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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】農業用資材及び植物の生育方法
(51)【国際特許分類】
   D01F 2/00 20060101AFI20221116BHJP
   D01F 2/06 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
D01F2/00 Z
D01F2/06 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021168439
(22)【出願日】2021-10-13
(62)【分割の表示】P 2017145225の分割
【原出願日】2017-07-27
(65)【公開番号】P2022009122
(43)【公開日】2022-01-14
【審査請求日】2021-10-14
(31)【優先権主張番号】P 2016150198
(32)【優先日】2016-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】516229553
【氏名又は名称】株式会社SML-Technology
(73)【特許権者】
【識別番号】514243520
【氏名又は名称】株式会社ペアシェイプ
(74)【代理人】
【識別番号】110001184
【氏名又は名称】弁理士法人むつきパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】小寺 豊
(72)【発明者】
【氏名】染野 弘美
(72)【発明者】
【氏名】松橋 智博
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-234405(JP,A)
【文献】特開2001-316933(JP,A)
【文献】特開2006-144213(JP,A)
【文献】特開平11-081032(JP,A)
【文献】特開2007-002384(JP,A)
【文献】特表2009-506137(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 24/00-24/60
D01F 2/00- 2/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に根を形成させることにより植物の成長を与える遠赤外線放射繊維又はビーズ状の分散粒からなる農業用資材であって、
吸湿性を有するセルロース由来の高分子材料からなる高分子素線の内部に、多孔質粘土鉱物の粒子を分散させてなり、前記粒子は前記多孔質粘土鉱物を含む泥岩を粉砕した粘土粒子であって、前記高分子素線を繊維形状又はビーズ状としたことを特徴とする農業用資材。
【請求項2】
前記泥岩はモンモリロナイト及びバーミキュライトを少なくとも含むことを特徴とする請求項1記載の農業用資材。
【請求項3】
前記高分子材料はレーヨンであることを特徴とする請求項2記載の農業用資材。
【請求項4】
前記高分子素線は、円形断面の一部を収縮させた断面形状を有することを特徴とする請求項1乃至3のうちの1つに記載の農業用資材。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちの1つに記載の農業用資材を用いて、その内部に根を形成させて植物の成長を与えることを特徴とする植物の生育方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠赤外線放射材料からなる粒子を高分子素線の内部に分散させた遠赤外線放射繊維、不織布、糸状体、及び遠赤外線放射繊維の製造方法に関し、特に、天然素材からなり発熱性に優れた遠赤外線放射繊維、不織布、糸状体、及び遠赤外線放射繊維の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自然界において、シルトや粘土などからなる「泥」が堆積した後に脱水固結すると、多孔質粘土鉱物が生成される。かかる多孔質粘土鉱物は、「泥岩」と称されるが、堆積した泥の種類によって含まれるミネラル成分等に差が生じるものの、一般的には、遠赤外線やマイナスイオンを発生するものが多い。
【0003】
ここで、非特許文献1では、赤泥等から得られる泥岩を含む、様々な天然鉱物の遠赤外線放射特性のデータが示されている。これらは、粉砕された天然鉱物を含むスラリーを鋼板の表面に塗布して測定されている。放射性特性はその構成元素によりほぼ決定され結晶性はあまり影響しないとしており、おおむね3~20μmの同程度の波長から放射強度が高くなる傾向にある。
【0004】
ところで、このような遠赤外線やマイナスイオンを発生する天然鉱物を繊維と複合化させた発熱性繊維が提案され、これを加工した織物などは、衣服、農業用資材、保温用製品など、多くの応用製品に利用され得る。
【0005】
例えば、特許文献1では、遠赤外線放射物質を不織布の両面又は片面に塗布して乾燥させた床暖房用遠赤外線温熱シートが開示されている。ここでは、遠赤外線放射物質に第三黒色硬質泥岩類中の断層破砕部に産出する酸化珪素を主体にした黒鉛珪石粉末(商品名「シリカブラック」)とムライト系遠赤外線放射物質とを用いている。これらを水で混練して塗布するとしている。波長600~2000μmの遠赤外線を効率良く放射することができ、人体や物質を構成する分子に熱エネルギーおよび活性エネルギーを発生させて、分子を効率的に加熱することができるとしている。
【0006】
また、特許文献2では、遠赤外線を放射する粘土を化学繊維中に分散させた人工繊維、織物、保温用物品、温熱シート用材料が開示されている。ここでは、モンモリロナイトやノントロナイト等のスメクタイト系粘土の微粒子をナイロンやポリエチレンテレフタレート(PET)等の化学繊維担体に分散させて複合化させるとしている。モンモリロナイトのような粘土の微粒子をカプロラクタムのような高分子原材料と混合し、重合させ高分子材料の中に分散させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2002-317949号公報
【文献】特開2005-97506号公報
【非特許文献】
【0008】
【文献】尾谷賢著、「天然物の遠赤外放射特性」、北海道立工業試験場報告No.293(1994)、115~121ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
遠赤外線を放射する天然鉱物等は、放射された遠赤外線が例えば人体に吸収された際に細胞内の水分の分子活動を活発化させ、これにより発熱させる。したがって、特許文献2に開示のような遠赤外線を放射する粘土を化学繊維中に分散させた人工繊維や織物で加工された衣服等を直接、肌身に着けることで、当該人工繊維に含まれる粘土から放射される遠赤外線によって、水分を含む着用者の細胞が発熱して暖かさを感じるとされている。
【0010】
一方、上記した人工繊維等は、それ自体が発熱するものではないため、生物の細胞等の水分を含んだ物体が遠赤外線の影響を受ける距離まで近接しなければ発熱をしない。このため、例えば、冬季等の気温が低く乾燥した状態では、これらからなる衣服を身に着けたとしても、発熱までに時間を要することになる。
【0011】
本発明は以上のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的は、より発熱性に優れた遠赤外線放射材料からなる粒子を高分子素線内部に分散させた遠赤外線放射繊維及びその製造方法、このような遠赤外線放射繊維を用いた不織布、糸状体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による遠赤外線放射繊維は、多孔質粘土鉱物の粒子を高分子素線の内部に分散させた遠赤外線放射繊維であって、前記高分子素線が吸湿性を有するセルロース由来の高分子材料からなり自発熱性を有することを特徴とする。
【0013】
かかる発明によれば、遠赤外線放射粒子である多孔質粘土鉱物の粒子から放射された遠赤外線が吸湿性素材に捕捉された水分と容易に反応し、繊維自体を発熱させ、より発熱性に優れるのである。
【0014】
上記した発明において、前記多孔質粘土鉱物は泥岩であることを特徴としてもよい。また、前記高分子材料はレーヨンであって、円形断面の一部を収縮させた断面形状を有することを特徴としてもよい。かかる発明によれば、より発熱性に優れながら、天然素材だけからなり、環境適合性にも優れるのである。
【0015】
上記した発明による遠赤外線放射繊維は、不織布やあるいは糸状体に適用することができる。かかる発明によれば、遠赤外線放射繊維を用いて製造された衣服が人体から出た汗を吸収した場合に、衣服自体が発熱するとともに、繊維から放射される遠赤外線が人体自体に含まれる水分と反応して発熱作用を生じるため、衣服の暖かさをより強く感じることができる。また、農業用資材などに用いられることで、植物の生育に欠かせない水と反応し発熱作用を効率的且つ継続的に与え得るのである。
【0016】
更に、本発明による製造方法は、多孔質粘土鉱物の粒子を高分子素線の内部に分散させた自発熱性の遠赤外線放射繊維の製造方法であって、前記多孔質粘土鉱物を粉砕して粉砕体とする粉砕工程と、前記粉砕体をアルカリ性水溶液中に分散させアルカリ性ビスコース溶液と混合し攪拌して前駆体を生成する混練工程と、前記前駆体をノズルから酸性溶液中に射出し繊維状に成形する成形工程と、を含むことを特徴とする。
【0017】
かかる発明によれば、遠赤外線放射粒子である多孔質粘土鉱物の粒子を高分子素線の内部に効率よく分散させ、繊維自体に水分を吸収して自発熱し、より発熱性に優れる遠赤外線放射繊維を簡便な工程にて製造することが可能となる。
【0018】
上記した発明において、前記多孔質粘土鉱物は、泥岩であってもよい。かかる発明によれば、天然素材だけからなり、環境適合性にも優れる遠赤外線放射繊維を簡便な工程にて製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明による遠赤外線放射繊維を示す部分斜視図である。
図2】本発明による遠赤外線放射繊維に適用される遠赤外線放射材料の主要成分の含有量を示す表である。
図3】本発明による遠赤外線放射繊維を製造するためのシステムを示す図である。
図4】本発明による遠赤外線放射繊維のFTIR分析のチャート図である。
図5】本発明による遠赤外線放射繊維の断面図である。
図6】本発明による遠赤外線放射繊維の側面の電子顕微鏡写真である。
図7】本発明による遠赤外線放射繊維の断面を含む電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明による遠赤外線放射繊維及びその製造方法の実施例について具体的に説明する。
【0021】
図1は、本発明の代表的な一例による遠赤外線放射繊維の概要を示す部分斜視図である。遠赤外線放射繊維10は、遠赤外線放射材料からなる遠赤外線放射粒子12を、ベースとなる吸湿性素材からなる高分子素線14に分散させたものとして形成される。
【0022】
高分子素線14は、周囲の雰囲気中に含まれる水分を吸着して内部に保持する性質を有する材料で構成される。これらの材料は、例えば、セルロース由来の樹脂やアクリル樹脂、ポリ乳酸系樹脂等の高分子材料が適用される。このうち、セルロース由来の高分子材料としては、レーヨン、セロファン、ポリノジックあるいはキュプラ等が例示できる。これらはいずれも天然素材であり、環境適合性に優れる繊維を与えることとなり、特に農業資材用途などに好適である。
【0023】
遠赤外線放射粒子12を構成する遠赤外線放射材料としては、未焼成の粘土鉱物、例えばモンモリロナイトやバーミキュライト等の多孔質泥岩が例示できる。多孔質泥岩は、後述する図2に示されるような、酸化物量比の質量パーセントで、60%程度のSiO、10~18%程度のAlを主として構成されるもので、地中での加圧状態や微少含有鉱物によって性質が若干異なるものの、ここにおける粘度鉱物としては、わずかに吸水性を有するものであることが好ましい。遠赤外線放射粒子12は、このような遠赤外線放射材料を粉砕装置で粉砕加工されることにより、例えば、サブμmオーダー乃至数十μm程度の粒径を有する微粒子として形成される。
【0024】
図2は、遠赤外線放射粒子12に適用される多孔質泥岩の主要な酸化物量比の実施例を示す表である。SiO及びAlを多く含むとともに、NaO、MgO、SO、KO、CaO、TiO、FeO等の酸化物が他に含まれている。泥岩は細かい粘土粒子を固めたものであるから水溶性である。かかる特徴により、吸水性の水親和性に優れる上記したような高分子材料中に容易に分散できるのである。しかも、上記したような高分子材料とともに天然素材であり、ともに水溶性であることから、環境適合性に優れる繊維複合体を与えることとなる。
【0025】
図3は、遠赤外線放射繊維10を製造するための製造システムを示す概略図である。製造システム100は、泥岩の粉砕装置110と、粉砕された泥岩の粒子を高分子素線の原材料に混練する混練装置120と、紡糸装置130と、を含む。
【0026】
粉砕装置110は、図1に示した遠赤外線放射粒子12の原料となる遠赤外線放射材料の岩石を粉砕する機構(例えばボールミル等)を備えており、原料となる岩石は、乾燥及び粉砕されて数μm~数十μm程度の粒径を有する遠赤外線放射粒子12となる。
【0027】
粉砕装置110で製造された遠赤外線放射粒子12は所定濃度の水酸化ナトリウム水溶液中に分散され、高分子素線14の原材料であるアルカリ性ビスコース溶液と混合され、攪拌する機構(例えばスクリュー等)を備えた混練装置120で混練される。これにより、遠赤外線放射粒子12は高分子素線14の原材料内に均等に分散される。なお、混練装置120は加熱機構(図示せず)を備えてもよい。
【0028】
紡糸装置130は、混練装置120で製造された混合物(前駆体)を微小な貫通孔を複数有するノズル(口金)から押し出すことにより繊維状とする装置であり、押し出された繊維は、ノズルの後流側に位置する巻き取り機構で巻き取られて糸状に形成される。また、混練装置120で上記混合物が加熱されている場合、ノズルの後流には気体あるいは液体で押し出された繊維を冷却する冷却機構を追加的に備える。
【0029】
このような構成の製造システムを用いて、遠赤外線放射粒子12の材料は粉砕装置110で粉砕された後、混練装置120で吸湿性素材からなる高分子素線14の原材料と混練され、その後、紡糸装置130で糸状の繊維として成形される。
【0030】
図4には、糸状の繊維の集合体をFTIRにより赤外分光光度測定を行った結果を示した。このチャート図から判るように、分光放射率は7μm以上の波長で比較的フラットであるものの、遠赤外域の10~12μmの波長で分光放射率の落ち込みA1,A2を生じるとともに、この間に小ピークB1が明瞭に観察される。
【0031】
以下に、図3に示した製造システムを用いて製造された本発明による遠赤外線放射繊維の具体的な一態様を示す。
【0032】
まず、図2に示した実施例1乃至3の成分を含む遠赤外線放射材料の岩石を、図3に示す粉砕装置110で粉砕して粉末を準備する。
【0033】
続いて、上記粉末と、高分子素線14の原材料であるビスコースと、を混練装置120内に投入し、加熱しつつ攪拌を行い、混練を行う。
【0034】
その後、混合物(前駆体)を混練装置120から取り出し、紡糸装置130にて糸状の繊維に成形する。具体的には、多数の貫通孔が形成された口金から混合物を酸性溶液槽に押し出し、冷却とともに化学反応を生じさせることにより、泥岩質の遠赤外線放射粒子12がレーヨンからなる高分子素線14に分散されたレーヨン繊維が形成される。
【0035】
このような製造過程により製造された本発明の代表的な一例による遠赤外線放射繊維は、遠赤外線を放射する多孔質泥岩からなる粒子を、例えばレーヨン等の高分子材料からなる吸湿性素材に分散した構造を有する。これにより、遠赤外線放射繊維が水分を吸収すると、粒子から放射された遠赤外線が吸湿性素材に捕捉された水分と反応して繊維自体が発熱を生じ、発熱性に優れる。また、ある程度の保水性を有するとともに、保水された水が活性化される。このため、かかる繊維で皮膚に接触する衣類を製造するとき、例えば、手袋とするとき、皮膚に活性化した水が接触され続けることとなる。
【0036】
したがって、上記した遠赤外線放射繊維を用いた農業用資材では、植物の生育に欠かせない水と反応し発熱作用を効率的且つ継続的に与え得るのである。更に、植物の根が泥岩質の遠赤外線放射粒子12を含む繊維を土のように認識し、繊維の内部へ向けて根が強固に形成され、植物の成長に寄与し得るのである。
【0037】
また、不織布等の布製品や衣服等を製造することにより、水分を吸収すると発熱する機能を備えた繊維を含む布製品や衣服等を形成することが可能となる。また、このような衣服を身に着けることにより、例えば衣服を構成する繊維が人体から出た汗を吸収した場合に、衣服自体が発熱するとともに、繊維から放射される遠赤外線が人体自体に含まれる水分と反応して発熱作用を生じるため、衣服の暖かさをより強く感じるという効果を奏する。
【0038】
図5乃至7は、泥岩質の遠赤外線放射粒子22がレーヨンからなる高分子素線24に分散されたレーヨン繊維(遠赤外線放射繊維)20の断面図及び顕微鏡写真である。
【0039】
図5及び6に示すように、レーヨン繊維20は、吸湿性素材であるレーヨンからなる高分子素線24に泥岩質の遠赤外線放射粒子22を分散させて形成される。高分子素線24は、略円形断面(図5中の一点鎖線)の外周に対応する複数の側面24aと、当該複数の側面24aの間に位置する複数の凹面24bと、が交互に配置され、円形断面の一部を収縮させた断面形状を有する。
【0040】
このようなレーヨン繊維20の断面形状は、加熱された状態のビスコース材料を口金から酸性溶液槽に押し出す際に、当該酸性溶液によって急激に冷却されて、高分子材料を収縮させて形成することができる。
【0041】
このような断面形状を有することにより、レーヨン繊維20は、吸湿する繊維の側面の表面積が増加するため、水分を吸収することによる繊維自体の発熱機能を上げることができる。また、レーヨン繊維20における遠赤外線の放射面の面積も増加することとなるため、この繊維を用いた農業用資材や衣服の発熱作用も向上させることができる。特に、植物の根が泥岩質の遠赤外線放射粒子22を含むレーヨン繊維20を土のように認識し、レーヨン繊維20の内部へ向けて根が強固に形成され、植物の成長に寄与し得るのである。
【0042】
なお、図5に示す例では、3つの側面24aと3つの凹面24bとを含む断面形状の遠赤外線放射繊維20を例示したが、図7に示すように、複数の側面及び凹面の数は3つに限定されることなく、任意の数で形成することができる。また、口金に形成する貫通孔の形状を円形以外に多角形や星形のものを採用し、断面形状としては、多角形断面や星形断面等、円形断面以外の所望の断面形状を採用され得る。
【0043】
また、繊維形状でなく、ビーズ状の分散粒ともし得る。かかる分散粒を農業用資材の土壌代替品として使用することが好適である。
【0044】
以上、本発明による実施例及びこれに基づく変形例を説明したが、本発明は必ずしもこれら実施例に限定されるものではない。また、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、様々な代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
【符号の説明】
【0045】
10、20 遠赤外線放射繊維
12、22 粒子
14、24 高分子素線
24a 側面
24b 凹面
100 製造システム
110 粉砕装置
120 混練装置
130 紡糸装置


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7