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特許7177100製織3Dファイバ補強構造体及びそれを作製する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】製織3Dファイバ補強構造体及びそれを作製する方法
(51)【国際特許分類】
   D03D 15/60 20210101AFI20221115BHJP
   B29B 11/16 20060101ALI20221115BHJP
   B29C 70/24 20060101ALI20221115BHJP
   D03D 1/00 20060101ALI20221115BHJP
   B29K 105/08 20060101ALN20221115BHJP
   B29K 105/10 20060101ALN20221115BHJP
【FI】
D03D15/60
B29B11/16
B29C70/24
D03D1/00 A
B29K105:08
B29K105:10
【請求項の数】 35
(21)【出願番号】P 2019569674
(86)(22)【出願日】2018-06-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-13
(86)【国際出願番号】 US2018037929
(87)【国際公開番号】W WO2018232363
(87)【国際公開日】2018-12-20
【審査請求日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】62/520,840
(32)【優先日】2017-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/545,656
(32)【優先日】2017-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508135080
【氏名又は名称】アルバニー エンジニアード コンポジッツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】バイラクタル,ハルン
【審査官】川口 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/040804(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03095901(EP,A1)
【文献】特開平10-168699(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D03D 15/60
D03D 1/00
B29B 11/16
B29C 70/24
B29K 105/10
B29K 105/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元(3D)製織構造体であって、
特定の方向の複数の第1のヤーンと、
前記複数の第1のヤーンと相互製織される別の方向の複数の第2のヤーンと、を含み、
少なくとも幾つかの第2のヤーンは、少なくとも1つのバイアス補強ヤーンを含み、
前記少なくとも幾つかの第2のヤーンは、少なくとも1つの、第2のヤーンのバイアス層を含む少なくとも3つの層を有するラミネート構造体であり、
前記少なくとも1つの、第2のヤーンのバイアス層の各々は、第2のヤーンのバイアス層ではない第2のヤーンの層のファイバに対して0度又は90度以外の角度のファイバを有する、3次元(3D)製織構造体。
【請求項2】
請求項1に記載の製織構造体であって、前記ラミネート構造体は、
第1の方向のファイバの、第2のヤーンの第1の層と、
第2の方向のファイバの、第2のヤーンの第2の層と、を含み、
前記少なくとも1つの、ファイバの、第2のヤーンのバイアス層は、前記第2のヤーンの第1の層及び第2の層の間に配設され、
第2のヤーンの第1のバイアス層のファイバは、前記第1の方向に対して第1の角度である、製織構造体。
【請求項3】
請求項2に記載の製織構造体であって、前記第1及び第2の方向は、同じである、製織構造体。
【請求項4】
請求項2に記載の製織構造体であって、前記第2のヤーンの第1及び第2の層の間に配設された、ファイバの、第2のヤーンの第2のバイアス層を含み、
前記第2のヤーンの第2のバイアス層のファイバは、前記第1の方向に対して第2の角度である、製織構造体。
【請求項5】
請求項4に記載の製織構造体であって、前記第1の角度は、30度及び60度の間であり、前記第2の角度は、-30度及び-60度の間である、製織構造体。
【請求項6】
請求項5に記載の製織構造体であって、前記第1の角度は、45度であり、前記第2の角度は、-45度である、製織構造体。
【請求項7】
請求項5に記載の製織構造体であって、前記第1の角度は、30度であり、前記第2の角度は、-60度である、製織構造体。
【請求項8】
請求項2に記載の製織構造体であって、前記少なくとも幾つかの第2のヤーンは、前記第2のヤーンの第1の層の外側表面上の第2のヤーンの第1の熱可塑性ベールと、前記第2のヤーンの第2の層の外側表面上の第2のヤーンの第2の熱可塑性ベールと、を含む、製織構造体。
【請求項9】
請求項2に記載の製織構造体であって、少なくとも幾つかの第1のヤーンは、少なくとも1つの、第1のヤーンのバイアス層を含む少なくとも3つの層を有するラミネート構造体であり、前記少なくとも1つの、第1のヤーンのバイアス層の各々は、第1のヤーンのバイアス層ではない第1のヤーンの層のファイバに対して0度又は90度以外の角度のファイバを有する、製織構造体。
【請求項10】
請求項9に記載の製織構造体であって、前記ラミネート構造体は、
第3の方向のファイバの、第1のヤーンの第1の層と、
第4の方向のファイバの、第1のヤーンの第2の層と、
前記第1のヤーンの第1及び第2の層の間に配設された、前記少なくとも1つの、ファイバの、第1のヤーンのバイアス層と、を含み、
第1のヤーンの第1のバイアス層のファイバは、前記第1の方向に対して別の第1の角度である、製織構造体。
【請求項11】
請求項10に記載の製織構造体であって、前記第3及び第4の方向は、同じである、製織構造体。
【請求項12】
請求項11に記載の製織構造体であって、前記3D製織構造体は、Π、H、T、O、及びIで構成されるグループから選択された断面形状を有するプリフォームに形成される、製織構造体。
【請求項13】
請求項1に記載の製織構造体であって、前記3D製織構造体は、Π、H、T、O、及びIで構成されるグループから選択された断面形状を有するプリフォームに形成される、製織構造体。
【請求項14】
請求項1に記載の製織構造体であって、前記第2のヤーンの少なくとも幾つかは、編組トウである、製織構造体。
【請求項15】
請求項14に記載の製織構造体であって、前記第1のヤーンの少なくとも幾つかは、編組トウである、製織構造体。
【請求項16】
請求項1に記載の製織構造体であって、前記第2のヤーンの少なくとも幾つかは、多軸テープである、製織構造体。
【請求項17】
請求項16に記載の製織構造体であって、前記第1のヤーンの少なくとも幾つかは、多軸テープである、製織構造体。
【請求項18】
3次元(3D)製織構造体を成形する方法であって、
複数の第1のヤーンを特定の方向に製織するステップを含み、別の方向の複数の第2のヤーンが前記複数の第1のヤーンと相互製織され、
少なくとも幾つかの第2のヤーンは、少なくとも1つのバイアス補強ヤーンを含み、
前記少なくとも幾つかの第2のヤーンは、少なくとも1つの、第2のヤーンのバイアス層を含む少なくとも3つの層を有するラミネート構造体であり、前記少なくとも1つの、第2のヤーンのバイアス層の各々は、第2のヤーンのバイアス層ではない第2のヤーンの層のファイバに対して0度又は90度以外の角度のファイバを有する、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、前記ラミネート構造体は、
第1の方向のファイバの、第2のヤーンの第1の層と、
第2の方向のファイバの、第2のヤーンの第2の層と、を含み、
前記少なくとも1つの、ファイバの、第2のヤーンのバイアス層は、前記第2のヤーンの第1の層及び第2の層の間に配設され、
第2のヤーンの第1のバイアス層のファイバは、前記第1の方向に対して第1の角度である、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、前記第1及び第2の方向は、同じである、方法。
【請求項21】
請求項19に記載の方法であって、
ファイバの、第2のヤーンの第2のバイアス層を前記第2のヤーンの第1及び第2の層間に配設するステップを含み、
前記第2のヤーンの第2のバイアス層のファイバは、前記第1の方向に対して第2の角度である、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、前記第1の角度は、30度及び60度の間であり、前記第2の角度は、-30度及び-60度の間である、方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、前記第1の角度は、45度であり、前記第2の角度は、-45度である、方法。
【請求項24】
請求項22に記載の方法であって、前記第1の角度は、30度であり、前記第2の角度は、-60度である、方法。
【請求項25】
請求項19に記載の方法であって、前記少なくとも幾つかの第2のヤーンは、前記第2のヤーンの第1の層の外側表面上の第2のヤーンの第1の熱可塑性ベールと、前記第2のヤーンの第2の層の外側表面上の第2のヤーンの第2の熱可塑性ベールと、を含む、方法。
【請求項26】
請求項19に記載の方法であって、少なくとも幾つかの第1のヤーンは、少なくとも1つの、第1のヤーンのバイアス層を含む少なくとも3つの層を有するラミネート構造体であり、前記少なくとも1つの、第1のヤーンのバイアス層の各々は、第1のヤーンのバイアス層ではない第1のヤーンの層のファイバに対して0度又は90度以外の角度のファイバを有する、方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法であって、前記ラミネート構造体は、
第3の方向のファイバの、第1のヤーンの第1の層と、
第4の方向のファイバの、第1のヤーンの第2の層と、を含み、
前記少なくとも1つの、ファイバの、第1のヤーンのバイアス層は、前記第1のヤーンの第1及び第2の層の間に配設され、
第1のヤーンの第1のバイアス層のファイバは、前記第1の方向に対して別の第1の角度である、方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法であって、前記第3及び第4の方向は、同じである、方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法であって、前記3D製織構造体を、Π、H、T、O、及びIで構成されるグループから選択された断面形状を有するプリフォームに形成するステップを含む、方法。
【請求項30】
請求項18に記載の方法であって、前記3D製織構造体を、Π、H、T、O、及びIで構成されるグループから選択された断面形状を有するプリフォームに形成するステップを含む、方法。
【請求項31】
請求項18に記載の方法であって、前記第2のヤーンの少なくとも幾つかは、編組トウである、方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法であって、前記第1のヤーンの少なくとも幾つかは、編組トウである、方法。
【請求項33】
請求項18に記載の方法であって、前記第2のヤーンの前記少なくとも幾つかは、多軸テープである、方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法であって、前記第1のヤーンの前記少なくとも幾つかは、多軸テープである、方法。
【請求項35】
3次元製織複合材を形成する方法であって、
請求項19又は27に記載の3次元製織構造体を形成するステップと、
前記3次元製織構造体をマトリックス材料で含浸するステップと、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、負荷支持構造体及びそれを作製する方法に関する。特に、負荷支持構造体は、3次元(3D)織布から作製される。
【背景技術】
【0002】
負荷支持構造体(自動車、飛行機、橋等々)では、多くの場合、負荷状況及び幾何的制約は、材料に大きいせん断応力がかかる負荷経路を作り出す。例えば、航空機の胴体は、胴体の外皮にせん断応力をもたらす捩れ飛行負荷を受ける。したがって、重要な特徴は、そういった構造体で使用される材料が、適切なせん断剛性及び強度を有することである。
【0003】
せん断剛性及び強度を改善するための共通の構造は、単方向(単軸)又は2軸製織層から構成されたラミネート複合材である。これらの層は、それ自体が弱いせん断特性を有しており、劇的に改善されるせん断特性を有するラミネートを作成するために様々な角度で配置される。最も一般的には、ラミナは、構造的な設計の要件を満たすために、他の角度も可能であるが、0度、45度、又は90度の角度で異なった割合で配置される。
【0004】
図1は、2軸で製織される3D製織複合材を例証する。即ち、トウ及びファイバは、経糸(0度)方向及び緯糸(90度)方向である。3次元の2軸製織複合材は、図1Aに示されたように多層を有する。他の角度のバイアスファイバの不足は、トウの本質的に弱いせん断特性と相まって、純粋なせん断負荷において或いは45度で負荷がかけられたとき、弱いマクロスケールのせん断剛性及び強度が現れ得ることにつながる。面内せん断剛性及び強度は、ある種の用途において弱点である。図1Bは、0度(経糸)方向、45度(バイアス)方向、及び90度(緯糸)方向に負荷をかけたときの、中間弾性率カーボンファイバ補強材を備えた3D製織複合材の引張強度(応力-歪み)の比較を示す。ここでCOVは、変動の係数であり、IM7は、中間弾性率カーボンファイバ補強材である。面内せん断弾性係数(G12)の典型的な値は、約5.5GPaである。
【0005】
幾人かの研究者は、製織システム及びプロセスの複雑さを著しく増加させ得る0度及び90度以外の角度でバイアストウに製織することによって、3D2軸製織複合材のせん断強度及び剛性のこの面内の弱点を解決するように試みた。例えば、Labaniehらの、「Conception and characterization of multiaxis 3d woven preform」2013年ベルギーのルーヴァン、TexComp Conferenceを参照されたい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、3次元(3D)製織構造体と構造体を作製する方法を対象とする。構造体は、特定の方向の複数の第1のヤーンと、複数の第1のヤーンと相互製織される別の方向の複数の第2のヤーンと、を含む。少なくとも幾つかの第2のヤーンは、少なくとも1つのバイアス補強ヤーンを含む。
【0007】
1つの実施形態では、少なくとも幾つかの第2のヤーンは、少なくとも1つの第2のヤーンバイアス層を含む少なくとも3つの層を有するラミネート構造体であり、少なくとも1つの第2のヤーンバイアス層の各々は、第2のヤーンバイアス層ではない第2のヤーン層のファイバに対して0度又は90度以外の角度のファイバを有する。
【0008】
ラミネート構造体は、第1の方向の第2のヤーンの第1のファイバ層と、第2の方向の第2のヤーンの第2のファイバ層と、を含む場合がある。少なくとも1つの第2のヤーンバイアスファイバ層は、第2のヤーンの第1の層及び第2の層の間に配設され、第2のヤーンの第1のバイアス層のファイバは、第1の方向に対して第1の角度である。
【0009】
ラミネート構造体は、第2のヤーンの第1及び第2の層の間に配設された第2のヤーンの第2のバイアスファイバ層である場合もあり、第2のヤーンの第2のバイアス層のn個のファイバは、第1の方向に対して第2の角度である。
【0010】
構造体は、少なくとも1つの第1のヤーンバイアス層を含む少なくとも3つの層を有するラミネート構造体である少なくとも幾つかの第1のヤーンを含む場合もあり、少なくとも1つの第1のヤーンバイアス層の各々は、第1のヤーンバイアス層ではない第1のヤーン層のファイバに対して0度又は90度以外の角度のファイバを有する。ラミネート構造体は、第3の方向の第1のヤーンの第1のファイバ層と、第4の方向の第1のヤーンの第2のファイバ層と、を含む場合もある。少なくとも1つの第1のヤーンバイアスファイバ層は、第1のヤーンの第1及び第2の層の間に配設され、第1のヤーンの第1のバイアス層のファイバは、第1の方向に対して別の第1の角度である。
【0011】
別の実施形態では、第2のヤーンの少なくとも幾つかは、編組トウであり、また、編組トウである第1のヤーンの少なくとも幾つかを含む場合がある。
【0012】
更に別の実施形態では、第2のヤーンの少なくとも幾つかは、多軸テープであり、また、多軸テープである第1のヤーンの少なくとも幾つかを含む場合がある。
【0013】
添付の図面は、本発明の更なる理解を提供するために含められており、本明細書に組み込まれてその一部を構成する。本明細書に提示される図面は、本発明の異なった実施形態を例証し、また、本説明と共に本発明の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】関連技術のプライトゥープライ3D製織を例証する図である。
図1B】バイアスファイバ補強材のない2軸3D製織複合材の典型的な引張応力-歪みの関係を例証する図である。
図2】多方向、多層トウの構造体を例証する図である。
図3】3つのサンプル構造体の弾性定数のグラフ比較を示す図である。
図4】軸外ファイバ補強材を包含する編組ヤーンで構成された3D製織プリフォームの写真を示す図である。
図5図4のプリフォームから形成された複合材の写真を示す図である。
図6図4のプリフォームから形成された複合材の写真を示す図である。
図7図7A及び7Bは、ファイバの軸外配向を包含するヤーンの例を例証する図である。
図8】多軸トウを含むサンプルの引張係数及び強度の結果の概要を例証する図である。
図9】多軸ファイバ補強材で構成された3D製織複合材の面内引張応力-歪み性能を例証する図である。
図10】多軸補強材及び単軸補強材で構成された3D製織複合材の面内45度引張応答の間の比較を例証する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示での用語「含むこと」及び「含む」は、「含むこと」及び「含む」を意味する場合があるか、又は、米国特許法での用語「含むこと」又は「含む」に一般に与えられる意味を有する場合がある。用語「本質的に~から成ること」又は「本質的に~から成る」は、特許請求の範囲で使用される場合に、米国特許法でのそれらに帰する意味を有する。本発明の他の態様は、次の開示で説明されるか、又は、それから(また、本発明の範囲内で)明らかである。
【0016】
用語「糸」、「ファイバ」、及び「ヤーン」は、以下の説明では交換可能に使用される。「糸」、「ファイバ」、及び「ヤーン」は、本明細書で使用されるとき、モノフィラメント、マルチフィラメントヤーン、ツイステッドヤーン、テクスチャードヤーン、コーテッドヤーン、2成分ヤーン、並びに、当業者に知られた任意の材料の伸縮性破壊ファイバから作られたヤーンを指す場合がある。「トウ」は、複数のファイバで構成され、また、本明細書で交換可能にトウ、マルチフィラメントトウ、マルチファイバトウ、および編組トウと呼ばれると共にそれらの構造を含む。ファイバは、カーボン、ナイロン、レーヨン、ファイバグラス、綿、セラミック、アラミド、ポリエステル、金属、ポリエチレングラス、及び/又は、所望の物理的、熱的、化学的又は他の特性を呈する他の材料で作られる場合がある。
【0017】
用語「折り畳まれた」は、「形成すること」を意味するために本明細書で広く使用され、それは、折り畳み解除する、曲げ、及び、織布の形状を操作するための他のそういった用語を含む。用語「バイアス」は、「軸外」と交換可能に使用され、また、記述された基準に対して0度及び90度以外の角度を意味する。
【0018】
本発明、その利点、及び、その使用によって達成される目的、のより良い理解のために、参照は、添付の記述的な事項について行われ、本発明の非限定的な実施形態は、添付の図面に例証され、対応する構成要素は、同じ参照数字によって識別される。
【0019】
本発明の開示は、既存の3D製織機器及びプロセスを使用して製織され得る改善されたせん断特性を有するトウを使用することによって、製織構造体の面内せん断特性を改善するための製品および製品を作製する方法を説明する。上で議論されたように、2軸織布は、面内せん断特性を改善するために、ラミネートバイアス層を採用する場合があるが、本開示は、軸外(バイアス)補強材を有するようにそれ自体が構成されるトウを製織することによって、面内せん断特性の改善を提供する。即ち、トウは、トウ軸方向に対して様々な方向のファイバ補強材を包含する。トウは、ラミネートテープ、多軸テープなど多層化される場合があり、或いは、単層であって単方向層を包含しない編組などの多軸である場合がある。本明細書で開示されるトウは、布地の任意の又は全ての方向のトウの幾つか又は全てについて使用されることがある。例えば、トウは、織布の経糸方向と緯糸方向のいずれか又は双方のトウの幾つか又は全てについて使用される場合がある。別の例では、トウは、経糸又は緯糸方向のいずれかのトウの幾つか又は全てで使用される場合があり、他方、単軸トウは、残りの緯糸又は経糸方向で使用される。予想されることは、トウがラミネート布地のバイアス層にも使用できるであろうということである。
【0020】
図2は、4つの層を有する多軸多層トウ200の実施形態の断面図を例証する。外層202のファイバは、参照の目的のために0度と呼ばれるであろう特定の方向に配向される。外層202のファイバに対して、第1の中間層204のファイバは、+45度に配向され、第2の中間層206のファイバは、-45度に配向される。トウは、ファイバが中間層で+/-45度で示されているが、+/-30度又は+/-60度を含む他の角度は、他の考慮事項のおかげで、好適であることがある。また、バイアス単軸層について示されて議論される角度は、例証のためだけであって、設計の必要性の要求に応じて互いに対して角度付けされる場合がある。留意されるべきことは、より多くの又はより少ない層が、設計の必要性にもよるが、使用される場合があるということである。
【0021】
層202、204、206の各々は、所望の厚さDを有するために、同じ配向のファイバの複数の層を有する場合がある。留意されるべきことは、各層の厚さが、設計要件によって必要とされるように、他の層と同じか又は異なることがある、ということである。各層の例示的な厚さは、0.01インチ(0.025cm)から0.075インチ(0.190cm)の範囲であり、0.0625インチ(0.159cm)が公称厚さである。
【0022】
トウ200は、所望のテープ幅Wに製造され、或いは、シートとして製造されて所望の幅Wのテープにスリットされることがある。多層及び多方向ノンクリンプ布地(NCF)は、最初の層及び最後の層202の外側表面の一方又は双方の熱可塑性ベールで処置され、次いで、自動テープレイアップ(ATL)又はこの例では3D製織用途のために、テープ幅Wにスリットされる場合がある。
【0023】
トウの例示的なテープ幅Wは、0.02インチ(0.051cm)から0.75インチ(1.905cm)の範囲であり、0.25インチ(0.635cm)が公称幅である。兎に角、本明細書で説明されるように構築された多方向、多層トウは、所望の構成の3D2軸製織プリフォームを製造するために使用される。
【0024】
3D2軸製織プリフォームは、多層の3D製織シートに加えて、Pi、T、H、O、I及び当業者に知られた他の形状を含む様々な断面形状を備えたプリフォームをもたらすために、プリフォーム内に複数の分岐を備えて製織される場合がある。3D2軸製織プリフォームは、その後に複合構造体を形成するために樹脂が含浸される場合がある。
【0025】
トウは、それらに限定されないが、シャトル及びレイピア織機によるジャガード織り又はドビー織りを含む任意の知られた製織技術において、使用される場合がある。図2は、ラミネート構造体であるトウを例証する。しかしながら、追加のバインダファイバは、図示されていないが、当業者に知られているように、ラミネート構造体に追加されることがある。
【0026】
そういった製造する方法は、ラミネート加工複合材又は自動テープレイアップ(ATL)製造で直接使用することのできるHi-Tape(登録商標)と同様の薄いノンクリンプ布地(NCF)及び/又は樹脂処理材料を作成する。
【0027】
例証されるように、トウ200は、ラミネートであり、実質上矩形の断面形状を有し、ラミネート加工テープと呼ばれることがある。しかしながら、他の形状は、可能であり、トウは、例えば、図7Aに示された編組トウ又は図7Bに示された多軸テープなどの軸外ファイバを備えた平らにされた編組であることがある。
【0028】
上で議論されたように、ヤーンは、1つ又は複数のバイアス層を備えたラミネートテープ構造体を有する場合がある。即ち、バイアス層は、バイアス層ではない層に対して0度又は90度以外の角度にあるファイバから製造された層である。図2では外側の層が同じ方向のファイバで示されているが、これは制限ではない。実際、ラミネート構造体の層は、設計が必要とするような任意の所望の配置であることがある。従って、他の層に対してバイアス層がラミネートスタック内のどこにあるかについての制限は無い。そして、バイアス層のファイバの角度方向は、他のバイアス層のファイバの角度方向と同じか又は異なる場合がある。更に、バイアス層のファイバは、互いに対して0度又は90度であることがある。
【0029】
図8は、0度(経糸)方向、45度(バイアス)方向、及び90度(緯糸)方向に負荷時の3Dファイバ補強多軸トウを含むサンプルの引張係数及び強度の実験的試験の結果の概要を示す。
テストは、次の条件で実行された。
トウの型:Toray(登録商標)T300カーボンファイバ
トウのサイズ:1K-トウ毎のフィラメント数
トウの数:24-編組補強材の製織に使用されるトウの数
角度付き8対16トウに対する直線トウの数:8個のトウが軸方向に使用される。
残り16個のトウは、編組プロセスを介して織り交ぜられる。
意図された編組角度:45度(実際、約55度)
最終パネルFV(ファイバ体積):約55%
【0030】
予想されることは、平らに編まれたトウが多軸トウをシミュレートすることがあるということである。均質化されたトウの特性は、ラミナ58%ファイバ体積に基づいており、総複合ファイバ体積を46%にする。複合材のG12は、編組トウ(予想された4~5GPaに対して約17GPa)を使用して改善される。
【0031】
図9は、多軸編組トウ補強材で構成される3D製織複合材の面内引張応力-ひずみ性能の実験的結果を示す。留意されたいことは、バイアス方向、緯糸方向、及び経糸方向の係数(線の傾き)が非常に似ていることである。これは、3D製織プロセス中に使用される編組トウ内に軸外ファイバ補強材を組み込んだ結果である。
【0032】
理解され得るように、図9の係数は、図8の多軸補強材のそれと同様であり、これに対して、関連技術の図1Bに示された画像は、経糸方向、緯糸方向、及びバイアス(45度)方向の負荷時に複合材とは非常に異なった応答を有する。
【0033】
図10は、多軸補強材及び単軸補強材で構成される3D製織複合材の面内45度引張応答の比較を示す。多軸補強材に関連する係数は、単軸補強材のそれよりも実質上大きい。
【0034】
図4は、平らなテープではない軸外ファイバを備えた編組ヤーンを有する3D製織プリフォームの写真図である。経糸方向と緯糸方向の双方で製織された編組ヤーンの軸外ファイバは、幅を横切る中央セクション410である。上部サード420及び下部サード430は、経糸方向の多方向編組ヤーン、及び、緯糸方向の標準の単軸トウで製織される。これは、ハイブリッドプリフォームが、性能要件を満たすために、標準トウ及び多軸トウを混合して製織される場合があるということを例証する。編組ヤーンは、ちょうど軸外ファイバではなく、多方向トウである。それは軸上及び軸外の補強を提供する。編組トウは、軸外ファイバに加えて軸上ファイバを有することがある。
【0035】
図5及び6は、図4の3D織布の複合材の写真図である。
【0036】
本発明の多方向、多層トウを使用する3D製織複合構造体の3つの構成は、Albany Engineered Composites’ (AEC) 3D Composite Studio(商標)ソフトウエアに埋め込まれたマイクロメカニクス均質化能力を使用して比較された。
【0037】
例1:
Hexcel Hi-Tape(登録商標)に似たファイバ含有量及び寸法を備えた単軸テープで製造された3D製織複合材
トウ充填率は、60%であり、50%の全ファイバ体積をもたらす。複合材の0度、±45度、及び90度の方向のファイバ含有量は、それぞれ50%、0%、50%である。低角度インターロックファイバアーキテクチャは、複合弾性特性を計算するために選択された。
【0038】
例2:
それらの構造がC-Ply(商標)にもっと似ているが、Hexcel Hi-Tape(登録商標)に似たファイバ含有量及び寸法を備えた多方向テープで製造された3D製織複合材
トウ充填率は、60%であり、50%の全ファイバ体積をもたらす。複合材の0度、±45度、及び90度の方向のファイバ含有量は、それぞれ25%、50%、25%である。各トウは、50%、50%、0%のファイバ分布を有する。例1と同じ低角度インターロックファイバアーキテクチャは、複合弾性特性を計算し、機械的特性の変化を定量化するために、選択された。
【0039】
例3:
ファイバ体積50%、ファイバ分布(25%、50%、25%)の標準的な準等方性ラミネート構造
これは、標準の3D製織複合材(例1)の弱めのせん断特性を示すため及び本発明による改善(例2)を定量化するためのベースラインとして選択された。
【0040】
3つの例を比較した結果は、表1及び図3に要約されている。例2は、例1よりもせん断剛性(Gxy)で3.83倍の改善を示しており、また、準等方性ラミネートのせん断剛性の20%の範囲内である。軸係数(Exx及びEyy)は、例1と比較して例2では約33%大幅に削減されたが、例3の4%の範囲内である。
【0041】
【表1】
表1 例の複合特性及び弾性定数の比較
【0042】
0度、±45度、及び90度でのファイバ率は、各構成について示される。Exx、Eyy、およびGxyの値は、GPaの単位である。
【0043】
これらの結果から、結論を下せることは、本開示で説明されたような多方向補強材を使用することによって、可能であるのが、業界標準の準等方性ラミネートに非常に似た面内剛性特性を備えた3D製織複合材を製造することであり、厚さの剛性と強度、損傷耐性、及びエネルギ吸収特性を介した改善された追加の利点を備えるということである。
【0044】
3D多層多方向布地は、マトリックス材料が含浸される場合がある。マトリックス材料は、エポキシ、ビスマレイミド、ポリエステル、ビニルエステル、セラミック、カーボン及び他のそういった材料を含む。
【0045】
他の実施形態は、次の特許請求の範囲の範囲内にある。
<付記>
[形態1]
3次元(3D)製織構造体であって、
特定の方向の複数の第1のヤーンと、
前記複数の第1のヤーンと相互製織される別の方向の複数の第2のヤーンと、を含み、
少なくとも幾つかの第2のヤーンは、少なくとも1つのバイアス補強ヤーンを含む、3次元(3D)製織構造体。
[形態2]
形態1に記載の製織構造体であって、前記少なくとも幾つかの第2のヤーンは、少なくとも1つの、第2のヤーンのバイアス層を含む少なくとも3つの層を有するラミネート構造体であり、
前記少なくとも1つの、第2のヤーンのバイアス層の各々は、第2のヤーンのバイアス層ではない第2のヤーンの層のファイバに対して0度又は90度以外の角度のファイバを有する、製織構造体。
[形態3]
形態2に記載の製織構造体であって、前記ラミネート構造体は、
第1の方向のファイバの、第2のヤーンの第1の層と、
第2の方向のファイバの、第2のヤーンの第2の層と、を含み、
前記少なくとも1つの、ファイバの、第2のヤーンのバイアス層は、前記第2のヤーンの第1の層及び第2の層の間に配設され、
第2のヤーンの第1のバイアス層のファイバは、前記第1の方向に対して第1の角度である、製織構造体。
[形態4]
形態3に記載の製織構造体であって、前記第1及び第2の方向は、同じである、製織構造体。
[形態5]
形態3に記載の製織構造体であって、前記第2のヤーンの第1及び第2の層の間に配設された、ファイバの、第2のヤーンの第2のバイアス層を含み、
前記第2のヤーンの第2のバイアス層のファイバは、前記第1の方向に対して第2の角度である、製織構造体。
[形態6]
形態5に記載の製織構造体であって、前記第1の角度は、30度及び60度の間であり、前記第2の角度は、-30度及び-60度の間である、製織構造体。
[形態7]
形態6に記載の製織構造体であって、前記第1の角度は、45度であり、前記第2の角度は、-45度である、製織構造体。
[形態8]
形態6に記載の製織構造体であって、前記第1の角度は、30度であり、前記第2の角度は、-60度である、製織構造体。
[形態9]
形態3に記載の製織構造体であって、前記少なくとも幾つかの第2のヤーンは、前記第2のヤーンの第1の層の外側表面上の第2のヤーンの第1のベールと、前記第2のヤーンの第2の層の外側表面上の第2のヤーンの第2のベールと、を含む、製織構造体。
[形態10]
形態3に記載の製織構造体であって、少なくとも幾つかの第1のヤーンは、少なくとも1つの、第1のヤーンのバイアス層を含む少なくとも3つの層を有するラミネート構造体であり、前記少なくとも1つの、第1のヤーンのバイアス層の各々は、第1のヤーンのバイアス層ではない第1のヤーンの層のファイバに対して0度又は90度以外の角度のファイバを有する、製織構造体。
[形態11]
形態10に記載の製織構造体であって、前記ラミネート構造体は、
第3の方向のファイバの、第1のヤーンの第1の層と、
第4の方向のファイバの、第1のヤーンの第2の層と、
前記第1のヤーンの第1及び第2の層の間に配設された、前記少なくとも1つの、ファイバの、第1のヤーンのバイアス層と、を含み、
第1のヤーンの第1のバイアス層のファイバは、前記第1の方向に対して別の第1の角度である、製織構造体。
[形態12]
形態11に記載の製織構造体であって、前記第3及び第4の方向は、同じである、製織構造体。
[形態13]
形態12に記載の製織構造体であって、前記3D製織構造体は、Pi、H、T、O、及びIで構成されるグループから選択された断面形状を有するプリフォームに形成される、製織構造体。
[形態14]
形態1に記載の製織構造体であって、前記3D製織構造体は、Pi、H、T、O、及びIで構成されるグループから選択された断面形状を有するプリフォームに形成される、製織構造体。
[形態15]
形態1に記載の製織構造体であって、前記第2のヤーンの少なくとも幾つかは、編組トウである、製織構造体。
[形態16]
形態15に記載の製織構造体であって、前記第1のヤーンの少なくとも幾つかは、編組トウである、製織構造体。
[形態17]
形態1に記載の製織構造体であって、前記第2のヤーンの少なくとも幾つかは、多軸テープである、製織構造体。
[形態18]
形態17に記載の製織構造体であって、前記第1のヤーンの少なくとも幾つかは、多軸テープである、製織構造体。
[形態19]
3次元(3D)製織構造体を成形する方法であって、
複数の第1のヤーンを特定の方向に製織するステップを含み、別の方向の複数の第2のヤーンが前記複数の第1のヤーンと相互製織され、
少なくとも幾つかの第2のヤーンは、少なくとも1つのバイアス補強ヤーンを含む、方法。
[形態20]
形態19に記載の方法であって、前記少なくとも幾つかの第2のヤーンは、少なくとも1つの、第2のヤーンのバイアス層を含む少なくとも3つの層を有するラミネート構造体であり、前記少なくとも1つの、第2のヤーンのバイアス層の各々は、第2のヤーンのバイアス層ではない第2のヤーンの層のファイバに対して0度又は90度以外の角度のファイバを有する、方法。
[形態21]
形態20に記載の方法であって、前記ラミネート構造体は、
第1の方向のファイバの、第2のヤーンの第1の層と、
第2の方向のファイバの、第2のヤーンの第2の層と、を含み、
前記少なくとも1つの、ファイバの、第2のヤーンのバイアス層は、前記第2のヤーンの第1の層及び第2の層の間に配設され、
第2のヤーンの第1のバイアス層のファイバは、前記第1の方向に対して第1の角度である、方法。
[形態22]
形態21に記載の方法であって、前記第1及び第2の方向は、同じである、方法。
[形態23]
形態21に記載の方法であって、
ファイバの、第2のヤーンの第2のバイアス層を前記第2のヤーンの第1及び第2の層間に配設するステップを含み、
前記第2のヤーンの第2のバイアス層のファイバは、前記第1の方向に対して第2の角度である、方法。
[形態24]
形態23に記載の方法であって、前記第1の角度は、30度及び60度の間であり、前記第2の角度は、-30度及び-60度の間である、方法。
[形態25]
形態24に記載の方法であって、前記第1の角度は、45度であり、前記第2の角度は、-45度である、方法。
[形態26]
形態24に記載の方法であって、前記第1の角度は、30度であり、前記第2の角度は、-60度である、方法。
[形態27]
形態21に記載の方法であって、前記少なくとも幾つかの第2のヤーンは、前記第2のヤーンの第1の層の外側表面上の第2のヤーンの第1のベールと、前記第2のヤーンの第2の層の外側表面上の第2のヤーンの第2のベールと、を含む、方法。
[形態28]
形態21に記載の方法であって、少なくとも幾つかの第1のヤーンは、少なくとも1つの、第1のヤーンのバイアス層を含む少なくとも3つの層を有するラミネート構造体であり、前記少なくとも1つの、第1のヤーンのバイアス層の各々は、第1のヤーンのバイアス層ではない第1のヤーンの層のファイバに対して0度又は90度以外の角度のファイバを有する、方法。
[形態29]
形態28に記載の方法であって、前記ラミネート構造体は、
第3の方向のファイバの、第1のヤーンの第1の層と、
第4の方向のファイバの、第1のヤーンの第2の層と、を含み、
前記少なくとも1つの、ファイバの、第1のヤーンのバイアス層は、前記第1のヤーンの第1及び第2の層の間に配設され、
第1のヤーンの第1のバイアス層のファイバは、前記第1の方向に対して別の第1の角度である、方法。
[形態30]
形態29に記載の方法であって、前記第3及び第4の方向は、同じである、方法。
[形態31]
形態30に記載の方法であって、前記3D製織構造体を、Pi、H、T、O、及びIで構成されるグループから選択された断面形状を有するプリフォームに形成するステップを含む、方法。
[形態32]
形態19に記載の方法であって、前記3D製織構造体を、Pi、H、T、O、及びIで構成されるグループから選択された断面形状を有するプリフォームに形成するステップを含む、方法。
[形態33]
形態19に記載の方法であって、前記第2のヤーンの少なくとも幾つかは、編組トウである、方法。
[形態34]
形態33に記載の方法であって、前記第1のヤーンの少なくとも幾つかは、編組トウである、方法。
[形態35]
形態19に記載の方法であって、前記第2のヤーンの前記少なくとも幾つかは、多軸テープである、方法。
[形態36]
形態35に記載の方法であって、前記第1のヤーンの前記少なくとも幾つかは、多軸テープである、方法。
[形態37]
3次元製織複合材を形成する方法であって、
形態21又は29に記載の3次元製織構造体を形成するステップと、
前記3次元製織構造体をマトリックス材料で含浸するステップと、を含む方法。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10