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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】射出成形機用の型閉鎖ユニット
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/64 20060101AFI20221115BHJP
【FI】
B29C45/64
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020506784
(86)(22)【出願日】2018-08-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-10-15
(86)【国際出願番号】 EP2018071338
(87)【国際公開番号】W WO2019030203
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2021-07-20
(31)【優先権主張番号】102017117934.8
(32)【優先日】2017-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510332006
【氏名又は名称】アールブルク ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】ドゥフナー、エバーハルト
(72)【発明者】
【氏名】ブレッシャー、ライナー
【審査官】瀧口 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-320948(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0174038(US,A1)
【文献】特開2001-212858(JP,A)
【文献】特開平07-195473(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックおよび他の可塑性材料を加工するための射出成形機用の型閉鎖ユニット(10)であって、
該型閉鎖ユニット(10)は、
・少なくとも1つの機械ベッド(20)、
・前記機械ベッド(20)上に配置された少なくとも1つの定置型締プレート(14)、
・前記機械ベッド上に前記定置型締プレート(14)に対向して可動に配置された可動型締プレート(16)、但し、該可動型締プレート(16)は、案内シュー(26)を有するキャリッジ(22)上に取り付けられており、前記定置型締プレート(14)と共に型締空間(R)内に配置可能な射出成形型(12)の型閉鎖をするよう及び型閉鎖を解除するよう、前記機械ベッド(20)に取り付けられた少なくとも1つの案内部(24)に沿って運動可能であり、及び、
・前記可動型締プレート(16)に運動のための及び前記型閉鎖ユニット(10)の開放/閉鎖のための少なくとも1つの駆動機構(44)、但し、該駆動機構(44)は、少なくとも1つの駆動モータ(32)によって駆動される少なくとも1つのラック駆動部(38)を有し、該ラック駆動部(38)は、少なくとも1つの歯車(36)と該歯車と協働する少なくとも1つのラック(34)とを有する、
を含み、
少なくとも2つのラック(34)は前記機械ベッド(20)に固定的に結合されていること、
前記駆動モータ(32)は、前記キャリッジ(22)に固定的に結合されており、前記可動型締プレート(16)の運動時、該可動型締プレート(16)と同期して同じ方向に運動すること、
前記キャリッジ(22)は、傾動力の検出のための少なくとも1つの負荷センサ(40)を有すること、
該少なくとも1つの負荷センサ(40)は、前記駆動機構(44)を傾動力に応じて制御するよう構成された少なくとも1つの制御ユニット(C)と接続していること
を特徴とする型閉鎖ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の型閉鎖ユニットにおいて、
前記少なくとも1つの駆動モータ(32)は、前記可動型締プレート(16)の運動のためにも、前記型閉鎖ユニット(10)の開放および閉鎖のためにも使用されていること
を特徴とする型閉鎖ユニット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の型閉鎖ユニットにおいて、
前記射出成形型(12)の型閉鎖の際に閉鎖力を生成するための閉鎖力形成ユニット(50)が設けられており、前記閉鎖力形成ユニット(50)は、前記型閉鎖ユニットの定置の要素に取り付けられていること
を特徴とする型閉鎖ユニット。
【請求項4】
請求項に記載の型閉鎖ユニットにおいて、
前記閉鎖力形成ユニット(50)は、前記定置型締プレート(14)に取り付けられていること
を特徴とする型閉鎖ユニット。
【請求項5】
請求項1からのいずれか一項に記載の型閉鎖ユニットにおいて、
前記駆動機構(44)は、少なくとも1つのブレーキ(28,30)を有すること
を特徴とする型閉鎖ユニット。
【請求項6】
請求項1からのいずれか一項に記載の型閉鎖ユニットにおいて、
前記駆動機構(44)は、少なくとも2つの駆動モータ(32)を有し、該少なくとも2つの駆動モータ(32)は、夫々対応するラック駆動部(38)の歯車(36)を互いに独立に駆動すること
を特徴とする型閉鎖ユニット。
【請求項7】
請求項1からのいずれか一項に記載の型閉鎖ユニットにおいて、
前記駆動機構(44)は、4つの駆動モータ(32)を有し、該4つの駆動モータ(32)は夫々対応するラック駆動部(38)の歯車(36)を互いに独立に駆動すること
を特徴とする型閉鎖ユニット。
【請求項8】
請求項1からのいずれか一項に記載の型閉鎖ユニットにおいて、
前記駆動機構(44)は、前記少なくとも2つのラック駆動部(38)と作用結合する少なくとも1つのシャフト(42)を駆動する少なくとも1つの駆動モータ(32)を有すること
を特徴とする型閉鎖ユニット。
【請求項9】
請求項1からのいずれか一項に記載の型閉鎖ユニットにおいて、
前記ラック(34)は、前記案内部(24)の下方に配置されていること
を特徴とする型閉鎖ユニット。
【請求項10】
請求項に記載の型閉鎖ユニットにおいて、
前記ラック(34)は、前記可動型締プレート(16)のための案内部(24)によってカバーされていること
を特徴とする型閉鎖ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本発明は、2017年8月17日付提出のドイツ特許願102017117934.8号に関連し、その優先権を主張するものであり、その開示内容は、その全体が明示的に本出願の対象とされる。
【0002】
本発明は、請求項1の上位概念による、プラスチックおよび他の可塑性材料、例えばセラミック材料または粉体材料を加工するための射出成形機用の型閉鎖ユニットに関する。
【0003】
本発明の枠内で、ラック駆動部とは、少なくとも1つのラックと、少なくとも1つのラックと協働する少なくとも1つの歯車またはピニオンとを有する駆動部であると理解され、駆動モータは少なくとも1つの歯車またはピニオンを駆動する。これにより、基本的に、例えば貫通するシャフトと結合されている2つの歯車を備える1つのモータが2つのラックに噛合することもでき、モータにより駆動されるそれぞれ1つの歯車が割り当てられている複数の、例えば4つのモータが駆動のために2つのラックに噛合することもできる。
【0004】
本発明の枠内で「型閉鎖(Formschluss)」とは、型締プレートに取り付けられ、型締空間内に格納された射出成形型において、射出成形型の部分(複数)が互いに隣接している射出成形機の状態であると理解され、これは、射出成形型が存在する場合における型締プレート(複数)間の最小の間隔に相当する。この状態において、規則的に、閉鎖力がもたらされ、可塑化された材料が射出成形型の型枠中空空間に射出される。
【背景技術】
【0005】
射出成形機の型閉鎖ユニットを射出過程の後に開放し、あるいは射出過程の前に閉鎖するためには、型締プレートの少なくとも1つを移動しなければならない。射出成形機のデッドタイムを可及的に小さく維持し、これにより十分な生産性を得るために、型閉鎖ユニットの迅速な開放と閉鎖が望まれる。しかし型締プレートは射出成形機の大きさに応じて大きな重量を有するため、このことは非常に注意深く慎重に行わなければならない。なぜならそうでないと、型閉鎖ユニットの型閉鎖(型締め)の際に2つの型締プレートの平行な型閉鎖が保証されず、そのため、射出成形の結果が不良となり得、射出成形機の損傷も生じ得るからである。更に、閉鎖力および開放力の導入は対角に配置された液圧シリンダを介して行われることが多いが、このことは、型締プレートへのアクセス性が制限されることにつながる。さらに、型締プレートの重量が大きいため、可動の型締プレートの傾斜モーメント(トルク)が生じることがあり、このことは、2つの型締プレートが平行ではなく、傾いて閉鎖されることとして現れ得る。
【0006】
請求項1の上位概念の基礎となるEP 0 427 438 B1から、射出成形機用の駆動アセンブリが既知である。この駆動アセンブリでは型プレートの少なくとも1つに少なくとも1つのモータ、このモータにより駆動される少なくとも1つの歯車セットおよびラックを備える線形(リニア)駆動ユニットの形態の駆動ユニットが設けられている。ラックは、モータと歯車セットにより駆動され、歯車とラックの少なくとも一部分はケーシング内部に配置されている。
【0007】
WO 2016/202509 A1から、射出成形機用のトグルレバー閉鎖ユニットが既知である。走行可能なクロスヘッドはトグルレバーを介して可動の型締プレートと作用結合している。クロスヘッドはラック駆動部のような電気駆動部によって走行される。さらに、電気駆動部に加えて、少なくとも1つの液圧式駆動部が設けられており、この液圧式駆動部は、クロスヘッドと作用結合しており、機械(射出成形機)長手軸に沿ったクロスヘッドの走行を可能にするが、この液圧式駆動部はピストンシリンダシステムを有する。可動型締プレートを走行させるために電気および/または液圧式駆動部を使用することができる。
【0008】
ロッド(タイバー)引張装置(Holmzugvorrichtung)を備える射出成形機がEP 2 228 192 A1から既知である。このロッド引張装置は、例えばラック駆動部のような電動駆動部を有し、この電動駆動部は、ギヤ装置を介して少なくとも1つの引張可能ロッドと連結しており、これにより可動型締プレートは工具開放運動および閉鎖運動の際に摺動可能に案内される。
【0009】
射出ユニットと閉鎖ユニットを備える射出成形機が、DE 10 2008 051 300 B3に開示されている。この場合、射出ユニットは位置固定されており、閉鎖ユニットは射出ユニットに対して走行可能である。ここでは、閉鎖ユニット全体が射出ユニットに対して走行される。このことは、比較的に大きな射出ユニットが比較的に小さな閉鎖ユニットと協働する適用例にために有利である。閉鎖ユニットの内部では走行可能な型締プレートは、被駆動(従動)歯車は走行可能な型締プレートに取り付けられたラックに噛合することによって、ラック駆動部を介して周期的に(サイクリックに)運動される。
【0010】
DE 102 29 060 B4から、射出成形機用の閉鎖ユニットが既知である。この場合、射出成形工具(射出成形型)の可動の工具半部は、ラック駆動部によって第2の定置の(固定の)工具半部に向かって走行される。可動工具半部と固定工具半部との間に所定の間隔が形成されると、固定工具半部の内部に磁界がスイッチオン(形成)され、そのため、可動工具半部に取り付けられた磁石が磁力によって引っ張られ、これにより2つの工具半部が完全に閉鎖される。ラック駆動部は、機械ベッドに取り付けられたラックと、可動工具半部と共に走行可能でありかつラックに噛合する歯車のための駆動モータとを含む。
【0011】
EP 1 277 559 B1から、プラスチック射出成形機用の型閉鎖ユニットが既知である。この型閉鎖ユニットでは、4つの力伝達ロッドにナット用のネジが設けられており、これらのネジは閉鎖力をもたらすためにベルト駆動部を介して一緒に操作される。射出成形型の型枠半部(複数)を型閉鎖させるために及び型閉鎖から外すために、ナットがネジから分離され、これにより、可動の型枠支持体の軸方向の(アキシャル)運動が例えばラックシステム(図11,12)によって可能になる。ラックと協働する歯車を駆動する電気モータは可動の型枠支持体に固定されている。ナットの分離および螺合のために、付加的な機構が必要であり、ひいては操作時間も必要である。
【0012】
DE 295 16 559 U1から、複数のラックの間に格納されたモータケーシングを備える射出成形機が既知であり、モータケーシングには型閉鎖装置用のモータが格納されている。モータケーシングは、モータが力伝達要素に取り付けられたラックと噛合する歯車を駆動することによって、可動の型支持体と一緒に移動される。
【0013】
DE 44 03 079 C1から、可動の型支持体のための案内部に支承されたリニアローラベアリング(Rollenumlaufschuhen)を備える射出成形機用の型閉鎖装置が既知である。案内部と可動の型支持体は調整装置によって互いに対し配向(方向調整)されることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】EP 0 427 438 B1
【文献】WO 2016/202509 A1
【文献】EP 2 228 192 A1
【文献】DE 10 2008 051 300 B3
【文献】DE 102 29 060 B4
【文献】EP 1 277 559 B1
【文献】DE 295 16 559 U1
【文献】DE 44 03 079 C1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従来技術におけるすべての解決策では、可動の型締プレートは、型閉鎖ユニットの開放ないし閉鎖のために、定置の型締プレートへ走行される。通例、型締プレートは、駆動部に強負荷を及ぼす大きな質量を有する。型締プレートの運動時には、射出成形機の運転時に、とりわけ型締プレートの走行時に、傾斜モーメントが発生する。結果として生じる力のために、型閉鎖ユニットの閉鎖/開放時における平行な型閉鎖および型締プレートの平行な運動は保証されない。
【0016】
さらに、傾斜モーメントにより、型閉鎖ユニット、型締プレート、駆動部並びに射出成形機全体に損傷が生じ得る。このことは、ダイアゴナルに(対角線上に)、従って大抵は対称的に配置された市販の通常の液圧式シリンダまたはスピンドルシステムの代わりに、型締プレートへの容易なアクセスを保証する、例えば機械フレームに非対称的に配置された駆動システムが使用される場合にはなおさら問題である。
【0017】
この従来技術から出発して、本発明の基礎とする課題は、発生する傾斜モーメント(トルク)を減少し、型閉鎖ユニットの安全な運転を保証することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
このことは、請求項1の特徴による型閉鎖ユニットにより解決される。
即ち、本発明の一視点により、プラスチックおよびセラミック材料および粉体材料のような他の可塑性材料を加工するための射出成形機用の型閉鎖ユニットが提供される。
該型閉鎖ユニットは、
・少なくとも1つの機械ベッド、
・前記機械ベッド上に配置された少なくとも1つの定置型締プレート、
・前記機械ベッド上に前記定置型締プレートに対向して可動に配置された可動型締プレート、但し、該可動型締プレートは、案内シューを有するキャリッジ上に取り付けられており、前記定置型締プレートと共に型締空間内に配置可能な射出成形型の型閉鎖をするよう及び型閉鎖を解除するよう、前記機械ベッドに取り付けられた少なくとも1つの案内部に沿って運動可能であり、及び、
・前記可動型締プレートに運動のための及び前記型閉鎖ユニットの開放/閉鎖のための少なくとも1つの駆動機構、但し、該駆動機構は、少なくとも1つの駆動モータによって駆動される少なくとも1つのラック駆動部を有し、該ラック駆動部は、少なくとも1つの歯車と該歯車と協働する少なくとも1つのラックとを有する、
を含み、
少なくとも2つのラックは前記機械ベッドに固定的に結合されていること、
前記駆動モータは、前記キャリッジに固定的に結合されており、前記可動型締プレートの運動時、該可動型締プレートと同期して同じ方向に運動すること、
前記キャリッジは、傾動力の検出のための少なくとも1つの負荷センサを有すること、
該少なくとも1つの負荷センサは、前記駆動機構を傾動力に応じて制御するよう構成された少なくとも1つの制御ユニットと接続していることを特徴とする(形態1)。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(形態1)上記本発明の一視点参照。
(形態2)形態1の型閉鎖ユニットにおいて、前記駆動機構は、前記機械ベッドの面に配置されていることが好ましい。
(形態3)形態1または2の型閉鎖ユニットにおいて、前記少なくとも1つの駆動モータは、前記可動型締プレートの運動のためにも、前記型閉鎖ユニットの開放および閉鎖のためにも使用されかつ適合化されていることが好ましい。
(形態4)形態1から3のいずれかの型閉鎖ユニットにおいて、前記射出成形型の型閉鎖の際に閉鎖力を生成するための閉鎖力形成ユニットが設けられており、前記閉鎖力形成ユニットは、前記少なくとも1つの駆動機構から分離されていることが好ましい。
(形態5)形態4に記載の型閉鎖ユニットにおいて、前記閉鎖力形成ユニットは、前記定置型締プレートに取り付けられていることが好ましい。
(形態6)形態1の型閉鎖ユニットにおいて、前記少なくとも1つの負荷センサは、前記可動型締プレートの力作用点の支持部に配置されていることが好ましい。
(形態7)形態1から6のいずれかの型閉鎖ユニットにおいて、前記駆動機構は、少なくとも1つのブレーキを有することが好ましい。
(形態8)形態1から6のいずれかの型閉鎖ユニットにおいて、前記駆動機構は、互いに独立にラック駆動部に噛合する少なくとも2つの駆動モータを有することが好ましい。
(形態9)形態1から8のいずれかの型閉鎖ユニットにおいて、前記駆動機構は、互いに独立にラック駆動部に噛合する4つの駆動モータを有することが好ましい。
(形態10)形態1から9のいずれかの型閉鎖ユニットにおいて、前記駆動機構は、前記少なくとも2つのラック駆動部と作用結合する少なくとも1つのシャフトを駆動する少なくとも1つの駆動モータを有することが好ましい。
(形態11)形態1から10のいずれかの型閉鎖ユニットにおいて、前記ラックは、前記案内部の下方に配置されていることが好ましい。
(形態12)形態11の型閉鎖ユニットにおいて、前記ラックは、前記可動型締プレートのための案内部によってカバーされていることが好ましい。
(形態13)形態11又は12の型閉鎖ユニットにおいて、前記可動型締プレートを調整するための調整手段が、一方では前記案内部に、他方では前記ラックに設けられていることが好ましい。
有利な発展形態は従属請求項の対象である。なお、特許請求の範囲に個別に挙げられる特徴は、技術的に意味のあるやり方で互いに組み合わせられることが可能であり、明細書から説明される事項および図面からの詳細によって補充されることが可能であり、これらにおいて、本発明のさらなる変形形態が示される。
【0020】
プラスチックおよびセラミック材料や粉体材料のような他の可塑性材料を加工するための射出成形機のための型閉鎖ユニットは、少なくとも1つの機械ベッド(基台)、少なくとも1つの定置(固定)型締プレート、および定置型締プレートに対向して可動な少なくとも1つの可動(移動)型締プレートを有する。可動型締プレートは、案内シュー(複数)を備えるキャリッジに取り付けられており、キャリッジは、機械ベッドに取り付けられた少なくとも1つの案内部(ガイド)に沿って可動である。可動型締プレートを定置型締プレートに対して相対的に移動させることにより型締空間に配置可能な射出成形型を型閉鎖させ及び(その)型閉鎖を解除するための、及び、型閉鎖ユニットを開放/閉鎖するための駆動機構は、少なくとも1つの駆動モータにより駆動される少なくとも1つのラック駆動部を有し、このラック駆動部は、少なくとも1つの歯車と、この歯車と作用結合する少なくとも1つのラックとを備える。本発明に応じ、少なくとも2つのラックは機械ベッド(基台)に固定的に結合されており、駆動モータは、可動型締プレートの運動時に可動型締プレートと同期して同じ方向へ移動するキャリッジに固定的に結合されている。駆動モータが可動型締プレートと直接的に固定的に結合されることも、キャリッジと可動型締プレートの固定的結合も、原理的に可能である。可動型締プレートの対称的な駆動のために、少なくとも2つのラックが設けられており、これによって既に、可動型締プレートの平行な走行運動が得られる。さらに、案内部とラックが1つの要素に結合されているという事実によって、安定性に関する相乗効果が得られる。このことは、型締プレートの平行の型閉鎖に有利な影響を及ぼす。少なくとも2つのラック駆動部を使用することによって、傾斜モーメント(トルク)およびこれに結び付いた傾動(傾斜)力を、案内要素に関する可動の型締面(Formaufspannflaeche)の不均一な(一様でない)質量分布(配分)によって減少することが可能になる。
【0021】
型締空間へのほぼ自由な(障害のない)アクセスも、有利なコンパクトな構造も達成(実現)するために、および、スペースを節約するために、駆動機構は、機械ベッドの面(レベル)に、従って、支持要素及び型締プレートの下方に配置されていると有利である。このことは、射出成形型の取り付け(組付け)時だけでなく、部品製造の際に周期的にも、型締空間への自由なアクセスを保証する。
【0022】
少なくとも1つの駆動モータは、可動型締プレートの運動のためにも、型閉鎖ユニットの開放および閉鎖のためにも、使用され(適用ないし決定され)かつ適合化されていると有利である。したがって、この運動のためには、制御部を介して互いに調整されるべき別個の駆動ユニット(複数)は不要である。
【0023】
閉鎖力は射出成形型の型閉鎖の際に別個の閉鎖力生成ユニットを介して印加されると有利であり、別個の閉鎖力生成ユニットは定置型締プレートに、少なくとも1つの駆動機構から分離されて取り付けられていると有利である。かくして、種々の駆動部の運動を分離するための別個の分離手段は省略されることができる。
【0024】
大抵は質量の大きい型締プレートの加速および/または制動の際に、質量慣性に基づき傾動力が発生し得るが、この傾動力は射出成形プロセスの安全性および型閉鎖に対し不利に作用し得る。可動型締プレートの安全な運動のために、キャリッジは、好ましくは傾動力を検出するための少なくとも1つの負荷センサ(荷重センサ:Lastsensor)を有する。複数の負荷センサがキャリッジおよび/または可動型締プレートの種々の箇所に取り付けられ、これにより傾動力が有利にはより高い精度でキャリッジ全体にわたってないしは可動型締プレート全体にわたって検出されることも、原理的に可能である。少なくとも1つの負荷センサは、力作用(印加)点の支持部(Auflage)に、従って好ましくは支持要素の下方に配置されていると有利である。少なくとも1つの負荷センサにより検出された力を使用することにより、インテリジェント型駆動モータ制御部によって、動的運動の結果としての慣性に基づく傾動傾向に対して対抗作用することができる。
【0025】
さらに、可動型締プレートの不均一な(一様でない)負荷(荷重)分布によって及び動的運動の影響としての質量慣性からも傾動力は発生し得るため、有利には、負荷センサは、少なくとも1つの制御ユニットと接続しており、この制御ユニットは駆動機構を傾動力に応じて制御し、かくして傾動力を補償する。
【0026】
有利には運動の制動及び型締プレートのロックのために、駆動機構は少なくとも1つのブレーキを有する。尤も、ブレーキは、保持/固定ブレーキまたは非常停止ブレーキとしてのみ構成されることも可能である。
【0027】
駆動機構は好ましくは2つの、特に好ましくは4つの駆動モータを有する。これらの駆動モータは、互いに独立してそれぞれ1つのラック駆動部を駆動し、あるいは互いに独立してラック駆動部に係合(噛合)する。2つのラック駆動部を別個に駆動することにより、有利には、特に可動型締プレートの負荷分布が不均一な(一様でない)場合に傾動モーメント(トルク)を対応のラック駆動部の目的どおりの駆動によって補償することが可能になる。さらに、駆動部によって、定置型締プレートに対する可動型締プレートの型平行性に対し影響を及ぼすことができる。
【0028】
有利な簡単な構造のために、駆動機構は、2つのラック駆動部と作用結合するシャフトを駆動する1つの駆動モータを有する。ラック駆動部の相応の操作によるシャフトの駆動によって、平行的駆動が保証される。
【0029】
ラック(複数)が案内部の下方に、好ましくは可動型締プレート用の案内部によってカバーされる(覆われる)ように、配置されると有利である。なぜなら、この配置構成によって既に、型締プレートの安定化がその運動時にも射出成形過程時にも行われるからである。さらなる好ましい一実施形態では、この配置構成は、型締プレートの更なる保護(Absicherung)のための付加的な調整手段によって付加的に使用されることができる。
【0030】
好ましくは、可動型締プレートの調整のためのこの調整手段は、一方では案内部に、他方ではラックに設けられており、これにより、力導入点の可及的に近傍における固定(Festlegen)が保証され、かくして、案内システムと駆動システムとの間の遊びのない調整が達成(実現)される。
【0031】
さらなる利点は従属請求項および好ましい実施例の以下の記載から明らかになる。特許請求の範囲に個別に挙げられる特徴は、技術的に意味のある態様で互いに組み合わせることができ、明細書から説明される事項および図面からの詳細によって補充されることができ、ここに、本発明のさらなる変形形態が示されている。
【0032】
以下に、本発明を添付図面に示された実施例に基づき詳細に説明する。
なお、特許請求の範囲に付記した図面参照符号は専ら発明の理解を助けるためのものであり、本発明を図示の態様に限定することは意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】開放状態にある本発明の型閉鎖ユニットの一例の斜め上方から見た斜視図(等角図)。
図2図1の型閉鎖ユニットの背面図。
図3a】或る駆動コンセプトによる一実施例における図1の型閉鎖ユニットの側面図。
図3b】他の駆動コンセプトによる一実施例における図1の型閉鎖ユニットの側面図。
図3c】更に他の駆動コンセプトによる一実施例における図1の型閉鎖ユニットの側面図。
図4図3aに示した2つの駆動モータを備える機械ベッドの領域における駆動機構の断面図。
図5a】駆動モータおよびシャフトを備える型閉鎖ユニットの一例の背面図。
図5b】連続(貫通)シャフトを備える二重駆動部を有する更なる一実施例における図5aに応じた側面図。
【実施例
【0034】
本発明を添付図面を参照して例示的に詳しく説明する。しかしこれら実施例は発明コンセプトを特定の配置構成に制限することを意図していない例に過ぎない。本発明を詳細に説明する前に、本発明は装置のそれぞれの構成要素およびそれぞれの方法ステップに限定されるものではないことを述べておく。なぜならこれら構成要素および方法ステップは変更することができるからである。ここで使用される概念は、特定の実施形態を記述するためにのみ定められたものであり、制限的に使用されない。さらに明細書または特許請求の範囲において単数または不定冠詞が使用される場合、これらは、全体的文脈が一義的に他の何かを明示的に示さない限り、これらの要素の複数にも関連する。
【0035】
図1は、プラスチックおよびセラミック材料または粉体材料のような他の可塑性材料を加工するための射出成形機用の型閉鎖ユニット10を斜め上方から見た概略的斜視図である。型閉鎖ユニットは、定置(固定)型締プレート14および可動(移動)型締プレート16を備え、可動型締プレート16は定置型締プレート14と共に、図1には部分的に図示されている可変の射出成形型12を収容(格納)するための型締空間Rを画定する。
【0036】
可動型締プレート16は案内シュー(複数)26を有するキャリッジ22上に取り付けられており、キャリッジ22は、型締空間R内に配置可能な射出成形型12が型閉鎖されるよう及び型閉鎖が解除されるよう、機械ベッド(基台)20に取り付けられた少なくとも1つの案内部24に沿って定置型締プレート14に対して相対的に運動(移動)可能である。ロッド(タイバー)(複数)18は可動型締プレート16に貫通係合しており、閉鎖状態において型閉鎖ユニット10ないし定置型締プレート14を可動型締プレート16によってロックする。可動型締プレート16の移動及び型閉鎖ユニット10を開放/閉鎖のために、型閉鎖ユニット10は少なくとも1つの駆動機構44を有する。駆動機構44は、少なくとも1つの駆動モータ32により駆動される少なくとも1つのラック駆動部38を有し、ラック駆動部38は、図4に示すように、少なくとも1つの歯車36と、この歯車と協働する少なくとも1つのラック34とを備える。
【0037】
図2の型閉鎖ユニットの背面図によれば、少なくとも2つのラック34が機械ベッド20に固定的に結合されている。駆動モータ32はキャリッジ22に固定的に結合されている。駆動機構44を作動すると、駆動モータ32は歯車36を回転させ、歯車36はラック34に噛合してキャリッジ22を運動させる。可動型締プレート16が運動すると、駆動モータ32は可動型締プレート16と同期して同じ方向に運動する。駆動モータ32は、可動型締プレート16と一緒に走行する。好ましくは、偶数のラック34が設けられる。
【0038】
有利には、駆動機構44は、機械ベッド20の面Eに、かつ、好ましくは型締プレートのための支持要素の下方に配置されており、これにより型締空間Rへの自由なアクセスが提供される。かくして、ラック(複数)34は、好ましくは懸架的にかつ内在的に、これにより汚染に対して保護されるように、機械ベッド20に取り付けられている。
【0039】
尤も、駆動機構44の他の配置、例えば型締プレート14,16の側方または上方における配置も原理的に可能である。この場合、ラック34は例えば定置型締プレート14に支持されることが可能である。
【0040】
好ましくは、少なくとも1つの駆動モータ32は、可動型締プレート16の運動のためにも、型閉鎖ユニット10の開放および閉鎖(開閉)のためにも使用され(適用ないし規定され)かつ適合化されている。これらの運動経過(プロセス)のために別個の駆動部(複数)は必要ない。
【0041】
射出成形型12の型閉鎖の際および可塑性材料の型中空空間への射出の際に惹起(生成)され得る閉鎖力は、好ましくは別個の閉鎖力生成ユニット50によって惹起(生成)される。閉鎖力生成ユニット50は、好ましくは定置型締プレート14にまたは例えば型閉鎖ユニットのための支持プレートのような機械(射出成形機)の別の定置の要素に取り付けられている。これにより、型走行運動と閉鎖力惹起(生成)とを別個に分離する必要がなくなる。かくして、閉鎖力の惹起(生成)のための要素は、いつでも直接的にかつ時間損失なしで操作されることが可能であり、これによって、周期的に(サイクル的に)作動する射出成形機のサイクル時間は低減される。
【0042】
図2は、ラック34が案内部24の下方にかつ好ましくは可動型締プレート16のための案内部24によってカバーされて(覆われて)配置されていることも示す。更なる安定化のために、可動型締プレート16を調整するための、実施例ではモータ/ピニオン組合体の長孔調整(Langlochverstellung)によって形成されている、調整手段46を、一方では案内部24に、他方ではラック34に設けることができる。これにより、案内システムと駆動システムとの間の遊びのない調整が達成(実現)される。
【0043】
図3aによるさらなる一実施例では、キャリッジ22に負荷(荷重)センサ40が取り付けられている。負荷センサ40を可動型締プレート16に直接取り付けること、及び、負荷センサ(複数)40をキャリッジ22と可動型締プレート16に取り付けることも原理的に可能である。負荷センサ40によって、可動型締プレート16に関する傾動力を検出することができる。傾動力は、可動型締プレート16を、運動方向へおよび/またはその反対方向へ単に傾斜させ得るだけではなく、不均一な(一様でない)負荷分布のために(可動型締プレート16の)運動時に、とりわけ可動型締プレート16の加速時にも傾斜させ得る。
【0044】
負荷分布を知る(認識する)ことにより、傾動力は好ましくは制御ユニットCによって補償されることができる。さらに、負荷センサ40は、少なくとも1つの制御ユニットCに接続されており、制御ユニットCは、可動型締プレート16の傾きのない運動および型締プレート相互の可及的に面同士が平行をなす運動が保証可能であるよう、存在する傾動力に応じて駆動機構44を制御する。負荷センサ40によって、射出成形機ないしは可動型締プレート16の運転中に発生する傾動力が検出される。制御ユニットCは、次いで、傾動力が可動型締プレート16の加速または制動によって補償されるよう、検出された傾動力に応じて駆動機構44を制御する。例えば、制御ユニットCは、可動型締プレート16の運動方向に傾動力が存在する場合、駆動機構44を介して歯車駆動部38の速度を短時間増大することができ、これにより可動型締プレート16の「傾動(Umkippen)」に食い止め、補償することができる。4つの駆動部が設けられている場合、可動型締プレート16は緊張(締付)状態で(eingespannt)走行ないし運動することができる、すなわち可動型締プレートはその自由度によって規定される。
【0045】
図3bと図3cは駆動コンセプトの代替例を示す。図3bでは複数の駆動部が1つの制御ユニットCにより制御されるのに対し、図3cは、各駆動部が各自に固有の制御ユニットCにより制御される解決策を示す。したがって、これは独立した制御であり、制御ユニット(複数)は型締プレート16の安定化の課題を解決するために互いに通信することができる。
【0046】
図4は、図3aに示した機械ベッド20の領域における駆動機構44の断面を示す。可動型締プレート16を制動するために、駆動機構44は、好ましくは保持ブレーキ(Haltebremse)または非常停止ブレーキとしての、少なくとも1つのブレーキを有する。図4では、駆動機構44は、好ましくは、駆動モータ(複数)32の間の中央に取り付けられているブレーキ30を有する。代替的にまたは追加的にも、さらなるブレーキ28を設けることができる。すべてのブレーキは、場所および設計(構造)に応じて、摩擦ブレーキまたは固定ブレーキ(Feststellbremsen)として構成されることができる。ブレーキ30と28は基本的に同じ機能(非常停止プレーキまたは保持ブレーキ)を引き受ける(有する)が、単に選択的な位置決め(配置)が図示されている。例えば液圧式ブレーキも考えられる。駆動モータ32の(紙面における)左隣及び右隣には、ブレーキ30の代わりにまたはこれに加えて、それぞれ1つのさらなるブレーキ28が設けられており、これらのブレーキ28はそれぞれ1つのラック駆動部38に割り当てられている。さらに、ブレーキ28,30は、可動型締プレート16が最早運動することができないよう、ラック駆動部38を確保(固定)する。実施例では、少なくとも1つのブレーキまたは6つまでのブレーキの組合せが使用可能である(中央(位置30)に最大で2つのブレーキかつ右隣と左隣(位置28)にそれぞれ1つのブレーキ及び/又は右隣と左隣(位置28)のそれぞれに2つのブレーキ)。
【0047】
図3aと図4では、駆動機構44は、それぞれ1つのラック駆動部38に割り当てられている2つの駆動モータ32を有する。駆動モータ32は、好ましくはブレーキ30の(紙面における)左側及び右側に配置されており、それぞれ1つの歯車36を駆動する。駆動モータ(ないしその歯車)は、ラック34に係合し、キャリッジ22を運動させる。駆動モータ32は複数のラック駆動部38を同期的に駆動することができ、または互いに独立して個別に作動させることもできる。例えば、可動型締プレート16がその運動方向に傾いたとき、傾きを補償するために、両方の駆動モータ32を同時に同期的に操作することができる。さらに、可動型締プレート16が側方に左右に傾く場合は、右側ないしは左側のラック駆動部38を個別に操作し、以って、定置型締プレート14に対する可動型締プレート16の(面間の)平行性を再び確立する(回復する)ことができる。
【0048】
図5aによる更なる好ましい一実施例では、駆動機構44は駆動モータ32を有し、駆動モータ32はシャフト42を介して両方の(2つの)ラック駆動部38を歯車36によって駆動する。これにより、可動型締プレート16の平行駆動が保証される。図5aは、中央に配置されたブレーキ30も示す。
【0049】
可動型締プレート16の運動方向に可動型締プレート16が傾く場合、ラック駆動部38の操作によって、傾きを補償すること及び可動型締プレート16を定置型締プレート14と(面同士を)平行にすることができる。さらに、図5bでは、2つの歯車36を駆動するための、貫通シャフト42を備える二重駆動部32が設けられている。
【0050】
かくして、原理的に、モータは、例えば貫通するシャフト42に接続された2つの歯車36によって2つのラックに噛合する(図5a)。このことは、図5bの複数のモータによっても可能である。同様に、図3bと図3cによれば、モータにより駆動されるそれぞれ1つの歯車が割り当てられた複数の、例えば4つのモータは、駆動のために2つのラックに噛合することができる。
【0051】
(付記1)プラスチックおよびセラミック材料および粉体材料のような他の可塑性材料を加工するための射出成形機用の型閉鎖ユニット。
該型閉鎖ユニットは、
・少なくとも1つの機械ベッド、
・前記機械ベッド上に配置された少なくとも1つの定置型締プレート、
・前記機械ベッド上に前記定置型締プレートに対向して可動に配置された可動型締プレート、但し、該可動型締プレートは、案内シューを有するキャリッジ上に取り付けられており、前記定置型締プレートと共に型締空間内に配置可能な射出成形型の型閉鎖をするよう及び型閉鎖を解除するよう、前記機械ベッドに取り付けられた少なくとも1つの案内部に沿って運動可能であり、及び、
・前記可動型締プレートに運動のための及び前記型閉鎖ユニットの開放/閉鎖のための少なくとも1つの駆動機構、但し、該駆動機構は、少なくとも1つの駆動モータによって駆動される少なくとも1つのラック駆動部を有し、該ラック駆動部は、少なくとも1つの歯車と該歯車と協働する少なくとも1つのラックとを有する、
を含む。
少なくとも2つのラックは前記機械ベッドに固定的に結合されている。
前記駆動モータは、前記キャリッジに固定的に結合されており、前記可動型締プレートの運動時、該可動型締プレートと同期して同じ方向に運動する。
(付記2)上記の型閉鎖ユニットにおいて、前記駆動機構は、前記機械ベッドの面に配置されている。
(付記3)上記載の型閉鎖ユニットにおいて、前記少なくとも1つの駆動モータは、前記可動型締プレートの運動のためにも、前記型閉鎖ユニットの開放および閉鎖のためにも使用されかつ適合化されている。
(付記4)上記載の型閉鎖ユニットにおいて、前記射出成形型の型閉鎖の際に閉鎖力を生成するための閉鎖力形成ユニットが設けられており、前記閉鎖力形成ユニットは、好ましくは、前記少なくとも1つの駆動機構から分離されて前記定置型締プレートに取り付けられている。
(付記5)上記載の型閉鎖ユニットにおいて、前記キャリッジは、傾動力の検出のための少なくとも1つの負荷センサを有する。
(付記6)上記載の型閉鎖ユニットにおいて、前記少なくとも1つの負荷センサは、前記可動型締プレートの力作用点の支持部に配置されている。
(付記7)上記載の型閉鎖ユニットにおいて、前記負荷センサは、前記駆動機構を傾動力に応じて制御するよう構成された少なくとも1つの制御ユニットと接続している。
(付記8)上記載の型閉鎖ユニットにおいて、前記駆動機構は、少なくとも1つのブレーキを有する。
(付記9)上記載の型閉鎖ユニットにおいて、前記駆動機構は、互いに独立にラック駆動部に噛合する少なくとも2つの、好ましくは4つの、駆動モータを有する。
(付記10)上記載の型閉鎖ユニットにおいて、前記駆動機構は、前記少なくとも2つのラック駆動部と作用結合する少なくとも1つのシャフトを駆動する少なくとも1つの駆動モータを有する。
(付記11)上記載の型閉鎖ユニットにおいて、前記ラックは、前記案内部の下方に、好ましくは前記可動型締プレートのための案内部によってカバーされて、配置されている。
(付記12)上記載の型閉鎖ユニットにおいて、
前記可動型締プレートを調整するための調整手段が、一方では前記案内部に、他方では前記ラックに設けられている。
本書の説明は従属請求項に等価の範囲内において変化する様々な修正、変更および適合化を受け得ることは明らかである。
【符号の説明】
【0052】
10 型閉鎖ユニット
12 射出成形型
14 定置型締プレート
16 可動型締プレート
18 ロッド(タイバー)
20 機械ベッド(基台)
22 キャリッジ
24 案内部
26 案内シュー
28 さらなるブレーキ
30 ブレーキ
32 駆動モータ
34 ラック
36 歯車
38 ラック駆動部
40 負荷センサ
42 シャフト
44 駆動機構
46 調整手段
50 閉鎖力生成ユニット
C 制御ユニット
E (機械ベッド20の)面
R 型締空間
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4
図5a
図5b