小役が入賞した場合には、当該小役の入賞により払い出された分のメダルを純増枚数カウンタに加算するとともに、内部抽選にてメダルの払出を伴う小役を含む抽選対象役が当選した場合に、遊技者が当該小役を確実に入賞させることが可能な状況であるにも関わらず、入賞させることができなかった場合、例えば、内部抽選にて抽選対象役としてナビ対象役が当選し、かつナビ報知により遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様が報知されていることで、当該ナビ対象役に含まれる所定小役を入賞させることが可能であるにも関わらず、報知された操作態様と異なる操作態様で操作されることで所定小役を入賞させることができなかった場合や、特定小役が当選し、一定の操作態様(特定役の引込範囲となる操作タイミングでの操作等)で操作すれば必ず当該特定小役を入賞させることが可能であるにも関わらず、一定の操作態様以外の操作態様で操作されることで特定小役を入賞させることができなかった場合に、遊技者が入賞させることが可能であった小役が入賞してメダルが払い出されたとみなして、当該払い出される分のメダルを純増枚数カウンタに加算することで、有利区間におけるメダルの純増枚数を計数する一方で、内部抽選にてメダルの払出を伴う小役を含む抽選対象役が当選した場合に、遊技者が当該小役を確実に入賞させることが不可能な状況において、入賞させることができなかった場合、例えば、内部抽選にて抽選対象役としてナビ対象役が当選し、かつナビ報知により遊技者にとって有利となるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様が報知されない状況で、当該ナビ対象役に含まれる所定小役を入賞させることができなかった場合には、純増枚数カウンタに加算しない構成とすることが好ましく、このような構成とすることで、遊技者が確実にメダルを増加させることができない状況であれば、実際にメダルが増加したときのみ純増枚数カウンタを加算することとなり、遊技者に不利益となってしまうことを防止できる。
【0564】
本実施例では、メイン制御部41は、AT状態管理処理において純増枚数カウンタを更新する際に、当該純増枚数カウンタに当該ゲームにおいて払い出されたメダル払出枚数分の値を加算し、賭数の設定に用いられたメダルの分の値を減算して得られる演算値が0より小さい場合には、純増枚数カウンタの値を0に修正することで、純増枚数カウンタでは、メダルの増減枚数が0を下回る場合に、0を下回る数値について計数せず、0を上回る数値についてのみ計数する構成であるが、メイン制御部41は、有利区間の開始時までに純増枚数カウンタを0に初期化した後、当該有利区間中において、メダルが払い出されたときに、払い出されたメダル枚数分の値を純増枚数カウンタに加算し、賭数の設定にメダルが用いられたときに、そのメダル枚数分の値を純増枚数カウンタから減算する処理を繰り返し行うことで、有利区間中におけるメダルの純増枚数を計数することで、メダルの増減枚数が0を下回る場合も、0を上回る場合も計数する構成でも良い。このような構成では、メダルの増減枚数が0を下回る場合に、純増枚数カウンタを0に修正しないので、純増枚数カウンタにより純増枚数を計数する処理を簡素化することができる。
【0565】
本実施例では、メイン制御部41は、純増枚数カウンタを更新する際に、当該純増枚数カウンタに当該ゲームにおいて払い出されたメダル払出枚数分の値を加算し、賭数の設定に用いられたメダルの分の値を減算して得られる演算値が0より小さい場合には、純増枚数カウンタの値を0に修正し、当該演算値が0以上である場合には、当該演算値を純増枚数カウンタの値とするように純増枚数カウンタの値を更新するように制御することで、有利区間の開始以後、メダルの純増数が最も減少したときを起点としてメダルの純増枚数を計数する構成である。有利区間の開始以後、メダルの純増数が最も減少するタイミングは、状況に応じて変化し得るので、本実施例の純増枚数カウンタに基づいて特定されるメダルの純増枚数の起点は、状況に応じて変化し得ることとなるが、メイン制御部41は、有利区間の開始以後の一律に設定された契機となったときから純増枚数カウンタによるメダルの純増枚数の計数を開始させて、当該契機を起点とする現在までのメダルの純増数を計数して、メダルの純増数が規定枚数を超えた場合に有利区間を終了させる構成でも良い。
【0566】
例えば、メイン制御部41は、有利区間の開始以後の一律に設定された契機を起点とする現在までのメダルの純増数を計数して、メダルの純増数が規定枚数を超えた場合に有利区間を終了させる構成として、通常区間から有利区間に移行したときから純増枚数カウンタによる計数を開始させ、当該通常区間から有利区間に移行したときを起点とする現在までのメダルの純増数が規定枚数を超えた場合に、有利区間を終了させる構成でも良い。この構成によれば、有利区間の終了条件を判定するためのメダルの純増数を計数する起点が一律に設定されており、通常区間から有利区間に移行したとき以外を起点とするメダルの純増数に基づいて有利区間の終了条件を判定する必要がないことから、純増枚数カウンタの値に基づいて有利区間の終了条件を判定する制御を簡素化することができる。
【0567】
また、例えば、メイン制御部41は、有利区間の開始以後の一律に設定された契機を起点とする現在までのメダルの純増数を計数して、メダルの純増数が規定枚数を超えた場合に有利区間を終了させる構成として、通常区間から有利区間に移行した後、有利区間報知LED12aによりAT状態に移行した旨が示唆され、かつナビ報知によりメダルを増加させる操作態様が報知されたとき、を起点とする現在までのメダルの純増数が規定枚数を超えた場合に有利区間を終了させて通常区間に移行させる構成でも良い。この構成によれば、有利区間の終了条件を判定するためのメダルの純増数を計数する起点が一律に設定されており、通常区間から有利区間に移行した後、有利区間報知LED12aにより有利区間に移行した旨が示唆され、かつナビ報知によりメダルを増加させる操作態様が報知されたとき以外を起点とするメダルの純増数に基づいて有利区間の終了条件を判定する必要がないことから、純増枚数カウンタの値に基づいて有利区間の終了条件の判定する制御を簡素化することができる。
【0568】
また、例えば、メイン制御部41は、有利区間の開始以後の一律に設定された契機を起点とする現在までのメダルの純増数を計数して、メダルの純増数が規定枚数を超えた場合に有利区間を終了させる構成として、通常区間から有利区間に移行した後、ナビ報知によりメダルを増加させる操作態様が報知されたか否かに関わらず、有利区間報知LED12aによりAT状態に移行した旨が示唆されたとき、を起点とする現在までのメダルの純増数が規定枚数を超えた場合に有利区間を終了させて通常区間に移行させる構成でも良い。この構成によれば、有利区間の終了条件を判定するためのメダルの純増数を計数する起点が一律に設定されており、通常区間から有利区間に移行した後、ナビ報知によりメダルを増加させる操作態様が報知されたか否かに関わらず、有利区間報知LED12aにより有利区間に移行した旨が示唆されたとき以外を起点とするメダルの純増数に基づいて有利区間の終了条件を判定する必要がないことから、純増枚数カウンタの値に基づいて有利区間の終了条件の判定する制御を簡素化することができる。
【0569】
本実施例では、AT状態管理処理において、有利区間におけるメダルの純増枚数が第1規定数を超えることで、有利区間を終了させるように制御する構成であるが、AT状態管理処理では、各ゲームにおいて賭数の設定に用いられるメダル枚数を計数せずに、各ゲームにおいて払い出されるメダル枚数のみを計数し、有利区間におけるメダルの総払出枚数が所定の規定枚数を超えることで、有利区間を終了させるように制御する構成でも良い。例えば、総払出枚数の規定枚数を2865(1600ゲーム間のメダルの払出率が150%となる純増枚数(2400)と、当該純増枚数のメダルが付与される最短ゲーム数(160ゲーム=2400/1ゲーム当たりの最大払出枚数(15))において賭数の設定に用いられるメダル枚数(480枚=160ゲーム×1ゲーム当たりの規定数3)との合算値から、スロットマシン1での1ゲームにおける払出枚数の最大値(15)を減算した値)として、有利区間中のゲームにおいて払い出されたメダルの総枚数が、当該規定枚数を超えるときに、有利区間を終了させる構成とすることで、有利区間において払い出されるメダルの最大純増枚数を2400枚以下とすることができ、1600ゲーム間のメダルの払出率を150%以内とすることができる。尚、有利区間中のゲームにおいて払い出されたメダルの総枚数が、所定枚数(規定枚数+1)に到達することで有利区間を終了させる構成としても、同様の効果を奏する。
【0570】
このように、本実施例のメイン制御部41は、メイン処理からゲーム開始時に呼び出して行う出玉制御処理(第1処理)において、有利区間中信号バッファの値が所定値(1)であり有利区間であると判定され(Sj1)、3枚の賭数(第1賭数)が設定されていると判定され、かつ遊技状態がRT1に制御されていると判定された場合には(Sj13)、ED移行ゲーム数を計数するED移行ゲーム数カウンタを更新する(Sj14)。そして、メイン処理からゲーム終了時に呼び出して行うAT管理処理(第2処理)において、3枚の賭数(第1賭数)が設定されていると判定され、かつ遊技状態がRT1に制御されていると判定された場合には(Su17)、当該ゲームにおける出玉制御処理により更新されED移行ゲーム数カウンタの値が規定ゲーム数(第4規定数)に到達したか否かを判定し(Su22)、規定ゲーム数に到達したと判定した場合には、有利区間が終了するまでの期間にわたりナビ報知の制御が行われるED制御を行う処理(Su23)を行う一方、3枚の賭数(第1賭数)が設定されていないと判定された場合、または遊技状態がRT1に制御されていないと判定された場合には、ED制御を行う処理(Su23)を行わないでAT状態管理処理を終了させてメイン処理に戻るようになっている。これにより、AT状態管理処理では、3枚の賭数(第1賭数)が設定されていない場合、または遊技状態がRT1以外の遊技状態である場合には、ED制御を行う処理を行わないため、遊技者等に対して3枚の賭数(第1賭数)かつRT1でゲームを行うように促すことができる。
【0571】
本実施例のメイン制御部41は、メイン処理からゲーム終了時に呼び出して行うAT状態管理処理において、有利区間ゲーム数カウンタが初期値(0)以外の値である場合に、有利区間中であると判定し(Su1)、3枚の賭数が設定されているか2枚の賭数が設定されているかに関わらず、当該ゲームにおけるメダルの払出枚数及び賭数等に基づいて純増枚数カウンタを更新し(Su3~Su11)、当該純増枚数カウンタを更新した後、当該純増枚数カウンタの値が第1規定数を超えたか否かを判定し(Su12)、第1規定数を超えたと判定した場合には、有利区間終了フラグと設定する(Su15)。その後、メイン処理では、有利区間終了フラグが設定されていることに基づいて有利区間データ初期化処理を行うことで、有利区間に関する情報を初期化して有利区間を終了させるようになっている。
【0572】
メイン制御部41は、有利区間に制御しているときには、3枚の賭数が設定されている場合でも2枚の賭数が設定されている場合でも純増枚数カウンタを更新して、当該純増枚数カウンタ値が規定枚数(第1規定数)を超えることで有利区間を終了させるので、3枚の賭数が選択されても2枚の賭数が選択されても上限枚数(本実施例では、2400枚)のメダルの払い出しが行われることがないように有利区間のメダルの払出枚数が過度に多くなってしまうことがないように制限する。これにより、スロットマシン1における射幸性が過度に高まることを防止できる。
【0573】
本実施例のメイン制御部41は、AT状態管理処理において、有利区間ゲーム数カウンタの値が初期値(0)でなく有利区間であると判定され(Su1)、かつ3枚の賭数が設定されていると判定した場合には(Su17)、ナビ報知に関連する処理(Su18~Su25)を行う一方、有利区間ゲーム数カウンタの値が初期値(0)でなく有利区間であると判定されたが(Su1)、3枚の賭数が設定されていないと判定された場合には(Su17)、ナビ報知に関連する処理(Su18~Su25)を行わないでAT状態管理処理を終了させてメイン処理に戻るようになっている。これにより、AT状態管理処理では、3枚の賭数(第1賭数)が設定されていない場合には、ナビ報知に関連する処理を行わないため、遊技者等に対して3枚の賭数(第1賭数)でゲームを行うように促すことができる。
【0574】
本実施例のメイン制御部41は、AT状態管理処理において、有利区間ゲーム数カウンタの値が初期値(0)でなく有利区間であると判定され(Su1)、かつ遊技状態がRT1であると判定した場合には(Su17)、ナビ報知に関連する処理(Su18~Su25)を行う一方、有利区間ゲーム数カウンタの値が初期値(0)でなく有利区間であると判定されたが(Su1)、遊技状態がRT1以外の遊技状態であると判定された場合には(Su17)、ナビ報知に関連する処理(Su18~Su25)を行わないでAT状態管理処理を終了させてメイン処理に戻るようになっている。これにより、AT状態管理処理では、3枚の賭数(第1賭数)が設定されていない場合には、ナビ報知に関連する処理を行わないため、遊技者等に対してRT1でゲームを行うように促すことができる。
【0575】
本実施例のメイン制御部41は、AT状態管理処理において、有利区間ゲーム数カウンタの値が初期値(0)でなく有利区間であると判定され(Su1)、3枚の賭数が設定されていると判定され、かつ遊技状態がRT1であると判定した場合には(Su17)、ナビ報知に関連する処理(Su18~Su25)を行う一方、有利区間ゲーム数カウンタの値が初期値(0)でなく有利区間であると判定されたが(Su1)、3枚の賭数が設定されていないと判定された場合、または遊技状態がRT1以外の遊技状態であると判定された場合には(Su17)、ナビ報知に関連する処理(Su18~Su25)を行わないでAT状態管理処理を終了させてメイン処理に戻るようになっている。これにより、AT状態管理処理では、3枚の賭数(第1賭数)が設定されておらず、かつ遊技状態がRT1以外の遊技状態である場合には、ナビ報知に関連する処理を行わないため、遊技者等に対して3枚の賭数(第1賭数)かつRT1でゲームを行うように促すことができる。
【0576】
本実施例のメイン制御部41は、AT状態管理処理において、3枚の賭数(第1賭数)が設定されていると判定され、かつ遊技状態がRT1に制御されていると判定された場合に(Su17)、純増枚数カウンタに基づいて特定される純増枚数が第3規定数を超えるか否かを判定し(Su20)、純増枚数が第3規定数を超える場合には、有利区間が終了するまでの期間にわたりナビ報知の制御が行われるED制御を行う処理(Su23)を行う一方、3枚の賭数(第1賭数)が設定されていないと判定された場合、または遊技状態がRT1に制御されていないと判定された場合には(Su17)、純増枚数が第3規定数を超えるか否かを判定する処理(Su20)、ED制御を行う処理(Su23)を行わないようになっている。これにより、AT状態管理処理では、3枚の賭数(第1賭数)が設定されていない場合、または遊技状態がRT1以外の遊技状態である場合には、純増枚数が第3規定数を超えたか否かの判定が行われないため、EF制御を行う処理が行われることがないので、遊技者等に対して3枚の賭数(第1賭数)かつRT1でゲームを行うことを促すことができる。
【0577】
[タイマ割込み処理について]
本実施例のメイン制御部41が行うタイマ割込み処理(メイン)の制御内容について、
図51に基づいて説明する。尚、タイマ割込み処理(メイン)は、遊技プログラムに含まれるサブルーチンである。
【0578】
図51に示すように、タイマ割込み処理(メイン)では、まず、すべての表レジスタと裏レジスタを交換した後(Sv1)、タイマ割込を禁止に設定し(Sv2)、RAM41cの所定領域に設定されている電圧低下状態カウンタの値を取得する(Sv3)。そして、電断検出回路48から電圧低下信号が入力される入力ポートを参照して(Sv4)、電圧低下信号が入力されているか否かを判定する(Sv5)。電圧低下信号が入力されている場合には、電圧低下状態カウンタが予め定められた上限値(本実施例では、4)に達しているか否かを判定し(Sv6)、電圧低下状態カウンタが上限値に達している場合には、電断処理(メイン)を行う(Sv7)。
【0579】
電断処理では、すべての表レジスタと裏レジスタを交換し、メイン制御部41が備えるすべてのレジスタの値を、遊技RAM領域の遊技スタック領域に所定の順序で記憶させることで退避させ、スタックポインタSPにより示される遊技スタック領域の現在のアドレスを遊技RAM領域の所定領域に記憶させることで退避させる。尚、メイン制御部41がレジスタの値を記憶させる遊技RAM領域の遊技スタック領域やスタックポインタSPにより示されるアドレスの値を記憶させる遊技RAM領域の所定領域を含む遊技RAM領域の所定領域は、バックアップ電源によりバックアップされており、スロットマシン1への電力供給が停止しても、バックアップ電源により電力が供給される限り当該遊技RAM領域の記憶内容が保存されるようになっている。
【0580】
そして、メイン制御部41が備えるパラレル出力ポートのうちホッパーモータ34bの駆動信号が出力される出力ポート3を初期化して、出力状態をOFF状態にする。これにより、ホッパーユニット35によりメダルの払い出しが行われている場合には、メダルの払い出しをまず優先的に停止させる。その後、パラレル出力ポートのうちリールモータ32L、32C、32Rの駆動信号が出力される出力ポート0、1を初期化して、リール2L、2C、2Rが回転制御されている場合には、リール2L、2C、2Rの回転を停止させる。
【0581】
その後、パラレル出力ポートのうち左・中・右停止有効LED22L、22C、22R及び流路切替ソレノイド30の制御信号が出力される出力ポート2、クレジット表示器11、遊技補助表示器12の制御信号が出力される出力ポート4、5、試験用信号を出力する出力ポート6、7、サブ制御部91に対してコマンドを送信する出力ポート8、9を順次初期化して、各種スイッチ類への制御信号等の出力を停止させる。
【0582】
出力ポート0~9を初期化した後は、RAM41cの所定領域に破壊診断用データ(本実施例では、5A(H))を設定し、RAM41cの所定領域に設定されているパリティ調整用データをクリアする。そして、RAM41cのすべての格納領域の排他的論理和が0になるように新たなRAM41cのパリティ調整用データを計算して、当該パリティ調整用データをRAM41cの所定領域に設定し、RAM41cへのアクセスを禁止に設定し、ループ処理に入る。
【0583】
ループ処理では、電圧低下信号の出力状況を監視した状態で待機する。この状態で、電圧低下信号が入力されなくなった場合に電圧の回復を判定し、起動処理(メイン)からプログラムをスタートさせる。一方、電圧低下信号が入力されたまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。
【0584】
以上の処理によって、AC100Vの電力供給が停止される場合には、電断処理(メイン)が実行され、電断前のレジスタの値が遊技RAM領域の遊技スタック領域に退避されるとともに、当該遊技スタック領域を含むRAM41cの遊技RAM領域の所定領域の内容もバックアップ電源が供給されることで保持されるため、スロットマシン1への電力供給が再開された際に実行される起動処理(メイン)において、電断前の制御状態に復帰させることが可能となる。さらに電断前の制御状態において停止操作が有効であったか否も特定できるようになっている。
【0585】
タイマ割込み処理のSv5のステップにおいて電圧低下信号が入力されていないと判定した場合、及びSv6のステップにおいて電圧低下状態カウンタが上限値に達していないと判定した場合は、Sv8のステップに進み、電圧低下状態カウンタを更新する。Sv5のステップからSv8のステップに進んだ場合には、電圧低下状態カウンタに0を加算することで、現在の値を維持する一方で、Sv5のステップからSv8のステップに進んだ場合には、電圧低下状態カウンタに1加算するように更新する。
【0586】
そして、入力ポートから各種スイッチ類の検出状態を入力し、入力データ、確定データ、エッジデータ(ONエッジデータ及びOFFエッジデータ)を生成するポート入力処理を行う(Sv9)。その後、前述の第2退避命令を用いて、メイン制御部41が備えるレジスタのうち演算結果が格納されるフラグレジスタの値を、遊技RAM領域の遊技スタック領域に所定の順序で記憶させることで退避させた後(Sv10)、非遊技プログラムに含まれる時間監視更新処理を行う(Sv11)。その後、前述の第2復帰命令を用いて、Sv10のステップにおいて遊技スタック領域に退避させたフラグレジスタの値を、退避させるときと逆の順序で遊技スタック領域から順次読み出してフラグレジスタに設定することで、時間監視更新処理を行う前の状態にフラグレジスタを復帰させる(Sv12)。
【0587】
時間監視更新処理では、まず、前述のLD命令を用いて、呼び出し元の遊技プログラムにより使用されていたスタックポインタSPにより示される遊技スタック領域から現在のスタックポインタSPが示すアドレスの値を読み出し、非遊技RAM領域の所定領域に記憶させて退避させる。その後、LD命令を用いて、前回の非遊技プログラムの終了時にスタックポインタSPにより示されるアドレスとして記憶されている値を、非遊技RAM領域の所定領域から読み出し、スタックポインタSPが示す値として設定することで、スタックポインタSPを非遊技プログラム用に設定する。そして、前述の第1退避命令を用いて、フラグレジスタを含むメイン制御部41が備えるすべてのレジスタ(アキュムレータレジスタ、フラグレジスタ、汎用レジスタ、インデックスレジスタ、インタラプトレジスタ、リフレッシュレジスタ、プログラムカウンタなど)の値を、スタックポインタSPにより特定される非遊技RAM領域の非遊技スタック領域に所定の順序で記憶させることで退避させる。尚、非遊技プログラムに含まれる時間監視更新処理が遊技プロクラムから呼び出されることに伴って、スタックポインタSPを遊技プログラム用から非遊技プログラム用に変更する際に、LD命令が用いられることで、フラグレジスタの第2ゼロフラグTZが変更されることとなり、当該LD命令の実行される前後でフラグレジスタの状態が変化することがある。すなわち、遊技プログラムから時間監視更新処理が呼び出された際に、当該時間監視更新処理により非遊技プログラム用のスタックポインタSPが設定された後に退避させられるレジスタの状態は、遊技プログラムが時間監視更新処理を呼び出したときのレジスタの状態と異なることがある。
【0588】
その後、投入メダルセンサ31a~31cや払出センサ34cに関する異常を検出するセンサ監視処理、ゲームの結果に関連して発生する試験信号を出力する試験信号出力処理、非遊技プログラムが用いる各種タイマを更新するタイマ更新処理、役比モニタに表示させる出力データを選択する役比モニタ出データ選択処理を順次行う。また、センサ監視処理では、投入メダルセンサ31a~31cや払出センサ34cに関する異常が検出した場合に、検出された異常の種類を特定可能なセンサエラー参照データをRAM41cの非遊技RAM領域の所定領域に設定するようになっている。
【0589】
そして、前述の第1復帰命令を用いて、時間監視更新処理を開始した際に非遊技スタック領域に記憶させて退避させていたレジスタの値を、退避させるときと逆の順序で非遊技スタック領域から順次読み出して、当該順序に対応するレジスタに設定することで、時間監視更新処理を開始したときの状態にすべてのレジスタを復帰させる。その後、前述のLD命令を用いて、時間監視更新処理を開始した際に非遊技RAM領域の所定領域に退避させたスタックポインタSPの値を読み出し、スタックポインタSPが示す値として設定することで、時間監視更新処理を開始したときの状態にスタックポインタSPを復帰させて、時間監視更新処理を終了させる。尚、非遊技プログラムに含まれる時間監視更新処理を終了させて、遊技プロクラムに復帰させるために、当該時間監視更新処理の開始時に退避させていたすべてのレジスタの値を復帰させた後に、スタックポインタSPを非遊技プログラム用から遊技プログラム用に変更する際に、LD命令が用いられることで、フラグレジスタの第2ゼロフラグTZが変更されることとなり、当該LD命令の実行される前後でフラグレジスタの状態が変化することがある。すなわち、時間監視更新処理が終了されるときのレジスタの状態は、当該時間監視更新処理が開始されるときに退避されたレジスタの状態と異なることがある。
【0590】
Sv12のステップにおいてフラグレジスタを復帰させた後は、Sv11のステップにおける時間監視更新処理により設定されたセンサエラー参照データを参照し(Sv13)、今回のタイマ割込みにおける時間監視更新処理により設定されたセンサエラー参照データと、前回のタイマ割込みにおける時間監視更新処理により設定されたセンサエラー参照データの論理和を算出する(Sv14)。そして、RAM41cの遊技RAM領域の所定領域に設定されており、投入メダルセンサ31a~31cや払出センサ34cに関する異常が検出されているか否かを特定可能なセンサエラーフラグを、Sv14のステップで算出した論理和に基づいて更新する。Sv13~Sv15のステップを行うことで、センサエラー参照データに基づいて異常が検出されていることが特定される場合には、センサエラーフラグが異常が検出されていることを示す状態であるか否かにかかわらず、当該異常が検出されている旨を示すように、センサエラーフラグを更新する。一方、センサエラー参照データに基づいて異常が検出されていないことが特定される場合には、センサエラーフラグの状態を維持する。すなわち、センサエラー参照データに基づいて異常が検出されていることが特定される場合には、センサエラー参照データの内容をセンサエラーフラグに反映させる一方で、センサエラー参照データに基づいて異常が検出されていないことや異常が解除されたことが特定される場合には、センサエラー参照データの内容をセンサエラーフラグに反映させないようになっている。
【0591】
Sv15のステップにおいてセンサエラーフラグを更新した後は、メイン制御部41の内部に設けられた乱数回路における乱数値を更新する乱数値更新処理を行い(Sv16)、メイン制御部41の内部に設けられたウォッチドッグタイマ(WDT)のレジスタをクリアする(Sv17)。その後、RAM41cの所定領域に設けられ、タイマ割込みに含まれる処理を分岐させるための分岐用カウンタの値を所定のレジスタに読み込み、所定値(本実施例では、1)を加算して更新し、更新された値を、RAM41cの所定領域の分岐用カウンタの値として設定する(Sv18)。この分岐用カウンタを更新する処理では、当該分岐用カウンタが0~2である場合は1加算し、分岐用カウンタが3である場合は初期化して0に戻すことで、0~3の範囲で更新する。すなわち分岐用カウンタの値は、タイマ割込み処理(メイン)が実行される毎に、0→1→2→3→0・・・の順番でループする。そして、分岐用カウンタの値は、タイマ割込み処理(メイン)において実行される各処理において参照され、例えば、分岐用カウンタが所定値となったときに所定の制御を実行する等、各処理内の制御が分岐されることとなる。
【0592】
Sv18のステップにおいて分岐用カウンタを更新した後、当該分岐用カウンタが4であるか否かを判定し(Sv19)、分岐用カウンタが4である場合には、RAM41cの所定領域に設定されている所定の各種タイマを更新するカウンタ更新処理(Sv20)、出力ポートに接続された各種LED等の表示器(クレジット表示器11、遊技補助表示器12、1~3BETLED14~16、状態表示LED17、スタート有効LED18、区間表示LED19、リプレイ中LED20等)の点灯状態をメイン処理等の各処理による設定に応じてダイナミック点灯させるための点灯信号を設定して送信等を行うに制御するLEDダイナミック表示処理(Sv21)を行う。
【0593】
Sv19のステップにおいて分岐用カウンタが4でないと判定した場合、及びSv21のステップにおいてLEDダイナミック表示処理を行った後は、外部出力信号のうちメダルが投入された旨を示すメダル投入信号やメダルの払い出しが行われる旨を示すメダル払出信号の出力設定を更新して、スロットマシン1の外部に送信するメダル投入払出信号送信処理(Sv22)、外部出力信号のうちセキュリティ信号(ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号)の出力設定を更新して、スロットマシン1の外部に送信するセキュリティ信号送信処理(Sv24)、コマンドキューに設定されたドアコマンドや操作終了コマンド等の各種コマンドを送信させる等を行うコマンド送信処理(Sv25)を順次行う。
【0594】
その後、分岐用カウンタを参照して、当該分岐用カウンタが2であるか否かを判定し、分岐用カウンタが2である場合には、リールに関する異常が生じている場合(リールエラー中)に設定されるリールエラーフラグがRAM41cの所定領域に設定されているか否かに基づいて、リールエラー中であるか否か判定する(Sv26)。そして、リールエラー中でない場合は、遊技の進行状況等に応じて各リールモータ32L、32C、32Rの励磁パターンの設定等を行ってリールの回転及び停止を制御するリール制御処理を行う(Sv27)。
【0595】
そして、Sv25のステップにおいて分岐用タイマが2でないと判定した場合、Sv26のステップにおいてリールエラー中であると判定した場合、及びSv27のステップにおけるリール制御処理を終了した場合は、リール制御処理により設定された励磁パターンに応じた駆動信号を各リールモータ32L、32C、32Rに出力されることで、各リールモータ32L、32C、32Rを所定の制御態様で回転、停止させるリールモータ駆動信号出力処理(Sv29)、ソレノイド駆動回路46に対して制御信号を送信する処理や左・中・右停止有効LED22L、22C、22Rの点灯状態を更新する処理、有利区間中信号をOFF状態に設定する処理等を行うポート出力更新処理(Sv30)を順次行った後、RAM41cの所定領域に設定されている有利区間中信号の出力バッファを参照して、出力バッファにON状態を示す所定値(本実施例では、1)が設定されているか否かを判定する(Sv31)。尚、メイン処理の出玉制御処理により有利区間中フラグが設定されることでメイン処理におけるゲーム終了時の処理(Sb82)により有利区間中信号の出力バッファにON状態を示す所定値(本実施例では、1)が設定されるようになっている。
【0596】
Sv31のステップにおいて、有利区間中信号の出力バッファにON状態を示す所定値(本実施例では、1)が設定されていると判定した場合には、有利区間中信号をON状態に制御し、試験装置に対する有利区間中信号の出力を開始させた後(Sv32)、Sv33のステップへ進む。一方、Sv31のステップにおいて、有利区間中信号の出力バッファにOFF状態を示す初期値(本実施例では、0)が設定されており、ON状態を示す所定値(本実施例では、1)が設定されていないと判定した場合には、Sv32のステップの処理を行わず、Sv33のステップへ進む。
【0597】
Sv33のステップにおいては、すべての表レジスタと裏レジスタを交換し(Sv33)、タイマ割込を許可に設定して(Sv34)、タイマ割込み処理(メイン)を終了させて、当該タイマ割込み処理(メイン)が開始されたときのメイン処理に復帰させる。
【0598】
このように、本実施例のタイマ割込処理では、一遊技時間管理用タイマ値を含む特定処理(遊技プログラム)で用いられる複数のタイマ値を更新するカウンタ更新処理(Sv20)と、特別処理(非遊技プログラム)で用いられるタイマ値を更新する時間監視更新処理(Sv11)と、を別個に行うようになっている。これにより、特別処理が用いるタイマ値を更新する時間監視更新処理が、特定処理が用いるタイマ値を更新するカウンタ更新処理と混在することがないようになっている。
【0599】
本実施例のタイマ割込処理では、試験信号を出力する処理を含む時間監視更新処理を、一遊技時間管理用タイマ値を更新するカウンタ更新処理よりも前に行うようになっている。これにより、試験信号の出力を開始した後に、一遊技時間管理用タイマ値の更新が開始されるので、試験信号が出力される時間間隔を、確実に1ゲームの最小時間以上とすることができる。
【0600】
[時間監視更新処理について]
本実施例のメイン制御部41が行う時間監視更新処理の制御内容について、
図52~
図58に基づいて説明する。尚、時間監視更新処理は、非遊技プログラムに含まれており、遊技プログラムに含まれるタイマ割込み処理(メイン)により呼び出されるサブルーチンである。また、時間監視更新処理は、非遊技プログラムに含まれるセンサ監視処理、試験信号出力処理、メダル通過時間タイマ更新処理、表示モニタ出力データ選択処理を順次呼び出すようになっている。
【0601】
図52に示すように、時間監視更新処理では、まず、前述のLD命令を用いて、呼び出し元の遊技プログラムにより使用されていたスタックポインタSPにより示される遊技スタック領域の現在のアドレスの値を、非遊技RAM領域の所定領域に記憶させて退避させる(Sv201)。その後、LD命令を用いて、当該スタックポインタSPの値として非遊技スタック領域の所定値(前回の非遊技プログラムの終了時にスタックポインタSPにより示されるアドレスとして非遊技RAM領域の所定領域に記憶されている値)を設定することで、スタックポインタSPを非遊技プログラム用に設定する(Sv202)。そして、前述の第1退避命令を用いて、フラグレジスタを含むメイン制御部41が備えるすべてのレジスタの値を、スタックポインタSPにより特定される非遊技RAM領域の非遊技スタック領域に所定の順序で記憶させることで退避させる(Sv203)。その後、非遊技プログラムに含まれており、投入メダルセンサ31a~31c、払出センサ34cの検出信号に異常が発生しているか否かを判定するセンサ監視処理(Sv204)、スロットマシン1に接続される試験装置に試験用信号を出力する試験信号出力処理(Sv205)、投入メダルセンサ31a~31cの検出範囲のメダルの通過時間を計時するタイマを更新するメダル通過時間タイマ更新処理(Sv206)、役比モニタに表示させる役比データを選択する役比モニタ表示データ選択処理(Sv207)を順次行う。
【0602】
Sv207のステップにおける役比モニタ表示データ選択処理の処理を行った後は、前述の第1復帰命令を用いて、Sv203のステップにおいて非遊技スタック領域に記憶させて退避させていたレジスタの値を、退避させるときと逆の順序で非遊技スタック領域から順次読み出して、当該順序に対応するレジスタに設定することで、時間監視更新処理を開始したときの状態にすべてのレジスタを復帰させる(Sv208)。その後、前述のLD命令を用いて、Sv201のステップにおいて非遊技RAM領域の所定領域に退避させた遊技プログラム用のスタックポインタSPの値を読み出し、スタックポインタSPが示す値として設定することで、時間監視更新処理を開始したときの状態にスタックポインタSPを復帰させて(Sv209)、時間監視更新処理を終了させて呼び出し元のタイマ割込み処理(メイン)に戻る。
【0603】
このように、メイン制御部41は、非遊技プログラムに含まれる時間監視更新処理に従って各種処理(センサ監視処理、試験信号出力処理、メダル通過時間タイマ更新処理、役比モニタ表示データ選択処理)を行う場合には、遊技プログラムに含まれるタイマ割込み処理(メイン)(Sv11)から時間監視更新処理を呼び出すことで、当該時間監視更新処理の各種処理を行い、当該各処理が終了することで、呼び出し元のタイマ割込み処理(メイン)に戻るようになっている。
【0604】
また、時間監視更新処理では、遊技プログラムであるタイマ割込み処理(メイン)から呼び出された後、まず、スタックポインタSP及びレジスタを退避させる処理を行って、その後、センサ監視処理、試験信号出力処理、メダル通過時間タイマ更新処理、役比モニタ表示データ選択処理等の複数の処理を行う。そして、これらの処理がすべて終了した後、遊技プログラムから呼び出されたときに退避させたスタックポインタSP及びレジスタを復帰させて、呼び出し元のタイマ割込み処理(メイン)に戻る構成になっている。このような構成すなわち遊技プログラムから1回の呼出処理により呼び出された非遊技プログラムにおいて、複数の処理(例えば、センサ監視処理、試験信号出力処理、メダル通過時間タイマ更新処理、役比モニタ表示データ選択処理等)を行う構成では、非遊技プログラムにおいて行う複数の処理毎に、スタックポインタSP及びレジスタを退避させる処理及びこれらを復帰させる処理を行わず、まとめて1回の処理とすることができる。
【0605】
また、遊技プログラム(例えば、タイマ割込み処理(メイン))から非遊技プログラム(例えば、時間監視更新処理)を呼び出す際に、遊技プログラム側において、メイン制御部41が備えるレジスタのうち演算結果が格納されるフラグレジスタの値を、遊技RAM領域の遊技スタック領域に記憶させることで退避させた後、非遊技プログラムを呼び出し、当該非遊技プログラムが終了された後に、当該非遊技プログラムを呼び出す前に退避させたフラグレジスタの値を、遊技スタック領域から順次読み出して該当するフラグレジスタに設定することで、非遊技プログラムを呼び出す前の状態にフラグレジスタを復帰させるようになっている。これにより、遊技プログラムは、非遊技プログラムを呼び出すことで、当該非遊技プログラムが演算を行うためにフラグレジスタを使用して、当該フラグレジスタの値を変更させた場合でも、遊技プログラムに復帰した際に、当該非遊技プログラムを呼び出す前の状態にフラグレジスタの値を復帰させて、その後の処理を行うことができるようになっている。
【0606】
また、非遊技プログラム(例えば、時間監視更新処理)では、遊技プログラム(例えば、タイマ割込み処理(メイン))により呼び出された際に、まず、呼び出し元の遊技プログラムにより使用されていたスタックポインタSPにより示される遊技スタック領域の現在のアドレスの値を、非遊技RAM領域の所定領域に記憶させて退避させる。そして、非遊技プログラムに応じた所定の処理を行った後、当該非遊技プログラムを終了させる際に、非遊技プログラムを開始した際に非遊技RAM領域の所定領域に退避させたスタックポインタSPの値をスタックポインタSPに設定することで、非遊技プログラムを開始したときの状態にスタックポインタSPを復帰させるようになっている。これにより、非遊技プログラムは、当該非遊技プログラムにおいてスタックポインタSPを使用して、当該スタックポインタSPを変更させた場合でも、非遊技プログラムを終了させる際に、当該非遊技プログラムを開始したときの状態にスタックポインタSPを復帰させた状態で、呼び出し元の遊技プログラムに復帰させることができるようになっている。
【0607】
また、非遊技プログラム(例えば、時間監視更新処理)では、遊技プログラム(例えば、タイマ割込み処理(メイン))により呼び出された際に、メイン制御部41が備えるすべてのレジスタの値を、非遊技RAM領域の非遊技スタック領域に記憶させることで退避させる。そして、非遊技プログラムに応じた所定の処理を行った後、当該非遊技プログラムを終了させる際に、当該非遊技プログラムを開始した際に非遊技スタック領域に記憶させて退避させていたレジスタの値を、非遊技スタック領域から順次読み出して、該当するレジスタに設定することで、当該非遊技プログラムを開始したときの状態にすべてのレジスタを復帰させるようになっている。これにより、非遊技プログラムは、当該非遊技プログラムにおいて、各種処理を行うためにレジスタを使用して、当該レジスタの値を変更させた場合でも、非遊技プログラムを終了させる際に、当該非遊技プログラムを開始したときの状態にすべてのレジスタの値を復帰させた状態で、呼び出し元の遊技プログラムに復帰させることができるようになっている。
【0608】
また、非遊技プログラムでは、遊技プログラムにより呼び出された際に、メイン制御部41が備える全てのレジスタの値を、非遊技RAM領域の非遊技スタック領域に記憶させることで退避させ、当該非遊技プログラムを終了させる際に、非遊技スタック領域に記憶させて退避させていたレジスタの値を該当するレジスタに設定することで、当該非遊技プログラムを開始したときの状態にすべてのレジスタを復帰させるようになっている。遊技プログラムにより使用されていたレジスタの値を、非遊技RAM領域の非遊技スタック領域に記憶させて退避させ、当該非遊技スタック領域からレジスタに復帰させるので、遊技スタック領域に全てのレジスタの値を退避させるための領域を設ける必要がなく、遊技スタック領域にはフラグレジスタの値を退避させるための領域のみを設ければ良いので、当該遊技スタック領域の容量を低減することができる。
【0609】
また、メイン制御部41がフラグレジスタの値を退避させる命令に1バイトのプログラム容量を必要とする一方、メイン制御部41が全てのレジスタの値を退避させる命令に2バイトのプログラム容量を必要とする。そして、遊技プログラムから非遊技プログラムを呼び出す際に、遊技プログラム側において、メイン制御部41が備えるレジスタのうちフラグレジスタの値を、遊技RAM領域の遊技スタック領域に退避させた後、非遊技プログラムを呼び出し、非遊技プログラム側において、全てのレジスタの値を、非遊技RAM領域の非遊技スタック領域に退避させるようになっており、遊技プログラム側で全てのレジスタを退避させる場合よりも遊技プログラムのプログラム容量を削減できるようになっている。
【0610】
[センサ監視処理について]
図53に示すように、センサ監視処理では、タイマ割込み処理(メイン)において更新され、RAM41cの遊技RAM領域の所定領域に設定されるタイマ割込み処理(メイン)の分岐用カウンタを参照して払出センサ34c、34dの検出状態に異常が生じているか否かを監視する払出センサに関する処理を行うタイミング(分岐用タイマが0であるタイミング)であるか否かを判定する(Sz101)。そして、払出センサに関する処理を行うタイミングである場合は、Sz102のステップに進む。一方、払出センサに関する処理をタイミングでない場合は、Sz117のステップに進み、投入メダルセンサ31a~31cの検出状態に異常が生じているか否かを監視する投入センサに関する処理を行う。
【0611】
Sz101のステップにおいて払出センサに関する処理を行うタイミングであると判定した場合は、当該センサ監視処理による監視結果を遊技プログラムに伝達するためにRAM41cの非遊技RAM領域の所定領域に設定されているセンサエラー参照データをクリアする(Sz102)。そして、RAM41cの遊技RAM領域の所定領域に設定されており、エラーコードE1~E5の異常が発生しているか否かを特定可能なエラーフラグを参照して(Sz103)、エラーコードE2、E3、E4の異常が発生しているか否かを判定する(Sz104)。
【0612】
Sz104のステップにおいてエラーコードE2、E3、E4の異常が発生していると判定した場合は、Sz117のステップに進む一方、エラーコードE2、E3、E4の異常が発生していないと判定した場合は、払出センサ34c、34dの確定データが記憶されているポート入力バッファの所定領域を参照した後(Sz105)、RAM41cの遊技RAM領域の所定領域を参照して、ホッパーユニット35によりメダルを払い出す払出制御を行っている旨を示す払出中フラグが設定されているか否かを判定する(Sz106)。
【0613】
Sz106のステップにおいて払出中フラグが設定されていると判定した場合は、Sz105のステップにおいて参照した払出センサ34c、34dの確定データに基づいて、払出センサ34c、34dの一方がON状態であるか否かを判定し(Sz107)、払出センサ34c、34dの一方がON状態である場合は、払出センサ34c、34dのエッジデータが記憶されているポート入力バッファの所定領域を参照し(Sz108)、エッジデータ(ONエッジデータまたはOFFエッジデータ)が設定されているか否かを判定する(Sz109)。
【0614】
そして、Sz107のステップにおいて払出センサ34c、34dの一方がON状態であり、かつSz107のステップにおいてエッジデータが設定されていると判定した場合、すなわちホッパーユニット35から払い出された1枚のメダルが払出センサ34c、34dの検出範囲を通過し始めたとき、またはホッパーユニット35から払い出された1枚のメダルが払出センサの検出範囲を通過し終えたときである場合は、RAM41cの非遊技RAM領域の所定領域に設定されているセンサチェックタイマ1を初期化して0に設定し(Sz110)、新たなメダルの通過時間の計時を開始させる。そして、Sz109のステップにおいてエッジデータが設定されていないと判定した場合、及びSz110のステップにおいてセンサチェックタイマ1を初期化した後は、センサチェックタイマ1に1を加算して更新する(Sz111)。
【0615】
センサチェックタイマ1は、払出センサ34c、34dの検出範囲をメダルが通過し始めたときから通過し終えたときまでの時間と、払出センサ34c、34dの検出範囲をメダルが通過し終えたときから次のメダルが通過し始めたときまでの時間とを計時するためのタイマである。センサ監視処理におけるSz111のステップにより更新されることにより、センサチェックタイマ1は、払出中フラグが設定されている期間すなわちホッパーユニット35によりメダルの払出制御が行われている期間中において、払出センサに関する処理を行うタイミング(タイマ割込み処理(メイン)4回毎に1回のタイミングであり、2.24ミリ秒)毎に更新されるようになっている。
【0616】
Sz107のステップにおいて払出センサ34c、34dの一方がON状態であり、かつSz109のステップにおいてエッジデータが設定されていないと判定した場合、すなわちメダル払出制御がホッパーユニット35から払い出された1枚のメダルが払出センサ34c、34dの検出範囲を通過中である場合、または払出制御中において1枚のメダルが払い出された後、次のメダルが払い出されるまでの間の期間である場合は、センサチェックタイマ1を一単位時間(本実施例では、2.24ミリ秒)分加算して更新する(Sz111)。
【0617】
そして、Sz111のステップにおいてセンサチェックタイマ1を更新した後、当該センサチェックタイマ1の値が予め定められた監視時間の最大値(本実施例では、11.20ミリ秒)を超えたか否かを判定する(Sz112)。
【0618】
ここで、センサチェックタイマ1の監視時間の最大値は、少なくともホッパーユニット35により払い出されてメダルが払出センサ34c、34dの検出範囲を通過し始めてから通過し終えるまでに要する時間の最大値、及び、ホッパーユニット35により払い出されたメダルが払出センサ34c、34dの検出範囲を通過し終えた後、次のメダルがホッパーユニット35により払い出されて、払出センサ34c、34dの検出範囲を通過し始めるまでに要する時間のうち長い方の時間以上の時間に設定されている。これにより、メダルを払い出す払出制御が行われている期間において、センサチェックタイマ1に基づいて、少なくとも、払出センサ34c、34dの検出状態がON状態で継続し得る時間、及び払出センサ34c、34dの検出状態がOFF状態で継続し得る時間よりも長い期間が経過したか否かが判定されるようになっている。
【0619】
Sz112のステップにおいてセンサチェックタイマ1の値が監視時間の最大値を超えたと判定した場合は、払出センサ34c、34dの検出状態に基づいて異常が検出された旨を示すセンサエラー参照データ(払出センサ)をRAM14cの非遊技RAM領域の所定領域に設定した後(Sz113)、センサチェックタイマ1を初期化して0に設定し(Sz114)、新たなメダルの通過時間の計時を開始させて、Sz114のステップにおいて設定したセンサチェックタイマ1の値(0)をRAM41cの所定領域に格納して(Sz115)、Sz117のステップに進む。一方、Sz112のステップにおいてセンサチェックタイマ1の値が監視時間の最大値を超えていないと判定した場合には、当該センサチェックタイマ1の値をRAM41cの所定領域に格納して(Sz115)、Sz117のステップに進む。
【0620】
また、Sz106のステップにおいて払出中フラグが設定されていると判定した場合であり、Sz107のステップにおいて払出センサ34c、34dの一方がON状態でないと判定した場合は、Sz108~Sz113のステップの処理を行うことなく、Sz114のステップに進むことで、センサエラー参照データをSz102のステップにおいてクリアした状態で維持して、Sz114のステップへ進み、センサチェックタイマ1を初期化して0に設定した後、当該Sz114のステップにおいて設定したセンサチェックタイマ1の値(0)をRAM41cの所定領域に格納して(Sz115)、Sz117のステップに進む。
【0621】
また、Sz106のステップにおいて払出中フラグが設定されていないと判定した場合は、Sz105のステップにおいて参照した払出センサ34c、34dの確定データに基づいて、払出センサ34c、34dの双方がOFF状態であるか否かを判定し(Sz116)、払出センサ34c、34dの双方がOFF状態である場合は、Sz107のステップに進む。そして、Sz107のステップにおいて払出センサ34c、34dの一方がON状態でないと判定されることで、センサエラー参照データ(払出センサ)を設定せずに、Sz117のステップに進むこととなる。
【0622】
一方で、Sz106のステップにおいて払出中フラグが設定されていないと判定した場合であって、Sz116のステップにおいて払出センサ34c、34dの双方がOFF状態でないと判定した場合は、Sz113のステップに進み、センサエラー参照データ(払出センサ)をRAM14cの非遊技RAM領域の所定領域に設定した後、センサチェックタイマ1を初期化し(Sz114)、当該センサチェックタイマ1の値をRAM41cの所定領域に記憶させて(Sz115)、Sz117のステップに進む。
【0623】
以上のSz11~116のステップの処理が行われることで、払出センサ34c、34dの検出状態に基づいてメダルの払い出しに関する異常が生じているか否かを判定する払出センサに関する処理が行われることとなり、当該処理が行われた後は、Sz117のステップ以降の処理を行うことで、投入センサに関する処理を払出センサに関する処理に続けて行うようになっている。
【0624】
図54に示すように、センサ監視処理における投入センサに関する処理では、まず、メダル投入部4からのメダルの投入を許可する旨を示すメダル手入れ許可フラグがRAM41cの所定領域に設定されているか否かを判定し(Sz117)、メダル手入れ許可フラグが設定されていない場合は、センサ監視処理を終了させて、呼び出し元の時間監視更新処理に戻る。
【0625】
Sz117のステップにおいてメダル手入れ許可フラグが設定されていると判定した場合は、RAM41cの遊技RAM領域の所定領域を参照し(Sz118)、投入メダルセンサ31a~31cや払出センサ34cに関する異常(以下、メダルセンサエラーと呼ぶ場合がある)が検出されているか否かを特定可能なセンサエラーフラグが設定されているか否かに基づいて、メダルセンサエラー中であるか否かを判定する(Sz119)。そして、メダルセンサエラー中である場合は、センサ監視処理を終了させて、呼び出し元の時間監視更新処理に戻る。
【0626】
Sz119のステップにおいてメダルセンサエラー中でないと判定した場合は、遊技RAM領域におけるポート入力バッファに設定されている投入メダルセンサ31a~31c(
図54中では、投入メダルセンサ1、2、3)の現在データを参照し(Sz120)、投入メダルセンサ31a~31cがON状態であるか否かを判定する(Sz121)。
【0627】
Sz121のステップにおいて投入メダルセンサ31a~31cがON状態であると判定した場合は、投入メダルセンサ31a~31cのON状態をRAM41cの非遊技RAM領域の所定領域に退避させ(Sz122)、RAM41cの非遊技RAM領域の所定領域に設定されているセンサチェックタイマ2を参照して、当該センサチェックタイマ2が0であるか否かを判定する(Sz123)。
【0628】
センサチェックタイマ2は、投入メダルセンサ31a~31cの検出範囲をメダルが通過し始めたときから通過し終えたときまでの時間を計時するためのタイマである。センサ監視処理におけるSz127のステップにより更新されることにより、センサチェックタイマ1は、投入メダルセンサ31aがON状態である期間において、センサ監視処理が行われるタイミング(タイマ割込み処理(メイン)毎であり、0.56ミリ秒)毎に更新されるようになっている。
【0629】
Sz123のステップにおいてセンサチェックタイマ2が0あると判定した場合は、Sz120のステップにおいて参照した投入メダルセンサ31b、31c(
図26中では、投入メダルセンサ2、3)がON状態であるか否かを判定し(Sz124)、投入メダルセンサ31b、31cがON状態でない場合は、RAM41cの所定領域にメダル投入信号処理により設定されるメダル投入信号無視タイマに基づいて、メダル投入信号を参照しないメダル投入信号無視時間内(本実施例では、流路切替ソレノイド30によるメダルの流路の切替制御を開始してから504ミリ秒内)であるか否かを判定し(Sz125)、当該メダル投入信号無視時間内でない場合は、センサチェックタイマ2に一単位時間(本実施例では、0.56ミリ秒)分加算して更新し(Sz126)、加算後のセンサチェックタイマ2の値が、投入メダルセンサ31aの検出範囲をメダルが正常に通過するために要する正常通過時間範囲の最大値(本実施例では、99.68m)を超えたか否かを判定する(Sz127)。尚、正常通過時間範囲は、メダルが投入メダルセンサ31a~31cの検出範囲を通過するために要する時間の実測値や、メダルセレクタ29のメダル受入流路29bの形状、メダル受入流路29bにおける投入メダルセンサ31a~31cの配置、投入メダルセンサ31a~31cの特性等に基づいて予め定められている(本実施例では、10.08ミリ秒~99.68ミリ秒の範囲である)。
【0630】
そして、Sz127のステップにおいてセンサチェックタイマ2の値が正常通過時間範囲の最大値を超えたと判定した場合、Sz124のステップにおいて投入メダルセンサ31b、31cがON状態であると判定した場合は、投入メダルセンサ31a~31cの検出状態に基づいて異常が検出された旨を示すセンサエラー参照データ(投入メダルセンサ)をRAM14cの非遊技RAM領域の所定領域に設定した後(Sz128)、センサチェックタイマ2を初期化して0に設定して(Sz129)、新たなメダルの通過時間の計時を開始させる。そして、センサ監視処理を終了させて呼び出し元の時間監視更新処理に戻る。
【0631】
また、Sz121のステップにおいて投入メダルセンサ31a~31cがON状態でないと判定した場合、Sz126のステップにおいてメダル投入信号無視タイマに基づいてメダル投入信号無視時間内でないと判定した場合、Sz127のステップにおいてセンサチェックタイマ2の値が正常通過時間範囲の最大値を超えていないと判定した場合は、当該センサチェックタイマ2の値をRAM41cの所定領域に格納して(Sz130)、センサ監視処理を終了させて呼び出し元の時間監視更新処理に戻る。
【0632】
このように、センサ監視処理では、Sz101~Sz116のステップの処理が行われることで、払出センサに関する処理が行われて、払出センサ34c、34dの検出状態に基づいてメダルの払い出しに関する異常が生じているか否かが判定されることとなり、Sz117~Sz130のステップの処理が行われることで、投入メダルセンサ31a~31cの検出状態に基づいてメダルの投入に関する異常が生じているか否かが判定されるようになっている。
【0633】
また、センサ監視処理では、払出センサに関する処理を行うことで、メダルの払い出しに関する異常が生じているか否かを判定した後、判定の結果にかかわらず、投入センサに関する処理を続けて行って、メダルの投入に関する異常が生じているか否かの判定を行うようになっている。
【0634】
[試験信号出力処理について]
メイン制御部41が行う試験信号出力処理について、
図55に基づいて説明する。メイン制御部41は、前述のセンサ監視処理を行った後、続けて試験信号処理を行う。
【0635】
図55に示すように、試験信号出力処理では、まず、メイン処理によりRAM41cの遊技RAM領域の所定領域に設定される一遊技時間管理用タイマを参照し(Sz201)、一遊技時間管理用タイマの値が所定値(本実施例では、一遊技時間管理用タイマによる計時を開始させるときの値であり、4.1秒に対応する値)であるか否かを判定する(Sz202)。尚、当該試験号出力処理を呼び出した時間監視更新処理の更に呼び出し元であるタイマ割込み処理(メイン)が行われる前に、メイン処理のSb43のステップが行われていた場合に、一遊技時間管理用タイマの値が所定値に設定されている。
【0636】
Sz202のステップにおいて一遊技時間管理用タイマが初期値であると判定した場合に、タイマ割込み処理(メイン)によりRAM41cの遊技RAM領域の所定領域に設定される分岐用カウンタを参照し(Sz203)、当該分岐用カウンタが所定値(本実施例では、3)である場合には、RAM41cの所定領域に設定されている試験信号出力タイマに予め定められた所定値(試験装置に対して出力する出力データ数に応じた値であり、本実施例では、一の出力データを特定可能な試験信号の出力を継続させる時間((22.4ミリ秒)×出力データ数(4)))を設定して計時を開始させる(Sz204)。一方、Sz202のステップにおいて一遊技時間管理用タイマが初期値でないと判定した場合、Sz203のステップにおいて分岐用タイマが3でないと判定した場合、Sz204のステップにおいて試験信号出力タイマを設定した後は、試験信号として出力する出力データが記憶されているRAM41cの所定領域を特定するための出力データアドレスの初期アドレスを取得する(Sz205)。尚、出力データは、内部抽選における特別役の当選状況、一般役の当選状況を特定可能なデータである。
【0637】
その後、試験信号出力タイマの値を参照して(Sz206)、試験信号出力タイマによる所定時間の計時が終了しているか否かを判定する(Sz207)。そして、試験信号出力タイマが0でなく試験信号出力タイマによる所定時間の計時が終了していない場合は、出力データ固定モードが設定されているか否かを判定する(Sz208)。出力データ固定モードは、前述のメイン処理のSb2のステップにおいて行われるRT情報出力処理により設定される出力データを試験信号として出力する場合に設定される。
【0638】
そして、出力データ固定モードが設定されていない場合は、試験信号出力タイマを1単位時間(本実施例では、0.56ミリ秒)分減算して更新させた後(Sz209)、Sz206のステップにおいて参照した試験信号出力タイマの値を所定値(本実施例では、一の出力データを特定可能な試験信号の出力を継続させる時間(22.4ミリ秒)に相当する値)で除算したときの余り値が0であるか否かを判定する(Sz210)。そして、余り値が0である場合は、Sz205のステップに戻り、Sz209のステップにおいて更新した試験信号出力タイマの値に基づいてSz205~Sz210のステップの処理を行う。一方、余り値が0でない場合は、Sz206のステップにおいて参照した試験信号出力タイマの値を所定値(本実施例では、一の出力データを特定可能な試験信号の出力を継続させる時間(22.4ミリ秒)に対応する値)で除算したときの商を算出し、Sz205のステップにおいて取得した初期アドレスの出力データアドレスに商の値を加算して(Sz211)、Sz212のステップに進む。そして、出力データアドレスを更に1アドレス分進めて、当該出力データアドレスに基づいて特定されるRAM41cの所定領域に記憶されている出力データを取得する(Sz213)。
【0639】
また、Sz208のステップにおいて出力データ固定モードが設定されていると判定した場合は、Sz212のステップに進み、Sz206のステップにおいて設定した初期アドレスの出力データアドレスを1アドレス分進めて(Sz212)、当該出力データアドレスに基づいて特定されるRAM41cの所定領域に記憶されている出力データを取得する(Sz213)。
【0640】
その後、Sz213のステップにおいて取得した出力データを試験信号出力として設定し(Sz214)、試験信号出力を出力ポート6に設定して出力させる(Sz215)。また、Sz207のステップにおいて、Sz206のステップにおいて参照した試験信号出力タイマの値が0であると判定した場合は、試験信号出力をOFF状態に設定し(Sz216)、試験信号出力を出力ポート6に設定して出力させる(Sz215)。Sz215のステップにおいて試験信号の出力を設定した後は、試験信号出力処理を終了させて呼び出し元の時間監視更新処理に戻る。
【0641】
このような制御により、メイン制御部41は、一遊技時間管理用タイマが初期値に設定されて始動されたとき、すなわちゲームとしてリール2L、2C、2Rの回転制御が開始されたときかた、所定期間(本実施例では、89.6ミリ秒(22.4ミリ秒×4))にわたり試験信号を出力ポート6から出力させるようになっている。
【0642】
また、メイン制御部41は、試験信号として、内部抽選における一般役及び特別役の当選状況を特定可能な4つの出力データを、所定時間(本実施例では、22.4ミリ秒)毎に順次切り替えられて出力ポート6より出力させるようになっている。
【0643】
次に、メイン制御部41が行うメダル通過時間タイマ更新処理について、
図56に基づいて説明する。メイン制御部41は、前述の試験信号出力処理を行った後、続けてメダル通過時間タイマ更新処理を行う。
【0644】
図56に示すように、メダル通過時間タイマ更新処理では、まず、非遊技プログラムに含まれるメダルセンサ処理により、RAM41cの非遊技RAM領域の所定領域に設定されているメダル通過時間タイマを参照し、当該メダル通過時間タイマの値が0であるか否かを判定する(Sz301)。
【0645】
メダル通過時間タイマの値が0である場合、すなわちメダルセンサ処理により投入メダルセンサ31a~31cの検出範囲をメダルが通過する時間を計時していない場合は、メダル通過時間タイマ更新処理を終了して、呼び出し元の時間監視更新処理に戻る。
【0646】
一方、メダル通過時間タイマの値が0でない場合、すなわちメダルセンサ処理により投入メダルセンサ31a~31cの検出範囲をメダルが通過する時間を計時している場合は、メダル通過時間タイマに所定値を加算することで更新した後(Sz302)、メダル通過時間タイマ更新処理を終了して、呼び出し元の時間監視更新処理に戻る。
【0647】
[表示モニタ出力データ選択処理について]
メイン制御部41が行う表示モニタ出力データ選択処理について、
図57及び
図58に基づいて説明する。メイン制御部41は、前述のメダル通過時間タイマ更新処理を行った後、続けて表示モニタ出力データ選択処理を行う。
【0648】
表示モニタ出力データ選択処理は、メイン制御部41により0.56ミリ秒毎に行われるタイマ割込み処理(メイン)においてポート入力処理の後に開始され、タイマ割込み処理(メイン)のLEDダイナミック表示処理で用いられるLEDの点灯データを設定する処理である。
【0649】
図57及び
図58に示すように、表示モニタ出力データ選択処理では、まず、RAM41cの所定領域に設定されている表示モニタ選択用タイマのアドレスをHLレジスタに設定し(Sz401)、当該アドレスの表示モニタ選択用タイマ値に1加算して更新する(Sz402)。その後、当該表示モニタ選択用タイマ値が上限値(8928)に到達したか否かを判定し(Sz403)、表示モニタ選択用タイマ値が上限値(8928)に到達したと判定した場合には、表示モニタ選択用タイマ値を初期化して0に設定する(Sz403)。表示モニタ表示内容ベクタに1加算して更新する(Sz405)。表示モニタ表示内容ベクタは、1加算することで4を超える値となる場合には0に補正することで、0~4の範囲内で更新する。
【0650】
Sz405のステップにおいて表示モニタ表示内容ベクタを更新した場合、及びSz403のステップにおいて表示モニタ選択用タイマ値が上限値に到達していないと判定した場合には、Sz406のステップへ進み、遊技状態を参照し(Sz406)、設定確認状態中であるか否かを判定する(Sz407)。Sz407のステップにおいて設定確認状態中であると判定した場合には、後述のSz447~Sz463のステップの処理を行って遊技機情報表示器50の7セグ表示器に表示テストパターンを表示させる。
【0651】
一方、Sz407のステップにおいて設定確認状態中でないと判定した場合には、表示モニタ識別子出力データテーブルのアドレスをHLレジスタに設定し(Sz408)、表示モニタ表示内容ベクタの値をAレジスタ及びBレジスタに読み込む(Sz409)。そして、Aレジスタ値及びHLレジスタ値に基づいて、表示モニタ表示内容ベクタの値に対応する識別子出力データが格納されているアドレスを算出し(Sz410)、当該アドレスに格納されている識別子出力データをDEレジスタに読み込む(Sz411)。
【0652】
その後、Sz409のステップにおいてBレジスタに読み込んだ表示モニタ表示内容ベクタの値に1加算して更新した後(Sz412)、RAM41cの所定領域に設定されており、スロットマシン1において行われたゲーム数が規定ゲーム数を超えているか否かを特定可能な消化ゲーム数判定フラグをAレジスタに読み込み(Sz413)、当該。消化ゲーム数判定フラグに含まれる判定値をCレジスタに抽出する(Sz414)。
【0653】
そして、Cレジスタに抽出した判定値に基づいてスロットマシン1において行われたゲーム数が規定ゲーム数を超過しているか否かを判定する(Sz415)。
【0654】
Sz415のステップにおいてスロットマシン1において行われたゲーム数が規定ゲーム数を超過していないと判定した場合には、表示モニタ選択用タイマのアドレスをHLレジスタに設定し(Sz416)、ROM41bの所定領域に予め登録されている演算用定数1をBCレジスタに読み込む(Sz417)。そして、HLレジスタの表示モニタ選択用タイマ値をBCレジスタの演算用定数1で除算し(Sz418)、商の最下位ビットの値が0であるか否かを判定する(Sz419)。Sz419のステップにおいて商の最下位ビットの値が0でないと判定した場合には、DEレジスタをクリアして0を設定することで7セグ表示器の表示を空白(非表示)とする出力データをDEレジスタに設定して(Sz420)、Sz421のステップへ進む。
【0655】
また、Sz415のステップにおいてスロットマシン1において行われたゲーム数が規定ゲーム数を超過していると判定した場合には、Sz416~Sz420のステップの各処理を行わずに、Sz421のステップへ進む。また、Sz419のステップにおいて表示モニタ選択用タイマ値を演算用定数1で除算して得られる商の最下位ビットの値が0であると判定した場合には、Sz420のステップの処理を行わずに、Sz421のステップへ進む。
【0656】
Sz421のステップでは、DEレジスタ値を識別子表示データとして遊技機情報表示器50の出力バッファに設定する(Sz421)。
【0657】
その後、遊技機情報表示器50に「--」を表示する表示用データをDEレジスタに設定する(Sz422)。そして、表示モニタ閾値データテーブルの先頭アドレスをHLレジスタに設定し(Sz423)、表示モニタ表示ベクタの値をAレジスタに読み込み(Sz424)、Aレジスタ値及びHLレジスタ値に基づいて表示モニタ表示ベクタの値に対応する閾値データが格納されているアドレスを算出する(Sz425)。そして、表示モニタ表示ベクタの値に対応する所定領域に格納されており、役比表示が有効であるか否かを特定可能な役比モニタ表示有効データを参照して、役比表示が有効であるか否かを判定する(Sz426)。
【0658】
Sz426のステップにおいてり役比表示が有効でないと判定した場合には、後述のSz446へ進み、DEレジスタ値を役比表示として遊技機情報表示器50の出力バッファに設定した後(Sz446)、表示モニタ出力データ選択処理を終了させて時間監視更新処理に戻る。
【0659】
一方、Sz426のステップにおいてり役比表示が有効であると判定した場合には、HLレジスタ値により特定されるアドレスに格納されているデータを閾値としてBレジスタに読み込み(Sz427)、表示モニタ役比出力データテーブルの先頭アドレスをHLレジスタに設定し(Sz428)、Aレジスタ値及びHLレジスタ値に基づいて表示モニタ表示ベクタの値に対応する出力データが格納されているアドレスを算出する(Sz429)。そして、当該アドレスに格納されている出力データをAレジスタに読み込む(Sz430)。その後、Aレジスタの出力データとBレジスタの閾値を比較して、比較結果を示す値をCレジスタに設定する(Sz431)。
【0660】
その後、表示態様を点滅なしとするデータをBレジスタに仮設定し(Sz432)、Cレジスタ値に基づいて出力データが閾値未満であるか否かを判定する(Sz433)。Sz433のステップにおいて出力データが閾値未満でないと判定した場合には、表示態様を点滅ありとするデータをBレジスタに仮設定して(Sz434)、Sz435のステップへ進む。一方、Sz433のステップにおいて出力データが閾値未満であると判定した場合には、Sz434のステップの処理を行わず、Sz435のステップへ進む。Sz435のステップでは、Aレジスタの出力データを10で除算して得られる商をAレジスタに設定し、余りをEレジスタに設定する(Sz435)。
【0661】
Sz435のステップにてAレジスタの出力データを10で除算して商及び余りを所定レジスタにそれぞれ設定した後は、表示用データテーブルの先頭アドレスをHLレジスタに設定し(Sz436)、HLレジスタ値にAレジスタ値を加算して得られる値のアドレスに格納されている表示用データをDレジスタに読み込み、役比表示の10の位の表示を設定する(Sz437)。
【0662】
その後、AレジスタにEレジスタ値を読み込み(Sz438)、HLレジスタ値にAレジスタ値を加算して得られる値のアドレスに格納されている表示用データをEレジスタに読み込んで、役比表示の1の位の表示を設定する(Sz439)。
【0663】
その後、Bレジスタの値に基づいて点滅設定ありか否かを判定し(Sz440)、点滅設定ありと判定した場合には、表示モニタ選択用タイマ値をHLレジスタに読み込む(Sz441)。そして、所定のタイマ基準値(本実施例では、0.3秒に相当する値)をBCレジスタに読み込み(Sz442)、HLレジスタ値をBCレジスタ値で除算して得られる商をHLレジスタに設定し、余りをDEレジスタに設定する(Sz443)。その後、HLレジスタに設定された商の最下位ビットが0か否かを判定し(Sz444)、商の最下位ビットが0ではないと判定した場合には、表示用データ(DEレジスタの値)を0に設定し(Sz445)、Sz446のステップへ進む。
【0664】
また、Sz440のステップにおいてBレジスタの値に基づいて点滅設定なしと判定した場合には、Sz441~Sz445のステップの各処理を行わずに、Sz446のステップへ進む。また、Sz444のステップにおいて商の最下位ビットが0であると判定した場合には、Sz445のステップの処理を行わずに、Sz446のステップへ進む。
【0665】
Sz446のステップでは、DEレジスタ値を役比表示として遊技機情報表示器50の出力バッファに設定する(Sz446)。その後、表示モニタ出力データ選択処理を終了させて時間監視更新処理に戻る。
【0666】
また、Sz407のステップにおいて設定確認状態中であると判定した場合には、Sz447のステップへ進み、表示用データ(DEレジスタ値)として0を設定した後(Sz447)、DEレジスタ値を識別子表示、役比表示として遊技機情報表示器50の出力バッファに設定する(Sz448、Sz449)。
【0667】
その後、表示モニタ選択用タイマ値をHLレジスタに読み込んだ後(Sz450)、HLレジスタ値を補正し(Sz451)、ROM41bの所定領域に予め登録されている演算用定数2をBCレジスタに読み込む(Sz452)。そして、HLレジスタの表示モニタ選択用タイマ値をBCレジスタの演算用定数2で除算して得られる商をHLレジスタに設定し、余りをBCレジスタに設定する(Sz453)。その後、ROM41bの所定領域に予め登録されている演算用定数3をBCレジスタに読み込み(Sz454)、HLレジスタ値(Sz453のステップにおいて設定された商の値)をBCレジスタの演算用定数3で除算して得られる商をHLレジスタに設定し、余りをBCレジスタに設定する(Sz455)。
【0668】
そして、Lレジスタの値をAレジスタに読み込み(Sz456)、役比表示を行う遊技機情報表示器50の出力バッファのアドレスをHLレジスタに読み込み(Sz457)、HLレジスタにAレジスタ値を加算して補正する(Sz458)。その後、Cレジスタ値をAレジスタに読み込み(Sz459)、遊技機情報表示器50の表示テストパターンデータのアドレスをDEレジスタに読み込み(Sz460)、DEレジスタにAレジスタ値を加算して補正する(Sz461)。
【0669】
その後、DEレジスタ値により特定されるアドレスに格納されている表示テストパターンの出力データをAレジスタに読み込み(Sz462)、HLレジスタ値により特定される役比表示を行う遊技機情報表示器50の出力バッファにAレジスタ値を格納する(Sz463)。その後、表示モニタ出力データ選択処理を終了させて時間監視更新処理に戻る。
【0670】
[カウンタ更新処理について]
メイン制御部41が行うカウンタ更新処理について、
図59に基づいて説明する。尚、カウンタ更新処理は、遊技プログラムに含まれており、遊技プログラムに含まれるタイマ割込み処理において呼び出されるサブルーチンである。
【0671】
図59に示すように、カウンタ更新処理では、まず、前述のメダル投入信号処理によりメダル投入信号を参照しないメダル投入信号無視時間を計時するメダル投入信号無視タイマが設定されているRAM41cの所定領域のアドレスをHLレジスタに設定する(Sv301)。そして、HLレジスタに設定されているアドレスに対応するRAM41cの所定領域を参照して、メダル投入信号無視タイマ値が0であるか否か、すなわちメダル投入信号無視時間の計時中であるか否かを判定して(Sv302)、メダル投入信号無視タイマ値が0でなく、メダル投入信号無視時間の計時中であると判定した場合には、メダル投入信号無視タイマ値を1減算して更新する(Sv303)。
【0672】
その後、前述のように1ゲームの最小時間を計時するための一遊技時間管理用タイマが設定されているRAM41cの所定領域のアドレスをHLレジスタに設定する(Sv304)。そして、HLレジスタに設定されているアドレスに対応するRAM41cの所定領域を参照して、一遊技時間管理用タイマ値が0であるか否か、すなわち1ゲームの最小時間の計時中であるか否かを判定して(Sv305)、一遊技時間管理用タイマが0でなく、1ゲームの最小時間の計時中であると判定した場合には、一遊技時間管理用タイマ値を1減算して更新する(Sv306)。その後、カウンタ更新処理を終了させて、タイマ割込み処理に戻る。
【0673】
このように、カウンタ更新処理では、遊技プログラム(メイン処理、メダル投入信号処理等)により管理される時間(メダル投入信号無視時間や1ゲームの最小時間等)を計数するカウンタであるメダル投入信号無視タイマ、一遊技時間管理用タイマを更新するようになっている。一方、非遊技プログラム(メダルセンサチェック処理、センサ監視処理、試験信号出力処理等)により管理される時間(メダルセンサ監視時間、試験信号出力時間、メダル通過時間等)を計時するメダル通過時間タイマ、センサチェックタイマ1、センサチェックタイマ2、試験信号出力タイマについては、遊技プログラムに含まれる当該カウンタ更新処理では更新せず、前述の非遊技プログラムに含まれる各種処理(センサ監視処理、試験信号出力処理、タイマ更新処理)により更新されるようになっている。
【0674】
[遊技機情報表示器の表示態様について]
図60に示すように、遊技制御基板40が筐体1aの内部の所定位置に取り付けられた状態において、遊技制御基板40の正面側(遊技者側)の下部には7セグメント表示器で構成される遊技機情報表示器50が配置されている。遊技機情報表示器50は、遊技制御基板40が基板ケース120aに封入されている状態で、当該基板ケース120aの外部から表示内容を視認可能となっており、メイン制御部41により集計され、遊技機情報表示器50に表示されるスロットマシン1における有利区間割合等の情報を、店員等が認識できるようになっている。
【0675】
このため、前面扉1bを開放した状態において基板ケース120aを介して遊技機情報表示器50の表示内容が視認できるようになっている。また、筐体1aの内部では、遊技機情報表示器50の表示内容の視認性が妨げられないようになっている。詳しくは、遊技機情報表示器50の表示側の位置に、スロットマシン1に設けられたリール等の部品全般、他の基板等が設けられることがなく、遊技機情報表示器50の表示側の位置を、スロットマシン1に設けられた電子部品同士を接続する配線が通過しないようになっている。また、遊技機情報表示器50を搭載した遊技制御基板40を収納する基板ケース120aにおいて、封印シールや開封者を記入するための記入部、スロットマシン1や遊技制御基板40の管理情報や管理履歴等の情報が表示されるラベル、当該ラベルが貼着される貼着部、当該情報が印字、刻印される表示部、放熱穴、放熱用のファン等の部品などが遊技機情報表示器50の表示側の位置を避けて設けられている。
【0676】
また、基板ケース120aは、遊技制御基板40を収容した後封止されるようになっており、封止された状態では、痕跡を残すことなく封止を解除して開放することができないようになっている。封止する方法としては、封止片をワンウェイネジで封止したり、ケースの一部を溶着したり、剥がした跡が残る封印シールを貼着したりする方法などがある。これにより、遊技機情報表示器50と遊技制御基板40とを接続する接続線を断線させて、基板ケース120aに封入された遊技制御基板40に搭載されている遊技機情報表示器50が正しく表示内容を表示することができないようにしたり、遊技機情報表示器50の表示面にシール等を貼着して視認性を阻害するような不正が行われることを防止できる。
【0677】
メイン制御部41は、
図61に示すように、過去6000ゲーム間の有利区間割合、総累計ゲーム数に対する有利区間割合、過去6000ゲーム間の連役払出比率、過去6000ゲーム間の役物払出比率、過去6000ゲーム間の有利区間払出比率、総累計払出数に対する連役払出比率、総累計払出数に対する役物払出比率、総累計払出数に対する指示込役物払出比率を遊技機情報表示器50に表示させる制御を行う。
【0678】
過去6000ゲーム間の有利区間割合とは、過去6000ゲーム間においてATに関連する有利区間に制御されたゲーム数の割合である。ATに関連する有利区間とは、AT非当選の状態においてATに当選したときから、当選したATに伴うATの制御が全て終了し、非ATに移行するまでの期間である。総累計ゲーム数に対する有利区間割合は、工場出荷時或いは何らかの原因でRAM41cのデータが初期化されてからの累計ゲーム数である総累計ゲーム数に対してATに関連する有利区間に制御されたゲーム数の割合である。過去6000ゲーム間の連役払出比率とは、過去6000ゲーム間において払い出されたメダル数の累計である総払出枚数に占める過去6000ゲーム間において制御されたBB中に払い出されたメダル数の累計である連役払出枚数の比率である。過去6000ゲーム間の役物払出比率とは、過去6000ゲーム間の総払出枚数に占める過去6000ゲーム間において制御されたRB中に払い出されたメダル数の累計である役物払出枚数の比率である。過去6000ゲーム間の指示込役物払出比率とは、過去6000ゲーム間の総払出枚数に占める過去6000ゲーム間の役物払出枚数と過去6000ゲーム間においてナビ報知がされたゲームにおいて払い出されたメダル数を合算した指示込払出枚数の比率である。総累計払出数に対する連役払出比率とは、工場出荷時或いは何らかの原因でRAM41cのデータが初期化されてからのメダルの払出枚数の累計である総累計払出数に占める工場出荷時或いは何らかの原因でRAM41cのデータが初期化されてから現在までの連役払出枚数の比率である。総累計払出数に対する役物払出比率とは、総累計払出数に占める工場出荷時或いは何らかの原因でRAM41cのデータが初期化されてから現在までの役物払出枚数の比率である。総累計払出数に対する指示込役物払出比率とは、総累計払出数に占める工場出荷時或いは何らかの原因でRAM41cのデータが初期化されてから現在までの指示込払出枚数の比率である。
【0679】
尚、本実施例では、ボーナスとして、RBと、RBが連続して作動するBBのみを搭載する構成であるが、全ての種類の小役の入賞が許容されるが、一部のリールについて引込が制限されるCT、CTが連続して作動するCBを搭載する構成であっても良く、CTを搭載する場合には、CT中に払い出されたメダル数は、役物払出比率及び指示込払出枚数に反映され、CBを搭載する場合には、CB中に払い出されたメダル数は、連役払出比率に反映されることとなる。
【0680】
メイン制御部41は、電源投入後、電力供給が停止するまでの期間において過去6000ゲーム間の有利区間割合、総累計ゲーム数に対する有利区間割合、過去6000ゲーム間の連役払出比率、過去6000ゲーム間の役物払出比率、過去6000ゲーム間の指示込役物払出比率、総累計払出数に対する連役払出比率、総累計払出数に対する役物払出比率、総累計払出数に対する指示込役物払出比率を、
図61に示す表示順にて所定期間(本実施例では、30秒間)毎に切り替えて遊技機情報表示器50に表示させる。
【0681】
この際、遊技機情報表示器50には、上位2桁に現在表示中の表示内容を示す略記(例えば、表示順1の過去6000ゲーム間の有利区間比率が表示されている場合には、「1A」)が表示される。現在表示中の表示内容を示す略記は、表示される2桁のうち最下位の桁の表示内容が数字以外の文字(本実施例では、「A」「C」「F」の英字)となっており、遊技機情報表示器50において、略記及び割合、比率が表示されているときに、略記の数字部分が、割合、比率と隣り合うことがないようになっている。これにより、略記の数字部分と割合、比率とが隣り合って割合、比率の表示内容が誤認されてしまうことを防止できる。
【0682】
また、この際、遊技機情報表示器50には、下2桁に前述の略記に対応する現在表示すべき割合、比率(以下、表示すべきデータと呼ぶ場合がある)が表示され、いずれのデータについても%で表示されるようになっている。遊技機情報表示器50の下2桁に表示されるデータとして、0~99%が表示されることとなるが、本実施例では、遊技機情報表示器50の下2桁双方を用いて表示すべきデータを表示するようになっており、例えば、表示すべきデータが1桁の場合には、遊技機情報表示器50の下2桁のうち上位の桁に「0」を表示する一方で、下位の桁に表示すべきデータの値を表示する(例えば、5%を表示する場合には、遊技機情報表示器50の下2桁に「05」を表示する)。また、表示すべきデータが2桁の場合には、遊技機情報表示器50の下2桁に表示すべきデータを表示する(例えば、15%を表示する場合には、遊技機情報表示器50の下2桁に「15」を表示する)。このように、遊技機情報表示器50に表示すべきデータが、1桁であるか2桁であるかにかかわらず、遊技機情報表示器50の下2桁双方を用いて表示すべきデータを表示することで、割合、比率の表示内容が誤認されてしまうことを防止できる。また、1桁であるか2桁であるかにかかわらず、遊技機情報表示器50の下2桁双方を用いて表示すべきデータを表示することで、常に遊技機情報表示器50の下2桁にいずれかのデータが表示されることとなり、例えば、下2桁の表示器の一方にデータが表示されない場合に、当該表示器の異常を認識させることができる。
【0683】
尚、現在表示中の表示内容を示す略記を、表示される2桁のうち最上位の桁の表示内容が数字以外の文字(例えば、「A1」)となるようにして、遊技機情報表示器50における下2桁に当該略記を表示させるとともに、遊技機情報表示器50における上2桁に現在表示すべきデータ(例えば、過去6000ゲーム間の有利区間比率)を表示させる構成でも、略記の数字部分と割合、比率とが隣り合って割合、比率の表示内容が誤認されてしまうことを防止できる。
【0684】
また、遊技機情報表示器50における下2桁、上2桁のいずれに略記と現在表示すべきデータとを表示させるかにかかわらず、略記を表示する2桁と、現在表示すべきデータを表示する2桁の色彩を異ならせる構成でも、略記の数字部分と割合、比率とが隣り合って割合、比率の表示内容が誤認されてしまうことを防止できる。
【0685】
また、本実施例のメイン制御部41は、有利区間割合、連役払出比率、役物払出比率、指示込役物払出比率、連役払出比率、役物払出比率、指示込役物払出比率を、
図61に示す表示順にて所定期間毎に切り替えて表示させる際に、これらの表示が一巡し終えるまでの一の期間内においては、ゲームが進行されて、これらの値が新たな値に更新され得る場合であっても、新たな値に更新することを制限して、元の値を用いて表示を一巡させる。詳しくは、これらの表示が一巡し終えるまでの一の期間内において、ゲームが進行されて、これらの値が新たな値に更新され得る場合には、新たな値を演算してRAM41cの所定領域に記憶させるが、遊技機情報表示器50に表示内容を表示させるための出力バッファに当該新たな値を設定することなく、元の値を設定することで、遊技機情報表示器50における表示を元の値を用いて一巡させ、一巡の表示が終了したときから、新たな値を出力バッファに設定することで、その後、新たな値で表示を行うようにしても良いし、これらの表示が一巡し終えるまでの一の期間内において、これらの値が新たな値に更新され得る場合には、新たな値を求めるための演算を行うことを制限して、遊技機情報表示器50における表示を一巡させ、一巡の表示が終了した際に、新たな値を求めるための演算を行い、その後、当該新たな値を用いて遊技機情報表示器50における表示を行うようにしても良い。このようにすることで、遊技機情報表示器50における表示内容が一巡するまでの期間において、異なる時期に演算された有利区間割合等の表示内容が混在してしまうことを防止できる。
【0686】
また、メイン制御部41は、過去6000ゲーム間の有利区間割合、総累計ゲーム数に対する有利区間割合が規定割合(例えば、70%)を超える場合には、通常と異なる表示態様(例えば、通常が常時点灯であれば点滅点灯等)にて有利区間割合を表示する。また、メイン制御部41は、過去6000ゲーム間の連役払出比率、総累計払出数に対する連役払出比率が規定割合(例えば、60%)を超える場合には、通常と異なる表示態様(例えば、通常が常時点灯であれば点滅点灯等)にて連役払出比率を表示する。また、メイン制御部41は、過去6000ゲーム間の役物払出比率、総累計払出数に対する役物払出比率が規定割合(例えば、70%)を超える場合には、通常と異なる表示態様(例えば、通常が常時点灯であれば点滅点灯等)にて役物払出比率を表示する。また、メイン制御部41は、過去6000ゲーム間の指示込役物払出比率、総累計払出数に対する指示込役物払出比率が規定割合(例えば、80%)を超える場合には、通常と異なる表示態様(例えば、通常が常時点灯であれば点滅点灯等)にて指示込役物払出比率を表示する。
【0687】
このように有利区間割合、連役払出比率、役物払出比率、指示込役物払出比率が規定割合を超えると、通常と異なる表示態様にて表示されるようになっており、射幸性が高い状態に制御されている可能性があることを警告できるようになっている。
【0688】
また、メイン制御部41は、過去6000ゲーム間の有利区間割合、過去6000ゲーム間の連役払出比率、過去6000ゲーム間の役物払出比率、過去6000ゲーム間の指示込役物払出比率を遊技機情報表示器50に表示させる場合において、過去のゲーム数が6000ゲームに到達していない状態であるときには、例えば、遊技機情報表示器50の上位2桁の表示を点滅させる等、通常とは異なる表示態様に制御することで、集計が6000ゲームに到達していないことが認識できるようになっており、表示されている割合、比率に偏りが生じている可能性が認識できるようになっている。
【0689】
また、メイン制御部41は、総累計ゲーム数に対する有利区間割合を遊技機情報表示器50に表示させる場合において、過去のゲーム数が有利区間割合が概ねスロットマシンの設計値に収束する規定ゲーム数(例えば、175000ゲーム)に到達していない状態であるときには、例えば、遊技機情報表示器50の上位2桁の表示を点滅させる等、通常とは異なる表示態様に制御することで、有利区間割合が概ねスロットマシンの設計値に収束する規定ゲーム数に到達していないことが認識できるようになっており、表示されている割合、比率に偏りが生じている可能性が認識できるようになっている。
【0690】
また、メイン制御部41は、総累計払出数に対する連役払出比率を遊技機情報表示器50に表示させる場合において、過去のゲーム数が連役払出比率が概ねスロットマシンの設計値に収束する規定ゲーム数(例えば、17500ゲーム)に到達していない状態であるときには、例えば、遊技機情報表示器50の上位2桁の表示を点滅させる等、通常とは異なる表示態様に制御することで、連役払出比率が概ねスロットマシンの設計値に収束する規定ゲーム数に到達していないことが認識できるようになっており、表示されている割合、比率に偏りが生じている可能性が認識できるようになっている。
【0691】
また、メイン制御部41は、総累計払出数に対する役物払出比率を遊技機情報表示器50に表示させる場合において、過去のゲーム数が役物払出比率が概ねスロットマシンの設計値に収束する規定ゲーム数(例えば、6000ゲーム)に到達していない状態であるときには、例えば、遊技機情報表示器50の上位2桁の表示を点滅させる等、通常とは異なる表示態様に制御することで、役物払出比率が概ねスロットマシンの設計値に収束する規定ゲーム数に到達していないことが認識できるようになっており、表示されている割合、比率に偏りが生じている可能性が認識できるようになっている。
【0692】
また、メイン制御部41は、総累計払出数に対する指示込役物払出比率を遊技機情報表示器50に表示させる場合において、過去のゲーム数が指示込役物払出比率が概ねスロットマシンの設計値に収束する規定ゲーム数(例えば、175000ゲーム)に到達していない状態であるときには、例えば、遊技機情報表示器50の上位2桁の表示を点滅させる等、通常とは異なる表示態様に制御することで、指示込役物払出比率が概ねスロットマシンの設計値に収束する規定ゲーム数に到達していないことが認識できるようになっており、表示されている割合、比率に偏りが生じている可能性が認識できるようになっている。
【0693】
尚、メイン制御部41は、6000ゲームに到達していない状態では、遊技機情報表示器50の下位2桁に「00」を表示し、6000ゲームに到達した以降の状態では、遊技機情報表示器50の下位2桁に表示すべき割合、比率を表示する、すなわち6000ゲームに到達した以降の状態では、遊技機情報表示器50の下位2桁の表示態様を、6000ゲーム以降の表示態様とは異なる表示態様とする構成とすることが好ましく、このような構成とすることで、6000ゲームに到達していない状態では、遊技機情報表示器50の上位2桁の表示(例えば、「1A」)により特定される有利区間割合等の集計が6000ゲームに到達していないことが認識でき、表示されている割合、比率に偏りが生じている可能性が認識できる。また、6000ゲームに到達していない状態では、遊技機情報表示器50の下位2桁に「00」を表示する構成とすることで、6000ゲームに到達していない状態では、常に遊技機情報表示器50の下2桁にデータが表示されることとなり、例えば、下2桁の表示器の一方にデータが表示されない場合に、当該表示器の異常を認識させることができる。
【0694】
また、メイン制御部41は、過去6000ゲーム間の有利区間割合、総累計ゲーム数に対する有利区間割合、過去6000ゲーム間の連役払出比率、過去6000ゲーム間の役物払出比率、過去6000ゲーム間の指示込役物払出比率、総累計払出数に対する連役払出比率、総累計払出数に対する役物払出比率、総累計払出数に対する指示込役物払出比率を算出するために用いるデータが正常か否かを判定し、異常と判定された場合(総払出枚数より役物払出枚数、連役払出枚数、有利区間払出枚数が多い場合、格納された値がある一定のデータ形式(01繰り返しなど)である場合等)には、異常と判定されたデータ及び当該データに関連するデータを初期化し、遊技機情報表示器50に異常が検知された旨の表示(例えば、「FFFF」)をさせて、その旨を報知するようになっており、これらのデータの算出が正常に行われていないことを認識できるようになっている。
【0695】
尚、異常と判定されたデータ及び当該データに関連するデータを初期化する際には、例えば、過去6000ゲーム間に対する有利区間割合、連役払出比率、役物払出比率、指示込役物払出比率のうちの少なくともいずれか1つが異常と判定された場合には、これら全てに関するデータを初期化するようにしても良いし、一部のデータのみを初期化するようにしても良い。総累計ゲーム数に対する有利区間割合、連役払出比率、役物払出比率、指示込役物払出比率のうちの少なくともいずれか1つが異常と判定された場合には、これらの全てに関するデータを初期化するようにしても良いし、一部データのみを初期化するようにしても良い。また、過去6000ゲーム間に対するデータの一部に異常が判定された際に、過去6000ゲーム間及び総累計ゲーム数に対するデータの全てを初期化したり、逆に、総累計ゲーム数に対するデータの一部に異常が判定された際に、過去6000ゲーム間及び総累計ゲーム数に対するデータの全てを初期化するようにしても良い。
【0696】
また、過去6000ゲーム間及び総累計ゲーム数に対する有利区間割合、連役払出比率、役物払出比率、指示込役物払出比率を算出するために用いるデータが正常か否かを判定し、異常と判定された場合には、その旨を報知し、その後、所定の操作(例えば、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、設定キースイッチ37等のスイッチ類が所定の手順で操作されること)されることで、当該データに関する初期化を行うようにしても良い。
【0697】
また、異常が判定された旨の報知では、前述のように、遊技機情報表示器50に異常が検知された旨の表示(例えば、「FFFF」)をさせて、その旨を報知しても良いし、異常が判定された際に、その旨を特定可能なコマンドをサブ制御部91に対して送信し、サブ制御部91側において液晶表示器51等により異常が判定された旨を報知させるようにしても良い。
【0698】
また、メイン制御部41は、データの収集を開始してから6000ゲームに到達するまでの期間、すなわち過去6000ゲーム間の有利区間割合、総累計ゲーム数に対する有利区間割合、過去6000ゲーム間の連役払出比率、過去6000ゲーム間の役物払出比率、過去6000ゲーム間の指示込役物払出比率、総累計払出数に対する連役払出比率、総累計払出数に対する役物払出比率、総累計払出数に対する指示込役物払出比率等を算出するためのデータが不十分な期間において、遊技機情報表示器50の表示内容が、データの収集を開始してから6000ゲーム以降の表示態様とは異なる態様で表示されるようになっており、表示内容を算出するためのデータが不十分な期間であることを認識できるようになっている。
【0699】
尚、本実施例では、電源投入後、電力供給が停止するまでの期間において過去6000ゲーム間の有利区間割合、総累計ゲーム数に対する有利区間割合、過去6000ゲーム間の連役払出比率、過去6000ゲーム間の役物払出比率、過去6000ゲーム間の指示込役物払出比率、総累計払出数に対する連役払出比率、総累計払出数に対する役物払出比率、総累計払出数に対する指示込役物払出比率が、所定期間毎に切り替えて表示されるようになっているが、前面扉1bの開放状態が検出されている場合のみ表示されるようにしたり、所定の操作スイッチ(例えばリセット/設定スイッチ38)の操作が検出されている場合のみ表示されるようにしたり、ゲーム中でないときに表示されるようにしたり、設定変更状態や設定確認中に表示されるようにしたり、電源投入後から所定期間のみ表示されるようにしたりしても良い。また、所定期間毎に自動で切り替わるのではなく、所定の操作がされる毎に表示内容が切り替わるようにしても良い。
【0700】
また、本実施例では、遊技機情報表示器50の表示内容を算出するために用いるデータ異常が判定されたことや表示内容を算出するためのデータが不十分な期間であることが遊技機情報表示器50を用いて報知される構成であるが、その旨を特定可能なコマンドをサブ制御部91に送信し、サブ制御部91が制御する表示器や演出装置にて確認できるようにしても良い。
【0701】
また、本実施例では、過去6000ゲーム間の有利区間割合、総累計ゲーム数に対する有利区間割合、過去6000ゲーム間の連役払出比率、過去6000ゲーム間の役物払出比率、過去6000ゲーム間の指示込役物払出比率、総累計払出数に対する連役払出比率、総累計払出数に対する役物払出比率、総累計払出数に対する指示込役物払出比率が、遊技機情報表示器50に表示される構成であるが、これらの表示に加えて設定変更によってRAM41cが初期化されたこと、スロットマシン1に設けられた配線(バックアップ電源の配線等)の断線検出があったときなどに、その旨が認識可能となる内容が遊技機情報表示器50に表示されるようにしても良い。
【0702】
特に、ボーナス中、有利区間中やボーナスの持越中に設定変更がされてボーナスや有利区間が強制的に終了されたり、持越中のボーナスがクリアされた場合、ボーナスの持越中のままゲームが規定数以上行われたり、故意に有利区間を終了させる操作が行われたりしたこと(例えば、AT中のRT2、RT3において、故意にRT1移行再遊技やSBを入賞させたり、特定図柄を停止させてRT1に移行させる操作が行われる場合、すなわち故意に遊技者にとって相対的に有利な遊技状態から不利な遊技状態に移行された場合等)を検出した場合、及び、遊技機情報表示器50が断線等が生じたことにより正常に接続されていない可能性を検出した場合には、その旨を特定可能に報知する。このようにすることで、有利区間割合、役物払出比率、連役払出比率、指示込役物払出比率等として正しい情報が表示されないように不正に操作された可能性があることを認識することができる。
【0703】
また、後述するように総累計データのオーバーフローを回避する処理において、当該総累計データ等を初期化した場合には、その旨を特定可能に、前述のように有利区間割合、役物払出比率、連役払出比率、指示込役物払出比率等として正しい情報が表示されないように不正に操作された可能性がある場合とは異なる態様で、報知することが好ましく、このようにすることで、オーバーフローを回避する処理より総累計データが初期化されたことを、有利区間割合等として正しい情報が表示されないようにするための不正な操作による初期化とは、別に認識させることができる。
【0704】
尚、前述のように有利区間割合、役物払出比率、連役払出比率、指示込役物払出比率等として正しい情報が表示されないように不正に操作された可能性がある場合には、その旨を検出して当該検出の履歴をメイン制御部41側で記録し、当該検出時には報知することなく、その後、所定の操作(例えば、スタートスイッチ7やストップスイッチ8L、8C、8R、設定キースイッチ37等のスイッチ類を所定の手順で操作すること、遊技制御基板40に検査用端末等の所定の外部機器を接続すること等)が行われることで、これらの履歴を、メイン制御部41側に設けられた表示器(例えば、遊技機情報表示器50等)やサブ制御部91側に設けられた表示器(例えば、液晶表示器51等)、スロットマシン1の外部の表示器等により確認できるようにしても良い。
【0705】
また、設定変更がされたこと、断線検出がされたこと、遊技機情報表示器50の接続不良が発生して有利区間割合、役物払出比率、連役払出比率、指示込役物払出比率等として正しい情報が表示されない可能性があること、前述のように有利区間割合、役物払出比率、連役払出比率、指示込役物払出比率等として正しい情報が表示されないように不正に操作された可能性があること、をサブ制御部91が制御する表示器や演出装置にて確認できるようにしても良い。また、ボーナス中、有利区間中やボーナスの持越中に設定変更がされてボーナスや有利区間が強制的に終了されたり、持越中のボーナスがクリアされたこと、有利区間割合、役物払出比率、連役払出比率、指示込役物払出比率等として正しい情報が表示されないように不正に操作された可能性があることが検出されたことの履歴をサブ制御部91側で記録し、所定の操作でこれらの履歴を確認できるようにしても良い。
【0706】
[遊技機情報表示器の表示テストパターンについて]
表示モニタ出力データ選択処理では、Sz447~Sz463の各処理が行われることで、遊技機情報表示器50では表示テストパターンに基づく表示が順次行われるようになっており、
図62に示すように、遊技機情報表示器50を構成する7セグ表示器50aの第1セグメント~第8セグメントまでの各セグメントが所定順序(本実施例では、第1セグ→第2セグ→第3セグ→第4セグ→第5セグ→第6セグ→第7セグ→第8セグ→第1セグ・・・の順序)で順次点灯状態に制御される。各セグメントが順次点灯状態に制御されることにより、遊技機情報表示器50が故障していないか、例えば、点灯しないセグメントがないか等を目視で確認することができるようになっている。
【0707】
[区間表示LED点灯中報知について]
サブ制御部91が行う区間表示LED点灯中報知について
図63及び
図64に基づいて説明する。
【0708】
前述のようにメイン制御部41は、有利区間に制御した後、ATの制御を開始するときに区間表示LED19を点灯状態に制御して、有利区間に制御している旨を示す区間表示を行うことが可能である。そして、メイン制御部41は、区間表示を行っている状態であるときに、スロットマシン1への電力供給が停止され、通常の手順で電力供給が再開された際には、区間表示を行っている状態に復帰するようになっている。
【0709】
また、メイン制御部41は、有利区間に制御した後、ATの制御を開始することに伴って区間表示を開始するときに、区間表示を行う旨を特定可能なコマンドをサブ制御部91に対して送信する。また、スロットマシン1への電力供給が再開され、電力供給が停止される前の状態に復帰する際に、区間表示を再開するときには、区間表示を行う旨を特定可能なコマンドをサブ制御部91に対して送信する。
【0710】
これに対して、サブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が停止されることを検出したときには、サブ制御部91が備えるRTC(リアルタイムクロック)に基づいて特定される時刻をサブ制御部91が備える記憶手段に記憶させる。また、スロットマシン1への電力供給が再開されたときに、メイン制御部41からのコマンドに基づいてメイン制御部41側にて区間表示が行われることが特定されるときには、RTCを参照して現在時刻を特定し、現在時刻と電力供給が停止されたときに記憶手段に記憶させた時刻とを比較し、特定の時刻(本実施例では、午前4時)を跨いでスロットマシン1への電力供給が再開されたか否かを判定する。そして、特定の時刻(本実施例では、午前4時)を跨いでスロットマシン1への電力供給が再開されたと判定した場合には、メイン制御部41側にて区間表示が行われている旨を報知する区間表示LED点灯中報知を液晶表示器51及び演出用LED57を用いて行う。
【0711】
図63に示すように、区間表示LED点灯中報では、区間表示LED19がメイン制御部41により点灯状態に制御されている旨を報知する報知画像(区間表示LED19が点灯状態である旨を示唆する文字(「区間表示LED点灯中」)の画像A及びスロットマシン1における区間表示LED19の位置を示唆する画像B、所定キャラクタの画像C)を液晶表示器51に表示させるとともに、スロットマシン1の前面扉1bの遊技者側に設置されている演出用LED57L、57Rを通常の遊技中とは異なる点灯態様で点灯させるように制御することで、点灯状態に制御されている旨を報知する。
【0712】
図64(a)に示すように、メイン制御部41は、遊技区間を有利区間に制御しており、所定の開始条件が成立することで区間表示を開始させ、区間表示LED19を点灯状態に制御して、有利区間に制御している旨を報知する。この際、サブ制御部91は、区間表示LED点灯中報知は行わない。この状態で、スロットマシン1への電力供給が停止され、その後、後述の区間表示LED消灯操作が行われない通常手順でスロットマシン1への電力供給が再開された場合には、メイン制御部41は、区間表示LED19を点灯状態に制御する。これに対して、サブ制御部91は、区間表示LED点灯中報知を行うように制御する。そして、区間表示LED点灯中報知を開始した後、予め定められた特定期間が経過すること、または当該特定期間が経過する前にゲームの開始操作が行われることで、区間表示LED点灯中報知を終了させるように制御する。
【0713】
また、
図64(b)に示すように、メイン制御部41が区間表示を行っている状態でスロットマシン1への電力供給が停止され、その後、スロットマシン1への電力供給が再開されるときに、区間表示LED消灯操作が行われることで、メイン制御部41は、有利区間に関する情報を初期化したうえでゲームを行うことが可能な状態に復帰させる。これにより、区間表示を行わず、区間表示LED19を点灯状態に制御することなく、復帰される。この際、メイン制御部41は、区間表示を行わないので、区間表示を行う旨を特定可能なコマンドをサブ制御部91に対して送信しない。これに対して、サブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が再開されるときに、メイン制御部41から区間表示を行う旨を特定可能なコマンドを受信しないことで、区間表示LED点灯中報知を行うことなく、演出の制御を再開するように制御する。
【0714】
また、
図64(c)に示すように、メイン制御部41は、遊技区間を有利区間に制御しているときでも、所定の開始条件が成立していない場合には、区間表示を行わない。この状態で、スロットマシン1への電力供給が停止され、その後、電力供給が再開された場合にも、所定の開始条件が成立するまでは区間表示を行わない。この際、メイン制御部41は、区間表示を行わないので、区間表示を行う旨を特定可能なコマンドをサブ制御部91に対して送信しない。これに対して、サブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が再開されるときに、メイン制御部41から区間表示を行う旨を特定可能なコマンドを受信しないことで、区間表示LED点灯中報知を行うことなく、演出の制御を再開するように制御する。
【0715】
尚、本実施例のサブ制御部91は、RTC(リアルタイムクロック)を備え時刻を特定可能な構成であるが、サブ制御部91は、RTCを備えない構成でも良い。サブ制御部91がRTCを備えない構成では、スロットマシン1への電力供給が再開されたときに、メイン制御部41側にて区間表示が行われることが特定される場合には、必ず区間表示LED点灯中報知を行う構成でも良い。
【0716】
このように、本実施例のサブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が開始された後、一定期間にわたり区間表示LED点灯中報知を行い、当該一定時間が経過した後に区間表示LED点灯中報知を終了させるようになっている。これにより、電力供給が開始したときに区間表示が行われている状態に復帰した場合には、その旨を示す区間表示LED点灯中報知が行われるため、遊技店の開店時等に店員に対して区間表示が行われている状態であることを認識させることができる。一方で、区間表示LED点灯中報知は一定時間で終了されるので、遊技店が開店された後、区間表示LED点灯中報知が継続されて、遊技者等に対して違和感を与えてしまうことを防止できる。
【0717】
本実施例のサブ制御部91は、メイン制御部41側にて区間表示が行われている状態でスロットマシン1への電力供給が停止した後、遊技店の営業時間外の特定時刻(本実施例では、午前4時)を跨いで電力供給が開始して区間表示が行われている状態に復帰した場合には、区間表示が行われている状態に復帰した旨を示す区間表示LED点灯中報知を液晶表示器51を用いて行う一方、特定時刻を跨がずに電力供給が開始して区間表示が行われている状態に復帰した場合には区間表示LED点灯中報知を行わないようになっている。これにより、営業時間中に一時的に電断が発生しても遊技者等に対して違和感を与えてしまうことを防止できる。
【0718】
本実施例のサブ制御部91は、区間表示LED点灯中報知を行っている状態でゲームが開始された場合に、一定時間経過を待たずに区間表示LED点灯中報知を終了させるようになっている。これにより、区間表示LED点灯中報知を開始した後、一定時間経過していない状態でもゲームを開始することで区間表示LED点灯中報知を終了させることができる。
【0719】
本実施例のサブ制御部91は、メイン制御部41側にて区間表示が行われていないAT開始前の区間で電力供給が停止した後、電力供給が開始して区間表示が行われていない状態に復帰した場合に、区間表示LED点灯中報知を行わないようになっている。これにより、有利区間に制御されており、かつ区間表示が行われている状態に復帰した場合のみ、遊技店の店員に対して区間表示が行われている状態で開店することを認識させることができる。
【0720】
[作用効果1]
従来の遊技機として、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、がそれぞれ別個にROMに割り当てられた構成のものがある。このような構成では、遊技プログラムにおいて、非遊技プログラムに含まれる処理を実行する度に、遊技プログラムから非遊技プログラムを呼び出すようにすると、何度も遊技プログラムと非遊技プログラムとを行き来することとなり、処理が複雑化するという問題が生じる。
【0721】
これに対して、本実施例の遊技機であるスロットマシン1は、プログラムが記憶される記憶領域を有するROM41bと、当該ROM41bに記憶されたプログラムに基づいて制御を行うメイン制御部41と、を備え、ROM41bの記憶領域は、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、を含み、遊技プログラムであるタイマ割込み処理から非遊技プログラムである時間監視更新処理の1回の呼出により該非遊技プログラムにおいて複数種類の異常判定(メダルの払い出しに関する異常の判定及びメダルの投入に関する異常の判定)を行う構成である。このような構成では、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶されるROM41bの遊技プログラム領域と、遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶されるROM41bの非遊技プログラム領域と、が別個に割り当てられた構成において、遊技プログラムからの1回の非遊技プログラムの呼出により該非遊技プログラムにおいて複数種類の異常判定が行われるため、遊技プログラムと非遊技プログラムとの行き来を極力減らすことができる。
【0722】
尚、本実施例では、遊技プログラムに含まれるタイマ割込み処理から呼び出される非遊技プログラムに含まれる時間監視更新処理において、メダルの払い出しに関する異常の判定及びメダルの投入に関する異常の判定の2種類の異常の判定を行う構成であるが、遊技プログラムから1回の呼出により呼び出される非遊技プログラムにおいて、3種類以上の複数種類の異常の判定を行う構成でも良い。
【0723】
また、本実施例では、遊技プログラムから非遊技プログラムを呼び出す構成であり、非遊技プログラムに含まれるタイマ割込み処理から、非遊技プログラムに含まれ、複数種類の異常の判定を行う時間監視更新処理を呼び出す構成であるが、複数種類の異常の判定を行う非遊技プログラムを呼び出す遊技プログラムとして、タイマ割込み処理以外の遊技プログラムに含まれる処理を適用しても良い。
【0724】
また、本実施例では、遊技プログラムに含まれるタイマ割込み処理から呼び出される非遊技プログラムに含まれる時間監視更新処理において、一のサブルーチンであるセンサ監視処理を行うことで、メダルの払い出しに関する異常の判定及びメダルの投入に関する異常の判定を行う構成すなわち一のサブルーチンにより複数種類の異常の判定を行う構成であるが、遊技プログラムにより呼び出される非遊技プログラムが複数のサブルーチンにより構成され、サブルーチン毎に一種類の異常の判定を行う構成、例えば、時間監視更新処理において、メダルの払い出しに関する異常の判定を行う第1サブルーチンと、メダルの投入に関する異常の判定を行う第2サブルーチンが行われることで、複数種類の異常の判定を行う構成でも良い。このような構成では、複数種類の異常判定を行う処理を異常判定の種類毎にそれぞれサブルーチンとして設定することで、プログラムの管理が容易となる。
【0725】
本実施例のスロットマシン1は、遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域及び非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域を有するROM41bと、当該ROM41bに記憶されたプログラムに基づいて制御を行うメイン制御部41と、を備える構成であり、遊技プログラムであるタイマ割込み処理から非遊技プログラムである時間監視更新処理を呼び出すときに、遊技プログラムにて用いていたレジスタ及びスタックポインタSPを退避させるとともに、非遊技プログラムから遊技プログラムに復帰するときに、退避したレジスタ及びスタックポインタSPを復帰させる構成である。このような構成では、遊技プログラムから非遊技プログラムを呼び出すに際して、遊技プログラムにて用いていたレジスタ及びスタックポインタSPのデータが破損してしまうことを防止できる。
【0726】
本実施例のスロットマシン1は、遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域及び非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域を有するROM41bと、当該ROM41bに記憶されたプログラムに基づいて制御を行うメイン制御部41と、データを一時的に記憶可能な記憶領域を有するRAM41cと、を備え、RAM41cは、遊技プログラムが用いる遊技データが読み出し及び書き込み可能に記憶される遊技RAM領域と、非遊技プログラムが用いる非遊技データが読み出し可能に記憶される非遊技RAM領域と、を含み、遊技プログラムに含まれるタイマ割込み処理から、非遊技プログラムに含まれる時間監視更新処理を1回呼出すことにより、該時間監視更新処理において複数種類の異常判定として、メダルの払い出しに関する異常の判定及びメダルの投入に関する異常の判定を行って、当該異常判定の結果を特定可能なセンサエラー参照データを非遊技RAM領域に記憶させ、時間監視更新処理からタイマ割込み処理に復帰したときに、該遊技プログラムであるタイマ割込み処理では、他の処理を行うことなく、非遊技RAM記憶領域に記憶されたセンサエラー参照データを参照する構成である。このような構成では、非遊技プログラムによる異常判定の結果を他の処理を行うよりも前に参照するため、異常判定の結果をいち早く遊技プログラムが行う処理に反映させることができる。また、異常判定を行う非遊技プログラムから遊技プログラムに復帰後、他の処理を行うよりも前にセンサエラー参照データを参照するため、最新のセンサエラー参照データが反映されたエラーフラグに基づいて他の処理を行わせることができる。
【0727】
本実施例のスロットマシン1は、遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域及び非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域を有するROM41bと、当該ROM41bに記憶されたプログラムに基づいて制御を行うメイン制御部41と、を備え、遊技プログラムに含まれるタイマ割込み処理から、非遊技プログラムに含まれる時間監視更新処理を1回呼出すことにより、該時間監視更新処理において複数種類の異常判定として、メダルの払い出しに関する異常の判定及びメダルの投入に関する異常の判定を行う構成であり、時間監視更新処理では、メダルの払い出しに関する異常の判定を行って異常が判定された場合でも、メダルの払い出しに関する異常の判定の後に、メダルの投入に関する異常の判定を続けて行う構成である。このような構成では、遊技プログラムであるタイマ割込み処理から呼び出される非遊技プログラムである時間監視更新処理において、メダルの払いだしに関する異常の判定を行って異常が判定されたか否かに関わらず、他の種類の異常であるメダルの投入に関する異常についても判定を行うことができる。
【0728】
尚、本実施例では、遊技プログラムに含まれるタイマ割込み処理から呼び出される非遊技プログラムに含まれる時間監視更新処理において、メダルの払い出しに関する異常の判定及びメダルの投入に関する異常の判定の2種類の異常の判定を行う構成であるが、遊技プログラムから1回の呼出により呼び出される非遊技プログラムにおいて、2種類以上の複数種類の異常の判定を行う構成でも良く、このような構成においては、非遊技プログラムにおいて行われる複数種類の異常の判定のうち一の種類の異常が判定されても他の種類の異常判定を続けて行う構成とすることで、いずれかの種類の異常が判定されたか否かに関わらず、他の種類の異常についても異常判定を行うことができる。
【0729】
本実施例のスロットマシン1は、遊技プログラムに含まれるタイマ割込み処理から、非遊技プログラムに含まれる時間監視更新処理を1回呼出すことにより、該時間監視更新処理において複数種類の異常判定として、遊技媒体であるメダルの払い出しに関する異常の判定及びメダルの投入に関する異常の判定を行う構成である。このような構成では、遊技媒体であるメダルの払い出しに関する異常判定と、メダルの投入に関する異常判定と、を1回の非遊技プログラムの呼出により行うことができる。
【0730】
本実施例の遊技機であるスロットマシン1は、プログラムが記憶される記憶領域を有するROM41bと、当該ROM41bに記憶されたプログラムに基づいて制御を行うメイン制御部41と、を備え、ROM41bの記憶領域は、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、を含み、遊技プログラム(タイマ割込み処理)からの1回の非遊技プログラム(時間監視更新処理)の呼出により該非遊技プログラムにおいて、異常判定(センサ監視処理におけるメダルの払い出しに関する異常の判定、メダルの投入に関する異常の判定)、スロットマシン1に接続される試験装置へ出力される試験信号の出力制御(試験信号出力処理)、遊技の履歴に基づく状態である役比を所定表示器(クレジット表示器11、遊技補助表示器12)に表示させる表示制御(役比モニタ表示データ選択処理)を含む複数の制御を行う構成である。このような構成では、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶されるROM41bの遊技プログラム領域と、遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶されるROM41bの非遊技プログラム領域と、が別個に割り当てられた構成において、遊技プログラムからの1回の非遊技プログラムの呼出により該非遊技プログラムにおいて異常判定、試験信号の出力制御、遊技の履歴に基づく状態である役比を所定表示器に表示させる表示制御を含む複数の制御が行われるため、遊技プログラムと非遊技プログラムとの行き来を極力減らすことができる。
【0731】
尚、本実施例では、メイン制御部41は、遊技プログラム(タイマ割込み処理)からの1回の非遊技プログラム(時間監視更新処理)の呼出により該非遊技プログラムにおいて、複数の制御として、異常判定(センサ監視処理におけるメダルの払い出しに関する異常の判定、メダルの投入に関する異常の判定)、試験装置へ出力される試験信号の出力制御(試験信号出力処理)、遊技の履歴に基づく状態である役比を所定表示器に表示させる表示制御(役比モニタ表示データ選択処理)、タイマを更新する制御(メダル通過時間タイマ更新処理)を行う構成であるが、1回の非遊技プログラムの呼出により少なくとも2種類以上の制御を行う構成でも良く、遊技プログラムからの1回の非遊技プログラムの呼出により、例えば、異常判定及び試験信号の出力制御を行う構成、異常判定及び役比を所定表示器に表示させる表示制御を行う構成、試験信号の出力制御及び役比を所定表示器に表示させる表示制御を行う構成、異常判定及びタイマを更新する制御を行う構成等でも良い。これらの構成でも、遊技プログラムと非遊技プログラムとの行き来を極力減らすことができる。
【0732】
また、本実施例では、メイン制御部41は、遊技プログラム(タイマ割込み処理)からの1回の非遊技プログラム(時間監視更新処理)の呼出により該非遊技プログラムにおいて異常判定、試験装置へ出力される試験信号の出力制御、遊技の履歴に基づく状態である役比を所定表示器に表示させる表示制御を含む複数の制御を行う構成であり、当該異常判定では、2種類の異常判定(メダルの払い出しに関する異常の判定及びメダルの投入に関する異常の判定)を行う構成であるが、異常判定において1種類の異常判定を行う構成としても良いし、3種類以上の複数の異常判定を行う構成としても良い。このような構成でも、遊技プログラムと非遊技プログラムとの行き来を極力減らすことができる。
【0733】
本実施例のスロットマシン1は、遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域及び非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域を有するROM41bと、当該ROM41bに記憶されたプログラムに基づいて制御を行うメイン制御部41と、を備える構成であり、遊技プログラムに含まれるタイマ割込み処理から非遊技プログラムに含まれる時間監視更新処理の1回の呼出により該時間監視更新処理において異常判定(メダルの払い出しに関する異常の判定、メダルの投入に関する異常の判定)を行う処理であるセンサ監視処理及び試験装置へ出力される試験信号の出力制御を行う処理である試験信号出力処理を行う構成であり、該時間監視更新処理において、センサ監視処理及び試験信号出力処理がそれぞれサブルーチンとして呼び出される構成である。このような構成では、異常判定を行う処理及び外部機器へ出力される外部出力信号の出力制御を行う処理がそれぞれサブルーチンとして設定されているため、プログラムの管理が容易となる。
【0734】
本実施例のスロットマシン1は、遊技プログラムであるタイマ割込み処理から非遊技プログラムである時間監視更新処理の1回の呼出により該非遊技プログラムにおいて異常判定(例えば、メダルの払い出しに関する異常の判定、メダルの投入に関する異常の判定)を行う処理であるセンサ監視処理及び試験信号の出力制御を行う処理である試験信号出力処理を行う構成であり、非遊技プログラムにおける試験信号出力処理では、遊技プログラムの処理ではオンデータやオフデータが設定されることのない出力ポート(本実施例では、出力ポート6)すなわち遊技プログラムの処理で用いられない出力ポートを用いて試験信号の出力状態を設定する構成である。このような構成では、非遊技プログラムにおける試験信号出力処理によって、遊技プログラムの処理によって出力状態が制御される信号が意図せずに出力状態に制御されてしまうことを防止できる。
【0735】
本実施例のスロットマシン1は、遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域及び非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域を有するROM41bと、当該ROM41bに記憶されたプログラムに基づいて制御を行うメイン制御部41と、を備える構成であり、遊技プログラムに含まれるタイマ割込み処理から非遊技プログラムに含まれる時間監視更新処理の1回の呼出により該時間監視更新処理において異常判定(メダルの払い出しに関する異常の判定、メダルの投入に関する異常の判定)を行う処理であるセンサ監視処理及び遊技の履歴に基づく状態である役比を所定表示器(クレジット表示器11、遊技補助表示器12)に表示させる表示制御を行う表示モニタ用データ選択処理を行う構成であり、該時間監視更新処理において、センサ監視処理及び表示モニタ用データ選択処理がそれぞれサブルーチンとして呼び出される構成である。このような構成では、異常判定を行う処理及び役比の表示制御を行う処理がそれぞれサブルーチンとして設定されているため、プログラムの管理が容易となる。
【0736】
本実施例のスロットマシン1は、遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域及び非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域を有するROM41bと、当該ROM41bに記憶されたプログラムに基づいて制御を行うメイン制御部41と、を備える構成であり、遊技プログラムに含まれるタイマ割込み処理から非遊技プログラムに含まれる時間監視更新処理の1回の呼出により該時間監視更新処理においてスロットマシン1に接続される試験装置へ出力される試験信号の出力制御を行う処理である試験信号出力処理及び遊技の履歴に基づく状態である役比を所定表示器(クレジット表示器11、遊技補助表示器12)に表示させる表示制御を行う表示モニタ用データ選択処理を行う構成であり、該時間監視更新処理において、試験信号出力処理及び表示モニタ用データ選択処理がそれぞれサブルーチンとして呼び出される構成である。このような構成では、試験信号の出力制御を行う処理及び役比の表示制御を行う処理がそれぞれサブルーチンとして設定されているため、プログラムの管理が容易となる。
【0737】
従来の遊技機では、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、がそれぞれ別個にROMに割り当てられた構成のものがある。このような構成では、遊技プログラムで用いる遊技データの記憶領域と、非遊技プログラムで用いる非遊技データの記憶領域と、についても別個の領域に割り当てられているが、遊技プログラムにおいて非遊技データを参照する処理を実行する度に、遊技プログラムから非遊技データ領域のデータを参照することとすると、遊技プログラムから何度も遊技データ領域と非遊技データ領域の双方にアクセスする必要があり、処理が複雑化するという問題が生じる。
【0738】
これに対して、本実施例の遊技機であるスロットマシン1は、プログラムを記憶可能な記憶領域を有するROM41bと、当該ROM41bに記憶されたプログラムに基づいて制御を行うメイン制御部41と、データを一時的に記憶可能な記憶領域を有するRAM41cと、を備え、ROM41bの記憶領域は、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、を含み、RAM41cの記憶領域は、遊技プログラムが用いる遊技データが読み出し及び書き込み可能に記憶される遊技RAM領域と、非遊技プログラムが用いる非遊技データが読み出し可能に記憶される非遊技RAM領域と、を含み、非遊技プログラムである時間監視更新処理のセンサ監視処理において、異常判定としてメダルの払い出しに関する異常の判定、メダルの投入に関する異常の判定を行うとともに、これらの異常判定の結果に基づいて非遊技RAM領域に記憶されている第1異常データとしてセンサエラー参照データを更新し、時間監視更新処理を呼び出した遊技プログラムであるタイマ割込み処理(メイン)では、時間監視更新処理から遊技プログラムに復帰したときに、非遊技RAM領域に記憶されている第1異常データを参照して、該第1異常データに基づいて遊技RAM領域に記憶されている第2異常データとしてセンサエラーフラグを更新可能であり、その後行われる遊技プログラムであるメイン処理では、遊技RAM領域に記憶されている第2異常データを参照して、遊技の進行を不能化するエラー状態に移行させるか否かを判断する構成である。
【0739】
このような構成では、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、が別個に割り当てられ、さらに遊技プログラムが用いる遊技データが読み出し及び書き込み可能に記憶される遊技RAM領域と、非遊技プログラムが用いる非遊技データが読み出し可能に記憶される非遊技RAM領域と、が別個に割り当てられた構成において、遊技プログラムでは、非遊技プログラムから遊技プログラムに復帰したときに、非遊技データ領域に記憶されている第1異常データを参照して、該第1異常データに基づいて遊技データ領域に記憶されている第2異常データを更新し、さらに遊技プログラムでは、遊技データ領域に記憶されている第2異常データを参照して、遊技の進行を不能化するエラー状態に移行させるか否かを判断するので、一度、非遊技データ領域の第1異常データを参照し、遊技データ領域の第2異常データを更新することで、その後行われるメイン処理等の遊技プログラムにおいて、異常判定に関連する処理を行う毎に何度も非遊技データ領域の第1異常データにアクセスすることなく、非遊技プログラムによる異常判定の結果を参照することが可能となるため、遊技プログラムから非遊技データ領域を参照する頻度を極力減らすことができる。
【0740】
本実施例のスロットマシン1は、非遊技プログラムである時間監視更新処理から遊技プログラムであるタイマ割込み処理に復帰したときに、非遊技RAM領域に記憶されている第1異常データとしてメダル関連エラー参照データを参照して、該第1異常データに基づいて遊技RAM領域に記憶されている第2異常データとしてセンサエラーフラグを更新可能な構成であり、非遊技プログラムから遊技プログラムに復帰したときに、非遊技RAM領域に記憶されている第1異常データを参照して、当該第1異常データと遊技RAM領域に記憶されているセンサエラーフラグの論理和を演算して、当該演算結果に応じてセンサエラーフラグを更新することで、該第1異常データから異常の発生が特定される場合には第2異常データを更新し、該第1異常データから異常の発生が特定されない場合には第2異常データを更新しない構成である。このような構成では、第1異常データから異常の発生が特定される場合には第2異常データが更新され、第1異常データから異常の発生が特定されない場合には第2異常データが更新されないので、異常が発生した後、異常が解消されて非遊技プログラムで第1異常データが更新された場合でも、遊技プログラム側で異常の発生が確認されるまでは、第2異常データから異常の発生を特定することができる。
【0741】
本実施例のスロットマシン1は、遊技プログラムであるタイマ割込み処理(メイン)により呼び出される非遊技プログラムである時間監視更新処理において、異常判定を行って該異常判定の結果を特定可能な第1異常データとしてメダル関連エラー参照データを非遊技RAM領域に記憶させる構成であり、遊技プログラムであるタイマ割込み処理(メイン)は、非遊技プログラムである時間監視更新処理から遊技プログラムに復帰したときに、他の処理を行うことなく、非遊技RAM領域に記憶されている第1異常データとしてメダル関連エラー参照データを参照し、該第1異常データに基づいて遊技RAM領域に記憶されている第2異常データとしてセンサエラーフラグを更新可能である構成である。このような構成では、非遊技プログラムによる異常判定の結果を他の処理を行うよりも前に参照するため、異常判定の結果をいち早く遊技プログラムが行う処理に反映させることができる。また、このような構成では、時間監視更新処理が行われた後に、他の処理により、第1異常データに基づいて更新される前の第2異常データを用いた処理が行われてしまうことを防止できる。
【0742】
従来の遊技機では、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、がそれぞれ別個にROMに割り当てられた構成のものがある。このような構成では、遊技プログラムによる信号出力と、非遊技プログラムによる信号出力と、を共通の出力ポートを用いて行った場合に、非遊技プログラムによって設定された信号の出力データが残ってしまうことにより、遊技プログラムによる出力信号として出力されてしまう虞がある。
【0743】
これに対して、本実施例の遊技機であるスロットマシン1は、プログラムを記憶可能な記憶領域を有するROM41bと、当該ROM41bに記憶されたプログラムに基づいて制御を行うメイン制御部41と、信号を出力するための出力ポート0~9と、を備え、ROM41bの記憶領域は、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、を含み、出力ポート0~9は、遊技プログラムにおいて出力データ、例えば、リールモータ32L、32C、32Rの制御信号や流路切替ソレノイド30の制御信号、クレジット表示器11の制御信号、サブ制御部91へのコマンド等が設定され、非遊技プログラムにおいては出力データが設定されることのない第1出力ポート(出力ポート0~5、7~9)と、非遊技プログラムにおいて出力データ、例えば、試験信号等が設定され、遊技プログラムにおいては出力データが設定されることのない第2出力ポート(出力ポート6)と、を含み、第1出力ポート及び第2出力ポートの初期化は遊技プログラムである起動時設定処理や電断処理(メイン)から行う構成である。このような構成では、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、が別個に割り当てられた構成において、遊技プログラムにおいて出力データが設定され、非遊技プログラムにおいては出力データが設定されることのない第1出力ポートと、非遊技プログラムにおいて出力データが設定され、遊技プログラムにおいては出力データが設定されることのない第2出力ポートと、をそれぞれ別個に備えるので、非遊技プログラムによって設定された信号の出力データが残ってしまうことにより、遊技プログラムによる出力信号として出力されてしまうようなことがなく、遊技プログラムによる制御と非遊技プログラムによる制御の独立性を担保することができるとともに、第1出力ポート及び前記第2出力ポートの初期化は遊技プログラムから行うことで、出力ポートの初期化に際しての制御を簡素化できる。
【0744】
本実施例のスロットマシン1は、遊技プログラムにおいて出力データが設定され、非遊技プログラムにおいては出力データが設定されることのない第1出力ポート(出力ポート0~5、7~9)と、非遊技プログラムにおいて出力データが設定され、遊技プログラムにおいては出力データが設定されることのない第2出力ポート(出力ポート6)と、を備える構成であり、遊技プログラムは、初期化条件として、スロットマシン1への電力供給が開始されたこと、電断が検出されたことが成立したときに、第1出力ポート及び第2出力ポートの初期化を行う構成である。このような構成では、初期化条件が成立したときの制御を簡素化できる。
【0745】
本実施例のスロットマシン1は、遊技プログラムにおいて出力データが設定され、非遊技プログラムにおいては出力データが設定されることのない第1出力ポート(出力ポート0~5、7~9)と、非遊技プログラムにおいて出力データが設定され、遊技プログラムにおいては出力データが設定されることのない第2出力ポート(出力ポート6)と、を備える構成であり、第2出力ポートから試験信号を出力する構成である。このような構成では、遊技を進行するために必須とならない試験信号を出力するための制御を非遊技プログラムにおいて行うことで、遊技プログラムの容量を削減することができる。
【0746】
本実施例のスロットマシン1は、データを一時的に記憶可能な記憶領域を有するRAM41cを備え、当該RAM41cの記憶領域は、遊技プログラムが用いる遊技データが読み出し及び書き込み可能に記憶される遊技RAM領域と、非遊技プログラムが用いる非遊技データが読み出し可能に記憶される非遊技RAM領域と、を含み、遊技RAM領域は、遊技プログラムであり、初期設定処理やメイン処理から呼び出すRAM初期化処理によって初期化し、非遊技RAM領域は、非遊技プログラムであり、初期設定処理から呼び出す非遊技RAM領域初期化処理によって初期化する構成である。このような構成では、遊技プログラムと非遊技プログラムでは、遊技データと、非遊技データと、を互いに参照することは可能であるが、初期化を含め、互いに書き換えを不能とすることで、遊技プログラムによる制御と非遊技プログラムによる制御の独立性を担保することができる。
【0747】
本実施例のスロットマシン1は、データを一時的に記憶可能な記憶領域を有するRAM41cを備え、当該RAM41cの記憶領域は、遊技プログラムが用いる遊技データが読み出し及び書き込み可能に記憶される遊技RAM領域と、非遊技プログラムが用いる非遊技データが読み出し可能に記憶される非遊技RAM領域と、を含み、設定変更処理が行われる場合には、遊技RAM領域初期化処理を行うことで、遊技RAM領域を初期化する一方で非遊技RAM領域を初期化しない構成である。このような構成では、遊技RAM領域の初期化を伴う設定変更処理が行われる場合でも、非遊技RAM領域が初期化されることがないので、非遊技RAM領域に記憶されている記憶内容、例えば、遊技の履歴に基づく状態である役比を所定表示器に表示させるためのデータ等が初期化されてしまうことを防止できる。
【0748】
本実施例のスロットマシン1は、データを一時的に記憶可能な記憶領域を有するRAM41cを備え、当該RAM41cの記憶領域は、遊技プログラムが用いる遊技データが読み出し及び書き込み可能に記憶される遊技RAM領域と、非遊技プログラムが用いる非遊技データが読み出し可能に記憶される非遊技RAM領域と、を含み、非遊技RAM領域は、初期設定処理においてRAMパリティやRAM破壊診断用固定データを用いてRAM41cの異常を判定し、RAM41cの記憶内容に異常があると判定したときに、遊技RAM領域初期化処理及び非遊技RAM領域初期化処理を行うことで、RAM41cのすべての領域を初期化する構成である。このような構成では、RAM41cに記憶されている内容に異常があり、遊技の制御が正常に行われない虞がある場合にRAM41cの非遊技RAM領域を初期化することができる。また、RAM41cに記憶されている内容に異常がある場合に、非遊技RAM領域を初期化するので、設定変更がされても初期化されない非遊技RAM領域に記憶されている記憶内容、例えば、遊技の履歴に基づく状態である役比を所定表示器に表示させるためのデータ等を正常化させて、非遊技RAM領域に記憶されている記憶内容に基づく処理の正常な動作を担保することができる。
【0749】
従来の遊技機では、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、がそれぞれ別個にROMに割り当てられた構成のものがある。このような構成では、非遊技プログラムにおいてメダルの通過の不正を検知しているが、遊技プログラムにおいては投入されたメダルの通過のみを判定しているため、非遊技プログラムが正常に動作しなかった場合に、不正が行われていてもメダルの通過が判定されてしまう虞がある。
【0750】
これに対して、本実施例の遊技機であるスロットマシン1は、プログラムを記憶可能な記憶領域を有するROM41bと、当該ROM41bに記憶されたプログラムに基づいて制御を行うメイン制御部41と、を備え、ROM41bの記憶領域は、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、を含み、遊技プログラムにおいて第1条件として、投入メダルセンサ31bまたは31cの確定データがON状態であり、かつ入力データがOFF状態であること、すなわち入力データがON状態からOFF状態に変化したことが成立することで、遊技媒体であるメダルの通過を検出する第1検出処理(メダル投入信号処理)を行い、非遊技プログラムにおいて第2条件として、投入メダルセンサ31a~31cの検出状態に基づいて特定されるメダル投入信号状態遷移データが正常であり、かつ投入メダルセンサ31bまたは31cの確定データがON状態からOFF状態に変化したことが成立することで遊技媒体であるメダルの通過を検出する第2検出処理(メダルセンサチェック処理)を行い、遊技プログラムでは、第1検出処理及び第2検出処理の双方で遊技媒体の通過が検出されたときに賭け数及びクレジットに加算する遊技媒体が通過したことを判定する構成である。
【0751】
このような構成では、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、が別個に割り当てられた構成において、遊技プログラムにおいて第1条件が成立することで遊技媒体の通過を検出する第1検出処理、及び遊技プログラムにおいて第2条件が成立することで遊技媒体の通過を検出する第2検出処理の双方で遊技媒体の通過が検出されたときに遊技媒体の通過を判定するので、遊技プログラムの容量を増やすことなく、遊技媒体の通過を適切に判定することができる。
【0752】
本実施例のスロットマシン1は、第1条件として、投入メダルセンサ31bまたは31cの確定データがON状態であり、かつ入力データがOFF状態であることが成立することで、遊技媒体であるメダルの通過を検出する第1検出処理(メダル投入信号処理)を行い、第2条件として、投入メダルセンサ31a~31cの検出状態に基づいて特定されるメダル投入信号状態遷移データが正常であり、かつ投入メダルセンサ31bまたは31cの確定データがON状態からOFF状態に変化したことが成立することで遊技媒体であるメダルの通過を検出する第2検出処理(メダルセンサチェック処理)を行う構成であり、第2条件は、第1条件よりも多くの情報を含むメダル投入信号の状態遷移に基づいて成立する構成である。このような構成では、遊技プログラムの容量を増やすことなく、遊技媒体の通過に係る不正を排除することができる。
【0753】
本実施例のスロットマシン1は、非遊技プログラムであるメダルセンサチェック処理において、第2条件として、投入メダルセンサ31a~31cの検出状態に基づいて特定されるメダル投入信号状態遷移データが正常であり、かつ投入メダルセンサ31bまたは31cの確定データがON状態からOFF状態に変化したことが成立することで遊技媒体であるメダルの通過を検出する第2検出処理(メダルセンサチェック処理)を行う構成であり、第2検出処理により遊技媒体の通過が正常に検出されなかったときに異常と判定して、メダル関連エラー参照データ(E5)を設定する構成である。このような構成では、遊技プログラムの容量を増やすことなく、遊技媒体の通過に係る不正を検知することができる。
【0754】
本実施例のスロットマシン1は、第1条件として、投入メダルセンサ31bまたは31cの確定データがON状態であり、かつ入力データがOFF状態であることが成立することで、遊技媒体であるメダルの通過を検出する第1検出処理(メダル投入信号処理)を行い、第2条件として、投入メダルセンサ31a~31cの検出状態に基づいて特定されるメダル投入信号状態遷移データが正常であり、かつ投入メダルセンサ31bまたは31cの確定データがON状態からOFF状態に変化したことが成立することで遊技媒体であるメダルの通過を検出する第2検出処理(メダルセンサチェック処理)を行う構成であり、第1検出処理及び第2検出処理において、共通の投入メダルセンサ31a~31cを用いて遊技媒体の通過を検出する構成である。このような構成では、共通のセンサを対象として遊技プログラムと非遊技プログラムの双方で遊技媒体の通過を検出するため、遊技プログラムの容量を増やすことなく、遊技媒体の通過を適切に判定することができる。
【0755】
本実施例のスロットマシン1は、一定期間毎に定期処理を実行するタイマ割込み処理(メイン)により、投入メダルセンサ31a~31cの検出状態を取得可能であり、第1条件として、投入メダルセンサ31bまたは31cの確定データがON状態であり、かつ入力データがOFF状態であることが成立することで、遊技媒体であるメダルの通過を検出する第1検出処理(メダル投入信号処理)を行い、第2条件として、投入メダルセンサ31a~31cの検出状態に基づいて特定されるメダル投入信号状態遷移データが正常であり、かつ投入メダルセンサ31bまたは31cの確定データがON状態からOFF状態に変化したことが成立することで遊技媒体であるメダルの通過を検出する第2検出処理(メダルセンサチェック処理)を行う構成であり、第1検出処理及び第2検出処理では、同じタイマ割込み処理(メイン)にて取得された投入メダルセンサ31a~31cの検出状態を用いて遊技媒体の通過を検出する構成である。このような構成では、同じタイマ割込み処理(メイン)にて取得した投入メダルセンサ31a~31cの検出状態を用いて遊技プログラムと非遊技プログラムの双方で遊技媒体の通過を検出するため、遊技プログラムの容量を増やすことなく、遊技媒体の通過を適切に判定することができる。
【0756】
本実施例のスロットマシン1は、小役の入賞に伴い所定枚数のメダルを付与し、特別役の入賞に伴い遊技者にとって有利に制御し、予め定められた特定期間、例えば、過去6000ゲーム間、工場出荷時または何らかの原因でRAM41cのデータが初期化されてから現在までの期間等において付与されたメダルの総数である総累計払出数を計数することや、特定期間のうち有利に制御された期間(RB)において付与されたメダルの総数である役物払出枚数を計数することが可能であり、計数された総累計払出数に占める役物払出枚数により計数された役物払出枚数の割合である役物払出比率を算出し、算出された役物払出比率を特定可能に遊技機情報表示器50に表示することが可能な構成であり、特定期間(本実施例では、6000ゲーム)に到達するタイミングが異なる複数の累計バッファ1~3を有しており、特定期間に到達する毎に該当するカウンタの計数値を用いて役物払出比率を算出し、累計バッファ1~3による計数開始から最初に特定期間に到達するまでの期間において、役物払出比率の表示を点滅させる構成である。このような構成では、クレジット表示器11及び遊技補助表示器12に表示された役物払出比率が正常な値ではないことを認識させることができる。また、特定期間に到達するタイミングが異なる複数の累計バッファ1~3をそれぞれ有しているため、最初の累計バッファが特定期間に一度到達した後は、当該累計バッファが次回特定期間に到達するまで待つことなく、他の累計バッファが特定期間に到達する毎に、役物払出比率を最新の情報に更新させることができる。
【0757】
[作用効果2]
従来の遊技機では、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、が別個に割り当てられ、非遊技プログラムを実行する際には、該当する非遊技プログラムを遊技プログラムから呼び出すように構成されたものが提案されている。このような構成では、遊技プログラムから非遊技プログラムを呼び出すに際して、非遊技プログラムにおいてレジスタの値をスタック領域に退避させて保護し、当該非遊技プログラムに基づく処理が全て終了した際に、退避させていた値をレジスタに復帰させた後、遊技プログラムに復帰させるが、非遊技プログラムの呼び出しに関連して実行される命令により値が更新された後のレジスタの値が退避されるので、遊技プログラムに復帰させる際に、レジスタが非遊技プログラムを呼び出したときと異なる状態に復帰されてしまう虞がある。
【0758】
これに対して、本実施例の遊技機であるスロットマシン1は、プログラムを記憶可能な記憶領域を有するROM41bと、当該ROM41bに記憶されたプログラムに基づいて制御を行うメインCPU41aと、を備え、ROM41bの記憶領域は、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、を含み、メインCPU41aは、複数のレジスタに格納される値に基づいて処理を実行するとともに、複数のレジスタは、非遊技プログラムの呼び出しに関連して実行される読出命令LDにより値が更新されるフラグレジスタを含み、遊技プログラムに含まれる処理(メイン処理、メダル投入信号処理等)から非遊技プログラムに含まれる処理(非遊技RAM領域初期化処理、RT情報出力処理、当選情報出力処理、役比モニタ用データ処理、メダルセンサ処理等)を呼び出すときに、呼び出し元の遊技プログラムによりフラグレジスタの値を遊技プログラムが用いるRAM41cの遊技スタック領域に退避し、呼び出された非遊技プログラムにより、読出命令LDを用いて、該非遊技プログラムが用いるスタックポインタSPを設定した後、該非遊技プログラムにより複数のレジスタ全ての値を非遊技スタック領域に退避する構成である。このような構成では、RAM41cにおいて、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、が別個に割り当てられた構成において、遊技プログラムから非遊技プログラムを呼び出すに際して、読出命令LDの実行により値が更新されるフラグレジスタの値を遊技プログラムが用いるRAM41cの遊技スタック領域に退避し、非遊技プログラムにより読出命令LDを用いて該非遊技プログラムが用いるスタックポインタSPを設定した後、全てのレジスタの値をRAM41cの非遊技スタック領域に退避するので、フラグレジスタの値を遊技スタック領域に退避させて保護した状態で、非遊技プログラムを実行することができる。
【0759】
尚、本実施例では、メインCPU41aは、遊技プログラムから非遊技プログラムを呼び出すに際し、遊技プログラムにより第2退避命令(PUSH)を用いてフラグレジスタの値を遊技スタック領域に退避させる構成であるが、遊技プログラムから非遊技プログラムを呼び出すに際し、フラグレジスタの値を遊技スタック領域以外の所定領域(例えば、遊技スタック領域以外の遊技RAM領域、裏フラグレジスタ等)に退避させる構成でも良い。また、遊技プログラムから非遊技プログラムを呼び出すに際し、遊技プログラムにより少なくともフラグレジスタを含む複数のレジスタの値を退避させる構成でも良い。
【0760】
本実施例のメインCPU41aは、複数のレジスタ全ての値をスタックポインタSPが示すRAM41cの所定領域に退避させる第1退避命令(PUSH ALL)と、複数のレジスタのうちフラグレジスタの値をスタックポインタSPが示すRAM41cの所定領域に退避させる第2退避命令(PUSH AF)と、を含む複数の命令を実行可能であり、フラグレジスタのみの値を退避させる第2退避命令の方が、複数のレジスタ全ての値を退避させる第1退避命令よりもプログラム容量が小さい構成である。このような構成では、遊技プログラムにおいて第2退避命令を用いてフラグレジスタの値を退避させ、非遊技プログラムにおいて第1退避命令を用いて複数のレジスタ全ての値を退避させることで、遊技プログラムの容量を削減することができる。
【0761】
本実施例のメインCPU41aは、指定の領域に格納されたデータを他の指定する領域に読み出させる読出命令LDを実行することが可能であり、該読出命令LDを用いて、スタックポインタSPが示す値をRAM41cの指定領域に読み出させて記憶させること、RAM41cの指定領域に記憶されている値を読み出させてスタックポインタSPが示す値として設定することが可能であり、該読出命令LDを実行することでフラグレジスタの第2ゼロフラグの値を更新する構成であるとともに、メインCPU41aは、遊技プログラムから非遊技プログラムを呼び出す際に、遊技プログラムにより第2ゼロフラグを含むフラグレジスタの値をRAM41cの遊技スタック領域に退避させる構成であり、フラグレジスタに格納される値のうち読出命令LDの実行により更新される第2ゼロフラグの値は、遊技プログラムにおいてプログラムの進行ための判定に用いられない値である構成である。このような構成では、読出命令LDの実行により更新される第2ゼロフラグの値は、遊技プログラムによる判定に用いられることのない値であるが、非遊技プログラムを呼び出す際に該第2ゼロフラグを含むフラグレジスタの値を退避させて保護することで、遊技プログラムが非遊技プログラムから復帰したときに意図しない動作が行われることを確実に防止することができる。
【0762】
本実施例のメインCPU41aは、遊技プログラムに含まれており、基本処理を行うメイン処理と、当該メイン処理の実行中に割り込んで処理を行うことが可能なタイマ割込み処理(メイン)と、を含む処理を実行可能であり、遊技プログラムに含まれるメイン処理から非遊技プログラムに含まれる処理(当選情報出力処理、役比モニタ用データ処理、メダルセンサ処理等)を呼び出すときに、フラグレジスタの値をRAM41cの遊技スタック領域に退避させた後、タイマ割込み処理(メイン)の割込を禁止する構成である。このような構成では、非遊技プログラムを呼び出すに際して割込が禁止される期間を極力短くすることができる。また、フラグレジスタの値を退避させた後に、タイマ割込み処理(メイン)が行われることによってフラグレジスタの値が変更されてしまうことを防止できる。
【0763】
尚、本実施例では、メインCPU41aは、遊技プログラムに含まれるメイン処理から非遊技プログラムに含まれる処理を呼び出すときに、フラグレジスタの値を遊技スタック領域に退避させた後にタイマ割込み処理(メイン)の割込を禁止する構成であるが、メインCPU41aは、遊技プログラムに含まれるメイン処理から非遊技プログラムに含まれる処理を呼び出すときに、フラグレジスタの値をRAM41cの遊技スタック領域に退避させる前に、タイマ割込み処理(メイン)の割込を禁止する構成でも良い。このような構成では、フラグレジスタの値を遊技スタック領域に退避させた後に、タイマ割込み処理(メイン)が行われることによってフラグレジスタの値が変更されてしまうことを防止できる。
【0764】
従来の遊技機では、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、が別個に割り当てられ、非遊技プログラムを実行する際には、該当する非遊技プログラムを遊技プログラムから呼び出すように構成されたものが提案されている。このような構成では、遊技プログラムから非遊技プログラムを呼び出すに際して、予めタイマ割込みを禁止し、当該非遊技プログラムに基づく処理が全て終了し、遊技プログラムに復帰した際に、タイマ割込みの禁止を解除するように構成すると、非遊技プログラムの実行中にタイマ割込みが行われることを防止できるが、非遊技プログラムの実行に伴いタイマ割込みが禁止されることによってタイマ割込みの実行が遅延されてしまう虞がある。
【0765】
これに対して、本実施例の遊技機であるスロットマシン1は、プログラムを記憶可能な記憶領域を有するROM41bと、当該ROM41bに記憶されたプログラムに基づいて制御を行うメインCPU41aと、を備え、ROM41bの記憶領域は、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、を含み、メインCPU41aは、基本処理(メイン処理、メイン処理に含まれる遊技開始待ち処理、メダル投入信号処理等)と、当該基本処理の実行中に定期的に発生する割込条件が成立したときに当該基本処理に割り込んで処理を実行可能なタイマ割込み処理(メイン)と、を実行可能であり、基本処理であり、遊技プログラムに含まれる処理(メイン処理、メダル投入信号処理等)から非遊技プログラムに含まれる処理(当選情報出力処理、メダルセンサ処理、役比モニタ用データ処理)を呼び出すときに、非遊技プログラムの実行中におけるタイマ割込を禁止するとともに、遊技プログラムから非遊技プログラムを呼び出す処理を含む一連の処理を行う前に、割込条件が成立してタイマ割込み処理(メイン)が実行されるまで待機する割込み1回待ち処理を実行し、タイマ割込み処理(メイン)が実行された後に、遊技プログラムから非遊技プログラムを呼び出す処理を含む一連の処理を行うことで、非遊技プログラムを呼び出す構成である。このような構成では、メイン制御部41が備えるRAM41cにおいて、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、が別個に割り当てられた構成において、遊技プログラムから非遊技プログラムを呼び出すに際してタイマ割込み処理(メイン)が禁止されるとともに、遊技プログラムから非遊技プログラムを呼び出す前に、割込み1回待ち処理を実行し、タイマ割込み処理(メイン)が実行された後に、非遊技プログラムを呼び出すので、次の割込条件が成立するまでの期間が十分な状況で、遊技プログラムから非遊技プログラムを呼び出す処理を含む一連の処理が行われ、非遊技プログラムが呼び出されて実行されることとなり、非遊技プログラムの実行に伴い割込が禁止されることによってタイマ割込み処理(メイン)の実行が遅延してしまうことを防止できる。
【0766】
尚、本実施例では、メインCPU41aは、遊技プログラムに含まれるメイン処理の一部であるメダル投入信号処理から非遊技プログラムに含まれるメダルセンサ処理を呼び出す場合や、メイン処理からRT情報出力処理を呼び出す場合に、遊技プログラムから非遊技プログラムを呼び出す前に割込み1回待ち処理を行い、タイマ割込み処理(メイン)が実行された後に、非遊技プログラムを呼び出す構成であり、割込み1回待ち処理が行われ、遊技プログラムに含まれる複数の処理が行われた後に、非遊技プログラムを呼び出す構成であるが、遊技プログラムから非遊技プログラムを呼び出すに際し、非遊技プログラムを呼び出す直前に割込み1回待ち処理を行う構成でも良く、このような構成とすることで、非遊技プログラムの実行に伴い割込が禁止される状態で、割込条件が成立することを確実に防止できる。
【0767】
本実施例のメインCPU41aは、基本処理を実行するメイン処理と、当該メイン処理の実行中に定期的に発生する割込条件が成立したときに当該メイン処理に割り込んで処理を実行可能なタイマ割込み処理(メイン)と、を含む処理を実行可能であり、メイン処理から非遊技プログラムを呼び出すに際し、割込み1回待ち処理を実行した後、非遊技プログラムを呼び出す構成であり、遊技プログラムに含まれるメイン処理から呼び出される非遊技プログラムに含まれる役比モニタ用データ処理は、実行に所定時間(次のタイマ割込み処理(メイン)の契機となる割込が発生するタイミングを超え得る時間)を要する処理である。このような構成では、非遊技プログラムの実行によりタイマ割込が禁止される期間が長くなっても、タイマ割込み処理(メイン)の実行が遅延してしまうことを防止できる。
【0768】
本実施例のスロットマシン1では、遊技プログラムに含まれるメイン処理と、当該メイン処理の実行中に定期的に発生する割込条件が成立したときに当該メイン処理に割り込んで処理を実行可能なタイマ割込み処理(メイン)と、を含む処理を実行可能であり、メイン処理は、遊技プログラムに含まれる遊技開始待ち処理を介して遊技プログラムに含まれるメダル投入信号処理を呼び出し、当該メダル投入信号処理から非遊技プログラムに含まれるメダルセンサ処理を呼び出すことが可能であり、メダル投入信号処理からメダルセンサ処理を呼び出す前の遊技開始待ち処理において、割込み1回待ち処理を実行し、タイマ割込み処理(メイン)が行われた後に、メダルセンサ処理を呼び出す構成であり、タイマ割込み処理(メイン)において、各種スイッチ類(例えば、スタートスイッチ7等)やセンサ類(例えば、投入メダルセンサ31a~31c等)の入力データを更新するポート入力処理が実行され、メダルセンサ処理において入力データを参照してメダルの投入状況が判定される構成である。このような構成では、タイマ割込み処理(メイン)において更新された最新の入力データを参照して、非遊技プログラムに含まれるメダルセンサ処理を実行することができる。
【0769】
[作用効果3]
従来のスロットマシンでは、遊技者にとって有利な操作態様が報知されるAT等に制御可能な有利区間に制御するとともに、有利区間に制御されたゲーム数がリミット値である1500ゲームに到達することで、当該有利区間を終了させるとともに、ATの残りゲーム数等の有利区間の制御に関連する情報も初期化するように構成したものがある。
このような構成のスロットマシンでは、有利区間を制限するにあたり複数の賭数から賭数を選択可能な構成について何ら鑑みられていない。
【0770】
これに対して、本実施例のスロットマシン1は、遊技者の選択により賭数を3枚(第1賭数)または2枚(第2賭数)のいずれかに設定することが可能であり、3枚の賭数が設定されているときにも2枚の賭数が設定されているときにもゲームを実行可能な構成であり、メイン制御部41は、遊技区間を遊技者にとって有利な有利区間に制御することが可能であり、ゲームの開始時に行う出玉制御処理(第1処理)において、有利区間中信号の出力バッファの値に基づいて有利区間であると特定される場合に、賭数として3枚が設定されているか2枚が設定されているかに関わらず、有利区間が開始してからのゲーム数である有利区間ゲーム数を計数する有利区間ゲーム数カウンタを1ゲーム分加算して更新し、当該有利区間ゲーム数カウンタを更新した後、当該有利区間ゲーム数カウンタの値が規定ゲーム数(第2規定数)に到達したか否かを判定し、規定ゲーム数に到達したと判定した場合には、有利区間データ初期化処理を行って、有利区間を終了させる構成である。
この構成によれば、遊技者の選択により3枚の賭数(第1賭数)が設定されている場合でも2枚の賭数(第2賭数)が設定されている場合でもゲームを実行可能な構成において、メイン制御部41は、有利区間に制御されているときにおいては、3枚の賭数が設定されている場合でも2枚の賭数が設定されている場合でも有利区間ゲーム数カウンタを更新し、当該有利区間ゲーム数カウンタ値が規定ゲーム数(第2規定数)に到達することで有利区間を終了させるので、3枚の賭数が選択されても2枚の賭数が選択されても所定ゲーム数(1500ゲーム)以上の長期間にわたり有利区間に制御されることがないように有利区間が制限されるため、スロットマシン1における射幸性が過度に高まることを防止できる。
【0771】
尚、本実施例では、メイン制御部41は、ゲームの開始時に出玉制御処理を行い、当該有利区間であると特定される場合に有利区間ゲーム数カウンタを更新する処理を行う構成であるが、メイン制御部41は、ゲーム終了時の処理、例えば、リール停止制御処理後のAT状態管理処理等において、有利区間ゲーム数カウンタを更新する処理を行う構成でも良い。ゲーム終了時に有利区間ゲーム数カウンタを更新する処理を行う構成でも、3枚の賭数が設定されている場合でも2枚の賭数が設定されている場合でも有利区間ゲーム数カウンタを更新し、当該有利区間ゲーム数カウンタ値が規定ゲーム数に到達することで有利区間を終了させることにより、所定ゲーム数以上の長期間にわたり有利区間に制御されることがないように有利区間が制限されるため、スロットマシン1における射幸性が過度に高まることを防止できる。
【0772】
本実施例のメイン制御部41は、有利区間に制御しているときに有利区間中である旨を示す有利区間中信号をスロットマシン1の外部へ出力させることが可能であり、RAM41cの所定領域に設定されている有利区間中信号の出力バッファに初期値(0)とは異なる所定値(1)を設定することで有利区間中信号を出力させる構成であり、メイン制御部41は、有利区間中信号の出力バッファの値が初期値であるか否かに基づいて有利区間中信号の出力中か否かを判定することにより有利区間中か否かを判定し、有利区間中であると判定した場合に、出玉制御処理等において有利区間に関する処理を行う構成である。
この構成によれば、メイン制御部41は、有利区間中か否かを有利区間中信号の出力中か否かにより判定するので、有利区間中信号が出力されている状態において有利区間に関する処理が行われることを担保することができる。
【0773】
尚、本実施例では、メイン制御部41は、メイン処理や出玉制御処理において有利区間中信号の出力バッファの値が初期値であるか否かに基づいて有利区間中信号の出力中か否かを判定することにより有利区間中か否かを判定する構成であるが、有利区間中か否かの判定は、有利区間中信号の出力中か否かによって判定するものに限らず、例えば、有利区間中である旨を示す有利区間フラグ、有利区間のゲーム数を計数する有利区間ゲーム数カウンタ等に基づいて判定する構成でも良い。
【0774】
本実施例のメイン制御部41は、有利区間に制御する場合に有利区間中フラグをRAM41cの所定領域に設定することが可能であり、メイン処理の出玉制御処理において、有利区間中信号の出力バッファの値に基づいて有利区間中信号の出力中でないことにより有利区間中でないと判定した場合に、有利区間の開始条件(内部抽選にて有利区間移行役が当選すること)が成立しているか否かを判定し、有利区間の開始条件が成立していると判定した場合に、有利区間に制御する旨を示す有利区間中フラグをRAM41cの所定領域に設定する。その後のメイン処理において、有利区間中フラグがRAM41cの所定領域に設定されているか否かを判定し、当該有利区間中フラグが設定されており有利区間中であると判定した場合に、有利区間中信号の出力バッファに所定値(1)を設定することで、その後のタイマ割込み処理により有利区間中信号を出力させる構成である。
この構成によれば、有利区間中信号の出力中でない場合に、有利区間の開始条件が成立しているかを判定して、有利区間の開始条件が成立している場合に有利区間中フラグをRAM41cの所定領域に設定して有利区間に移行させるので、有利区間中信号が出力されていない状態において有利区間に移行させる処理が行われることを担保することができる。
【0775】
本実施例のメイン制御部41は、スロットマシン1の性能試験を行う試験装置に対して所定の信号を出力する構成であり、有利区間中信号は、試験装置に対して出力され、スロットマシン1の性能試験に用いられる信号である。
この構成によれば、性能試験を行う試験装置に対して有利区間中信号が出力されている状態においてメイン制御部41により有利区間に関する処理が行われること、及び、性能試験を行う試験装置に対して有利区間中信号が出力されていない状態においてメイン制御部41により有利区間に移行させる処理が行われることを担保することができる。
【0776】
尚、本実施例では、メイン制御部41は、メイン処理や出玉制御処理において試験信号としての有利区間中信号の出力バッファの値が初期値であるか否かに基づいて有利区間中信号の出力中か否かを判定することにより有利区間中か否かを判定する構成であるが、有利区間中か否かの判定は、試験信号としての有利区間中信号でなく、呼出ランプやホールコン等の外部機器に対して出力する信号に基づいて有利区間中か否かを判定構成でも良い。
【0777】
本実施例のメイン制御部41は、ゲームの開始時に行う出玉制御処理において、有利区間の移行に関連する有利区間移行関連処理、及び、3枚の賭数(第1賭数)が設定されているか否かを判定する処理を行うことが可能であり、有利区間中信号の出力バッファに初期値(0)が設定されており有利区間外であると判定し、かつ3枚の賭数が設定されていると判定した場合には、有利区間移行関連処理を行う一方、有利区間中信号の出力バッファに初期値(0)が設定されており有利区間外であると判定したが、3枚の賭数が設定されていないと判定した場合には、有利区間移行関連処理を行わない構成である。
この構成によれば、3枚の賭数(第1賭数)が設定されていない場合には有利区間移行関連処理が行われることがないため、遊技者等に対して3枚の賭数(第1賭数)でゲームを行うように促すことができる。
【0778】
本実施例のメイン制御部41は、特別状態(BB1、BB2)を含む複数の遊技状態に制御することが可能であり、ゲームの開始時に行う出玉制御処理において、有利区間の移行に関連する有利区間移行関連処理、及び遊技状態が特別状態(BB1、BB2)に制御されているか否かを判定する処理を行うことが可能であり、有利区間中信号の出力バッファに初期値(0)が設定されており有利区間外であると判定し、かつ特別状態(BB1、BB2)に制御されていないと判定した場合には、有利区間移行関連処理を行う一方、有利区間中信号の出力バッファに初期値(0)が設定されており有利区間外であると判定したが、特別状態(BB1、BB2)に制御されていると判定した場合には、有利区間移行関連処理を行わない構成である。
この構成によれば、遊技状態が特別状態(BB1、BB2)に制御されている場合には有利区間移行関連処理が行われることがないため、遊技者等に対して特別状態(BB1、BB2)以外でゲームを行うことを促すことができる。
【0779】
本実施例のメイン制御部41は、特別状態(BB1、BB2)を含む複数の遊技状態に制御することが可能であり、ゲームの開始時に行う出玉制御処理において、有利区間の移行に関連する有利区間移行関連処理、及び遊技状態が特別状態(BB1、BB2)に制御されているか否かを判定する処理、3枚の賭数(第1賭数)が設定されているか否かを判定する処理を行うことが可能であり、有利区間中信号の出力バッファに初期値(0)が設定されており有利区間外であると判定した場合に、3枚の賭数が設定されていると判定し、かつ特別状態(BB1、BB2)に制御されていないと判定した場合には、有利区間移行関連処理を行う一方、有利区間中信号の出力バッファに初期値(0)が設定されており有利区間外であると判定したが、特別状態(BB1、BB2)に制御されていると判定した場合、または、3枚の賭数が設定されていないと判定した場合には、有利区間移行関連処理を行わない構成である。
この構成によれば、遊技状態が特別状態(BB1、BB2)に制御されている場合、または3枚の賭数(第1賭数)が設定されていない場合には、有利区間移行関連処理が行われることがないため、特別状態(BB1、BB2)以外の遊技状態かつ3枚の賭数(第1賭数)でゲームを行うことを促すことができる。
【0780】
本実施例のメイン制御部41は、遊技者がリール2L、2C、2Rを停止させるために操作するストップスイッチ8L、8C、8Rを備え、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様(停止順)を報知するナビ報知を行うことが可能であり、ゲームの開始時に行う出玉制御処理において、ナビ報知に関連する処理(現在制御している出玉状態に応じてナビ報知を行う処理、ED移行ゲーム数カウンタの更新、出玉状態に応じた処理を行う出玉状態処理等)、及び3枚の賭数(第1賭数)が設定されているか否かを判定する処理を行うことが可能であり、有利区間中信号の出力バッファに所定値(1)が設定されており有利区間中であると判定し、かつ3枚の賭数が設定されていると判定した場合には、ナビ報知に関連する処理を行う一方、有利区間中信号の出力バッファに所定値(1)が設定されており有利区間中であると判定したが、3枚の賭数が設定されていないと判定した場合には、ナビ報知に関連する処理を行わない構成である。
この構成によれば、3枚の賭数(第1賭数)が設定されていない場合には、ナビ報知に関連する処理が行われることがないため、3枚の賭数(第1賭数)でゲームを行うことを促すことができる。
【0781】
本実施例のメイン制御部41は、ゲームにおいて内部抽選にて特別役(BB1、BB2)が当選し、当該特別役が入賞しなかった場合に、当該特別役の当選を次ゲーム以降に持ち越すことが可能であり、2枚の賭数(第2賭数)が設定されていることを条件に内部抽選の対象となる特別役(BB1)の当選が持ち越されているときに、遊技状態をRT1に制御する構成であり、遊技者がリール2L、2C、2Rを停止させるために操作するストップスイッチ8L、8C、8Rを備え、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様(停止順)を報知するナビ報知を行うことが可能であり、ゲームの開始時に行う出玉制御処理において、ナビ報知に関連する処理(現在制御している出玉状態に応じてナビ報知を行う処理、ED移行ゲーム数カウンタの更新、出玉状態に応じた処理を行う出玉状態処理等)、及び遊技状態がRT1に制御されているか否かを判定する処理を行うことが可能であり、有利区間中信号の出力バッファに所定値(1)が設定されており有利区間中であると判定し、かつ遊技状態がRT1に制御されていると判定した場合には、ナビ報知に関連する処理を行う一方、有利区間中信号の出力バッファに所定値(1)が設定されており有利区間中であると判定したが、遊技状態がRT1に制御されていないと判定した場合には、ナビ報知に関連する処理を行わない構成である。
この構成によれば、2枚の賭数(第2賭数)が設定されていることを条件に内部抽選の対象となる特定の特別役(BB1)の当選が持ち越されている特定の遊技状態であるRT1に制御されていない場合には、ナビ報知に関連する処理が行われることがないため、遊技者等に対してRT1でゲームを行うことを促すことができる。
【0782】
本実施例のメイン制御部41は、ゲームにおいて内部抽選にて特別役(BB1、BB2)が当選し、当該特別役が入賞しなかった場合に、当該特別役の当選を次ゲーム以降に持ち越すことが可能であり、2枚の賭数(第2賭数)が設定されていることを条件に内部抽選の対象となる特別役(BB1)の当選が持ち越されているときに、遊技状態をRT1に制御する構成であり、遊技者がリール2L、2C、2Rを停止させるために操作するストップスイッチ8L、8C、8Rを備え、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様(停止順)を報知するナビ報知を行うことが可能であり、ゲームの開始時に行う出玉制御処理において、ナビ報知に関連する処理(現在制御している出玉状態に応じてナビ報知を行う処理、ED移行ゲーム数カウンタの更新、出玉状態に応じた処理を行う出玉状態処理等)、及び遊技状態がRT1に制御されているか否かを判定する処理、3枚の賭数(第1賭数)が設定されているか否かを判定する処理を行うことが可能であり、有利区間中信号の出力バッファに所定値(1)が設定されており有利区間中であると判定した場合に、遊技状態がRT1に制御されていると判定し、かつ3枚の賭数が設定されていると判定した場合には、ナビ報知に関連する処理を行う一方、有利区間中信号の出力バッファに所定値(1)が設定されており有利区間中であると判定した場合に、遊技状態がRT1に制御されていないと判定した場合、または、3枚の賭数が設定されていないと判定した場合には、ナビ報知に関連する処理を行わない構成である。
この構成によれば、3枚の賭数(第1賭数)が設定されていない場合、2枚の賭数(第2賭数)が設定されていることを条件に内部抽選の対象となる特定の特別役(BB1)の当選が持ち越されている特定の遊技状態であるRT1に制御されていない場合には、ナビ報知に関連する処理が行われることがないため、遊技者等に対して3枚の賭数(第1賭数)かつRT1でゲームを行うことを促すことができる。
【0783】
本実施例のメイン制御部41は、RAM41cの所定領域にED移行ゲーム数を計数するED移行ゲーム数カウンタを備え、有利区間においてゲームが行われる毎にED移行ゲーム数カウンタを1ずつ加算して更新し、当該ED移行ゲーム数カウンタに基づいて特定されるED移行ゲーム数が所定ゲーム数(第4規定数)に到達することで、有利区間が終了するまでの期間にわたりナビ報知の制御が行われるED制御を行うことが可能であり、3枚の賭数(第1賭数)が設定されていると判定され、かつ遊技状態がRT1に制御されていると判定されたゲームでは、ED移行ゲーム数カウンタを更新する処理を行う一方、3枚の賭数(第1賭数)が設定されていないと判定されたゲーム、または遊技状態がRT1に制御されていないと判定されたゲームでは、ED移行ゲーム数を更新する処理を行わない構成である。
この構成によれば、3枚の賭数(第1賭数)が設定されていないゲーム、または、2枚の賭数(第2賭数)が設定されていることを条件に内部抽選の対象となる特定の特別役(BB1)の当選が持ち越されている特定の遊技状態であるRT1に制御されていないゲームでは、所定ゲーム数(第4規定数)に到達することでED制御が行われることとなるED移行ゲーム数を更新する処理が行われないため、遊技者等に対して3枚の賭数(第1賭数)かつRT1でゲームを行うことを促すことができる。
【0784】
本実施例のスロットマシン1は、遊技者の選択により賭数を3枚(第1賭数)または2枚(第2賭数)のいずれかに設定することが可能であり、3枚の賭数が設定されているときにも2枚の賭数が設定されているときにもゲームを実行可能な構成であり、メイン制御部41は、遊技区間を遊技者にとって有利な有利区間に制御することが可能であり、RAM41cの所定領域に有利区間に制御されたゲーム数を計数する有利区間ゲーム数カウンタと、有利区間が開始されてから払い出されたメダルの純増枚数(有利区間中に払い出されたメダルの総枚数から賭数の設定に用いられたメダルの総枚数を減算して得られるメダルの増加枚数)を計数する純増枚数カウンタを備え、有利区間においてゲームが行われる毎に有利区間ゲーム数カウンタを1ずつ加算して更新することが可能であり、すべてのリール2L、2C、2Rの回転が停止された後に行うAT状態管理処理において、有利区間ゲーム数カウンタが初期値(0)以外の値である場合に、3枚の賭数が設定されているか2枚の賭数が設定されているかに関わらず、純増枚数カウンタを更新し、当該純増枚数カウンタを更新した後、当該純増枚数カウンタの値が第1規定数を超えたか否かを判定し、第1規定数を超えたと判定した場合には、有利区間を終了させるように制御する構成である。
この構成によれば、遊技者の選択により3枚の賭数(第1賭数)が設定されている場合でも2枚の賭数(第2賭数)が設定されている場合でもゲームを実行可能な構成において、有利区間においては、第1賭数が設定されている場合でも第2賭数が設定されている場合でもメダル枚数カウンタが更新され、当該メダル枚数カウンタ値が第1規定数を超えることで有利区間を終了させるので、3枚の賭数(第1賭数)が選択されても2枚の賭数(第2賭数)が選択されても有利区間においてメダルの純増枚数が過度に多くなってしまうことがないように制限されるため、スロットマシン1における射幸性が高まることを防止できる。
【0785】
本実施例のスロットマシン1は、遊技者の選択により賭数を3枚(第1賭数)または2枚(第2賭数)のいずれかに設定することが可能であり、3枚の賭数が設定されているときにも2枚の賭数が設定されているときにもゲームを実行可能な構成であり、メイン制御部41は、遊技区間を遊技者にとって有利な有利区間に制御することが可能であり、遊技者がリール2L、2C、2Rを停止させるために操作するストップスイッチ8L、8C、8Rを備え、有利区間中においてストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様(停止順)を報知するナビ報知を行うことが可能であり、すべてのリール2L、2C、2Rの回転が停止された後に行うAT状態管理処理において、ナビ報知に関連する処理(ED制御を行う処理、出玉状態に関連する処理を行う出玉状態関連処理等)、及び3枚の賭数(第1賭数)が設定されているか否かを判定する処理を行うことが可能であり、有利区間ゲーム数カウンタが初期値(0)以外の値であると判定し、かつ3枚の賭数が設定されていると判定した場合には、ナビ報知に関連する処理を行う一方、有利区間ゲーム数カウンタが初期値(0)以外の値であると判定したが、3枚の賭数が設定されていないと判定した場合には、ナビ報知に関連する処理を行わない構成である。
この構成によれば、3枚の賭数(第1賭数)が設定されていないゲームでは、ナビ報知に関連する処理が行われることがないため、遊技者等に対して3枚の賭数(第1賭数)でゲームを行うことを促すことができる。
【0786】
尚、本実施例では、メイン制御部41は、AT状態管理処理において、有利区間ゲーム数カウンタが初期値(0)であるか否かに基づいて有利区間中であるか否かを判定する構成であるが、有利区間中か否かの判定は、有利区間ゲーム数カウンタが初期値(0)であるか否かによって判定するものに限らず、例えば、有利区間中である旨を示す有利区間フラグ、有利区間中信号の出力バッファ等に基づいて判定する構成でも良い。
【0787】
本実施例のメイン制御部41は、ゲームにおいて内部抽選にて特別役(BB1、BB2)が当選し、当該特別役が入賞しなかった場合に、当該特別役の当選を次ゲーム以降に持ち越すことが可能であり、2枚の賭数(第2賭数)が設定されていることを条件に内部抽選の対象となる特別役(BB1)の当選が持ち越されているときに、遊技状態をRT1に制御する構成であり、遊技区間を遊技者にとって有利な有利区間に制御することが可能であり、遊技者がリール2L、2C、2Rを停止させるために操作するストップスイッチ8L、8C、8Rを備え、有利区間中においてストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様(停止順)を報知するナビ報知を行うことが可能であり、すべてのリール2L、2C、2Rの回転が停止された後に行うAT状態管理処理において、ナビ報知に関連する処理(ED制御を行う処理、出玉状態に関連する処理を行う出玉状態関連処理等)、及び遊技状態がRT1に制御されているか否かを判定する処理を行うことが可能であり、有利区間ゲーム数カウンタが初期値(0)以外の値であると判定し、かつ遊技状態がRT1に制御されていると判定した場合には、ナビ報知に関連する処理を行う一方、有利区間ゲーム数カウンタが初期値(0)以外の値であると判定したが、遊技状態がRT1に制御されていないと判定した場合には、ナビ報知に関連する処理を行わない構成である。
この構成によれば、2枚の賭数(第2賭数)が設定されていることを条件に内部抽選の対象となる特定の特別役(BB1)の当選が持ち越されている特定の遊技状態であるRT1に制御されていない場合には、ナビ報知に関連する処理が行われることがないため、遊技者等に対してRT1でゲームを行うことを促すことができる。
【0788】
本実施例のメイン制御部41は、ゲームにおいて内部抽選にて特別役(BB1、BB2)が当選し、当該特別役が入賞しなかった場合に、当該特別役の当選を次ゲーム以降に持ち越すことが可能であり、2枚の賭数(第2賭数)が設定されていることを条件に内部抽選の対象となる特別役(BB1)の当選が持ち越されているときに、遊技状態をRT1に制御する構成であり、遊技区間を遊技者にとって有利な有利区間に制御することが可能であり、遊技者がリール2L、2C、2Rを停止させるために操作するストップスイッチ8L、8C、8Rを備え、有利区間中においてストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様(停止順)を報知するナビ報知を行うことが可能であり、すべてのリール2L、2C、2Rの回転が停止された後に行うAT状態管理処理において、ナビ報知に関連する処理(ED制御を行う処理、出玉状態に関連する処理を行う出玉状態関連処理等)、及び遊技状態がRT1に制御されているか否かを判定する処理、3枚の賭数が設定されているか否かを判定する処理を行うことが可能であり、有利区間ゲーム数カウンタが初期値(0)以外の値であると判定した場合に、遊技状態がRT1に制御されていると判定し、かつ3枚の賭数が設定されていると判定した場合には、ナビ報知に関連する処理を行う一方、有利区間ゲーム数カウンタが初期値(0)以外の値であると判定した場合に、遊技状態がRT1に制御されていないと判定した場合、または3枚の賭数が設定されていないと判定した場合には、ナビ報知に関連する処理を行わない構成である。
この構成によれば、3枚の賭数(第1賭数)が設定されていない場合、または2枚の賭数(第2賭数)が設定されていることを条件に内部抽選の対象となる特定の特別役(BB1)の当選が持ち越されている特定の遊技状態であるRT1に制御されていない場合には、ナビ報知に関連する処理が行われることがないため、遊技者等に対して3枚の賭数(第1賭数)かつRT1でゲームを行うことを促すことができる。
【0789】
本実施例のメイン制御部41は、RAM41cの所定領域に有利区間が開始されてから払い出されたメダルの純増枚数(有利区間中に払い出されたメダルの総枚数から賭数の設定に用いられたメダルの総枚数を減算して得られるメダルの増加枚数)を計数する純増枚数カウンタを備え、有利区間においてゲームが行われる毎に純増枚数カウンタを更新し、当該純増枚数カウンタに基づいて特定されるメダルの純増枚数が第3規定数を超えることで、有利区間が終了するまでの期間にわたりナビ報知の制御が行われるED制御を行うことが可能であり、3枚の賭数(第1賭数)が設定されていると判定され、かつ遊技状態がRT1に制御されていると判定されたゲームでは、純増枚数カウンタの値が第3規定数を超えたか否かを判定する一方、3枚の賭数(第1賭数)が設定されていないと判定されたゲーム、または遊技状態がRT1に制御されていないと判定されたゲームでは、純増枚数カウンタの値が第3規定数を超えたか否かを判定しない構成である。
この構成によれば、3枚の賭数(第1賭数)が設定されていない場合、2枚の賭数(第2賭数)が設定されていることを条件に内部抽選の対象となる特定の特別役(BB1)の当選が持ち越されている特定の遊技状態であるRT1に制御されていない場合には、第3規定数を超えることでED制御が行われることとなる純増枚数カウンタの値が第3規定数を超えたか否かの判定が行われないため、遊技者等に対して3枚の賭数(第1賭数)かつRT1でゲームを行うことを促すことができる。
【0790】
本実施例のスロットマシン1は、遊技者の選択により賭数を3枚(第1賭数)または2枚(第2賭数)のいずれかに設定することが可能であり、メイン制御部41は、ゲームにおいて内部抽選にて特別役(BB1、BB2)が当選し、当該特別役が入賞しなかった場合に、当該特別役の当選を次ゲーム以降に持ち越すことが可能であり、特別役には、2枚の賭数(第2賭数)が設定されていることを条件に内部抽選の対象となる特定の特別役(BB1)を含み、3枚の賭数(第1賭数)が設定されているゲームでは、内部抽選の当選結果に関わらず特定の特別役(BB1)が入賞する図柄組合せをリール2L、2C、2Rに導出不能に制御する構成である。
この構成によれば、特定の特別役(BB1)の当選が持ち越されている遊技状態であるRT1において、3枚の賭数(第1賭数)を選択してゲームが行われることで内部抽選にていずれの役も当選しない場合であっても、特定の特別役(BB1)が入賞してしまうことがなく、遊技状態をRT1に維持させることができる。
【0791】
本実施例のスロットマシン1は、遊技者の選択により賭数を3枚(第1賭数)または2枚(第2賭数)のいずれかに設定することが可能であり、メイン制御部41は、RAM41cの所定領域にクレジットを記憶することが可能であり、遊技者がクレジットを用いて賭数を設定する際に操作するMAXBETスイッチ6を備える構成であり、既に設定されている賭数とクレジットを合算して3枚の賭数を設定可能な場合にMAXBETスイッチ6の操作を有効に受け付ける構成である。
この構成によれば、クレジットの残数が3枚の賭数を設定するのに十分な状況では、遊技者等によりMAXBETスイッチ6が操作されることで3枚の賭数(第1賭数)が設定される一方、クレジットの残数が3枚の賭数を設定するのに不足する状況では、MAXBETスイッチ6の操作を有効に受け付けず、2枚の賭数(第2賭数)しか設定できない状況でMAXBETスイッチ6が操作されても2枚の賭数が設定されることがないため、極力第2賭数でゲームが行われることを防止できる。
【0792】
本実施例のスロットマシン1は、遊技者の選択により賭数を3枚(第1賭数)または2枚(第2賭数)のいずれかに設定することが可能であり、メイン制御部41は、遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の設定値(1~6)のうちから、いずれかの設定値を選択して設定することが可能な設定変更状態、及び現在設定されている設定値を確認可能な設定確認状態に制御することが可能であるとともに、ゲームにおいて内部抽選にて特別役(BB1、BB2)が当選し、当該特別役が入賞しなかった場合に、当該特別役の当選を次ゲーム以降に持ち越すことが可能な構成であり、特別役には、3枚の賭数(第1賭数)が設定されていることを条件に内部抽選の対象となる特定の特別役(BB2)と、2枚の賭数(第2賭数)が設定されていることを条件に内部抽選の対象となる特定の特別役(BB1)を含み、メイン制御部41は、2枚の賭数(第2賭数)が設定されていることを条件に内部抽選の対象となる特別役(BB1)の当選が持ち越されているときには、特別役の当選が持ち越されている旨を示唆する状態表示を行う一方で、3枚の賭数(第1賭数)が設定されていることを条件に内部抽選の対象となる特別役(BB2)の当選が持ち越されているときには、状態表示を行わず、状態表示を開始した後は、設定変更状態に制御する場合にも、設定確認状態に制御する場合にも状態表示を継続する構成である。
この構成によれば、状態表示が行われることで、2枚の賭数(第2賭数)が設定されていることを条件に内部抽選の対象となる特定の特別役(BB1)の当選が持ち越されていることが報知されるとともに、状態表示は、一度開始されると設定変更状態や設定確認状態に制御されても継続されるので、設定変更状態や設定確認状態に制御されている状況であっても特定の特別役(BB1)の当選が持ち越されていることを確認することができる。
【0793】
本実施例のメイン制御部41は、2枚の賭数(第2賭数)が設定されていることを条件に内部抽選の対象となる特別役(BB1)の当選が持ち越されているときには、特別役の当選が持ち越されている旨を示唆する状態表示を行うことが可能であり、2枚の賭数(第2賭数)が設定されていることを条件に内部抽選の対象となる特別役(BB1)が当選したゲームにおいてストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となる前に状態表示を開始し、当該ゲームにおいて特別役(BB1)が入賞した場合には状態表示を終了する一方、当該ゲームにおいて特別役(BB1)が入賞しなかった場合には状態表示を継続するように制御する構成である。
この構成によれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となる前に状態表示が開始されることとなるため、状態表示の有無を確認してからストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を行うことが可能となる。また、特別役(BB2)が入賞した場合にはそのゲームで状態表示を終了するので、特別役(BB2)の当選している状態が終了したことを直ちに確認することができる。
【0794】
本実施例のメイン制御部41は、一単位のゲーム毎に繰り返し実行されるメイン処理と、当該メイン処理に一定時間間隔毎に割り込んで処理を行うタイマ割込処理を実行可能であり、メイン処理において実行する内部抽選処理により、内部抽選にて特別役(BB1、BB2)が当選しているか否かを判定し、特別役が当選していると判定した場合に、特別役(BB1、BB2)が当選している旨を示す内部当選フラグをRAM41cの所定領域に設定し、タイマ割込み処理において実行するLEDダイナミック表示処理により、内部当選フラグを参照して当該内部当選フラグに基づき特定の特別役(BB1)が当選しているか否かを判定し、当該特別役(BB1)が当選していると判定した場合に、状態表示LED17を点灯状態とする制御信号を所定の出力ポートから出力させて状態表示LED17を点灯状態に制御することで、状態表示を開始させる構成である。
この構成によれば、内部抽選により特別役(BB1)が当選したときに、すぐに状態表示が開始されるため、状態表示が行われているか否かを確認する時間を、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となる前に十分に確保することができる。
【0795】
本実施例のメイン制御部41は、メイン処理において実行する内部抽選処理で、特別役(BB1、BB2)が当選していると判定した場合に、特別役(BB1、BB2)が当選している旨を示す内部当選フラグをRAM41cの所定領域に設定した後、タイマ割込み処理が所定回数行われるまで待機する割込みBC回待ち処理を行い、その後、リールの回転を開始させるリール回転開始処理及びリールの停止制御を行うリール停止制御処理を実行し、当該リール停止制御処理において回転制御中のリールが定速状態であることを条件に該当するストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化する構成であり、内部抽選処理にて内部当選フラグが設定された後、タイマ割込処理が1回以上行われた後にストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化する。
この構成によれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となる前に確実に状態報知を開始させることができる。
【0796】
本実施例のメイン制御部41は、有利区間において遊技者にとって有利なATに制御することが可能であり、ATに制御しているときに、ATに制御されている旨を示すAT信号をスロットマシン1の外部に出力することが可能であり、有利区間に制御しているときに、区間表示LED19を点灯状態に制御することで有利区間に制御されている旨を示す区間表示を行うことが可能な構成であり、遊技区間を通常区間から有利区間へ移行させた後、ATの制御を開始するときに区間表示を開始し、ATの制御を開始するときに、区間表示を開始した後に、AT信号を外部に出力するように制御する構成である。
この構成によれば、区間表示が開始される前に、AT信号を受信した外部機器にて有利区間に制御されていることが特定できてしまうことを防止できる。
【0797】
本実施例のメイン制御部41は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様を指定する操作情報信号を試験装置に対して出力することが可能な構成であり、ATの制御を開始するときに、出玉制御処理において区間表示LED19の出力バッファに所定値(ON状態を示す1)を設定し、タイマ割込み処理により区間表示LED19を点灯状態に制御して有利区間に制御している旨を示す区間表示を開始させた後、メイン処理において操作情報信号出力処理を行うことで、区間表示を開始した後に操作情報信号を試験装置に対して出力する構成である。
この構成によれば、区間表示を開始した後に操作情報信号が試験装置に対して出力されるので、区間表示が行われている状態で指定された操作態様であることが試験装置側で特定可能となる。
【0798】
本実施例のメイン制御部41は、有利区間において遊技者にとって有利なATに制御することが可能であり、有利区間に制御しているときに、区間表示LED19を点灯状態に制御することで有利区間に制御されている旨を示す区間表示を行うこと、及び有利区間に制御されている旨を示す有利区間中信号を試験装置に対して出力することが可能であり、有利区間を終了するときには有利区間に関する情報を初期化する有利区間データ初期化処理を行う構成であり、有利区間を終了するときに有利区間データ初期化処理により有利区間中信号の出力バッファを含む有利区間関連情報を初期化して、有利区間中信号をOFF状態に制御した後に、区間表示を終了させる構成である。
この構成によれば、有利区間関連情報が初期化され、有利区間中信号がOFF状態となった後に、区間表示が終了されるので、有利区間関連情報が初期化されていない状態で区間表示が終了してしまうことを防止できるとともに、有利区間中信号の出力バッファが初期化されていないことにより試験装置に対して有利区間中信号が出力されているにも関わらず、区間表示が終了してしまうことを防止できる。
【0799】
本実施例のメイン制御部41は、有利区間を終了するときには有利区間に関する情報を初期化する有利区間データ初期化処理を行う構成であり、有利区間関連情報には、有利区間中信号の出力状態が設定される有利区間中信号の出力バッファを含み、メイン処理におけるゲーム終了時の処理において(Sb83~Sb85)、有利区間関連情報を初期化した後、有利区間中信号の出力バッファにOFF状態を示す初期値(0)が設定されているか否かを判定し、OFF状態が設定されていると判定した場合に有利区間中信号をOFF状態に制御する構成である。
この構成によれば、有利区間を終了するときに有利区間関連情報を初期化することで有利区間中信号の出力バッファを個別にOFF状態に設定することなく有利区間中信号をOFF状態にすることができる。
【0800】
本実施例のメイン制御部41は、有利区間中信号の出力バッファにON状態を示す所定り(1)を設定することで、有利区間に制御されている旨を示す有利区間中信号を試験装置に対して出力することが可能な構成であり、メイン処理において、RAM41cの所定領域に設定される有利区間中フラグに基づいて、ゲーム終了時に有利区間中か否かを判定し、有利区間中と判定した場合に有利区間中信号の出力バッファにON状態を示す所定値(1)を設定し、有利区間中信号の出力バッファに当該所定値が設定されている場合に有利区間中信号を出力する構成である。
この構成によれば、ゲーム終了毎に有利区間中か否かを判定し、有利区間中と判定された場合には、有利区間中信号の出力バッファにON状態が設定されるので、有利区間中であるにも関わらず有利区間中信号がOFF状態になることを防止できる。
【0801】
本実施例のメイン制御部41は、有利区間に制御しているときに、区間表示LED19を点灯状態に制御することで有利区間に制御されている旨を示す区間表示を行うことが可能であり、区間表示を行っている状態でスロットマシン1への電力供給が停止した後、電力供給が開始されたときに、区間表示を再開することが可能であり、サブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が停止した後、電力供給が開始されたときに、メイン制御部41側にて区間表示が再開されている場合には、区間表示が行われている状態に復帰した旨を示す区間表示LED点灯中報知を液晶表示器51を用いて行うことが可能な構成であり、サブ制御部91は、スロットマシン1への電力供給が開始された後、一定期間にわたり区間表示LED点灯中報知を行い、当該一定時間が経過した後に区間表示LED点灯中報知を終了させる構成である。
この構成によれば、電力供給が開始したときに区間表示が行われている状態に復帰した場合には、その旨を示す区間表示LED点灯中報知が行われるため、遊技店の開店時等に店員に対して区間表示が行われている状態であることを認識させることができる。一方で、区間表示LED点灯中報知は一定時間で終了されるので、遊技店が開店された後、区間表示LED点灯中報知が継続されて、遊技者等に対して違和感を与えてしまうことを防止できる。
【0802】
本実施例のメイン制御部41は、有利区間において遊技者にとって有利なATに制御することが可能であり、有利区間に制御しているときに、区間表示LED19を点灯状態に制御することで有利区間に制御されている旨を示す区間表示を行うことが可能であり、サブ制御部91は、メイン制御部41側にて区間表示が行われている状態でスロットマシン1への電力供給が停止した後、遊技店の営業時間外の特定時刻(本実施例では、午前4時)を跨いで電力供給が開始して区間表示が行われている状態に復帰した場合には、区間表示が行われている状態に復帰した旨を示す区間表示LED点灯中報知を液晶表示器51を用いて行う一方、特定時刻を跨がずに電力供給が開始して区間表示が行われている状態に復帰した場合には区間表示LED点灯中報知を行わない構成である。
この構成によれば、営業時間中に一時的に電断が発生しても遊技者等に対して違和感を与えてしまうことを防止できる。
【0803】
尚、本実施例では、サブ制御部91は、RTCを備え、スロットマシン1への電力供給が停止したときの時刻と、電力供給が開始されたときの時刻を特定可能であり、メイン制御部41側にて区間表示が行われている状態でスロットマシン1への電力供給が停止した後、遊技店の営業時間外の特定時刻(本実施例では、午前4時)を跨いで電力供給が開始し、メイン制御部41側にて区間表示が行われている状態に復帰した場合には、区間表示LED点灯中報知を行う構成であるが、サブ制御部91は、電力供給が開始されて区間表示が行われている状態に復帰した場合には、スロットマシン1への電力供給が停止されたときの時刻と、電力供給が開始されたときの時刻に基づいて、スロットマシン1への電力供給が停止されたときからの経過時間が一定時間以内である場合には、区間表示LED点灯中報知を行わず、当該経過時間が一定時間を超えている場合には、区間表示LED点灯中報知を行う構成でも良い。このような構成でも、営業時間中に一時的に電断が発生しても遊技者等に対して違和感を与えてしまうことを防止できる。
【0804】
本実施例のサブ制御部91は、メイン制御部41側にて区間表示が行われている状態でスロットマシン1への電力供給が停止した後、遊技店の営業時間外の特定時刻(本実施例では、午前4時)を跨いで電力供給が開始して区間表示が行われている状態に復帰した場合には、区間表示が行われている状態に復帰した旨を示す区間表示LED点灯中報知を液晶表示器51を用いて行う構成であり、区間表示LED点灯中報知を行っている状態でゲームが開始された場合に、一定時間経過を待たずに区間表示LED点灯中報知を終了させる構成である。
この構成によれば、一定時間経過していない状態でもゲームを開始することで区間表示LED点灯中報知を終了させることができる。
【0805】
本実施例のメイン制御部41は、有利区間のうちAT開始後の区間においてのみ、区間表示LED19を点灯状態に制御することで有利区間に制御されている旨を示す区間表示を行い、区間表示が行われていないAT開始前の区間で電力供給が停止した後、電力供給が開始して区間表示が行われていない状態に復帰可能な構成であり、サブ制御部91は、メイン制御部41側にて区間表示が行われていないAT開始前の区間で電力供給が停止した後、電力供給が開始して区間表示が行われていない状態に復帰した場合に、区間表示LED点灯中報知を行わない構成である。
この構成によれば、有利区間に制御されており、かつ区間表示が行われている状態に復帰した場合のみ、遊技店の店員に対して区間表示が行われている状態で開店することを認識させることができる。
【0806】
本実施例のメイン制御部41は、内部抽選にて特別役(BB1、BB2)が当選し、当選した特別役が入賞しなかった場合に、当該特別役の当選を次ゲーム以降に持ち越すことが可能であり、スロットマシン1への電力供給が開始したときに、遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の設定値(1~6)のうちからいずれかの設定値を設定可能とするための設定キースイッチによる設定操作、またはリセット/設定スイッチによる初期化操作がされていることを契機として有利区間に関する情報を初期化する有利区間関連情報初期化処理を行うことが可能であり、特定の特別役(BB1)の当選が持ち越されている遊技状態であるRT1においてゲームが行われることでメダルの払出率が適正となる構成であり、有利区間関連情報初期化処理では、スロットマシン1への電力供給が開始したときに、設定キースイッチがON状態に操作されていることを契機とする場合にも、リセット/設定スイッチがON状態に操作されていることを契機とする場合にも、有利区間関連情報を初期化し、有利区間及び区間表示を終了させる一方、遊技状態に関する情報は初期化せずにRT1を維持する構成である。
この構成によれば、設定操作を行っている状態で電力供給を開始した場合にも、初期化操作を行っている状態で電力供給を開始した場合にも、有利区間を終了させかつ区間表示を終了させることができる一方で、遊技状態RT1は維持されるので、有利区間及び区間表示を終了させる度に遊技状態をRT1とするための作業をすることを要しない。
【0807】
本実施例のスロットマシン1は、遊技の制御を行うメイン制御部41と、当該メイン制御部41から送信されたコマンドに基づいて演出の制御を行うサブ制御部91と、遊技者がリール2L、2C、2Rを停止させるために操作するストップスイッチ8L、8C、8Rと、を備え、メイン制御部41は、内部抽選の当選結果を特定可能な内部当選コマンドを送信することが可能であり、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様を指示するナビ報知を行うことが可能な構成であり、内部抽選対象役は、3枚の賭数(第1賭数)が設定されているときにも、2枚の賭数(第2賭数)が設定されているときにも、多枚ベル、3枚役を含む複数種類の役を含み、3枚の賭数が設定されているか、2枚の賭数が設定されているかに関わらず、内部抽選にて多枚ベル、3枚役のいずれかが当選し、当選した多枚ベル、3枚役に対応する停止順でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作された場合には、対応する停止順以外の停止順でストップスイッチ8L、8C、8Rが操作された場合よりも遊技者にとって有利となるようにリールの停止制御を行い、内部抽選にて多枚ベル、3枚役のいずれかが当選した場合に、当選した多枚ベル、3枚役に対応する停止順を報知するナビ報知を行うことが可能であり、3枚の賭数(第1賭数)が設定されているか、2枚の賭数(第2賭数)が設定されているか、に関わらず、内部抽選にて多枚ベル、3枚役のいずれかが当選した場合に、内部抽選にて多枚ベルまたは3枚役が当選したことは特定可能であるが、当選した役の種類を特定不能となるように当選した役のグループを特定可能な内部当選コマンドを送信する構成である。
この構成によれば、3枚の賭数(第1賭数)が設定されている場合でも、2枚の賭数(第2賭数)が設定されている場合でも、内部抽選にて多枚ベル及び3枚役のいずれもが抽選対象となり、いずれかの種類の役が当選した場合には、当選した役の種類に応じて遊技者にとって有利となる操作態様が変化することとなるが、3枚の賭数(第1賭数)が設定されている場合でも、2枚の賭数(第2賭数)が設定されている場合でも、内部抽選にて多枚ベルまたは3枚役が当選したことは特定可能であるが、当選した役の種類を特定不能となるように当選した役のグループを特定可能な内部当選コマンドを送信するので、3枚の賭数(第1賭数)が設定されている場合でも、2枚の賭数(第2賭数)が設定されている場合でも、内部当選コマンドから遊技者にとって有利な操作態様が特定されてしまうことを防止できる。
【0808】
本実施例のメイン制御部41が、有利区間において内部抽選にて多枚ベル、3枚役のいずれかが当選したとなった場合に、3枚の賭数(第1賭数)が設定されている場合には当選している多枚ベル、3枚役の種類に対応する操作態様(正解の停止順)をナビ報知可能であり、2枚の賭数(第2賭数)が設定されている場合には当選している多枚ベル、3枚役の種類に対応する操作態様(正解の停止順)を報知しない構成である。
この構成によれば、2枚の賭数(第2賭数)が設定されている場合には、ナビ報知により遊技者にとって有利な操作態様が指示されないため、3枚の賭数(第2賭数)でゲームを行うことを促すことができる。
【0809】
本実施例のメイン制御部41は、3枚の賭数(第1賭数)が設定されている場合にも、2枚の賭数(第2賭数)が設定されている場合にも、内部抽選にて多枚ベル、3枚役のいずれかが当選した場合に、内部抽選にて多枚ベルまたは3枚役が当選したことは特定可能であるが、当選した役の種類を特定不能となるように当選した役のグループを特定可能な内部当選コマンドを送信する構成であり、当選した役の種類を特定不能となる内部当選コマンドを共通のグループ情報設定処理により作成して送信する構成である。
この構成によれば、3枚の賭数(第1賭数)が設定されている場合にも、2枚の賭数(第2賭数)が設定されている場合にも、内部抽選にて多枚ベルまたは3枚役が当選した場合には共通のグループ情報設定処理により内部当選コマンドが作成されるので、コマンドの作成に係るプログラム容量を削減できる。
【0810】
[作用効果4]
本実施例のメイン制御部41は、一単位のゲーム毎に繰り返し実行されるメイン処理と、当該メイン処理に一定時間間隔毎に割り込んで処理を行うタイマ割込処理を実行可能であり、メイン処理において特定処理(遊技プログラムによる処理)及び特別処理(非遊技プログラムによる処理)を行うことが可能であり、タイマ割込処理において1ゲームの最小時間を計時するための一遊技時間管理用タイマ値を更新する処理を行う構成であり、特定処理(遊技プログラム)の実行中には、タイマ割込処理が実行されることがあり、一遊技時間管理用タイマ値が更新される一方、特別処理(非遊技プログラム)の実行中は、タイマ割込処理が実行されることがなく、一遊技時間管理用タイマ値が更新されない構成である。
この構成によれば、一遊技時間管理用タイマ値を極力更新させることで、遊技の進行を円滑に行える一方で、不正の検知に関連する特別処理が行われている期間については、一遊技時間管理用タイマ値の更新を行わないことで、一遊技時間管理用タイマ値を更新する処理と特別処理が混在することがない。
【0811】
本実施例のメイン制御部41は、メイン処理において、1ゲームのうちのリール回転開始前において一遊技時間管理用タイマ値が特定値(0)であるか否かを判定し、一遊技時間管理用タイマ値が特定値(0)でないと判定した場合には、一遊技時間管理用タイマ値が特定値(0)であると判定されるまでゲームを進行させずに待機し、一遊技時間管理用タイマ値が特定値(0)であると判定した場合に、ゲームを進行させる構成である。
この構成によれば、一遊技時間管理用タイマ値に基づいて最小時間が経過したことが特定されるまでゲームを進行させず、最小時間が経過することでゲームを進行させることで、1ゲームあたりの最小時間を確保することができる。
【0812】
本実施例のメイン制御部41は、メイン処理において一遊技時間管理用タイマ値が特定値(0)であると判定した場合に、タイマ割込処理の実行を禁止して、一遊技時間管理用タイマに初期値(4.1秒に相当する値)を設定する構成である。
この構成によれば、一遊技時間管理用タイマに初期値を設定する際にタイマ割込み処理が禁止されるので、一遊技時間管理用タイマに初期値を設定している最中に当該一遊技時間管理用タイマ値が更新されてしまうことを防止できる。
【0813】
本実施例のメイン制御部41は、スロットマシン1の外部から投入されたメダルが流下し、流下したメダルを内方側のホッパータンク34aへ案内するメダル受入流路29bを有するメダルセレクタ29を備え、特別処理(非遊技プログラム)として、メダル受入流路29bを流下するメダルの通過状況を監視するメダルセンサ処理を実行する構成である。
この構成によれば、メダル受入流路29bを流下するメダルの通過状況を監視するメダルセンサ処理が行われている期間については、一遊技時間管理用タイマ値の更新を行わないことで、一遊技時間管理用タイマ値を更新する処理と不正の検知に関連するメダルセンサ処理が混在することがない。
【0814】
本実施例のメイン制御部41は、メダルセンサ処理において異常が検知された場合にエラーコードを設定し、当該エラーコードが設定されているか否かを特定処理(遊技プログラム)において判定し、エラーコードが設定されていると判定した場合にはエラー処理を実行し、エラー処理の実行中には、タイマ割込み処理を行うことが可能であり一遊技時間管理用タイマ値が更新される構成である。
この構成によれば、エラー処理の実行中は一遊技時間管理用タイマ値が更新されるので、エラー処理中にも最小時間の経過状況が計時されることとなり、エラー処理の終了後、円滑にゲームを行うことができる。
【0815】
本実施例のメイン制御部41は、エラーが検出された場合にエラー処理を行う構成であり、エラー処理は、スロットマシン1への電力供給を継続させたままリセットスイッチ23によるリセット操作を行うことで、電力供給を遮断することなく終了させることが可能である構成である。
この構成によれば、エラー処理が行われても円滑にゲームを再開させることができる。
【0816】
本実施例のメイン制御部41は、遊技者にとって有利な特別状態(BB1、BB2)に制御することが可能であり、遊技者に対して付与されたメダルの総累計払出枚数に対する特別状態において付与されたメダルの総累計役物払出枚数の比率である役物払出比率、遊技者に対して付与されたメダルの総累計払出枚数に対する特別状態において付与されたメダルの総累計連続役物払出枚数の比率である連続役物比率を表示する遊技機情報表示器50を備え、特別処理(非遊技プログラム)として、役物払出比率、連続役物比率を算出するためのデータである総累計払出枚数、総累計役物払出枚数、総累計連続役物払出枚数を更新する役比モニタ用データ処理を実行可能な構成である。
この構成によれば、役物払出比率、連続役物比率を算出するデータを更新する役比モニタ用データ処理が行われている期間については、一遊技時間管理用タイマ値の更新を行わないことで、一遊技時間管理用タイマ値を更新する処理と遊技機の性能表示に関連する役比モニタ用データ処理が混在することがない。
【0817】
本実施例のメイン制御部41は、役比モニタ用データ処理において、特別状態(BB1、BB2)に制御されているか否かを判定し、特別状態に制御されていると判定した場合に、遊技者に対して付与されたメダルの総枚数を計数する総累計払出枚数カウンタが上限値に到達しているか否かを判定し、上限値に到達していると判定した場合には、総累計役物払出枚数、総累計連続役物払出枚数を更新する処理を行わず、上限値に到達していないと判定した場合には、総累計役物払出枚数、総累計連続役物払出枚数を更新する処理を行う構成である。
この構成によれば、遊技者に対して付与されたメダルの総枚数を更新できない状況に関わらず、総累計役物払出枚数、総累計連続役物払出枚数が更新されてしまうことを防止できる。
【0818】
本実施例のメイン制御部41は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様を指示するナビ報知を行うことが可能であり、遊技機情報表示器50では、役物払出比率、連続役物払出比率に加え、遊技者に対して付与されたメダルの総数である総累計払出枚数に対する総累計役物払出枚数、総累計連続役物払出枚数と、ナビ報知により遊技者にとって有利な操作態様が指示されたことにより付与されたメダルの払出枚数であるナビ報知あり時の払出枚数とを合算した累計指示込役物払出枚数の比率である指示込役物比率を表示可能であり、役比モニタ用データ処理では、遊技者に対して付与されたメダルの総枚数を計数する総累計払出枚数カウンタが上限値に到達しているか否かを判定し、上限値に到達していると判定した場合には、累計指示込役物払出枚数を更新する処理を行わず、上限値に到達していないと判定した場合には、特別状態(BB1、BB2)に制御されているか否かを判定し、特別状態に制御されていると判定した場合には、累計指示込役物払出枚数を更新する処理を行い、特別状態に制御されていないと判定した場合には、ナビ報知により遊技者にとって有利な操作態様が指示されたか否かを判定し、ナビ報知により遊技者にとって有利な操作態様が指示されたと判定した場合には、累計指示込役物払出枚数を更新する処理を行う構成である。
この構成によれば、遊技者に対して付与された総枚数を計数する総累計払出枚数カウンタを更新できない状況に関わらず、累計指示込役物払出枚数が更新されてしまうことを防止できる。
【0819】
本実施例のメイン制御部41は、特別処理(非遊技プログラム)として、スロットマシン1の試験を行う試験装置に対して停止実行位置信号を出力する操作情報信号出力処理を実行可能な構成である。
この構成によれば、スロットマシン1の試験を行う試験装置に対して試験信号を出力する操作情報信号出力処理が行われている期間については、一遊技時間管理用タイマ値の更新を行わないことで、一遊技時間管理用タイマ値を更新する処理とスロットマシン1の試験に関連する操作情報信号出力処理が混在することがない。
【0820】
本実施例のメイン制御部41は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様を指示するナビ報知を行うことが可能であり、操作情報信号出力処理では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様が指示されるナビ報知が行われるか否かを判定し、ナビ報知が行われると判定した場合には、指示される操作態様を指定する停止実行位置信号を出力する処理を行い、ナビ報知が行われないと判定した場合には、内部抽選の当選結果を示す当選番号を参照し、当該当選番号に対応する操作態様を指定する停止実行位置信号を出力する処理を行う構成である。
この構成によれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作態様が指示されると判定した場合には、内部抽選の当選結果を特定する処理を省略できるため、操作態様を指定する停止実行位置信号を出力するための処理を簡素化できる。
【0821】
本実施例のメイン制御部41は、タイマ割込処理において、一遊技時間管理用タイマ値を含む特定処理(遊技プログラム)で用いられる複数のタイマ値を更新するカウンタ更新処理と、特別処理(非遊技プログラム)で用いられるタイマ値を更新する時間監視更新処理と、を別個に行う構成である。
この構成によれば、特別処理が用いるタイマ値を更新する時間監視更新処理が、特定処理が用いるタイマ値を更新するカウンタ更新処理と混在することがない。
【0822】
本実施例のメイン制御部41は、内部抽選の当選結果を特定可能な試験信号を試験装置に対して出力することが可能であり、一遊技時間管理用タイマ値が特定値(0)と判定した場合に、一遊技時間管理用タイマ値に初期値を設定することで最小時間の計時が開始されるとともに、一遊技時間管理用タイマ値に初期値が設定されたときに試験信号が出力される構成である。
この構成によれば、試験信号は、一遊技時間管理用タイマ値に初期値が設定されたときに出力されるので、試験信号が出力される時間間隔を特定することで、試験装置側で1ゲームの最小時間が確保されているかを特定することができる。
【0823】
本実施例のメイン制御部41は、タイマ割込処理において、試験信号を出力する処理を一遊技時間管理用タイマ値を更新する前に行う構成である。
この構成によれば、試験信号の出力を開始した後に、一遊技時間管理用タイマ値の更新が開始されるので、試験信号が出力される時間間隔を、確実に1ゲームの最小時間以上とすることができる。
【0824】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
【0825】
前記実施例では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例について説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用しても良い。遊技球を遊技用価値として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、前記実施例で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
【0826】
さらに、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであっても良い。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンを適用しても良い。
【0827】
また、前記実施例及び変形例では、本発明が遊技機の一例であるスロットマシン1に適用された例が示されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技機の他の一例であり、遊技領域に遊技球を発射することにより遊技を行うパチンコ遊技機であって、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、がそれぞれ別個にROMに割り当てられた構成である遊技機等においても適用可能である。
【符号の説明】
【0828】
1 スロットマシン
2L、2C、2R リール
6 MAXBETスイッチ
7 スタートスイッチ
8L、8C、8R ストップスイッチ
41 メイン制御部
91 サブ制御部