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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】光源装置及び光源システム
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20221116BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20221116BHJP
   F21V 13/04 20060101ALI20221116BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20221116BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20221116BHJP
   F21Y 113/10 20160101ALN20221116BHJP
【FI】
F21S2/00 340
F21S2/00 330
F21V5/04 350
F21V5/04 250
F21V13/04
G03F7/20 501
F21Y115:10
F21Y113:10
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021561486
(86)(22)【出願日】2020-11-26
(86)【国際出願番号】 JP2020044016
(87)【国際公開番号】W WO2021107007
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-03-23
(31)【優先権主張番号】P 2019214403
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000102212
【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福田 雄介
(72)【発明者】
【氏名】松島 竹夫
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-186146(JP,A)
【文献】特開2014-002212(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 5/04
F21V 13/04
G03F 7/20
F21Y 115/10
F21Y 113/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一方向及び前記第一方向に直交する第二方向によって規定される第一平面上に配置された複数のLED素子を備えてなる光源部と、
前記光源部のそれぞれの前記LED素子から出射された光が入射するように、複数の要素レンズが平面上に配置されてなるレンズアレイ・インテグレータと、
前記光源部の前記第一方向における一方の端部である第一端部側に、前記第二方向と、前記レンズアレイ・インテグレータの光軸方向によって規定される第二平面上に、前記光源部側から前記レンズアレイ・インテグレータ側に前記光軸方向に向かって突出するように反射面が形成された第一反射部材とを備え、
前記光源部は、それぞれの前記要素レンズが前記光源部のうちの、一部の前記LED素子から出射される光を取り込むよう、それぞれの前記要素レンズの取込角θの範囲内に複数の前記LED素子が配置され、
前記第一方向に向かって配列されたLED素子群において隣接するそれぞれの前記LED素子の中心間距離のうち、最大のものを距離X1とすると、前記第一反射部材の反射面は、前記光源部の前記第一端部に配置された第一端部LED素子の中心から、前記第一方向における前記第一端部側において、前記距離X1以内の位置に配置され、
前記レンズアレイ・インテグレータにおいて、前記第一端部側に配置されている前記要素レンズの取込角θの範囲に、前記第一反射部材の反射面によって反射された光が含まれることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記第一反射部材の反射面は、前記第一端部LED素子から前記距離X1の半分の位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記LED素子は、前記第一方向及び前記第二方向に沿って等間隔に配置されており、
隣接するLED素子間の中心間距離dと、前記取込角θと、前記LED素子の光出射面と前記レンズアレイ・インテグレータの入射面との離間距離L1とが、下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の光源装置。

L1≧2・d/tanθ (1)
【請求項4】
前記LED素子は、前記第一方向及び前記第二方向に沿って規則的な配置関係で設けられており、
前記第一反射部材の反射面は、隣接する前記LED素子と、前記第一反射部材の反射面に映し出される前記LED素子の鏡像との配置関係が、前記LED素子の規則的な配置関係と等しくなるよう、前記光源部に前記第一反射部材が配置されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の光源装置。
【請求項5】
前記光源部は、前記第一平面に平行な平面上に、前記複数のLED素子に対応して配置された複数の収束光学部を備えていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の光源装置。
【請求項6】
前記LED素子は、前記第一方向及び前記第二方向に沿って等間隔に配置されており、
隣接するLED素子間の中心間距離dと、前記取込角θと、前記収束光学部の光出射面と前記レンズアレイ・インテグレータの入射面との離間距離L2とが、下記式(2)を満たすことを特徴とする請求項5に記載の光源装置。

L2≧2・d/tanθ (2)
【請求項7】
前記収束光学部は、前記第一方向及び前記第二方向に沿って規則的な配置関係で設けられており、
前記第一反射部材の反射面は、隣接する前記収束光学部と、前記第一反射部材の反射面に映し出される前記収束光学部の鏡像との配置関係が、前記収束光学部の規則的な配置関係と等しくなるよう、前記光源部に前記第一反射部材が配置されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の光源装置。
【請求項8】
前記光源部の前記第一方向の長さLc1と、前記レンズアレイ・インテグレータの前記第一方向の長さLd1と、前記取込角θと、前記第一反射部材の反射面の前記光軸方向の長さLm1とが、下記式(3)を満たすことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の光源装置。

Lm1≧(Lc1-Ld1)/(2・tanθ) (3)
【請求項9】
前記光源部の前記第一反射部材の反射面と対向するように、前記光源部の中心を通過する前記第二平面に対して対称な位置に反射面が形成された第二反射部材を備えることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の光源装置。
【請求項10】
前記光源部の前記第二方向における一方の端部である第二端部側に、前記第一方向と、前記レンズアレイ・インテグレータの前記光軸方向によって規定される第三平面上に、前記光源部側から前記レンズアレイ・インテグレータ側に前記光軸方向に向かって突出するように配置された反射面が形成された第三反射部材を備え、
前記第二方向に向かって配列されたLED素子群において隣接するそれぞれの前記LED素子の中心間距離のうち、最大のものを距離X2とすると、前記第三反射部材の反射面は、前記光源部の前記第二端部に配置された第二端部LED素子の中心から、前記第二方向における前記第二端部側において、前記距離X2以内の位置に、配置され、
前記レンズアレイ・インテグレータにおいて、前記第二端部側に配置されている前記要素レンズの取込角θの範囲に、前記第三反射部材の反射面によって反射された光が含まれることを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の光源装置。
【請求項11】
前記第三反射部材の反射面は、前記第二端部LED素子から、前記距離X2の半分の位置に配置されていることを特徴とする請求項10に記載の光源装置。
【請求項12】
前記光源部の前記第二方向の長さLc2と、前記レンズアレイ・インテグレータの前記第二方向の長さLd2と、前記取込角θと、前記第三反射部材の反射面の前記光軸方向の長さLm2とが、下記式(2)を満たすことを特徴とする請求項10又は11に記載の光源装置。

Lm2≧(Lc2-Ld2)/(2・tanθ) (4)
【請求項13】
前記光源部の前記第三反射部材の反射面と対向するように、前記光源部の中心を通過する第三平面に対して対称な位置に反射面が形成された第四反射部材を備えることを特徴とする請求項10~12のいずれか一項に記載の光源装置。
【請求項14】
第一波長の光を発する複数のLED素子を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の光源装置である第一光源装置と、
前記第一波長とは異なる第二波長の光を発する複数のLED素子を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の光源装置である第二光源装置と、
前記第一波長の光に対して透過性を有すると共に、前記第二波長の光に対して反射性を有し、前記第一光源装置及び前記第二光源装置の双方から出射された光が入射可能に配置されたダイクロイックミラーとを有することを特徴とする光源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置及び光源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プロキシミティ露光やコンタクト露光、投影露光を行うための光源として、放電ランプに代わりLED素子を使用したものが検討されている。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2012-220619)には、複数のLED素子を用いた光源装置が記載されており、個々のLED素子から出射された光を、それぞれレンズアレイの入射面の全域に入射させ、レンズアレイ・インテグレータにより、露光面やレチクル面に対して平行光を均一に照射する構成が記載されている。
【0004】
また特許文献2(特許6128348)には、露光用の光源として、複数のLED素子から出射された光をインテグレータ光学系の入射面に結像させ、より輝度の高い光を照射する構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-220619号公報
【文献】特許6128348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、例えば、大型のディスプレイパネルの製造等において、大型露光に適合可能な光源装置が要請されている。そこで、本発明者らは、当該要請に対応すべく、光源装置について検討を行っていたところ、以下のような課題があることを見出した。以下、図面を参照しながら説明する。
【0007】
図8図9は、従来の光源装置100の一構成例を示す模式的な側面図である。図8に示すように、光源装置100は、LED素子101から出射された光が、レンズ102に入射され、レンズ102から出射された光が、複数の要素レンズ103bがXY平面上に配置されてなるレンズアレイ・インテグレータ103の入射面103aに入射する。なお、以下説明においては、レンズ102から出射された光の光軸方向と平行な方向をZ方向とし、Z方向に直交する平面をXY平面として説明する。
【0008】
光源装置100における、LED素子101とレンズ102は、XY平面上に配置されている。レンズ102から出射された光は、XY平面に平行な方向に徐々に広がりながらレンズアレイ・インテグレータ103に向かって進行する。このレンズアレイ・インテグレータ103は、光の均一性を高める光学部材であり、1枚のレンズアレイで構成されたものや、2枚のレンズアレイの組み合わせで構成されるものがある。(フライアイレンズとも称する)
【0009】
ここで、レンズアレイ・インテグレータ103の入射面103aに到達した光のうち、レンズアレイ・インテグレータ103の構成要素である要素レンズ103bの形状によって定まる、所定の入射角(以下、「取込角θ」と称する。)の範囲内で入射したもののみが、有効に利用可能な光となる。
【0010】
図10は、レンズアレイ・インテグレータ103の取込角θを説明するための模式的な図面である。ここで、要素レンズの取込角θ[°]とは、図10に示すように、要素レンズ103bの入射面103aの任意の点から要素レンズ103bの出射面103cへ光が有効に導光される入射角(要素レンズの光軸Oに対する角度)を示すものであり、要素レンズ103bの入射面の大きさ(D)、要素レンズの長さ(L)、レンズの材質の屈折率(n’)、要素レンズ103bに入射する前に光が進行する空間の屈折率(n)との関係で決まる角度である。具体的には下記数1により決定される。なお、要素レンズ103bの取込角θ[°]の範囲とは、要素レンズ103bの入射面103aが受光できる入射角以内の範囲全体を示すものである。
【0011】
【数1】
【0012】
なお、レンズアレイ・インテグレータの光軸方向とは、レンズアレイ・インテグレータを構成する要素レンズの光軸に対して平行な方向であって、製造上の差異はあるものの、配置構成や曲率の差異等によらず、いずれの要素レンズの光軸で規定されても構わない。上述の説明では、図10に示すように、任意に選択した一つの要素レンズの光軸Oと平行な方向が、レンズアレイ・インテグレータの光軸方向である。
【0013】
また、従来の光源装置100は、レンズアレイ・インテグレータ103の端に配置される要素レンズ103bの取込角θの範囲内に、十分にLED光が取り込まれるように設計される。例えば、光源装置100は、図9に示すように、LED素子101やレンズ102の配置の幅が、レンズアレイ・インテグレータ103の幅に対して大きくなるような設計が行われている。
【0014】
このように構成することで、レンズアレイ・インテグレータ103の各要素レンズ103bの取込角θの範囲内に同等数のLED光が取り込まれ、レンズアレイ・インテグレータ103から出射される光が、均一な強度分布を示すようになる。
【0015】
ところが、上記のように構成すると、端部のLED素子101やレンズ102からの光の大部分は、レンズアレイ・インテグレータ103の要素レンズ103bの取込角θの範囲外に進行し、光源として利用できない。
【0016】
そうすると、上述したように、大型のディスプレイパネルの製造等において、大型露光に適合可能な光源装置が要請に対応しようとする場合、光源装置が大型化し、多数のLED素子101が必要となり、さらに、レンズアレイ・インテグレータ103の要素レンズ103bに取り込まれない光も増えてしまうという問題が発生する。
【0017】
なお、LED素子から出射された光の利用効率を向上させるための構成として、上記特許文献1に記載の光源装置のように、凹レンズ等の光学系を挿入するような構成が考えられる。しかし、当該構成では、LED素子から出射される光の利用効率は向上するものの、光源装置を構成する部材が増えてしまうため、装置がさらに大型化してしまうという問題がある。
【0018】
本発明は、上記課題に鑑み、照射面の光の均一性を確保しつつ、コンパクトで、かつ、光源からの光をレンズアレイ・インテグレータに効率よく入射することができることが可能な光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の光源装置は、
第一方向及び前記第一方向に直交する第二方向によって規定される第一平面上に配置された複数のLED素子を備えてなる光源部と、
前記光源部のそれぞれの前記LED素子から出射された光が入射するように、複数の要素レンズが平面上に配置されてなるレンズアレイ・インテグレータと、
前記光源部の前記第一方向における一方の端部である第一端部側に、前記第二方向と、前記レンズアレイ・インテグレータの光軸方向によって規定される第二平面上に、前記光源部側から前記レンズアレイ・インテグレータ側に前記光軸方向に向かって突出するように反射面が形成された第一反射部材とを備え、
前記光源部は、それぞれの前記要素レンズが前記光源部のうちの、一部の前記LED素子から出射される光を取り込むよう、それぞれの前記要素レンズの取込角θの範囲内に複数の前記LED素子が配置され、
前記第一方向に向かって配列されたLED素子群において隣接するそれぞれの前記LED素子の中心間距離のうち、最大のものを距離X1とすると、前記第一反射部材の反射面は、前記光源部の前記第一端部に配置された第一端部LED素子の中心から、前記第一方向における前記第一端部側において、前記距離X1以内の位置に配置され、
前記レンズアレイ・インテグレータにおいて、前記第一端部側に配置されている前記要素レンズの取込角θの範囲に、前記第一反射部材の反射面によって反射された光が含まれることを特徴とする。
【0020】
上記光源装置において、
前記第一反射部材の反射面は、前記第一端部LED素子から前記距離X1の半分の位置に配置されていても構わない。
【0021】
上記構成とすることで、第一方向において、レンズアレイ・インテグレータを構成する各要素レンズは、取込角θの範囲に同等数のLED光を取り込む構成とすることができ、必要とされるLEDの配置個数を大幅に削減でき、照射面の光均一性を確保しつつ、コンパクトで、かつ、光源部から出射された光をレンズアレイ・インテグレータに効率よく入射することが可能となる。
【0022】
特に、面光源として数千~数万個ものLED素子を用いて構成される大型のディスプレイパネルの製造等に用いられる光源装置の場合、上記構成を採用することで数百~数千個ものLED素子を削減することができ、光源装置全体をコンパクトに設計することができる。
【0023】
上記光源装置において、
前記LED素子は、前記第一方向及び前記第二方向に沿って等間隔に配置されており、
隣接するLED素子間の中心間距離dと、前記取込角θ[°]と、前記LED素子の光出射面と前記レンズアレイ・インテグレータの入射面との離間距離L1とが、下記式(1)を満たすものであっても構わない。

L1≧2・d/tanθ (1)
【0024】
上記構成とすることで、それぞれの要素レンズの入射面に対して、取込角θの範囲内で複数のLED素子から出射された光が入射することになり、極端に光強度分布が低い部分がなくなるため、より均一性が向上された光源装置を構成することができる。
【0025】
上記光源装置において、
前記LED素子は、前記第一方向及び前記第二方向に沿って規則的な配置関係で設けられており、
前記第一反射部材の反射面は、隣接する前記LED素子と、前記第一反射部材の反射面に映し込まれる前記LED素子の鏡像との配置関係が、前記LED素子の規則的な配置関係と等しくなるよう、前記光源部に前記第一反射部材が配置されていても構わない。
【0026】
上記構成とすることで、レンズアレイ・インテグレータの入射面に対して、規則的に配置されたLED素子から出射された光が入射することになり、さらに均一性が向上された光源装置を構成することができる。
【0027】
上記光源装置において、
前記光源部は、前記第一平面に平行な平面上に、前記複数のLED素子に対応して配置された複数の収束光学部を備えていても構わない。
【0028】
LED素子の光出射面から出射される光は、発散角が大きく、レンズアレイ・インテグレータの各要素レンズの取込角θの範囲外の光が多くなってしまう。そこで、上記構成とすることで、LED素子から出射された光をレンズアレイ・インテグレータの入射面に入射させる前に、収束光学部によって、LED素子から出射された光がレンズアレイ・インテグレータの各要素レンズの取込角θの範囲内に収まるように発散角を小さくすることができる。したがって、無駄な光が少なくなるため、高効率な光源装置を構成することができる。
【0029】
上記光源装置において、
前記LED素子は、前記第一方向及び前記第二方向に沿って等間隔に配置されており、
隣接するLED素子間の中心間距離dと、前記取込角θ[°]と、前記収束光学部の光出射面と前記レンズアレイ・インテグレータの入射面との離間距離L2とが、下記式(2)を満たすものであっても構わない。

L2≧2・d/tanθ (2)
【0030】
上記構成とすることで、それぞれの要素レンズの入射面に対して、取込角θの範囲内で複数の収束光学部から出射された光が入射することになり、極端に光強度分布が低い部分がなくなるため、より均一性が向上された光源装置を構成することができる。
【0031】
上記光源装置において、
前記収束光学部は、前記第一方向及び前記第二方向に沿って規則的な配置関係で設けられており、
前記第一反射部材の反射面は、隣接する前記収束光学部と、前記第一反射部材の反射面に映し込まれる前記収束光学部の鏡像との配置関係が、前記収束光学部の規則的な配置関係と等しくなるよう、前記光源部に前記第一反射部材が配置されていても構わない。
【0032】
上記構成とすることで、レンズアレイ・インテグレータの入射面に対して、規則的に配置された収束光学部から出射された光が入射することになり、さらに均一性が向上された光源装置を構成することができる。
【0033】
上記光源装置は、
前記光源部の前記第一方向の長さLc1と、前記レンズアレイ・インテグレータの前記第一方向の長さLd1と、前記取込角θ[°]と、前記第一反射部材の反射面の前記光軸方向の長さLm1とが、下記式(3)を満たすものであっても構わない。

Lm1≧(Lc1-Ld1)/(2・tanθ) (3)
【0034】
上記構成とすることで、第一方向において、レンズアレイ・インテグレータに向かって進行する光と、第一反射部材によって反射されてレンズアレイ・インテグレータに向かう光によって、余分な光源を配置することなく、それぞれの要素レンズの取込角θの範囲内に、LED素子から出射された光を入射させることができる。
【0035】
上記光源装置は、
前記光源部の前記第一反射部材の反射面と対向するように、前記光源部の中心を通過する前記第二平面に対して対称な位置に反射面が形成された第二反射部材を備えていても構わない。
【0036】
上記構成とすることで、第一方向において、光源部の両端において余分なLED素子や収束光学部を配置する必要がなくなるため、必要とされるLEDの配置個数を大幅に削減でき、照射面の光均一性を確保しつつ、コンパクトで、かつ、光源部から出射された光をレンズアレイ・インテグレータに効率よく入射することが可能となる。
【0037】
上記光源装置は、
前記光源部の前記第二方向における一方の端部である第二端部側に、前記第一方向と、前記レンズアレイ・インテグレータの前記光軸方向によって規定される第三平面上に、前記光源部側から前記レンズアレイ・インテグレータ側に前記光軸方向に向かって突出するように配置された反射面が形成された第三反射部材を備え、
前記第二方向に向かって配列されたLED素子10群において隣接するそれぞれの前記LED素子の中心間距離のうち、最大のものを距離X2とすると、前記第三反射部材の反射面は、前記光源部の前記第二端部に配置された第二端部LED素子の中心から、前記第二方向における前記第二端部側において、前記距離X2以内の位置に、配置され、
前記レンズアレイ・インテグレータにおいて、前記第二端部側に配置されている前記要素レンズの取込角θの範囲に、前記第三反射部材の反射面によって反射された光が含まれていても構わない。
【0038】
上記光源装置において、
前記第三反射部材の反射面は、前記第二端部LED素子から、前記距離X2の半分の位置に配置されていても構わない。
【0039】
上記構成とすることで、第二方向においても、レンズアレイ・インテグレータを構成する各要素レンズは、取込角θの範囲に同等数のLED光を取り込む構成とすることができ、必要とされるLEDの配置個数を大幅に削減でき、照射面の光均一性を確保しつつ、コンパクトで、かつ、光源部から出射された光をレンズアレイ・インテグレータに効率よく入射することが可能となる。
【0040】
特に、面光源として数千~数万個ものLED素子を用いて構成される大型のディスプレイパネルの製造等に用いられる光源装置の場合、上記構成を採用することで、さらに、数百~数千個ものLED素子を削減することができ、光源装置全体を、さらに、コンパクトに設計することができる。
【0041】
上記光源装置は、
前記光源部の前記第二方向の長さLc2と、前記レンズアレイ・インテグレータの前記第二方向の長さLd2と、前記取込角θ[°]と、前記第三反射部材の反射面の前記光軸方向の長さLm2とが、下記式(2)を満たすものであっても構わない。

Lm2≧(Lc2-Ld2)/(2・tanθ) (4)
【0042】
上記構成とすることで、第一方向において、レンズアレイ・インテグレータに向かって進行する光と、第三反射部材によって反射されてレンズアレイ・インテグレータに向かう光によって、余分な光源を配置することなく、それぞれの要素レンズの取込角θの範囲内に、LED素子から出射された光を入射させることができる。
【0043】
上記光源装置は、
前記光源部の前記第三反射部材の反射面と対向するように、前記光源部の中心を通過する前記第三平面に対して対称な位置に反射面が形成された第四反射部材を備えていても構わない。
【0044】
上記構成とすることで、第二方向においても、光源部の両端において余分なLED素子や収束光学部を配置する必要がなくなるため、必要とされるLEDの配置個数を大幅に削減でき、照射面の光均一性を確保しつつ、コンパクトで、かつ、光源部から出射された光をレンズアレイ・インテグレータに効率よく入射することが可能となる。
【0045】
本発明の光源システムは、
第一波長の光を発する複数のLED素子を含む、上記の光源装置である第一光源装置と、
前記第一波長とは異なる第二波長の光を発する複数のLED素子を含む、上記の光源装置である第二光源装置と、
前記第一波長の光に対して透過性を有すると共に、前記第二波長の光に対して反射性を有し、前記第一光源装置及び前記第二光源装置の双方から出射された光が入射可能に配置されたダイクロイックミラーとを有することを特徴とする。
【0046】
上記構成とすることで、異なる波長の光を出射するように構成された複数の本発明の光源装置を組み合わせ、各光源装置の点灯を制御することで、用途に応じて所望の波長の均一な光を照射できるシステムを構築することができる。
【発明の効果】
【0047】
本発明によれば、照射面の光の均一性を確保しつつ、コンパクトで、かつ、光源からの光をレンズアレイ・インテグレータに効率よく入射することができることが可能な光源装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1A】光源装置の一実施形態をY方向から見たときの模式的な側面図である。
図1B図1Aの光源装置をX方向から見たときの模式的な側面図である。
図2図1Aの光源装置1を収束光学部の出射面をZ方向から見たときの模式的な図面である。
図3】第一反射部材の機能を説明するための模式的な図面である。
図4】光源システムの一実施形態の構成を示す模式的な側面図である。
図5】光源装置の別実施形態をY方向から見たときの模式的な側面図である。
図6】光源部をZ方向から見たときのLED素子と収束光学部の配置例を示す図面である。
図7】光源部をZ方向から見たときのLED素子と収束光学部の配置例を示す図面である。
図8】従来の光源装置の一構成例を示す模式的な側面図である。
図9】従来の光源装置の一構成例を示す模式的な側面図である。
図10】レンズアレイ・インテグレータの取込角を説明するための模式的な図面である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明の光源装置及び光源システムについて、図面を参照して説明する。なお、以下の各図面は、いずれも模式的に図示されたものであり、図面上の寸法比や個数は、実際の寸法比や個数と必ずしも一致していない。
【0050】
図1Aは、光源装置1の一実施形態の構成をY方向から見たときの模式的に示す側面図である。図1Bは、図1Aの光源装置1を、Y方向に直交するX方向から見たときの模式的な側面図である。図2は、図1Aの光源装置1を収束光学部11の出射面を、X方向及びY方向に直交するZ方向から見たときの模式的な図面である。図1A図1B及び図2に示すように、光源装置1は、XY平面上に配置された複数のLED素子10及びXY平面上に、LED素子10に対応して配置された複数の収束光学部11からなる光源部2と、複数の収束光学部11から出射された光が入射するように、複数の要素レンズ12bが平面上に配置されてなるレンズアレイ・インテグレータ12を備える。以下の図面では、破線によって一部の光線の進行が、一点鎖線によって要素レンズの端部における取込角θの範囲が模式的に図示されている。
【0051】
さらに、図1A及び図1Bに示すように、光源装置1は、X方向において対をなす第一反射部材13及び第二反射部材14と、Y方向において対をなす第三反射部材15及び第四反射部材16とを備える。
【0052】
以下説明において、収束光学部11から出射された光の光軸方向と平行な方向をZ方向とし、Z方向に直交する平面をXY平面として説明する。
【0053】
第一反射部材13及び第二反射部材14は、YZ平面を反射面とし、相互にX方向に離間して配置される。本実施形態では、第一反射部材13は、X方向に関して最も外側に位置する収束光学部11に接触し、且つ、レンズアレイ・インテグレータ12に向かってZ方向に突出するように配置されており、第二反射部材14と対向するよう配置されている。
【0054】
第三反射部材15及び第四反射部材16は、XZ平面を反射面とし、相互にY方向に離間して配置される。本実施形態では、第三反射部材15及び第四反射部材16は、Y方向に関して最も外側に位置する収束光学部11に接触し、かつ、レンズアレイ・インテグレータ12に向かってZ方向に突出するように配置されている。
【0055】
図2に示すように、光源部2は、LED素子10がX方向及びY方向の双方に沿って規則的に、等間隔で配列されて構成されている。複数のLED素子10から出射された光は、それぞれ対応する収束光学部11の入射面に入射される。なお、所望の光強度分布を有する光を得ることができれば、LED素子10は、X方向及びY方向のいずれの方向においても、等間隔に配置されていなくてもよく、さらには不規則な配置としても構わない。
【0056】
さらに、本実施形態における光源部2は、LED素子10から出射されて入射面に入射した光の発散角を小さくするように変換して、Z方向に向かって出射面から光を出射する収束光学部11を備える。なお、光源部2は、収束光学部11を備えず、LED素子10のみで構成されていても構わない。
【0057】
本実施形態における収束光学部11は、LED素子10に対応するようにX方向及びY方向の双方に沿って等間隔に配列され、それぞれのLED素子10に対応するように、かつ、隣接する収束光学部11同士が当接するように配置されているが、隣接する収束光学部11同士は離間して配置されていても構わない。
【0058】
レンズアレイ・インテグレータ12は、複数の要素レンズ12bがX方向及びY方向にアレイ状に配置されて構成されているものとした。レンズアレイ・インテグレータ12は、要素レンズ12bの数だけ多重像を生じさせ、その後段にて、必要に応じ整理された光照射面に照射されることで、照射面上における照度分布を均一化させる機能を有する。本実施形態におけるレンズアレイ・インテグレータ12は、複数の要素レンズ12bがX方向及びY方向にアレイ状に配置されて構成されているものとしたが、例えば、六角形状等の他の形状を呈するレンズアレイ・インテグレータを採用しても構わない。
【0059】
なお、図1A及び図1Bに示すように、レンズアレイ・インテグレータ12は、構成要素である各要素レンズ12bの光軸Oが、Z方向と平行になるように配置されている。
【0060】
ここで、光源部2の出射面、より詳細には、収束光学部11の出射面とレンズアレイ・インテグレータ12の入射面12aとの配置間隔について説明する。光源装置1から出射される光が均一な光とするためには、それぞれの要素レンズ12bの入射面12a全体にわたって、同じように均一な光が入射されることが好ましい。
【0061】
つまり、各要素レンズ12bには、一つのLED素子10のみから出射された光が出射されるよりも、X方向及びY方向において、複数のLED素子10から出射され重なり合った光が入射されることが好ましい。したがって、それぞれの要素レンズ12bの入射面12aに、複数のLED素子10から出射された光が入射するように光源装置1を設計する必要がある。
【0062】
上述の構成とするために、光源装置1は、X方向及びY方向において、収束光学部11の出射面とレンズアレイ・インテグレータ12の入射面12aとの離間距離L2が、隣接するLED素子10間の中心間距離dと、取込角θ[°]について、「課題を解決するための手段」の項目で記載した式(2)を満たすように設計される。なお、参照のため、同式(2)を下記する。

L2≧2・d/tanθ (2)
【0063】
なお、光源部2が、LED素子10のみで構成されている場合、図示はしないが、光源装置1は、X方向及びY方向において、LED素子10の出射面とレンズアレイ・インテグレータ12の入射面12aとの離間距離L1が、隣接するLED素子10間の中心間距離dと、取込角θ[°]について、「課題を解決するための手段」の項目で記載した式(1)を満たすように設計される。なお、参照のため、同式(1)を下記する。

L1≧2・d/tanθ (1)
【0064】
図3は、反射部材の機能を説明するための模式的な図面である。説明の便宜上、図3では、図1Aの光源装置1をY方向から見たときの構成に、仮想的なLED素子(第一仮想LED素子10b)と、この第一仮想LED素子10bに対応する仮想的な収束光学部(第一仮想収束光学部11b)とが併せて図示されている。第一仮想収束光学部11bは、第一端部収束光学部11aに対してX方向に隣接する収束光学部11を、第一端部収束光学部11aを基準としてX方向に仮想的に線対称移動させた収束光学部に対応する。
【0065】
第一反射部材13と第二反射部材14は、図3に示すように、X方向に配列されている収束光学部11群において、端部に配置されている第一端部収束光学部11aの側面に反射面が当接して配置されている。ここで、X方向に配列されている収束光学部11群において、第一端部収束光学部11aよりもさらに外側に隣接するように配置された、第一仮想収束光学部11bを想定する。
【0066】
このとき、第一反射部材13及び第二反射部材14は、第一仮想収束光学部11bと、第一端部収束光学部11aとのX方向に係る中間の位置、すなわち、第一端部収束光学部11aからX方向に向かって配列された収束光学部11の中心間距離の半分の位置に反射面が配置される。なお、第一反射部材13及び第二反射部材14は、第一端部LED素子10aからX方向に向かって配列されたLED素子10の中心間距離dの半分の位置に、第一反射部材13及び第二反射部材14反射面が配置される構成としても構わない。
【0067】
第三反射部材15及び第四反射部材16は、上述の第一反射部材13及び第二反射部材14の説明と同様に、Y方向に配列されている収束光学部11群において、端部に配置されている第二端部収束光学部の側面に反射面が当接して配置されている。ここで、同様に、Y方向に配列されている収束光学部11群において、第二端部収束光学部よりもさらに外側に隣接するように配置された、第二仮想収束光学部を想定する。
【0068】
このとき、第三反射部材15及び第四反射部材16は、第二仮想収束光学部と、第二端部収束光学部とのY方向に係る中間の位置、すなわち、Y方向に向かって配列されたLED素子10群において隣接するそれぞれのLED素子10の中心間距離dの半分の位置に反射面が配置される。そして、同様に、それぞれのLED素子10に対応するように収束光学部11が配置されているため、第三反射部材15及び第四反射部材16は、第二端部LED素子からY方向に向かって配列されたLED素子10の中心間距離dの半分の位置に、第三反射部材15及び第四反射部材16の反射面が配置されることにもなる。
【0069】
なお、上述したように、LED素子10と収束光学部11は、X方向及びY方向において、等間隔に配置されていなくても構わない。この場合は、第一反射部材13及び第二反射部材14の反射面は、第一端部収束光学部11aとのX方向に係る距離が、X方向に向かって配置されたLED素子10群のそれぞれの中心間距離の内の、最大の距離である距離X1以内の位置に配置されていればよい。そして、第三反射部材15及び第四反射部材16の反射面は、第二端部収束光学部とのY方向に係る距離が、Y方向に向かって配置されたLED素子10群のそれぞれの中心間距離の内の、最大の距離である距離Y1以内の位置に配置されていればよい。
【0070】
本実施形態の光源装置1は、レンズアレイ・インテグレータ12から収束光学部11の出射面を見たときに、レンズアレイ・インテグレータ12が光を取り込める領域内において、収束光学部11が等間隔に配列されている。
【0071】
さらに、第一反射部材13、第二反射部材14、第三反射部材15及び第四反射部材16によって、X方向及びY方向に対して同じ間隔で同じ配列のLED素子10と収束光学部11の像が映し出される。これにより、等間隔に配置された第一端部収束光学部11a及び第二端部収束光学部の外側に補完用のLED素子や収束光学部が配置されているのと同じ効果を得ることができる。
【0072】
例えば、図3に示す+X側に位置する第一端部収束光学部11aに着目すると、この第一端部収束光学部11aから出射された光は、±X方向に拡がりながら進行する。このとき、+X方向に拡がりながら進行した光の一部は第一反射部材13によって反射された後、-X方向に進行方向を変化させ、レンズアレイ・インテグレータ12の入射面に入射される。すなわち、収束光学部11から出射された光のうち、第一反射部材13が存在しなければレンズアレイ・インテグレータ12に入射されなかった光を、レンズアレイ・インテグレータ12に取込角θの範囲で入射させることができる。
【0073】
一方で、第一反射部材13が存在しなければ、レンズアレイ・インテグレータ12の各要素レンズ12bの入射面に対して同等の強度で光を入射させるためには、図3に図示した第一仮想LED素子10b及び第一仮想収束光学部11bの位置に、実際のLED素子10及び収束光学部11を設ける必要がある。すなわち、本実施形態の光源装置1によれば、LED素子10及び収束光学部11の配置数を減らすことができる。
【0074】
以上より、レンズアレイ・インテグレータ12の入射面の全体に、X方向及びY方向の双方に沿って等間隔に整列した光が入射されることとなり、均質な光を入射させることができる。光源装置1は、必要最小限のLED素子10と収束光学部11で構成され、小型で、かつ、広範囲にわたって均質性が向上された光を照射することができる。
【0075】
なお、本実施形態においては、第一反射部材13及び第二反射部材14によって反射されてレンズアレイ・インテグレータ12の入射面に到達する光は、第一反射部材13及び第二反射部材14によって一回のみの反射で到達するように構成されているが、複数回の反射を繰り返して、レンズアレイ・インテグレータ12の入射面に到達するように構成されていても構わない。
【0076】
より具体的には、例えば-X側に位置する第一端部収束光学部11aから出射した光が、この第一端部収束光学部11aに-X方向に近接して配置された一方の第一反射部材13で反射して+X方向に進行方向を変化させた後、+X方向に離間して配置された他方の第一反射部材13で反射して再び-X方向に進行方向を変化させた後に、レンズアレイ・インテグレータ12の入射面に入射されるものとしても構わない。Y方向についても同様である。
【0077】
光源部2から出射される光の利用効率を向上させつつ、光源装置1全体を大型化させないために、それぞれの反射部材(13,14)は、必要最小限の大きさで構成することが好ましい。その一例として、光源装置1は、第一反射部材13及び第二反射部材14の反射面のZ方向の長さLm1が、光源部2のX方向の長さLc1と、レンズアレイ・インテグレータ12のX方向の長さLd1と、取込角θ[°]について、「課題を解決するための手段」の項目で記載した式(3)を満たすように設計される。なお、参照のため、式(3)を下記する。

Lm1≧(Lc1-Ld1)/(2・tanθ) (3)
【0078】
なお、第三反射部材15及び第四反射部材16に関しては、図示はしないが、光源装置1は、同様に、第三反射部材15及び第四反射部材16の反射面のZ方向の長さLm2が、光源部2のY方向の長さLc2と、レンズアレイ・インテグレータ12のY方向の長さLd2と、取込角θ[°]について、「課題を解決するための手段」の項目で記載した式(4)を満たすように設計される。なお、参照のため、式(4)を下記する。

Lm2≧(Lc2-Ld2)/(2・tanθ) (4)
【0079】
光源部2の長さ(Lc1,Lc2)は、Z方向から光源部2を見たときに光を出射して見える、発光領域全体におけるX方向及びY方向についての一端部から他端部までの距離である。本実施形態においては、光源部2が収束光学部11を備える構成であるため、Z方向から光源部を見たときは、収束光学部11の光出射面全体が発光領域となる。この場合、光源部2の長さ(Lc1,Lc2)は、図3に示すように、光源部2を構成する複数の収束光学部11の光出射面における、X方向及びY方向の一端部から他端部までの距離となる。
【0080】
そして、光源部2がLED素子10のみを備える構成の場合、光源部2の長さ(Lc1,Lc2)は、複数のLED素子10の発光面で構成される光源部2の発光領域全体における、X方向及びY方向の一端部から他端部までの距離となる。
【0081】
また、以上の説明では、それぞれの反射部材(13,14,15,16)が独立して構成された光源装置1で説明をしたが、それぞれの反射部材(13,14,15,16)は、一部、又は全部が結合されて構成されていても構わない。
【0082】
[別実施形態]
以下、別実施形態につき説明する。
【0083】
〈1〉 図4は、光源システム4の一実施形態の構成を示す模式的な側面図である。図4に示すように、光源システム4は、三つの光源装置(1A,1B,1C)とダイクロイックミラー(40B,40C)を備えていても構わない。ここで、光源装置1Aが備えるLED素子10の発光波長λa(第一波長)、光源装置1Bが備えるLED素子10の発光波長λb(第二波長)、及び光源装置1Cが備えるLED素子10の発光波長λc(第三波長)は、それぞれ異なる値である。
【0084】
それぞれの光源装置(1A,1B,1C)は、全てダイクロイックミラー(40B,40C)に向けて光を全出射するように配置されている。ダイクロイックミラー40Bは、光源装置1Bから出射される波長λbの光に対して反射性を有し、光源装置1Aから出射される波長λaの光及び光源装置1Cから出射される波長λcに光に対し透過性を有する。ダイクロイックミラー40Cは、波長λcの光に対して反射性を有し、波長λaの光及び波長λbの光に対し透過性を有するダイクロイックミラー40Cの組み合わせからなる。
【0085】
上記構成とすることで、光源装置1Aから出射された光は、ダイクロイックミラー(40B、40C)を透過して、そのまま出射される。光源装置1Bから出射された光は、ダイクロイックミラー40Bによって反射されて、光源装置1Aの光出射方向と同じ方向に導光されて出射される。光源装置1Cから出射された光は、ダイクロイックミラー40Cによって反射されて、光源装置1Aの光出射方向と同じ方向に導光されて出射される。
【0086】
したがって、光源システム4は、照射対象物に応じて、照射する光を選択して出射させることができ、また、各光源装置(1A,1B,1C)から出射された光を重畳させて出射させることもできる。
【0087】
〈2〉 収束光学部11は隣接する他の収束光学部11と離間して配置されていても構わない。また、第一反射部材13及び第二反射部材14の反射面は、第一端部収束光学部11a及び第二端部収束光学部と離間して配置されていても構わない。図5は、この別実施形態の光源装置1を図3に倣って図示したものである。
【0088】
この場合は、図5に示すように、第一端部LED素子10aと第一反射部材13及び第二反射部材14の反射面との間隔が、隣接するLED素子10同士の中心間距離dの半分に位置、又は第一端部収束光学部11aと第一反射部材13及び第二反射部材14の反射面との間隔が、収束光学部11同士の中心間距離の半分に位置に設定されるのが好ましい。
【0089】
これにより、図3を参照して説明したのと同様の理由により、等間隔に配置された第一端部LED素子10a、又は第一端部収束光学部11aの外側に、補完用のLED素子101やレンズ102が配置されているのと同じ効果を得ることができる。このことは、Y方向についても同様である。
【0090】
〈3〉 図6及び図7は、光源部2をZ方向に見からときのLED素子10と収束光学部11の配置例を示す図面である。図6に示すように、それぞれの反射部材(13,14,15,16)がZ方向から見たときに、LED素子10、又は収束光学部11と重複するように配置されていてもよい。
【0091】
さらに、X方向において、それぞれの反射部材(13,14)の反射面は、第一端部LED素子の中心から、X方向にむかって配列されているLED素子10群において、それぞれの第一端部LED素子10a、又は第一端部収束光学部11aから、隣接するそれぞれのLED素子10の中心間距離dのうち、最大の距離以内の位置に配置されていればよい。したがって、図6に示すように、光源部2をZ方向から見たときに、第一端部LED素子10a、又は第一端部収束光学部11aの中心と一致するように、それぞれの反射部材(13,14)の反射面が配置されていても構わない。このことは、Y方向についても同様である。なお、このような配置をする場合は、図6及び図7にも示すように、端部に配置される収束光学部11は、それぞれの反射部材(13,14,15,16)と当接して配置するために、半分や1/4にカットしたものを用いても構わない。
【0092】
また、光源部2のLED素子10と収束光学部11は、図7に示すような配置をしていても構わない。図7からもわかるように、当該配置においても、LED素子10及び収束光学部11は、X方向及びY方向に向かってLED素子10群及び収束光学部が整列している。
【0093】
〈4〉 上述した光源装置1が備える構成は、あくまで一例であり、本発明は、図示された各構成に限定されない。
【符号の説明】
【0094】
1,1A,1B,1C : 光源装置
2 : 光源部
4 : 光源システム
10 : LED素子
10a : 第一端部LED素子
10b : 第一仮想LED素子
11 : 収束光学部
11a : 第一端部収束光学部
11b : 第一仮想収束光学部
12 : レンズアレイ・インテグレータ
12a : 入射面
12b : 要素レンズ
13 : 第一反射部材
14 : 第二反射部材
15 : 第三反射部材
16 : 第四反射部材
40B,40C : ダイクロイックミラー
100 : 光源装置
101 : LED素子
102 : レンズ
103 : レンズアレイ・インテグレータ
103a : 入射面
103b : 要素レンズ
103c : 出射面
θ : 取込角
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10