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特許7177295可変焦点レンズのための焦点ドリフトと対象までの距離変化とを区別する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-14
(45)【発行日】2022-11-22
(54)【発明の名称】可変焦点レンズのための焦点ドリフトと対象までの距離変化とを区別する方法
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20221115BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20221115BHJP
   G06T 7/44 20170101ALI20221115BHJP
   G02B 7/28 20210101ALI20221115BHJP
【FI】
G06K7/10 408
H04N5/232 290
G06T7/44
G02B7/28 H
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022103665
(22)【出願日】2022-06-28
【審査請求日】2022-06-28
(31)【優先権主張番号】17/364,581
(32)【優先日】2021-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519047200
【氏名又は名称】ゼブラ テクノロジーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Zebra Technologies Corporation
【住所又は居所原語表記】3 Overlook Point, Lincolnshire, Illinois 60069, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】ハリー イー クッヘンブロート
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第11265455(US,B1)
【文献】米国特許第11108946(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0200996(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0063048(US,A1)
【文献】特表2020-531849(JP,A)
【文献】特表2020-500310(JP,A)
【文献】特表2018-534664(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/28
H04N 5/232
G06K 7/10
G06T 7/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像システムの焦点ドリフトを関心のある対象物の位置変化から区別するためにコンピュータを用いて実施される方法であって、
前記撮像システムによって、関心のある対象物の画像を取得する工程と、
プロセッサによって、前記画像内の関心のある領域を識別する工程であって、当該関心のある領域は、前記関心のある対象物を示す指標を含む、工程と、
前記プロセッサによって、前記画像の画質を判定する工程と、
前記プロセッサによって、前記指標を分析し、前記指標のピクセル測定値を判定する工程と、
前記プロセッサによって、前記指標のピクセル測定値を参照ピクセル測定値と比較する工程と、
前記プロセッサによって、前記比較に基づいて、
前記ピクセル測定値が前記参照ピクセル測定値の閾値の外側にある時、前記画像の前記画質が、前記撮像システムからの前記対象物の距離と前記撮像システムからの参照距離との差の帰結であると判定し、
前記ピクセル測定値が前記参照ピクセル測定値の閾値の内側にある時、前記画像の前記画質が、前記撮像システムの集束ドリフトの帰結であると判定する工程と、
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記参照ピクセル測定値は、前記撮像システムのメモリ内に記憶される
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記撮像システムによって、参照指標の画像を取得する工程と、
前記プロセッサによって、前記参照指標について前記参照ピクセル測定値を判定する工程と、
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記プロセッサによって、前記ピクセル測定値に基づいて、前記撮像システムから離れている前記関心のある対象物の距離を判定する工程
を更に備え、
前記ピクセル測定値を前記参照ピクセル測定値と比較する工程は、前記プロセッサによって、前記関心のある対象物の前記距離を、前記参照ピクセル測定値に基づいて判定される参照距離と比較する工程を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記画像の前記画質が前記対象物の前記距離と前記参照距離との間の距離の差の帰結であると判定する工程は、前記対象物の前記距離が前記参照距離の閾値の外側にある時に前記画像の前記画質が前記対象物の前記距離と前記参照距離との間の距離の差の帰結であると判定する工程を含み、
前記画像の前記画質が前記撮像システムの集束ドリフトの帰結であると判定する工程は、前記対象物の前記距離が前記参照距離の閾値の内側にある時に前記画像の前記画質が前記撮像システムの集束ドリフトの帰結であると判定する工程を含む
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記指標は、1次元バーコード、2次元バーコード、静的QRコード(登録商標)、動的QRコード(登録商標)、または、UPCコード、の1つである
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ピクセル測定値を判定する工程は、ピクセルのシャープネス、コントラスト、エッジ検出、サイズ、ピクセル解像度測定値、モジュールあたりのピクセル数、または、画質、の少なくとも1つの測定値を判定する工程を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記参照ピクセル測定値は、参照ピクセル距離を示し、
前記ピクセル測定値を判定する工程は、前記プロセッサによって、前記関心のある領域内の2つのピクセル間のピクセル距離を判定する工程を含み、
前記指標の前記ピクセル測定値を前記参照ピクセル測定値と比較する工程は、前記ピクセル距離を前記参照ピクセル距離と比較する工程を含み、
前記画像の前記画質が前記撮像システムからの前記対象物の距離と前記撮像システムからの参照距離との差の帰結であると判定する工程は、前記プロセッサによって、前記比較に基づいて、前記ピクセル距離が前記参照ピクセル距離の閾値の外側にある時に前記画像の前記画質が前記撮像システムからの前記対象物の距離と前記参照距離との差の帰結であると判定する工程を含み、
前記画像の前記画質が前記撮像システムの集束ドリフトの帰結であると判定する工程は、前記プロセッサによって、前記比較に基づいて、前記ピクセル距離が前記参照ピクセル距離の閾値の内側にある時に前記画像の前記画質が前記撮像システムの集束ドリフトの帰結であると判定する工程を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
バーコードスキャナ等の装置が、様々な在庫管理用途で使用されている。幾つかの構成では、これらのバーコードスキャナは、バーコードや他のスキャン可能な指標の画像を捕捉するべく、内部の自動焦点(オートフォーカス)カメラを用いる。電気的に調整可能な可変焦点レンズが、機械ビジョン及びバーコードスキャンアプリケーションにおいて、関心のある対象物(OOI)上へのバーコードスキャナの自動焦点合わせを許容する。電気的に調整可能な可変焦点レンズの1つの欠点は、現在の焦点、または、現在の屈折力を示すフィードバック信号を提供しないことである。それらは、周囲温度の変化、レンズの経年劣化、電圧ドリフト、及び、その他の要因に起因して、時間と共に変化し得る。カメラの焦点の変化は、誤読、または、指定された距離または距離範囲でOOIをスキャンする自動焦点カメラの不能、に帰結し得る。また、例えばコンベヤベルト上で、視野内でのOOIの位置が変化し得る。自動焦点スキャナは、OOIの距離の変化に起因してOOIが焦点を外れているのか、撮像システムが焦点ドリフトを受けているのか、判定できない場合がある。更に、様々な対象物に正確かつ高速に焦点合わせするニーズは、自動焦点カメラシステムにかなりの処理の複雑さ及び機械的コンポーネントを追加させ、これらの全てがコストを増大させる。
【0002】
液体レンズを備えた自動焦点撮像システムは、典型的には、ジョブ設定で任意のタイプの焦点調整を実行し、当該焦点が無期限に保持されることを要求する。動作中、自動焦点システムの当該焦点は、とりわけ、経年、湿度、温度等の要因によって変化またはシフトし得る。システムの焦点がシフトしたかのか、対象物の距離が変化したのか、をシステムが判定できない場合、当該システムは、不要である時に焦点シフトを実行してしまって、OOIを焦点から更に外させてしまうことがある。更に、システムの焦点補償または調整は、スキャンレートの低減を引き起こし、これは、撮像システムの効率を低下させる。
【0003】
従って、焦点ドリフトが生じているか否かを判定するニーズ、及び、バーコードリーダ等の撮像システムの潜在的な焦点ドリフトを較正するニーズ、が存在する。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、本発明は、撮像システムの焦点ドリフトを較正するための方法である。本方法は、前記撮像システムによって関心のある対象物の第1画像を取得する工程と、前記撮像システムによって関心のある第2対象物の第2画像を取得する工程と、プロセッサによって前記第1画像の第1画像プロパティ値と前記第2画像の第2画像プロパティ値とを判定する工程と、プロセッサによって前記第1及び第2画像プロパティ値から画質メトリックを判定する工程と、前記プロセッサによって前記画質メトリックを参照メトリックと比較する工程と、前記比較に基づいて、(i)前記プロセッサによって、前記画質メトリックが前記参照メトリックの閾値の内側にある時、焦点ドリフトが発生していないと判定し、あるいは、(ii)前記プロセッサによって、前記画質メトリックが前記参照メトリックの前記閾値より大きい時、焦点ドリフトが発生していると判定する工程と、前記撮像システムによって、前記焦点ドリフトに従って、前記撮像システムの可変焦点レンズの中央焦点面距離を調整する工程と、を備え、前記撮像システムで取得される前記第1画像は、近い焦点面距離に焦点を有しており、前記撮像システムで取得される前記第2画像は、遠い焦点面距離に焦点を有しており、前記近い焦点面距離と前記遠い焦点面距離とは、焦点距離バンドを境界付けており、前記焦点距離バンドは、中央焦点面距離を含んでいる。
【0005】
前記実施形態の変形例において、本方法は、前記撮像システムによって参照対象物の第1参照画像を取得する工程と、前記撮像システムによって前記参照対象物の第2参照画像を取得する工程と、プロセッサによって前記第1参照画像の第1参照画像プロパティ値と前記第2参照画像の第2参照画像プロパティ値とを判定する工程と、プロセッサによって前記第1及び第2参照画像プロパティ値から前記参照メトリックを判定する工程と、を更に備え、前記撮像システムで取得される前記第1参照画像は、前記近い焦点面距離に焦点を有しており、前記撮像システムで取得される前記第2参照画像は、前記遠い焦点面距離に焦点を有している。
【0006】
前記実施形態の更なる変形例において、前記画質メトリックを判定する工程は、前記第1及び第2画像プロパティ値の差、前記第1及び第2画像プロパティ値の和、前記第1及び第2画像プロパティ値の商、あるいは、前記第1及び第2画像プロパティ値の平均、の1つを判定する工程を含む。更なる変形例において、前記画質メトリックを判定する工程は、前記第1及び第2画像プロパティ値の差、前記第1及び第2画像プロパティ値の和、前記第1及び第2画像プロパティ値の商、あるいは、前記第1及び第2画像プロパティ値の平均、の1つを判定する工程を含む。
【0007】
別の実施形態において、本発明は、撮像システムの焦点ドリフトを関心のある対象物の位置変化から区別するためにコンピュータを用いて実施される方法である。本方法は、前記撮像システムによって、関心のある対象物の画像を取得する工程と、プロセッサによって、前記画像内の関心のある領域を識別する工程であって、当該関心のある領域は、前記関心のある対象物を示す指標を含む、工程と、前記プロセッサによって、前記画像の画質を判定する工程と、前記プロセッサによって、前記指標を分析し、前記指標のピクセル測定値を判定する工程と、前記プロセッサによって、前記指標のピクセル測定値を参照ピクセル測定値と比較する工程と、前記プロセッサによって、前記比較に基づいて、前記ピクセル測定値が前記参照ピクセル測定値の閾値の外側にある時、前記画像の前記画質が、前記撮像システムからの前記対象物の距離と前記撮像システムからの参照距離との差の帰結であると判定し、前記ピクセル測定値が前記参照ピクセル測定値の閾値の内側にある時、前記画像の前記画質が、前記撮像システムの集束ドリフトの帰結であると判定する工程と、を備える。
【0008】
前記実施形態の変形例において、本方法は、前記撮像システムによって、参照指標の画像を取得する工程と、前記プロセッサによって、前記参照指標について前記参照ピクセル測定値を判定する工程と、を更に備える。前記実施形態の更なる変形例において、本方法は、前記プロセッサによって、前記ピクセル測定値に基づいて、前記撮像システムから離れている前記関心のある対象物の距離を判定する工程を更に備え、前記ピクセル測定値を前記参照ピクセル測定値と比較する工程は、前記プロセッサによって、前記関心のある対象物の前記距離を、前記参照ピクセル測定値に基づいて判定される参照距離と比較する工程を含む。
【0009】
添付の図面は、以下の詳細な説明と共に、本明細書に組み込まれて本明細書の一部を形成し、特許請求される発明を含む概念の実施形態を更に説明するのに役立ち、また、それら実施形態の様々な原理及び利点を説明するのに役立つ。添付図面において、同様の参照符号は、別個の図面を通して同一または機能的に類似の要素を指している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の一実施形態に従う、可変焦点走査ステーションを示している。
【0011】
図2図2は、本発明の一実施形態に従う、図1の可変焦点走査ステーションの撮像リーダの例示的なブロック図である。
【0012】
図3図3は、本発明の一実施形態に従う、可変の決定された撮像面を伴う別の可変焦点走査ステーションの斜視図である。
【0013】
図4図4は、撮像システムの焦点ドリフトを関心のある対象物の位置変化から区別するための方法を表すフローチャートである。
【0014】
図5A図5Aは、撮像リーダによって走査(スキャン)されるバーコードとしての例示的な指標の画像である。
【0015】
図5B図5Bは、撮像リーダによって走査(スキャン)されるQRコード(登録商標)としての例示的な指標の画像である。
【0016】
図6図6は、撮像システムにおける焦点ドリフトを較正するための方法を表すフローチャートである。
【0017】
図7図7は、図6の方法を実行するための複数の焦点面を有する可変焦点走査ステーション撮像リーダを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
当業者は、図面内の要素は簡潔及び明瞭に示されていて、必ずしも一定縮尺で描かれていない、ということを理解するであろう。例えば、図面内の幾つかの要素の寸法は、本発明の実施形態の理解を改善することを助けるべく、他の要素と比較して誇張されている可能性がある。
【0019】
装置及び方法の構成要素は、適切な場合、図面内で従来の符号によって示されており、当該図面は、詳細に関する開示を不明瞭にしないように、本発明の実施形態を理解することに関連する特定の詳細のみを示しており、当該詳細に関する開示は、本明細書の記載の利益を受ける当業者にとって容易に明らかである。
【0020】
電気的に制御される可変焦点(VF)レンズは、機械ビジョン及びバーコードアプリケーションにおける関心のある対象物(OOI)への高速のオートフォーカス(AF)のための、便利で低電力の解決策である。もっとも、視野内での関心のある対象物の位置が変化する時(例えば、部品がコンベヤ上を移動する時や、人がスキャナの視野を横切って対象物を移動する時など)、AF撮像システムはOOIを判定(認識)できない場合があり、あるいは、OOIが撮像システムから異なる距離にあるのか否かを判定できない場合がある。多くのスキャンアプリケーションにおいて、焦点面を一定に保つことが望ましい。VFレンズは、周囲温度の変化、経年変化及び他の要因により初期設定後に変化し得る現在の屈折力または焦点を示す何らのフィードバック信号をも提供しない。今回提案されるシステム及び方法は、当該システムが、焦点シフトが発生したか否か、あるいは、OOIが撮像システムから異なる距離にあるか否か、を判定することを許容する。開示されるシステム及び方法はまた、VFレンズを利用する撮像システムの焦点ドリフトの較正(補償)をも可能にする。
【0021】
開示されるシステム及び方法は、1または複数のOOIの画像を取得して、当該取得画像の画質がOOI距離の差に起因するのか、あるいは、撮像システムの焦点ドリフトに起因するのか、を判定することを提案する。本方法は、1または複数の前記画像のピクセル測定値を使用し得て、焦点ドリフトが発生しているか否かを判定し得る。更に、開示されるシステム及び方法は、撮像システムの焦点ドリフトを較正することを可能にする。本方法は、撮像システムの異なる焦点でOOIの画像を取得する工程、及び、当該異なる画像の画像プロパティ値を判定する工程、を含む。当該画像プロパティ値が比較され、焦点ドリフトが判定され、当該判定された焦点ドリフトに従って撮像システムの焦点が調整される。
【0022】
ここで図面を参照して、図1は、本明細書に記載及び図示されたプロセスを含む、本発明の実施形態が実施され得る、例示的な環境を示している。当該実施例において、当該環境は、商品102が走査面104を横切ってまたは走査面104に沿って移動されて、画像リーダ106によって走査されることで、当該商品102が識別される、という走査ステーション100の形態で提供される。幾つかの実施形態において、当該走査ステーションは、POS(point-of-sale)ステーションであり、それは、商品を光学的に走査(スキャン)し、当該商品と取引に影響を与える当該商品の特性とを識別するための、コンピュータシステム及びインタフェース(図示せず)を有し得る。幾つかの実施形態において、当該走査ステーション100は、在庫配送システムの一部であり、商品は、走査面によって、または走査面を横切って運ばれ、当該商品の配送が監視及び制御されて、施設から商品が運送される、あるいは、施設へと運送商品が受容される。
【0023】
走査面104は、商品102が当該面104に対して手動で移動されるように、静止面であり得る。実施形態によって、走査面104は、商品102を移動させ得るか、あるいは、別の自動化された手段によって移動され得る。別の実施形態では、走査面104は、コンベヤベルト、空気圧コンベヤ、ホイールコンベヤ、ローラコンベヤ、チェーンコンベヤ、フラットコンベヤ、鉛直コンベヤ、トロリーコンベヤ、または、他のコンベヤ、等のコンベヤシステムによるものなどの移動面であり得る。いずれの場合でも、商品102は、撮像リーダ106に対して相対的に連続的に移動され得て、その結果、商品102は、ステーション100の動作(または走査)範囲108を通って連続的に移動する。幾つかの実施例では、商品102は、離散化(区分化)された態様で移動し、少なくとも一部の時間において、商品102は、撮像リーダ106に対して一定期間、表面104上に固定された状態に維持され、商品102の1または複数の画像が捕捉されるのに十分である。
【0024】
商品102は、異なる実質的に直線的な経路110A、110Bなどに沿って移動し得る。各経路は、動作範囲108を横断するが、撮像リーダ106から異なる距離にある。実際、経路110A、110Bは、例示の目的で示されており、商品102は、撮像リーダ106から任意の距離で表面104を横切って横断し得る。
【0025】
幾つかの例示的な実施形態では、撮像リーダ106は、可変焦点撮像システムを含み、当該撮像リーダ106は、関心のある対象物(OOI)(例えば、商品102)を、当該対象物すなわち当該OOIの関心のある領域(例えば、バーコード、シリアル番号、他の識別子、など)が特定されて撮像センサ上の焦点に十分にもたらされるまで、視野内において連続的に走査(スキャン)する。本発明の少なくとも幾つかの実施形態では、撮像リーダは、当該撮像リーダ106の撮像面に対応する、離散化(区分化)されて決定された距離でのみ、対象物(例えば、商品102)を走査(スキャン)する。連続的な走査(スキャン)の代わりに、撮像リーダ106は、1または複数の所定の撮像面で、(1または複数の)画像を迅速に捕捉してもよい。撮像面は、撮像リーダ106に対して定義(規定)される。例示の目的で、図1において、撮像面は、商品102が通過する経路(例えば、110A、110Bなど)と偶然一致している。もっとも、撮像面が商品の走査経路と正確には一致しないという場合も、高い可能性であり得る。図1において、撮像リーダ106は、商品102の側面の側にあるものとして図示されているが、実施形態によっては、撮像リーダ106は、OOIを撮像するために、商品102の真上や、商品102の前方または後方での当該商品102の上方に位置決めされ得て、あるいは、商品102または任意のOOIの関心のある領域を撮像するための別の位置に位置決めされ得る。撮像リーダ106は、撮像面の各々で画像を捕捉するが、ここで、補足される商品画像は、当該商品(及びその走査経路)が撮像リーダ106に対してどこにあるかに依存して、焦点が変化する。すなわち、商品は、幾つかの撮像面において、他の撮像面と比較して、より焦点が合っているように見える。特定の撮像面のみで商品画像を捕捉することにより、撮像リーダ106は、従来の自動焦点(オートフォーカス)システムよりもはるかに速く商品102を特定(識別)し得る。実際、撮像リーダ106は、自動焦点合わせ(オートフォーカス)動作を有する場合に当該動作が無効化されるように構成され得て、代わりに、商品がどの走査経路を通過するのかとは無関係に、商品を連続的に検出して当該商品上に自動焦点合わせ(オートフォーカス)する必要無しで、特定の撮像面で画像が捕捉される、というように構成され得る。この動作は、撮像リーダ106に対する電力消費要求を大幅に低減する。
【0026】
前述のように、電気的に調整可能なAFレンズは、環境及び他の要因のために、焦点面ドリフトを受け得る。このことが、OOIの画像の焦点ぼけを引き起こし、VF撮像リーダ106の有効性を低下させる。更に説明されるように、撮像リーダ106をして焦点ドリフトが発生しているか否かを能動的に判定させ、当該焦点ドリフトを積極的に決定させて修正させることにより、特定及び走査(スキャニング)の効率が増大され得る。開示されるシステム及び方法は、OOI上の識別子を読み取るために、例えば商品上の指標または他のバーコードを識別するために、増大された効率を可能にして、要求される時間の短縮を可能にする。本明細書で更に説明される、画質メトリクス及びパラメータ、走査パラメータ、並びに/または、較正パラメータ、のうちの少なくとも幾つかが、撮像リーダ106に通信可能に結合されたサーバ112上に記憶され得て、当該撮像リーダ106は、前記画質メトリクス及びパラメータ、前記走査パラメータ、並びに/または、前記較正パラメータを、前記サーバまたは他のメモリまたはストレージ媒体から検索(リトリーブ)し得る。
【0027】
図2は、撮像リーダ106を含むシステム200のブロック接続図を示している。図2おいて、撮像リーダ106は、1または複数のプロセッサと、本明細書に記載されるようなシステム及び方法に関連する動作を実行するためのコンピュータ実行可能な指令(命令)を記憶する1または複数のメモリと、を有し得る。撮像リーダ106は、当該リーダをサーバ112に接続するためのネットワーク入力/出力(I/O)インターフェース、在庫管理システム(不図示)、及び、他の撮像リーダ、を含む。これらの装置は、例えば、TCP/IP、WiFi(802.11b)、ブルートゥース(登録商標)、イーサネット、または、他の適切な通信プロトコルないし標準、などの1または複数の通信プロトコル標準を実装する有線及び/または無線の接続コンポーネントを含む、任意の適切な通信手段を介して接続され得る。撮像リーダ106は、視覚的インジケータ、指令(命令)、データ、及び、画像等の情報をユーザに提供するためのディスプレイを更に含む。
【0028】
幾つかの実施形態では、サーバ112(及び/または他の接続装置)は、同一の走査ステーション100内に配置され得る。他の実施形態では、サーバ112(及び/または他の接続装置)は、クラウドプラットフォームや他の遠隔地など、遠隔地に配置され得る。更に他の実施形態では、サーバ112(及び/または他の接続装置)は、ローカル及びクラウドベースのコンピュータの組合せで形成され得る。
【0029】
サーバ112は、本明細書に記載されるようなシステム及び方法に関連する動作を実行するためのコンピュータ指令を実行するように構成されている。サーバ112は、エンタープライズサービスソフトウェアを実装し得る。当該エンタープライズサービスソフトウェアは、例えば、RESTful(代表的な状態転送)APIサービス、メッセージキューイングサービス、及び、様々なプラットフォームまたは仕様によって提供され得るイベントサービス、を含み得る。当該様々なプラットフォームまたは仕様は、例えば、Oracle WebLogic Serverプラットフォーム、JBossプラットフォーム、IBM WebSphereプラットフォーム、等のいずれか1つによって実装される、J2EE仕様である。Ruby on Railsや、Microsoft.NET等の、他の技術またはプラットフォームも使用され得る。
【0030】
図示の例では、撮像リーダ106は、可視光源(例えば、640nmで発光するLED)または赤外線光源(例えば、約700nm、約850nm、または、約940nmで発光する)であり得る、光源202を含む。これは、動作範囲108の全動作距離にわたる撮像のために、当該動作範囲108を照射する照明ビームを生成可能である。すなわち、光源202は、少なくとも全動作範囲108を照射するように構成される。光源202の照明強度及び撮像リーダの感度が、商品が走査され得て当該商品上のバーコードがデコードされ得る、最も遠い距離及び最も近い距離(動作範囲の距離を規定し、走査範囲とも呼ばれる)を決定し得る。光源202は、プロセッサによって制御され、連続的な光源、間欠的な光源、または、信号制御される光源、例えば、撮像リーダ106に結合された(または図示されていないがその一部として形成された)対象物検出システムによってトリガされる光源、であり得る。光源は、全方向性光源であり得る。
【0031】
撮像リーダ106は、動作範囲108内で、商品102または他のOOI等、照明された対象物の画像を捕捉するように配置された撮像センサ206を有する撮像装置204を更に含む。幾つかの実施形態では、撮像センサ206は、1または複数のCMOS撮像アレイで構成される。可変焦点合わせ光学要素208が、撮像センサ206と撮像リーダ106のウィンドウ210との間に配置される。可変焦点撮像コントローラ214が、可変焦点合わせ光学要素208に結合されており、当該要素208を制御して、撮像センサのための1または複数の区別できる撮像面を規定する。ここで説明されるように、1または複数の区別できる撮像面は、1または複数の中心焦点面と見なされ得る。前述のように、中央焦点面は、最大の画像エッジシャープネス値をもたらすと予想される撮像面である。
【0032】
図示の例では、コントローラ214は、アクチュエータ制御ユニット215を介して可変焦点合わせ光学素子208に結合されており、選択的な自動焦点制御ユニット217をバイパスし、それにより、従来システムのより遅い自動焦点制御ユニットをオーバーライドすることによって、所望の撮像面でのより速い画像捕捉を提供する。例示的な実施形態では、撮像リーダ106は、自動焦点制御ユニットないし自動焦点機能を有さない。アクチュエータ215は、焦点合わせレンズドライブ、シフトレンズドライブ、ズームレンズドライブ、アパーチャドライブ、角速度ドライブ、ボイスコイルモータドライブ、及び/または、それ自体が複数のレンズ、レンズステージ、等を含み得る光学素子208の動作を制御するための他のドライブユニット、を含み得る。
【0033】
VF光学素子208は、変形可能なレンズ素子、液体レンズ、Tレンズ、または、他のVF光学素子であり得る。幾つかの実施形態では、光学素子は、コントローラ214によって制御可能に調整されるアクチュエータ215内のボイスコイルアクチュエータモータを含む。幾つかのバーコード走査アプリケーションなどの例示的な実施形態では、VF光学要素208は、1.5mm~3mmの開口を有する。幾つかの実施形態では、撮像ステージ204は、VFカメラアセンブリの一部として実装される。
【0034】
実施形態では、VF撮像コントローラ214は、撮像リーダ106に記憶されているか、サーバ112に記憶されているか、または別の媒体に記憶されている、1または複数の走査パラメータ216にアクセスするように構成される。これらの走査パラメータ216から、コントローラ214は、撮像リーダ106が対象物またはOOI(商品102など)を走査してその画像を捕捉する、区別できる中央焦点撮像面の数を決定する。コントローラ214は更に、撮像センサ206から測定されるものとして、それらの中心焦点撮像面の各々の距離を決定する。例えば、コントローラ214は、全動作範囲108が5以下の撮像面でカバーされるように、中心焦点撮像面の数及び距離を決定し得る。幾つかの例では、走査パラメータ216に応じて、中心焦点撮像面の数は3以下であり得る。
【0035】
撮像コントローラ214は、これらの決定された中心焦点撮像面及び中心焦点距離を、可変焦点光学要素208を制御するためのアクチュエータ215を制御するためのパラメータまたは指令(命令)に、変換する。
【0036】
例示的な実施形態では、可変焦点撮像コントローラ214は、ハンドフリーモードを有する。当該ハンドフリーモードでは、可変焦点光学素子208及び撮像センサ206が制御されて、順序付けられた態様で作動範囲内の中央焦点撮像面の各々で対象物の画像を捕捉し、対象物の一組(1セット)の捕捉画像を形成してメモリ内に記憶する。幾つかの実施形態では、当該順序付けられた態様は、撮像センサ206から測定されるものとして、最も近い中央焦点撮像面から最も遠い中央焦点撮像面まで、あるいはその逆などの、連続した順序である。
【0037】
幾つかの例示的な実施形態では、撮像リーダ106は、ハンドヘルドバーコードスキャナー装置内に実装されている。当該ハンドヘルドスキャナが静止クレードル内に配置され、それによって直立スキャン位置が確立される時、当該ハンドヘルドスキャナは、当該配置を自動的に感知し得て、ハンドフリーモードに入ることができる。他の例示的な実施形態では、撮像リーダ106は、図3に示されるようなバイオプティックスキャナなどの、複数面スキャナとして実装される。
【0038】
例示的な実施形態では、可変焦点光学素子208は、各中央焦点撮像面にホップするように個別的に制御され、撮像面間の掃引動作を回避する。
【0039】
実施形態では、撮像センサ112は、電荷結合装置、あるいは、他の固体状態撮像装置であり得る。撮像センサ112は、サイズが約3ミクロンのピクセルを有する1メガピクセルのセンサであり得る。実施形態では、撮像センサ112は、3ミリメートル、4.5ミリメートル、5ミリメートル、6.8ミリメートル、7.13ミリメートル、5ミリメートル未満、10ミリメートル未満、または50ミリメートル未満、の活性領域を有するセンサを含む。撮像センサ112は、合計で、約1メガピクセル、約2メガピクセル、約2.3メガピクセル、約5メガピクセル、約5.1メガピクセル、または、5メガピクセルを超える数のピクセル、を有し得る。更に、撮像センサ112は、ピクセルの少なくとも1次元におけるサイズが、10ミクロン未満、5ミクロン未満、3ミクロン未満、または2ミクロン未満、であるピクセルを複数有するセンサを含み得る。実施形態では、レンズアセンブリは、1ミリメートルあたり160ラインペアで40%の変調伝達関数で画像を捕捉するように構成される。
【0040】
図3は、バイオプティックスキャナの形態の撮像リーダ302を有し、ハウジング304及び第1走査ウインドウ306を有し、その背後に図2のような照明源(図示せず)及び撮像ステージ(図示せず)を有する、例示的な走査ステーション300を示す。撮像リーダ302は、走査面308に隣接して配置され、水平及び鉛直に延在する動作範囲310を規定する。当該動作範囲310は、撮像リーダ302によって照明され、その中に3つの定義された中間撮像面312、314、316を規定する。その各々において、撮像リーダ302は、特定及び撮像のために対象物の画像を捕捉する。明確性及び簡潔性のため、単一の中央撮像面が、焦点シフトが発生したか否かを判定するため、及び、焦点シフトを修正するため、の本システム及び本方法の説明において更に用いられる。当該システム及び方法は、単一の中央焦点撮像面に限定されないで、開示されるシステム及び方法は、撮像システムの限定(すなわち、撮像カメラ解像度、撮像システム動作範囲、照明能力など)によって実践可能であるように、任意の数の焦点撮像面にとっての焦点シフトを判定及び較正するために適用され得る。
【0041】
図4は、撮像システムの焦点ドリフトを、関心のある対象物の位置変化から区別する方法400を示している。当該方法400は、小さい画像シャープネス許容値を示すシステム(例えば、要求される最小シャープネスが最大画像シャープネスの20%未満である)、比較的遅いコンベア速度のシステム、及び/または、比較的低い画像フレームレートを示すシステム、に実装され得る。その場合、100%のデコードレートを維持しながら、幾つかのデコードされていないフレームが受け入れ可能であり、全てのOOIを示す指標の特定及びデコードをもたらす。当該方法400は、例えば、図1乃至図3のいずれかの撮像リーダ106、302によって実施され得る。ハンドヘルドスキャナの例では、最初に、撮像リーダがハンズフリーモードに入り、スワイプ走査が実行されるべきであることを示す。幾つかの例では、ハンドヘルドスキャナは、ハンドル上またはハンドルの近くにトリガ(スイッチ)を含み、当該トリガは、押されると、スワイプ走査のために当該スキャナをハンズフリーモードに入れる(切り替える)。幾つかの実施形態では、撮像スキャナは、在庫システムの走査ステーションの一部であり、そこで、商品は、走査面によってまたは走査面を横切って運ばれ、当該商品の配送が監視及び制御され、図1に示されるように、例えば、施設から商品が運送される、あるいは、施設へと運送商品が受容される。従って、図1の撮像スキャナは、主にハンズフリーモードで動作し得て、手動モードは、手動操作及び/または較正の目的でアクティブ化され得る。更に、本明細書に記載される方法は、図1のスキャナを用いて実装され得る。図1のスキャナは、検査ステーションであり、そこにおいて、OOIが当該スキャナの視野内に入り、当該OOIは撮像されるために当該視野内で一時停止し、その後、当該OOIは当該視野外へと移動していく。
【0042】
簡単のため、方法400は、図1及び図2のコンポーネント(構成要素)を参照して説明される。但し、当該方法400は、関心のある目標物ないし対象物を走査するための任意の撮像システムに対して実行され得ることが、理解されるべきである。撮像リーダ106は、ブロック402において、走査パラメータを取得する。例示的な実施形態では、走査パラメータは、撮像リーダの撮像センサのフレームレート、当該撮像センサの露光時間、可変焦点光学要素の開口または開口範囲、目標物のスワイプ移動速度、コンベヤベルトの自動移動速度または自動スワイプ手段の他の速度、作動距離のサイズ、作動距離の最も近い距離、作動距離の最も遠い距離、及び/または、可変焦点光学素子の焦点合わせ時間、を含む。そのようなパラメータは、撮像リーダ106内、例えば撮像リーダのメモリ内、に記憶され得て、及び/または、1または複数の走査パラメータは、サーバ200などの別のシステムに記憶され得る。更に、1または複数の走査パラメータが、可変焦点光学要素208、可変焦点撮像コントローラ214、及び/または、撮像リーダ106の他の要素などの、撮像リーダ106の個々の要素内に記憶され得る。
【0043】
幾つかの実施形態では、走査パラメータは、走査対象の目標物のタイプ及び/またはサイズ等の、目標物に固有のパラメータである。幾つかの実施形態では、走査パラメータは、目標物が1次元ないし2次元バーコード、QRコード(登録商標)、UPCコード、または、他の識別指標を含むか否か、等の、目標物上の指標のタイプを含む。
【0044】
幾つかの実施形態では、走査パラメータを取得する工程は、較正パラメータを取得する工程を含み得る。較正パラメータは、1または複数の、焦点ぼけパラメータ、近焦点面パラメータ、中央焦点面パラメータ、及び、遠焦点面パラメータ、を含み得る。幾つかの実施形態では、較正パラメータは、近焦点面、中央焦点面、及び、遠焦点面、を決定するための走査パラメータを含み得る。幾つかの例では、幾つかの走査パラメータ及び較正パラメータは、サーバ112などのサーバと通信する撮像リーダから取得され、サーバ112は、目標物及びOOIに関する情報にアクセスする在庫管理マネージャを含み得る。
【0045】
ブロック404において、可変焦点撮像コントローラ214は、撮像センサ206を制御して、商品102等の目標のOOIの画像を取得する。可変焦点撮像コントローラ214は、取得した走査パラメータを評価し得て、画像を取得するべく、当該走査パラメータに従って、撮像センサ、可変焦点光学素子、及び、撮像リーダ106の他のコンポーネント、を制御し得る。ブロック406において、撮像リーダ106のプロセッサは、捕捉された画像内の関心のある領域を識別(特定)する。当該画像内の当該関心のある領域は、バーコード、シリアル番号、英数字、グラフィック、または、目標物またはOOIを示す他の指標、を含み得る。
【0046】
ブロック408において、撮像リーダ106のプロセッサは、画像を分析し、画像の画質を決定する。例えば、ブロック408において、プロセッサは、画像に対して画像処理を実行することによって、OOIの画像を分析し得る。画像処理は、空間ローパスフィルタの適用、空間ハイパスフィルタの適用、フーリエローパスフィルタの適用、フーリエハイパスフィルタの適用、ノイズリダクションの実施、スケーリング、回転、剪断、反射、または、他の画像フィルタリング、または、他の画像処理技術、を含み得る。更に、画像を分析して画像の画質値を決定する工程は、シャープネス(鮮明度)値、コントラスト値、画像解像度、空間周波数成分値、ノイズ測定値、動的範囲値、画像歪みの測定値、ブラー(ぼけ)値、モジュールあたりのピクセル値、変調伝達関数、または、画像または画質に関連付けられた他の値、を決定する工程を含み得る。
【0047】
図4の方法400の説明が、図5A及び図5Bを更に参照して継続される。図5Aは、撮像リーダ106によって走査されるバーコードとしての、例示的な指標500の例示的な画像であり、図5Bは、撮像リーダ106によって走査されるQRコード(登録商標)としての指標500の例示的な画像である。例示的なバーコード及びQRコード(登録商標)として図示されているが、指標500は、1次元ないし2次元バーコード、他のバーコード、静的!Rコード、動的QRコード(登録商標)、UPCコード、シリアル番号、英数字コード、または、OOIを示す他の指標、であり得る。ブロック410において、プロセッサは、関心のある領域内の指標500を分析し、ブロック412において、プロセッサは、当該指標500のピクセル測定値を決定する。指標500を分析するために、プロセッサは、関心のある領域に画像処理を実行し得て、ピクセル測定値を決定するための当該指標500の特徴を決定し得る。例えば、プロセッサは、画像をシャープ化(鮮明化)し得て、当該画像に対してエッジ検出を実行し得て、ピクセル測定値を実行するための指標500の画像のピクセルを決定し得る。シャープ化及びエッジ検出実行の例は、単なる一例であり、プロセッサは、ピクセル測定値を更に決定するために、指標500の画像の他の画像処理及び分析を実行し得る。例えば、ピクセル測定値は、ピクセルシャープネス、コントラスト、エッジ検出、サイズ、ピクセル解像度、空間周波数成分、画像または空間ノイズ、動的範囲、画像歪みの測定値、ブラー(ぼけ)、モジュールあたりのピクセル、回転の正規化、または、画像または画質のピクセルに関連付けられた他の値、を測定することの1または複数を含み得る。
【0048】
ピクセル測定値を決定する際に、プロセッサは、モジュールあたりのピクセル数(PPM)で測定されるピクセル距離を決定し得る。指標500の画像のPPM値は、モジュールあたり約0.7ピクセル~数十ピクセルであり得る。実施形態では、説明される方法は、約5±0.5PPMの値、あるいは、5PPM未満の値、を伴って適用される。ピクセル測定を実行するために、プロセッサは、バーコードのバーのサブグループ間のピクセル距離、例えばピクセル距離504a、504b、を決定し得て、ピクセル距離は、バーコードの画像の全寸法に亘るピクセル距離、例えばピクセル距離504c、504d、であり得て、あるいは、図5Aのバーコードの画像における別のピクセル距離であり得る。図5Bに示されるQRコード(登録商標)の例では、ピクセル距離は、位置検出パターンの寸法(次元)に沿ったピクセル距離508a、位置検出パターン510間のデータ領域の距離508b、位置検出パターン間の全距離508c、QRコード(登録商標)のエッジまでの位置検出パターン510からの距離508d、位置検出パターン510間のデータを斜めに横切る距離508e、QRコード(登録商標)の寸法(次元)の全長に亘る距離508f、QRコード(登録商標)の全体を斜めに横切る距離(図示せず)、当該バーコードのサブ領域を横切る距離、または、幾つかのPPMで測定可能な当該バーコードの画像の別の距離、であるとして決定され得る。更に、図示されていないが、プロセッサは、複数のモジュール間または複数のモジュールに亘るピクセル距離、タイミングパターン、1または複数の位置合わせパターン、コードフォーマット情報の領域、エラー修正パターンに亘る領域、フォーマット情報の領域、バージョン情報の領域、または、当該QRコード(登録商標)の他のデータパターンの領域、を決定し得るピクセル測定を実行し得る。
【0049】
ブロック414において、撮像リーダ106のプロセッサは、ピクセル測定値を参照ピクセル測定値と比較する。例えば、参照ピクセル測定値は、ブロック402において取得される走査パラメータであり得て、参照ピクセル測定値は、焦点が合わせられて撮像システムの焦点面にある指標のピクセル測定値を示し得る。参照ピクセル測定値は、バーコード、QRコード(登録商標)、UPCコード、または、他の識別指標、の参照ピクセル測定値であり得る。参照ピクセル測定値は、撮像リーダ106のメモリ、または、参照ピクセル測定値が撮像システムによって検索可能である別のメモリ、に格納され得る。参照ピクセル測定値は、数値、指標の参照画像を示す画像データ、または、ピクセル測定値と比較するための別の形式のデータ、であり得る。実施形態では、方法400は、参照ピクセル測定値を決定する工程を更に含み得る。例えば、撮像リーダ106は、参照指標の参照画像を取得し得る。参照指標は、撮像リーダ106からの参照距離すなわち較正距離に配置され得る。例えば、参照指標は、直線経路110A、110Bの1つに配置され得る。次に、プロセッサは、参照指標の画像の画像処理及び分析を実行し得て、プロセッサは、参照ピクセル測定を実行し得て、参照ピクセル距離(参照ピクセル測定値の一例)を決定し得る。
【0050】
ピクセル測定値と参照ピクセル測定値との比較に基づいて、ブロック416で、プロセッサは、画像の画質が、撮像リーダ106から(例えば、撮像システムの撮像センサ206から)のOOI(例えば、商品102)の距離の差に起因するか、あるいは、撮像リーダ106の焦点ドリフトに起因するか、を決定する。参照ピクセル測定値は、1未満のPPM値、10未満のPPM値、または、数十のオーダーのPPM値、を有するピクセル距離であり得る。更に、PPMの許容誤差は、±1未満、±5未満、または、±10PPM未満、であり得る。ブロック418において、プロセッサは、ピクセル測定値が参照ピクセル測定値の閾値の範囲外にある時、画質が撮像リーダ106からのOOIの距離の変化によるものである、と決定(判断)する。ブロック420において、プロセッサは、ピクセル測定値が参照ピクセル測定値の閾値範囲内にある時、画像の画質が撮像リーダ106の焦点ドリフトによるものである、と決定(判断)する。更に、ピクセル測定値が画像のピクセル間のピクセル距離、または画像の関心のある領域、を含む実施形態では、ブロック418において、プロセッサは、当該ピクセル距離が参照ピクセル距離の閾値の範囲外にある時、画質が撮像リーダ106からのOOIの距離の変化によるものである、と決定(判断)し得る。そして、ブロック420において、プロセッサは、当該ピクセル距離が参照ピクセル距離の閾値の範囲内にある時、画像の画質が撮像リーダ106の焦点ドリフトによるものである、と決定(判断)し得る。
【0051】
実施形態では、方法400は、撮像リーダ106からのOOIの物理的距離を更に決定し得る。例えば、取得された走査パラメータの1または複数が、較正パラメータとしての参照距離を含み得る。参照距離は、参照ピクセル測定値を決定するために使用される参照指標の既知の距離または較正された距離であり得る。プロセッサは、ピクセル測定値を参照ピクセル測定値と比較し得て、OOIの距離は、当該比較から決定され得る。プロセッサは、ピクセル測定値と参照ピクセル測定値との間の差(例えば、PPM値間の差)に基づいた距離量によって、OOIが撮像リーダ106により近いかまたはより遠いことを決定(判断)し得る。プロセッサは、ピクセル測定値が参照ピクセル測定値よりも低いPPM値に帰結する場合、OOIが撮像リーダ106からより遠い可能性がある、と決定(判断)し得て、あるいは、ピクセル測定値が参照ピクセル測定値よりも大きい場合、OOIが撮像システムにより近い可能性がある、と決定(判断)し得る。OOIの距離は、参照距離を使用しないで決定されてもよい。例えば、ディオプトリ内のレンズ焦点、視野角、並びに、他の幾何形状及び光学パラメータ等の、撮像リーダ106の光学要素の特定のパラメータを知ることによって、OOIの距離が決定され得る。
【0052】
更に、撮像リーダ106からのOOIの距離はまた、OOIが撮像リーダ106のFOV内のどこにあるか、に依存することに留意がなされるべきである。例えば、OOIは、FOVのエッジの近くで撮像リーダ106からより遠い可能性がある時に同時に、撮像リーダ106のFOVの中心で撮像リーダ106に最も近い可能性がある。OOIの位置及び撮像リーダ106からの距離は、OOIまでの距離が変化したのか、あるいは、撮像リーダ106内で焦点ドリフトが発生したのか、を決定する時に考慮され得る。
【0053】
更に、ブロック414及び416において、ピクセル測定値と参照ピクセル測定値とを比較するために、プロセッサは、OOIの決定された距離と参照距離とを比較し得る。次に、プロセッサは、ブロック418において、OOIの決定された距離が参照距離の閾値外にある時、画質がOOIから撮像リーダ106までの距離の変化によるものである、と決定(判断)し得る。あるいは、プロセッサは、OOIの距離が参照距離の閾値内にある場合、画質が撮像リーダ106の焦点ドリフトに起因する、と決定(判断)し得る。
【0054】
図6は、撮像システムにおける焦点ドリフトを較正するための方法600を表すフローチャートである。方法600は、小さい画像シャープネス許容値を示すシステム(すなわち、要求される最小シャープネスが最大画像シャープネスの20%未満である)、比較的遅い搬送速度を伴うシステム、及び/または、100%のデコートレートを維持して全てのOOIを示す指標の識別及びデコードをもたらしながら比較的低い画像フレームレートを伴うシステム、において実施され得る。方法600は、例えば、図1乃至図3のいずれかの撮像リーダ106、302によって実施され得る。図7は、商品102の撮像のため、及び、図6の方法600を実行するための、可変焦点走査ステーション撮像リーダ106及び複数の焦点面を示している。簡単のため、方法600は、図1図2及び図7のコンポーネントを参照して説明されるが、方法600は、関心のある目標物または対象物を走査するための任意の撮像システムに対して実行され得ることが理解されるべきである。
【0055】
撮像リーダ106は、ブロック602において、走査パラメータを取得する。そのようなパラメータは、撮像リーダ106内、例えば撮像リーダのメモリ内、に記憶され得て、及び/または、1または複数の走査パラメータは、サーバ200などの別のシステムに記憶され得る。更に、1または複数の走査パラメータが、可変焦点光学要素208、可変焦点撮像コントローラ214、及び/または、撮像リーダ106の他の要素などの、撮像リーダ106の個々の要素内に記憶され得る。可変焦点撮像コントローラ214、AF制御部217、アクチュエータ215、及び、撮像リーダ106のプロセッサ、を含む様々なコンポーネントが、画像走査を実行してOOIの画像を取得するための走査パラメータを取得及び/または評価し得る。プロセッサは、走査パラメータを評価し、実質的に直線の経路110Aに沿った中央焦点面Aと、近焦点面Anと、及び、遠焦点面Afと、を決定する。それらの各々は、コントローラによって決定され、撮像リーダ106からの対応する距離にある、それ自身のそれぞれの光学焦点を有する。近焦点面は、中央焦点面よりも撮像リーダ106に近く、遠焦点面は、中央焦点面よりも画像リーダ106から遠い。幾つかの例では、近焦点面と遠焦点面は、中央焦点面から等距離であり得る。他の例では、近焦点面と遠焦点面は、中央焦点面から異なる距離にあり得る。説明される方法では、近焦点面及び遠焦点面は、撮像リーダ106が当該撮像リーダ106の焦点ドリフトを検出及び較正(補正)するために目標物の画像を捕捉する2つの撮像面である。幾つかの実施形態では、走査パラメータは、撮像リーダ106の焦点ドリフトを検出及び較正(補正)するための画像を取得するための2または3を超える焦点面を決定するためのパラメータを含み得る。
【0056】
走査ステーションは、更に、近焦点限界An1及び遠焦点限界Aflを有する。近焦点限界及び遠焦点限界は、撮像リーダ106の焦点の限界である所定の最小焦点面及び最大焦点面の距離閾値であり、それらの外側では、撮像リーダによる指標の撮像及びデコード(復号化)の質が低下する。例えば、撮像リーダ106は、近焦点限界と遠焦点限界との間で捕捉される指標の画像を撮像及びデコードすることが可能であり得る一方で、撮像リーダ106は、近焦点限界及び遠焦点限界の外側で取得される指標の画像を効率的にデコードすることができない。本明細書に記載されるように、指標の画像の効率的なデコードは、100%のデコード効率、90%を超えるデコード効率、または、75%を超えるデコード効率、を含み得る。幾つかの実施形態では、近焦点面及び遠焦点面は、図7に示されるような近焦点面限界及び遠焦点面限界の境界内にある(すなわち、近焦点限界は、当該近焦点限界の距離以上である撮像リーダ106からの距離にあり、遠焦点平面は、当該遠焦点限界の距離以下である撮像リーダ106からの距離にある)。近焦点面限界及び遠焦点面限界の境界内に近焦点面及び遠焦点面を有することにより、指標に関連付けられたOOIに関する情報を識別するための、当該指標の画像内で取得された当該指標の効率的なデコードが許容される。
【0057】
ブロック604において、撮像リーダ106は、近焦点面距離である第1焦点距離に設定された撮像リーダ106の焦点を用いて、OOIまたは目標物の第1画像を取得する。可変焦点撮像コントローラ214は、アクチュエータ215及び/または可変焦点光学素子208を制御し得て、OOIの画像を取得するための撮像センサ206の近焦点面までの撮像リーダ106の焦点距離を設定し得る。次に、ブロック606において、撮像リーダ106は、遠焦点面距離である第2焦点距離に設定された撮像リーダ106の焦点を用いて、OOIの第2画像を取得する。第1及び第2画像は、視野内の単一のOOIから取得され得る。あるいは、第1画像は、第1OOIのために取得され得て、第2画像は、第2OOIのために取得され得る。幾つかの例では、第1焦点距離は、遠焦点距離であり得て、第2焦点距離は、近焦点距離であり得る。更に、第1及び第2焦点距離は、中央焦点距離のいずれかの側にあって、中央焦点面Aを含む焦点距離帯域(すなわち、近焦点面Anと遠焦点面Afとの間の距離の帯域)を境界付ける、任意の焦点距離であり得る。
【0058】
ブロック608において、プロセッサは、第1画像の第1画像プロパティ値を決定し、ブロック610において、プロセッサは、第2画像の第2画像プロパティ値を決定する。例えば、第1及び第2画像プロパティ値には、画像コントラスト、解像度、シャープネス、エッジ検出、周波数領域分析、空間フーリエ変換、正規化されたシャープネス、または、画像または画像データのプロパティに関連付けられた別の値、の1または複数を含み得る。特定の例では、第1及び第2画像プロパティ値を決定するために、プロセッサは、撮像リーダ106によって取得される画像の4ピクセル毎のコントラスト値を決定し得る。幾つかの実施形態では、第1及び第2画像プロパティ値を決定するために、各ピクセルが用いられ得る、1個おきのピクセルが用いられ得る、あるいは、任意の数のピクセルが用いられ得る。特定の例では、ソーベル演算子が適用されて、ピクセルの勾配の一次導関数が決定されて、その結果の値が画像プロパティ値となる。各画像のコントラストは、正規化されて、画像プロパティ値が、取得された第1及び第2画像間の輝度や露出の違いに依存しないことを保証する。コントラストは、最初に平均ピクセル値から最小ピクセル値を減算し、次に当該結果の差によって全てのピクセル値を除算することによって、正規化される。
【0059】
幾つかの実施形態において、正規化されたシャープネスが、第1及び第2画像プロパティ値として利用され得る。プロセッサは、以下の式によって、正規化されたシャープネスを演算し得る。
ここで、Iは、画像の関心のある領域内の全てのピクセル値を示し、Snが、正規化されたシャープネス値である。正規化されたシャープネスを第1及び/または第2画像プロパティ値として使用することは、標準偏差の計算においてそれが除去されるために最小黒ピクセル値の値が要求されないという理由で、有利であり得る。コントラスト値または正規化されたシャープネス値として前述されているが、第1及び第2画像プロパティ値は、画像または画像データのプロパティ(特性)を示す任意の値であり得る。更に、正規化された値またはコントラスト値は、本明細書で説明される明示的な例とは異なる方法及び計算によっても演算され得る。
【0060】
ブロック612において、プロセッサは、第1及び/または第2画像プロパティ値のうちの少なくとも1つから画質メトリックを決定する。画質メトリックは、第1画像の画質の指標、第2画像の画質の指標、または、第1及び第2画像プロパティ値の比較の指標、であり得る。例えば、画質メトリックは、第1画像プロパティ値から直接計算され得るか、第2画像プロパティ値から直接計算され得るか、あるいは、第1及び第2画像プロパティ値の間の差、第1及び第2画像プロパティ値の和、第1及び第2画像プロパティ値の商、第1及び第2画像プロパティ値の平均、の1または複数を含み得る。あるいは、画質メトリックは、第1及び/または第2画像プロパティ値の閾値または限界に基づき得る。幾つかの実施形態では、第1及び第2画像プロパティ値が等しいかまたは実質的に等しい場合(例えば、互いの15%未満、互いの10%以内、または、互いの5%以内)、焦点ドリフトは発生していない、と決定(判断)され得る。このような例では、画像プロパティ値の間の差が、画質メトリックが0に等しくなるか許容誤差内で実質的に0に近くなることをもたらし、第1及び第2画像プロパティ値の商が、1の値になるか許容誤差内で実質的に1に近くなることをもたらす。
【0061】
ブロック614において、プロセッサは、画質メトリックを参照メトリックと比較して、焦点ドリフトが発生したか否か、及び、発生した場合にはどれだけの焦点ドリフトが発生したか、を決定する。参照メトリックは、ブロック602において、走査パラメータとして、または、走査パラメータの一部としての較正パラメータとして、検索され得る。更に、参照メトリックは、撮像リーダ106のメモリ内に記憶され得るか、または、サーバ112のメモリまたは別のネットワークないし装置から撮像リーダ106によって検索され得る。
【0062】
焦点ドリフトが発生したか否か、そして、発生していた場合にはどのくらいの焦点ドリフトが発生しているか、を決定するために、プロセッサは、画質メトリックを、参照メトリックすなわち参照メトリックの閾値と、直接的に比較し得る。参照メトリックの閾値は、近焦点限界Anlと近焦点面Anとの間、遠焦点限界Aflと遠焦点面Afとの間、近焦点面Anと中央焦点面Aとの間、または、遠焦点面Afと中央焦点面Aとの間、である焦点面の位置を示し得る。従って、参照メトリックは、近焦点限界に向かう近焦点面のドリフト、遠焦点限界に向かう遠焦点面のドリフト、中央焦点面に向かう近焦点面のドリフト、または、中央焦点面に向かう遠焦点面のドリフト、の1または複数を示し得る。
【0063】
参照メトリックの閾値は、遠焦点面に対する距離閾値であり得る。この場合の参照メトリックの閾値は、(i)遠焦点面距離と遠焦点限界との間の焦点面の距離、(ii)遠焦点面距離と中央焦点面距離との間の焦点面の距離、または、(iii)遠焦点面距離を含む焦点面距離の帯域、を示し得る。同様に、参照メトリックの閾値は、近焦点面に対する距離閾値であり得る。この場合の参照メトリックの閾値は、(i)近焦点面距離と近焦点限界との間の焦点面の距離、(ii)近焦点面距離と中央焦点面距離との間の焦点面の距離、または、(iii)近焦点面距離を含む焦点面距離の帯域、を示し得る。更に、参照メトリックの閾値は、中央焦点面に対する距離閾値であり得る。この場合の参照メトリックの閾値は、(i)中央焦点面距離と近焦点面距離との間の焦点面の距離、(ii)中央焦点面距離と遠焦点面距離との間の焦点面の距離、(iii)中央焦点面距離と遠焦点限界との間の焦点面の距離、(iv)中央焦点面距離と近焦点限界との間の焦点面の距離、または、(v)中央焦点面距離を含む焦点面距離の帯域、を示し得る。ブロック616において、プロセッサは、画質メトリックと1または複数の例示的な参照メトリックとの間の比較に基づいて、焦点ドリフトが発生したか否かを決定(判断)し得る。
【0064】
幾つかの実施形態において、方法600は、参照メトリックを決定する工程を含み得る。撮像システムは、撮像リーダ106から所定の距離に配置された状態の参照対象物の第1参照画像を取得し得る。参照対象物は、中央焦点面距離Aに配置され得て、当該中央焦点面距離Aにおいて走査され得る対象物の基準を提供し得る。幾つかの実施形態では、中央焦点面距離Aにおける参照対象物の単一の画像が、参照メトリックを更に決定するために利用され得る。他の実施形態では、第1画像が、近焦点距離Anに焦点距離を有する撮像リーダ106で取得され、次に、撮像リーダ106は、参照対象物の第2画像を取得し、当該第2画像は、遠焦点面距離Afで取得される。プロセッサは、当該第1画像から第1参照画像プロパティ値を決定し、当該第2画像から第2参照画像プロパティ値を決定し、次に、第1及び第2画像プロパティ値から参照メトリックを決定する。例えば、第1及び第2画像プロパティ値は、それぞれ画像シャープネス値であり得て、参照メトリックは、第1及び第2画像プロパティ値の間の差であり得る。第1及び第2画像プロパティ値は、シャープネス(鮮明度)値、コントラスト値、画像解像度、空間周波数成分値、ノイズ測定値、動的範囲値、画像歪みの測定値、ブラー(ぼけ)値、モジュールあたりのピクセル値、画像または画質に関連付けられた他の値、のうちの1または複数を含み得る。参照メトリックは、第1及び第2画像プロパティ値の間の差、第1及び第2画像プロパティ値の和、第1及び第2画像プロパティ値の商、または、第1及び第2画像プロパティ値の平均、であり得る。あるいは、参照メトリックは、第1及び/または第2画像プロパティ値の閾値または限界に基づき得る。幾つかの実施形態では、第1及び第2画像プロパティ値が等しいかまたは実質的に等しい場合(例えば、互いの15%未満、互いの10%以内、または、互いの5%以内)、焦点ドリフトは発生していない、と決定(判断)され得る。このような例では、画像プロパティ値の間の差が、画質メトリックが0に等しくなるか許容誤差内で実質的に0に近くなることをもたらし、第1及び第2画像プロパティ値の商が、1の値になるか許容誤差内で実質的に1に近くなることをもたらす。
【0065】
ブロック616において、プロセッサは、画質メトリックと参照メトリックとの比較に基づいて、焦点ドリフトが発生したか否かを決定する。ブロック618において、プロセッサは、画質メトリックが参照メトリックの閾値内にある時、焦点ドリフトが発生していないと決定(判断)し得て、ブロック620において当該方法を終了し得る。例えば、画質メトリックは、シャープネス値であり得る。ブロック618において、プロセッサは、画質メトリックが参照メトリックの閾値外にある時、焦点ドリフトが発生したと決定(判断)し得る。前述の例に従って、画質メトリックが、一方の画像プロパティ値が増大していて他方の画像プロパティ値が減少していることを示している場合、焦点は2つの画像プロパティ値のうちの大きい方で示される面に向かってシフトしている。幾つかの例では、一方の画像プロパティ値が増大または減少し得て、他方の画像プロパティ値は実質的に同一のままであり得る。これは、実質的に同一の(当該他方の)画像プロパティ値がある画像プロパティ値閾値内にとどまっていることを示し得る(前記一方の画像プロパティ値がある画像プロパティ値閾値を超えて増大または減少しているのに対して)。例えば、システムの遠焦点面が、遠焦点限界を超えて増大している一方で、システムの近焦点面が、近焦点面限界内にとどまっている、ということもあり得る。
【0066】
参照メトリックは、中央焦点面に向かう近焦点面の焦点ドリフト、または、中央焦点面に向かう遠焦点面の焦点ドリフト、を示し得る。例えば、参照メトリックは、遠焦点面と中央焦点面との間の平面を有する焦点ドリフトの閾値を示し得て、プロセッサは、画質メトリックを参照メトリックと比較することによって、遠焦点面が中央焦点面に向かってドリフトしていることを決定(判断)し得る。同様に、参照メトリックは、近焦点面と中央焦点面との間にある焦点面を示し得て、プロセッサは、画質メトリックを参照メトリックと比較することによって、近焦点面が中央焦点面に向かってドリフトしていることを決定(判断)し得る。参照メトリックの閾値は、参照メトリックのパーセンテージであり得て、例えば、当該閾値は、参照メトリックの、±1%、±5%、±10%、±15%、±20%、または、±50%未満、であり得る。
【0067】
次に、撮像リーダ106は、決定(判断)された焦点ドリフトに従って、可変焦点光学素子208の中央焦点面Aを調整する。例えば、プロセッサは、画質メトリックと参照メトリックとの比較を分析し得て、可変焦点光学素子208に適用するべき焦点調整の量を決定し得る。プロセッサは、焦点調整の量を示す信号及び/またはデータを、可変焦点撮像コントローラ214、アクチュエータ215、あるいは、直接的に可変焦点光学要素208へと、提供し得て、中央焦点面Aの焦点を調整し得る。中央焦点面の調整は、アクチュエータ215または可変焦点光学要素208にDC電圧を提供する工程(例えば、液体レンズに電圧を提供する、別の可変焦点レンズに電圧を印加する、または、別の可変焦点光学要素を調整する)、アクチュエータ215に制御信号を提供して撮像リーダ106の撮像ステージ204の光学要素または中央焦点面を調整するための別の手段を再位置決めする工程、を含み得る。
【0068】
焦点ドリフトが決定されると、プロセッサは、決定された焦点リフトの量、すなわち、調整量を、撮像リーダ106のメモリないしサーバ112のメモリに記憶し得るか、あるいは、焦点ドリフトの量及び/または調整量を別のネットワークないしシステムに提供し得る。当該方法600の実行中、検出器(図示せず)が、様々な環境要因を決定し得て、周囲温度、撮像リーダ106の光学系の温度、環境圧力、湿度、撮像リーダ106の光学系の年齢(使用年数)、または、他の測定可能な要因、などの環境変数を測定し得る。次に、環境要因に関連付けられた値が、決定された焦点ドリフト及び/または調整量に関連付けられ得て、当該環境要因に関連付けられた値はまた、撮像リーダ106のメモリないしサーバ112のメモリに記憶され得て、及び/または、別のネットワークないしシステムに提供され得る。撮像リーダ106を操作する時、センサが、撮像リーダの現在温度または環境の現在温度などの現在の環境条件を測定し得て、プロセッサは、当該温度に関連付けられた焦点ドリフト及び/または調整量を取得(検索)し得る。次に、プロセッサは、取得(検索)された焦点ドリフト及び/または調整量を、可変焦点撮像コントローラ214、アクチュエータ215、可変焦点光学要素208、または、撮像リーダ106の他の要素、に提供し得て、先に決定された焦点ドリフトに従って撮像リーダ106の焦点を調整し得る。
【0069】
方法400、600のブロック内の工程(ステップ)は、撮像リーダ装置内の様々な要素によって実行されるものと説明されているが、これらの工程のいずれも、1つのコントローラまたは1つのプロセッサで実行され得るし、1または複数の専用のコントローラないしプロセッサによっても実行され得るし、本明細書で説明される他のプロセスを実行するように構成された1または複数の要素によっても実行され得る。更に、コントローラ214は、1または複数のプロセッサおよび1または複数のメモリを含み得る。
【0070】
前述の明細書において、特定の実施形態が説明された。しかしながら、当業者は、以下の特許請求の範囲で示す本発明の範囲から逸脱することなく、種々の改変及び変更を行うことができることを認識する。従って、明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的なものであるとみなされるべきであり、このような改変の全てが、本教示の範囲内に含まれることが意図されている。
【0071】
利益、利点、課題の解決法、並びに、何らかの利益、利点または解決法を生じさせ得るかより顕著にし得るあらゆる要素は、特許請求の範囲の請求項のいずれかまたは全てにおける、決定的な、要求される、または必須の、特徴または要素として解釈されるべきではない。本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ規定され、本出願の係属中になされるあらゆる補正と、発行時の特許請求の範囲の全ての均等物と、を含む。
【0072】
図2のシステム200のブロック図によって表される実施例の代替的な実装は、1または複数の追加的または代替的な要素、プロセス及び/または装置を含む。追加的または代替的に、図中の1または複数の例示的なブロックは、組み合わされ得るし、分割され得るし、再配置され得るし、あるいは、省略され得る。図中のブロックで表されるコンポーネント(構成要素)は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、並びに/または、ハードウェア、ソフトウェア及び/若しくはファームウェアの任意の組み合わせ、によって実装される。幾つかの例では、ブロックによって表されるコンポーネントの少なくとも1つが、論理回路によって実装される。本明細書で使用される場合、「論理回路」という用語は、(例えば、所定の構成(コンフィグレーション)に従う動作を介して、及び/または、記憶された機械可読命令の実行を介して)1または複数の機械を制御するように及び/または1または複数の機械の動作を実行するように構成される少なくとも1つのハードウェアコンポーネント、を含む物理デバイスとして明示的に定義される。論理回路の例は、1または複数のプロセッサ、1または複数のコプロセッサ、1または複数のマイクロプロセッサ、1または複数のコントローラ、1または複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)、1または複数のアプリケーション固有の集積回路(ASIC)、1または複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、1または複数のマイクロコントローラユニット(MCU)、1または複数のハードウェアアクセラレータ、1または複数の特殊用途(専用)コンピュータチップ、及び、1または複数のシステムオンチップ(SoC)装置、を含む。ASICまたはFPGA等の幾つかの例示的な論理回路は、動作(例えば、本明細書に記載され、存在する場合には本開示のフローチャートによって表される、1または複数の動作)を実行するために特別に構成されたハードウェアである。幾つかの例示的な論理回路は、動作(例えば、本明細書に記載され、存在する場合には本開示のフローチャートによって表される、1または複数の動作)を実行するために機械可読命令を実行するハードウェアである。幾つかの例示的な論理回路は、特別に構成されたハードウェアと、機械可読命令を実行するハードウェアと、の組み合わせを含む。前述の説明は、本明細書で説明される様々な動作、及び、それらの動作の流れを説明するために本明細書に添付され得るフローチャート、に言及している。そのようなフローチャートは、いずれも、本明細書に開示される例示的な方法を表している。幾つかの例では、フローチャートによって表される方法は、ブロック図によって表される装置を実装する。本明細書に開示される例示的な方法の代替的な実装は、追加的または代替的な動作を含み得る。更に、本明細書に開示される方法の代替的な実装の動作は、組み合わされ得るし、分割され得るし、再配置され得るし、あるいは、省略され得る。幾つかの例では、本明細書で説明される動作は、1または複数の論理回路(例えば、プロセッサ)によって実行されるために、媒体(例えば、有形の機械可読媒体)に記憶された機械可読命令(例えば、ソフトウェア及び/またはファームウェア)によって実装される。幾つかの例では、本明細書で説明される動作は、1または複数の特別に設計された論理回路(例えば、ASIC)の1または複数の構成(コンフィグレーション)によって実施される。幾つかの例では、本明細書で説明される動作は、1または複数の論理回路によって実行されるために、特別に設計された1または複数の論理回路と、媒体(例えば、有形の機械可読媒体)に記憶された機械可読命令と、の組み合わせによって実装される。
【0073】
本明細書で使用される場合、「有形の機械可読媒体」、「非一時的な機械可読媒体」、及び「機械可読記憶装置」という用語の各々は、任意の好適な期間だけ(例えば、恒久的、長期間(例えば、機械可読命令に関連するプログラムが実行されている間)、及び/または、短期間(例えば、機械可読命令がキャッシュされている間、及び/または、バッファリングプロセス中))機械可読命令(例えば、ソフトウェア及び/またはファームウェアの形態のプログラムコード)が記憶される記憶媒体(例えば、ハードディスクドライブ(のディスク)、デジタル多用途ディスク(DVD)、コンパクトディスク(CD)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、等)として明示的に定義される。更に、本明細書で使用される場合、「有形の機械可読媒体」、「非一時的な機械可読媒体」及び「機械可読記憶装置」という用語の各々は、伝播信号(の態様)を除外するものとして明示的に定義される。すなわち、特許請求の範囲で使用される場合、「有形の機械可読媒体」、「非一時的な機械可読媒体」及び「機械可読記憶装置」という用語はいずれも、伝搬信号によって実装されるものとは、読まれ得ない。
【0074】
前述の明細書には、特定の実施形態が記載されている。しかしながら、当業者は、特許請求の範囲に記載されるような本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更がなされ得る、ということを理解する。従って、本明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で理解されるべきであり、そのような全ての修正が、本教示の範囲内に含まれることが意図されている。更に、説明された実施形態/実施例/実装は、相互に排他的であると解釈されるべきではなく、その代わりに、そのような組み合わせが何らかの方法で許容される場合、潜在的に組み合わせ可能であると理解されるべきである。換言すれば、前述の実施形態/実施例/実装のいずれかに開示された任意の特徴が、他の前述の実施形態/実施例/実装のいずれかに含まれてもよい。
【0075】
利益、利点、問題の解決策、及び、何らかの利益、利点ないし解決策を生じさせ得るかまたはより顕著にし得る任意の要素は、特許請求の範囲の請求項のいずれかまたは全てにおいての、重要な、必要な、または本質的な機能または要素として解釈されるべきではない。特許請求される発明は、本出願の係属中になされる補正、及び、発行される請求項の全ての均等物を含んで、添付される請求項によってのみ定義される。
【0076】
更に、当該文書において、第1及び第2、上及び下、等のような関連語は、1つの実体または動作を他の実体または動作から区別するためにのみ用いられている可能性があり、必ずしもそのような実体または動作間の実際のそのような関係または順序を要求したり含意したりしていない可能性がある。用語「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「有する(has)」、「有している(having)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「含有する(contains)」、「含有している(containing)」、あるいは、それらの他のあらゆる変形語は、非排他的な包含をカバーすることが意図されている。要素の列挙(リスト)を、備える、有する、含む、または、含有する、というプロセス、方法、物品、または、装置は、それらの要素のみを含むのではなく、明示的に列挙されていない他の要素や、そのようなプロセス、方法、物品、または、装置に固有の他の要素を含み得る。「を備える(comprises ...a)」、「を有する(has ...)」、「を含む(includes ...a)」、「を含有する(contains ...a)」の後に続く要素は、更なる制約条件が無ければ、当該要素を、備える、有する、含む、または、含有する、というプロセス、方法、物品、または、装置、における付加的な同一要素の存在を排除しない。用語「a」及び「an」は、明示的に他の言及が無い限り、1または複数として定義される。用語「実質的に」、「本質的に」、「およそ」、「約」、あるいは、それらの他のあらゆる変形語は、当業者に理解されるように、近い状態であるものとして定義され、1つの非限定的な実施形態において、当該用語は、10%以内、別の実施形態においては5%以内、別の実施形態においては1%以内、及び、別の実施形態において0.5%以内、として定義される。本明細書で用いられる用語「結合された」は、接続されたものとして定義されるが、必ずしも直接的でなくてもよく、また、必ずしも機械的でなくてもよい。ある方式で「構成された」デバイスまたは構造は、少なくとも当該方式で構成されるが、挙げられていない方式で構成されてもよい。
【0077】
本開示の要約は、読者が当該技術的開示の性質を素早く確認することを許容するために提供される。それは、特許請求の範囲の請求項の範囲または意味を解釈または制限するために用いられないという理解と共に提示される。また、前述の詳細な説明において、当該開示を円滑にする目的で、様々な実施形態において様々な特徴がまとめてグループ化されていることが認められ得る。この開示方法は、特許請求される実施形態が、各請求項で明示的に記載されている特徴よりも多くの特徴を必要とする、という意図を反映するものとして解釈されるべきでない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の主題は、単一の開示された実施形態の全ての特徴よりも少なく存在する。以下の特許請求の範囲は、ここで詳細な説明に組み入れられ、各請求項は、別個に特許請求される主題として、それ自身独立している。
【要約】

【課題】 撮像システムの焦点ドリフトを関心のある対象物の位置変化から区別するための方法及び装置を提供すること。
【解決手段】 本方法は、関心のある対象物の画像を取得する工程と、当該画像内の関心のある領域を識別する工程と、を備え、当該関心のある領域は、前記関心のある対象物を示す指標を含む。プロセッサが、前記画像の画質を判定し、前記指標を分析し、前記指標のピクセル測定値を判定する。次に、プロセッサは、前記指標のピクセル測定値を参照ピクセル測定値と比較する。当該比較に基づいて、プロセッサは、前記画像の画質が、前記撮像システムからの前記対象物の距離の差からの帰結であるか、あるいは、前記撮像システムの集束ドリフトからの帰結であるか、を決定する。
【選択図】 図4
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7