IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社タツノの特許一覧

<>
  • 特許-給油システム 図1
  • 特許-給油システム 図2
  • 特許-給油システム 図3
  • 特許-給油システム 図4
  • 特許-給油システム 図5
  • 特許-給油システム 図6
  • 特許-給油システム 図7
  • 特許-給油システム 図8
  • 特許-給油システム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】給油システム
(51)【国際特許分類】
   B67D 7/30 20100101AFI20221116BHJP
【FI】
B67D7/30 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020118948
(22)【出願日】2020-07-10
(65)【公開番号】P2022015834
(43)【公開日】2022-01-21
【審査請求日】2021-04-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000151346
【氏名又は名称】株式会社タツノ
(74)【代理人】
【識別番号】100106563
【弁理士】
【氏名又は名称】中井 潤
(72)【発明者】
【氏名】森 英泰
(72)【発明者】
【氏名】瀧 小緒里
【審査官】吉田 昌弘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06237647(US,B1)
【文献】特開平09-267899(JP,A)
【文献】特開平07-206094(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 7/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給油装置と、
該給油装置の近傍に停車する車両を撮影するカメラと、
該カメラが撮影した画像から前記車両の車種を特定するサーバと、
該サーバで特定した車種と、記録されているデータから前記車両に対する最適吐出量を導き出す最適吐出量導出手段とを備え、
該最適吐出量導出手段が導き出した前記最適吐出量で前記給油装置の給油制御を行う給油システムであって、
前記最適吐出量を導き出すために前記最適吐出量導出手段に記録されているデータは、前記給油装置が設置されている給油所の名称、前記給油装置の番号、前記給油装置を用いて給油を行う領域、前記給油装置が設置されている給油所に設置されている地下タンクの残油量、前記給油装置から前記地下タンクまでの配管形状、車種毎に予め定められた、安全で時短な給油を行うために好ましい吐出量に関する情報、各給油における最適吐出量情報であり、
前記最適吐出量導出手段は、前記給油装置での給油終了時に、前記サーバで特定した前記車種と、前記給油装置が設置されている給油所の名称、前記給油装置の番号、前記給油装置を用いて給油を行う領域、前記給油装置が設置されている給油所に設置されている地下タンクの残油量、前記給油装置から前記地下タンクまでの配管形状、前記最適吐出量導出手段が導き出した前記最適吐出量とを関連付けて記録することを特徴とする給油システム。
【請求項2】
前記最適吐出量導出手段は、前記サーバ、前記給油装置又は前記給油装置の売上げ管理を行うPOS端末のいずれかに設けられることを特徴とする請求項1に記載の給油システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給油システムに関し、安全で時短な給油を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
給油装置は、車両の燃料タンクに燃料油を供給する際、供給している燃料油の液面レベルが満タンに到達すると、給油ノズルに搭載されている自動閉弁機構が作動して自動的に給油を停止する給油制御機能を備えている。しかし、給油過程で発生した飛沫や気泡等の液が検知孔に付着すると、満タンに至る前に自動閉弁機構が作動して給油が停止してしまうという不都合が生じていた。
【0003】
そこで、本出願人は、特許文献1において、給油時の飛沫や気泡等による給油停止を防止することのできる給油ノズルを提案した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-275005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記発明は有効であるが、燃料タンクの本体と給油口とを接続する接続管の形状は車種や車両の型式等の違いにより異なっており、給油過程で飛沫や気泡等の液が非常に発生し易い車両への給油を行うと、予期せぬタイミングで自動閉弁機構が作動して給油が停止してしまう不都合が生じていた。
【0006】
また、上記のような予期せぬタイミングでの給油停止を回避するため、吐出量を作業員又は顧客がコントロールしながら給油を続けることも可能であるが、作業員又は顧客の熟練度やその時の調子に左右されてしまうという問題がある。また、吐出量を作業員又は顧客がコントロールすることにより、燃料油の液面レベルが満タンに到達しても給油が停止せず燃料油があふれ、最悪の場合、火災等の重大な事故につながる恐れもある。さらに、予期せぬタイミングでの給油停止が頻発すると、満タンに到達するまでの給油時間が長くなって効率的ではない。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来の技術に鑑みてなされたものであって、安全で時短な給油を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、給油装置と、該給油装置の近傍に停車する車両を撮影するカメラと、該カメラが撮影した画像から前記車両の車種を特定するサーバと、該サーバで特定した車種と、記録されているデータから前記車両に対する最適吐出量を導き出す最適吐出量導出手段とを備え、該最適吐出量導出手段が導き出した前記最適吐出量で前記給油装置の給油制御を行う給油システムであって、前記最適吐出量を導き出すために前記最適吐出量導出手段に記録されているデータは、前記給油装置が設置されている給油所の名称、前記給油装置の番号、前記給油装置を用いて給油を行う領域、前記給油装置が設置されている給油所に設置されている地下タンクの残油量、前記給油装置から前記地下タンクまでの配管形状、車種毎に予め定められた、安全で時短な給油を行うために好ましい吐出量に関する情報、各給油における最適吐出量情報であり、 前記最適吐出量導出手段は、前記給油装置での給油終了時に、前記サーバで特定した前記車種と、前記給油装置が設置されている給油所の名称、前記給油装置の番号、前記給油装置を用いて給油を行う領域、前記給油装置が設置されている給油所に設置されている地下タンクの残油量、前記給油装置から前記地下タンクまでの配管形状、前記最適吐出量導出手段が導き出した前記最適吐出量とを関連付けて記録することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、最適吐出量導出手段によって、特定した車種と、記録されているデータから車両に対する最適吐出量を導き出すことができるため、吐出量を作業員又は顧客がコントロールする必要がなく、どのような車両への給油でも予期せぬ給油停止を防ぐことができ、燃料油があふれて火災等の重大な事故が発生することを防止できるため、安全で時短な給油を行うことができ、給油者の負担減、給油所の運営の効率化を図ることができる。また、全国様々な給油所から各条件での最適吐出量データを収集することができるため、蓄積する情報量が多く、導き出す最適吐出量の精度が高くなる。さらに、学習機能を用いて最適吐出量をさらに高精度で導出することができる。
【0012】
前記最適吐出量導出手段は、前記サーバ、前記給油装置又は前記給油装置の売上げ管理を行うPOS端末のいずれかに設けることができる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、安全で時短な給油を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る給油システムの第1の実施形態を示す全体構成図である。
図2図1に示す給油システムの給油装置と地下タンクを繋ぐ配管の形状を示す図であって、(a)はストレート、(b)は横引きである。
図3図1に示す地下タンクの残油量を示す図であって、(a)は多い場合、(b)は少ない場合である。
図4図1に示す給油装置の流量調整弁の配置例を示す概略図であって、(a)は給油装置に設けた場合、(b)は給油ノズルの内部に設けた場合である。
図5図1に示す給油システムの動作を示すフローチャートである。
図6】本発明に係る給油システムの第2の実施形態を示す全体構成図である。
図7図6に示す給油システムの動作を示すフローチャートである。
図8】本発明に係る給油システムの第3の実施形態を示す全体構成図である。
図9図8に示す給油システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る給油システムの第1の実施形態を示し、この給油システム1は、各給油所●●SS~■■SSに設けられる複数の給油装置2と、車両Vを撮影するカメラ3と、各給油所●●SS~■■SSのカメラ3の撮影画像から車両Vの車種を特定し、特定した車種と、記録されているデータから車両Vに対する最適吐出量を導き出すサーバ4と、油面計5aを有する地下タンク5とで構成される。尚、各給油所●●SS~■■SSの構成は同一であるため、給油所■■SS及び▲▲SSは簡略化して示す。
【0018】
給油装置2は、給油データ等を表示する表示器2aと、その他、通常の給油装置に設けられる給油系統等を備え、給油過程で発生した特定の飛沫や気泡を検知して自動的に給油を停止する自動閉弁機構が給油ノズルに搭載されている。
【0019】
カメラ3は、給油装置2の近傍に停車する車両Vを検知すると車両Vを撮影し、撮影画像をサーバ4に送信するために設けられる。撮影画像は静止画でもよく、動画でもよい。このカメラ3は、各給油装置2の近傍の車両Vを撮影することができれば、給油装置2毎に設置せずに給油所に1台設置してもよい。また、既に給油所に存在するものを利用してもよく、新設してもよい。カメラ3の撮影データには、給油所名、停止位置、車両Vの外観が含まれる。
【0020】
クラウドを構成するサーバ4は、カメラ3の撮影画像から車両Vの車種を特定し、サーバ4内のデータベースに記録されているデータから車両Vに対する最適吐出量を導き出し、これによって給油装置2で給油する。
【0021】
次に、サーバ4での最適吐出量の導出要領について説明する。
【0022】
表1は、予めサーバ4内のデータベースに記録されている車種別の良好吐出量情報を示す。例えば、車種Aの場合、当初3.5L/minで制御し、次に32L/minで制御し、その後10L/min、最終的に3L/minで制御すると比較的好適に給油を行うことができる。車種B~D・・・についても同様である。
【0023】
【表1】
【0024】
しかし、上記車種別吐出量で給油を行っても、各給油システムの設備条件によって上記自動閉弁機構が作動することにより、給油に時間がかかることがある。これは、例えば、図2に示すように、給油装置2と地下タンク5を接続する配管6の形状によって実際の吐出量が変動するからである。同様の給油制御を行っても、図2(a)に示すストレートの配管6aは、図2(b)に示す横引きの配管6bよりも実際の吐出量が多くなる。
【0025】
この他、図3に示すように、地下タンク5の残油量によっても実際の吐出量が変動する。同様の給油制御を行っても、図3(a)に示すように残油量が多いと、図3(b)に示すように残油量が少ない場合よりも実際の吐出量が多くなる。尚、残油量の更新タイミング・頻度は、給油終了毎でも、1日に1回等でもよい(頻度が高い方が最適吐出量の算出精度が上がる)。
【0026】
上記給油装置情報を表2にまとめる。さらに、給油装置情報は表2に記載した事項以外にも、例えばストレーナのごみの量があり、ごみの量が多いと同様の給油制御を行っても吐出量が少なくなる。
【0027】
【表2】
【0028】
表2は、サーバ4内のデータベースに記録されている各給油所の給油装置情報を示す。各給油所●●SS~■■SSの各給油装置番号と、給油エリアA、B(1台の給油装置を挟む両側のいずれかの給油を行うための領域)、地下タンクの残油量、給油装置と地下タンクを繋ぐ配管の形状を示す。例えば、給油装置番号▲▲SS1番のAエリアは、地下タンクの残油量が10kLで、地下タンクまでの配管形状がストレートである。
【0029】
表3は、サーバ4内のデータベースに記録されている各給油における最適吐出量情報である。サーバ4は、表2に示した各給油所の給油装置情報と、表3に示した各給油における最適吐出量情報を蓄積し、前記各給油所の給油装置情報と、前記各給油における最適吐出量情報と、表1に示した車種別良好吐出量情報から最適吐出量を導出し、この最適吐出量で給油を行うように給油装置2を制御する。
【0030】
【表3】
【0031】
給油装置2における吐出量の調整は、図4(a)に示すように、給油装置2の内部に設けた流量調整弁2bの開度を調整したり、給油ポンプ(不図示)のモータ(不図示)の回転数を調整することで行われる。図4(b)に示すように、給油ノズル2c内に流量調整弁2bを設けて吐出量の調整を行ってもよい。
【0032】
次に、上記構成を有する給油システム1の動作について、図1図5を参照しながら説明する。尚、図のルートが分岐するステップにおいては、下方向がYes、横方向がNoに対応する。
【0033】
カメラ3のステップS1において、給油所に顧客が来店し、給油装置2の近傍に停車する車両Vを検知すると(ステップS1;Yes)、車両Vを撮影し、撮影データとしてサーバ4へ出力する(ステップS2)。
【0034】
サーバ4のステップS11において、カメラ3から撮影データが入力されると(ステップS11;Yes)、サーバ4は、撮影データをサーバ4内のデータベースと照合して車両Vの車種を特定する(ステップS12)。このとき、車両Vの位置も特定し、車両Vが給油しようとしている給油装置2とその給油エリアも特定し、さらに、上記配管6(図2参照)の形状や、地下タンクの残量の多少(図3参照)等の各給油所の給油装置情報も特定する。
【0035】
サーバ4は、データベース内の車種別良好吐出量情報、各給油所の給油装置情報、各給油における最適吐出量情報から最適吐出量を導き出し(ステップS13)、これを給油装置2に出力する(ステップS14)。最適吐出量の導出にはAI機能等を用いることができる。
【0036】
実施例1として、●●SSの1番給油装置の給油エリアAに車両Vが入ってきて、カメラ3で車両Vを撮影し、サーバ4がこの車両Vを「車種A」と特定した場合について説明する。
【0037】
この場合、表2より、給油所●●SSの1番給油装置の給油エリアAは、地下タンク残油量が10kL、配管形状がストレートである。一方、表3より、1番上の●●SSの1番給油装置の給油エリアBも、地下タンク残油量が10kL、配管形状がストレートである。そして、車種Aの場合の最適吐出量が「3→30→10→3L/min」と導出されている。そこで、今回もこのように制御すること、すなわち、当初3L/minで制御し、次に30L/minで制御し、その後10L/min、最終的に3L/minで制御すると安全で時短な給油を行うことができる。
【0038】
次に、実施例2として、給油所■■SSの1番給油装置の給油エリアBに車両Vが入ってきて、カメラ3で車両Vを撮影し、サーバ4がこの車両Vを「車種D」と特定した場合について説明する。
【0039】
この場合、表2より、給油所■■SSの1番給油装置の給油エリアBは、地下タンク残油量が20kL、配管形状が横引きである。一方、表3において、この給油装置情報に状況が近い最適吐出量情報を見ると、上から2つ目の給油所●●SSの2番給油装置の給油エリアAも、地下タンク残油量が20kL、配管形状が横引きである。しかし、車種はDではなくBである。そこで、表1における車種Bの良好吐出量「4→37→12→4L/min」と、車種Dの良好吐出量「5→40→15.2→5.2L/min」、及び表3の上から2つ目の最適吐出量「4.5→35→12→4L/min」を参照し、今回の最適吐出量を「5.5→38→15.2→5.2L/min」と導出する。
【0040】
給油装置2のステップS21において、サーバ4から最適吐出量が入力されると(ステップS21;Yes)、最適吐出量で給油を行うことができるように流量調整弁2b(図4参照)の弁開度を調整する(ステップS22)。
【0041】
ステップS23において、顧客がノズル掛けから給油ノズルを外してノズルSW(スイッチ)がONになると(ステップS23;Yes)、表示器(不図示)にリセット信号を送信することで前回なされた給油に関する情報の帰零(リセット)を行い、給油ポンプを駆動する(ステップS24)。
【0042】
ステップS25において、給油ポンプがONになることで給油ノズルより燃料油が吐出され、これにより流量パルス信号が表示器に出力されると(ステップS25;Yes)、タイマー起動フラグが0であるか否かを判断する(ステップS26)。尚、給油開始時はタイマー起動フラグが0である。
【0043】
ステップS26において、給油開始時であるためタイマー起動フラグが0であると判断されると(ステップS26;Yes)、タイマー起動し、タイマー起動フラグを立て(ステップS27)、表示器において給油量の表示(計数表示)がなされる(ステップS28)。
【0044】
ステップS25へ戻り、流量パルス信号が表示器に出力されなくなると(ステップS25;No)、ステップS29において、タイマーの測定時間Tが所定時間t1を超えたか否か、すなわち最初のパルス入力から一定時時間経過したか否かを判定し、一定時間経過している場合には(ステップS29;Yes)、自動閉弁機構が作動せずに最適吐出量での給油が完了したと判断し、ステップS30において、顧客が給油ノズルをノズル掛けに戻すことでノズルSWがOFFになると(ステップS30;Yes)、給油ポンプを停止し(ステップS31)、サーバ4に、自動閉弁機構が作動せずに給油を行うことができた際の、車種、設備条件、最適吐出量の給油状況を出力し(ステップS32)、給油装置2の動作を終了する。
【0045】
サーバ4のステップS15において、給油装置2から給油状況が入力されると(ステップS15;Yes)、サーバ4は、最適吐出量を導出する際に利用するために給油状況を保存し(ステップS16)、動作を終了する。
【0046】
一方、ステップS29において、自動閉弁機構が作動して予期せず給油が中断すると、最初のパルス入力からの経過時間Tが一定時間t1を超えずに流量パルス信号が出力されなくなった場合には(ステップS29;No)、最適吐出量が適切ではなかったと判断し、吐出量を調整すると共に、タイマー起動フラグを0にし、ステップS25へ戻って給油を再開する(ステップS33)。
【0047】
吐出量を調整して給油を再開した後は、タイマー起動フラグが0になるため、S25~S28の動作の後、自動閉弁機構が作動せずに給油が完了するまで、上記動作ステップS25、S26、S28が繰り返され、上記動作S29~S32を経て給油装置2の動作を終了する。
【0048】
以上のように、本実施の形態によれば、車種別に予め定められた良好吐出量情報に基づき、給油システムの設備条件を考慮して吐出量を自動で調整するため、自動閉弁機構が作動するような適切でない吐出量での給油を行う可能性を低減することができ、万が一、自動閉弁機構が作動しても迅速に対応することができる。尚、給油システムの設備条件を考慮した結果、車種別に予め定められた良好吐出量そのものを最適吐出量とすることもある。
【0049】
図6は、本発明に係る給油システムの第2の実施形態を示し、この給油システム11は、サーバ13でカメラ3の撮影画像から車両Vの車種を特定し、給油装置12の制御部12aで車両Vに対する最適吐出量を導き出し、これによって給油装置12で給油する。
【0050】
図7に示すように、この給油システム11の動作のうち、上記給油システム1と異なるのは灰色の部分であり、サーバ13が給油装置12に車種情報を出力し(ステップS41)、給油装置12において、入力された車種情報(ステップS42)から最適吐出量を導出し(ステップS43)、給油完了時に車種、設備条件、最適吐出量を給油状況として保存する(ステップS44)。
【0051】
本実施形態では、上記第1の実施形態と同様の効果に加え、各給油装置2内にデータを保存しているため、その給油装置2だけのデータ処理のみを行うことができ、データ処理速度が向上する。尚、データのバックアップとしてサーバ13を利用することができ、万が一給油装置2内のデータを紛失した際にも、サーバ13へアクセスすることでデータの復旧が可能となり、給油所の運営に支障がない。さらに、給油装置2内でデータのやり取りが完結するため、通信不良となる可能性が低く、スムーズな給油が可能となる。
【0052】
図8は、本発明に係る給油システムの第3の実施形態を示し、この給油システム21は、サーバ24でカメラ3の撮影画像から車両Vの車種を特定し、給油装置22(22A、22B)の売上げ管理を行うPOS端末(以下「POS」という。)23で車両Vに対する最適吐出量を導き出し、これによって給油装置22で給油する。
【0053】
図9に示すように、この給油システム21の動作のうち、上記給油システム1と異なるのは灰色の部分であり、サーバ24が車種情報をPOS23に出力し(ステップS51)、サーバ24から車種情報が入力されたPOS23(ステップS52;Yes)は、サーバ4の代わりにステップS13~16に相当する動作ステップS53~S56を行って給油装置22に最適吐出量を出力したり、給油完了時の給油状況を保存する。
【0054】
本実施形態では、上記第1の実施形態と同様の効果に加え、給油所内のPOS23にてその給油所の給油装置情報を管理しており、その給油所独自の情報を蓄積できるため、データ処理速度の向上を図り、最適吐出量の精度を上げることができる。
【符号の説明】
【0055】
1 給油システム
2 給油装置
2a 表示器
2b 流量調整弁
2c 給油ノズル
3 カメラ
4 サーバ
5 地下タンク
5a 油面計
6 配管
6a ストレート配管
6b 横引き配管
V 車両
11 給油システム
12 給油装置
12a 制御部
13 サーバ
21 給油システム
22 給油装置
23 POS
24 サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9