(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】電子図書館システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20120101AFI20221116BHJP
【FI】
G06Q50/26
(21)【出願番号】P 2021019953
(22)【出願日】2021-02-10
【審査請求日】2021-02-18
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年10月16日、株式会社熊本日日新聞社が、ウェブサイトhttps://this.kiji.is/689638612608009313で公開されている同社新聞記事にて、牛島清豪が発明した読み放題デジタル図書館について公開した。
(73)【特許権者】
【識別番号】521063694
【氏名又は名称】合同会社エルエムシー
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】牛島 清豪
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-287994(JP,A)
【文献】特開2004-355458(JP,A)
【文献】特開2005-010830(JP,A)
【文献】特開平10-232878(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0045202(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが所定の団体に所属していると判断した後、前記ユーザの閲覧要求に対応する電子書籍を、前記ユーザが所有する端末の表示部に表示させる運用部と、
前記所定の団体を識別する団体識別情報と、前記所定の団体の登録日と、前記ユーザを識別するユーザ識別情報とを互いに対応付けて
データベースに格納させる管理部と、
を備え、
前記管理部は、電子書籍を貸出可能な貸出可能期間を前記ユーザが所属する団体単位で管理し、前記所定の団体の登録日から現在の日付までの登録期間が前記貸出可能期間以上になると、前記所定の団体に対応する前記団体識別情報及び前記ユーザ識別情報を前記データベースから削除する
ことを特徴とする電子図書館システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電子図書館システムであって、
前記管理部は、前記所定の団体に所属しているユーザ数×前記所定の団体に貸出可能な電子書籍の種類の数×電子書籍を提供するコンテンツプロバイダーにより設定される電子書籍1冊分の料金×前記登録期間の計算結果を、前記所定の団体に対するサブスプリクション契約の料金とする
ことを特徴とする電子図書館システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子図書館システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子図書館システムとして、ユーザに対して電子書籍を貸し出し、ユーザが所有する端末の表示部に表示させるものがある。関連する技術として、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、電子図書館システムは、学校や市町村(自治体)などの団体(集団)に所属する比較的大人数のユーザに対して同時に同じ電子書籍を貸し出し可能にしようとする場合、ユーザの数分の電子書籍を、電子書籍を提供する事業者であるコンテンツプロバイダーから購入することなどが考えられるが、コスト面で実現が難しいという懸念がある。このように、比較的大人数のユーザに対して同時に同じ電子書籍を貸し出し可能にする場合では、電子図書館システムの運営側とコンテンツプロバイダーとの間で行われる電子書籍の料金の調整が難しくなるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明の一側面に係る目的は、比較的大人数のユーザに同時に同じ電子書籍を貸し出し可能にする場合において、電子図書館システムの運営側とコンテンツプロバイダーとの間で行われる電子書籍の料金の調整を容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る一つの形態である電子図書館システムは、ユーザが所定の団体に所属していると判断した後、前記ユーザの閲覧要求に対応する電子書籍を、前記ユーザが所有する端末の表示部に表示させる運用部と、前記所定の団体を識別する団体識別情報と、前記所定の団体の登録日と、前記ユーザを識別するユーザ識別情報とを互いに対応付けて記憶部に記憶させる管理部とを備える。
【0007】
また、前記管理部は、前記所定の団体の登録期間が閾値以上になると、前記所定の団体に対応する前記団体識別情報及び前記ユーザ識別情報を前記データベースから削除するように構成してもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、比較的大人数のユーザに同時に同じ電子書籍を貸し出し可能にする場合において、電子図書館システムの運営側とコンテンツプロバイダーとの間で行われる電子書籍の料金の調整を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態の電子図書館システムの一例を示す図である。
【
図2】管理部の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図4】団体データベース、ユーザデータベース、及び書籍データベースの一例を示す図である。
【
図5】管理部の他の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図6】端末の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図7】運用部の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図8】端末側の表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下図面に基づいて実施形態について詳細を説明する。
【0011】
図1は、実施形態の電子図書館システムの一例を示す図である。
【0012】
図1に示す電子図書館システム10は、電子図書館システム10の利用者であるユーザに関する情報やユーザが所属する団体に関する情報などを管理するWebサーバ1と、電子書籍が蓄積されている書庫サーバ2とを備え、ユーザが所有する端末3とインターネットなどのネットワーク4を介してデータを送受信する。なお、Webサーバ1と書庫サーバ2とを1つのサーバに含めて電子図書館システム10を構成してもよい。また、端末3は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、またはタブレットなどにより構成されるものとする。
【0013】
Webサーバ1は、通信I/F11と、認証部12と、団体データベース13と、ユーザデータベース14と、書籍データベース15と、管理部16と、運用部17とを備える。
【0014】
管理部16は、団体管理部161と、ユーザ管理部162と、書籍データ管理部163と、システム管理部164とを備える。
【0015】
運用部17は、書籍検索部171と、貸出管理部172と、本棚管理部173と、統計管理部174とを備える。
【0016】
書庫サーバ2は、通信I/F21と、受付部22と、書籍登録部23と、書籍表示部24とを備える。
【0017】
書籍登録部23は、書籍登録部231と、難読変換部232とを備える。
【0018】
書籍表示部24は、書籍確認部241と、認証確認部242とを備える。
【0019】
通信I/F11は、Webサーバ1からネットワーク4を介して端末3に電子書籍などのデータを送信するとともに、端末3からネットワーク4を介してWebサーバ1に送信された電子書籍の閲覧要求などのデータを受信する。なお、Webサーバ16に蓄積されている電子書籍のコピーをネットワーク4上に配置されるキャッシュサーバに予め記憶させておき、端末3からWebサーバ16に電子書籍の閲覧要求が送信された際に、キャッシュサーバから端末3に電子書籍を送信するように構成してもよい。
【0020】
認証部12は、Webサーバ1にアクセスしたユーザが所定の団体に所属されるユーザであるか否かを判断する。
【0021】
団体データベース13には、管理者により電子図書館システム10に登録された団体を識別する団体識別情報と、団体名を示す団体名情報と、団体の登録日を示す登録日情報とが互いに対応付けられて格納されている。
【0022】
ユーザデータベース14には、ユーザを識別するユーザ識別情報と、ログインIDを示すID情報と、パスワードを示すパスワード情報と、団体識別情報と、ユーザにより貸し出し済みの電子書籍を識別する電子書籍識別情報とが互いに対応付けられて格納されている。
【0023】
書籍データベース15には、書庫サーバ2に蓄積されている電子書籍を識別する電子書籍識別情報と、電子書籍のタイトルを示すタイトル情報と、電子書籍の著者名を示す著者名情報と、電子書籍の説明文を示す説明文情報とが互いに対応付けられて格納されている。
【0024】
団体管理部161は、団体データベース13に格納される各種情報を管理する。
【0025】
ユーザ管理部162は、ユーザデータベース14に格納される各種情報を管理する。
【0026】
書籍データ管理部163は、書籍データベース15に格納される各種情報を管理する。
【0027】
システム管理部164は、団体管理部161、ユーザ管理部162、及び書籍データ管理部163のそれぞれの動作を制御する。
【0028】
通信I/F21は、書庫サーバ2からネットワーク4を介して端末3に電子書籍などのデータを送信するとともに、端末3からネットワーク4を介して書庫サーバ2に送信されたデータを受信する。
【0029】
受付部22は、通信I/F21により受信されたデータに応じて、書籍登録部23及び書籍表示部24の動作を制御する。
【0030】
書庫登録部231は、電子書籍をHTML(Hypertext Markup Language)に変換するとともに暗号化して蓄積する。
【0031】
難読変換部232は、書庫登録部231に蓄積されている電子書籍の漢字にふりがなを付与する。
【0032】
書籍確認部241は、書庫登録部231に蓄積されている電子書籍を確認する。
【0033】
認証確認部242は、暗号化された電子書籍を確認する。
【0034】
図2は、団体データベース13、ユーザデータベース14、または書籍データベース15に各種情報を格納する際の管理部16の動作の一例を示すフローチャートである。
【0035】
まず、管理部16は、登録画面をWebサーバ16に備えられる不図示の表示部に表示させる(ステップS101)。
【0036】
次に、管理部16は、管理者によりWebサーバ1が操作されることで、各種情報が登録画面に入力されると(ステップS102:Yes)、それら情報を団体データベース13、ユーザデータベース14、または書籍データベース15に格納する登録処理を実行する(ステップS103)。すなわち、管理部16は、団体名情報及びユーザ名情報が登録画面に入力されると、団体識別情報と団体名情報と登録日情報とを互いに対応付けて団体データベース13に格納するとともに、ユーザ識別情報とユーザ名情報とログインID情報とパスワード情報と団体識別情報とを互いに対応付けてユーザデータベース14に格納する。または、管理部16は、タイトル情報、著者名情報、及び説明文情報が登録画面に入力されると、電子書籍識別情報とタイトル情報と著者名情報と説明文情報とを互いに対応付けて書籍データベース15に格納する。
【0037】
【0038】
図3(a)に示す登録画面S1は、団体名情報を入力することが可能な入力欄f11と、ユーザ名を入力することが可能な入力欄f12と、管理者により選択されると登録処理実行指示が管理部16に入力される登録ボタンb11とを有する。
【0039】
図4(a)は、団体データベース13の一例を示す図である。
【0040】
図4(a)に示す団体データベース13は、団体識別情報が格納されるフィールドF11と、団体名情報が格納されるフィールドF12と、登録日情報が格納されるフィールドF13と、削除フラグの状態(オンまたはオフ)を示す削除フラグ情報が格納されるフィールドF14とを有する。
【0041】
図4(b)は、ユーザデータベース14の一例を示す図である。
【0042】
図4(b)に示すユーザデータベース14は、ユーザ識別情報が格納されるフィードF21と、ユーザ名情報が格納されるフィールドF22と、ログインID情報が格納されるフィールドF23と、パスワード情報が格納されるフィールドF24と、ユーザが所属する団体の団体識別情報が格納されるフィールドF25と、削除フラグの状態を示す削除フラグ情報が格納されるフィールドF26と、ユーザに貸し出し中の電子書籍識別情報が格納されるフィールドF27を有する。
【0043】
例えば、2020年4月1日において、管理者によりWebサーバ1が操作されることで、
図3(a)に示す登録画面S1の入力欄f11に「○○小学校」が入力され、登録画面S1の入力欄f12に「○○」が入力された後、登録ボタンb11が選択されると、管理部16は、
図4(a)に示す団体データベース13のレコードR11のフィールドF11に「S001」を格納し、レコードR11のフィールドF12に「○○小学校」を格納し、レコードR11のフィールドF13に「2020.4.1」を格納し、レコードR11のフィールドF14に「オフ」を格納する。また、管理部16は、
図4(b)に示すユーザデータベース14のレコードR21のフィールドF21に「M001」を格納し、レコードR21のフィールドF22に「○○」を格納し、レコードR21のフィールドF23に「ID1」を格納し、レコードR21のフィールドF24に「PW1」を格納し、レコードR21のフィールドF25に「S001」を格納し、レコードR21のフィールドF26に「オフ」を格納する。
【0044】
また、2021年3月1日において、管理者によりWebサーバ1が操作されることで、
図3(a)に示す登録画面S1の入力欄f11に「××市町村」が入力され、登録画面S1の入力欄f12に「××」が入力された後、登録ボタンb11が選択されると、管理部16は、
図4(a)に示す団体データベース13のレコードR12のフィールドF11に「S002」を格納し、レコードR12のフィールドF12に「××市町村」を格納し、レコードR12のフィールドF13に「2021.3.1」を格納し、レコードR12のフィールドF14に「オフ」を格納する。また、管理部16は、
図4(b)に示すユーザデータベース14のレコードR22のフィールドF21に「M002」を格納し、レコードR22のフィールドF22に「××」を格納し、レコードR22のフィールドF23に「ID2」を格納し、レコードR22のフィールドF24に「PW2」を格納し、レコードR22のフィールドF25に「S002」を格納し、レコードR22のフィールドF26に「オフ」を格納する。
【0045】
なお、
図3(a)に示す登録画面S1は、ネットワーク4に接続される端末3と異なる不図示の端末に備えられる表示部に表示されるように構成されてもよい。この場合、管理者によりその端末が操作されることで、その端末からWebサーバ16に各種情報が送信され、団体データベース13及びユーザデータベース14に各種情報が格納されるものとする。
【0046】
【0047】
図3(b)に示す登録画面S2は、タイトル情報を入力することが可能な入力欄f21と、著者名情報を入力することが可能な入力欄f22と、説明文情報を入力することが可能な入力欄f23と、管理者により選択されると登録処理実行指示が管理部16に入力される登録ボタンb21とを有する。
【0048】
図4(c)は、書籍データベース15の一例を示す図である。
【0049】
図4(c)に示す書籍データベース15は、電子書籍識別情報が格納されるフィールドF31と、タイトル情報が格納されるフィールドF32と、著者名情報が格納されるフィールドF33と、説明文情報が格納されるフィールドF34とを有する。
【0050】
例えば、管理者によりWebサーバ1が操作されることで、
図3(b)に示す登録画面S2の入力欄f21に「○○図鑑」が入力され、登録画面S2の入力欄f22に「△△」が入力され、登録画面S2の入力欄f23に「****」が入力された後、登録ボタンb21が選択されると、管理部16は、
図4(c)に示す書籍データベース15のレコードR31のフィールドF31に「B001」を格納し、レコードR31のフィールドF32に「○○図鑑」を格納し、レコードR31のフィールドF33に「△△」を格納し、レコードR31のフィールドF34に「****」を格納する。
【0051】
また、管理者によりWebサーバ1が操作されることで、
図3(b)に示す登録画面S2の入力欄f21に「××伝記」が入力され、登録画面S2の入力欄f22に「□□」が入力され、登録画面S2の入力欄f23に「****」が入力された後、登録ボタンb21が選択されると、管理部16は、
図4(c)に示す書籍データベース15のレコードR32のフィールドF31に「B002」を格納し、レコードR32のフィールドF32に「××伝記」を格納し、レコードR32のフィールドF33に「□□」を格納し、レコードR32のフィールドF34に「****」を格納する。
【0052】
また、管理者によりWebサーバ1が操作されることで、
図3(b)に示す登録画面S2の入力欄f21に「△△物語」が入力され、登録画面S2の入力欄f22に「○○」が入力され、登録画面S2の入力欄f23に「****」が入力された後、登録ボタンb21が選択されると、管理部16は、
図4(c)に示す書籍データベース15のレコードR33のフィールドF31に「B003」を格納し、レコードR33のフィールドF32に「△△物語」を格納し、レコードR32のフィールドF33に「○○」を格納し、レコードR33のフィールドF34に「****」を格納する。
【0053】
図5は、団体データベース13及びユーザデータベース14の更新時の管理部16の動作の一例を示すフローチャートである。なお、管理部16は、
図5に示すフローチャートを一定時間経過毎に実行するものとする。
【0054】
まず、管理部16は、団体データベース13の全てのレコードのうちの1つのレコードに対応する登録期間を算出する(ステップS201)。例えば、管理部16は、
図4(a)に示す団体データベース13のレコードR11のフィールドF13に格納されている日付から現在の日付(今回の更新タイミングの日付)までの期間を、レコードR11に対応する登録期間とする。
【0055】
次に、管理部16は、登録期間が閾値以上である場合(ステップS202:Yes)、その登録期間に対応するレコードの削除フラグを「オフ」から「オン」に切り替え(ステップS203)、登録機関が閾値より小さい場合(ステップS202:No)、その登録期間に対応するレコードの削除フラグをオフのままにする。上記閾値は、管理者などにより予め決められている任意の期間とする。
【0056】
次に、管理部16は、団体データベース13の全てのレコードについて登録期間を算出していない場合(ステップS204:No)、ステップS201に戻り、登録期間を算出していないレコードに対応する登録期間を算出する。
【0057】
一方、管理部16は、団体データベース13の全てのレコードについて登録期間を算出している場合(ステップS204:Yes)、団体データベース13の全てのレコードのうち、削除フラグがオンであるレコードの団体識別情報を含む、ユーザデータベース14のレコードの削除フラグを「オフ」から「オン」に切り替える(ステップS205)。
【0058】
そして、管理部16は、団体データベース13及びユーザデータベース14の全てのレコードのうち、削除フラグがオンであるレコードを削除する(ステップS206)。
【0059】
例えば、閾値を「365日」とし、今回の更新タイミングが「2021.4.1」である場合を想定する。
【0060】
まず、管理部16は、
図4(a)に示す団体データベース13のレコードR11に対応する登録期間として「365日」を算出するとともに、レコードR12に対応する登録期間として「31日」を算出する。
【0061】
次に、管理部16は、レコードR11に対応する登録期間が閾値以上であり、レコードR12に対応する登録期間が閾値より小さいため、レコードR11のフィールドF14に格納されている削除フラグ情報を「オフ」から「オン」に切り替えるとともに、レコードR12のフィールドF14に格納されている削除フラグ情報を「オフ」のままにする。
【0062】
次に、管理部16は、レコードR11のフィールドF11に格納されている「S001」が含まれるレコードR21のフィールドF26に格納されている削除フラグ情報を「オフ」から「オン」に切り替えるとともに、レコードR22のフィールドF26に格納されている削除フラグ情報を「オフ」のままにする。
【0063】
そして、管理部16は、レコードR11及びレコードR21を削除する。
【0064】
なお、レコードの削除作業は、利用者により手動で行われてもよい。
【0065】
図6は、端末3の動作の一例を示すフローチャートである。
【0066】
まず、端末3は、Webサーバ1から送信されるログイン画面を表示部(不図示)に表示させ(ステップS301)、ログイン画面においてユーザにより入力されるログインID及びパスワードをWebサーバ1に送信する(ステップS302)。
【0067】
次に、端末3は、ユーザの認証が失敗した場合、すなわち、ユーザが所定の団体(団体データベース13に予め格納されている団体)に所属していないと判断された場合(ステップS303:No)、ステップS301に戻り、ログイン画面を表示部に表示させる。
【0068】
一方、端末3は、ユーザの認証が成功した場合、すなわち、ユーザが所定の団体に所属していると判断された場合(ステップS303:Yes)、Webサーバ1から送信される初期画面を表示部に表示させ(ステップS304)、初期画面においてユーザにより検索条件が入力された場合(ステップS305:Yes)、その検索結果に基づく検索結果画面をWebサーバ1から受信して表示部に表示させる(ステップS306)。
【0069】
次に、端末3は、検索結果画面においてユーザにより貸出ボタンが選択されなかった場合(ステップS307:No)、ステップS304に戻り、初期画面を表示部に表示させ、書籍情報画面においてユーザにより貸出ボタンが選択された場合(ステップS307:Yes)、その選択結果に基づく貸出処理実行指示をWebサーバ1に送信する(ステップS308)。
【0070】
また、端末3は、初期画面においてユーザにより本棚ボタンが選択された場合(ステップS305:No、ステップS309:Yes)、ユーザに対応する本棚画面をWebサーバ1から受信して表示部に表示させる(ステップS310)。
【0071】
次に、端末3は、本棚画面においてユーザにより電子書籍が選択されなかった場合(ステップS311:No)、ステップS304に戻り、初期画面を表示部に表示させ、本棚画面においてユーザにより電子書籍が選択された場合(ステップS311:Yes)、その選択結果に基づく書籍情報画面をWebサーバ1から受信して表示部に表示させる(ステップS312)。
【0072】
次に、端末3は、書籍情報画面においてユーザにより閲覧開始ボタンが選択された場合(ステップS313:Yes)、Webサーバ1から送信される閲覧用画面を表示部に表示させる(ステップS314)。
【0073】
次に、端末3は、閲覧用画面においてユーザにより読み終わりボタンが選択されない場合(ステップS315:No)、閲覧用画面を表示部に表示させることを継続し、閲覧用画面においてユーザにより読み終わりボタンが選択された場合(ステップS315:Yes)、ステップS304に戻り、初期画面を表示部に表示させる。
【0074】
また、端末3は、書籍情報画面においてユーザにより返却ボタンが選択された場合(ステップS313:No、ステップS316:Yes)、返却処理実行指示をWebサーバ1に送信した後(ステップS317)、ステップS304に戻り、初期画面を表示部に表示させる。
【0075】
また、端末3は、書籍情報画面においてユーザにより閲覧開始ボタン及び返却ボタンが選択されなかった場合(ステップS313:No、ステップS316:No)、ステップS304に戻り、初期画面を表示部に表示させる。
【0076】
また、端末3は、初期画面においてユーザによりログアウトボタンが選択された場合(ステップS305:No、ステップS309:No、ステップS318:Yes)、Webサーバ1と端末3との接続を終了する。
【0077】
図7は、運用部17の動作の一例を示すフローチャートである。
【0078】
まず、運用部17は、端末3から送信されるログインID情報及びパスワード情報を受信した場合(ステップS401:Yes)、受信したログインID情報及びパワード情報と一致するログインID情報及びパスワード情報がユーザデータベース14に格納されているか否か、すなわち、ユーザの認証が成功したか否かを判断する(ステップS402)。
【0079】
次に、運用部17は、ユーザの認証が成功したと判断すると、すなわち、ユーザが所定の団体に所属していると判断した場合(ステップS402:Yes)、初期画面を端末3に送信する(ステップS403)。
【0080】
次に、運用部17は、端末3から送信される検索条件を受信した場合(ステップS404:Yes)、受信した検索条件に基づく検索処理を実行し(ステップS405)、検索結果を含む検索結果画面を端末3に送信する(ステップS406)。
【0081】
次に、運用部17は、貸出処理実行指示を受信しない場合(ステップS407:No)、ステップS403に戻り、初期画面を端末3に送信し、貸出処理実行指示を受信した場合(ステップS407:Yes)、ユーザにより選択された電子書籍の貸し出し(閲覧)を許可する貸出処理を実行する(ステップS408)。
【0082】
また、運用部17は、初期画面を端末3に送信した後、本棚ボタンが選択された旨を示す情報を受信すると(ステップS404:No、ステップS409:Yes)、ユーザに貸出中の電子書籍を含む本棚画面を端末3に送信する(ステップS410)。
【0083】
次に、運用部17は、電子書籍の選択結果を受信しない場合(ステップS411:No)、ステップS403に戻り、初期画面を端末3に送信し、電子書籍の選択結果を受信した場合(ステップS411:Yes)、選択結果に基づく書籍情報画面を端末3に送信する(ステップS412)。
【0084】
次に、運用部17は、閲覧開始ボタンが選択された旨を示す情報を受信した場合(ステップS413:Yes)、閲覧用画面を端末3に送信し(ステップS414)、閲覧終了ボタンが選択された旨を示す情報を受信した場合(ステップS415:Yes)、ステップS403に戻り、初期画面を端末3に送信する。
【0085】
また、運用部17は、書籍情報画面を端末3に送信した後、返却ボタンが選択された旨を示す情報を受信した場合(ステップS413:No、ステップS416:Yes)、ユーザデータベース14から貸し出し対象の電子書籍識別情報を削除するための返却処理を実行した後(ステップS417)、ステップS403に戻り、初期画面を端末3に送信する。
【0086】
また、運用部17は、初期画面を端末3に送信した後、ログアウトボタンが選択された旨の情報を受信した場合(ステップS404:No、ステップS409:No、ステップS418:Yes)、Webサーバ1と端末3との接続を終了する。
【0087】
ここで、
図8(a)は、ログイン画面の一例を示す図であり、
図8(b)は、初期画面の一例を示す図であり、
図8(c)は、検索結果画面の一例を示す図であり、
図8(d)は、本棚画面の一例を示す図であり、
図8(e)は、書籍情報画面の一例を示す図であり、
図8(f)は、閲覧用画面の一例を示す図である。
【0088】
図8(a)に示すログイン画面S3は、ログインID情報を入力することが可能な入力欄f31と、パスワード情報を入力することが可能な入力欄f32と、ログインボタンb31とを有する。
【0089】
図8(b)に示す初期画面S4は、電子書籍の複数種類のカテゴリ(「すべて」、「図鑑」、「伝記」、「物語」など)のうちの1つのカテゴリを選択することが可能な選択欄f41と、キーワードを入力することが可能な入力欄f42と、検索ボタンb41と、本棚ボタンb42と、ログアウトボタンb43とを有する。
【0090】
図8(c)に示す検索結果画面S5は、タイトル情報が表示される表示欄f51と、著者名情報が表示される表示欄f52と、説明文情報が表示される表示欄f53と、貸出ボタンb51とを有する。
【0091】
図8(d)に示す本棚画面S6は、タイトル情報が表示される表示欄f61a、f61bと、著者名情報が表示される表示欄f62a、f62bと、説明文情報が表示される表示欄f63a、f63bと、選択ボタンb61a、b61bとを有する。
【0092】
図8(e)に示す書籍情報画面S7は、タイトル情報が表示される表示欄f71と、著者名情報が表示される表示欄f72と、説明文情報が表示される表示欄f73と、閲覧ボタンb71と、返却ボタンb72とを有する。
【0093】
図3(f)に示す閲覧用画面S8は、電子書籍が表示される表示欄f81と、読み終わりボタンb81とを有する。
【0094】
まず、端末3は、ログイン画面S3を表示部に表示させる。
【0095】
次に、端末3は、
図8(a)の例のように、ユーザにより入力欄f31にログインID情報としての「ID1」が入力されるとともに入力欄f32にパスワード情報としての「PS1」が入力された後、ログインボタンb31が選択されると、「ID1」及び「PS1」をWebサーバ1に送信する。Webサーバ1の運用部17は、受信した「ID1」及び「PS1」が、
図4(b)に示すユーザデータベース14のレコードR21のフィールドf23に格納されているログインID情報及びフィールドf24に格納されているパスワード情報と一致すると、ユーザの認証が成功したと判断し、初期画面S4を端末3に送信する。
【0096】
次に、端末3は、初期画面S4を表示部に表示させる。
【0097】
次に、端末3は、
図8(b)の例のように、ユーザにより選択欄f41において「すべて」が選択されるとともに入力欄f42にキーワードとして「物語」が入力された後、検索ボタンb41が選択されると、「物語」をWebサーバ16に送信する。Webサーバ16の運用部17は、受信した「物語」が、
図4(c)に示す書籍データベース15のレコードR33のフィールドf32に格納されているタイトル情報の一部に一致すると、レコードR33のフィールドf32に格納されているタイトル情報としての「△△物語」、フィールドf33に格納されている著者名情報としての「○○」、及びフィールドf34に格納されている説明文情報としての「****」を含む検索結果画面(
図8(c)に示す検索結果画面S5)を端末3に送信する。
【0098】
次に、端末3は、検索結果画面S5を表示部に表示させる。
【0099】
次に、端末3は、ユーザにより検索結果画面S5の貸出ボタンb51が選択されると、貸出処理実行指示をWebサーバ16に送信する。Webサーバ16の運用部17は、貸出処理実行指示を受信すると、
図4(c)に示す書籍データベース15のレコードR33のフィールドf31に格納されている電子書籍識別情報としての「B003」を、
図4(b)に示すユーザデータベース14のレコードR21のフィールドf27に格納した後、
図8(b)に示す初期画面S4を端末3に送信する。
図4(b)に示すユーザデータベース14の例では、レコードR21のフィールドf27に「B001」及び「B003」が格納されているため、ユーザに「○○図鑑」及び「△△物語」の電子書籍を貸し出している状態である。
【0100】
一方、端末3は、
図8(b)に示す初期画面S4において、ユーザにより、本棚ボタンb42が選択されると、本棚ボタンb42が選択された旨の情報をWebサーバ16に送信する。Webサーバ16の運用部17は、本棚ボタンb42が選択された旨の情報を受信すると、
図4(b)に示すユーザデータベース14のレコードR21のフィールドf27に格納されている電子書籍識別情報としての「B001」及び「B003」を読み出す。そして、運用部17は、「B001」及び「B003」に対応する情報として、
図4(c)に示す書籍データベース15のレコードR31のフィールドf32に格納されている「○○図鑑」、フィールドf33に格納されている「△△」、及びフィールドf34に格納されている「****」、並びに、レコードR33のフィールドf32に格納されている「△△物語」、フィールドf33に格納されている「○○」、及びフィールドf34に格納されている「****」を含む本棚画面(
図8(d)に示す本棚画面S6)を端末3に送信する。
【0101】
次に、端末3は、本棚画面S6を表示部に表示させる。
【0102】
次に、端末3は、ユーザにより、本棚画面S6の選択ボタンb61aが選択されると、選択ボタンb61aが選択された旨の情報をWebサーバ16に送信する。Webサーバ16は、選択ボタンb61aが選択された旨の情報を受信すると、
図4(c)に示す書籍データベース15のレコードR31のフィールドf32に格納されている「○○図鑑」、フィールドf33に格納されている「△△」、及びフィールドf34に格納されている「****」を含む書籍情報画面(
図8(e)に示す書籍情報画面S7)を端末3に送信する。
【0103】
次に、端末3は、書籍情報画面S7を表示部に表示させる。
【0104】
次に、端末3は、ユーザにより、書籍情報画面S7の閲覧開始ボタンb71が選択されると、閲覧開始ボタンb71が選択された旨の情報をWebサーバ16に送信する。Webサーバ16の運用部17は、閲覧開始ボタンb71が選択された旨の情報を受信すると、○○図鑑の電子書籍を書籍登録部23から読み出し、○○図鑑の電子書籍を含む閲覧用画面(
図8(f)に示す閲覧用画面S8)を端末3に送信する。
【0105】
次に、端末3は、閲覧用画面S8を表示部に表示させる。
【0106】
次に、端末3は、ユーザにより閲覧用画面S8の閲覧終了ボタンb81が選択されると、閲覧終了ボタンb81が選択された旨の情報をWebサーバ16に送信する。Webサーバ16の運用部17は、閲覧終了ボタンb81が選択された旨の情報を受信すると、
図8(b)に示す初期画面S4を端末3に送信する。
【0107】
一方、端末3は、ユーザにより書籍情報画面S7の返却ボタンb72が選択されると、返却ボタンb72が選択された旨の情報をWebサーバ16に送信する。Webサーバ16の運用部17は、返却ボタンb72が選択された旨の情報を受信すると、
図4(b)に示すユーザデータベース14のレコードR21のフィールf27に格納されている「B001」を削除した後、
図8(b)に示す初期画面S4を端末3に送信する。
【0108】
このように、実施形態の電子図書館システム10では、電子書籍を貸出可能なユーザ数及び期間をユーザが所属する団体単位で管理しているため、電子書籍を提供するコンテンツプロバイダーとの従量課金契約の根拠を明確にすることができる。例えば、「所定の団体に所属しているユーザ数」×「所定の団体に貸出可能な電子書籍の種類の数」×「コンテンツプロバイダーにより設定される電子書籍1冊分の料金(単価)」×「登録期間」を計算することにより、所定の団体に対するサブスプリクション契約を明確にすることができる。そのため、所定の団体に所属するユーザが比較的大人数であっても、電子図書館システム10の運営側とコンテンツプロバイダーとの間で行われる電子書籍の料金の調整を容易にすることができる。
【0109】
また、実施形態の電子図書館システム10では、登録期間が閾値以上である場合、その登録期間に対応する団体やユーザに関する情報を自動的に削除する構成であるため、管理者の手作業により団体やユーザに関する情報を削除する場合に比べて、管理者の工数を低減することができ、コストを低減することができる。
【0110】
図9は、Webサーバ1、書庫サーバ2、または端末3のハードウエア構成の一例を示す図である。
【0111】
Webサーバ1、書庫サーバ2、または端末3を実現するためのハードウエア構成は、例えば、プロセッサ101、メモリ102、記憶装置103、読取装置104、通信インタフェース106、及び入出力インタフェース107を備える。なお、プロセッサ101、メモリ102、記憶装置103、読取装置104、通信インタフェース106、入出力インタフェース107は、バス108を介して互いに接続されている。
【0112】
プロセッサ101は、例えば、シングルプロセッサであっても、マルチプロセッサやマルチコアであってもよい。プロセッサ101は、メモリ102を利用して例えば上述の動作フローの手順を記述したプログラムを実行することにより、上述したWebサーバ1、書庫サーバ2、または端末3の一部または全部の機能を提供する。例えば、Webサーバ1のプロセッサ101は、記憶装置103に格納されているプログラムを読み出して実行することで、管理部16及び運用部17として動作する。
【0113】
メモリ102は、例えば、半導体メモリであり、RAM領域及びROM領域を含んでいてよい。記憶装置103は、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、または、外部記憶装置である。なお、RAMは、Random Access Memoryの略称である。また、ROMは、Read Only Memoryの略称である。
【0114】
読取装置104は、プロセッサ101の指示に従って着脱可能記憶媒体105にアクセスする。着脱可能記憶媒体105は、例えば、半導体デバイス、磁気的作用により情報が入出力される媒体、光学的作用により情報が入出力される媒体などにより実現される。なお、半導体デバイスは、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリである。また、磁気的作用により情報が入出力される媒体は、例えば、磁気ディスクである。光学的作用により情報が入出力される媒体は、例えば、CD-ROM、DVD、Blu-ray Discなど(Blu-rayは登録商標)である。CDは、Compact Discの略称である。DVDは、Digital Versatile Diskの略称である。
【0115】
記憶装置103には、例えば、団体データベース13、ユーザデータベース14、及び書籍データベース15が格納されている。
【0116】
通信インタフェース106は、プロセッサ101の指示に従って有線または無線通信で他の装置と通信する。通信インタフェース106は、上述の通信部I/F11または通信I/F21の一例である。
【0117】
入出力インタフェース107は、例えば、入力装置及び出力装置との間のインタフェースであってよい。入力装置は、例えば、ユーザからの指示を受け付けるキーボード、マウス、タッチパネルなどのデバイスである。出力装置は、例えば、ディスプレイなどの表示部及びスピーカなどの音声装置である。
【0118】
実施形態に係る各プログラムは、例えば、下記の形態でプロセッサ101に提供される。
(1)記憶装置103に予めインストールされている。
(2)着脱可能記憶媒体105により提供される。
(3)プログラムサーバなどのサーバから提供される。
【0119】
なお、
図9を参照して述べたWebサーバ1、書庫サーバ2、または端末3を実現するためのハードウエア構成は、例示であり、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、上述の構成の一部が、削除されてもよく、また、新たな構成が追加されてもよい。
【0120】
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
【符号の説明】
【0121】
1 Webサーバ
2 書庫サーバ
3 端末
4 ネットワーク
10 電子図書館システム
11 通信I/F
12 認証部
13 団体データベース
14 ユーザデータベース
15 書籍データベース
16 管理部
17 運用部
21 通信I/F
22 受付部
23 書籍登録部
24 書籍表示部
161 団体管理部
162 ユーザ管理部
163 書籍データ管理部
164 システム管理部
171 書籍検索部
172 貸出検索部
173 本棚管理部
174 統計管理部
231 書庫登録部
232 難読変換部
241 書籍確認部
242 認証確認部