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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】家電制御システム及び制御装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20221116BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20221116BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
H04L12/28 500E
H04Q9/00 301D
H02J13/00 311T
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2017207462
(22)【出願日】2017-10-26
(65)【公開番号】P2019079420
(43)【公開日】2019-05-23
【審査請求日】2020-07-09
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 孝
(72)【発明者】
【氏名】森田 寛之
(72)【発明者】
【氏名】富井 一貴
(72)【発明者】
【氏名】田中 章義
(72)【発明者】
【氏名】洪 庚杓
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-304354(JP,A)
【文献】特開2013-204834(JP,A)
【文献】特開2017-163172(JP,A)
【文献】特開2015-144627(JP,A)
【文献】特開2004-350931(JP,A)
【文献】特開2014-073173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/28
H04Q 9/00
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
家電制御システムであって、
洗濯機と、
前記洗濯機と通信可能であり、前記洗濯機の運転動作を制御するサーバと、
前記サーバに格納されており、複数のユーザのスケジュール情報を格納するスケジューラと、
前記スケジューラにアクセス可能な端末装置と、
を備えており、
前記端末装置は、前記スケジュール情報を前記スケジューラに送信可能であり、
前記サーバは、所定期間の天候を示す天候情報を取得可能であり、前記スケジューラに格納された前記複数のユーザの前記スケジュール情報のうち共通するスケジュール情報、及び取得した前記天候情報に基づいて、前記洗濯機の前記運転動作を制御可能である、
家電制御システム。
【請求項2】
前記サーバは、前記洗濯機に前記運転動作を実行させる場合に、取得した前記天候情報が示す内容に応じて、前記洗濯機に実行させる前記運転動作の内容を決定する、請求項1に記載の家電制御システム。
【請求項3】
前記端末装置は、前記サーバから前記複数のユーザの前記スケジュール情報を受信可能であり、受信した前記複数のユーザの前記共通するスケジュール情報に基づいて、前記洗濯機の前記運転動作を制御可能である、請求項1または2に記載の家電制御システム。
【請求項4】
前記スケジュール情報は、前記複数のユーザそれぞれの状態を示す属性情報を含んでおり、
前記サーバは、前記共通するスケジュール情報として所定人数以上に共通する前記属性情報に基づいて前記洗濯機の前記運転動作を制御する、請求項1または3に記載の家電制御システム。
【請求項5】
前記属性情報は、前記複数のユーザのそれぞれが在宅しているか否かを示す在宅情報であり、
前記サーバは、前記在宅情報に基づいて、前記複数のユーザのうち、所定人数以上が在宅していることが判断される場合に、前記洗濯機に前記運転動作を実行させる、請求項4に記載の家電制御システム。
【請求項6】
前記属性情報は、前記複数のユーザのそれぞれが在宅しているか否かを示す在宅情報であり、
前記サーバは、前記在宅情報に基づいて、前記複数のユーザのうち、所定人数以上が不在であることが判断される場合に、前記洗濯機に前記運転動作を実行させる、請求項4に記載の家電制御システム。
【請求項7】
前記サーバは、前記複数のユーザの前記共通するスケジュール情報に基づいて、前記洗濯機の前記運転動作を制御するための運転スケジュールを生成し、生成した前記運転スケジュールを前記端末装置に送信する、請求項1~6のいずれかに記載の家電制御システム。
【請求項8】
前記サーバは、前記複数のユーザの前記共通するスケジュール情報及び前記天候情報に基づいて、前記洗濯機の前記運転動作を制御するための運転スケジュールを生成し、生成した前記運転スケジュールを前記端末装置に送信する、請求項1~7のいずれかに記載の家電制御システム。
【請求項9】
前記端末装置は、表示部を備えており、
前記端末装置は、前記運転スケジュールを前記サーバから受信した場合に、前記運転スケジュールに従った前記運転動作を前記洗濯機に実行させるか否かを選択する第1のユーザ操作を受け付けるための画面を表示し、
前記サーバは、前記運転スケジュールに従った前記運転動作を実行させることを選択する前記第1のユーザ操作を受け付けたことが判断される場合に、前記運転スケジュールに従って前記洗濯機の前記運転動作を制御する、請求項7または8に記載の家電制御システム。
【請求項10】
前記端末装置は、表示部を備えており、
前記端末装置は、前記運転スケジュールを前記サーバから受信した場合に、前記運転スケジュールを変更する第2のユーザ操作を受け付けるための画面を表示し、
前記サーバは、前記運転スケジュールを変更する前記第2のユーザ操作を受け付けたことが判断される場合に、変更された運転スケジュールに従って前記洗濯機の前記運転動作を制御する、請求項7~9のいずれかに記載の家電制御システム。
【請求項11】
前記家電制御システムは、前記サーバと通信可能な映像機器をさらに備えており、
前記サーバは、生成した前記運転スケジュールを前記映像機器の表示部に表示させる、請求項7~10のいずれかに記載の家電制御システム。
【請求項12】
前記サーバは、前記運転スケジュールに従った前記運転動作を前記洗濯機に実行させることが可能であるか否かを示す実行可能条件を満たすことが判断される場合に、前記運転スケジュールに従った前記運転動作を前記洗濯機に実行させる、請求項7~11のいずれかに記載の家電制御システム。
【請求項13】
前記サーバは、前記実行可能条件を満たさないことが判断される場合に、前記実行可能条件を満たすための条件を示す所定の情報を前記端末装置に送信する、請求項12に記載の家電制御システム。
【請求項14】
前記サーバは、前記実行可能条件を満たさないことが判断される場合に、前記運転スケジュールに従った前記運転動作を前記洗濯機に実行させるか否かを選択する第3のユーザ操作を受け付けるための画面を前記端末装置の表示部に表示させ、前記運転スケジュールに従った前記運転動作を前記洗濯機に実行させることを選択する前記第3のユーザ操作を受け付けたことが判断される場合に、前記運転スケジュールに従った前記運転動作を前記洗濯機に実行させる、請求項12又は13に記載の家電制御システム。
【請求項15】
前記サーバは、前記運転スケジュールに従った前記運転動作を前記洗濯機に実行させる場合に、前記洗濯機が実行している動作内容を示す工程情報を前記端末装置に送信する、請求項7~14のいずれかに記載の家電制御システム。
【請求項16】
前記サーバは、前記運転スケジュールに従った前記運転動作を前記洗濯機に実行させる場合に、前記洗濯機が実行する全ての運転動作に対する進行割合を示す割合情報を前記端末装置に送信する、請求項7~15のいずれかに記載の家電制御システム。
【請求項17】
前記サーバは、前記運転スケジュールに従った前記運転動作を前記洗濯機に実行させる場合に、前記洗濯機の前記運転動作の終了予定時刻を示す終了予定情報を前記端末装置に送信する、請求項7~16のいずれかに記載の家電制御システム。
【請求項18】
前記サーバは、前記運転スケジュールに従った前記運転動作を前記洗濯機に実行させる場合に、前記洗濯機の前記運転動作が開始したことに応じて、前記運転動作が開始したことを示す開始情報を前記端末装置に送信する、請求項7~17のいずれかに記載の家電制御システム。
【請求項19】
前記サーバは、前記運転スケジュールに従った前記運転動作を前記洗濯機に実行させる場合に、前記洗濯機の前記運転動作が終了したことに応じて、前記運転動作が終了したことを示す終了情報を前記端末装置に送信する、請求項7~18のいずれかに記載の家電制御システム。
【請求項20】
前記洗濯機は、前記サーバを備える、請求項1~19のいずれかに記載の家電制御システム。
【請求項21】
制御装置であって、
複数のユーザのスケジュール情報を受信する受信部と、
受信した前記複数のユーザのスケジュール情報を格納する記憶部と、
洗濯機の運転動作を制御する制御部と、
を備えており、
前記スケジュール情報は、前記複数のユーザの状態を示す属性情報を含んでおり、
前記制御部は、所定期間の天候を示す天候情報を取得可能であり、前記記憶部に格納された前記複数のユーザの前記スケジュール情報のうち、所定人数以上に共通する前記属性情報、及び取得した前記天候情報に基づいて前記洗濯機の前記運転動作を制御する、
制御装置。
【請求項22】
家電制御システムであって、
少なくとも一つの家電機器と、
前記少なくとも一つの家電機器と通信可能であり、前記少なくとも一つの家電機器の運転動作を制御するサーバと、
前記サーバに格納されており、複数のユーザのスケジュール情報を格納するスケジューラと、
前記スケジューラにアクセス可能な端末装置と、
を備えており、
前記端末装置は、前記スケジュール情報を前記スケジューラに送信可能であり、
前記サーバは、
前記スケジューラに格納された前記複数のユーザの前記スケジュール情報のうち共通するスケジュール情報に基づいて、前記少なくとも一つの家電機器の前記運転動作を制御可能であり、
前記複数のユーザの前記共通するスケジュール情報に基づいて、前記少なくとも一つの家電機器の前記運転動作を制御するための運転スケジュールを生成し、生成した前記運転スケジュールを前記端末装置に送信し、
前記運転スケジュールに従った前記運転動作を前記少なくとも一つの家電機器に実行させることが可能であるか否かを示す実行可能条件を満たすことが判断される場合に、前記運転スケジュールに従った前記運転動作を前記少なくとも一つの家電機器に実行させ、
前記実行可能条件を満たさないことが判断される場合であって、前記複数のユーザの前記共通するスケジュール情報に基づいたユーザの数に関する所定の条件を満たすことが判断される場合に、前記少なくとも一つの家電機器の状態を待機状態に制御する、家電制御システム。
【請求項23】
家電制御システムであって、
少なくとも一つの家電機器と、
前記少なくとも一つの家電機器と通信可能であり、前記少なくとも一つの家電機器の運転動作を制御するサーバと、
前記サーバに格納されており、複数のユーザのスケジュール情報を格納するスケジューラと、
前記スケジューラにアクセス可能な端末装置と、
を備えており、
前記端末装置は、前記スケジュール情報を前記スケジューラに送信可能であり、
前記サーバは、
前記スケジューラに格納された前記複数のユーザの前記スケジュール情報のうち共通するスケジュール情報に基づいて、前記少なくとも一つの家電機器の前記運転動作を制御可能であり、
前記複数のユーザの前記共通するスケジュール情報に基づいて、前記少なくとも一つの家電機器の前記運転動作を制御するための運転スケジュールを生成し、生成した前記運転スケジュールを前記端末装置に送信し、
前記運転スケジュールである第1の運転スケジュールに従った前記少なくとも一つの家電機器の前記運転動作が終了したことに応じて、次回の運転スケジュールである第2の運転スケジュールを生成し、前記第2の運転スケジュールを前記端末装置に送信する、家電制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、家電制御システム及び制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
家電機器の運転動作を制御する技術が知られている。このような技術では、例えば、ユーザのスケジュール情報を取得し、取得したスケジュール情報に基づいて家電機器の運転動作が制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-100266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
家庭や寮などの複数人が共同で生活する環境においては、当該複数人それぞれのスケジュールが異なる。本明細書では、複数のユーザが生活する環境において、ユーザにとって利便性が高い運転動作を家電機器に実行させることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示する家電制御システムは、少なくとも一つの家電機器と、サーバと、スケジューラと、端末装置と、を備える。前記サーバは、前記少なくとも一つの家電機器と通信可能であり、前記少なくとも一つの家電機器の運転動作を制御する。前記スケジューラは、前記サーバに格納されており、複数のユーザのスケジュール情報を格納する。前記端末装置は、前記スケジューラにアクセス可能である。前記端末装置は、前記スケジュール情報を前記スケジューラに送信可能である。前記サーバは、前記スケジューラに格納された前記複数のユーザの前記スケジュール情報のうち共通するスケジュール情報に基づいて、前記少なくとも一つの家電機器の前記運転動作を制御可能である。
【0006】
上記の家電制御システムでは、端末装置から受信される複数のユーザそれぞれのスケジュール情報をスケジューラに格納する。そして、サーバは、当該スケジュール情報のうち共通するスケジュール情報に基づいて少なくとも一つの家電機器の運転動作を制御する。サーバは、複数のユーザのスケジュール情報それぞれを考慮して家電機器の運転動作を制御するため、複数のユーザが生活する環境において、ユーザにとって利便性が高い運転動作を家電機器に実行させることができる。
【0007】
また、本明細書は、電気機器を制御する制御装置を開示する。制御装置は、受信部と、記憶部と、制御部と、を備える。受信部は、複数のユーザのスケジュール情報を受信する。記憶部は、受信した前記複数のユーザのスケジュール情報を格納する。制御部は、少なくとも一つの電気機器の運転動作を制御する。前記スケジュール情報は、前記複数のユーザの状態を示す属性情報を含んでいる。前記制御部は、前記記憶部に格納された前記複数のユーザの前記スケジュール情報のうち、所定人数以上に共通する前記属性情報に基づいて前記少なくとも一つの電気機器の前記運転動作を制御可能である。
【0008】
上記の制御装置では、複数のユーザが共同で生活するといった環境にあっても、極力多数のユーザにとってより利便性が高い運転動作を家電機器に実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】家電制御システム10の構成を示すブロック図。
図2】端末装置100の表示部114に表示されるテーブルT1の一例を示す図。
図3】サーバ50が実行する運転スケジュール生成処理のフローチャートを示す図。
図4】端末装置100の表示部114に表示されるテーブルT2の一例を示す図。
図5】サーバ50が実行する運転開始待機処理のフローチャートを示す図。
図6】端末装置100の表示部114に表示されるテーブルT1の一例を示す図。
図7】端末装置100の表示部114に表示されるテーブルT1の一例を示す図。
図8】サーバ50が実行する運転動作中処理のフローチャートを示す図。
図9】端末装置100の表示部114に表示されるテーブルT1の一例を示す図。
図10】端末装置100の表示部114に表示されるテーブルT1の一例を示す図。
図11】端末装置100の表示部114に表示されるテーブルT3の一例を示す図。
図12】端末装置100の表示部114に表示されるテーブルT4の一例を示す図。
図13】端末装置100の表示部114に表示されるテーブルT5の一例を示す図。
図14】端末装置100の表示部114に表示されるテーブルT6の一例を示す図。
図15】端末装置100の表示部114に表示されるテーブルT7の一例を示す図。
図16】端末装置100の表示部114に表示されるテーブルT8の一例を示す図。
図17】端末装置100の表示部114に表示されるテーブルT9の一例を示す図。
図18】端末装置100の表示部114に表示されるテーブルT10の一例を示す図。
図19】端末装置100の表示部114に表示される画像B10の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(家電制御システム10の構成)
図面を参照して、実施例の家電制御システム10について説明する。図1に示すように、家電制御システム10は、複数の家電機器20と、クラウドサーバ50(以下、単にサーバ50という。)と、端末装置100,200,300,400と、を備える。複数の家電機器20、サーバ50及び各端末装置100~400は、通信ネットワーク110を介して相互に通信可能に構成されている。通信ネットワーク110は特に限定されないが、例えば、インターネット、有線LAN、無線LAN、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。
【0011】
家電制御システム10は、複数の家電機器20として、例えば、洗濯機20a、冷蔵庫20b及び掃除機20cを備える。掃除機20cは、自律走行可能なロボット掃除機である。ただし、これらの家電機器20は一例であり、家電制御システム10は、エアコン、空気清浄器、炊飯器、電子レンジ、IH調理器、テレビ、レコーダ、温水便座といった各種の家電機器20を備えることができる。また、家電制御システム10は、必ずしも複数の家電機器20を備える必要はなく、少なくとも一つの家電機器20を備えればよい。以下では、家電機器20の運転動作の制御の一例として、洗濯機20aの運転動作を制御する場合について説明する。
【0012】
(洗濯機20aの構成)
洗濯機20aは、いわゆるドラム式の洗濯乾燥機であり、家庭や寮などで共同で用いられる。洗濯機20aは、操作部22と、表示部24と、制御部26と、洗濯槽30、を備える。
【0013】
操作部22は、洗濯機20aの各機能を実行するためのボタンを複数備える。操作部22は、ユーザによってボタンが操作されると、操作されたボタンに従った信号を制御部26に送信する。表示部24は、液晶パネルを有する。表示部24は、制御部26によって制御され、洗濯に必要な情報を表示する。なお、操作部22は、いわゆるタッチパネルとして、表示部24と一体に構成されていてもよい。
【0014】
洗濯槽30は、前方に開口を有する有底の円筒形状を有する。洗濯槽30は、洗濯機20aの筐体に対して外槽(不図示)を介して回動可能に支持されている。洗濯槽30は、制御部26から信号を取得したモータ(不図示)により回動される。
【0015】
制御部26は、CPU26aとメモリ26bを備える。制御部26は、図示省略した配線によって、各部22、24、30に制御可能に接続されている。CPU26aは、メモリ26bに記憶されているプログラム(不図示)に従って各部22、24、30の処理を制御するプロセッサである。メモリ26bは、RAM、ROM等によって構成される。
【0016】
洗濯機20aは、洗濯槽30に投入される洗濯物を収容して、洗い工程、すすぎ工程及び脱水工程等を実行する洗濯運転と、洗濯物を乾燥させる乾燥工程を実行する乾燥運転と、を含む運転動作を実行可能に構成されている。洗濯機20aは、上記の各工程を組み合わせた運転コースに従って、運転動作を実行することができる。
【0017】
端末装置100は、例えば、携帯電話、スマートフォン、PDA、ノートPC、タブレットPC、携帯型音楽再生装置、携帯型動作再生装置等の可搬型の携帯端末である。端末装置100は、操作部112と、表示部114と、制御部116、を備える。
【0018】
操作部112は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部112を操作することによって、様々な指示を端末装置100に入力することができる。表示部114は、様々な情報(例えば、後述する運転スケジュール等)を表示するためのディスプレイである。表示部114は、いわゆるタッチパネルとしても機能する。
【0019】
制御部116は、CPU116aとメモリ116bを備える。制御部116は、図示省略した配線によって、各部112、114に制御可能に接続されている。CPU116aは、メモリ116bに記憶されている各プログラム120、122に従って様々な処理を実行する。OSプログラム120は、端末装置100の種々の基本的な動作を制御するためのプログラムである。家電アプリケーション122は、家電機器20のベンダによって提供されるアプリケーションであり、例えば、通信ネットワーク上のサーバから端末装置100にインストールされる。家電アプリケーション122は、端末装置100とサーバ50との間で対象データ(例えば、後述するスケジュール情報、運転スケジュール等)の通信を実行させたり、端末装置100の表示部114に対象データを表示させたりするためのアプリケーションである。
【0020】
各端末装置200~400は、端末装置100と同様の構成を備える。以下では、説明の便宜上、各端末装置100~400それぞれのユーザを、一家庭の家族それぞれとして説明する。具体的には、図2の領域R1に示すように、端末装置100のユーザを「父」、端末装置200のユーザを「母」、端末装置300のユーザを「息子」、端末装置400のユーザを「娘」として説明する。
【0021】
サーバ50は、通信ネットワーク上に設置されるサーバであり、家電機器20のベンダにより提供されるサーバであってもよいし、家電機器20とは異なるベンダにより提供されるサーバであってもよい。サーバ50は、通信ネットワーク110を介して、複数の家電機器20それぞれと通信可能であり、各家電機器20の運転動作を制御する。サーバ50は、CPU52とメモリ54を備える。CPU52は、メモリ54に記憶されているプログラムに従って、様々な処理を実行する。メモリ54は、スケジューラ60を格納している。スケジューラ60は、複数のユーザのスケジュール情報を管理するプログラムである。本実施例では、スケジューラ60は、サーバ50の通信インタフェースによって各端末装置100~400それぞれのユーザから受信されるスケジュール情報を格納する。
【0022】
図2は、スケジュール情報が格納されたテーブルT1の一例を示す。スケジュール情報は、図2の領域R2に示すように、各端末装置100~400のユーザそれぞれのスケジュールを示す情報である。スケジュール情報は、ユーザの状態を示す属性情報を含んでいる。本実施例では、属性情報は、ユーザが在宅しているか否かを示す在宅情報である。すなわち、各端末装置100~400から送信されるスケジュールのそれぞれは、そのユーザが家にいない状態を示す「不在」、又は、そのユーザが家にいる状態を示す「在宅」の属性を有している。例えば、図2の領域R3に示すスケジュール情報「出勤」は、父が会社に出勤している状態であることを示し、「不在」の属性を有している。同様に、「外出」及び「登校」も「不在」の属性を有する。なお、図2の領域R2に示すスケジュール情報の中で、スケジュールが登録されていない時間帯は「在宅」の属性を有する。
【0023】
また、サーバ50は、外部サービス情報取得部62を備える。外部サービス情報取得部62は、外部サービス情報を取得する。本実施例では、外部サービス情報は、所定期間の天候を示す天候情報である。天候情報は、例えば、図2の領域R5に示すように、「晴れ」、「曇り」、「雨」等の天候を示し、スケジューラ60に格納される。
【0024】
サーバ50は、スケジューラ60に格納された各ユーザのスケジュール情報及び外部サービス情報に基づいて、複数の家電機器20の運転動作を制御するための運転スケジュールを生成する。また、サーバ50は、生成した運転スケジュールを端末装置100に送信する。運転スケジュールの生成については、以下に詳細に説明する。
【0025】
次に、サーバ50が実行する各種の処理について、図面を参照して説明する。まず、図3を用いて、サーバ50が洗濯機20aの運転スケジュールを生成するための運転スケジュール生成処理について説明する。運転スケジュール生成処理は、各端末装置100~400のユーザによってスケジュール情報がスケジューラに送信されると開始される。
【0026】
S10において、サーバ50は、スケジューラ60から各ユーザのスケジュール情報を取得する。具体的には、父、母、息子、娘のスケジュール情報を取得する。取得したスケジュール情報は、図2の領域R3等に示すように、テーブルT1に記憶される。
【0027】
S20において、サーバ50は、各ユーザの全てが「在宅」の属性を有する時間帯、すなわち共通するスケジュール情報を抽出する。より詳細には、サーバ50は、各ユーザの属性が「不在」から「在宅」に変わる時刻をそれぞれ取得し、取得した時刻のうち、最も遅い時刻以降を各ユーザの全てが共通して「在宅」の属性を有する時間帯として抽出する。本実施例では、図2に示すように、父の帰宅時刻(18時)以降を各ユーザの全てが共通して「在宅」の属性を有する時間帯として抽出する。すなわち、図2に示すように、全員が「在宅」の属性を有する共通エリアA1を抽出する。これは、外出先から帰宅した後は、その日の自身の洗濯物を洗濯槽30に投入することが想定され、各ユーザの全てが「在宅」の属性を有する時間帯を洗濯機20aの運転動作を実行することができる最適な時間帯として共通するスケジュール情報に基づき決定するためである。
【0028】
S30において、サーバ50は、外部サービス情報を外部サービス情報取得部62により取得する。本実施例では、外部サービス情報は、天候情報である。天候情報は、所定期間の天候を示す情報である。取得した天候情報は、図2の領域R5に示すように、テーブルT1に記憶される。
【0029】
S40において、サーバ50は、洗濯機20aの運転スケジュールを生成する。具体的には、サーバ50は、洗濯機20aの運転コース及び運転時刻を決定する。本実施例では、S20で抽出した時間帯である18時以降の天候情報が示す天候が「雨」であるため、サーバ50は、乾燥運転を含む運転コースに決定する。そして、決定した運転コースを実行するために必要な運転時間を算出し、決定した運転コースを実行し完了できる時間帯を決定する。本実施例では、図2の共通エリアA1から、18時~21時を決定し、乾燥運転を含む運転コースで運転動作を実行する運転スケジュールを生成する。なお、例えば、図4に示すテーブルT2のように、S20で抽出した時間帯(すなわち、共通エリアA2)における天候情報が示す天候が「晴れ」等の洗濯に適した天候である場合には、サーバ50は、乾燥運転を含まない運転コースに決定してもよい。
【0030】
S50において、サーバ50は、生成した運転スケジュールを各端末装置100~400に送信する。端末装置100は、運転スケジュールをサーバ50から受信すると、例えば、図2に示すように、生成された運転スケジュールをユーザに提案するための画像B1(領域R6に示す文字列画像)を表示する。また、図4に示す例では、各端末装置100~400は、生成された運転スケジュールをユーザに提案するための画像B2を表示する。サーバ50は、S50の処理を実行すると、運転スケジュール生成処理を終了する。
【0031】
次に、図5を用いて、運転開始待機処理について説明する。運転開始待機処理は、サーバ50が生成した運転スケジュールを各端末装置100~400に送信した後から、洗濯機20aの運転動作が開始されるまでの間に実行される処理である。運転開始待機処理は、図3のS50の処理が実行されると開始される。運転スケジュールは、端末装置100~400のそれぞれが受信するが、以下では、運転スケジュールを受信した端末装置100のみに着目して説明する。
【0032】
S210において、サーバ50は、承認操作を受け付けたか否かを判断する。承認操作は、運転スケジュールを受信した端末装置100のユーザ(父)が、当該運転スケジュールに従った運転動作を洗濯機20aに実行させることを選択する操作である。具体的には、端末装置100が運転スケジュールを受信すると、表示部114には、図2に示すように、運転スケジュールに従った運転動作を洗濯機20aに実行させるか否かを選択するための画像B1(領域R7に示す文字列画像)が表示される。そしてサーバ50は、「はい」を選択するユーザ操作を受け付けたことが判断される場合に、承認操作を受け付けたと判断する。サーバ50は、承認操作を受け付けたことが判断される場合に、運転スケジュールに従った運転動作を洗濯機20aに実行させる。肯定判断される場合(S210でYES)にはS220へ進み、否定判断される場合(S210でNO)にはS210を繰り返す。
【0033】
S220において、サーバ50は、変更操作を受け付けたか否かを判断する。変更操作は、端末装置100が受信した運転スケジュールを変更するための操作である。具体的には、端末装置100は、運転スケジュールを受信した場合に、当該運転スケジュールの変更を受け付けるための画面を表示する。そして、端末装置100のユーザが、端末装置100の操作部112への運転動作(例えば、開始予定時刻、運転動作の内容等)を変更する操作を入力した場合に、肯定判断される。なお、洗濯機20aの操作部22への運転動作を変更する操作の入力を受け付けたことが判断される場合に肯定判断されてもよい。肯定判断される場合(S220でYES)にはS230へ進み、否定判断される場合(S220でNO)にはS240へ進む。
【0034】
S230において、サーバ50は、運転スケジュールを変更する。運転スケジュールは、S220において変更操作を受け付けた運転スケジュールに変更される。
【0035】
S240において、サーバ50は、運転スケジュールに基づく開始予定時刻が到来したか否かを判断する。本実施例では、開始予定時刻である18時が到来したか否かを判断する。肯定判断される場合(S240でYES)にはS260へ進み、否定判断される場合(S240でNO)にはS220へ戻る。
【0036】
S260において、サーバ50は、洗濯物投入情報をスケジューラ60から取得する。洗濯物投入情報は、ユーザが洗濯物を洗濯機20aの洗濯槽に投入したか否かを示す情報である。具体的には、端末装置100の表示部114には、例えば、図6に示すように、自身の洗濯物を洗濯槽30に投入したか否かを選択するための画像B4が表示される。そして、「はい」または「いいえ」を選択するユーザ操作を受け付けることに応じて、図6の領域R13に示すように、洗濯物が洗濯機20aの洗濯槽30に投入されたか否かを示す洗濯物投入情報がテーブルT1に記憶される。このように、サーバ50は、テーブルT1に記憶された洗濯物投入情報をスケジューラ60から取得する。
【0037】
S270において、サーバ50は、実行可能条件を満たすか否かを判断する。実行可能条件は、運転スケジュールに従った運転動作を洗濯機20aに実行させることが可能であるか否かを示す条件である。本実施例では、家族全員に共通するスケジュール情報、つまり家族全員の洗濯物が投入されている場合に運転スケジュールに従った運転動作を洗濯機20aに実行させることが可能と判断される。すなわち、S270では、サーバ50は、洗濯物投入情報に基づいて、家族全員の洗濯物が共通して投入されているか否かを判断する。肯定判断される場合(S270でYES)にはS320へ進み、否定判断される場合(S270でNO)にはS280へ進む。
【0038】
S280において、サーバ50は、所定の情報を端末装置100に送信する。所定の情報は、実行可能条件を満たすための条件を示す情報である。本実施例では、上述したように、サーバ50は、家族全員の洗濯物が共通して投入されたことが判断される場合に洗濯機20aに運転動作を実行させる。したがって、図6の領域R13に示すように、洗濯物の投入人数が3人である場合には、サーバ50は、あと一人(図6の例では、父)の洗濯物が投入されることを条件に運転動作を実行可能であることを示す情報を端末装置100に送信する。端末装置100は、所定の情報をサーバ50から受信すると、例えば、当該所定の情報が示す条件をユーザに報知するための画像B5を表示する。
【0039】
S290において、サーバ50は、所定の条件を満たしているか否かを判断する。所定の条件は、ユーザのスケジュール情報に基づいたユーザの数に関する条件で、「共通」と評価できる最低条件として予め設定されている。本実施例では、洗濯物投入情報に基づいて、家族4人のうち、2人以上の洗濯物が投入されている場合に所定の条件を満たすと判断される。肯定判断される場合(S290でYES)にはS300へ進み、否定判断される場合(S290でNO)にはS260へ戻る。
【0040】
S300において、サーバ50は、洗濯機20aの状態を待機状態に制御する。待機状態は、主電源がオン状態であるが、主機能を使用していない状態である。図6に示す例では、3人の洗濯物が投入されているため、サーバ50は、洗濯機20aの運転動作の開始に備えて、洗濯機20aの状態を待機状態に制御する。
【0041】
S310において、サーバ50は、運転動作開始操作を受け付けたか否かを判断する。運転動作開始操作は、ユーザが洗濯機20aに運転動作を開始させることを指示するための操作である。具体的には、端末装置100は、S280において所定の情報をサーバ50から受信すると、図6に示すように、運転動作を洗濯機20aに開始させるか否かを選択するための画像B6を表示する。そしてサーバ50は、「はい」を選択するユーザ操作を受け付けたことが判断される場合に、運転動作開始操作を受け付けたと判断する。肯定判断される場合(S310でYES)にはS320へ進み、否定判断される場合(S310でNO)にはS260へ戻る。
【0042】
S320において、サーバ50は、運転スケジュールに従った運転動作を洗濯機20aに実行させる。そして、S330において、サーバ50は、開始情報を端末装置100に送信する。開始情報は、洗濯機20aの運転動作が開始したことを示す情報である。端末装置100は、開始情報をサーバ50から受信すると、例えば、図7に示すように、運転スケジュールに従った運転動作が開始したことをユーザに報知するための画像B7を表示する。サーバ50は、S320の処理を実行すると、運転開始待機処理を終了する。
【0043】
次に、図8を用いて、運転動作中処理について説明する。運転動作中処理は、運転スケジュールに従った運転動作が開始された後に実行される処理である。運転動作中処理は、図5のS330の処理(すなわち、開始情報の送信)が実行された後に実行される。
【0044】
S420において、サーバ50は、終了予定情報を端末装置100に送信する。終了予定情報は、運転スケジュールに従った洗濯機20aの運転動作の終了予定時刻を示す情報である。端末装置100は、終了予定情報をサーバ50から受信すると、例えば、図9に示すように、運転動作が終了する予定時刻をユーザに報知するための画像B8(領域R8に示す文字列画像)を表示する。
【0045】
S430において、サーバ50は、工程情報を端末装置100に送信する。工程情報は、現在洗濯機20aが実行している動作内容を示す情報である。例えば、端末装置100は、洗濯機20aが「すすぎ工程」を実行していることを示す工程情報をサーバ50から受信すると、図9に示すように、すすぎ工程を実行中であることをユーザに報知するための画像B8(領域R9に示す文字列画像)を表示する。
【0046】
S440において、サーバ50は、割合情報を端末装置100に送信する。割合情報は、洗濯機20aが実行する全ての運転動作(すなわち、運転スケジュールに従った全ての運転動作)に対する進行割合を示す情報である。端末装置100は、割合情報をサーバ50から受信すると、例えば、図9に示すように、運転スケジュールの全工程に対する進行割合をユーザに報知するための画像B8(領域R10に示す文字列画像)を表示する。
【0047】
S550において、サーバ50は、運転スケジュールに従った全ての運転動作が終了したか否かを判断する。肯定判断される場合(S550でYES)にはS560へ進み、否定判断される場合(S550でNO)にはS420へ戻る。なお、S420~S440の処理は、洗濯機20aが運転動作を実行している間、所定時間毎に実行されてもよいし、逐次的に実行されてもよい。また、領域R8、R9、R10に示すそれぞれの文字列画像は、別々の画像に分けて表示されてもよい。
【0048】
S560において、サーバ50は、終了情報を端末装置100に送信する。終了情報は、洗濯機20aの全ての運転動作が終了したことを示す情報である。端末装置100は、終了情報をサーバ50から受信すると、例えば、図10に示すように、運転スケジュールに従った全ての運転動作が終了したことをユーザに報知するための画像B9(領域R11に示す文字列画像)を表示する。サーバ50は、S560の処理を実行すると、運転動作処理を終了する。なお、サーバ50は、S560の処理を実行した後に、洗濯機20aの次回の運転動作を制御するために、再度図3に示す運転スケジュール生成処理を実行し、生成した運転スケジュールを端末装置100に送信してもよい。この場合、端末装置100は、例えば、図10に示すように、受信した次回の運転スケジュールをユーザに報知するための画像B9(領域R12に示す文字列画像)を併せて表示してもよい。これにより、ユーザは、次回の洗濯機20aの運転予定を把握することができる。
【0049】
(効果)
上述した家電制御システム10では、各端末装置100~400から受信される複数人の各ユーザのスケジュール情報がスケジューラ60に格納される。そして、サーバ50は、複数人に共通する当該スケジュール情報に基づいて洗濯機20aの運転動作を制御する(図5のS320)。このように、サーバ50は、複数のユーザのスケジュール情報それぞれを考慮して洗濯機20aの運転動作を決定し制御するため、複数のユーザが生活する環境において、極力多数のユーザにとって共通して利便性が高い運転動作を洗濯機20aに実行させることができる。
【0050】
また、上述した家電制御システム10では、本実施例においては各ユーザの全てが「在宅」の属性を有することが判断される時間帯に洗濯機20aの運転動作が実行されるように運転スケジュールが生成される(図3のS40)。このため、生成された運転スケジュールに従った運転動作を実行することにより、洗濯物が存在する状態で洗濯機20aの運転動作を開始することができ、利便性が向上する。
【0051】
また、各端末装置100~400は、運転スケジュールをサーバ50から受信した場合(図3のS50)に、当該運転スケジュールに従った運転動作を洗濯機20aに実行させるか否かを選択する操作を受け付けるための画像B1を表示する。そして、サーバ50は、ユーザにより承認操作の入力を受け付けたことが判断される場合(図5のS210でYES)に、当該運転スケジュールに従った運転動作を洗濯機20aに実行させる(S320)。このように、ユーザは、提案された運転スケジュールに従った運転動作を洗濯機20aに実行させることを、通信ネットワーク110を介して指示することができる。
【0052】
また、各端末装置100~400は、運転スケジュールをサーバ50から受信した場合(図3のS50)に、当該運転スケジュールに従った運転動作を変更する操作を受け付けるための画面を表示する。そして、サーバ50は、ユーザにより運転スケジュールを変更する操作の入力を受け付けたことが判断される場合(図5のS220でYES)に、変更された運転スケジュールを生成する(S230)。また、サーバ50は、変更された運転スケジュールに従った運転動作を洗濯機20aに実行させる(S320)。このように、運転スケジュールを受信したユーザは、提案された運転スケジュールを遠隔で変更することができる。
【0053】
また、サーバ50は、外部サービス情報を取得して(図3のS30)、スケジュール情報及び外部サービス情報に基づいて運転スケジュールを生成する(S40)。また、サーバ50は、当該運転スケジュールに従った運転動作を洗濯機20aに実行させる。このように、ユーザのスケジュール情報に加えて、外部から取得した情報を反映することにより、洗濯機20aにより最適な運転動作を実行させることができる。
【0054】
また、サーバ50は、各端末装置100~400に対して、開始情報、終了予定情報、工程情報、割合情報及び終了情報を送信する(図5のS330、図8のS420、S430、S440、S560)。このため、各端末装置100~400のユーザは、運転スケジュールに従った洗濯機20aの運転動作の状況を的確に把握することができる。
【0055】
また、サーバ50は、スケジューラ60から洗濯物投入情報を取得する(図5のS260)。そして、実行可能条件を満たすことに応じて(S270でYES)、洗濯機20aに運転動作を実行させる(S320)。このように、開始予定時刻が到来していても、洗濯物が所定量以上集まるまで運転動作を待機することで、洗濯を効率的に実行することができる。
【0056】
また、サーバ50は、実行可能条件を満たさない場合(S270でNO)、実行可能条件を満たすための条件を示す所定の情報を各端末装置100~400に送信する(S280)。これにより、洗濯物を投入していないユーザに対して洗濯物を投入することを促すことができ、効率良く洗濯機20aの運転動作を実行することができる。
【0057】
また、サーバ50は、実行可能条件を満たしていない場合(S270でNO)であっても、所定の条件を満たす場合(S290でYES)には、洗濯機20aの状態を待機状態に制御する(S300)。このため、その後、実行可能条件を満たした場合に、速やかに運転動作を洗濯機20aに実行させることができる。
【0058】
また、サーバ50は、実行可能条件を満たしていない場合(S270でNO)であっても、運転動作開始操作を受け付けたことが判断される場合(S310でYES)には、洗濯機20aに運転スケジュールに従った運転動作を開始させる(S320)。このように、実行可能条件が満たされていない場合であっても、ユーザは、洗濯機20aに運転動作を実行させることを優先して指示することができる。
【0059】
(対応関係)
承認操作が、「第1のユーザ操作」の一例である。画像B1が、「第1のユーザ操作を受け付けるための画面」の一例である。変更操作が、「第2のユーザ操作」の一例である。運転動作開始操作が、「第3のユーザ操作」の一例である。画像B6が、「第3のユーザ操作を受け付けるための画面」の一例である。クラウドサーバ50が、「制御装置」の一例である。サーバ50の通信インタフェースが、「受信部」の一例である。メモリ54が、「記憶部」の一例である。
【0060】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【0061】
上述した家電制御システム10において、サーバ50は、冷蔵庫20bの運転動作を制御してもよい。この場合、図3のS20において、サーバ50は、所定人数以上が「不在」の属性を有する時間帯を共通のスケジュール情報として抽出してもよい。すなわち、S20を「所定人数以上が「不在」である時間帯を抽出」と読み替えればよい。所定人数は、例えば、3人とされる。具体的には、例えば、図11に示すように、3人以上が「不在」の属性を有する時間帯である8時~16時を共通のスケジュール(すなわち、共通エリアA3)として抽出する。
【0062】
S30では、サーバ50は、外部サービス情報として、計画停電を示す停電情報を外部サービス情報取得部62により取得してもよい。取得した停電情報は、図11の領域R14に示すように、テーブルT3に記憶される。
【0063】
S40では、サーバ50は、冷蔵庫20bの運転スケジュールを生成する。具体的には、サーバ50は、時刻毎の冷蔵庫20bの運転モードを決定する。例えば、図11の領域R15に示すように、サーバ50は、S20で決定した時間帯は全員ではないものの所定人数(3人)以上が「不在」の属性を共通のスケジュール情報として有するため、当該時間帯の冷蔵庫20bは扉の開閉頻度が少ないと判断できるため、その運転モードを、消費電力が低い運転モードであるエコ運転モードに決定する。また、領域R16に示すように、S30で取得した停電情報に基づいて、停電開始の時間から所定時間(例えば1時間)前までの時間帯の冷蔵庫20bの運転モードを、冷蔵庫20b内の食品を強く冷却する運転モードである強運転モードに決定し、停電の間も食品温度の所定以上の上昇を防ぐようにする。なお、上記の時間帯以外は、サーバ50は、冷蔵庫20bの運転モードを通常運転モードに決定する。なお、図11の領域R17に示すように、S20では、各ユーザの共通するスケジュール情報「就寝」を取得してもよい。ユーザ全員が就寝している時間帯は、冷蔵庫20bを使用する頻度が低くなるため、サーバ50は、例えば、当該時間帯に通常より電力を使用する自動製氷(領域R18)を実行するように冷蔵庫20bの運転動作を制御してもよい。そして、S50において、サーバ50は、生成した運転スケジュールを端末装置100に送信する。
【0064】
なお、冷蔵庫20bは、常時運転することが想定されているため、図5の運転開始待機処理において、S240~S330の処理は実行されなくてもよい。また、図7の運転動作中処理は実行されなくてもよい。また、S40及びS50の処理(運転スケジュールの生成及び運転スケジュールの送信)は、例えば、一日毎(例えば毎日21時等)に実行されてもよい。
【0065】
また、上述した家電制御システム10において、サーバ50は、掃除機20cの運転動作を制御してもよい。この場合、図3のS20において、サーバ50は、特定のユーザが「不在」の属性を有する時間帯を共通するスケジュール情報として抽出してもよい。すなわち、S20を「特定のユーザが共通して「不在」である時間帯を抽出」と読み替えればよい。特定のユーザは、例えば、子供である「息子」及び「娘」である。具体的には、例えば、図12に示すように、子供全員が「不在」の属性を有する時間帯である8時~15時を共通のスケジュール(すなわち、共通エリアA4)として抽出する。
【0066】
S30では、サーバ50は、外部サービス情報として、ゴミの収集時間や収集されるゴミの種類を示すゴミ収集情報を外部サービス情報取得部62により取得する。取得したゴミ収集情報は、図12の領域R19に示すように、テーブルT4に記憶される。
【0067】
S40では、サーバ50は、掃除機20cの運転スケジュールを生成する。この場合の掃除機20cは外部からの信号に基づき自律走行しつつエリアの清掃動作を実行できる、いわゆるロボット掃除機である。具体的には、サーバ50は、掃除機20cの運転時刻を決定する。例えば、図12の領域R20に示すように、サーバ50は、S20で決定した時間帯には子供が共通して「不在」の属性を有するため、当該時間帯に子供部屋の掃除を実行するように掃除機20cの運転動作を決定する。図12に示す例では、サーバ50は、共通エリアA4から8時~10時の時間帯を掃除機20cの運転時刻として決定する。そして、S50において、サーバ50は、生成した運転スケジュールを端末装置100に送信する。
【0068】
なお、掃除機20cの運転動作を制御する場合、図5のS260は省略可能である。また、S270では、例えば、全ての特定のユーザ(すなわち、子供)が「不在」の属性を有する場合に肯定判断されてもよい。また、S290では、例えば、1人以上が「不在」の属性を有する場合に肯定判断されてもよい。また、図8のS430では、サーバ50は、工程情報として、例えば、段差により運転が停止されている状態を示す情報や、設定されたルートを再清掃している状態を示す情報を送信してもよい。
【0069】
また、上記では、洗濯機20a、冷蔵庫20b、掃除機20cのそれぞれの運転動作を制御する態様について説明した。しかしながら、図13のテーブルT5に示すように、サーバ50は、洗濯機20a、冷蔵庫20b及び掃除機20c全ての運転スケジュールを生成し、それぞれの運転動作を合わせて制御してもよい。また、サーバ50は、洗濯機20a、冷蔵庫20b及び掃除機20c以外の家電機器20の運転動作を制御してもよい。
【0070】
例えば、エアコンの運転動作を制御する場合、サーバ50は、図14のテーブルT6の領域R21に示すように、所定人数(例えば、3人)以上が共通して「在宅」の属性を有する時間帯(すなわち、共通エリアA5)に、運転動作を実行するようにエアコンを制御してもよい。なお、ユーザの快適性を向上させるために、所定人数以上が「在宅」の属性を有する時間帯の所定時間前(例えば、1時間前)から運転動作を開始するようにエアコンを制御してもよい。また、空気清浄器の運転動作を制御する場合には、サーバ50は、領域R22に示すように、外部サービス情報として、花粉の飛散量が多いことを示す花粉情報を外部サービス情報取得部62により取得してもよい。この場合、サーバ50は、領域R23に示すように、花粉情報が示す花粉の飛散量が多い時間帯に、運転動作を実行するように空気清浄器を制御してもよい。なお、サーバ50は、外部サービス情報として、温度や湿度を示す気候情報(不図示)を取得し、取得した気候情報に基づいて、エアコンの設定温度等を制御してもよい。
【0071】
また、炊飯器の運転動作を制御する場合、サーバ50は、図15のテーブルT7の領域R24に示すように、各ユーザの属性が「不在」から「在宅」に変わる時刻をそれぞれ取得し、取得した時刻のうち、最も遅い時刻に炊飯が完了するように炊飯器に予約運転を実行させてもよい。換言すると、サーバ50は、全員の属性が「在宅」となる時間帯(すなわち、共通エリアA6)のうち、最も早い時刻に炊飯が完了するように炊飯器に予約運転を実行させてもよい。なお、例えば、ユーザの帰宅時刻(すなわち、属性が「不在」から「在宅」に変わる時刻)の変更等のように、ユーザのスケジュール情報に変更があった場合には、サーバ50は、変更後のスケジュール情報に基づいて炊飯が完了するように炊飯器の運転動作を制御してもよい。
【0072】
また、電子レンジやIH調理器の運転動作を制御する場合には、サーバ50は、図16のテーブルT8の領域R25に示すように、子供のみが「在宅」の属性を有する場合(すなわち、父及び母が「不在」の属性を有しており、息子及び娘が「在宅」の属性を有する時間帯)に、操作入力を制限するように制御してもよい。すなわち、図16に示すように、子供のみが「在宅」の属性を有する時間帯として共通エリアA7を抽出し、当該時間帯である15時~17時の間は、電子レンジやIH調理器の操作部への操作が入力されても当該操作を無効としてもよい。このような構成では、大人が家にいない状況であっても、家電機器20の操作部への操作による予期しない運転動作を防止することができる。
【0073】
また、テレビやレコーダの運転動作を制御する場合には、サーバ50は、図17のテーブルT9の領域R27に示すように、子供のスケジュール情報「勉強」(領域R26)が登録されている時間帯には、操作入力を制限するように制御してもよい。すなわち、テレビやレコーダ、またはこれらのリモコンへの操作の入力がされても当該操作を無効としてもよい。また、領域R28に示すように、夜遅い時間帯(例えば、22時以降)は、近隣への騒音防止のため、サーバ50は、テレビの音量を制限するように制御してもよい。
【0074】
また、温水便座の運転動作を制御する場合、サーバ50は、図18のテーブルT10の領域R29に示すように、所定人数(例えば、2人)以上が「在宅」の属性を有する時間帯(すなわち、共通エリアA8)に、運転動作を実行するように温水便座を制御してもよい。なお、サーバ50は、運転動作を実行していない時間帯であっても、ユーザが温水便座の操作部への操作入力を行った場合には、運転動作を実行するように制御してもよい。
【0075】
上述した実施例において、図3に示すS30及びS50の処理は実行されなくてもよい。また、図5に示すS210~S310及びS330の処理は実行されなくてもよい。また、図8に示す運転動作中処理は、実行されなくてもよい。すなわち、上述した家電制御システム10において、サーバ50は、図3のS10、S40及び図5のS320の処理を少なくとも実行すればよい。
【0076】
また、S20では、各ユーザの全てが「在宅」の属性を有する時間帯を抽出した。しかしながら、所定人数(例えば、2人)以上が「在宅」の属性を有する時間帯を抽出してもよい。また、運転スケジュールを生成する共通するスケジュール情報として属性を用いたが、属性の元となるスケジュール情報そのものを直接用いて運転スケジュールを生成してもよい。
【0077】
また、上述した実施例では、洗濯物投入情報は、図6に示す画像B4への各ユーザの操作入力に応じてスケジューラ60に記憶された。しかしながら、洗濯機20aの操作部22への操作入力に応じてスケジューラ60に記憶されてもよい。
【0078】
また、上述した実施例では、サーバ50は、生成した運転スケジュールを各端末装置100~400に送信した。しかしながら、サーバ50は、運転スケジュールを洗濯機20aに送信してもよい。洗濯機20aは、サーバ50から受信した運転スケジュールを表示部24に表示させてもよい。また、サーバ50は、生成した運転スケジュールをテレビ等の映像機器に送信して、表示させてもよい。このような構成では、情報リテラシーが高くないユーザに対しても適切に運転スケジュールを提案することができる。
【0079】
また、複数の家電機器20のそれぞれが、サーバ50を備えていてもよい。すなわち、サーバ50は、通信ネットワーク上ではなく、家電機器20のそれぞれに搭載されていてもよい。
【0080】
また、上述した実施例では、サーバ50は、生成した運転スケジュール等を各端末装置100~400のそれぞれに送信したが、特定のユーザの端末装置のみに送信してもよい。
【0081】
また、複数のユーザのスケジュール情報を受信した各端末装置100~400が、複数の家電機器20の運転動作を制御可能に構成されてもよい。
【0082】
図面の表示態様は一例であり、他の表示態様を用いてもよい。例えば、端末装置100は、図8のS440で割合情報をサーバ50から受信した場合、図19に示すように、全ての運転動作に対する進行割合を、表示部114に表示する画像B10の全面積に対する割合(ドットハッチングにより示された領域R30)の表示態様を変更することによって示してもよい。例えば、領域R30の色を他の領域とは異なる色で表示してもよい。このような構成では、ユーザが視覚的に進行割合を認識することができる。また、端末装置100~400は、可搬型の携帯端末でなくてもよく、据置型のPC等であってもよい。
【0083】
これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0084】
10:家電制御システム
20:家電機器
20a:洗濯機
20b:冷蔵庫
20c:掃除機
22:操作部
24:表示部
26:制御部
30:洗濯槽
50:クラウドサーバ
60:スケジューラ
62:外部サービス情報取得部
100:端末装置
110:通信ネットワーク
112:操作部
114:表示部
116:制御部
120:OSプログラム
122:家電アプリケーション
200,300,400:端末装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
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図17
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図19