(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】多目的タイルシステム
(51)【国際特許分類】
E04F 15/10 20060101AFI20221115BHJP
B32B 5/24 20060101ALI20221115BHJP
【FI】
E04F15/10 104F
B32B5/24 101
(21)【出願番号】P 2019565463
(86)(22)【出願日】2018-05-23
(86)【国際出願番号】 EP2018063520
(87)【国際公開番号】W WO2018215550
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2021-04-27
(32)【優先日】2017-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520250741
【氏名又は名称】アイ4エフ・ライセンシング・エヌヴィ
【氏名又は名称原語表記】I4F LICENSING NV
【住所又は居所原語表記】OUDE WATERTORENSTRAAT 25, 3930 HAMONT‐ACHEL, BELGIUM
(73)【特許権者】
【識別番号】519416440
【氏名又は名称】タワー・イプコ・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TOWER IPCO COMPANY LIMITED
【住所又は居所原語表記】28‐32 UPPER PEMBROKE STREET, DUBLIN, 2, IRELAND
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ブーケ,エディ・アルベリック
(72)【発明者】
【氏名】ソング,ジンチェン
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-511851(JP,A)
【文献】国際公開第2017/046309(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0234661(US,A1)
【文献】国際公開第2016/113706(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 15/00-15/22
E04F 13/00-13/30
B32B 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の多目的タイルであって
、第一の結合部および少なくとも一つの第二の結合部を備え、各タイルは、
実質的に剛性のベース層、および、
前記タイルの、異なる縁に設けられる少なくとも一つの第一の結合部および/または少なくとも一つの第二の結合部であって、
前記第一の結合部は、上向き突起、前記上向き突起から距離を置く少なくとも一つの上向きフランク、および前記上向き突起と前記上向きフランクとの間に形成される単一の上向き溝、を含み、
前記上向き突起の、前記上向きフランクに対向している側部の少なくとも一部は、前記上向きフランクに向かって傾斜し、
前記上向き突起の、前記上向きフランクに対向している側部の少なくとも一部は、隣接するタイルの第二の結合部に前記第一の結合部を結合するために上向きの位置合わせ縁を形成し、
前記上向き突起の、前記上向きフランクに対向していない側部の少なくとも一部は、隣接するタイルの第二の結合部の第二のロック要素との相互作用のために適合される第一のロック要素を備え、
前記第二の結合部は、下向き突起、前記下向き突起から距離を置く少なくとも一つの下向きフランク、および前記下向き突起と前記下向きフランクとの間に形成される単一の下向き溝、を含み、
前記下向き突起の、前記下向きフランクに対向している側部の少なくとも一部は、前記下向きフランクに向かって傾斜し、
前記下向き突起の、前記下向きフランクに対向していない側部の少なくとも一部は、隣接するタイルの第一の結合部に前記第二の結合部を結合するために下向きの位置合わせ縁を形成し、
前記下向きフランクは、前記下向きフランクに実質的に固く接続されかつ隣接するタイルの第一の結合部の第一のロック要素との相互作用のために適合される第二のロック要素を備える少なくとも一つの第一の結合部および/または少なくとも一つの第二の結合部を有し、
前記上向き溝は、隣接するタイルの下向き突起の少なくとも一部を受容するように適合され、前記下向き溝は、隣接するタイルの上向き突起の少なくとも一部を受容するように適合され、
前記実質的に剛性のベース層は、少なくとも部分的に、独立気泡発泡プラスチック材料と少なくとも一つのフィラーとを含み強化剤が配合された複合材料からなり、前記ベース層の前記独立気泡発泡プラスチック材料のプラスチック材料は、可塑剤を含まず、前記ベース層は、前記強化剤を3~9質量%含み、前記少なくとも一つのフィラーは、タルク、チョーク、木材、炭酸カルシウム、二酸化チタン、焼成粘土、磁器、無機フィラー、および天然フィラーからなる群から選択され、前記ベース層の前
記複合材料における前記フィラーの重量含有率は40~48%であることを特徴とするタイルシステム。
【請求項2】
前記実質的に剛性のベース層は、少なくとも部分的に、独立気泡発泡PVC材料から作られる請求項1に記載のタイルシステム。
【請求項3】
発泡プラスチック材料の前記ベース層は、約0.1~1.5g/cm3の密度を有する請求項1~2のいずれか一項に記載のタイルシステム。
【請求項4】
各タイルは、前記ベース層の上側に貼り付けられる上部基板を含む請求項1~3のいずれか一項に記載のタイルシステム。
【請求項5】
前記上部基板は、少なくとも部分的に、金属、合金、および高分子材料、からなる群から選択される少なくとも一つの材料から作られる請求項4に記載のタイルシステム。
【請求項6】
前記高分子材料は、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ABS(アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン)コポリマー、ポリプロピレン、エチレン‐プロピレンコポリマー、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロペン、およびスチレン‐無水マレイン酸コポリマー、からなる群から選択される請求項5に記載のタイルシステム。
【請求項7】
前記上部基板は、装飾層と、前記装飾層を被覆する耐摩耗性の摩耗層と、を含み、前記摩耗層の頂面が前記タイルの頂面であり、かつ前記摩耗層が透明材料であり、透明な前記摩耗層を通して装飾層が可視である請求項4~6のいずれか一項に記載のタイルシステム。
【請求項8】
前記ベース層の前記独立気泡発泡プラスチック材料は、700MPaを超える弾性係数を有する請求項1~7のいずれか一項に記載のタイルシステム。
【請求項9】
前記ベース層の上部および/または下部は、前記ベース層の前記独立気泡発泡プラスチック材料の孔隙率未満の孔隙率を有するクラスト層を形成し、各クラスト層の厚みは、0.01~1mmである請求項1~8のいずれか一項に記載のタイルシステム。
【請求項10】
各タイルは、前記ベース層の底側に貼り付けられる少なくとも一つの裏張り層を含み、前記少なくとも一つの裏張り層は、少なくとも部分的に、可撓性材料から作られる請求項1~9のいずれか一項に記載のタイルシステム。
【請求項11】
前記裏張り層の厚みは、0.5mm以上である請求項10に記載のタイルシステム。
【請求項12】
前記ベース層は、前記少なくとも一つの裏張り層に貼り付けられる複数の別々のベース層区分から構成される請求項10または11に記載のタイルシステム。
【請求項13】
各タイルは、少なくとも一つの補強層を含み、前記補強層の密度は、1000~2000kg/m
3である請求項1~12のいずれか一項に記載のタイルシステム。
【請求項14】
各タイルの前記第一の結合部の少なくとも一部および/または第二の結合部の少なくとも一部は、前記ベース層に一体的に接続される請求項1~13のいずれか一項に記載のタイルシステム。
【請求項15】
前記第一の結合部および/または前記第二の結合部は、結合時および結合解除時に変形を可能にする請求項1~14のいずれか一項に記載のタイルシステム。
【請求項16】
前記第一の結合部および第二の結合部のうちの少なくとも一つの結合部は、前記ベース層に結合要素の突起を接続するブリッジを含み、前記ベース層が延びる方向と直交する方向における前記ブリッジの最小厚みは、前記ベース層が延びる方向に沿う前記突起の最小幅よりも小さい請求項1~15のいずれか一項に記載のタイルシステム。
【請求項17】
前記第二の結合部は、前記ベース層に前記下向き突起を接続する上部ブリッジを含み、前記上部ブリッジは、隣接し合うパネルの結合時に変形するように、すなわち、前記下向き溝を拡幅するように構成される請求項1~16のいずれか一項に記載のタイルシステム。
【請求項18】
前記上向き突起の上側は、少なくとも部分的に傾斜し、前記上向き突起の上側の前記傾斜および前記第二の結合部の前記上部ブリッジの前記傾斜は、実質的に類似であり、両傾斜は、たとえば、0~5°の角度を相互に囲む請求項17に記載のタイルシステム。
【請求項19】
前記タイルの上側に隣接する前記上向きフランクの少なくとも一部は、別のタイルの上側に隣接する前記下向き突起の少なくとも一部と、前記タイル同士の結合状態において接触するように適合される請求項1~18のいずれか一項に記載のタイルシステム。
【請求項20】
前記タイルの上側は、別のタイルの上側に実質的にシームレスに係合するように適合される請求項19に記載のタイルシステム。
【請求項21】
前記第一のロック要素は、前記上向き突起の上側から距離を置いて配置される請求項1~20のいずれか一項に記載のタイルシステム。
【請求項22】
前記第二のロック要素は、前記下向き溝の上側から距離を置いて配置される請求項1~21のいずれか一項に記載のタイルシステム。
【請求項23】
前記上向き突起の、前記上向きフランクに対向している側部の少なくとも傾斜部と前記上向きフランクとによって囲まれる角度は、前記下向き突起の、前記下向きフランクに対向している側部の少なくとも傾斜部と前記下向きフランクとによって囲まれる角度に実質的に等しい請求項1~22のいずれか一項に記載のタイルシステム。
【請求項24】
一方では前記上向き突起の、前記上向きフランクに対向している側部の少なくとも一部が延在する方向と、他方では前記ベース層の上側の法線とによって囲まれる角度は、0~60°である請求項1~23のいずれか一項に記載のタイルシステム。
【請求項25】
一方では前記下向き突起の、前記下向きフランクに対向している側部の少なくとも一部が延在する方向と、他方では前記ベース層の下側の法線とによって囲まれる角度は、0~60°である請求項1~24のいずれか一項に記載のタイルシステム。
【請求項26】
前記第一のロック要素が少なくとも一つの外向きの凸部を含み、かつ前記第二のロック要素が少なくとも一つの凹部を含み、前記外向きの凸部は、ロック結合を実現するために隣接する結合したタイルの凹部に少なくとも部分的に受容されるように適合される請求項1~25のいずれか一項に記載のタイルシステム。
【請求項27】
前記下向き突起の、前記下向きフランクに対向していない側部は、第三のロック要素を備え、かつ、前記上向きフランクは、第四のロック要素を備え、前記第三のロック要素は、別のタイルの第四のロック要素と協働するように適合される請求項1~26のいずれか一項に記載のタイルシステム。
【請求項28】
前記第三のロック要素および前記下向き突起の少なくとも一つの少なくとも一部は、
タイルが隣接するタイルと結合
され、かつ床に敷設された状態において、前記下向き突起の上縁を通り、かつ
前記隣接するタイルの前記ベース層の下側と直交す
る面の
両側に
跨って存在する請求項27に記載のタイルシステム。
【請求項29】
前記第三のロック要素と前記タイルの上側との間の最小距離は、前記上向き突起の上側と前記タイルの前記上側との間の最小距離よりも小さい請求項27または28に記載のタイルシステム。
【請求項30】
前記上向き突起の、前記上向きフランクに対向していない側部は、隣接し合うタイルの結合状態において、前記下向きフランクから距離を置いて配置される請求項1~29のいずれか一項に記載のタイルシステム。
【請求項31】
少なくともいくつかのタイルが同一である請求項1~30のいずれか一項に記載のタイルシステム。
【請求項32】
前記第一の結合部および前記第二の結合部は、結合したタイルが前記タイルによって画定される平面に平行な方向と前記タイルによって画定される前記平面に垂直な方向の両方に実質的にロックされるような形で相互作用するように構成される請求項1~31のいずれか一項に記載のタイルシステム。
【請求項33】
請求項1~32のいずれか一項に記載の相互に結合したタイルからなるタイル被覆。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の多目的タイルを含む多目的タイルシステム、特に床タイルシステムに関する。また本発明は、本発明に係るタイルが相互に結合されたタイル被覆、特に床被覆に関する。さらに本発明は、本発明に係る多目的タイルシステムで使用するためのタイルに関する。
【背景技術】
【0002】
相互接続可能な床パネルなどの相互接続可能なタイルまたはパネルは、一般的に、対向し合う縁で相補的な結合輪郭を使用することによって当該パネルの縁で機械的に連結される。伝統的には、矩形の床パネルは、長辺側の縁では、伝統的な傾ける方法によって接続される。短辺側では、異なる結合機構を適用することができ、短い方の縁の結合機構は、たとえば、ドロップダウンとも呼ばれる垂直折り畳みに基づき得て、結合対象のパネルの短辺側の縁にある下向き突起を、当該下向き突起が設置済みのパネルの短辺側の縁にある上向き溝に挿入されるように下方向に移動する。そのようなパネルの一例は、米国特許第7896571号明細書(特許文献1)に開示されており、隣接するパネルの相互連結された短辺側の縁同士を垂直にロックするように構成されている短辺側の縁の結合機構が示されている。当該短辺側の縁におけるこの目標の垂直ロック効果は、当該短辺側の縁における床パネル間の結合を安定させることを意図しているが、実際には、結合縁が組立時と実際の使用時の両方で張力下に置かれるため、当該結合縁では破損が生じる場合が多く、この種類のドロップダウン結合の信頼性および耐久性に影響する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第7896571号明細書
【文献】米国特許第4426820号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の第一の目的は、隣接するパネルに対して改良した形で結合できる改良したパネルを提供することである。
【0005】
本発明の第二の目的は、改良した、特に比較的信頼性のあるドロップダウン結合機構を含む改良したパネルを提供することである。
【0006】
本発明の第三の目的は、ドロップダウン結合機構の損傷(特に破損)のおそれを低減させた、改良したドロップダウン結合機構を含む改良したパネルを提供することである。
【0007】
本発明の第四の目的は、結合時と結合解除時の両方でドロップダウン結合機構の損傷(特に破損)のおそれを低減させた、改良したドロップダウン結合機構を含む改良したパネルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的のうちの少なくとも一つを達成するために、本発明は、請求項1に記載のタイルを提供する。ベース層で使用される剛性独立気泡発泡プラスチック材料は、当該タイルそれ自体に、(通常使用時の)結合部の損傷、および特に破損を防止する望ましい剛性およびロバスト性を与える。発泡プラスチック材料を使用するさらなる利点は、独立気泡の存在が、より良い剛性およびより良い耐衝撃性につながるだけでなく、寸法的に類似の非発泡プラスチック材料と比較して低下した密度および軽量化につながることである。ベース層の剛性は、強化剤を適用することによってさらに向上でき、独立気泡発泡プラスチック材料のベース層は、たとえば、3~9重量%の強化剤を含有しうる。結合部には特定の形態が与えられるため、隣接し合うタイルの実質的に相補的に形成された結合部は、比較的単純であるのに耐久的かつ効率的に互いに結合できる。隣接し合うタイルの結合時、ここで一方または両方の結合部に力がかけられることにより、当該一方または両方の結合部が僅かにかつ一時的に(弾性的に)ある程度変形し、その結果、下向き溝および/または上向き溝に吸収される体積が、上向き突起および下向き突起が当該下向き溝および当該上向き溝のそれぞれの内に比較的単純に配置されることができるように増加するだろう。次に、力がかけられた結合部を元の位置に(弾性的に)戻させることによって、二つの結合部間で、かつその結果として二つのタイル間で、信頼性のあるロックした結合が実現するだろう。したがって、第一の結合部は、弾性のある第一の結合部とみなしうる。第二の結合部分は、弾性のある第二の結合部とみなしうる。ベース層の剛性により、および結合部の少なくとも一部が典型的には(少なくともいくつかの実施形態において)ベース層と一体化されるだろうということにより、結合部の弾性は、一般的に、タイルを連結および連結解除させるには十分ではあるが非常に制約されるだろう。このロックした結合は、両方の結合部が比較的に信頼性のある形で相互に係合し、かつ一般的に水平方向と垂直方向の両方で二つのタイル間のロック効果を生じるものであるが、遊びがないことが好ましく、それによって、きしみ音が生じるおそれを打ち消す。これによって、摺動剤が塗布されていなくても望ましくないきしみ音のおそれを低下させるように、結合部の輪郭の適切なデザインによってこのおそれを低下させることを目指すが、本発明に係るタイルの当該結合部にはなおも摺動剤を塗布できるということは排除しない。タイルの結合部のデザインは、パネルの剛性とともに、タイルが、設置済みのタイルに対して、垂直方向(すなわち、当該設置済みのタイルによって画定される平面に対して垂直な方向)における相互線形変位によりかつ/またはジッパーを閉じるような動作(はさみを閉じるような動作)により結合されることを可能にする。したがって、タイルの結合部のデザインは、パネルの剛性とともに、使いやすく、耐久性があり、かつ信頼性のある形で設置できる多目的タイルのシステムにつながる。さらに、タイルの結合部のデザインは、パネルの剛性とともに、結合した多目的タイルが当該タイルを破損することなく結合解除されることを可能にし、その後、当該タイルは再使用できる。一般的に面取りまたは案内面とも呼ばれる、適用した位置決め縁は、ここで、二つの結合部の、当該結合部の互いに対する実質的に線形の変位による掛止を容易にする。(任意の)第一のロック要素と(任意の)第二のロック要素は両方とも上向き突起および下向きフランクのそれぞれの一体的な部分であるため、結合したパネル間の垂直(および回転(角)ロック効果を向上させることができる。結合部の少なくとも一部は、典型的にはベース層の一体的な部分であり、したがって、当該ベース層と同じ材料(独立気泡発泡プラスチック材料)から作られる。上向きフランクの方を向く上向き突起の側部、および下向きフランクの方を向く下向き突起の側部の特徴的な向きにより、(タイルによって画定される平面に平行な)水平方向と(タイルによって画定される平面に垂直な)垂直方向の両方に結合したタイル間のロック効果がもたらされる。これは、それぞれのフランクの方を向く突起の壁の特徴的な傾斜した向きにより、結合に(たとえば)垂直方向の力をかけることで、単に、(タイルによって画定される平面に垂直な)大きな垂直方向の力が第一の結合部から離れる方向に第二の結合部にかけられた後に、相互作用している結合部の連結解除に至るからであり、これは、たとえば、典型的には吸引カップを備える特定の結合解除器具を使用して行われることができる。タイルにかけられる著しい力は、独立気泡発泡プラスチックから少なくとも部分的に作られる剛性のコア層の適用により当該タイルによって吸収できる。上述の内部ロック機構に加えて、二つのタイルの結合位置において、相互に相互作用するロック要素によって、かつさらには上述の(内部)突起の壁から距離を置いて、外部ロック機構が形成されることが好ましい。内部ロック機構および当該内部ロック機構から距離を置いて配置される外部ロック機構の組み合わせにより、回転方向のロック効果も生じ、結合状態のタイルが互いに旋回することを防ぐ。さらに、ロック機構のうちの一方が故障する可能性に備えて、二つのタイル間の結合の固定は可能な限り維持され、この結果、二つのタイル間の比較的信頼性のある結合が得られ、それによって、当該タイルの望ましくない相互変位または結合解除を依然として可能な限り防止できる。
【0009】
本発明に係るタイルは、たとえば、天井タイル、壁タイル、床タイルとして、または一つの家具の構成部品として使用できる軽量の多目的タイルである。タイルは、天井、壁または床の表面に直接接着できる。タイルは、当該タイルを支持する格子区間を有する懸架または垂下した天井組立体における天井タイルとして使用することもできる。壁の被覆として使用される場合は、タイルは、交差する壁の内側の角に連続的に嵌合するか、外側の角に巻き付くように折り畳むことができる。床の被覆として使用される場合は、タイルは、フローティングフロア組立体において他の類似のタイルとともに設置することができ、当該タイルは、床のベースに直接接着されない。多目的タイルは、製造が比較的安価であり、かつ扱いや設置に特別な技量や訓練を必要とせず、以前にタイルを設置した経験がないDIY実施者(do-it-yourself individuals)にとって当該多目的タイルは魅力的である。ベース層の防水性、および好ましくはタイルそれ自体の防水性により、当該タイルは、屋内および屋外の両方で使用されうる。本発明に係るタイルをパネルと呼ぶ場合もある。ベース層をコア層も呼ぶ場合もある。結合部を結合輪郭(coupling profiles)と呼ぶ場合もある。
【0010】
発泡ベース層を形成するのに適する発泡プラスチック材料は、ポリウレタン、ポリアミドコポリマー、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン、およびポリエチレンの発泡プラスチックを含みえて、これらは全て、良好な成形加工性を有する。ポリ塩化ビニル(PVC)発泡材料は、化学的に安定しており、耐腐食性があり、かつ良好な難燃性を有するので、発泡ベース層を形成するのに特に適している。好ましくは、塩素化PVC(CPVC)および/または塩素化ポリエチレン(CPE)および/または別の塩素化熱可塑性材料を使用して、ベース層およびタイルそれ自体の硬度および剛性をさらに向上させる。ベース層において発泡プラスチック材料として使用されるプラスチック材料は、当該ベース層の望ましい剛性を増すために全く可塑剤を含まないことが好ましく、さらに、環境的観点からも好都合である。本発明に係る発泡プラスチック材料は、発泡プラスチック複合材料、およびプラスチック材料を含む発泡複合材料も含む。したがって、各タイルの実質的に剛性のベース層は、少なくとも部分的に、独立気泡発泡プラスチック材料および少なくとも一つのフィラーを含む複合材料から構成されうる。HDFおよびMDFのような従来の材料は、前述の発泡複合材料よりも弱く、かつ容易に破損および/または損傷を生じるだろう。したがって、ベース層の複合材料は一つ以上のフィラーを含み得て、少なくとも一つのフィラーは、タルク、チョーク、木材、炭酸カルシウム、二酸化チタン、焼成粘土、磁器、(別の)無機フィラー、および(別の)天然フィラーからなる群から選択される。フィラーは、繊維によって形成されてよく、かつ/または粉塵状(dust-like)の粒子によって形成されうる。ここで、「粉塵(dust)」という表現は、木材粉塵、コルク粉塵、または、鉱物粉塵、石材粉塵、特にセメントのような非木材粉塵のような、小さな粉塵状の粒子(粉末)として理解される。粉塵の平均粒径は、好ましくは14~20マイクロメートル、より好ましくは16~18マイクロメートルである。複合材料におけるこの種のフィラーの重量含有量は、35~75%であることが好ましく、当該複合材料が発泡複合材料である場合には40~48%であることがより好ましく、かつ当該複合材料が非発泡(中実)複合材料である場合には65~70%であることがより好ましい。ベース層のフィラーは、たとえば、塩、ステアリン酸塩、ステアリン酸カルシウム、およびステアリン酸亜鉛からなる群から選択されうる。ステアリン酸塩は、安定剤としての機能を有し、かつより有益な加工温度に至り、かつ加工中および加工後の複合材料の成分の分解を妨げ、したがって、長期間の安定性をもたらす。ステアリン酸塩の代わりにまたはステアリン酸塩に加えて、たとえば、カルシウム亜鉛が、安定剤として使用されうる。複合材料における安定剤の重量含有量は、好ましくは1~5%、より好ましくは1.5~4%になるだろう。
【0011】
ベース層、またはベース層の複合材料は、好ましくは、少なくとも一つのメタクリル酸アルキルを含む少なくとも一つの衝撃改質剤を含み、当該メタクリル酸アルキルは、好ましくは、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸t‐ブチル、およびメタクリル酸イソブチルからなる群から選択される。衝撃改質剤は、典型的には、製品の性能、特に耐衝撃性を向上させる。さらに、衝撃改質剤は、典型的には、ベース層を強化し、したがって強化剤とみなすこともでき、さらに破損のおそれを低減する。多くの場合、改質剤は、たとえば、比較的一貫した(一定の)発泡構造を有する発泡の形成を制御するために、生産工程も容易にする。複合材料における衝撃改質剤の重量含有量は、好ましくは1~9%になり、かつより好ましくは3~6%になるだろう。
【0012】
ベース層は、少なくとも部分的に、(PVCを含まない)熱可塑性複合材料からもなりえる。この熱可塑性複合材料は、(a)少なくとも一つのアイオノマーおよび/または少なくとも一つの酸コポリマー、および(b)任意に少なくとも一つのフィラーを含む、少なくとも一つのスチレン系熱可塑性ポリマー、を含むポリマーマトリックスを含みうる。アイオノマーは、電気的に中性かつイオン化した単位の反復単位を含むコポリマーとして理解される。アイオノマーのイオン化単位は、特に、金属カチオンで部分的に中和されるカルボン酸基でありうる。イオン基は、通常少量(典型的には、15モル%未満の構成単位)で存在するが、連続ポリマー相からイオン性ドメインのミクロ相分離を引き起こし、かつ物理架橋として作用する。この結果、従来のプラスチックと比べて強化した物理的特性でイオン強化した熱可塑性が生じる。
【0013】
発泡ベース層の密度は、典型的には約0.1~1.5g/cm3、好ましくは約0.2~1.4g/cm3、より好ましくは約0.3~1.3g/cm3、さらに好ましくは、約0.4~1.2g/cm3、さらに好ましくは約0.5~1.2g/cm3、最も好ましくは約0.6~1.2g/cm3の幅がある。
【0014】
好ましくは、ベース層は、少なくとも一つの発泡剤を含む。当該少なくとも一つの発泡剤は、ベース層の発泡を担い、当該ベース層の密度を低下させるだろう。これは、寸法的に類似でありかつ非発泡ベース層を有するタイルと比べてより軽量である軽量タイルにつながるだろう。好適な発泡剤は、ベース層で使用される(熱可塑性)プラスチック材料、ならびに、望ましい発泡比率、発泡構造、および好ましくは当該望ましい発泡比率および/または発泡構造を実現するための望ましい(または必要な)発泡温度に依存する。このために、それぞれ異なる温度でベース層を発泡させるように構成された複数の発泡剤を適用することが有利になりうる。これにより、発泡ベース層は、より緩やかかつより制御された形で実現できる。ベース層に(同時に)存在しうる二つの異なる発泡剤の例は、アゾジカルボンアミドおよび重炭酸ナトリウムである。これに関して、ベース層の全体を通して発泡構造を比較的一貫した状態に維持するために、メタクリル酸メチル(MMA)などの少なくとも一つの改質剤を適用することも有利である場合が多い。
【0015】
各タイルは、好ましくは、ベース層の上側に貼り付けられる上部基板を含み、当該基板は、好ましくは装飾層を含む。当該上部基板は、好ましくは、金属、合金、ビニルモノマーコポリマーおよび/またはホモポリマーなどの高分子材料、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、エポキシ樹脂、フェノール‐ホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂などの縮合ポリマー、植物繊維、動物繊維、鉱物繊維、セラミック繊維および炭素繊維などの天然高分子材料または当該天然高分子材料の修飾誘導体からなる群から選択される少なくとも一つの材料から少なくとも部分的に作られる。ここで、ビニルモノマーコポリマーおよび/またはホモポリマーは、好ましくは、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ABS、(アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン)コポリマー、ポリプロピレン、エチレン‐プロピレンコポリマー、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロペン、およびスチレン無水マレイン酸コポリマー、およびそれらの誘導体からなる群から選択される。上部基板は、最も好ましくは、ポリエチレンまたはポリ塩化ビニル(PVC)を含む。当該ポリエチレンは、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンまたは超高密度ポリエチレンでありうる。上部基板層は、フィラー材料、および製品の物理的特性および/または化学的特性および/または加工性を向上させる他の添加物も含むことができる。これらの添加物は、既知の強化剤、可塑剤、補強材、防カビ(防腐)剤、難燃剤などを含む。上部基板は、典型的には、装飾層および当該装飾層を被覆する耐摩耗性の摩耗層を含み、当該摩耗層の上面はタイルの上面であり、かつ当該摩耗層は透明な材料であり、当該透明な摩耗層を通して装飾層が見えるようにする。
【0016】
上部基板の厚みは、典型的には約0.1~2mm、好ましくは約0.15~1.8mm、より好ましくは約0.2~1.5m、最も好ましくは約0.3~1.5mmである。発泡ベース層の上部基板に対する厚み比率は、一般的に、それぞれ、約1~15:0.1~2、好ましくは約1.5~10:0.1~1.5、より好ましくは約1.5~8:0.2~1.5、最も好ましくは約2~8:0.3~1.5の幅がある。
【0017】
各タイルは、上部基板をベース層に直接的にまたは間接的に貼り付けるための接着剤層を備える。当該接着剤層は、上部基板と発泡ベース層とを接着できる任意の既知の接着剤またはバインダー、たとえば、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリアクリレート、エチレン‐酢酸ビニルコポリマー、エチレン‐アクリル酸コポリマーなどであることができる。好ましくは、当該接着剤層は、ホットメルト接着剤である。
【0018】
装飾層またはデザイン層は、上述のような上部基板の一部でありうるが、PVC樹脂、安定剤、可塑剤、および技術的に周知の他の添加剤の既知の配合物などの任意の適切な既知のプラスチック材料を含むことができる。デザイン層には、木目、金属または石材のデザインおよび繊維状パターンまたは三次元図形などの印刷パターンが形成されるか、印刷されることができる。したがって、デザイン層は、タイルに、花崗岩、石または金属などのより重い製品に似せた三次元的な外観を付与できる。デザイン層の厚みは、典型的には約0.01~0.1mm、好ましくは約0.015~0.08mm、より好ましくは約0.2~0.7mm、最も好ましくは約0.02~0.5mmである。典型的にタイルの上面を形成する摩耗層は、真下の層の上にコーティングされる耐摩耗性の高分子材料などの任意の適切な既知の耐摩耗性材料、または既知のセラミックビードコーティングを含むことができる。当該摩耗層が層の形で与えられる場合、当該摩耗層は、当該摩耗層の真下の層に接着できる。当該摩耗層は、有機ポリマー層および/または紫外線コーティングなどの無機材料層、または別の有機ポリマー層と紫外線コーティングの組み合わせを含むこともできる。たとえば、紫外線塗料は、製品の耐表面引っ掻き性、光沢度、抗菌剤耐性および他の特性を向上させることができる。ポリ塩化ビニル樹脂を含む他の有機ポリマーまたはビニル樹脂などの他のポリマー、および適量の可塑剤および他の加工添加剤を必要に応じて含むことができる。装飾層またはデザイン層は、コア層上に直接、デジタル的にも印刷されうる。
【0019】
ベース層で使用される発泡プラスチックは、好ましくは、700MPaを超える弾性率(温度23℃、相対湿度50%)を有する。これにより、一般的に、ベース層に対して、したがってタイルそれ自体に対して、十分な剛性が与えられるだろう。
【0020】
好ましくは、発泡ベース層の上部および/または下部には、クラスト層が形成されうる。この少なくとも一つのクラスト層は、ベース層の一体的な部分を形成しうる。より好ましくは、ベース層の上部および下部が両方とも、発泡構造を囲むクラスト層を形成する。当該クラスト層は、より多孔質の発泡構造と比べて、比較的閉じており(孔隙率が低下しており、好ましくは気泡(セル)がなく)、したがって比較的剛性の(副)層である。一般的に、必須ではないが、クレスト層は、コア層の底面および頂面を封止する(焼く)ことによって形成される。好ましくは、各クレスト層の厚みは、0.01~1mm、好ましくは0.1~0.8mmである。クレストが厚過ぎると、コア層の平均密度が高くなることにつながり、コストと当該コア層の剛性の両方が高くなる。当該コア層それ自体の厚みは、好ましくは2~10mm、より好ましくは3~8mmである。
【0021】
好ましくは、各タイルは、ベース層の底側に貼り付けられる少なくとも一つの裏張り層を含み、当該少なくとも一つの裏張り層は、可撓性材料、好ましくはエラストマーから少なくとも部分的に作られる。裏張り層の厚みは、典型的には、0.1mm以上、かつ、5mm未満、より典型的には2.5mm未満である。裏張り層は、一般的に、各タイルそれ自体にさらなるロバスト性および耐衝撃性をもたらし、当該タイルの耐久性を高める。さらに、(可撓性の)裏張り層は、タイルの音響(消音)特性を高めうる。特定の一実施形態において、ベース層は、少なくとも一つの裏張り層に貼り付けられる複数の別々のベース層区分から構成され、好ましくは当該ベース層区分が相互にヒンジ式に動作可能であるようにする。タイルの軽量性は、垂直壁面に当該タイルを設置する際にしっかりとした接着を得るのに有利である。また、交差壁、複数の家具の入隅、および玄関などの出隅など、縦隅にタイルを設置するのが特に容易である。入隅または出隅への設置は、タイルの折り曲げまたは折り畳みを容易にするために当該タイルの発泡ベース層に溝を形成することによって達成される。
【0022】
ベース層と上部基板との間には少なくともひとつの補強層が存在しうる。これは、タイルそれ自体の剛性のさらなる向上につながりうる。これは、タイルの音響(消音)特性の向上にもつながりうる。補強層は、織り繊維材料または不織繊維材料、たとえば、ガラス繊維材料を含みうる。これらは、0.2~0.4mmの厚みを有しうる。各タイルは、互いに積み重ねられる複数の(一般的にはより薄い)ベース層を含み、二つの隣接し合うベース層間に少なくとも一つの補強層が存在することも考えられる。
【0023】
結合および結合解除時、結合部は、一般的に、最も弱い部分で、または最も弱い部分の中で、変形するように傾斜されるだろう。このために、第一の結合部と第二の結合部のうちの少なくとも一方の結合部が、好ましくは、ベース層に結合要素の突起を接続するブリッジを含み、当該ブリッジの最小厚みが、当該突起の最小幅よりも小さい。これにより、突起それ自体ではなくブリッジを結合時に強制的に僅かに変形させ、一般的に、当該突起の耐久性(および形状安定性)にとって、したがって二つのパネル間で実現する結合の耐久性および信頼性にとって好都合である。
【0024】
下向き溝の上側(上面)を画定する第二の結合部の上部ブリッジの下側(下面)は、少なくとも部分的に傾斜し得て、好ましくは、パネルのコアに向かって下方に延在する。上向き突起の上側(上面)も同様に、少なくとも部分的に傾斜し得て、当該上向き突起のこの上側の当該傾斜と第二の結合部の上部ブリッジの傾斜は同一でありうるが、両傾斜が、たとえば、0~5°の角度を相互に囲むことも想像できる。第二の結合部のブリッジ部の傾斜により、変形が生じる可能性が高い、当該ブリッジ部の自然強度低下部位が創り出される。
【0025】
上向き突起と下向き突起の各々は、好ましくは実質的に剛性であり、これは、当該突起が変形を受けるようには構成されないことを意味する。突起それ自体は、比較的硬く、したがって非可撓性である。さらに、突起は、好ましくは実質的に中実で、これは、当該突起が、実質的に塊状であり、したがって完全に材料で満たされており、したがって当該突起の構造、したがって実現しようとするタイル接続の構造を弱めることになるだろう溝を上面に備えていないことを意味する。剛性で忠実な突起を適用することによって、比較的堅固かつ耐久性のある突起が得られ、それにより、耐久性のある接続を実現するために別体の付加的な構成要素を使用することなく、信頼性がありかつ耐久性のあるタイルの接続を実現できる。
【0026】
タイルの一実施形態において、当該タイルの上側に隣接する上向きフランクの少なくとも一部は、別のタイルの上側に隣接する下向き突起の少なくとも一部と、これらのタイルの結合状態において接触するように適合される。これらの表面同士の係合により、結合部間の有効接触面の増大につながり、したがって二つのタイル間の接続の安定性および丈夫さの増大につながるだろう。好適な一実施形態において、タイルの上側は、別のタイルの上側に実質的にシームレスに係合するように適合され、その結果、二つのタイル間および特にその上面間のシームレスな接続を実現できる。
【0027】
別の実施形態では、第一のロック要素は、上向き突起の上側から距離を置いて配置される。これは、一般的に、当該第一のロック要素がタイルの上向き位置合わせ縁よりも低い水平面に配置される状態になり、第二の結合部の最大変形を減少させることができる一方で、接続工程および変形工程を連続的なステップで行うことができるという利点を有するので、有利である。変形が少ないほど材料応力が少なくなり、結合部したがってタイルの耐用期間にとって好都合である。この実施形態では、第二のロック要素は、下向き溝の上側から距離を置いて相補的に配置される。
【0029】
一実施形態において、上向きフランクの方を向く上向き突起の側部の少なくとも一部と当該上向きフランク(および/またはベース層の上側の法線)とによって囲まれる相互角度は、下向きフランクの方を向く下向き突起の側部の少なくとも一部と当該下向きフランク(および/または当該ベース層の下側の法線)とによって囲まれる相互角度と実質的に等しい。これにより、当該二つの突起部が互いに対して密着した接続を実現することができ、これにより、概して、二つのタイル間の結合の堅固さが高められる。一実施形態の変形において、一方では上向きフランクの方を向く上向き突起の側部の少なくとも一部が延在する方向と、他方では上向きフランクおよび/またはベース層の上側の法線とによって囲まれる角度が、0~60°、特に0~45°、とりわけ0~10°である。別の実施形態の変形において、一方では下向きフランクの方を向く下向き突起の側部の少なくとも一部が延在する方向と、他方では下向きフランクおよび/またはベース層の下側の法線とによって囲まれる角度が、0~60°、特に0~45°、とりわけ0~10°である。フランクの方を向く突起の側部の最終的な傾斜は、通常、タイルを製造するために適用される生産手段にも左右される。一実施形態において、下向き位置合わせ縁の傾斜は、上向きフランクの少なくとも上部の傾斜未満であり、その結果、両表面間に膨張室が形成され、遊びを許容し、かつ、たとえばタイルによる水分吸収による膨張を補償するのに好都合になるだろう。
【0030】
一変形において、上向き突起の上側の少なくとも一部は、ベース層の上側の法線に向かう方向に延在する。これにより、上向き突起の厚みが、上向きフランクから離れる方を向く当該突起の側部の方向に減少する結果になる。当該下向き溝の上側がベース層の下側の法線の方向に延在する本発明に係る二つのタイルの結合位置において、下向き溝を上向き突起の上側に実質的に接続させることによって、一方では比較的強度がありかつ中実であり、他方では隣接するタイルの第一の結合部に対して実現しようとする結合を可能にするのに十分な弾性を保証できる第二の結合部を提供できる。
【0031】
位置合わせ縁は、好ましくは、二つのタイルの結合工程の間に別の結合部の案内が概して可能な限り制御された形で進められることができるように平らな表面によって形成される。しかしながら、丸みを帯びた位置合わせ縁の適用も想像できる。別の実施形態の変形では、第二の結合部の位置合わせ縁の少なくとも一部は、第一の結合部の上向きフランクの少なくとも一部よりも実質的に平らな向きを有する。この手法を適用することにより、概して、結合位置において、第二の結合部の位置合わせ縁と第一の結合部のフランクとの間に空隙が創り出される。二つの結合部間に意図的に創り出されるこの空隙は、この空隙が当該結合部の一時的な変形を妨げず、これによって当該結合部の結合が容易になるので、通常、隣接し合うタイルの結合時に有利である。さらに、当該創り出された空隙は、たとえば、環境の温度変化から生じるタイルの膨張を吸収するのに有利である。
【0032】
一実施形態の変形において、ベース層に接続している第一の結合部の上向きフランクの一部は、下向きフランクから離れる方を向く下向き突起の側部の少なくとも一部に対する停止面を形成する。このようにして、タイルの少なくとも上側の密着を実現することができ、これは、通常、ユーザの視点から有利である。ベース層に接続している第一の結合部の上向きフランクの一部は、ここでは、好ましくは、実質的に垂直な向きにされる。下向きフランクから離れる方を向く下向き突起の側部の少なくとも一部も、ここでは、好ましくは、実質的に垂直な向きにされる。両結合部において実質的に垂直な停止面を適用することには、結合位置において、当該結合部が、比較的密着しかつ堅固な形で互いに接続できるという利点がある。
【0033】
概して、上向き溝は、隣接するタイルの下向き突起を挟持嵌めによって受容するように適合されることが有利である。下向き突起に挟持嵌めによって上向き溝、またはその少なくとも一部を受容することには、当該下向き突起が、当該上向き溝によって比較的密着して囲まれ、これにより、通常、結合した構造の堅固さが高まるという利点がある。同じことは、下向き溝を隣接するタイルの上向き突起を挟持嵌めによって受容するように適合される実施形態の変形にも当てはまる。
【0034】
一実施形態の変形において、上向きフランクおよび下向きフランクは、実質的に平行な方向に延在する。これにより、当該フランク同士、ならびに、ロック要素同士を、結合位置において互いに比較的緊密に接続することが可能になり、これにより、概して、当該ロック要素によって実現するロック効果が高められる。
【0035】
別の実施形態の変形では、第一のロック要素は少なくとも一つの外向きの凸部を含み、かつ第二のロック要素は少なくとも一つの凹部を含み、当該外向きの凸部は、ロックした結合を実現するために、隣接する結合したタイルの凹部に少なくとも部分的に受容されるように適合される。この実施形態の変形は、概して、生産技術的な観点から有利である。第一のロック要素および第二のロック要素は、好ましくは、相補的な形態を取り、それにより、隣接し合うタイルの互いに対するロック要素の形態嵌合による接続が実現し、これにより、当該ロックの有効性が高められる。あるいは、第二のロック要素が少なくとも一つの外向きの凸部を含み、かつ第一のロック要素が少なくとも一つの凹部を含み、当該外向きの凸部は、ロック結合を実現するために、隣接する結合したタイルの凹部に少なくとも部分的に受容されるように適合される。第一および第二のロック要素は、凸部と凹部との組み合わせによって形成されるのではなく、相互作用する輪郭の表面および/または高摩擦接触面という別の組み合わせによって形成されることも考えられる。この後者の実施形態において、第一のロック要素および/または第二のロック要素は、係合(結合)状態において別のタイルの他方のロック要素と摩擦を発生させるように構成される、任意で別体の、プラスチック材料から構成される(平らまたは別の形状を有する)接触面によって形成されうる。摩擦を発生させるのに適したプラスチックの例としては、下記のものが挙げられる。
‐良好な耐クリープ性を有する剛性かつ強度のある、アセタール(POM)。アセタールは、低摩擦係数を有し、高温で安定したままであり、かつ温水に対して良好な耐性を示す。
‐水分を吸収するので衝撃強度および全体的なエネルギー吸収品質が実際に向上する、大抵のポリマーよりも多くの水分を吸収する、ナイロン(PA)。ナイロンは、低摩擦係数、良好な電気特性、および良好な耐化学性を有する。
‐ポリフタルアミド(PPA)。この高性能のナイロンは、十分に向上した耐温度性およびより低い水分吸収性を有する。ポリフタルアミドは、良好な耐化学性も有する。
‐高強度と組み合わされた良好な耐化学性および耐火性を有する高温熱可塑性プラスチックである、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)。PEEKは、航空宇宙産業で好まれている。
‐耐化学性および耐高温性、難燃性、流動性、寸法安定性、および良好な電気特性を含む、バランスの取れた特性を示す、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、
‐寸法安定的であり、かつ良好な電気特性とともに高い耐熱性および耐化学性を有する、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、
‐良好な物理的特性、化学的特性、および耐摩耗性を有する本質的に難燃性である熱可塑性ポリイミド(TPI)。
‐良好な衝撃強度、高耐熱性、および良好な寸法安定性を有する、ポリカーボネート(PC)。PCは、良好な電気特性も有し、かつ水および鉱物または有機酸の中において安定的である。
‐高温で強度および剛性を維持する、ポリエーテルイミド(PEI)。ポリエーテルイミドは、良好な長期耐熱性、寸法安定性、本質的な難燃性、および炭化水素、アルコールおよびハロゲン化溶媒に対する耐性も有する。
【0036】
多くの上述のポリマーの性能は、(必要に応じて)摩擦を低減する特定の添加剤を使用して強化することもできる。高摩擦ポリマー材料は、たとえば、(別体の)材料ストリップとして適用されうる。この高摩擦ポリマー材料の適用により、上向き突起の遠い側(外側)および下向きフランクは、実質的に平らなデザインを有することができる。
【0037】
本発明に係るタイルの一実施形態では、第一のロック要素は、上向き突起の上側から距離を置いて配置される。上向き突起の上側から距離を置いて第一のロック要素を配置することにはいくつかの利点がある。第一の利点は、第一のロック要素のこの配置により、当該第一のロック要素が、上向き突起の位置合わせ縁(の下部)よりも低く配置され、それにより、二つの結合部間の結合が段階的に行われることができるので、隣接し合うタイル間の結合を容易にすることができるということである。結合工程の間、関連するフランクの方を向く突起の側部がまず互いに係合し、その後、ロック要素が互いに係合し、これにより、概して、第一の位置合わせ縁と第一のロック要素がおおむね同じ高さに位置する場合ほど大きくはない最大旋回(振幅)したがって隣接するタイルの第二の結合部の変形で済む。上向き突起の上側から距離を置いて第一のロック要素を配置するさらなる利点は、概して各結合部の弾性ブリッジによって形成される、各結合部とベース層との間の弾性接続部までの距離が大きくなり、したがって、結合部にかかるトルクが、ロック要素によって比較的速やかに補償されることができ、ロックの信頼性をさらに高めることができるということである。第一のロック要素および第二のロック要素が適用されない場合は、上向きフランクから離れる方を向く上向き突起の側部が、隣接し合うタイルの結合状態において、下向きフランクから距離を置いて配置されると好都合でありうる。
【0038】
好適な一実施形態において、下向きフランクから離れる方を向く下向き突起の側部が第三のロック要素を備え、かつ上向きフランクが第四のロック要素を備え、当該第三のロック要素は、別のタイルの第四のロック要素と協働するように適合される。これにより、さらなる内部ロック機構が生じ、結合の安定性および信頼性をさらに向上させることができるだろう。また、この実施形態において、第三(または第四)のロック要素は、一つ以上の凸部によって形成され得て、当該第四(または第三)のロック要素は、隣接し合うタイルの結合状態において当該凸部と相互作用するように適合される一つ以上の相補的な凹部によって形成されうる。下向き突起の上縁とベース層の下側との間の最短距離が平面を画定し、第三のロック要素と下向き突起の少なくとも一部が、当該平面の対向し合う側部に存在することが想像できる。この場合、当該第三のロック要素は、タイルの上部または上面によって画定される当該タイルの縁に対して突出する。ここでは、当該第三のロック要素は、結合状態において隣接するタイル内に突出しえて、タイル結合をさらに向上させうる。これは、ロック面とタイルの上側との間の最小距離が、上向き突起の上側とタイルの上側との間の最小距離よりも小さい場合に有利である。これにより、第二(または第一)の結合部の最大変形が減少する一方、接続工程および変形工程が、連続的なステップで行われることができる。変形が少ないほど材料応力が少なくなり、結合部したがってタイルの耐用期間にとって好都合である。
【0039】
本発明に係るシステムに使用される各タイルは、一つ以上の第一の結合部、一つ以上の第二の結合部、および/または少なくとも一つの第一の結合部と少なくとも一つの第二の結合部の組み合わせを含む。タイルの一つ以上の(残りの)縁は、たとえば米国特許第4426820号明細書(特許文献2)に開示されるように、従来の傾倒輪郭などの、代替的な結合部を備えることが考えられる。当該米国特許の内容は、参照によって本書に援用される。かかる傾倒輪郭は、典型的には、パネルの上側と実質的に平行な方向に延在する横向き突起を含む第一の縁(第三の結合部)を備え、当該横向き突起の下部の前部領域が少なくとも部分的に丸みを帯びており、当該突起の下部の後部領域がベアリング領域として構成されており、当該下部の後方領域が、当該下部の前部領域の最も低い部分よりもパネルの上側の水平面の近くにあり、かつ当該第一の縁(第三の結合部)、およびさらなるパネルの横向き突起の少なくとも一部を収容するための凹部を含む、対向する第二の縁(第四の結合部)であって、当該凹部が上縁および下縁によって画定され、当該下縁が、横向き突起のベアリング領域を支持するための上方突出肩を備える、当該第二の縁(第四の結合部)を含み、横向き突起が、さらなるパネルの横向き突起の凹部への導入移動および第一の縁に対して平行な軸周りの傾倒移動によってロックが生じるように設計され、その結果、横向き突起の頂側が上縁に係合し、当該横向き突起のベアリング領域が、下縁の肩によってかつ/または当該肩に対向して支持され、水平方向と垂直方向の両方で第一および第二の縁にて隣接し合うパネルのロックに至る。
【0040】
一実施形態において、タイルの複数の側部(または縁)が第一の結合部を含み、当該タイルの複数の側部が第二の結合部を含み、各第一の結合部および各第二の結合部が、当該タイルの対向し合う側部に存在する。このようにして、タイルの各側部が結合部を備えることができ、これにより、当該タイルの結合の選択肢が増える。第一の結合部と第二の結合部を対向し合う側部に配置することにより、各タイルを同じ方法で形成できるため、ユーザにとって、本発明に係るタイルによって形成される床を敷くことが比較的単純になるだろう。タイルの隣接し合う縁は異なる種類の結合部を備えうる。
【0041】
本発明に係るシステムにおいて、全てのまたは少なくともいくつかのタイルが同一であることが想像できる。しかしながら、当該タイルシステムは、異なる種類のタイル(たとえば、それぞれAタイルおよびBタイル)を含み、第一の種類のタイル(A)に使用される結合部の配置および/または種類が、第二の種類のタイル(B)に使用される結合部の配置および/または種類とは異なることも想像できる。ここで、好ましくは、一対の対向し合う縁部に適用される第一の種類のタイル(A)の結合部は、第二の種類のタイル(B)の同じ一対の対向し合う縁部に沿う結合部に対して鏡面反転した形で配置される。正方形または矩形のタイルの場合、上から見てかつ時計回り方向に、第一の種類のタイル(A)は、その縁に、第一の結合部(I)、第二の結合部(II)、第二の結合部(II)、および第一の結合部(I)をこの順で備えうる(I‐II‐II‐I構成)一方、第二の種類のタイル(B)は、その縁に、第一の結合部(I)、第一の結合部(I)、第二の結合部(II)、および第二の結合部(II)をこの順で備えうる(I‐I‐II‐II構成)。これにより、異なるパネルは、ヘリンボーンパターンなどの、従来にはないパターンおよび/または先進的なパターンで設置できるだろう。本発明に係るシステムで使用される同一のタイルおよび鏡面反転したタイルの利点は、当該タイルを容易に生産できることであり、たとえば、A型およびB型のタイルの全ての第一の側部を、たとえば、第一の機械で機械加工できる。次に、A型のタイルは別の機械に進み、第二の側部が機械加工される。一方、鏡面反転した結合部を備えようとするボード、たとえば、B型のタイルは、第二の側部の機械加工前に同じ平面内で180度回転させる。したがって、二種類のボードAおよびBは、同じ機械および同じ工具セットを使用して製造できる。ユーザが設置中に異なるパネルの種類を容易に認識できるように、異なるタイルの種類には、特徴的な視覚的な印、たとえば、着色したラベル、記号的なラベル、および/または文字ラベルが付されうる。好ましくは、当該視覚的な印は、タイルの結合状態では(上からは)不可視である。覚的な印は、たとえば、上向き突起の上側および/または上向き溝の内側および/または下向き溝の内側に付されうる。本発明に係るシステムは、二種類より多い異なる種類のタイルを含むことが想像できる。
【0042】
異なるタイルの種類は、異なるサイズおよび/または形状を有しうる。各タイルの各縁部が第一の結合部および/または第二の結合部を備え、かつ好ましくは縁部が異なる結合部を備えることが想像できる。一般的に、タイルは正方形、矩形、三角形、六角形、八角形、または他の多角形の形状を有する。
【0043】
本発明は、本発明に係る相互に結合したタイルからなる、タイル被覆、特に床被覆にも関する。本発明は、本発明に係る多目的タイルシステムで使用するためのタイルにも関する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
本発明は、下記の図面に示す非制限的な例示的な実施形態に基づいて説明される。
【0045】
【
図1】本発明に係る床タイルの第一の実施形態の横断側面図を概略的に示す図
【
図2a】本発明に係る床タイル第二の実施形態の結合部の概略図
【
図2b】
図2aに示す結合部を含む二つの床タイルの結合位置の概略図
【
図3a】本発明に係る床タイルの第三の実施形態の結合部の概略図
【
図3b】
図3aに示す結合部を含む二つの床タイルの結合位置の概略図
【
図4a】本発明に係る床タイルの第四の実施形態の結合部の概略図
【
図4b】
図4aに示す結合部を含む二つの床タイルの結合位置の概略図
【
図5】本発明に係る床タイルの考えうる一実施形態の積層体細部の側面図を概略的に示す図
【
図6】本発明に係る床タイルのさらなる考えうる一実施形態の積層体細部の斜視図
【
図7a】第一の考えうる配置における本発明に係る床タイルの概略的な平面図
【
図7b】第二の考えうる配置における本発明に係る床タイルの概略的な平面図
【
図7c】
図7bに示す配置を有する床タイルの第二の実施形態の概略的な平面図
【
図7d】
図7aから
図7cに示す複数の床タイルを含む本発明に係るタイルシステムの第一の構成の概略的な平面図
【
図7e】
図7aから
図7bに示す複数の床タイルを含む本発明に係るタイルシステムの第二の構成の概略的な平面図
【
図7f】
図7aから
図7bに示す複数の床タイルを含む本発明に係るタイルシステムの第三の構成の概略的な平面図
【
図7g】
図7aから
図7bに示す複数の床タイルを含む本発明に係るタイルシステムの第四の構成の概略的な平面図
【
図7h】
図7aから
図7bに示す複数の床タイルを含む本発明に係るタイルシステムの第五の構成の平面図
【
図8】本発明に係る床タイルの第五の実施形態の概略図
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1は、本発明に係る矩形の多目的床タイル101の側面図を示す。床タイル101は、上側102aおよび下側102bを備え、好ましくは強化剤を備える独立気泡発泡プラスチック材料から少なくとも部分的に作られる剛性ベース層、および剛性ベース層102の対向し合う(長手方向)側部に配置されかつ剛性ベース層102に一体的に接続される結合部103、104を含む。第一の結合部103は、上向き突起105、上向きフランク106、および上向き突起105と上向きフランク106との間に形成される上向き溝109を含む。上向きフランク106の方を向く上向き突起105の側部105aは、剛性ベース層102の上側102aの法線N1の方向に延在する。したがって、接線R1と剛性ベース層102の上側102aの法線N1は、互いの方(収束する向き)に向かい、R1とN1に囲まれる角度は、0~10度、特に約3~5度になる。上向きフランク106の方を向く上向き突起105の別の側部105bは、隣接する床タイルへの結合の実現を容易にすることができる位置合わせ縁を形成する。図示のように、位置合わせ縁として機能するこの側部105bは、剛性ベース層の上側102aの法線N1から離れる方に向かう。しかしながら、上向き突起105の上側105dは、剛性ベース層102の上側102aの法線N1の方向に延在し、かつ上向きフランク106から離れる方を向く上向き突起105の側部105eの方向に下方傾斜しながら延びる。この面取りにより、相補的な第二の結合部104に、よりロバストな、したがってより強い形態を付与するという選択肢がもたらされる。上向きフランク106から離れる方を向く上向き突起105の側部105eは、実質的に垂直な向きにされ、さらに、外向きの凸部107の形で第一のロック要素107を備える。上向きフランク106の下部106aは斜めの向きにされ、上向きフランク106の上部106bは、実質的に垂直であるように図示されており、かつ第二の結合部104に対する停止面を形成する。上向き溝109の下壁部109aは、この例示的な実施形態では実質的に水平な向きにされている。上向き溝109の下壁部109aと下側103aとの間にあるブリッジ108は、若干の弾性を有し、上向き突起105が上向きフランク106に対して旋回することを可能にするように適合され、この結果、上向き溝109の(一時的な)拡幅を生じ、それによって、隣接する床タイルへの床タイル101の結合を容易にすることができる。第二の結合部104は、第一の結合部103に対して実質的に相補的である。第二の結合部104は、下向き突起110、下向きフランク111、および下向き突起110と下向きフランク111との間に形成される下向き溝112を含む。下向きフランク111の方を向く下向き突起110の側部110aは、剛性ベース層102の下側102bの法線N2の方向に置かれる。これは、下向き突起110の側部110aの接線R2と剛性ベース層102の下側102bの法線が互いに収束していることを意味する。この例示的な実施形態では、接線R2と法線N2との間の角は5°である。下向きフランク111から離れる方を向く側部110bは、斜めの向きにされているが、上向きフランク106の相補的な側部106aよりも平らな向きを有し、それによって、結合位置において間隙(空隙)が形成され、二つの床タイル101間の結合が概して容易になるだろう。下向き突起110の傾斜側部110bは、二つの床タイル101間の結合をさらに容易にするために位置合わせ縁としても機能する。下向きフランク111から離れる方を向く別の側部110cは、実質的に垂直な形態を取り、(隣接する床タイルの)上向きフランク106の停止面106bに対する相補的な停止面を形成する。下向き突起110は、下向きフランク111の方を向きかつ隣接する床タイルの第一の結合部103に対する位置合わせ縁として機能する側部110dをさらに備える。上向き突起105の上側105dは傾斜した向きを有するため、下向き溝112の上側112aは同様に傾斜した向きを有し、それにより、下向き溝112の上側112aと第二の結合部104の上側104aとの間の(平均)距離は、第二の結合部104それ自体に十分な強度を授けるのに十分に大きい。下向きフランク111は、実質的に垂直な向きにされ、(隣接する床タイルの)上向き突起105の外向きの凸部107を受け入れるように適合される凹部113の形で第二のロック要素113を備える。下向き溝112の上側112aと上側104aとの間にあるブリッジ114は、若干の弾性を有し、下向き突起110が下向きフランク111に対して旋回できるように適合され、この結果、下向き溝112の(一時的な)拡幅が生じ、それにより、隣接する床タイルへの床タイル101の結合を容易にすることができる(図示しない)。図示の床タイル101は、本発明に係る多目的タイルシステムの一部であることができる。
【0047】
図2aは、本発明に係る床タイル201の第二の実施形態の結合部203、204の概略図を示す。
図2bは、
図2aに示す結合部203、204を含む二つの床タイル201a、201bの結合位置の概略図を示す。第一の結合部203および第二の結合部204は、
図1に示す第一および第二の結合部と等しい機能性を有する。第一の結合部203は、上向き突起205、当該上向き突起205から距離を置く上向きフランク206、および上向き突起205と上向きフランク206との間に形成される上向き溝209を含む。第二の結合部204は、下向き突起210、当該下向き突起210から距離を置く下向きフランク211、および下向き突起210と下向きフランク211の間に形成される下向き溝212を含む。下向きフランク211から離れる方を向く側部210bは斜めの向きにされる。当該側部210bは、実質的に真っ直ぐなデザインを有するが、上向きフランク206の相補的な側部206aは、丸みを帯びたデザインを有する。
図2bに示す記結合位置では空隙230が形成される。第一の結合部203は、第二の結合部204のフランク211に設けられる第二のロック要素213と相互作用するように適合される第一のロック要素207を含む。
図2aから
図2bと
図1に示す実施形態間の違いは、突起205、210、フランク206、211、および溝209、212が、実質的に丸みを帯びたデザインを有することである。
【0048】
図3aは、本発明に係る床タイル301の第三の実施形態の結合部303、304の概略図を示す。
図3bは、
図3aに示す結合部303、304を含む二つの床タイル301a、301bの結合位置を示す。下向き突起の側部310bと上向きフランク206の相補的な側部206aとの間に形成される空隙330は、
図2bの実施形態に示す空隙よりも実質的に小さい。
【0049】
図4aは、本発明に係る床タイル401の第四の実施形態の結合部403、404の概略図を示す。
図4bは、
図4aに示す結合部403、404を含む二つの床タイル401a、401bの結合位置の概略図を示す。床タイル401は、独立気泡発泡プラスチック材料から少なくとも部分的に作られる剛性ベース層402を含む。タイル401は、 第三のロック要素440および相補的な第四のロック要素441を含む。下向きフランク411から離れる方を向く下向き突起410の側部410bが第三のロック要素440を備える。第一の結合部403の上向きフランク406が第四のロック要素441を備える。第三のロック要素440は、
図4bに示すように、別のタイルの第四のロック要素441と協働するように適合される。
図4aは、二つのタイル401a、401bの結合状態における第三のロック要素440と第四のロック要素441との間の相互作用を示す。当該相互作用により、タイル401によって画定される平面とともに角度A1を囲む接線T1が画定され、当該角度A1は、タイル401によって画定される平面と、上向きフランク406の方を向く上向き突起405の側部の傾斜部と下向きフランク411の方を向く下向き突起410の側部410aの傾斜部との間の相互作用によって画定される接線T2とによって囲まれる角度A2よりも小さい。角度A1と角度A2との差の最大値は、5~10°である。第三のロック要素440は、結合状態において、上向きフランク406の上側406aと下向きフランク411から離れる方を向く下向き突起410の側部410dとによって画定される平面450から遠位に位置する先端442を有するロック面443を含む。ロック面443とタイル401の上側402aとの間の距離は、上向き突起405の上側405aとタイル401の上側402aとの間の距離よりも小さい。
図4bは、上向きフランク406から離れる方を向く上向き突起405の側部405eが下向きフランク411から距離を置いて配置されることを示す。上向き突起405と下向きフランク411との間には第一の空隙430aが形成される。上向き溝409と下向き突起410との間には第二の空隙430bが形成される。下向き突起410は、上向き溝409の支持面431と接触している。下向きフランク411から離れる方を向く下向き突起410の側部410bと上向きフランク406との間には第三の空隙430cが形成される。床タイル401の下部は、点Xから上向き突起405の端側部405eまで延在する下部凹部432を含む。好ましくは、下部凹部432の始点Xは、上向きフランク406の方を向く上向き突起405の側部405bから距離を置いている。
【0050】
図5は、本発明に係る床タイル501の考えうる一実施形態の積層体細部の側面図を示す。床タイル501は、下側または下部の発泡面502bおよび上側502aを有するポリフォームまたは発泡プラスチック材料から形成される剛性発泡ベース層502を含む。床タイル501は、非発泡プラスチックまたは金属の材料から形成されかつ下面520bおよび上面520aを有する上部基板層520をさらに含む。当該上部基板層520は、剛性ベース層502の上部発泡面502a上に設けられる。剛性ベース層502の上面502aと上部基板層520の下面520bとの間には、層またはコーティングであることができる接着剤521が設けられて、当該上部基板層520と当該剛性ベース層502とを接合する。床タイル501は、基板層520の上面520a上にまたは上面520aに任意の選択した種類のデザインパターンまたは装飾的外観を含む可能性がある。当該デザインパターンは、いくつかのデザインパターンの可能性を挙げるとすれば、木目調デザイン、大理石、花崗岩または任意のその他の天然石粒子に似せた鉱物粒子デザイン、または色パターン、混色または単色であることができる。装飾またはデザインパターンは、上部基板層520の上面520a上に印刷またはその他の方法で塗布できるが、好ましくは、任意の適切な既知のプラスチック材料の別体の印刷フィルムまたはデザイン層522上に設けられる。デザイン層522は、既知の材料および製作工程の透明または半透明な耐摩耗性の摩耗層523によって被覆され、当該摩耗層523を通して当該デザイン層522を見ることができる。摩耗層523の上部は、床タイル501の頂面である。床タイル501は、図面に示す結合要素のうちのいずれかを備えることができる。上部基板層520、デザイン層522、および摩耗層523は、上部基板積層体のサブアセンブリ524を形成するように初めに積層しておくことができる。積層体のサブアセンブリ524および発泡ベース層502は、次に、タイル501を形成するように互いに積層できる。
【0051】
図6は、本発明に係る床タイル601のさらなる考えうる一実施形態の積層体細部の斜視図を示し、当該積層体の層は、部分的に分離させて示す。床タイル601は、当該床タイル601の縁部に結合部603を備える。これは、任意の適切な結合部603、たとえば、
図1から
図4に示す結合部であることができる。床タイル601は、独立気泡発泡ポリ塩化ビニル材料、たとえば、炭酸ナトリウムフィラーを含むポリ塩化ビニルから少なくとも部分的に作られる実質的に剛性のベース層602を含む。床タイル601は、ベース層602の上側に貼り付けられる、上部基板層620、すなわち補強層620をさらに含む。図示の実施形態では、補強層620は、可塑剤および炭酸塩フィラーを含むポリ塩化ビニル樹脂から少なくとも部分的に作られる。補強層620は、床タイル601の耐久性を高め、引っ掻きおよびその他の小さな損傷に対する抵抗性をもたらす。補強層620の上にはデザイン層622が設けられる。当該デザイン層622は、好ましくは、熱可塑性フィルム層である。デザイン層622は、透明または半透明な耐摩耗性の摩耗層623によって被覆され、当該摩耗層623を通してデザイン層622を見ることができる。摩耗層623は保護層であり、好ましくは、DOTP可塑剤、ステアリン酸カルシウム、およびステアリン酸亜鉛を含むポリ塩化ビニル樹脂から少なくとも部分的に作られる。床タイル601の頂面は、セラミックビードポリマー層626を含む。当該セラミックビードポリマー層626は、その耐摩耗性および耐腐食性および耐侵食性により保護用の上張り626を形成する。床タイル601は裏張り層625をさらに含む。当該裏張り層625は、好ましくは、良好な消音性を有する。裏張り層625は、好ましくは衝撃吸収性である。床タイル601は完全防水性であり、非常に良好な水分安定性を有する。
図6の考えうる実施形態は、上述の層を全て、または任意の数の上述の層を組み合わせて含みうる。たとえば、セラミックビードポリマー層626は任意で省略しうる。
【0052】
図7a~図7hは、単に例示であり、本発明の実施形態に対応していない。図7aは、第一の考えうる配置における本発明に係る床タイルAの概略図の平面図を示す。床タイルAは、当該床タイルAの第一の縁部A1および第二の縁部A2に設けられる複数の第一の結合部G3Lを含む。床タイルAは、第一の縁部A1に対向する第三の縁部A3、および第四の縁部A4に設けられる複数の第二の結合部T3Lを含む。第一の結合部G3Lは、本発明に係る、好ましくは単一の、上向き突起、当該上向き突起から距離を置く少なくとも一つの上向きフランク、および当該上向き突起と当該上向きフランクとの間に形成される単一の上向き溝を含む任意の種類の第一の結合部G3Lであることができる。第二の結合部T3Lは、本発明に係る、好ましくは単一の、下向き突起、当該下向き突起から距離を置く少なくとも一つの下向きフランク、および当該下向き突起と当該下向きフランクとの間に形成される単一の下向き溝を含む任意の種類の第二の結合部であることができる。タイルAは、実質的に矩形のデザインを有する。
【0053】
図7bは、第二の考えうる配置における本発明に係る床タイルBの概略図の平面図を示す。床タイルBは、
図7aに示す床タイルAの鏡像である。床タイルBは、当該タイルBの第三の縁部B3、および第二の縁部B2に設けられる複数の第一の結合部G3Lを含む。床タイルBは、第一の縁部B1および第四の縁部B4に設けられる複数の第二の結合部T3Lを含む。タイルBは、実質的に矩形のデザインを有する。
【0054】
図7cは、
図7bに示す床タイルBと類似の配置を有する床タイルCの第二の実施形態の平面図を示す。ただし、タイルCのサイズは、タイルBのサイズとは異なる。タイルCは、実質的に正方形のデザインを有する。
【0055】
第一の結合部G3Lおよび第二の結合部T3Lの特定の配置により、本発明に係るタイルシステムの広範囲の考えうる構成を創出できる。
図7dから
図7hは、相互に結合したタイルAおよびタイルBおよび/またはタイルCからなる床タイルシステムの構成の考えうる実施形態の例を示す。タイルA、B、Cは、結合し合うタイルが、当該タイルによって画定される平面に平行な方向と当該タイルによって画定される当該平面に垂直な方向の両方に実質的にロックされるような形で相互作用するように構成される。対応する参照番号を有するタイルは同一である。
【0056】
図7dは、
図7aから
図7cに示す複数の床タイルA、B、Cを含む、本発明に係るタイルシステム700dの第一の構成の概略図の平面図を示す。各々の実質的に正方形のタイルCは、複数の実質的な矩形のタイルA、Bと結合する。タイルは、当該タイルの上面にデザインパターンまたは装飾的外観を含む可能性がある。タイルのデザインは、たとえば、矩形のタイルA、Bが正方形のタイルCとは異なるデザインを有するように選択できる。タイルシステム700dは、矩形タイルA、Bが、たとえば、正方形のタイルCの周りにグラウト枠を形成しうることを示す。
【0057】
図7eは、
図7aから
図7bに示す複数の床タイルA、Bを含む、本発明に係るタイルシステム700eの第二の構成の概略図の平面図を示す。各々の垂直な向きにされた床タイルAの第一の縁部A1および第三の縁部A3は、複数の水平な向きにされた床タイルBと接続される。
【0058】
図7fは、
図7aから
図7bに示す複数の床タイルA、Bを含む、本発明に係るタイルシステム700fの第三の構成の概略図の平面図を示す。当該図面はヘリンボーン構造を示す。
【0059】
図7gは、
図7aから
図7bに示す複数の床タイルA、Bを含む本発明に係るタイルシステム700gの第四の構成の概略図の平面図を示す。複数系列の六つのA型の床タイルが、複数系列の六つの垂直な向きにされたB型の床タイルに接続され、それにより、チェス盤パターンを形成する。
【0060】
図7hは、
図7aから
図7bに示す複数の床タイルA、Bを含む本発明に係るタイルシステム700hの第五の考えうる構成の概略図の平面図を示す。
【0061】
図8は、複数の溝860a、860bを含む床タイル801の概略図を示す。当該床タイル801は、実質的に剛性のベース層802および上部基板層820を含む。溝860a、860bは、ベース層802にあるV字形の溝である。当該溝により、タイルの交差する支持面の内隅および外隅におけるタイル801の折り曲げおよび/または折り畳みが容易になる(図示せず)。溝860a、860bは、タイル801の任意の好適な位置に配置できる。溝860a、860bの形状は、任意の好適なデザインであることができるが、当該溝860a、860bの深さは、剛性ベース層802の上面を越えるべきではない。図示の実施形態では、床タイル801は、
図1に示す結合部に等しい第一の結合部803および第二の結合部804を含む。
【0062】
図面は、本発明に係る様々な実施形態を開示しているが、当該実施形態の特徴は適宜組み合わされ得て、全て本発明の意図する範囲内に含まれる。たとえば、タイルシステムにおいて様々な結合部の使用を想像すること、または異なる実施形態間の結合部を入れ換えることができるだろう。また、独立気泡発泡プラスチック材料から少なくとも部分的に作られる実質的に剛性のベース層の適用を省略することを想像できるだろうし、その代わりに、別の種類の、好ましくは剛性の、ベース層を各タイルに使用できるだろうし、当該代替的なベース層は、たとえば、MDF、HDF、ポリ塩化ビニル(PVC)のような熱可塑性などの合成材料、複合材料、特に粉塵と(熱)可塑性物質の複合材料、非発泡プラスチック材料、鉱物材料、および/または一つ以上の添加剤で強化した熱可塑性材料からなる群から選択される少なくとも一つの材料から作られうる。ここで、「粉塵」という表現は、木材粉塵、コルク粉塵、または、鉱物粉塵、石材紛体、特にセメントのような非木材粉塵のような、小さな粉塵状の粒子(粉体)と理解する。竹材粉塵、木材粉塵、またはコルク粉塵、またはそれらの組み合わせを、たとえば、高密度ポリエチレン(HDPE)、またはポリ塩化ビニル(バージン、リサイクル、またはそれらの混合)と組み合わせることにより、水分を吸収せずかつ尖端および間隙を生じる膨張も収縮もしない剛性かつ不活性なコアが提供される。タイルは一般的に積層構造(多層構造)を有するが、本発明に係るタイルは、単層タイルによっても形成されうる。
【0063】
したがって、上述の発明の概念は、いくつかの例示的な実施形態によって示されている。個々の発明の概念は、適用の際、説明した例の他の細部まで適用しなくても、適用されうることが想定される。当業者は、具体的な用途に到達するために数多くの発明の概念を組み合わせる(組み換える)ことができることが分かるので、説明した発明の概念の全ての想定される組み合わせの例を詳述する必要はない。
【0064】
本発明はここに図示および説明した実施例に制限されず、当業者に明らかになる添付の請求項の範囲内の数多くの変形が可能であることが明らかになろう。
【0065】
本特許公報において使用される「comprise」(含む)という動詞およびその活用形は、「comprise」(含む)を意味するだけでなく、「contain」(含有する)、「substantially consist of」(から実質的になる)、「formed by」(によって形成される)およびそれらの活用形も意味すると理解される。