(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】マイクロ光学ベンチコンポーネントを用いる、面内光学軸を備えた光学MEMS構造のバッチ試験用の集積化光学プローブカード及びシステム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20221116BHJP
G02B 6/30 20060101ALI20221116BHJP
G02B 6/42 20060101ALI20221116BHJP
G01R 31/28 20060101ALI20221116BHJP
G01M 11/00 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
H01L21/66 B
H01L21/66 X
G02B6/30
G02B6/42
G01R31/28 L
G01M11/00 T
(21)【出願番号】P 2019527167
(86)(22)【出願日】2017-11-21
(86)【国際出願番号】 US2017062854
(87)【国際公開番号】W WO2018094407
(87)【国際公開日】2018-05-24
【審査請求日】2020-10-21
(32)【優先日】2016-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511248294
【氏名又は名称】シーウェア システムズ
【氏名又は名称原語表記】SI-WARE SYSTEMS
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】サダニイ,バサム
(72)【発明者】
【氏名】メダット,モスタファ
(72)【発明者】
【氏名】ナギイ,ムハメッド
(72)【発明者】
【氏名】シェブル,アハメド
(72)【発明者】
【氏名】サブリィ,ヤセル,エム.
(72)【発明者】
【氏名】モルタダ,バセム
(72)【発明者】
【氏名】カーリル,ディアー
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0013359(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
G02B 6/30
G02B 6/42
G01R 31/302
G01M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミラー及びアクチュエータを含む光学MEMS構造をバッチ試験するための集積化光学プローブカードにおいて、
入力ビームを生成するように、且つ光学MEMS構造の方へ前記入力ビームを提供するように構成されたソースであって、前記光学MEMS構造が、面内光学軸を含む、ソースと、
前記光学MEMS構造からの出力ビームを受信するように光学的に結合された検出器と、
前記面内光学軸に垂直な面外方向に伝搬する前記入力ビームを前記ソースから受信するように、且つ前記光学MEMS構造の前記面内光学軸を含む面内方向に前記入力ビームを方向転換して、前記入力ビームを前記面内方向で前記光学MEMS構造に注入するように、前記集積化光学プローブカード上に集積された、且つ光学的に結合されたマイクロ光学ベンチコンポーネントであって、前記面内方向に伝搬する前記出力ビームを前記光学MEMS構造から受信するように、且つ前記検出器の方へ、前記面外方向に前記出力ビームを方向転換するように、更に光学的に結合されたマイクロ光学ベンチコンポーネントと、
含み、
前記マイクロ光学ベンチコンポーネントが、前記光学MEMS構造を構成するウェーハの被エッチング層であるデバイス層に形成され、
前記入力ビームが伝搬する前記面外方向に延びる光学プローブカードヘッド及び前記出力ビームが伝搬する前記面外方向に延びる光学プローブカードヘッドが、前記デバイス層の被エッチング部分に光学的に結合されることを特徴とする集積化光学プローブカード。
【請求項2】
請求項1に記載の集積化光学プローブカードにおいて、
前記マイクロ光学ベンチコンポーネントが、
前記光学MEMS構造内の前記入力ビームの伝搬用に、前記面外方向から前記面内方向に前記入力ビームを方向転換するように光学的に結合された第1のマイクロ光学ベンチコンポーネントと、
前記面内方向から前記面外方向に前記出力ビームを方向転換するように光学的に結合された第2のマイクロ光学ベンチコンポーネントと、
を含むことを特徴とする集積化光学プローブカード。
【請求項3】
請求項2に記載の集積化光学プローブカードにおいて、
前記第1のマイクロ光学ベンチコンポーネントが、第1の切断面を生成するために、45度の切断角度で切断された第1の光ファイバを含み、
前記第2のマイクロ光学ベンチコンポーネントが、第2の切断面を生成するために、45度の切断角度で切断された第2の光ファイバを含むことを特徴とする集積化光学プローブカード。
【請求項4】
請求項3に記載の集積化光学プローブカードにおいて、
前記第1の切断面が、全内部反射を利用して前記光学MEMS構造の方へ、前記面外方向から前記面内方向に前記入力ビームを方向転換するように構成され、
前記第2の切断面が、全内部反射を利用して前記検出器の方へ、前記面内方向から前記面外方向に前記出力ビームを方向転換するように構成されることを特徴とする集積化光学プローブカード。
【請求項5】
請求項3に記載の集積化光学プローブカードにおいて、
前記第1の切断面が、前記光学MEMS構造の方へ、前記面外方向から前記面内方向に前記入力ビームを方向転換するように構成された第1の反射コーティングを含み、
前記第2の切断面が、前記検出器の方へ、前記面内方向から前記面外方向に前記出力ビームを方向転換するように構成された第2の反射コーティングを含むことを特徴とする集積化光学プローブカード。
【請求項6】
請求項5に記載の集積化光学プローブカードにおいて、
前記第1及び前記第2の光ファイバのそれぞれが、それぞれの集積化grinレンズを含むことを特徴とする集積化光学プローブカード。
【請求項7】
請求項2に記載の集積化光学プローブカードにおいて、
前記第1のマイクロ光学ベンチコンポーネントが、第1のマイクロプリズムを含み、前記第2のマイクロ光学ベンチコンポーネントが、第2のマイクロプリズムを含み、
前記ソースから前記入力ビームを受信するように、且つ前記第1のマイクロプリズムの方へ前記入力ビームを導くように光学的に結合された入力光ファイバと、
前記第2のマイクロプリズムから前記出力ビームを受信するように、且つ前記検出器の方へ前記出力ビームを導くように光学的に結合された出力光ファイバと、
を更に含むことを特徴とする集積化光学プローブカード。
【請求項8】
請求項7に記載の集積化光学プローブカードにおいて、
前記第1のマイクロプリズムが、前記光学MEMS構造の方へ、前記面外方向から前記面内方向に前記入力ビームを方向転換するように構成され
た第1の金属化表面を含み、
前記第2のマイクロプリズムが、前記検出器の方へ、前記面内方向から前記面外方向に前記出力ビームを方向転換するように構成され
た第2の金属化表面を含むことを特徴とする集積化光学プローブカード。
【請求項9】
請求項8に記載の集積化光学プローブカードにおいて、
前記第1の金属化表面及び前記第2の金属化表面が、各々の曲面をそれぞれ含むことを特徴とする集積化光学プローブカード。
【請求項10】
請求項8に記載の集積化光学プローブカードにおいて、
前記入力光ファイバが、前記第1のマイクロプリズムを介して、前記光学MEMS構造に前記入力ビームを集束させるように光学的に結合された第1の集積化レンズを含み、
前記出力光ファイバが、前記検出器の方へ、前記出力ビームを集束させるように光学的に結合された第2の集積化レンズを含むことを特徴とする集積化光学プローブカード。
【請求項11】
請求項7に記載の集積化光学プローブカードにおいて、
前記第1のマイクロプリズムが、全内部反射を利用して前記光学MEMS構造の方へ、前記面外方向から前記面内方向に前記入力ビームを方向転換するように構成され、
前記第2のマイクロプリズムが、全内部反射を利用して前記検出器の方へ、前記面内方向から前記面外方向に前記出力ビームを方向転換するように構成されることを特徴とする集積化光学プローブカード。
【請求項12】
請求項11に記載の集積化光学プローブカードにおいて、
前記第1のマイクロプリズム及び前記第2のマイクロプリズムが、各々の曲面をそれぞれ含むことを特徴とする集積化光学プローブカード。
【請求項13】
請求項1に記載の集積化光学プローブカードにおいて、
前記面外方向に伝搬する前記入力ビームを前記マイクロ光学ベンチコンポーネントの方へ導くように光学的に結合された、且つ前記マイクロ光学ベンチコンポーネントから前記面外方向に伝搬する前記出力ビームを受信するように更に光学的に結合されたシングルコア光ファイバと、
前記シングルコア
光ファイバ、前記ソース及び前記検出器に光学的に結合された方向性結合器であって、前記ソースからの前記入力ビームを前記シングルコア
光ファイバに導くように、且つ前記シングルコア
光ファイバからの前記出力ビームを前記検出器に導くように構成される方向性結合器と、
を更に含むことを特徴とする集積化光学プローブカード。
【請求項14】
請求項1に記載の集積化光学プローブカードにおいて、
前記ソースからの前記入力ビームを前記マイクロ光学ベンチコンポーネントの方へ導くように光学的に結合された、且つ前記マイクロ光学ベンチコンポーネントからの前記出力ビームを前記検出器に導くように更に光学的に結合されたデュアルコア光ファイバ又は光ファイバ束を更に含むことを特徴とする集積化光学プローブカード。
【請求項15】
請求項1に記載の集積化光学プローブカードにおいて、
電子プローブカードに取り付けられることを特徴とする集積化光学プローブカード。
【請求項16】
請求項15に記載の集積化光学プローブカードにおいて、
前記電子プローブカードの1つ又は複数の電子ニードルに接して組み立てられることを特徴とする集積化光学プローブカード。
【請求項17】
請求項1に記載の集積化光学プローブカードにおいて、
前記マイクロ光学ベンチコンポーネントが作製されるプローブカード本体を更に含み、且つ少なくとも1つの光ファイバを受け入れるように構成される、前記プローブカード本体上に作製される少なくとも1つのグルーブを更に含むことを特徴とする集積化光学プローブカード。
【請求項18】
ウェーハ試験を実行するためのシステムにおいて、
試験下の複数のダイを含むウェーハであって、試験下の前記ダイのそれぞれが、ミラー及びアクチュエータを含む複数の光学MEMS構造のそれぞれの1つを含み、前記複数の光学MEMS構造のそれぞれが、面内光学軸を含む、ウェーハと、
光学プローブカードであって、
入力ビームを生成するように、且つ前記複数の光学MEMS構造における光学MEMS構造の方へ前記入力ビームを提供するように構成されたソースと、
前記光学MEMS構造から出力ビームを受信するように光学的に結合された検出器と、
前記面内光学軸に垂直な面外方向に伝搬する前記入力ビームを前記ソースから受信するように、且つ前記光学MEMS構造の前記面内光学軸を含む面内方向に前記入力ビームを方向転換して、前記入力ビームを前記面内方向で前記光学MEMS構造に注入するように、前記光学プローブカード上に集積された、且つ光学的に結合されたマイクロ光学ベンチコンポーネントであって、前記面内方向に伝搬する前記出力ビームを前記光学MEMS構造から受信するように、且つ前記検出器の方へ、前記面外方向に前記出力ビームを方向転換するように、更に光学的に結合されたマイクロ光学ベンチコンポーネントと、を含む光学プローブカードと、
を含み、
前記マイクロ光学ベンチコンポーネントが、前記ウェーハの被エッチング層であるデバイス層に形成され、
前記入力ビームが伝搬する前記面外方向に延びる光学プローブカードヘッド及び前記出力ビームが伝搬する前記面外方向に延びる光学プローブカードヘッドが、前記デバイス層の被エッチング部分に光学的に結合されることを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2016年11月21日に米国特許商標庁に出願された仮出願第62/425,028号、及び2017年11月20日に米国特許商標庁に出願された米国特許出願第15/818,736号の優先権及び利益を主張し、それらの出願の内容全体が、あたかもその全体において以下で完全に明らかにされるかのように、且つ全ての適用可能な目的のために、参照によって本明細書に援用される。
【0002】
以下で論じられる技術は、一般に、ダイのオンウェーハ試験を実行するために使用されるプローブカードに関し、特に、光学マイクロ電気機械システム(MEMS)構造のオンウェーハ試験用のプローブカードに関する。
【背景技術】
【0003】
電子プローブカードは、ウェーハレベルにおいて何千ものチップ又はダイを特徴付けるために、半導体メーカによって広く用いられている。市販の電子プローブカードは、ダイ上における試験下のデバイスに入力電気信号を供給し、次に出力信号を精査するために、特定の位置でダイと接触するように設計される垂直の金属針を典型的に含む。
【0004】
相補型金属酸化膜(CMOS)センサ、発光ダイオード(LED)、光検出器及び他の小型光学装置の導入と共に、光電子プローブカードが、ウェーハレベルにおけるこれらのデバイスの機能及び性能を特徴付けて試験するために開発された。例えば、光電子プローブカードが、ウェーハレベルでフォトダイオードを試験するために用いられ、その場合に光ビームが、ファイバコイルを介して垂直に注入され、同時に電子プローブは、試験下のフォトダイオードからの出力電気信号を感知する。同じ技術はまた、レンズアレイ及び光導波路アレイを用いるLEDアレイを特徴付けるために用いられてきた。オンウェーハマイクロミラーもまた、光学光を垂直に注入及び受信することによって特徴付けられてきた。
【0005】
加えて、ウェーハと平行に伝搬する光を必要とする光学コンポーネントを含むデバイス(例えば光学回路及び平面光波回路(PLC))のオンウェーハ測定は、光を面内に水平に注入する試験装置を利用して実行されてきた。しかしながら、水平光結合でウェーハの側面からウェーハにアクセスするかかる光学試験装置は、従来の電子プローブカードに容易に集積することができない。
【発明の概要】
【0006】
下記は、本開示の1つ又は複数の態様の基本的理解を提供するために、本開示の1つ又は複数の態様の簡略化された概要を提供する。この概要は、本開示の全ての考えられる特徴の広範囲な概観でなく、且つ本開示の全ての態様の主要な又は重要な要素を識別するようにも、本開示のいずれか又は全ての態様を描写するようにも意図されていない。その唯一の目的は、後で提示される一層詳細な説明の前置きとして、簡略化された形式で本開示の1つ又は複数の態様の幾つかの概念を提示することである。
【0007】
本開示の様々な態様は、面内光学軸を備えた光学マイクロ電気機械システム(MEMS)構造のウェーハ試験を実行するための集積化光学プローブカード及びシステムを提供する。光学MEMS構造のオンウェーハ光学スクリーニングは、光の垂直注入を用いた光学MEMS構造の試験を可能にするために、面内光学軸に垂直な面外方向と、面内光学軸と平行な面内方向との間で光を方向転換するための1つ又は複数のマイクロ光学ベンチコンポーネントを利用して実行されてもよい。かかる構成は、電子プローブカードの1つ又は複数の電子ニードルと接触して光学プローブカードを組み立てることができるようにする。
【0008】
幾つかの例において、マイクロ光学ベンチコンポーネントは、光学プローブカードと統合されてもよい。他の例において、マイクロ光学ベンチコンポーネントは、光学MEMS構造を含むウェーハ上に作製されてもよい。例えば、マイクロ光学ベンチコンポーネントは、ウェーハのダイシングストリートに作製されてもよい。
【0009】
本開示の一態様において、光学MEMS構造のバッチ試験用の集積化光学プローブカードが提供される。集積化光学プローブカードは、入力ビームを生成するように、且つ光学MEMS構造の方へ入力ビームを提供するように構成されたソースを含み、光学MEMS構造は、面内光学軸を含み、入力ビームは、面内光学軸に垂直な面外方向に伝搬する。集積化光学プローブカードは、光学MEMS構造からの出力ビームを受信するように光学的に結合された検出器を更に含み、出力ビームは、面外方向に伝搬する。集積化光学プローブカードは、面外方向と、光学MEMS構造の面内光学軸を含む面内方向との間で入力ビーム及び出力ビームを方向転換するように光学的に結合されたマイクロ光学ベンチコンポーネントを更に含む。
【0010】
本開示の別の態様は、試験下の複数のダイを含むウェーハを提供し、各ダイは、面内光学軸を含む複数の光学MEMS構造のそれぞれの1つを含む。ウェーハは、試験下の複数のダイ間の複数のダイシングストリート内に作製された複数のマイクロプリズムを更に含む。マイクロプリズムのそれぞれは、第1の表面又は第2の表面の少なくとも1つを含む。第1の表面は、面内光学軸に垂直な面外方向に伝搬する入力ビームを光学プローブカードから受信するように、且つ光学プローブカードの方へ、面外方向から面内光学軸を含む面内方向に入力ビームを方向転換するように構成されてもよい。第2の表面は、面内方向に伝搬する出力ビームを光学MEMS構造から受信するように、且つ光学プローブカードの方へ、面内方向から面外方向に出力ビームを方向転換するように構成されてもよい。
【0011】
本開示の別の態様は、ウェーハ試験を実行するためのシステムを提供する。システムは、試験下の複数のダイを含むウェーハを含み、各ダイは、面内光学軸を有する複数の光学MEMS構造のそれぞれの1つを含む。システムは、入力ビームを生成するように、且つ複数の光学MEMS構造における光学MEMS構造の方へ入力ビームを提供するように構成されたソースを含む光学プローブカードを更に含み、入力ビームは、面内軸に垂直な面外方向に伝搬する。光学プローブカードは、光学MEMS構造から出力ビームを受信するように光学的に結合された検出器を更に含み、出力ビームは、面外方向に伝搬する。システムは、面外方向と、光学MEMS構造の面内光学軸を含む面内方向との間で入力ビーム及び出力ビームを方向転換するように光学的に結合されたマイクロ光学ベンチコンポーネントを更に含む。
【0012】
本発明のこれらや他の態様は、後に続く詳細な説明の検討により、一層完全に理解されるであろう。本発明の他の態様、特徴及び実施形態は、添付の図と共に、本発明の特定の例示的な実施形態の以下の説明の検討により、当業者に明らかになろう。本発明の特徴は、以下の或る実施形態及び図に関連して説明され得るが、本発明の全ての実施形態は、本明細書で説明される有利な特徴の1つ又は複数を含むことができる。換言すれば、1つ又は複数の実施形態はまた、或る有利な特徴を有するように説明され得るが、かかる特徴の1つ又は複数はまた、本明細書で説明される本発明の様々な実施形態に従って用いられてもよい。同様の方式で、例示的な実施形態は、デバイス、システム又は方法実施形態として以下で説明され得るが、かかる例示的な実施形態が、様々なデバイス、システム及び方法において実施され得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本開示の幾つかの態様による、ウェーハ上に作製され得る光学MEMS構造の例を示す図である。
【
図2】
図2は、本開示の幾つかの態様による、ウェーハ上に作製された光学プローブカード及びマイクロ光学ベンチコンポーネントを用いて試験するための、光学MEMS構造を自らに有するウェーハを含むシステムの例を示す図である。
【
図3】
図3は、本開示の幾つかの態様による、ウェーハ上に作製された光学プローブカード及びマイクロ光学ベンチコンポーネントを用いて試験するための、光学MEMS構造を自らに有するウェーハを含むシステムの別の例を示す図である。
【
図4】
図4は、本開示の幾つかの態様による、ウェーハ上に作製された光学プローブカード及びマイクロ光学ベンチコンポーネントを用いて試験するための、光学MEMS構造を自らに有するウェーハを含むシステムの別の例を示す図である。
【
図5】
図5は、本開示の幾つかの態様による、ウェーハ上に作製された光学プローブカード及びマイクロ光学ベンチコンポーネントを用いて試験するための、光学MEMS構造を自らに有するウェーハを含むシステムの別の例を示す図である。
【
図6】
図6は、本開示の幾つかの態様による、ウェーハレベルで光学MEMS構造を試験するための、マイクロ光学ベンチコンポーネントを有する集積化光学プローブカードを含むシステムの例を示す図である。
【
図7】
図7は、本開示の幾つかの態様による、ウェーハレベルで光学MEMS構造を試験するための、マイクロ光学ベンチコンポーネントを有する集積化光学プローブカードを含むシステムの別の例を示す図である。
【
図8】
図8は、本開示の幾つかの態様による、ウェーハレベルで光学MEMS構造を試験するための、マイクロ光学ベンチコンポーネントを有する集積化光学プローブカードを含むシステムの別の例を示す図である。
【
図9】
図9は、本開示の幾つかの態様による、ウェーハレベルで光学MEMS構造を試験するための、マイクロ光学ベンチコンポーネントを有する集積化光学プローブカードを含むシステムの別の例を示す図である。
【
図10】
図10は、本開示の幾つかの態様による、ウェーハレベルで光学MEMS構造を試験するための、マイクロ光学ベンチコンポーネントを有する集積化光学プローブカードを含むシステムの別の例を示す図である。
【
図11】
図11は、本開示の幾つかの態様による、ウェーハレベルで光学MEMS構造を試験するための、マイクロ光学ベンチコンポーネントを有する集積化光学プローブカードを含むシステムの別の例を示す図である。
【
図12】
図12は、本開示の幾つかの態様による、ウェーハレベルで光学MEMS構造を試験するための、マイクロ光学ベンチコンポーネントを有する集積化光学プローブカードを含むシステムの別の例を示す図である。
【
図13】
図13は、本開示の幾つかの態様による、ウェーハレベルで光学MEMS構造を試験するための、マイクロ光学ベンチコンポーネントを有する集積化光学プローブカードを含むシステムの別の例を示す図である。
【
図14】
図14は、本開示の幾つかの態様による、集積化光学プローブカードの一部における斜視図を示す図である。
【
図15】
図15は、本開示の幾つかの態様による、集積化光学プローブカードを含む電子プローブカードの例を示す図である。
【
図16】
図16は、本開示の幾つかの態様による、面内光軸を備えた光学MEMS構造のオンウェーハ試験用の例示的なプロセスを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付の図面に関連して以下で明らかにされる詳細な説明は、様々な構成の説明として意図され、且つ本明細書で説明される概念が実施され得るただ1つの構成を表すようには意図されていない。詳細な説明は、様々な概念の完全な理解を提供するための特定の詳細を含む。しかしながら、これらの概念が、これらの特定の詳細なしに実施され得ることが、当業者には明らかであろう。幾つかの事例において、周知の構造及びコンポーネントが、かかる概念を不明瞭にしないように、ブロック図の形態で示されている。
【0015】
図1は、ウェーハ上に作製され得る光学マイクロ電気機械システム(MEMS)構造100の例を示す。
図1に示されている光学MEMS構造100は、例えばウェーハの半導体基板110に作製される干渉計であってもよい。半導体基板110は、例えば、デバイス層120と、ハンドル層140と、デバイス層120とハンドル層140との間に挟まれた埋め込み酸化物(BOX)層130と、を含むシリコンオンインシュレータ(SOI)ウェーハであってもよい。ミラー150及び155、MEMSアクチュエータ160、並びに他の光学コンポーネントなど、MEMS干渉計の様々なコンポーネントは、単一のリソグラフィステップを用いて画定され、且つエッチストップ(BOX)層130に達するまで、高異方性プロセスを用いて、デバイス層120においてエッチングされてもよい。可動ミラー150及びMEMSアクチュエータ160などの任意の可動部分は、可動部分の真下のBOX層130を選択的に除去することによって解放されてもよい。
【0016】
図2は、本開示の幾つかの態様に従って、ウェーハ205及び光学プローブカード230を含むシステム200の例を示す。ウェーハ205は、複数のダイ215を含み、各ダイ215は、その上に作製されたそれぞれの光学MEMS構造100を有する。光学MEMS構造100は、
図1に示されているMEMS干渉計に似ていてもよく、又は面内光学軸を有する任意の他のタイプの光学MEMSデバイスであってもよい。本明細書で用いられるとき、「面内」という用語は、ウェーハ205と平行な光の伝搬方向を指す。
【0017】
図2で分かるように、ウェーハ205は、デバイス層120と、ハンドル層140と、BOX層130と、で構成された半導体基板110を含む。光学MEMS構造100は、デバイス層120において画定され、且つウェーハ205におけるそれぞれのダイシングストリート220によって互いに分離される。ダイシングストリート220は、ダイ205間のエリアを画定し、そのエリアを通してウェーハ205は、ウェーハ205をそれぞれのダイ215に分割するためにスライスされ得る。
【0018】
本開示の様々な態様において、1つ又は複数のマイクロ光学ベンチコンポーネント210がまた、ウェーハ205上の複数のダイシングストリート220のそれぞれの内部でデバイス層120に作製されてもよい。
図2に示されている例において、マイクロ光学ベンチコンポーネント210は、45度の傾斜面を備えたマイクロプリズムを含む。しかしながら、マイクロ光学ベンチコンポーネント210が、他の又は追加のコンポーネントを含んでもよいことを理解されたい。マイクロ光学ベンチコンポーネント210の例には、限定するわけではないが、マイクロプリズム、マイクロミラー、マイクロレンズ、及び/又はマイクロビームスプリッタが含まれる。
【0019】
マイクロ光学ベンチコンポーネント210は、例えば、デバイス層120においてシリコン材料から作製されてもよく、且つ光結合を改善するために、45度の傾斜面上で、別の反射材料で金属化又は被覆されてもよい。マイクロ光学ベンチコンポーネント210は、光学プローブカード230を介し、ウェーハレベル試験を用いる試験(DFT)用に設計される。マイクロ光学ベンチコンポーネント210が、ダイシングストリート220に作製されるので、ウェーハ205上のダイ領域は、最大化され得る。従って、オンウェーハ試験後に、ダイ215は、さいの目に切られ、それによって、マイクロ光学ベンチコンポーネント210を除去してもよい。
【0020】
光学プローブ230は、ソース232(光源)、検出器234、及び少なくとも1つの光ファイバ236(それらの2つが、
図2に示されている)を含む。ソース232は、広帯域光源又は狭帯域光源を含んでもよい。例えば、ソース232は、1つ又は複数の広帯域熱放射源、又は興味のある波長をカバーする発光デバイスアレイを備えた量子源を含んでもよい。検出器234は、例えば、検出器アレイ又は単一の画素検出器を含んでもよい。光ファイバ236は、例えば、シングルコアファイバ、デュアルコアファイバ、又はファイバ束を含んでもよい。
【0021】
ソース232は、光入力ビームを生成するように、且つ試験下のダイ215上の光学MEMS構造100の入力部に隣接して位置するウェーハ205上の入力マイクロ光学ベンチコンポーネント210の方へ、入力光ファイバ236を介して入力ビームを導くように構成される。
図2に示されているように、入力ファイバ236は、ウェーハ205の平面に対して面外方向に伝搬するように入力ビームを導く。本明細書で用いられるとき、「面外」という用語は、ウェーハ205に垂直な光の伝搬方向を指す。試験下の光学MEMS構造100が、入力光ファイバ236からの入力ビームの面外伝搬方向に垂直な面内光学軸を有するので、入力マイクロ光学ベンチコンポーネント210は、入力ビームを面外方向から、ウェーハ205と平行な、且つ試験下の光学MEMS構造100の面内光学軸を含む面内方向へ方向転換するように構成される。次に、入力マイクロ光学ベンチコンポーネント210は、光学MEMS構造100内の伝搬用に、試験下の光学MEMS構造100に入力ビームを導いてもよい。入力ビームは、自由空間伝搬又は導波路/誘導伝搬を利用して、光学MEMS構造100内を面内に伝搬してもよい。
【0022】
図2に示されている例において、別のマイクロ光学ベンチコンポーネント210が、ウェーハ205に平行に(例えば面内方向に)伝搬する出力ビームを受信するために、試験下の光学MEMS構造100の出力部に隣接して位置する。出力マイクロ光学ベンチコンポーネント210は、出力光ファイバ236の方へ、面内方向から面外方向に出力ビームを方向転換するように構成される。次に、出力光ファイバ236は、検出器234の方へ出力ビームを導く。従って、マイクロ光学ベンチコンポーネント210のそれぞれは、ダイ215の面内(水平)ウェーハレベル試験を容易にするために、面外方向と、光学MEMS構造100の面内光学軸を含む面内方向との間で入力ビーム及び出力ビームを方向転換するように光学的に結合される。
【0023】
図3は、本開示の幾つかの態様による、マイクロ光学ベンチコンポーネント210がウェーハ205上に作製される試験システム200の別の例を示す図である。
図3に示されている例において、ウェーハ205の裏側は、光学プローブカード230によるダイ215の裏側試験を可能にするために、ダイシングストリート220においてエッチングされる。加えて、マイクロ光学ベンチコンポーネント(マイクロプリズム)210は、金属化されず、従って面外方向と面内方向との間で入力及び出力ビームを方向転換するために、マイクロプリズムの45度の傾斜界面における全内部反射の利用を促進する。
【0024】
図4は、本開示の幾つかの態様による、マイクロ光学ベンチコンポーネント210がウェーハ205上に作製される試験システムの別の例を示す図である。
図4に示されている例において、光学プローブカード230は、光入力/出力ビームの送信及び受信両方に使用される単一の光ポートだけを含む。この例において、光学プローブカード230は、ソース232から光ファイバ236に入力ビームを導く方向性結合器410に光学的に結合される単一の光ファイバ236を含み、次に、光ファイバ236は、試験下のダイ215に関連するマイクロ光学ベンチコンポーネント210の方へ入力ビーム236を導いてもよい。方向性結合器410は、マイクロ光学ベンチコンポーネント210から光ファイバ236によって受信された反射信号(出力ビーム)を検出器234の方へ更に導く。幾つかの例において、ソース232及び結合器410は、それぞれ広帯域であってよく、従って、波面分割結合器及び/若しくは自由空間結合器又はビームスプリッタが、方向性結合器410として利用され得るようにしてもよい。
【0025】
従って、この構成を用いれば、単一のマイクロ光学ベンチコンポーネント(マイクロプリズム)210だけが、ダイシングストリート220のそれぞれにおいて作製される必要があり得る。光学プローブカード230の単一の入力/出力ポート、シングルコア光ファイバ236、及び方向性結合器410構成もまた、
図6-13に示されている実施形態のいずれかなど、マイクロ光学ベンチコンポーネント210が光学プローブカード230上に集積される実施形態において利用され得る。
【0026】
図5は、本開示の幾つかの態様による、マイクロ光学ベンチコンポーネント210がウェーハ205上に作製される試験システム200の別の例を示す図である。
図4に示されている例におけるように、光学プローブカード230は、単一の光ファイバ236と共に単一の入力/出力ポートを含む。しかしながら、
図5に示されている例において、光ファイバ236は、デュアルコアファイバ又はファイバ束であってもよい。デュアルコアファイバ236は、2つの隣接するファイバコア、即ち、入力部として働き、且つソース232に光学的に結合される1つのファイバコア、及び出力部として働き、且つ検出器234に光学的に結合される1つのファイバコアを含んでもよい。ファイバ束236は、多数の隣接するコアを含んでもよく、それらのコアの幾つかは、入力部として働き、且つソースに光学的に結合され、その他は、出力部として働き、且つ検出器234に光学的に結合される。従って、デュアルコア光ファイバ又はファイバ束236は、別個の入力及び出力ファイバポートを含んでもよく、それぞれのファイバポートは、ソース232及び検出器234にそれぞれ接続される。光学プローブカード230における光ファイバ236のデュアルコア/ファイバ束構成はまた、
図6-15に示されている実施形態のいずれかなど、マイクロ光学ベンチコンポーネント210が光学プローブカード230上に集積される実施形態において利用されてもよい。
【0027】
図6は、本開示の幾つかの態様による、マイクロ光学ベンチコンポーネント210が光学プローブカード230上に集積される試験システム200の例を示す図である。光学プローブカード230は、2つの光ファイバ236を含み、各光ファイバは、45度のそれぞれの切断角度で切断され、それによって、面外方向と面内方向との間で入力及び出力ビームを方向転換するために、45度で切断されたガラス界面からの全内部反射を用いる。従って、マイクロ光学ベンチコンポーネント210は、光ファイバ236の切断されたガラス界面で形成される。
【0028】
例示的な動作において、ソース232は、入力ビームを生成し得、且つ試験下の光学MEMS構造100の入力部に隣接して配置された入力光ファイバ236の切断されたガラス界面210の方へ、入力光ファイバ236を介して入力ビームを導く。入力光ファイバ236の切断されたガラス界面は、試験下の光学MEMS構造100の入力部の方へ、面外方向から面内方向に入力ビームを方向転換するように光学的に結合される入力マイクロ光学ベンチコンポーネント210として機能する。試験下の光学MEMS構造100の出力部に隣接して配置された出力光ファイバ236の切断されたガラス界面は、面内方向に伝搬する出力ビームを受信するために、且つ検出器234の方へ、面内方向から面外方向に出力ビームを方向転換するために、出力マイクロ光学ベンチコンポーネント210として機能する。
【0029】
図7は、本開示の幾つかの態様による、マイクロ光学ベンチコンポーネント210が光学プローブカード230上に集積される試験システムの別の例を示す図である。
図7に示されている例において、入力及び出力光ファイバ236の切断面は、それぞれの反射コーティング700(例えば誘電体又は金属コーティング)で被覆される。従って、全内部反射を用いる代わりに、切断された光ファイバ236のそれぞれにおける被覆面700は、面外方向と面内方向との間で入力及び出力ビームを方向転換するためのマイクロ光学ベンチコンポーネント210として機能する。
【0030】
図8は、本開示の幾つかの態様による、マイクロ光学ベンチコンポーネントが光学プローブカード230上に集積される試験システム200の別の例を示す図である。
図8に示されている例において、入力及び出力光ファイバ236のそれぞれは、回折損失を低減することによって、試験下の光学MEMS構造100への又はそこからの入力及び出力ビームの結合効率を向上させるために、それぞれの集積されたgrin(グリン)レンズ800を含む。
【0031】
図9は、本開示の幾つかの態様による、マイクロ光学ベンチコンポーネント210が光学プローブカード230上に集積される試験システム200の別の例を示す図である。
図9に示されている例において、マイクロ光学ベンチコンポーネント210は、マイクロプリズム900を含み、各マイクロプリズム900は、別の反射材料で金属化又は被覆される45度の傾斜面910を有する。マイクロプリズム900のそれぞれは、光学プローブカード230の本体に搭載され、且つ入力/出力光ファイバ236と整列される。
【0032】
例示的な動作において、ソース232は、入力ビームを生成し、且つ試験下の光学MEMS構造100の入力部に隣接して配置された入力マイクロプリズム900の方へ、入力光ファイバ236を介して入力ビームを導いてもよい。入力マイクロプリズム900は、試験下の光学MEMS構造100の入力部の方へ、面外方向から面内方向に入力ビームを方向転換するように光学的に結合される。試験下の光学MEMS構造100の出力部に隣接して配置された出力マイクロプリズム900は、面内方向に伝搬する出力ビームを受信するように、且つ出力光ファイバ236及び検出器234の方へ、面内方向から面外方向に出力ビームを方向転換するように光学的に結合される。
【0033】
図10は、本開示の幾つかの態様による、光学プローブカード230上に集積されたマイクロ光学ベンチコンポーネント210を含む試験システム200の別の例を示す図である。
図10に示されている例において、マイクロ光学ベンチコンポーネント210は、マイクロプリズム900を含み、各マイクロプリズム900は、金属化された曲面1000を有する。幾つかの例において、曲面1000は、試験下の光学MEMS構造100に入力ビームを集束させること、及び出力光ファイバ236の方へ出力ビームを集束させることによって、光学プローブカード230の光結合効率を向上させるように設計されてもよい。
【0034】
図11は、本開示の幾つかの態様による、マイクロ光学ベンチコンポーネント210が光学プローブカード230上に集積される試験システム200の別の例を示す図である。
図11に示されている例において、入力及び出力光ファイバ236のそれぞれは、それぞれのレンズ1100を含むレンズドファイバである。光ファイバ236上の集積化レンズ1100は、例えば、円柱レンズ、ボールレンズ、又はgrinレンズであってもよい。幾つかの例において、レンズド光ファイバ236は、入力マイクロプリズム900を介して、試験下の光学MEMS構造100に入力ビームを集束させること、及び出力マイクロプリズム900から受信された出力ビームを検出器234の方へ集束させることによって、光学プローブカード230の光結合効率を向上させるように設計されてもよい。
【0035】
図12は、本開示の幾つかの態様による、マイクロ光学ベンチコンポーネント210が光学プローブカード230上に集積される試験システム200の別の例を示す図である。
図12に示されている例において、マイクロ光学ベンチコンポーネント210は、マイクロプリズム900を含み、各マイクロプリズム900は、面外方向と面内方向との間で入力及び出力ビームを方向転換するために、マイクロプリズムのそれぞれが、マイクロプリズム900内の全内部反射を利用できるように、金属化されない45度の傾斜面910を有する。マイクロプリズム900のそれぞれは、光学プローブカード230の本体に搭載され、且つ入力/出力光ファイバ236と整列される。
【0036】
図13は、本開示の幾つかの態様による、マイクロ光学ベンチコンポーネント210が光学プローブカード230上に集積される試験システム200の別の例を示す図である。
図13に示されている例において、マイクロ光学ベンチコンポーネント210は、マイクロプリズム900、即ち、試験下の光学MEMS構造100に入力ビームを集束させること、及び出力光ファイバ236の方へ出力ビームを集束させることによって、光学プローブカードの光結合効率を向上させるために全内部反射を促進する曲面910で作製されたマイクロプリズム900を含む。
【0037】
図14は、本開示の幾つかの態様による、集積化光学プローブカード230の一部における斜視図を示す図である。特に、
図14は、集積化光学プローブカード230の本体1400、即ち、その上に作製された2つの隣接する光学金属化マイクロプリズム900a及び900bを含む集積化光学プローブカード230の本体1400を示し、マイクロプリズム900a及び900bのそれぞれは、面外方向と面内方向との間で入力ビーム及び出力ビームを方向転換するために、45度の傾斜を有する。集積化光学プローブカード230は、入力及び出力光ファイバをそれぞれ受け入れるように構成された2つの半円筒(グルーブ)1400a及び1400bを更に含む(例えば、入力及び出力光ファイバは、グルーブ1400a及び1400bに挿入されてもよい)。次に、入力及び出力光ファイバは、ソース及び検出器にそれぞれ接続されてもよく、入力及び出力光ファイバは、幾つかの例において、2つのグルーブ1400a及び1400bの中に直接統合されてもよい。集積化光学プローブカード230は、少なくとも1つの交差位置合わせマーク1420を更に含み、交差位置合わせマーク1420は、集積化光学プローブカードが、電子プローブカードなどの別のデバイス上で組み立てられる場合に、集積化光学プローブカード230を整列させるために用いられてもよい。
【0038】
図15は、本開示の幾つかの態様による、集積化光学プローブカード230を含む電子プローブカード1500の例を示す図である。電子プローブカードは、入力電気信号を供給し、次に出力信号を精査するために、特定の位置で試験下のダイと接触するための複数の電子ニードル1510を含む。集積化光学プローブカード230は、電子プローブカード1500上の任意の位置で、且つ任意の取り付け機構を介して、電子プローブカード1500の本体に取り付けられてもよい。
図15に示されている例において、集積化光学プローブカード230は、電子ニードル1510に接して電子プローブカード1500と集積される。例えば、集積化光学プローブカード230は、光学プローブカード230用の追加的サポートを提供するために、(
図15に示されているように)電子ニードル1510の1つ又は電子ニードル1510の幾つかと接して組み立てられてもよい。
【0039】
図16は、本開示の幾つかの態様による、面内光軸を備えた光学MEMS構造のオンウェーハ試験用の例示的なプロセス1600を示す流れ図である。プロセスは、ブロック1602で始まり、ブロック1602において、入力ビームが、ソースによって生成される。ブロック1604において、入力ビームは、試験下の光学MEMS構造の面内光学軸に垂直な面外方向において、試験下の光学MEMS構造の方へ導かれてもよい。
【0040】
ブロック1606において、入力ビームは、面外方向から、面内光学軸を含む面内方向に方向転換されてもよい。例えば、1つ又は複数のマイクロ光学ベンチコンポーネントが、試験下の光学MEMS構造への入力用に面内方向へ入力ビームを方向転換してもよい。ブロック1608において、出力ビームが、試験下の光学MEMS構造から面内方向で受信されてもよい。ブロック1610において、出力ビームは、検出器の方へ、面内方向から面外方向に方向転換されてもよい。
【0041】
本開示内において、「例示的な」という単語は、「例、事例又は実例として働く」ことを意味するために用いられる。「例示的な」として本明細書で説明されるどんな実装形態又は態様も、本開示の他の態様に勝って好ましいか又は有利であると必ずしも解釈されるべきではない。同様に、「態様」という用語は、本開示の全ての態様が、説明された特徴、利点、又は動作モードを含むことを必要とするわけではない。「結合された(る)」という用語は、2つの対象間の直接又は間接的結合を指すために本明細書で用いられる。例えば、対象Aが、対象Bに物理的に接触し、且つ対象Bが、対象Cに接触する場合に、対象A及びCは、たとえそれらが、互いに直接に物理的に接触していない場合にさえ、やはり互いに結合されていると見なされてもよい。例えば、たとえ第1の対象が、第2の対象に直接に物理的に接触していなくても、第1の対象は、第2の対象に結合され得る。「回路」及び「回路構成要素」という用語は、広く用いられ、且つ接続され構成された場合に、電子回路のタイプに関する制限なしに、本開示で説明される機能の遂行を可能にする電気デバイスのハードウェア実装形態及びコンダクタの両方と同様に、プロセッサによって実行された場合に、本開示で説明される機能の遂行を可能にする情報及び命令のソフトウェア実装形態を含むように意図されている。
【0042】
図1-16に示されているコンポーネント、ステップ、特徴及び/又は機能の1つ又は複数は、単一のコンポーネント、ステップ、特徴又は機能に再配置され、且つ/又は組み合わされるか、又は幾つかのコンポーネント、ステップ又は機能で具体化されてもよい。追加の素子、コンポーネント、ステップ及び/又は機能がまた、本明細書で開示される新規の特徴から逸脱せずに追加され得る。
図1-15に示されている機器、デバイス及び/又はコンポーネントは、本明細書で説明される方法、特徴又はステップの1つ又は複数を実行するように構成されてもよい。本明細書で説明される新規のアルゴリズムはまた、ソフトウェアにおいて効率的に実施され、及び/又はハードウェアに埋め込まれてもよい。
【0043】
開示される方法のステップにおける特定の順序又は階層が、例示的なプロセスの実例であることを理解されたい。設計の優先権に基づいて、方法のステップにおける特定の順序又は階層が、再配置されてもよいことが理解される。添付の方法クレームは、見本の順序で様々なステップの要素を提示し、且つクレームにおいて特に挙げられない限り、提示される特定の順序又は階層に限定されるようには意味されていない。
【0044】
前述の説明は、いずれかの当業者が、本明細書で説明される様々な態様を実施できるようにするために提供される。これらの態様に対する様々な修正が、当業者には容易に明らかになるであろうし、本明細書で定義される一般的な原理は、他の態様に適用されてもよい。従って、クレームは、本明細書で示された態様に限定されるようには意図されず、クレームの言語と一致する完全な範囲を与えられるべきであり、単数形の要素への言及は、特に単数と言明されていない限り、「1つだけ」を意味するように意図されず、むしろ「1つ又は複数」である。特に別段の言明がない限り、「幾つか」という用語は、1つ又は複数を指す。用語リスト「の少なくとも1つ」は、単一のメンバーを含む、それら用語の任意の組み合わせを指す。例として、「a、b又はcの少なくとも1つ」は、a、b、c、a及びb、a及びc、b及びc、並びにaとbとcをカバーするように意図されている。当業者に周知か又は後で周知になる、この開示の全体にわたって説明された様々な態様の要素に対する全ての構造的及び機能的な等価物は、参照によって本明細書に明示的に援用され、且つクレームによって包含されるように意図されている。更に、本明細書で開示される何ものも、かかる開示が、クレームで明示的に挙げられているかどうかにかかわらず、公衆に捧げられることを意図されていない。請求要素のどれも、要素が、「~のための手段(means for)」という句を用いて明示的に挙げられるか、又は方法クレームの場合に、要素が、「~のためのステップ(step for)」という句を用いて挙げられていない限り、米国特許法第112条(f)の条項下で解釈されるべきではない。