(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】自動供給化装置
(51)【国際特許分類】
B67D 1/08 20060101AFI20221116BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
(21)【出願番号】P 2018230006
(22)【出願日】2018-12-07
【審査請求日】2021-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】501453640
【氏名又は名称】ミクニ総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100178906
【氏名又は名称】近藤 充和
(72)【発明者】
【氏名】内田 寿
(72)【発明者】
【氏名】田村 充
(72)【発明者】
【氏名】太田 裕彦
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-230853(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給されたビールをレバーの手動操作によりビール吐出口より吐出させるか、または、前記ビールを泡状にして泡吐出口より吐出させる機能を有するビールコックを設置したビールサーバーに取り付け可能に構成され、
電動手段により、前記レバーの操作と、前記ビール吐出口または前記泡吐出口より吐出されたビールが注入される容器の位置の移動と、を行う機能を有する自動供給化装置であって、
前記容器を載置する容器載置台と、
前記容器載置台を上下方向に移動させる高さ調整手段と、
前記容器載置台に載置された前記容器の上端の位置を検出する容器位置検出手段と、
前記容器載置台を前記ビールサーバーの前面にほぼ平行な面内で振り子状に回転させて傾ける角度調整手段と、
前記レバーの操作を行うレバー操作手段と、
前記容器内に注入されたビールの液面の位置を検出する液面検出手段と、
前記容器位置検出手段および前記液面検出手段からの情報に基づき、前記高さ調整手段、前記角度調整手段、および前記レバー操作手段を制御する制御部と、を備え、
前記制御部に開始指令を入力することにより、前記供給されたビールが前記ビール吐出口および前記泡吐出口より前記容器内に自動的に注入されるように制御することを特徴とする自動供給化装置。
【請求項2】
前記制御部は操作部を備え、前記開始指令の入力を前記操作部より行うように構成したことを特徴とする請求項1に記載の自動供給化装置。
【請求項3】
前記容器の前記容器載置台への載置の有無を検出する容器載置検出手段を備え、
前記制御部は、前記容器載置台に前記容器が載置されていないときは、前記開始指令の入力を行うことができないように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の自動供給化装置。
【請求項4】
前記容器位置検出手段は、前記容器の上端が前記ビール吐出口または前記泡吐出口に対して所定の位置となったときに位置検出情報を送出するように設定され、
前記制御部は、前記開始指令の入力後、前記高さ調整手段により前記容器載置台を上方に移動させ、前記位置検出情報を検出したときに前記高さ調整手段による移動を停止させる工程1を実施するように制御することを特徴とする請求項2または3に記載の自動供給化装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記工程1による前記容器載置台の上方への移動量を検出することにより、前記容器の高さを算出することを特徴とする請求項4に記載の自動供給化装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記工程1を実施後、前記角度調整手段により前記容器載置台を鉛直方向に対して所定の第1の角度傾ける工程2を実施するように制御することを特徴とする請求項5に記載の自動供給化装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記工程2を実施後、前記レバー操作手段により前記ビール吐出口からのビールの吐出を開始する工程3を実施するように制御することを特徴とする請求項6に記載の自動供給化装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記容器が鉛直に置かれたときに前記容器へ注入されたビールの液面の高さが前記容器の高さに対して所定の割合となるような前記容器載置台の傾きに対するビール液面位置を算出することを特徴とする請求項7に記載の自動供給化装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記工程3を実施後、前記液面検出手段からの情報に基づき、前記容器へ注入されたビールの液面の位置が前記ビール液面位置となったときに、前記ビール吐出口からのビールの吐出を停止する工程4を実施するように制御することを特徴とする請求項8に記載の自動供給化装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記工程3を実施後、所定の時間が経過後、または前記液面検出手段からの情報により前記容器へ注入されたビールの液面の位置が所定の位置となったとき、前記角度調整手段により前記容器載置台を鉛直方向に対して所定の第2の角度に設定した後、前記工程4を実施するように制御することを特徴とする請求項9に記載の自動供給化装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記工程3を実施後、所定の時間が経過後、または前記液面検出手段からの情報により前記容器へ注入されたビールの液面の位置が所定の位置となったとき、前記角度調整手段により前記容器載置台を鉛直方向に対して所定の第2の角度となるまで連続的または段階的に変化させ、その後、前記工程4を実施するように制御することを特徴とする請求項9に記載の自動供給化装置。
【請求項12】
前記第1の角度は30度以上であり、前記第2の角度は前記第1の角度より小さいことを特徴とする請求項10または11に記載の自動供給化装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記工程4を実施後、前記角度調整手段により前記容器載置台を鉛直方向に対して所定の第3の角度に設定した後、前記泡吐出口から泡状のビールの吐出を開始する工程5Aを実施するよう制御することを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載の自動供給化装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記工程4を実施後、前記泡吐出口から泡状のビールの吐出を開始し、前記角度調整手段により前記容器載置台を鉛直方向に対して所定の第3の角度となるまで連続的または段階的に変化させる工程5Bを実施するよう制御することを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載の自動供給化装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記工程5Aまたは5Bを実施後、前記液面検出手段による情報により前記泡状のビールの液面が所定の位置になったときに前記泡状のビールの吐出を停止する工程6を実施するように制御することを特徴とする請求項13または14に記載の自動供給化装置。
【請求項16】
前記容器が鉛直に置かれたときの前記容器へ注入されたビールの液面の高さの前記容器の高さに対する所定の割合、前記工程6における前記泡状のビールの液面の所定の位置、または、前記工程6の実施が終了するときの注入されたビールの高さと注入された泡状のビールの高さの比率、の少なくとも1つは、前記操作部への入力により変更可能に設定されることを特徴とする請求項15に記載の自動供給化装置。
【請求項17】
前記制御部は、前記ビールの液面が所定の位置となるまでの吐出時間により前記容器の断面積を算出し、該断面積による補正を行って、前記ビール液面位置の算出を行うことを特徴とする請求項15または16に記載の自動供給化装置。
【請求項18】
前記制御部は、前記開始指令の入力後、前記工程6の実施前に、前記容器が前記容器載置台から除去されたとき、前記高さ調整手段、前記角度調整手段、および前記レバー操作手段を前記開始指令の入力前の状態に戻すように制御することを特徴とする請求項15乃至17のいずれか1項に記載の自動供給化装置。
【請求項19】
前記液面検出手段は、上方より光波または音波を放射してその反射波を検出することにより液面を検出する検出手段であって、前記容器の内面からの反射波の有無の検出も行うように構成され、前記開始指令の入力後から前記工程6の実施まで前記検出結果を出力するように構成され、
前記制御部は、前記検出結果により、前記容器が前記容器載置台から除去されたか否かを判別することを特徴とする請求項18に記載の自動供給化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レバーの手動操作によるビールコックを設置したビールサーバーに取り付け可能に構成され、電動手段によりレバーの操作等を行って、自動的に容器へのビールの注入を可能とする自動供給化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビールサーバーに取り付けられているビールコックは、通常、ビール吐出口と泡吐出口とを備え、レバーを手動で操作することによりいずれかの吐出口を選択して吐出する。先ずビール吐出口よりビールを容器に注ぎ、その後に泡吐出口より泡状にしたビールを注ぐことができる。従来、ビールコックのレバーの操作やそれに伴う容器の傾けを手動で行って、容器に注入されるビールや泡の量、さらには泡の状態を最適に制御するためには、その操作には熟練を必要としていた。そこで、手動操作によるビールコックを設置したビールサーバーに取り付けて、電動によりレバーの操作や容器の傾けを自動的に制御することを可能とした自動供給化装置が開発されている。その従来例が特許文献1及び2に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-12783号公報
【文献】特開2014-223942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の自動供給化装置においては、自動化されている操作の範囲は十分ではなく、使用に際しては様々な初期設定操作等が必要とされていた。先ず、使用する容器、すなわち、ビールを注入するグラスの大きさを設定し、ビールや泡の注入量は、グラスの大きさに合わせて、それぞれの吐出口からの吐出時間を設定する必要があった。通常、樽内のビールを押し出す圧力は、その樽の温度に応じて最適な圧力に調整される。その結果、上記圧力に応じて吐出口からの流量が変化するので、従来の自動供給化装置においては、樽の交換等により樽の温度が変化した場合、その都度吐出時間を再設定しなければならない。また、使用するグラスの大きさの種類も限定されていた。ビール、泡それぞれの吐出工程に対して、グラスの傾け角度の設定の種類や角度範囲も十分に選択可能とはなっていなかった。
【0005】
そこで、本発明は、係る問題を解決するためになされたものであり、従来よりも必要とする設定操作が少なく、かつ、容器やビール及び泡の注入量に対する設定の自由度が大きい自動供給化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の観点では、本発明は、供給されたビールをレバーの手動操作によりビール吐出口より吐出させるか、または、前記ビールを泡状にして泡吐出口より吐出させる機能を有するビールコックを設置したビールサーバーに取り付け可能に構成され、電動手段により、前記レバーの操作と、前記ビール吐出口または前記泡吐出口より吐出されたビールが注入される容器の位置の移動と、を行う機能を有する自動供給化装置であって、前記容器を載置する容器載置台と、前記容器載置台を上下方向に移動させる高さ調整手段と、前記容器載置台に載置された前記容器の上端の位置を検出する容器位置検出手段と、前記容器載置台を前記ビールサーバーの前面にほぼ平行な面内で振り子状に回転させて傾ける角度調整手段と、前記レバーの操作を行うレバー操作手段と、前記容器内に注入されたビールの液面の位置を検出する液面検出手段と、前記容器位置検出手段および前記液面検出手段からの情報に基づき、前記高さ調整手段、前記角度調整手段、および前記レバー操作手段を制御する制御部と、を備え、前記制御部に開始指令を入力することにより、前記供給されたビールが前記ビール吐出口および前記泡吐出口より前記容器内に自動的に注入されるように制御することを特徴とする自動供給化装置を提供する。
【0007】
本観点の発明の自動供給化装置は、先ず、容器位置検出手段を設けることにより、使用するグラスの上端部分を検知し、ビールや泡の吐出を行う際に、その上端部分をビール吐出口や泡吐出口に対して常に最適な位置となるように設定できる。これにより、限定された種類のグラスの高さに応じて上方への移動量を設定する従来の自動供給化装置に比べて、使用するグラス大きさの自由度を増やすことができる。さらに、容器内に注入されたビールの液面の位置を検出する液面検出手段を設けることにより、検出したグラスの上端部分に対するビールの液面や泡状にしたビールの液面の位置が把握でき、樽内のビールを押し出す圧力に関係なく、ビールや泡の注入量を自動的に望ましい値に設定することができる。また、容器載置台をビールサーバーの前面にほぼ平行な面内で振り子状に回転させて傾ける角度調整手段によりグラスの傾け操作を行うので、グラスの傾け角度を大きく設定することができる。
【0008】
なお、高さ調整手段、角度調整手段、およびレバー操作手段を制御する制御部への吐出動作を開始するための開始指令の入力は、開始ボタンや操作パネル等を備えた操作部を設け、その操作部より手動で開始指令を入力するように構成してもよく、または、容器載置台へのグラスの載置を検知し、その検知により制御部に開始指令が入力されるように構成してもよい。
【0009】
また、本発明に用いる容器位置検出手段、液面検出手段としては、様々な手段を用いることができる。例えば、光源からの光をグラスの上端や液面に照射してその反射光を光検出器により検知することによりその位置を検出する光学的な手段などがある。また、音波を放射し、その反射波を検出する手段を用いてもよい。
【0010】
第2の観点では、本発明は、前記第1の観点の自動供給化装置において前記制御部は操作部を備え、前記開始指令の入力を前記操作部より行うように構成したことを特徴とする。本観点の発明の操作部は、開始指令の入力だけでなく、ビールや泡の吐出、その際の容器載置台の傾け角度、及びグラスへの注入量などの制御において、各操作の条件を入力するための操作パネルや操作ボタンなどで構成されていてもよい。
【0011】
第3の観点では、本発明は、前記第1または第2の観点の自動供給化装置において、前記容器の前記容器載置台への載置の有無を検出する容器載置検出手段を備え、前記制御部は、前記容器載置台に前記容器が載置されていないときは、前記開始指令の入力を行うことができないように制御することを特徴とする。
【0012】
本発明の自動供給化装置の操作の開始のためには、グラスが容器載置台に載置されていることが必要である。本観点の発明は、容器載置検出手段を設け、その情報によりグラスの載置の有無を検出する。容器載置台にグラスが載置されていないときは、誤って操作部から開始指令を送出する操作ボタン等を押しても、開始指令が入力できないように設定するものである。なお、容器載置検出手段としては、容器位置検出手段、液面検出手段と同様な検出手段、例えば光学的なセンサを用いることができる。また、容器載置台の重量変化による検出や、容器載置台上に接触型のセンサ等を設置してもよい。
【0013】
第4の観点では、本発明は、前記第2または第3の観点の自動供給化装置において、前記容器位置検出手段は、前記容器の上端が前記ビール吐出口または前記泡吐出口に対して所定の位置となったときに位置検出情報を送出するように設定され、前記制御部は、前記開始指令の入力後、前記高さ調整手段により前記容器載置台を上方に移動させ、前記位置検出情報を検出したときに前記高さ調整手段による移動を停止させる工程である工程1を実施するよう制御することを特徴とする。
本観点の発明では、開始指令の入力後、容器載置台を上方に移動させ、載置されたグラスの上端が、ビール吐出口や泡吐出口に対して吐出操作を行うのに最適な位置となったときに、容器位置検出手段により位置検出情報を送出し、その状態で移動を停止するように制御できる。
【0014】
第5の観点では、本発明は、前記第4の観点の自動供給化装置において、前記制御部は、前記工程1による前記容器載置台の上方への移動量を検出することにより、前記容器の高さを算出することを特徴とする。
本発明において、特定の条件での自動供給動作における容器載置台の移動前の位置、及びグラスの上端が移動後停止する位置は一定である。そこで、容器載置台の上方への移動量を検出することによりグラスの高さを求めることができる。上記の移動量の検出方法は公知の様々な方法を用いることができる。例えば、容器載置台を上昇させる際に、連続した突起を設けたスライダーを移動させ、その突起が所定の位置に設置したフォトセンサを通過する数をカウントし、移動距離を算出することができる。
【0015】
第6の観点では、本発明は、前記第5の観点の自動供給化装置において、前記制御部は、前記工程1を実施後、前記角度調整手段により前記容器載置台を鉛直方向に対して所定の第1の角度傾ける工程である工程2を実施するように制御することを特徴とする。
本観点の発明では、上記のように、工程1により、グラスを上方に移動して、グラスの上端が所定の位置になった後に、工程2として、容器載置台の傾け角度、すなわち、容器載置台に載置したグラスの傾け角度を、予め定めた所定の第1の角度となるように制御する。
【0016】
第7の観点では、本発明は、前記第6の観点の自動供給化装置において、前記制御部は、前記工程2を実施後、前記レバー操作手段により前記ビール吐出口からのビールの吐出を開始する工程である工程3を実施するように制御することを特徴とする。本観点の発明で実施する工程3では、グラスを工程2により第1の角度傾けた状態でビール吐出口からのビールの吐出を行う。
【0017】
第8の観点では、本発明は、前記第7の観点の自動供給化装置において、前記制御部は、前記容器が鉛直に置かれたときに前記容器へ注入されたビールの液面の高さが前記容器の高さに対して所定の割合となるような前記容器載置台の傾きに対するビール液面位置を算出することを特徴とする。本観点の発明では、グラスが鉛直に置かれた場合に、グラスの高さに対して注入するビールの液面の高さをどの程度とするかを予め設定する。その設定された所定の割合にするための、グラスを傾けた状態での液面の位置を算出するものである。
【0018】
第9の観点では、本発明は、前記第8の観点の自動供給化装置において、前記制御部は、前記工程3を実施後、前記液面検出手段からの情報に基づき、前記容器へ注入されたビールの液面の位置が前記ビール液面位置となったときに、前記ビール吐出口からのビールの吐出を停止する工程4を実施するように制御することを特徴とする。第1の角度傾けた状態でビール吐出口からのビールの吐出を開始する工程3を実施後、工程4では、ビールを吐出する間、注入されたビールの液面の位置を監視し、前記ビール液面位置となったときに、ビールの吐出を停止する。
【0019】
第10の観点では、本発明は、前記第9の観点の自動供給化装置において、前記制御部は、前記工程3を実施後、所定の時間が経過後、または前記液面検出手段からの情報により前記容器へ注入されたビールの液面の位置が所定の位置となったとき、前記角度調整手段により前記容器載置台を鉛直方向に対して所定の第2の角度に設定した後、前記工程4を実施するように制御することを特徴とする。
本観点の発明では、先ず、グラスを工程2により第1の角度傾けた状態でビール吐出口からのビールの吐出を予め定めた所定の時間だけ、またはグラスへ注入されたビールの液面の位置が所定の位置となるまで行う。その後、グラスの傾け角度を予め定めた第2の角度に変更してビールの吐出を継続する。その後、前記ビール液面位置なったときにビールの吐出を停止する工程4を実施する。
グラスへのビールの注入は第1の傾け角度が最適な条件であるが、その角度では液面検出手段からの液面の正確な位置情報が得られなく液面の制御が難しい場合に、本観点の発明を用いることができる。すなわち、本観点の発明では、ビールの液面の位置が前記ビール液面位置に近づく手前で、グラスの傾きを液面の位置情報をより得やすい第2の傾け角度に変更して制御することができる。
【0020】
第11の観点では、本発明は、前記第9の観点の自動供給化装置において、前記制御部は、前記工程3を実施後、所定の時間が経過後、または前記液面検出手段からの情報により前記容器へ注入されたビールの液面の位置が所定の位置となったとき、前記角度調整手段により前記容器載置台を鉛直方向に対して所定の第2の角度となるまで連続的または段階的に変化させ、その後、前記工程4を実施するように制御することを特徴とする。
本観点の発明では、先ず、グラスを工程2により第1の角度傾けた状態でビール吐出口からのビールの吐出を予め定めた所定の時間だけ、またはグラスへ注入されたビールの液面の位置が所定の位置となるまで行う。その後、グラスの傾け角度を予め定めた第2の角度となるまで連続的または段階的に変化させ、ビールの吐出を継続する。その後、前記ビール液面位置なったときにビールの吐出を停止する工程4を実施する。第2の角度となるまで段階的に変化させる場合は、任意の複数回の段階を選択可能である。
【0021】
第12の観点では、本発明は、前記第10または11の観点の自動供給化装置において、前記第1の角度は30度以上であり、前記第2の角度は前記第1の角度より小さいことを特徴とする。発明者らの実験においては、ビールの注入に適したグラスの角度は30度以上であることが確認されている。本発明の角度調整手段は、ビールサーバーの前面にほぼ平行な面内で振り子状に回転させて傾けるので、従来に比べて大きな傾け角度を設定できる。泡が立たないようにビールを注ぐためには、45度程度が望ましい。
【0022】
第13の観点では、本発明は、前記第9乃至12の観点の自動供給化装置において、前記制御部は、前記工程4を実施後、前記角度調整手段により前記容器載置台を鉛直方向に対して所定の第3の角度に設定した後、前記泡吐出口から泡状のビールの吐出を開始する工程5Aを実施するよう制御することを特徴とする。ここで、所定の第3の角度は、泡状のビールの注入に適した角度であり、一般的にはグラスは鉛直方向に置かれる。すなわち、第3の角度は0度とするのが一般的であるが、0~10度の角度であってもよい。
【0023】
第14の観点では、本発明は、前記第9乃至12の観点の自動供給化装置において、前記制御部は、前記工程4を実施後、前記泡吐出口から泡状のビールの吐出を開始し、前記角度調整手段により前記容器載置台を鉛直方向に対して所定の第3の角度となるまで連続的または段階的に変化させる工程5Bを実施するよう制御することを特徴とする。本観点の発明では、ビールの吐出を停止した後のグラスが第1の角度または第2の角度にある状態から泡状のビールの吐出を開始し、グラスを第3の角度に連続的または段階的に変化させながら泡状のビールの吐出を継続する。
【0024】
第15の観点では、本発明は、前記第13または14の観点の自動供給化装置において、前記制御部は、前記工程5Aまたは5Bを実施後、前記液面検出手段による情報により前記泡状のビールの液面が所定の位置になったときに前記泡状のビールの吐出を停止する工程6を実施するように制御することを特徴とする。
本観点の発明において、泡状のビールの液面の所定の位置は、容器の高さを基準とした割合、注入されたビールの高さと注入された泡状のビールの高さの比率、等を予め設定し、それらの割合や比率などに基づいて設定してもよい。
【0025】
第16の観点では、本発明は、前記第15の観点の自動供給化装置において、前記容器が鉛直に置かれたときの前記容器へ注入されたビールの液面の高さの前記容器の高さに対する所定の割合、前記工程6における前記泡状のビールの液面の所定の位置、または、前記工程6の実施が終了するときの注入されたビールの高さと注入された泡状のビールの高さの比率、の少なくとも1つは、前記操作部への入力により変更可能に設定されることを特徴とする。
通常、ビールの注入量のグラス容量に対する割合や泡状のビールの液面の位置、ビールの高さと注入された泡状のビールの高さの比率等は、個人的な嗜好に依存するので、簡単に変更できることが望ましい。そこで、本観点の発明では、操作パネルなどの操作部への入力により変更可能に設定されている。
【0026】
第17の観点では、本発明は、前記第15または16の観点の自動供給化装置において、前記制御部は、前記ビールの液面が所定の位置となるまでの吐出時間により前記容器の断面積を算出し、該断面積による補正を行って、前記ビール液面位置の算出を行うことを特徴とする。
グラスを傾けてビールを注入する場合、本観点の発明のように、ビールの液面が所定の位置となるまでの吐出時間によりグラスの断面積を算出し、その断面積による補正を行って制御する方がグラスの容量に対する注入量を詳細に制御できる。
【0027】
第18の観点では、本発明は、前記第15乃至17の観点の自動供給化装置において、前記制御部は、前記開始指令の入力後、前記工程6の実施前に、前記容器が前記容器載置台から除去されたとき、前記高さ調整手段、前記角度調整手段、および前記レバー操作手段を前記開始指令の入力前の状態に戻すように制御することを特徴とする。本観点の発明では、吐出動作の途中にグラスが誤って除去された際にすぐに吐出動作を停止して初期状態に戻すことができる。グラスの除去を検出する方法は、容器載置検出手段からの情報を利用することや、容器位置検出手段、液面検出手段に容器の有無を検出する機能を持たせることなどが可能である。
【0028】
第19の観点では、本発明は、前記第18の観点の自動供給化装置において、前記液面検出手段は、上方より光波または音波を放射してその反射波を検出することにより液面を検出する検出手段であって、前記容器の内面からの反射波の有無の検出も行うように構成され、前記開始指令の入力後から前記工程6の実施まで前記検出結果を出力するように構成され、前記制御部は、前記検出結果により、前記容器が前記容器載置台から除去されたか否かを判別することを特徴とする。
本観点の発明では、液面検出手段として、例えば、上方より光波を放射してその反射波を検出することにより液面を検出する方法を用い、グラスの内面からの反射波の有無の検出も行うように構成すれば、グラスの有無も検出が可能となる。そこで、開始指令の入力後から泡の吐出を停止するすべての工程が完了するまでその検出結果を出力するように構成すれば、グラスが誤って除去された際にすぐに吐出動作を停止して初期状態に戻すことができる。
【発明の効果】
【0029】
上記のように、本発明により、従来よりも必要とする設定操作が少なく、容器やビール及び泡の注入量に対する設定の自由度が大きい自動供給化装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明による自動供給化装置の実施例の概略を示す正面図。
【
図2】ビールコックのレバーの操作状態を模式的に示す側面図であり、
図2(a)は吐出なしの状態、
図2(b)はビール吐出の状態、
図2(c)は泡吐出の状態をそれぞれ示す。
【
図3】本実施例の制御工程を説明するために示すフローチャート。
【
図4】ステップS7終了後の自動供給化装置の状態を示す正面図。
【
図5】ステップS9終了後の自動供給化装置の状態を示す正面図。
【
図6】
図6(a)、(b)は、それぞれ、ステップS12およびS15を実施中の、自動供給化装置の状態を示す正面図。
【
図7】
図7(a)、(b)は、それぞれ、ステップS19を実施中およびステップS20を実施後のビールの自動供給化装置の状態を示す正面図。
【
図8】ステップS21を終了後の、ビールの自動供給化装置の状態を示す正面図。
【
図9】本実施例の角度調整手段に適用可能な角度調整機構の一例を示す模式的な構造図であり、
図9(a)は容器載置台の傾きなしの場合、
図9(b)は容器載置台を傾けた場合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照して本発明の自動供給化装置を実施例により詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一符号を付し、その重複した説明を省略する。
【実施例】
【0032】
図1は、本発明による自動供給化装置の実施例の概略を示す正面図である。
図1において、本実施例の自動供給化装置10は、ビールサーバー1に取り付け可能に構成された自動供給化装置である。ここで、ビールサーバー1は、ビールコック2を設置しており、ビールコック2は、レバー3の操作により、供給されたビールをビール吐出口4より吐出させるか、または、泡状にして泡吐出口5より吐出させる機能を有している。
図2は、ビールコック2のレバー3の操作状態を模式的に示す側面図であり、
図2(a)は吐出なしの状態、
図2(b)はビール吐出の状態、
図2(c)は泡吐出の状態をそれぞれ示す。
図2に示すように、レバー3を前方に倒した場合、供給されたビールをビール吐出口4より吐出させ、レバー3を後方に倒した場合、供給されたビールを泡状にして泡吐出口5より吐出させる。
本実施例の自動供給化装置10においては、電動手段により、レバー3の操作と、ビール吐出口4または泡吐出口5より吐出されたビールが注入されるグラス等の容器6の位置の移動とを行う機能を有している。
【0033】
図1に示すように、自動供給化装置10は、容器6を載置する容器載置台11と、容器載置台11を上下方向に移動させる高さ調整手段と、容器載置台11に載置された容器6の上端の位置を検出する容器位置検出器12と、容器載置台11をビールサーバー1の前面にほぼ平行な面内で振り子状に回転させて傾ける角度調整手段と、レバー3の操作を行うレバー操作手段とを有している。また、容器載置検出手段として、容器有無検出器7を備えている。
【0034】
また、自動供給化装置10は、容器6内に注入されたビールの液面の位置を検出する液面検出器13と、容器位置検出器12および液面検出器13からの情報に基づき、高さ調整手段、角度調整手段、およびレバー操作手段を制御する制御部14とを備えている。制御部14は、制御部14に開始指令を入力することにより、ビールサーバー1に供給されたビールがビール吐出口4および泡吐出口5より容器6内に自動的に注入されるように制御する。
【0035】
本実施例においては、電動手段を用いた角度調整手段により、回転軸15aを中心として、ビールサーバー1の前面にほぼ平行な面内で振り子状に回転させることにより傾斜可能に構成された傾斜側板15を有し、容器載置台11は、傾斜側板15に対して垂直に取り付けられている。また、容器載置台11は、電動手段を用いた高さ調整手段により、傾斜側板15に対する垂直な角度を保ったまま、上下に移動可能に構成されている。
【0036】
また、容器位置検出器12および液面検出器13は、光源からの光を容器6の上端や容器6に注入されたビールの液面に照射して、その反射光を光検出器により検知することによりその位置を検出する光学的な検出器である。容器有無検出器7も容器6の側面からの反射光を検出する容器位置検出器12と同様な検出器である。
なお、本実施例の液面検出器13は、ビールや泡状のビールの液面からの反射光によりその液面の位置を検出する機能を有するのみでなく、容器6の内部壁からの反射光の有無の検出も可能に構成することにより、容器6の載置の有無も検出可能としている。これにより、すべての工程において、容器6が容器載置台11から除去されたか否かを液面検出器13により判別することが可能となり、グラスが誤って除去された際にすぐに吐出動作を停止して初期状態に戻すことができる。
【0037】
制御部14は、操作部を備え、その操作部は、開始指令の入力を行う操作ボタン16と、ビールや泡の吐出、その際の容器載置台の傾け角度、及び容器への注入量などの制御において、各操作の条件を入力するための操作パネル17を備えている。
【0038】
以下、本実施例の自動供給化装置10の制御工程を説明する。
図3は、本実施例の制御工程を説明するために示すフローチャートである。
【0039】
先ず、ステップS1として、操作パネルに下記の5つの設定条件を入力する。
(1)設定条件1:ビールを注入するときの初期の容器の傾斜角度θ1
(2)設定条件2:ビール液面が所定の高さとなった後の容器の傾斜角度θ2
(3)設定条件3:容器の高さLに対する最終的なビール液面の高さA/L
(4)設定条件4:容器の高さLに対する最終的な泡面の高さB/L
(5)設定条件5:傾斜角度をθ1からθ2に変更するときのビール液面の高さC/L
ここでは、上記のように、容器の高さに対する目標とするビール液面の高さ、及び泡面の高さを、例えば百分率表示で設定して入力する。さらに、本実施例においては、ビールを注入するときの初期の容器の第1の傾斜角度をθ1とし、ビール液面が所定の高さとなった後の容器の第2の傾斜角度をθ2とする制御を行うものとし、それらの角度と、その角度変更を行う所定のビール液面の高さC/Lを入力する。なお、泡状のビールの吐出時の容器の角度は鉛直方向とする。例えば、θ1 の値としては45度、θ2の値としては30度とすることができる。
【0040】
次に、ステップS2として容器6を容器載置台11に載置し、ステップS3として、操作ボタン16を押し、開始指令の入力を行う。このとき、制御部14では、ステップS4として、容器有無検出器7により容器載置台11に容器6が載置されているか確認し、載置されていれば、ステップS5として、高さ調整手段により容器載置台11の上昇を開始させ、載置されていなければ、ステップS2の前に戻る。
【0041】
次に、制御部14は、ステップS6として、容器6の上端がビール吐出口4および泡吐出口5に対して吐出操作を行うのに最適な位置となったときに位置検出情報を送出するように設定された容器位置検出器12よりの位置検出情報の受信を監視し、その位置検出情報を受信したときに、ステップS7として、容器載置台11の上昇を停止する。なお、ステップS5からステップS7までの工程が工程1である。
図4は、ステップS7を終了後の自動供給化装置10の状態を示す正面図である。
また、制御部14は、ステップS8として、工程1による容器載置台11の上方への移動量を検出することにより、容器6の高さを算出する。
【0042】
次に、制御部14は、ステップS9として、角度調整手段により、容器載置台11を鉛直方向に対して所定の第1の角度であるθ
1傾ける。このステップS9が工程2である。
図5は、ステップS9終了後の自動供給化装置10の状態を示す正面図である。
その後、ステップS10として、容器載置台11を角度θ
1傾けた状態で、レバー操作手段によりビール吐出口4からのビールの吐出を開始する。ステップS10が工程3である。
【0043】
次に、制御部14は、ステップS11として、容器6が鉛直に置かれたときに容器6へ注入されたビールの液面の高さが容器の高さLに対して操作パネル17に設定したC/Lとなるような容器載置台の傾きθ1に対するビール液面位置H1を算出する。すなわち、容器6の傾きがない場合の液面の高さをC/Lにするための、容器6を傾けた状態での液面の位置を算出するものである。この場合、単位時間当たりの吐出量は一定であるので、ビールの液面が予め定めた所定の位置となるまでの吐出時間により容器6の断面積を算出し、その断面積による補正を行って上記のビール液面位置H1を算出する。
【0044】
次に、制御部14は、ステップS12として、液面検出器13からの情報を受信して容器6へ注入されたビールの液面の位置hを監視し、液面の位置hがビール液面位置H1に達しているかの判定を行う。
液面の位置hがビール液面位置H1に達した場合、ステップS13として、角度調整手段により容器載置台11を鉛直方向に対して所定の第2の角度であるθ
2に設定する。このとき、ビール吐出口4からのビールの吐出は継続する。
図6(a)は、ステップS12を実施中の、ビールの自動供給化装置10の状態を示す正面図である。注入されたビール18の液面がH1となったときにステップS13に移行する。
【0045】
次に、制御部14は、ステップS14として、容器6が鉛直に置かれたときに容器6へ注入されたビールの液面の高さが容器の高さLに対して操作パネルに設定したA/Lとなるような容器載置台11の傾きθ
2に対するビール液面位置H2を算出する。さらに、ステップS15として、ビールの液面の位置hの監視を継続し、液面の位置hがビール液面位置H2に達しているかの判定を行う。
その後、ビールの液面の位置hがビール液面位置H2になったとき、ステップS16としてビールの吐出を停止する。本実施例においては、ステップS15~ステップS16が工程4である。
図6(b)は、ステップS15を実施中の、ビールの自動供給化装置10の状態を示す正面図である。注入されたビール18の液面がH2となったときにステップS16に移行する。
なお、容器載置台11の傾斜角度をθ
1の1種類とし、A/L=C/Lとして、ステップS12~S14を省いてもよい。
【0046】
次に、制御部14は、ステップS17として、角度調整手段により容器載置台11を鉛直方向に戻し、ステップS18として、泡吐出口5から泡状のビールの吐出を開始する。制御部14は、ステップS19として、液面検出器13からの情報を受信して容器6へ注入された泡状のビールの液面の位置hを監視し、液面の位置hが目標とした泡面の高さB/Lに対応する液面位置H3に達しているかの判定を行う。その後、泡の液面の位置hが泡の液面位置H3に達した場合、ステップS20として、泡状のビールの吐出を停止する。
図7(a)は、ステップS19を実施中の、ビールの自動供給化装置10の状態を示す正面図である。注入された泡状のビール19の液面がH3となったときにステップS20に移行する。
図7(b)は、ステップS20を実施後の、ビールの自動供給化装置10の様子を示す正面図である。
図7(b)はB/L=1の場合を示している。
【0047】
最後に、ステップS21として、容器載置台11を元の位置に戻してすべての操作を終了する。
図8は、ステップS21を終了後の、ビールの自動供給化装置10の状態を示す正面図である。
【0048】
なお、本実施例においては、ステップS4における容器載置台11への容器の載置の有無の検出は容器有無検出器7により行い、その後、S5からS20までの工程においては、容器6の載置の有無の検出は液面検出器13により行うように設定されている。
【0049】
図9は、本実施例の自動供給化装置10の角度調整手段に適用可能な角度調整機構の一例を模式的に示す構造図であり、
図9(a)は容器載置台の傾きなしの場合、
図9(b)は容器載置台を傾けた場合を示す。
図9において、角度調整機構20は、押し棒21と、その先端に設けたローラー22と、2つの腕23aと23bとがくの字状に結合した回転棒23と、腕23bの端に止め具25により回転可能に結合した傾斜棒26と、傾斜棒26の先端に設けたローラー27と、ローラー27が当接する凹面上の曲面を有するローラー受け28と、2つの腕23aと23bの結合部に設けその位置を固定された固定回転軸24と、傾斜側板15とローラー受け28とを固定した固定基板29とから構成されている。
図9では説明のためすべて実線で示しているが、実際には、固定基板29の前側に傾斜側板15と容器載置台11が設置され、固定基板29の後側に他の構造物が設置されている。
【0050】
角度調整機構20の動作を以下に説明する。先ず、電動手段を使用して、押し棒21を下方に押すことにより、その先端に設けたローラー22が腕23aを押し下げ、回転棒23が固定回転軸24を中心に回転し、腕23bの端の止め具25により傾斜棒26が上に押し上げられる。これにより、傾斜棒26の先端に設けたローラー27が当接するローラー受け28を押し上げる。ローラー受け28は固定基板29に固定され、傾斜板15も固定基板29に固定されているので、傾斜側板15は、回転軸15aを中心に回転する。
【0051】
本実施例に用いる角度調整手段としては、
図9に示した角度調整機構に限定されることなく、任意の公知の角度調整機構を使用できる。また、高さ調整手段としても任意の公知の高さ調整機構を使用可能である。
【0052】
以上の実施例により、従来よりも必要とする設定操作が少なく、容器やビール及び泡の注入量に対する設定の自由度が大きい自動供給化装置が得られることが確認できた。
【0053】
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではないことは言うまでもなく、目的や用途に応じて設計変更可能である。例えば、泡状のビールの吐出を行うときの容器の傾き、すなわち第3の角度は、鉛直方向に限定されず、多少の角度傾いていてもよい。また、容器を第1の角度から第2の角度に変更するとき、ビールの吐出を継続しながら第1の角度から第2の角度に連続的または段階的に変化させてもよい。同様に、ビールの吐出を終了後、第3の角度において泡状のビールの吐出を行うとき、第1の角度または第2の角度にある状態から泡状のビールの吐出を開始し、容器を第3の角度まで連続的または段階的に変化させながら泡状のビールの吐出を継続してもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 ビールサーバー
2 ビールコック
3 レバー
4 ビール吐出口
5 泡吐出口
6 容器
7 容器有無検出器
10 自動供給化装置
11 容器載置台
12 容器位置検出器
13 液面検出器
14 制御部
15 傾斜側板
15a 回転軸
16 操作ボタン
17 操作パネル
18 注入されたビール
19 注入された泡状のビール
20 角度調整機構
21 押し棒
22、27 ローラー
23 回転棒
23a、23b 腕
24 固定回転軸
25 止め具
26 傾斜棒
28 ローラー受け
29 固定基板