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特許7177594チップオンフィルムパッケージ、表示パネル、及び表示装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】チップオンフィルムパッケージ、表示パネル、及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20221116BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
G09F9/00 352
G09F9/30 330
G09F9/00 348Z
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2018014380
(22)【出願日】2018-01-31
(65)【公開番号】P2018128672
(43)【公開日】2018-08-16
【審査請求日】2021-01-22
(31)【優先権主張番号】10-2017-0018734
(32)【優先日】2017-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】李 喜 權
(72)【発明者】
【氏名】洪 承 均
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-282285(JP,A)
【文献】特開2001-318620(JP,A)
【文献】特開平6-250199(JP,A)
【文献】特開2006-350064(JP,A)
【文献】特開2013-182128(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0319523(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1パッド領域、前記第1パッド領域と異なる第2パッド領域、及び前記第1パッド領域と前記第2パッド領域との間に位置する第3領域を含むベース基板と、
前記第1パッド領域に形成されるダミーパッド及び入力パッドと、
前記第2パッド領域に形成される出力パッドと、
前記ベース基板に形成され、前記入力パッドのうちの第1入力パッド及び第2入力パッドに連結され、前記第3領域及び前記第2パッド領域を経由して、前記第1入力パッドと前記第2入力パッドとの間に延びる第1ループを形成する第1検査線と、
前記ベース基板に形成され、前記ダミーパッドに連結されるとともに前記第3領域にて前記第1検査線に連結されることで、前記第3領域を経由して前記ダミーパッドと前記第1入力パッドとの間に延びる第2ループを形成する第2検査線と、
前記第1パッド領域上に形成され、前記第1入力パッド及び前記第2入力パッドを除く前記入力パッドと連結される集積回路チップと、
を含み、
前記第1検査線及び前記第2検査線は、前記集積回路チップの両端よりも外側に配置され、前記集積回路チップの接続パッドに接続されていないのであり
前記ベース基板は、少なくとも一つの絶縁層を挟む複数の配線層を含み、
前記第2検査線は、前記複数の配線層にまたがって形成され、
前記第2検査線は、2本の第1部分検査線及び2本の第2部分検査線を含み、
前記第1部分検査線は、いずれも、一端が前記ダミーパッドまたは前記第1入力パッドに連結され、他端が、対応する前記第2部分検査線の一端と、第1ビアまたは第2ビアを通じて互いに連結されており、
前記第1検査線は、
前記第1入力パッドと、前記出力パッドのうちの第1出力パッドとを連結する第1サブ検査線、及び、
前記第2入力パッドと、前記出力パッドのうちの第2出力パッドとを連結する第2サブ検査線を含み、
前記第2検査線は、前記第3領域にて前記第1サブ検査線と連結されており、
前記第2サブ検査線(STL3)は、前記出力パッドの近傍を除く領域にて、前記第2検査線を兼ねている、チップオンフィルムパッケージ。
【請求項2】
前記第1検査線は、第2パッド領域中にて、前記第1入力パッドから延びる配線部分と、前記第2入力パッドから延びる配線部分とが、短絡パッドにより接続されことで形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のチップオンフィルムパッケージ。
【請求項3】
前記第1検査線は、第1部分検査線及び第2部分検査線を含み、
前記第1部分検査線は、前記ベース基板の第1面に形成され、
前記第2部分検査線は、前記第1面とは逆の側の、前記ベース基板の第2面に形成され、
前記少なくとも一つの絶縁層に含まれたビアホールを通じて、前記第1部分検査線が前記第2部分検査線と連結されることを特徴とする、請求項に記載のチップオンフィルムパッケージ。
【請求項4】
前記第2検査線は、前記第3領域中に、曲がりくねった線(meander line)をなすように形成された検査パターンを含むことを特徴とする、請求項1に記載のチップオンフィルムパッケージ。
【請求項5】
前記ダミーパッドは、前記入力パッドと、印刷回路基板の端子との間の整列状態の判断基準となりうるアラインキーを含み、
前記ダミーパッドは、前記第1パッド領域内で、前記入力パッド及び前記ダミーパッドがなすパッド列のうち、最も外側に位置することを特徴とする、請求項1に記載のチップオンフィルムパッケージ。
【請求項6】
前記第1パッド領域上に形成され、前記ダミーパッド及び前記入力パッドと連結される集積回路チップをさらに含み、
前記集積回路チップは、前記第1ループの第1抵抗値及び前記第2ループの第2抵抗値を算出し、前記第1抵抗値及び前記第2抵抗値に基づいて前記第2パッド領域及び前記第3領域のうち、少なくとも一つの領域での損傷発生の有無を判断することを特徴とする、請求項1に記載のチップオンフィルムパッケージ。
【請求項7】
前記集積回路チップは、
前記入力パッドの入力パッド抵抗値及び前記第1抵抗値に基づいて、前記第2パッド領域及び前記第3領域での損傷発生の有無を判断し、
前記入力パッド抵抗値及び前記第2抵抗値に基づいて、前記第3領域での損傷発生の有無を判断し、
前記第1抵抗値と前記第2抵抗値との間の差に基づいて、前記第2パッド領域内の損傷の有無を判断することを特徴とする、請求項に記載のチップオンフィルムパッケージ。
【請求項8】
前記ベース基板に形成されるダミー線をさらに含み、
前記ダミー線は、前記第2パッド領域に対応する前記ベース基板の一辺から、前記ベース基板を横切って前記ベース基板の他辺まで延長され、
前記第2検査線は、前記ダミー線の少なくとも一部を含むことを特徴とする、請求項に記載のチップオンフィルムパッケージ。
【請求項9】
前記第2パッド領域は、第1サブパッド領域及び第2サブパッド領域を含み、
前記第1サブパッド領域に第1出力パッド群が形成され、前記第2サブパッド領域に第2出力パッド群が形成され、
前記第1ループは第1サブループ及び第2サブループを含み、
前記第1サブループは、第1サブパッド領域を経由して前記第1入力パッドと前記第2入力パッドとを連結し、
前記第2サブループは、前記第2サブパッド領域を経由して前記第2入力パッドと、前記入力パッドのうちの第3入力パッドとを連結することを特徴とする、請求項1に記載のチップオンフィルムパッケージ。
【請求項10】
前記第1検査線は、
前記第2入力パッドと、前記第1出力パッド群のうちの第3出力パッドとを連結する第3サブ検査線、及び、
前記第3入力パッドと、前記第2出力パッド群のうちの第4出力パッドとを連結する第4サブ検査線を含み、
前記第2検査線は、前記第1サブ検査線と連結されることを特徴とする、請求項に記載のチップオンフィルムパッケージ。
【請求項11】
前記第3入力パッドと、前記入力パッドのうちの第4入力パッドとを、前記第1パッド領域の近傍にて連結して第3ループを形成する第3検査線をさらに含むことを特徴とする、請求項に記載のチップオンフィルムパッケージ。
【請求項12】
前記第1パッド領域上に形成され、前記ダミーパッド及び前記入力パッドに連結される集積回路チップをさらに含み、
前記集積回路チップは、
前記第1ループの第1抵抗値、前記第2ループの第2抵抗値、及び前記第3ループの第3抵抗値を算出し、
前記第1抵抗値、前記第2抵抗値、及び前記第3抵抗値に基づいて、前記第1パッド領域、前記第2パッド領域、及び前記第3領域のうちの少なくとも一つの領域における損傷発生の有無を判断することを特徴とする、請求項11に記載のチップオンフィルムパッケージ。
【請求項13】
前記集積回路チップは、
前記第3抵抗値に基づいて、前記第1パッド領域、前記第2パッド領域、及び前記第3領域での損傷発生の有無を判断するのであり、
前記第3抵抗値に基づいて、前記第1パッド領域内の損傷発生の有無を判断し、
前記第1抵抗値と前記第2抵抗値との間の差に基づいて、前記第2パッド領域内の損傷の有無を判断し、
前記第2抵抗値と前記第3抵抗値との間の差に基づいて、前記第3領域内の損傷発生の有無を判断することを特徴とする、請求項12に記載のチップオンフィルムパッケージ。
【請求項14】
第1パッド領域及び前記第1パッド領域と異なる第2領域を含むベース基板と、
前記第1パッド領域に形成されるダミーパッド及びパッドと、
前記ベース基板に形成され、前記パッドのうちの第1パッド及び第2パッドと連結され、前記第2領域中にて前記ベース基板の外郭の少なくとも一部を経由して、前記第1パッドと前記第2パッドとの間に延びる第1ループを形成する第1検査線と、
前記ベース基板に形成され、前記ダミーパッドに連結されるとともに前記第2領域にて前記第1検査線に連結されることで、前記第2領域を経由して前記ダミーパッドと前記第1パッドとの間に延びる第2ループを形成する第2検査線を含み、
前記ベース基板は、少なくとも一つの絶縁層を挟む複数の配線層を含み、
前記第2検査線は、前記複数の配線層にまたがって形成され、
前記第2検査線は、2本の第1部分検査線及び2本の第2部分検査線を含み、
前記第1部分検査線は、いずれも、一端が前記ダミーパッドまたは第1入力パッドに連結され、他端が、対応する前記第2部分検査線の一端と、第1ビアまたは第2ビアを通じて互いに連結されており、
前記第1検査線は、
前記第1入力パッドと、第1出力パッドとを連結する第1サブ検査線、及び、
前記第2入力パッドと、第2出力パッドとを連結する第2サブ検査線を含み、
前記第2検査線は、前記第3領域にて前記第1サブ検査線と連結されており、
前記第2サブ検査線(STL3)は、前記出力パッドの近傍を除く領域にて、前記第2検査線を兼ねている、表示パネル。
【請求項15】
前記ダミーパッドは、チップオンフィルムパッケージまたは印刷回路基板の端子と、前記パッドとの間の整列状態の判断基準となりうるアラインキーを含むことを特徴とする、請求項14に記載の表示パネル。
【請求項16】
前記ベース基板は、少なくとも一つの絶縁層を挟む複数の配線層を含み、
前記第2検査線は、前記複数の配線層にまたがって形成されることを特徴とする、請求項14に記載の表示パネル。
【請求項17】
前記第2検査線は、前記第2領域中に、曲がりくねった線(meander line)をなすように形成された検査パターンを含むことを特徴とする、請求項14に記載の表示パネル。
【請求項18】
映像を表示する表示パネルと、
前記表示パネルを駆動する印刷回路基板と、
前記表示パネルと前記印刷回路基板とを電気的に連結するチップオンフィルムパッケージとを含み、
前記表示パネルまたは前記チップオンフィルムパッケージは、
第1パッド領域及び前記第1パッド領域と異なる第2領域を含むベース基板と、
前記第1パッド領域に形成されるダミーパッド及び入力パッドと、
前記ベース基板に形成され、前記入力パッドのうちの第1入力パッド及び第2入力パッドに連結され、前記第2領域中にて前記ベース基板の外郭の少なくとも一部を経由して、前記第1入力パッドと前記第2入力パッドとの間に延びる第1ループを形成する第1検査線と、
前記ベース基板に形成され、前記ダミーパッドに連結されるとともに前記第2領域にて前記第1検査線に連結されることで、前記第2領域を経由して前記ダミーパッドと前記第1パッドとの間に延びる第2ループを形成する第2検査線と、
前記第1パッド領域上に形成され、前記第1入力パッド及び前記第2入力パッドを除く前記入力パッドと連結される集積回路チップと、
を含み、
前記第1検査線及び前記第2検査線は、前記集積回路チップの両端よりも外側に配置され、前記集積回路チップの接続パッドに接続されていないのであり
前記ベース基板は、少なくとも一つの絶縁層を挟む複数の配線層を含み、
前記第2検査線は、前記複数の配線層にまたがって形成され、
前記第2検査線は、2本の第1部分検査線及び2本の第2部分検査線を含み、
前記第1部分検査線は、いずれも、一端が前記ダミーパッドまたは前記第1入力パッドに連結され、他端が、対応する前記第2部分検査線の一端と、第1ビアまたは第2ビアを通じて互いに連結されており、
前記第1検査線は、
前記第1入力パッドと、第1出力パッドとを連結する第1サブ検査線、及び、
前記第2入力パッドと、第2出力パッドとを連結する第2サブ検査線を含み、
前記第2検査線は、前記第3領域にて前記第1サブ検査線と連結されており、
前記第2サブ検査線は、出力パッドの近傍を除く領域にて、前記第2検査線を兼ねており、
第3検査線をさらに含み、
前記第3検査線は、
前記第2入力パッドと、第3出力パッドとを連結する第3サブ検査線、及び、
前記第3入力パッドと、第4出力パッドとを連結する第4サブ検査線を含み、
前記第3サブ検査線及び前記第4サブ検査線は、前記第2部分検査線と同一の配線層中に形成され、
前記第3サブ検査線は、出力パッドの近傍にて、前記第2サブ検査線に重ね合わされ、前記第1入力パッドの近傍にて、前記第1サブ検査線に重ね合わされる、表示装置。
【請求項19】
第1パッド領域、前記第1パッド領域と異なる第2パッド領域、及び前記第1パッド領域と前記第2パッド領域との間に位置する第3領域を含むベース基板と、
前記第1パッド領域に形成されるダミーパッド及び入力パッドと、
前記第2パッド領域に形成される出力パッドと、
前記ベース基板に形成され、前記第2パッド領域及び前記第3領域を通じて前記入力パッドのうちの第1入力パッドを前記入力パッドのうちの第2入力パッドに連結する第1検査線と、
前記ベース基板に形成され、前記第3領域を通じて前記ダミーパッドを前記第1検査線に連結する第2検査線と、
を含み、
前記ベース基板は、少なくとも一つの絶縁層を挟む複数の配線層を含み、
前記第2検査線は、前記複数の配線層にまたがって形成され、
前記第2検査線は、2本の第1部分検査線及び2本の第2部分検査線を含み、
前記第1部分検査線は、いずれも、一端が前記ダミーパッドまたは前記第1入力パッドに連結され、他端が、対応する前記第2部分検査線の一端と、第1ビアまたは第2ビアを通じて互いに連結されており、
前記第1検査線は、
前記第1入力パッドと、第1出力パッドとを連結する第1サブ検査線、及び、
前記第2入力パッドと、第2出力パッドとを連結する第2サブ検査線を含み、
前記第2検査線は、前記第3領域にて前記第1サブ検査線と連結されており、
前記第2サブ検査線は、出力パッドの近傍を除く領域にて、前記第2検査線を兼ねており、
第3検査線をさらに含み、
前記第3検査線は、
前記第2入力パッドと、第3出力パッドとを連結する第3サブ検査線、及び、
前記第3入力パッドと、第4出力パッドとを連結する第4サブ検査線を含み、
前記第3サブ検査線及び前記第4サブ検査線は、前記第2部分検査線と同一の配線層中に形成され、
前記第3サブ検査線は、出力パッドの近傍にて、前記第2サブ検査線に重ね合わされ、前記第1入力パッドの近傍にて、前記第1サブ検査線に重ね合わされ、
前記第1出力パッドと前記第2出力パッドとが隣接して配置されて第1短絡パッドにより連結され、第3出力パッドと第4出力パッドとが隣接して配置されて第2短絡パッドにより連結され、
前記第1出力パッドと前記第3出力パッドとが隣接して配置され、前記第2出力パッドと前記第4出力パッドとが隣接して配置される、チップオンフィルムパッケージ。
【請求項20】
前記ダミーパッド及び前記入力パッドと連結される検査回路をさらに含み、
前記検査回路は、前記第1入力パッドと前記第2入力パッドとの間の第1抵抗値、及び、前記ダミーパッドと前記第1入力パッドとの間の第2抵抗値を算出し、前記第1抵抗値及び前記第2抵抗値に基づいて前記第2パッド領域及び前記第3領域のうち、少なくとも1つの領域での損傷発生の有無を判断することを特徴とする、請求項19に記載のチップオンフィルムパッケージ。
【請求項21】
前記検査回路は、
前記入力パッドの入力パッド抵抗値及び前記第1抵抗値に基づいて前記第2パッド領域及び前記第3領域での損傷発生の有無を判断し、
前記入力パッド抵抗値及び前記第2抵抗値に基づいて前記第3領域での損傷発生の有無を判断し、
前記第1抵抗値と前記第2抵抗値との間の差に基づいて前記第2パッド領域内の損傷の有無を判断することを特徴とする、請求項20に記載のチップオンフィルムパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関し、より詳しくは、内部損傷を検出できるチップオンフィルムパッケージ、表示パネル、及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、表示パネル、表示パネルを駆動させる印刷回路基板(printed circuit board;PCB)及び表示パネルと印刷回路基板を電気的に連結するチップオンフィルム(chip on film;COF)パッケージを含む。
【0003】
チップオンフィルムパッケージは、一端部が表示パネルの上部に取り付けられ、ベンディングされて表示パネルの下部に装着される。チップオンフィルムパッケージは、そのベンディング領域が限界曲率半径を超えるか、またはベンディングストレスが累積される場合、ベンディング領域でクラックが発生することがある。この場合、チップオンフィルムパッケージに含まれた信号線に欠陥が発生するか、またはチップオンフィルムパッケージに駆動不良が発生して表示装置の品質が低下することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一目的は、簡単な構成で内部損傷の感知だけでなく、内部損傷の位置及び原因に対する分析を可能にするチップオンフィルムパッケージを提供することにある。
【0005】
本発明の一目的は、簡単な構成で内部損傷の位置に対する判断を可能にする表示パネルを提供することにある。
【0006】
本発明の一目的は、正常駆動中に内部損傷をモニタリングすることができる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一目的を達成するために、本発明の実施形態に係るチップオンフィルムパッケージは、(i)ベンディング領域、第1パッド領域、及び前記第1パッド領域と異なる第2パッド領域を含むベース基板;(ii)前記第1パッド領域上に形成されるダミーパッド及び入力パッド;(iii)前記第2パッド領域上に形成される出力パッド;(iv)前記ベース基板上に形成され、前記入力パッドのうちの第1入力パッド及び第2入力パッドに連結され、前記ベンディング領域及び前記第2パッド領域を経由して、前記第1入力パッドと前記第2入力パッドとの間に延びる第1ループを形成する第1検査線;及び(v)前記ベンディング領域を含む領域上に形成され、前記ダミーパッドに連結されるとともに前記ベンディング領域と前記第2パッド領域との間の箇所、またはこれら2つの領域の境界の近傍にて前記第1検査線と連結されることで、前記ベンディング領域を経由して前記ダミーパッドと前記第1入力パッドとの間に延びる第2ループを形成する第2検査線を含むことができる。
【0008】
一実施形態によれば、前記ダミーパッドは、前記入力パッドと、これに接続される一群の端子との間の整列状態の判断基準となりうるアラインキーを含むことができる。
【0009】
一実施形態によれば、前記第1検査線は、前記第1入力パッドと、前記出力パッドのうちの第1出力パッドとを連結する第1サブ検査線;前記第2入力パッドと、前記出力パッドのうちの第2出力パッドとを連結する第2サブ検査線;及び、前記第1出力パッドと前記第2出力パッドとを前記第2パッド領域の近傍にて連結する第3サブ検査線を含み、前記第2検査線は前記第1サブ検査線と連結できる。
【0010】
一実施形態によれば、前記チップオンフィルムパッケージは、前記ダミーパッドと前記第2入力パッドとを前記第1パッド領域の近傍にて連結する第3検査線をさらに含むことができる。
【0011】
一実施形態によれば、前記ベース基板は、少なくとも一つの絶縁層を挟む複数の配線層を含み、前記第2検査線は前記複数の配線層にまたがって形成されうる。
【0012】
一実施形態によれば、前記第1検査線は、第1部分検査線及び第2部分検査線を含み、前記第1部分検査線は前記ベース基板の第1面に形成され、前記第2部分検査線は、前記第1面とは逆の側の、前記ベース基板の第2面に形成され、前記少なくとも一つの絶縁層に含まれたビアホールを通じて前記第1部分検査線が前記第2部分検査線と連結されうる。
【0013】
一実施形態によれば、前記第2検査線は、前記ベンディング領域中に、ジグザグ状、蛇行状、パルス波状、渦巻状などの曲がりくねった線(meander line)をなすように形成された検査パターンを含むことができる。ジグザグ状、蛇行状、パルス波状などの検査線は、パッドの配列方向に沿った方向(左右方向)、またはこれに垂直の方向へと振れるように形成することができる。
【0014】
一実施形態によれば、前記ダミーパッドは、前記第1パッド領域内で、前記入力パッド及び前記ダミーパッドがなすパッド列のうちの最も外側、すなわち、両端または一端に位置することができる。
【0015】
一実施形態によれば、前記第1パッド領域上に形成され、前記ダミーパッド及び前記入力パッドと連結される集積回路チップをさらに含み、前記集積回路チップは前記第1ループの第1抵抗値及び前記第2ループの第2抵抗値を算出し、前記第1抵抗値及び前記第2抵抗値に基づいて前記第2パッド領域及び前記第3領域のうち、少なくとも一つの領域での損傷発生の有無を判断することができる。
【0016】
一実施形態によれば、前記入力パッドの入力パッド抵抗値及び前記第1抵抗値に基づいて前記第2パッド領域及び前記第3領域での損傷発生の有無を判断し、前記入力パッド抵抗値及び前記第2抵抗値に基づいて前記第3領域での損傷発生の有無を判断し、前記第1抵抗値と前記第2抵抗値との間の差に基づいて前記第2パッド領域内の損傷の有無を判断することができる。
【0017】
一実施形態によれば、前記チップオンフィルムパッケージは、前記ベース基板上に形成されるダミー線をさらに含み、前記ダミー線は前記第2パッド領域に対応する前記ベース基板の一辺から前記ベース基板を横切って、前記一辺とは逆側の、前記ベース基板の他辺まで延長され、前記第2検査線は前記ダミー線の少なくとも一部、例えば実質上全部を含むのでありうる。
【0018】
一実施形態によれば、前記第2パッド領域は、第1サブパッド領域及び第2サブパッド領域を含み、前記第1サブパッド領域に第1出力パッド群が形成され、前記第2サブパッド領域に第2出力パッド群が形成され、前記第1ループは第1サブループ及び第2サブループを含み、前記第1サブループは、第1サブパッド領域を経由して前記第1入力パッドと前記第2入力パッドとを連結し、前記第2サブループは、前記第2サブパッド領域を経由して前記第2入力パッドと前記入力パッドのうちの第3入力パッドとを連結することができる。
【0019】
一実施形態によれば、前記第1検査線は、前記第1入力パッドと、前記第1出力パッド群のうちの第1出力パッドとを連結する第1サブ検査線;前記第2入力パッドと、前記第2出力パッド群のうちの第2出力パッドとを連結する第2サブ検査線;前記第2入力パッドと、前記第1出力パッド群のうちの第3出力パッドとを連結する第3サブ検査線;前記第3入力パッドと、前記第2出力パッド群のうちの第4出力パッドとを連結する第4サブ検査線;前記第1出力パッドと前記第3出力パッドとを連結する第5サブ検査線;前記第2出力パッドと前記第4出力パッドとを連結する第6サブ検査線を含み、前記第2検査線は、前記ベンディング領域と前記第2パッド領域との間の箇所、またはこれら2つの領域の境界の近傍にて、前記第1サブ検査線と連結されるのでありうる。
【0020】
一実施形態によれば、前記チップオンフィルムパッケージは、前記第3入力パッドと、前記入力パッドのうちの第4入力パッドとを、前記第1パッド領域の近傍で連結して第4ループを形成する第4検査線をさらに含むことができる。
【0021】
一実施形態によれば、前記チップオンフィルムパッケージは、前記第1パッド領域上に形成され、前記ダミーパッド及び前記入力パッドと連結される集積回路チップをさらに含み、前記集積回路チップは前記第1ループの第1抵抗値、前記第2ループの第2抵抗値、及び前記第4ループの第4抵抗値を算出し、前記第1抵抗値、前記第2抵抗値、及び前記第4抵抗値に基づいて前記入力パッド、前記出力パッド、及び前記ベンディング領域のうちの、少なくとも一つでの損傷発生の有無を判断することができる。
【0022】
一実施形態によれば、前記集積回路チップは、前記第4抵抗値に基づいて前記入力パッド、前記出力パッド、及び前記ベンディング領域での損傷発生の有無を判断し、前記第4抵抗値に基づいて前記入力パッド内の損傷発生の有無を判断し、前記第1抵抗値と前記第2抵抗値との間の差に基づいて前記出力パッド内の損傷の有無を判断し、前記第2抵抗値及び前記第4抵抗値の間の差に基づいて前記ベンディング領域内の損傷発生の有無を判断することができる。
【0023】
本発明の一目的を達成するために、本発明の実施形態に係る表示パネルは、第1パッド領域及び前記第1パッド領域と異なる第2領域を含むベース基板、前記第1パッド領域に形成されるダミーパッド及びパッド、前記ベース基板に形成され、前記パッドのうち、第1パッド及び第2パッドに連結され、前記第2領域中にて前記ベース基板の外郭の少なくとも一部を経由して、前記第1パッドと前記第2パッドとの間に延びる第1ループを形成する第1検査線、及び前記ベース基板に形成され、前記ダミーパッドに連結されるとともに前記第2領域にて前記第1検査線と連結されることで、前記第2領域を経由して前記ダミーパッドと前記第1パッドとの間に延びる第2ループを形成する第2検査線を含むことができる。
【0024】
一実施形態によれば、前記ダミーパッドは、印刷回路基板またはチップオンフィルムパッケージの端子と、前記パッドとの間の整列状態の判断基準となるアラインキーを含むことができる。
【0025】
一実施形態によれば、前記ベース基板は、少なくとも一つの絶縁層を挟む複数の配線層を含み、前記第2検査線は前記複数の配線層にまたがって形成されうる。
【0026】
一実施形態によれば、前記第2検査線は、前記第2領域中に、ジグザグ状、蛇行状、パルス波状、渦巻状などの曲がりくねった線(meander line)をなすように形成された検査パターンを含むことができる。
【0027】
本発明の一目的を達成するために、本発明の実施形態に係る表示装置は、映像を表示する表示パネル、前記表示パネルを駆動する印刷回路基板、及び前記表示パネルと前記印刷回路基板とを電気的に連結するチップオンフィルムパッケージを含み、前記表示パネルまたは前記チップオンフィルムパッケージは、第1パッド領域及び前記第1パッド領域と異なる第2領域を含むベース基板、前記第1パッド領域に形成されるダミーパッド及びパッド、前記ベース基板に形成され、前記パッドのうち、第1パッド及び第2パッドに連結され、前記第2領域中にて前記ベース基板の外郭の少なくとも一部を経由して前記第1パッドと前記第2パッドとの間に延びる第1ループを形成する第1検査線、及び前記ベース基板に形成され、前記ダミーパッドに連結されるとともに前記第2領域にて前記第1検査線と連結されることで、前記第2領域を経由して前記ダミーパッドと前記第1パッドとの間に第2ループを形成する第2検査線を含むことができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の実施形態に係るチップオンフィルムパッケージは、第1検査線を備えることによって、外部検査装置をしてチップオンフィルムパッケージ内の損傷発生の有無を速かに判断できるようにすることができる。
【0029】
また、チップオンフィルムパッケージは、ベンディング領域に形成された第2検査線を備えることによって、外部検査装置をして損傷発生位置/原因をより迅速でかつ正確に判断できるようにすることができる。
【0030】
延いては、チップオンフィルムパッケージは、ダミーパッド(即ち、アラインキーを含み、一般的に使われないパッド)を用いることによって、別途の構成要素などを追加せず、単純な構造だけで内部損傷の発生の位置/原因に対する把握/分析を可能にすることができる。
【0031】
本発明の実施形態に係る表示パネルは、第1検査線及びベンディング領域に形成された第2検査線を備えることによって、外部検査装置をして表示パネル内の損傷発生の有無を速かに判断できるようにすることができる。
【0032】
本発明の実施形態に係る表示装置は、第1検査線、第2検査線、及び集積回路チップ(第1検査線及び第2検査線に連結される)を含むことによって、集積回路チップを用いて表示装置の駆動中にもチップオンフィルムパッケージ及び/又は表示パネル内の損傷発生の有無を持続的に検出(または、モニタリング)することができる。
【0033】
但し、本発明の効果は前記効果に限定されるものではなく、本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲で多様に拡張できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の実施形態に係る表示装置を示す模式的な斜視図である。
図2】チップオンフィルムパッケージをベンディングさせた状態の、図1の表示装置の一例を示す断面図である。
図3a】は図1の表示装置に含まれたチップオンフィルムパッケージの一例を示す模式的な斜視図である。
図3b図1の表示装置に含まれたチップオンフィルムパッケージの他の例を示す模式的な斜視図である。
図4a図3bのチップオンフィルムパッケージのベース基板の積層状態の一例を示す断面図である。
図4b図3bのチップオンフィルムパッケージにおける検査線の配線構造の一例中、ベース基板の下面側の配線及びビアを示す平面図である。
図4c図3bのチップオンフィルムパッケージにおける検査線の配線構造の一例中、ベース基板の上面側の配線及びビアを示す平面図である。
図4d図3bのチップオンフィルムパッケージにおける検査線の配線構造の一例中、ベース基板の上下面の配線及びビアをまとめて示す平面図である。
図4e図3bのチップオンフィルムパッケージにおける検査線の配線構造の一例中、表示基板上の短絡パッドを示す平面図である。
図4f図3bのチップオンフィルムパッケージにおける検査線の配線構造の一例について、上下面の配線、ビア及び短絡パッドをまとめて示す平面図である。
図5図3aのチップオンフィルムパッケージの一例を示す模式的な斜視図である。
図6a図5のチップオンフィルムパッケージの例(1)を示す平面図である。
図6b図5のチップオンフィルムパッケージの例(2)を示す平面図である。
図6c図5のチップオンフィルムパッケージの例(3)を示す平面図である。
図7a図1の表示装置に含まれたチップオンフィルムパッケージの例(4)を示す図である。
図7b図1の表示装置に含まれたチップオンフィルムパッケージの例(5)を示す図である。
図7c図1の表示装置に含まれたチップオンフィルムパッケージの例(6)を示す図である。
図8a図1の表示装置に含まれたチップオンフィルムパッケージの更に他の例を示す模式的な斜視図である。
図8b図1の表示装置に含まれたチップオンフィルムパッケージの更に他の例を示す模式的な斜視図である。
図9】表示パネルの端部をベンディングさせた状態の、図1の表示装置またはその他の表示装置についての一例を示す断面図である。
図10図9の表示装置に含まれた表示パネルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態をより詳しく説明しようとする。図面上の同一な構成要素に対しては同一または類似の参照符号を使用する。
【0036】
図1は本発明の実施形態に係る表示装置を示す図であり、図2図1の表示装置の一例を示す断面図である。
【0037】
図1及び図2を参照すると、表示装置1000は、表示パネル100、チップオンフィルム(chip on film;以下、“COF”という)パッケージ200、及び印刷回路基板300を含むことができる。
【0038】
表示パネル100は、有機発光表示パネル(organic light emitting display panel)、液晶表示パネル(liquid crystal display panel)、プラズマ表示パネル(plasma display panel)、電気泳動表示パネル(electrophoretic display panel)、及びエレクトロウェッティング表示パネル(electrowetting display panel)などの多様な表示パネルを含むことができるが、以下では前記表示パネル100は有機発光表示パネルであることを一例として説明する。
【0039】
表示パネル100は、映像を表示することができる。表示パネル100は、第1基板10及び第2基板20を含むことができる。
【0040】
第1基板10は、表示領域(または、活性領域)にマトリックス形態に配置された画素を含むことができる。第1基板10は、画素を駆動させるためのゲートドライバ(図示せず)及びデータドライバ(図示せず)をさらに含むことができる。平面上で第1基板10は第2基板20に比べてより広い面積を有することができる。第2基板20と重畳しない第1基板10上に、パッド(または、パッド電極)が形成できる。パッドはゲートドライバ及びデータドライバと電気的に連結できる。パッドに印加された信号はゲートドライバ及びデータドライバに伝達できる。
【0041】
第2基板20は、第1基板10に接合されて第1基板10に形成された画素、回路、及び配線を外部から封入させることができる。表示パネル100は、第2基板20の一面に付着されて外光反射を抑制する偏光フィルムをさらに含むことができる。
【0042】
COFパッケージ200は、表示パネル100及び印刷回路基板300を電気的に連結することができる。COFパッケージ200は、ベース基板220(または、ベースフィルム、フレキシブル基板)と集積回路チップ210を含むことができる。ここで、集積回路チップ210は、図2に示すように、ベース基板220の上部に形成できる。以下では、COFパッケージ200の上面またはベース基板220の上面(または、上部)は集積回路チップ210が形成された面として定義し、COFパッケージ200の下面またはベース基板220の下面(または、下部)は集積回路チップ210が形成されない面として定義する。
【0043】
COFパッケージ200の一端は、表示パネル100のパッドにボンディングされて表示パネル100に電気的に連結できる。類似するように、COFパッケージ200の他端は、前記印刷回路基板300にボンディングされて電気的に連結できる。COFパッケージ200は、“C”形状に撓んだ状態で表示パネル100に装着できる。例えば、COFパッケージ200の一端で、ベース基板220の下部に表示パネル100が連結できる。また、COFパッケージ200の他端で、ベース基板220の上部に印刷回路基板300が連結できる。
【0044】
一方、図1で表示装置1000は4個のCOFパッケージ200を含み、互いに第2方向(DR2)に離隔したものとして図示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、表示装置1000は多様な個数のCOFパッケージ200を含むことができる。
【0045】
印刷回路基板300は、駆動基板及び表示パネル100を駆動する多数の回路を含むことができる。COFパッケージ200が撓んで装着された状態で、印刷回路基板300は第1基板10の下部に位置するように配置できる。
【0046】
図1に図示してはいないが、表示装置1000はケースをさらに含み、表示パネル100、COFパッケージ200、及び前記印刷回路基板300は、ケースに収納できる。
【0047】
図3aは、図1の表示装置に含まれたチップオンフィルムパッケージの一例を示す図である。
【0048】
図1図2、及び図3aを参照すると、COFパッケージ200は、ベース基板220、複数のパッド(または、複数のパッド端子)、集積回路チップ210、第1検査線TL1、及び第2検査線TL2を含むことができる。
【0049】
平面上でCOFパッケージ200はベンディング領域BAと非ベンディング領域NAを含むことができる。ベンディング領域BAは、COFパッケージ200が撓むことによって、実際にベンディングが発生する領域でありうる。ベンディング領域BAは、第1方向(DR1)に一定の幅を有し、第2方向(DR2)に延長できる。非ベンディング領域NAは、COFパッケージ200が撓んでもベンディングが発生しない領域でありうる。非ベンディング領域NAは、ベース基板220からベンディング領域BAを除外した領域でありうる。
【0050】
非ベンディング領域NAは、第1パッド領域AR1(または、第1ボンディング領域、入力アウターリードボンディング領域(input outer lead bonding area))及び第2パッド領域AR2(または、第2ボンディング領域、出力アウターリードボンディング領域(output outer lead bonding area))を含むことができる。第1パッド領域AR1は印刷回路基板300にボンディングされる領域であって、入力パッドITP1、ITP2、ダミーパッドDP、及び信号パッドSPを含むことができる。第2パッド領域AR2は表示パネル100にボンディングされる領域であって、出力パッドOTP1、OTP2、及び信号パッドSPを含むことができる。第1パッド領域AR1はCOFパッケージ200の第1方向(DR1)への一端に(または、一端に隣接して)位置し、第2パッド領域AR2はCOFパッケージ200の第1方向(DR1)への他端に(または、他端に隣接して)位置することができる。
【0051】
第1パッド領域AR1及び第2パッド領域AR2はベンディング領域BAから離隔できる。第1パッド領域AR1と第2パッド領域AR2との間には第3領域AR3が位置することができる。ベンディング領域BAは、第3領域AR3に含まれ、第1パッド領域AR1と集積回路チップ210との間の一部領域であるか、または第2ボンディング領域AR2と集積回路チップ210との間の一部の領域でありうる。図3でベンディング領域BAは、第2ボンディング領域AR2と集積回路チップ210との間の一部の領域であることを一例として図示した。
【0052】
ベース基板220は、フレキシブルなフィルムでありうる。ベース基板220は互いに対向する上面及び下面を含むことができる。集積回路チップ210は、ベース基板220の上面上に形成できる。集積回路チップ210は複数の端子を含み、信号線を通じて信号パッドSPに電気的に連結できる。
【0053】
第1パッド領域AR1及び第2パッド領域AR2での、表示パネル100や印刷回路基板300の端子部とのボンディング、及び、集積回路チップ210を実装するためのボンディングは、異方性導電フィルム(anisotropic conductive film、ACF)を介して行うことができる。異方性導電フィルムは、導電層を含む導電ボールが、ベースとなる絶縁性樹脂中に分散されたものであり、例えば表示パネル上や、印刷回路基板上に形成または配置した後、異方性導電フィルム(ACF)を挟むようにして圧着を行うことで、ボンディングを実現できる。この際の圧着の不良、または、外力や振動によりパッド接続部での端子抵抗が大きくなった場合にも、後述のように本願の検査線を用いた検出が可能である。
【0054】
第1検査線TL1はベース基板220上に形成され、第1入力パッドITP1及び第2入力パッドITP2に連結できる。第1検査線TL1は第2パッド領域AR2を経由して第1入力パッドITP1及び第2入力パッドITP2の間に第1ループを形成することができる。
【0055】
一実施形態で、第1検査線TL1は第1サブ検査線STL1及び第2サブ検査線STL2を含むことができる。ここで、第1サブ検査線STL1は第1入力パッドITP1及び第1出力パッドOTP1を連結することができる。類似するように、第2サブ検査線STL2は、第2入力パッドITP2と第2出力パッドOTP2とを連結することができる。第1サブ検査線STL1と第2サブ検査線STL2とは、第2方向(DR2)に離隔し、第1サブ検査線STL1及び第2サブ検査線STL1の各々は第1方向(DR1)に延長され、概して直線でありうる。第1サブ検査線STL1と第2サブ検査線STL2とは、第1短絡(short)パッドOTS1を通じて、第2パッド領域AR2にて相互に連結されうる。ここで、第1短絡パッドOTS1は、表示パネル100に含まれ、第1基板10に、第1出力パッドOTP1及び第2出力パッドOTP2に対応して形成できる。すなわち、第1出力パッドOTP1に少なくとも部分的に重なり合う領域から、第2出力パッドOTP2に少なくとも部分的に重なり合う領域にまで延びるように形成されうる。COFパッケージ200が表示パネル100にボンディングされる場合、第1短絡パッドOTS1は、第1出力パッドOTP1と第2出力パッドOTP2とを最短距離で連結することができる。
【0056】
なお、表示装置100を製造する工程の最中に、外部検査装置を用いてCOFパッケージ200の損傷発生の有無を判断する検査が遂行できる。このために、外部検査装置は、第1入力パッドITP1及び第2入力パッドITP2に連結できる。外部検査装置は、第1入力パッドITP1及び第2入力パッドITP2のうちの一つ(例えば、第1入力パッドITP1)に検査信号を印加し、第1入力パッドITP1及び第2入力パッドITP2のうちの他の一つ(例えば、第2入力パッドITP2)を通じて第1測定信号を受信することで、検査信号及び第1測定信号に基づいてCOFパッケージ200の損傷の有無を判断することができる。例えば、外部検査装置は、第1入力パッドITP1と第2入力パッドITP2との間に第1検査電圧を印加し、第2入力パッドITP2を通じて第1測定電流を受信し、第1検査電圧及び第1測定電流に基づいて第1ループの第1抵抗値を算出することができる。ここで、第1ループの第1抵抗値は、第1及び第2入力パッドITP1、ITP2の抵抗値(または、圧着抵抗値、ボンディング抵抗値、接触抵抗値)、第1及び第2出力パッドOTP1、OTP2の抵抗値及び第1検査線TL1の抵抗値を含み、以下の<数式1>のように表現できる。
【0057】
<数式1>
R1=RITP1+RITP2+ROTP1+ROTP2+RTL1
【0058】
ここで、R1は第1ループの第1抵抗値、RITP1は第1入力パッドITP1の抵抗値、RITP2は第2入力パッドITP2の抵抗値、ROTP1は第1出力パッドOTP1の抵抗値、ROTP1は第2出力パッドOTP1の抵抗値、RTL1は第1検査線TL1の抵抗値を示す。
【0059】
したがって、外部検査装置は、COFパッケージ200内における、第1パッド領域AR1、第2パッド領域AR2、及びベンディング領域BAなど、全ての領域での損傷発生の有無を、速かに判断することができる。
【0060】
但し、第1検査線TL1のみを用いてCOFパッケージ200の損傷の有無を判断する場合、パッケージ200の正確な損傷原因、損傷発生位置などが把握できないことがある。例えば、COFパッケージ200内の損傷は、第1及び第2入力パッドITP1、ITP2の不良、第2パッド領域AR2の圧着不良、及びベンディング領域BAでのクラックなどに起因するのでありうる。したがって、本発明の実施形態に係るCOFパッケージ200は、第1検査線TL1以外に第2検査線TL2を含み、第2検査線TL2を用いてCOFパッケージ200内における損傷の発生の原因または位置をより正確に分析することができる。
【0061】
第2検査線TL2は、ベース基板220に形成され、かつ第3領域AR3を経由し、ダミーパッドDP及び第1検査線TL1(または、第1サブ検査線STL1)と連結されて、ダミーパッドDPと第1入力パッドITP1との間に第2ループを形成することができる。第2検査線TL2はベンディング領域BAを経由することができる。
【0062】
一実施形態で、ダミーパッドDPはアラインキー(align key)AKを含むことができる。例えば、ダミーパッドDPがアラインキー形状を有するように一体形成できる。ここで、アラインキー(align key)は、入力パッドITP1、ITP2、及び信号パッドSPと、印刷回路基板300の端子群との間の整列状態を判断する基準に利用されるか、またはCOFパッケージ200が印刷回路基板300に連結される場合に、COFパッケージ200と印刷回路基板300との間の整列状態を判断する基準に利用できる。図8を参照して後述するが、COFパッケージ200の構造によって、ダミーパッドは、一般的に、信号線または検査線と連結されず、信号伝達のための機能に使われないことがある。したがって、本発明の実施形態に係るCOFパッケージ200は、ダミーパッド(または、アラインキーを含むパッド)を用いて第2検査線TL2を形成することによって、第1パッド領域AR1の面積が増加することを防止し、製造費用を相対的に低減させることができる。
【0063】
この場合、外部検査装置は、ダミーパッドDP及び第1入力パッドITP1のうちの一つ(例えば、第1入力パッドITP1)に検査信号を印加し、ダミーパッドDP及び第1入力パッドITP1のうちの他の一つ(例えば、ダミーパッドDP)を通じて第2測定信号を受信し、検査信号及び第2測定信号に基づいて、COFパッケージ200の損傷発生の位置を判断することができる。例えば、外部検査装置は、ダミーパッドDPと第1入力パッドITP1との間に第2検査電圧を印加し、ダミーパッドDPを通じて第2測定電流を受信し、第2検査電圧及び第2測定電流に基づいて、第2ループの第2抵抗値を算出することができる。ここで、第2ループの第2抵抗値はダミーパッドDP及び第1入力パッドITP1の抵抗値(または、圧着抵抗値、ボンディング抵抗値、接触抵抗値)及び第2検査線TL2の抵抗値を含み、以下の<数式2>のように表現できる。
【0064】
<数式2>
R2=RDP+RITP1+RTL2
【0065】
ここで、R2は第2ループの第2抵抗値、RDPはダミーパッドDPの抵抗値、RITP1は第1入力パッドITP1の抵抗値、RTL2は第2検査線TL2の抵抗値を示す。
【0066】
一方、ダミーパッドDPは、第1入力パッドITP1と類似しており(例えば、同一の面積を有して)入力パッドITP1と隣接するので(例えば、同一な具合に圧着されるので)、第1入力パッドITP1の抵抗値と実質的に同一の抵抗値を有することができる。一方、第2検査線TL2は、第1検査線TL1と同一の抵抗値を有するように設定できる。この場合、前記<数式2>は以下の<数式3>のようにも表現できる。
【0067】
<数式3>
R2=2RITP1+RTL1
【0068】
同様に、第2入力パッドITP2は第1入力パッドITP1と類似しており、第2出力パッドOTP2は第1出力パッドOTP1と類似しているので、前述した<数式1>は以下の<数式4>のようにも表現できる。
【0069】
<数式4>
R1=2RITP1+2ROTP1+RTL1
【0070】
したがって、外部検査装置は既に設定された入力パッドの抵抗値、<数式3>及び<数式4>に基づいて、出力パッドOTP1、OTP2及び検査線TL1、TL2の抵抗値を算出することができ、抵抗値の変化に基づいて損傷発生の位置を判断することができる。
【0071】
図3aを参照して説明したように、本発明の実施形態に係るCOFパッケージ200は、第1検査線TL1を備えることによって、外部検査装置をしてCOFパッケージ200内の損傷発生の有無を速かに判断できるようにし、第2検査線TL2を備えることによって、損傷発生の位置/原因をより迅速かつ正確に判断できるようにすることができる。特に、COFパッケージ200はダミーパッド(即ち、アラインキーを含み、一般的に使われないパッド)を用いることによって、別途の構成要素などを追加せず、単純な構造だけでCOFパッケージ200内の損傷の発生の位置/原因を把握可能にすることができる。
【0072】
図3bは、図1の表示装置に含まれたチップオンフィルムパッケージの他の例を示す図である。
【0073】
図3a及び図3bを参照すると、図3bに図示されたCOFパッケージ200は、出力パッド(OTP1~OTP4)の配列及び第1検査線TL1の連結構成を除いて、図3aに図示されたCOFパッケージ200と実質的に同一または類似でありうる。したがって、重複説明は省略する。
【0074】
第2パッド領域AR2は、第1サブパッド領域ARS1及び第2サブパッド領域ARS2を含むことができる。第1サブパッド領域ARS1は第1及び第3出力パッドOTP1、OTP3を含み、第2サブパッド領域ARS2は第2及び第4出力パッドOTP2、OTP4を含むことができる。印刷回路基板300の左右方向(図1、3a及び3bの第2方向(DR2)の寸法が狭くなる場合、出力パッド(OTP1~OTP4)間の間隔(または、ピッチ)が狭くなって、短絡といった不良が発生することがある。したがって、COFパッケージ200は、出力パッド(OTP1~OTP4)を2列に配列するか、または、出力パッド(OTP1~OTP4)及び信号パッドSPを2列に配列して、不良発生を防止することができる。
【0075】
一方、図3bにて、第1サブパッド領域ARS1は奇数番目パッド(または、出力パッド)を含み、第2サブパッド領域ARS2は偶数番目パッド(または、出力パッド)を含むものとして図示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1サブパッド領域ARS1が偶数番目パッドを含むのであるか、または隣接する二つのパッドが一つの単位(組)をなし、この単位が第1及び第2サブパッド領域ARS1、ARS2に交互に配置されるのでありうる。
【0076】
第1検査線TL1は第3~第6サブ検査線(STL3~STL6)を含むことができる。第3サブ検査線STL3は、第1入力パッドITL1と第1出力パッドOTP1とを連結することができる。第4サブ検査線STL4は、第2入力パッドITL2と第2出力パッドOTP2とを連結することができる。第5サブ検査線STL5は、第2入力パッドITL2と第3出力パッドOTP3とを連結することができる。第6サブ検査線STL6は、第3入力パッドITL3と第4出力パッドOTP4とを連結することができる。第1出力パッドOTL1と第3出力パッドOTP3とは、第2短絡パッドOTS2を通じて相互連結されうるのであり、第2出力パッドOTL2と第4出力パッドOTP4とは、第3短絡パッドOTS3を通じて相互連結されうる。図3aを参照して説明した第1短絡パッドOTS1と同様に、第2短絡パッドOTS2と第3短絡パッドOTS3は、表示パネル100に含まれることができる。第2短絡パッドOTS2は、第1基板10に、第1出力パッドOTP1及び第3出力パッドOTP3に対応して形成され、第1出力パッドOTP1及び第3出力パッドOTP3を最短距離で連結するのでありうる。同様に、第3短絡パッドOTS3は、第1基板10に、第2出力パッドOTP2及び第4出力パッドOTP4に対応して形成され、第2出力パッドOTP2及び第4出力パッドOTP4を最短距離で連結するのでありうる。第3~第6サブ検査線(STL3~STL6)は、第2方向(DR2)に互いに離隔し、概ね第1方向(DR1)に延びるのでありうる。
【0077】
この場合、第3サブ検査線STL3、第5サブ検査線STL5、及び第2短絡パッドOTS2により、第1サブループが形成されうる。即ち、第1サブループは、第1入力パッドITP1及び第2入力パッドITP2と連結されうるのであって、第1サブパッド領域ARS1を経由して第1入力パッドITP1と第2入力パッドITP2との間に延びるように形成できる。同様に、第4サブ検査線STL4、第6サブ検査線STL6、及び第3短絡パッドOTS3により第2サブループが形成されうるのであり、第2ループは第1及び第2サブループを含むことができる。即ち、第2サブループは、第2入力パッドITP2及び第3入力パッドITP3と連結されうるのであって、第2サブパッド領域ARS2を経由して第2入力パッドITP2と第3入力パッドITP3との間に延びるように形成できる。
【0078】
第2検査線TL2は、ベース基板220に形成されうるのであって、第3領域AR3を経由して延びてダミーパッドDPと第1検査線TL1(または、第3サブ検査線STL3)とを連結できる。第2検査線TL2はベンディング領域BAを経由して延びることができる。ダミーパッドは、アラインキー(align key)AKを含むことができる。
【0079】
一方、COFパッケージ200は第3検査線TL3をさらに含むことができる。第3検査線TL3は、第3入力パッドITP3と第4入力パッドITP4とを連結することで第4ループを形成することができる。第3検査線TL3は、比較的短い経路を有するようにして第3入力パッドITP3及び第4入力パッドITP4を連結することができる。
【0080】
図3aを参照して説明したように、表示装置100の製造工程の最中に、外部検査装置を用いてCOFパッケージ200の損傷発生の有無を判断する検査が遂行できる。
【0081】
外部検査装置は、第1入力パッドITP1と第3入力パッドITP3との間に第1検査電圧を印加し、第3入力パッドITP3を通じて第1測定電流を受信し、第1検査電圧及び第1測定電流に基づいて、第1ループの第1抵抗値を算出することができる。ここで、第1ループは、図3bで、第1入力パッドITP1及び第3入力パッドITP3を連結する経路を示す。第1ループの第1抵抗値は第1及び第3入力パッドITP1、ITP3の抵抗値(または、圧着抵抗値、ボンディング抵抗値、接触抵抗値)、第1~第4出力パッド(OTP1~OTP4)の抵抗値及び第1検査線TL1の抵抗値を含み、以下の<数式5>のように表現できる。
【0082】
<数式5>
R1=2RITP1+4ROTP1+RTL1
【0083】
ここで、第3入力パッドITP3の抵抗値は第1入力パッドITP1の抵抗値と同一であと仮定し、第2~第4出力パッドOTP2、OTP3、OTP4の各々の抵抗値は第1出力パッドOTP1の抵抗値と同一であると仮定している。また、R1は第1ループの第1抵抗値、ROTP1は第1出力パッドOTP1の抵抗値、RTL1は第1検査線TL1の抵抗値である。
【0084】
第1ループの第1抵抗値が基準抵抗値の誤差範囲から外れた場合(特に、基準抵抗値より大きい場合)、外部検査装置はCOFパッケージ200内の損傷が発生したと判断することができる。
【0085】
外部検査装置は、第3入力パッドITP3と第4入力パッドITP4との間に第4検査電圧を印加することによって、第1パッド領域AR1での損傷発生の有無を判断することができる。また、外部検査装置は、ダミーパッドDPと第1入力パッドITP1との間に第2検査電圧を印加することによって、<数式3>に基づいてベンディング領域BAなどでの損傷発生の有無を判断することができる。延(ひ)いては、外部検査装置は<数式3>及び<数式5>に基づいて第2パッド領域AR2での損傷発生の有無を判断することができる。同様にして、外部検査装置は、第2パッド領域AR2のうち、第1サブパッド領域ARS1及び第2サブパッド領域ARS2での損傷発生の有無を各々判断することができる。
【0086】
図3bを参照して説明したように、本発明の実施形態に係るCOFパッケージ200は2列に配列されたパッドを含み、第1検査線TL1を備えることによって、外部検査装置をしてCOFパッケージ200内の損傷発生の有無を速かに判断できるようにすることができる。また、COFパッケージ200は第2検査線TL2を備えることによって、外部検査装置をして損傷発生の位置/原因をより迅速かつ正確に判断できるようにすることができる。
【0087】
一方、図3bで第2パッド領域AR2のみ2列に配列されたパッドを含むものとして図示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、表示パネル100(例えば、ヘッドマウントディスプレイ(頭部装着表示パネル;head mounted display panel))のように表示パネル100の左右方向(第2方向DR2)の寸法が小さくなる場合、COFパッケージ200は、第1パッド領域AR1に2列に配列されたパッドを含むことができる。
【0088】
図4a~図4fは、図3bのチップオンフィルムパッケージの一例を示す図である。
【0089】
図1及び図4a~図4fを参照すると、図1のCOFパッケージ200の状態(即ち、COFパッケージ200がベンディングされずに表示パネル100に連結された状態)を基準に、図1のI-I’ラインに沿ってCOFパッケージ200を切断した断面図(図4a)及びCOFパッケージ200の平面図(図4b~4d)が図示されている。
【0090】
ベース基板220は配線形成基材としての一つ以上の絶縁層(insulator layers)を含み、第1検査線TL1及び第2検査線TL2の各々は一つ以上の絶縁層を配線形成基材として、その少なくとも一方の面に形成できる。
【0091】
ベース基板220は、第1絶縁層L2を含むことができる。第1絶縁層L2の一面(例えば、下面)には第1導電層L1が形成され、第1絶縁層L2の他面(例えば、上面)には第2導電層L3が形成されるのでありうる。第1検査線TL1及び第2検査線TL2は、それぞれ、第1導電層L1及び第2導電層L3で形成できる。第1導電層L1及び第2導電層L3は、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、金(Au)といった金属を含むことで相対的に高い電気伝導度を有することができる。図4aには、ベース基板220が一つの絶縁層(第1絶縁層L2)を含むものとして図示されているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ベース基板220は、複数の絶縁層を含む任意のフレキシブル基板に該当しうる。この場合、複数の絶縁層を配線形成基材として第1検査線TL1及び第2検査線TL2が形成できる。例えば、第1検査線TL1及び第2検査線TL2は、複数の絶縁層の全体の上面もしくは下面、または複数の絶縁層の間に、互いに分けて配置できる。
【0092】
一方、図4aに図示された点線は、第2絶縁層L2を貫通して第1導電層L1の特定地点と第3導電層L3の特定地点を電気的に連結するビアVIA(または、ビア構造物)を示すのでありうる。
【0093】
図4bに示すように、第1導電層L1には、第1~第4出力パッドOTP1、OTP2、OTP3、OTP4、第2検査線TL2の第1部分検査線TL2-1、第3サブ検査線STL3の第1サブ部分検査線STL3-1、及び第5サブ検査線STL5が形成されうる。第1サブ部分検査線STL3-1は、第1出力パッドOTP1と第2ビアVIA2に連結されたものでありうる。第5サブ検査線STL5は、第3出力パッドOTP3と第3ビアVIA3に連結されたものでありうる。第1部分検査線TL2-1は、第1サブ部分検査線STL3-1及び第1ビアVIA1に連結されたものでありうる。
【0094】
一方、図4cに示すように、第3導電層L3には、第2検査線TL2の第2部分検査線TL2-2、第3サブ検査線STL3の第2サブ部分検査線STL3-2、第4サブ検査線STL4、第6サブ検査線STL6、及び第3検査線TL3が形成されうる。第2部分検査線TL2-2は第1ビアVIA1と連結され、第2サブ部分検査線STL3-2は第2ビアVIA2と連結されたものでありうる。第4サブ検査線STL4は、第3ビアVIA3と第4ビアVIA4とに連結されたものでありうる。第6サブ検査線STL6は、第5ビアVIA5と第3検査線TL3とに連結されたものでありうる。
【0095】
図4dは、順次に積層された第1導電層L1、第2絶縁層L2、及び第3導電層L3を図示している。
【0096】
第2検査線TL2は、第1導電層L1に形成された第1部分検査線TL2-1、及び、第3導電層L3に形成された第2部分検査線TL2-2を含み、第1部分検査線TL2-1及び第2部分検査線TL2-2は、第1ビアVIA1を通じて互いに連結できる。即ち、第2検査線TL2は、第1導電層L1及び第3導電層L3の中を延びるように形成できる。
【0097】
同様に、第3サブ検査線STL3は第1導電層L1に形成された第1サブ部分検査線STL3-1及び第3導電層L3に形成された第2サブ部分検査線STL3-2を含み、第1サブ部分検査線STL3-1及び第2サブ部分検査線STL3-2は、第2ビアVIA2を通じて互いに連結できる。即ち、第3サブ検査線STL3は、第1導電層L1及び第3導電層L3にまたがって形成されうる。
【0098】
一方、第4サブ検査線STL4は、第4ビアVIA4を通じて第1導電層L1に形成された第2出力パッドOTP2と連結され、第3ビアVIA3を通じて第1導電層L1に形成された第5サブ検査線STL5と連結されたものでありうる。
【0099】
同様に、第6サブ検査線STL6は、第5ビアVIA5を通じて第1導電層L1に形成された第4出力パッドOTP4と連結されうる。
【0100】
一方、図4eに示すように、表示パネル100の第1基板10は、第1~第4出力パッド(OTP1~OTP4)に対応して、第2短絡パッドOTS2及び第3短絡パッドOTS3を含むことができる。
【0101】
図4a及び図4fに示すように、表示パネル100の第1基板10がベース基板220(または、COFパッケージ200)とボンディングされる際、第2短絡パッドOTS2は第1及び第3出力パッドOTP1、OTP3を互いに連結し、第3短絡パッドOTS3は第2及び第4出力パッドOTP2、OTP4を互いに連結することができる。
【0102】
したがって、図3bを参照して説明したように、第3サブ検査線STL3、第5サブ検査線STL5、及び第2短絡パッドOTS2により第1サブループが形成され、第4サブ検査線STL4、第6サブ検査線STL6、及び第3短絡パッドOTS3により第2サブループが形成され、第2検査線TL2及び第3サブ検査線STL3により第2ループが形成されるのでありうる。
【0103】
前述したように、第1検査線TL1及び第2検査線TL2の各々は、複数の配線層(即ち、第1導電層L1及び第2導電層L3)にまたがって形成されうる。
【0104】
なお、COFパッケージ200が、図3bに図示された2列に配列されたパッドを含む場合、パッド及び検査線(または、信号線)の間の干渉を防止するために、検査線(及び信号線)が複数の配線層にまたがって形成されうる。即ち、本発明の実施形態に係るCOFパッケージ200に含まれた検査線は、単一の配線層に形成されることに限定されず、複数の配線層にまたがって形成されうる。
【0105】
一方、図4a~図4fで、ベース基板220は配線形成基材としての一つの絶縁層(即ち、第1絶縁層L2)を含み、第2検査線TL2及び第3サブ検査線STL3がビア(via hole)により連結された二つの配線層(即ち、第1導電層L1及び第2導電層L3)で形成されるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ベース基板220が複数の絶縁層を含み、第3~第6サブ検査線(STL3~STL6)の各々が複数の絶縁層の上または間に配置された導電層で形成されるのでありうる。
【0106】
図5は、図3aのチップオンフィルムパッケージの一例を示す図であり、図6a~図6cは、図5のチップオンフィルムパッケージの例を示す図である。
【0107】
図3a及び図5を参照すると、図5に図示されたCOFパッケージ200は、検査パターンDPL(または、検出パターン)を除いて、図3aに図示されたCOFパッケージ200と実質的に同一でありうる。したがって、重複説明は省略する。
【0108】
第2検査線TL2は、第3領域AR3の一部にて、第1方向(DR1)に延長され、直線に比べて相対的に長い長さを有する検査パターンDPLを含むことができる。例えば、検査パターンDPLはジグザグ形状を有することができる。例えば、検査パターンDPLは、蛇行状の曲がりくねった線(meander line)をなすものでありうる。
【0109】
実施形態で、検査パターンDPLはベンディング領域BAに形成できる。
【0110】
前述したように、ベンディング領域BAでの損傷発生の可能性が相対的に高いので、COFパッケージ200(または、第2検査線TL2)は検査パターンDPLを含むことによって、ベンディング領域BAの損傷に対する検出能力(外部検査装置の検出能力)を向上させることができる。
【0111】
実施形態において、COFパッケージ200は、ベンディング領域BAに対応して検査パターンDPLの位置を決定することができる。
【0112】
図6aを参照すると、第1ベンディング領域BA1が、集積回路チップ210を含む、第1方向(表示面に向かって上下の方向)DR1における中央の領域(即ち、COFパッケージ200の面積重心(centroid)を含む領域)に位置することができる。この場合の検査パターン、すなわち、第1検査パターンDPL1は、第1ベンディング領域BA1上に形成できる。また、第1検査パターンDPL1は、図5に図示された方向と異なる方向(例えば、左右方向でない、向かって上下の方向)に曲がりくねった形態を有し、より広い面積を有し、第1ベンディング領域BA1に重なるように配置しうる。したがって、COFパッケージ200は、第1ベンディング領域BA1のうち、相対的に広い領域に対する損傷検出能力を有するだけでなく、第1ベンディング領域BA1内の損傷に対する敏感度も向上させることができる。
【0113】
図6bを参照すると、第2ベンディング領域BA2が、印刷回路基板300(または第1パッド領域AR1)に隣接して位置することができる。この場合の検査パターン、すなわち、第2検査パターンDPL2は、第2ベンディング領域BA2上に形成できる。したがって、COFパッケージ200は、第2ベンディング領域BA2のうち、相対的に広い領域に対する損傷検出能力及び第2ベンディング領域BA2内の損傷に対する敏感度を向上させることができる。
【0114】
図6cを参照すると、第3ベンディング領域BA3が、表示パネル10(または第2パッド領域AR2)に隣接して位置することができる。この場合の検査パターン、すなわち、第3検査パターン(DPL3)は、第3ベンディング領域BA3上に形成できる。COFパッケージ200は第3ベンディング領域BA3内の損傷に対する検出能力を向上させることができる。
【0115】
前述したように、本発明の実施形態に係るCOFパッケージ200(または、第2検査線TL2)は、ベンディング領域BAに形成された検査パターンDPLを含むことによって、ベンディング領域BAに対する損傷検出能力を向上させることができる。一方、図6aから図6cで、第1~第3検査パターン(DPL1~DPL3)は、第1~第3ベンディング領域(BA1~BA3)にそれぞれ対応して形成されるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ベンディング領域BA以外に損傷がよく発生する領域が存在する場合、COFパッケージ200はベンディング領域BAであるかに関わらず該当領域に検査パターンDPLを含むことができる。
【0116】
図7aから7cは、図1の表示装置に含まれたチップオンフィルムパッケージの例を示す図である。
【0117】
図7aを参照すると、ダミーパッドDPは第1パッド領域AR1の最外郭に位置することができる。即ち、ダミーパッドDPは第1パッド領域AR1に含まれたパッドのうち、パッド配列方向(第2方向DR2)の両端または一端に位置するパッドでありうる。この場合、第2検査線TL2はCOFパッケージ200の縁に沿って(または、縁に隣接するように)配列できる。COFパッケージ200の縁から中心へと進展する損傷が容易に検出できる。
【0118】
図7bを参照すると、ダミーパッドDPは、第1パッド領域AR1における、パッド配列方向(第2方向DR2)での中心部(例えば、第1表示領域AR1の幅方向への中心点)に隣接して位置することができる。即ち、ダミーパッドDPは、第1パッド領域AR1に含まれたパッドのうち、相対的に中心点に隣接するパッドでありうる。この場合、第2検査線TL2は、COFパッケージ200の内側に配置できる。図6bに図示された第2ベンディング領域BA2で発生し、COFパッケージ200における左右方向の中心部から両縁へと進展する損傷が容易に検出できる。
【0119】
但し、この場合、ダミーパッドは、第1検査線TL1から独立して形成されるので、二つのダミーパッドDP1、DP2が一対をなし、第2検査線TL2により互いに連結されることで、損傷検出に利用できる。
【0120】
図7cを参照すると、図7bと同様に、ダミーパッドDPは、第1パッド領域AR1におけるパッド配列方向の中心部に隣接して位置することができる。但し、図7bに図示された第2検査線TL2と比較して、図7cに図示された第2検査線TL2は集積回路チップ210の外郭に沿って配列され、集積回路チップ210を少なくとも三方から取り囲む形態を有することができる。この場合、図6aに図示された第1ベンディング領域BA1で発生し、COFパッケージ200の中心部から縁へと進展する損傷が容易に検出できる。
【0121】
図7a~図7cを参照して説明したように、ベンディング領域BA及び損傷の種類(または、損傷の進行される特性)を考慮して、ダミーパッドDPの位置及び第2検査線TL2の経路が決定できる。
【0122】
なお、図6a~図6c及び図7a~図7cの各実施例において、第1検査線のための第1ループをなすように、最外郭から2つ目及び3つ目の入力パッドからそれぞれ延びる配線が、表示パネル10との端子接続部にて、表示パネル10上の短絡パッドにより短絡されるのでありうる。
【0123】
図8aは、図1の表示装置に含まれたチップオンフィルムパッケージについての、更に他の例を示す図である。
【0124】
図1及び図8aを参照すると、COFパッケージ200は、ベース基板220、複数のパッド(または、複数のパッド端子)、集積回路チップ210、第1検査線TL1、及び第2検査線TL2を含むことができる。
【0125】
COFパッケージ200は、ベンディング領域BAと非ベンディング領域NAを含み、非ベンディング領域NAは第4パッド領域AR4(または、インナーリードボンディング領域(inner lead bonding area))、第5パッド領域AR5(または、出力アウターリードボンディング領域(output outer lead bonding area))、及び第6パッド領域AR6(または、入力アウターリードボンディング領域(input outer lead bonding area))を含むことができる。一方、第4パッド領域AR4と第5パッド領域AR5との間には第7領域AR7が位置し、ベンディング領域BAは、この第7領域AR7に位置することができる。図3aに図示されたCOFパッケージ200と同様に、第5パッド領域AR5が表示パネル100にボンディングされる領域でありうる。しかしながら、図3aに図示されたCOFパッケージ200とは異なり、第4パッド領域AR4が集積回路チップ210とボンディングされる領域であり得、第6パッド領域AR6が印刷回路基板300とボンディングされる領域でありうる。第4パッド領域AR4は、COFパッケージ200における第1方向(DR1)の中央部に位置し、第5パッド領域AR5は、COFパッケージ200における第1方向(DR1)の一端部に(または、一端に隣接して)位置し、第6パッド領域AR6はCOFパッケージ200における第1方向(DR1)の他端部に(または、他端に隣接して)位置するのでありうる。
【0126】
第4パッド領域AR4は、ダミーパッドDP、インナーパッドINTP1、INTP2、及び信号パッドSPを含むことができる。第5パッド領域AR5は、出力パッドOTP1、OTP2及び信号パッドSPを含むことができる。第6パッド領域AR6は、入力パッドITP1、ITP2及び信号パッドSPを含むことができる。
【0127】
第1検査線TL1は、ベース基板220に形成され、第1インナーパッドINTP1及び第2インナーパッドINTP2に連結できる。第1検査線TL1は第5パッド領域AR5を経由して第1インナーパッドINTP1及び第2インナーパッドINTP2の間に第1ループを形成することができる。
【0128】
第2検査線TL2はベース基板220に形成され、かつ第7領域AR7を経由し、ダミーパッドDP及び第1検査線TL1と連結されてダミーパッドDP及び第1インナーパッドINTP1の間に第2ループを形成することができる。
【0129】
図8aに図示されたダミーパッドDP、第1及び第2検査線TL1、TL2の連結構成は、図3aを参照して説明したダミーパッドDP、第1及び第2検査線TL1、TL2の連結構成と実質的に同一でありうる。したがって、重複説明は省略する。
【0130】
この場合、集積回路チップ210は、図3aを参照して説明した外部検査装置と同様に、第1インナーパッドINTP1及び第2インナーパッドINTP2のうちの一つ(例えば、第1インナーパッドINTP1)に第1検査信号を印加し、第1インナーパッドINTP1及び第2インナーパッドINTP2のうちの異なる一つ(例えば、第2インナーパッドINTP2)を通じて第1測定信号を受信し、第1検査信号及び第1測定信号に基づいてCOFパッケージ200の損傷の有無を判断することができる。例えば、集積回路チップ210は、第1インナーパッドINTP1と第2入力インナーパッドINTP2との間に、第1検査電圧を印加し、第2インナーパッドINTP2を通じて第1測定電流を受信し、第1検査電圧及び第1測定電流に基づいて、第1ループの第1抵抗値を算出することができる。ここで、第1ループの第1抵抗値は、第1及び第2インナーパッドINTP1、INTP2の抵抗値(または、圧着抵抗値、ボンディング抵抗値、接触抵抗値)、第1及び第2出力パッドOTP1、OTP2の抵抗値、及び第1検査線TL1の抵抗値を含み、前述した<数式1>のように表現できる。
【0131】
また、集積回路チップ210は、ダミーパッドDP及び第1インナーパッドINTP1のうちの一つ(例えば、第1インナーパッドINTP1)に第2検査信号を印加し、ダミーパッドDP及び第1インナーパッドINTP1のうちの異なる一つ(例えば、ダミーパッドDP)を通じて第2測定信号を受信し、第2検査信号及び第2測定信号に基づいて、COFパッケージ200の損傷発生の位置/原因を判断することができる。例えば、集積回路チップ210は、ダミーパッドDPと第1インナーパッドINTP1との間に第2検査電圧を印加し、ダミーパッドDPを通じて第2測定電流を受信し、第2検査電圧及び第2測定電流に基づいて、第2ループの第2抵抗値を算出することができる。ここで、第2ループの第2抵抗値は、ダミーパッドDP及び第1インナーパッドINTP1の抵抗値(または、圧着抵抗値、ボンディング抵抗値、接触抵抗値)及び第2検査線TL2の抵抗値を含み、前述した<数式2>のように表現できる。
【0132】
したがって、集積回路チップ210は、<数式1>及び<数式2>(または、<数式3>及び<数式4>)に基づいて、出力パッドOTP1、OTP2及び検査線TL1、TL2の抵抗値をそれぞれ算出することができ、抵抗値の変化に基づいて損傷発生位置を判断することができる。
【0133】
集積回路チップ210は、表示装置1000の正常駆動中にも、COFパッケージ200内の損傷発生の有無を持続的に検出(または、モニタリング)することができる。また、集積回路チップ210は、モニタリング結果を外部構成要素(例えば、アプリケーションプロセッサ(application processor))に転送し、外部構成要素は、モニタリング結果に基づいて表示装置1000の動作を制御することができる。例えば、COFパッケージ200内の損傷が発生した場合、アプリケーションプロセッサは、モニタリング結果により表示パネル100上の映像表示を中断させることができる。
【0134】
一実施形態で、集積回路チップ210は、ダミーパッドDP及び第2インナーパッドINTP2を比較的短い経路で連結し、ダミーパッドDPと第2インナーパッドINTP2との間に第3検査電圧を印加し、ダミーパッドDPを通じて第3測定電流を受信し、第3検査電圧及び第3測定電流に基づいて、インナーパッドINTP1、INTP2の抵抗値を算出することができる。
【0135】
一実施形態で、COFパッケージ200は、ベース基板220に形成されるダミー線DL(図8a)をさらに含むことができる。ダミー線DLは、第5パッド領域AR5(または、ベース基板220の一辺の近傍)から第6パッド領域AR6(または、この逆側にあるベース基板220の他辺の近傍)までベース基板220を横切り、第1方向(DR1)に延長できる。この場合、第2検査線TL2は、ダミー線DLの少なくとも一部を含むことができる。
【0136】
例えば、COFパッケージ200は、第5パッド領域AR5に形成された出力ダミーパッドODP及び第6パッド領域AR6に形成された入力ダミーパッドIDP(図8a)をさらに含み、この場合、ダミー線DLは、出力ダミーパッドODPと入力ダミーパッドIDPとを連結することができる。図8に図示された第1方向(DR1)を基準に、第1及び第2検査線TL1、TL2は、COFパッケージ200の全領域をカバーできず、COFパッケージ200の一部の領域(例えば、半分の領域)だけをカバーすることができる。したがって、ダミー線DLは、COFパッケージ200の製造工程で、COFパッケージ200における全体的な欠陥の有無を一度に判断するために形成され、COFパッケージ200が表示パネル100及び印刷回路基板300と結合/連結された以後には使われないのでありうる。
【0137】
一方、本発明の実施形態に係るCOFパッケージ200は、ダミーパッドDP(即ち、アラインキーを含み、一般的に使われないパッド)及びダミー線DL(即ち、COFパッケージ200の製造工程時、クラック検出用に形成され、表示装置100では使われない配線)を用いて、第2検査線TL2(または、第2ループ)を形成することができる。したがって、COFパッケージ200は、損傷発生の有無及び位置/原因に対する、より迅速でかつ正確な把握/分析を可能にすることができる。
【0138】
一方、第1及び第2検査線TL1、TL2の構成は、図8aに図示された構成に限定されるものではない。例えば、第2検査線TL2は、図4a~図4fに図示された第2検査線TL2と同様に、複数の層にまたがり、図5に図示された第2検査線TL2と同様に、検査パターンDPLを含むのでありうる。また、第2検査線TL2の配列/構造及び検査パターンDPLの位置は、図6a~図6c及び図7a~図7cに図示された第2検査線TL2と同様に、ベンディング領域BAの位置、損傷(例えば、頻繁に発生する損傷)の種類/原因などに基づいて決定できる。
【0139】
図8bは、図1の表示装置に含まれたチップオンフィルムパッケージについての更に他の例を示す図である。
【0140】
図8a及び図8bを参照すると、図8bに図示されたCOFパッケージ200は、出力パッド(OTP1~OTP4)の配列及び第1検査線TL1の連結構成を除いて、図8aに図示されたCOFパッケージ200と実質的に同一または同様でありうる。また、出力パッド(OTP1~OTP4)の配列及び第1検査線TL1の連結構成は、図3bに図示された出力パッド(OTP1~OTP4)の配列及び第1検査線TL1の連結構成と、実質的に同一でありうる。したがって、重複説明は省略する。
【0141】
図3bを参照して説明したように、集積回路チップ210は、第1ループの第1抵抗値及び第2ループの第2抵抗値を算出し、第1抵抗値及び第2抵抗値に基づいて出力パッド及びベンディング領域のうち、少なくとも一つでの損傷発生の有無を判断することができる。
【0142】
例えば、集積回路チップ210は、第1インナーパッドINTP1と第3インナーパッドINTP3との間に第1検査電圧を印加し、第3インナーパッドINTP3を通じて第1測定電流を受信し、第1検査電圧及び第1測定電流に基づいて、第1ループの第1抵抗値を算出することができる。ここで、第1ループの第1抵抗値は、第1及び第3インナーパッドINTP1、INTP3の抵抗値(または、圧着抵抗値、ボンディング抵抗値、接触抵抗値)、第1~第4出力パッド(OTP1~OTP4)の抵抗値及び第1検査線TL1の抵抗値を含み、前述した<数式5>と実質的に同一に表現できる。
【0143】
第1ループの第1抵抗値が基準抵抗値の誤差範囲から外れた場合(特に、基準抵抗値より大きい場合)、集積回路チップ210は、COFパッケージ200内の損傷が発生したと判断することができる。
【0144】
例えば、集積回路チップ210は、第3インナーパッドINTP3と第4インナーパッドINTP4との間に、第4検査電圧を印加することによって、第4パッド領域AR4での損傷発生の有無を判断することができる。また、集積回路チップ210は、ダミーパッドDPと第1インナーパッドINTP1との間に第2検査電圧を印加することによって、前述した<数式3>に基づいて、ベンディング領域BAなどでの損傷発生の有無を判断することができる。延いては、集積回路チップ210は、<数式3>及び<数式5>に基づいて、第5パッド領域AR5での損傷発生の有無を判断することができる。同様に、集積回路チップ210は、第5パッド領域AR5のうち、第1サブパッド領域ARS1及び第2サブパッド領域ARS2での損傷発生の有無をそれぞれ判断することができる。
【0145】
図8aを参照して説明したように、集積回路チップ210は、表示装置1000の正常駆動中にも、COFパッケージ200内の損傷発生の有無を持続的に検出(または、モニタリング)することができる。また、集積回路チップ210はモニタリング結果を外部構成要素(例えば、アプリケーションプロセッサ(application processor))に転送し、外部構成要素はモニタリング結果に基づいて表示装置1000の動作を制御することができる。
【0146】
図9は、図1の表示装置の一例を示す断面図である。
【0147】
図1及び図9を参照すると、表示装置1000は、表示パネル100、COFパッケージ200、及び印刷回路基板300を含むことができる。表示パネル100、COFパッケージ200、及び印刷回路基板300は、COFパッケージ200の代りに表示パネル100が撓むという点を除いて、図2を参照して説明した表示パネル100、COFパッケージ200、及び印刷回路基板300と実質的に同一でありうる。したがって、重複説明は省略する。
【0148】
表示パネル100は第1基板10及び第2基板20を含み、第1基板10は画素及び駆動回路(例えば、ゲートドライバなど)を含むことができる。第1基板10は柔軟な基板でありうる。第2基板20は、第1基板10に形成された画素などを密封するものであり、柔軟な材質で具現できる。表示パネル100は、“C”字状に撓んだ状態で、COFパッケージ200(または、印刷回路基板300)と連結できる。
【0149】
図10は、図9の表示装置に含まれた表示パネルの一例を示す図である。
【0150】
図9及び図10を参照すると、表示パネル100は、第1基板10(または、ベース基板、ベースフィルム、フレキシブル基板)、複数のパッド(または、複数のパッド端子)、第1検査線TL1、及び第2検査線TL2を含むことができる。
【0151】
ベンディングする前の図10の平面図に示すように、表示パネル100は、パネルベンディング領域PBAとパネル非ベンディング領域PNAを含むことができる。前述した図2のベンディング領域BAと同様に、パネルベンディング領域PBAは、表示パネル100が撓むことによって実際にベンディングが発生する領域でありうる。例えば、表示パネル100がフォルダブル表示パネルの場合、パネルベンディング領域PBAは、表示パネル100がフォルディングされる領域でありうる。パネルベンディング領域PBAは、第1方向(DR1)に一定の幅を有し、第2方向(DR2)に延長できる。パネル非ベンディング領域PNAは、表示パネル100が撓んでもベンディングが発生しない領域でありうる。パネル非ベンディング領域PNAは、第1基板10におけるパネルベンディング領域PBAを除外した領域でありうる。
【0152】
パネル非ベンディング領域PNAは、第8パッド領域AR8を含むことができる。第8パッド領域AR8はCOFパッケージ200(または、印刷回路基板300)にボンディングされる領域であって、ダミーパッドDP及びパッドP1、P2を含むことができる。第8パッド領域AR8は、表示パネル100における第1方向(DR1)の一端部に位置することができる。
【0153】
第1検査線TL1は、第1基板10に形成され、第1パッドP1及び第2パッドP2に連結できる。第1検査線TL1は、第1基板10の外郭部(または、縁部)の少なくとも一部を経由して、第1パッドP1と第2パッドP2との間に第1ループを形成することができる。第1検査線TL1は、少なくとも二つの直線SL1、SL2を含むことができる。少なくとも二つの直線SL1、SL2は、第2方向(DR2)に相互離隔し、第1方向(DR1)に延長できる。これら2つの直線部分は、例えば、表示パネル100における、入力側(第8パッド領域AR8の側)とは逆側の端部にて、互いに連結されることで、第1ループを形成するのでありうる。このようであると、ベンディング可能な表示パネルにおける左右の端部での断線などの不良を検知することができる。
【0154】
第2検査線TL2は、第1基板10に形成され、パネルベンディング領域PBAを経由し、ダミーパッドDP及び第1検査線TL1と連結されて、ダミーパッドDPと第1パッドP1との間に第2ループを形成することができる。また、第2検査線には、適宜、ジグザグ状、蛇行状などの配線により、上述の実施形態と同様の検査パターンを設けることができる。また、図には示さないが、第3検査線を、先の実施形態と同様に設けることもできる。
【0155】
一実施形態で、ダミーパッドはアラインキー(align key)AKを含むことができる。前述したように、アラインキー(align key)は、表示パネル100のパッドP1、P2及び信号パッドSPと、COFパッケージ200または印刷回路基板300の端子群との間の整列状態を判断する基準に利用されるか、または、COFパッケージ200または印刷回路基板300が表示パネル100に連結される際に、COFパッケージ200または印刷回路基板300と表示パネル100との間の整列状態を判断する基準に利用されるのでありうる。
【0156】
この場合、図3aを参照して説明したように、外部検査装置を用いて表示パネル100の損傷発生の有無を判断することができる。外部検査装置は、第1パッドP1及び第2パッドP2を用いて、第1及び第2パッドP1、P2及び第1検査線TL1(または、表示パネルの縁)の損傷発生の有無を判断することができる。また、外部検査装置は、第1パッドP1及びダミーパッドDPを用いて、パネルベンディング領域PBAの損傷発生の有無を判断することができる。
【0157】
例えば、第1検査線TL1は、図3aを参照して説明した第1検査線TL1と同様に、パッドP1、P2以外の他のパッド、または構成要素と連結されて第1ループを形成することができる。この場合、第1ループを用いて表示パネル100内の損傷発生の有無は速かに把握できるが、損傷発生の位置/原因などに対しては把握できないことがある。したがって、本発明の実施形態に係る表示パネル100は、第2検査線TL2をさらに含むことによって、パネルベンディング領域PBAの損傷に対する検出をより容易にすることができる。
【0158】
一方、第1及び第2検査線TL1、TL2の構成は、図10に図示された構成に限定されるものではない。例えば、表示パネル100が2列に配列されたパッドを含む場合、第1検査線TL1は、図3bに図示された第1検査線TL1と実質的に同一に形成できる。例えば、第2検査線TL2は、図4a~図4fに図示された第2検査線TL2と同様に、複数の層のサブ検査線で形成され、サブ検査線はベース基板の複数の配線層にそれぞれ配置できる。図5に図示された第2検査線TL2と類似するように、検査パターンDPLを含むことができる。また、第2検査線TL2の配列/構造及び検査パターンDPLの位置は、図6a~図6c及び図7a~図7cに図示された第2検査線TL2と同様に、パネルベンディング領域PBAの位置、損傷(例えば、頻繁に発生する損傷)の種類/原因などに基づいて決定できる。
【0159】
たとえ、前記ではダミーパッドとアラインキーが区分されるものとして説明したが、ダミーパッドとアラインキーは一体に形成できる。例えば、ダミーパッドはアラインキーとしての突出部を含むことができる。
【0160】
以上、本発明の実施形態に係るチップオンフィルムパッケージ、表示パネル、及び表示装置に対して図面を参照して説明したが、前記説明は例示的なものであって、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で該当技術分野における通常の知識を有する者により修正及び変更できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0161】
本発明の実施形態に係る表示装置を含む電子機器に適用できる。例えば、表示装置は、テレビ、コンピュータモニター、ラップトップ、セルラーフォン、スマートフォン、PDAなどに適用できる。
【符号の説明】
【0162】
10 第1基板
20 第2基板
100 表示パネル
200 チップオンフィルムパッケージ
210 集積回路チップ
220 ベース基板
300 印刷回路基板
1000 表示装置
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図4f
図5
図6a
図6b
図6c
図7a
図7b
図7c
図8a
図8b
図9
図10