(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】光ファイバアダプタ用の遮光シャッタ
(51)【国際特許分類】
G02B 6/36 20060101AFI20221115BHJP
【FI】
G02B6/36
(21)【出願番号】P 2020514286
(86)(22)【出願日】2018-09-18
(86)【国際出願番号】 US2018051502
(87)【国際公開番号】W WO2019060293
(87)【国際公開日】2019-03-28
【審査請求日】2020-03-09
(32)【優先日】2017-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】ダニル ミルヒテイン ペルツベルガ
(72)【発明者】
【氏名】チェン ウェンゾン
(72)【発明者】
【氏名】ジーザス エンリケ ファン
【審査官】奥村 政人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0147597(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0285999(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104656199(CN,A)
【文献】特開2007-121614(JP,A)
【文献】特開2012-037542(JP,A)
【文献】特開2015-040988(JP,A)
【文献】特開2000-347075(JP,A)
【文献】国際公開第2016/203806(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0111796(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/24
G02B 6/255
G02B 6/36- 6/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバコネクタと嵌合するように構成された光ファイバアダプタであって、前記光ファイバコネクタは、コネクタ本体と、該コネクタ本体の前方端部からある距離を突出するフェルールを含むファイバと、を有し、前記光ファイバアダプタは、
通路を形成するハウジングと、
通路を形成する連結スリーブであって、該連結スリーブの通路は、前記光ファイバコネクタを長手方向に前記連結スリーブの通路内に挿入する間に、前記光ファイバコネクタをその中に受容するように構成される、連結スリーブと、
該連結スリーブに装着されたシャッタであって、該シャッタは、前記連結スリーブに接続されたベース部と、該ベース部から延在し、第1の位置で前記連結スリーブの通路内に延在する遮光部とを備え、該遮光部は、セクションの第1の端部から前記セクションの第2の端部まで前記セクションの長さに沿って湾曲している少なくとも1つのセクションを有する、シャッタと、を含み、
該シャッタは、前記ベース部のセクションから前記遮光部のセクションまで延びる開口部
であって、前記シャッタの幅方向中央に位置する開口部を有
し、
前記連結スリーブは、前記シャッタが着座する凹部と、該凹部から外向きに延在する突出部とを含み、該突出部が前記開口部に着座する、光ファイバアダプタ。
【請求項2】
前記光ファイバコネクタを前記連結スリーブの通路内に挿入する間に、前記光ファイバコネクタのフェルールは、前記シャッタに接触しない、請求項1に記載の光ファイバアダプタ。
【請求項3】
前記ハウジング及び前記連結スリーブが、互いに解放可能に係合するように構成されている嵌合ラッチ組立体を含む、請求項1に記載の光ファイバアダプタ。
【請求項4】
前記嵌合ラッチ組立体は、前記ハウジング及び前記連結スリーブの一方の上でそこから外向きに延在する突出部を有する可撓性ラッチアームと、前記ハウジング及び前記連結スリーブの他方の上の嵌合凹部と、を備える、請求項3に記載の光ファイバアダプタ。
【請求項5】
前記ハウジング及び前記連結スリーブの一方がキーを含み、前記ハウジング及び前記連結スリーブの他方が、前記キーが着座するキー溝を含む、請求項1に記載の光ファイバアダプタ。
【請求項6】
光ファイバアダプタ及び光ファイバコネクタの組み合わせであって、
コネクタ本体と、該コネクタ本体の前方端部からある距離を突出するフェルールを含むファイバと、を有する、前記光ファイバコネクタと、
通路を形成するハウジングと、通路を形成する連結スリーブであって、該連結スリーブの通路は、前記光ファイバコネクタを長手方向に前記連結スリーブの通路内に挿入する間に、前記光ファイバコネクタをその中に受容するように構成される、連結スリーブと、該連結スリーブに取り付けられたシャッタと、を備え、該シャッタは、前記連結スリーブに接続されたベース部と、該ベース部から延在し、第1の位置で前記連結スリーブの通路内に延在する遮光部と、を備え、該遮光部は、セクションの第1の端部から前記セクションの第2の端部まで前記セクションの長さに沿って湾曲している少なくとも1つのセクションを有する、前記光ファイバアダプタと、を備え、
前記シャッタは、前記ベース部のセクションから前記遮光部のセクションまで延びる開口部
であって、前記シャッタの幅方向中央に位置する開口部を有
し、
前記連結スリーブは、前記シャッタが着座する凹部と、該凹部から外向きに延在する突出部とを含み、該突出部が前記開口部に着座する、組み合わせ。
【請求項7】
前記光ファイバコネクタを前記連結スリーブの通路内に挿入する間に、前記光ファイバコネクタのフェルールは、前記シャッタに接触しない、請求項
6に記載の組み合わせ。
【請求項8】
前記ハウジング及び前記連結スリーブが、互いに解放可能に係合するように構成されている嵌合ラッチ組立体を含む、請求項
6に記載の組み合わせ。
【請求項9】
前記嵌合ラッチ組立体は、前記ハウジング及び前記連結スリーブの一方の上でそこから外向きに延在する突出部を有する可撓性ラッチアームと、前記ハウジング及び前記連結スリーブの他方の上の嵌合凹部と、を備える、請求項
8に記載の組み合わせ。
【請求項10】
前記ハウジング及び前記連結スリーブの一方がキーを含み、前記ハウジング及び前記連結スリーブの他方が、前記キーが着座するキー溝を含む、請求項
6に記載の組み合わせ。
【請求項11】
前記光ファイバコネクタがキーを含み、前記連結スリーブは、前記キーがその中に着座するキー溝を含み、該キー溝が前記突出部と反対側にある、請求項
6に記載の組み合わせ。
【請求項12】
前記連結スリーブ及び前記光ファイバコネクタが、互いに解放可能に係合するように構成されている嵌合ラッチ組立体を含む、請求項
6に記載の組み合わせ。
【請求項13】
前記嵌合ラッチ組立体は、前記連結スリーブ及び前記光ファイバコネクタの一方の上でそこから外向きに延在する突出部を有する可撓性ラッチアームと、前記連結スリーブ及び前記光ファイバコネクタの他方の上の嵌合凹部と、を備える、請求項
12に記載の組み合わせ。
【請求項14】
前記光ファイバコネクタは、キーを含み、前記連結スリーブは、前記キーがその中に着座するキー溝を含む、請求項
6に記載の組み合わせ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2017年9月20日に出願された、「LIGHT BLOCKING SHUTTER FOR OPTICAL FIBER ADAPTER」と題された米国特許仮出願第62/560,715号に対する優先権を主張する。
【0002】
本開示は、概して光学的相互接続に関し、より具体的には、光ファイバコネクタと嵌合するように構成された光ファイバアダプタに関する。
【背景技術】
【0003】
米国特許第6,688,780号は、光学アダプタ用の片持ちシャッタを開示している。シャッタは、支点の周りを繰り返し旋回してシャッタを開閉する。この支点の周りで繰り返し旋回することにより、シャッタが摩耗し、破損する可能性がある。従来技術においてこの問題を克服するシャッタが本開示によって提供される。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、光ファイバアダプタは、光ファイバコネクタと嵌合するように構成されている。光ファイバコネクタは、コネクタ本体と、コネクタ本体の前方端部から、ある距離を突出するフェルールを含むファイバと、を有する。光ファイバアダプタは、通路を形成するハウジングと、通路を形成する連結スリーブと、連結スリーブに取り付けられたシャッタと、を含む。連結スリーブは、コネクタを長手方向に通路内に挿入する間に、コネクタをその中に受容するように構成されている。シャッタは、連結スリーブに接続されたベース部と、ベースから延在し、第1の位置で通路内に延在する遮光部と、を含み、遮光部は、その第1の端部からその第2の端部までセクションの長さに沿って湾曲している少なくとも1つのセクションを有する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示は、異なる形態の実施形態が可能であり、具体的な実施形態が図面で示され、また本明細書で詳細に説明されるが、本開示は、本開示の原理の例証であるとみなされ、図示され、かつ本明細書で説明されるものに本開示を限定することを意図しないという理解の下で行われる。したがって、別途記載のない限り、本明細書で開示される特徴は、一緒に組み合わせて、簡潔さのために別途示されることがなかった、追加の組み合わせを形成することができる。いくつかの実施形態では、図面において実施例として示される1つ以上の要素は、本開示の範囲内の代替的な要素で排除及び/又は置換され得ることが更に理解されるであろう。
【0007】
本明細書では、「頂部」及び「底部」などの方向を示す用語は使用されるが、これは説明の便宜上のみ使用され、必要な向きの方向を示すものではない。
【0008】
シャッタ20は、光ファイバアダプタ22の一部として形成されて、アダプタ22が開位置にあるときにコネクタ220の光ファイバからの発光を阻止する。アダプタ22は、アダプタ22の他端に相手方コネクタが挿入されていないとき、開位置にある。これにより、人が光信号を伝達しているコネクタ220の開放端部の中を見る必要がある場合、眼の損傷が防止される。
【0009】
図4は、このようなコネクタ220を示す。コネクタ220は、フェルール224を保持するコネクタ本体222と、コネクタ本体222の上を長手方向に摺動する外側本体226とを含む。フェルール224は、1本以上の光ファイバ228を保持する。
【0010】
コネクタ本体222は、外面及び端子前面230を有する壁部228から形成されている。通路は、フェルール224が着座しているコネクタ本体222を通って設けられる。図示のように、壁部228は、上面232と、底面234と、上面232と底面234との間に延在する側面236、238と、を有する。面232、234、236、238と端子前面230との間に形成された角部240は、コネクタ220のアダプタ22への進入を促進するように角度付けされてもよい。キー242は、壁部228から外側に延在し、アダプタ22と嵌合するように構成されている。一実施形態では、キー242は、上面232から延在し、コネクタ本体222の前端部からコネクタ本体222の後端部まで延在する。各側面232、234は、端子前面230から後方に延在する凹部244と、凹部244の後方に離間配置された更なる凹部246と、を有する。
【0011】
フェルール224は、コネクタ本体222の端子前面230から外向きに突出している。フェルール224は、外側表面を有する壁部248と、内部に光ファイバ228が着座している、貫通する少なくとも1つの通路を有する端子前面250と、から形成される。光ファイバ228は、既知の方法で端子前面250において終端される。フェルール224の端子前面250は、コネクタ本体222の端子前面230から長手方向にある距離を突出し、コネクタ本体222の底面234からある距離を突出している。
【0012】
図5、
図6及び
図14に最もよく示されるように、シャッタ20は、ベース部24と、ベース部24から片持ち支持された可撓性遮光部26と、から形成されている。一実施形態では、シャッタ20は、可撓性である連続した材料片で形成される。シャッタ20は、約0%透過性(すなわち、約100%不透明)である材料で作製されるが、シャッタ20を通していくらかの発光を可視化できる材料もまた、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく企図される。選択される材料は、遮光部26が繰り返し屈曲した後であっても、シャッタ20が非屈曲位置に戻るように、いくつかの形状記憶特性を有するべきである。一実施形態では、シャッタ20はステンレス鋼で形成される。シャッタ20は、ダイカスト、切断及びスタンピング、化学エッチング、又は当該技術分野で一般的に使用される他の方法によって形成されてもよい。
【0013】
シャッタ20のベース部24は、前端部及び後端部28a、28bを有する第1の平面セクション28と、前端部28aと後端部28bとの間に延在する側縁部28c、28dと、を有し、それによって下面28e及び上面28fが画定される。長さは、前端部28aと後端部28bとの間に画定され、幅は側縁部28cと側縁部28dとの間に画定される。ベース部24は、第1のセクション28の前端部28bから上方に延在する直立した第2のセクション30を有する。第2のセクション30は、下端部及び上端部30a、30bと、下端部30aと上端部30bとの間に延在する側縁部30c、30dと、を有し、それによって前面30e及び後面30fが画定される。高さは、下端部30aと上端部30bとの間に画定され、幅は側縁部30cと側縁部30dとの間に画定される。第2のセクション30の下端部30aは、第1のセクション28の前端部28aと滑らかに合流する。いくつかの実施形態では、第2のセクション30は、その高さに沿って円弧状である。いくつかの実施形態では、第2のセクション30は、第1のセクション28と合流する湾曲した角を有する平面である。いくつかの実施形態では、ベース部24は、第1のセクション28の後端部28bに、上向き端部32を更に有する。
【0014】
シャッタ20の遮光部26は、前端部及び後端部26a、26bと、前端部26aと後端部26bとの間に延在する側縁部26c、26dと、を有し、それによって前面26e及び後面26fが画定される。長さは、前端部26aと後端部26bとの間に画定され、幅は側縁部26cと26dとの間に画定される。遮光部26の前端部26aは、ベース部24の第2のセクション30の上端部30bと滑らかに合流する。第2のセクション30の上端部30bに延在する遮光部26の少なくとも1つのセクション34は、湾曲セクション34の前端部から湾曲セクション34の後端部までその長さに沿って湾曲している。湾曲セクション34は、所定の軸方向の長さ及び所定の垂直方向の高さにわたって延在する。一実施形態では、湾曲セクション34は、一定の半径に沿ってその長さに沿って湾曲する。一実施形態では、湾曲セクション34は、ある角度で隣接する1つ以上の直線部を含む。無理やりに湾曲セクション34にするための複数の直線部の使用は、製造の容易さを助けることができる。一実施形態では、湾曲セクション34から延在する遮光部26の残りの部分は、その長さに沿って湾曲しており、湾曲セクション34と同じ半径でその長さに沿って湾曲していてもよい。一実施形態では、湾曲セクション34から延在する遮光部26の残りの部分は、その長さに沿って平坦である。遮光部26の後面26fは、ベース部24の上面28fに対向している。
【0015】
遮光部26は、本明細書に記載されるようにベース部24に対して屈曲して、遮光部26及びベース部24の端部26bと端部28bとの間の距離を低減する。
【0016】
開口部36は、ベース部24と遮光部26とを通って設けられ、ベース部24の第1のセクション28の端壁面36aと、遮光部26の端壁面36bと、端壁36aと端壁36bとの間に連続的に延在する側壁面36c、36dと、によって形成されている。一実施形態では、開口部36は、シャッタ20の側縁部26c/30c/26cと側縁部26d/30d/26dとの間の中間点に設けられる。開口部36は、第1及び第2のセクション28、30内、かつ遮光部26内に示されているが、開口部36は、第1及び第2のセクション28、30及び遮光部26のうちの1つ又は2つのみに設けられてもよい。
【0017】
アダプタ22は、連結スリーブ42が挿入されるハウジング40を含む。アダプタ22は、好ましくは、成形可能な金属、プラスチック、又は他の好適な材料で作製され、単一ピース(すなわち、ダイカスト)として製造され、個々のコンポーネントを組み立てる必要性を排除する。連結スリーブ42はシャッタ20を支持し、またコネクタ220と嵌合するように構成されている。
【0018】
図7~
図9に最もよく示されるように、ハウジング40は、外面44cを画定する対向端部44a、44bを有する壁部44、及び壁部44を通って延在し、壁部44の内面44dを画定する通路46から形成される。挿入開口部48a、48bは、ハウジング40の端部44a、44bに設けられている。図示されるように、壁部44は、頂壁部50と、底壁部52と、頂壁部50と底壁部52との間に延在する一対の側壁部54、56と、から形成され、それによって通路46は、上面58、底面60、及び上面58と底面60とを接続する側面62、64を有する。フランジ66は、壁部50、52、54、56から外向きに延在し、通路46に垂直である。フランジ66は、多くの異なる業界標準構成及び非標準構成(例えば、EMI、標準、縮小プロファイルなど)を有してもよく、ハウジング40上の様々な位置に配置されてもよい。図に示されるように、フランジ66は、ハウジング40の周囲の壁部50、52、54、56の全てから延在するが、例えば、フランジ66は、頂壁部50からのみ延在することができる。ハウジング40は、2つの部品又は単一の部品から作製されてもよい。
【0019】
隔壁68は、内面44dから延び、通路46を二分して2つの挿入通路を形成する。隔壁68は、隔壁68が電磁干渉(EMI)遮蔽を提供するように、コネクタ220によって生成された電磁場を減衰させる材料で作製されている。隔壁68は、典型的なフェルール224のおおよその幅に適応するのに十分大きい、隔壁68のほぼ中心にあるフェルールウィンドウ70を含み、それにより、コネクタ220からの光ファイバの光は、遮断されないで前方挿入通路から後方挿入通路へと通ることができる。
【0020】
通路46と連通しているキー溝72は、各端部44a、44bから隔壁68に向かって内面44dに沿って延在する。一実施形態では、各キー溝72は、それぞれの端部44a、44bから隔壁68まで延在する。一実施形態では、各キー溝72は、頂壁50内に設けられる。
【0021】
一実施形態では、ラッチ受容構造74は、各端部44a、44bに近接してハウジング40内に設けられる。一実施形態では、ラッチ受容構造74は、それぞれの端部44a、44bから終端壁78まで隔壁68に向かって内向きに内面44dに沿って延在する一対の凹部76と、終端壁78の後方に離間配置された壁部44を通って設けられた一対の開口部80と、を含む。終端壁78は、端部44a、44bから外向きに、かつ後方に角度をなす表面によって形成されてもよい。凹部76は、互いに整列していてもよい。開口部80は、互いに整列していてもよい。各開口部80は、それぞれの凹部76と整列していてもよい。一実施形態では、凹部76及び関連する開口部80は、側壁54、56内に設けられる。
【0022】
図10~
図13に最もよく示されるように、連結スリーブ42は、外面84cを画定する対向端部84a、84bを有する壁部84、及び壁部84を通って延在し、壁部84の内面84dを画定する通路86から形成される。開口部88a、88bは、ハウジング80の端部84a、84bに設けられている。図示されるように、壁部84は、頂壁部90と、底壁部92と、頂壁部90と底壁部92との間に延在する一対の側壁部94、96と、から形成され、それによって通路86は、上面98、底面100、及び上面98と底面100とを接続する側面102、104を有する。
【0023】
頂壁部90は、頂壁部90の内面84dにキー溝106を形成し、頂壁部90の外面84cにキー108を形成する。キー溝106及びキー108は、頂壁部90のセクション90aを頂壁部90の側部セクション90b、90cからオフセットすることによって形成されてもよい。各セクション90a、90b、90cは、平面状の内面及び外面を有してもよい。一実施形態では、キー溝106及びキー108は、端部84aから端部84bまで延在する。
【0024】
一実施形態において、ラッチ係合構造110は、連結スリーブ42の一部として提供され、ハウジング40上のラッチ受容構造74と嵌合するように構成されている。一実施形態において、ラッチ係合構造110は、各側壁94、96の一部として一体的に形成されたラッチアーム112を含む。一実施形態では、ラッチアーム112は、開口部114によってそれぞれの側壁94、96の残りの部分から分離され、それによって各ラッチアーム112が、それぞれのラッチアーム112と側壁94、96との間の接合部で側壁94、96の残りの部分に対して屈曲することができる。一実施形態では、各ラッチアーム112の指把持部114は、連結スリーブ42の端部84aの前方に延在する。一実施形態では、各ラッチアーム112は、そこから外向きに、かつ外面84cから外向きに延在するハウジングラッチ突出部116を有する。一実施形態では、各ハウジングラッチ突出部116は、ラッチアーム112と側壁94、96の残りの部分との間の接合部から離間している。一実施形態では、各ラッチアーム112は、そこから外向きに、かつ通路86に向かって延在するコネクタラッチ突出部118を有する。一実施形態では、コネクタラッチ突出部118は、各指把持部114の内面上にある。
【0025】
凹部120は、シャッタ20が取り付けられた壁部84に設けられている。図示の実施形態では、凹部120は、端部84aにおいて底壁部92に設けられている。一実施形態では、凹部120は、外面84c内の下部セクション120aと、端部84a内の前方セクション120bと、内面84dの上部セクション120cとを有し、凹部120は連続的に延在する。一実施形態では、上部セクション120は、端部84aから端部84bまで延在する。一実施形態では、凹部120は、底壁部92の中点に沿って延在する。下部セクション120aは、ベース部24の第1のセクション28の幅よりも大きい、好ましくはわずかに大きい幅を画定する。前方セクション120bは、ベース部24の第2のセクション30の幅よりも大きい、好ましくはわずかに大きい幅を画定する。上部セクション120cは、遮光部26の幅よりも大きい、好ましくはわずかに大きい幅を画定する。一実施形態では、凹部120は、上部セクション120cのみを含む。
【0026】
シャッタ受容突出部122は、セクション120a、120b、120cから外側に延在する。一実施形態では、シャッタ受容突出部122は、下部セクション120aから延在する下部セクション122aと、前方セクション120bから延在する前方セクション122bと、上部セクション122aから延在する上部セクション122cと、を有する。一実施形態では、上部セクション122aの上面124は、底面100と同一平面である。シャッタ受容突出部122は、セクション120a、120b、120cの全てから延在するものとして示されているが、シャッタ受容突出部122は、セクション120a、120b、120cのうちの1つ又は2つのみに設けられてもよい。
【0027】
一実施形態では、凹部120及びシャッタ受容突出部122は、キー溝106と反対側の位置に設けられる。
【0028】
空洞126、
図14参照、は、底壁部90の外面84cでセクション120aの端部から離間した位置に設けられている。
【0029】
アダプタ22を組み立てるために、シャッタ20は、ベース部24の第1のセクション28が下部セクション120a内に着座し、ベース部24の第2のセクション30が前方セクション120b内に着座し、遮光部26が上部セクション120cに隣接し、上向き端部32が空洞126内に着座した状態で、凹部120内に着座することで連結スリーブ42に取り付けられる。シャッタ受容突出部120は、開口部36内に着座し、開口部36の形状に適合して、シャッタ20を連結スリーブ42に固定する。コネクタ220が連結スリーブ42内に挿入されないとき、湾曲セクション34は、通路86内に内向きに湾曲し、第1の位置にある。
【0030】
その後、連結スリーブ42の端部84bは、ハウジング40の開口部、例えば開口部48aを通ってハウジング40の通路86内に挿入される。連結スリーブ42の端部84bは、完全に挿入されたときに隔壁68に当接してもよい。この挿入の間、ラッチ係合構造110はラッチ受容構造74と嵌合し、連結スリーブ42のキー108はハウジング40のキー溝72と嵌合する。具体的には、この挿入中、連結スリーブ42上のハウジングラッチ突出部116は、ハウジング40内の凹部76に係合し、凹部76に沿って摺動することができる。ハウジングラッチ突出部116が終端壁78と係合するとき、更なる挿入力が連結スリーブ42に加えられると、ラッチアーム112は内向きに屈曲する。ハウジングラッチ突出部116は、凹部76の終端壁78と開口部80との間の側壁54、56の一部を通過する。ハウジングラッチ突出部116が開口部80と整列すると、ラッチアーム112は外向きに屈曲し、ハウジングラッチ突出部116は開口部80内に着座して、連結スリーブ42をハウジング40内に解放可能に固定する。この挿入の間、キー108はキー溝72に沿って摺動する。キー108とキー溝72とのこの嵌合する係合は、連結スリーブ42が1つの向きでハウジング40内にのみ挿入され得ることを確実にする。遮光部26は、フェルールウィンドウ70を少なくとも部分的に遮断するために、フェルールウィンドウ70と長手方向に少なくとも部分的に整列している、
図17参照。フェルールウィンドウ70は、遮光部26によって部分的に遮断されるので、アダプタ22の他端に挿入された相手方コネクタ(図示せず)からの光は、端部84aまで通過することができない。一実施形態では、ラッチアーム112は、連結スリーブ42がその中に着座するとき、ハウジング40の端部48aから外向きに延在しない。
【0031】
コネクタ220とアダプタ22を組み立てるために、コネクタ220は、連結スリーブ42の端部84aを通って、連結スリーブ42の通路86に挿入される。コネクタ220のアダプタ22へのこの挿入中に、コネクタ本体222の角部240は、シャッタ20の湾曲セクション34と接触するが、フェルール224はシャッタ20の湾曲セクション34に接触しない。コネクタ220が連結スリーブ42内に挿入されると、シャッタ20の遮光部26の湾曲セクション34は、この接触の結果としてその長さに沿って連続的に屈曲して、セクション34を平坦化する。したがって、セクション34は、「広がって」平坦な形状をとり、第2の位置にある。その結果、シャッタ20の遮光部26は、先行技術で実施されるように、単一の支点の周りで屈曲しない。コネクタ220が連結スリーブ42内に完全に挿入されると、シャッタ20の遮光部26は、概ね平面であり、凹部120の上部セクション120c内に着座する。シャッタ20の遮光部26は、挿入中にコネクタ本体222にのみ接触する。シャッタ20の遮光部26は、フェルール224に接触しない。コネクタラッチ突出部118は、コネクタ220の凹部244に沿って摺動し、凹部246内で係合してコネクタ220をアダプタ22に固定する。コネクタ220上のキー242は、連結スリーブ42のキー溝106に沿って摺動することにより、コネクタ220が誤った向きで連結スリーブ42に挿入されることを防止する。コネクタ220が誤った向きでアダプタ22に挿入されるようにする場合、コネクタ220上のキー242は、連結スリーブ42、
図18参照、上の突出部122と係合し、それによって連結スリーブ42の通路86への進入を防止する。
【0032】
コネクタ220をアダプタ22から係合解除するために、ラッチアーム112は屈曲して、コネクタラッチ突出部118を凹部246から取り外す。コネクタ220は次に、連結スリーブ42から外向きに引かれる。コネクタ220が外向きに引かれると、コネクタ本体222の角部240はシャッタ20の遮光部26と接触するが、フェルール224はシャッタ20の遮光部26に接触しない。コネクタ220が連結スリーブ42から外向きに引かれると、シャッタ20の遮光部26は屈曲し、湾曲形状へと「再ロール」して、第1の位置を再開する。コネクタ220が連結スリーブ42から完全に引き出されると、シャッタ20の遮光部26は、その初期湾曲形状を自動的に再開する。シャッタ20の遮光部26は、係合解除中にコネクタ本体222にのみ接触する。シャッタ20の遮光部26は、フェルール224に接触しない。
【0033】
シャッタ20と連結スリーブ42の組み立て及びコネクタ220とアダプタ22の組み立ては、手で、かつツールを使用せずに実施される。
【0034】
コネクタ220に接触する遮光部26のセクション34は湾曲しているため、遮光部26のセクション34と遮光部26が周りで繰り返し作動するベース部24との間には先行技術で設けられるように支点が設けられていない。その結果、シャッタ20は、先行技術で設けられるように支点が設けられたときよりも摩耗しにくい。
【0035】
コネクタ220と接触する遮光部26のセクション34は、その長さに沿って湾曲しているため、遮光部26がコネクタ220と接触するセクション34に沿って遮光部26が平坦であった場合よりも、遮光部26のセクション34とコネクタ220との間の摩擦係合が小さくなる。その結果、連結スリーブ42へのコネクタ220の挿入から生じる応力は、遮光部26の湾曲セクション34の長さに沿って分散される。
【0036】
シャッタ20の遮光部26の幅は、フェルール224に装着された程度の差はあるが光ファイバ228の使用に適応するように変化させることができる。
【0037】
キー108は、連結スリーブ42上にあるものとして説明され、キー溝72はハウジング40内に設けられているが、ハウジング40はキー108を有してもよく、連結スリーブ42は嵌合キー溝72を有する。キー242は、コネクタ220上にあるものとして説明され、キー溝106は連結スリーブ42に設けられているが、連結スリーブ42は、キー242を有してもよく、コネクタ220は嵌合キー溝106を有する。
【0038】
コネクタ220は、連結スリーブ42内の整列開口部(図示せず)と嵌合する位置合わせピン(図示せず)を有してもよい。このような位置合わせピンが提供される場合、位置合わせピンは、挿入又は係合解除中にシャッタ20の遮光部26に接触しない。
【0039】
特定の実施形態が図面に例示され、図面に関して説明されているが、当業者は、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な修正を考案し得ることが想定される。したがって、本開示の範囲及び添付の特許請求の範囲は、図面に例示され、図面に関して説明された特定の実施形態に限定されるものではなく、その修正及び他の実施形態は、本開示及び添付図面の範囲内に含まれることが意図されることが理解されるであろう。更に、前述の説明及び関連する図面は、要素及び/又は機能の特定の例示的な組み合わせの文脈における例示的な実施形態を説明しているが、要素及び/又は機能の異なる組み合わせは、本開示の範囲及び添付の特許請求の範囲から逸脱することなく代替実施形態によって提供されてもよいことを理解されたい。