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特許7177069基板をプロセスチャンバ内で回転及び並進するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】基板をプロセスチャンバ内で回転及び並進するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20221115BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
H01L21/304 645Z
H01L21/304 648A
H01L21/68 N
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019540660
(86)(22)【出願日】2018-01-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-20
(86)【国際出願番号】 US2018015545
(87)【国際公開番号】W WO2018140789
(87)【国際公開日】2018-08-02
【審査請求日】2021-01-21
(31)【優先権主張番号】62/451,499
(32)【優先日】2017-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508151552
【氏名又は名称】ティーイーエル マニュファクチュアリング アンド エンジニアリング オブ アメリカ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】バターボー,ジェフリー ダブリュ.
【審査官】綿引 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-076702(JP,A)
【文献】特開2001-079505(JP,A)
【文献】特開2008-252007(JP,A)
【文献】特開2014-049605(JP,A)
【文献】国際公開第2014/170928(WO,A1)
【文献】特開2015-041646(JP,A)
【文献】特開昭62-173718(JP,A)
【文献】特開2006-128238(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/67
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
大気圧より低い圧力で維持可能な内部体積を有するチャンバと、
前記チャンバに結合されるピボット要素と、
前記内部体積内に配置される流体ノズルと、
コントローラと、
を備える装置であって、
前記ピボット要素は、
前記内部体積内に配置されるピボット可能なスイングアームであって、前記スイングアームの一端のピボット点を有し、前記ピボット点の周りの弧状運動でピボットするピボット可能なスイングアームと、
前記ピボット可能なスイングアームに結合されるロッキング要素であって、前記ロッキング要素は、前記スイングアームを、処理中に前記弧状運動の範囲をとおって前記ピボット点の周りで往復してピボットさせることができ、前記弧状運動は角速度を有する、ロッキング要素と、
前記スイングアームの遠位端に結合される回転可能な支持要素と、を有し、
前記回転可能な支持要素は、
処理中にマイクロ電子基板を前記回転可能な支持要素に固定するための前記マイクロ電子基板のための支持面と、
前記支持面に結合される基板回転要素であって、前記基板回転要素は、処理中に前記マイクロ電子基板の中心点の周りで前記マイクロ電子基板が回転するように、前記支持面を回転させることができ、前記マイクロ電子基板の前記回転は角速度を有し、前記ピボット点と前記中心点とは互いにオフセットしている、基板回転要素と、を有し、
前記流体ノズルは、前記スイングアームが前記弧状運動の範囲をとおって移動するときに、前記流体ノズルと前記マイクロ電子基板の前記中心点との間の相対的位置が変化するように配置されており、
前記コントローラは、
前記スイングアームの前記弧状運動及び前記マイクロ電子基板の前記回転を同時に発生させるプログラム命令と、
前記スイングアームの前記弧状運動の前記角速度と前記マイクロ電子基板の前記回転の前記角速度とのうちの少なくとも一方を変化させ、したがって、前記流体ノズルが前記マイクロ電子基板の前記中心点から離れて配置されるにつれて、前記角速度のうちの少なくとも前記一方が減少するプログラム命令と、を含む、
装置。
【請求項2】
前記ロッキング要素は、145度未満の回転角度で前記ピボット点の周りで往復してピボットするように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記流体ノズルは、流体源及び低温冷却システムに結合される、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記支持面は、前記マイクロ電子基板を前記支持面に固定するための基板クランピング機構を有する、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記基板回転要素は、前記中心点の周りで前記支持面を回転させるためのステッピングモータを有する、
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記基板回転要素は、前記中心点の周りで前記支持面を回転させる磁気浮揚システムを有する、
請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記支持要素は、前記支持面に近接して配置される加熱要素を有する、
請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記流体ノズルは、低温冷却要素に結合するように構成される、又は、前記低温冷却要素に結合される、
請求項1に記載の装置。
【請求項9】
絶縁されたガスライン及び流体冷却ユニットをさらに備え、
前記流体ノズルは、前記流体冷却ユニットに結合される前記絶縁されたガスラインに結合される流入口を有する、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
真空ポンプに結合可能な内部体積を有し、マイクロ電子基板の処理中に、前記マイクロ電子基板がその中に配置されるチャンバであって、前記マイクロ電子基板は中心点を有する、チャンバと、
前記内部体積内に配置されるピボット可能なスイングアームであって、前記スイングアームの一端に位置するピボット点の周りで、第1の位置と第2の位置との間で往復してピボットするように構成されており、したがって、前記ピボット可能なスイングアームは、前記処理中に前記第1及び第2の位置の間を移動する際に、弧状運動の範囲でピボットするスイングアームと、
前記スイングアームに結合される基板チャックであって、前記基板チャックは、前記マイクロ電子基板の中心点が前記スイングアームの前記ピボット点から水平方向にオフセットするように、かつ、前記マイクロ電子基板が前記中心点周りに回転するように、前記マイクロ電子基板を支持する、回転可能な基板チャックと、
前記内部体積内に配置され、処理中に前記内部体積内に処理流体を分配する流体ノズルであって、前記スイングアームが前記弧状運動の範囲をとおって移動するにつれて、前記流体ノズルと前記マイクロ電子基板の前記中心点との間の相対的位置が変化するように配置されている、流体ノズルと、を備える装置。
【請求項11】
前記装置は、スイングアームピボット要素をさらに有し、前記スイングアームピボット要素は、前記スイングアームを前記弧状運動の範囲の前記第1及び第2の位置の間で動くように前記ピボット点周りにピボットさせる、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記スイングアームピボット要素は、前記内部体積の外部に配置されており、真空気密シールまたはパススルー要素を介して前記スイングアームに結合されており、
前記真空気密シールは、磁性流体シール又は回転スライドシールを有する、
請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記基板チャックに結合されて前記基板チャックを回転させる回転機構をさらに備え、
前記回転機構は、前記内部体積内に配置される、
請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記スイングアームは、前記ピボット点の周りで最高145度で回転するように構成される、
請求項10に記載の装置。
【請求項15】
マイクロ電子基板を処理チャンバ内で受け取るためのスイングアームを位置決めするステップと、
マイクロ電子基板を前記スイングアームの一端に結合された回転要素上に配置するステップと、
前記処理チャンバ内に配置されるノズルの下に前記マイクロ電子基板を位置決めするステップと、
前記マイクロ電子基板を、低温冷却流体を含むプロセス処理ガスに露出するステップと、
前記マイクロ電子基板を前記マイクロ電子基板の中心点の周りで回転させるステップと、
前記スイングアームの他端に結合されたピボットロッドをロッキング要素によって回転させることによって前記スイングアームをピボット点の周りで往復してピボット回転させるステップであって、前記ロッキング要素は前記処理チャンバ外に配置されている、ステップと、
を含む方法。
【請求項16】
前記ピボット回転させるステップは、前記マイクロ電子基板の中心点に対する前記ズルの相対的な位置に少なくとも部分的に基づいて変化する角速度で、前記スイングアームを回転させるステップを含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ピボット回転させるステップは、1秒につき5と50弧度との間の角速度で前記スイングアームを回転させるステップを含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記回転させるステップは、前記マイクロ電子基板の中心点に対する前記ズルの相対的な位置に少なくとも部分的に基づいて変化する回転速度で、前記マイクロ電子基板を回転させるステップを含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記回転させるステップは、10RPMと300RPMとの間の回転速度を有する、
請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記ピボット回転させるステップは、前記スイングアームを第1の位置と第2の位置との間で回転させるステップを含み、前記第1の位置及び前記第2の位置は、前記ピボット点の周りの弧線に沿って145度未満で離れている、
請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年1月27日に出願され、「基板をプロセスチャンバ内で回転及び並進するためのシステム及び方法」という名称の米国仮出願番号第62/451,499号の優先権を主張し、その全体は、本願明細書に参照によって組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
IC製造は、さまざまな材料をマイクロ電子基板上に適用すること及びマイクロ電子基板から選択的に除去することによって実行されてもよい。製造プロセスの一態様は、マイクロ電子基板の表面をクリーニング処理に露出し、マイクロ電子基板からプロセス残留物及び/又はデブリ(例えば、粒子)を除去することを含んでもよい。さまざまな乾式及び湿式クリーニング技術が開発され、マイクロ電子基板をクリーニングし、生産収率及びデバイス性能を改善してきた。しかしながら、活性要素の密度の増加(例えば、より小さいデバイスフィーチャ)により、デバイスは、動的なクリーニング処理の物理的損傷及び以前より小さい粒子からの収率損失の影響を受けやすくなった。それゆえ、基板上の高感度構造に損傷を与えずに、より小さい粒子及び/又は比較的より大きい粒子を除去可能にすることは望ましい。
【0003】
過去において、低温クリーニング装置のための典型的なハードウェア構成は、スプレーバー又はノズルを用いて、クリーニング用の化学物質を基板にディスペンスしてきた。いくつかの以前の方法では、基板は、スプレーバー又はノズルの下で並進し、効率的な方法で基板を均一にクリーニングするために、処理範囲を最大化した。この方法は、プロセススプレーが、最小の滞留時間で基板の直径全体にわたり通過し、所望の粒子除去効率(PRE)を達成するように、局所的なプロセススプレー又はジェットの下で基板全体を並進可能な内部体積を有するプロセスチャンバを設計することにつながった。例えば、プロセスチャンバは、搬送する線形スライドテーブルを、スプレーを通り移動させるための、スライド又は安定化ロッドを有する線形スライドテーブルを含んでいたため、基板全体がスプレーを通過していた。ロッドは、バネ付勢されたシールを有し、バネ付勢されたシールは、シール漏れの影響を受けやすく、粒子及びプロセスの問題を生じていた。ロッドの摩擦表面積は、注油を必要とする潜在的な粒子源であり、このことは、さらなる汚染及び粒子の問題を導入していた。これらの実施形態では、プロセスチャンバは、所望のPRE結果を達成するために、基板の直径の2倍より長かった。しかしながら、基板直径のサイズが増加するにつれて、線形並進要素(例えば、ロッド)のサイズは、基板よりはるかに大きいチャンバ空間を必要とし、プロセスチャンバ内の摩擦表面積を増加させた。さらに、より大きいチャンバ空間は、プロセス性能の対応する増加なしで、コスト(例えば、より長いポンプのダウン時間、より多くの化学物質及びより大きい取り付け面積)を上昇させた。
【0004】
それゆえ、表面処理範囲を最大化し、粒子除去効率を改善し、処理サイクル時間を減少させ、化学物質コストを減少させ、及び/又は、器材コストを減少させるプロセスチャンバ設計に対するいかなる改善も望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願明細書には、基板をプロセスチャンバ内でハンドリングするためのシステム及び方法のための実施形態が記載され、この実施形態では、スライドシールを有する線形並進ロッドの必要を除去し、全体の運動取り付け面積を最小化しながら、基板全体を処理する。運動取り付け面積は、処理の間、基板の移動によってカバーされる二次元のエリアの最大量である。運動取り付け面積を最小化することは、基板の線形並進を必要としない基板ハンドリング機構によって達成される。概して、ハンドリング機構は、基板の2つの同時の半径方向運動を統合し、二次元の運動を最小化しながら、基板をクリーニング化学物質に適切に露出し、望ましいPREを達成する。ハンドリング機構のための回転中心は、スイングアームの反対端に位置する。スイングアームの第1端は、ピボット点(例えば、第1の回転中心)を含み、スイングアームの反対端は、基板をスイングアームに固定するための基板ホルダを含む。基板ホルダは、基板がそれ自身の中心点(例えば、第2の回転中心)の周りで回転することを可能にする回転機構を含む。基板ハンドリングシステムは、基板の表側の面を化学物質のディスペンス点の下に位置決めし、基板をそれ自身の中心点の周りで回転させ、同時に、回転する基板を弧状の運動でピボット点の周りで移動させるように設計される。
【0006】
本願明細書に記載されているシステムは、以前の方法で用いられる線形運動システムに勝るいくつかの利点を提供することができる。例えば、水平運動を最小化することは、プロセスチャンバのより小さい二次元の取り付け面積を可能にすることができ、それによって、より多くのチャンバが単一のメインフレームに追加可能である、及び/又は、メインフレームのサイズを減少可能である。より小さい移動距離は、電線の長さを短縮することによって、よりクリーンなワイヤ管理を可能にし、より長い並進運動を可能にするのに用いられるeチェーンケーブル管理ハードウェアを不要にする。さらに、開示されたシステムデザインは、磁性流体又は回転スライドシールを含むより単純な回転フィードスルー技術の使用を可能にし、プロセスチャンバ内の潜在的粒子源の数及びサイズを減少する。より小さいロボット取り付け面積は、真空チャンバ内の摩擦表面積を減少し、潜在的粒子源(例えば、可動部分、シールなど)は、真空ポートのより近くに配置され、粒子が基板に到達できる前に、粒子を除去することができる。
【0007】
システムは、任意の目的又は用途のための電気デバイスを作るために用いられる半導体基板を処理するために用いられてもよい。システムは、基板を内部体積内で処理又は移動させる間、大気圧より低い圧力に維持可能な内部体積を有する処理チャンバを含んでもよい。一例では、システムは、処理の間、流体又はガスをディスペンスするように設計された流体ノズルを有するように構成されてもよく、流体ノズルは、システムに固定される基板の反対側に、又は、基板より上に配置されていてもよい。システムは、スイングアームを含むピボット要素を含み、スイングアームは、一端に配置される基板ホルダを有し、ピボット点は、反対端に配置される。ピボット要素は、ピボット点に結合されるステッピングモータを含み、ステッピングモータは、ピボット点の周りで弧状の運動で145°以下で離れた2つの位置の間でスイングアームを回転させる。ピボット運動に関連して、基板ホルダは、基板をそれ自身の中心点の周りで回転させる回転システムを含む。システムは、垂直線が、基板の表面に垂直であり、ピボット点及び基板中心点を通る線になりえないという点で、ピボット点が基板中心点から水平方向にオフセットされることを保証する任意の長さのスイングアームを含んでもよい。ピボット要素は、チャンバ内側の要素(例えば、基板ホルダ又はチャックなど)及びチャンバ外側の要素(例えば、回転する/振動するモーターなど)の組み合わせを含み、プロセスチャンバ内での基板運動を可能にしてもよい。
【0008】
一実施形態では、ピボット要素は、スイングアームをピボット点の周りで往復して移動させるように構成され、スイングアームの反対端は、基板を弧状の運動でピボット点から測定されるとき145°未満で離れた2つの半径方向位置の間で回転させる。支持要素は、マイクロ電子基板のための支持面を含み、マイクロ電子基板を支持要素に固定してもよい。1つの特定の実施形態では、基板回転要素は、支持面に結合されてもよく、支持面の中心点の周りで支持面を回転可能にする。この例では、中心点は、スイングアームのピボット点から水平方向、垂直方向及び/又は半径方向にオフセットされるので、基板の回転中心は、スイングアームの回転中心と異なる。基板回転は、基板支持要素又はスイングアーム内に配置されるステッピングモータ又は磁気浮揚モータによって可能にされてもよい。1つの特定の実施形態では、スイングアームは、ピボットロッド(例えば、軸、管など)を介して回転モータに結合されてもよく、ピボットロッドは、スイングアームがモータからオフセットされるのを可能にするので、回転モータは、内部体積の外側に配置されてもよい。他の実施形態では、ピボット要素は、ピボット点の周りで少なくとも2つの位置の間でスイングアームを振動させるように構成され、基板に対する流体ノズルの相対的な位置及び/又は基板の直径に少なくとも部分的に基づいて、基板にわたる処理流体範囲を最大化してもよい。
【0009】
一実施形態では、ピボット要素を用いた処理方法は、スイングアームの回転モータを用いて、スイングアームをプロセスチャンバ内のローディング/アンローディング位置に位置決めすることを含むことができる。基板ハンドラは、マイクロ電子基板をスイングアームに結合される回転要素(例えば、支持面)上に配置する。基板が任意の機械的又は電気的な手段によりスイングアームに固定された後、スイングアームは、処理チャンバ内に配置されるノズルの下又はノズルに近接して最初の開始位置に位置決めされてもよい。1つの特定の実施形態では、処理流体をディスペンスする前に、基板は、基板の任意の表面エリアがノズルの真下に位置するのを回避するように位置決めされる。一旦位置決めされると、基板は、その中心点の周りで所定の半径方向の速度で回転を開始してもよい。同様に、プロセス処理ガスが流体ノズルを通りプロセスチャンバ内に流れる前に、システムコントローラは、任意の他の所定のレシピ条件(例えば、チャンバ圧力、プロセスガス温度、流入ガス圧力又はそれらの組み合わせ)が満たされることを確認する。この実施形態では、システムコントローラは、ピボット要素が、ピボット点の周りで弧状の運動で所定時間及び角速度でプロセスチャンバ内の2つ以上の位置の間でスイングアームをピボット回転するように命令する。大部分の基板クリーニングの実施形態では、2つ以上の位置の間の回転角度は、360°未満であり、典型的には145°未満である。
【0010】
本願明細書に開示されるシステム及び方法は、改善された運動効率及びより小さいチャンバ又はツールの取り付け面積から利益を得る任意の半導体デバイス製造動作に適用されてもよい。開示の範囲は、大気圧より低い処理用途に限定されるものではなく、本願明細書に開示される大気圧より低い実施形態は、単に例示的であり、図示する目的のためだけである。
【0011】
この明細書に組み込まれ、一部を構成する添付の図面は、上述した本発明の一般的説明及び以下の詳細な説明とともに、本発明の実施形態を示し、本発明を説明するように機能する。さらに、参照符号の一番左の数字は、参照符号が最初に表示される図面を識別する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の少なくとも1つの実施形態に従って、クリーニングシステムの概略図及びクリーニングシステムのプロセスチャンバの断面図を含む。
図2】本開示の少なくとも1つの実施形態に従って、クリーニングシステムにより用いられる他のハンドリングシステムの実施形態の断面側面図を含む。
図3】本開示の少なくとも1つの実施形態に従って、ハンドリングシステムの平面図を含む。
図4】本開示の少なくとも1つの実施形態に従って、クリーニングシステムを用いた例示的な方法のフローチャートを含む。
図5】本開示の少なくとも1つの実施形態に従って、他のハンドリングシステムの実施形態の平面図を含む。
図6】本開示の少なくとも1つの実施形態に従って、ハンドリングシステム内のスイングアーム運動の平面図を含む。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、独自の方法で、チャンバ内でディスペンス源に対して基板を移動させることによってマイクロ電子基板を処理するための例示的な処理システムの概略図を含む。特に、高濃度の流体の流れを有する単一のディスペンス源を有する実施形態では、基板の別々の部分を処理することができるので、基板をあちこちに移動させることは、ウェーハ内プロセスの結果を改善する。しかしながら、ハンドリングシステムが、単一のディスペンス源の処理に限定されるものではなく、複数のディスペンス源の処理に用いられ、より均一な化学処理(例えば、クリーニング、堆積、エッチングなど)を可能にしてもよい。例示及び図示の目的のために、処理システムは、低温クリーニングシステムとして記載されるが、請求項の範囲をクリーニングの実施形態に限定することは意図しない。例えば、本願明細書に開示されるシステム及び方法は、堆積、エッチング、トラック、計測学、パターニング又は電気デバイスを製造するのに用いられる他の任意のプロセス技術に適用されてもよい。
【0014】
概して、本願明細書に開示される基板ハンドリングシステムは、2つの同時に回転する部材を有する入れ子になった回転機構を含み、基板を化学処理環境内で移動させる。機構は、ピボットアームを含み、ピボットアームは、ピボットアームの一端に位置するピボット点の周りで往復して振動する。ピボット点の反対端には、基板を固定するとともに、基板をその中心点の周りで回転させることができる基板支持要素が配置される。ピボット回転及び回転運動の組み合わせにより、比較的小さい表面積内で最も広い表面露出が可能になる。したがって、より小さい表面積は、プロセスチャンバの取り付け面積及び体積を最小化し、このことは、プロセス利益に加えて、サイクル時間、化学物質コスト及びメインフレームの取り付け面積を改善することができる。
【0015】
図1では、処理システムは、クリーニングシステム100として示され、低温冷却された流体を用いて、マイクロ電子基板102から粒子、汚染物質又はフィルムをクリーニングすることができる。プロセスチャンバ106は、流体冷却システム又は低温冷却システム110によって冷却される、1つ又は複数の流体源108からの加圧流体(例えば液体窒素)を、ノズル112を通り内部体積114内に流れるか又は広がる前に受け取るように構成されてもよく、内部体積114は、プロセスチャンバ106に結合される真空システム136によって比較的低い圧力に維持される。断面側面図108に示すように、低温冷却された流体は、プロセスチャンバ106内に配置されるハンドリングシステム104に固定される基板102の方に向けられてもよい。一実施形態では、冷却流体のためのガスラインは、絶縁され、温度変化を最小化し、凝結を防止する。
【0016】
この実施形態では、単一のノズル112を用いて、処理流体を内部体積内にディスペンスする。いくつかの例では、ノズルの放出口直径と基板直径とのサイズの違いは、非常に大きくなることがある(例えば、>50x)。したがって、いくつかの例では、ディスペンスされる流体は、基板102のサイズと比較して比較的小さいエリアをクリーニングできるだけでもよい。過去には、この問題は、ノズル112の下で基板102を線形に並進及び回転させることによって補償された。しかしながら、このようにして基板102を処理することは、基板102の全体を処理し、望ましいPREを維持するために、長い距離(例えば、少なくとも直径の2倍)にわたり基板を並進させる必要がある。移動距離は、プロセスチャンバ106の側壁に接触することなく基板を移動させるのに十分なサイズの内部体積114に影響する。移動距離及びチャンバ体積は、より長い距離を移動し、より大きい体積をポンプ注入/パージするのによりに多くの時間かかかるという点で、処理プロセスサイクル時間にマイナスの影響を与えうる。したがって、移動距離及びプロセスチャンバ106の体積を減少することは、サイクル時間にプラスの影響を与え、クリーニングシステム100を動作するのにより費用効果的とすることができる。
【0017】
本願明細書には、基板の水平方向又は2次元の移動距離を減少することを意図し、内部体積114の減少を可能にするハンドリングシステム104が開示される。ハンドリングシステム104の距離及び体積の利点は、基板102をノズル112の下でピボット点の周りで弧状の運動で往復して回転させ、同時に、基板102をそれ自身の中心点の周りで回転させることができる機構によって可能になる。ノズル112は、処理の間、基板の中心点を通過することを回避するように位置決めされてもよい。
【0018】
ハンドリングシステム104は、スイングアーム118を用いて基板102の2つの半径方向運動の組み合わせを実施し、スイングアーム118は、一端がピボットロッド120に固定され、反対端が基板支持要素122に固定される。ピボットロッド120は、145°以下で往復して回転するので、スイングアーム118の遠位端は、スイングアーム118の半径及びピボットロッド120の回転角度によって形成される弧に沿って移動する。このようにして、プロセス処理の間、基板102は、上から、すなわち、ノズル112から見られるとき、ピボットロッド120の周りで弧状の運動でピボット回転するように見える。このピボット運動は、図1に示されるピボット矢印134によって示される。ピボットロッド120は、ハンドリングシステム104の第1の回転中心である。
【0019】
ハンドリングシステムの第2の回転中心は、基板支持要素122の中心に位置し、基板支持要素122は、機械的及び/又は電気的な手段を用いて基板102を固定するように構成される。基板支持要素は、基板102がそれ自身の中心点の周りで回転できるように構成される。この例では、回転システム124は、支持要素122に結合され、図1に示される回転矢印130によって示されるように、基板102を回転させることができる。基板の回転速度及びスイングアームの角速度は、他のクリーニングシステム100の動作と同様に、命令を実行することができるコントローラ116を介して制御可能であり、命令は、メモリ118に保存され、コンピュータプロセッサ120上で実行され、プロセスチャンバ106内で任意の処理技術を実施する。
【0020】
半導体処理の当業者は、クリーニングシステム100(例えば、流体源108、低温冷却システム110、真空システム136、コントローラ及びそれらのそれぞれの下位要素(図示せず、例えばセンサなど))を、プロセスチャンバ106内で実行される任意の処理を実施するように構成してもよい。
【0021】
図1の実施形態では、回転システム124は、スイングアーム118に埋め込まれて示され、回転システム124の可動部分からの汚染を最小化する。しかしながら、他の実施形態では、回転デバイスは、図2に示すように、スイングアーム118の裏側に結合されてもよく、又は、スイングアーム118の表側上で基板支持要素122に組み込まれてもよい。スイングアームの表側は、ノズルに対向し、スイングアーム118の裏側は、その表側の反対側にある。
【0022】
図2は、図1に示されるプロセスチャンバ106及びハンドリングシステム104の例示的実施形態の断面側面図を示す。図2の実施形態は、図1のクリーニングシステム100を動作するのに用いられる要素に関して、いくつかの共通の態様を共有する。例えば、プロセスチャンバ106の外側の動作要素(例えばコントローラ116など)は、図2に示されるピボットシステム200に適用できる。同様に、ピボットシステム200のいくつかの内部要素を用いてもよい、又は、図1にて説明したのと同様の方法で動作してもよい。例えば、共通の内部要素は、ノズル112及び内部体積114を含んでもよいが、これらに限定されるものではない。さらに、図1の実施形態に記載された基板102の運動機能は、同様の方法でピボットシステム200によって実施されてもよい。同様に、ピボットシステム200の概念及び要素は、図1のクリーニングシステム100及び/又はプロセスチャンバ106に適用してもよい。
【0023】
図2では、ピボットシステムは、プロセスチャンバ106の側壁202を含み、側壁202は、内部体積114を囲み、クリーニングシステム100のために大気圧より低い処理を可能にするのを支援する。側壁202は、内部体積114内でピボットシステム200の一部を囲み、内部と外部とを接続する真空気密パススルー204によって構成される。パススルー204は、回転スライドシール又は磁性流体シールでもよく、ピボット回転する要素200の外部(例えばモータ)を大気条件に露出することができ、一方、内部を大気より低い環境内で動作させることができる。側壁202は、他の追加の真空気密流入口及び放出口を含み、化学物質を内部体積114内にディスペンスする、又は、処理の間、化学物質を排出してもよい。例えば、ノズル112は、流体源108及びガス分配ネットワークに結合され、ガス分配ネットワークは、処理化学物質をプロセスチャンバ106に届ける。ノズル112に接続されているガスライン又はノズル112自体は、側壁202内に配置されてもよく、真空気密シールが内部体積114内で維持されることを可能にする。真空ポート206は、側壁202内に配置され、真空システム136に接続され、内部体積114内にディスペンスされる流体を排出する。図2の実施形態では、真空ポート206は、基板102の下に配置され、ピボットシステム200によって生成される粒子が基板102に影響を与えうる前に、当該粒子を除去するより大きい可能性を有する。さらに、真空ポート206を、基板の弧状の運動の下に又は反対側に配置することは、より均一のPRE結果を提供しうる基板102にわたる流体の流れの均一性を改善しうる。1つの特定の実施形態では、真空ポート206は、側壁202の下側又は底の、ピボットシステム200のピボット要素208によって可能になる基板の弧状の運動経路のメジアン点に配置される。
【0024】
概して、ピボット要素208は、処理の前に基板102を固定し、基板102をノズル112の下で半径方向の弧状の運動で往復して移動させ、同時に、基板102をそれ自身の中心点の周りで回転させる。ピボット要素208及びノズル112は、所望の処理結果に適応するために位置決めされてもよい。例えば、一実施形態では、ノズル112及びピボット要素208は、ノズル112が、ピボット要素208によって実行される弧状の運動のメジアンで基板の中心点を通過するように、互いに対して位置決めされる。しかしながら、他の実施形態では、ノズル112は、ノズル112が基板102の直径全体を通過するのを回避するように、弧状の運動の中心点から横方向にオフセットされる。このようにして、基板の水平方向の移動距離は、処理の間、最小化されてもよく、ピボット要素208のためのより小さい内部体積114を可能にしてもよい。しかしながら、ノズル112の位置は、クリーニングシステム100又は他の用途の所望の性能に応じて変化してもよい。例えば、ピボット要素208に対するノズル112の配置は、処理のプロセス機能及び所有(例えば、サイクル時間、化学消費、取り付け面積など)のコストとバランスさせてもよい。いくつかの例では、処理用途は、基板102の直径全体を通過するノズル112から利益を得ることがありうるが、他の処理用途では、より小さい内部体積114及びより短い水平方向又は横方向の移動距離の費用対効果は、処理結果にマイナスの影響を与えないことがありうる。
【0025】
図2の実施形態では、基板102は、スイングアーム118の一端に配置されている基板支持要素210を介して、ピボット要素208に固定され、スイングアーム118は、スイングアーム118の反対端で、ピボットロッド120に結合される。基板102の弧状の運動は、ピボットロッド120の遠位端に結合されるロッキング要素212によって駆動され、ロッキング要素212は、ピボットロッド120を145°未満で離れた少なくとも2つの位置の間で往復して回転させる。さらに、スイングアーム118及び/又は基板支持要素210の裏側に結合される基板回転要素214は、基板102をそれ自身の中心点の周りで360°回転させる。
【0026】
基板支持要素210は、基板102を固定するためのチャック又は支持面を含み、処理の間の任意の制御されていない運動を防止してもよい。チャックは、任意の機械的、電気的及び/又は空気圧的な手段を用いて、基板102をチャックにクランプ又は固定してもよい。スイングアーム118及び基板102が回転している間、チャックは、基板102を固定可能でなければならない。
【0027】
一実施形態では、基板回転要素214は、スイングアーム118及び/又は基板支持要素210の裏側に結合されてもよい。回転要素214は、回転駆動軸を有するステッピングモータを含んでもよく、チャック又は支持面の回転は、回転軸受機構を用いているので、基板チャック又は支持面は、それ自身の中心点の周りで回転できる。ステッピングモータは、必要に応じて回転速度を調整できるコントローラ116に電気的に結合される。
【0028】
他の実施形態では、回転要素214は、基板チャック又は支持面に磁気的に結合可能な磁気浮揚システム(図示せず)を含んでもよい。浮揚システムは、磁気ラジアル軸受を含み、基板チャック運動を水平、垂直及び半径方向に磁気的に制御してもよい。例えば、各移動方向は、対応するグループの磁石によって独立に制御され、基板チャックを上昇、安定及び回転させる。各グループは、コントローラ116を介して特定の移動方向を制御するように指定及び調整され、ピボットシステム200の他の任意の要素と物理的に接触することなく、基板チャックを回転させる。
【0029】
他の実施形態では、基板チャック又は支持面は、加熱要素(図示せず)を含み、低温冷却処理の間、基板102を加熱してもよい。加熱を用いて、基板102内の温度勾配を可能にしうる冷却処理流体によって生じた基板102の反りを防止してもよい。いくつかの例では、温度勾配は、基板102の変形を引き起こすのに十分な応力を誘導するのに十分大きい。いくつかの実施形態では、基板102を加熱することは、処理性能、例えば、クリーニング処理の間の粒子除去、粒子の再付着の防止、エッチング処理の間の材料除去、又は、堆積処理の間の材料堆積を改善することができる。一実施形態では、加熱要素は、抵抗素子を含んでもよく、抵抗素子は、スイングアーム118に結合され、基板チャックの回転部分に近接して位置決めされるが、基板チャックのいかなる回転部分にも物理的に接触しない。
【0030】
図2に示すように、基板支持要素210は、スイングアーム118の一端に結合され、スイングアーム118の反対端は、ピボットロッドに結合される。スイングアーム118及びピボットロッド120は、ロッキング要素212によって駆動される単純な機構を形成し、基板102を所定の運動によって内部体積114内で移動させる。スイングアーム118及びピボットロッド120の接続は、ピボット点を形成し、基板102は、内部体積114内の2つの位置の間の周りで回転する。この実施形態では、2つの位置は、ノズル112が基板の中心点を通過することなく、基板102を通過できるように選択される。したがって、スイングアームの長さは、基板102の直径及び内部体積114内のノズル112の位置に依存する。一般的に、スイングアーム118のアーム半径は、ピボット点とノズル112との間の水平距離より大きい又は小さく、ノズル112が、処理の間、基板の中心点を通過するのを防止しなければならない。ピボットロッド120の長さは、ロッキング要素212の位置及びノズル112と基板102との間の任意の所望のクリアランスに依存する。
【0031】
一実施形態では、スイングアーム118及びピボットロッド120は、内部体積を有して形成されることにより、電気的又は空気圧的なラインが基板チャックに到達することができる。電気的及び空気圧的なラインを用いて、基板チャックの基板102の回転及びクランピングを制御してもよい。スイングアーム118及びピボットロッド120は、それらに適用される力のいずれにも耐えるための強さ及び構成を有する任意の適切な材料でできており、内部体積114内に導入される処理流体との任意の化学反応に最適に抵抗し、処理流体がそれらの内部体積に到達するのを防止することができる。
【0032】
ロッキング要素212は、ピボットロッド120を、145°未満で離れて往復運動して確実に回転させることができる任意の適切な電気的/機械的デバイスでもよい。例えば、適切なトルク及び応答を有するステッピングモータによって、基板102は、スイングアーム118の自由端の弧状の経路に沿って最高50°/sの角速度で移動することができる。図3は、処理プロセスのさまざまな段階の間、断面のラインAA-AAから見られるときの、ピボットシステムの平面図を示す。
【0033】
図3は、図2のラインAA-AAから見られるとき、処理の間、内部体積114内のさまざまな位置でのピボット要素208の平面図を示すピボットシステム200の例示的実施形態である。図3では、ピボット要素208は、スイングアーム118と、ピボットロッド120と、基板102を有する基板支持要素210と、として示される。ピボット要素208は、側壁202及び転送ドア300によって表されるプロセスチャンバ106内に配置され、転送ドア300は、図2では見えず、プロセスチャンバ106内外に基板102を移動させるために用いられる開口である。転送ドア300は、電気的/機械的/空気圧的なアクチュエータを用いて、側壁202に開口を作成するための転送ドア300を開閉し、開口によって、基板102は、プロセスチャンバ106内外に移動することができる。ピボット要素208がローディング位置302にあるとき、転送機構(図示せず)は、基板102を基板支持要素210から取り上げ、かつ、基板102を基板支持要素210上に配置する。一般的に、ローディング位置302は、転送ドアに近接し、転送機構の内部体積内への移動距離を最小化するが、プロセスチャンバ106は、指定のローディング位置302が処理位置と別個であることを必要とせず、このように示されるのは、単にプロセスチャンバ106内の可能な位置の説明の容易さのためだけである。
【0034】
一実施形態では、ピボット要素208は、処理を開始する前に、ローディング位置302から第1の位置(例えば、開始位置)304に移動してもよい。この例では、処理流体が内部体積114内にディスペンスされる前に、ノズル112は、基板102のエッジのすぐ横に位置決めされる。処理流体がノズル112からディスペンスされる前に、基板支持要素210は、基板102の回転を開始してもよい。一旦処理流体の流れ及び処理圧力が安定すると、ピボット要素208は、基板102の一部をノズル112の真下に持ってくる第2の位置306までスイングアーム118を回転させる。ピボット要素208は、所望量及び所定時間の間、処理の全体にわたって第1の位置304と第2の位置306との間で往復してピボット回転し、第1の位置304又は第2の位置306で停止してもよい。基板102は、処理の全体にわたってピボット点(例えば、ピボットロッド120)の周りで弧状の運動308で移動する。流体のディスペンスが終了した後、基板102は、回転を停止し、スイングアーム118は、ローディング位置302に移動し、基板102を転送機構による取り上げに利用できるようにする。
【0035】
図4は、ピボットシステム200を用いて基板を処理する方法のためのフロー図400を含む。本願明細書に開示される方法は、ピボット要素208上でコントローラ116を用いて実施されてもよく、コントローラ116は、非一時的媒体(例えば、メモリ)内に保存されているコンピュータプロセッサ実行可能命令を実行し、基板102の運動を指示し、クリーニングシステム100の要素に処理条件を基板102上で実施させる。方法ステップのシーケンスは例示的であり、特に明記しない限り、ステップは、さまざまなシーケンスで行われてもよい。
【0036】
ブロック402において、ピボット要素208は、スイングアーム118をローディング位置302に位置決めし、マイクロ電子基板をプロセスチャンバ106(例えば、処理チャンバ)内で受け取る。転送ロボットは、転送ドアを通り基板102を移動させる。
【0037】
ブロック404において、転送ロボットは、マイクロ電子基板102をスイングアーム118に結合される回転要素(例えば、基板支持要素210)上に配置する。回転要素は、任意の電気的、機械的及び/又は空気圧的な手段を用いて、マイクロ電子基板102をピボット要素208に固定する。
【0038】
ブロック406において、ピボット要素208は、マイクロ電子基板102を処理チャンバ内に配置される低温ノズルの下に又は低温ノズルの反対側に位置決めする。例えば、基板102は、処理の準備において、第1の位置304又は第2の位置306に配置されてもよい。
【0039】
ブロック408において、ピボット要素は、マイクロ電子基板102の中心点の周りでマイクロ電子基板102の回転を開始する。基板支持要素210は、処理要件に応じて10rpmと300rpmとの間の回転速度で基板を回転させてもよい。コントローラ116は、ピボット速度要素を含んでもよく、ピボット速度要素は、角速度を調整し、ノズル112の滞留時間を基板102にわたり変化させるためのハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらの組み合わせを含んでもよい。例えば、コントローラ116は、マイクロ電子基板102の中心点に対する流体ノズル112の相対的な位置に少なくとも部分的に基づいて、角速度を変化させるための命令を実行してもよい。例えば、流体ノズル112が中心点から特定の距離内にあるとき、スイングアーム118の角速度は、より高速でもよく、流体ノズル112が中心点から離れて配置されるとき、減速する。他の実施形態では、角速度は、基板の中心点又は基板102のエッジに対するノズル112の位置の関数として増減する。特定の位置上のノズル112の滞留時間は、基板102の速度に基づいて変化してもよい。ノズル112が基板の中心から離れて移動するにつれて、基板102の速度は増加し、対応する滞留時間を減少させる。中心により近い領域は、基板のエッジにより近い領域より高い滞留時間を有するため、これは、処理が基板102にわたり不均一に分散することを意味する。この変化は、不均一な処理結果をもたらすので、いくつかのエリアは、基板102の中心に対する相対的な位置に応じてクリーニング過剰又はクリーニング不足となる。それゆえ、ノズル112が移動し、基板の中心により近くなるにつれて、角速度は増加し、滞留時間、基板102にわたる位置上の時間を安定させてもよい。例えば、基板が第1の位置304と第2の位置306との間で移行するとき、角速度は、50rpmと120rpmとの間で非線形に移行してもよい。他の実施形態では、角速度は、ノズル112の相対的な位置及び第1の位置304と第2の位置306との間で移行するときの支持要素210の回転速度に少なくとも部分的に基づいてもよい。
【0040】
一実施形態では、ブロック410において、コントローラ116は、クリーニングシステム100が処理化学物質を内部体積内に流し、マイクロ電子基板102を処理化学物質に露出するように指示してもよい。この例では、ノズル112の放出口が基板102の真上にくる前に、化学物質に露出することを開始してもよく、最初の流体は、逆の側壁202の方に向けられ、基板102の方には向けられない。しかしながら、この実施形態では、基板102は、処理化学物質が内部体積114内にディスペンスされるとき、処理化学物質に露出されているとみなされる。
【0041】
1つの特定の実施形態では、処理は、70Kと270Kとの間の温度で、液体が処理流体内で形成されるのを防止する圧力で、ノズル112からディスペンスされる窒素、アルゴン又は両方の組み合わせを含んでもよい。当業者は、相図又は一種類又は混合種類のために利用できる任意の他の周知の相図文献を用いて、温度及び圧力の適切な組み合わせを選択することができてもよい。多くの実施形態では、プロセスチャンバ106の圧力は、100トル未満に維持されてもよい。
【0042】
ブロック412において、プロセス条件(例えば、圧力、流れ、基板回転)が所望の制限内にあることをコントローラ116が確認した後、ピボット要素208は、スイングアーム118をピボット点(例えば、ピボットロッド120)の周りで往復してピボット回転させることを開始してもよい。大部分の例では、ピボット点から測定されたときのスイングアームの回転角度は、360°未満であり、以前の技術より小さい内部体積114を有するというコスト面での利点を達成する。大部分の実施形態では、コントローラ116は、第1の位置304と第2の位置306との間の回転角度を145°未満に制限する。回転角度の制限に基づいて、基板の中心点は、ピボット点の周りで弧状の線に沿って移動する。さらに、スイングアーム118が第1の位置304と第2の位置306との間で振動するとき、コントローラ116は、スイングアームの角速度を1秒につき5と50弧度との間に制限してもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、コントローラ116は、マイクロ電子基板102の中心点に対する流体ノズル112の相対的な位置に少なくとも部分的に基づいて、回転速度を変化させる命令を実行してもよい。例えば、流体ノズル112が中心点から特定の距離内にあるとき、回転速度は、より高速でもよく、流体ノズル112が中心点から離れて配置されるとき、減速する。他の実施形態では、回転速度は、基板の中心点又は基板102のエッジに対するノズル112の位置の関数として増減する。特定の位置上のノズル112の滞留時間は、基板102の速度に基づいて変化してもよい。ノズル112が基板の中心から離れて移動するにつれて、基板102の速度は増加し、対応する滞留時間を減少させる。中心により近い領域は、基板のエッジにより近い領域より高い滞留時間を有するため、これは、処理が基板102にわたり不均一に分散することを意味する。この変化は、不均一な処理結果をもたらすので、いくつかのエリアは、基板102の中心に対する相対的な位置に応じてクリーニング過剰又はクリーニング不足となる。それゆえ、ノズル112が移動し、基板の中心により近くなるにつれて、回転速度は増加し、滞留時間、基板102にわたる位置上の時間を安定させ、基板102全体にわたる処理の均一性を制御してもよい。例えば、基板が第1の位置304と第2の位置306との間で移行するとき、回転速度は、50rpmと120rpmとの間で非線形に移行してもよい。他の実施形態では、回転速度は、ノズル112の相対的な位置及び第1の位置304と第2の位置306との間で移行するときのスイングアーム118の角速度に少なくとも部分的に基づいてもよい。
【0044】
コントローラ116は、メモリ118内に保存される所定の時間の間、スイングアームの角速度及び基板102の回転速度を制御してもよい。化学処理の最後に、コントローラは、スイングアーム118及び基板102の回転を停止し、次に、ローディング位置302に戻るようにスイングアーム118に指示し、転送ロボットが基板102を取り上げ、基板をプロセスチャンバ106から取り出すことを可能にする。
【0045】
図5は、処理システム500の平面図を含み、ハンドリングシステム104及びプロセスチャンバ106の他の実施形態である。図5の実施形態では、ハンドリングシステム104は、定点506(例えば、ピボット点)の周りでピボット回転するピボットアーム502又はスイングアームステージを含んでもよい。ピボット点は、ピボットアーム502の一端に位置してもよく、処理システム500内の第1の位置と第2の位置との間でピボットアーム502を移動させる機構に固定されてもよい。ピボットアーム502の運動は、第1の位置と第2の位置との間で振動してもよいので、ピボットアーム502は、ピボット点506の周りで360度未満で回転する。1つの特定の実施形態では、第1の位置と第2の位置との間のピボット回転角度は、145度以下の弧にある。いくつかの例では、ノズル112の配置は、マイクロ電子基板102の流体範囲を制限してもよく、これは、ピボット点の反対側にあるピボットアーム502の遠位端で回転ステージ508を追加することによって強化されてもよい。この実施形態では、マイクロ電子基板102が、低温エアゾール又はGCJスプレー又は他の処理化学物質を形成するのに用いられるノズル112の下で回転する間、ピボットアームは、第1の位置と第2の位置との間で並進してもよい。このようにして、並進及び回転は、マイクロ電子基板102の異なる部分を露出し、低温エアゾール又はGCJスプレーのための表面積範囲を増加させ、一方、クリーニング処理に用いられるチャンバのサイズを最小化する。
【0046】
一実施形態では、ピボットアーム502が第1の位置と第2の位置との間で移動する間、回転機構508は、ピボットアーム502に組み込まれる、又は、ピボットアームに結合され、処理の間、マイクロ電子基板102の360度の回転を可能にしてもよい。回転機構508は、処理の間、マイクロ電子基板を固定するための表面支持エリアを含んでもよい。表面支持エリアはまた、加熱要素を含み、低温エアゾール又はGCJスプレーによって生じる表面冷却に反対に作用し、クリーニングプロセスを強化し、除去された粒子がクリーニングされた表面上に戻って再堆積されるのを防止し、また、プロセスチャンバ内で(例えば、マイクロ電子基板102又はノズル112の)凝結を防止する。
【0047】
他の実施形態では、図5に示すように、ピボットアーム502の運動は、ステッピングモータによって駆動されてもよく、ステッピングモータは、往復して振動し、マイクロ電子基板102をピボット点の周りで弧状の運動で曲線運動する。ステッピングモータは、プロセスチャンバの外側に位置し、プロセスチャンバ106内に延在する中空軸にベルト結合されてもよい。中空軸は、中空軸に結合されるピボットアーム502のために、ピボット点506をマークする。中空軸は、磁性流体シールされた回転フィードスルーデバイスに結合され、回転フィードスルーデバイスは、磁性流体シールの大気圧側の機械的軸受を有し、軸を垂直に支持する。次に、磁性流体フィードスルーアセンブリはチャンバの底にフランジ及びOリングでボルト固定され、封止される。中空を用いて、ワイヤをプロセスチャンバの外側から、ピボットアーム502上に配置されている回転機構508まで走らせてもよい。ワイヤは、中空軸及びピボットアーム502によってプロセスガスから保護される。
【0048】
図5の実施形態に示すように、ピボットアーム502は、マイクロ電子基板102の直径を過ぎて延在してもよく、これによって、ピボット点506は、マイクロ電子基板の表面から離れて配置され、第1の位置と第2の位置との間でピボット回転するピボットアーム502の摩擦によって生じる汚染を最小化することができる。
【0049】
弧運動システムの1つの目的は、低温エアゾール又はGCJスプレーが、マイクロ電子デバイスが作られるマイクロ電子基板の表面積のすべてではなくともできるだけ多くをカバーする又は処理することができることである。低温エアゾール又はGCJスプレーは、高圧から低圧環境に行くプロセスチャンバ内に拡大する。したがって、低温エアゾール又はGCJスプレーは、ノズル直径(例えば、<5mm)と比較して、広いエリア(例えば、100mm~150mm)に拡大する又はカバーし、これは、ノズルがマイクロ電子基板を効率的に処理するために表面エリア全体の真上に存在する必要がないことを意味する。例えば、ノズル112の位置及び弧システム運動は、最適化され、並進又は弧運動を最小化し、マイクロ電子基板102の表面全体にわたり低温エアゾール又はGCJ処理の表面範囲を可能にしてもよい。一実施形態では、マイクロ電子基板がノズルの下で弧状の運動で並進している間、ノズル112は、固定位置で保持されてもよいが、ノズルは静止している必要はない。マイクロ電子基板102はまた、弧状の運動に関連して基板の中心点の周りで回転していてもよい。弧状の運動及び回転速度は、最適化され、低温エアゾール又はGCJスプレーの効率を除去する粒子に少なくとも部分的に基づいて、滞留時間を提供してもよい。滞留時間は、マイクロ電子基板の表面条件(例えば、フィルムタイプ、フィルムパターン、粒径など)に基づいて変化してもよい。概して、ピボットアームの角速度は、1秒につき5と50弧度との間で変化し、基板支持の回転速度は、10と300RPMとの間で変動してもよい。上述したように、弧状の運動は、ピボット点の周りで最高145度で曲線運動してもよい。
【0050】
1つの特定の実施形態では、低温エアゾール又はGCJスプレー処理は、ノズルがマイクロ電子基板のエッジから2、3度離れた状態で開始してもよい。マイクロ電子基板102の弧状の運動は、マイクロ電子基板の中心に対してある半径で、ノズルをマイクロ電子基板より上に位置決めすることから開始してもよい。ある半径は、マイクロ電子基板の直径より小さい(例えば、300mmの直径のマイクロ電子基板の中心から115mm)。低温エアゾール又はGCJスプレーは、プロセス化学物質がノズルを通りマイクロ電子基板の方に流れることができることによって出されてもよい。いくつかの例では、ピボット点の周りで弧状の運動を開始する前に、低温エアゾール又はGCJスプレーは、この半径で安定することができてもよい。いくつかの実施形態では、弧状の運動の開始の前か後に、マイクロ電子基板は、その中心点の周りで回転を開始してもよい。
【0051】
プロセス処理の間、マイクロ電子基板102は、マイクロ電子基板上のプロセス処理の範囲を最大化するように設計された1つ又は複数の運動プロファイルによって移動してもよい。運動プロファイルは、ノズル112に対するマイクロ電子基板の位置、速度及び滞留時間を変化してもよい。
【0052】
一実施形態では、運動プロファイルは、マイクロ電子基板102を通過するノズル112を含んでもよく、マイクロ電子基板の中央の手前で停止してもよく、マイクロ電子基板はまた、その中心点の周りで回転してもよく、ノズルからディスペンスされる低温エアゾールの表面積範囲を増加させてもよい。代替的には、マイクロ電子基板102は、中央で停止し、開始位置に戻ってピボット回転し、マイクロ電子基板102を再度処理してもよい。しかしながら、この方法は、必ずしもマイクロ電子基板102がその開始位置に戻ることを必要とするわけではない。例えば、ノズルは、中央を通過し、開始位置よりマイクロ電子基板の反対側に近い半径で停止してもよい。さらに、クリーニングプロセスは、マイクロ電子基板の反対側により近い半径で停止し、ピボット点506の周りでの弧状の運動で反対方向に戻ることによって改善されてもよい。これらの運動プロファイルのいずれかを用いて、ノズルからのクリーニング領域の有効サイズに応じて、マイクロ電子基板102の表面全体をクリーニングしてもよい。
【0053】
ノズル112が基板102のエッジの近くにあり、基板102が回転しているとき、有効なクリーニングの円周は大きいので、クリーニングスプレーの下で同じ有効な滞留時間を達成するために、ノズルは、ノズルが基板102の中心により近く、有効なクリーニングの円周がより短いときより、このエリア上により長く位置しなければならない。したがって、ピボットアーム502の角速度は、この問題を考慮するために変化してもよい。1つの特定の実施形態では、ピボットアームの角速度は、ノズルがマイクロ電子基板102の中心により近いとき、マイクロ電子基板をより高速に移動するように最適化され、実質的に均一な露出時間を低温エアゾール又はGCJスプレーに提供する。また、低温エアゾールは、非常に冷たいので、このさまざまな角速度は、基板の反り及びプロセスの性能問題を引き起こしうる、マイクロ電子基板102にわたるあまりに大きい温度勾配を防止するように機能する。
【0054】
図5に示すように、ピボット点506は、真空排気ポート510に近接し、ピボットアームがマイクロ電子基板102に到達することによって生成される粒子の確率を最小化してもよい。ピボット点506が真空排気ポート510に近接することは、ピボット点から上流にあるチャンバ内に注入されるガスを用いて真空ポートに粒子を引き付けることにより、汚染を減少させてもよい。理想的には、ガス流は、ピボット運動から生成される粒子がマイクロ電子基板102に到達するのを防止する。
【0055】
ピボットアーム502のピボット回転運動は、上述した第1の位置と第2の位置との間の運動の一実施形態を示す両矢印により示される。ピボットアーム502は、三角形に示され、これは説明のためであり限定のためではない。三角形は、ピボット点の周りでピボット回転又はロッキング運動を強調することを意図する。ピボットアーム502の設計は、ガス流、真空ポート位置及び/又は処理の間、粒子除去効率を最適化可能にするプロセス条件に少なくとも部分的に基づいて、変化してもよい。ピボットアーム502の設計は、正方形、長方形又は円形の設計を含んでもよいが、これらに限定されるものではない。図5の実施形態では、基板支持要素は、ピボットアームに組み込まれてもよい。ピボットアームが移動する間、及び、基板支持要素がマイクロ電子基板を同時に回転させる間、基板支持要素は、処理の間、マイクロ電子基板を固定してもよい。このようにして、ノズルに露出されているマイクロ電子基板の表面積は、処理の間最大化される。したがって、ピボットアームの長さならびにピボットアームの第1の位置及び第2の位置の位置は、最適化され、クリーニング処理化学物質の表面積範囲が粒子除去効率を最大化することを可能になる。
【0056】
図6は、支持アーム602の運動図600の平面図を含み、それぞれの処理システム内のスイングアーム118及びピボットアーム502の運動を表す。図6は、どのように本願明細書に開示される実施形態がクリーニング処理の間、チャンバ内の第1の位置と第2の位置との間でピボット回転できるかという一例を示す。他の実施形態では、ピボットアームの設計を用いて、可動チャックの露出表面積を減少してもよく、その結果、チャンバ内の流体の流れに与えるピボットアームの影響は最小化される。例えば、真空ポートは、可動チャックの下に配置され、粒子が可動チャックの裏側からマイクロ電子基板に移動するのを防止してもよい。例えば、1つの特定の実施形態では、ピボット点は、マイクロ電子基板及びチャンバのサイズを考慮して、流体の流れによって可能になる表面範囲及び利用できるピボット点の位置(例えば、第1及び第2の位置)に応じて、マイクロ電子基板の下に配置されてもよい。
【0057】
本発明の特定の実施形態のみが詳細に上述されてきたが、本発明の新規な教示及び利点から実質的に逸脱することなく、実施形態において多くの変更態様が可能であることを、当業者は直ちに認識する。したがって、すべてのこの種の変更態様は、本発明の範囲内に含まれることを意図する。例えば、上述した実施形態は、一緒に組み込まれてもよいし、要望に応じて実施形態の部分を追加又は省略してもよい。それゆえ、実施形態の数は、本願明細書に記載されている特定の実施形態のみに限定されるものではなく、当業者は、本願明細書に記載されている教示を用いて追加の実施形態を作ることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6