(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】吸入器、特にカンナビノイド吸入器、及びその吸入器を組み立てる方法
(51)【国際特許分類】
A61M 15/00 20060101AFI20221115BHJP
【FI】
A61M15/00 Z
(21)【出願番号】P 2020519027
(86)(22)【出願日】2018-10-04
(86)【国際出願番号】 GB2018052830
(87)【国際公開番号】W WO2019073204
(87)【国際公開日】2019-04-18
【審査請求日】2021-10-01
(32)【優先日】2017-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】520110607
【氏名又は名称】センザー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Senzer Limited
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】アレックス・ハーン
(72)【発明者】
【氏名】ポール・ヤング
(72)【発明者】
【氏名】ギヨーム・ペラン
【審査官】菊地 牧子
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-513275(JP,A)
【文献】特表2017-506639(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0094999(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 15/00
A24F 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入器であって、
吸入可能な化合物の加圧リザーバーを有する内側ハウジングと、
前記吸入器の吸入端部において吸入する使用者により操作され得る呼吸作動弁と、
前記呼吸作動弁から前記吸入端部に向かう化合物流路とを備えており、
前記呼吸作動弁が開くと、前記化合物は前記化合物流路を経由して分注され、
前記呼吸作動弁は、
付勢部材によって付勢されて閉じて、
前記付勢部材の一方の端部が前記呼吸作動弁に接触して、
前記吸入器は前記内側ハウジング内に栓を備えており、
前記栓は、前記
一方の端部に対向する前記付勢部材の
他方の端部を支持するため、前記内側ハウジングの開口部に位置しており、
前記吸入器は、前記内側ハウジングを囲み、且つ前記栓を支持する硬い外側ハウジングを備える、ことを特徴とする吸入器。
【請求項2】
前記吸入可能な化合物は、カンナビノイド、薬学的に許容できる派生物、又はその塩を備える、請求項1に記載の吸入器。
【請求項3】
前記吸入器は、前記吸入端部に通じる前記吸入器を通る空気流路と伝達する膜を備えており、
前記膜は、前記付勢部材の動作に対してバルブ要素を移動させるように、前記空気流路内の空気により、変形し得るように構成されている、請求項1又は2のいずれかに記載の吸入器。
【請求項4】
前記吸入器は、前記付勢部材に隣接する前記内側ハウジングの一部を形成するキャップを備えており、
穴が、前記栓を受容するように、前記キャップに設けられている、請求項1~3のいずれかに記載の吸入器。
【請求項5】
前記外側ハウジングは、非溶接手段で取り付けられている多くの構成要素から形成されている、請求項1~4のいずれかに記載の吸入器。
【請求項6】
前記構成要素は共に取り付けられている、請求項5に記載の吸入器。
【請求項7】
前記構成要素は不可逆的に共に取り付けられている、請求項6に記載の吸入器。
【請求項8】
請求項4に記載の吸入器を組み立てる方法であって、
前記キャップを前記内側ハウジングの残余部分に取り付けるステップと、
前記付勢部材を前記キャップの前記穴に挿入するステップと、
前記付勢部材を所定の位置に固定するため、前記栓を前記キャップに取り付けるステップと、
前記栓を支持するため、前記外側ハウジングを組み立てるステップとを備える、ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸入器、特にカンナビノイド吸入器、及びその吸入器を組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カンナビノイドは、長きにわたり、鎮痛、発作の治療、制吐などにおける、その治療可能性で知られている。一方、カンナビノイドは、その精神活性作用のため、使用することが多くの議論に関連している化合物群である。この精神活性作用は、カンナビノイド受容体(CB1及びCB2)、及びTHC(テトラヒドロカンナビノール)、CBD(カンナビジオール)、CBN(カンナビノール)、及びTHCV(テトラヒドロカンナビバリン)のようなカンナビノイドごとの分離を発見するまで、主に、受容体CB1に対する大きな親和性を有する(THCのような)化合物に起因し得るものではなかった。また、それぞれのカンナビノイドが受容体に対する親和性において互いに異なること、及びCBDのような所定のカンナビノイドがCB1/CB2アンタゴニストとして働き、THCのようなアゴニストの一部の作用を防ぐことが証明されている。
【0003】
進行中の研究により、カンナビノイドの治療への応用は、次第に明らかになり、多くの国において、医療目的に対するこれらの化合物の合法化をもたらす。この分野における研究の主な目的は、カンナビノイドの安全、急速、及び/又は効果的な送達に関連している。
【0004】
カンナビノイドの送達についての多くの方法が、先行技術において知られている。
【0005】
例えば、米国公開特許2012/0304990号は、大麻の堆積物を蒸発させるため、加熱する使用法を示している。このシステムの1つの欠点は、大麻が蒸発する温度(180~200℃)と毒素が生じる温度(230℃)との間において、小さな温度差しかないことである。
【0006】
多くの先行技術(例えば、国際公開特許03/055549、米国登録特許6509005号、及び国際公開特許2004/000290号)が、定量投与吸入器の使用法を開示している。そのような吸入器は多くの欠点を抱えている。まず、計量チャンバーは相対的に小さい、すなわち一般的に100μl未満であり、極めて集中した投与量の送達をもたらす。また、そのような装置は、使用者に、出口弁の作動と吸入を適切に調整することを要求するため、適切に調整することを失敗して、送達投与量が変化し得る。
【0007】
別の一般的な方法は、例えば、国際公開特許02/064109号と米国公開特許2006/135599号に開示されている単純なスプレーである。この国際公開特許02/064109号と米国公開特許2006/135599号は、舌下又は口腔のスプレーを提供するように考案されている。そのようなスプレーは、GWファーマシューティカルズにより、サティベックス(商標)の下で販売されている。これらのスプレーは、唾液の洗い流す動作のため、薬品の送達投与量が不均一になり得ることを抱えている。また、これらのスプレーは、肺送達に比べて遅い作動の開始を有する。
【0008】
この目的の発明は、国際公開特許2015/121673号に開示されている。この国際公開特許2015/121673号は、シミュレートされたたばこに基づく吸入器を利用して、大麻を分注するため、この吸入器を用いる。
【0009】
吸入器は、加圧リザーバーと呼吸作動弁を用いて、シミュレートされたたばこの設計に基づく。吸入器の吸入端部における吸引により、加圧リザーバーが剤形を分注できるように、呼吸作動弁を開く。
【0010】
吸入器は、主に、シミュレートされたたばことして、形成されている。呼吸作動弁の詳細は、国際公開特許2009/001082号、国際公開特許2010/073018号、国際公開特許2011/015825号、国際公開特許2011/015826号、国際公開特許2014/033438号、国際公開特許2014/033439号、国際公開特許2014/155091号、及び国際公開特許2016/005728号に記載されている。
【0011】
吸入器のさらなる詳細は、国際公開特許2011/117580号と国際公開特許2014/155093号において、提供されている。
【0012】
吸入器が検査され、且つ組み立てられる方法の詳細が、国際公開特許2015/087045号、国際公開特許2014/155095号、及び国際公開特許2016/046567号において、提供されている。
【0013】
吸入器は、たばこパックの形状と大きさを有するように形成されている補充パックにより補充できるように形成されている。補充パックの詳細は、国際公開特許2009/001078号、国際公開特許2014/155092号、国際公開特許2014/155090号、及び国際公開特許2014/155089号において、提供されている。
【0014】
国際公開特許2015/121673号は、そのような吸入器から、カンナビノイド系生成物を分注するために必要となる化合物の詳細を提供している。
【0015】
上述の参考文献は、吸入器内部の仕組みと化合物についての完全な記載を提供している。
【発明の概要】
【0016】
本発明は、カンナビノイド生成物を分注することに適している、そのような吸入器の変更を提供する。
【0017】
上述の吸入器による1つの問題は、閉じた呼吸作動弁を付勢するように形成されているばねがあることに関する。このばねは、キャップが導入されて、所定の位置に溶接される前に、吸入器に挿入される。これは、一部の組み立て工程の間、キャップがばねを覆って、到達できない状態であるため、扱いにくい操作である。また、金属のばねは、溶接工程の間、熱くなり得るため、囲んでいる金属に該ばね自体を埋め込み得る。これは、ばねが弁を閉じるように付勢する力に悪影響を及ぼす。
【0018】
本発明によれば、請求項1に記載の吸入器が提供される。
【0019】
本発明は外側ハウジングを用いる。これにより、付勢部材のための支持部が、事前に溶接されたキャップよりも付勢部材を支持するための栓を含むように再構成され得る。硬い外側ハウジングは、栓を支持するため、内側ハウジングを囲む。
【0020】
吸入器の化合物が、カンナビノイド、薬学的に許容できる派生物、又はその塩を備える場合、外側ハウジングに対する必要性が、そのような状況において大きくなるため、この変更は特に適用できる。
【0021】
また、吸入器は、好ましくは、吸入端部に通じる吸入器を通る空気流路と伝達する膜を備える。この膜は、付勢部材の動作に対してバルブ要素を移動させるように、空気流路内の空気により、変形し得るように構成されている。この膜は、相対的に小さな空間において付勢部材を克服するように、相対的に大きな力を生じる最適な方法をもたらす幅の大きい表面領域を与え得る。
【0022】
さらに、吸入器は、好ましくは、付勢部材に隣接する内側ハウジングの一部を形成するキャップを備える。穴が、栓を受容するように、キャップに設けられている。
【0023】
外側ハウジングは、共に溶接されている多くの構成要素から形成され得る。この場合、溶接継手はまた、上述のように設定された溶接熱を含む問題を回避するように、付勢部材から防がれ得る。一方、外側ハウジングは、好ましくは、非溶接手段で取り付けられている多くの構成要素から形成されている。構成要素は、好ましくは、共に取り付けられている。この場合、構成要素は、好ましくは、不可逆的に共に取り付けられている。したがって、外側ハウジングは、構成要素に回復不能な損傷を与えることなく、分解することができない。
【0024】
本発明のこの態様はまた、好ましくは、請求項5に記載の吸入器を組み立てる方法に及ぶ。
【0025】
国際公開特許2015/121673号に記載の吸入器を大麻分注器として用いることによる問題は、吸入器が、限られた指の器用さを有する使用者により用いられることである。国際公開特許2015/121673号の吸入器は、指先に保持されるように形成され、且つ吸入器を補充するため、補充ノズルに付勢されている。
【0026】
本発明の第2の態様によれば、請求項6に記載の吸入器が提供される。
【0027】
相対的に平坦なボディを有する非常に大きな吸入器を提供することにより、この吸入器は、親指、人さし指、及び手の平の間で容易に保持され得るため、限られた器用さにより、吸入器を補充することは非常に容易である。
【0028】
これを強化するため、扁平形状は、対向する平面を備える。少なくとも1つの平面は、吸入器の長さの少なくとも3分の1(好ましくは2分の1)まで、及び吸入器の幅の少なくとも3分の1(好ましくは2分の1)まで伸びる凹部を備える。この相対的に大きな凹部の端部は、使用者が吸入器を操作することを容易にする追加の表面を与える。特に、凹部の奥行きは、好ましくは、吸入器の奥行きの10%よりも大きい。相対的に大きな奥行きの凹部は、使用者が、装置を補充パックに接続するとき、押圧し得る吸入器の吸入端部に対向する表面を与える。凹部だけが吸入器の側面にある場合、それぞれの平面は、好ましくは、凹部を備える。
【0029】
分注される化合物の特性を考慮して、吸入器は、子供が操作できないように保管されるべきである。そのような子供が操作できない保管部は、国際公開特許2015/121673号において、提供されている。
【0030】
本発明の第3の態様によれば、請求項12において定められているような吸入器と補充パックとの組み合わせが提供される。
【0031】
ハウジングのそれぞれの端部において、少なくとも80mm(好ましくは90mm)離れているラッチを与えることにより、補充パックは、子供が補充パックを片手で持つことにより、子供の手が両方のラッチに同時に届かないため、誤って容易に操作されない。当然、子供は両方の手を用いてコンテナを開け得る一方、コンテナは器用さと協調をはるかに必要とする。これは、偶然起こるよりもはるかに稀である。同時に、補充が、限られた器用さを有する使用者により用いられるように意図されていることを考慮すると、ハウジングの対向する端部における2つのラッチを押圧することにより、コンテナが簡単に開き得ることにより、使いやすい機構をもたらす。この機構はまた、補充パックの美観に過度に悪影響を及ぼすことなく、補充パックに容易に形成され得る。
【0032】
また、化合物の特性を考慮して、使用者が、補充キャニスターから直接、化合物を分注できないことが好ましい。これは、補充パックのハウジング内に補充ノズルを作ることにより、補充キャニスター内で扱われ得る。本発明の第4の態様に従って、請求項14に記載のカンナビノイド吸入器と補充パックとの組み合わせが提供される。
【0033】
加圧キャニスターとの接続を得る唯一の方法は、補充パックのハウジングを壊すことであるため、これを行うための思いがけない試みを防ぐ。ハウジングを壊すことができる場合、これは決して容易ではなく、加圧キャニスターに損傷を与える虞がある。したがって、この補充パックが、思いがけない使用者により試され、国際公開特許2015/121673号よりも大きな保護を提供する可能性は低い。例えば、補充パックの一部は、不可逆的な方法で共に取り付けられているため、容易に分離できない。したがって、補充パックの一部を分離することにより、回復不能な損傷をハウジングに与えることを必ずもたらす。一方、好ましくは、少なくとも2つの部分が、例えば音波溶接により、共に溶接される。
【0034】
本発明の第5の実施形態によれば、請求項16に記載のカンナビノイド吸入器と補充パックとの組み合わせが提供される。補充パックのハウジングが、加圧キャニスターの収容部において、幅が大きい曲線状の断面を有することにより、人間工学的利点をもたらす。この形状は、必然的に、使用者が、幅の大きな端部において、補充パックのハウジングを把持することを促す。この幅の大きな端部は、補充動作を行うため、吸入器を挿入する端部である。使用者がこの端部を保持するため、この端部は、補充パックに対して吸入器を付勢する対象となる安定基部を与える。
【0035】
好ましくは、ハウジングは、加圧補充キャニスターの出口の周辺において、透明窓部を備える。これにより、使用者は、吸入器と加圧補充キャニスターの出口との間の接合の視覚的なガイドを有することができる。
【0036】
好ましくは、吸入器の補充端部は、加圧補充キャニスターの出口の周辺において、凹部に適合するように構成されている。これは、吸入器を補充位置に案内することを助けて、透明窓部があることにより潜在的に促される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明の様々な態様の実施例は、添付図面を参照して記載される。
【
図7A】
図7Aは、所定の位置に示す吸入器を備える、ドアが開いている状態の補充の斜視図である。
【
図7B】
図7Bは、吸入器が取り外された、ドアが開いている状態の補充の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は、
図1~4,7Aに示す吸入装置1、及び
図5~7に示す補充パック2を備える。
【0039】
吸入装置1の内部の仕組みは、上述のすべての国際公開特許に記載されている吸入器Iに基づく。この吸入器Iは、本発明の内側コアを形成する。本発明により提供される変更は、大まかに、以下に説明するような外側ハウジング3により、この内側コアIを囲むことである。
【0040】
一般的に、吸入器Iの仕組みは変わらないため、本明細書において、詳細に説明しない。
【0041】
大まかに、吸入器のコアは、リザーバー4と呼吸作動弁の機構5を備える。この呼吸作動弁の機構5は、ばね荷重部材の弁部材6(
図3B参照)を有する。この弁部材6は、リザーバー4への接続を遮断するために閉じる変形可能なチューブ7を締め付ける。弁要素6は、ばね8により付勢されて閉じる。膜9は、空気流路と伝達する。したがって、出口端部10における吸引は、膜における圧力の変化を生じる。この圧力の変化により、ばね8の作動に対して弁要素6を解除する。この機構5のさらなる詳細は、上述の参考文献に示す。
【0042】
吸入器のコアは、補充バルブ13に隣接している固定具12により保持される浸漬管11を有する。この浸漬管11により、吸入器Iは、補充端部14において、補充され得る。また、さらなる詳細は、上述の参考文献に示す。
【0043】
図3Bにおいて、吸入器Iに対する変更の1つを示す。吸入器Iは、膜9の周辺において、キャップ15により閉じている。このキャップ15は、上述の参考文献において、ばね8を直接支持する。一方、本発明の場合、栓16の形状をしている別の構成要素が、キャップ15の開口部17に挿入されて、Oリング18により密閉されている。これにより、ばね8が、所定の位置に置かれて、栓16により保持される前に、キャップ15は所定の位置に溶接され得る。
【0044】
例えば、
図1,2から明らかなように、外側ハウジング3は、3つの独立部分、すなわちマウスピースケーシング20、上部ケーシング21、及び下部ケーシング22から形成されている。これらのマウスピースケーシング20、上部ケーシング21、及び下部ケーシング22は、外側ハウジングを形成するように、共に取り付けられている。
図3Bに示すように、Oリング23は、マウスピースケーシング20に対して、吸入器のコアのフランジ24を密閉する。このフランジ24は、吸入器Iの別の変化を示す。同様のフランジ24Aが、外側ハウジング3と反対側の端部にある。マウスピースケーシング20はまた、栓16が取り除かれることを防ぐように、(
図3Bにおいて、1つだけを示す)多くのリブ25を備える。
【0045】
吸入器のコアはまた、外側ハウジング3内において、伸長リブ26があることにより、所定の位置に保持されている。この伸長リブ26は、吸入器Iを所定の位置に保持するため、吸入器Iの長さの大部分に沿って伸びて、外側ハウジング3の対応するスロットに係合する。
【0046】
図1,2に特に示すように、外側ハウジング3は、特に、限られた手の器用さを有する使用者に対する吸入装置1の有用性を強化するため、多くの人間工学的特徴を備える。
【0047】
したがって、外側ハウジング3は、
図3A,1A,1Fに示すような吸入器のコアよりもかなり大きなサイズを備える。
図1A,1Fの吸入端部10と補充端部14において、吸入器Iを示す。この吸入器Iは、最も幅の大きい位置において、約26mmの直径であり、好ましくは、約20mmの奥行きである。これは、
図1A,1Fに示す相対的に平坦で細長い構造をもたらす。凹部30が、多くの図に示すような外側ハウジング3の上面と下面に設けられている。これにより、吸入装置1は、吸入過程の間、及び補充されているとき、容易に把持する。使用者は、吸入の間、指を上方の凹部に、また親指を下方の凹部に置いて、吸入器を把持する。吸入器は、いずれかの方法で用いられ得る一方、吸入器が矢印の最上部と同じ方向に常に用いられることを促すように、吸入器の上部に印を付ける矢印31の形状のインディカを備える。この方向において、化合物出口32(
図1F,3B参照)は最上部にある。これにより、統一された投与パターンをもたらす一方、吸入器は、いずれの方向においても動作する。
【0048】
吸入装置1が補充される必要があるとき、補充端部33は、以下に説明するような補充パック2に挿入される。凹部30は、使用者により容易に把持され、且つ方向付けられる、対となる表面34を与える。したがって、使用者は、押圧する力を容易に与えて、補充端部33を以下に説明するような補充パックに付勢し得る。
【0049】
【0050】
補充パック2は、
図7A,7Bに示すような開閉可能なドア41を含むハウジング40を有しており、2つの区画、すなわちドア41の裏に位置する装置収容区画42、及び
図6Aに示す加圧補充キャニスター43を収容するための区画に特に分離される。この補充パック2は、標準的な加圧シリンダーの構造であり、国際公開特許2015/121673号において定められている区画を収容する。キャニスター43は、補充パックを対象とする上述の参考文献に記載される吸入装置1を補充するため、吸入装置1によりキャニスター43に押圧されるノズル44を有する。
【0051】
ドア41以外のハウジング40のボディは、キャニスター43を密閉するように、線47に沿って(例えば、音波溶接により、)溶接されている2つの部分45,46により与えられている。したがって、キャニスター43は、ハウジング40を壊すことなく、取り外されることがない。代替として、この部分は、不可逆的な方法で共に取り付けられ得る。
【0052】
窓部48は、吸入装置1の補充端部33が、ノズル44を囲む凹部49に挿入されるとき、使用者が見えるように、ノズル44の両側において、ハウジング40に設けられている。凹部49は、吸入端部33の形状に有利な形状を有する。したがって、使用者が、補充ノズル44に向けて案内されている補充端部33を見えるだけでなく、吸入装置1も、補充端部33と凹部49の相互作用により案内される。
【0053】
ドア41は、ドア41が、
図5,6に示す閉位置と
図7に示す開位置との間において、ヒンジで結合され得るように、一対のヒンジ50により、ハウジング40の主要なボディに取り付けられている。
図7Bから分かるように、ハウジング40は、
図7Aに示す所定の位置に吸入装置1を保持するため、吸入装置1の形状に有利な凹部51を備える。一対のクリップ52は、リテーナー装置1を所定の位置に保持する。したがって、リテーナー装置1は、ドア41が開くとき、脱落しない一方、容易に取り外され得る。
【0054】
一対のラッチ53がドア41のそれぞれの端部に設けられている。それぞれのラッチ53は、ケーシング40のそれぞれの開口部55において、係合するように弾性的に変形し得るフック54、及び目に見える矢印記号が明確に取り付けられている取り外し構成要素56を備える。この矢印は、使用者が取り外し構成要素56との係合を容易に探し得るように、表面に質感を有する。ノッチ57は、取り外し構成要素56の周辺において、ドア40に設けられている。したがって、取り外し構成要素56は、フック54を開口部55から取り外すため、ハウジングの内部で偏向して、ドア41を開き得る。ラッチ53は、約100mmの長さを有する装置のそれぞれの端部に意図的に位置している。したがって、ラッチ53は、子供が片手で装置を持つことにより、開けられない距離だけ、離間している一方、成人の大きさの手により、容易に開けられる。
【0055】
図5A,5Fから分かるように、ハウジング40は、補充キャニスター43を有する端部において、反対側の端部よりもわずかに幅が大きい曲線状の外形を有する。これは、使用者が、幅が大きい端部周りのハウジング40を把持する傾向が必然的にあることを示す。これにより、使用者が、吸入装置1の補充端部33を凹部49に挿入するとき、安定した配置をもたらす。
【0056】
所定の請求項がカンナビノイド吸入器を明記して、カンナビノイドを備える吸入可能な化合物を必要とするとき、本発明のすべての態様は、いずれかの吸入可能な医薬組成物と共に用いられ得る。