(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】取り外し可能な医療デバイスシステム
(51)【国際特許分類】
A61M 5/00 20060101AFI20221116BHJP
A61M 5/20 20060101ALI20221116BHJP
A61B 50/30 20160101ALI20221116BHJP
【FI】
A61M5/00 516
A61M5/00 518
A61M5/20 510
A61B50/30
(21)【出願番号】P 2019564376
(86)(22)【出願日】2018-02-13
(86)【国際出願番号】 US2018018031
(87)【国際公開番号】W WO2018148741
(87)【国際公開日】2018-08-16
【審査請求日】2021-02-15
(32)【優先日】2017-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519295351
【氏名又は名称】アラージ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Alerje, Inc.
【住所又は居所原語表記】440 Burroughs St.,Suite 113,Detroit,MI 48202,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】ハビエル イヴリン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ハンター マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ネイサン アイヴィー
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第09374120(US,B1)
【文献】国際公開第2015/115326(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0328411(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0216976(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0080806(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105813684(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/00
A61M 5/20
A61B 50/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)バックセクションならびに第一フロントセクションおよび第二フロントセクションであって、前記第一フロントセクションは、前記第二フロントセクションへの接続および前記第二フロントセクションからの分離のために適合され、前記バックセクションは、モバイルデバイスを受け入れるための開口部を含む、バックセクションならびに第一フロントセクションおよび第二フロントセクションと、
(ii)注入デバイスを受け入れるために前記第一フロントセクションおよび前記第二フロントセクション内に配置された受け入れ空間であって、前記第二
フロントセクションが前記第一
フロントセクションから取り外されたときに、前記注入デバイスが少なくとも部分的に視認可能である、受け入れ空間と、
(iii)前記第一フロントセクションからの前記第二フロントセクションの分離を容易にするために、前記第一フロントセクションおよび前記第二フロントセクションのうちの一つ以上の上に配置されたリリースラッチと、
(iv)前記バックセクションを前記第一フロントセクションおよび前記第二フロントセクションに接続するためのコネクタ部分と、
(v)前記第一フロントセクションおよび前記第二フロントセクション内の温度を感知する温度センサと、
を含むケース部分、
を含む、モバイルデバイスアクセサリシステム。
【請求項2】
モバイルデバイスケースを形成する方法であって、
第一フロントセクションおよび第二フロントセクションを提供するステップと、
前記第一フロントセクションおよび前記第二フロントセクション内の温度を感知する温度センサを配置するステップと、
前記第一フロントセクションおよび前記第二フロントセクションを分離するステップと、
注入器を前記第一フロントセクションおよび前記第二フロントセクションのうちの一つ以上の中に配置するステップと、
前記第一フロントセクションおよび前記第二フロントセクションを互いに接続するステップと、
バックセクションを第一フロントセクションおよび第二フロントセクションに取り付けるステップであって、前記バックセクションは前記第一フロントセクションと直接接触する、ステップと、
を含む、方法。
【請求項3】
前記バックセクションと直接接触するようにモバイルデバイスを配置するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記注入器にアクセスするために前記第一フロントセクションおよび前記第二フロントセクションを互いに分離するステップを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記注入器にアクセスするために前記バックセクションから前記第一フロントセクションおよび前記第二フロントセクションを除去するステップを含む、請求項2~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
自動注入器の利用を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記注入器にアクセスした場合に使用者のケアサークルに通知するステップを含む、請求項2~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
自動注入器が必要とされないときに前記第一フロントセクションおよび前記第二フロントセクションを前記バックセクションから除去して、前記バックセクションのみがモバイルデバイスを受け入れるために残るステップを含む、請求項2~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
自動注入器にアクセスするために、コネクタ部分から前記第一フロントセクション、前記第二フロントセクション、またはその両方を外すステップを含む、請求項2~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第一フロントセクションおよび前記第二フロントセクションを摩擦嵌合で係合させるステップを含む、請求項2~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
ポリエチレンテレフタレート、エアロゲル、シリコーン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレン、金属化ポリエチレンテレフタレート、金属化ポリプロピレン、金属化ポリアミド、金属化ポリエチレンまたはそれらの何れかの組み合わせを含む材料から第一フロント
セクションおよび第二フロント
セクションおよびバック
セクションの1つまたは複数を形成するステップを含む、請求項2~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記温度センサが感知した前記第一フロントセクションおよび前記第二フロントセクション内の温度が所定の温度を超えた場合に使用者に通知す
るステップを含む、請求項2~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第一フロントセクションおよび前記第二フロントセクションの範囲内に完全に自動注入デバイスを配置するステップを含む、請求項2~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
モバイルデバイスとの摩擦嵌合で前記バックセクションを係合するステップを含む、請求項2~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
自動注入器が前記第一フロントセクションまたは前記第二フロントセクションの一方のみに留まるように、前記第一フロントセクションおよび前記第二フロントセクションを互いに切り離すことによって前記自動注入器にアクセスするステップを含む、請求項2~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
請求項2~15のいずれか一項に記載の方法で使用するためのモバイルデバイスケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本教示は、モバイルデバイスへの接続およびモバイルデバイスとの一体化のための医療デバイスを対象とする。特に、本教示は、モバイルデバイスに接続するための自動注入デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
エピネフリン自動注入器(EAI)は、食物アレルギーを患う1500万人を超えるアメリカ人によってアナフィラキシー反応中に使用される救命医療デバイスである。エピネフリン自動注入器(EAI)は、エピネフリンの緊急注入(「ショット」)である。この薬は、重度の腫れ、呼吸障害、または血圧低下など、生命を脅かすアレルギー反応に使用される。アレルギーまたはアナフィラキシー反応は、刺咬昆虫、アレルギー注射、食物、薬、運動、またはその他の既知および/もしくは未知の原因によって引き起こされうる。
【0003】
EAIは通常、処方箋に応じて0.15mg~0.3mgの用量で個々の保護ケースに保管される。薬物の使用による患者の様々な反応に起因して、二つのEAIを持ち運ぶことが推奨される。
【0004】
同様に、糖尿病を患う米国の3千万人を超える人々によってインスリンまたは他の薬物の注入が必要とされうる。インスリンの注入なしでは、糖尿病患者は生命を脅かしうる重度の低血糖症または糖尿病性ショックを経験しうる。したがって、糖尿病患者は低血糖の場合に備えてインスリンを携帯する。インスリンは、迅速な使用のために自動注入器カートリッジで利用可能である。しかし、現在使用されるカートリッジでは、インスリンは56°F~80°Fの間で保管されねばならない。糖尿病の人々の大部分によってインスリン注入が必要とされるため、インスリンを常に近くに保つことが必要である。
【0005】
吸入器は、肺を介して体内に薬物を送達するために使用される医療デバイスである。吸入器は、エアロゾル、粉末、または液体の形で薬物を放出しうる。吸入器は、計量された用量で薬物を放出しうる(すなわち使用ごとに薬物の固定用量を放出する)。吸入器は、喘息、インフルエンザ、アレルギー、慢性閉塞性肺疾患などを治療するために使用されうる。吸入器は、設定された投与量/時間間隔で、または喘息発作中などの緊急時に使用されうる。したがって、吸入器の使用者は、吸入器を持ち運ぶかまたはすぐ近くに置くことが推奨される。一部のタイプの吸入器は、計量された用量の薬物を提供する。
【0006】
一般的な問題は、自動注入器および吸入器が必要なときに直ちに利用できない可能性があることである。別の問題は、自動注入器および吸入器が使用者の知らないうちに期限切れになりうることである。吸入器のさらなる問題は、使用のために何回分の用量が残っているかが使用者に分からないことである。加えて、特に個人が子供または高齢者であるときにその個人の薬物使用を監視することを望む医師、看護師、家族の者を含む介護者が存在することが多い。
【0007】
前述の懸案事項に基づいて、自動注入器および/または吸入器が常に使用者に利用可能になりうる手段を開発することが有用であろう。期限切れ、残りの用量、または自動注入器および/もしくは吸入器ついてのその他の情報を使用者に通知することがさらに有用であろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本教示は、医療デバイス(例えば自動注入器、吸入器、または他の医療処置デバイス/容器)をモバイルデバイスに接続するためのデバイスを提供することにより、前述の欠陥を有効に解決する。本明細書に記載されるデバイスは、モバイルデバイスに取り付けられるだけでなく、デバイスが(例えばBluetooth(登録商標)、Wi-Fi、近距離無線通信(NFC)、またはこれらの何らかの組み合わせを介して)接続されたモバイルデバイスと情報を共有することができる。
【0009】
本明細書の教示は、ケース部分を含むモバイルデバイスアクセサリシステムを提供し、ケース部分は、バックセクションならびに第一フロントセクションおよび第二フロントセクションであって、第一フロントセクションは、第二フロントセクションへの接続および第二フロントセクションからの分離のために適合され、バックセクションは、モバイルデバイスを受け入れるための開口部を含む、バックセクションならびに第一フロントセクションおよび第二フロントセクションと、注入デバイスを受け入れるために第一フロントセクションおよび第二フロントセクション内に配置された受け入れ空間であって、第二フロントセクションが第一フロントセクションから取り外されたときに、注入デバイスが少なくとも部分的に視認可能である、受け入れ空間と、第一フロントセクションからの第二フロントセクションの分離を容易にするために第一フロントセクションおよび第二フロントセクションのうちの一つ以上の上に配置されたリリースラッチと、バックセクションを第一フロントセクションおよび第二フロントセクションに接続するためのコネクタ部分とを含む。
【0010】
本明細書の教示はさらに、リリースラッチがボタン部分を含みうるものとする。バックセクションは、モバイルデバイスと摩擦嵌合で係合するエッジを含みうる。バックセクションならびに第一フロントセクションおよび第二フロントセクションのうちの一つ以上は、耐熱材料で形成されうる。本システムは、コンピューティングデバイス上のアプリケーションまたはソフトウェアと通信するための通信デバイスを含みうる。第一フロントセクションおよび第二フロントセクションは、バックセクションに除去可能に取り付けられうる。コネクタ部分は、第一フロントセクションに直接接触するように適合されうる。コネクタ部分は、第二フロントセクションとの直接接触が一切なくてもよい。第一フロントセクションおよび第二フロントセクションは、摩擦嵌合を介して互いに接続されうる。第一フロントセクションおよび第二フロントセクションは、機械的ファスナを介して互いに接続されうる。
【0011】
リリースラッチは、第一フロントセクションおよび第二フロントセクションが互いに分離されるように、第一位置から第二位置に摺動しうる。リリースラッチは、第一フロントセクションを第二フロントセクションから分離するために押し下げられうる。リリースラッチは、第一フロントセクション上に配置されうる。
【0012】
本システムは、一つ以上の通気部分を含みうる。本システムは、注入デバイスをアクセスされるまで第一フロントセクションおよび第二フロントセクション(first and second front portions)内に維持するためのロックデバイスを含みうる。本システムは温度センサを含みうる。本システムはモバイルアプリケーションを含みうる。モバイルアプリケーションは、注入器へのアクセスの許可、注入器がアクセスされた場合の使用者のケアサークルへの通知、注入器内の薬物が期限切れである場合の使用者への通知、注入器が故障した場合の使用者への通知、またはケース部分内の温度が所定の温度制限を超える場合の使用者への通知のうちの一つ以上のために適合されうる。
【0013】
注入器と接触するデバイスの部分が、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレン、エアロゲル、シリコーン、金属化ポリエチレンテレフタレート、金属化ポリプロピレン、金属化ポリアミド、金属化ポリエチレンまたはこれらの何らかの組み合わせを含みうることも可能である。コネクタ部分は、機械的締結手段、および接着剤締結手段、磁気締結手段、またはこれらの何らかの組み合わせを含みうる。注入器は、複数用量の薬物を含みうる。
【0014】
本明細書の教示は、第一分離可能フロントセクションおよび第二分離可能フロントセクションを提供するステップと、第一フロントセクションおよび第二フロントセクションを分離するステップと、注入器を第一フロントセクションおよび第二フロントセクションのうちの一つ以上の中に配置するステップと、第一フロントセクションおよび第二フロントセクションを互いに接続するステップと、バックセクションを第一フロントセクションおよび第二フロントセクションに取り付けるステップであって、バックセクションは第一フロントセクションと直接接触する、ステップとを含む、モバイルデバイスケースを形成する方法も想定する。
【0015】
本方法は、バックセクションと直接接触するようにモバイルデバイスを配置するステップも含みうる。本方法は、注入器にアクセスするために第一フロントセクションおよび第二フロントセクションを互いに分離するステップを含みうる。
【0016】
本教示は、無線周波数ベースの技術(例えばBluetooth、wi-fi、NFC)を介してモバイルアプリケーションと通信するスマートフォンケース内に嵌合するサイズの自動注入器または他の薬物を含むデバイスなどの取り外し可能な医療デバイスをさらに対象とする。デバイスが生命にかかわる緊急時に使用された場合には、支援モバイルアプリケーションが、緊急サービスおよび使用者の「ケアサークル」(家族、友人、介護者、医療専門家など)に使用者の現在位置を含む警告メッセージを送信しうる。さらに、患者アドヒアランスを満たすために、薬物がその使用期限に近づいているときにはいつでも使用者にプッシュ通知が送信されうる。
【0017】
医療デバイス内に配置された薬物の熱安定性の維持に対処する努力において、医療デバイスをモバイルデバイスに接続するためのデバイスの材料は、薬(例えばエピネフリン、インスリンなど)を極端な気象条件(熱、寒さ、湿度、降雨)から保護するのを助けるように選択されうる。デバイスを形成するための材料は、ポリマー材料、炭素系材料など、またはこれらの組み合わせでありうる。特に、材料は金属化ポリエチレンテレフタレート(MPET)などのポリエチレンテレフタレート材料、または熱分解グラファイトシート(PGS)などのグラファイト材料でありうる。相変化材料(PCM)が、MPET、PGS、またはそれらの組み合わせとともに使用されうる。本デバイスは、医療デバイスを保護するための材料の複数の層が医療デバイスの周りに置かれるように形成されてもよい。医療デバイスは、任意のモバイルデバイスの背面上に適合するような形状にされうる。一つの取り付けデバイスが様々なモバイルデバイスに適合するように調節可能でありうることが可能である。あるいは、取り付けデバイスは、特定のブランドおよび/またはモデルのモバイルデバイスに適合する形状にされることも可能でありうる。取り付けデバイスは、従来のモバイルデバイスケースを置き換えるという点で、モバイルデバイスケースとして形成されうる。取り付けデバイスが既存のモバイルデバイスケースの上に適合するように形成されうることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本教示による例示的な電話ケースの一部分である。
【
図2】
図1の電話ケースから除去されている例示的な注入器である。
【
図3】本教示による例示的な電話ケースの斜視図である。
【
図4】注入器が取り出される際の
図3の電話ケースである。
【
図5】
図3の電話ケースから除去されている例示的な注入器である。
【
図6】本教示による例示的な電話ケースの上面図である。
【
図8】本教示による例示的な電話ケースの上面図である。
【
図10】本教示による例示的な電話ケースの上面図である。
【
図11】一部分が除去された
図10の電話ケースの上面図である。
【
図12A】本教示による例示的な注入器の断面図である。
【
図13A】本教示による例示的な注入器の断面図である。
【
図13B】本教示による例示的な注入器の断面図である。
【
図13C】本教示による例示的な注入器の断面図である。
【
図14】本教示による例示的な電話ケースの背面立面図である。
【
図16A】本教示による例示的な電話ケースの側面輪郭図である。
【
図18】分離された配設で示された
図16Aの電話ケースの斜視図である。
【
図19】分離された配設で示された
図16Aの電話ケースの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本教示は、本明細書に記載の改良されたデバイスおよび方法により、上記の必要性の一つ以上を満たす。本明細書に提示される説明および例示は、他の当業者に本教示、その原理、およびその実際の応用例を知らせることを意図する。当業者は、特定の用途の要件に最も適しうるように本教示をその多数の形態において適合および応用することができる。したがって、記載された本教示の特定の実施形態は、本教示を網羅または限定することを意図しない。したがって、本教示の範囲は、以上の説明を参照して決定されてはならず、代わりに、添付の特許請求の範囲を、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲とともに参照して決定されねばならない。特許出願および特許公報を含む全ての論文および参考文献の開示は、全ての目的のために参照により組み込まれる。以下の特許請求の範囲から学ばれるであろう他の組み合わせも可能であり、これらも参照により本明細書に組み込まれる。
【0020】
本出願は、2017年2月13日に出願された米国特許仮出願第62/458,223号、2017年3月8日に出願された第62/468,657号、2017年5月16日に出願された第62/506,829号、2017年6月30日に出願された第62/527,520号、2017年8月18日に出願された第62/547,199号、および2017年11月15日に出願された第62/586,274号の出願日の利益を主張し、これらの出願の内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0021】
本明細書の教示は、モバイルデバイスと連携した医療デバイスの持ち運びを容易にするためのデバイスを対象とする。医療デバイスは、速効性の薬または必要な薬を担持する任意の医療デバイスでありうる。医療デバイスは、感温材料を含みうる。医療デバイスは、エピネフリン自動注入器(EAI)、吸入器、インスリン自動注入器(IAI)などを含みうる。エピネフリンまたは他の薬物は、鼻スプレーの形態でありうる。特に、本教示は、EAI、吸入器、IAIなどでありうる医療デバイスを保持するための空間を含むモバイルデバイスに取り付けることができる取り付けデバイスを対象とする。医療デバイスは、取り付けデバイスに一体化されてもよい。医療デバイスは、取り付けデバイスに除去可能に取り付け可能であってもよい。モバイルデバイスは、個人の手で保持および操作されうるのに十分に小さいコンピューティングデバイスを含み得、データを送信および受信するために電波を使用するモバイル技術を含みうる(例えば3G、4G、Bluetooth、wi-fi、近距離無線通信)。モバイルデバイスは、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータなど、またはこれらの任意の組み合わせを含みうる。
【0022】
本明細書の教示は、ケース部分を含むモバイルデバイスアクセサリシステムを提供する。ケース部分は、バックセクションおよびフロントセクションまたはカバーを含みうる。フロントセクションは、第一フロントセクションおよび第二フロントセクションを含み得、第一フロントセクションは、第二フロントセクションへの接続および第二フロントセクションからの分離のために適合され、バックセクションは、モバイルデバイスを受け入れるための開口部を含む。第一フロントセクションおよび第二フロントセクション内に注入(または他の投薬)デバイスを受け入れるための受け入れ空間が配置され得、第二フロントセクションが第一フロントセクションから取り外されたときに注入デバイスが少なくとも部分的に視認可能である。第一フロントセクションからの第二フロントセクションの分離を容易にするために、リリースラッチまたはボタン(ばね式であってもよい)が第一フロントセクションおよび第二フロントセクションのうちの一つ以上の上に配置される。バックセクションを第一フロントセクションおよび第二フロントセクションに接続するためにコネクタ部分が存在しうる。
【0023】
本明細書の教示はさらに、リリースラッチがボタン部分を含みうるものとする。バックセクションは、モバイルデバイスと摩擦嵌合で係合するエッジを含みうる。第一フロントセクションおよび第二フロントセクションは、バックセクションに除去可能に取り付けられうる。コネクタ部分は、第一フロントセクションに直接接触するように適合されうる。コネクタ部分は、第二フロントセクションとの直接接触が一切なくてもよい。第一フロントセクションおよび第二フロントセクションは、摩擦嵌合を介して互いに接続されうる。第一フロントセクションおよび第二フロントセクションは、機械的ファスナを介して互いに接続されうる。
【0024】
リリースラッチは、第一フロントセクションおよび第二フロントセクションが互いに分離されるように、第一位置から第二位置に摺動しうる。リリースラッチは、第一フロントセクションを第二フロントセクションから分離するために押し下げられうる。リリースラッチは、第一フロントセクション上に配置されうる。
【0025】
本明細書に記載される取り付けデバイスは、モバイルデバイスとともに利用されうる追加のアクセサリ(例えばヘッドフォン、ワイヤレス充電デバイス、ケース、または他のアクセサリ)も考慮に入れうる。例えば、取り付けデバイスはスマートフォンケースであってもよい。スマートフォンケースは、折り畳み可能なフロントカバーを含みうる。フロントカバーは電話ケースから取り外し可能でありうる。折り畳み可能なフロントカバーは、身分証明書、クレジットカード、健康保険証、現金などを保持するための財布として構成されうる。
【0026】
さらに、医療デバイスまたはその中に配置された薬物を環境要因から保護するために、取り付けデバイスを形成する際に特定の材料が利用されうる。医療デバイス自体が、医療デバイスを環境要因から保護するために選択された材料のコーティングまたはラップを含みうることも可能である。一つの特定の例として、薬物の熱安定性に対処する努力において、MPET、PGS、PCM、エアロゲル(例えばシリカまたは金属酸化物エアロゲル)、BoPET、シリコーンまたはこれらの組み合わせなどの材料が、取り付けデバイスを形成するために利用されうる。加えてまたは代替的方法として、各医療デバイスが、MPET、PGS、PCM、エアロゲル、BoPET、シリコーンまたはこれらの組み合わせに包まれてもよい。例えば、取り付けデバイス、ラップ、またはその両方の周囲環境からの熱放射を反射するためにMPETが使用されうる。取り付けデバイス、ラップ、またはその両方の全体に熱エネルギーを分散させるためにPGSが使用されうる。加えて、MPETおよびPGSがPCMと組み合わせられて、材料の相変化特性に基づいて熱エネルギーを保存および放散するために使用されうる。MPET、PGS、およびPCMの組み合わせは、医療デバイスが処方された保管範囲を上回ったり下回ったりせず、医療デバイス内の薬の分解を防ぐように、医療デバイスの温度の調節に貢献する。材料は、医療デバイスを保管するための最も一貫した温度範囲を提供するために熱特性を最大化するために層状にされてもよい。
【0027】
取り付けデバイスは、取り付けデバイスと取り付けデバイスが取り付けられたモバイルデバイス(または代替的に別のモバイルデバイス)との間の通信を可能にするために通信デバイスが装着されてもよい。取り付けデバイス内に配置される医療デバイスは、取り付けデバイス内に医療デバイスを配置する前にモバイルデバイスによってスキャンされうることが可能である。このスキャンは、モバイルアプリケーションを用いて進みうる。医療デバイスをスキャンすることにより、モバイルアプリケーションは、登録番号、使用期限、投薬量、保管要件など、またはこれらの組み合わせなどの関連情報を認識し、記憶しうる。例えば、スキャンされた情報は、医療デバイスの登録番号、医療デバイス内の薬の使用期限、および医療デバイスの投薬量を含みうる。
【0028】
取り付けデバイスは、緊急サービス、使用者の連絡先、またはその両方との通信を可能にしうる。取り付けデバイスは、緊急連絡インジケータを検出しうる。緊急連絡インジケータは、医療デバイスの除去、使用者が医療デバイスを除去しようとすること、またはその両方を含みうる。緊急連絡インジケータを検出すると、モバイルアプリケーションと組み合わせられた取り付けデバイスは、緊急サービス、使用者の連絡先、またはその両方への連絡を開始しうる。連絡は、BLE、wi-fi、NFCまたは類似の技術などを通じて、取り付けデバイスが付けられたモバイルデバイスに信号を送信することを含み得る。連絡は、BLE、wi-fi、NFCまたは類似の技術などを介して、緊急サービスおよび/または緊急連絡先に連絡するようモバイルデバイスに命令することを含みうる。緊急サービスは、911及びその他相当する国際的な緊急派遣サービスを含みうる。緊急連絡先は、家族、友人、介護者、使用者の「ケアサークル」など使用者によって緊急連絡先として事前に特定された医療専門家を含みうる。取り付けデバイス、モバイルデバイス、緊急サービス、および/または緊急連絡先の間の任意の通信または信号は、医療保険の携行性と責任に関する法律に準拠しうる(HIPAA準拠)。HIPAAに準拠するには、通信または信号がRapidSOS(登録商標)プラットフォームなどのHIPAAに準拠する任意の通信プラットフォームまたはプロトコルを介して送信されうる。加えて、モバイルアプリケーションは、使用者に近くの医療専門家への紹介を提供しうる。例えば、モバイルアプリケーションは、食物アレルギーのある使用者を、使用者の位置から指定の距離内にいるアレルギー専門医に紹介しうる。
【0029】
患者アドヒアランスを満たすために、薬物がその使用期限に近づいているときにはいつでも使用者にプッシュ通知が送信されてもよい。医療デバイス(例えばEAI、IAI、吸入器など)の使用方法についてのトレーニングビデオも通知に含まれうる。
【0030】
使用者は、自分自身および家族/家庭のために食物アレルギープロファイルを作成することもできる。プロファイルは、個人が具体的にアレルギーであるものを含みうるのが好ましい。その後モバイルアプリケーションは、使用者がプロファイルを必要な全ての関係者(学校、他の親/保護者、イベントなど)と共有することを可能にしうる。
【0031】
モバイルアプリケーションは、使用者が買い物中に食品をスキャンして、使用者またはその家族の他の誰かが所与のアイテムにアレルギーがあるか否かを判断することも可能にしうる。食品をスキャンするためには、使用者は製品のUPCバーコードを狙ってスキャンする。スキャンされると、モバイルアプリケーションが製品の完全な成分リストを検索し、アレルゲンを含む製品中の成分の完全なリストを直ちに表示する。
【0032】
モバイルアプリケーションは、使用者がアレルギーでフィルタしたレシピの精選されたリストを作成することを可能にする。モバイルアプリケーションは、使用者がレシピのタイプを選択し、特定のアレルギーによってレシピのリストをフィルタすることを可能にする検索機能を提供する。使用者が所望のレシピを選択すると、使用者に材料を示すためにレシピの詳細が画面に追加される。選択されたレシピは、調理手順などレシピに関するさらなる情報のためのウェブサイトへのリンクも含みうる。使用者がレシピを保存しておく価値があると判断した場合には、モバイルアプリケーションは、使用者が後の使用のためにアプリケーションにレシピを保存し、さらに使用者が保存を望まなくなったレシピをリストから削除することを可能にする。
【0033】
取り付けデバイス(例えば電話ケース)、医療デバイス、またはその両方は、一つ以上の感知デバイスを含みうる。感知デバイスは、医療デバイスの温度、存在、設置、除去または使用など、医療デバイスの一つ以上の物理的状態を感知しうる。感知デバイスは、使用された薬物の量および/または医療デバイス内で利用可能な薬物の量を感知しうる。一つ以上の感知デバイスは、無線技術(例えばBLE、wi-fi、NFCまたは類似の技術)などを通じて、モバイルデバイスと通信しうる。次にモバイルデバイスは、医療デバイスの使用量を追跡し、医療デバイスの使用された用量を判断し、および/または医療デバイスに残る用量を判断するためにその情報を使用しうる。一つ以上の感知デバイスは、一つ以上のカートリッジセンサ、温度センサなど、またはこれらの組み合わせを含みうる。
【0034】
取り付けデバイス、医療デバイス、またはその両方は、一つ以上のサブシステムを含みうる。サブシステムには、電子システム、通信システム、熱維持システム、セキュリティシステム、またはこれらの任意の組み合わせを含みうる。
【0035】
電子システムは、一つ以上のマイクロコントローラ、電源、回路基板、ヒューズ、スイッチ、感知デバイスなど、またはこれらの任意の組み合わせを含みうる。一つ以上のマイクロコントローラは、8ビット、32ビットなどのNビットマイクロコントローラでありうる。一つ以上のマイクロコントローラは、汎用非同期送受信器(UART)、汎用同期/非同期送受信器(USART)、集積回路間通信(I2C)、アナログデジタル変換器(ADC)など、またはこれらの任意の組み合わせなどの一つ以上の周辺機器を有するかまたはこれらに接続されうる。一つ以上の感知デバイスは、一つ以上の温度センサを含みうる。温度センサは、医療デバイスまたは医療デバイス内の薬物の温度を感知および/または判断することができる任意のデバイスでありうる。一つ以上の温度センサは、アナログセンサ、デジタルセンサ、ダイオードセンサ、サーミスタセンサ、測温抵抗体など、またはこれらの任意の組み合わせを含みうる。一つ以上の感知デバイスは、医療デバイスセンサを含みうる。医療デバイスセンサは、医療デバイスの導入、存在、および/または除去を感知することができる任意のセンサでありうる。医療デバイスセンサは、スイッチコンタクト、光学式ビームブレイク、容量センサ、誘導センサなど、またはこれらの任意の組み合わせを含みうる。一つ以上の電源は、デバイスに給電することまたはデバイスを電源に接続することができる任意の電源でありうる。一つ以上の電源は、使用に適した任意の電力または耐用年数を有しうる。一つ以上の電源は、コイン電池、再充電可能バッテリ、充電回路など、またはこれらの任意の組み合わせを含みうる。一つ以上のヒューズおよび/またはスイッチは、一つ以上の熱ヒューズ、熱スイッチ、またはその両方を含みうる。熱ヒューズまたはスイッチは、デバイス、医療デバイス、またはその両方の過熱を防ぐことができる任意のヒューズまたはスイッチでありうる。熱ヒューズおよび/または熱スイッチは、一回使用または複数回使用のヒューズまたはスイッチでありうる。熱ヒューズおよび/または熱スイッチは、手動または自動でリセットされうる。
【0036】
熱サブシステムは、薬物がある温度条件(例えば薬物の有効性に影響する極端な高温または低温)にさらされないように、医療デバイスの温度条件を維持することができる任意のシステムを含みうる。熱サブシステムは、医療デバイスから熱および放射を反射および放散するように機能しうる。熱サブシステムは、モバイルデバイスから医療デバイスへの熱伝達を防ぎうる。熱サブシステムは、取り付けデバイスの一つ以上の材料、取り付けデバイスの一つ以上の物理的特性、一つ以上の熱交換器、またはこれらの組み合わせを含みうる。一つ以上の材料は、低い熱伝導率を有しうる。一つ以上の材料は、熱吸収を低減するために明るい色を有しうる。保持エリア(すなわちカートリッジキャビティ)が、MPETまたはPGSなどの耐熱性材料で裏打ちされうる。MPETおよび/またはPGSは、医療デバイスの保管のための目標温度範囲内の熱安定性を提供するために所定の温度範囲でエネルギーを熱的に貯蔵および放出するPCMを含みうる。PCMは、塩水和物、石油系材料、生物由来の材料、またはこれらの組み合わせでありうる。熱サブシステムは、様々な材料の様々な特性を利用して一貫した熱安定温度を提供するために層状に設けられてもよい。熱サブシステムは、一つ以上の熱交換器を含みうる。
【0037】
一つ以上の熱交換器は、通気口などの一つ以上の通気システム、一つ以上のペルチェ素子、一つ以上のファンなど、またはこれらの任意の組み合わせを含みうる。一つ以上の熱交換器は、保持エリア内の温度を能動的に監視および維持しうる。一つ以上の熱交換器と組み合わせた材料の選択および層状化により、優れた温度調節が提供されうる。電話ケースは、複数の通気ポートを含む。通気ポートは、保持エリアとモバイルデバイスとの間に配置される。通気ポートにより、熱が保持エリア内の医療デバイスに伝達されないようにモバイルデバイスからの熱放散が可能になる。
【0038】
電話ケースは、モバイルデバイスおよび医療デバイス保持エリアを含む。医療デバイス保持エリアは、自動注入器のためのカートリッジまたは吸入器の少なくとも一部など、医療デバイスの一部を受け入れるかまたは保持することができる。カートリッジセンサ、熱ヒューズ、および温度センサが保持エリアに隣接して接触する。カートリッジセンサは、医療デバイスの存在および/または除去を感知できる。カートリッジセンサは、医療デバイスがケース内に適切に据え付けられていることが使用者に分かるように、医療デバイスの完全据え付けまたは設置位置を感知できてもよい。温度センサは、医療デバイスおよび/または医療デバイスの周囲の温度または他の物理的状態を感知できる。ケースは、独立した電源を含むかまたは電源に付けられうる。電源はバッテリを含みうる。独立した電源の代わりにまたはこれと組み合わせて、ケースはモバイルデバイスから給電されうる。ケースは、マイクロコントローラ、無線周波数送信機および受信機、ならびにプリント回路基板(PCB)に装着されたバッテリを含む。
【0039】
カートリッジセキュリティシステムは、医療デバイスの保持エリアの上に配置されて保持エリアを覆うバックパネルを含む。バックパネルは、スライドロックを介して電話ケースの外部に付けられる。スライドロックはばね式である。バックパネルまたは電話ケースは、バックパネルを電話ケースとさらに位置合わせおよび係合するタブを含みうる。保持エリアの開口部の周りまたはバックパネルの周りにシールが配置されうる。シールにより、汚染物質の保持エリアへの侵入を防ぎうる。
【0040】
取り付けデバイス(例えば電話ケース)、医療デバイス、またはその両方は、セキュリティシステムを含みうる。セキュリティシステムは、医療デバイスの取り付けデバイスへの挿入および取り付けデバイスからの除去を可能にし得、医療デバイスの偶発的な除去を防ぎ、および/またはチャイルド/タンパプルーフであり得るシステムを含む。セキュリティシステムは、医療デバイスの挿入または除去を可能にする一つ以上のドアおよびまたはパネルを含みうる。セキュリティシステムは、一つ以上のドアおよび/またはパネルを閉じた状態に維持するための一つ以上のロック機構を含みうる。一つ以上のロック機構は、スライドロック、ばね式スライドロック、ボタン、マルチステップボタンなど、またはこれらの任意の組み合わせを含みうる。一つ以上のセキュリティシステムは、取り付けデバイスからの医療デバイスの除去を容易にするための一つ以上のばねを含みうる。例えば、セキュリティシステムはマルチステップボタンであり、ボタンを第一ステップまで押し下げると電話ケースから医療デバイスホルダが解放され、ボタンを第二ステップまでさらに押し下げると、使用者が緊急薬を投与できるように医療デバイスホルダから自動注入器の針が射出される。セキュリティシステムは、機械式、電気機械式、または電気式でありうる。セキュリティシステムは、電源への依存を避けるために機械的であるだけでよい。セキュリティシステムは、保持エリアの周りにシールを形成しうる。シールは、医療デバイスが衛生的であることを保証するために汚染物質(例えばほこり、泥、破片、湿気、液体)が保持エリアに入るのを防ぎうる。
【0041】
通信システムは、一つ以上の有線または無線通信システムを含みうる。一つ以上の有線または無線通信システムは、wi-fi送信機および受信機、Bluetooth送信機および受信機、Bluetooth低エネルギー(BLE)送信機および受信機、近距離無線通信(NFC)送信機および受信機など、任意の無線周波数ベースの送信機または受信機を含みうる。
【0042】
注入器を解放した後、10秒のカウントダウンが発生し得、無線周波数ベースの技術を用いてモバイルアプリはどこにいてもそれらの位置データを直ちに緊急サービスに送信し、911が緊急電話番号でない場所では国際的に機能する。このアクションによって、電話ケースとサポートモバイルアプリケーションとのインタラクションも開始し、モバイルアプリケーションが使用者の「ケアサークル」にその出来事を警告する。医療デバイスがデバイスからロック解除され使用されない場合には、使用者はボタンのタップにより警告および電話を無効にしうる。さらに、非緊急時には、医療デバイスは電話ケースの背面上に戻されうる。
【0043】
取り付けデバイスおよび関連する医療デバイスの安全な使用を提供する努力において、デバイスは、二要素認証を利用するように設計されうる。例えば、医療デバイスを解放するために電話ケース上の二つのボタンが押される必要があってもよい。
【0044】
薬物は、電話ケースから分離されてもなお電話ケース内にあるかのように電話ケースと連絡し、同じ機能を有してもよい。たとえば、薬物はキーチェーン上に配置されうる。
【0045】
薬物は針を介して注入されうる。針は、自動注入器から使用者に薬物を送達しうる。針は、曲がった針の設計であってもよい。曲がった針の設計により、針によるケースのコンパクトな空間使用が可能になりうる。針は、シャフトの端にベベルを含む。シャフトは、電話ケース内の医療デバイスに向かってなど、略直角な角度で曲がる。針の力受け部分は、ベベルに略直角である。力受け部分は、ばねに付けられうる。ばねは、薬物の伝達を可能にするために針のベベル部分を電話ケースの外へおよび使用者の中へと突出させるために、緊急の場合に使用者が電話ケースに加える力を伝達することができる。ばねが針をケースの外側に突出させた後、シャフトの受け部分が、分配される薬物と連通される。
【0046】
図1は、注入器(例えば薬物)を覆うためのカバー12を含む電話ケース10を示す。電話ケース10には、二つのリリースラッチ14a、14bが見える。医療デバイスをロック解除するには、両方のリリースラッチまたは「ボタン」が同時に押されなければならない。
図2は、電話ケース10および注入器を覆うためのカバー12から取り外されている自動注入器18を示す。注入器を受け入れるための開口部16も示される。
【0047】
図3、
図4および
図5は、注入器18を覆うためのカバー12と、ケース内の開口部16から注入器を解放するためのリリースラッチ14とを含む電話ケースを示す。モバイルデバイス20がケース10内に示される。
【0048】
図6および
図7は、電話ケース10に含まれうる追加の構成要素を示す。温度センサ32、熱ヒューズ34、およびカートリッジセンサ30を含む、注入器を受け入れるための開口部16が示される。ケース自体のためのBluetooth通信デバイス24、マイクロコントローラ26、およびバッテリ28が、注入器から離れているがケースのバックセクション22上に配置される。モバイルデバイス20が
図7に示される。
【0049】
図8および
図9は、注入器を受け入れるための開口部16に隣接している複数の通気孔36を含むケースを示す。
図10および
図11は、注入器の周りの複数のタブ40およびシール38を含むケースの追加の実施形態を示す。タブ40およびシール38を担持するためのバックパネル42が示される。バックパネルは、注入器を受け入れるための開口部16の上に設けられて示される。注入器をケース内に維持するためのロック44が示される。注入器にアクセスするためのドア46が示される。
【0050】
図12A~
図12Dおよび
図13A~
図13Cに示されるように、注入器は、電話ケースのためだけに設計されうることが可能である。特に、
図12A~
図12Dに示すように、注入器はばね48、50を含む。ばね48は、薬物をばね力62を介して移動させ、(シャフト54およびベベル56を含んで示された)針52を通して排出させるために、ばねに及ぼされる力60(60a)に反応して薬物51を含むカートリッジ58をばね50に向かって移動させる。カートリッジ58が移動すると、針52も前方に注入器の外へ移動する。薬物が注入されると、反力60bにより針52が注入器内に後退する。
【0051】
図13A~
図13Cは、注入器に関連する薬物51および針52を含む様々なカートリッジ58およびばね50の配設を示す。
【0052】
図14および
図15は、注入器を受け入れるための開口部16と、注入器のためのカバー12と、カバーに接続するためおよびモバイルデバイス20を受け入れるためのバックセクション22とを有するケース内に示されたモバイルデバイス20を含む、本教示の代替的実施形態を示す。リリースラッチ14も示される。
【0053】
図16A、
図16B、
図17A、
図17B、
図18および
図19は、本教示のさらなる実施形態を示す。モバイルデバイス20を受け入れるためのバックセクション22を含む電話ケースが示される。バックセクション22は、第一フロントセクション64と第二フロントセクション66とを含むフロントセクション(例えばカバー)12に除去可能に接続される。リリースラッチ14が、第一フロントセクション64上に配置される。第一フロントセクション64および第二フロントセクション66は、
図17Aに示されるように互いに分離されて、その中に配置された注入器をあらわにしうる。リリースラッチ14(
図17Aおよび
図17Bを参照)の移動によって、第一フロント
セクションおよび第二フロント
セクションが切断位置(
図17A)にあるかまたは接続位置(
図17B)にあるかが決定される。コネクタ部分68が、フロントセクション12をバックセクション22に接続する。
【0054】
本明細書で使用される場合、別段の記載がない限り、本教示は、ある種類(リスト)の任意のメンバーがその種類から除外されうること、および/またはマーカッシュ形式のグループの任意のメンバーがそのグループから除外されうることを想定する。
【0055】
別段の記載がない限り、全ての範囲は、両端点および端点間の全ての数を含む。ある範囲に関連した「約(about)」または「およそ(approximately)」の使用は、その範囲の両端に適用される。したがって、「約20~30」は、少なくとも指定された端点を含めて、「約20~約30」をカバーすることを意図する。
【0056】
特許出願および特許公報を含む全ての論文および参考文献の開示は、全ての目的のために参照により組み込まれる。組み合わせを説明するための「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語は、特定された要素、成分、構成要素またはステップ、および組み合わせの基本的および新規な特性に実質的に影響を与えない他の要素、成分、構成要素またはステップを含むものとする。本明細書における要素、成分、構成要素またはステップの組み合わせを説明するための「備える(comprising)」または「含む(including)」という用語の使用は、要素、成分、構成要素またはステップからなるかまたは本質的になる実施形態も企図する。
【0057】
複数の要素、成分、構成要素またはステップは、単一の一体化された要素、成分、構成要素またはステップによって提供されうる。あるいは、単一の一体化された要素、成分、構成要素、またはステップは、別々の複数の要素、成分、構成要素、またはステップに分割されうる。要素、成分、構成要素またはステップを説明するための「ある(a)」または「一つの(one)」の開示は、追加の要素、成分、構成要素またはステップを排除することを意図しない。
【0058】
以上の説明は例示的であり、限定的ではないことが意図されることが理解されよう。提供された例のほかに多くの実施形態および多くの応用例が、以上の説明を読んだ当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲は、以上の説明を参照して決定されてはならず、代わりに、添付の特許請求の範囲を、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲とともに参照して決定されねばならない。特許出願および特許公報を含む全ての論文および参考文献の開示は、全ての目的のために参照により組み込まれる。以下の特許請求の範囲における本明細書に開示された主題の任意の態様の省略は、そのような主題の排除ではなく、本発明者らがそのような主題を開示された本発明の主題の一部と考えなかったものとみなされてもならない。