(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】自転車用スタンド
(51)【国際特許分類】
B62H 1/04 20060101AFI20221116BHJP
【FI】
B62H1/04
(21)【出願番号】P 2022520159
(86)(22)【出願日】2021-12-06
(86)【国際出願番号】 JP2021044803
【審査請求日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】P 2021123160
(32)【優先日】2021-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521209627
【氏名又は名称】株式会社ブーンカンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100148127
【氏名又は名称】小川 耕太
(72)【発明者】
【氏名】渡辺未来雄
【審査官】志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-321082(JP,A)
【文献】米国特許第5628711(US,A)
【文献】米国特許第10807665(US,B1)
【文献】登録実用新案第3065831(JP,U)
【文献】特開2002-284281(JP,A)
【文献】特開2003-54557(JP,A)
【文献】特開2004-26258(JP,A)
【文献】特開2008-7125(JP,A)
【文献】GANEA, Simona,“20 Amazing DIY Bike Rack Ideas You Just Have To See”,Homedit - interior design and architecture inspiration [オンライン],2021年03月03日,インターネット : <URL : https://www.homedit.com/diy-bike-rack/ >,[検索日 2022.02.09]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62H 1/04
A63B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一対の側壁部を有する支持部材と、
自転車の車輪の軸の端部を支える軸支部と前記側壁部の上縁に係合する支持部材係合部とを有する一対の軸支部材と、
前記軸支部の内径より大きな外径を有し、前記軸の端部に螺合されるナット部材を備えた、自転車用スタンド。
【請求項2】
少なくとも一対の側壁部を有する支持部材と、
自転車の車輪の軸の端部を支える軸支部と前記側壁部の上縁に係合する支持部材係合部とを有する一対の軸支部材とを備え、
前記軸支部材は、前記自転車の一部の左右両側に係合する鉤形状の自転車係合部を有する、自転車用スタンド。
【請求項3】
前記一対の側壁部の互いの距離は、前記上縁の間が下端の間よりも狭く、前記一対の軸支部材は、前記支持部材係合部が幅方向に傾斜している、請求項1 または2に記載の自転車用スタンド。
【請求項4】
前記自転車係合部には、垂直方向のリブが形成されている、請求項2に記載の自転車用スタンド。
【請求項5】
前記支持部材係合部には、前記上縁に差し込まれる溝が形成され、 前記溝は、前記軸支部材の長手方向に延在する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の自転車用スタンド。
【請求項6】
前記支持部材に係合し、前記一対の側壁部の相対的な位置を固定する固定部材をさらに備えた、請求項1から5のいずれか一項に記載の自転車用スタンド。
【請求項7】
前記固定部材が、前記一対の軸支部材と連結されている、請求項6に記載の自転車用スタンド。
【請求項8】
前記支持部材が、ダンボール部材である、請求項1から7のいずれか一項に記載の自転車用スタンド。
【請求項9】
前記支持部材は、前記側壁部の上縁に、前記軸支部に嵌合するための切り欠きを備えた、請求項1から8のいずれか一項に記載の自転車用スタンド。
【請求項10】
前記支持部材の歪みを防ぐために支持部材の底部にはめ込んで組み立てられる補強部材を備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の自転車用スタンド。
【請求項11】
前記補強部材は、ダンボールであって、使用前は矩形を成し、使用する際には、延在方向の両端を側端部方向に伸びる角柱形状に隆起させ、両側端部を立てて起こして組み立てられる、請求項10に記載の自転車用スタンド。
【請求項12】
前記補強部材は、底面部に切り込みにより設けられた台形状の爪部材を前記角柱形状の部材に設けられた方形穴に差し込んで組み立てられる、請求項11に記載の自転車用スタンド。
【請求項13】
前記補強部材は、前記角柱形状の部材に第二の方形穴を有し、前記支持部材は、切り込みにより設けられた第二の台形状の爪部を有し、前記第二の台形状の爪部が前記第二の方形穴に係合して係合部を形成する、請求項11または12に記載の自転車用スタンド。
【請求項14】
前記支持部材は、右側壁部及び左側壁部が底部を介して互いに平行に折り曲げられて成る基部材と、前記右側壁部及び前記左側壁部に対し直交する前側部材及び後ろ側部材と組み合わされて成る、請求項13に記載の自転車用スタンド。
【請求項15】
前記支持部材の歪みを防ぐために支持部材の左右側壁部に前面から係合する補強部材を備える、請求項1から14のいずれか一項に記載の自転車用スタンド。
【請求項16】
前記補強部材は一枚の板状部材を水平方向の折り線で V 字状に折って構成され、この折り線部分を通るスリットにより前記支持部材に対して係合する、請求項15に記載の自転車用スタンド。
【請求項17】
前記支持部材は、前記自転車が梱包されていた包装体の一部である、請求項1から16のいずれか一項に記載の自転車用スタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車の走行練習をする際に使用する自転車用スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スタンドを備えていない自転車の車輪を両側面から挟持して支持し、自立駐輪させる種々な支持方式の自転車用スタンドが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、自転車の車輪が乗せられて該自転車を支持する可搬式の自転車用スタンドにおいて、前記車輪の左右両側から該車輪を挟み支持する左右一対の支持部材と、前記支持部材の下端部に連結された脚部材と、前記支持部材の上下方向中間部に連結されたヒンジ部材と、を備え、前記支持部材の各々は、前側および後側に位置する柱部材と、前記柱部材の上端間を連結する桁部材と、を有し、前記脚部材は、左右に開脚可能に上端部同士が回動自在に連結され、中間部に前記支持部材の柱部材の下端部が連結されており、前記ヒンジ部材は、前記支持部材の前側の左右の柱部材の中途間を離間自在に連結する前側の一対のヒンジ片と、前記支持部材の後側の左右の柱部材の中途間を離間自在に連結する後側の一対のヒンジ片と、を有し、前記前側および後側のヒンジ片の各対においてヒンジ片の一端が前記柱部材の中途に軸支され、他端同士が共通の軸部材で軸支され、前記車輪が乗せられてその荷重を受ける構成とされ、前記車輪が前記前側および後側のヒンジ部材に掛け渡すように乗せられたとき、前記車輪の荷重によって、前記桁部材同士が近付くように前記ヒンジ部材および前記支持部材が閉動作して前記車輪を左右から挟み込んで支持する、ことを特徴とする自転車用スタンド、が開示されている。
【0004】
特許文献1によれば、作業性良く車輪を乗せるだけで車輪のタイヤを挟持して車輪の左右動を抑制でき、自転車を安定支持できる、可搬式の自転車用スタンドを提供することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の自転車用スタンドでは、自転車を自立駐輪することは可能であるが、自立駐輪した状態で自転車に乗ることは想定していない。
【0007】
一方、初めて自転車に乗る子供にとっては、バランスを取る行為とペダルを漕ぐ行為を習得することが必要であるが、これらを同時に習得することは困難である。バランスを取ることに関してはペダルのないバランスバイクで練習することができるが、ペダルを漕ぐ練習を独立して行うための器具は従来なかった。本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、自転車の走行練習をする際に、バランスを取る操作と独立して、ペダルを漕ぐ練習を行うことが可能な自転車用スタンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために本発明では、少なくとも一対の側壁部を有する支持部材と、自転車の車輪の軸の端部を支える軸支部と前記側壁部の上縁に係合する支持部材係合部とを有する一対の軸支部材と、を備えた、自転車用スタンドを提供する。また、前記支持部材は、前記自転車が梱包されていた包装体の一部を用いることができる。さらに、前記軸支部の内径より大きな外径を有し、前記軸の端部に螺合されるナット部材を備えることができる。
【0009】
また、前記軸支部材は、前記自転車の一部の左右両側に係合する鉤形状の自転車係合部を有するものであってよく、前記一対の側壁部の互いの距離は、前記上縁の間が下端の間よりも狭いものであってもよい。
【0010】
また、前記自転車係合部には、前記側壁部と前記軸支部材とのずれを防止するリブが形成されていてよく、前記上縁に差し込まれる溝が形成され、前記溝は、前記軸支部材の長手方向に延在し、かつ、前記軸支部材の幅方向に傾斜しているものであってもよい。また、前記支持部材に係合し、前記一対の側壁部の相対的な位置を固定する固定部材をさらに備えていてもよく、前記固定部材が、前記一対の軸支部材と連結されていてもよい。また、前記支持部材が、ダンボール部材であってもよい。さらに、前記支持部材は、前記側壁部の上縁に、前記軸支部に嵌合するための切り欠きを備えてもよく、前記支持部材の歪みを防ぐために支持部材の底部にはめ込んで組み立てられる補強部材を備え、この補強部材は、前記支持部材と同様にダンボール部材であってもよい。前記補強部材は、使用前は矩形を成し、使用する際には、延在方向の両端を側端部方向に伸びる角柱形状に隆起させ、両側端部を立てて起こして組み立てられる。また、前記補強部材は、底面部に切り込みにより設けられた台形状の爪部材を前記角柱形状の部材に設けられた方形穴に差し込んで組み立てられることが好ましい。前記補強部材は、前記角柱形状の部材に第二の方形穴を有し、前記支持部材は、切り込みにより設けられた第二の台形状の爪部を有し、前記第二の台形状の爪部が前記第二の方形穴に係合して係合部を形成することが好ましい。
【0011】
前記支持部材は、右側壁部及び左側壁部が底部を介して互いに平行に折り曲げられて成る基部材と、前記右側壁部及び前記左側壁部に対し直交する前側部材及び後ろ側部材と組み合わされて成るものであってもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、自転車の走行練習をする際に、バランスを取る操作と独立してペダルを漕ぐ練習を行うことが可能な自転車用スタンドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
[
図1]本発明の第1実施形態に係る自転車用スタンドの構成例を示す模式図である。
[
図2]本発明の第1実施形態に係る自転車用スタンドの構成例を示す垂直断面図である。
[
図3]本発明の第1実施形態に係る自転車用スタンドの変形例を示す模式図である。
[
図4]本発明の第1実施形態に係る自転車用スタンドの変形例を示す垂直断面図である。
[
図5]発明の第2実施形態に係る自転車用スタンドの構成例を示す模式図である。
[
図6]本発明の第2実施形態に係る自転車用スタンドの構成例を示す垂直断面図である。
[
図7]本発明の第2実施形態に係る軸支部材の構成例を示す模式図である。
[
図8]本発明の第3実施形態に係る自転車用スタンドの構成例を示す模式図である。
[
図9]本発明の第4実施形態に係る自転車用スタンドの構成例を示す模式図である。
[
図10]本発明の第5実施形態に係る軸支部材の構成例を示す模式図である。
[
図11]本発明の第5実施形態に係る軸支部材の構成例を示す模式図である。
[
図12]本発明の第5実施形態に係る軸支部材の構成例を示す模式図である。
[
図13]本発明の第5実施形態に係る軸支部材の構成例を示す模式図である。
[
図14]本発明の第5実施形態に係る軸支部材の取り付け例を示す模式図である。
[
図15]本発明の第6実施形態に係る自転車用スタンドの構成例を示す模式図である。
[
図16]本発明の第6実施形態に係る自転車用スタンドの構成例を示す模式図である。
[
図17]本発明の第6実施形態に係る自転車用スタンドの構成例を示す模式図である。
[
図18]本発明の第6実施形態に係る自転車用スタンドの構成例を示す平面模式図である。
[
図19]本発明の第7実施形態に係る自転車用スタンドの構成例を示す模式図である。
[
図20]本発明の第7実施形態に係る補強部材の構成例を示す模式図である。
[
図21]本発明の第7実施形態に係る補強部材の構成例を示す模式図である。
[
図22]本発明の第7実施形態に係る自転車用スタンドの構成例を示す模式図である。
[
図23]本発明の第7実施形態に係る自転車用スタンドの構成例を示す部分拡大図である。
[
図24]本発明の第8実施形態に係る自転車用スタンドの構成例を示す展開図である。
[
図25]本発明の第8実施形態に係る自転車用スタンドの構成例を示す斜視図である。
[
図26]本発明の第8実施形態に係る自転車用スタンドの構成例を示す平面図である。
[
図27]本発明の第9実施形態に係る自転車用スタンドの構成例を示す分解斜視図である。
[
図28]
図27の状態から組み立てた状態を示す斜視図である。
[
図29]本発明の第9実施形態に係る自転車用スタンドの構成例を示す斜視図である。
[
図30]本発明の第9実施形態に係る自転車用スタンドの使用例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が限定されることはなく、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形、および変更が可能である。
【0015】
<第1実施形態>
まず、
図1および
図2を参照して、本発明の第1実施形態に係る自転車用スタンドの構成例について説明する。
図1は、本実施形態に係る自転車用スタンド100の構成例を示す模式図である。
図2は、自転車用スタンド100の構成例を示すタイヤの中心を通る垂直断面図である。
【0016】
図1および
図2に示すように、本実施形態に係る自転車101は、一例として、後輪102と、後輪102の中心に位置する後輪軸103と、後輪102の左右側面に延び、後輪軸103を左右から軸支するフレーム104と、を備えている。また、自転車101は、サドルと、ペダルと、チェーンカバーと、チェーンとを備えている。
【0017】
また、本実施形態に係る自転車用スタンド100は、支持部材105と、一対の軸支部材106Rおよび軸支部材106Lと、後輪軸103の左右それぞれの端部に螺合されるナット部材107と、を備えている。
【0018】
支持部材105は、一例として、自転車101の前後方向を長手方向とする直方体形状に形成され、上面が開放されている。支持部材105は、自転車101の左右の側面と対向する、少なくとも一対の側壁部111と、側壁部111の上縁部112と、前面部116、後面部117、底面部118を有し、前面部116における後輪102に対応する部分に形成された切欠き部113を有している。
【0019】
軸支部材106Rおよび軸支部材106Lは、それぞれ、自転車101の車輪である後輪102の後輪軸103の端部を支える軸支部114と、側壁部111の上縁部112に係合する支持部材係合部119と、を有している。
【0020】
図2に示すように、軸支部材106Rおよび軸支部材106Lは、さらに、自転車101の一部であるフレーム104の左右両側に係合する鉤形状の自転車係合部115を有している。
【0021】
ナット部材107は、軸支部材106Rおよび軸支部材106Lが有する軸支部114の内径より大きな外径を有し、後輪軸103の左右それぞれの端部に螺合されている。このナット部材107や自転車係合部115により、支持部材105に歪みが生じた場合であっても、軸支部材106Rおよび軸支部材106Lが後輪軸103の端部から外れてしまうことを防ぐことができる。
【0022】
自転車用スタンド100の支持部材105は、ダンボール部材であり、自転車101が梱包されていた包装体であるダンボールの一部で形成されている。そのため、支持部材105の左右幅は自転車101の幅より大きい。また前面部116はダンボールの側面または底面を折り曲げて形成される。ダンボール部材である支持部材105は、ダンボールの縦目の状態で自転車101を載せることにより、強度を確保することができる。また、支持部材105が有する一対の側壁部111の互いの距離は、上縁部112同士の間と下端同士の間とが同じ幅になっている。
【0023】
本実施形態に係る自転車用スタンド100によれば、自転車101の走行練習をする際に、バランスを取る操作と独立してペダルを漕ぐ練習を行うことが可能となる。したがって、ペダルを漕ぐという動きに馴染みがない子供等が、バランスを取ることと切り離して独立にペダルを漕ぐ動きを練習することができ、実際に自転車101に乗った際にスムーズにペダルを漕いで走行することができる。
【0024】
また、自転車用スタンド100によれば、自転車101を梱包していたダンボールを利用することで、自転車101の部品とは別の新たに用意する部品を最小限にし、環境負担を小さくするとともにコストを削減することができる。
【0025】
<第1実施形態の変形例>
次に、
図3および
図4を参照して、本実施形態に係る自転車用スタンド100の変形例について説明する。
図3は、自転車用スタンド100の変形例である自転車用スタンド120の構成例を示す模式図である。
図4は、本変形例に係る自転車用スタンド120の構成例を示す垂直断面図である。
【0026】
図3および
図4に示すように、本変形例に係る自転車用スタンド120は、支持部材121と、一対の軸支部材122Rおよび軸支部材122Lと、後輪軸103の左右それぞれの端部に螺合されるナット部材123と、を備えている。
【0027】
支持部材121は、一例として、自転車101の前後方向を長手方向とする略直方体形状に形成され、上面が開放されている。支持部材121は、自転車101の左右の側面と対向する、少なくとも一対の側壁部131と、側壁部131の上縁部132と、後輪102の前方側の側面に形成された切欠き部133と、を有している。
【0028】
軸支部材122Rおよび軸支部材122Lは、それぞれ、自転車101の車輪である後輪102の後輪軸103の端部を支える軸支部134と、側壁部131の上縁部132に係合する支持部材係合部と、を有している。
【0029】
一対の側壁部131は、互いの上縁部132に係合された軸支部材122Rおよび軸支部材122Lが近づく方向に傾く傾斜面を有している。これにより、一対の側壁部131の互いの距離は、上縁部132同士の間が下端同士の間よりも狭くなっている。そして、軸支部材122Rおよび軸支部材122Lが係合する位置においては傾斜せず、互いに平行な平面を構成している。
【0030】
図4に示すように、軸支部材122Rおよび軸支部材122Lは、さらに、自転車101の一部であるフレーム104の左右両側に係合する鉤形状の自転車係合部135を有している。
【0031】
ナット部材123は、軸支部材122Rおよび軸支部材122Lが有する軸支部134の内径より大きな外径を有し、後輪軸103の左右それぞれの端部に螺合されている。このナット部材123や自転車係合部135により、支持部材121に歪みが生じた場合であっても、軸支部材122Rおよび軸支部材122Lが後輪軸103の端部から外れてしまうことを防ぐことができる。
【0032】
本変形例に係る自転車用スタンド120によれば、本実施形態に係る自転車用スタンド100と同様に、自転車101の走行練習をする際に、バランスを取る操作と独立してペダルを漕ぐ練習を行うことが可能となる。また、環境負担を小さくするとともにコストを削減することができる。
【0033】
さらに、自転車用スタンド120によれば、一対の側壁部131の互いの距離は、上縁部132同士の間が下端同士の間よりも狭く形成されているため、自転車用スタンド100に比べて、走行練習時の左右の揺れを抑制し安定性を高めることができる。また、自転車用スタンド120は、自転車用スタンド100に比して軸支部材122Rおよび軸支部材122Lの自転車幅方向の厚みを小さくすることができ、材料を削減できる。
【0034】
<第2実施形態>
次に、
図5から
図7を参照して、第2実施形態に係る自転車用スタンド200の構成例について説明する。
図5は、本実施形態に係る自転車用スタンド200の構成例を示す模式図である。
図6は、自転車用スタンド200の構成例を示すタイヤの中心を通る垂直断面図である。
図7は、本実施形態に係る軸支部材の構成例を示す模式図である。
【0035】
図5および
図6に示すように、本実施形態に係る自転車151は、一例として、後輪102と、後輪102の中心に位置する後輪軸103と、後輪102の左右側面に延び、後輪軸103を左右から軸支するフレーム104と、を備えている。また、自転車151は、サドル152と、ペダル153と、チェーンカバー154と、チェーンとを備えている。
【0036】
本実施形態に係る自転車用スタンド200は、支持部材201と、一対の軸支部材202Rおよび軸支部材202Lと、後輪軸103の左右それぞれの端部に螺合されるナット部材203と、を備えている。
【0037】
支持部材201は、一例として、自転車151の前後方向を長手方向とする直方体形状に形成され、上面が開放されている。支持部材201は、自転車151の左右の側面と対向する、少なくとも一対の側壁部211と、側壁部211の上縁部212と、後輪102の前方側の側面に形成された切欠き部213と、を有している。
【0038】
軸支部材202Rおよび軸支部材202Lは、それぞれ、自転車151の車輪である後輪102の後輪軸103の端部を支える軸支部214と、側壁部211の上縁部212に係合する支持部材係合部と、を有している。また、軸支部材202Rおよび軸支部材202Lは、上縁部212に沿って自転車151の前方方向に延在し、切欠き部213が形成された面まで伸びている。
【0039】
ナット部材203は、軸支部材202Rおよび軸支部材202Lが有する軸支部214の内径より大きな外径を有し、後輪軸103の左右それぞれの端部に螺合されている。
【0040】
一対の側壁部211は、
図6に示すように、互いの上縁部212に係合された軸支部材202Rおよび軸支部材202Lが近づく方向に傾く傾斜面を有している。これにより、一対の側壁部211の互いの距離は、上縁部212同士の間が下端同士の間よりも狭くなっている。
【0041】
図7に示すように、軸支部材202Lは、上縁部212に係合する支持部材係合部に、上縁部212に差し込まれる溝221が形成されている。溝221は、軸支部材202Lの長手方向に延在し、かつ、軸支部材202Lの幅方向に傾斜して形成されている。溝221の内部には垂直方向のリブが設けられ、水平方向へのズレを防止すると共に、原材料の削減及び強度確保を実現する。軸支部材202Rにも、溝221と同様の溝が形成されている。
【0042】
本実施形態に係る自転車用スタンド200によれば、第1実施形態に係る自転車用スタンド100と同様に、自転車151の走行練習をする際に、バランスを取る操作と独立してペダルを漕ぐ練習を行うことが可能となる。また、環境負担を小さくするとともにコストを削減することができる。また、軸支部材202Rおよび軸支部材202Lが上縁部212に沿って自転車151の前方方向に延在し切欠き部213が形成された側面まで伸びていることにより、支持部材201の歪みを防ぎ、より安定的にペダル練習を行うことが可能となる。
【0043】
<第3実施形態>
次に、
図8を参照して、第3実施形態に係る自転車用スタンド300の構成例について説明する。
図8は、本実施形態に係る自転車用スタンド300の構成例を示す模式図である。
【0044】
図8に示すように、本実施形態に係る自転車151は、一例として、後輪102と、後輪102の中心に位置する後輪軸103と、後輪102の左右側面を保護するフレーム104と、を備えている。また、自転車151は、サドル152と、ペダル153と、チェーンカバー154と、チェーンとを備えている。
【0045】
本実施形態に係る自転車用スタンド300は、支持部材301と、一対の軸支部材302Rおよび軸支部材302Lと、後輪軸103の左右それぞれの端部に螺合されるナット部材303と、を備えている。
【0046】
支持部材301は、一例として、自転車151の前後方向を長手方向とする直方体形状に形成され、上面が開放されている。支持部材301は、自転車151の左右の側面と対向する、少なくとも一対の側壁部311と、側壁部311の上縁部312と、後輪102の前方側の面に形成された切欠き部と、を有している。
【0047】
軸支部材302Rおよび軸支部材302Lは、それぞれ、自転車151の車輪である後輪102の後輪軸103の端部を支える軸支部314と、側壁部311の上縁部312に係合する支持部材係合部と、を有している。
【0048】
自転車用スタンド300は、さらに、支持部材301の前方側の面に形成された切欠き部に係合し、一対の側壁部311の相対的な位置を固定する固定部材315を備えている。
【0049】
ナット部材303は、軸支部材302Rおよび軸支部材302Lが有する軸支部314の内径より大きな外径を有し、後輪軸103の左右それぞれの端部に螺合されている。
【0050】
一対の側壁部311は、互いの上縁部312に係合された軸支部材302Rおよび軸支部材302Lが近づく方向に傾く傾斜面を有している。これにより、一対の側壁部311の互いの距離は、上縁部312同士の間が下端同士の間よりも狭くなっている。
【0051】
本実施形態に係る自転車用スタンド300によれば、第1実施形態に係る自転車用スタンド100と同様に、自転車151の走行練習をする際に、バランスを取る操作と独立してペダルを漕ぐ練習を行うことが可能となる。また、環境負担を小さくするとともにコストを削減することができる。
【0052】
さらに、自転車用スタンド300によれば、一対の側壁部311の互いの距離は、上縁部312同士の間が下端同士の間よりも狭く形成され、かつ、固定部材315を備えているため、自転車用スタンド100に比べて、走行練習時の左右の揺れを抑制し安定性を高めることができる。また、固定部材315により支持部材301の歪みを防ぐことができる。さらに、支持部材301と軸支部材302Rおよび軸支部材302L、固定部材315に向かい合わせに印字されている位置合わせの三角は、位置を間違えて取り付けてしまうことを防ぎ、正確に取り付けるために設けられている。
【0053】
<第4実施形態>
次に、
図9を参照して、第4実施形態に係る自転車用スタンド400の構成例について説明する。
図9は、本実施形態に係る自転車用スタンド400の構成例を示す模式図である。
【0054】
図9に示すように、本実施形態に係る自転車151は、一例として、後輪102と、後輪102の中心に位置する後輪軸103と、後輪102の左右側面を保護するフレーム104と、を備えている。また、自転車151は、サドル152と、ペダル153と、チェーンカバー154と、を備えている。
【0055】
本実施形態に係る自転車用スタンド400は、支持部材401と、一対の軸支部材402Rおよび軸支部材402Lと、後輪軸103の左右それぞれの端部に螺合されるナット部材403と、を備えている。
【0056】
支持部材401は、一例として、自転車151の前後方向を長手方向とする直方体形状に形成され、上面が開放されている。支持部材401は、自転車151の左右の側面と対向する、少なくとも一対の側壁部411と、側壁部411の上縁部412と、後輪102の前方側の側面に形成された切欠き部と、を有している。
【0057】
軸支部材402Rおよび軸支部材402Lは、それぞれ、自転車151の車輪である後輪102の後輪軸103の端部を支える軸支部414と、側壁部411の上縁部412に係合する支持部材係合部と、を有している。また、軸支部材402Rおよび軸支部材402Lは、上縁部412に沿って自転車151の前方方向に延在し、切欠き部413が形成された側面まで伸びている。
【0058】
自転車用スタンド400は、さらに、支持部材401の前方側の側面形成された切欠き部に係合し、一対の側壁部411の相対的な位置を固定する固定部材415を一体的に備えている。本実施形態では、固定部材415が、一対の軸支部材402Rおよび軸支部材402Lと連結されている。
【0059】
ナット部材403は、軸支部材402Rおよび軸支部材402Lが有する軸支部414の内径より大きな外径を有し、後輪軸103の左右それぞれの端部に螺合されている。
【0060】
一対の側壁部411は、互いの上縁部412に係合された軸支部材402Rおよび軸支部材402Lが近づく方向に傾く傾斜面を有している。これにより、一対の側壁部411の互いの距離は、上縁部412同士の間が下端同士の間よりも狭くなっている。
【0061】
本実施形態に係る自転車用スタンド400によれば、第1実施形態に係る自転車用スタンド100と同様に、自転車151の走行練習をする際に、バランスを取る操作と独立してペダルを漕ぐ練習を行うことが可能となる。また、環境負担を小さくするとともにコストを削減することができる。
【0062】
さらに、自転車用スタンド400によれば、一対の側壁部411の互いの距離は、上縁部412同士の間が下端同士の間よりも狭く形成され、かつ、固定部材415を備えているため、自転車用スタンド100に比べて、走行練習時の左右の揺れを抑制し安定性を高めることができる。また、固定部材415が、一対の軸支部材402Rおよび軸支部材402Lと一体に形成されているため、支持部材401の歪みを一層抑えることができる。
【0063】
<第5実施形態>
次に、
図10から
図14を参照して、第5実施形態に係る自転車用スタンドに用いる一対の軸支部材502Rおよび軸支部材502Lの構成例について説明する。
図10は、軸支部材502Rの表面から見た構成例を示す模式図である。
図11は、軸支部材502Rの裏面から見た構成例を示す模式図である。
図12は、軸支部材502Lの表面から見た構成例を示す模式図である。
図13は、軸支部材502Lの裏面から見た構成例を示す模式図である。
図14は、軸支部材502Rの取り付け例を示す模式図である。
【0064】
図10および
図11に示すように、軸支部材502Rは、一例として、第1実施形態と同様の自転車101の車輪である後輪102の後輪軸103の端部を支える軸支部514と、側壁部111の上縁部112に係合する支持部材係合部と、を有している。また、軸支部材502Rは、自転車101の一部であるフレーム104の左右両側に係合する鉤形状の自転車係合部515を有している。
【0065】
軸支部材502Rの自転車係合部515には、側壁部111と軸支部材502Rとのずれを防止すると共に強度を高めつつ省材料化をするための複数のリブが形成されてもよい。
【0066】
図12および
図13に示すように、軸支部材502Lは、軸支部材502Rと同様に、軸支部514と、支持部材係合部と、を有している。また、軸支部材502Lは、鉤形状の自転車係合部515を有している。
【0067】
軸支部材502Lの自転車係合部515には、側壁部111と軸支部材502Lとのずれを防止すると共に強度を高めつつ省材料化をするための複数のリブ516が形成されている。
【0068】
図14に示すように、軸支部材502Rは、側壁部111の上縁部112に支持部材係合部を係合させて取り付けられ、後輪軸103の端部を軸支部514で支える。そして、自転車係合部515にフレーム104を係合させている。軸支部材502Rの形状によれば、フレーム104の後端部521も自転車係合部515に係合させて固定することができる。なお、軸支部材502Lも、軸支部材502Rと同様にフレーム104を係合させて固定することができる。
【0069】
本実施形態に係る軸支部材502Rおよび軸支部材502Lを用いた自転車用スタンドによれば、第1実施形態に係る自転車用スタンド100と同様に、自転車101の走行練習をする際に、バランスを取る操作と独立してペダルを漕ぐ練習を行うことが可能となる。この際、自転車係合部を用いてチェーンステーやシートステーといったフレームに係合させることにより、ナット部材がなくても軸支部材から後輪軸の端部が抜けてしまうことがない。
【0070】
<第6実施形態>
次に、
図15から
図18を参照して、第6実施形態に係る自転車用スタンド600の構成例について説明する。
図15および
図16は、自転車用スタンド600の構成物品例を示す模式図である。
図17は、自転車用スタンド600の構成例を示す模式図である。
図18は、自転車用スタンド600の構成例を示す平面模式図である。
【0071】
図15および
図16に示すように、自転車用スタンド600は、一例として、支持部材601と、支持部材601の歪みを防ぐ補強部材602と、を備えている。支持部材601は、第1実施形態と同様に自転車101の前後方向を長手方向とする直方体形状に形成され、上面および前方側の側面が開放されている。
【0072】
補強部材602は、支持部材601と同様にダンボール部材であり、使用前は
図15に示すように矩形を成している。補強部材602を使用する際には、
図16に示すように、延在方向の両端を山型に隆起させ、両側端部を立てて起こし、補強部材602として組み立てる。
【0073】
図17および
図18に示すように、使用時には、組み立てた補強部材602を支持部材601の底部にはめ込んで、支持部材601を固定する。
【0074】
本実施形態に係る自転車用スタンド600によれば、第1実施形態に係る自転車用スタンド100と同様の効果に加え、補強部材602を備えることにより、支持部材601の歪みを防いで自転車用スタンド600の強度を高め、より走行練習時の安定性を高めることができる。
【0075】
<第7実施形態>
次に、
図19から
図23を参照して、第7実施形態に係る自転車用スタンド700の構成例について説明する。
図19は、自転車用スタンド700の構成物品例を示す模式図である。
図20および
図21は、本実施形態に係る補強部材の構成例を示す模式図である。
図22は、自転車用スタンド700の構成例を示す模式図である。
図23は、自転車用スタンド700の構成例を示す部分拡大図である。
【0076】
図19に示すように、自転車用スタンド700は、一例として、支持部材701と、支持部材701の歪みを防ぐ補強部材702と、を備えている。支持部材701は、第1実施形態と同様に自転車101の前後方向を長手方向とする直方体形状に形成され、上面および前方側の側面が開放されている。側壁部の上縁には、支持部材の軸支部に嵌合するための切り欠き701aを備える。また、支持部材701は、一対の側壁部の前方側上方の角が切り取られて傾斜部が形成されている。これにより、ペダル練習時に足の後部が支持部材701に当たってしまうことを防ぐことができる。
【0077】
補強部材702は、支持部材701と同様にダンボール部材であり、使用前は
図20に示すように矩形を成している。補強部材702を使用する際には、
図21に示すように、延在方向の両端を側端部方向に伸びる角柱形状に隆起させ、両側端部を立てて起こし、底面部に切り込みにより設けられた台形状の爪部材702aを角柱部に設けられた方形穴702bに差し込んで、補強部材702として組み立てる。
【0078】
図22および
図23に示すように、使用時には、組み立てた補強部材702を支持部材701の底部にはめ込んで、支持部材701を固定する。この際、支持部材701に切り込みにより設けられた台形状の爪部701bが、補強部材702に設けられた方形穴702cに係合して係合部を形成し、補強部材702を強固に固定する。
【0079】
本実施形態に係る自転車用スタンド700によれば、第1実施形態に係る自転車用スタンド100と同様の効果に加え、補強部材702を備えることにより、支持部材701の歪みを防いで自転車用スタンド700の強度を高め、より走行練習時の安定性を高めることができる。
【0080】
<第8実施形態>
次に、
図24から
図26を参照して、第8実施形態に係る自転車用スタンド800の構成例について説明する。
図24は本発明の第8実施形態に係る自転車用スタンドの構成例を示す展開図であり、
図25はその斜視図、
図26はその平面図である。
【0081】
自転車用スタンド800には、支持部材810の上縁において上述の一対の軸支部材502Rおよび軸支部材502Lが取り付けられて成り、これらにより自転車の後輪の車軸を支える。支持部材810は、他の自転車用スタンドと異なり、自転車の梱包材のダンボールではなく、別途用意されたダンボールにより構成されている。この場合であっても、以下に説明する個々の部品が十分に小さいため、自転車の梱包材のダンボールに同梱することができ、別送する必要がない。もちろん、自転車の梱包材のダンボールの一部を切り出して構成しても良い。
【0082】
支持部材810は上面視井桁状に組み立てられ、互いに平行な右側壁部801及び左側壁部802と底部803とを含む基部材804に対し互いに平行な前側部材805及び後ろ側部材806が直交するように組み合わされて成る。右側壁部801及び左側壁部802の上縁に一対の軸支部材502Rおよび軸支部材502Lが取り付けられている。
【0083】
基部材804は
図24に示すように一枚の板状の部材を断面コの字状に谷折りに折り曲げて構成され、右側壁部801及び左側壁部802と底部803とが形成される。さらに、右側壁部801から底部803を通過して左側壁部802に至る一対のスリット841,842を備え、このスリット841,842に前側部材805及び後ろ側部材806が係合する。
【0084】
前側部材805と後ろ側部材806とは同一の形状であり、一枚の板状部材を中心線870で山折りに折り曲げて構成され、線対称な前側部871と後ろ側部872とが形成される。さらに、中心線870を通り線対称な一対のスリット873,874を備え、このスリット873,874が上述のスリット841,842に係合すると共に右側壁部801及び左側壁部802に係合する。また、左右方向中央には、自転車のタイヤを避けるための切り欠き875を備え、これにより、自転車用スタンド800に自転車が設置されペダル練習が行われた際に自転車のタイヤが当たることを防ぐ。
【0085】
本実施形態に係る自転車用スタンド800によれば、第1実施形態に係る自転車用スタンド100と同様の効果に加え、二つ折り形状の前側部材805と後ろ側部材806とにより左右方向への自転車の揺れに対する強度を高め、より走行練習時の安定性を高めることができる。また、自転車の梱包材を使用することができない場合にも、効果的でコンパクトな自転車スタンドを安価に提供する事ができ、自転車の梱包材に同梱することもできる。
【0086】
<第9実施形態>
次に、
図27から
図30を参照して、第9実施形態に係る自転車用スタンド900の構成例について説明する。
図27は本発明の第9実施形態に係る自転車用スタンドの構成例を示す展開図であり、
図28はその組み立てた状態を示す斜視図、
図29はその底面を示す斜視図、
図30は使用状態を示す側面図である。
【0087】
自転車用スタンド900には、支持部材901の上縁において上述の軸支部材と同様の機能を持つ一対の軸支部材902Rおよび軸支部材902Lが取り付けられて成り、これらにより自転車の後輪の車軸を支える。支持部材901は、自転車の梱包材のダンボールの下部角を含む一部を切り出して構成されている。
【0088】
支持部材901は上方と前方が開口するよう切り出され、左右の側壁部の上縁に一対の軸支部材902Rおよび軸支部材902Lが取り付けられるための切り欠き901a及び901bが設けられている。
【0089】
支持部材901は左側壁部の前方に補強部材903が係合するための上下のスリット901c,901eを有し、同様に右側壁部の前方に補強部材903が係合するための上下のスリット901d,901fを有する。補強部903は左右に伸びた折り線を介してV字状に折り曲げられ、その折り線を通る縦方向の左右一対のスリット903a,903bを有する。このスリット903a,903bが上下のスリット901c,901e及び901d,901fに係合することで、補強部材903が支持部材901に係合し、左右方向へ自転車が揺れることによる支持部材901の歪みを低減する。
【0090】
図29に示すように、支持部材901の底面の一部を構成するダンボールである底面フラップ901gは、破線部を切ることにより切り欠き部901hが切り欠かれる。底面フラップ901gはフラップ状になっていることから箱部材の内側方向へ入りやすく、自転車を載せて使用した際に後輪が当たってしまうことを防ぐため、後輪を避ける形でフラップが形成されている。
図30に示すように自転車を載せて自転車用スタンド900を使用した際に底面フラップ901gが上がってしまった場合にも、切り欠き部901hが切り欠かれて形成された空白部901iによって後輪が底面フラップ901gに当たることがない。
【0091】
本実施形態に係る自転車用スタンド900によれば、第1実施形態に係る自転車用スタンド900と同様の効果に加え、補強部材903により左右方向への自転車の揺れに対する強度を高め、より走行練習時の安定性を高めることができる。また、自転車の梱包材を使用することにより、効果的でコンパクトな自転車スタンドを安価に提供する事ができ、資源の節約に貢献することもできる。
【0092】
なお、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。軸支部材や支持部材の素材は、紙、木材、樹脂、鉄などの金属、セラミックでもよい。
【符号の説明】
【0093】
100、120、200、300、400、600、700、800、900 自転車用スタンド
101、151 自転車
102 後輪
103 後輪軸
104 フレーム
105、121、201、301、401、601、701、810、901 支持部材(ダンボール部材)
106R、106L、122R、122L、202R、202L、302R、302L、402R、402L、502R、502L 軸支部材
107、123、203、303、403 ナット部材
111、131、211、311、411 側壁部
112、132、212、312、412 上縁部
113、133、213 切欠き部
114、134、214、314、414、514 軸支部
115、135、515 自転車係合部
152 サドル
153 ペダル
154 チェーンカバー
221 溝
315、415 固定部材
316 リブ
521 フレーム先端部
602、702、903 補強部材
【要約】
自転車の走行練習をする際に、バランスを取る操作と独立してペダルを漕ぐ練習を行うことが可能な自転車用スタンドを提供することを課題とする。
自転車用スタンド100は、少なくとも一対の側壁部111を有する支持部材105と、自転車101の車輪102の軸103の端部を支える軸支部114と側壁部111の上縁112に係合する支持部材係合部とを有する一対の軸支部材106R、106Lと、を備えることを解決手段とする。また、支持部材105は、自転車101が梱包されていた包装体の一部を用いることができる。
【選択図】
図1