(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】生産計画装置、生産計画システム、生産計画方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20120101AFI20221116BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20221116BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20221116BHJP
【FI】
G06Q10/06 302
G05B19/418 Z
G06Q50/04
(21)【出願番号】P 2018061238
(22)【出願日】2018-03-28
【審査請求日】2020-08-25
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】笠野 学
(72)【発明者】
【氏名】古賀 祐一
(72)【発明者】
【氏名】吉井 迪利
(72)【発明者】
【氏名】坂口 祐介
(72)【発明者】
【氏名】藤原 直之
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-152382(JP,A)
【文献】特開2017-120453(JP,A)
【文献】特開2015-118446(JP,A)
【文献】特開2017-199092(JP,A)
【文献】特開2010-225017(JP,A)
【文献】アプリケーション・プログラム・プロダクツ,はいたっく ,株式会社日立製作所,1995年09月01日,第19-20頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのリソースを使用して部品又は前記部品を組み立てて構成される組立品である製品を生産するための生産計画を作成する生産計画装置であって、
前記製品の受注量及び納期を含むオーダ情報を受け付けるオーダ情報受付部と、
前記製品を構成する前記部品、前記組立品、及び前記部品の材料となる中間品の何れかである生産物の製造工程と、前記製造工程において使用する前記リソースとを関連付けた工程情報が記録された工程マスタと、
複数の前記リソースそれぞれによる前記生産物の製造可能能力を示すリソース情報が記録されたリソースマスタと、
前記オーダ情報と、前記工程情報と、前記リソース情報とに基づいて、前記製品を生産するために使用するリソースのリソース使用期間を設定
して、複数のオーダそれぞれのリソース使用期間を記録する割当情報に追加するリソース設定部と、
前記リソース情報と、前記リソース使用期間とに基づいて、複数の前記生産物それぞれの時期別の在庫量を演算する在庫量演算部と、
前記オーダ情報と、前記リソース使用期間とに基づいて、オーダ別の作業期間を示すオーダガントチャートを作成するオーダガントチャート作成部と、
前記オーダ情報と、前記リソース使用期間とに基づいて、前記リソース別の作業期間を示すリソースガントチャートを作成するリソースガントチャート作成部と、
前記リソース使用期間に基づいて、複数の前記リソースそれぞれの時期別の負荷を表すリソース負荷グラフを作成するリソース負荷グラフ作成部と、
前記在庫量に基づいて、複数の前記生産物それぞれの時期別の在庫量の推移を表す在庫推移グラフを作成する在庫推移グラフ作成部と、
前記オーダガントチャート、前記リソースガントチャート、前記リソース負荷グラフ、及び前記在庫推移グラフに関する機能設定を行う機能設定部と、
前記機能設定に基づいて、前記オーダガントチャート、前記リソースガントチャート、前記リソース負荷グラフ、及び前記在庫推移グラフのうち少なくとも一つを含む出力データを作成する出力データ作成部と、
を備え、
前記リソース設定部は、
新たなオーダの前記オーダ情報を受け付けた場合に、過去に前記割当情報に追加された他のオーダのリソース使用期間との調整を行わず、当該新たなオーダのオーダ情報のみを満たすようにリソース使用期間を設定し、
前記新たなオーダのリソース使用期間を設定してから所定時間が経過したときに、
前記割当情報に記録された前記新たなオーダのリソース使用期間
と、他のオーダのリソース利用期間とが重複する場合に、
前記新たなオーダのリソース使用期間
と、他のオーダのリソース使用期間と
を異なる期間に変更
して、前記割当情報を更新する、
生産計画装置。
【請求項2】
前記機能設定を記憶する設定記憶部を更に備え、
前記出力データ作成部は、起動時に前記機能設定を取得する、
請求項1に記載の生産計画装置。
【請求項3】
前記機能設定部は、前記オーダガントチャート、前記リソースガントチャート、前記リソース負荷グラフ、及び前記在庫推移グラフそれぞれの出力の有無を設定する、
請求項1又は2に記載の生産計画装置。
【請求項4】
前記機能設定部は、前記オーダガントチャート、前記リソースガントチャート、前記リソース負荷グラフ、及び前記在庫推移グラフの時間軸の表示単位を示すタイムスケールを設定し、
前記出力データ作成部は、設定された前記タイムスケールに基づいて前記出力データを作成する、
請求項1から3の何れか一項に記載の生産計画装置。
【請求項5】
少なくとも一つのリソースを使用して部品又は前記部品を組み立てて構成される組立品である製品を生産するための生産計画を作成する生産計画システムであって、
前記製品の受注量及び納期を含むオーダ情報を受け付けるオーダ情報受付部と、
前記製品を構成する前記部品、前記組立品、及び前記部品の材料となる中間品の何れかである生産物の製造工程と、前記製造工程において使用する前記リソースとを関連付けた工程情報が記録された工程マスタと、
複数の前記リソースそれぞれによる前記生産物の製造可能能力を示すリソース情報が記録されたリソースマスタと、
前記オーダ情報と、前記工程情報と、前記リソース情報とに基づいて、前記製品を生産するために使用するリソースのリソース使用期間を設定
して、複数のオーダそれぞれのリソース使用期間を記録する割当情報に追加するリソース設定部と、
前記リソース情報と、前記リソース使用期間とに基づいて、複数の前記生産物それぞれの時期別の在庫量を演算する在庫量演算部と、
前記オーダ情報と、前記リソース使用期間とに基づいて、オーダ別の作業期間を示すオーダガントチャートを作成するオーダガントチャート作成部と、
前記オーダ情報と、前記リソース使用期間とに基づいて、前記リソース別の作業期間を示すリソースガントチャートを作成するリソースガントチャート作成部と、
前記リソース使用期間に基づいて、複数の前記リソースそれぞれの時期別の負荷を表すリソース負荷グラフを作成するリソース負荷グラフ作成部と、
前記在庫量に基づいて、複数の前記生産物それぞれの時期別の在庫量の推移を表す在庫推移グラフを作成する在庫推移グラフ作成部と、
前記オーダガントチャート、前記リソースガントチャート、前記リソース負荷グラフ、及び前記在庫推移グラフに関する機能設定を行う機能設定部と、
前記機能設定に基づいて、前記オーダガントチャート、前記リソースガントチャート、前記リソース負荷グラフ、及び前記在庫推移グラフのうち少なくとも一つを含む出力データを作成する出力データ作成部と、
を備え、
前記リソース設定部は、
新たなオーダの前記オーダ情報を受け付けた場合に、過去に前記割当情報に追加された他のオーダのリソース使用期間との調整を行わず、当該新たなオーダのオーダ情報のみを満たすようにリソース使用期間を設定し、
前記新たなオーダのリソース使用期間を設定してから所定時間が経過したときに、
前記割当情報に記録された前記新たなオーダのリソース使用期間
と、他のオーダのリソース利用期間とが重複する場合に、
前記新たなオーダのリソース使用期間
と、他のオーダのリソース使用期間と
を異なる期間に変更
して、前記割当情報を更新する、
生産計画システム。
【請求項6】
少なくとも一つのリソースを使用して部品又は前記部品を組み立てて構成される組立品である製品を生産するための生産計画を、生産計画装置を用いて作成する生産計画方法であって、
前記生産計画装置が、前記製品の受注量及び納期を含むオーダ情報を受け付けるオーダ情報受付ステップと、
前記生産計画装置が、前記オーダ情報と、前記製品を構成する前記部品、前記組立品、及び前記部品の材料となる中間品の何れかである生産物の製造工程と、前記製造工程において使用する前記リソースとを関連付けた工程情報と、複数の前記リソースそれぞれによる前記生産物の製造可能能力を示すリソース情報とに基づいて、前記製品を生産するために使用するリソースのリソース使用期間を設定
して、複数のオーダそれぞれのリソース使用期間を記録する割当情報に追加するリソース設定ステップと、
前記生産計画装置が、前記リソース情報と、前記リソース使用期間とに基づいて、複数の前記生産物それぞれの時期別の在庫量を演算する在庫量演算ステップと、
前記生産計画装置が、前記オーダ情報と、前記リソース使用期間とに基づいて、オーダ別の作業期間を示すオーダガントチャートを作成するオーダガントチャート作成ステップと、
前記生産計画装置が、前記オーダ情報と、前記リソース使用期間とに基づいて、前記リソース別の作業期間を示すリソースガントチャートを作成するリソースガントチャート作成ステップと、
前記生産計画装置が、前記リソース使用期間に基づいて、複数の前記リソースそれぞれの時期別の負荷を表すリソース負荷グラフを作成するリソース負荷グラフ作成ステップと、
前記生産計画装置が、前記在庫量に基づいて、複数の前記生産物それぞれの時期別の在庫量の推移を表す在庫推移グラフを作成する在庫推移グラフステップと、
前記生産計画装置が、前記オーダガントチャート、前記リソースガントチャート、前記リソース負荷グラフ、及び前記在庫推移グラフに関する機能設定を行う機能設定ステップと、
前記生産計画装置が、前記機能設定に基づいて、前記オーダガントチャート、前記リソースガントチャート、前記リソース負荷グラフ、及び前記在庫推移グラフのうち少なくとも一つを含む出力データを作成する出力データ作成ステップと、
を有
し、
前記リソース設定ステップは、
新たなオーダの前記オーダ情報を受け付けた場合に、過去に前記割当情報に追加された他のオーダのリソース使用期間との調整を行わず、当該新たなオーダのオーダ情報のみを満たすようにリソース使用期間を設定し、
前記新たなオーダのリソース使用期間を設定してから所定時間が経過したときに、前記割当情報に記録された前記新たなオーダのリソース使用期間と、他のオーダのリソース利用期間とが重複する場合に、前記新たなオーダのリソース使用期間と、他のオーダのリソース使用期間とを異なる期間に変更して、前記割当情報を更新する、
生産計画方法。
【請求項7】
少なくとも一つのリソースを使用して部品又は前記部品を組み立てて構成される組立品である製品を生産するための生産計画を作成する生産計画装置のコンピュータを機能させるプログラムであって、前記コンピュータに、
前記製品の受注量及び納期を含むオーダ情報を受け付けるオーダ情報受付ステップと、
前記オーダ情報と、前記製品を構成する前記部品、前記組立品、及び前記部品の材料となる中間品の何れかである生産物の製造工程と、前記製造工程において使用する前記リソースとを関連付けた工程情報と、複数の前記リソースそれぞれによる前記生産物の製造可能能力を示すリソース情報とに基づいて、前記製品を生産するために使用するリソースのリソース使用期間を設定
して、複数のオーダそれぞれのリソース使用期間を記録する割当情報に追加するリソース設定ステップと、
前記リソース情報と、前記リソース使用期間とに基づいて、複数の前記生産物それぞれの時期別の在庫量を演算する在庫量演算ステップと、
前記オーダ情報と、前記リソース使用期間とに基づいて、オーダ別の作業期間を示すオーダガントチャートを作成するオーダガントチャート作成ステップと、
前記オーダ情報と、前記リソース使用期間とに基づいて、前記リソース別の作業期間を示すリソースガントチャートを作成するリソースガントチャート作成ステップと、
前記リソース使用期間に基づいて、複数の前記リソースそれぞれの時期別の負荷を表すリソース負荷グラフを作成するリソース負荷グラフ作成ステップと、
前記在庫量に基づいて、複数の前記生産物それぞれの時期別の在庫量の推移を表す在庫推移グラフを作成する在庫推移グラフステップと、
前記オーダガントチャート、前記リソースガントチャート、前記リソース負荷グラフ、及び前記在庫推移グラフに関する機能設定を行う機能設定ステップと、
前記機能設定に基づいて、前記オーダガントチャート、前記リソースガントチャート、前記リソース負荷グラフ、及び前記在庫推移グラフのうち少なくとも一つを含む出力データを作成する出力データ作成ステップと、
を実行させ、
前記リソース設定ステップは、
新たなオーダの前記オーダ情報を受け付けた場合に、過去に前記割当情報に追加された他のオーダのリソース使用期間との調整を行わず、当該新たなオーダのオーダ情報のみを満たすようにリソース使用期間を設定し、
前記新たなオーダのリソース使用期間を設定してから所定時間が経過したときに、
前記割当情報に記録された前記新たなオーダのリソース使用期間
と、他のオーダのリソース利用期間とが重複する場合に、
前記新たなオーダのリソース使用期間
と、他のオーダのリソース使用期間と
を異なる期間に変更
して、前記割当情報を更新する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産計画装置、生産計画システム、生産計画方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
製品の生産において、要求された納期及び生産量を満たす生産計画を作成する生産計画システムが利用されている。従来の技術では、製品オーダ別に規定された複数の製造工程それぞれのリードタイムを計算し、製造工程別の作業計画をガントチャートとして表す生産計画システムが考えられている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の生産計画システムでは、予め規定された図表(例えば特許文献1のガントチャート)により生産計画を表示出力している。しかしながら、生産する製品、製造部門等に応じて、生産計画として用いられる図表、表示すべき情報が異なる場合がある。このため、従来の技術では、製品別又は製造部門別に要件定義を行い、個別にシステムを開発する必要があった。したがって、複数の製品又は製造部門を有する生産現場では、システムそれぞれの要件定義及び開発に要する期間が長期化し、リリースまでに時間がかかる可能性があった。更に、製品別又は製造部門別にシステムの開発を行うので、開発及び不具合等発生時のメンテナンスにかかる費用が大幅に増加する可能性があった。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、開発にかかる期間及び費用を減少させることができる生産計画装置、生産計画システム、生産計画方法、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用している。
本発明の第1の態様によれば、少なくとも一つのリソースを使用して部品又は前記部品を組み立てて構成される組立品である製品を生産するための生産計画を作成する生産計画装置(2)は、前記製品の受注量及び納期を含むオーダ情報を受け付けるオーダ情報受付部(200)と、前記製品を構成する前記部品、前記組立品、及び前記部品の材料となる中間品の何れかである生産物の製造工程と、前記製造工程において使用する前記リソースとを関連付けた工程情報が記録された工程マスタ(241)と、複数の前記リソースそれぞれによる前記生産物の製造可能能力を示すリソース情報が記録されたリソースマスタ(242)と、前記オーダ情報と、前記工程情報と、前記リソース情報とに基づいて、前記製品を生産するために使用するリソースのリソース使用期間を設定するリソース設定部(201)と、前記リソース情報と、前記リソース使用期間とに基づいて、複数の前記生産物それぞれの時期別の在庫量を演算する在庫量演算部(202)と、前記オーダ情報と、前記リソース使用期間とに基づいて、オーダ別の作業期間を示すオーダガントチャートを作成するオーダガントチャート作成部(203)と、前記オーダ情報と、前記リソース使用期間とに基づいて、前記リソース別の作業期間を示すリソースガントチャートを作成するリソースガントチャート作成部(204)と、前記リソース使用期間に基づいて、複数の前記リソースそれぞれの時期別の負荷を表すリソース負荷グラフを作成するリソース負荷グラフ作成部(205)と、前記在庫量に基づいて、複数の前記生産物それぞれの時期別の在庫量の推移を表す在庫推移グラフを作成する在庫推移グラフ作成部(206)と、前記オーダガントチャート、前記リソースガントチャート、前記リソース負荷グラフ、及び前記在庫推移グラフに関する機能設定を行う機能設定部(207)と、前記機能設定に基づいて、前記オーダガントチャート、前記リソースガントチャート、前記リソース負荷グラフ、及び前記在庫推移グラフのうち少なくとも一つを含む出力データを作成する出力データ作成部(208)と、を備える。
このようにすることで、生産計画装置は、製品別又は製造部門別にユーザが要求する情報が異なっている場合であっても、機能設定部が機能設定を行うことにより、ユーザの多様なニーズに応じた出力データを作成することができる。このため、製品別又は製造部門別に異なる生産計画装置を開発する必要性が低減するので、生産計画装置の開発に係る期間及び費用を減少させることができる。
【0007】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様に係る生産計画装置(2)は、前記機能設定を記憶する設定記憶部(248)を更に備え、前記出力データ作成部(208)は、起動時に前記機能設定を取得する。
このようにすることで、生産計画装置の起動時に自動的に機能設定が行われるので、ユーザが都度設定を変更する煩雑さを低減させることができる。
【0008】
本発明の第3の態様によれば、第1又は第2の態様に係る生産計画装置(2)において、前記機能設定部(207)は、前記オーダガントチャート、前記リソースガントチャート、前記リソース負荷グラフ、及び前記在庫推移グラフそれぞれの出力の有無を設定する。
このようにすることで、生産計画装置は、機能設定部により機能設定を変更するのみの簡易な処理で、ユーザが要求する情報のみを含む出力データを作成することができる。また、生産計画装置は、ユーザにとって不要な情報を排除して、必要な情報のみを迅速に参照することが可能な出力データを作成することができるので、ユーザに対する利便性を向上させることができる。
【0009】
本発明の第4の態様によれば、第1から第3の何れか一の態様に係る生産計画装置(2)において、前記機能設定部(207)は、前記オーダガントチャート、前記リソースガントチャート、前記リソース負荷グラフ、及び前記在庫推移グラフの時間軸の表示単位を示すタイムスケールを設定し、前記出力データ作成部(208)は、設定された前記タイムスケールに基づいて前記出力データを作成する。
製品又は製造部門によって、生産期間の長短が異なる可能性がある。このような場合であっても、生産計画装置は、製品別又は製造部門別に異なるタイムスケールで出力データを作成することができる。これにより、生産計画装置は、生産期間の長さに応じた適切な出力データを作成することができる。
【0010】
本発明の第5の態様によれば、少なくとも一つのリソースを使用して部品又は前記部品を組み立てて構成される組立品である製品を生産するための生産計画を作成する生産計画システム(1)は、前記製品の受注量及び納期を含むオーダ情報を受け付けるオーダ情報受付部(200)と、前記製品を構成する前記部品、前記組立品、及び前記部品の材料となる中間品の何れかである生産物の製造工程と、前記製造工程において使用する前記リソースとを関連付けた工程情報が記録された工程マスタ(241)と、複数の前記リソースそれぞれによる前記生産物の製造可能能力を示すリソース情報が記録されたリソースマスタ(242)と、前記オーダ情報と、前記工程情報と、前記リソース情報とに基づいて、前記製品を生産するために使用するリソースのリソース使用期間を設定するリソース設定部(201)と、前記リソース情報と、前記リソース使用期間とに基づいて、複数の前記生産物それぞれの時期別の在庫量を演算する在庫量演算部(202)と、前記オーダ情報と、前記リソース使用期間とに基づいて、オーダ別の作業期間を示すオーダガントチャートを作成するオーダガントチャート作成部(203)と、前記オーダ情報と、前記リソース使用期間とに基づいて、前記リソース別の作業期間を示すリソースガントチャートを作成するリソースガントチャート作成部(204)と、前記リソース使用期間に基づいて、複数の前記リソースそれぞれの時期別の負荷を表すリソース負荷グラフを作成するリソース負荷グラフ作成部(205)と、前記在庫量に基づいて、複数の前記生産物それぞれの時期別の在庫量の推移を表す在庫推移グラフを作成する在庫推移グラフ作成部(206)と、前記オーダガントチャート、前記リソースガントチャート、前記リソース負荷グラフ、及び前記在庫推移グラフに関する機能設定を行う機能設定部(207)と、前記機能設定に基づいて、前記オーダガントチャート、前記リソースガントチャート、前記リソース負荷グラフ、及び前記在庫推移グラフのうち少なくとも一つを含む出力データを作成する出力データ作成部(208)と、を備える。
【0011】
本発明の第6の態様によれば、少なくとも一つのリソースを使用して部品又は前記部品を組み立てて構成される組立品である製品を生産するための生産計画を作成する生産計画方法であって、前記製品の受注量及び納期を含むオーダ情報を受け付けるオーダ情報受付ステップと、前記オーダ情報と、前記製品を構成する前記部品、前記組立品、及び前記部品の材料となる中間品の何れかである生産物の製造工程と、前記製造工程において使用する前記リソースとを関連付けた工程情報と、複数の前記リソースそれぞれによる前記生産物の製造可能能力を示すリソース情報とに基づいて、前記製品を生産するために使用するリソースのリソース使用期間を設定するリソース設定ステップと、前記リソース情報と、前記リソース使用期間とに基づいて、複数の前記生産物それぞれの時期別の在庫量を演算する在庫量演算ステップと、前記オーダ情報と、前記リソース使用期間とに基づいて、オーダ別の作業期間を示すオーダガントチャートを作成するオーダガントチャート作成ステップと、前記オーダ情報と、前記リソース使用期間とに基づいて、前記リソース別の作業期間を示すリソースガントチャートを作成するリソースガントチャート作成ステップと、前記リソース使用期間に基づいて、複数の前記リソースそれぞれの時期別の負荷を表すリソース負荷グラフを作成するリソース負荷グラフ作成ステップと、前記在庫量に基づいて、複数の前記生産物それぞれの時期別の在庫量の推移を表す在庫推移グラフを作成する在庫推移グラフステップと、前記オーダガントチャート、前記リソースガントチャート、前記リソース負荷グラフ、及び前記在庫推移グラフに関する機能設定を行う機能設定ステップと、前記機能設定に基づいて、前記オーダガントチャート、前記リソースガントチャート、前記リソース負荷グラフ、及び前記在庫推移グラフのうち少なくとも一つを含む出力データを作成する出力データ作成ステップと、を有する。
【0012】
本発明の第7の態様によれば、少なくとも一つのリソースを使用して部品又は前記部品を組み立てて構成される組立品である製品を生産するための生産計画を作成する生産計画装置(2)のコンピュータを機能させるプログラムであって、前記コンピュータに、前記製品の受注量及び納期を含むオーダ情報を受け付けるオーダ情報受付ステップと、前記オーダ情報と、前記製品を構成する前記部品、前記組立品、及び前記部品の材料となる中間品の何れかである生産物の製造工程と、前記製造工程において使用する前記リソースとを関連付けた工程情報と、複数の前記リソースそれぞれによる前記生産物の製造可能能力を示すリソース情報とに基づいて、前記製品を生産するために使用するリソースのリソース使用期間を設定するリソース設定ステップと、前記リソース情報と、前記リソース使用期間とに基づいて、複数の前記生産物それぞれの時期別の在庫量を演算する在庫量演算ステップと、前記オーダ情報と、前記リソース使用期間とに基づいて、オーダ別の作業期間を示すオーダガントチャートを作成するオーダガントチャート作成ステップと、前記オーダ情報と、前記リソース使用期間とに基づいて、前記リソース別の作業期間を示すリソースガントチャートを作成するリソースガントチャート作成ステップと、前記リソース使用期間に基づいて、複数の前記リソースそれぞれの時期別の負荷を表すリソース負荷グラフを作成するリソース負荷グラフ作成ステップと、前記在庫量に基づいて、複数の前記生産物それぞれの時期別の在庫量の推移を表す在庫推移グラフを作成する在庫推移グラフステップと、前記オーダガントチャート、前記リソースガントチャート、前記リソース負荷グラフ、及び前記在庫推移グラフに関する機能設定を行う機能設定ステップと、前記機能設定に基づいて、前記オーダガントチャート、前記リソースガントチャート、前記リソース負荷グラフ、及び前記在庫推移グラフのうち少なくとも一つを含む出力データを作成する出力データ作成ステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0013】
上述の生産計画装置、生産計画システム、生産計画方法、及びプログラムによれば、開発にかかる期間及び費用を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係る生産計画システムの機能構成を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るオーダ情報の一例を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る生産計画作成処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の一実施形態に係る品目情報の一例を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る工程情報の一例を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るリソース情報の一例を示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るカレンダ情報の一例を示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係るシフト情報の一例を示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る在庫情報の一例を示す図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る割当情報の一例を示す図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る出力データの一例を示す図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る設定ファイルの一例を示す図である。
【
図13】本発明の一実施形態に係る生産計画更新処理の一例を示すフローチャートである。
【
図14】本発明の一実施形態に係る生産計画装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の第1の実施形態に係る生産計画システム1について、
図1~
図14を参照しながら説明する。
本実施形態に係る生産計画システム1は、製品のオーダに応じた生産計画を作成するとともに、製品別又は製造部門別にユーザが所望する形式で生産計画を表示するためのシステムである。
【0016】
(機能構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る生産計画システムの機能構成を示す図である。
図1に示すように、生産計画システム1は、生産計画装置2と、入力装置3と、出力装置4と、端末5とを備えている。
本実施形態に係る生産計画装置2及び端末5は、PC、サーバ等のコンピュータにより構成される。なお、
図1には、生産計画システム1が1台の端末5を備えている構成が示されているが、これに限られることはない。生産計画システム1は、複数の端末5を備えていてもよい。
また、入力装置3は、ユーザによる入力を受け付ける装置であり、例えばキーボード、マウス等である。出力装置4は、ユーザ用に生産計画を出力するための装置であり、例えばディスプレイ、プリンタ等である。
【0017】
生産計画装置2は、少なくとも一つのリソースを使用して部品又は部品を組み立てて構成される組立品である製品を生産するための生産計画を作成する。リソースとは、製品の生産に用いられる場所、設備、冶具、作業員等を示す。
また、
図1に示すように、生産計画装置2は、CPU20と、入出力I/F(Interface)21と、通信I/F(Interface)22と、記録媒体24とを備えている。
【0018】
CPU20は、生産計画装置2全体の動作を司るプロセッサであり、所定のプログラムに従って動作することにより、オーダ情報受付部200、リソース設定部201、在庫量演算部202、オーダガントチャート作成部203、リソースガントチャート作成部204、リソース負荷グラフ作成部205、在庫推移グラフ作成部206、機能設定部207、出力データ作成部208としての機能を発揮する。
【0019】
オーダ情報受付部200は、「オーダ情報D1」を受け付ける。
図2は、本発明の一実施形態に係るオーダ情報の一例を示す図である。
図2に示すように、オーダ情報D1は、オーダ識別情報(オーダ番号及びオーダ名称のうち少なくとも一方)と、当該製品の受注量と、納期とを含む。また、オーダ情報D1は、製品を特定可能な製品情報として、機種及び型式を更に含んでいてもよい。更に、オーダ情報D1は、オーダの受注確度を更に含んでいてもよい。受注確度は、例えば、受注が確定する可能性を「A(高)」、「B(中)」、「C(低)」の三段階で示す情報である。
【0020】
リソース設定部201は、「オーダ情報D1(
図2)」と、オーダ情報D1により指定された製品を構成する生産物(部品、組立品、又は部品の材料となる中間品)の製造工程、及び製造工程において使用するリソースを関連付けた「工程情報D3(
図5)」と、「リソース情報D4(
図6)」とに基づいて、製品を生産するために使用するリソースの「リソース使用期間」を設定する。また、リソース設定部201は、設定した「リソース使用期間」を含む「割当情報D7(
図9)」を作成して記録媒体24に記憶する。
工程情報D3、リソース情報D4、割当情報D7の詳細については後述する。
【0021】
在庫量演算部202は、「リソース情報D4(
図6)」と、「リソース使用期間」とに基づいて、複数の生産物それぞれの時期別の「在庫量」を演算する。また、在庫量演算部202は、演算した「在庫量」を含む「在庫情報D8(
図10)」を作成して記録媒体24に記憶する。
在庫情報D8の詳細については後述する。
【0022】
オーダガントチャート作成部203は、「オーダ情報D1(
図2)」と、「リソース使用期間」とに基づいて、オーダ別の作業期間を示すオーダガントチャートを作成する。
なお、本実施形態において、オーダガントチャートは、生産計画の表示形式の一例である。
【0023】
リソースガントチャート作成部204は、「オーダ情報D1(
図2)」と、「リソース使用期間」とに基づいて、リソース別の作業期間を示すリソースガントチャートを作成する。
なお、本実施形態において、リソースガントチャートは、生産計画の表示形式の一例である。
【0024】
リソース負荷グラフ作成部205は、「リソース使用期間」に基づいて、複数のリソースそれぞれの時期別の負荷を表すリソース負荷グラフ(負荷山積みグラフ)を作成する。
なお、本実施形態において、リソース負荷グラフは、生産計画の表示形式の一例である。
【0025】
在庫推移グラフ作成部206は、「在庫量」に基づいて、複数の生産物それぞれの時期別の在庫量の推移を表す在庫推移グラフを作成する。
なお、本実施形態において、在庫推移グラフは、生産計画の表示形式の一例である。
【0026】
機能設定部207は、オーダガントチャート、リソースガントチャート、リソース負荷グラフ、及び在庫推移グラフに関する機能設定を行う。このとき、機能設定部207は、入力装置3を介してユーザにより入力された設定値に基づいて機能設定を行う。機能設定部207は、ユーザにより入力された設定値を設定ファイルD10(
図12)に書き込んで記録媒体24に記憶する。設定ファイルD10の詳細については後述する。
【0027】
出力データ作成部208は、機能設定に基づいて、オーダガントチャート、リソースガントチャート、リソース負荷グラフ、及び在庫推移グラフのうち少なくとも一つを含む出力データD9(
図11)を作成する。出力データD9の詳細については後述する。
また、出力データ作成部208は、起動時に記録媒体24に記録された機能設定(設定ファイルD10)を取得する。
【0028】
入出力I/F21は、入力装置3からの入力を受け付けるとともに、出力データ作成部208が作成した出力データを出力装置4に出力する。
ユーザは、入力装置3を介してオーダ情報D1の入力操作、機能設定の入力操作等を行う。また、ユーザは、出力装置4であるディスプレイ、又はプリンタによる印刷物を介して、生産計画を閲覧することができる。
【0029】
通信I/F22は、ネットワークNWを介して端末5と各種情報の送受信を行う。
例えば、通信I/F22は、ユーザが端末5に入力したオーダ情報D1を受信する。また、通信I/F22は、出力データ作成部208が作成した出力データD9を端末5に送信し、ユーザが端末5上で出力データD9を閲覧できるようにしてもよい。
【0030】
記録媒体24は、品目マスタ240と、工程マスタ241と、リソースマスタ242と、カレンダマスタ243と、シフトマスタ244と、オーダ情報記憶部245と、割当情報記憶部246と、在庫情報記憶部247と、設定記憶部248とを有している。
品目マスタ240には、製品を構成する全ての生産物に関する情報である品目情報D2(
図4)が予め記録されている。
工程マスタ241には、工程情報D3(
図5)が予め記録されている。
リソースマスタ242には、リソース情報D4(
図6)が予め記録されている。
カレンダマスタ243には、複数のリソースそれぞれが稼働できる日を登録したカレンダ情報D5(
図7)が予め記録されている。
シフトマスタ244には、複数のリソースそれぞれの稼働シフトを登録したシフト情報D6(
図8)が予め記録されている。
オーダ情報記憶部245には、オーダ情報受付部200が受け付けたオーダ情報D1(
図2)が蓄積される。
割当情報記憶部246には、リソース設定部201により作成された割当情報D7(
図9)が記録される。
在庫情報記憶部247には、在庫量演算部202により作成された在庫情報D8(
図10)が記録される。
設定記憶部248には、機能設定部207により設定された機能設定が書き込まれた設定ファイルD10(
図12)が記録される。
なお、品目マスタ240、工程マスタ241、リソースマスタ242、カレンダマスタ243、シフトマスタ244は、編集権限を有するユーザにより、品目情報D2、工程情報D3、リソース情報D4、カレンダ情報D5、シフト情報D6の編集(追加、削除、変更)を受け付けてもよい。このとき、ユーザは、入力装置3又は端末5を介して各種情報を編集する。
【0031】
(生産計画作成処理のフローチャート)
図3は、本発明の一実施形態に係る生産計画作成処理の一例を示すフローチャートである。
図3に示すように、まず、オーダ情報受付部200は、ユーザから入力されたオーダ情報D1(
図2)を受け付ける(ステップS10)。オーダ情報受付部200が受け付けたオーダ情報D1は、オーダ情報記憶部245に記憶されて蓄積される。
【0032】
次に、リソース設定部201は、オーダ情報D1が示す製品の生産に必要な生産物と、生産物それぞれを製造するための製造工程と、製造工程それぞれにおいて使用するリソースとを特定する(ステップS11)。
図4は、本発明の一実施形態に係る品目情報の一例を示す図である。
本実施形態に係る品目情報D2は、
図4に示すように、品目グループと、生産物識別情報(品目番号及び品目名称のうち少なくとも一方)と、生産物の親子関係(生産物により構成される親品目、生産物の部品又は材料となる子品目)を示す情報とを含む。
また、
図5は、本発明の一実施形態に係る工程情報の一例を示す図である。
工程情報D3は、製品を構成する生産物(部品、組立品、及び部品の材料となる中間品の何れか)の製造工程と、製造工程において使用するリソースとを関連付けた情報である。本実施形態に係る工程情報D3は、
図5に示すように、生産物を特定可能な生産物識別情報(品目番号及び品目名称のうち少なくとも一方)と、製造工程を特定可能な工程識別情報(工程番号及び工程名称のうち少なくとも一方)と、製造工程のリードタイム及び工数と、製造工程それぞれにおける使用リソースを示す情報と、製造工程の前後関係(前工程及び後工程)を示す情報とを含む。
リソース設定部201は、品目情報D2を参照してオーダ情報D1が示す製品に必要な生産物(部品、組立品、中間品)を特定する。そして、リソース設定部201は、工程情報D3を参照して、生産物それぞれに対し必要な製造工程及びリソースを特定する。
【0033】
次に、リソース設定部201は、オーダ情報D1と、リソース情報D4とに基づいて、ステップS11において特定したリソースそれぞれの使用期間を設定する(ステップS12)。
図6は、本発明の一実施形態に係るリソース情報の一例を示す図である。
リソース情報D4は、複数のリソースそれぞれによる生産物の製造可能能力を示す情報である。リソース情報D4は、
図6に示すように、リソース種別と、リソース識別情報(リソース番号及びリソース名称のうち少なくとも一方)と、リソース数と、製造可能能力とを含む。製造可能能力は、リソースが単位時間(例えば1日)内に製造可能な生産物の下限値及び上限値を示す情報である。リソース数は、例えば設備及び冶具の保有台数、作業員の人数等である。
例えば、リソース設定部201は、オーダ情報D1に示された製品及び受注量に応じた生産物それぞれの必要量を計算する。そして、リソース設定部201は、リソース情報D4の製造可能能力及びリソース数に基づいて、生産物それぞれの必要量を製造するために必要なリソース使用期間をリソース別に設定する。
このとき、リソース設定部201は、リソースそれぞれの使用期間が最短となるようにリソース使用期間を設定してもよい。また、リソース設定部201は、ユーザにより機能設定部207を介して設定された機能設定(例えばリソースの使用数、使用開始日等)に基づいてリソース使用期間を設定するようにしてもよい。
【0034】
図7は、本発明の一実施形態に係るカレンダ情報の一例を示す図である。
本実施形態に係るカレンダ情報D5には、
図7に示すように、リソース種別と、リソース識別情報(リソース番号及びリソース名称のうち少なくとも一方)と、稼働状態とが関連付けられて登録されている。稼働状態は、リソースそれぞれが稼働できるか否かを日別に表す情報である。
図8は、本発明の一実施形態に係るシフト情報の一例を示す図である。
本実施形態に係るシフト情報D6には、
図8に示すように、リソース種別と、リソース識別情報(リソース番号及びリソース名称のうち少なくとも一方)と、稼働シフトとが関連付けられて登録されている。稼働シフトは、リソースそれぞれが稼働できる時間枠を表す情報である。
リソース設定部201は、カレンダ情報D5及びシフト情報D6を参照し、リソースの稼働日及び稼働時間に応じたリソース使用期間を設定するようにしてもよい。
【0035】
次に、リソース設定部201は、ステップS12において設定したリソース別のリソース使用期間を割当情報D7(
図9)に追加する(ステップS13)。
図9は、本発明の一実施形態に係る割当情報の一例を示す図である。
割当情報D7は、複数のリソースそれぞれが、どのオーダによりどの期間使用されるかを示す情報である。例えば、
図9に示すように、割当情報D7は、リソース種別と、リソース識別情報(リソース番号及びリソース名称のうち少なくとも一方)と、オーダ識別情報(オーダ番号及びオーダ名称のうち少なくとも一方)と、リソース使用期間とが、リソース別に関連付けられて記録されている。リソース使用期間は、例えばリソースの使用開始日及び使用終了日で表される。また、稼働シフト別に異なる製造工程を実施できる場合、リソース使用期間は、更に稼働シフトを特定可能な情報(使用開始時刻及び使用終了時刻)を含んでもよい。
なお、割当情報記憶部246には、リソース設定部201が他のオーダ(過去に受け付けたオーダ情報D1)用に作成した割当情報D7が予め記録されているものとする。
また、この時点では、リソース設定部201は、割当情報D7に記録されている他のオーダ用のリソース使用期間は考慮しない。
【0036】
次に、在庫量演算部202は、リソース情報D4(
図6)と、割当情報D7(
図9)に記録されたリソース使用期間とに基づいて、生産物それぞれの時期別の在庫量を演算する(ステップS14)。在庫量演算部202は、演算した在庫量を在庫情報D8(
図10)に記録する。
図10は、本発明の一実施形態に係る在庫情報の一例を示す図である。
在庫情報D8は、複数の生産物それぞれの時期別の在庫量を含む情報である。例えば、
図10に示すように、在庫情報D8は、品目グループと、生産物識別情報(品目番号及び品目名称のうち少なくとも一方)と、在庫量の上限値及び下限値と、在庫量に関する示す情報とを含む。在庫量に関する情報は、例えば、日別の在庫量の他、入庫量及び出庫量を含んでいてもよい。なお、在庫情報記憶部247には、過去に在庫量演算部202が作成した在庫情報D8が予め記録されているものとする。
例えば、在庫量演算部202は、リソースそれぞれがリソース使用期間中に製造可能能力の上限値で製造を実施すると仮定して、リソースそれぞれによる日別の製造量を計算し、生産物別の入庫量を計算する。なお、同一の生産物を製造するリソースが複数ある場合は、複数のリソースそれぞれの日別の製造量を合計した値を入庫量とする。
また、出庫量は、過去に作成された生産計画に基づく値が入力されている。在庫量演算部202は、生産物の日別の入庫量及び出庫量に基づいて、日別の在庫量を計算する。
【0037】
次に、オーダガントチャート作成部203は、オーダ情報D1(
図2)と、割当情報D7(
図9)に記録されたリソース使用期間とに基づいて、オーダガントチャートを作成する(ステップS15)。
【0038】
次に、リソースガントチャート作成部204は、オーダ情報D1(
図2)と、割当情報D7(
図9)に記録されたリソース使用期間とに基づいて、リソースガントチャートを作成する(ステップS16)。
【0039】
次に、リソース負荷グラフ作成部205は、割当情報D7(
図9)に記録されたリソース使用期間に基づいて、リソース負荷グラフを作成する(ステップS17)。
【0040】
次に、在庫推移グラフ作成部206は、在庫情報D8(
図10)に記録された「在庫量」に基づいて在庫推移グラフを作成する(ステップS18)。
【0041】
次に、出力データ作成部208は、設定ファイルD10(
図12)に記録された機能設定に基づいて出力データD9(
図11)を作成する(ステップS19)。
【0042】
図11は、本発明の一実施形態に係る出力データの一例を示す図である。
図11に示すように、出力データ作成部208は、オーダガントチャートP1、リソースガントチャートP2、リソース負荷グラフP3、及び在庫推移グラフP4のうち少なくとも一つを含む出力データD9を作成する。
オーダガントチャートP1は、オーダ別の作業期間を階層別に表示する。例えば、
図11に示すように、オーダガントチャートP1は、オーダ全体の作業期間(大工程)を示す第1階層と、生産物別の作業期間(中工程)を示す第2階層と、製造工程別の作業期間(小工程)を示す第3階層との3つの階層に分けて表示される。なお、オーダガントチャートP1は、更に多くの階層(例えば5階層)に分けて表示されてもよい。
また、オーダガントチャートP1は、項目表示領域P1A及びガントチャート表示領域P1Bにより構成される。
項目表示領域P1Aには、オーダ、生産物、製造工程それぞれの詳細情報として、例えばオーダ番号及びオーダ名称、品目番号及び品目名称、工程番号及び工程名称、計画着手日、計画完了日等が表示される。
ガントチャート表示領域P1Bには、階層別の作業期間を示す計画線(ガントバー)が表示される。また、ガントチャート表示領域P1Bには、階層別の進捗率を表す進捗線、実際の実施期間を表す実績線等が更に表示されてもよい。
【0043】
リソースガントチャートP2は、リソース別の作業期間(リソース使用期間)を階層別に表示する。例えば、
図11に示すように、リソースガントチャートP2は、ある一つのリソースを使用する全ての製造工程に設定されたリソース使用期間を1行に統合して表示する第1階層と、1行につき一つの製造工程のリソース使用期間を表示する第2階層とに分けて表示される。
また、リソースガントチャートP2は、項目表示領域P2A及びガントチャート表示領域P2Bにより構成される。
項目表示領域P2Aには、リソースの使用に関する情報として、例えば表示カテゴリ、リソース種別、リソース名称、オーダ番号、品目名称、工程名称等が表示される。表示カテゴリは、場所、設備、冶具、作業員のうち何れのカテゴリに属するリソースを抽出して表示するかを示す情報である。
ガントチャート表示領域P2Bには、階層別のリソース使用期間を示す計画線(ガントバー)が表示される。また、ガントチャート表示領域P2Bには、階層別の進捗率を表す進捗線、実際の実施期間を表す実績線等が更に表示されてもよい。
【0044】
リソース負荷グラフP3は、リソースそれぞれの時期別の負荷を表示する。時期別の負荷は、例えば、
図11に示すように月別のリソース使用時間の合計で表される。
また、リソース負荷グラフP3は、項目表示領域P3A及びグラフ表示領域P3Bにより構成される。
項目表示領域P3Aには、グラフ表示領域P3Bに表示するリソースのカテゴリ、リソース種別、リソース名等が表示される。また、項目表示領域P3Aには、グラフ表示領域P3Bに表示されるグラフの凡例が表示されていてもよい。
グラフ表示領域P3Bには、時期別のリソースの負荷が棒グラフで表示される。なお、同一のリソースが複数ある場合、複数のリソースのリソース使用時間を合計した積み上げ棒グラフで表現してもよい。また、グラフ表示領域P3Bには、リソースそれぞれに設定された負荷の上限値及び下限値を示すグラフが更に表示されてもよい。
【0045】
在庫推移グラフP4は、生産物それぞれの時期別の在庫量を表示する。
また、在庫推移グラフP4は、項目表示領域P4A及びグラフ表示領域P4Bにより構成される。
項目表示領域P4Aには、グラフ表示領域P4Bに表示する品目グループ等が表示される。また、項目表示領域P4Aには、グラフ表示領域P4Bに表示されるグラフの凡例が表示されていてもよい。
グラフ表示領域P4Bには、例えば
図11に示すように、品目グループに属する生産物の月別の入庫数及び出庫数がそれぞれ積み上げ棒グラフで表示される。また、グラフ表示領域P4Bには、月別の在庫量及び在庫量の上限値を示す折れ線グラフが更に表示されてもよい。
【0046】
図12は、本発明の一実施形態に係る設定ファイルの一例を示す図である。
機能設定部207は、ユーザの入力に従って機能設定を行うと、設定項目それぞれの設定値を設定ファイルD10に書き込んで設定記憶部248に記録する。なお、
図12の例では、複数の機能設定が一つの設定ファイルD10に記録されている態様について説明するが、これに限られることはない。他の実施形態では、機能設定は複数の異なる設定ファイルに記録されていてもよい。
図12に示すように、設定ファイルD10には、例えば生産計画装置2全体の機能に関する「全体設定」と、オーダガントチャート及びリソースガントチャートに共通する機能に関する「ガントチャート設定」と、オーダガントチャートの機能に関する「オーダガントチャート設定」と、リソースガントチャートの機能に関する「リソースガントチャート設定」と、リソース負荷グラフの機能に関する「リソース負荷グラフ設定」と、在庫推移グラフの機能に関する「在庫推移グラフ設定」とが含まれている。
【0047】
全体設定には、例えば、「オーダガントチャート表示」、「リソースガントチャート表示」、「リソース負荷グラフ表示」、「在庫推移グラフ表示」、「タイムスケール」等が含まれる。
オーダガントチャート表示、リソースガントチャート表示、リソース負荷グラフ表示、在庫推移グラフ表示は、それぞれオーダガントチャートP1、リソースガントチャートP2、リソース負荷グラフP3、在庫推移グラフP4それぞれの表示の有無(ON又はOFF)を示す設定項目である。例えば、
図12に示すように在庫推移グラフ表示の設定値が「OFF」に設定された場合、出力データ作成部208は在庫推移グラフP4を含まない出力データD9を作成する。
タイムスケールは、オーダガントチャートP1、リソースガントチャートP2、リソース負荷グラフP3、在庫推移グラフP4の目盛(時間軸)の表示単位を示す設定項目である。例えばタイムスケールは、「時間」、「日」、「週」、「月」、「半年」、「年」のうちユーザが選択した値が設定される。
【0048】
ガントチャート設定には、例えば、「進捗線表示」、「実績線表示」、「ポップアップ表示」、「ステータス別表示色」等の表示設定が含まれる。
進捗線表示は、各工程の現在の進捗率を表す進捗線の表示の有無(ON又はOFF)を示す設定項目である。
実績線表示は、各工程を実際に実施した期間を表す実績線の表示の有無(ON又はOFF)を示す設定項目である。また、実績線表示がONに設定されている場合、実績線を計画線と同一行に表示する(1行表示)か、計画線の下段に表示する(2行表示)かを更に設定できるようにしてもよい。
ポップアップ表示は、ポップアップの有無(ON又はOFF)を示す設定項目である。ポップアップ表示がONに設定されている場合、ユーザがガントチャート表示領域P1B、P2Bのガントバー(計画線又は実績線)にマウスカーソルを移動させたとき、当該ガントバーに関連する生産物又は製造工程に関する情報(例えば品目番号、品目名称、工程番号、工程名称等)をポップアップ表示する。また、ポップアップ表示する情報をユーザが設定できるようにしてもよい。
ステータス別表示色は、生産物又は製造工程の進捗ステータスに応じてガントバーの表示色を変えるか否かを示す設定項目である。ステータス別表示色がONに設定されている場合、進捗ステータス(「未着手」、「着手中」、「完了」、「納期遅れ」の何れか)に応じてガントバーの色が自動的に変更される。また、ユーザが進捗ステータスそれぞれの表示色を任意に変更できるようにしてもよい。
【0049】
オーダガントチャート設定には、例えば、「階層別表示項目」、「ガントバー表示項目」、「表示順」、「検索条件」等の表示設定が含まれる。
階層別表示項目は、オーダガントチャートP1の項目表示領域P1Aに詳細情報として表示する情報を指定する設定項目である。例えば、階層別表示項目として、オーダ番号、オーダ名称、品目番号、品目名称、工程番号、工程名称、計画着手日、計画完了日、納期、進捗率、実績(実際の作業着手日及び作業完了日)等の表示の有無が設定可能である。
ガントバー表示項目は、ガントチャート表示領域P1Bのガントバー(計画線及び実績線)上に表示する情報を階層別に指定する設定項目である。例えば、ガントバー表示項目として、オーダ番号、オーダ名称、品目番号、品目名称、工程番号、工程名称等の表示の有無が設定可能である。
表示順は、オーダガントチャートP1の表示順序を階層別に指定する設定項目である。例えば、オーダガントチャートP1を着手順に表示するか、データの昇順又は降順で表示するかを設定可能である。
検索条件は、ユーザが入力した検索キーワードを示す設定項目である。出力データ作成部208は、オーダガントチャート作成部203が作成したオーダガントチャートP1のうち、検索キーワードに合致する項目(オーダ、生産物、又は製造工程)のみを抽出して出力データD9を作成する。
【0050】
リソースガントチャート設定には、例えば、「表示カテゴリ」、「階層別表示項目」、「ガントバー表示項目」、「表示順」、「検索条件」等の表示設定が含まれる。
表示カテゴリは、場所、設備、冶具、作業員のうち何れのカテゴリに属するリソースを抽出して表示するかを示す設定項目である。出力データ作成部208は、リソースガントチャート作成部204が作成したリソースガントチャートP2のうち、表示カテゴリで指定されたカテゴリに属するリソースのみを抽出して出力データD9を作成する。
階層別表示項目は、リソースガントチャートP2の項目表示領域P2Aに詳細情報として表示する情報を指定する設定項目である。例えば、階層別表示項目として、カテゴリ、リソース種別、リソース番号、リソース名称、オーダ番号、オーダ名称、品目番号、品目名称、工程番号、工程名称、計画着手日、計画完了日、納期、進捗率、実績(実際の作業着手日及び作業完了日)等の表示の有無が設定可能である。
ガントバー表示項目は、ガントチャート表示領域P2Bのガントバー(計画線及び実績線)上に表示する情報を階層別に指定する設定項目である。例えば、ガントバー表示項目として、オーダ番号、オーダ名称、品目番号、品目名称、工程番号、工程名称等の表示の有無が設定可能である。
表示順は、リソースガントチャートP2の表示順序を階層別に指定する設定項目である。例えば、リソースガントチャートP2を着手順に表示するか、データの昇順又は降順で表示するかを設定可能である。
検索条件は、ユーザが入力した検索キーワードを示す設定項目である。出力データ作成部208は、リソースガントチャート作成部204が作成したリソースガントチャートP2のうち、検索キーワードに合致する項目(リソース、オーダ、生産物、又は製造工程)のみを抽出して出力データD9を作成する。
【0051】
リソース負荷グラフ設定には、例えば、「表示色」、「表示最大数」等、「表示リソース」の表示設定が含まれる。
表示色は、グラフ表示領域P3Bのグラフの要素別の表示色を示す設定項目である。
表示最大数は、リソース負荷グラフP3に表示されるリソースの個数を示す設定項目である。例えば表示最大数が「3」に設定された場合、リソース負荷グラフP3は項目表示領域P3A及びグラフ表示領域P3Bを3組表示する。
表示リソースは、組別にどのリソースに関連するグラフを表示するかを示す設定項目である。例えば、
図11に示すように、項目表示領域P3Aに表示されたプルダウンメニューからユーザがリソース番号を選択すると、選択されたリソース番号に関連するグラフがグラフ表示領域P3Bに表示される。なお、表示最大数が2以上に設定されている場合、組別に異なるリソースを設定可能である。
【0052】
在庫推移グラフ設定には、例えば、「表示色」、「表示最大数」等、「表示品目グループ」の表示設定が含まれる。
表示色は、グラフ表示領域P4Bのグラフの要素別の表示色を示す設定項目である。
表示最大数は、在庫推移グラフP4に表示される品目グループの個数を示す設定項目である。例えば表示最大数が「2」に設定された場合、在庫推移グラフP4は項目表示領域P4A及びグラフ表示領域P4Bを2組表示する。
表示品目グループは、組別にどの品目グループに関連するグラフを表示するかを示す設定項目である。例えば、
図11に示すように、項目表示領域P4Aに表示されたプルダウンメニューからユーザが品目グループを選択すると、選択された品目グループに関連するグラフがグラフ表示領域P4Bに表示される。なお、表示最大数が2以上に設定されている場合、組別に異なる品目グループを設定可能である。
【0053】
図3に戻り、出力データ作成部208が上述の各機能設定に基づいて出力データD9を作成すると、生産計画作成処理は終了となる。
【0054】
(生産計画更新処理のフローチャート)
図13は、本発明の一実施形態に係る生産計画更新処理の一例を示すフローチャートである。
上述の生産計画作成処理(
図3)では、リソース設定部201が新たに受け付けたオーダ情報D1に対するリソース使用期間の設定を行う際、処理時間を短縮化するために、割当情報D7に記録されている他のオーダ用のリソース使用期間は考慮しない。このため、複数のオーダのリソース使用期間が重複してしまう可能性がある。
このため、生産計画装置2は、
図13に示すように、全オーダのリソース使用期間を調整して、重複等のエラーを解消する生産計画更新処理を実行する。
【0055】
まず、リソース設定部201は、生産計画の更新要求を受信したか否かを判断する(ステップS20)。
例えば、機能設定部207は、予めユーザが指定した時間(例えば1時間)経過毎にリソース設定部201に更新要求を送信する機能設定を行う。また、ユーザが入力装置3を介して更新を指示する操作を行った場合、リソース設定部201に更新要求が送信されるようにしてもよい。
【0056】
リソース設定部201は、更新要求を受信していない場合(ステップS20:NO)、更新要求を受信するまで待機する。
【0057】
また、リソース設定部201は、更新要求を受信した場合(ステップS20:YES)、リソース使用期間を更新する処理を実行する(ステップS21)。
例えば、リソース設定部201は、割当情報D7(
図9)を参照してリソース使用期間が重複しているリソースがある場合、カレンダ情報D5(
図7)と、シフト情報D6(
図8)と、割当情報D7とを参照して、リソースの稼働日且つ他のオーダにより使用されていない期間を探して、リソース使用期間の重複を解消する。
また、例えば、リソース設定部201は、ユーザが入力装置3を介してリソース使用期間の変更操作を行った場合、当該変更操作に応じてリソース使用期間を更新するようにしてもよい。
更に、リソース設定部201は、在庫情報D8(
図10)を参照して、生産物の在庫量の多寡に応じてリソース使用期間を調整するようにしてもよい。例えば、生産物の在庫量が上限値を超える場合は、在庫の出庫数を増加させるとともに、当該生産物を製造するためのリソースの使用が減少するようにリソース使用期間を調整する。一方、生産物の在庫量が下限値以下となる場合は、在庫の出庫数を減少させるとともに、当該生産物を製造するためのリソースの使用が増加するようにリソース使用期間を調整する。
リソース設定部201は、更新したリソース使用期間を割当情報D7に上書きして更新する。
【0058】
次に、在庫量演算部202は、リソース情報D4(
図6)と、更新後の割当情報D7(
図9)に記録されたリソース使用期間とに基づいて、生産物それぞれの時期別の在庫量を演算する(ステップS22)。在庫量演算部202は、演算した在庫量を在庫情報D8(
図10)に記録する。
【0059】
次に、オーダガントチャート作成部203、リソースガントチャート作成部204、リソース負荷グラフ作成部205、及び在庫推移グラフ作成部206は、それぞれオーダガントチャート、リソースガントチャート、リソース負荷グラフ、及び在庫推移グラフを更新する(ステップS23)。
【0060】
次に、出力データ作成部208は、設定ファイルD10(
図12)に記録された機能設定に基づいて出力データD9(
図11)を作成する(ステップS24)。出力データ作成部208が各機能設定に基づいて出力データD9を作成すると、生産計画更新処理は終了となる。
【0061】
(ハードウェア構成)
図14は、本発明の一実施形態に係る生産計画装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
以下、
図14を参照して、上述の少なくとも一つの実施形態に係る生産計画装置2のハードウェア構成の一例について説明する。
図14に示すように、コンピュータ900は、CPU901、主記憶装置902、補助記憶装置903、インタフェース904を備える。
上述の生産計画装置2は、コンピュータ900に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置903に記憶されている。CPU901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU901は、プログラムに従って、生産計画装置2が各種処理に用いる記憶領域を主記憶装置902に確保する。また、CPU901は、プログラムに従って、処理中のデータを記憶する記憶領域を補助記憶装置903に確保する。
【0062】
補助記憶装置903の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。補助記憶装置903は、コンピュータ900のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インタフェース904又は通信回線を介してコンピュータ900に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ900に配信される場合、配信を受けたコンピュータ900が当該プログラムを主記憶装置902に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、補助記憶装置903は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0063】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
更に、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置903に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0064】
(作用効果)
以上のように、本実施形態に係る生産計画装置2は、少なくとも一つのリソースを使用して部品又は部品を組み立てて構成される組立品である製品を生産するための生産計画を作成する生産計画装置2であって、製品の受注量及び納期を含むオーダ情報D1を受け付けるオーダ情報受付部200と、製品を構成する部品、組立品、及び部品の材料となる中間品の何れかである生産物の製造工程と、製造工程において使用するリソースとを関連付けた工程情報D3が記録された工程マスタ241と、複数のリソースそれぞれによる生産物の製造可能能力を示すリソース情報D4が記録されたリソースマスタ242と、オーダ情報D1と、工程情報D3と、リソース情報D4とに基づいて、製品を生産するために使用するリソースのリソース使用期間を設定するリソース設定部201と、リソース情報D4と、リソース使用期間とに基づいて、複数の生産物それぞれの時期別の在庫量を演算する在庫量演算部202と、オーダ情報D1と、リソース使用期間とに基づいて、オーダ別の作業期間を示すオーダガントチャートを作成するオーダガントチャート作成部203と、オーダ情報D1と、リソース使用期間とに基づいて、リソース別の作業期間を示すリソースガントチャートを作成するリソースガントチャート作成部204と、リソース使用期間に基づいて、複数のリソースそれぞれの時期別の負荷を表すリソース負荷グラフを作成するリソース負荷グラフ作成部205と、在庫量に基づいて、複数の生産物それぞれの時期別の在庫量の推移を表す在庫推移グラフを作成する在庫推移グラフ作成部206と、オーダガントチャート、リソースガントチャート、リソース負荷グラフ、及び在庫推移グラフに関する機能設定を行う機能設定部207と、機能設定に基づいて、オーダガントチャート、リソースガントチャート、リソース負荷グラフ、及び在庫推移グラフのうち少なくとも一つを含む出力データD9を作成する出力データ作成部208と、を備える。
このようにすることで、生産計画装置2は、製品別又は製造部門別にユーザが要求する情報が異なっている場合であっても、機能設定部207が機能設定を行うことにより、ユーザの多様なニーズに応じた出力データD9を作成することができる。このため、製品別又は製造部門別に異なる生産計画装置2を開発する必要性が低減するので、生産計画装置2の開発に係る期間及び費用を減少させることができる。
【0065】
また、生産計画装置2は、機能設定(設定ファイルD10)を記憶する設定記憶部248を更に備え、出力データ作成部208は、起動時に機能設定を取得する。
このようにすることで、生産計画装置2の起動時に自動的に機能設定が行われるので、ユーザが都度設定を変更する煩雑さを低減させることができる。
【0066】
また、機能設定部207は、オーダガントチャート、リソースガントチャート、リソース負荷グラフ、及び在庫推移グラフそれぞれの出力の有無を設定する。
このようにすることで、生産計画装置2は、機能設定を変更するのみの簡易な処理で、ユーザが要求する情報のみを含む出力データD9を作成することができる。また、生産計画装置2は、ユーザにとって不要な情報を排除して、必要な情報のみを迅速に参照することが可能な出力データD9を作成することができるので、ユーザに対する利便性を向上させることができる。
【0067】
また、機能設定部207は、オーダガントチャート、リソースガントチャート、リソース負荷グラフ、及び在庫推移グラフの時間軸の表示単位を示すタイムスケールを設定し、出力データ作成部208は、設定されたタイムスケールに基づいて出力データD9を作成する。
製品又は製造部門によって、生産期間の長短が異なる可能性がある。このような場合であっても、生産計画装置2は、製品別又は製造部門別に異なるタイムスケールで出力データD9を作成することができる。これにより、生産計画装置2は、生産期間の長さに応じた適切な出力データD9を作成することができる。
【0068】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の技術的思想を逸脱しない限り、これらに限定されることはなく、多少の設計変更等も可能である。
例えば、上述の実施形態において、品目マスタ240、工程マスタ241、リソースマスタ242、カレンダマスタ243、及びシフトマスタ244が生産計画装置2の記録媒体24に設けられている態様について説明したが、これに限られることはない。他の実施形態では、品目マスタ240、工程マスタ241、リソースマスタ242、カレンダマスタ243、及びシフトマスタ244は、生産計画装置2とネットワークNWを介して接続されたデータサーバ(不図示)に設けられていてもよい。また、生産計画システム1は複数の生産計画装置2を備え、複数の生産計画装置2が当該データサーバを共有するようにしてもよい。
更に、生産計画システム1が複数の生産計画装置2を備えている場合であって、且つ、ユーザの機能設定に対する要求が共通している場合、これら生産計画装置2の導入時、ユーザの要求を反映させた設定ファイルD10を、予め各生産計画装置2の設定記憶部248に記録しておいてもよい。そうすると、生産計画装置2それぞれが起動した際に、自動的に機能設定部207が設定ファイルD10を読み込んで機能設定を行うので、生産計画装置2の導入時にユーザが機能設定を実行する手間を省くことができる。
【符号の説明】
【0069】
1 生産計画システム
2 生産計画装置
20 CPU
24 記録媒体
200 オーダ情報受付部
201 リソース設定部
202 在庫量演算部
203 オーダガントチャート作成部
204 リソースガントチャート作成部
205 リソース負荷グラフ作成部
206 在庫推移グラフ作成部
207 機能設定部
208 出力データ作成部
240 品目マスタ
241 工程マスタ
242 リソースマスタ
243 カレンダマスタ
244 シフトマスタ
245 オーダ情報記憶部
246 割当情報記憶部
247 在庫情報記憶部
248 設定記憶部
3 入力装置
4 出力装置
5 端末