特許 7177362 スポットエアコン

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2022-11-15

(45)【発行日】2022-11-24

(54)【発明の名称】スポットエアコン

(51)【国際特許分類】

   F24F 13/20 20060101AFI20221116BHJP

【ＦＩ】

F24F1/02 411D

F24F1/02 411A

【請求項の数】 6

(21)【出願番号】P 2020195357

(22)【出願日】2020-11-25

(65)【公開番号】P2022083814

(43)【公開日】2022-06-06

【審査請求日】2021-03-16

(73)【特許権者】

【識別番号】391007242

【氏名又は名称】三菱重工冷熱株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100098729

【弁理士】

【氏名又は名称】重信 和男

(74)【代理人】

【識別番号】100163212

【氏名又は名称】溝渕 良一

(74)【代理人】

【識別番号】100204467

【弁理士】

【氏名又は名称】石川 好文

(74)【代理人】

【識別番号】100148161

【弁理士】

【氏名又は名称】秋庭 英樹

(74)【代理人】

【識別番号】100156535

【弁理士】

【氏名又は名称】堅田 多恵子

(74)【代理人】

【識別番号】100195833

【弁理士】

【氏名又は名称】林 道広

(72)【発明者】

【氏名】池田 義昭

(72)【発明者】

【氏名】所谷 雅史

【審査官】佐藤 正浩

(56)【参考文献】

【文献】実開昭５８－０４７０６５（ＪＰ，Ｕ）

【文献】特開２０１２－０１３３３２（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開平０６－０９４２６４（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｆ２４Ｆ １３／２０

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

ヒートポンプが収容された筐体の底部にフォークリフトのフォークを挿入するための一対のフォーク挿入部が設けられたスポットエアコンであって、
前記筐体の底面の四隅にて下方に延びる脚部を有し、
前記フォーク挿入部は、前記脚部よりも内側にて前記筐体の底面に取付けられ、前記フォークの挿入方向である長手方向に延び、かつ幅方向に離間して配置される一対の側壁部と、前記一対の側壁部の長手方向に交差して該一対の側壁部の下方にて幅方向に架設され、スポットエアコンの落下を防止するための少なくとも１つの横杆部材と、を備えており、前記横杆部材は、前記脚部に対してボルトにより着脱可能に取付けられることを特徴とするスポットエアコン。

【請求項2】

前記脚部は、前記側壁部よりも下方に延びることを特徴とする請求項１に記載のスポットエアコン。

【請求項3】

前記横杆部材は、前記一対のフォーク挿入部の各側壁部に渡って延びることを特徴とする請求項１または２に記載のスポットエアコン。

【請求項4】

前記横杆部材は、断面Ｌ字状をなすことを特徴とする請求項１ないし３のいずれかに記載のスポットエアコン。

【請求項5】

前記フォーク挿入部は、前記一対の側壁部を有する下向きコ字状のガイド部材と、前記横杆部材とにより構成されていることを特徴とする請求項１ないし４のいずれかに記載のスポットエアコン。

【請求項6】

前記横杆部材は、前記一対の側壁部の長手方向両端部に配置されていることを特徴とする請求項１ないし５のいずれかに記載のスポットエアコン。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、フォークリフトにより運搬可能なスポットエアコンに関する。

【背景技術】

【0002】

工場や製鉄所などの作業場や屋外において、作業環境を改善するために局所的に空気調和を行うことができるスポットエアコンが用いられている。このようなスポットエアコンには、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器から主に構成されるヒートポンプと、凝縮器用送風機および蒸発器用送風機と、を備えており、これらが１つの筐体内に収容されているものがある。このようなスポットエアコンは、筐体の取り扱いが容易で機動性が高く、任意の場所に移動させることが容易になっている。

【0003】

特許文献１に示されるスポットエアコンは、上方に開口して前後に延びる断面ハット形の足部材を筐体の底面に左右方向に２つ並べて取付けられている。この左右一対の足部材と筐体の底面との間には、上下左右が閉塞された正面視ロ字状の空間が前後に延びて形成されており、該空間はフォークリフトのフォークを挿入するためのフォーク挿入部として機能している。このフォーク挿入部にフォークリフトのフォークを挿入した状態でスポットエアコンを持ち上げて任意の場所に運搬することができるようになっている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【文献】特開２００３－３２９２６３号公報（第３頁、第１図）

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

特許文献１のスポットエアコンにあっては、フォーク挿入部を構成する足部材の側板部が前後方向に亘って延びているので、フォークが側板部により挿入方向にガイドされフォークをフォーク挿入部に正確に挿入できるとともに、足部材の底板部によりスポットエアコンの跳ね上がりを規制して安全に運搬できるようになっている。しかしながら、特許文献１のスポットエアコンにあっては、フォーク挿入部の底部が足部材の底板部により前後方向に亘って閉塞されているので、スポットエアコンの筐体の底部から外部に排出されるドレン水がフォーク挿入部内に長期に渡り残留して、足部材が腐食してしまう虞があった。

【0006】

本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、フォーク挿入部の腐食を防止できるスポットエアコンを提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0007】

前記課題を解決するために、本発明のスポットエアコンは、
ヒートポンプが収容された筐体の底部にフォークリフトのフォークを挿入するための一対のフォーク挿入部が設けられたスポットエアコンであって、
前記フォーク挿入部は、前記筐体の底面において前記フォークの挿入方向である長手方向に延び、かつ幅方向に離間して配置される一対の側壁部と、前記一対の側壁部の長手方向に交差して該一対の側壁部の下方にて幅方向に架設される少なくとも１つの横杆部と、を備えていることを特徴としている。
この特徴によれば、一対の側壁部によってフォークが挿入方向にガイドされるため、フォークをフォーク挿入部に正確に挿入できるとともに、一対の側壁部の下方に横杆部が配置されているので、運搬時においてスポットエアコンの跳ね上がりが規制され、フォークからスポットエアコンが落下することを防止できる。また、フォーク挿入部の横杆部以外の部分が下方に開放されているので、フォーク挿入部内にドレン水等が溜まることがなく、フォーク挿入部の腐食を防止できる。

【0008】

前記筐体は、前記側壁部よりも下方に延びる脚部を有していることを特徴としている。
この特徴によれば、スポットエアコンを床面に載置したときには、脚部がスポットエアコンの荷重を支持するため、スポットエアコンの荷重が側壁部にかかることを防止できる。

【0009】

前記横杆部は、前記一対のフォーク挿入部の各側壁部に渡って延びる横杆部材であることを特徴としている。
この特徴によれば、１本の横杆部材で一対のフォーク挿入部の横杆部を構成できるので、一対のフォーク挿入部を組み立てやすい。

【0010】

前記横杆部材は、前記筐体に取付けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、横杆部材と一対の側壁部とが別部材で構成されているため、横杆部材に外力が作用したときに、側壁部に負荷がかからないようにできる。

【0011】

前記横杆部材は、前記筐体に設けられ前記側壁部よりも下方に延びる脚部に取付けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、筐体を支持する強度の高い脚部に横杆部材が取付けられるため、横杆部材を安定して取付けることができる。

【0012】

前記横杆部材は、前記脚部に対して着脱可能に取付けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、横杆部材を取付けてスポットエアコンを安全に運搬することができ、横杆部材を取外すことで横杆部材が周囲の環境に邪魔にならずに使用または保管することができる。

【0013】

前記横杆部は、断面Ｌ字状をなすことを特徴としている。
この特徴によれば、横杆部の構造強度を高くすることができる。

【0014】

前記フォーク挿入部は、前記一対の側壁部を有する下向きコ字状のガイド部材と、前記横杆部とにより構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、一対の側壁部を１つのガイド部材として取り扱えるので、フォーク挿入部を組み立てやすい。

【0015】

前記横杆部は、前記一対の側壁部の長手方向両端部に配置されていることを特徴としている。
この特徴によれば、横杆部により一対の側壁部の長手方向両端部でスポットエアコンの跳ね上がりが規制されるので、スポットエアコンを安定して運搬することができる。

【図面の簡単な説明】

【0016】

【図1】（ａ）は本発明の実施例におけるスポットエアコンを示す正面斜視図、（ｂ）は同じく背面斜視図である。

【図2】筐体の枠体を示す正面斜視図である。

【図3】フォーク挿入部の構造を示す下方から見た分解斜視図である。

【図4】（ａ）はスポットエアコンを左方から見た側面図、（ｂ）は同じく正面図である。

【図5】フォーク挿入部にフォークリフトのフォークが挿入された状態を示す側断面図である。

【図6】本発明のフォーク挿入部の変形例１を示す下部正面図である。

【図7】（ａ）は本発明のフォーク挿入部の変形例２を示す下部正面図、（ｂ）は同じく底面図である。

【発明を実施するための形態】

【0017】

本発明に係るスポットエアコンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。

【実施例】

【0018】

実施例に係るスポットエアコンにつき、図１から図７を参照して説明する。以下、スポットエアコンの吹出口側を正面側（前方側）とし、正面から見て左右をスポットエアコンの左右側として説明する。

【0019】

図１に示されるように、スポットエアコン１は、工場や製鉄所などの作業場に配置され、作業者の近傍に対して局所的に空気調和を行うことができるものであり、作業環境を改善することができるようになっている。本実施例では、スポットエアコン１を冷房用として使用する形態を例示するが、暖房用にも使用可能である。

【0020】

図１及び図２に示されるように、スポットエアコン１は、略直方体を成す筐体１０と、筐体１０内に収容されたヒートポンプ２０と、から主に構成されている。筐体１０は、複数のフレーム材１１ａにより組み立てられた枠体１１と、枠体１１に取付けられ筐体１０の外面を構成する複数の壁面パネル１２と、により組み立てられている。

【0021】

筐体１０の前面には、後述する空調済み空気Ａ１を空調対象となる適所に供給する供給口１０ａが設けられている。また、筐体１０の上面には、後述する排空気Ａ２を筐体１０の外部に排出する排気口１０ｂが設けられている。また、筐体１０の右面には空調用の吸込口１０ｃが、筐体１０の背面には排熱用の吸込口１０ｄが設けられている。吸込口１０ｃ及び吸込口１０ｄには通気性を有するカバー部材１４，１５が取付けられており、吸込む外気に含まれる塵芥等の微粒子を捕捉するとともに雨粒の進入を防止し、後述する排熱用熱交換器２２、空調用熱交換器２３に外部から触れることが防止されている。尚、カバー部材１５は塵芥等の微粒子を捕捉するフィルター機能がなくてもよい。

【0022】

また、筐体１０の底面を構成する壁面パネル１２は、ドレンパンとして機能しており、筐体１０内で発生したドレン水を一時的に貯留し、筐体１０の底面に形成された図示しない排水口より筐体１０外に排出できるようになっている。

【0023】

この筐体１０の内部には、空調用の吸込口１０ｃと供給口１０ａとの間を繋ぐ空調用通路Ｒ１と、排熱用の吸込口１０ｄと排気口１０ｂとの間を繋ぐ排熱用通路Ｒ２と、が設けられている。空調用通路Ｒ１は、平面視で略Ｌ字状に延びる筒状のダクト１６により構成されており、排熱用通路Ｒ２は筐体１０の内部空間におけるダクト１６以外の空間で構成されている。すなわち、筐体１０の内部で空調用通路Ｒ１と排熱用通路Ｒ２はダクト１６により区画されている。

【0024】

ヒートポンプ２０は、圧縮機２１、排熱用熱交換器２２、膨張弁（図示略）、空調用熱交換器２３、アキュームレータ２４から主に構成され、圧縮機２１、排熱用熱交換器２２、膨張弁、空調用熱交換器２３、アキュームレータ２４の順に熱媒を循環させるようになっている。冷房時には、空調用熱交換器２３は蒸発器として機能し、また排熱用熱交換器２２は凝縮器として機能する。

【0025】

熱媒は、圧縮機２１によって高温高圧の過熱蒸気となり、排熱用熱交換器２２によって吸込口１０ｄから吸い込んだ空気と熱交換され低温高圧の過冷却液となり、膨張弁により減圧されて低温低圧の湿り蒸気となり、空調用熱交換器２３によって吸込口１０ｃから吸い込んだ空気と熱交換されて少し過熱された蒸気となる。このように、吸込口１０ｃから吸い込んだ空気は、空調用熱交換器２３と熱交換されて冷却された空調済み空気Ａ１となる。また、アキュームレータ２４は空調用熱交換器２３で蒸発されなかった液熱媒を気体と液体に分離して、液熱媒が圧縮機２１に吸い込まれることが防止されるようになっている。

【0026】

尚、暖房時には、ヒートポンプ２０の圧縮機２１、空調用熱交換器２３、膨張弁、排熱用熱交換器２２の順、すなわち冷房時とは逆向きに熱媒を循環させればよい。このとき、空調用熱交換器２３は凝縮器として機能し、また排熱用熱交換器２２は蒸発器として機能する。より詳しくは、排熱用熱交換器２２は低温の熱媒の熱を外気と熱交換して外気から吸熱するようになっている。換言すれば、排熱用熱交換器２２は外気と熱交換して熱媒の低温の熱を筐体１０の外部に排熱している。

【0027】

圧縮機２１、排熱用熱交換器２２、膨張弁、アキュームレータ２４は、排熱用通路Ｒ２に配置されており、空調用熱交換器２３は、空調用通路Ｒ１に配置されている。具体的には、排熱用熱交換器２２は排熱用の吸込口１０ｄの近傍に配置され、空調用熱交換器２３は空調用の吸込口１０ｃの近傍に配置されている。

【0028】

排気口１０ｂには、他方の送風機としての排熱用送風機２が取付けられている。排熱用送風機２は、ファン３と駆動モータ（図示略）とがユニット化されており、上下方向を向く駆動モータの駆動軸４回りにファン３が回転するようになっている。この排熱用送風機２により排熱用の吸込口１０ｄから外気が排熱用通路Ｒ２内に導入され、排熱用熱交換器２２と熱交換された後、排熱用通路Ｒ２を通って排気口１０ｂから上方に排空気Ａ２として排出される。

【0029】

ダクト１６内には、一方の送風機としての空調用送風機（図示略）が取付けられている。この空調用送風機により空調用の吸込口１０ｃから外気が空調用通路Ｒ１内に導入され、空調用熱交換器２３と熱交換された後、空調用通路Ｒ１を通って供給口１０ａから前方に空調済み空気Ａ１として供給される（図１（ａ）参照）。

【0030】

図１～図４に示されるように、筐体１０の底面の下方には、左右一対のフォーク挿入部４，４が設けられている。それぞれのフォーク挿入部４は、前後方向に延びる下向きコ字状のガイド部材４１と、左右のガイド部材４１の前端部及び後端部の下方にそれぞれ配置される横杆部としての横杆部材４２，４２と、から構成されている。

【0031】

図３及び図４に示されるように、ガイド部材４１は、鋼材であり、筐体１０の底面に沿って水平に延びる水平板部４１ａと、水平板部４１ａの左辺及び右辺から下方に延びる鉛直板部４１ｂ，４１ｂと、を備え、底板部を備えずに下方が開放された断面視下向きコ字状をなす。一対のガイド部材４１は、筐体１０の底面に左右方向に離間してボルトナットまたは溶接等で固定される。尚、左右の鉛直板部４１ｂ，４１ｂは、フォーク挿入部４を構成する一対の側壁部として機能している。

【0032】

横杆部材４２は、金属製であり、左右一対のフォーク挿入部４，４に渡り連続して左右方向に延びている。この横杆部材４２は、水平方向に延びる水平板部４２ａと、水平板部４２ａの前後一方の辺から下方に延びる鉛直板部４２ｂとを備え、断面略Ｌ字状をなしている。

【0033】

筐体１０の底面の四隅には、ガイド部材４１の鉛直板部４１ｂよりも下方に延びる脚部１３が設けられており、横杆部材４２は、左右に離間する脚部１３，１３に渡って取付けられている。具体的には、脚部１３は、垂直板部１３ａ、上板部１３ｂ、底板部１３ｃを有し前後方向に開口する断面コ字状の金属板から構成されており、脚部１３の垂直板部１３ａに対して横杆部材４２の鉛直板部４２ｂがボルト５により取付けられている。すなわち、横杆部材４２は、左右一対のガイド部材４１，４１に渡って延び、かつガイド部材４１，４１の下方に近接して離間した位置に配置されている。なお、横杆部材４２はガイド部材４１，４１の下部に接触した位置に配置されてもよい。また、脚部１３は、垂直板部１３ａ、上板部１３ｂ、底板部１３ｃの左右方向中央部に配置され、垂直板部１３ａと直交する補強板１３ｄを有し、補強板１３ｄにより脚部１３の強度が高くなっている。

【0034】

このように、フォーク挿入部４は、前端部及び後端部がガイド部材４１と横杆部材４２とにより正面視ロ字状に構成されており、前端部及び後端部以外の部分は、下方に開放された状態となっている。

【0035】

図５に示されるように、このフォーク挿入部４には、フォークリフトのフォークＦがスポットエアコン１の前方または後方から挿入できるようになっている。フォークＦをフォーク挿入部４に挿入する際には、ガイド部材４１の左右の鉛直板部４１ｂによりフォークＦが挿入方向（前後方向）にガイドされるので、フォークＦをフォーク挿入部４に正確に挿入することができるようになっている。

【0036】

また、フォーク挿入部４にフォークＦが挿入された状態にあっては、フォークＦの根元側（前端側）と先端側（後端側）の下方に横杆部材４２がそれぞれ配置されるため、スポットエアコン１を運搬時には、スポットエアコン１の跳ね上がりが規制され、フォークＦからスポットエアコン１が落下することを防止できる。

【0037】

また、フォーク挿入部４は、前端部及び後端部以外の部分が下方に開放されているので、フォーク挿入部４内に、筐体１０の底部に形成された排水孔（図示略）から排出されたドレン水等が残留することがなく、フォーク挿入部４の腐食を防止できる。

【0038】

また、スポットエアコン１を床面に載置したときには、脚部１３がスポットエアコン１の荷重を支持するため、スポットエアコン１の荷重がガイド部材４１の鉛直板部４１ｂにかかることを防止できる。すなわち、ガイド部材４１の鉛直板部４１ｂの破損や変形を防止できる。

【0039】

また、横杆部材４２は、左右一対のガイド部材４１，４１に渡って延びている。すなわち、１本の横杆部材４２で左右一対のフォーク挿入部４，４の横杆部を共用して構成できるので、一対のフォーク挿入部４を組み立てやすい。言い換えれば、一対のフォーク挿入部４の横杆部を別々の部材で構成しなくてもよく、部品点数を減らすことができる。

【0040】

また、横杆部材４２は、筐体１０を支持する強度の高い脚部１３に取付けられているので、横杆部材４２を安定して取付けることができるとともに、横杆部材４２に外力が作用したときに、ガイド部材４１の鉛直板部４１ｂに負荷がかからないので、鉛直板部４１ｂの破損を防止できる。言い換えれば、ガイド部材４１を強度材等により補強する必要がなく、ガイド部材４１を簡素な構造とすることができる。

【0041】

また、横杆部材４２は、筐体１０の脚部１３に着脱可能に取付けられている。これによれば、スポットエアコン１の運搬時には脚部１３に横杆部材４２を取付けてスポットエアコン１を安全に運搬することができ、スポットエアコン１の使用時または保管時には横杆部材４２を取外して横杆部材４２が周囲の環境に邪魔になることを防止できる。さらに、スポットエアコン１の運搬路が平滑な場合には横杆部材４２を取付けず、横杆部材４２の取付作業を省略できるとともに、スポットエアコン１の運搬路に不陸がある場合には横杆部材４２を取付け、スポットエアコン１の跳ね上がりを規制するといった運用もできる。

【0042】

また、横杆部材４２は、断面Ｌ字状をなすため、曲げ方向や捩れ方向への外力等に対する横杆部材４２の構造強度が高い。

【0043】

また、フォーク挿入部４は、左右一対の鉛直板部４１ｂを有するガイド部材４１と横杆部材４２とで構成されており、一対の鉛直板部４１ｂを１つのガイド部材４１として取り扱えるので、フォーク挿入部４を組み立てやすい。言い換えれば、筐体１０の底面に側壁部を別個に取付ける必要がなく、部品点数を減らすことができる。

【0044】

尚、前記実施例では、左右一対の鉛直板部４１ｂを有するガイド部材４１と横杆部材４２とによりフォーク挿入部４が構成されていたが、これに限られず、例えば、図６に示されるように、フォーク挿入部４００は、左側壁部４００ａを有するＬ字状部材４００Ａと、このＬ字状部材４００Ａとは別体の右側壁部４００ｂを有するＬ字状部材４００Ｂと、筐体１０の底面と、横杆部材４２と、により構成されていてもよい。

【0045】

また、前記実施例では、横杆部材４２は、左右の脚部１３，１３に取付けられ、左右一対のガイド部材４１，４１に渡って延びる形態を例示したが、例えば、図７に示されるように、各ガイド部材４１に横杆部材４２０がそれぞれ固定されるようになっていてもよい。具体的には、横杆部材４２０は、上向きに開口するハット形状を成しており、横杆部材４２０の左右の水平部４２０ａが筐体１０の底面に固定されている。これによれば、横杆部材４２０とガイド部材４１とが連結されていないため、横杆部材４２０に外力が作用したときに、ガイド部材４１に負荷がかからないようにできる。

【0046】

以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。

【0047】

例えば、前記実施例では、筐体１０に脚部１３が設けられる形態を例示したが、これに限られず、横杆部材またはガイド部材の鉛直板部が直接床面に載置され脚部として機能してもよい。

【0048】

また、前記実施例では、横杆部材４２は、左右の脚部１３に取付けられる形態を例示したが、横杆部材は筐体の底面、側面、枠体等に固定されていてもよいし、ガイド部材の鉛直板部に固定されていてもよい。

【0049】

また、横杆部材４２は、断面略Ｌ字形状を成す形態に限られず、形状は自由に変更できるが、強度の観点からリブ構造となっていることが好ましい。また、横杆部材の前後幅、すなわちガイド部材の鉛直板部の長手方向の寸法等は自由に変更することができる。

【0050】

また、前記実施例では、ガイド部材４１の鉛直板部４１ｂが前後方向に板状に延びている形態を例示したが、これに限られず、例えば、ガイド部材４１の鉛直板部４１ｂに左右方向に貫通する貫通孔や切欠きが形成されていてもよい。これによれば、貫通孔または切欠きにより左右方向の通気性が向上するので、フォーク挿入部４内にドレン水が残留することをさらに防止できる。

【0051】

また、前記実施例では、ガイド部材４１の前後両端部の下方に横杆部材４２が配置される形態を例示したが、これに限られず、横杆部材４２はガイド部材４１の長手方向の任意の位置に少なくとも１つ配置されていればよい。例えば、ガイド部材４１の長手方向中央部の下方に横杆部材４２が配置されていてもよい。

【符号の説明】

【0052】

１ スポットエアコン
４ フォーク挿入部
５ ボルト
１０ 筐体
１３ 脚部
２０ ヒートポンプ
４１ ガイド部材
４１ａ 水平板部
４１ｂ 鉛直板部（一対の側壁部）
４２ 横杆部材（横杆部）
４００ フォーク挿入部
４００Ａ Ｌ字状部材
４００Ｂ Ｌ字状部材
４００ａ 左側壁部（側壁部）
４００ｂ 右側壁部（側壁部）
４２０ 横杆部材（横杆部）
Ｆ フォーク

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】