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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】ステント送達システム
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/97 20130101AFI20221115BHJP
【FI】
A61F2/97
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020039745
(22)【出願日】2020-03-09
(62)【分割の表示】P 2018074630の分割
【原出願日】2018-04-09
(65)【公開番号】P2020096985
(43)【公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】62/491,798
(32)【優先日】2017-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/897,731
(32)【優先日】2018-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】マデリーン エー. マニオン
(72)【発明者】
【氏名】ディパンカー アヤガリ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン オー. マクウィーニー
(72)【発明者】
【氏名】オリビア ピー. メトカーフ
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】特公平2-7670(JP,B2)
【文献】特表2008-539048(JP,A)
【文献】特表2005-523126(JP,A)
【文献】特表2004-508135(JP,A)
【文献】特表2003-535642(JP,A)
【文献】特開2005-185400(JP,A)
【文献】特表2008-543440(JP,A)
【文献】実開平6-68760(JP,U)
【文献】特開昭63-252169(JP,A)
【文献】特表2014-516691(JP,A)
【文献】特表2005-533557(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/97
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シースであって、
第1の材料を含む部分的に管状の第1の部分と、
前記第1の部分の第1の端部から前記第1の部分の長さ未満の第1の長さまで前記第1の部分内で延在する管状のライナーと、
第2の材料を含む第2の部分であって、前記第2の部分は、前記第1の部分の第2の端部から前記第1の部分の長さ未満の第2の長さまで延在し、前記第2の部分は、前記管状のライナーと少なくとも部分的に重なり、前記第2の部分は、前記第2の長さに沿って前記第1の部分に接着されることにより管状の本体を形成し、かつ、前記管状のライナーが前記第1の長さに沿って露出されるように前記第1の長さから取り除かれ、前記第1の材料は、前記第1の部分と前記第2の部分との間の接着が架橋結合を含まないように前記第2の材料と化学的に不適合である、第2の部分と
を備えたシース。
【請求項2】
前記第2の部分は、前記管状の本体の長手方向軸に沿ってストライプとして配向されている、請求項1に記載のシース。
【請求項3】
前記第1の材料は、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)を含み、前記第2の材料は、高密度ポリエチレン(HDPE)を含む、請求項1に記載のシース。
【請求項4】
前記管状のライナーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む、請求項1に記載のシース。
【請求項5】
前記シースは、補強要素をさらに備え、前記補強要素は、前記第1の部分内に埋め込まれているフレームを含む、請求項1に記載のシース。
【請求項6】
前記補強要素は、前記第2の部分と整列するチャネルを有する部分的に管状の本体を含む、請求項5に記載のシース。
【請求項7】
前記補強要素は、コイル状のフレームを含む、請求項5に記載のシース。
【請求項8】
前記補強要素は、編組のフレームを含む、請求項5に記載のシース。
【請求項9】
ステント展開システムであって、
シースであって、
第1の材料を含む部分的に管状の第1の部分と、
前記第1の部分の第1の端部から前記第1の部分の長さ未満の第1の長さまで前記第1の部分内で延在する管状のライナーと、
第2の材料を含む第2の部分であって、前記第2の部分は、前記第1の部分の第2の端部から前記第1の部分の長さ未満の第2の長さまで延在し、前記第2の部分は、前記管状のライナーと少なくとも部分的に重なり、前記第2の部分は、前記第2の長さに沿って前記第1の部分に接着されることにより管状の本体を形成し、かつ、前記管状のライナーが前記第1の長さに沿って露出されるように前記第1の長さから取り除かれ、前記第1の材料は、前記第1の部分と前記第2の部分との間の接着が架橋結合を含まないように前記第2の材料と化学的に不適合である、第2の部分と
を備えたシースと、
前記シース内に摺動可能に配置されているガイドワイヤ内腔であって、前記ガイドワイヤ内腔は、前記管状の本体の内径よりも大きい外径を有する遠位先端を含む、ガイドワイヤ内腔と、
前記ガイドワイヤ内腔と前記シースの内面との間に配置されている管状のステントと
を備える、ステント展開システム。
【請求項10】
前記ステント展開システムは、前記ガイドワイヤ内腔内に摺動可能に配置されているガイドワイヤをさらに備える、請求項9に記載のステント展開システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
胆嚢、膵臓、及び胆管(即ち、膵胆道系)の疾患及び障害は、著しい罹病率、死亡率、及び生活の質の悪化と関連している。これらの構造内には、閉塞症、腫瘍、外傷、漏出、炎症、感染症及び病変が生じ得、これらは、胆嚢仙痛、胆嚢炎、総胆管結石症、胆石症、膵炎、膵管結石の形成、及び慢性腹痛などの状態に最終的につながり得る。膵胆道系の疾患は、栄養不良、肥満、及び高コレステロールなどの、栄養障害にも関連する場合がある。
【0002】
胆管閉塞症を治療するために、臨床医は、ステント送達手技を実施して、閉塞症にわたってステントを配置してもよい。広くは、ステント送達手技は、胃腸管内に内視鏡を配置することと、胆管にカテーテルでアクセスすることとを含んでもよい。次いで、ガイドワイヤが、カテーテルを通じて、かつ胆管内で展開されてもよい。いったんガイドワイヤが定位置に置かれると、ステント又は他の処置デバイスが、ガイドワイヤ上を胆管内へと前進させられてもよい。ステントが胆管内に配置された後、臨床医は、ステント送達システムを引き抜いてもよい。
【0003】
場合によっては、胆管閉塞症にわたってステントを展開すること、又は患者からステント送達システムを取り除くことが困難であり得る。例えば、臨床医が胆管壁を通して胆管にアクセスする場合、ステント送達システムのサイズに対するアクセス部位と閉塞症との間の距離のため、ステントを正確に位置付けることが困難であり得る。同様に、ステント送達システムのサイズに対するアクセス部位のサイズ制限のため、アクセス部位を通じてステント送達システムを引き戻すことが困難であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
記載されている特徴は、概して、体腔内でステントを展開するための方法、システム、及びデバイスに関する。本明細書に記載されている技術は、例えば、膵胆道系の疾患を治療するために適用されてもよい。体腔内でステントを展開するためのシースが記載される。シースは、第1の材料を含む部分的に管状の第1の部分を含んでもよい。シースはまた、第1の部分に接着されて管状本体を形成する第2の材料を含む第2の部分も含んでもよく、第1の材料は、第1の部分と第2の部分との間の接着が架橋結合を含まないように、第2の材料と化学的に不適合である。
【0005】
いくつかの実施形態では、第2の部分は、管状本体の長手方向軸に沿ってストライプとして配向される。第1の材料は、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)を含んでもよく、第2の材料は、高密度ポリエチレン(HDPE)を含んでもよい。シースは、シースの管状本体内に結合された管状ライナーを更に含んでもよく、管状ライナーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む。場合によっては、管状ライナーの長さは、管状本体の長さ未満である。
【0006】
体腔内でステントを展開するためのシースは、シースの第1の部分と連結された補強要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、補強要素は、第2の部分と整列するチャネルを有する部分的に管状の本体を備える。場合によっては、補強要素は、コイル状フレームを含む。加えて又はあるいは、補強要素は、編組フレームを含む。
【0007】
体腔内でステントを展開するためのステント展開システムが記載される。ステント展開システムは、第1の材料を含む部分的に管状の第1の部分と、第1の部分に接着されて管状本体を形成する第2の材料を含む第2の部分と、を含むシースを含んでもよく、第1の材料は、第1の部分と第2の部分との間の接着が架橋結合を含まないように、第2の材料と化学的に不適合である。ステント展開システムは、シース内に摺動可能に配設されたガイドワイヤ内腔を更に含んでもよく、ガイドワイヤ内腔は、管状本体の内径よりも大きい外径を有する遠位先端を備える。ステント展開システムはまた、ガイドワイヤ内腔とシースの内面との間に配設された管状ステントと、ガイドワイヤ内腔内に摺動可能に配設されたガイドワイヤとを含んでもよい。
【0008】
シースを形成するための方法が記載される。本方法は、第1の材料及び第2の材料を共押出して、ストライプ管状本体を形成することを含んでもよく、ストライプ管状本体は、部分的に管状の部分及びストライプ部分を備える。場合によっては、部分的に管状の部分は、第1の材料を含み、ストライプ部分は、第2の材料を含み、第1の材料は、部分的に管状の部分とストライプ部分との間の接着が架橋結合を含まないように、第2の材料と化学的に不適合である。本方法は、管状ライナーをストライプ管状本体内に位置付けることと、管状本体を熱収縮管材料で巻くこととを更に含んでもよい。本方法はまた、ストライプ管状本体及び管状ライナーをリフローすることと、熱収縮管材料、及び管状本体のストライプ部分の少なくとも一部分を除去することとを含んでもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1の材料は、PEBAを含み、第2の材料は、HDPEを含み、管状ライナーは、PTFEを含む。場合によっては、管状ライナーの長さは、ストライプ管状本体の長さ未満である。
【0010】
シースを形成する方法は、管状ライナーと重なる管状本体のストライプ部分を除去することを含んでもよい。本方法は、管状本体を熱収縮管材料で巻く前に、補強要素を管状ライナーと管状本体との間に位置付けることを更に含んでもよい。本方法はまた、管状本体を熱収縮管材料で巻いた後に、補強要素を管状本体内に接着することを含んでもよい。場合によっては、補強要素は、ストライプ部分と整列するチャネルを有する部分的に管状の本体を備える。いくつかの実施形態では、本方法は、ストライプ部分の全体を除去して、管状本体に沿ってチャネルを形成することを含んでもよい。
【0011】
本開示の一部の実施形態は上述の利点又は特徴の一部、全てを含むか、又は全く含まなくてもよい。本明細書に含まれる図、説明、及び特許請求の範囲から、1つ以上の他の技術的利点又は特徴が当業者に容易に明らかになり得る。更に、特定の利点又は特徴が以上において列挙されたが、様々な実施形態は、列挙された利点又は特徴の全て、一部を含むか、あるいは全く含まなくてもよい。
【0012】
本記載の方法及びシステムの適用性の更なる範囲は、以下の発明を実施するための形態、特許請求の範囲、及び図面から明らかになるであろう。本記載の趣旨及び範囲内の様々な変更及び修正が当業者に明らかになるため、発明を実施するための形態及び特定の実施例は単なる例示として与えられているにすぎない。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
第1の材料を含む部分的に管状の第1の部分と、
前記第1の部分に接着されて管状本体を形成する第2の材料を含む第2の部分と
を備えるシースであって、前記第1の材料は、前記第1の部分と前記第2の部分との間の接着が架橋結合を含まないように、前記第2の材料と化学的に不適合である、シース。
(項目2)
前記第2の部分が、前記管状本体の長手方向軸に沿ってストライプとして配向される、上記項目に記載のシース。
(項目3)
前記第1の材料が、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)を含み、前記第2の材料が、高密度ポリエチレン(HDPE)を含む、上記項目のいずれかに記載のシース。
(項目4)
前記シースの前記管状本体内に結合された管状ライナーを更に備える、上記項目のいずれかに記載のシース。
(項目5)
前記管状ライナーが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む、上記項目のいずれかに記載のシース。
(項目6)
前記管状ライナーの長さが、前記管状本体の長さ未満である、上記項目のいずれかに記載のシース。
(項目7)
前記第1の部分と連結された補強要素を更に備える、上記項目のいずれかに記載のシース。
(項目8)
前記補強要素が、前記第2の部分と整列するチャネルを有する部分的に管状の本体を備える、上記項目のいずれかに記載のシース。
(項目9)
前記補強要素が、コイル状フレームを含む、上記項目のいずれかに記載のシース。
(項目10)
前記補強要素が、編組フレームを含む、上記項目のいずれかに記載のシース。
(項目11)
第1の材料を含む部分的に管状の第1の部分と、
前記第1の部分に接着されて管状本体を形成する第2の材料を含む第2の部分と
を備えるシースであって、前記第1の材料は、前記第1の部分と前記第2の部分との間の接着が架橋結合を含まないように、前記第2の材料と化学的に不適合である、シースと、
前記シース内に摺動可能に配設されたガイドワイヤ内腔であって、前記ガイドワイヤ内腔は、前記管状本体の内径よりも大きい外径を有する遠位先端を備える、ガイドワイヤ内腔と、
前記ガイドワイヤ内腔と前記シースの内面との間に配設された管状ステントと
を備える、ステント展開システム。
(項目12)
前記ガイドワイヤ内腔内に摺動可能に配設されたガイドワイヤを更に備える、上記項目のいずれかに記載のステント展開システム。
(項目13)
シースを形成する方法であって、
第1の材料及び第2の材料を共押出して、ストライプ管状本体を形成することであって、前記ストライプ管状本体が、部分的に管状の部分及びストライプ部分を備え、前記部分的に管状の部分が、前記第1の材料を含み、前記ストライプ部分が、前記第2の材料を含み、前記第1の材料は、前記部分的に管状の部分と前記ストライプ部分との間の接着が架橋結合を含まないように、前記第2の材料と化学的に不適合である、ことと、
管状ライナーを前記ストライプ管状本体内に位置付けることと、
前記管状本体を熱収縮管材料で巻くことと、
前記ストライプ管状本体及び前記管状ライナーをリフローすることと、
前記熱収縮管材料、及び前記管状本体の前記ストライプ部分の少なくとも一部分を除去することと
を含む、方法。
(項目14)
前記第1の材料が、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)を含み、前記第2の材料が、高密度ポリエチレン(HDPE)を含み、前記管状ライナーが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目15)
前記管状ライナーの長さが、前記ストライプ管状本体の長さ未満である、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目16)
前記管状ライナーと重なる前記管状本体の前記ストライプ部分を除去することを更に含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目17)
前記管状本体を前記熱収縮管材料で巻く前に、補強要素を前記管状ライナーと前記管状本体との間に位置付けることを更に含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目18)
前記管状本体を前記熱収縮管材料で巻いた後に、前記補強要素を前記管状本体内に接着することを更に含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目19)
前記補強要素が、前記ストライプ部分と整列するチャネルを有する部分的に管状の本体を備える、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目20)
前記ストライプ部分の全体を除去して、前記管状本体に沿ってチャネルを形成することを更に含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(摘要)
ステントを体腔内で展開するための方法、装置、及びシステムが記載される。ステント送達システムは、第1の材料から作製される部分的に管状の第1の部分と、第1の部分に接着されて管状本体を形成する第2の材料から作製される第2の部分と、を有するシースを含んでもよい。場合によっては、第1の材料は、第1の部分と第2の部分との間の接着が架橋結合を含まないように、第2の材料と化学的に不適合であってもよい。本ステント送達システムは、シース内に摺動可能に配設され得る遠位先端を有するガイドワイヤ内腔と、ガイドワイヤ内腔とシースの内面との間に配設された管状ステントと、を更に含んでもよい。シースは、第1の材料及び第2の材料を共押出して、シースのストライプ管状本体を形成することによって形成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
添付の図において、同様の構成要素又は特徴部は同じ参照ラベルを有する場合がある。更に、同じ種類の様々な構成要素は、参照ラベルの後に続き、同様の構成要素を区別するダッシュ及び第2のラベルによって区別される場合がある。第1の参照ラベルのみが本明細書において用いられる場合には、その説明は、第2の参照ラベルに関係なく、同じ第1の参照ラベルを有する同様の構成要素のうちの任意のものに適用可能である。
【0014】
図1】本開示の態様による、体腔へのアクセスを提供するためのシステムの分解図を示す。
【0015】
図2A】本開示の態様による、ステント送達システムを示す。
【0016】
図2B】本開示の態様による、体腔内のステント送達システムを示す。
【0017】
図3A】本開示の態様による、収納構成のステントを有するステント送達システムの斜視図を示す。
【0018】
図3B】本開示の態様による、ステントが部分的に展開した図3Aのステント送達システムの斜視図を示す。
【0019】
図3C】本開示の態様による、ステントが完全に展開した図3Aのステント送達システムの斜視図を示す。
【0020】
図4A】本開示の態様による、ライナーを有するシースの斜視図を示す。
【0021】
図4B】本開示の態様による、図4Aのシースの断面図を示す。
【0022】
図4C】本開示の態様による、図4Aのシースの上面図を示す。
【0023】
図5A】本開示の態様による、部分的な長さのライナーを有するシースの斜視図を示す。
【0024】
図5B】本開示の態様による、図5Aのシースの断面図を示す。
【0025】
図5C】本開示の態様による、図5Aのシースの上面図を示す。
【0026】
図6A】本開示の態様による、補強要素を有するシースの斜視図を示す。
【0027】
図6B】本開示の態様による、図6Aのシースの断面図を示す。
【0028】
図6C】本開示の態様による、図6Aのシースの上面図を示す。
【0029】
図7A】本開示の態様による、補強要素を有するシースの斜視図を示す。
【0030】
図7B】本開示の態様による、図7Aのシースの断面図を示す。
【0031】
図7C】本開示の態様による、図7Aのシースの上面図を示す。
【0032】
図8】本開示の態様による、シースを形成する方法のフロー図を示す。
図9】本開示の態様による、シースを形成する方法のフロー図を示す。
図10】本開示の態様による、シースを形成する方法のフロー図を示す。
図11】本開示の態様による、シースを形成する方法のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本開示は、概して、体腔内でステントを展開するように構成されたステント送達システムに関する。本ステント送達システムは、拡張可能なステントを収容するシースを含んでもよい。いったん体腔内に入ると、シースは、その長手方向に沿って分裂して、ステントがシースから拡張及び展開することを可能にするように構成されてもよい。シースは、材料が一緒に接着するが、完全には結合しない(例えば、いかなる架橋結合も形成しない)ように、2つの化学的に不適合の材料から作製されてもよい。例えば、シースは、第1の材料の部分的に管状の第1の部分、及び第1の部分に接着されて管状本体を形成する第2の材料の第2の部分から作製されてもよい。第1の材料は、第1の部分と第2の部分との間の接着が、シースが接着部位に沿って裂けることを可能にするように、第2の材料と化学的に不適合であってもよい。
【0034】
本開示の態様によれば、体腔内にステントを配置するために、内腔壁は、穿孔され得、ステント送達システムは、穴(即ち、アクセス部位)を通じて前進させられ、標的部位において(例えば、閉塞症にわたって)位置付けられてもよい。ステント送達システムからステントを展開するために、ステント送達システムの一部分は、係合されてシースを裂き、それによりシースから拡張可能なステントを解放してもよい。次いで、ステント送達システムは、同じ穴を通じて内腔外へ引き戻されてもよい。
【0035】
ステントを体腔内で展開するための装置、システム、及び方法が本明細書に記載される。例えば、ステントは、その長手方向に沿って分裂し、ステントを展開するように構成されたシース内に収容されてもよい。ガイドワイヤ内腔は、シースを通って延在してもよく、ガイドワイヤ内腔の格納時に、ガイドワイヤ内腔の遠位先端は、シースを係合し、シースを分裂させてもよい。長手方向に沿って裂くことを促進するために、シースは、長手方向シームに沿って一緒に接着される、2つの化学的に不適合の材料から作製されてもよい。2つの材料のシースは、共押出プロセスを通じて形成されてもよく、それは、ストライプ管状本体をもたらし得る。いくつかの実施例では、ライナー及び/又は補強要素は、ストライプ管状本体に追加されてもよく、本体は、リフロープロセスを受けて、ライナー及び/又は補強要素を管状本体に接着してもよい。いくつかの実施例では、本体のストライプ部分の一部分又は全体が除去されて、それにより、シースの外層内にチャネルを形成し、内側ライナーの少なくとも一部分を露出してもよい。
【0036】
これより、図面を参照しながら本開示の諸実施形態が詳細に説明される。本明細書で使用する時、用語「臨床医」は、医師、外科医、看護士、又は任意の他の医療提供者を指し、補助要員を含んでもよい。用語「近位」は、臨床医により近いデバイス又はその構成要素の部分を指すことになり、用語「遠位」は、臨床医からより遠いデバイス又はその構成要素の部分を指すことになる。
【0037】
図1は、本開示の態様による、体腔へのアクセスを提供するためのシステム100の分解図を示す。システム100は、概して、カニューレ105、ガイドワイヤ内腔135、ガイドワイヤ155、及びハンドル組立体170を含む。システム100は、個々の構成要素、選択的に組み合わせられた構成要素として、又は構成要素のキットとして一まとめにして提供することができる。カニューレ105は、カニューレハブ125が近位端部188に当接するまで、(近位端部188を通して)ハンドル組立体170内へ挿入されてもよい。組み立てられると、カニューレ105は、ハンドル組立体170を通し、シース180を通して標的体腔まで延在する。
【0038】
内腔アクセス手技中、カニューレ105は、例えば、内腔の壁を穿孔することによって、標的内腔にアクセスしてもよい。いくつかの実施例では、先鋭スタイレットは、カニューレ105と併用されて、内腔壁の穿孔を促進してもよい。例えば、先鋭スタイレットは、それがカニューレ105から突出して組織を穿孔するまで、カニューレ105を通して前進させられてもよい。いったんカニューレ105が内腔にアクセスすると、ガイドワイヤ155は、カニューレ105を通して内腔内へと前進させられてもよい。体腔内のガイドワイヤ155の正しい配置後、ガイドワイヤ内腔135は、ガイドワイヤ155上を体腔内へと前進させられてもよい。ガイドワイヤ内腔135は、拡張可能なステントを収容するように構成されたシースを含んでもよい。このようにして、シース及びステントは、ガイドワイヤ155上を体腔内へと前進させられてもよい。以下でより詳細に考察されるように、シースは、分裂するか又は裂けて、拡張可能なステントを体腔内に解放するように構成されてもよい。
【0039】
システム100は、例えば、胃腸系又は膵胆道系内の1つ以上の体腔にアクセスし、治療を提供するために用いられてもよい。システム100はまた、動脈系、気管支系、泌尿器系、又は操縦性及び精度が望まれる任意の他の内腔系などの、体内の他の器官又は内腔系へのアクセス又は治療を提供するために用いられてもよいことが理解され得る。
【0040】
本明細書に記載されているいくつかの実施例では、ハンドル170は内視鏡と連結され、カニューレ105は、治療を提供することを目的として膵胆道系と関連した1つ以上の体腔又は器官へのアクセスを提供するために、内視鏡超音波検査(EUS)を介して誘導される。例えば、システム100は、姑息的ドレナージ手技を含む、胆管内の狭窄部又は遮断物を治療するための後続の手技を促進するべく、少なくとも総胆管へのアクセスを提供するように構成されていてもよい。様々な実施形態によれば、システム100は、超音波内視鏡下胆道ドレナージ(EUS-BD)手技を実行するために用いられてもよい。特定の実施形態では、姑息的ドレナージ手技は、アクセスシステム100と併せて順行性の仕方で実行されてもよい。別の実施形態では、姑息的ドレナージ手技は、内視鏡的逆行性胆道膵管造影法(Endoscopic Retrograde Cholangiopancreatography(ERCP))「ランデブー」手技と呼ばれる、逆行性の仕方で実行されてもよい。
【0041】
システム100のカニューレ105は、細長い管状本体と、その近位端部115から遠位端部120まで延在する内部内腔110とを有する。概して、カニューレ105は、(例えば、内腔壁を穿孔することによって)体腔にアクセスし、体腔又は関連器官の後続の処置を促進するために1つ以上のデバイス(例えば、ガイドワイヤ155)が通過し得る導管を提供するように構成される。いくつかの実施形態を参照して説明されているように、カニューレ105は、ステント、生検デバイス、薬物送達要素、又は任意の数の他の処置若しくは診断デバイスの後続の送達のための体腔内におけるガイドワイヤ155の方向制御された送達を促進する特徴部を含んでもよい。
【0042】
ガイドワイヤ内腔135は、概して、近位端部140及び遠位端部145を有する細長い管状部材であり、カニューレ105の内腔110を通して、かつガイドワイヤ155上を摺動可能に前進するように寸法決定される。ガイドワイヤ内腔135はまた、カニューレ105に対するガイドワイヤ内腔135の長手方向操作又は回転操作を促進するためにガイドワイヤ内腔135の近位端部140と連結されたハブ150を含んでもよい。ある特定の実施形態では、ガイドワイヤ内腔135の遠位端部145は、先端又は隆起部分を含む。以下に記載されているように、ガイドワイヤ内腔135の遠位端部145における先端は、シースと係合して、長手方向に沿ってシースを裂くか又は別様に分裂させるように構成されてもよい。例えば、遠位端部145における先端の外径は、シースの内径よりも大きくてもよい。このようにして、ガイドワイヤ内腔135は、シースの内腔を通して近位に格納されてもよく、それは、シースを延伸させ裂かせ得る。
【0043】
ガイドワイヤ155は、概して、カニューレ105の内腔110を通して摺動可能に前進するように構成された、可撓性の細長い部材である。ガイドワイヤ155は、その全長に沿ってサイズ及び剛性が均一であってもよいか、あるいは異なる剛性の区分を含んでもよい。
【0044】
ハンドル組立体170は、概して、互いに、アクセスされた体腔、又は取り付けられた内視鏡に対するカニューレ105、ガイドワイヤ内腔135、及びガイドワイヤ155の操作を促進するように構成される。ハンドル組立体170は、近位部分188を有する近位ハンドル部材172、中央ハンドル部材174、及び遠位ハンドル部材176を含んでもよい。近位、中央、及び遠位ハンドル部材172、174、176は各々、内側内腔を含み、一緒に連結されて、ハンドル組立体170の長さ全体にわたって延在する連続的な内腔を形成する。近位ハンドル部材172は、中央ハンドル部材174の少なくとも一部分の上に摺動可能に配設されており、同様に、中央ハンドル部材174は、遠位ハンドル部材176の少なくとも一部分の上に摺動可能に配設されている。遠位ハンドル部材176はまた、内視鏡(図示されていない)のワーキングチャネルにしっかりと付着するように構成されたねじ式コネクタ要素178を含んでもよい。
【0045】
ハンドル組立体170のハンドル部材172、174、及び176のうちの1つ以上は、ステント送達システムの1つ以上の構成要素を操作するように構成されてもよい。例えば、遠位ハブは、ステント送達シース上を摺動するようにサイズ決めされた外管を前進させ、かつ格納するように構成されてもよい。例えば、遠位ハブの近位格納時に、外管は、シースに対して近位に摺動してもよく、それは、シース内に収容されたステントの全て又は一部の展開を可能にし得る。同様に、近位ハブは、シースに対してガイドワイヤ内腔135を前進させ、かつ格納するように構成されてもよい。例えば、近位ハブの近位格納時に、ガイドワイヤ内腔135は、シースの内腔を通って近位に格納してもよく、それは、シースを長手方向に裂かせるか又は分裂させ得る。中央ハブは、シース自体を前進させ、かつ格納するように構成されてもよい。このようにして、中央ハブは、体腔に対するシースの前進及びシースの操作を促進し得る。
【0046】
ハンドル組立体170はまた、遠位ハンドル部材176の遠位端部から延在する細長いシース180を含んでもよい。細長いシース180は、概して、可撓性ポリマー材料から作製され、カニューレ105又はその他の要素(例えば、ステント送達システム若しくはステント送達シース)がハンドル組立体170と体内の標的組織(例えば、胆管)との間を進み得る、連続的な導管を提供する。したがって、細長いシース180の長さ及び直径は、特定の適用に依存し得る。
【0047】
ハンドル組立体170はまた、互いに対するハンドル部材172、174、176の摺動運動を制限する1つ以上の調整特徴部を含んでもよい。例えば、ハンドル組立体170は、中央ハンドル部材174を囲むように配設されたねじ式のつまみねじ184を有するロックリング182を含んでもよい。ロックリング182は中央ハンドル部材174に沿って摺動させられ、つまみねじ184を用いて所望の位置において締められてもよい。締められると、ロックリング182は、中央ハンドル部材174に対する遠位方向への近位ハンドル部材172の運動を制限し、それにより、臨床医が、シース180の遠位端部を越えるカニューレ105又はガイドワイヤ内腔135の設定貫通深さを確立することを可能にする。同様に、つまみねじ186が、中央ハンドル部材174に対する遠位ハンドル部材176の位置をロックするように構成され、それにより、臨床医が、取り付けられた内視鏡の遠位端部を越える細長いシース180の延伸深さを設定することを可能にする。
【0048】
図2Aは、本開示の態様による、ステント送達システム200を示す。ステント送達システム200は、体腔280内にステント205を配置して、体腔280内の狭い範囲にわたる内腔流動又は遮断を元の状態に戻すように構成されてもよい。ステント送達システム200は、膵胆道系、動脈系、気管支系、泌尿器系、又はステント処置を必要とし得る任意の他の内腔系と関連する体腔などの任意の体腔280内にステント205を配置するようにサイズ決めされてもよく、又は別様に適合されてもよい。ステント送達システム200は、概して、シース210及びガイドワイヤ内腔135-aを含んでもよい。ガイドワイヤ155-aは、ステント送達システム200の一部であってもよく、又は別個の構成要素であってもよい。ステント送達システム200は、個々の構成要素、選択的に組み合わされた構成要素として、又は構成要素のキットとして全て一緒に提供され得る。
【0049】
シース210は、概して、ステント205を収容し、体腔280内でステント205を展開するようにサイズ決めされた管状構造であってもよい。シース210は、例えば、図1を参照して記載されているように、内視鏡のワーキングチャネルを通ってヒトの身体にアクセスしてもよい。理解されるように、シース210は、任意の数の生体適合性材料、又は医療用シース、カテーテルなどに好適な材料の組み合わせから作製されてもよい。更に、以下でより詳細に考察されるように、シース210は、2つの材料が接着し得るが、架橋結合を形成することができないように、2つの化学的に不適合の材料から作製されてもよい。このようにして、シース210は、2つの材料間のシームに沿って(例えば、長手方向に沿って)裂けて、ステント205を展開するように構成されてもよい。
【0050】
概して、ステント205は、体腔280内の配置のためにサイズ決めされ、かつ体腔280の内面に構造的支持を提供するように構成されたフレーム又はスキャフォールド構造である。ステント205は、炎症、腫瘍、プラークの蓄積、又は任意の他の閉塞特徴による体腔280内の狭い範囲又は遮断された範囲にわたる開存性を回復させるために使用されてもよい。膵胆道系への言及が本明細書に提供されるが、本明細書に記載されているステントが任意の体腔280で使用され得ることが理解されるべきである。
【0051】
ステント205は、任意の数の材料、材料の組み合わせ、及び構造物から作製されてもよい。例えば、ステント205は、クロスハッチ構成で一緒に結合された複数のワイヤから作製された編組ステントであってもよい。しかしながら、ステント205が、他のステント構造物又はステント構造物の組み合わせから作製されてもよいことが理解されるべきである。他の実施例では、ステント205は、可撓性の増加のために切り取られた領域を有する単一の金属管から作製されたレーザーカットステントである。更に他の実施例では、ステント205は、1つ以上の螺旋状に巻かれたワイヤによって形成されたワイヤ型ステントである。異なるステント構造物が、ある特定の構造物を特定の使用に有利な状態にし得る半径方向拡張力、可撓性、短縮の減少、又は移動抵抗などの特定の特徴を示し得ることが理解され得る。
【0052】
ステント205の個々のワイヤ又はフレームは、チタン、ニチノール、又はステンレス鋼が挙げられるが、これらに限定されない任意の数の金属材料から作製されてもよい。好適な可撓性、剛性、及び生体適合性を提供する他の金属又は非金属材料が、ステント205を構成するために使用され得ることが理解されるべきである。ステント205は、ステント205の表面の一部又は全てを覆うポリマー又は織物スリーブを含んでもよい。そのようなスリーブは、体腔280の内面をステント205の地金から保護し得、かつ組織の内部成長を防止し得る。いくつかの実施例では、ステント205は、薬剤溶出性ステントである。
【0053】
更に図2Aを参照すると、体腔280内にステント送達システム200を配置するために、アクセス穴285が、体腔280の壁190を通して形成され、次いで、ガイドワイヤ155-aが、アクセス穴285を通して体腔280内へと前進させられる。いったんガイドワイヤ155-aが定位置に置かれると、シース210及びガイドワイヤ内腔135-aは、矢印240によって示されるように、ガイドワイヤ155-a上を、アクセス穴285を通して体腔280内へと、遠位に前進させられる。
【0054】
図2Bは、本開示の態様による、体腔280内の図2Aのステント送達システム200を示す。いったん体腔280内に入ると、シース210は、長手方向に分裂して、ステント205がシース210から拡張及び展開することを可能にするように構成されてもよい。以下により詳細に記載されるいくつかの実施例では、シース210は、2つの化学的に不適合の材料から作製されてもよく、それは、シースが、2つの材料が結合するシームに沿って自然に分裂することを可能にし得る。例えば、ガイドワイヤ内腔135-aは、シース210を通して近位に格納されてもよく、それは、遠位先端245の外径がシース210の内径よりも大きい場合、シース210を分裂させ得る。シース210は、シース210の部分的な長さ又は全長にわたって延在する内部ライナーを含んでもよい。他の実施例では、シース210は、ライナーを含まなくてもよい。また、全長又は部分的な長さのライナーを含む実施例では、シースのストライプ部分の全体又は一部分(例えば、2つの化学的に不適合の材料のうちの1つによって形成されたストライプ部分)は、シースを体腔内に入れる前にシースから除去されてもよい。
【0055】
図3Aは、本開示の態様による、収納構成のステント205-aを有するステント送達システム300の斜視図を示す。ステント送達システム300は、体腔内にステント205-aを配置して、体腔内の狭い範囲にわたる内腔流動又は遮断を元の状態に戻すように構成されてもよい。ステント送達システム300は、概して、シース210-a、ステント205-a、及びガイドワイヤ内腔305を含む。ガイドワイヤ内腔305は、ガイドワイヤ155上を前進するようにサイズ決めされた内部内腔を含んでもよく、図1図2を参照して記載されるように、ガイドワイヤ内腔135-aの一実施例であってもよい。ガイドワイヤ155は、図1図2Aを参照して記載されるように、ガイドワイヤ内腔305の内腔を通って延在してもよい。場合によっては、ガイドワイヤ内腔305は、遠位先端310を含んでもよい。いくつかの実施例では、ステント205-aは、圧縮され、シース210-aの内面とガイドワイヤ内腔305との間に位置付けられてもよく、それは、サイドサドル構成(例えば、図3Aに示されるような)と称されてもよい。つまり、サイドサドル構成で、ガイドワイヤ内腔305は、ステント205-aの内腔を通って延在しない。
【0056】
場合によっては、シース210-aは、ジャケット315を含んでもよい。ジャケット315は、シース210-aの部分的に管状の第1の部分を指し得る。つまり、ジャケット315は、シース210-aの管状本体の実質的な部分を形成し得るが、完全に管状のそれ自体になり得ない。場合によっては、ジャケット315は、シース210-a内のステント205-aの半径方向拡張力に抵抗するのに十分剛性であってもよい。ジャケット315は、熱可塑性エラストマーなどの様々な材料から製造されてもよい。例示的な熱可塑性エラストマー材料としては、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)が挙げられるが、これに限定されない。例えば、ジャケット315は、熱可塑性及びエラストマー特性を有するコポリマー材料を含んでもよい。いくつかの実施例では、ジャケット315は、ジャケット315の材料内で溶融されて、追加の半径方向強度を提供する、補強要素を含んでもよい。
【0057】
シース210-aは、ストライプ320(本明細書において、シースの管状本体のストライプ部分とも称される)を含んでもよい。ストライプ320は、シース210-aの管状本体の長手方向軸に沿って配向されてもよい。ストライプ320は、ジャケット315に接着して、シース210-aの管状本体を形成してもよい。ストライプ320は、ポリマーなどの様々な材料から製造されてもよい。例示的なポリマー系材料としては、高密度ポリエチレン(HDPE)が挙げられるが、これに限定されない。例えば、ストライプ320は、非分岐鎖、直鎖ポリエチレンポリマーの鎖を特徴とする材料からなってもよい。
【0058】
図3Bは、本開示の態様による、ステント205-aが部分的に展開した図3Aのステント送達システム300の斜視図を示す。ガイドワイヤ内腔305の遠位先端310は、シース210-aの裂けを促進するように構成されてもよい。例えば、遠位先端310の外径は、シース210-aの内径よりも大きくてもよい。このようにして、遠位先端310がシース210-aを通して近位に引っ張られると、遠位先端310は、シース210-aを延伸させ、シース210-aを裂かせてもよい。シース210-aが裂けると、ステント205-aは、図3Bに示されるように、シース210-aから体腔内へと展開し始めてもよい。いくつかの実施例では、シース210-aは、遠位先端310が近位方向に格納されると、シース210-aの裂けを促進するように刻み目があってもよい。
【0059】
場合によっては、ステント205-aの近位端部は、遠位先端310の格納前に展開されてもよい。場合によっては、外管は、ステント送達システム300の近位端部上に位置してもよい。シース210-aは、ステント205-aが部分的に展開し得るシース210-aの近位端部において、オープンポケット又はスリットを含んでもよい。例えば、オープンポケットは、外管がステント送達システム300の近位端部上に位置する時に、ステント205-aを収容し、外管がステント送達システム300の近位端部から引っ張られた時に、ステントを展開するように構成されてもよい。外管が近位方向に格納された時に、ステント205-aの近位端部は、シース210-aのオープンポケットを通って展開してもよい。つまり、ステント205-aは、体腔内の穿刺部位の少なくとも一部分を覆ってもよい。
【0060】
場合によっては、ジャケット315の材料は、ストライプ320の材料と化学的に不適合であってもよい。2つの材料が化学的に不適合である場合、それらは、一緒に接着し得るが(例えば、共押出、リフロー、又は同様の管形成プロセスの結果として)、接着は、完全な又は化学的に適合性の結合と見なされ得ない。例えば、2つの化学的に不適合の材料の異なる化学構造のため、ジャケット315とストライプ320との間の接着は、架橋結合を含み得ない。場合によっては、ジャケット315とストライプ320との間の接着は、イオン又は共有結合を含み得ない。対照的に、ジャケット315の材料及びストライプ320の材料が化学的に適合する場合、2つの材料は、一緒に融解し、加熱又はリフロープロセスの結果として架橋結合を形成する。
【0061】
したがって、2つの材料間の化学的に不適合の接着のため、近位方向への遠位先端310の格納は、シース210-aがストライプ320に沿って裂けることを可能にし得る。他の実施例では、ジャケット315及びストライプ320は、結合性を欠いた異種の材料からなってもよい。例えば、不適合の積層は、ジャケット315及びストライプ320の異なるポリマー系化学物質によるものであり得る。加えて、ジャケット315の材料及びストライプ320の材料を製造するための重合プロセスのための化学反応を開始するために使用される触媒は、異なり得る。
【0062】
図3Cは、本開示の態様による、ステント205-aが完全に展開した図3Aのステント送達システム300の斜視図を示す。いくつかの実施例では、ステント送達システム300からステント205-aを完全に展開するために、ガイドワイヤ内腔305及び遠位先端310は、近位に引き出されて、シース210-aを完全に裂く。シース210-aが裂かれ、ステント205-aが体腔内で完全に拡張された後に、シース210-aは、近位に引き出されてもよい(例えば、アクセス部位を通して戻る)。ステント205-aが、シース210-aの内面とガイドワイヤ内腔305との間にサイドサドル構成で位置するため、遠位先端310が近位に引き出されると、ステント205は、シース210-aの遠位端部から押し出される。自己拡張型ステントの場合、ステント205-aは、それがシース210-aを出ると、拡張して体腔の内部表面と接触する。
【0063】
図4Aは、本開示の態様による、ライナー405を有するシース400の斜視図を示す。上記の通り、シース400は、2つの異なる部分から作製されてもよく、それぞれがジャケット315-a及びストライプ320-aなどの異なる材料から作製されてもよい。シース400は、2つの化学的に不適合の材料間でその長手方向に沿って分裂するように設計されてもよい。シース400は、図2図3を参照して記載されるシース210の一実施例であってもよい。様々な実施例によれば、シース400は、図3を参照して記載されるように、ステントを展開するために使用されてもよい。
【0064】
場合によっては、ライナー405は、シース400の管状本体内に配設されてもよい。ライナー405の長さは、シース400の長さと等しくてもよく、ライナー405は、シース400の管状本体の全周を裏打ちしてもよい。ライナー405は、リフロー又は同様の融解プロセス中に、ジャケット315-aの材料に結合し得る潤滑性材料からなってもよい。ライナー405は、ストライプ320-aの材料に結合し得ない潤滑性材料からなってもよい。ライナー405の例示的な材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が挙げられるが、これに限定されない。
【0065】
図4Bは、本開示の態様による、シース400の断面図を示す。シース400は、ジャケット315-aの材料及びストライプ320-aの材料を共押出して、シース400のストライプ管状本体を形成することによって製造されてもよい。ライナー405は、シース400のストライプ管状本体内に位置付けられてもよい。以下により詳細に記載されるように、シース400を形成するために、ライナー405は、マンドレル(図示されていない)上に搭載されてもよく、次いで、シース400の管状本体は、熱収縮管材料で巻かれてもよい。
【0066】
ライナー405をジャケット315-aに接着するために、シース400の管状本体は、リフローされてもよい。例えば、ジャケット315-a及びストライプ320-aを含むシース400のストライプ管状本体は、熱風又はグローリングを使用して一緒に溶融されてもよい。いくつかの実施例では、ライナー405は、ジャケット315-aの表面に接着してもよい。次いで、熱収縮管材料が除去されてもよく、場合によっては、ストライプ320-aがシース400の管状本体から除去され、それにより、シース400に沿ってチャネルを形成し、ライナー405を露出してもよい。
【0067】
図4Cは、本開示の態様による、シース400の上面図を示す。場合によっては、ストライプ320-aは、患者内の埋め込み前にシース400から除去されてもよい。例えば、ストライプ320-aは、患者内の埋め込み前にライナー405を露出するために除去されてもよい。他の実施例では、ストライプ320-aは、患者内の埋め込みのためにシース210-b内に保持されてもよい。例えば、ライナー405がシース400に存在しない実施例では、ストライプ320-aは、患者内の埋め込み前にシース400の一部として保持されてもよい。
【0068】
図5Aは、本開示の態様による、部分的な長さのライナー405-aを有するシース500の斜視図を示す。上記の通り、シース500は、ジャケット315-b及びストライプ320-bなどの2つの異なる部分から作製されてもよい。シース500は、2つの化学的に不適合の材料間でその長手方向に沿って分裂するように設計されてもよい。シース500は、上記の任意のシースの一実施例であってもよい。様々な実施例によれば、シース500は、図3を参照して記載されるように、ステントを展開するために使用されてもよい。
【0069】
場合によっては、ライナー405-aは、シース500の管状本体内に配設されてもよい。ライナー405-aの長さは、シース500の長さ未満であってもよく、ライナー405-aは、シース500の長さ未満の長さにわたって、シース500の管状本体の全周を裏打ちしてもよい。ライナー405-aは、ジャケット315-bの材料に結合し得える潤滑性材料からなってもよい。他の場合では、ライナー405-aは、ストライプ320-bの材料に結合し得ない潤滑性材料からなってもよい。ライナー405-aの例示的な材料としては、PTFEが挙げられるが、これに限定されない。
【0070】
図5Bは、本開示の態様による、シース500の断面図を示す。500は、ジャケット315-bの材料及びストライプ320-bの材料を共押出して、シース500のストライプ管状本体を形成することによって製造されてもよい。場合によっては、ライナー405-aは、シース500のストライプ管状本体内に位置付けられてもよい。ライナー405-aは、マンドレル(図示されていない)の一部分上に搭載されてもよく、次いで、シース500の管状本体は、リフロープロセスに備えて、熱収縮管材料で巻かれてもよい。ストライプ320-bがライナー405-aの全体又は一部分と重なってもよいことが理解され得る。場合によっては、リフロープロセス後、ストライプ320-bは、ライナー405-aと重なるシース500の管状本体から除去されてもよい。そのような実施例では、シース500は、ライナー405-aの長さを延在するチャネルを有し、次いで、シース500の長さの残りにわたって固体管状本体を有する。部分的に除去されたストライプ320-bは、シース500の裂けを促進し得ると同時に、ガイドワイヤ内腔の遠位先端(図3を参照して記載されるような)が、シース500の長さに等しいライナー405の長さを通って裂けることを必要としない。
【0071】
図5Cは、本開示の態様による、シース500の上面図を示す。場合によっては、ライナー405と重なるストライプ320-bの部分は、患者内の埋め込み前にシース500から除去されてもよい。ストライプ320-bは、ライナーチャネル505によって示されるように、ライナー405-aのチャネルを露出するために除去されてもよい。場合によっては、ライナー405-aを有するシース500の部分は、ガイドワイヤ内腔の遠位先端の格納前に、シース500内でステントの遠位端部を保持するのに十分な半径方向強度を有し得る。遠位先端の格納後、ライナー405-aを有するシース500の部分は裂けて、ステントを完全に展開してもよい。遠位先端が、ライナー405-aを有しないシース500の部分に達した時、ステントは、シース500に対するステントの半径方向力により、自己展開し得る。
【0072】
図6Aは、本開示の態様による、補強要素605を有するシース600の斜視図を示す。シース600はまた、ライナー405-bを含んでもよい。しかしながら、いくつかの実施例では、シースは、ライナー405-bの代わりに補強要素605を含んでもよい。上記の通り、シース600は、ジャケット315-c及びストライプ320-cなどの2つの異なる材料から作製されてもよい。シース600は、2つの化学的に不適合の材料間でその長手方向に沿って分裂するように設計されてもよい。シース600は、上記の任意のシースの一実施例であってもよい。様々な実施例によれば、シース600は、図3を参照して記載されるように、ステントを展開するために使用されてもよい。
【0073】
場合によっては、ライナー405-bは、シース600の管状本体内に配設されてもよい。上記の通り、ライナー405-bの長さは、シース600の長さに等しくてもよく、又はシース600の長さ未満であってもよい。ライナー405-bは、ジャケット315-cの材料に結合し得える潤滑性材料からなってもよい。ライナー405-bは、ストライプ320-cの材料に結合し得ない潤滑性材料からなってもよい。ライナー405-bの例示的な材料としては、PTFEが挙げられるが、これに限定されない。
【0074】
補強要素605は、ジャケット315-cの第1の部分と連結されてもよく、補強要素605は、ストライプ320-cと整列するチャネルを有する部分的に管状の本体からなってもよい。補強要素605は、編組フレーム構造から作製されてもよい。例えば、補強要素は、その長手方向に沿って切断されたチャネルを有する編組管から作製されてもよい。いくつかの実施例では、補強要素605は、クロスハッチ構成で一緒に結合された複数のワイヤから作製されてもよい。補強要素605は、金属(例えば、ステンレス鋼、ニチノール)、又は様々な構造ポリマーが挙げられるが、これらに限定されない、種々な材料から作製されてもよい。
【0075】
図6Bは、本開示の態様による、シース600の断面図を示す。上記の通り、シース600は、ジャケット315-cの材料及びストライプ320-cの材料を共押出して、シース600のストライプ管状本体を形成することによって製造されてもよい。ライナーを用いた実施例では、ライナー405-bは、シース600内に位置付けられ、シース600のストライプ管状本体に接着されてもよい。形成プロセスの一部として、リフロープロセス前に、補強要素605は、ライナー405-bとシース600のストライプ管状本体との間に位置付けられてもよい。次いで、シース600の管状本体は、熱収縮管材料で巻かれてもよい。
【0076】
ライナー405-bをジャケット315-cに接着するために、シース600の管状本体は、リフローされてもよい。例えば、シース600のストライプ管状本体は、熱風又はグローリングを使用して一緒に溶融されてもよい。場合によっては、ジャケット315-c、ストライプ320-c、及びライナー405-bの材料は、加熱又はリフロープロセス中に融解し、補強要素605の周囲を流動してもよい。次いで、熱収縮管材料が除去されてもよく、場合によっては、ストライプ320-cがシース600の管状本体から除去されてもよい。
【0077】
図6Cは、本開示の態様による、シース600の上面図を示す。場合によっては、ストライプ320-cは、患者内の埋め込み前に、シース600から完全に又は部分的に除去されてもよい。他の実施例では、ストライプ320-cは、シース600内に保持されてもよい。上述のように、補強要素605は、展開前にシース内でステントを保持するのを補助するために、半径方向強度を提供してもよい。
【0078】
図7Aは、本開示の態様による、補強要素705を有するシース700の斜視図を示す。シース700は、ライナー405-cを含んでもよい。しかしながら、いくつかの実施例では、シース700は、ライナー405-cの代わりに補強要素705を含んでもよい。上記の通り、シース700は、ジャケット315-d及びストライプ320-dなどの2つの異なる材料から作製されてもよい。シース700は、2つの化学的に不適合の材料間でその長手方向に沿って分裂するように設計されてもよい。シース700は、上記の任意のシースの一実施例であってもよい。様々な実施例によれば、シース700は、図3を参照して記載されるように、ステントを展開するために使用されてもよい。
【0079】
補強要素705は、コイル状フレームであってもよい。例えば、コイル状フレームは、ニチノールワイヤをマンドレルの周囲でヒートセットして、一連のS形状又はCリングを形成することによって形成されてもよい。
【0080】
図7Bは、本開示の態様による、シース700の断面図を示す。シース700は、ジャケット315-dの材料及びストライプ320-dの材料を共押出して、シース700のストライプ管状本体を形成することによって製造されてもよい。ライナー405-cは、シース700のストライプ管状本体内に位置付けられてもよく、補強要素705は、熱収縮管材料及び熱風源を用いて、ジャケット315-d、ストライプ320-d、及びライナー405-cと溶融されてもよい。次いで、熱収縮管材料は、除去されてもよい。
【0081】
図7Cは、本開示の態様による、シース700の上面図を示す。場合によっては、ストライプ320-dは、患者内の埋め込み前にシース700から除去されてもよい。例えば、ストライプ320-dは、ライナー405-cを露出するために除去されてもよい。
【0082】
図8は、本開示の態様による、シースを形成するための方法800のフローチャートを示す。ブロック805において、本方法は、第1の材料及び第2の材料を共押出して、ストライプ管状本体を形成することを含んでもよく、ストライプ管状本体は、部分的に管状の部分及びストライプ部分を含み、部分的に管状の部分は、第1の材料を含み、ストライプ部分は、第2の材料を含み、第1の材料は、部分的に管状の部分とストライプ部分との間の接着が架橋結合を含まないように、第2の材料と化学的に不適合である。ストライプ管状本体は、図2図7を参照して記載されるシースのストライプ管状本体の一実施例であってもよい。例えば、上記の通り、第1の材料は、PEBAであってもよく、第2の材料は、HDPEであってもよい。
【0083】
ブロック810において、本方法は、管状ライナーをストライプ管状本体内に位置付けることを含んでもよい。管状ライナーは、図2図7を参照して記載される管状ライナーのうちのいずれかの一実施例であってもよい。例えば、上記の通り、管状ライナーは、PTFEから作製されてもよい。いくつかの実施例では、管状ライナーをストライプ管状本体内に位置付けることは、マンドレル上にライナーを搭載し、次いで、ライナー上にストライプ管状本体を搭載することを含んでもよい。
【0084】
ブロック815において、本方法は、ストライプ管状本体を熱収縮管材料で巻くことを含んでもよい。ブロック820において、本方法は、ストライプ管状本体及び管状ライナーをリフローすることを含んでもよい。いくつかの実施例では、リフロープロセスは、熱風又はグローリングを使用することを含んでもよい。リフロープロセスと関連した温度及び持続時間が、ストライプ管状本体及び管状ライナーの材料組成及びサイズに依存し得ることが理解され得る。
【0085】
ブロック825において、本方法は、熱収縮管材料、及びストライプ管状本体のストライプ部分の少なくとも一部分を除去することを含んでもよい。上述のように、いくつかの実施例では、ストライプ部分の全体が除去され、管状本体の長手方向に沿ってチャネルを残してもよい。他の実施例では、ストライプ部分の一部分のみが除去される。更に他の実施例では、ストライプ部分は、管状本体上に保持されてもよい。
【0086】
図9は、本開示の態様による、シースを形成するための方法900のフローチャートを示す。ブロック905において、本方法は、第1の材料及び第2の材料を共押出して、ストライプ管状本体を形成することを含んでもよく、ストライプ管状本体は、部分的に管状の部分及びストライプ部分を含み、部分的に管状の部分は、第1の材料を含み、ストライプ部分は、第2の材料を含み、第1の材料は、部分的に管状の部分とストライプ部分との間の接着が架橋結合を含まないように、第2の材料と化学的に不適合である。ストライプ管状本体は、図2図7を参照して記載されるシースのストライプ管状本体の一実施例であってもよい。例えば、上記の通り、第1の材料は、PEBAであってもよく、第2の材料は、HDPEであってもよい。
【0087】
ブロック910において、本方法は、管状ライナーをストライプ管状本体内に位置付けることを含んでもよい。いくつかの実施例では、管状ライナーの長さは、ストライプ管状本体の長さ未満であってもよい。例えば、管状ライナーは、図5を参照して記載される管状ライナーの一実施例であってもよい。上記の通り、管状ライナーは、PTFEから作製されてもよい。いくつかの実施例では、管状ライナーをストライプ管状本体内に位置付けることは、マンドレル上にライナーを搭載し、次いで、ライナー上にストライプ管状本体を搭載することを含んでもよい。
【0088】
ブロック915において、本方法は、ストライプ管状本体を熱収縮管材料で巻くことを含んでもよい。ブロック920において、本方法は、ストライプ管状本体及び管状ライナーをリフローすることを含んでもよい。いくつかの実施例では、リフロープロセスは、熱風又はグローリングを使用することを含んでもよい。リフロープロセスと関連した温度及び持続時間が、ストライプ管状本体及び管状ライナーの材料組成及びサイズに依存し得ることが理解され得る。
【0089】
ブロック925において、本方法は、熱収縮管材料、及びストライプ管状本体のストライプ部分の少なくとも一部分を除去することを含んでもよい。例えば、管状ライナーと重なるストライプ部分の部分のみが、図5を参照して記載されるように除去されてもよい。
【0090】
図10は、本開示の態様による、シースを形成するための方法1000のフローチャートを示す。ブロック1005において、本方法は、第1の材料及び第2の材料を共押出して、ストライプ管状本体を形成することを含んでもよく、ストライプ管状本体は、部分的に管状の部分及びストライプ部分を含み、部分的に管状の部分は、第1の材料を含み、ストライプ部分は、第2の材料を含み、第1の材料は、部分的に管状の部分とストライプ部分との間の接着が架橋結合を含まないように、第2の材料と化学的に不適合である。ストライプ管状本体は、図2図7を参照して記載されるシースのストライプ管状本体の一実施例であってもよい。例えば、上記の通り、第1の材料は、PEBAであってもよく、第2の材料は、HDPEであってもよい。
【0091】
ブロック1010において、本方法は、管状ライナーをストライプ管状本体内に位置付けることを含んでもよい。管状ライナーは、図2図7を参照して記載される管状ライナーのうちのいずれかの一実施例であってもよい。例えば、上記の通り、管状ライナーは、PTFEから作製されてもよい。いくつかの実施例では、管状ライナーをストライプ管状本体内に位置付けることは、マンドレル上にライナーを搭載し、次いで、ライナー上にストライプ管状本体を搭載することを含んでもよい。
【0092】
ブロック1015において、本方法は、ストライプ管状本体を熱収縮管材料で巻くことを含んでもよい。ブロック1020において、本方法は、ストライプ管状本体及び管状ライナーをリフローすることを含んでもよい。いくつかの実施例では、リフロープロセスは、熱風又はグローリングを使用することを含んでもよい。リフロープロセスと関連した温度及び持続時間が、ストライプ管状本体及び管状ライナーの材料組成及びサイズに依存し得ることが理解され得る。
【0093】
ブロック1025において、本方法は、熱収縮管材料、及びストライプ管状本体のストライプ部分の全体を除去して、ストライプ管状本体に沿ってチャネルを形成することを含んでもよい。チャネルは、ストライプ管状本体の長さに沿ってライナーを露出してもよい。
【0094】
図11は、本開示の態様による、シースを形成するための方法1100のフローチャートを示す。ブロック1105において、本方法は、第1の材料及び第2の材料を共押出して、ストライプ管状本体を形成することを含んでもよく、ストライプ管状本体は、部分的に管状の部分及びストライプ部分を含み、部分的に管状の部分は、第1の材料を含み、ストライプ部分は、第2の材料を含み、第1の材料は、部分的に管状の部分とストライプ部分との間の接着が架橋結合を含まないように、第2の材料と化学的に不適合である。ストライプ管状本体は、図2図7を参照して記載されるシースのストライプ管状本体の一実施例であってもよい。例えば、上記の通り、第1の材料は、PEBAであってもよく、第2の材料は、HDPEであってもよい。
【0095】
ブロック1110において、本方法は、管状ライナーをストライプ管状本体内に位置付けることを含んでもよい。管状ライナーは、図2図7を参照して記載される管状ライナーのうちのいずれかの一実施例であってもよい。例えば、上記の通り、管状ライナーは、PTFEから作製されてもよい。いくつかの実施例では、管状ライナーをストライプ管状本体内に位置付けることは、マンドレル上にライナーを搭載し、次いで、ライナー上にストライプ管状本体を搭載することを含んでもよい。
【0096】
ブロック1115において、本方法は、補強要素を管状ライナーとストライプ管状本体との間に位置付けることを含んでもよい。いくつかの実施例では、補強要素が、ストライプ管状本体が搭載される前に、ライナー上のマンドレル上に搭載されてもよい。他の実施例では、補強要素が、ライナー及びストライプ管状本体がマンドレル上に搭載される前に、マンドレル上に搭載されてもよい。上記の通り、補強要素は、編組ケージ構造又はコイル状ワイヤ構造を含んでもよい。
【0097】
ブロック1120において、本方法は、ストライプ管状本体を熱収縮管材料で巻くことを含んでもよい。ブロック1125において、本方法は、ストライプ管状本体及び管状ライナーをリフローすることを含んでもよい。いくつかの実施例では、リフロープロセスは、熱風又はグローリングを使用することを含んでもよい。リフロープロセスにより、ストライプ管状本体及びライナーの材料は、補強要素の周囲で融解し、補強要素を封入してもよい。リフロープロセスと関連した温度及び持続時間が、ストライプ管状本体及び管状ライナーの材料組成及びサイズに依存し得ることが理解され得る。
【0098】
ブロック1130において、本方法は、熱収縮管材料、及びストライプ管状本体のストライプ部分の少なくとも一部分を除去することを含んでもよい。上述のように、いくつかの実施例では、ストライプ部分の全体が除去され、管状本体の長手方向に沿ってチャネルを残してもよい。他の実施例では、ストライプ部分の一部分のみが除去される。更に他の実施例では、ストライプ部分は、管状本体上に保持されてもよい。
【0099】
これらの方法は可能な実装形態を説明しており、動作及びステップは配列し直されるか、又は他の仕方で変更されてもよく、そのため、他の実装形態も可能であることに留意されたい。いくつかの例では、方法のうちの2つ以上からの態様が組み合わせられてもよい。例えば、方法の各々の態様は、他の方法のステップ又は態様、あるいは本明細書に記載されている他のステップ又は技法を含んでもよい。
【0100】
本明細書における説明は、当業者が本開示を作製すること、又は用いることを可能にするために提供される。開示に対する様々な変更は当業者に容易に明らかになり、本明細書において定義されている一般原理は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の変形例にも適用され得る。それゆえ、本開示は、本明細書に記載されている例及び設計に限定されず、本明細書に開示されている原理及び新規の特徴と矛盾しない最も広い範囲を与えられるべきである。
【0101】
本開示のいくつかの実施形態が本明細書において説明され、図解されたが、当業者であれば、本明細書に記載されている機能を実行するか、又は結果、若しくは利点のうちの1つ以上を得るための種々の他の手段又は構造に容易に想到することになり、このような変形又は変更の各々は、本開示の範囲内に含まれると見なされる。より一般的には、当業者であれば、本明細書に記載されている全てのパラメータ、寸法、材料、及び構成は、例示であることを意図されており、実際のパラメータ、寸法、材料、又は構成は、本開示の教示が用いられる特定の適用物又は適用物群に依存することになることを容易に理解するであろう。
【0102】
当業者であれば、本明細書に記載されている本開示の特定の実施形態の多くの等価物を認識するか、又はせいぜい日常的な実験を用いてそれを確認することができるであろう。したがって、上述の実施形態は例としてのみ提示されており、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内において、本開示は、具体的に説明され、クレームされているものとして以外の仕方で実施され得ることが理解されるべきである。本開示は、本明細書に記載されている各々の個々の特徴、システム、物品、材料、キット、又は方法に関する。加えて、2つ以上のこのような特徴、システム、物品、材料、キット、又は方法のいかなる組み合わせも、このような特徴、システム、物品、材料、キット、又は方法が相互に矛盾しない限り、本開示の範囲内に含まれる。
【0103】
全ての定義は、本明細書で定義し、使用する時、辞書の定義、参照により組み込まれた文献内での定義、又は定義された用語の通常の意味に優先すると理解されるべきである。
【0104】
不定冠詞「a」及び「an」は、本明細書及び特許請求の範囲で使用する時、相反する明確な指示がない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。また、特許請求の範囲を含めて、本明細書で使用する時、項目のリスト(例えば、「~のうちの少なくとも1つ(at least one of)」又は「1つ以上の(one or more)」などの
語句によって始まる項目のリスト)内で使用される時の「又は(or)」は、包括的リストを指示する。そのため、例えば、A、B、又はCのうちの少なくとも1つのリストは、A又はB又はC又はAB又はAC又はBC又はABC(即ち、AかつBかつC)を意味する。
【0105】
本明細書全体にわたる「一実施形態(one embodiment)」又は「一実施形態(an embodiment)」への言及は、その実施形態に関して説明されている特定の特徴、構造、又は
特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。それゆえ、本明細書全体を通じた様々な箇所における語句「一実施形態では(in one embodiment)」又は「一実
施形態では(in an embodiment)」の出現は必ずしも全て、同じ実施形態に言及しているわけではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は1つ以上の実施形態において任意の好適な様態で組み合わせられ得る。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11