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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】建具用架設フレーム材及び枠体
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/30 20060101AFI20221115BHJP
   E06B 1/36 20060101ALI20221115BHJP
   E06B 3/58 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
E06B1/30
E06B1/36 Z
E06B3/58 B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019072699
(22)【出願日】2019-04-05
(65)【公開番号】P2020169525
(43)【公開日】2020-10-15
【審査請求日】2022-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】樹下 誠
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-206087(JP,U)
【文献】特開2007-162353(JP,A)
【文献】特開2010-196359(JP,A)
【文献】特公昭46-038316(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 1/26-1/30
E06B 1/36-1/40
E06B 3/58-3/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行に配置される2組のフレーム部を有した矩形状を成す枠体に対して互いに平行に配置される1組のフレーム部の相互間に架設されることにより、前記枠体に2つの面材支持部を構成する建具用架設フレーム材であって、
長手方向に沿った仮想の第1基準平面に対して前記2つの面材支持部の一方に配置される第1面材支持要素及び前記第1基準平面に対して前記2つの面材支持部の他方に配置される第2面材支持要素が一体に成形され、
前記第1面材支持要素及び前記第2面材支持要素は、外殻部を構成する外殻構成部及び面材に係合する面材係合部が前記第1基準平面上の長手方向に沿う軸心を中心として回転対称となる断面形状を有し、前記面材係合部が個々の一方の縁部のみから突出するように一体に設けられていることを特徴とする建具用架設フレーム材。
【請求項2】
前記第1面材支持要素及び前記第2面材支持要素のそれぞれには、他方の縁部に押縁を装着する押縁装着部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の建具用架設フレーム材。
【請求項3】
建具用フレーム材の小口端面を相互に接合することにより、互いに平行に配置される2組のフレーム部を有した矩形状を成し、かつ互いに平行に配置される1組のフレーム部の相互間に請求項1に記載した建具用架設フレーム材を配設することによって2つの面材支持部が設けられる枠体であって、
前記建具用架設フレーム材の端部が接続される1組のフレーム部は、互いに断面形状の異なる2つの建具用フレーム材を相互に接合することによって直線状に構成されたものであり、
前記フレーム部を構成する2つの建具用フレーム材は、長手方向に沿った仮想の第2基準平面に対して一方側に配置される外周側要素及び前記第2基準平面に対して他方側に配置される内周側要素が一体に成形され、前記外周側要素を相互に接合することにより前記フレーム部を構成し、前記内周側要素から内周側に向けて突出する面材係合部を介して面材に係合されるものであり、
前記第1面材支持要素との間に前記2つの面材支持部の一方を構成する建具用フレーム材は、前記内周側要素の外殻部を構成する内周外殻構成部が前記第1面材支持要素の外殻構成部と同一の断面形状を有し、それぞれに設けた傾斜接合面を介して前記第1面材支持要素に接合されており、
前記第2面材支持要素との間に前記2つの面材支持部の他方を構成する建具用フレーム材は、前記内周側要素の外殻部を構成する内周外殻構成部が前記第2面材支持要素の外殻構成部と同一の断面形状を有し、それぞれに設けた傾斜接合面を介して前記第2面材支持要素に接合されていることを特徴とする枠体。
【請求項4】
前記フレーム部を構成する2つの建具用フレーム材は、前記外周側要素の外殻部を構成する外周外殻構成部が同一の断面形状を有し、互いに前記外周外殻構成部を介して接合されていることを特徴とする請求項3に記載の枠体。
【請求項5】
前記第1面材支持要素及び前記第2面材支持要素のそれぞれには、他方の縁部に押縁を装着する押縁装着部が設けられ、
前記面材係合部が室外側に配置される面材支持部には、前記押縁装着部に装着した押縁と前記面材係合部との間にFIX用の面材が挟持されていることを特徴とする請求項3に記載の枠体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方立や無目等のように、枠体の内部に架け渡すように配設される建具用架設フレーム材及び枠体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建具には、連窓や段窓等、1つの枠体に2つの面材支持部が設けられ、これらの面材支持部に互いに異なる形態の面材を支持させるようにしたものがある。例えば、外開き窓とFIX窓とが左右に設けられる連窓では、矩形状の枠体において上下の横フレーム部の間に縦フレーム部と平行となるように方立と称される架設フレーム部が配設されることで枠体に2つの面材支持部が構成されている。
【0003】
外開き窓用の面材支持部(以下、可動面材支持部という)を構成する上下の横フレーム部、縦フレーム部及び架設フレーム部には、それぞれ室内側に位置する縁部から面材に係合する面材係合部が突出している。従って、この可動面材支持部においては、障子等の可動面材を室外側に突出させるように開くことが可能である。また、可動面材を閉じた場合には、面材係合部に設けたシール材を可動面材に密接させることができ、枠体と可動面材との間に所望の気密性や水密性を確保することが可能である。
【0004】
一方、FIX窓用の面材支持部(以下、固定面材支持部という)を構成する上下の横フレーム部、縦フレーム部及び架設フレーム部には、それぞれ室外側に位置する縁部から面材に係合する面材係合部が突出している。従って、この固定面材支持部においては、室内側の縁部に押縁を装着することで、室外側の面材係合部と押縁との間に複層ガラス等の固定面材を挟持することができ、押縁に直接太陽光が照射することに起因した問題を防止することが可能となる。
【0005】
上述の枠体では、横フレーム部として、可動面材支持部と固定面材支持部とで断面形状が互いに異なるものを適用し、両者の小口端面を相互に接合して直線状に構成するようにしている。より具体的には、内周側に位置する部分については室外側と室内側とで異なる縁部から面材係合部が突出する一方、外周側に位置する部分については互いに同一の断面形状を有したフレーム材を適用し、外周側に位置する部分を相互に接合することで横フレーム部を構成している。異なる縁部から面材係合部が突出した内周側の部分には、互いの間に架設フレーム部を介在させ、両者の断面形状の違いを吸収することで上述の枠体を具現化するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2007-162353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記のような枠体では、架設フレーム部の向きを確認しなければならず、組み立て作業が煩雑化する要因となる。すなわち、架設フレーム部が逆向きに取り付けられた場合には、横フレーム部及び縦フレーム部と架設フレーム部とで面材係合部の断面形状が異なるため、シール材を装着することができない、固定面材との間に隙間が生じる、等々の問題を招来するおそれがある。このため、枠体を組み立てる際には、架設フレーム部に設けられた面材係合部の断面形状と、横フレーム部及び縦フレーム部のそれぞれに設けられた面材係合部の断面形状とを目視で確認する必要があり、作業が煩雑化する。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みて、組み立て作業の容易化を図ることのできる建具用架設フレーム材及び枠体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る建具用架設フレーム材は、互いに平行に配置される2組のフレーム部を有した矩形状を成す枠体に対して互いに平行に配置される1組のフレーム部の相互間に架設されることにより、前記枠体に2つの面材支持部を構成する建具用架設フレーム材であって、長手方向に沿った仮想の第1基準平面に対して前記2つの面材支持部の一方に配置される第1面材支持要素及び前記第1基準平面に対して前記2つの面材支持部の他方に配置される第2面材支持要素が一体に成形され、前記第1面材支持要素及び前記第2面材支持要素は、外殻部を構成する外殻構成部及び面材に係合する面材係合部が前記第1基準平面上の長手方向に沿う軸心を中心として回転対称となる断面形状を有し、前記面材係合部が個々の一方の縁部のみから突出するように一体に設けられていることを特徴とする。
【0010】
また本発明に係る枠体は、建具用フレーム材の小口端面を相互に接合することにより、互いに平行に配置される2組のフレーム部を有した矩形状を成し、かつ互いに平行に配置される1組のフレーム部の相互間に請求項1に記載した建具用架設フレーム材を配設することによって2つの面材支持部が設けられる枠体であって、前記建具用架設フレーム材の端部が接続される1組のフレーム部は、互いに断面形状の異なる2つの建具用フレーム材を相互に接合することによって直線状に構成されたものであり、前記フレーム部を構成する2つの建具用フレーム材は、長手方向に沿った仮想の第2基準平面に対して一方側に配置される外周側要素及び前記第2基準平面に対して他方側に配置される内周側要素が一体に成形され、前記外周側要素を相互に接合することにより前記フレーム部を構成し、前記内周側要素から内周側に向けて突出する面材係合部を介して面材に係合されるものであり、前記第1面材支持要素との間に前記2つの面材支持部の一方を構成する建具用フレーム材は、前記内周側要素の外殻部を構成する内周外殻構成部が前記第1面材支持要素の外殻構成部と同一の断面形状を有し、それぞれに設けた傾斜接合面を介して前記第1面材支持要素に接合されており、前記第2面材支持要素との間に前記2つの面材支持部の他方を構成する建具用フレーム材は、前記内周側要素の外殻部を構成する内周外殻構成部が前記第2面材支持要素の外殻構成部と同一の断面形状を有し、それぞれに設けた傾斜接合面を介して前記第2面材支持要素に接合されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、第1面材支持要素及び第2面材支持要素を有し、これら第1面材支持要素及び第2面材支持要素が、外殻部を構成する外殻構成部及び面材に係合する面材係合部が長手方向に沿った第1基準平面上の軸心を中心として回転対称となる断面形状を有し、かつ一方の縁部のみから面材係合部が突出しているため、この建具用架設フレーム材を適用して枠体を組み立てる際に、その向きを確認する必要がない。従って、適用する枠体の組み立て作業を容易化することができるようになる。
【0012】
また、本発明によれば、建具用架設フレーム材として、第1面材支持要素及び第2面材支持要素を有し、これら第1面材支持要素及び第2面材支持要素が、外殻部を構成する外殻構成部及び面材に係合する面材係合部が長手方向に沿った第1基準平面上の軸心を中心として回転対称となる断面形状を有し、かつ一方の縁部のみから面材係合部が突出しているものを適用しているため、枠体を組み立てる際に、その向きを確認する必要がない。従って、適用する枠体の組み立て作業を容易化することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態である建具用架設フレーム材及び枠体を適用した建具を室内側から見た図である。
図2図1に示した建具の横断面図である。
図3図1に示した建具において可動面材を支持する面材支持部の縦断面図である。
図4図1に示した建具において固定面材を支持する面材支持部の縦断面図である。
図5図1に示した建具に適用するフレーム材を示すもので、(a)は建具用架設フレーム材の端面図、(b)は第1建具用フレーム材の端面図、(c)は第2建具用フレーム材の端面図である。
図6図1に示した建具の要部を室内側から示す部分とその断面を展開した部分とを合成して示す図である。
図7】本発明の変形例を示す要部縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る建具用架設フレーム材の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1図4は、本発明の実施の形態である建具用架設フレーム及び枠体を適用した建具を示すものである。ここで例示する建具は、外開き窓とFIX窓とを左右に連窓したもので、枠体10を備えている。
【0015】
枠体10は、上下の横フレーム部11,12及び左右の縦フレーム部13,14を有して矩形の枠状に構成したもので、内部に架設フレーム部15を備えている。架設フレーム部15は、縦フレーム部13,14と平行となる状態で両端部を上下の横フレーム部11,12に接続することにより、枠体10の内部に左右2つの面材支持部10A,10Bを構成するものである。本実施の形態では、室内側から見た場合に左側となる部位に外開き窓を構成するための面材支持部(以下、区別する場合に可動面材支持部10Aという)が構成してあり、室内側から見た場合に右側となる部位にFIX窓を構成するための面材支持部(以下、区別する場合に固定面材支持部10Bという)が構成してある。可動面材支持部10Aには、矩形状を成す複層ガラス21の四周に樹脂框22を装着した障子(面材)20が可動面材として開閉可能に支持してある。一方、固定面材支持部10Bには、矩形状を成す複層ガラス(面材)30が固定面材として直接嵌め込んである。
【0016】
枠体10を構成する横フレーム部11,12、縦フレーム部13,14及び架設フレーム部15は、それぞれ樹脂によって成形した押し出し形材である。このうち、縦フレーム部13,14及び架設フレーム部15については、それぞれが全長にわたってほぼ一様の断面形状を有する一体の建具用フレーム材13F,14F及び一体の建具用架設フレーム材15Fによって構成してある。これに対して上方の横フレーム部11は、可動面材支持部10Aを構成する建具用フレーム材11F1と、固定面材支持部10Bを構成する建具用フレーム材11F2とを互いに接続することによって直線状に構成してある。同様に、下方の横フレーム部12は、可動面材支持部10Aを構成する建具用フレーム材12F1と、固定面材支持部10Bを構成する建具用フレーム材12F2とを互いに接続することによって直線状に構成してある。上述の建具では、可動面材支持部10Aを構成する建具用フレーム材11F1,12F1,13Fが互いに同一の断面形状を有し、固定面材支持部10Bを構成する建具用フレーム材11F2,12F2,14Fが互いに同一の断面形状を有したものを適用して枠体10が構成してある。
【0017】
以下、図5を参照しながら、架設フレーム部15を構成する建具用架設フレーム材15Fの構成、並びに枠体10の横フレーム部11,12及び縦フレーム部13,14を構成する建具用フレーム材11F1,11F2,12F1,12F2,13F,14Fの構成についてそれぞれ詳述し、併せて本願発明の特徴部分について説明する。なお、以下においては便宜上、可動面材支持部10Aを構成する建具用フレーム材11F1,12F1,13Fについては「第1建具用フレーム材100A」、固定面材支持部10Bを構成する建具用フレーム材11F2,12F2,14Fについては「第2建具用フレーム材100B」と称することとする。また建具用架設フレーム材15F、第1建具用フレーム材100A、第2建具用フレーム材100Bを説明する場合には、建具を構成した状態の姿勢でそれぞれの方向を特定することとする。
【0018】
図5(a)に示すように、架設フレーム部15を構成する建具用架設フレーム材15Fは、見込み方向に沿った仮想の第1基準平面P1に対して一方側に配置される第1面材支持要素15Faと、第1基準平面P1に対して他方側に配置される第2面材支持要素15Fbとを一体に成形したものである。第1基準平面P1は、枠体10において2つの面材支持部10A,10Bの境界となる平面である。以下においては便宜上、可動面材支持部10Aに配置される部分を建具用架設フレーム材15Fの第1面材支持要素15Faとし、固定面材支持部10Bに配置される部分を建具用架設フレーム材15Fの第2面材支持要素15Fbとして説明することとする。
【0019】
ここで、見込み方向とは、図2図5中の矢印Aで示すように、建具の奥行きに沿った方向である。見込み方向に沿った面については見込み面と称する場合がある。また、本実施の形態では便宜上、見付け方向という用語も用いる。見付け方向とは、横フレーム部11,12等のように水平方向に沿って延在するものの場合、見込み方向に直交した上下に沿う方向である。縦フレーム部13,14等のように上下方向に沿って延在するものの場合には、見込み方向に直交した水平に沿う方向を見付け方向という。見付け方向に沿った面については、見付け面と称する場合がある。さらに、外周側とは、枠体10を基準として外方となる側であり、内周側とは、枠体10を基準として内方となる側である。
【0020】
図からも明らかなように、第1面材支持要素15Fa及び第2面材支持要素15Fbは、第1基準平面P1上において建具用架設フレーム材15Fの長手方向に沿った軸心Cを中心として回転対称となる断面形状の外殻構成部151を有している。外殻構成部151は、図5(a)中のドット部分で示すように、建具用架設フレーム材15Fの外表に現れ、かつ第1面材支持要素15Faと第2面材支持要素15Fbとで建具用架設フレーム材15Fの外殻部を構成する肉厚部分である。建具用架設フレーム材15Fの外殻部とは、中空部140を構成するのに必要となる最低限の要素部分である。つまり、内部に設けられるリブ等の部位は外殻構成部151に含まれない。また、外部に現れる部分においても単なるヒレ状の突起や凹部等の部位は、外殻構成部151に含まれない。本実施の形態では、見込み方向に延在する内壁部151aと、内壁部151aの両側縁部からそれぞれ見付け方向に沿って延在した2つの内側壁部151bとを有して外殻構成部151が構成してある。第1面材支持要素15Faの外殻構成部151及び第2面材支持要素15Fbの外殻構成部151は、互いに内側壁部151bを連続させることによって相互間に中空部140を構成している。図からも明らかなように、この中空部140においては、見付け方向に沿って延在する2つの補強用リブ141によって内壁部151aの間が互いに接続してある。
【0021】
外殻構成部151の内壁部151aには、一方の縁部に押縁装着溝(押縁装着部)152が設けてあるとともに、他方の縁部に面材係合部153が設けてある。押縁装着溝152は、内周側に開口する溝状の凹部であり、建具用架設フレーム材15Fの長手方向に沿った全長に形成してある。この押縁装着溝152には、FIX窓を構成する際に必要となる押縁300を装着することが可能である。面材係合部153は、内壁部151aから内周側に向けて突出した板状部分であり、建具用架設フレーム材15Fの長手方向に沿った全長に形成してある。本実施の形態では、内部が中空の厚板状を成す面材係合部153が第1基準平面P1に対してほぼ直交するように設けてある。面材係合部153の延在縁部には、シール材装着溝153aが設けてある。シール材装着溝153aは、面材係合部153において内壁部151aの一方の縁部に臨む表面に形成した溝状の凹部であり、建具用架設フレーム材15Fの長手方向に沿った全長に形成してある。このシール材装着溝153aには、FIX窓に設けられる複層ガラス30との間のシールを行うガラスシール材301、及び障子20の四周に設けられた樹脂框22との間のシールを行う框シール材302を選択的に装着することが可能である。図からも明らかなように、外殻構成部151において面材係合部153に隣接する部分には、建具用架設フレーム材15Fの長手方向に沿って排水溝151cが形成してある。
【0022】
なお、建具用架設フレーム材15Fの第1面材支持要素15Fa及び第2面材支持要素15Fbは押し出し形材として同時に一体に成形されるものであり、個別に成形した第1面材支持要素15Fa及び第2面材支持要素15Fbを接続して構成したものではない。但し、本発明では、第1面材支持要素15Fa及び第2面材支持要素15Fbを個別に成形した後に相互に接続したものを建具用架設フレーム材15Fとして適用しても良い。
【0023】
一方、横フレーム部11,12及び縦フレーム部13を構成する第1建具用フレーム材100Aは、図5(b)に示すように、見込み方向に沿った仮想の第2基準平面P2に対して一方側に配置される外周側要素110Aと、第2基準平面P2に対して他方側に配置される内周側要素120Aとを有したものである。同様に、横フレーム部11,12及び縦フレーム部14を構成する第2建具用フレーム材100Bは、図5(c)に示すように、見込み方向に沿った仮想の第2基準平面P2に対して一方側に配置される外周側要素110Bと、第2基準平面P2に対して他方側に配置される内周側要素120Bとを有したものである。見込み方向に沿う仮想の第2基準平面P2とは、それぞれの建具用フレーム材100A,100Bの長手方向(図5においては紙面に直交する方向)に沿って延在し、建具用フレーム材100A,100Bを枠体10の外周側に位置する外周側要素110A,110Bと内周側に位置する内周側要素120A,120Bとに分割する見込み面である。
【0024】
図5からも明らかなように、外周側要素110A,110Bについては第1建具用フレーム材100Aと第2建具用フレーム材100Bとで互いに同一断面形状の外周外殻構成部111を有するように構成してある。これに対して内周側要素120A,120Bについては見付け方向に沿った平面に対して第1建具用フレーム材100Aと第2建具用フレーム材100Bとで互いに鏡像となる断面形状の内周外殻構成部121を有するように構成してある。
【0025】
外周外殻構成部111とは、図5(b)及び図5(c)中のクロスハッチング部分で示すように、建具用フレーム材100の外表に現れ、かつ内周側要素120A,120Bの内周外殻構成部121とともに建具用フレーム材100A,100Bの外殻部を構成する肉厚部分である。本実施の形態では、見込み方向に沿った平板状を成す基壁部111aと、基壁部111aの両側縁部からそれぞれ見付け方向に沿って内周側に延在した2つの外側壁部111bと、水切り部111cとを有して外周外殻構成部111が構成してある。水切り部111cは、室外側に配置される外側壁部111bの外周側見付け面から室外側に向けて延在した中空の突出部である。水切り部111cにおいて外周側に位置する外側面111c1は、外側壁部111bに対してほぼ直角となるように延在する一方、内周側に位置する内側面111c2は、室外側に向けて漸次外周となるようにわずかに傾斜している。基壁部111aの外周側となる面には、外周に向けて延在するように釘ヒレ部112aが設けてある。室内側に配置される外側壁部111bには、外周側に位置する縁部から室内側に向けて延在するように連結ヒレ部112bが設けてある。これら釘ヒレ部112a及び連結ヒレ部112bは、単に平板状に突出する部分であり、上述した外周外殻構成部111には含まれない。
【0026】
内周外殻構成部121とは、外周外殻構成部111と同様、建具用フレーム材100A,100Bの外表に現れ、かつ外周外殻構成部111とともに建具用フレーム材100A,100Bの外殻部を構成する肉厚部分である。本実施の形態では、外周側要素110A,110Bの外周外殻構成部111との間に中空部130を構成することができるように、建具用架設フレーム材15Fの外殻構成部151と同一の断面形状を有するように内周側要素120A,120Bの内周外殻構成部121が形成してある。つまり、第1建具用フレーム材100Aの内周側要素120A及び第2建具用フレーム材100Bの内周側要素120Bには、見込み方向に延在する内壁部121aと、内壁部121aの両側縁部からそれぞれ見付け方向に沿って外周側に延在した2つの内側壁部121bとを有して内周外殻構成部121が構成してある。内周外殻構成部121には、一方の縁部に押縁装着溝122が設けてあり、他方の縁部に面材係合部123が設けてある。押縁装着溝122は、建具用架設フレーム材15Fに設けた押縁装着溝152と同一の断面形状を有したものである。面材係合部123には、ガラスシール材301及び框シール材302を選択的に装着することのできるシール材装着溝123aが設けてある。内周外殻構成部121において面材係合部123に隣接する部分に、建具用フレーム材100A,100Bの長手方向に沿って排水溝121cが形成してある点も、建具用架設フレーム材15Fと同様である。但し、第1建具用フレーム材100Aにおいては、水切り部111cとは反対の室内側となる縁部に面材係合部123が設けてあり、第2建具用フレーム材100Bにおいては、水切り部111cと同じ室外側となる縁部に面材係合部123が設けてある。
【0027】
なお、本実施の形態では、説明の便宜上、第2基準平面P2を境界として建具用フレーム材100A,100Bの外周側要素110A,110Bと内周側要素120A,120Bとを別々に説明しているが、これら外周側要素110A,110B及び内周側要素120A,120Bは押し出し形材としてそれぞれの建具用フレーム材100A,100Bごとに同時に一体に成形されるものであり、個別に成形したものを接続したものではない。但し、本発明では、外周側要素110A,110B及び内周側要素120A,120Bを個別に成形した後に相互に接続したものをそれぞれの建具用フレーム材100A,100Bとして適用しても良い。
【0028】
以下、これらの建具用架設フレーム材15F、第1建具用フレーム材100A、第2建具用フレーム材100Bを適用した枠体10の構成について説明する。まず、枠体10を構成する上下の横フレーム部11,12については、可動面材支持部10Aの左右方向に沿った長さに対応する第1建具用フレーム材100Aと、固定面材支持部10Bの左右方向に沿った長さに対向する第2建具用フレーム材100Bとを2組用意し、図6に示すように、第1建具用フレーム材100Aの小口端面と第2建具用フレーム材100Bの小口端面とを相互に溶着することによって構成してある。
【0029】
溶着する第1建具用フレーム材100Aの小口端面及び第2建具用フレーム材100Bの小口端面には、長手方向に対して直交する直交接合面S1が外周側要素110A,110Bに形成してあるとともに、長手方向に対して傾斜する傾斜接合面S2が内周側要素120A,120Bに形成してある。傾斜接合面S2は、見込み方向に沿い、かつ第2基準平面P2から離隔するに従って漸次後退するように傾斜する平面である。つまり、傾斜接合面S2は、第1建具用フレーム材100A及び第2建具用フレーム材100Bの小口端面を互いに接合した場合、第2基準平面P2から離隔するに従って漸次相互間隔が増大するように傾斜し、2つの建具用フレーム材100A,100Bの内周側要素120A,120Bを分断するものである。図示の例では、第2基準平面P2からそれぞれ45°の傾斜角度αを有するようにそれぞれの傾斜接合面S2が形成してある。
【0030】
上記のように、小口端面に直交接合面S1及び傾斜接合面S2を形成した2つの建具用フレーム材100A,100Bは、外周側要素110A,110Bを介して相互に溶着することにより直線状となる横フレーム部11,12を構成している。外周側要素110A,110Bの溶着には、樹脂窓において一般的に用いられる熱溶着を適用すれば良い。上述したように、建具用フレーム材100A,100Bの外周側要素110A,110Bは、互いに同一の断面形状を有するように構成してある。建具用フレーム材100A,100Bの内周側要素120A,120Bについては傾斜接合面S2を設けることで相互に接触することがない。従って、内周側要素120A.120Bの面材係合部123が互いに反対側の縁部から突出する向きで2つの建具用フレーム材100A,100Bの小口端面を対向させた場合にも外周側要素110A,110Bの外周外殻構成部111を介して互いを隙間無く接合、溶着することが可能である。
【0031】
可動面材支持部10Aを構成する縦フレーム部13としては、単一の第1建具用フレーム材100Aをそのまま適用し、固定面材支持部10Bを構成する縦フレーム部14としては、単一の第2建具用フレーム材100Bをそのまま適用している。適用する第1建具用フレーム材100A及び第2建具用フレーム材100Bは互いに同一の長さを有したものである。上述した上下の横フレーム部11,12に対して、それぞれの両端部に縦フレーム部13,14を接合して溶着すれば、矩形状の枠体10が構成されることになる。横フレーム部11,12の両端部及び縦フレーム部13,14の両端部は、それぞれに形成した45°の傾斜面を介した留め継ぎによって接合してある。この場合、縦フレーム部13,14は、溶着する上下の横フレーム部11,12に対して、それぞれ面材係合部123が同一の縁部から突出している。従って、縦フレーム部13,14と横フレーム部11,12との間は、それぞれの面材支持部10A,10Bにおいて外周側要素110A,110B及び内周側要素120A,120Bのすべてを介して互いに接合溶着された状態となっている。以上の結果、図示の例では、可動面材支持部10Aを構成する第1建具用フレーム材100Aのすべてが室内側となる縁部に面材係合部123が配置され(図2図3)、かつ固定面材支持部10Bを構成する第2建具用フレーム材100Bのすべてが室外側となる縁部に面材係合部123が配置された状態となる(図2図4)。
【0032】
一方、建具用架設フレーム材15Fには、図6に示すように、上下両端部にそれぞれ見込み方向に沿った傾斜接合面S3が形成してある。傾斜接合面S3は、内周側要素120A,120Bの傾斜接合面S2に対応して形成したものである。つまり、第1基準平面P1上に位置する部分が尖端縁となり、かつ第1基準平面P1に対してそれぞれ45°の傾斜角度βを有するように建具用架設フレーム材15Fに傾斜接合面S3が設けてある。従って、第1面材支持要素15Faの面材係合部153が室内側の縁部から突出する向きで上下の横フレーム部11,12の間に建具用架設フレーム材15Fを配置すれば、傾斜接合面S3,S2を介して建具用架設フレーム材15Fと上下の横フレーム部11,12とが接合することになる。
【0033】
ここで、建具用架設フレーム材15Fは、上述したように、第1建具用フレーム材100Aの内周側要素120A及び第2建具用フレーム材100Bの内周側要素120Bと同一の断面形状を有するように第1面材支持要素15Fa及び第2面材支持要素15Fbを構成したものである。従って、建具用架設フレーム材15Fは、上下の横フレーム部11,12において互いに反対側の縁部から面材係合部123が突出した内周側要素120A,120Bのそれぞれに対して、内周外殻構成部121に第1面材支持要素15Fa及び第2面材支持要素15Fbの外殻構成部151を接合し、かつ面材係合部123に面材係合部153を接合した状態で溶着することが可能となる。しかも、建具用架設フレーム材15Fの第1面材支持要素15Fa及び第2面材支持要素15Fbは、外殻構成部151及び面材係合部153が、第1基準平面P1上の長手方向に沿う軸心Cを中心として回転対称となる断面形状を有したものである。このため、隣接する第1建具用フレーム材100A及び第2建具用フレーム材100Bに対して面材係合部153の突出する向きさえ一致させれば、面材係合部153の断面形状までを目視で確認する必要がない。従って、建具用架設フレーム材15Fを組み立てる際の作業を容易化することができるようになる。
【0034】
上述したように、この枠体10では、可動面材支持部10Aの四周においては室内側に位置する縁部から面材係合部153,123が突出し、固定面材支持部10Bの四周においては室外側に位置する縁部から面材係合部153,123が突出することになる。従って、可動面材支持部10Aにおいては、面材係合部153,123のシール材装着溝153a,123aに対して一連となる框シール材302を装着することができる。これにより、可動面材支持部10Aに障子20を支持させれば、外開き窓を構成することができ、障子20を閉じた際に框シール材302を障子20の樹脂框22に接触させて所望の水密性や気密性を確保することが可能となる。
【0035】
一方、固定面材支持部10Bにおいては、面材係合部153,123のシール材装着溝153a,123aに対して一連となるガラスシール材301を装着することができるとともに、室内側の縁部に位置する押縁装着溝152,122に押縁300を装着することができる。従って、面材係合部153,123と押縁300との間にFIX用の複層ガラス30を挟持させることにより、FIX窓を構成することが可能となる。しかも、このFIX窓においては、押縁300が室内側に配置されることになるため、押縁300に直接太陽光が照射することに起因した問題を防止することが可能となる。
【0036】
なお、上述した実施の形態では、外開き窓とFIX窓とが連窓された建具の枠体10を例示しているが、本発明は必ずしもこれらの組み合せに限定されない。例えば、図7に要部を示すように、実施の形態で構成した枠体10の固定面材支持部10Bに対して室内側に開くように障子200を支持させれば、外開き窓と内開き窓とが連窓された建具を構成することも可能である。また、架設フレーム部15として水平方向に沿った無目を適用すれば、外開き窓と、FIX窓(もしくは内開き窓)とが上下に段窓された建具用の枠体を構成することも可能である。この場合には、左右の縦フレーム部13,14が互いに反対側の縁部から面材係合部123が突出する向きで接合した建具用フレーム材100A,100Bによって構成されることになる。さらに、2つの建具用フレーム材100A,100Bを溶着してフレーム部を構成する場合に上述した実施の形態では、外周側要素110A,110Bに長手方向に対して直交する直交接合面S1を形成して接合させるようにしているため、外観品質上有利である。しかしながら、外周側要素110A,110Bを接合するための接合面は、必ずしも長手方向に直交している必要はなく、例えば一方の傾斜接合面S2を延長した傾斜接合面を介して相互に接合させることも可能である。
【0037】
また、上述した実施の形態では、押縁装着溝122,152に押縁300を装着するようにしているが、押縁300を装着する部分としては必ずしも溝である必要はなく、押縁300を装着できればその他の構成であっても良い。
【0038】
以上のように、本発明に係る建具用架設フレーム材は、互いに平行に配置される2組のフレーム部を有した矩形状を成す枠体に対して互いに平行に配置される1組のフレーム部の相互間に架設されることにより、前記枠体に2つの面材支持部を構成する建具用架設フレーム材であって、長手方向に沿った仮想の第1基準平面に対して前記2つの面材支持部の一方に配置される第1面材支持要素及び前記第1基準平面に対して前記2つの面材支持部の他方に配置される第2面材支持要素が一体に成形され、前記第1面材支持要素及び前記第2面材支持要素は、外殻部を構成する外殻構成部及び面材に係合する面材係合部が前記第1基準平面上の長手方向に沿う軸心を中心として回転対称となる断面形状を有し、前記面材係合部が個々の一方の縁部のみから突出するように一体に設けられていることを特徴としている。
【0039】
この発明によれば、第1面材支持要素及び第2面材支持要素を有し、これら第1面材支持要素及び第2面材支持要素が、外殻部を構成する外殻構成部及び面材に係合する面材係合部が長手方向に沿った第1基準平面上の軸心を中心として回転対称となる断面形状を有し、かつ一方の縁部のみから面材係合部が突出しているため、この建具用架設フレーム材を適用して枠体を組み立てる際に、その向きを確認する必要がない。従って、適用する枠体の組み立て作業を容易化することができるようになる。
【0040】
また本発明は、上述した建具用架設フレーム材において、前記第1面材支持要素及び前記第2面材支持要素のそれぞれには、他方の縁部に押縁を装着する押縁装着部が設けられていることを特徴としている。
【0041】
この発明によれば、押縁装着部に押縁を装着することにより、面材係合部と押縁との間に面材の縁部を挟持することができ、例えばFIX窓を構成することが可能となる。
【0042】
また本発明に係る枠体は、建具用フレーム材の小口端面を相互に接合することにより、互いに平行に配置される2組のフレーム部を有した矩形状を成し、かつ互いに平行に配置される1組のフレーム部の相互間に請求項1に記載した建具用架設フレーム材を配設することによって2つの面材支持部が設けられる枠体であって、前記建具用架設フレーム材の端部が接続される1組のフレーム部は、互いに断面形状の異なる2つの建具用フレーム材を相互に接合することによって直線状に構成されたものであり、前記フレーム部を構成する2つの建具用フレーム材は、長手方向に沿った仮想の第2基準平面に対して一方側に配置される外周側要素及び前記第2基準平面に対して他方側に配置される内周側要素が一体に成形され、前記外周側要素を相互に接合することにより前記フレーム部を構成し、前記内周側要素から内周側に向けて突出する面材係合部を介して面材に係合されるものであり、前記第1面材支持要素との間に前記2つの面材支持部の一方を構成する建具用フレーム材は、前記内周側要素の外殻部を構成する内周外殻構成部が前記第1面材支持要素の外殻構成部と同一の断面形状を有し、それぞれに設けた傾斜接合面を介して前記第1面材支持要素に接合されており、前記第2面材支持要素との間に前記2つの面材支持部の他方を構成する建具用フレーム材は、前記内周側要素の外殻部を構成する内周外殻構成部が前記第2面材支持要素の外殻構成部と同一の断面形状を有し、それぞれに設けた傾斜接合面を介して前記第2面材支持要素に接合されていることを特徴としている。
【0043】
この発明によれば、建具用架設フレーム材として、第1面材支持要素及び第2面材支持要素を有し、これら第1面材支持要素及び第2面材支持要素が、外殻部を構成する外殻構成部及び面材に係合する面材係合部が長手方向に沿った第1基準平面上の軸心を中心として回転対称となる断面形状を有し、かつ一方の縁部のみから面材係合部が突出しているものを適用しているため、枠体を組み立てる際に、その向きを確認する必要がない。従って、適用する枠体の組み立て作業を容易化することができるようになる。
【0044】
また本発明は、上述した枠体において、前記フレーム部を構成する2つの建具用フレーム材は、前記外周側要素の外殻部を構成する外周外殻構成部が同一の断面形状を有し、互いに前記外周外殻構成部を介して接合されていることを特徴としている。
【0045】
この発明によれば、同一の断面形状を有した外周外殻構成部を介して2つの建具用フレーム材が接合されるため、フレーム部に所望の接合強度を確保することができる。
【0046】
また本発明は、上述した枠体において、前記第1面材支持要素及び前記第2面材支持要素のそれぞれには、他方の縁部に押縁を装着する押縁装着部が設けられ、前記面材係合部が室外側に配置される面材支持部には、前記押縁装着部に装着した押縁と前記面材係合部との間にFIX用の面材が挟持されていることを特徴としている。
【0047】
この発明によれば、押縁が室内側に設けられるため、例えば直射日光が当たる場所に建具が設けられたとしても、押縁に熱変形等の問題を招来するおそれがなくなる。
【符号の説明】
【0048】
10 枠体、10A,10B 面材支持部、11,12 横フレーム部、13,14 縦フレーム部、100A,100B(11F1,11F2,12F1,12F2,13F,14F) 建具用フレーム材、15F 建具用架設フレーム材、15Fa 第1面材支持要素、15Fb 第2面材支持要素、20 障子、30 複層ガラス、110A,110B 外周側要素、111 外周外殻構成部、120A,120B 内周側要素、121 内周外殻構成部、122,152 押縁装着溝、123,153 面材係合部、151 外殻構成部、300 押縁、C 軸心、P1 第1基準平面、P2 第2基準平面、S2,S3 傾斜接合面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7