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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/24 20060101AFI20221115BHJP
   G06T 7/521 20170101ALI20221115BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20221115BHJP
【FI】
G01B11/24 K
G06T7/521
G06T7/00 610Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019021807
(22)【出願日】2019-02-08
(65)【公開番号】P2020128929
(43)【公開日】2020-08-27
【審査請求日】2021-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000129253
【氏名又は名称】株式会社キーエンス
(74)【代理人】
【識別番号】100098305
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 祥人
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 雅博
(74)【代理人】
【識別番号】100187931
【弁理士】
【氏名又は名称】澤村 英幸
(72)【発明者】
【氏名】小中 敏寛
(72)【発明者】
【氏名】大野 修平
【審査官】仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-45587(JP,A)
【文献】特開2017-156242(JP,A)
【文献】特開2018-151163(JP,A)
【文献】特開2017-3513(JP,A)
【文献】特開2006-267031(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
G06T 7/00-7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周期的なパターンを有する構造化光を位相シフトさせつつ測定対象物に複数回照射する構造化照明部と、
一様光を測定対象物に照射する一様照明部と、
測定対象物により反射された構造化光を順次受光することにより測定対象物の画像を示す複数のパターン画像データを順次生成するとともに、測定対象物により反射された一様光を受光することにより測定対象物の画像を示すテクスチャ画像データを生成する撮像部と、
前記構造化照明部、前記一様照明部および前記撮像部の動作を制御する撮像処理部と、
前記撮像部により生成された複数のパターン画像データに基づいて測定対象物の高さ画像を示す高さデータを生成する演算処理部と、
前記演算処理部により生成された高さデータおよび前記撮像部により生成されたテクスチャ画像データを出力する出力処理部と、
前記構造化照明部、前記一様照明部、前記撮像部、前記撮像処理部、前記演算処理部および前記出力処理部により構成されるヘッド部と、
前記ヘッド部に接続されるコントローラ部とを備え、
前記コントローラ部は、
前記ヘッド部により出力された高さデータまたはテクスチャ画像データを取得し、取得された高さデータまたはテクスチャ画像データに基づいて測定対象物の検査を実行する検査部と、
第1のトリガ信号を前記ヘッド部に出力する第1のトリガ信号出力部とを含み、
前記ヘッド部は、複数のパターン画像データおよびテクスチャ画像データを生成するための処理が完了した時点で第1のトリガ信号を受け付け可能なトリガレディ状態に移行し、トリガレディ状態時に前記コントローラ部により出力された第1のトリガ信号を受け付けた場合、複数のパターン画像データおよびテクスチャ画像データを順次生成する処理を実行する、検査装置。
【請求項2】
前記撮像処理部は、前記演算処理部による高さデータの生成と並行してテクスチャ画像データが生成されるように前記構造化照明部、前記一様照明部および前記撮像部を制御し、
前記出力処理部は、前記演算処理部による高さデータの生成が終了する前にテクスチャ画像データを出力する、請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記ヘッド部は、前記演算処理部により生成された高さデータおよび前記撮像部により生成されたテクスチャ画像データを記憶するメモリをさらに含み、
前記コントローラ部は、第1のトリガ信号とは異なる第2のトリガ信号を出力する第2のトリガ信号出力部をさらに含み、
前記ヘッド部は、前記コントローラ部により出力された第2のトリガ信号を受け付けた場合、記憶された高さデータまたはテクスチャ画像を前記コントローラ部に出力する、請求項2記載の検査装置。
【請求項4】
前記一様照明部は、赤色領域の波長を有する第1の一様光、緑色領域の波長を有する第2の一様光および青色領域の波長を有する第3の一様光を測定対象物に照射可能に構成され、
前記撮像処理部は、前記演算処理部による高さデータの生成と並行して、前記一様照明部に第1、第2および第3の一様光を順次出射させ、前記撮像部に第1、第2および第3の一様光にそれぞれ対応する第1、第2および第3のテクスチャ画像データを生成させ、生成された第1、第2および第3テクスチャ画像データを前記メモリに記憶させ、
前記出力処理部は、前記演算処理部による高さデータの生成が終了する前に、前記メモリに記憶された第1、第2および第3のテクスチャ画像データを前記コントローラ部に出力する、請求項3記載の検査装置。
【請求項5】
前記メモリは、第1および第2のバッファメモリを含み、
前記撮像処理部は、前記構造化照明部に構造化光を出射させ、前記撮像部に複数のパターン画像データを生成させ、生成された複数のパターン画像データを前記第1のバッファメモリに記憶させるパターン撮像処理を実行し、
前記演算処理部は、前記パターン撮像処理において前記第1のバッファメモリに記憶された複数のパターン画像データに関する演算を行うことにより高さデータを生成する演算処理を実行し、
前記撮像処理部は、前記演算処理と並行して、前記一様照明部に一様光を出射させ、前記撮像部にテクスチャ画像データを生成させ、生成されたテクスチャ画像データを前記第2のバッファメモリに記憶させるテクスチャ撮像処理を実行し、
前記出力処理部は、前記演算処理が終了する前に前記第2のバッファメモリに記憶されたテクスチャ画像データを前記コントローラ部に出力し、前記演算処理が終了した後に前記第1のバッファメモリに記憶された高さデータを前記コントローラ部に出力する、請求項3または4記載の検査装置。
【請求項6】
前記構造化照明部は、互いに異なる第1および第2の方向から測定対象物に構造化光をそれぞれ照射する第1および第2の構造化照明部を含み、
前記メモリは、第1および第2のバッファメモリを含み、
前記撮像処理部は、前記第1の構造化照明部に構造化光を出射させ、前記撮像部に複数のパターン画像データとして複数の第1の画像データを生成させ、生成された複数の第1のパターン画像データを前記第1のバッファメモリに記憶させる第1のパターン撮像処理を実行し、
前記演算処理部は、前記第1のパターン撮像処理において前記第1のバッファメモリに記憶された複数の第1のパターン画像データに関する演算を行うことにより前記第1の方向に対応する高さデータとして第1の高さデータを生成する第1の演算処理を実行し、
前記撮像処理部は、前記第1の演算処理と並行して、前記第2の構造化照明部に構造化光を出射させ、前記撮像部に複数のパターン画像データとして複数の第2のパターン画像データを生成させ、生成された複数の第2のパターン画像データを前記第2のバッファメモリに記憶させる第2のパターン撮像処理を実行し、
前記演算処理部は、前記第2のパターン撮像処理において前記第2のバッファメモリに記憶された複数の第2のパターン画像データに関する演算を行うことにより前記第2の方向に対応する高さデータとして第2の高さデータを生成する第2の演算処理を実行し、
前記撮像処理部は、前記第2の演算処理と並行して、前記一様照明部に一様光を出射させ、前記撮像部にテクスチャ画像データを生成させ、生成されたテクスチャ画像データを前記第1のバッファメモリに記憶させるテクスチャ撮像処理を実行し、
前記出力処理部は、前記第2の演算処理が終了する前に、前記第1のバッファメモリに記憶されたテクスチャ画像データを前記コントローラ部に出力する、請求項3または4記載の検査装置。
【請求項7】
前記演算処理部は、前記第2の演算処理において、第1および第2の高さデータを合成することにより測定不可能な部分が低減された合成高さデータをさらに生成し、
前記出力処理部は、前記第2の演算処理が終了した後に、生成された合成高さデータを前記コントローラ部に出力する、請求項6記載の検査装置。
【請求項8】
前記演算処理部は、
前記第1のパターン撮像処理と前記第2のパターン撮像処理との間に、前記第1のバッファメモリに記憶された複数の第1のパターン画像データを前記第2のバッファメモリに記憶させ、
前記第2の演算処理において、前記第2のバッファメモリに記憶された複数の第1のパターン画像データと複数の第2のパターン画像データとを合成することにより合成高さデータを生成する、請求項7記載の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象物の高さを検査する検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
三角測距方式の検査装置においては、投光部により測定対象物の表面に光が照射され、その反射光が1次元または2次元に配列された画素を有する受光部により受光される。受光部により得られる受光量分布のデータに基づいて、測定対象物の高さ画像を示す高さデータが生成される。このような高さデータは、工場等の生産現場において、生産された測定対象物の高さを検査(インライン検査)するために用いられることがある。
【0003】
例えば、特許文献1の三次元画像処理装置においては、測定対象物がベルトコンベアにより搬送され、所定の位置で投光手段により測定対象物に光が多数回照射される。また、測定対象物からの各反射光が撮像部で受光されることにより測定対象物が撮像される。測定対象物の複数の画像データに基づいて、測定対象物の高さデータ(高さ画像)が生成される。生成された高さ画像に基づいて所定の検査が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-45587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のインライン検査においては、測定対象物が所定の位置で静止するようにベルトコンベアによる測定対象物の搬送が一定時間停止された状態で、測定対象物に光が多数回照射されるとともに、測定対象物が多数回撮像される。これにより、高さデータが生成され、生成された高さ画像に基づいて所定の検査が実行される。ここで、検査に長時間を要すると、測定対象物の搬送の停止時間が長期化し、測定対象物の生産効率が低下する。そのため、検査を短時間で実行することが可能な検査装置が望まれる。
【0006】
本発明の目的は、測定対象物の検査を短時間で実行することが可能な検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係る検査装置は、周期的なパターンを有する構造化光を位相シフトさせつつ測定対象物に複数回照射する構造化照明部と、一様光を測定対象物に照射する一様照明部と、測定対象物により反射された構造化光を順次受光することにより測定対象物の画像を示す複数のパターン画像データを順次生成するとともに、測定対象物により反射された一様光を受光することにより測定対象物の画像を示すテクスチャ画像データを生成する撮像部と、構造化照明部、一様照明部および撮像部の動作を制御する撮像処理部と、撮像部により生成された複数のパターン画像データに基づいて測定対象物の高さ画像を示す高さデータを生成する演算処理部と、演算処理部により生成された高さデータおよび撮像部により生成されたテクスチャ画像データを出力する出力処理部とを備え、撮像処理部は、演算処理部による高さデータの生成と並行してテクスチャ画像データが生成されるように構造化照明部、一様照明部および撮像部を制御し、出力処理部は、演算処理部による高さデータの生成が終了する前にテクスチャ画像データを出力する。
【0008】
この検査装置においては、構造化照明部により周期的なパターンを有する構造化光が位相シフトされつつ測定対象物に複数回照射される。測定対象物により反射された構造化光が順次受光されることにより測定対象物の画像を示す複数のパターン画像データが撮像部により順次生成される。また、一様照明部により一様光が測定対象物に照射される。測定対象物により反射された一様光が受光されることにより測定対象物の画像を示すテクスチャ画像データが撮像部により生成される。
【0009】
撮像部により生成された複数のパターン画像データに基づいて測定対象物の高さ画像を示す高さデータが演算処理部により生成される。演算処理部により生成された高さデータおよび撮像部により生成されたテクスチャ画像データが出力処理部により出力される。ここで、演算処理部による高さデータの生成と撮像部によるテクスチャ画像の生成とが並行して行われるように構造化照明部、一様照明部および撮像部の動作が撮像処理部により制御される。また、出力処理部によるテクスチャ画像データの出力は、演算処理部による高さデータの生成が終了する前に行われる。
【0010】
この場合、高さデータの生成と並行してテクスチャ画像データの生成および出力が行われる。そのため、一様照明部および撮像部は高さデータの生成が終了するまで一様光の照射およびテクスチャ画像データの生成を待機する必要がない。また、出力処理部は、高さデータの生成が終了するまでテクスチャ画像データの出力を待機する必要がない。さらに、高さデータの生成の終了後、高さデータが出力されることにより直ちに高さデータまたはテクスチャ画像を用いて測定対象物を検査することが可能となる。これにより、測定対象物の検査を短時間で実行することができる。
【0011】
(2)検査装置は、構造化照明部、一様照明部、撮像部、撮像処理部、演算処理部および出力処理部により構成されるヘッド部と、ヘッド部に接続されるコントローラ部とを備え、コントローラ部は、ヘッド部により出力された高さデータまたはテクスチャ画像データを取得し、取得された高さデータまたはテクスチャ画像データに基づいて測定対象物の検査を実行する検査部と、第1のトリガ信号をヘッド部に出力する第1のトリガ信号出力部とを含み、ヘッド部は、複数のパターン画像データおよびテクスチャ画像データを生成するための処理が完了した時点で第1のトリガ信号を受け付け可能なトリガレディ状態に移行し、トリガレディ状態時にコントローラ部により出力された第1のトリガ信号を受け付けた場合、複数のパターン画像データおよびテクスチャ画像データを順次生成する処理を実行してもよい。
【0012】
この場合、ヘッド部により高さデータおよびテクスチャ画像データが生成され、コントローラ部に出力される。コントローラ部により高さデータまたはテクスチャ画像データに基づいて測定対象物の検査が実行される。ここで、ヘッド部は、複数のパターン画像データおよびテクスチャ画像データを生成するための処理が完了した時点でトリガレディ状態に移行する。
【0013】
そのため、ヘッド部は、高さデータの生成、テクスチャ画像データの出力および高さデータの出力が終了する前でも、コントローラ部から次の第1のトリガ信号を受け付けることにより、複数のパターン画像データおよびテクスチャ画像データを順次生成することが可能となる。したがって、高さデータの生成、テクスチャ画像データの出力または高さデータの出力と並行して、次の第1のトリガ信号に対応するパターン画像データまたはテクスチャ画像データの生成を行うことが可能となる。これにより、複数の測定対象物の検査を短時間で順次実行することができる。
【0014】
(3)ヘッド部は、演算処理部により生成された高さデータおよび撮像部により生成されたテクスチャ画像データを記憶するメモリをさらに含み、コントローラ部は、第1のトリガ信号とは異なる第2のトリガ信号を出力する第2のトリガ信号出力部をさらに含み、ヘッド部は、コントローラ部により出力された第2のトリガ信号を受け付けた場合、記憶された高さデータまたはテクスチャ画像をコントローラ部に出力してもよい。
【0015】
この場合、第2のトリガ信号により高さデータまたはテクスチャ画像を所望のタイミングで出力することが可能になる。これにより、演算処理部による高さデータの生成が終了する前にテクスチャ画像データを容易に出力することができる。
【0016】
(4)一様照明部は、赤色領域の波長を有する第1の一様光、緑色領域の波長を有する第2の一様光および青色領域の波長を有する第3の一様光を測定対象物に照射可能に構成され、撮像処理部は、演算処理部による高さデータの生成と並行して、一様照明部に第1、第2および第3の一様光を順次出射させ、撮像部に第1、第2および第3の一様光にそれぞれ対応する第1、第2および第3のテクスチャ画像データを生成させ、生成された第1、第2および第3テクスチャ画像データをメモリに記憶させ、出力処理部は、演算処理部による高さデータの生成が終了する前に、メモリに記憶された第1、第2および第3のテクスチャ画像データをコントローラ部に出力してもよい。
【0017】
この場合、第1、第2および第3のテクスチャ画像データを用いることにより、測定対象物をより正確に検査することが可能になる。ここで、第1、第2および第3のテクスチャ画像データの生成および出力は、演算処理部による高さデータの生成と並行して行われる。そのため、第1、第2および第3のテクスチャ画像データを生成および出力する場合でも、検査工程の時間は変化しない。これにより、測定対象物の検査を短時間でより正確に実行することができる。
【0018】
(5)メモリは、第1および第2のバッファメモリを含み、撮像処理部は、構造化照明部に構造化光を出射させ、撮像部に複数のパターン画像データを生成させ、生成された複数のパターン画像データを第1のバッファメモリに記憶させるパターン撮像処理を実行し、演算処理部は、パターン撮像処理において第1のバッファメモリに記憶された複数のパターン画像データに関する演算を行うことにより高さデータを生成する演算処理を実行し、撮像処理部は、演算処理と並行して、一様照明部に一様光を出射させ、撮像部にテクスチャ画像データを生成させ、生成されたテクスチャ画像データを第2のバッファメモリに記憶させるテクスチャ撮像処理を実行し、出力処理部は、演算処理が終了する前に第2のバッファメモリに記憶されたテクスチャ画像データをコントローラ部に出力し、演算処理が終了した後に第1のバッファメモリに記憶された高さデータをコントローラ部に出力してもよい。
【0019】
この場合、演算処理とテクスチャ撮像処理とが、それぞれ異なる第1および第2のバッファメモリを用いて実行されるので、撮像処理部および演算処理部の各々の処理速度が低下することがない。これにより、高さデータおよびテクスチャ画像データがより短時間で生成される。その結果、測定対象物の検査をより短時間で実行することができる。
【0020】
(6)構造化照明部は、互いに異なる第1および第2の方向から測定対象物に構造化光をそれぞれ照射する第1および第2の構造化照明部を含み、メモリは、第1および第2のバッファメモリを含み、撮像処理部は、第1の構造化照明部に構造化光を出射させ、撮像部に複数のパターン画像データとして複数の第1の画像データを生成させ、生成された複数の第1のパターン画像データを第1のバッファメモリに記憶させる第1のパターン撮像処理を実行し、演算処理部は、第1のパターン撮像処理において第1のバッファメモリに記憶された複数の第1のパターン画像データに関する演算を行うことにより第1の方向に対応する高さデータとして第1の高さデータを生成する第1の演算処理を実行し、撮像処理部は、第1の演算処理と並行して、第2の構造化照明部に構造化光を出射させ、撮像部に複数のパターン画像データとして複数の第2のパターン画像データを生成させ、生成された複数の第2のパターン画像データを第2のバッファメモリに記憶させる第2のパターン撮像処理を実行し、演算処理部は、第2のパターン撮像処理において第2のバッファメモリに記憶された複数の第2のパターン画像データに関する演算を行うことにより第2の方向に対応する高さデータとして第2の高さデータを生成する第2の演算処理を実行し、撮像処理部は、第2の演算処理と並行して、一様照明部に一様光を出射させ、撮像部にテクスチャ画像データを生成させ、生成されたテクスチャ画像データを第1のバッファメモリに記憶させるテクスチャ撮像処理を実行し、出力処理部は、第2の演算処理が終了する前に、第1のバッファメモリに記憶されたテクスチャ画像データをコントローラ部に出力してもよい。
【0021】
この場合、第1および第2の高さデータを用いることにより、測定対象物のより広範囲に渡る部分を検査することが可能となる。ここで、第1の演算処理と第2のパターン撮像処理とが、それぞれ異なる第1および第2のバッファメモリを用いて実行される。また、第2の演算処理とテクスチャ撮像処理とが、それぞれ異なる第2および第1のバッファメモリを用いて実行される。そのため、撮像処理部および演算処理部の各々の処理速度が低下することがない。これにより、第1の高さデータ、第2の高さデータおよびテクスチャ画像データが短時間で生成される。その結果、測定対象物のより広範囲に渡る部分を短時間で検査することができる。
【0022】
(7)演算処理部は、第2の演算処理において、第1および第2の高さデータを合成することにより測定不可能な部分が低減された合成高さデータをさらに生成し、出力処理部は、第2の演算処理が終了した後に、生成された合成高さデータをコントローラ部に出力してもよい。この場合、合成高さデータを用いて測定対象物の広範囲に渡る部分を容易に検査することができる。
【0023】
(8)演算処理部は、第1のパターン撮像処理と第2のパターン撮像処理との間に、第1のバッファメモリに記憶された複数の第1のパターン画像データを第2のバッファメモリに記憶させ、第2の演算処理において、第2のバッファメモリに記憶された複数の第1のパターン画像データと複数の第2のパターン画像データとを合成することにより合成高さデータを生成してもよい。
【0024】
この場合、第2のバッファメモリを用いて合成高さデータが生成される。すなわち、合成高さデータを生成するために、第1のバッファメモリを用いる必要がない。そのため、撮像処理部および演算処理部の各々の処理速度を低下させることなく、第2のバッファメモリを用いた合成高さデータの生成と、次の第1のトリガ信号に対応する第1のバッファメモリを用いた第1のパターン撮像処理とを並行して実行することが可能となる。これにより、合成高さデータを短時間で生成することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、測定対象物の検査を短時間で実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る検査装置の構成を示すブロック図である。
図2図1の照明部の構成の一例を示す図である。
図3】三角測距方式の原理を説明するための図である。
図4】主として演算部の構成を示すブロック図である。
図5図1の検査装置の基本動作を示すタイムチャートである。
図6】本実施の形態における検査のタクトタイムを説明するための図である。
図7】本実施の形態における検査のタクトタイムを説明するための図である。
図8】比較例1に係る検査装置の基本動作を示すタイムチャートである。
図9】比較例2に係る検査装置の基本動作を示すタイムチャートである。
図10】比較例1,2における検査のタクトタイムを説明するための図である。
図11】参考例に係る検査装置の基本動作を示すタイムチャートである。
図12】本発明の第2の実施の形態に係る検査装置の構成を示すブロック図である。
図13図12の検査装置の基本動作を示すタイムチャートである。
図14】本発明の第3の実施の形態に係る検査装置の構成を示すブロック図である。
図15図14の検査装置の基本動作を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態に係る検査装置について図面を参照しながら説明する。
【0028】
[1]第1の実施の形態
(1)検査装置の構成
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る検査装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、検査装置300は、ヘッド部100、コントローラ部200、操作部310および表示部320を備える。コントローラ部200は、プログラマブルロジックコントローラ等の外部機器400に接続される。
【0029】
図1に太い矢印で示すように、複数の測定対象物Sが、ヘッド部100の下方の空間を通過するようにベルトコンベア301により順次搬送される。各測定対象物Sがヘッド部100の下方の空間を通過する際には、当該測定対象物Sがヘッド部100の下方の所定の位置で一時的に静止するように、ベルトコンベア301が一定時間停止する。
【0030】
ヘッド部100は、例えば投受光一体の撮像デバイスであり、照明部110、撮像部120および演算部130を含む。照明部110は、赤色、緑色、青色または白色の光であって、かつ、任意のパターンを有する光とパターンを有しない一様な光とを、選択的に斜め上方から測定対象物Sに照射可能に構成される。以下、任意のパターンを有する光を構造化光と呼び、一様な光を一様光と呼ぶ。照明部110の構成については後述する。
【0031】
撮像部120は、撮像素子121および受光レンズ122,123を含む。測定対象物Sにより上方に反射された光は、撮像部120の受光レンズ122,123により集光および結像された後、撮像素子121により受光される。撮像素子121は、例えばモノクロCCD(電荷結合素子)であり、各画素から受光量に対応するアナログの電気信号を出力することにより画像データを生成する。撮像素子121は、CMOS(相補性金属酸化膜半導体)イメージセンサ等の他の撮像素子であってもよい。
【0032】
以下の説明では、構造化光が測定対象物Sに照射されたときの測定対象物Sの画像を示す画像データをパターン画像データと呼ぶ。これに対し、一様光が測定対象物Sに照射されたときの測定対象物Sの画像を示す画像データをテクスチャ画像データと呼ぶ。
【0033】
演算部130は、照明部110および撮像部120の動作を制御するとともに、撮像部120により生成された複数のパターン画像データに基づいて測定対象物Sの高さ画像を示す高さデータを生成する。本実施の形態においては、演算部130は、例えばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)により実現される。演算部130の詳細については後述する。
【0034】
コントローラ部200は、撮像トリガ出力部210、画像取得専用トリガ出力部220、画像メモリ230および検査部240を含む。撮像トリガ出力部210は、外部機器400により与えられる指令に基づいて、撮像を開始させるためのトリガ信号として撮像トリガ信号を演算部130に与える。画像取得専用トリガ出力部220は、高さデータまたはテクスチャ画像データを出力させるためのトリガ信号として、撮像トリガ信号とは異なる画像取得専用トリガ信号を演算部130に与える。
【0035】
画像メモリ230は、演算部130により出力された高さデータまたはテクスチャ画像データを記憶する。検査部240は、使用者により指定された検査内容に基づいて、画像メモリ230に記憶された高さデータまたはテクスチャ画像データについてエッジ検出または寸法計測等の処理を実行する。また、検査部240は、計測値を所定のしきい値と比較することにより、測定対象物Sの良否を判定し、判定結果を検査結果として外部機器400に与える。
【0036】
コントローラ部200には、操作部310および表示部320が接続される。操作部310は、キーボード、ポインティングデバイスまたは専用のコンソールを含む。ポインティングデバイスとしては、マウスまたはジョイスティック等が用いられる。使用者は、操作部310を操作することにより、コントローラ部200に所望の検査内容を指定することができる。
【0037】
表示部320は、例えばLCD(液晶ディスプレイ)パネルまたは有機EL(エレクトロルミネッセンス)パネルにより構成される。表示部320は、画像メモリ230に記憶された高さデータに基づく高さ画像またはテクスチャ画像データに基づくテクスチャ画像等を表示する。また、表示部320は、検査部240による測定対象物Sの検査結果を表示する。
【0038】
図2は、図1の照明部110の構成の一例を示す図である。図2に示すように、照明部110は、光源111,112,113、ダイクロイックミラー114,115、照明レンズ116、ミラー117、パターン生成部118および投光レンズ119を含む。光源111,112,113は、例えばLED(発光ダイオード)であり、緑色光、青色光および赤色光をそれぞれ出射する。各光源111~113はLED以外の他の光源であってもよい。
【0039】
ダイクロイックミラー114は、光源111により出射された緑色光と光源112により出射された青色光とを重ね合わせ可能に配置される。ダイクロイックミラー115は、ダイクロイックミラー114により重ね合わされた光と光源113により出射された赤色光とを重ね合わせ可能に配置される。これにより、光源111~113によりそれぞれ出射された光が共通の光路上で重ね合わされ、白色光が生成可能となる。
【0040】
照明レンズ116は、ダイクロイックミラー115を通過または反射した光を集光する。ミラー117は、照明レンズ116により集光された光をパターン生成部118に反射する。パターン生成部118は、例えばDMD(デジタルマイクロミラーデバイス)であり、入射した光に任意のパターンを付与する。パターン生成部118は、LCDまたはLCOS(反射型液晶素子)であってもよい。投光レンズ119は、パターン生成部118からの光を平行化し、図1の測定対象物Sに照射する。
【0041】
図1の演算部130は、光源111~113による光の出射を個別に制御する。これにより、照明部110は、赤色、緑色、青色または白色の光を選択的に出射することができる。また、演算部130は、照明部110から出射される光に所望のパターンが付与されるようにパターン生成部118を制御する。これにより、照明部110は、構造化光と一様光とを選択的に出射することができる。
【0042】
(2)高さデータの生成
検査装置300においては、ヘッド部100に固有の三次元座標系(以下、装置座標系と呼ぶ。)が定義される。本例の装置座標系は、原点と互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸とを含む。以下の説明では、装置座標系のX軸に平行な方向をX方向と呼び、Y軸に平行な方向をY方向と呼び、Z軸に平行な方向をZ方向と呼ぶ。X方向およびY方向は、ベルトコンベア301の上面(以下、基準面と呼ぶ。)に平行な面内で互いに直交する。Z方向は、基準面に対して直交する。
【0043】
ヘッド部100においては、三角測距方式により測定対象物Sの高さ画像を示す高さデータが生成される。図3は、三角測距方式の原理を説明するための図である。図3には、X方向、Y方向およびZ方向がそれぞれ矢印で示される。図3に示すように、照明部110から出射される光の光軸と撮像部120に入射する光の光軸との間の角度αが予め設定される。角度αは、0度よりも大きく90度よりも小さい。
【0044】
ヘッド部100の下方に測定対象物Sが存在しない場合、照明部110から出射される光は、基準面Rの点Oにより反射され、撮像部120に入射する。一方、ヘッド部100の下方に測定対象物Sが存在する場合、照明部110から出射される光は、測定対象物Sの表面の点Aにより反射され、撮像部120に入射する。これにより、測定対象物Sが撮像され、測定対象物Sの画像を示す画像データが生成される。
【0045】
点Oと点Aとの間のX方向における距離をdとすると、基準面Rに対する測定対象物Sの点Aの高さhは、h=d÷tan(α)により与えられる。演算部130は、撮像部120により生成される画像データに基づいて、距離dを算出する。また、演算部130は、算出された距離dに基づいて、測定対象物Sの表面の点Aの高さhを算出する。測定対象物Sの表面の全ての点の高さを算出することにより、光が照射された全ての点について装置座標系で表される座標を特定することができる。それにより、測定対象物Sの高さデータが生成される。
【0046】
測定対象物Sの表面の全ての点に光を照射するために、照明部110から種々の構造化光が出射される。本実施の形態においては、Y方向に平行でかつX方向に並ぶような直線状の断面を有する縞状の構造化光(以下、縞状光と呼ぶ。)が、その空間位相が変化されつつ照明部110から複数回出射される。また、Y方向に平行な直線状の断面を有しかつ明部分と暗部分とがX方向に並ぶコード状の構造化光(以下、コード状光と呼ぶ。)が、その明部分および暗部分がグレイコード状に変化されつつ照明部110から複数回出射される。
【0047】
(3)演算部
図4は、主として演算部130の構成を示すブロック図である。図4に示すように、演算部130は、撮像処理部131、演算処理部132、出力処理部133およびバッファメモリ134,135を含む。本実施の形態においては、撮像処理部131、演算処理部132およびバッファメモリ134,135はFPGAにより実現されるが、本発明はこれに限定されない。撮像処理部131と演算処理部132とは、別個のCPU(中央演算処理装置)等の処理装置により実現されてもよい。また、バッファメモリ134とバッファメモリ135とは、別個のRAM(ランダムアクセスメモリ)等のメモリにより実現されてもよい。
【0048】
ヘッド部100において、撮像処理部131が撮像トリガ出力部210から撮像トリガ信号を受け付け可能な状態をトリガレディ状態と呼ぶ。本実施の形態においては、ヘッド部100は、撮像を行っていないとき、または撮像を終了したときにトリガレディ状態に移行する。撮像処理部131は、撮像トリガ出力部210から撮像トリガ信号を受け付けることに応答して、以下の一連の動作を実行する。
【0049】
撮像処理部131は、複数種類の縞状光、複数種類のコード状光、赤色の一様光、緑色の一様光および青色の一様光を順次出射するように照明部110を制御する。また、撮像処理部131は、照明部110による上記の一連の光の出射と同期して測定対象物Sを順次撮像することにより複数のパターン画像データまたは複数のテクスチャ画像データを生成するように撮像部120を制御する。さらに、撮像処理部131は、撮像部120により生成された複数のパターン画像データまたは複数のテクスチャ画像データを取得し、バッファメモリ134またはバッファメモリ135に記憶させる。
【0050】
演算処理部132は、バッファメモリ134またはバッファメモリ135に記憶された複数のパターン画像データに関する演算を行うことにより高さデータを生成し、生成された高さデータを当該バッファメモリ134,135に記憶させる。出力処理部133は、画像取得専用トリガ出力部220により出力された画像取得専用トリガ信号を受け付けることに応答して、バッファメモリ134,135に記憶された高さデータまたはテクスチャ画像データを画像メモリ230に出力する。
【0051】
なお、後述するように、一部の画像データは、画像取得専用トリガ信号ではなく、撮像用トリガ信号に対応して出力処理部133により画像メモリ230に出力される。そこで、撮像用トリガ信号に対応する画像データと、撮像用トリガ信号に対応する画像データとが混信することを防止するために、撮像トリガ出力部210は、出力処理部133による画像データの出力を一時中断および再開させるサスペンド・レジューム機能を有する。
【0052】
また、撮像部120により生成された画像データと、出力処理部133により出力される画像データ(高さデータを含む。)とが混信しないように、これらの画像データには異なる画像情報が付与されている。画像情報は、例えばGenICam(Generic Interface for Cameras)規格におけるWidth(横ピクセル数)、Height(縦ピクセル数)またはピクセルフォーマットを含む。
【0053】
撮像トリガ出力部210または画像取得専用トリガ出力部220は、出力処理部133により出力される画像データの画像情報に基づいて、画像メモリ230における記憶領域を予め確保する。これにより、出力処理部133により出力された順に画像データが画像メモリ230における確保された記憶領域に記憶される。
【0054】
演算部130において、撮像処理部131および演算処理部132の両方が同時にバッファメモリ134またはバッファメモリ135にアクセスすると、撮像処理部131および演算処理部132の各々の処理速度が低下する。そこで、本実施の形態においては、撮像処理部131および演算処理部132とバッファメモリ134,135との接続関係が、例えばDMAC(Direct Memory Access Controller)により動的に切り替えられる。
【0055】
具体的には、撮像処理部131および演算処理部132の一方がバッファメモリ134にアクセスしているときには、撮像処理部131および演算処理部132の他方がバッファメモリ134にアクセスすることができないように接続関係が切り替えられる。同様に、撮像処理部131および演算処理部132の一方がバッファメモリ135にアクセスしているときには、撮像処理部131および演算処理部132の他方がバッファメモリ135にアクセスすることができないように接続関係が切り替えられる。
【0056】
一方、出力処理部133の処理量はそれほど大きくない。したがって、出力処理部133が撮像処理部131または演算処理部132と同時にバッファメモリ134またはバッファメモリ135にアクセスしても、撮像処理部131または演算処理部132の処理速度はほとんど低下しない。そのため、本実施の形態においては、出力処理部133は、撮像処理部131と同時にバッファメモリ134またはバッファメモリ135にアクセスすることが許容される。同様に、出力処理部133は、演算処理部132と同時にバッファメモリ134またはバッファメモリ135にアクセスすることが許容される。
【0057】
(4)検査装置の動作
図5は、図1の検査装置300の基本動作を示すタイムチャートである。以下、図4および図5を用いて図1の検査装置300の基本動作を説明する。図5に示すように、ヘッド部100は、初期時点t0においては撮像を行っていないため、トリガレディ状態にある。この場合、撮像処理部131は、ヘッド部100がトリガレディ状態にあることを示すトリガレディ信号を撮像トリガ出力部210に出力する。また、後述する時点t6で、ヘッド部100は撮像を終了する。この場合にも、撮像処理部131は、トリガレディ信号を撮像トリガ出力部210に出力する。
【0058】
撮像トリガ出力部210は、撮像処理部131により出力されたトリガレディ信号を受け付けることに応答して、時点t1で、外部機器400により与えられる指令に基づいて撮像処理部131に撮像トリガ信号を出力する。これにより、時点t1~t6の期間に、以下に詳述される複数撮像、R撮像、G撮像およびB撮像が順次実行されるとともに、時点t3で、R画像データの出力が実行される。
【0059】
具体的には、時点t1で、撮像処理部131は、撮像トリガ出力部210により出力された撮像トリガ信号を受け付けることに応答して、複数種類の縞状光および複数種類のコード状光を順次出射するように照明部110を制御する。また、撮像処理部131は、照明部110によるこれらの光の出射と同期して複数のパターン画像データを順次生成するように撮像部120を制御する。さらに、撮像処理部131は、生成された複数のパターン画像データをバッファメモリ134に記憶させる。撮像処理部131によるこれらの一連の処理を複数撮像と呼ぶ。
【0060】
時点t2で、複数撮像が終了すると、撮像処理部131は、赤色の一様光を出射するように照明部110を制御する。また、撮像処理部131は、照明部110による赤色の一様の光の出射と同期して赤色のテクスチャ画像データ(以下、R画像データと呼ぶ。)を生成するように撮像部120を制御する。さらに、撮像処理部131は、生成されたR画像データをバッファメモリ135に記憶させる。撮像処理部131によるこれらの一連の処理をR撮像と呼ぶ。
【0061】
時点t3で、R撮像が終了すると、撮像処理部131は、緑色の一様光を出射するように照明部110を制御する。また、撮像処理部131は、照明部110による緑色の一様の光の出射と同期して緑色のテクスチャ画像データ(以下、G画像データと呼ぶ。)を生成するように撮像部120を制御する。さらに、撮像処理部131は、生成されたG画像データをバッファメモリ135に記憶させる。撮像処理部131によるこれらの一連の処理をG撮像と呼ぶ。
【0062】
時点t4で、G撮像が終了すると、撮像処理部131は、青色の一様光を出射するように照明部110を制御する。また、撮像処理部131は、照明部110による青色の一様の光の出射と同期して青色のテクスチャ画像データ(以下、B画像データと呼ぶ。)を生成するように撮像部120を制御する。さらに、撮像処理部131は、生成されたB画像データをバッファメモリ135に記憶させる。撮像処理部131によるこれらの一連の処理をB撮像と呼ぶ。時点t6でB撮像が終了することにより、ヘッド部100はトリガレディ状態に移行する。
【0063】
時点t2で、複数撮像が終了すると、演算処理部132は、バッファメモリ134に記憶された複数のパターン画像データに基づいて高さデータの生成を開始する。高さデータを生成するためには、多数の演算が行われるので、高さデータの生成が終了するまでに比較的長時間を要する。
【0064】
そこで、上記の撮像処理部131によるバッファメモリ135を用いたR撮像、G撮像およびB撮像は、演算処理部132によるバッファメモリ134を用いた高さデータの生成と並行して実行される。また、高さデータの生成が終了する前に、高さデータの生成と並行して、時点t3~t9の期間に、以下に詳述されるR画像データ、G画像データおよびB画像データの出力が順次実行される。
【0065】
時点t3で、R撮像が終了すると、出力処理部133はバッファメモリ135に記憶されたR画像データを画像メモリ230に出力する。これにより、画像メモリ230にR画像データが記憶される。なお、上記のように、R画像データの出力は画像取得専用トリガ信号ではなく、撮像トリガ信号に対応して実行される。
【0066】
画像メモリ230にR画像データが記憶されることにより、時点t5で、画像取得専用トリガ出力部220は、G画像データを出力するための画像取得専用トリガ信号を出力処理部133に出力する。出力処理部133は、画像取得専用トリガ出力部220により出力された画像取得専用トリガ信号を受け付けることに応答して、バッファメモリ135に記憶されたG画像データを画像メモリ230に出力する。これにより、画像メモリ230にG画像データが記憶される。
【0067】
画像メモリ230にG画像データが記憶されることにより、時点t8で、画像取得専用トリガ出力部220は、B画像データを出力するための画像取得専用トリガ信号を出力処理部133に出力する。出力処理部133は、画像取得専用トリガ出力部220により出力された画像取得専用トリガ信号を受け付けることに応答して、バッファメモリ135に記憶されたB画像データを画像メモリ230に出力する。これにより、画像メモリ230にB画像データが記憶される。本例では、時点t9で、出力処理部133によるB画像データの出力が終了するとともに、演算処理部132による高さデータの生成が終了する。
【0068】
そこで、画像メモリ230にB画像データが記憶されることにより、時点t10で、画像取得専用トリガ出力部220は、高さデータを出力するための画像取得専用トリガ信号を出力処理部133に出力する。出力処理部133は、画像取得専用トリガ出力部220により出力された画像取得専用トリガ信号を受け付けることに応答して、バッファメモリ134に記憶された高さデータを画像メモリ230に出力する。これにより、画像メモリ230に高さデータが記憶される。
【0069】
画像メモリ230に記憶された画像データ群に基づいて、検査部240により測定対象物Sの計測および判定が行われることにより、測定対象物Sが検査される。なお、画像データ群は、R画像データ、G画像データ、B画像データおよび高さデータからなる。
【0070】
図6および図7は、本実施の形態における検査のタクトタイムを説明するための図である。図5の例においては、時点t6で、ヘッド部100がトリガレディ状態に移行し、撮像処理部131はトリガレディ信号を撮像トリガ出力部210に出力する。そこで、図6の例では、撮像トリガ出力部210は、撮像処理部131により出力されたトリガレディ信号を受け付けることに応答して、時点t6と時点t8との間における時点t7で、外部機器400により与えられる指令に基づいて撮像処理部131に撮像トリガ信号を再度出力する。
【0071】
この場合、撮像トリガ出力部210により再度出力された撮像トリガ信号に対応して、時点t7以降に複数撮像等の処理が再度繰り返される。これにより、画像メモリ230には、第1回目の撮像トリガ信号に対応する画像データ群に加えて、第2回目の撮像トリガ信号に対応する画像データ群が記憶されることとなる。撮像トリガ出力部210による同様の撮像トリガ信号の出力が繰り返されることにより、図7に示すように、ヘッド部100において撮像、高さデータの生成および画像データ群の出力が繰り返される。また、コントローラ部200において、画像データ群を用いた検査(計測および判定)が繰り返される。
【0072】
ここで、撮像、高さデータの生成、画像データ群の出力および検査のうち、一部または全部の処理を並行して実行可能である。図7では、全部の処理が並行して実行されている期間が太い枠により囲まれている。これにより、測定対象物Sの検査に要するタクトタイムを短縮し、検査を短時間で実行することができる。なお、本実施の形態においては、数十回の撮像が行われるため、撮像に要する時間が他の処理に要する時間よりも長い。したがって、撮像に要する時間が最短のタクトタイムとなる。
【0073】
(5)効果
本実施の形態に係る検査装置300においては、照明部110により周期的なパターンを有する構造化光が位相シフトされつつ測定対象物Sに複数回照射される。測定対象物Sにより反射された構造化光が順次受光されることにより測定対象物Sの画像を示す複数のパターン画像データが撮像部120により順次生成される。
【0074】
また、照明部110により赤色、緑色および青色の一様光が測定対象物Sに照射される。測定対象物Sにより反射された赤色、緑色および青色の一様光が順次受光されることにより、測定対象物Sの画像を示すR画像データ、G画像データおよびB画像データが撮像部120により生成される。
【0075】
撮像部120により生成された複数のパターン画像データに基づいて測定対象物Sの高さ画像を示す高さデータが演算処理部132により生成される。撮像部120により生成されたR画像データ、G画像データおよびB画像データならびに演算処理部132により生成された高さデータが出力処理部133によりコントローラ部200に出力される。
【0076】
ここで、演算処理部132による高さデータの生成と撮像部120によるR画像データ、G画像データおよびB画像データの生成とが並行して行われるように照明部110および撮像部120の動作が撮像処理部131により制御される。また、出力処理部133によるR画像データ、G画像データおよびB画像データの出力は、演算処理部132による高さデータの生成が終了する前に行われる。
【0077】
この場合、高さデータの生成と並行してテクスチャ画像データの生成および出力が行われる。そのため、ヘッド部100は高さデータの生成が終了するまで一様光の照射およびテクスチャ画像データの生成を待機する必要がない。また、ヘッド部100は、高さデータの生成が終了するまでテクスチャ画像データの出力を待機する必要がない。さらに、高さデータの生成の終了後、高さデータがコントローラ部200に出力されることにより直ちに高さデータまたはテクスチャ画像を用いて測定対象物Sを検査することが可能となる。これにより、測定対象物Sの検査を短時間で実行することができる。
【0078】
また、R画像データ、G画像データおよびB画像データを用いることにより、測定対象物Sをより正確に検査することが可能になる。ここで、上記のように、R画像データ、G画像データおよびB画像データの生成および出力は、演算処理部132による高さデータの生成と並行して行われる。そのため、R画像データ、G画像データおよびB画像データを生成および出力する場合でも、検査工程の時間は変化しない。これにより、測定対象物Sの検査を短時間でより正確に実行することができる。
【0079】
また、ヘッド部100は、複数撮像、R撮像、G撮像およびB撮像が完了した時点でトリガレディ状態に移行する。そのため、ヘッド部100は、高さデータの生成、テクスチャ画像データの出力および高さデータの出力が終了する前でも、コントローラ部200から次の撮像トリガ信号を受け付けることにより、複数撮像、R撮像、G撮像およびB撮像を順次実行することが可能となる。
【0080】
したがって、高さデータの生成、テクスチャ画像データの出力または高さデータの出力と並行して、次の撮像トリガ信号に対応する複数撮像、R撮像、G撮像およびB撮像を行うことが可能となる。これにより、複数の測定対象物Sの検査を短時間で順次実行することができる。
【0081】
また、ヘッド部100は、コントローラ部200により出力された画像取得専用トリガ信号を受け付けた場合、高さデータまたはテクスチャ画像をコントローラ部200に出力する。この場合、画像取得専用トリガ信号により高さデータまたはテクスチャ画像を所望のタイミングで出力することが可能になる。これにより、演算処理部132による高さデータの生成が終了する前にテクスチャ画像データを容易に出力することができる。
【0082】
また、高さデータの生成とR撮像、G撮像およびB撮像とが、それぞれ異なるバッファメモリ134,135を用いて実行されるので、撮像処理部131および演算処理部132の各々の処理速度が低下することがない。これにより、高さデータ、R画像データ、G画像データおよびB画像データがより短時間で生成される。その結果、測定対象物Sの検査をより短時間で実行することができる。
【0083】
(6)比較例
以下、比較例として、画像取得専用トリガ信号が用いられない検査装置について説明する。図8は、比較例1に係る検査装置の基本動作を示すタイムチャートである。図8に示すように、ヘッド部100は、初期時点t20においてはトリガレディ状態にある。この場合、撮像処理部131は、トリガレディ信号を撮像トリガ出力部210に出力する。
【0084】
撮像トリガ出力部210は、撮像処理部131により出力されたトリガレディ信号を受け付けることに応答して、時点t21で、外部機器400により与えられる指令に基づいて、複数撮像および高さデータの出力を実行するためのトリガ信号を撮像処理部131に出力する。これにより、時点t21~t22の期間に、複数撮像、高さデータの生成および高さデータの出力が順次実行され、画像メモリ230に高さデータが記憶される。
【0085】
時点t22において、ヘッド部100はトリガレディ状態に移行する。この場合、撮像処理部131は、トリガレディ信号を撮像トリガ出力部210に出力する。撮像トリガ出力部210は、撮像処理部131により出力されたトリガレディ信号を受け付けることに応答して、時点t23で、外部機器400により与えられる指令に基づいて、R撮像およびR画像データの出力を実行するためトリガ信号を撮像処理部131に出力する。これにより、時点t23~t24の期間に、R撮像およびR画像データの出力が順次実行され、画像メモリ230にR画像データが記憶される。
【0086】
時点t24において、ヘッド部100はトリガレディ状態に移行する。この場合、撮像処理部131は、トリガレディ信号を撮像トリガ出力部210に出力する。撮像トリガ出力部210は、撮像処理部131により出力されたトリガレディ信号を受け付けることに応答して、時点t25で、外部機器400により与えられる指令に基づいて、G撮像およびG画像データの出力を実行するためのトリガ信号を撮像処理部131に出力する。これにより、時点t25~t26の期間に、G撮像およびG画像データの出力が順次実行され、画像メモリ230にG画像データが記憶される。
【0087】
時点t26において、ヘッド部100はトリガレディ状態に移行する。この場合、撮像処理部131は、トリガレディ信号を撮像トリガ出力部210に出力する。撮像トリガ出力部210は、撮像処理部131により出力されたトリガレディ信号を受け付けることに応答して、時点t27で、外部機器400により与えられる指令に基づいて、B撮像およびB画像データの出力を実行するためのトリガ信号を撮像処理部131に出力する。これにより、時点t27~t28の期間に、B撮像およびB画像データの出力が順次実行され、画像メモリ230にB画像データが記憶される。
【0088】
図9は、比較例2に係る検査装置の基本動作を示すタイムチャートである。図9に示すように、ヘッド部100は、初期時点t30においてはトリガレディ状態にある。この場合、撮像処理部131は、トリガレディ信号を撮像トリガ出力部210に出力する。
【0089】
撮像トリガ出力部210は、撮像処理部131により出力されたトリガレディ信号を受け付けることに応答して、時点t31で、外部機器400により与えられる指令に基づいて、複数撮像、R撮像、G撮像、B撮像および高さデータの出力を実行するためのトリガ信号を撮像処理部131に出力する。これにより、時点t31~t32の期間に、複数撮像、R撮像、G撮像、B撮像、高さデータの生成および高さデータの出力が順次実行され、画像メモリ230に高さデータが記憶される。
【0090】
時点t32において、ヘッド部100はトリガレディ状態に移行する。この場合、撮像処理部131は、トリガレディ信号を撮像トリガ出力部210に出力する。撮像トリガ出力部210は、撮像処理部131により出力されたトリガレディ信号を受け付けることに応答して、時点t33で、外部機器400により与えられる指令に基づいて、R画像データの出力を実行するためのトリガ信号を撮像処理部131に出力する。これにより、時点t33~t34の期間に、R画像データの出力が実行され、画像メモリ230にR画像データが記憶される。
【0091】
時点t34において、ヘッド部100はトリガレディ状態に移行する。この場合、撮像処理部131は、トリガレディ信号を撮像トリガ出力部210に出力する。撮像トリガ出力部210は、撮像処理部131により出力されたトリガレディ信号を受け付けることに応答して、時点t35で、外部機器400により与えられる指令に基づいて、G画像データの出力を実行するためのトリガ信号を撮像処理部131に出力する。これにより、時点t35~t36の期間に、G画像データの出力が実行され、画像メモリ230にG画像データが記憶される。
【0092】
時点t36において、ヘッド部100はトリガレディ状態に移行する。この場合、撮像処理部131は、トリガレディ信号を撮像トリガ出力部210に出力する。撮像トリガ出力部210は、撮像処理部131により出力されたトリガレディ信号を受け付けることに応答して、時点t37で、外部機器400により与えられる指令に基づいて、B画像データの出力を実行するためのトリガ信号を撮像処理部131に出力する。これにより、時点t37~t38の期間に、B画像データの出力が実行され、画像メモリ230にB画像データが記憶される。
【0093】
図10は、比較例1,2における検査のタクトタイムを説明するための図である。比較例1,2において、撮像トリガ出力部210による撮像トリガ信号の出力が繰り返されることにより、図10に示すように、ヘッド部100において撮像、高さデータの生成および画像データ群の出力が繰り返される。また、コントローラ部200において、画像データ群を用いた検査が繰り返される。
【0094】
ここで、撮像、高さデータの生成および画像データ群の出力と検査とを並行して実行可能である。しかしながら、撮像、高さデータの生成および画像データ群の出力は、順次実行されることとなり、並行して実行されない。この場合、撮像に要する時間、高さデータの生成に要する時間および画像データ群の出力に要する時間の総和が測定対象物Sの検査に要する最短のタクトタイムとなる。そのため、タクトタイムを十分に短縮することができず、検査を短時間で実行することができない。
【0095】
(7)参考例
参考例に係る検査装置においては、画像取得専用トリガ信号が用いられない。また、測定対象物Sに一様光が照射されず、テクスチャ画像データが生成されない。以下、参考例に係る検査装置の基本動作を説明する。図11は、参考例に係る検査装置の基本動作を示すタイムチャートである。図11に示すように、ヘッド部100は、初期時点t40においてはトリガレディ状態にある。この場合、撮像処理部131は、トリガレディ信号を撮像トリガ出力部210に出力する。
【0096】
撮像トリガ出力部210は、撮像処理部131により出力されたトリガレディ信号を受け付けることに応答して、時点t41で、外部機器400により与えられる指令に基づいて、複数撮像および高さデータの出力を実行するための第1回目の撮像トリガ信号を撮像処理部131に出力する。これにより、複数撮像、高さデータの生成および高さデータの出力が順次実行され、画像メモリ230に第1回目の撮像トリガ信号に対応する高さデータが記憶される。
【0097】
ここで、第1回目の撮像トリガ信号に対応して複数撮像により生成された複数のパターン画像データは、バッファメモリ134に記憶される。したがって、第1回目の撮像トリガ信号に対応する高さデータは、バッファメモリ134に記憶された複数のパターン画像データに基づいて生成される。時点t42で複数撮像が終了することにより、ヘッド部100はトリガレディ状態に移行する。
【0098】
時点t42で、複数撮像が終了すると、演算処理部132が上記のバッファメモリ134を用いた第1回目の撮像トリガ信号に対応する高さデータの生成を開始する。また、同時点t42で、撮像処理部131がトリガレディ信号を撮像トリガ出力部210に出力する。
【0099】
撮像トリガ出力部210は、撮像処理部131により出力されたトリガレディ信号を受け付けることに応答して、時点t43で、外部機器400により与えられる指令に基づいて、複数撮像および高さデータの出力を実行するための第2回目の撮像トリガ信号を撮像処理部131に出力する。これにより、複数撮像、高さデータの生成および高さデータの出力が順次実行され、画像メモリ230に第2回目の撮像トリガ信号に対応する高さデータが記憶される。
【0100】
ここで、第2回目の撮像トリガ信号に対応して複数撮像により生成された複数のパターン画像データは、バッファメモリ134ではなくバッファメモリ135に記憶される。したがって、第2回目の撮像トリガ信号に対応する高さデータは、バッファメモリ135に記憶された複数のパターン画像データに基づいて生成される。時点t44で複数撮像が終了することにより、ヘッド部100はトリガレディ状態に移行する。
【0101】
時点t44で、複数撮像が終了すると、演算処理部132が上記のバッファメモリ135を用いた第2回目の撮像トリガ信号に対応する高さデータの生成を開始する。また、同時点t44で、撮像処理部131がトリガレディ信号を撮像トリガ出力部210に出力する。
【0102】
撮像トリガ出力部210は、撮像処理部131により出力されたトリガレディ信号を受け付けることに応答して、時点t45で、外部機器400により与えられる指令に基づいて、複数撮像および高さデータの出力を実行するための第3回目の撮像トリガ信号を撮像処理部131に出力する。以下、同様の処理が繰り返される。
【0103】
この構成によれば、任意の撮像トリガ信号に対応する高さデータの生成と、次の撮像トリガ信号に対応する複数撮像とが、互いに異なるバッファメモリ134,135を用いて行われる。この場合、任意の撮像トリガ信号に対応する高さデータの生成と、次の撮像トリガ信号に対応する複数撮像とを並行して実行することができる。これにより、各高さ画像データが短時間で生成される。また、任意の撮像トリガ信号に対応する高さデータの出力は、次の撮像トリガ信号に対応する複数撮像と並行して実行される。これらの結果、検査を短時間で実行することができる。
【0104】
[2]第2の実施の形態
(1)検査装置の構成
第2の実施の形態に係る検査装置300について、第1の実施の形態に係る検査装置300と異なる点を説明する。図12は、本発明の第2の実施の形態に係る検査装置300の構成を示すブロック図である。図12に示すように、本実施の形態におけるヘッド部100は、2個の照明部110を含む。以下の説明では、2個の照明部110を区別する場合は、2個の照明部110をそれぞれ照明部110A,110Bと呼ぶ。照明部110Aと照明部110Bとは、互いに同一の構造を有し、撮像部120を挟んで対向するように配置される。
【0105】
この構成においては、2個の照明部110A,110Bにより測定対象物Sに対して互いに異なる2つの方向から光を出射することができる。それにより、一方の照明部110から出射される光により測定不可能な部分がある場合でも、その測定不可能な部分の形状を他方の照明部110から出射される光を用いて測定することができる。そこで、2個の照明部110A,110Bにそれぞれ対応して生成された第1および第2の高さデータを合成することにより、測定不可能な部分が低減された合成高さデータを生成することができる。
【0106】
(2)検査装置の動作
図13は、図12の検査装置300の基本動作を示すタイムチャートである。以下、図4および図13を用いて図12の検査装置300の基本動作を説明する。図13に示すように、ヘッド部100は、初期時点t50においては、トリガレディ状態にある。この場合、撮像処理部131は、トリガレディ信号を撮像トリガ出力部210に出力する。また、後述する時点t57で、ヘッド部100は撮像を終了する。この場合にも、撮像処理部131は、トリガレディ信号を撮像トリガ出力部210に出力する。
【0107】
撮像トリガ出力部210は、撮像処理部131により出力されたトリガレディ信号を受け付けることに応答して、時点t51で、外部機器400により与えられる指令に基づいて撮像処理部131に撮像トリガ信号を出力する。これにより、時点t51~t57の期間に、以下に詳述される第1の複数撮像、第2の複数撮像、R撮像、G撮像およびB撮像が順次実行されるとともに、時点t54で、R画像データの出力が実行される。
【0108】
具体的には、時点t51で、撮像処理部131は、撮像トリガ出力部210により出力された撮像トリガ信号を受け付けることに応答して、複数種類の縞状光および複数種類のコード状光を順次出射するように照明部110Aを制御する。また、撮像処理部131は、照明部110Aによるこれらの光の出射と同期して複数のパターン画像データを順次生成するように撮像部120を制御する。さらに、撮像処理部131は、生成された複数のパターン画像データをバッファメモリ134に記憶させる。撮像処理部131によるこれらの一連の処理を第1の複数撮像と呼ぶ。
【0109】
時点t52で、第1の複数撮像が終了すると、撮像処理部131は、複数種類の縞状光および複数種類のコード状光を順次出射するように照明部110Bを制御する。また、撮像処理部131は、照明部110Bによるこれらの光の出射と同期して複数のパターン画像データを順次生成するように撮像部120を制御する。さらに、撮像処理部131は、生成された複数のパターン画像データをバッファメモリ134ではなくバッファメモリ135に記憶させる。撮像処理部131によるこれらの一連の処理を第2の複数撮像と呼ぶ。
【0110】
時点t53で、第2の複数撮像が終了すると、撮像処理部131はR撮像を実行する。時点t54で、R撮像が終了すると、撮像処理部131はG撮像を実行する。時点t55で、G撮像が終了すると、撮像処理部131はB撮像を実行する。ここで、R撮像、G撮像およびB撮像は、照明部110A,110Bのいずれを用いて行われてもよい。また、生成されたR画像データ、G画像データおよびB画像データは、バッファメモリ135ではなくバッファメモリ134に記憶される。時点t57でB撮像が終了することにより、ヘッド部100はトリガレディ状態に移行する。
【0111】
時点t52で、第1の複数撮像が終了すると、演算処理部132は、バッファメモリ134に記憶された照明部110Aに対応する複数のパターン画像データに基づいて第1の高さデータの生成を開始する。第1の高さデータの生成が終了するまでに比較的長時間を要するので、上記の撮像処理部131によるバッファメモリ135を用いた第2の複数撮像は、演算処理部132によるバッファメモリ134を用いた第1の高さデータの生成と並行して実行される。
【0112】
時点t53で、第1の高さデータの生成が終了すると、演算処理部132は、バッファメモリ135に記憶された照明部110Bに対応する複数のパターン画像データに基づいて第2の高さデータの生成を開始する。第2の高さデータの生成が終了するまでに比較的長時間を要するので、上記の撮像処理部131によるバッファメモリ134を用いたR撮像、G撮像およびB撮像は、演算処理部132によるバッファメモリ135を用いた第2の高さデータの生成と並行して実行される。
【0113】
時点t59で、第2の高さデータの生成が終了すると、演算処理部132は、バッファメモリ134,135にそれぞれ記憶された第1および第2の高さデータを合成することにより合成高さデータを生成し、バッファメモリ134またはバッファメモリ135に記憶させる。ここで、時点t60で合成高さデータの生成が終了する前に、第2の高さデータおよび合成高さデータの生成と並行して、時点t53~t60の期間に、以下のR画像データ、G画像データおよびB画像データの出力が順次実行される。
【0114】
時点t54で、R撮像が終了すると、出力処理部133はバッファメモリ134に記憶されたR画像データを画像メモリ230に出力する。これにより、画像メモリ230にR画像データが記憶される。なお、上記のように、R画像データの出力は画像取得専用トリガ信号ではなく、撮像トリガ信号に対応して実行される。
【0115】
画像メモリ230にR画像データが記憶されることにより、時点t56で、画像取得専用トリガ出力部220は、G画像データを出力するための画像取得専用トリガ信号を出力処理部133に出力する。出力処理部133は、画像取得専用トリガ出力部220により出力された画像取得専用トリガ信号を受け付けることに応答して、バッファメモリ134に記憶されたG画像データを画像メモリ230に出力する。これにより、画像メモリ230にG画像データが記憶される。
【0116】
画像メモリ230にG画像データが記憶されることにより、時点t58で、画像取得専用トリガ出力部220は、B画像データを出力するための画像取得専用トリガ信号を出力処理部133に出力する。出力処理部133は、画像取得専用トリガ出力部220により出力された画像取得専用トリガ信号を受け付けることに応答して、バッファメモリ134に記憶されたB画像データを画像メモリ230に出力する。これにより、画像メモリ230にB画像データが記憶される。
【0117】
画像メモリ230にB画像データが記憶されることにより、時点t60で、画像取得専用トリガ出力部220は、合成高さデータを出力するための画像取得専用トリガ信号を出力処理部133に出力する。出力処理部133は、画像取得専用トリガ出力部220により出力された画像取得専用トリガ信号を受け付けることに応答して、バッファメモリ134またはバッファメモリ135に記憶された合成高さデータを画像メモリ230に出力する。これにより、画像メモリ230に合成高さデータが記憶される。
【0118】
(3)効果
本実施の形態に係る検査装置300においては、第1および第2の高さデータを用いることにより、測定対象物Sのより広範囲に渡る部分を検査することが可能となる。ここで、照明部110Aに対応する第1の高さデータの生成と、照明部110Bに対応する複数撮像とが、それぞれ異なるバッファメモリ134,135を用いて実行される。また、照明部110Bに対応する第2の高さデータの生成とR撮像、G撮像およびB撮像とが、それぞれ異なるバッファメモリ135,134を用いて実行される。
【0119】
この場合、撮像処理部131および演算処理部132の各々の処理速度が低下することがない。これにより、第1の高さデータ、第2の高さデータ、R撮像、G撮像およびB撮像が短時間で生成される。また、第1および第2の高さデータが合成されることにより合成高さデータが生成される。その結果、合成高さデータを用いて測定対象物Sのより広範囲に渡る部分を短時間でかつ容易に検査することができる。
【0120】
本実施の形態において、第1の高さデータが生成された後、演算処理部132は、バッファメモリ134に記憶された第1の高さデータをバッファメモリ135に複製(移動でもよい。)してもよい。なお、複製が行われる期間には、撮像処理部131は、バッファメモリ134,135にアクセスすることができないため、撮像を停止する。
【0121】
この場合、バッファメモリ135に記憶された第1および第2の高さデータが合成されることにより合成高さデータが生成されるので、合成高さデータの生成時にバッファメモリ134を用いる必要がない。そのため、時点t57以降にヘッド部100がトリガレディ状態になった場合、撮像処理部131は、撮像トリガ出力部210から次の撮像トリガ信号を受け付けることにより、バッファメモリ134を用いた次の第1の複数撮像を直ちに実行することができる。
【0122】
したがって、撮像トリガ出力部210による撮像トリガ信号の出力が繰り返されることにより、撮像、高さデータ(合成高さデータを含む。)の生成、画像データ群の出力、および検査が繰り返される。ここで、撮像、高さデータの生成、画像データ群の出力および検査のうち、一部または全部の処理を並行して実行可能である。これにより、検査を短時間で実行することができる。
【0123】
[3]第3の実施の形態
第3の実施の形態に係る検査装置300について、第2の実施の形態に係る検査装置300と異なる点を説明する。図14は、本発明の第3の実施の形態に係る検査装置300の構成を示すブロック図である。図14に示すように、本実施の形態におけるヘッド部100は、4個の照明部110を含む。なお、図14においては、演算部130の図示が省略されている。
【0124】
以下の説明では、4個の照明部110を区別する場合は、4個の照明部110をそれぞれ照明部110A~110Dと呼ぶ。照明部110A~110Dは、互いに同一の構造を有し、90度間隔で撮像部120を取り囲むように設けられる。具体的には、照明部110Aと照明部110Bとは、撮像部120を挟んで対向するように配置される。また、照明部110Cと照明部110Dとは、撮像部120を挟んで対向するように配置される。
【0125】
この構成においては、4個の照明部110A~110Dにより測定対象物Sに対して互いに異なる4つの方向から光を出射することができる。それにより、いずれかの照明部110から出射される光により測定不可能な部分がある場合でも、その測定不可能な部分の形状を他の照明部110から出射される光を用いて測定することができる。そこで、4個の照明部110~110Dにそれぞれ対応して生成された第1~第4の高さデータを合成することにより、測定不可能な部分がより低減された合成高さデータを生成することができる。
【0126】
図15は、図14の検査装置300の基本動作を示すタイムチャートである。以下、図4および図15を用いて図14の検査装置300の基本動作を説明する。図15に示すように、ヘッド部100は、初期時点t70においては、トリガレディ状態にある。この場合、撮像処理部131は、トリガレディ信号を撮像トリガ出力部210に出力する。また、後述する時点t81で、ヘッド部100は撮像を終了する。この場合にも、撮像処理部131は、トリガレディ信号を撮像トリガ出力部210に出力する。
【0127】
撮像トリガ出力部210は、撮像処理部131により出力されたトリガレディ信号を受け付けることに応答して、時点t71で、外部機器400により与えられる指令に基づいて撮像処理部131に撮像トリガ信号を出力する。これにより、時点t71~t81の期間に、以下に詳述される第1~第4の複数撮像、R撮像、G撮像およびB撮像が順次実行されるとともに、時点t78で、R画像データの出力が実行される。
【0128】
具体的には、時点t71で、撮像処理部131は、撮像トリガ出力部210により出力された撮像トリガ信号を受け付けることに応答して、第2の実施の形態と同様に、照明部110Aおよびバッファメモリ134を用いた第1の複数撮像を実行する。時点t72で、第1の複数撮像が終了すると、撮像処理部131は、第2の実施の形態と同様に、照明部110Bおよびバッファメモリ135を用いた第2の複数撮像を実行する。
【0129】
時点t73で、第2の複数撮像が終了すると、撮像処理部131は、時点t73~t74の短期間だけ撮像を停止する。時点t74で、撮像処理部131は、複数種類の縞状光および複数種類のコード状光を順次出射するように照明部110Cを制御する。また、撮像処理部131は、照明部110Cによるこれらの光の出射と同期して複数のパターン画像データを順次生成するように撮像部120を制御する。さらに、撮像処理部131は、生成された複数のパターン画像データをバッファメモリ134に記憶させる。撮像処理部131によるこれらの一連の処理を第3の複数撮像と呼ぶ。
【0130】
時点t75で、第3の複数撮像が終了すると、撮像処理部131は、複数種類の縞状光および複数種類のコード状光を順次出射するように照明部110Dを制御する。また、撮像処理部131は、照明部110Dによるこれらの光の出射と同期して複数のパターン画像データを順次生成するように撮像部120を制御する。さらに、撮像処理部131は、生成された複数のパターン画像データをバッファメモリ135に記憶させる。撮像処理部131によるこれらの一連の処理を第4の複数撮像と呼ぶ。
【0131】
時点t76で、第4の複数撮像が終了すると、撮像処理部131は、時点t76~t77の短期間だけ撮像を停止する。時点t77で、撮像処理部131はR撮像を実行する。時点t78で、R撮像が終了すると、撮像処理部131はG撮像を実行する。時点t79で、G撮像が終了すると、撮像処理部131はB撮像を実行する。ここで、R撮像、G撮像およびB撮像は、照明部110A~110Dのいずれを用いて行われてもよい。また、生成されたR画像データ、G画像データおよびB画像データは、バッファメモリ134に記憶される。時点t81でB撮像が終了することにより、ヘッド部100はトリガレディ状態に移行する。
【0132】
時点t72で、第1の複数撮像が終了すると、演算処理部132は、バッファメモリ134に記憶された照明部110Aに対応する複数のパターン画像データに基づいて第1の高さデータの生成を開始する。第2の実施の形態と同様に、上記の撮像処理部131によるバッファメモリ135を用いた第2の複数撮像は、演算処理部132によるバッファメモリ134を用いた第1の高さデータの生成と並行して実行される。
【0133】
時点t73で、第1の高さデータの生成が終了すると、時点t73~t74の短期間に、演算処理部132は、バッファメモリ134に記憶された第1の高さデータをバッファメモリ135に複製(移動でもよい。)する。この期間には、撮像処理部131は、バッファメモリ134,135にアクセスすることができないため、上記のように、撮像を停止する。
【0134】
時点t74で、第1の高さデータの複製が終了すると、演算処理部132は、バッファメモリ135に記憶された照明部110Bに対応する複数のパターン画像データに基づいて第2の高さデータの生成を開始する。第2の高さデータの生成が終了するまでに比較的長時間を要するので、上記の撮像処理部131によるバッファメモリ134を用いた第3の複数撮像は、演算処理部132によるバッファメモリ135を用いた第2の高さデータの生成と並行して実行される。
【0135】
時点t75で、第2の高さデータの生成が終了すると、演算処理部132は、バッファメモリ134に記憶された照明部110Cに対応する複数のパターン画像データに基づいて第3の高さデータの生成を開始する。第3の高さデータの生成が終了するまでに比較的長時間を要するので、上記の撮像処理部131によるバッファメモリ135を用いた第4の複数撮像は、演算処理部132によるバッファメモリ134を用いた第3の高さデータの生成と並行して実行される。
【0136】
時点t76で、第3の高さデータの生成が終了すると、時点t76~t77の短期間に、演算処理部132は、バッファメモリ134に記憶された第3の高さデータをバッファメモリ135に複製(移動でもよい。)する。この期間には、撮像処理部131は、バッファメモリ134,135にアクセスすることができないため、上記のように、撮像を停止する。
【0137】
時点t77で、第3の高さデータの複製が終了すると、演算処理部132は、バッファメモリ135に記憶された照明部110Dに対応する複数のパターン画像データに基づいて第4の高さデータの生成を開始する。第4の高さデータの生成が終了するまでに比較的長時間を要するので、上記の撮像処理部131によるバッファメモリ134を用いたR撮像、G撮像およびB撮像は、演算処理部132によるバッファメモリ135を用いた第4の高さデータの生成と並行して実行される。
【0138】
時点t81で、第4の高さデータの生成が終了すると、演算処理部132は、バッファメモリ135に記憶された第1~第4の高さデータを合成することにより合成高さデータを生成し、バッファメモリ135に記憶させる。ここで、時点t83で合成高さデータの生成が終了する前に、第4の高さデータおよび合成高さデータの生成と並行して、時点t78~t83の期間に、以下のR画像データ、G画像データおよびB画像データの出力が順次実行される。
【0139】
時点t78で、R撮像が終了すると、出力処理部133はバッファメモリ134に記憶されたR画像データを画像メモリ230に出力する。これにより、画像メモリ230にR画像データが記憶される。なお、上記のように、R画像データの出力は画像取得専用トリガ信号ではなく、撮像トリガ信号に対応して実行される。
【0140】
画像メモリ230にR画像データが記憶されることにより、時点t80で、画像取得専用トリガ出力部220は、G画像データを出力するための画像取得専用トリガ信号を出力処理部133に出力する。出力処理部133は、画像取得専用トリガ出力部220により出力された画像取得専用トリガ信号を受け付けることに応答して、バッファメモリ134に記憶されたG画像データを画像メモリ230に出力する。これにより、画像メモリ230にG画像データが記憶される。
【0141】
画像メモリ230にG画像データが記憶されることにより、時点t82で、画像取得専用トリガ出力部220は、B画像データを出力するための画像取得専用トリガ信号を出力処理部133に出力する。出力処理部133は、画像取得専用トリガ出力部220により出力された画像取得専用トリガ信号を受け付けることに応答して、バッファメモリ134に記憶されたB画像データを画像メモリ230に出力する。これにより、画像メモリ230にB画像データが記憶される。
【0142】
画像メモリ230にB画像データが記憶されることにより、時点t83で、画像取得専用トリガ出力部220は、合成高さデータを出力するための画像取得専用トリガ信号を出力処理部133に出力する。出力処理部133は、画像取得専用トリガ出力部220により出力された画像取得専用トリガ信号を受け付けることに応答して、バッファメモリ135に記憶された合成高さデータを画像メモリ230に出力する。これにより、画像メモリ230に合成高さデータが記憶される。
【0143】
上記の構成によれば、時点t81~t83の期間に、バッファメモリ134が用いられることなく合成高さデータが生成される。そのため、時点t81以降にヘッド部100がトリガレディ状態になった場合、撮像処理部131は、撮像トリガ出力部210から次の撮像トリガ信号を受け付けることにより、バッファメモリ134を用いた次の第1の複数撮像を直ちに実行することができる。
【0144】
したがって、撮像トリガ出力部210による撮像トリガ信号の出力が繰り返されることにより、撮像、高さデータ(合成高さデータを含む。)の生成、画像データ群の出力、および検査が繰り返される。ここで、撮像、高さデータの生成、画像データ群の出力および検査のうち、一部または全部の処理を並行して実行可能である。これにより、検査を短時間で実行することができる。
【0145】
[4]他の実施の形態
(1)上記実施の形態において、構造化光を出射する構造化照明部と一様光を出射する一様照明部とが共通の照明部110により実現されるが、本発明はこれに限定されない。構造化照明部と一様照明部とが別個の照明部により実現されてもよい。
【0146】
(2)上記実施の形態において、R画像データ、G画像データおよびB画像データがテクスチャ画像データとして生成されるが、本発明はこれに限定されない。R画像データ、G画像データおよびB画像データのうち少なくとも1つがテクスチャ画像データとして生成されてもよい。
【0147】
あるいは、白色の一様光が測定対象物Sに照射されたときのテクスチャ画像データとして白色画像データが生成されてもよい。白色画像データは、モノクロの撮像素子ではなくカラーの撮像素子を含む撮像部120により生成されてもよいし、R画像データ、G画像データおよびB画像データが合成されることにより生成されてもよい。
【0148】
(3)第2および第3の実施の形態において、複数の高さデータが合成されることにより合成高さデータが生成されるが、本発明はこれに限定されない。合成高さデータが生成されず、複数の高さデータが個別にコントローラ部200の画像メモリ230に出力されてもよい。
【0149】
[5]請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明する。上記実施の形態においては、測定対象物Sが測定対象物の例であり、照明部110が構造化照明部および一様照明部の例であり、撮像部120が撮像部の例である。撮像処理部131が撮像処理部の例であり、演算処理部132が演算処理部の例であり、出力処理部133が出力処理部の例であり、検査装置300が検査装置の例である。
【0150】
ヘッド部100がヘッド部の例であり、コントローラ部200がコントローラ部の例であり、検査部240が検査部の例であり、撮像トリガ出力部210および画像取得専用トリガ出力部220がそれぞれ第1および第2のトリガ信号出力部の例である。バッファメモリ134がメモリおよび第1のバッファメモリの例であり、バッファメモリ135がメモリおよび第2のバッファメモリの例であり、照明部110A,110Bがそれぞれ第1および第2の構造化照明部の例である。
【符号の説明】
【0151】
100…ヘッド部,110,110A~110D…照明部,111~113…光源,114,115…ダイクロイックミラー,116…照明レンズ,117…ミラー,118…パターン生成部,119…投光レンズ,120…撮像部,121…撮像素子,122,123…受光レンズ,130…演算部,131…撮像処理部,132…演算処理部,133…出力処理部,134,135…バッファメモリ,200…コントローラ部,210…撮像トリガ出力部,220…画像取得専用トリガ出力部,230…画像メモリ,240…検査部,300…検査装置,301…ベルトコンベア,310…操作部,320…表示部,400…外部機器,R…基準面、S…測定対象物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15