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特許7177595隊列走行記録システム、料金収受システム、隊列走行記録方法、及び料金収受方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】隊列走行記録システム、料金収受システム、隊列走行記録方法、及び料金収受方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20221116BHJP
   G07B 15/00 20110101ALI20221116BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20221116BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20221116BHJP
   G08G 1/017 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
G08G1/00 X
G07B15/00 P
G07B15/00 510
G06Q50/30
G08G1/09 H
G08G1/017
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018030600
(22)【出願日】2018-02-23
(65)【公開番号】P2019144992
(43)【公開日】2019-08-29
【審査請求日】2020-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100210572
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 太一
(72)【発明者】
【氏名】山中 隆幸
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大和
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-062691(JP,A)
【文献】特開2017-062692(JP,A)
【文献】特開2017-142728(JP,A)
【文献】特開平11-144185(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G07B 15/00
G06Q 50/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車両が連なって走行する隊列走行車両群の合流及び解散場所となる隊列ステーションの入口に設置され、当該隊列ステーションに進入する車両が前記隊列走行車両群に属する車両であるか判定する入口隊列判定装置と、
前記隊列ステーションの出口に設置され、当該隊列ステーションから退出する車両が前記隊列走行車両群に属する車両であるか判定する出口隊列判定装置と、
前記入口隊列判定装置及び前記出口隊列判定装置それぞれの判定結果に基づいて、前記車両が前記隊列走行車両群に属して走行した隊列走行区間を記録する隊列走行記録装置と、
前記隊列走行車両群を構成する複数の前記車両それぞれの識別情報が関連付けられた隊列情報が予め登録された隊列情報記憶部と、
前記隊列ステーションの前記入口に設置され、前記隊列ステーションに進入する前記車両の識別情報を取得する入口識別情報取得部と、
前記隊列ステーションの前記出口に設置され、前記隊列ステーションから退出する前記車両の識別情報を取得する出口識別情報取得部と、
を備え、
前記入口隊列判定装置は、
前記入口識別情報取得部が取得した前記識別情報が、前記隊列情報に含まれる複数の前記車両それぞれの識別情報の何れかと一致する場合に、前記車両を前記隊列走行車両群に属する第1の車両であると判定し、
前記入口識別情報取得部が前記第1の車両の次に取得した前記識別情報が、前記第1の車両が属する前記隊列情報に含まれる識別情報の何れかと一致する場合に、前記車両を前記隊列走行車両群に属する第2の車両であると判定し、
前記出口隊列判定装置は、
前記出口識別情報取得部が取得した前記識別情報が、前記隊列情報に含まれる複数の前記車両それぞれの識別情報の何れかと一致する場合に、前記車両を前記隊列走行車両群に属する第1の車両であると判定し、
前記出口識別情報取得部が前記第1の車両の次に取得した前記識別情報が、前記第1の車両が属する前記隊列情報に含まれる識別情報の何れかと一致する場合に、前記車両を前記隊列走行車両群に属する第2の車両であると判定する、
隊列走行記録システム。
【請求項2】
前記入口隊列判定装置は、前記第1の車両の前記識別情報と、前記第2の車両の前記識別情報との取得日時の時間差が所定時間以上である場合に、前記第2の車両は隊列走行車両群に属する車両ではないと判定し、
前記出口隊列判定装置は、前記第1の車両の前記識別情報と、前記第2の車両の前記識別情報との取得日時の時間差が所定時間以上である場合に、前記第2の車両は隊列走行車両群に属する車両ではないと判定する、
請求項1に記載の隊列走行記録システム。
【請求項3】
前記入口隊列判定装置は、前記隊列ステーションに進入する前記隊列走行車両群の隊列台数を更に判定し、
前記出口隊列判定装置は、前記隊列ステーションから退出する前記隊列走行車両群に属する車両の台数である隊列台数を更に判定し、
前記隊列走行記録装置は、前記隊列走行車両群に属する前記車両の前記隊列走行区間ごとの隊列台数を更に記録する、
請求項1又は2に記載の隊列走行記録システム。
【請求項4】
前記隊列ステーションの前記入口に設置され、当該隊列ステーションに進入する前記車両が有する識別媒体を読み取る入口媒体読取部と、
前記隊列ステーションの前記出口に設置され、当該隊列ステーションから退出する前記車両が有する識別媒体を読み取る出口媒体読取部と、
を更に備え、
前記入口隊列判定装置は、前記入口媒体読取部が前記識別媒体を読み取った場合、前記車両が前記隊列走行車両群の先頭車両であると判定し、
前記出口隊列判定装置は、前記出口媒体読取部が前記識別媒体を読み取った場合、前記車両が前記隊列走行車両群の先頭車両であると判定する、
請求項1から3の何れか一項に記載の隊列走行記録システム。
【請求項5】
有料道路の利用料金を収受する料金収受システムであって、
複数の車両が連なって走行する隊列走行車両群の合流及び解散場所となる隊列ステーションの入口に設置され、当該隊列ステーションに進入する車両が前記隊列走行車両群に属する車両であるか判定する入口隊列判定装置と、
前記隊列ステーションの出口に設置され、当該隊列ステーションから退出する車両が前記隊列走行車両群に属する車両であるか判定する出口隊列判定装置と、
前記隊列走行車両群を構成する複数の前記車両それぞれの識別情報が関連付けられた隊列情報が予め登録された隊列情報記憶部と、
前記隊列ステーションの前記入口に設置され、前記隊列ステーションに進入する前記車両の識別情報を取得する入口識別情報取得部と、
前記隊列ステーションの前記出口に設置され、前記隊列ステーションから退出する前記車両の識別情報を取得する出口識別情報取得部と、
前記入口隊列判定装置及び前記出口隊列判定装置それぞれの判定結果に基づいて、前記車両が前記隊列走行車両群に属して走行した隊列走行区間を特定する区間特定部と、
前記隊列走行車両群に属する前記車両の利用料金として、前記隊列走行区間に応じた隊列走行料金を適用する隊列料金適用部と、
を備え、
前記入口隊列判定装置は、
前記入口識別情報取得部が取得した前記識別情報が、前記隊列情報に含まれる複数の前記車両それぞれの識別情報の何れかと一致する場合に、前記車両を前記隊列走行車両群に属する第1の車両であると判定し、
前記入口識別情報取得部が前記第1の車両の次に取得した前記識別情報が、前記第1の車両が属する前記隊列情報に含まれる識別情報の何れかと一致する場合に、前記車両を前記隊列走行車両群に属する第2の車両であると判定し、
前記出口隊列判定装置は、
前記出口識別情報取得部が取得した前記識別情報が、前記隊列情報に含まれる複数の前記車両それぞれの識別情報の何れかと一致する場合に、前記車両を前記隊列走行車両群に属する第1の車両であると判定し、
前記出口識別情報取得部が前記第1の車両の次に取得した前記識別情報が、前記第1の車両が属する前記隊列情報に含まれる識別情報の何れかと一致する場合に、前記車両を前記隊列走行車両群に属する第2の車両であると判定する、
料金収受システム。
【請求項6】
前記入口隊列判定装置は、前記第1の車両の前記識別情報と、前記第2の車両の前記識別情報との取得日時の時間差が所定時間以上である場合に、前記第2の車両は隊列走行車両群に属する車両ではないと判定し、
前記出口隊列判定装置は、前記第1の車両の前記識別情報と、前記第2の車両の前記識別情報との取得日時の時間差が所定時間以上である場合に、前記第2の車両は隊列走行車両群に属する車両ではないと判定する、
請求項5に記載の料金収受システム。
【請求項7】
前記入口隊列判定装置は、前記隊列ステーションに進入する前記隊列走行車両群の隊列台数を更に判定し、
前記出口隊列判定装置は、前記隊列ステーションから退出する前記隊列走行車両群の隊列台数を更に判定し、
前記区間特定部は、前記隊列走行車両群に属する前記車両の前記隊列走行区間ごとの隊列台数を更に特定し、
前記隊列料金適用部は、前記隊列走行車両群に属する前記車両の利用料金として、前記隊列走行区間及び前記隊列台数に応じた前記隊列走行料金を適用する、
請求項5又は6に記載の料金収受システム。
【請求項8】
入口隊列判定装置が、複数の車両が連なって走行する隊列走行車両群の合流及び解散場所となる隊列ステーションの入口において、当該隊列ステーションに進入する車両が前記隊列走行車両群に属する車両であるか判定する入口隊列判定ステップと、
出口隊列判定装置が、前記隊列ステーションの出口において、当該隊列ステーションから退出する車両が前記隊列走行車両群に属する車両であるか判定する出口隊列判定ステップと、
隊列走行記録装置が、前記入口隊列判定ステップ及び前記出口隊列判定ステップそれぞれの判定結果に基づいて、前記車両が前記隊列走行車両群に属して走行した隊列走行区間を記録する隊列走行記録ステップと、
隊列情報記憶部が、前記隊列走行車両群を構成する複数の前記車両それぞれの識別情報が関連付けられた隊列情報を予め登録する隊列情報記憶ステップと、
前記隊列ステーションの前記入口に設置された入口識別情報取得部が、前記隊列ステーションに進入する前記車両の識別情報を取得する入口識別情報取得ステップと、
前記隊列ステーションの前記出口に設置された出口識別情報取得部が、前記隊列ステーションから退出する前記車両の識別情報を取得する出口識別情報取得ステップと、
を有し、
前記入口隊列判定ステップは、
前記入口識別情報取得部が取得した前記識別情報が、前記隊列情報に含まれる複数の前記車両それぞれの識別情報の何れかと一致する場合に、前記車両を前記隊列走行車両群に属する第1の車両であると判定し、
前記入口識別情報取得部が前記第1の車両の次に取得した前記識別情報が、前記第1の車両が属する前記隊列情報に含まれる識別情報の何れかと一致する場合に、前記車両を前記隊列走行車両群に属する第2の車両であると判定し、
前記出口隊列判定ステップは、
前記出口識別情報取得部が取得した前記識別情報が、前記隊列情報に含まれる複数の前記車両それぞれの識別情報の何れかと一致する場合に、前記車両を前記隊列走行車両群に属する第1の車両であると判定し、
前記出口識別情報取得部が前記第1の車両の次に取得した前記識別情報が、前記第1の車両が属する前記隊列情報に含まれる識別情報の何れかと一致する場合に、前記車両を前記隊列走行車両群に属する第2の車両であると判定する、
隊列走行記録方法。
【請求項9】
有料道路の利用料金を収受する料金収受方法であって、
入口隊列判定装置が、複数の車両が連なって走行する隊列走行車両群の合流及び解散場所となる隊列ステーションの入口において、当該隊列ステーションに進入する車両が前記隊列走行車両群に属する車両であるか判定する入口隊列判定ステップと、
出口隊列判定装置が、前記隊列ステーションの出口において、当該隊列ステーションから退出する車両が前記隊列走行車両群に属する車両であるか判定する出口隊列判定ステップと、
隊列情報記憶部が、前記隊列走行車両群を構成する複数の前記車両それぞれの識別情報が関連付けられた隊列情報予め登録する隊列情報ステップと、
前記隊列ステーションの前記入口に設置された入口識別情報取得部が、前記隊列ステーションに進入する前記車両の識別情報を取得する入口識別情報取得ステップと、
前記隊列ステーションの前記出口に設置された出口識別情報取得部が、前記隊列ステーションから退出する前記車両の識別情報を取得する出口識別情報取得ステップと、
区間特定部が、前記入口隊列判定ステップ及び前記出口隊列判定ステップそれぞれの判定結果に基づいて、前記車両が前記隊列走行車両群に属して走行した隊列走行区間を特定する区間特定ステップと、
隊列料金適用部が、前記隊列走行車両群に属する前記車両の利用料金として、前記隊列走行区間に応じた隊列走行料金を適用する隊列料金適用ステップと、
を有し、
前記入口隊列判定ステップは、
前記入口識別情報取得部が取得した前記識別情報が、前記隊列情報に含まれる複数の前記車両それぞれの識別情報の何れかと一致する場合に、前記車両を前記隊列走行車両群に属する第1の車両であると判定し、
前記入口識別情報取得部が前記第1の車両の次に取得した前記識別情報が、前記第1の車両が属する前記隊列情報に含まれる識別情報の何れかと一致する場合に、前記車両を前記隊列走行車両群に属する第2の車両であると判定し、
前記出口隊列判定ステップは、
前記出口識別情報取得部が取得した前記識別情報が、前記隊列情報に含まれる複数の前記車両それぞれの識別情報の何れかと一致する場合に、前記車両を前記隊列走行車両群に属する第1の車両であると判定し、
前記出口識別情報取得部が前記第1の車両の次に取得した前記識別情報が、前記第1の車両が属する前記隊列情報に含まれる識別情報の何れかと一致する場合に、前記車両を前記隊列走行車両群に属する第2の車両であると判定する、
料金収受方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隊列走行記録システム、料金収受システム、隊列走行記録方法、及び料金収受方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年ではトラック等のドライバの高齢化が進んでおり、ドライバが不足することが懸念されており、物流の効率化が求められている。
物流の効率化を図る対策として、例えば少数のドライバにより物流を行うことができるように、先頭車両のみにドライバが乗車し、後続車両は自動走行システムを利用して無人走行を行う隊列走行システムが考えられている(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
また、ドライバの不足とは、トラック等の大型車両を運転可能な熟練したドライバが不足しているということもある。
このため、先頭車両には熟練したドライバが乗車し、不慣れなドライバが乗車する後続車両は、先頭車両の制御操作量及び走行状態量に合わせて追走するように自動制御される隊列走行システムが考えられる。また、このような隊列走行システムを促進する方法として、後続車両が先頭車両に対し対価を支払うことが検討されている(例えば特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-037925号公報
【文献】特開2004-094780号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のシステムでは、上述の特許文献2のように、先頭車両のみにインセンティブを与える仕組みは考えられているものの、隊列走行を行う全ての車両に対してインセンティブを与える方法がなかった。このため、隊列走行を促進するための更なる施策が求められている。
また、隊列走行を行う複数の車両それぞれは、出発地及び目的地が異なる可能性がある。この場合、車両それぞれが特定の地点において隊列走行に合流、又は隊列走行から離脱するフレキシブルな隊列編成が行えることが望ましい。しかしながら、このように隊列走行に属する車両が変化した場合、車両それぞれがどの区間を隊列走行により走行したか記録するシステムが存在していなかった。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものあって、車両それぞれが隊列走行を行った区間を記録することができる隊列走行記録システム、料金収受システム、隊列走行記録方法、及び料金収受方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用している。
本発明の第1の態様によれば、隊列走行記録システム(10)は、複数の車両が連なって走行する隊列走行車両群の合流及び解散場所となる隊列ステーションの入口に設置され、当該隊列ステーションに進入する車両が前記隊列走行車両群に属する車両であるか判定する入口隊列判定装置(20A)と、前記隊列ステーションの出口に設置され、当該隊列ステーションから退出する車両が前記隊列走行車両群に属する車両であるか判定する出口隊列判定装置(20B)と、前記入口隊列判定装置(20A)及び前記出口隊列判定装置(20B)それぞれの判定結果に基づいて、前記車両が前記隊列走行車両群に属して走行した隊列走行区間を記録する隊列走行記録装置(32)と、を備える。
このようにすることで、隊列走行記録システムは、車両それぞれが異なる隊列ステーションで隊列走行車両群に合流又は離脱した場合であっても、隊列走行車両群に属して走行した区間を車両別に記録することができる。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様に係る隊列走行記録システム(10)は、前記隊列走行車両群を構成する前記車両それぞれの識別情報が関連付けられた隊列情報が予め登録された隊列情報記憶部(33)と、前記隊列ステーションの前記入口に設置され、前記隊列ステーションに進入する前記車両の識別情報を取得する入口識別情報取得部(21A)と、前記隊列ステーションの前記出口に設置され、前記隊列ステーションから退出する前記車両の識別情報を取得する出口識別情報取得部(21B)と、を更に備える。前記入口隊列判定装置(20A)は、前記入口識別情報取得部(21A)が取得した前記識別情報と、前記隊列情報記憶部(33)に登録された前記識別情報とに基づいて、前記車両が前記隊列走行車両群に属する車両であるか判定し、前記出口隊列判定装置(20B)は、前記出口識別情報取得部(21B)が取得した前記識別情報と、前記隊列情報記憶部(33)に登録された前記識別情報とに基づいて、前記車両が前記隊列走行車両群に属する車両であるか判定する。
このようにすることで、隊列走行記録システムは、予め登録された隊列情報に基づいて、車両が隊列走行車両群に属する車両であるか判定する精度を向上することができる。
【0009】
本発明の第3の態様によれば、第1又は第2の態様に係る隊列走行記録システム(10)において、前記入口隊列判定装置(20A)は、前記隊列ステーションに進入する前記隊列走行車両群に属する車両の台数である隊列台数を更に判定し、前記出口隊列判定装置(20B)は、前記隊列ステーションから退出する前記隊列走行車両群の隊列台数を更に判定し、前記隊列走行記録装置(32)は、前記隊列走行車両群に属する前記車両の前記隊列走行区間ごとの隊列台数を更に記録する。
このようにすることで、隊列走行記録システムは、車両それぞれがどの区間を何台の隊列走行車両群で走行したかを関連付けて記録することができる。
【0010】
本発明の第4の態様によれば、第1から第3の何れか一の態様に係る隊列走行記録システム(10)は、当該隊列ステーションの前記入口に設置され、前記隊列ステーションに進入する前記車両が有する識別媒体を読み取る入口媒体読取部(24A)と、前記隊列ステーションの前記出口に設置され、当該隊列ステーションから退出する前記車両が有する識別媒体を読み取る出口媒体読取部(24B)と、を更に備える。前記入口隊列判定装置(20A)は、前記入口媒体読取部(24A)が前記識別媒体を読み取った場合、前記車両が前記隊列走行車両群の先頭車両であると判定し、前記出口隊列判定装置(20B)は、前記出口媒体読取部(24B)が前記識別媒体を読み取った場合、前記車両が前記隊列走行車両群の先頭車両であると判定する。
このようにすることで、入口隊列判定装置及び出口隊列判定装置は、識別媒体を有する車両が、隊列走行車両群の先頭車両であると容易に判定することができる。また、識別媒体により先頭車両を特定できるので、隊列走行記録システムは、入口隊列判定装置及び出口隊列判定装置それぞれによる複数の判定結果のうち、一の先頭車両に関連する判定結果の組み合わせを容易且つ高精度で抽出可能な情報を記録することができる。
【0011】
本発明の第5の態様によれば、有料道路の利用料金を収受する料金収受システム(1)は、複数の車両が連なって走行する隊列走行車両群の合流及び解散場所となる隊列ステーションの入口に設置され、当該隊列ステーションに進入する車両が前記隊列走行車両群に属する車両であるか判定する入口隊列判定装置(20A)と、前記隊列ステーションの出口に設置され、当該隊列ステーションから退出する車両が前記隊列走行車両群に属する車両であるか判定する出口隊列判定装置(20B)と、前記入口隊列判定装置(20A)及び前記出口隊列判定装置(20B)それぞれの判定結果に基づいて、前記車両が前記隊列走行車両群に属して走行した隊列走行区間を特定する区間特定部(321)と、前記隊列走行車両群に属する前記車両の利用料金として、前記隊列走行区間に応じた隊列走行料金を適用する隊列料金適用部(322)と、を備える。
このようにすることで、料金収受システムは、車両それぞれが異なる隊列ステーションで隊列走行車両群に合流、離脱した場合であっても、隊列走行区間に応じた隊列走行料金を車両別に適用することができる。また、隊列走行を行った車両に対し隊列走行料金を適用することにより、隊列走行を行う意欲を高めることができる。
【0012】
本発明の第6の態様によれば、第5の態様に係る料金収受システム(1)は、前記隊列走行車両群を構成する前記車両それぞれの識別情報が関連付けられた隊列情報が予め登録された隊列情報記憶部(33)と、前記隊列ステーションの前記入口に設置され、前記隊列ステーションに進入する前記車両の識別情報を取得する入口識別情報取得部(21A)と、前記隊列ステーションの前記出口に設置され、前記隊列ステーションから退出する前記車両の識別情報を取得する出口識別情報取得部(21B)と、を更に備える。前記入口隊列判定装置(20A)は、前記入口識別情報取得部(21A)が取得した前記識別情報と、前記隊列情報記憶部(33)に登録された前記識別情報とに基づいて、前記車両が前記隊列走行車両群に属する車両であるか判定し、前記出口隊列判定装置(20B)は、前記出口識別情報取得部(21B)が取得した前記識別情報と、前記隊列情報記憶部(33)に登録された前記識別情報とに基づいて、前記車両が前記隊列走行車両群に属する車両であるか判定する。
このようにすることで、隊列走行記録システムは、予め登録された隊列情報に基づいて、車両が隊列走行車両群に属する車両であるか判定する精度を向上することができる。
【0013】
本発明の第7の態様によれば、第5又は第6の態様に係る料金収受システム(1)において、前記入口隊列判定装置(20A)は、前記隊列ステーションに進入する前記隊列走行車両群の隊列台数を更に判定し、前記出口隊列判定装置(20B)は、前記隊列ステーションから退出する前記隊列走行車両群の隊列台数を更に判定し、前記区間特定部(321)は、前記隊列走行車両群に属する前記車両の前記隊列走行区間ごとの隊列台数を更に特定し、前記隊列料金適用部(322)は、前記隊列走行車両群に属する前記車両の利用料金として、前記隊列走行区間及び前記隊列台数に応じた前記隊列走行料金を適用する。
このようにすることで、料金収受システムは、隊列走行区間及び隊列台数に応じた隊列走行料金を車両別に適用することができる。これにより、隊列台数に応じて異なる隊列走行料金を適用する等、隊列走行を行った車両に対するインセンティブを細かに設定することができる。
【0014】
本発明の第8の態様によれば、隊列走行記録方法は、複数の車両が連なって走行する隊列走行車両群の合流及び解散場所となる隊列ステーションの入口において、当該隊列ステーションに進入する車両が前記隊列走行車両群に属する車両であるか判定する入口隊列判定ステップと、前記隊列ステーションの出口において、当該隊列ステーションから退出する車両が前記隊列走行車両群に属する車両であるか判定する出口隊列判定ステップと、前記入口隊列判定ステップ及び前記出口隊列判定ステップそれぞれの判定結果に基づいて、前記車両が前記隊列走行車両群に属して走行した隊列走行区間を記録する隊列走行記録ステップと、を有する。
【0015】
本発明の第9の態様によれば、有料道路の利用料金を収受する料金収受方法は、複数の車両が連なって走行する隊列走行車両群の合流及び解散場所となる隊列ステーションの入口において、当該隊列ステーションに進入する車両が前記隊列走行車両群に属する車両であるか判定する入口隊列判定ステップと、前記隊列ステーションの出口において、当該隊列ステーションから退出する車両が前記隊列走行車両群に属する車両であるか判定する出口隊列判定ステップと、前記入口隊列判定ステップ及び前記出口隊列判定ステップそれぞれの判定結果に基づいて、前記車両が前記隊列走行車両群に属して走行した隊列走行区間を特定する区間特定ステップと、前記隊列走行車両群に属する前記車両の利用料金として、前記隊列走行区間に応じた隊列走行料金を適用する隊列料金適用ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0016】
上述の隊列走行記録システム、料金収受システム、隊列走行記録方法、及び料金収受方法によれば、車両それぞれが隊列走行を行った区間を記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1の実施形態に係る料金収受システムの概略を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る料金収受システムの機能構成を示す図である。
図3】第1の実施形態に係る登録システムの処理の一例を示すフローチャートである。
図4】第1の実施形態に係る隊列情報の一例を示す図である。
図5】第1の実施形態に係る入口隊列判定装置及び出口隊列判定装置の処理の一例を示す第1のフローチャートである。
図6】第1の実施形態に係る車両情報テーブルの一例を示す図である。
図7】第1の実施形態に係る入口隊列判定装置及び出口隊列判定装置の処理の一例を示す第2のフローチャートである。
図8】第1の実施形態に係る判定情報の一例を示す図である。
図9】第1の実施形態に係る料金確定システムの処理の一例を示す第1のフローチャートである。
図10】第1の実施形態に係る隊列走行履歴の一例を示す図である。
図11】第1の実施形態に係る料金確定システムの処理の一例を示す第2のフローチャートである。
図12】第1の実施形態に係る明細情報の一例を示す第1の図である。
図13】第1の実施形態に係る料金確定システムの機能を説明するための図である。
図14】第2の実施形態に係る料金収受システムの機能構成を示す図である。
図15】少なくとも一つの実施形態に係るハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態に係る料金収受システム1について、図1図13を参照しながら説明する。
【0019】
(全体構成)
図1は、第1の実施形態に係る料金収受システムの概略を示す図である。
料金収受システム1は、有料道路を走行する車両から、有料道路の利用に応じた利用料金を収受するためのシステムである。
本実施形態では、例えば物流事業者が有する複数の車両(トラック等)が有料道路を同時に走行する際、これら複数の車両が連なって走行する隊列走行車両群Aを構成する。図1に示すように、隊列走行車両群Aは、先頭車両と、先頭車両に従属して運転を行う後続車両(中間車両及び最終車両)とにより構成される。
本実施形態において、「先頭車両に従属して運転を行う」とは、後続車両が車車間通信を利用して先頭車両の走行制御情報(走行位置、走行速度、ステアリング角度、ブレーキタイミング等)を取得し、当該走行制御情報に応じて自動的に走行制御を行う(自動運転を行う)ことを示す。
なお、図1には、隊列走行車両群Aに三台の車両(先頭車両A1、中間車両A2、最終車両A3)が含まれている例が示されているが、これに限られることはない。隊列走行車両群Aには、二台の車両(先頭車両A1、最終車両A3)のみが含まれていてもよいし、四台以上の車両(先頭車両A1、二台以上の中間車両A2、最終車両A3)が含まれていてもよい。
【0020】
また、本実施形態に係る料金収受システム1は、隊列走行車両群Aに属する車両それぞれに対し、個々に独立して走行する単独走行車両として扱われた場合の利用料金(以下、「単独走行料金」とも称する)よりも低い金額となる「隊列走行料金」を適用する。
隊列走行料金は、例えば単独走行料金から所定の割引額(割引率)を減じた金額である。また、隊列走行料金は、隊列走行車両群Aに属する車両の台数(以下、「隊列台数」とも称する)に応じて異なる割引額(割引率)が設定されてもよい。この場合、例えば、隊列台数が多いほど、割引額(割引率)が大きい隊列走行料金が設定される。
【0021】
図1に示すように、本実施形態に係る料金収受システム1は、隊列ステーション2と、料金収受設備5と、センターシステム30と、を備えている。
【0022】
隊列ステーション2は、有料道路上に所定間隔ごとに設置される。また、隊列ステーション2は、サービスエリア、パーキングエリア等に設けられてもよい。
隊列ステーション2は、複数の車両が連なって走行する隊列走行車両群Aの合流及び解散場所である。例えば、図1に示すように、複数の車両A1~A3は、それぞれ任意の入口料金所から有料道路に進入し、ある隊列ステーション2で合流して隊列走行車両群A(先頭車両A1、後続車両A2~A3)を構成する。また、後続車両A2、A3が先頭車両A1よりも手前の出口料金所で有料道路から退出する場合、後続車両A2、A3は隊列ステーション2で隊列走行車両群Aから離脱して単独走行車両となり、隊列走行車両群Aを解散させる。このとき、先頭車両A1は異なる後続車両A4と新たな隊列走行車両群A’を構成してもよいし、単独走行車両となってもよい。
【0023】
また、隊列ステーション2の入口及び出口には、それぞれ入口隊列判定装置20A及び出口隊列判定装置20Bが設置されている。
入口隊列判定装置20Aは、隊列ステーション2に進入する車両が隊列走行車両群Aに属する車両であるか判定する。
出口隊列判定装置20Bは、隊列ステーション2から退出する車両が隊列走行車両群Aに属する車両であるか判定する。
【0024】
料金収受設備5は、有料道路の入口料金所又は出口料金所に設けられる。なお、本実施形態では、料金収受設備5が出口料金所に設けられている例について説明する。
料金収受設備5は、電子式料金収受システム(ETC:Electronic Toll Collection System(登録商標)、「自動料金収受システム」ともいう)の仕組みを利用して、出口料金所の車線を走行する車両から有料道路の利用に応じた利用料金を収受する料金収受処理を行う。
本実施形態において、料金収受処理とは、路側アンテナ(不図示)を介して車両に搭載された車載器(不図示)から受信した車載器情報(車両が通過した入口料金所の料金所ID及び通過日時、車種区分、車載器ID、ETCカード番号等)等に基づいて利用料金を算出し、車載器情報及び利用料金を含む明細情報を作成してセンターシステム30に送信する処理を示す。
また、本実施形態に係る料金収受設備5は、出口料金所に到来した車両が単独走行車両であるか、隊列走行車両群Aに属する車両であるかに関わらず、単独走行車両として扱い利用料金(単独走行料金)を計算する。
【0025】
センターシステム30は、登録システム31と、料金確定システム32(隊列走行記録装置)と、隊列情報記憶部33と、明細情報記憶部34と、履歴情報記憶部35とを備えている。
【0026】
登録システム31は、隊列走行車両群Aが有料道路を走行する前に、物流事業者の端末装置40より、インターネット等のネットワークNWを介して当該隊列走行車両群Aの情報(以下、「隊列情報」と称する)の登録要求を受け付け、隊列情報記憶部33に記憶する。なお、隊列情報の詳細については後述する。
【0027】
料金確定システム32は、料金収受設備5から収集した明細情報に基づいて、有料道路を利用した車両それぞれに対する利用料金を確定する。なお、料金収受設備5から収集した明細情報は、明細情報記憶部34に記憶されて蓄積される。
本実施形態では、料金確定システム32は、収集した明細情報のうち隊列走行車両群Aに属する車両の明細情報を抽出して、これらの車両の利用料金を隊列走行料金に訂正して確定する。
また、料金確定システム32は、入口隊列判定装置20A及び出口隊列判定装置20Bそれぞれの判定結果に基づいて、車両が隊列走行車両群Aに属して走行した隊列走行区間を履歴情報記憶部35に記録する隊列走行記録装置としても機能する。
【0028】
(機能構成)
図2は、第1の実施形態に係る料金収受システムの機能構成を示す図である。
図2に示すように、隊列ステーション2の入口隊列判定装置20Aは、ナンバープレート(NP)読取装置21Aと、制御装置22Aと、記憶媒体23Aとを備えている。
【0029】
NP読取装置21Aは、隊列ステーション2に進入する車両のナンバープレートを撮影する。また、NP読取装置21Aは、撮影した画像に所定の画像認識処理を行うことにより、ナンバープレート(NP)情報を読み取って取得する。NP情報には、プレートサイズ、プレートの配色、記載された分類番号等が含まれる。NP読取装置21Aは、読み取ったNP情報と、その取得日時とを関連付けて記憶媒体23Aに記憶して蓄積する。
本実施形態において、NP読取装置21Aは、隊列ステーション2に進入する車両の識別情報(NP情報)を取得する入口識別情報取得部として機能する。また、NP読取装置21Aは、隊列ステーション2の入口を常に撮影し続けることにより、隊列ステーション2に進入する車両を検出する。
【0030】
制御装置22Aは、入口隊列判定装置20A全体の動作を司る演算装置であり、入口判定部220Aと、入口判定情報送信部221Aとを有している。
入口判定部220Aは、NP読取装置21Aが取得したNP情報に基づいて、前記車両が前記隊列走行車両群Aに属する車両であるか判定する。
入口判定情報送信部221Aは、入口判定部220Aの判定結果を含む情報(以下、「判定情報」とも称する)をセンターシステム30に送信する。なお、判定情報の詳細については後述する。
【0031】
記憶媒体23Aには、NP読取装置21Aが読み取ったNP情報、入口判定部220Aの判定結果等が記憶される。
【0032】
隊列ステーション2の出口隊列判定装置20Bは、NP読取装置21Bと、制御装置22Bと、記憶媒体23Bとを備えている。
NP読取装置21Bは、入口隊列判定装置20Aが有するNP読取装置21Bと同じ機能構成を有しており、隊列ステーション2から退出する車両のNP情報を読み取る。
本実施形態において、NP読取装置21Bは、隊列ステーション2から退出する車両の識別情報(NP情報)を取得する出口識別情報取得部として機能する。また、NP読取装置21Bは、隊列ステーション2の出口を常に撮影し続けることにより、隊列ステーション2から退出する車両を検出する。
【0033】
制御装置22Bは、出口隊列判定装置20B全体の動作を司る演算装置であり、出口判定部220Bと、出口判定情報送信部221Bとを有している。
出口判定部220Bは、NP読取装置21Bが取得したNP情報に基づいて、前記車両が前記隊列走行車両群Aに属する車両であるか判定する。
出口判定情報送信部221Bは、出口判定部220Bの判定結果を含む判定情報をセンターシステム30に送信する。
【0034】
記憶媒体23Bには、NP読取装置21Bが読み取ったNP情報、出口判定部220Bの判定結果等が記憶される。
【0035】
また、センターシステム30の料金確定システム32(隊列走行記録装置)は、明細情報取得部320と、区間特定部321と、隊列料金適用部322とを有している。
【0036】
明細情報取得部320は、料金収受設備5から明細情報を取得し、明細情報記憶部34に記憶して蓄積する。
【0037】
区間特定部321は、入口隊列判定装置20A及び出口隊列判定装置20Bそれぞれの判定結果に基づいて、車両が隊列走行車両群Aに属して走行した隊列走行区間を特定する。
【0038】
隊列料金適用部322は、隊列走行車両群Aに属する車両の利用料金として、隊列走行区間に応じた隊列走行料金を適用する。
このとき、隊列料金適用部322は、隊列走行車両群Aに属する車両それぞれの明細情報を破棄し、隊列走行料金に訂正した明細情報を新たに作成して明細情報記憶部34に記憶する。
【0039】
(処理フロー)
図3は、第1の実施形態に係る登録システムの処理の一例を示すフローチャートである。
図4は、第1の実施形態に係る隊列情報の一例を示す図である。
以下、図3図4を参照して、センターシステム30の登録システム31が隊列情報を登録する処理の一例について説明する。
まず、図4に示すように、登録システム31は、物流事業者の端末装置40から隊列情報D1(図4)の登録要求を受け付ける(ステップS10)。
【0040】
図4に示すように、隊列情報D1には、「隊列ID」と、「走行予定日」と、「隊列台数」と、「隊列開始位置」と、「隊列終了位置」と、「NP情報(識別情報)」とが含まれている。
隊列IDは、隊列走行車両群Aを特定可能なユニークIDであり、登録時に登録システム31により自動的に付与されるものとする。
走行予定日は、隊列走行車両群Aが有料道路を走行する予定日を示す。
隊列台数は、隊列走行車両群Aに属する車両の台数を示す。
隊列開始位置は、隊列走行車両群Aに属する車両それぞれが合流する隊列ステーション2を特定可能な情報(例えばステーションID)を示す。
隊列終了位置は、隊列走行車両群Aを解散する(少なくとも一台の車両が隊列走行車両群Aから離脱する)隊列ステーション2を特定可能な情報(例えばステーションID)を示す。
NP情報は、隊列走行車両群Aに属する複数の車両それぞれのNP情報を示す。なお、NP情報は、隊列走行車両群Aに属する複数の車両それぞれの走行順と関連付けて登録される。
【0041】
図3に戻り、登録システム31は、物流事業者の端末装置40から受け付けた隊列情報D1を、隊列情報記憶部33に記憶して蓄積する。
このように、登録システム31は、物流事業者から隊列情報D1の登録要求を受け付ける度に、上述の各処理を実行する。なお、物流事業者は、有料道路の区間別に隊列走行車両群の構成を変更することが考えられる。例えば、物流事業者は、図1に示すように、有料道路のある区間は車両A1~A3の三台で構成される隊列走行車両群Aを走行させ、他の区間は車両A1及び車両A4の二台で構成される隊列走行車両群A’を走行させてもよい。この場合、物流事業者は、隊列走行車両群A及びA’それぞれの隊列情報D1を個別に入力して登録要求を行うものとする。
また、物流事業者は、隊列情報D1の登録後に、隊列走行車両群Aに含まれる車両の構成、又は、車両の走行順を変更することが考えられる。この場合、登録システム31は、物流事業者からの隊列情報D1の変更を受け付けるようにしてもよい。例えば、登録システム31は、図3のステップS10において、物流事業者から登録済みの隊列IDの指定と、変更後の隊列情報D1の登録要求を受け付ける。そして、登録システム31は、ステップS11において、指定された隊列IDに関連付けられた隊列情報D1の内容を、変更後の隊列情報D1で上書きして更新する。これにより、登録システム31は、隊列情報D1の変更を柔軟に受け付けて利便性を向上させることができる。
【0042】
図5は、第1の実施形態に係る入口隊列判定装置及び出口隊列判定装置の処理の一例を示す第1のフローチャートである。
図6は、第1の実施形態に係る車両情報テーブルの一例を示す図である。
以下、図5図7を参照して、入口隊列判定装置20A及び出口隊列判定装置20Bにおける処理の一例について説明する。なお、入口隊列判定装置20A及び出口隊列判定装置20Bは同じ処理を実行するので、ここでは入口隊列判定装置20Aが隊列ステーション2に進入した車両が隊列走行車両群Aに属する車両であるか判定する処理の流れについて説明し、出口隊列判定装置20Bの処理については省略する。
【0043】
図5に示すように、まず、NP読取装置21Aは、隊列ステーション2に進入した車両(例えば車両A1)のNP情報を取得する(ステップS20)。このとき、NP読取装置21Aは、取得したNP情報と、取得日時とを関連付けて記憶媒体23Aの車両情報テーブルT1(図6)に追加する。
図6に示すように、車両情報テーブルT1には、NP読取装置21Aが取得した車両それぞれの「NP情報」及びその「取得日時」と、「ステータス」と、「隊列ID」とを関連付けた車両情報が車両別に記録されている。
ステータスは、隊列ステーション2に進入した車両が「単独走行車両」であるか、隊列走行車両群Aの「先頭車両」又は「後続車両」であるかを示す。
隊列IDは、車両がどの隊列走行車両群Aに属しているかを示す。
なお、ステータス及び隊列IDは、NP読取装置21AがNP情報を読み取った時点では空欄である。
【0044】
次に、入口判定部220Aは、隊列ステーションに進入した車両A1が「先頭車両」であるか判定する(ステップS21)。
具体的には、入口判定部220Aは、センターシステム30の隊列情報記憶部33に記憶されている隊列情報D1のうち、車両A1の「NP情報」及びその「取得日時」と一致する情報(「NP情報」及び「走行予定日」)を有する隊列情報D1(図4)を検索して抽出する。
入口判定部220Aは、検索条件を満たす隊列情報D1が抽出された場合、当該車両A1は「先頭車両」であると判断する(ステップS21:YES)。この場合、入口判定部220Aは、車両A1の「ステータス」に「先頭車両」を入力するとともに、「隊列ID」に隊列情報D1に記録された隊列IDを入力して車両情報テーブルT1を更新し(ステップS22)、処理を終了する。
一方、入口判定部220Aは、検索条件を満たす隊列情報D1がない場合、当該車両A1は「先頭車両」ではないと判断し(ステップS21:NO)、次のステップS23に進む。
【0045】
次に、入口判定部220Aは、車両A1が「先頭車両」ではないと判断した場合(ステップS21:NO)、当該車両A1が「後続車両」であるか判断する(ステップS23)。
まず、入口判定部220Aは、車両情報テーブルT1を参照し、車両A1と、車両A1の前の車両とのNP情報の「取得日時」の時間差が所定時間(例えば5秒)以内であるか判断する。時間差が所定時間以上である場合、車両A1は前の車両と連なって走行していないので、「後続車両」ではないと判断する(ステップS23:NO)。この場合、入口判定部220Aは、車両A1は隊列走行車両群Aに属する車両ではないと判定するとともに、車両A1のステータスに「単独走行車両」を入力して車両情報テーブルT1を更新し(ステップS25)、処理を終了する。
また、時間差が所定時間以内である場合、入口判定部220Aは、センターシステム30の隊列情報記憶部33に記憶されている隊列情報D1のうち、車両A1の「NP情報」及びその「取得日時」と一致する情報(「NP情報」及び「走行予定日」)を有する隊列情報D1を検索して抽出する。
入口判定部220Aは、検索条件を満たす隊列情報D1が抽出され、且つ、抽出された隊列情報D1の「隊列ID」と、前の車両の「隊列ID」とが一致する場合、当該車両A1は「後続車両」であると判断する(ステップS23:YES)。この場合、入口判定部220Aは、車両A1及び前の車両は同じ隊列走行車両群Aに属する車両であると判定する。また、入口判定部220Aは、車両A1の「ステータス(後続車両)」と「隊列ID(前の車両と同じ隊列ID)」を入力して車両情報テーブルT1を更新し(ステップS24)、処理を終了する。
一方、入口判定部220Aは、検索情報を満たす隊列情報D1が抽出されたものの、前の車両の「隊列ID」と一致しない(前の車両が異なる隊列IDを有している、又は単独走行車両であり隊列IDが入力されていない)場合、当該車両A1は「後続車両」ではないと判断する(ステップS23:NO)また、入口判定部220Aは、検索条件を満たす隊列情報D1がない場合、当該車両A1は「後続車両」ではないと判断する(ステップS23:NO)。この場合、車両A1は隊列走行車両群Aに属する車両ではないと判定するとともに、車両A1の「ステータス」に「単独走行車両」を入力して車両情報テーブルT1を更新し(ステップS25)、処理を終了する。
【0046】
なお、本実施形態において、入口判定部220Aは、隊列走行車両群Aが隊列情報D1に登録された走行順のとおりに走行したか否かは考慮しない。したがって、入口判定部220Aは、隊列ステーション2に進入した車両それぞれが、隊列情報D1に記録された「走行予定日」及び隊列走行車両群Aに属する車両それぞれの「NP情報」が一致していれば、隊列走行車両群Aに属する車両(先頭車両又は後続車両)であると判定する。また、入口判定部220Aは、車両情報テーブルT1に基づいて、隊列情報D1の走行順を更新するようにしてもよい。
入口判定部220Aは、NP読取装置21AがNP情報を取得する度に上述の処理を実行する。また、出口隊列判定装置20Bの出口判定部220Bは、隊列ステーション2から退出する車両に対し、同様の処理を実行する。
【0047】
図7は、第1の実施形態に係る入口隊列判定装置及び出口隊列判定装置の処理の一例を示す第2のフローチャートである。
図8は、第1の実施形態に係る判定情報の一例を示す図である。
また、入口隊列判定装置20A及び出口隊列判定装置20Bは、図5の処理と並行して、以下のような隊列走行車両群Aの有無を判定して判定結果を通知する処理を実行する。
【0048】
図7に示すように、入口判定部220Aは、車両情報テーブルT1(図6)を参照し、一つの隊列走行車両群Aに属する車両の車両情報を抽出する(ステップS30)。
例えば、入口判定部220Aは、時系列に連続する車両情報のうち、共通の「隊列ID」を有し、且つ、1台目の「ステータス」が「先頭車両」であり、2台目以降の「ステータス」が「後続車両」である一連の車両情報を、一つの隊列走行車両群Aに属する車両の車両情報として抽出する。
【0049】
次に、入口判定部220Aは、抽出した一連の車両情報に基づいて、隊列走行車両群Aの隊列台数を判定する(ステップS31)。
【0050】
次に、入口判定情報送信部221Aは、ステップS30で抽出した一連の車両情報と、ステップS31で判定した隊列台数とを含む判定情報D2(図8)をセンターシステム30に送信する(ステップS32)。
図8に示すように、判定情報D2には、「判定日時」と、「ステーションID」と、「隊列ID」と、「隊列台数」と、隊列走行車両群Aに属する車両それぞれの「NP情報」とが含まれている。
判定日時は、例えば「先頭車両」のNP情報の取得日時が入力される。
ステーションIDは、隊列ステーション2を特定可能なユニークIDである。また、隊列ステーション2の入口か出口かを示す情報がステーションIDに含まれていてもよい。
隊列台数には、ステップS31で判定した値が入力される。
隊列ID及びNP情報には、ステップS30で抽出した車両情報に含まれる隊列ID及び車両それぞれのNP情報が入力される。
【0051】
入口判定部220A及び入口判定情報送信部221Aは、所定のタイミング毎(例えば1時間毎)に上述の処理を実行する。また、出口隊列判定装置20Bの出口判定部220B及び出口判定情報送信部221Bは、隊列ステーション2から退出する車両の車両情報テーブルT1を参照して、同様の処理を実行する。
【0052】
図9は、第1の実施形態に係る料金確定システムの処理の一例を示す第1のフローチャートである。
図10は、第1の実施形態に係る隊列走行履歴の一例を示す図である。
以下、図9図10を参照して、センターシステム30の料金確定システム32(隊列走行記録装置)が隊列走行車両群Aの走行履歴を記録する処理の一例について説明する。
なお、センターシステム30の履歴情報記憶部35には、入口隊列判定装置20A及び出口隊列判定装置20Bそれぞれから受信した判定情報D2(図8)が蓄積されているものとする。
【0053】
図9に示すように、料金確定システム32の区間特定部321は、履歴情報記憶部35に蓄積されている判定情報D2に基づいて、隊列走行車両群Aの開始位置及び終了位置を特定する(ステップS40)。
具体的には、まず、区間特定部321は、履歴情報記憶部35に蓄積されている判定情報D2のうち、共通の「隊列ID」を有する隊列走行車両群Aの判定情報を抽出する。そして、区間特定部321は、抽出した判定情報のうち、ある隊列ステーション2の入口及び出口の両方で隊列走行車両群Aが検出されている場合、当該隊列走行車両群Aは、この隊列ステーション2では合流(隊列走行の開始)及び解散(隊列走行の終了)を行っていないと判断する。
また、区間特定部321は、抽出した判定情報のうち、ある隊列ステーション2の出口のみで隊列走行車両群Aが検出されている場合、当該隊列走行車両群Aは、この隊列ステーション2で合流(隊列走行を開始)したと判断する。図8の例では、「隊列ID=01」を有する隊列走行車両群Aは、「ステーションID=ST02」で示される隊列ステーション2の出口のみで検出されている。したがって、区間特定部321は、この隊列走行車両群A(「隊列ID=01」)の隊列開始位置は「ステーションID=ST02」であると判断する。
更に、区間特定部321は、抽出した判定情報のうち、ある隊列ステーション2の入口のみで隊列走行車両群Aが検出されている場合、当該隊列走行車両群Aは、この隊列ステーション2で解散(隊列走行を終了)したと判断する。図8の例では、「隊列ID=01」を有する隊列走行車両群Aは、「ステーションID=ST04」で示される隊列ステーション2の入口のみで検出されている。したがって、区間特定部321は、この隊列走行車両群A(「隊列ID=01」)の隊列終了位置は「ステーションID=ST04」であると判断する。
これにより、区間特定部321は、隊列走行車両群Aが隊列走行を行った区間を示す隊列走行区間を特定することができる。
【0054】
次に、区間特定部321は、ステップS40で特定された隊列走行車両群Aの「隊列開始位置」及び「隊列終了位置」を隊列走行履歴T2(図10)に記録する。
図10に示すように、隊列走行履歴T2には、「隊列ID」と、「隊列開始位置」及び「隊列開始日時」と、「隊列終了位置」及び「隊列終了日時」と、「隊列台数」と、「NP情報」とが関連付けられた履歴情報が隊列走行車両群別に記憶されている。
隊列ID、隊列台数、及びNP情報には、判定情報の「隊列ID」、「隊列台数」、及び「NP情報」が入力される。
隊列開始位置には、隊列走行車両群Aの隊列開始位置であると判断された隊列ステーション2の「ステーションID(図8の例では「ST02」)」が入力される。また、隊列開始日時には、隊列開始位置の出口隊列判定装置20Bから受信した判定情報D2の「判定日時」が入力される。
隊列終了位置には、隊列走行車両群Aの隊列終了位置であると判断された隊列ステーション2の「ステーションID(図8の例では「ST04」)」が入力される。また、隊列終了日時には、隊列終了位置の入口隊列判定装置20Aから受信した判定情報D2の「判定日時」が入力される。
【0055】
区間特定部321は、例えば、履歴情報記憶部35に新たな判定情報D2が記録される度に、上述の処理を実行し、複数の隊列走行車両群それぞれの走行履歴を記憶する。なお、他の実施形態では、区間特定部321は、所定時間毎(例えば1時間毎)に上述の処理を実行するようにしてもよい。
【0056】
図11は、第1の実施形態に係る料金確定システムの処理の一例を示す第2のフローチャートである。
図12は、第1の実施形態に係る明細情報の一例を示す第1の図である。
図13は、第1の実施形態に係る料金確定システムの機能を説明するための図である。
以下、図11図13を参照して、センターシステム30の料金確定システム32が隊列走行車両群Aに対し、隊列走行料金を適用する処理の流れについて説明する。
【0057】
まず、図11に示すように、料金確定システム32の明細情報取得部320は、料金収受設備10から受信した明細情報を、確定前明細情報D3(図12)として明細情報記憶部34に記憶して蓄積する(ステップS50)。
図12に示すように、確定前明細情報D3には、「処理日時」と、「NP情報(識別情報)」と、「入口料金所」と、「出口料金所」と、「利用料金」とが含まれている。
処理日時は、料金収受設備5が料金収受処理を行った日時を示す。
NP情報は、料金収受設備5のNP読取装置(不図示)が読み取った車両のNP情報を示す。
入口料金所及び出口料金所は、車両が通過した入口料金所及び出口料金所を特定可能な料金所IDである。
利用料金は、料金収受設備5が計算した利用料金である。この時点では、隊列走行車両群Aの車両であるか単独走行車両であるかに関わらず、単独走行料金が入力されている。
また、確定前明細情報D3それぞれに固有の「明細番号」が付されていてもよい。
【0058】
次に、隊列料金適用部322は、明細情報を確定させるタイミングであるか否かを判断する(ステップ51)。
本実施形態では、料金確定システム32は、明細情報記憶部34に記憶されている確定前明細情報D3を、所定のタイミング(例えば各日の0時)に確定させる処理を行う。
隊列料金適用部322は、現在時刻が所定のタイミングではない場合(ステップS51:NO)、ステップS50に戻る。
一方、隊列料金適用部322は、現在時刻が所定のタイミングである場合(ステップS51:YES)、次のステップS52に進む。
【0059】
次に、隊列料金適用部322は、確定前明細情報D3が示す車両が隊列走行を行ったか判断する(ステップS52)。
具体的には、隊列料金適用部322は、隊列走行履歴T2を参照し、確定前明細情報D3の「NP情報」と同じNP情報を含む走行履歴があるか検索する。
隊列料金適用部322は、確定前明細情報D3の「NP情報」と同じNP情報を含む走行履歴が記録されていない場合、当該NP情報を有する車両が隊列走行を行っていないと判断し(ステップS52:NO)、ステップS26に進む。
一方、隊列料金適用部322は、確定前明細情報D3の「NP情報」と同じNP情報を含む走行履歴が記録されている場合、当該NP情報を有する車両が隊列走行を行ったと判断する(ステップS52:YES)。図12の例では、確定前明細情報D3の「NP情報=NP0002」で特定される車両(例えば車両A2)は、図10の隊列走行履歴T2において「隊列ID:01」で示される隊列走行車両群Aに属して隊列走行を行ったことが記録されている。
【0060】
車両A2が隊列走行を行ったと判断された場合(ステップS52:YES)、隊列料金適用部322は、当該車両A2に対し、隊列走行料金を適用した利用料金を計算する(ステップS53)。
このとき、隊列料金適用部322は、隊列走行履歴T2を参照し、当該車両A2が隊列走行車両群Aに属して隊列走行を行った区間(隊列走行区間)に応じた隊列走行料金を適用する。
図13に示すように、例えば当該車両A2の有料道路の利用区間は、入口料金所「ENT01」から出口料金所「EXT05」までの区間である。確定前明細情報D3には、この利用区間に対する単独走行料金が利用料金として入力されている(図12)。また、隊列走行履歴T2(図10)を参照すると、当該車両A2の隊列走行区間は、「隊列開始位置」及び「隊列終了位置」で示される隊列ステーション「ST02」から「ST04」までの区間である。また、入口料金所「ENT01」から隊列ステーション「ST02」までの区間、及び、隊列ステーション「ST04」から出口料金所「EXT05」までの区間は、単独走行区間となる。
隊列料金適用部322は、車両A2に対し、単独走行区間には単独利用料金を適用し、隊列走行区間には隊列走行料金を適用することにより、隊列走行を行った距離に応じたインセンティブを与える。具体的には、隊列料金適用部322は、隊列走行区間を単独走行した場合の金額(単独走行料金)から、所定の割引額(割引率)を減じた隊列走行料金を適用する。また、隊列料金適用部322は、隊列走行車両群Aに参加した隊列台数に応じて、割引額(割引率)を変更する。例えば、隊列料金適用部322は、隊列台数が所定台数増えるごとに、割引額(割引率)を増加させてもよい。
隊列料金適用部322は、車両A2の単独走行区間の利用料金(単独走行料金)と隊列走行区間の利用料金(隊列走行料金)とを合算し、当該車両A2から収受する利用料金として確定する。
【0061】
また、隊列料金適用部322は、車両A2の確定前明細情報D3と、ステップS53で確定した利用料金とに基づいて、確定後明細情報D4を作成し、明細情報記憶部34に記憶する(ステップS54)。
図12に示すように、確定後明細情報D4に、「明細番号」と、「処理日時」と、「NP情報」と、「入口料金所」と、「出口料金所」と、「隊列ID」と、「隊列台数」と、「隊列開始位置」と、「隊列終了位置」と、「利用料金」とが含まれている。
明細番号、処理日時、NP情報、入口料金所、出口料金所には、確定前明細情報D3の内容がコピーされる。
隊列台数、隊列開始位置、隊列終了位置には、隊列走行履歴T2の情報がコピーされる。
利用料金には、ステップS53において計算された隊列走行料金が適用された後の利用料金が入力される。
【0062】
また、隊列料金適用部322は、車両A2が隊列走行を行っていないと判断た場合(ステップS52:NO)、当該車両A2の確定前明細情報D3の利用料金(単独走行料金)を修正せず、確定後明細情報D4を作成する(ステップS55)。
【0063】
(作用効果)
以上のように、本実施形態に係る隊列走行記録システム10は、複数の車両が連なって走行する隊列走行車両群Aの合流及び解散場所となる隊列ステーション2の入口に設置され、当該隊列ステーション2に進入する車両が隊列走行車両群Aに属する車両であるか判定する入口隊列判定装置20Aと、隊列ステーション2の出口に設置され、当該隊列ステーション2から退出する車両が隊列走行車両群に属する車両であるか判定する出口隊列判定装置20Bと、入口隊列判定装置20A及び出口隊列判定装置20Bそれぞれの判定結果に基づいて、車両が隊列走行車両群Aに属して走行した隊列走行区間を記録する隊列走行記録装置32と、を備える。
このようにすることで、隊列走行記録システム10は、車両それぞれが異なる隊列ステーション2で隊列走行車両群Aに合流又は離脱した場合であっても、隊列走行車両群Aに属して走行した区間を車両別に記録することができる。
【0064】
また、隊列走行記録システム10は、隊列走行車両群Aを構成する車両それぞれのNP情報(識別情報)が関連付けられた隊列情報D1が予め登録された隊列情報記憶部33と、隊列ステーション2の入口に設置され、当該隊列ステーション2に進入する車両のNP情報を取得するNP読取装置21A(入口識別情報取得部)と、隊列ステーション2の出口に設置され、当該隊列ステーションから退出する車両のNP情報を取得するNP読取装置21B(出口識別情報取得部)と、を更に備える。入口隊列判定装置20Aは、NP読取装置21Aが取得したNP情報と、隊列情報記憶部33に登録されたNP情報とに基づいて、車両が隊列走行車両群Aに属する車両であるか判定し、出口隊列判定装置20Bは、NP読取装置21Bが取得したNP情報と、隊列情報記憶部33に登録されたNP情報とに基づいて、車両が隊列走行車両群Aに属する車両であるか判定する。
このようにすることで、隊列走行記録システム10は、予め登録された隊列情報D1に基づいて、車両が隊列走行車両群Aに属する車両であるか判定する精度を向上することができる。
【0065】
また、入口隊列判定装置20Aは、隊列ステーション2に進入する隊列走行車両群Aの隊列台数を更に判定し、出口隊列判定装置20Bは、隊列ステーション2から退出する隊列走行車両群Aの隊列台数を更に判定し、隊列走行記録装置32は、隊列走行車両群Aに属する車両の隊列走行区間ごとの隊列台数を更に記録する。
このようにすることで、隊列走行記録システム10は、車両それぞれがどの区間を何台の隊列走行車両群Aで走行したかを関連付けて記録することができる。
【0066】
また、本実施形態に係る料金収受システム1は、有料道路の利用料金を収受する料金収受システム1であって、複数の車両が連なって走行する隊列走行車両群Aの合流及び解散場所となる隊列ステーション2の入口に設置され、当該隊列ステーション2に進入する車両が隊列走行車両群Aに属する車両であるか判定する入口隊列判定装置20Aと、隊列ステーション2の出口に設置され、当該隊列ステーション2から退出する車両が隊列走行車両群Aに属する車両であるか判定する出口隊列判定装置20Bと、入口隊列判定装置20A及び出口隊列判定装置20Bそれぞれの判定結果に基づいて、車両が隊列走行車両群Aに属して走行した隊列走行区間を特定する区間特定部321と、隊列走行車両群Aに属する車両の利用料金として、隊列走行区間に応じた隊列走行料金を適用する隊列料金適用部322と、を備える。
このようにすることで、料金収受システム1は、車両それぞれが異なる隊列ステーション2で隊列走行車両群Aに合流、離脱した場合であっても、隊列走行区間に応じた隊列走行料金を車両別に適用することができる。また、隊列走行を行った車両に対し隊列走行料金を適用することにより、隊列走行を行う意欲を高めることができる。
【0067】
また、隊列料金適用部322は、隊列走行車両群Aに属する車両の利用料金として、隊列走行区間及び隊列台数に応じた隊列走行料金を適用する。
このようにすることで、料金収受システム1は、隊列走行区間及び隊列台数に応じた隊列走行料金を車両別に適用することができる。これにより、隊列台数に応じて異なる隊列走行料金を適用する等、隊列走行を行った車両に対するインセンティブを細かに設定することができる。
【0068】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係る料金収受システム1について、図14を参照しながら説明する。
第1の実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
【0069】
図14は、第2の実施形態に係る料金収受システムの機能構成を示す図である。
本実施形態では、有料道路の運営事業者は、物流事業者から隊列情報D1の登録要求を受け付けると、隊列走行車両群Aを識別するための識別媒体Xを物流事業者に提供する。識別媒体Xは、例えばRFタグである。また、識別媒体Xは、DSRC(Dedicated Short Range Communications)等の無線通信技術を利用して通信可能な車載器であってもよい。なお、有料道路の運営事業者は、契約を結んだ物流事業者に対し、登録要求の有無にかかわらず、予め識別媒体Xを提供しておくようにしてもよい。
識別媒体Xは、隊列走行車両群Aが有料道路を走行する際、先頭車両に取り付けられる。
【0070】
図14に示すように、本実施形態に係る入口隊列判定装置20Aは入口媒体読取部24Aを更に備え、出口隊列判定装置20Bは出口媒体読取部24Bを更に備えている。
入口媒体読取部24Aは、隊列ステーション2に進入する車両が有する識別媒体Xを読み取る装置である。例えば、識別媒体XがRFタグである場合、入口媒体読取部24AはRFIDアンテナである。また、識別媒体Xが車載器である場合、入口媒体読取部24Aは車載器と通信を行う路側アンテナ(無線通信装置)である。
出口媒体読取部24Bは、入口媒体読取部24Aと同一の装置であり、隊列ステーション2から退出する車両が有する識別媒体Xを読み取る装置である。例えば、識別媒体XがRFタグである場合、出口媒体読取部24BはRFIDアンテナである。また、識別媒体Xが車載器である場合、出口媒体読取部24Bは車載器と通信を行う路側アンテナ(無線通信装置)である。
【0071】
本実施形態において、入口隊列判定装置20AのNP読取装置21Aは、入口媒体読取部24Aが車両から識別媒体Xを読み取った場合、車両の進入が検出されたとして、隊列ステーション2に進入する車両のナンバープレートを含む画像を撮影する。
また、出口隊列判定装置20BのNP読取装置21Bも同様に、出口媒体読取部24Bが車両から識別媒体Xを読み取った場合、隊列ステーション2から退出する車両のナンバープレートを含む画像を撮影する。
【0072】
また、入口隊列判定装置20Aの入口判定部220Aは、第1の実施形態においては、センターシステム30の隊列情報記憶部33に記憶された隊列情報D1を参照して、隊列ステーション2に進入する車両それぞれについて、先頭車両であるか否かを判断していた。しかしながら、本実施形態では、入口判定部220Aは、識別媒体Xを読み取った場合のみ、当該車両が先頭車両であるか否かを判断する。
また、出口隊列判定装置20Bの出口判定部220Bも同様の処理を行う。
【0073】
このように、本実施形態に係る隊列走行記録システム10は、隊列ステーション2の入口に設置され、当該隊列ステーション2に進入する車両が有する識別媒体Xを読み取る入口媒体読取部24Aと、隊列ステーション2の出口に設置され、当該隊列ステーションから退出する車両が有する識別媒体Xを読み取る出口媒体読取部24Bと、を更に備える。入口隊列判定装置20Aは、入口媒体読取部24Aが識別媒体Xを読み取った場合、車両が隊列走行車両群Aの先頭車両であると判定し、出口隊列判定装置20Bは、出口媒体読取部24Bが識別媒体Xを読み取った場合、車両が隊列走行車両群Aの先頭車両であると判定する。
このようにすることで、入口隊列判定装置20A及び出口隊列判定装置20Bは、識別媒体Xを有する車両が、隊列走行車両群Aの先頭車両であると容易に判定することができる。また、識別媒体Xにより先頭車両を特定できるので、隊列走行記録システム10は、入口隊列判定装置20A及び出口隊列判定装置20Bそれぞれによる複数の判定結果のうち、一の先頭車両に関連する判定結果の組み合わせを容易且つ高精度で抽出可能な情報を記録することができる。
更に、入口隊列判定装置20AのNP読取装置21A及び出口隊列判定装置20BのNP読取装置21Bは、識別媒体Xを読み取ったときのみ撮影を行えばよいので、不要な撮影を抑制することができる。
【0074】
(ハードウェア構成)
図15は、少なくとも一つの実施形態に係るハードウェア構成の一例を示す図である。
以下、図15を参照して、上述の少なくとも一つの実施形態に係る入口隊列判定装置20A、出口隊列判定装置20B、料金確定システム32(隊列走行記録装置)のハードウェア構成の一例について説明する。
図15に示すように、コンピュータ900は、CPU901、主記憶装置902、補助記憶装置903、インタフェース904を備える。
上述の入口隊列判定装置20A、出口隊列判定装置20B、料金確定システム32(隊列走行記録装置)は、コンピュータ900に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置903に記憶されている。CPU901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU901は、プログラムに従って、入口隊列判定装置20A、出口隊列判定装置20B、料金確定システム32が各種処理に用いる記憶領域を主記憶装置902に確保する。また、CPU901は、プログラムに従って、処理中のデータを記憶する記憶領域(センターシステム30の隊列情報記憶部33、明細情報記憶部34、履歴情報記憶部35、入口隊列判定装置20Aの記憶媒体23A、出口隊列判定装置20Bの記憶媒体23B)を補助記憶装置903に確保する。
【0075】
補助記憶装置903の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。補助記憶装置903は、コンピュータ900のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インタフェース904又は通信回線を介してコンピュータ900に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ900に配信される場合、配信を受けたコンピュータ900が当該プログラムを主記憶装置902に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、補助記憶装置903は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0076】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
更に、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置903に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0077】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の技術的思想を逸脱しない限り、これらに限定されることはなく、多少の設計変更等も可能である。
例えば、上述の各実施形態において、車両を識別可能な識別情報としてNP情報を使用する態様について説明したが、これに限られることはない。他の実施形態では、識別情報は、車両を一意に特定可能な情報であればよく、例えば車両に搭載された車載器に記録された車載器ID、ETCカード番号等であってもよい。この場合、入口隊列判定装置20A及び出口隊列判定装置20Bは、NP読取装置21A、21Bに代えて、車載器と通信を行う路側アンテナが識別情報取得部として設けられていてもよい。
【0078】
また、入口隊列判定装置20A及び出口隊列判定装置20Bの判定結果(判定情報D2)に基づく隊列走行車両群Aの隊列台数と、隊列情報D1に予め登録された「隊列台数」とが異なっている(少ない)場合、料金確定システム32の隊列料金適用部322は、隊列情報D1のとおり走行しなかったペナルティとして、これらの車両は隊列走行車両群Aではなく、単独走行車両であると判断してもよい。
【0079】
また、上述の実施形態において、入口隊列判定装置20A及び出口隊列判定装置20Bが隊列走行車両群Aの走行順を考慮しない態様について説明したが、これに限られることはない。他の実施形態では、入口隊列判定装置20A及び出口隊列判定装置20Bは、隊列走行車両群Aの走行順が、隊列情報D1に登録された順序と異なっている場合、これらの車両は隊列走行車両群Aではなく、単独走行車両であると判断してもよい。
【0080】
また、上述の各実施形態では、入口隊列判定装置20A及び出口隊列判定装置20Bは、都度、センターシステム30の隊列情報記憶部33にアクセスして隊列情報D1を抽出する態様について説明したが、これに限られることはない。他の実施形態では、所定のタイミング毎に、隊列情報記憶部33から記憶媒体23A、23Bに隊列情報D1を複製するようにしてもよい。所定のタイミングは、例えば1時間毎であってもよいし、隊列情報D1が更新されるタイミングであってもよい。
【符号の説明】
【0081】
1 料金収受システム
2 隊列ステーション
10 隊列走行記録システム
20A 入口隊列判定装置
21A NP読取装置(入口識別情報取得部)
22A 制御装置
220A 入口判定部
221A 入口判定情報送信部
23A 記憶媒体
24A 入口媒体読取部
20B 出口隊列判定装置
21B NP読取装置(出口識別情報取得部)
22B 制御装置
220B 出口判定部
221B 出口判定情報送信部
23B 記憶媒体
24B 出口媒体読取部
30 センターシステム
31 登録システム
32 料金確定システム(隊列走行記録装置)
320 明細情報取得部
321 区間特定部
322 隊列料金適用部
33 隊列情報記憶部
34 明細情報記憶部
35 履歴情報記憶部
40 端末装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15