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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】シャッター装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/06 20060101AFI20221115BHJP
【FI】
E06B9/06 610H
E06B9/06 610C
E06B9/06 610R
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018181049
(22)【出願日】2018-09-26
(65)【公開番号】P2020051105
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-09-06
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年4月28日に、黒川東xevoΣPREMIUM展示場(愛知県名古屋市北区猿投町2)にて公開
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】503428703
【氏名又は名称】オイレスECO株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】安河内 義剛
(72)【発明者】
【氏名】田中 潔
(72)【発明者】
【氏名】平塚 鉄也
(72)【発明者】
【氏名】中野 かすみ
(72)【発明者】
【氏名】蟹谷 実
(72)【発明者】
【氏名】柴崎 正浩
(72)【発明者】
【氏名】高橋 功
(72)【発明者】
【氏名】山田 昌志
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開平3-217579(JP,A)
【文献】特開2004-107922(JP,A)
【文献】特開平6-193373(JP,A)
【文献】実開平6-40297(JP,U)
【文献】特開2004-268634(JP,A)
【文献】特開2003-82956(JP,A)
【文献】特開2019-143327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00
E06B 9/02
E06B 9/06- 9/18
E06B 9/40- 9/50
E06B 9/56- 9/92
E06B 11/02
E05F 15/00-15/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降可能に設けられ、上昇することにより建物開口部を全閉した全閉状態と、下降することにより前記建物開口部を全開した全開状態と、を切り替える開閉部と、
上方へ開口された開口部を有し、前記開口部を介して前記開閉部を内部に収納可能な収納ボックスと、
前記開口部の内側に設けられ、異物を検知する検知手段と、
を具備し、
前記検知手段により異物が検知された場合に、前記開閉部の昇降を停止させ
前記検知手段は、
被押圧部を有し、前記被押圧部が押圧されたことを検知するスイッチであり、
前記被押圧部が前記開口部の内側を向くように、前記開口部の少なくとも一部の周縁に沿って設けられる、
ことを特徴とするシャッター装置。
【請求項2】
前記検知手段は、
前記被押圧部が斜め上方を向くように設けられる、
請求項1に記載のシャッター装置。
【請求項3】
昇降可能に設けられ、上昇することにより建物開口部を全閉した全閉状態と、下降することにより前記建物開口部を全開した全開状態と、を切り替える開閉部と、
上方へ開口された開口部を有し、前記開口部を介して前記開閉部を内部に収納可能な収納ボックスと、
前記開口部の内側に設けられ、異物を検知する検知手段と、
を具備し、
前記検知手段により異物が検知された場合に、前記開閉部の昇降を停止させ、
前記開閉部の最上部は、
前記全開状態において、前記収納ボックスの上端部の少なくとも一部との間に隙間をあけて配置され、
前記検知手段は、
前記開閉部の最上部の変位を検知する、
ことを特徴とするシャッター装置。
【請求項4】
前記開閉部の最上部には、
下方へ突出するように形成された突出部が設けられ、
前記突出部は、
前記全開状態において前記検知手段と当接して、又は、上下方向の距離が少なくとも前記隙間よりも小さくなるように離間して形成されている、
請求項3に記載のシャッター装置。
【請求項5】
昇降可能に設けられ、上昇することにより建物開口部を全閉した全閉状態と、下降することにより前記建物開口部を全開した全開状態と、を切り替える開閉部と、
上方へ開口された開口部を有し、前記開口部を介して前記開閉部を内部に収納可能な収納ボックスと、
前記開口部の内側に設けられ、異物を検知する検知手段と、
を具備し、
前記検知手段により異物が検知された場合に、前記開閉部の昇降を停止させ、
前記検知手段は、
前記収納ボックスの前記開口部の一部を構成して取り外し可能に設けられた部材に取り付けられている、
ことを特徴とするシャッター装置。
【請求項6】
前記開閉部の最上部は、
前記全開状態において、前記収納ボックスの上端部の少なくとも一部との間に隙間をあけて配置され、
前記検知手段は、
前記開閉部の最上部の変位を検知する、
請求項1、請求項2または請求項5のいずれか一項に記載のシャッター装置。
【請求項7】
前記検知手段は、
前記収納ボックスの前記開口部の一部を構成して取り外し可能に設けられた部材に取り付けられている、
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のシャッター装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッター装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、開閉状態を切り替えるために昇降可能に設けられた開閉部と、上方へ開口された開口部を介して前記開閉部を内部に収納可能な収納ボックスと、を具備するシャッター装置の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1に記載のシャッター装置は、開閉状態を切り替えるために昇降可能に設けられたシャッターカーテンと、上方へ開口された開口部を介してシャッターカーテンを内部に収納可能なカーテン収納部と、を具備する。このような構成により、前記シャッター装置においては、カーテン収納部に収納されていたシャッターカーテンを上昇させることによって、全開状態から全閉状態へと切り替えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-122338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記シャッター装置においては、カーテン収納部の開口部が上方へ開口されているため、当該開口部を介して異物がカーテン収納部の内部に侵入するおそれがあるが、その点について何ら考慮されていない。
【0006】
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、収納ボックスの開口部を介して異物が当該収納ボックスの内部に侵入するのを抑制することができるシャッター装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、昇降可能に設けられ、上昇することにより建物開口部を全閉した全閉状態と、下降することにより前記建物開口部を全開した全開状態と、を切り替える開閉部と、上方へ開口された開口部を有し、前記開口部を介して前記開閉部を内部に収納可能な収納ボックスと、前記開口部の内側に設けられ、異物を検知する検知手段と、を具備し、前記検知手段により異物が検知された場合に、前記開閉部の昇降を停止させ、前記検知手段は、被押圧部を有し、前記被押圧部が押圧されたことを検知するスイッチであり、前記被押圧部が前記開口部の内側を向くように、前記開口部の少なくとも一部の周縁に沿って設けられるものである。
【0009】
請求項2においては、前記検知手段は、前記被押圧部が斜め上方を向くように設けられるものである。
【0010】
請求項3においては、昇降可能に設けられ、上昇することにより建物開口部を全閉した全閉状態と、下降することにより前記建物開口部を全開した全開状態と、を切り替える開閉部と、上方へ開口された開口部を有し、前記開口部を介して前記開閉部を内部に収納可能な収納ボックスと、前記開口部の内側に設けられ、異物を検知する検知手段と、を具備し、前記検知手段により異物が検知された場合に、前記開閉部の昇降を停止させ、前記開閉部の最上部は、前記全開状態において、前記収納ボックスの上端部の少なくとも一部との間に隙間をあけて配置され、前記検知手段は、前記開閉部の最上部の変位を検知するものである。
【0011】
請求項4においては、前記開閉部の最上部には、下方へ突出するように形成された突出部が設けられ、前記突出部は、前記全開状態において前記検知手段と当接して、又は、上下方向の距離が少なくとも前記隙間よりも小さくなるように離間して形成されているものである。
【0012】
請求項5においては、昇降可能に設けられ、上昇することにより建物開口部を全閉した全閉状態と、下降することにより前記建物開口部を全開した全開状態と、を切り替える開閉部と、上方へ開口された開口部を有し、前記開口部を介して前記開閉部を内部に収納可能な収納ボックスと、前記開口部の内側に設けられ、異物を検知する検知手段と、を具備し、前記検知手段により異物が検知された場合に、前記開閉部の昇降を停止させ、前記検知手段は、前記収納ボックスの前記開口部の一部を構成して取り外し可能に設けられた部材に取り付けられているものである。
【0013】
請求項6においては、前記開閉部の最上部は、前記全開状態において、前記収納ボックスの上端部の少なくとも一部との間に隙間をあけて配置され、前記検知手段は、前記開閉部の最上部の変位を検知するものである。
【0014】
請求項7においては、前記検知手段は、前記収納ボックスの前記開口部の一部を構成して取り外し可能に設けられた部材に取り付けられているものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0016】
請求項1においては、収納ボックスの開口部を介して異物が当該収納ボックスの内部に侵入するのを抑制することができる。また請求項1においては、異物が開口部と開閉部との間に引き込まれるのを抑制することができる。
【0017】
請求項2においては、異物が開口部と開閉部との間に引き込まれるのを、より精度よく抑制することができる。
【0018】
請求項3においては、収納ボックスの開口部を介して異物が当該収納ボックスの内部に侵入するのを抑制することができる。また請求項3においては、全開状態において開閉部の最上部が上方から押圧されている場合に、開閉部が上昇するのを抑制することができる。
【0019】
請求項4においては、全開状態において開閉部の最上部が上方から押圧されているのを、検知手段が精度よく検知することができる。
【0020】
請求項5においては、収納ボックスの開口部を介して異物が当該収納ボックスの内部に侵入するのを抑制することができる。また請求項5においては、検知手段のメンテナンス性を向上させることができる。
【0021】
請求項6においては、全開状態において開閉部の最上部が上方から押圧されている場合に、開閉部が上昇するのを抑制することができる。
【0022】
請求項7においては、検知手段のメンテナンス性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】室内から見た住宅を示した投影図。
図2】同じく、一部側面断面図。
図3】シャッター装置を示した正面図。
図4図2におけるA-A断面図。
図5】シャッター装置の要部拡大側面断面図。
図6】収納開口部近傍を示した拡大側面断面図。
図7】リンク機構及び昇降機構を示した模式図。
図8】開閉部を上昇させ始めた様子を示した側面断面図。
図9】回動する直前の開閉部を示した側面断面図。
図10】全閉状態となった場合におけるリンク機構及び昇降機構を示した模式図。
図11】全閉状態を示した側面断面図。
図12】異物が開閉部と収納開口部との間に引き込まれる様子を示した側面断面図。
図13】前側センサが異物を検知する様子を示した側面断面図。
図14】(a)ケースの近傍を示した一部側面断面図。(b)ケースの平面図。
図15】上側空間に入り込んだ雨水を排出する様子を示した側面断面図。
図16】下側空間に入り込んだ雨水を排出する様子を示した側面断面図。
図17】収納ボックスに異物が侵入した状態を示した側面断面図。
図18】最上位のスラット及び後側閉塞部材を取り外した状態を示した側面断面図。
図19】第一変形例に係る最上位のスラットを示した側面断面図。
図20】第一変形例に係る最上位のスラットが上方から押圧された状態を示した側面断面図。
図21】第二変形例に係る最上位のスラットを示した側面断面図。
図22】変形例に係る連動部材を示した側面断面図。
図23】変形例に係る開閉部を示した側面断面図。
図24】変形例に係る開閉部により収納開口部を閉じた状態を示した側面断面図。
図25】第一変形例に係る排水構造を示した側面断面図。
図26】第二変形例に係る排水構造を示した平面断面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の説明においては、図中に記した矢印に従って、上下方向、左右方向及び前後方向をそれぞれ定義する。
【0025】
以下では、本実施形態に係るシャッター装置10を具備する住宅1について説明する。なお、以下においては、住宅1の室内側を後側、室外側を前側として説明する。
【0026】
図1及び図2に示す住宅1は、人が居住するための建物である。住宅1は、基礎2、土台3、屋内床4、屋内天井5、建物開口部6、サッシ7、屋外床8、屋外天井9及びシャッター装置10を具備する。
【0027】
基礎2は、住宅1を地盤(不図示)に固定するためのものである。土台3は、基礎2の上部に固定される部材である。
【0028】
屋内床4は、住宅1の屋内の床を成す部分である。屋内床4は、合板等によって構成され、土台3の上部に設けられる。
【0029】
屋内天井5は、屋内の天井を成す部分である。屋内天井5は、合板等によって構成され、屋内床4に対して上方に間隔をあけて配置される。
【0030】
建物開口部6は、住宅1の屋内側と屋外側とを連通する部分である。建物開口部6は、住宅1の外壁が適宜開口されることで、屋内床4の前方に形成される。
【0031】
サッシ7は、建物開口部6を開閉するためのものである。サッシ7は、建物開口部6の内側に設けられる。サッシ7は、枠体7a及びガラス戸7bを具備する掃き出しサッシによって構成される。
【0032】
枠体7aは、建物開口部6の内側面に設置され、屋内床4から屋内天井5までに亘って開口するように設けられる。枠体7aは、その開口の下部が屋内床4の床面(上面)と略同一の高さに配置されると共に、その開口の上部が屋内天井5の天井面(下面)の高さと略同一の高さに配置される。枠体7aは、その前部が基礎2(屋内床4が設けられる部分)よりも前方に配置される。
【0033】
ガラス戸7bは、建物開口部6(枠体7aの開口部分)を開閉する部材である。ガラス戸7bは、枠体7aに嵌め合わされて左右方向に摺動可能に支持される。
【0034】
屋外床8は、屋外の床を成す部分である。屋外床8は、合板等によって構成され、サッシ7(建物開口部6)を挟んで屋内床4の前方に設けられる。屋外床8は、その床面(上面)の高さが屋内床4の床面の高さと略同一の高さとなるように構成される。
【0035】
屋外天井9は、屋外の天井を成す部分である。屋外天井9は、合板等によって構成され、サッシ7を挟んで屋内天井5の前方に設けられる。屋外天井9は、その天井面(下面)の高さが屋内天井5の天井面の高さと略同一の高さとなるように構成される。
【0036】
図2及び図3に示すシャッター装置10は、サッシ7の前方において建物開口部6を開閉するためのものである。シャッター装置10は、収納ボックス20、縦枠30、アタッチメント40、開閉部50、連動部材80、検知部90、リンク機構100(図7参照)及び昇降機構110(図7参照)等を具備する。なお、以下においては、図2及び図3に示すような、建物開口部6を全開した全開状態である場合を基準として、シャッター装置10の構成を説明する。
【0037】
収納ボックス20は、後述する開閉部50等を収納するためのものである。収納ボックス20は、ボックス本体21、ケース22、パーティション23及び後側閉塞部材24を具備する。
【0038】
図2から図4までに示すボックス本体21は、その上部及び後部が開口する略箱状に形成される。なお、図4図2のA-A断面であるが、説明の便宜上、開閉部50等の記載を省略している。ボックス本体21は、サッシ7と屋外床8との間に配置される。ボックス本体21は、その上端部が屋内床4及び屋外床8と略同一の高さに配置される。ボックス本体21は、底部21a、前壁部21b、側壁部21c及び収納開口部21dを具備する。
【0039】
底部21aは、略板状に形成され、その板面が前方向に向かうにつれて下方へ傾斜するように配置される。底部21aは、その後端部が基礎2の近傍に配置される。
【0040】
前壁部21bは、ボックス本体21の前部を構成する部分である。前壁部21bは、底部21aの前端部に設けられる。
【0041】
側壁部21cは、ボックス本体21の左部及び右部を構成する部分である。側壁部21cは、底部21aの左端部及び右端部に設けられる。側壁部21cは、その後部の上下方向幅(高さ)が他の部分の上下方向幅よりも小さくなるように形成され、当該後部がサッシ7の枠体7aの下方に潜り込むように配置される。こうして、ボックス本体21は、サッシ7の前下部に設けられる。
【0042】
収納開口部21dは、開閉部50を出入りさせるためのものである。収納開口部21dは、ボックス本体21のうち、上部において開口する部分である。
【0043】
以上の如く構成されたボックス本体21内に、ケース22、パーティション23及び後側閉塞部材24が設けられる。また、ボックス本体21には、縦枠30及びアタッチメント40も設けられる。以下では、ケース22、パーティション23及び後側閉塞部材24の説明に際して縦枠30及びアタッチメント40の構成について説明する。
【0044】
縦枠30は、開閉部50を案内するためのものである。縦枠30は、その長手方向を上下方向に向けた矩形断面を有する略筒状に形成される。縦枠30は、その下部が側壁部21cの内側面に取り付けられて、ボックス本体21から上方へ突出するように設けられる。縦枠30は、その上端部が屋外天井9の近傍に配置される。縦枠30は、左右方向に間隔をあけて一対設けられる。縦枠30は、スリット31を具備する。
【0045】
図2及び図4に示すスリット31は、縦枠30の左右内側面に形成される。スリット31は、縦枠30の下端部から上端部近傍まで亘って形成される。スリット31は、ストレート部31a及び湾曲部31bを具備する。
【0046】
ストレート部31aは、直線状に形成される部分である。ストレート部31aは、上下方向に延びるように形成される。ストレート部31aは、スリット31の下端部から上端部近傍までに亘って形成される。湾曲部31bは、ストレート部31aの上端部から前上方に向けて延びる側面視略円弧状に形成される。
【0047】
アタッチメント40は、ボックス本体21を住宅1に取り付けるためのものである。アタッチメント40は、その長手方向を上下方向に向けた略筒状に形成される。アタッチメント40は、左右方向に間隔をあけて一対設けられ、左右の縦枠30とサッシ7との間に配置される。アタッチメント40は、その下部が側壁部21cの内側面に取り付けられると共に、その上部がサッシ7(枠体7a)に取り付けられる。
【0048】
図5に示すケース22は、後述する昇降機構110のモータ111を収納するためのものである。ケース22は、その上部が開口する略箱状に形成される。ケース22は、その下面が前方向に向かうにつれて下方へ傾斜するように形成される(図14(a)参照)。ケース22は、ボックス本体21の底部21aに適宜取り付けられる。ケース22は、載置部22aを具備する。
【0049】
載置部22aは、後述するパーティション23が載置される部分である。載置部22aは、その板面を上下方向に向けた略板状に形成される。載置部22aは、ケース22の前上端部及び後上端部から、それぞれ前後方向内側へ突出するように形成される。前側の載置部22aは、後側の載置部22aよりも高い位置に配置される。
【0050】
パーティション23は、収納ボックス20(ボックス本体21)内の空間を上下に区画するための略板状の部材である。パーティション23は、ボックス本体21の内部において、スリット31(ストレート部31a)の下端部よりも高い位置に配置される。パーティション23は、傾斜面23aを具備する。傾斜面23aは、パーティション23の上面において、後方へ向かうにつれて下方に傾斜するように形成される。傾斜面23aは、パーティション23の前端部及び後端部に形成された水平面を接続するように形成される。
【0051】
このように構成されるパーティション23は、ケース22の載置部22aに載置され、ネジ等によって収納ボックス20及びケース22に取り外し可能に設けられる。これによって、パーティション23は、ケース22の上部を閉塞すると共に、収納ボックス20内の空間を上下に区画する。なお、以下においては、パーティション23により区画されたボックス本体21内の空間のうち、上側の空間を「上側空間S10」と称する。また、下側の空間を「下側空間S20」と称する。
【0052】
下側空間S20には、ケース22等が収納される。また、上側空間S10の前部(縦枠30と側面視で重なる部分)には、開閉部50等が収納される。一方、上側空間S10の後部(縦枠30よりも後方の空間)には、特に部材が収納されることはない。以下では、上側空間S10の前部(開閉部50等が収納される部分)を「前側空間S11」と称する。また、上側空間S10の後部(特に部材が収納されない部分)を「後側空間S12」と称する。
【0053】
後側閉塞部材24は、後側空間S12を上方から閉塞するためのものである。後側閉塞部材24は、収納ボックス20の上端部の一部(より詳細には、収納開口部21dの周縁の一部)を構成する。後側閉塞部材24は、その長手方向を左右方向に向けた略筒状に形成される。後側閉塞部材24は、サッシ7の枠体7aの前方に配置される。後側閉塞部材24は、化粧ネジ24aによって左右のアタッチメント40の左右内側面に取り外し可能に設けられる。これにより、後側閉塞部材24は、ボックス本体21の上端部及び屋内床4と略同一の高さに配置され、後側空間S12を閉塞する。
【0054】
このように、本実施形態においては、後側閉塞部材24により後側空間S12が閉塞されることから、収納開口部21dは、前側空間S11の上端部で開口する部分となる。具体的には、収納開口部21dは、前壁部21bの内側面、縦枠30の内側面及び後側閉塞部材24の内側面で囲まれた部分となる。
【0055】
開閉部50は、建物開口部6の開閉を行う部材である。開閉部50は、左側の縦枠30と右側の縦枠30との間に配置される。開閉部50は、建物開口部6に対して相対的に上下方向に移動(昇降)可能に構成される。開閉部50は、後述する支持機構130を介してリンク機構100のアーム部材101に支持される。開閉部50は、ネジ等を用いて支持機構130に取り付けられており、当該支持機構130から取り外し可能に構成される。開閉部50は、上下方向に並んで設けられる複数のスラットを具備する。複数のスラットには、最上位のスラット60及びスラット群70が含まれる。
【0056】
最上位のスラット60は、複数のスラットのうち、最も上側に配置されるスラットである。最上位のスラット60は、収納開口部21dの上方に配置される。最上位のスラット60は、後述する支持機構130、リンク機構100及び昇降機構110によって回動可能、かつ昇降可能に構成される。最上位のスラット60については、後述する。
【0057】
スラット群70は、複数のスラットのうち、最上位のスラット60以外の(すなわち、最上位のスラット60よりも下方に配置された)スラットの集合体である。スラット群70は、最上位のスラット60と後述する連動部材80との間に配置される。スラット群70は、各スラットが互いに隙間なく積み重ねられた状態で前側空間S11に収納される。スラット群70のスラットは、その前後中途部が上方へ凹んだ凹部を有する略板状に形成される。スラット群70のスラットの凹部には、当該凹部内に空間を区画するように板部材が取り付けられる。こうして、板部材により、スラット群70のスラットの剛性が高くなるように形成される。スラット群70のスラットは、その前後方向幅が縦枠30の前後方向幅と略同一の幅となるように形成され、収納開口部21dを上下方向に通過可能(出入り可能)に構成される。スラット群70は、支持機構130、リンク機構100及び昇降機構110によって回動可能、かつ昇降可能に構成される。
【0058】
連動部材80は、後述するように、シャッター装置10の全閉状態において、収納開口部21dを閉塞するためのものである。連動部材80は、その板面を上下方向に向けた略板状に形成される。連動部材80は、開閉部50(より詳細には、スラット群70)の下方であって、左側の縦枠30と右側の縦枠30との間に配置される。連動部材80は、開閉部50と連動するように、建物開口部6に対して相対的に上下方向に移動(昇降)可能に構成される。連動部材80は、支持機構130を介してリンク機構100に支持される。開閉部50は、ネジ等を用いて支持機構130に取り付けられており、当該支持機構130から取り外し可能に構成される。連動部材80は、支持機構130、リンク機構100及び昇降機構110によって、昇降可能、かつ(最上位のスラット60及びスラット群70とは異なり)回動不能に構成される。
【0059】
検知部90は、異物を検知するためのものである。なお、異物とは、シャッター装置10の正常な動作やメンテナンスの妨げとなるようなものや、故障の原因となり得るもの等を指す。本実施形態においては、当該異物の一例として異物Bがあるものとして説明を行う。検知部90は、上側センサ91、前側センサ92及び後側センサ93を具備する。
【0060】
図2に示す上側センサ91は、収納開口部21dの後上方において、異物Bを検知するためのものである。上側センサ91は、アタッチメント40の内側面に設けられ、左右方向に赤外線を照射可能に構成される。上側センサ91は、異物Bに反射した微弱な赤外線を受光することで、収納開口部21dの後上方にある異物Bを検知することができる。上側センサ91は、上下方向に間隔をあけて2つ設けられる。
【0061】
図6に示す前側センサ92は、収納開口部21dの内側において、異物Bを検知するためのものである。前側センサ92は、テープスイッチによって構成される。前側センサ92は、収納開口部21dの内側に左右方向に亘るように設けられる。前側センサ92は、凸状に形成される被押圧部92aを具備し、被押圧部92aが押圧されることで、内部に設けられた2つの電極が接触して導通状態となる。これによって、前側センサ92は、異物Bを検知することができる。前側センサ92は、被押圧部92aが後上方へ突出するような姿勢で、ボックス本体21の前壁部21bの内側面(上端部)に取り付けられる。
【0062】
後側センサ93は、前側センサ92と同様にテープスイッチによって構成され、被押圧部93aが押圧されることで異物Bを検知することができる。後側センサ93は、収納開口部21dの内側に左右方向に亘るように設けられる。後側センサ93は、被押圧部93aが前上方へ突出するような姿勢で、後側閉塞部材24の内側面に取り付けられる。
【0063】
図7に模式的に示す支持機構130は、複数のスラット(最上位のスラット60及びスラット群70)及び連動部材80をリンク機構100に支持させるためのものである。支持機構130は、複数の支持部材131を具備する。
【0064】
図8に示す支持部材131は、最上位のスラット60及びスラット群70の各スラットと、後述するリンク機構100のアーム部材101と、の間に配置される。支持部材131は、アーム部材101から、縦枠30のスリット31を介して、スラット側に延びるように形成される。支持部材131のスラット側の端部は、スラットの凹部内の空間に挿入され、当該スラットに固定される。これにより、各スラットは、アーム部材101(リンク機構100)に支持される。また、支持部材131の中途部(軸部)は、縦枠30のスリット31内に位置するように形成される。こうして、支持部材131は、アーム部材101が昇降する場合に、当該支持部材131の軸部が縦枠30のスリット31に案内され、当該アーム部材101と一体的に昇降可能に構成される。
【0065】
図7に模式的に示すように、リンク機構100は、複数のスラット(最上位のスラット60及びスラット群70)を回動可能、かつ隣接するスラットが互いに近接離間自在に連結するためのものである。また、リンク機構100は、連動部材80を回動不能、かつスラット群70に対して近接離間自在に連結するためのものである。リンク機構100は、左右の縦枠30内にそれぞれ配置される。リンク機構100は、複数のアーム部材101と、複数のリンク部材102と、を具備する。
【0066】
アーム部材101は、支持機構130(支持部材131)を介して、スラットを支持するものである。アーム部材101は、長手状に形成される。アーム部材101の長手方向中央部には、支持部材131が設けられる。アーム部材101は、複数設けられ、上下方向に並ぶように配置される。
【0067】
リンク部材102は、アーム部材101の前端部及び後端部に回動自在に連結するものである。リンク部材102は、上下に隣接するアーム部材101を互いに回動可能に連結する。こうして、リンク部材102は、最上位のスラット60及びスラット群70において上下に隣接する2つのスラットを互いに近接離間自在に連結している。また、リンク部材102には、上下方向に互いに隣接する他のリンク部材102との間で、相互に一定以上回動しないように(折りたたまれるときに常に同じ方向に折りたたまれるように)互いの姿勢を規制する規制手段(不図示)が形成される。
【0068】
図7に模式的に示す昇降機構110は、開閉部50を昇降させるためのものである。昇降機構110は、モータ111(図5参照)、スプロケット112、チェーン113、下側昇降部材114、上側昇降部材115及び連結部材116を具備する。
【0069】
図5に示すモータ111は、開閉部50を駆動させるためのものである。モータ111は、ケース22に収納される。モータ111は、ケース22(下側空間S20)の底面に対して上方に離間した状態(浮いた状態)で配置される。
【0070】
図7に示すスプロケット112は、後述するチェーン113にモータ111の動力を伝達するためのものである。スプロケット112は、上下方向に間隔をあけて縦枠30内に2つ設けられる。
【0071】
チェーン113は、上下のスプロケット112の外周に巻き掛けられる。チェーン113は、有端状に形成され、縦枠30に案内されて上下のスプロケット112の間を周回することができる。
【0072】
下側昇降部材114は、チェーン113の周回動作によってアーム部材101を昇降させるものである。下側昇降部材114は、側面視略T字状に形成され、その前端部がチェーン113の一端部と連結される。下側昇降部材114には、上下方向に離間した2つのピンが形成される。当該2つのピンは、下側昇降部材114の上端部近傍と下端部に形成され、軸方向中途部が縦枠30のスリット31に挿通される。こうして、下側昇降部材114が昇降する場合には、前記2つのピンがスリット31に案内されることにより、当該下側昇降部材114の姿勢が傾動するように変更される。なお、下側昇降部材114の下端部は、下側のピンを介して、最上位のスラット60に連結されたアーム部材101(以下、「最上位のアーム部材101」と称する)と連結される。
【0073】
上側昇降部材115は、縦枠30のスリット31に沿って昇降するものである。上側昇降部材115は、側面視略逆V字状に形成される。上側昇降部材115は、その後下端部が下側昇降部材114の後端部と連結される。上側昇降部材115は、その上端部にスリット31を摺動するピン115aが挿通される。
【0074】
連結部材116は、上側昇降部材115と最上位のアーム部材101とを連結するものである。連結部材116は、その上端部が上側昇降部材115の前下端部と連結される。連結部材116は、その下端部が最上位のアーム部材101の前端部と連結される。
【0075】
次に、図5及び図6を参照して最上位のスラット60について説明する。
【0076】
最上位のスラット60は、本体部61及びビート62を具備する。
【0077】
本体部61は、全開状態において収納開口部21dを閉塞するためのものである。本体部61は、その板面を略上下方向に向けた略板状に形成される。本体部61は、収納開口部21dを閉塞可能となるように、収納開口部21dよりも大きな形状に形成される。具体的には、本体部61は、その前後方向幅が収納開口部21dの前後方向幅よりも大きく、かつ、左側の縦枠30から右側の縦枠30までに亘るように形成される。本体部61は、収納開口部21dの上方において、前壁部21bと後側閉塞部材24とを跨ぐように配置される。本体部61は、その前端部が前壁部21bよりも前方に配置される。本体部61は、傾斜面61a、係止部61b、前側突出部61c及び後側突出部61dを具備する。
【0078】
傾斜面61aは、本体部61の上面である。傾斜面61aは、前方に向かうにつれて下方へ傾斜するように形成される。傾斜面61aには、前後方向に間隔をあけて複数の凹部が形成される。これにより、最上位のスラット60に人が載ったときに、傾斜面61aが滑り難くなる(滑り止めとして機能する)ようにしている。
【0079】
係止部61bは、ボックス本体21の前壁部21bの変形を規制するためのものである。係止部61bは、本体部61の前端部から下方へ突出するように形成される。係止部61bは、本体部61の左端部から右端部までに亘って形成される。係止部61bは、前壁部21bと対向する。
【0080】
前側突出部61cは、前側センサ92の被押圧部92aを押圧するためのものである。前側突出部61cは、本体部61の下面から後下方へ突出するように形成される。前側突出部61cは、前側センサ92が反応しないように(被押圧部92aを押圧しない程度に)、その上下中途部が前側センサ92の被押圧部92aに対して軽く接触している。こうして、前側突出部61cは、前側センサ92の被押圧部92aと当接した状態で配置されている。
【0081】
後側突出部61dは、後側センサ93の被押圧部93aを押圧するためのものである。後側突出部61dは、本体部61の下面から前下方へ突出するように形成される。後側突出部61dは、後側センサ93が反応しないように(被押圧部93aを押圧しない程度に)、その上下中途部が後側センサ93の被押圧部93aに対して軽く接触している。こうして、後側突出部61dは、後側センサ93の被押圧部93aと当接した状態で配置されている。
【0082】
ビート62は、建物開口部6を全閉した全閉状態(図11参照)において、本体部61と屋外天井9との間を塞ぐためのものである。ビート62は、略板状に形成された樹脂によって弾性変形可能に構成される。ビート62は、その左右方向幅が本体部61の左右方向幅と略同一の幅となるように形成される。ビート62は、本体部61の後端部に取り付けられ、その後端部がサッシ7の枠体7aの前端部と当接する。
【0083】
このように構成される最上位のスラット60は、ボックス本体21の前壁部21bの上端部に対して上方に僅かに隙間をあけて配置される。また、最上位のスラット60は、スラット群70に対して上方に所定範囲内の間隔をあけて配置される。
【0084】
シャッター装置10は、以上のように構成された最上位のスラット60やスラット群70等により、建物開口部6を開閉することができる。
【0085】
以下では、図5図7から図11までを参照してシャッター装置10の開閉動作について説明する。なお、以下においては、図5に示す全開状態から全閉状態となるまでの動作を例に挙げて、シャッター装置10の動作を説明する。
【0086】
シャッター装置10は、モータ111を駆動させて図7に示すスプロケット112を回動させ、チェーン113を周回させる。これにより、下側昇降部材114、上側昇降部材115、連結部材116及び最上位のアーム部材101は上昇する。このとき、上側昇降部材115は、ピン115aがストレート部31aを摺動して図7に示す姿勢のままで上昇する。こうして、最上位のスラット60は、回動することなく上昇する。収納開口部21dは、最上位のスラット60の上昇により開放される。
【0087】
最上位のスラット60が上昇すると、最上位のスラット60とその下方に隣接するスラット70(以下、「1つ下のスラット70」と称する)とを連結するリンク部材102は、その長手方向が上下方向を向くように回動する。そして、リンク部材102がこれ以上回動できなくなる(前記規制手段により回動が規制される向きとなるまで回動する)と、1つ下のスラット70に連結されるアーム部材101が上昇する。
【0088】
これにより、図8に示すように、1つ下のスラット70は、最上位のスラット60と共に上昇し、収納開口部21dから前側空間S11の上方へと移動する。こうして、上方に配置されるスラット60・70から順番に上昇される。当該上昇により、スラット群70のうち、最も下方に配置されるスラット70が上昇すると、図9に示すように、連動部材80は上昇する。
【0089】
図9に示す状態からモータ111がさらに駆動すると、図10に示すように、上側昇降部材115のピン115aは、ストレート部31aから湾曲部31bへ移動し、湾曲部31bに沿って前上方へ案内される。また、上側昇降部材115の後下部は、上昇している下側昇降部材114によって、ピン115aを中心として回動するように押圧される。こうして、上側昇降部材115は、ピン115aの移動と共に、図10における反時計回り方向へ回動される。上側昇降部材115の回動し始めると、アーム部材101は、その前端部が下方へ押し込まれ、図10における反時計回り方向へ回動する。こうして、図11に示すように、最上位のスラット60及びスラット群70は、反時計回り方向に約90度回動し、その板面が前後方向を向くようになる。これによって、最上位のスラット60及びスラット群70は、その板面が上下方向を向いた(横たわった)状態から前後方向を向いた(立ち上がった)状態に姿勢が変更される。これにより、シャッター装置10は、建物開口部6を全閉する(全閉状態に切り替わる)。
【0090】
なお、連動部材80は、アーム部材101の回動によって回動することはなく、全閉状態においてその板面が上下方向を向いたままで、収納開口部21dの内側に配置される。これにより、連動部材80は、全閉状態において収納開口部21dを塞ぐことができる。これによれば、全閉状態において収納開口部21dを介して収納ボックス20の内部に異物Bや雨水等が侵入するのを抑制することができる。なお、本実施形態において、収納開口部21dを塞ぐとは、当該収納開口部21dをほぼ隙間なく閉じた状態となることだけでなく、ある程度の隙間をあけて閉じた状態となることも含んでいる。
【0091】
また、シャッター装置10は、収納開口部21dの閉塞に回動不能な連動部材80を用いることで、開閉部50の上昇動作を利用して収納開口部21dを簡単に塞ぐことができる。また、連動部材80を回動させなくて済むため、全閉状態で収納開口部21dを塞ぐための構成を簡素化することができる。
【0092】
なお、シャッター装置10は、建物開口部6を開く場合、モータ111を駆動させて建物開口部6を開いた場合とは反対方向にスプロケット112を回動させる。これにより、スラットは、図11における時計回り方向(建物開口部6を開いた場合とは反対方向)に回動しつつ下降して建物開口部6を開くことになる。
【0093】
より詳細には、図5に示すように、スラット群70及び連動部材80は、下降して収納開口部21dから前側空間S11に収納される。また、スラット群70は、リンク部材102が折りたたまれて上下に隙間なく積み重ねられる。
【0094】
一方、最上位のスラット60は、図5及び図6に示すように、下降しても前側空間S11に収納されることはなく、その板面を略上下方向に向けた状態でボックス本体21の上方に配置される。これにより、最上位のスラット60は、全開状態において収納開口部21dを塞ぐことができる。これによれば、全開状態において収納開口部21dを介して収納ボックス20の内部に異物Bや雨水が侵入するのを抑制することができる。
【0095】
ここで、最上位のスラット60は、全開状態において人が載る等して上方から押圧される(下方への荷重がかかる)と、揺動したり撓んだりして下方へ変位してボックス本体21の前壁部21bと当接する。前壁部21bは、当該最上位のスラット60を介して上方から押圧され、前方へ倒れる(収納開口部21dが広がる)ように変形しようとする。本実施形態に係る最上位のスラット60によれば、当該前壁部21bに係止部61bを当接させることができる。これにより、係止部61bは、前壁部21bを支持することができるため、前壁部21bの変形を規制することができる。
【0096】
また、最上位のスラット60は、全開状態において、1つ下のスラット70に対して隙間をあけて配置されている。このような構成によれば、スラット60・70の間に異物Bが挟まったままで全開状態となった場合でも、最上位のスラット60が押し上げられるのを抑制することができる。
【0097】
具体的には、最上位のスラット60と1つ下のスラット70との隙間に異物Bが侵入した場合、当該異物Bが最上位のスラット60と1つ下のスラット70との間に挟まって最上位のスラット60が押し上げられるのを抑制することができる。
【0098】
また、スラット群70において隣接する2つのスラットに異物Bが挟まってスラット群70が浮き上がったとしても、全開状態において最上位のスラット60と1つ下のスラット70との間に隙間があるので、最上位のスラット60が押し上げられることはない。
【0099】
また、最上位のスラット60は、本体部61の傾斜面61aによって、全開状態において傾斜面61aに載った異物Bや雨水を前方、すなわち屋外へ排出することができる。
【0100】
また、図1及び図2に示すように、住宅1は、上昇することで建物開口部6(サッシ7)を閉塞するシャッター装置10を備えることで、ボックス本体21(収納ボックス20)をサッシ7の前下部に配置して、屋内天井5及び屋外天井9の天井面に段差が生じるのを抑制できる。これによって、屋内側から屋外側まで面一となった天井面を形成できるため、住宅1の居住者の心地よさを向上させることができる。
【0101】
また、シャッター装置10は、全開状態において最上位のスラット60で収納開口部21dを塞ぐことで、収納開口部21dを見え難くして屋内床4と屋外床8とで連続した床面を形成できる。このため、住宅1の居住者の心地よさを向上させることができる。
【0102】
また、収納開口部21dは、屋内床4及び屋外床8の床面と略同一の高さに配置されている。これによって、ボックス本体21により屋内床4と屋外床8との間に段差が生じないようにして、屋内側から屋外側まで面一となった床面を形成できる。このため、住宅1の居住者の心地よさを向上させることができる。
【0103】
また、図11に示すように、最上位のスラット60は、全閉状態においてビート62が屋外天井9に当接する。これにより、ビート62は、本体部61と屋外天井9とを隙間なく塞いで、建物開口部6の遮断性を向上させることができる。これにより、最上位のスラット60と屋外天井9との間から鳥や雨水等が侵入するのを抑制できる。また、最上位のスラット60と屋外天井9との間から鳥や雨水等が侵入してくるかもしれないといった不快感を取り除き、住宅1の居住者の心地よさを向上させることができる。また、全閉状態において天井面と最上位のスラット60との隙間を無くすために、最上位のスラット60を受け入れるための枠体等を設ける必要がない。こうして、天井面における屋内側から屋外側までを一連とした一体感を醸し出すことができ、住宅1の居住者の心地よさを向上させることができる。
【0104】
以下では、図2図12及び図13を参照してシャッター装置10による検知部90を用いた開閉部50の昇降の制御について説明する。
【0105】
シャッター装置10は、検知部90の検知結果を取得可能な所定の制御部を具備し、当該制御部が検知部90の検知結果に基づいて開閉部50の昇降を制御する。
【0106】
具体的には、図2に示す上側センサ91は、収納開口部21dの後上方において、異物Bが赤外線を遮ると、当該異物Bを検知する。シャッター装置10は、上側センサ91の検知結果に基づいて、開閉部50の昇降を停止する。また、シャッター装置10は、上側センサ91が異物Bを検知している間、開閉部50の昇降を禁止する。これにより、シャッター装置10は、収納開口部21dの後上方(屋内側)にある異物Bと開閉部50とが接触したり、下降する開閉部50により異物Bが収納開口部21dへ引き込まれるのを抑制することができる。
【0107】
また、上側センサ91は、アタッチメント40の内側面に取り付けられている。これによれば、アタッチメント40の内側のスペースを有効に活用することができる。
【0108】
また、前側センサ92及び後側センサ93は、収納開口部21dの内側に異物Bがある場合、当該異物Bを検知する。以下では、図12及び図13を用いて、前側センサ92が異物Bを検知する場合を例に挙げて説明する。なお、図12及び図13では、白塗りで示す矢印が開閉部50の移動方向を示している。また、図13では、黒塗りで示す矢印が異物Bに作用する荷重の方向を示している。
【0109】
図12に示すように、開閉部50は、隣接する2つのスラット70の間に異物Bが挟まった状態で下降すると、当該異物Bを下方へ押圧することとなる。こうして、スラット70は、異物Bと共に下降することになる。
【0110】
当該異物Bは、図13に示すように、ボックス本体21の前壁部21b及びスラット70に挟まれる。このとき、前側センサ92の被押圧部92aは、異物Bと当接する。当該異物Bは、下降するスラット70によって下方へさらに押圧されると、前下方の荷重が作用して被押圧部92aを押圧する。
【0111】
これにより、前側センサ92は、異物Bを検知する。シャッター装置10は、前側センサ92が異物Bを検知すると、開閉部50の下降を停止する。なお、シャッター装置10は、開閉部50の下降を停止させた後、例えば所定の時間(短時間)だけ開閉部50を上昇させてもよい。
【0112】
これによれば、シャッター装置10は、下降する開閉部50によって、収納開口部21dに異物Bが引き込まれ、収納開口部21dの内部に異物Bが侵入するのを抑制することができる。また、開閉部50や異物Bに負荷がかかって破損するのを抑制することができる。
【0113】
なお、収納開口部21dの後部においてスラット70により異物Bが下方へ押圧された場合、異物Bが後側センサ93の被押圧部93aを押圧し、後側センサ93が異物Bを検知する。この場合においても、シャッター装置10は、前側センサ92の場合と同様に、開閉部50の下降を停止する。そして、シャッター装置10は、所定の時間(短時間)だけ開閉部50を上昇させる。これによって、収納開口部21dの後部から異物Bが侵入するのを抑制することができる。
【0114】
また、本実施形態に係る前側センサ92及び後側センサ93の被押圧部92a・93aは、斜め上に突出するような姿勢で配置される。このような構成によれば、異物Bに作用する荷重の方向に、被押圧部92a・93aの突出方向を合わせることができるため、異物Bによって被押圧部92a・93aが押圧され易くなる。このため、前側センサ92及び後側センサ93により異物Bを精度よく検知することができる。
【0115】
また、前述の如く、最上位のスラット60は、図6に示す全開状態において、ボックス本体21の前壁部21bに対して僅かに隙間をあけて配置されている。当該構成において、最上位のスラット60は、人が載る等して上方から押圧されると、揺動したり撓んだりして下方へ変位する。前側突出部61c及び後側突出部61dは、当該変位により下方へ移動し、前側センサ92及び後側センサ93の被押圧部92a・93aを押圧する。
【0116】
これにより、前側センサ92及び後側センサ93は、全開状態において、最上位のスラット60の下方への変位を検知する。シャッター装置10は、当該検知によって開閉部50の昇降を禁止する。これによって、最上位のスラット60が上方から押圧されている場合に、開閉部50が上昇するのを防止することができる。これによって、上方からの押圧力に抗して開閉部50が上昇しないようにして、開閉部50やモータ111に負荷がかかるのを防止することができる。
【0117】
また、最上位のスラット60が下方へ変位していない(上方から押圧されていない)場合において、最上位のスラット60の前側突出部61c及び後側突出部61dと、前側センサ92及び後側センサ93の被押圧部92a・93aと、が当接している。このような構成によれば、最上位のスラット60が下方へ変位した場合に、前側突出部61c及び後側突出部61dで被押圧部92a・93aを確実に押圧することができる。このため、最上位のスラット60の下方への変位を精度よく検知することができる。
【0118】
また、シャッター装置10においては、開閉部50の下降時(建物開口部6を開くとき)に、開閉部50を下降させるのに想定される負荷よりも高い負荷がモータ111にかかると、下降を停止して所定の時間(短時間だけ)開閉部50を上昇させる。これによれば、検知部90が異物Bを検知できずに異物Bが開閉部50及び前壁部21bの間に挟まる等しても、モータ111や開閉部50に過剰な負荷がかかるのを抑制することができる。
【0119】
以下では、図14から図16までを参照して収納ボックス20の排水構造について説明する。なお、図14(a)、図15及び図16は、排水構造の説明のために、収納ボックス20のうち、ケース22が設けられる部分を切断した図である。
【0120】
図14に示すように、シャッター装置10は、排水構造として第一排出部121及び第二排出部122を具備する。
【0121】
第一排出部121は、上側空間S10に侵入した雨水W(図15参照)を排出するためのものである。また、第一排出部121は、収納ボックス20と基礎2との間に形成される隙間である。具体的には、第一排出部121は、ボックス本体21の底部21aの後端部、ケース22の後端部及びパーティション23の後端部と、基礎2と、の間に形成された隙間である。第一排出部121は、収納ボックス20(ボックス本体21)を基礎2に対して前方に僅かに間隔をあけて配置することで形成される。
【0122】
第二排出部122は、下側空間S20に侵入した雨水Wを排出するためのものである。第二排出部122は、ケース22の下面を貫通するように形成される。第二排出部122は、ケース22の下面における前部(高さが低い部分)に形成される。第二排出部122は、前後方向及び左右方向に間隔をあけて複数形成される。
【0123】
シャッター装置10は、収納開口部21dが上方を向いているため、雨の日に開閉部50を昇降させたりすると、図15に示すように、収納開口部21dから収納ボックス20内(上側空間S10)に雨水Wが侵入する可能性がある。当該雨水Wは、前壁部21bや縦枠30等を伝って下方へ移動し、パーティション23に到達する。当該雨水Wは、パーティション23の傾斜面23aを伝って後下方へ案内され、パーティション23の後端部に到達する。
【0124】
パーティション23の後端部に到達した雨水Wは、第一排出部121へ流されて第一排出部121を落下する。これにより、第一排出部121は、収納開口部21dから侵入した雨水Wを、上側空間S10から収納ボックス20の外部へと排出することができる。
【0125】
これによれば、第一排出部121は、上側空間S10に雨水Wが溜まるのを抑制することができるため、雨水Wによる腐食を抑制することができる。また、パーティション23によって上側空間S10から下側空間S20へと雨水Wが侵入するのを抑制することができるため、モータ111に雨水Wが触れるのを抑制することができる。
【0126】
また、傾斜面23aを利用して前側空間S11から第一排出部121へ雨水Wを案内することができる。これにより、第一排出部121から雨水Wを排出し易くすることができる。
【0127】
ここで、パーティション23は、縦枠30のスリット31(ストレート部31a)の下端部よりも高い位置に配置されている。また、パーティション23は、縦枠30、アタッチメント40及び側壁部21cに対して左右方向に僅かに隙間をあけて配置されている(図4参照)。
【0128】
このような構成によれば、豪雨等によって収納ボックス20内に大量の雨水Wが侵入し、第一排出部121で雨水Wを排出しきれなくなった場合でも、当該雨水Wをスリット31のストレート部31a、及び縦枠30等とパーティション23との隙間から下方へと逃がすことができる。これにより、収納ボックス20は、上側空間S10に雨水Wが溜まるのを効果的に抑制することができる。
【0129】
また、図16に示すように、スリット31のストレート部31a等から下方へ逃がされた雨水Wは、下側空間S20へ流出することとなる。当該雨水Wは、下側空間S20を下方へ移動してケース22の下面に到達する。当該雨水Wは、ケース22の下面を伝って前下方へ案内され、第二排出部122へ流されて第二排出部122を落下する。これにより、第二排出部122は、下側空間S20へ逃がされた雨水Wを収納ボックス20の外部へと排出することができる。
【0130】
これによれば、第二排出部122は、下側空間S20へ雨水Wが逃がされたとしても、当該雨水Wが後側空間S12に溜まるのを抑制することができる。このため、雨水Wによる腐食を抑制することができると共に、モータ111に雨水Wが触れるのを抑制することができる。
【0131】
以下では、図17及び図18を参照して収納ボックス20のメンテナンスの手順について説明する。
【0132】
なお、以下においては、図17に示すように、収納ボックス20の内部に侵入した異物Bを取り除く場合を例に挙げて、メンテナンスの手順を説明する。
【0133】
図17に示す異物Bは、収納開口部21dから収納ボックス20内に落下し、後側空間S12に位置している。当該異物Bを取り除く場合、図18に示すように、最上位のスラット60及び後側閉塞部材24が取り外される。
【0134】
これにより、上側空間S10の上方が開放され、後側空間S12の上方から手を伸ばせば異物Bを掴むことができるようになる。こうして、異物Bは収納開口部21dの上方から取り除かれる。これによれば、ボックス本体21の周囲(前方、左方及び右方)に屋外床8がある場合でも(図1及び図2参照)、当該屋外床8が邪魔になることなく収納ボックス20をメンテナンスすることができる。また、スラット60・70のうち、1つのスラット60を取り外せば異物Bを取り除くことができる。以上により、収納ボックス20を簡単にメンテナンスすることができる。
【0135】
また、異物Bの大きさ等によっては、最上位のスラット60及び後側閉塞部材24を取り外しただけでは、当該異物Bを取り除けないことも想定される。このような場合でも、スラット群70のスラットをいくつか取り外せば、異物Bを取り除くためのスペースを簡単に確保することができる。このため、収納ボックス20を簡単にメンテナンスすることができる。
【0136】
また、本実施形態においては、最上位のスラット60及びスラット群70に加えて、連動部材80及びパーティション23も取り外し可能に構成されている。このため、全てのスラット60・70、連動部材80及びパーティション23を取り外せば、モータ111を上方からメンテナンスすることができる。このため、モータ111を簡単にメンテナンスすることができる。
【0137】
また、本実施形態に係るボックス本体21は、特に部材が収納されない後側空間S12を介して異物Bを取り除くことができる。このように、ボックス本体21は、後側空間S12をメンテナンス用のスペースとして用いることができるため、最上位のスラット60及び後側閉塞部材24を取り外すだけで、異物Bを取り除き易くすることができる。また、後側空間S12を介してスラット群70及び連動部材80を取り外し易くすることもできる。このように、スラット群70及び連動部材80を取り外した場合には、ボックス本体21の内側に比較的大きな空間(スペース)があくことになる。こうして、作業者は、例えばボックス本体21の上方から、当該ボックス本体21の内側の大きなスペースに容易にアクセスすることができる。これにより、作業者は、収納ボックス20を簡単にメンテナンスすることができる。さらに、アタッチメント40の内側に後側空間S12を形成することで、アタッチメント40の内側の空間を有効に活用することができる。
【0138】
また、本実施形態においては、後側閉塞部材24を取り外すことで、当該後側閉塞部材24に取り付けられた後側センサ93もまとめて取り外すことができる。これにより、後側センサ93を簡単にメンテナンスすることができる。
【0139】
また、パーティション23は、後方(後側空間S12)へ向かうにつれて傾斜する傾斜面23aを具備している。当該傾斜面23aによれば、パーティション23に落下した異物Bを後側空間S12へ案内することができる。これにより、異物Bを後側空間S12に配置し易くして、ボックス本体21から取り除き易くすることができる。
【0140】
以上の如く、本実施形態に係るシャッター装置10は、昇降可能に設けられ、上昇することにより建物開口部6を全閉した全閉状態と、下降することにより前記建物開口部6を全開した全開状態と、を切り替える開閉部50と、上方へ開口された収納開口部21d(開口部)を有し、前記収納開口部21dを介して前記開閉部50を内部に収納可能な収納ボックス20と、を具備し、最上位のスラット60(前記開閉部50の最上部)は、前記全開状態において前記収納ボックス20の前記収納開口部21dを上方で塞ぐように、前記収納開口部21dよりも大きく形成されているものである。
【0141】
このように構成することにより、全開状態において雨水Wや異物B等が収納ボックス20の内部に侵入するのを抑制することができる。また、最上位のスラット60が建物開口部6の開閉と、収納開口部21dの開閉と、を兼用することとなるため、部品点数を減らして組付の手間を省くことができる。
【0142】
また、前記最上位のスラット60には、前記全開状態において前記収納開口部21dが広がるように変形するのを規制する係止部61b(規制手段)が設けられるものである。
【0143】
このように構成することにより、全開状態において最上位のスラット60が収納ボックス20を上方から押圧した場合であっても、収納ボックス20の収納開口部21dが広がるように変形するのを抑制することができる。
【0144】
また、前記係止部61bは、前記全開状態において前記収納ボックス20(ボックス本体21の前壁部21b)の上端部に係止されることによって前記収納開口部21dが変形するのを規制するものである。
【0145】
このように構成することにより、収納ボックス20の上端部に係止部61bが引っ掛かるだけの簡易な構成により、収納ボックス20の収納開口部21dが広がるように変形するのを抑制することができる。
【0146】
また、前記最上位のスラット60は、前記全開状態において、前記収納ボックス20の上端部の少なくとも一部との間に隙間をあけて配置され、前記シャッター装置10は、前記最上位のスラット60の変位を検知する前側センサ92及び後側センサ93(検知手段)を具備し、前記前側センサ92及び後側センサ93により前記全開状態にある前記最上位のスラット60の変位が検知された場合に、前記開閉部50の上昇を規制するものである。
【0147】
このように構成することにより、全開状態において最上位のスラット60が上方から押圧されている場合に、開閉部50が上昇するのを規制することができる。具体的には、最上位のスラット60は、収納ボックス20の上端部との間に隙間をあけて配置されることで、人が載った場合に上方から押圧されて収納ボックス20に対して下方へ変位できるようになる。当該最上位のスラット60の変位を前側センサ92及び後側センサ93で検知することで、最上位のスラット60が上方から押圧されていることを把握できる。この場合に開閉部50の昇降を規制すれば、全開状態において最上位のスラット60が上方から押圧された場合に、開閉部50が上昇するのを規制することができる。
【0148】
また、前記最上位のスラット60には、下方へ突出するように形成された前側突出部61c及び後側突出部61d(突出部)が設けられ、前記前側突出部61c及び後側突出部61dは、前記全開状態において前記前側センサ92及び後側センサ93と当接して形成されているものである。
【0149】
このように構成することにより、最上位のスラット60が上方から押圧されていない状態において、前側突出部61c及び後側突出部61dと前側センサ92及び後側センサ93とを予め近づけておくことができる。これによれば、最上位のスラット60の変位に伴って、前側センサ92及び後側センサ93を前側突出部61c及び後側突出部61dで確実に押圧することができる。このため、全開状態において最上位のスラット60が上方から押圧されているのを精度よく検知することができる。
【0150】
また、前記開閉部50は、上下方向に並設された複数のスラットの集合体であって、前記複数のスラットのうち互いに隣接するスラットは、上位のスラットに対して下位のスラットが所定の範囲内で近接離間自在に吊設され、前記複数のスラットのうち最上位のスラット60は、前記全開状態において前記最上位の次に上位のスラット70に対して前記所定の範囲内の間隔をあけて配置されているものである。
【0151】
このように構成することにより、収納ボックス20内に異物Bが侵入した場合であっても、全開状態において当該異物Bの影響で最上位のスラット60が押し上げられるのを抑制することができる。これによって、全開状態において、収納ボックス20内に異物Bが侵入した場合であっても、最上位のスラット60を当初の正常位置に配置することができる。
【0152】
なお、本実施形態に係る収納開口部21dは、本発明に係る開口部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る最上位のスラット60は、本発明に係る開閉部の最上部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る係止部61bは、本発明に係る規制手段の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る前側センサ92及び後側センサ93は、本発明に係る検知手段の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る前側突出部61c、後側突出部61d及び後述する後側突出部161dは、本発明に係る突出部の実施の一形態である。
【0153】
また、以上の如く、本実施形態に係るシャッター装置10は、昇降可能に設けられ、上昇することにより建物開口部6を全閉した全閉状態と、下降することにより前記建物開口部6を全開した全開状態と、を切り替える開閉部50と、上方へ開口された収納開口部21d(開口部)を有し、前記収納開口部21dを介して前記開閉部50を内部に収納可能な収納ボックス20と、前記収納開口部21dの内側に設けられ、異物Bを検知する前側センサ92及び後側センサ93(検知手段)と、を具備し、前記前側センサ92及び後側センサ93により異物Bが検知された場合に、前記開閉部50の昇降を停止させるものである。
【0154】
このように構成することにより、下降する開閉部50により収納開口部21dから収納ボックス20内へと異物Bが引き込まれるのを抑制することができる。これにより、収納ボックス20の収納開口部21dを介して異物Bが当該収納ボックス20の内部に侵入するのを抑制することができる。
【0155】
また、前記前側センサ92及び後側センサ93は、被押圧部92a・93aを有し、前記被押圧部92a・93aが押圧されたことを検知するスイッチである。
【0156】
このように構成することにより、異物Bが被押圧部92a・93aを押圧するだけの簡易な構成により、収納ボックス20の収納開口部21dを介して異物Bが当該収納ボックス20の内部に侵入するのを抑制することができる。
【0157】
また、前記前側センサ92及び後側センサ93は、前記被押圧部92a・93aが前記収納開口部21dの内側を向くように、前記収納開口部21dの少なくとも一部の周縁に沿って設けられるものである。
なお、本実施形態において、収納開口部21dの周縁は、収納開口部21dの側壁を成す部位であり、具体的には、ボックス本体21の前壁部21bの上端部、後側閉塞部材24の内側面、縦枠30の内側面(前壁部21bの上端部及び後側閉塞部材24と略同一の高さとなる部分)である。
【0158】
このように構成することにより、収納開口部21dの周縁と下降する開閉部50との間で挟まれる異物Bを検知して、開閉部50の昇降を停止することができる。これによって、異物Bが収納開口部21dと開閉部50との間に引き込まれるのを抑制することができる。
【0159】
また、前記前側センサ92及び後側センサ93は、前記被押圧部92a・93aが斜め上方を向くように設けられるものである。
【0160】
このように構成することにより、収納開口部21dの周縁と下降する開閉部50との間で挟まれる異物Bにより、被押圧部92a・93aが押圧され易くなる。これによって、前側センサ92及び後側センサ93で異物Bを検知し易くなるため、異物Bが収納開口部21dと開閉部50との間に引き込まれるのを、より精度よく抑制することができる。
【0161】
また、最上位のスラット60(前記開閉部50の最上部)は、前記全開状態において、前記収納ボックス20の上端部の少なくとも一部との間に隙間をあけて配置され、前記前側センサ92及び後側センサ93は、前記最上位のスラット60の変位を検知するものである。
【0162】
このように構成することにより、全開状態において最上位のスラット60が上方から押圧されている場合に、開閉部50が上昇するのを抑制することができる。
【0163】
また、前記最上位のスラット60には、下方へ突出するように形成された前側突出部61c及び後側突出部61d(突出部)が設けられ、前記前側突出部61c及び後側突出部61dは、前記全開状態において前記前側センサ92及び後側センサ93と当接して形成されているものである。
【0164】
このように構成することにより、全開状態において最上位のスラット60が上方から押圧されているのを精度よく検知することができる。
【0165】
また、前記後側センサ93は、前記収納ボックス20の前記収納開口部21dの一部を構成して取り外し可能に設けられた後側閉塞部材24に取り付けられているものである。
【0166】
このように構成することにより、後側センサ93と後側閉塞部材24とをまとめて着脱できるため、後側センサ93のメンテナンス性を向上させることができる。
【0167】
なお、本実施形態に係る収納開口部21dは、本発明に係る開口部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る前側センサ92及び後側センサ93は、本発明に係る検知手段の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る最上位のスラット60は、本発明に係る開閉部の最上部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る前側突出部61c、後側突出部61d及び後述する後側突出部161dは、本発明に係る突出部の実施の一形態である。
【0168】
また、以上の如く、本実施形態に係るシャッター装置10は、昇降可能に設けられ、上昇することにより建物開口部6を全閉した全閉状態と、下降することにより前記建物開口部6を全開した全開状態と、を切り替える開閉部50と、上方へ開口された収納開口部21d(開口部)を有し、前記収納開口部21dを介して前記開閉部50を内部に収納可能な収納ボックス20と、昇降可能に設けられ、前記全閉状態において前記収納ボックス20の前記収納開口部21dを塞ぐ連動部材80(閉塞手段)と、を具備するものである。
【0169】
このように構成することにより、全閉状態において雨水Wや異物B等が収納ボックス20の内部に侵入するのを抑制することができる。
【0170】
また、前記連動部材80は、前記開閉部50の下端部に連結され、当該開閉部50と連動して昇降可能に構成されるものである。
【0171】
このように構成することにより、開閉部50の昇降動作を利用して、全閉状態において収納開口部21dを塞ぐことができるため、簡単な構成により、雨水Wや異物B等が収納ボックス20の内部に侵入するのを抑制することができる。
【0172】
なお、本実施形態に係る収納開口部21dは、本発明に係る開口部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る連動部材80は、本発明に係る閉塞手段の実施の一形態である。
【0173】
また、以上の如く、本実施形態に係るシャッター装置10は、昇降可能に設けられ、上昇することにより建物開口部6を全閉した全閉状態と、下降することにより前記建物開口部6を全開した全開状態と、を切り替える開閉部50と、上方へ開口された収納開口部21d(開口部)を上端部に有し、前記収納開口部21dを介して前記開閉部50を内部に収納可能な収納ボックス20と、を具備し、前記収納ボックス20の前記上端部のうち、前記開口部の周縁を構成する少なくとも一部(後側閉塞部材24)が取り外し可能に設けられているものである。
【0174】
このように構成することにより、収納ボックス20の内部を上方からメンテナンスすることができる。このため、収納ボックス20の周囲に構造物(例えば、屋外床8)や設備機器(例えば、エアコンの室外機)等がある場合でも、当該構造物等が邪魔になることなく収納ボックス20の内部をメンテナンスすることができる。これにより、収納ボックス20の内部のメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0175】
また、前記開閉部50は、取り外し可能に設けられるものである。
【0176】
このように構成することにより、開閉部50を取り外して収納ボックス20の内部をメンテナンスし易くすることができるため、収納ボックス20の内部のメンテナンス性の一層の向上を図ることができる。
【0177】
また、前記収納ボックス20の内部に収納され、前記開閉部50を駆動するモータ111(駆動手段)を具備し、前記収納ボックス20は、前記収納ボックス20の内部に設けられ、前記モータ111が配置される下側空間S20と、収納された前記開閉部50が配置される上側空間S10と、に区画すると共に、取り外し可能なパーティション23(区画部材)を有するものである。
【0178】
このように構成することにより、開閉部50とモータ111とを上下に並べて収納ボックス20の幅(前後方向幅)を狭くすることができる。また、パーティション23を取り外せば、モータ111を上方からメンテナンスすることができる。これにより、モータ111も含めて収納ボックス20の内部のメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0179】
また、前記収納ボックス20の内部の前記上側空間S10には、前記開閉部50が収納される前側空間S11(第一空間)と、前記前側空間S11と互いに隣接する後側空間S12(第二空間)と、が形成されているものである。
【0180】
このように構成することにより、開閉部50が収納されない後側空間S12を介して収納ボックス20の内部をメンテナンスすることができる。これにより、収納ボックス20の内部をメンテナンスし易くなって、収納ボックス20の内部のメンテナンス性の一層の向上を図ることができる。
【0181】
また、前記後側閉塞部材24の前記上端部の少なくとも一部は、前記後側空間S12の上方に配置されているものである。
【0182】
このように構成することにより、後側閉塞部材24を取り外せば後側空間S12の上方から収納ボックス20の内部をメンテナンスすることができる。これにより、収納ボックス20の内部をよりメンテナンスし易くなって、収納ボックス20の内部のメンテナンス性の一層の向上を図ることができる。
【0183】
なお、本実施形態に係る収納開口部21dは、本発明に係る開口部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るモータ111は、本発明に係る駆動手段の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るパーティション23は、本発明に係る区画部材の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る前側空間S11は、本発明に係る第一空間の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る後側空間S12は、本発明に係る第二空間の実施の一形態である。
【0184】
なお、本実施形態において、連動部材80は、前記支持機構、リンク機構100及び昇降機構110によって、昇降可能、かつ回動不能に構成されるものとしたが、これに限定されない。例えば、連動部材80は、リンク機構100に支持されることなく、開閉部50に吊設等されることにより、当該開閉部50と連動するように昇降可能に構成されてもよい。
【0185】
また、以上の如く、本実施形態に係るシャッター装置10は、昇降可能に設けられ、上昇することにより建物開口部6を全閉した全閉状態と、下降することにより前記建物開口部6を全開した全開状態と、を切り替える開閉部50と、上方へ開口された収納開口部21d(開口部)を有し、前記収納開口部21dを介して前記開閉部50を内部に収納可能な収納ボックス20と、を具備し、前記収納ボックス20の内部を上側空間S10と下側空間S20とに区画すると共に、水平方向に対して傾斜して配置され、前記収納ボックス20の内部に侵入した雨水Wを前記上側空間S10の所定の場所に案内する板状のパーティション23(区画部材)と、前記所定の場所と前記収納ボックス20の外部とを連通する第一排出部121(第一の排水通路)と、が設けられるものである。
【0186】
このように構成することにより、上側空間S10に侵入した雨水Wをパーティション23から第一排出部121へと案内し、当該第一排出部121から収納ボックス20の外部へと排出することができる。これにより、収納ボックス20の内部の排水性の向上を図ることができる。
【0187】
また、前記第一排出部121は、前記収納ボックス20と建物の基礎2との間に形成されているものである。
【0188】
このように構成することにより、基礎2側(後側)が開口した収納ボックス20を基礎2に対して間隔をあけて設ければ、第一排出部121を形成できる。これにより、簡易な構成により、収納ボックス20の内部の排水性の向上を図ることができる。
【0189】
また、前記収納ボックス20の内部には、前記パーティション23を介して前記上側空間S10と前記下側空間S20とを連通するスリット31、並びに縦枠30、アタッチメント40及び側壁部21cとパーティション23との隙間(連通部)が設けられるものである。
【0190】
このように構成することにより、上側空間S10に侵入した雨水Wが当該上側空間S10で処理可能な量を超える場合には、前記雨水Wの一部を下側空間S20に逃がすことができる。これにより、上側空間S10に水が溜まるのを抑制することができる。
【0191】
また、前記収納ボックス20の内部の前記下側空間S20には、前記収納ボックス20の外部と連通された第二排出部122(第二の排水通路)が設けられるものである。
【0192】
このように構成することにより、上側空間S10から下側空間S20に流出した(逃がした)雨水Wを排水することができる。これにより、下側空間S20に水が溜まるのを抑制することができる。
【0193】
また、前記収納ボックス20の内部の前記下側空間S20には、前記開閉部50を駆動するモータ111(駆動手段)が設けられ、前記モータ111は、前記下側空間S20の底面に対して上方に離間した状態に設けられるものである。
【0194】
このように構成することにより、収納ボックス20の内部に侵入した雨水Wが下側空間S20に流出しても、当該雨水Wがモータ111の下方を流れることとなる。これにより、雨水Wでモータ111が濡れるのを抑制することができる。
【0195】
なお、本実施形態に係る収納開口部21dは、本発明に係る開口部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るパーティション23は、本発明に係る区画部材の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る第一排出部121は、本発明に係る第一の排水通路の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るスリット31、並びに縦枠30、アタッチメント40及び側壁部21cとパーティション23との隙間は、本発明に係る連通部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る第二排出部122は、本発明に係る第二の排水通路の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るモータ111は、本発明に係る駆動手段の実施の一形態である。
【0196】
以上の如く、本実施形態に係る住宅1は、建物の屋内天井5と、前記屋内天井5とほぼ同一の高さまでの開口を有するサッシ7(建具)と、前記屋内天井5とほぼ同一の高さの屋外天井9と、前記建物における屋内外を仕切ると共に、昇降可能に設けられ前記サッシ7の開口に対して開閉する開閉部50と、前記サッシ7の下部に設けられ前記開閉部50を収納する収納ボックス20(収納部)と、を有するシャッター装置10と、を具備するものである。
【0197】
このように構成することにより、収納ボックス20により屋内天井5及び屋外天井9の天井面に段差が生じないようにすることができる。これによって、シャッター装置10を備えながらも天井における屋内外の空間の連続性を確保し、住宅1の居住者の心地よさを向上させることができる。
【0198】
また、前記サッシ7は、掃き出しサッシである。
【0199】
このように構成することにより、屋内床4とサッシ7との高さが略同一となるため、床(ひいては、天井及び床の両方)における屋内外の空間の連続性を確保し、住宅1の居住者の心地よさを向上させることができる。
【0200】
また、前記シャッター装置10のボックス本体21の上面には、前記開閉部50が出入りする収納開口部21dが設けられ、前記収納開口部21dには、当該収納開口部21dを塞ぐ最上位のスラット60(蓋)が設けられるものである。
【0201】
このように構成することにより、全開状態において収納開口部21dを見え難くして、床(ひいては、天井及び床の両方)における屋内外の空間の連続性を確保し、住宅1の居住者の心地よさを向上させることができる。
【0202】
また、前記収納開口部21dは、屋内床4とほぼ同一の高さである。
【0203】
このように構成することにより、ボックス本体21と屋内床4の床面との間に段差が生じるのを防止することができる。これによって、床(ひいては、天井及び床の両方)における屋内外の空間の連続性を確保し、住宅1の居住者の心地よさを向上させることができる。
【0204】
また、屋外には、前記収納開口部21dを介して屋内床4とほぼ同一の高さで連続する屋外床8を有するものである。
【0205】
このように構成することにより、床(ひいては、天井及び床の両方)における屋内外の空間の連続性を確保し、住宅1の居住者の心地よさを向上させることができる。
【0206】
また、前記シャッター装置10の前記開閉部50は、前記サッシ7の開口に対して閉鎖した場合に、前記屋外天井9に当接されるものである。
【0207】
このように構成することにより、天井における開閉部50よりも屋内側と屋外側の空間の遮断性を向上させ、住宅1の居住者の心地よさを向上させることができる。
【0208】
なお、本実施形態に係るサッシ7は、本発明に係る建具の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る収納ボックス20は、本発明に係る収納部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る最上位のスラット60は、本発明に係る蓋の実施の一形態である。
【0209】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0210】
例えば、シャッター装置10は、住宅1に設けられたが、シャッター装置10が設けられる建物は、住宅1に限定されるものではなく、店舗や商業施設等であってもよい。
【0211】
また、最上位のスラット60は、全開状態において収納開口部21dを塞ぐことが可能であれば、必ずしも係止部61b、前側突出部61c及び後側突出部61dを具備している必要はない。最上位のスラット60は、例えば、単なる平板状の部材であってもよい。
【0212】
また、最上位のスラット60は、全開状態においてボックス本体21の前壁部21bに対して隙間をあけて配置されるものとしたが、これに限定されるものではなく、ボックス本体21の前壁部21bと当接していてもよい(図19参照)。
【0213】
また、最上位のスラット60は、全開状態において前側センサ92及び後側センサ93(すなわち、2つのセンサ)と当接するものとしたが、2つのうち1つのセンサと当接するものとしてもよい。すなわち、2つのセンサのうち1つのセンサは、被押圧部(被押圧部92a又は被押圧部93a)に対して、隙間を空けて配置されていてもよい。また、最上位のスラット60が、上方から押圧された場合(例えば、人が載った場合)に被押圧部92a・93aの少なくとも1つの押圧部を押圧可能であれば、被押圧部92a・93aに対して隙間を空けて配置されていてもよい(図19参照)。
【0214】
図19は、第一変形例に係る最上位のスラット160を示すものである。最上位のスラット160は、全開状態においてボックス本体21の前壁部21bに上方から当接している点、並びに前側センサ92及び後側センサ93に対して隙間を空けて配置される点で、本実施形態に係る最上位のスラット60と相違する。
【0215】
最上位のスラット160は、本体部161、及び本実施形態に係るビート62よりも長さ(前後方向幅)が短いビート162を具備する。本体部161は、扁平面161a、肉厚部161b、前側突出部161c及び後側突出部161dを具備する。
【0216】
扁平面161aは、本体部161の上面であり、水平面に対して平行な面である。肉厚部161bは、他の部分よりも厚みが厚くなるように形成される部分である。肉厚部161bは、本体部161の前端部に形成され、ボックス本体21の前壁部21bと当接する。前側突出部161cは、肉厚部161bの後下端部から後下方へ突出するように形成され、前側センサ92の被押圧部92aに対して後上方向(前下方向)に隙間を空けて配置される。後側突出部161dは、本体部161の下面から前下方へ突出するように形成され、後側センサ93の被押圧部93aに対して前上方向(後下方向)に隙間を空けて配置される。最上位のスラット160は、本体部161の後端部が後側閉塞部材24に対して上方に隙間を空けて配置されることで、下方へ変位可能に構成される。また、本体部161の後端部と後側閉塞部材24との隙間は、後側突出部161dと後側センサ93の被押圧部93aとの隙間よりも大きくなるように形成される。すなわち、後側突出部161dと後側センサ93の被押圧部93aとの隙間は、上下方向の距離が少なくとも本体部161の後端部と後側閉塞部材24との隙間よりも小さくなるように離間して形成される。
【0217】
図20に示すように、最上位のスラット160は、人が載る等して上方から押圧されると、揺動したり撓んだりして本体部161の後端部が下方へ変位する。後側突出部161dは、当該変位により下方へ移動し、後側センサ93の被押圧部93aを押圧する。これにより、後側センサ93は、全開状態において、最上位のスラット160の下方への変位を検知する。このように、最上位のスラット160は、本体部161の前端部ではなく、本体部161の後端部を下方へ変位させることで、前壁部21bに極力荷重がかからないようにしている。これによって、前壁部21bが変形するのを抑制することができる。最上位のスラット160は、人が載ることが想定される状況、例えば、本実施形態のようにボックス本体21の上端部が屋内床4及び屋外床8と略同一の高さに配置される状況において用いられることが好適である。
【0218】
以上のように、最上位のスラット160には、下方へ突出するように形成された後側突出部161d(突出部)が設けられ、後側突出部161dは、全開状態において後側センサ93と上下方向の距離が少なくとも本体部161の後端部と後側閉塞部材24との隙間隙間よりも小さくなるように離間して形成されているものである。
【0219】
このように構成することにより、後側突出部161dと後側センサ93の被押圧部93aとの間に形成された隙間によって、上述の如き前側突出部61c及び後側突出部61dの場合と比べて、最上位のスラット160の変位に対する検知に多少のゆとりをもたすことができる。このため、全開状態において、最上位のスラット160が上方から押圧されているのを精度よく検知することができると共に、検知するほどの程度ではなく最上位のスラット160が揺動したり撓んだりした場合に当該最上位のスラット160の変位が検知されるのを抑制することができる。
【0220】
また、最上位のスラット60は、全閉状態において屋外天井9に当接するものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、全閉状態において屋外天井9に対して僅かに隙間をあけて配置されるものであってもよい(図21参照)。
【0221】
図21は、第二変形例に係る最上位のスラット260及び屋外天井209を示すものである。最上位のスラット260は、ビート262の長さ(図21では上下方向幅)が長い点で、本実施形態に係る最上位のスラット60と相違する。屋外天井209は、凹部209aを具備する点で本実施形態に係る屋外天井9と相違する。凹部209aは、屋外天井209の下面に形成される。また、凹部209aは、ビート262を収納可能に構成される。
【0222】
最上位のスラット260は、全閉状態において、ビート262の先端部(上端部)が凹部209aに入り込む。ビート262は、凹部209aに対して僅かに間隔をあけて配置される。このように、前記シャッター装置10の前記開閉部50は、前記サッシ7の開口に対して閉鎖した場合に、前記屋外天井9に形成された凹部209aに入り込むものである。
【0223】
このような構成によれば、最上位のスラット260と屋外天井209との間から鳥や雨水等が侵入するのを抑制できる。また、正面視(前後方向)において、屋外天井209とビート262との間に隙間が形成されていないため、屋外の光が屋内へと侵入するのを抑制することができる。
【0224】
また、第二変形例においては、凹部209aにビート262を入り込ませる構成としたが、別の構成を採用することもできる。例えば、屋外天井209の下面に当該下面から下方へと凸状となる凸部(例えば、上桟等)を形成し、全閉状態において当該凸部の前方(屋外側)又は後方(屋内側)にビート262の先端部(上端部)を移動させることとしてもよい。このように、屋外天井209に対して最上位のスラット260が僅かに隙間をあけて配置される第二変形例では、最上位のスラット260の少なくとも一部が、凹部209aや前記凸部の側壁と正面視で重複していればよい。このように、本発明に係る凹部とは、屋外天井209の下面から上方に凹んだ部分だけでなく、屋外天井209の下面と当該下面に対して上下方向にずれた面とから構成されてもよい。具体的には、本発明に係る凹部には、凹部209aだけでなく、屋外天井209の下面と当該下面から下方へと凸状となる凸部(例えば、上桟等)とから構成される部分も含まれる。
【0225】
また、最上位のスラット60及び連動部材80は、スラット群70との間に隙間をあけて配置されるものとしたが、スラット群70に対して隙間なく積み重ねられるものであってもよい。このように構成することで、開閉部50を収納するスペースを小さくすることができるため、シャッター装置10を小型化することができる。
【0226】
また、開閉部50は、複数のスラット60・70を具備するものとしたが、建物開口部6を開閉可能であれば、開閉部50の構成は、これに限定されるものではない。開閉部50は、例えば、1枚のシート状の部材を具備するものであってもよい。
【0227】
また、前側センサ92及び後側センサ93は、収納開口部21dの内側に侵入する異物Bを検知可能であれば、その構成はテープスイッチに限定されるものではなく、例えば、赤外線センサ等であってもよい。
【0228】
また、前側センサ92及び後側センサ93の被押圧部92a・93aは、収納開口部21dの内側に侵入する異物Bによって押圧可能であれば、その姿勢は本実施形態に限定されるものではない。被押圧部92a・93aは、例えば、前後方向を向いた姿勢で配置されるものであってもよい。
【0229】
また、シャッター装置10は、前側センサ92及び後側センサ93が異物Bを検知した場合に、開閉部50の下降の停止及び上昇を行うものとしたが、異物Bを検知したときの制御はこれに限定されるものではない。シャッター装置10は、例えば、異物Bを検知した場合に、開閉部50の下降の停止のみを行うものであってもよい。
【0230】
また、連動部材80は、全閉状態において収納開口部21dを塞ぐことが可能であれば、その構成は本実施形態に限定されるものではなく、例えば、図22に示す変形例に係る連動部材380のような構成とすることも可能である。
【0231】
変形例に係る連動部材380は、受け部381、前側ビート382及び後側ビート383を具備する点で本実施形態に係る連動部材80と相違する。受け部381は、連動部材380の後部に形成される。受け部381は、下方へ延びる部分と当該下方へ延びた部分の端部から略後方へ延びる部分とを有する略L字状に形成される。前側ビート382及び後側ビート383は、略板状に形成された樹脂によって弾性変形可能に構成される。前側ビート382は、その板面を前上方(後下方)に向けた状態で連動部材380の前端部に設けられ、前壁部21bの後方に配置される。後側ビート383は、その板面を略前後方向に向けた状態で受け部381の後端部に設けられ、後側閉塞部材24の下方に配置される。連動部材380は、受け部381及び後側ビート383により、後部が側面視略J字状に形成される。
【0232】
変形例に係る連動部材380は、昇降時に前端部(前側ビート382)と前壁部21bとの間に異物Bが挟まったとしても、前側ビート382を弾性変形させて異物Bに負荷がかかるのを抑制することができる。また、連動部材380は、上昇時に後端部(後側ビート383)と後側閉塞部材24との間に異物Bが挟まったとしても、後側ビート383を弾性変形させて異物Bに負荷がかかるのを抑制することができる。また、連動部材380は、全閉状態において収納開口部21dの後方から異物Bが落下したとしても、受け部381b及び後側ビート383により異物Bを保持することができる。これにより、異物Bが連動部材380の下方へと落下するのを抑制し、異物Bを取り除き易くすることができる。
【0233】
また、変形例に係る連動部材380は、前端部(前側ビート382)と前壁部21bとの隙間を本実施形態よりも小さくしている。これによって、全閉状態において、収納開口部21dから異物Bや雨水Wが収納ボックス20内に侵入するのを効果的に抑制することができる。
【0234】
また、全閉状態において収納開口部21dを閉塞する部材は、必ずしも連動部材80である必要はなく、例えば、スラット群70のスラットであってもよい。
【0235】
図23及び図24は、スラット群70のスラットにより全閉状態において収納開口部21dを閉塞する、変形例に係る開閉部450を示すものである。変形例に係る開閉部450は、スラットの昇降動作に加えて、回動動作も利用して収納開口部21dを閉塞する。
【0236】
具体的には、図23に示す変形例に係る開閉部450は、最上位のスラット60、通常のスラット群460、前側閉塞用スラット470及び後側閉塞用スラット480を具備する。通常のスラット群460のスラットは、本実施形態に係るスラット群70のスラットと同一形状に形成される。前側閉塞用スラット470は、全てのスラット60・460・470・480のうち、下から3番目のスラットである。前側閉塞用スラット470は、その前端部から上方へ突出する板状の閉塞部471を具備する点で通常のスラット群460のスラットと相違する。後側閉塞用スラット480は、最下位のスラットである。後側閉塞用スラット480は、その後端部から後方へ突出する板状の第一閉塞部481と、その後端部から後下方へ突出する板状の第二閉塞部482と、を具備する点で通常のスラット群460のスラットと相違する。また、前側閉塞用スラット470及び後側閉塞用スラット480は、通常のスラット群460と共に昇降可能、かつ回動可能に構成される。
【0237】
図24に示すように、変形例に係る開閉部450は、全閉状態において、前側閉塞用スラット470が収納開口部21dの上方において回動し、その板面が前後方向を向いた(立ち上がった)状態となる。閉塞部471は、前側閉塞用スラット470の回動によって、その板面が上下方向を向けられてボックス本体21の前壁部21bと当接し、収納開口部21dの前部を閉塞する。また、後側閉塞用スラット480は、収納開口部21dの下方において回動し、その板面が前後方向を向いた(立ち上がった)状態となる。第一閉塞部481は、後側閉塞用スラット480の回動によって、その板面が前後方向を向けられて、後側閉塞部材24と対向する。第二閉塞部482は、その板面が前上方(後下方)を向けられて、後上端部が後側閉塞部材24の近傍に配置される。後側閉塞用スラット480は、当該第一閉塞部481及び第二閉塞部482により、収納開口部21dの後部を閉塞する。こうして、開閉部450は、2つのスラット470・480の回動動作を利用して、全閉状態で収納開口部21dを閉塞することができる。
【0238】
以上の如く、変形例において、前記開閉部450は、上下方向に並設された複数のスラット60・460・470・480の集合体であって、前記閉塞手段は、前記複数のスラット60・460・470・480のうち一部のスラット470・480を用いて形成されているものである。
【0239】
このように構成することにより、スラット60・460・470・480を用いた簡易な構成により、雨水Wや異物B等が収納ボックス20の内部に侵入するのを抑制することができる。
【0240】
また、変形例において、前記複数のスラット60・460・470・480は、それぞれ立ち上がった状態である立ち上がり状態と、横たわった状態である横たわり状態と、に姿勢を切り替え可能に構成され、前記横たわり状態であった前側閉塞用スラット470及び後側閉塞用スラット480(前記一部のスラット)を、前記立ち上がり状態に切り替えることにより前記収納ボックス20の前記収納開口部21dを塞ぐものである。
【0241】
このように構成することにより、スラット470・480の姿勢の切替(回動動作)を用いた簡易な構成により、雨水Wや異物B等が収納ボックス20の内部に侵入するのを抑制することができる。
【0242】
また、前記前側閉塞用スラット470及び後側閉塞用スラット480は、少なくとも2つ以上のスラット470・480である。
【0243】
このように構成することにより、スラット470・480の姿勢の切替を用いた簡易な構成により、雨水Wや異物B等が収納ボックス20の内部に侵入するのを抑制することができる。
【0244】
なお、変形例において、開閉部450は、1つのスラットの回動動作を利用して収納開口部21dを閉塞するものであってもよい。
【0245】
また、変形例において、前側閉塞用スラット470と後側閉塞用スラット480との間には、通常のスラット群460のスラットが介在していたが、これに限定されるものではなく、互いに隣接していてもよい。
【0246】
また、シャッター装置10においては、少なくとも後側閉塞部材24が取り外し可能であればよく、必ずしも開閉部50、連動部材80及びパーティション23が取り外し可能に設けられている必要はない。
【0247】
また、モータ111は、開閉部50を駆動可能に構成されていれば、その配置位置は特に限定されるものではなく、例えば、開閉部50の前方等に配置されていてもよい。また、モータ111は、ケース22に載置されるものであってもよい。
【0248】
また、ボックス本体21の内部において、前側空間S11と後側空間S12とは、必ずしも隣接している必要はなく、例えば、他の空間を介して繋がっていてもよい。
【0249】
また、排水構造は、第一排出部121及び第二排出部122を具備するものとしたが、収納ボックス20内に侵入した雨水Wを排出可能であれば、排水構造の構成はこれに限定されるものではない。排水構造は、例えば、図25に示す第一変形例に係る排水構造や図26に示す第二変形例に係る排水構造のような構成であってもよい。
【0250】
図25に示すように、第一変形例に係る排水構造は、第一排出部521を具備する点で本実施形態に係る排水構造と相違する。第一排出部521は、上側空間S10に侵入した雨水Wを収納ボックス20の前部から排出するためのものである。また、第一排出部521は、前壁部21bの内側面とケース22及びパーティション23との間に形成される隙間である。第一排出部521は、その上端部がパーティション23よりも上方に位置するように形成され、上側空間S10と連通する。
【0251】
第一変形例に係る排水構造によれば、収納開口部21dから侵入して前壁部21bを伝う雨水Wを、第一排出部521へと移動させて外部へ排出することができる。これにより、パーティション23の傾斜面23aを介さずに(速やかに)雨水Wを排出することができるため、排水性の向上を図ることができる。
【0252】
また、第一変形例に係る排水構造は、図22に示す変形例に係る連動部材380と組み合わせることで、排水性を効果的に向上させることができる。具体的には、連動部材380は、前端部(前側ビート382)と前壁部21bとの隙間が本実施形態よりも小さくなっている。このため、雨水Wは、全閉状態において上側空間S10に侵入する場合に、前側ビート382を伝って前壁部21bへ移動し、前壁部21bを伝い易くなる。よって、第一変形例に係る排水構造と変形例に係る連動部材380と組み合わせると、連動部材380で前壁部21bを伝い易くなった雨水Wを、第一排出部521から速やかに排出することができるため、排水性を効果的に向上させることができる。
【0253】
図26に示すように、第二変形例に係る排水構造は、第一排出部621及び第二排出部622を具備する点で本実施形態に係る排水構造と相違する。第一排出部621は、上側空間S10に侵入した雨水Wを収納ボックス20の右部から排出するためのものである。また、第一排出部621は、パーティション23の右端部に形成される切欠部である。第一排出部621は、平面視略矩形状に形成される。第一排出部621は、パーティション23の前端部から後部(アタッチメント40よりも後方に位置する部分)までに亘って形成される。第二排出部622は、下側空間S20に侵入した雨水Wを収納ボックス20の右部から排出するためのものである。また、第二排出部622は、ケース22の底面に形成される切欠部である。第二排出部622は、第一排出部621と略同一形状に形成され、平面視において第一排出部621と重複するように形成される。
【0254】
第二変形例に係る排水構造によれば、収納開口部21dから侵入して縦枠30及びアタッチメント40を伝う雨水Wを、第一排出部621及び第二排出部622によって下方へ案内して外部へ排出することができる。これにより、パーティション23の傾斜面23aを介さずに(速やかに)雨水Wを排出することができるため、排水性の向上を図ることができる。
【0255】
このように、第一排出部121は、前側空間S11内の雨水Wを排出可能であれば、第一排出部121が形成される位置は特に限定されるものではない。また、第二排出部122は、下側空間S20内の雨水Wを排出可能であれば、第二排出部122が形成される位置は特に限定されるものではない。
【0256】
また、シャッター装置10は、少なくとも第一排出部121が形成されていればよく、必ずしも第二排出部122が形成されている必要はない。
【0257】
また、住宅1において、建物開口部6に設けられる建具は、必ずしも掃き出しサッシである必要はない。
【0258】
また、住宅1において、シャッター装置10は、必ずしも全開状態及び全閉状態において収納開口部21dを塞ぐ必要はない。
【0259】
また、住宅1において、シャッター装置10の収納開口部21dは、屋内床4と略同一の高さであるものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば、屋内床4とは異なる高さであってもよい。
【0260】
また、住宅1において、屋外床8は、必ずしも屋内床4と略同一の高さである必要はなく、互いに異なる高さであってもよい。
【符号の説明】
【0261】
6 建物開口部
10 シャッター装置
20 収納ボックス
21d 収納開口部(開口部)
50 開閉部
92 前側センサ(検知手段)
93 後側センサ(検知手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
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