(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】ラックガイドおよびギア機構
(51)【国際特許分類】
B62D 3/12 20060101AFI20221115BHJP
F16H 19/04 20060101ALI20221115BHJP
F16H 55/28 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
B62D3/12 501B
F16H19/04 G
F16H55/28
(21)【出願番号】P 2019027860
(22)【出願日】2019-02-19
【審査請求日】2021-11-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000103644
【氏名又は名称】オイレス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】吉川 糧二
(72)【発明者】
【氏名】関根 敏彦
【審査官】神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-048992(JP,A)
【文献】特開2010-064519(JP,A)
【文献】国際公開第2009/097648(WO,A1)
【文献】西独国特許出願公開第02510879(DE,A1)
【文献】特開2009-184591(JP,A)
【文献】特開2018-155305(JP,A)
【文献】特開2009-057009(JP,A)
【文献】特開2004-299514(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 3/12
F16H 19/04
F16H 55/28
F16C 17/02
F16C 33/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピニオンギアと噛み合うラックギアが形成されたラックバーを前記ラックギアの反対側から摺動可能に支持して、前記ピニオンギアの回転に応じて移動する前記ラックバーを当該ラックバーの軸心方向に案内するラックガイドであって、
前記ラックギアの反対側に位置する前記ラックバーの背面を支持する凹状の第1の摺動面を有する第1のラックガイド部と、
前記第1のラックガイド部に収容され、前記ラックバーの背面を支持する凹状の第2の摺動面を有する第2のラックガイド部と、
前記第2のラックガイド部を前記第1のラックガイド部から前記ラックバー側に押し出す方向に付勢する第1の付勢手段と、
第2の付勢手段と、を備え、
前記第1の摺動面は、
前記ラックバーの軸心方向に沿って2つの摺動面片に分割されており、
前記第2の付勢手段は、
前記2つの摺動面片を互いに近づける方向に付勢する
ことを特徴とするラックガイド。
【請求項2】
請求項1に記載のラックガイドであって、
前記第2のラックガイド部の前記第2の摺動面は、前記第1の付勢手段によって前記第2のラックガイド部が前記第1のラックガイド部から前記ラックバー側に押し出す方向に付勢されることにより、前記ラックバーの前記背面と接触し、
前記第1のラックガイド部の前記第1の摺動面は、前記ラックバーに加わる荷重によって前記第2のラックガイド部が前記第1のラックガイド部側に押し戻されることにより、前記第2のラックガイド部の前記第2の摺動面とともに前記ラックバーの前記背面と接触する
ことを特徴とするラックガイド。
【請求項3】
請求項1または2に記載のラックガイドであって、
前記第1の摺動面は、前記第2の摺動面よりも比摩耗量が小さい材料で形成され、
前記第2の摺動面は、前記第1の摺動面よりも摩擦係数が小さい材料で形成されている
ことを特徴とするラックガイド。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載のラックガイドであって、
第2の摺動面は、
前記ラックバーの軸心方向に垂直な断面において、前記ラックガイドの軸心に対して線対称な2つの位置を前記ラックバーの背面との接触位置とする
ことを特徴とするラックガイド。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一項に記載のラックガイドであって、
第1の摺動面は、
前記ラックバーの軸心方向に垂直な断面において、前記ラックガイドの軸心に対して線対称な2つの位置を前記ラックバーの背面との接触位置とする
ことを特徴とするラックガイド。
【請求項6】
請求項5に記載のラックガイドであって、
前記第1の摺動面は、円弧面である
ことを特徴とするラックガイド。
【請求項7】
請求項5に記載のラックガイドであって、
前記第1の摺動面は、
前記ラックバーの軸心方向に垂直な断面において、前記ラックガイドの軸心に対して線対称な2つの傾斜面を有する
ことを特徴とするラックガイド。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか一項に記載のラックガイドであって、
前記第1の付勢手段によって付勢される前記第2のラックガイド部の前記第1のラックガイド部に対する位置関係によって容量が変化する、潤滑グリースを貯蔵するための貯蔵室と、
前記第2の摺動面および前記貯蔵室間を繋ぐ、前記貯蔵室に貯蔵された前記潤滑グリースを前記第2の摺動面上に供給するための供給路と、をさらに備える
ことを特徴とするラックガイド。
【請求項9】
移動体の進行方向をステアリングホイールの回転に応じて変更するギア機構であって、
前記ステアリングホイールの回転に応じて回転するピニオンギアと、
前記ピニオンギアとかみ合うラックギアが形成され、前記ピニオンギアと前記ラックギアとの噛み合いにより、前記ピニオンギアの回転に応じて往復移動して前記移動体の車輪の向きを変えるラックバーと、
前記ラックバーを当該ラックバーの軸心方向に摺動可能に支持する請求項1ないし8のいずれか一項に記載のラックガイドと、を備える
ことを特徴とするギア機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のステアリング装置等に用いられるラックアンドピニオンにおいて、ラックバーをピニオンに押し当てるラックガイドに係り、特に、耐摩耗性および摺動性の双方において優れた摺動面を有するラックガイド(サポートヨーク)、および、これを用いたギア機構に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のステアリング装置等に用いられるラックアンドピニオンにおいて、ハウジングに収容されたラックバーの背面(ラックギアの反対側の面)側に配置され、ラックバーをその軸心方向にガイドしながらピニオンに押し当てるラックガイドとして、例えば、特許文献1に記載のラックガイドが知られている。
【0003】
このラックガイドは、ラックバーの背面を支持する凹状の第1の先端面を有する第1のラックガイドと、第1のラックガイド内に配置され、ラックバーの背面を支持する凹状の第2の先端面を有する第2のラックガイドと、を備えている。ここで、第1の先端面は、耐摩耗性に優れた材料で構成され、第2の先端面は、摺動性に優れた材料で構成される。また、第2のラックガイドは、弾性部材により第1のラックガイドからラックバー側に押し出される方向に付勢されており、これにより、第2の先端面がラックバーの背面に押圧されている。そして、ラックガイドは、ラックバーからラックガイドに加わる荷重が、弾性部材によって第2のラックガイドに付与される付勢力以下の場合、第2のラックガイドが第1のラックガイドからラックバー側に押し出され、ラックバーを摺動性に優れた第2の先端面のみで支持する。このため、操作感を向上させることができる。一方、ラックバーからラックガイドに加わる荷重が、弾性部材によって第2のラックガイドに付与される付勢力より大きい場合、第2のラックガイドが押し戻され、ラックバーを耐摩耗性に優れた第1の先端面および摺動性に優れた第2の先端面の両方で支持する。このため、第2の先端面を保護し耐久性を確保することができる。したがって、このラッグガイドによれば、操作感の向上と耐久性確保を両立させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載のラックガイドにおいて、ラックバーからラックガイドに加わる荷重が、弾性部材によって第2のラックガイドに付与される付勢力より大きい場合に、ラックバーを第1の先端面および第2の先端面の両方で支持するためには、第1の先端面に高い寸法精度が要求される。例えば、第1の先端面の径がラックバーの背面の径より大きいと、第2のラックガイドが押し戻されても、ラックバーは第1の先端面と当接せずに第2の先端面のみで支持され続ける可能性がある。この場合、第2の先端面を保護し耐久性を確保することができない。一方、第1の先端面の径がラックバーの背面の径より小さいと、第2のラックガイドが押し戻されて、ラックバーの背面が第1の先端面および第2の先端面の両方に当接しても、ラックバーからラックガイドに加わる荷重が第1の先端面に集中する可能性がある。この場合、操作性が急激に悪化してしまう。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より長期にわたってラックバーをより安定に支持することができるラックガイド、および、これを用いたギア機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係るラックガイドは、ラックバーの背面を支持する凹状の第1の摺動面を有する第1のラックガイド部と、第1のラックガイド部に収容され、ラックバーの背面を支持する凹状の第2の摺動面を有する第2のラックガイド部と、を備えている。ここで、第2のラックガイド部は、第1の付勢手段により第1のラックガイド部からラックバー側に押し出される方向に付勢されている。また、第1の摺動面は、ラックバーの軸心方向に沿って2つの摺動面片に分割されており、第2の付勢手段により2つの摺動面片が互いに近づく方向に付勢されている。なお、第1の摺動面は、第2の摺動面よりも耐摩耗性に優れた材料(第2の摺動面よりも比摩耗量が小さい材料)で構成され、第2の摺動面は、第1の摺動面よりも摺動性に優れた材料(第1の摺動面よりも摩擦係数が小さい材料)で構成されることが好ましい。
【0008】
例えば、本発明のラックガイドは、
ピニオンギアと噛み合うラックギアが形成されたラックバーを前記ラックギアの反対側から摺動可能に支持して、前記ピニオンギアの回転に応じて移動する前記ラックバーを当該ラックバーの軸心方向に案内するラックガイドであって、
前記ラックギアの反対側に位置する前記ラックバーの背面を支持する凹状の第1の摺動面を有する第1のラックガイド部と、
前記第1のラックガイド部に収容され、前記ラックバーの背面を支持する凹状の第2の摺動面を有する第2のラックガイド部と、
前記第2のラックガイド部を前記第1のラックガイド部から前記ラックバー側に押し出す方向に付勢する第1の付勢手段と、
第2の付勢手段と、を備え、
前記第1の摺動面は、
前記ラックバーの軸心方向に沿って2つの摺動面片に分割されており、
前記第2の付勢手段は、
前記2つの摺動面片を互いに近づける方向に付勢する。
【0009】
また、本発明のギア機構は、
移動体の進行方向をステアリングホイールの回転に応じて変更するギア機構であって、
前記ステアリングホイールの回転に応じて回転するピニオンギアと、
前記ピニオンギアとかみ合うラックギアが形成され、前記ピニオンギアと前記ラックギアとの噛み合いにより、前記ピニオンギアの回転に応じて往復移動して前記移動体の車輪の向きを変えるラックバーと、
前記ラックバーを当該ラックバーの軸心方向に摺動可能に支持する上記のラックガイドと、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明において、ラックバーからラックガイドに加わる荷重が、第1の付勢手段によって第2のラックガイド部に付与される付勢力より大きく、これにより第2のラックガイド部が押し戻されて、ラックバーの背面が第1の摺動面および第2の摺動面の両方に当接した場合に、第1の摺動面に加わる荷重の径方向成分が、第2の付勢手段により第1の摺動面に加わる付勢力(収縮力)より大きいと、第1の摺動面を構成する2つの摺動面片が互いに引き離される。これにより、ラックバーからラックガイドに大きな荷重が加わった場合に、ラックックバーの背面との接触範囲が徐々に増えるため急激な摩擦増加を防止することができるとともに、ラックバーからラックガイドに加わる荷重がいずれかの摺動面に集中するのを防止して、第1の摺動面および第2の摺動面に分散させることができる。したがって、本発明によれば、第2の摺動面の摩耗を防止しつつ、第1の摺動面による操作性低下の影響を小さくすることができるので、より長期にわたってラックバーをより安定に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の一実施の形態に係るステアリング装置のギア機構1の概略断面図である。
【
図2】
図2(A)、
図2(B)、および
図2(C)は、
図1に示すラックガイド30の平面図、正面図および底面図である。
【
図3】
図3(A)および
図3(B)は、
図2(A)に示すラックガイドのA-A断面図およびB-B断面図である。
【
図4】
図4は、第1および第2の摺動面300a、300bの形状を説明するための図である。
【
図5】
図5(A)および
図5(B)は、低荷重域におけるラックバー支持モードを説明するためのラックガイド30の正面図および平面図である。
【
図6】
図6(A)および
図6(B)は、高荷重域におけるラックバー支持モードを説明するためのラックガイド30の正面図および平面図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施の形態に係るギア機構1の変形例1Aの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る一実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。なお、以下の説明の便宜上、ラックバー20の軸心O2方向(ラックバー20の往復移動の方向)をX方向、ピニオンギア11に対するラックギア21の押し当て方向をZ方向、XおよびZ方向に垂直な方向をY方向と定義し、これらの方向を各図に適宜表示する。
【0013】
図1は、本実施の形態に係るステアリング装置のギア機構1の断面図である。
【0014】
本実施の形態に係るステアリング装置は、ステアリングシャフトの回転運動を直線運動に変換し、この直線運動を、車輪の向きを変えるリンク機構に伝達するラックアンドピニオン式のギア機構1を有している。なお、このステアリング装置は、ピニオンギア11またはラックバー20の動きをモータでアシストするパワーステアリング機構が搭載されているものおよび搭載されていないもののいずれであってもよい。
【0015】
図示するように、このギア機構1は、ピニオンギア11が形成されたピニオンシャフト10と、ピニオンギア11と噛み合うラックギア21が形成されたラックバー20と、ピニオンシャフト10を回転可能に支持する一対の転がりベアリング40と、ピニオンギア11の回転に伴いX方向に往復移動するラックバー20を案内するラックガイド30と、これらの部品10~40が組み込まれたハウジング70と、ハウジング70を塞ぐキャップ60と、を有している。
【0016】
ピニオンシャフト10は、Y方向に対して軸心O1が傾斜するように配置された円柱状の部材であり、その外周面12には、ピニオンギア11として例えばヘリカルギアが形成されている。ピニオンギア11は、ハウジング70に設けられたピニオンギア収容室73に収容されており、ピニオンシャフト10は、ピニオンギア11の両側の位置において、一対の転がりベアリング40を介して軸心O1周りに回転可能にハウジング70に支持されている。ピニオンシャフト10の一方の端部13は、ハウジング70に形成された開口部74からピニオンギア収容室73の外側に突き出して、不図示のステアリングシャフトに連結されている。これにより、ステアリングホイールの操作に応じて回転するステアリングシャフトに連動してピニオンギア11が回転する。
【0017】
ラックバー20は、X方向に沿って配置された円柱状の部材であり、図示していないが、その両端は、ボールジョイントを介して、車輪の向きを変えるリンク機構に連結されている。ラックギア21を構成する複数の歯は、ラックバー20の外周面にX方向に並んで形成され、ハウジング70のピニオンギア収容室73において、ピニオンギア11の歯と所定の噛み合い位置で噛み合っている。ラックバー20の背面(ラックギア21の反対側に位置する、YZ断面形状が円弧状の外周面)22は、ラックバー20がラックガイド30に付与する荷重の大きさに応じて、ラックガイド30により摺動可能に支持される。ステアリングシャフトとともにピニオンシャフト10が回転すると、ピニオンギア11とラックギア21との噛み合いにより、ラックバー20は、ラックガイド30に案内されてX方向に往復移動してリンク機構を揺動させる。これにより、ステアリングホイールの操作に応じて車輪の向きが変わる。
【0018】
ハウジング70は、X方向に沿って配置された筒状のラックケース部71と、ラックケース部71の外周からZ方向に突き出した筒状のシリンダケース部72と、を有する。
【0019】
ラックケース部71の内部には、ラックバー20がX方向に往復移動可能に収容されている。また、このラックケース部71の内部には、ピニオンギア収容室73が設けられている。このピニオンギア収容室73には、上述したように、ピニオンギア11と、このピニオンギア11が所定の噛み合い位置でラックギア21と噛み合うようにピニオンシャフト10を回転可能に保持する一対の転がりベアリング40と、が収容されている。また、このラックケース部71には、ピニオンギア収容室73の内部と外部とを繋ぐ開口部74が不図示のステアリングシャフト側に向けて形成されており、不図示のステアリングシャフトに連結されるピニオンシャフト10の一方の端部13は、この開口部74からピニオンギア収容室73の外部に突き出している。
【0020】
一方、シリンダケース部72は、ラックバー20に対してピニオンギア11の反対側に位置するようにラックケース部71に一体的に形成されており、シリンダケース部72の内部とラックケース部71の内部とは、ピニオンギア収容室73内のピニオンギア11に面した開口部75を介して繋がっている。また、このシリンダケース部72の開放端部76の内壁面78には、キャップ60を固定するためのネジ部77が形成されている。
【0021】
ラックガイド30は、ラックバー20の背面22を摺動可能に支持する2つの摺動面(第1の摺動面300aおよび第2の摺動面300b)をラックバー20の背面22側に向けて、シリンダケース部72の内部にZ方向に収容され、ラックバー20に対してピニオンギア11の反対側(ピニオンギア11とラックギア21との噛み合い位置におけるラックバー20の背面22側)に位置付けられている。このラックガイド30の詳細な構造については後述する。
【0022】
キャップ60は、シリンダケース部72の開放端部76にはめ込み可能な円板形状を有し、そのキャップ60の外周にはネジ部62が形成されている。ハウジング70のシリンダケース部72内にラックガイド30を挿入して、キャップ60のネジ部62を、シリンダケース部72の開放端部76のネジ部77にねじ込むことにより、シリンダケース部72の開放端部76にキャップ60が固定されてシリンダケース部72が塞がれる。
【0023】
つぎに、ラックガイド30の詳細な構造について説明する。
【0024】
図2(A)、
図2(B)、および
図2(C)は、
図1に示すラックガイド30の平面図、正面図および底面図である。また、
図3(A)および
図3(B)は、
図2(A)に示すラックガイドのA-A断面図およびB-B断面図である。
【0025】
図示するように、ラックガイド30は、ラックバー20の背面22を支持する凹状の第1の摺動面300aを有する円柱状の第1のラックガイド部31と、第1のラックガイド部31に収容され、ラックバー20の背面22を支持する凹状の第2の摺動面300bを有する円柱状の第2のラックガイド部32と、コイルスプリング、板バネ等のバネ部材で構成される第1の付勢部材33と、Oリング等で構成される第2の付勢部材34と、を有している。
【0026】
第1のラックガイド部31は、第2のラックガイド部32をZ方向に移動可能に収容するための収容部310が形成されたベース部311と、ベース部311の開口側の端面312上に配置され、第2のラックガイド部32がZ方向に移動可能に挿通される挿通孔313が形成された摺動面保持部314と、を有する。
【0027】
ベース部311は、キャップ60側に配置され、その裏面(開口側の端面312と反対側の面)3110がキャップ60の裏面61と当接する。また、ベース部311の収容部310の底面3100は、コイルスプリング、板バネ等のバネ部材で構成される第1の付勢部材33のばね座として機能する。
【0028】
摺動面保持部314は、ラックバー20の背面22と対面する端面315に、ラックバー20の背面22の形状に倣った凹部316が形成されており、この凹部316に第1の摺動面300aを形成する第1のラックガイドシート317が固定されている。また、摺動面保持部314の外周面318には、周方向の環状溝3180が形成されており、この環状溝3180の内部に、この環状溝3180の深さ寸法よりも線径の大きなOリング等の第2の付勢部材34が装着されている。また、摺動面保持部314は、ラックバー20の軸心O2方向に沿って中央から2つの摺動面保持片319a、319bに分割されており、外周面318の環状溝3180に装着された第2の付勢部材34により、2つの摺動面保持片319a、319bを互いに近づける方向に付勢されている。
【0029】
第2のラックガイド部32は、ラックバー20の背面22と対面する端面320に、ラックバー20の背面22の形状に倣った凹部321が形成されており、この凹部321に第2の摺動面300bを形成する第2のラックガイドシート322が固定されている。
【0030】
また、第2のラックガイド部32の裏面(端面320と反対側の面)323には、コイルスプリング、板バネ等で構成される第1の付勢部材33を収容するための凹部であるスプリングガイド324が形成されている。ここで、第1の付勢部材33の自然長は、スプリングガイド324の深さよりも長い。このため、第1の付勢部材33の一方の端部は、スプリングガイド324から突出して、第1のラックガイド部31のベース部311に設けられた収容部310の底面3100と当接する。これにより、第1の付勢部材33が、第2のラックガイド部32を第1のラックガイド部31からラックバー20側に押し出す方向に付勢して、ラックギア21がピニオンギア11に押圧されるため、ラックギア21とピニオンギア11の噛み合い位置における歯の離間が防止される。
【0031】
また、第2のラックガイド部32の裏面323と第1のラックガイド部31のベース部311に設けられた収容部310の底面3100との間、およびスプリングガイド324によって形成される空間は、潤滑グリース(不図示)を貯蔵するためのグリース貯蔵室329として機能する。さらに、第2のラックガイド部32には、端面320とスプリングガイド324の底面325とを貫くグリース供給路326が形成されている。ラックバー20からラックガイド30に加わる荷重が、第1の付勢部材33によって第2のラックガイド部32に付与される付勢力より大きく、これにより第2のラックガイド部32が押し戻されると、グリース貯蔵室329が圧縮され、グリース貯蔵室329に貯蔵されている潤滑グリースがグリース供給路326を通って第2の摺動面300bに供給される。なお、ラックバー20の荷重がラックガイド30に加わっていない無負荷状態において、グリース貯蔵室329の高さH1は、第2のラックガイド部32の第1のラックガイド部31から突出長H2よりも大きくなるように設定されている(
図3(A)参照)。
【0032】
また、第2のラックガイド部32の外周面327には、周方向の環状溝3270が形成されており、この環状溝3270の内部に、この環状溝3270の深さ寸法よりも線径の大きなOリング等の弾性部材328が埋め込まれている。これにより、第2のラックガイド部32の外周面327と第1のラックガイド部31のベース部311に設けられた収容部310の内壁3111との隙間が密閉され、グリース貯蔵室329に貯蔵された潤滑グリースが、この隙間から漏れるのを防止することができる。
【0033】
なお、本実施の形態では、第2のラックガイド部32と、この第2のラックガイド部32を収容する第1のラックガイド部31のベース部311の収容部310および摺動面保持部314の挿通孔313の平面形状(ラックガイド30の軸心O3に対して垂直なXY断面形状)を、楕円形状としている(
図2(A)参照)。これは、第2のラックガイド部32が第1のラックガイド部31に対してラックガイド30の軸心O3回りに回転するのを防止するためのである。ただし、この回転を防止できるものであれば、平面形状は楕円形状に限定されない。
【0034】
つぎに、第1の摺動面300aおよび第2の摺動面300bの詳細について説明する。
【0035】
第1の摺動面300aを形成する第1のラックガイドシート317は、第2の摺動面300bを形成する第2のラックガイドシート322よりも耐摩耗性に優れた材料(第2のラックガイドシート322よりも比摩耗量が小さい材料)で形成され、第2の摺動面300bを形成する第2のラックガイドシート322は、第1のラックガイドシート317よりも摺動性に優れた材料(第1のラックガイドシート317よりも摩擦係数が小さい材料)で形成されている。
【0036】
この第1のラックガイドシート317および第2のラックガイドシート322の材料は、滑り軸受としての使用に適した摺動材料のなかから、上述の関係を満たす組み合わせを、ラックガイド30の使用環境、製造コスト等に応じて適宜に選択して用いればよい。
【0037】
例えば、滑り軸受としての使用に適した摺動材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアセタール(POM)、ポリエチレン(PE)、ポリオレフィン(PO)、ポリアミド(PA)、芳香族ポリアミド(芳香族PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリウレタン(PU)、フェノール樹脂(PF)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、液晶ポリマー(LCP)、ポリケトン、これらの材料をベース樹脂として添加剤(潤滑剤、繊維強化剤等)が添加されたコンパウンド、銅系焼結材、鉄系焼結材が挙げられる。
【0038】
このような摺動材料間の摺動性の優劣は、ラックガイド30の使用環境に基づき定めた条件下において、ラックバー20と同材質の相手面に各摺動材料の試験片を面接触させて往復摩擦摩耗試験を行うことによって得られた動摩擦係数の比較によって決定し、摺動材料間の耐摩耗性の優劣は、この摩擦摩耗試験前後の試験片の重量変化等から得られた比摩耗量の比較により決定する。例えば、動摩擦係数が小さい摺動材料ほど摺動性が優れ、比摩耗量の小さな摺動材料ほど耐摩耗性が優れるとのルールにしたがって、摺動材料間の摺動性および耐摩擦性の優劣を決定する。
【0039】
例えば、第2のラックガイドシート322の材料としてPTFEを用いる場合、第1のラックガイドシート317の材料には、PTFEよりも耐摩耗性に優れたPAを用いることができる。また、第2のラックガイドシート322の材料としてPOMを用いる場合、第1のラックガイドシート317の材料として、POMよりも耐摩耗性に優れた繊維強化PAを用いることができる。また、第2のラックガイドシート322の材料として含油POMを用いる場合には、第1のラックガイドシート317の材料として、含油POMよりも耐摩耗性に優れた繊維強化POMを用いることができる。
【0040】
図4は、第1および第2の摺動面300a、300b(以下、単に摺動面300とも呼ぶ)の形状を説明するための図である。
【0041】
図示するように、摺動面300は、ラックバー20の軸心O2方向に垂直な断面であるYZ断面において、ラックガイド30の軸心O3(ラックバー20の軸心O2と摺動面300の底部中央Cとを結ぶ直線)に対して線対称な2つの接触位置TA、TBをラックバー20の背面22との接触位置とする。このように、ラックバー20の背面22を、ラックガイド30の軸心O3に対して線対称な2つの接触位置TA、TBで摺動面300に接触させることにより、YZ断面において、ラックガイド30の軸心O3に対して垂直な方向におけるラックバー20のガタツキを防止することができ、これにより、ラックバー20の背面22を安定して摺動可能に支持することができる。
【0042】
ここで、接触位置TA、TBは、ラックバー20の軸心O2および接触位置TA、TBを結ぶ直線と、ラックガイド30の軸心O3とのなす角θが50度以下となる範囲内に設定されることが好ましい。このなす角θが50度より大きくなると、ラックバー20の背面22と摺動面300との摩擦力が大きくなり(くさび効果)、ラックガイドの摺動性能が低下する。ただし、このなす角θが小さすぎると、2つの接触位置TA、TBが近くなりすぎて、YZ断面において、ラックガイド30の軸心O3に対して垂直な方向におけるラックバー20のガタツキを防止することができない。したがって、このなす角θは、より好ましくは5度~45度の範囲にされる。
【0043】
また、摺動面300は、YZ断面において、それぞれ接触位置TA、TBを通過する、ラックガイド30の軸心O3に対して線対称な一対の円弧面301a、301bを含む。これらの円弧面301a、301bの曲率中心OA、OBは、ラックバー20の背面22の曲率中心O2よりもラックギア11側の位置であって、かつ、ラックガイド30の軸心O3に関して線対称な位置にある。また、これらの円弧面301a、301bの曲率半径R2は、ラックバー20の背面22の曲率半径R1よりも大きい。
【0044】
なお、ラックバー20からラックガイド30に加わる荷重が、第1の付勢部材33によって第2のラックガイド部32に付与される付勢力より大きく、これにより第2のラックガイド部32が押し戻された場合に、ラックバー20の背面22を第1の摺動面300aと確実に当接させるため、第1の摺動面300aの円弧面301a、301bの曲率半径R2は、第2の摺動面の300bの円弧面301a、301bの曲率半径R2よりも若干小さくなるように設定されることが好ましい。
【0045】
つぎに、上記構成のラックガイド30によるラックバー支持モードについて説明する。
【0046】
[低荷重域におけるラックバー支持モード]
図5(A)および
図5(B)は、低荷重域におけるラックバー支持モードを説明するためのラックガイド30の正面図および平面図である。
【0047】
図示するように、良好な状態の路面を走行中等、ラックバー20を介してタイヤからラックガイド30に加わる荷重が、第1の付勢部材33によって第2のラックガイド部32に付与される付勢力以下の低荷重域においては、第2のラックガイド部32が第1のラックガイド部31からラックバー20側に押し出され、第2の摺動面300bのみが接触位置TA、TBにおいてラックバー20の背面22と接触する。ラックバー20は、第1の摺動面300aには接触しておらず、第1の摺動面300aよりも摺動性に優れた第2の摺動面300bのみによって支持されるため、ステアリング操作に連動してラックバー20がスムーズに往復移動し、滑らかな操舵フィーリングが得られる。
【0048】
[高荷重域におけるラックバー支持モード]
図6(A)および
図6(B)は、高荷重域におけるラックバー支持モードを説明するためのラックガイド30の正面図および平面図である。
【0049】
図示するように、路面からタイヤに衝撃等を受けた場合等、ラックバー20を介してタイヤからラックガイド30に加わる荷重が、第1の付勢部材33によって第2のラックガイド部32に付与される付勢力より大きい高荷重域においては、第2のラックガイド部32が第1のラックガイド部31のベース部311の収容部310内に押し戻され、第2の摺動面300bに加えて、第2の摺動面300bよりも耐摩耗性に優れた第1の摺動面300aが接触位置TA、TBにおいてラックバー20の背面22と接触する。ここで、ラックバー20の背面22が第1の摺動面300aと確実に接触するように、第1の摺動面300aの円弧面301a、301bの曲率半径R2を、第2の摺動面の300bの円弧面301a、301bの曲率半径R2よりも若干小さく設定されていると、ラックバー20からラックガイド30に加わる荷重が第2の摺動面300bよりも摺動性に劣る第1の摺動面300aに集中して、操舵フィーリングに影響する可能性がある。しかし、第1の摺動面300aに加わる荷重の径方向成分が、第2の付勢部材34により第1のラックガイド部31の摺動面保持部314に加わる付勢力(収縮力)より大きいと、摺動面保持部314を構成する2つの摺動面保持片319a、319bが互いに引き離され、ラックバー20からラックガイド30に加わる荷重が第1の摺動面300aに集中せずに、第1の摺動面300aおよび第2の摺動面300bに分散する。このため、高荷重域において、第2の摺動面300bの摩耗を防止しつつ、第1の摺動面300aによる操舵フィーリングの低下の影響を小さくすることができる。
【0050】
また、高荷重域においては、グリース貯蔵室329が圧縮され、グリース貯蔵室329に貯蔵された潤滑グリースがグリース供給路326を通って第2の摺動面300bに供給される。これにより、第2の摺動面300bの摺動性が向上し、滑らかな操舵フィーリングが得られる。
【0051】
なお、ラックバー20を介してタイヤからラックガイド30にさらに大きな荷重が加わる高荷重域においては、第1の摺動面300aおよび第2の摺動面300bが、弾性変形してラックバー20の背面22と面接触し、ラックバー20を支持する。
【0052】
以上、本発明の一実施の形態について説明した。
【0053】
本実施の形態において、ラックバー20からラックガイド30に加わる荷重が、コイルスプリング、板バネ等の第1の付勢部材33によって第2のラックガイド部32に付与される付勢力より大きく、これにより第2のラックガイド部32が押し戻されて、ラックバー20の背面22が第1の摺動面300aおよび第2の摺動面300bの両方に当接した場合に、第1の摺動面300aに加わる荷重の径方向成分が、Oリング等の第2の付勢部材34により第1のラックガイド部31の摺動面保持部314に加わる付勢力(収縮力)より大きいと、摺動面保持部314を構成する2つの摺動面保持片319a、319bが互いに引き離される。これにより、ラックバー20からラックガイド30に大きな荷重が加わった場合に、ラックックバー20の背面22との接触範囲が徐々に増えるため急激な摩擦増加を防止することができるとともに、ラックバー20からラックガイド30に加わる荷重がいずれかの摺動面300に集中するのを防止して、第1の摺動面300aおよび第2の摺動面300bに分散させることができる。したがって、本実施の形態によれば、第1の摺動面300aに比べて耐摩耗性に劣る第2の摺動面300bの摩耗を防止しつつ、第2の摺動面300bに比べて摺動性に劣る第1の摺動面300aによる操作性低下の影響を小さくすることができるので、より長期にわたってラックバー20をより安定に支持することができる。
【0054】
また、本実施の形態において、第1、第2の摺動面300a、300bは、ラックバー20の軸心O2方向に垂直な断面であるYZ断面において、ラックガイド30の軸心O3(ラックバー20の軸心O2と摺動面300の底部中央Cとを結ぶ直線)に対して線対称な2つの接触位置TA、TBをラックバー20の背面22との接触位置としている。このため、本実施の形態によれば、YZ断面において、ラックガイド30の軸心O3に対して垂直な方向におけるラックバー20のガタツキを防止することができ、これにより、ラックバー20の背面22を安定して摺動可能に支持することができる。
【0055】
また、本実施の形態では、第2のラックガイド部32の裏面323と第1のラックガイド部31のベース部311に設けられた収容部310の底面3100との間、およびスプリングガイド324によって形成される空間を、潤滑グリースを貯蔵するためのグリース貯蔵室329として機能させるとともに、第2のラックガイド部32の端面320とスプリングガイド324の底面325とを貫くグリース供給路326を設けている。そして、ラックバー20からラックガイド30に加わる荷重が、第1の付勢部材33によって第2のラックガイド部32に付与される付勢力より大きく、これにより第2のラックガイド部32が押し戻された場合、グリース貯蔵室329が圧縮され、グリース貯蔵室329に貯蔵されている潤滑グリースがグリース供給路326を通って第2の摺動面300bに供給される。これにより、高荷重時の操舵フィーリングを向上させることができる。
【0056】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形は可能である。
【0057】
例えば、上記実施の形態では、第1のラックガイド部31を、ベース部311および摺動面保持部314で構成しているが、本発明はこれに限定されない。
図7に示すギア機構1Aのラックガイド30Aのように、第1のラックガイド部31を、キャップ60の裏面61まで延びた摺動面保持部314(摺動面保持片319a、319b)のみで構成してもよい。この場合、第2のラックガイド部32の裏面323とキャップ60の裏面61との間、およびスプリングガイド324によって形成される空間が、潤滑グリースを貯蔵するためのグリース貯蔵室329として機能する。また、キャップ60の裏面61が第1の付勢部材33のばね座として機能する。
【0058】
また、上記実施の形態では、第2のラックガイド部32を第1のラックガイド部31からラックバー20側に押し出す方向に付勢する第1の付勢部材33として、コイルスプリング、板バネ等のバネ部材を想定しているが、本発明はこれに限定されない。第1の付勢部材33にゴム部材を用いてもよい。あるいは第1の付勢部材33として、グリース貯蔵室329に貯蔵されている潤滑グリースの弾性力を利用してもかまわない。
【0059】
また、上記実施の形態では、第1の摺動面300aを形成する第1のラックガイドシート317を、第2の摺動面300bを形成する第2のラックガイドシート322よりも耐摩耗性に優れた材料で形成し、第2の摺動面300bを形成する第2のラックガイドシート322を、第1のラックガイドシート317よりも摺動性に優れた材料で形成している。しかしながら、本発明はこれに限定されない。第1のラックガイドシート317および第2のラックガイドシート322に同じ摺動材料を用いてもよい。この場合でも、ラックバー20からラックガイド30に大きな荷重が加わった場合に、ラックバー20からラックガイド30に加わる荷重を第1の摺動面300aおよび第2の摺動面300bに分散させて、第2の摺動面300bの摩耗を防止することができるので、より長期にわたってラックバー20をより安定に支持することができる。
【0060】
また、上記実施の形態では、第2の摺動面300bを円弧面としているが(
図4参照)、本発明はこれに限定されない。第2の摺動面300bは、ラックバー20の軸心O2方向に垂直な断面であるYZ断面において、ラックガイド30の軸心O3に対して線対称な2つの傾斜面を有するもの(例えばV字形状)でもよい。
【0061】
また、上記実施の形態では、車両のステアリング装置への適用例を挙げているが、本発明は、車両のステアリング装置に限らず、例えば光学機器のピント合わせ機構等、ラックアンドピニオン式のギア機構を利用している機器に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0062】
1、1A:ギア機構 10:ピニオンシャフト 11:ピニオンギア
12:ピニオンシャフト10の外周面 13:ピニオンシャフト10の端部
20:ラックバー 21:ラックギア 22:ラックバー20の背面
30、30A:ラックガイド 31:第1のラックガイド部
32:第2のラックガイド部 33:第1の付勢部材
34:第2の付勢部材 40:転がりベアリング 60:キャップ
61:キャップ60の裏面 62:キャップ60のネジ部
70:ハウジング 71:ラックケース部 72:シリンダケース部
73:ピニオンギア収容室 74、75:開口部
76:シリンダケース部72の開放端部
77:シリンダケース部72のネジ部 78:シリンダケース部72の内壁面
300:摺動面 300a:第1の摺動面 300b:第2の摺動面
310:収容部 311:ベース部
312:ベース部311の開口側の端面
313:第1のラックガイド部31の挿通孔 314:摺動面保持部
315:摺動面保持部314の端面 316:摺動面保持部314の凹部
317:第1のラックガイドシート 318:摺動面保持部314の外周面
319a、319b:摺動面保持片
320:第2のラックガイド部32の端面
321:第2のラックガイド部32の凹部
322:第2のラックガイドシート
323:第2のラックガイド部32の裏面
324:スプリングガイド 325:スプリングガイド324の底面
326:グリース供給路 327:第2のラックガイド部32の外周面
328:弾性部材 329:グリース貯蔵室
3100:収容部310の底面 3110:ベース部311の裏面
3111:収容部310の内壁 3180:摺動面保持部314の環状溝
3270:第2のラックガイド部32の環状溝