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特許7177627走行制御装置、自動走行車両、運行システム、走行制御方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】走行制御装置、自動走行車両、運行システム、走行制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20221116BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20221116BHJP
   B64F 1/32 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
G08G1/00 X
G08G1/09 D
B64F1/32
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018150185
(22)【出願日】2018-08-09
(65)【公開番号】P2020027321
(43)【公開日】2020-02-20
【審査請求日】2021-03-09
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】北嶋 一欽
(72)【発明者】
【氏名】辻井 崇
(72)【発明者】
【氏名】伊東 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】野沢 隆勝
【審査官】西中村 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-109815(JP,A)
【文献】国際公開第2017/057053(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
B64F 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行を制御する走行制御装置であって、
衛星航法による測位情報に基づいて、前記車両と異なる移動体の停留の目標となる予め規定された位置である停留基準位置に基づいて規定された目的地へ向かう走行経路に沿って前記車両を走行させる第1走行制御を行う第1走行制御部と、
規定された通路に沿って設けられた経路案内識別子の検出結果に基づいて、前記走行経路に沿って前記車両を走行させる第2走行制御を行う第2走行制御部と、
前記通路上に規定された切替区間において、前記第1走行制御と前記第2走行制御とを切り替える走行制御切替部と
前記停留基準位置と前記移動体とが写る画像を取得する画像取得部と、
前記画像に基づいて前記停留基準位置と前記移動体が停留した実際の位置である停留位置との誤差を特定する誤差特定部と、
前記誤差に基づいて前記走行経路を補正する経路補正部と
を備える走行制御装置。
【請求項2】
前記走行制御切替部は、前記経路案内識別子が設けられた屋外の前記切替区間において、前記第1走行制御と前記第2走行制御とを切り替える
請求項1に記載の走行制御装置。
【請求項3】
前記走行制御切替部は、前記第1走行制御によって前記車両が前記切替区間に到達した場合において、前記経路案内識別子が検出された場合に、前記第1走行制御から前記第2走行制御に切り替える
請求項2に記載の走行制御装置。
【請求項4】
前記走行制御切替部は、前記第2走行制御によって前記車両が前記切替区間に到達した場合において、所定の精度以上の前記測位情報が取得された場合に、前記第2走行制御から前記第1走行制御に切り替える
請求項2または請求項3に記載の走行制御装置。
【請求項5】
車両の走行を制御する走行制御装置であって、
移動体の停留基準位置の近傍の目的地へ向かう経路である走行経路に沿って前記車両を走行させる走行制御部と、
前記停留基準位置と前記移動体とが写る画像を取得する画像取得部と、
前記画像に基づいて前記停留基準位置と前記移動体の停留位置との誤差を特定する誤差特定部と、
前記目的地および前記走行経路を前記誤差に対応する距離の分ずらす経路補正部と
を備える走行制御装置。
【請求項6】
通路に沿って設けられた経路案内識別子を検出する検出装置と、
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の走行制御装置と
を備える自動走行車両。
【請求項7】
通路に沿って設けられた経路案内識別子を検出する検出装置と走行制御装置とを備える自動走行車両と、
前記自動走行車両の運行を管理する運行管理装置と
を備え、
前記運行管理装置は、
前記自動走行車両と異なる移動体が停留可能な複数の区画のうち、前記移動体が停留する予定の区画である停留予定区画に基づいて前記自動走行車両の走行経路を決定する経路決定部と、
前記走行経路を前記自動走行車両の前記走行制御装置に送信する経路送信部と
を備え、
前記走行制御装置は、
衛星航法による測位情報に基づいて、前記運行管理装置から送信された前記走行経路に沿って前記自動走行車両を走行させる第1走行制御を行う第1走行制御部と、
前記経路案内識別子の検出結果に基づいて、前記走行経路に沿って前記自動走行車両を走行させる第2走行制御を行う第2走行制御部と、
前記通路上に規定された切替区間において、前記第1走行制御と前記第2走行制御とを切り替える走行制御切替部と、
を備える運行システム。
【請求項8】
前記自動走行車両は、貨物を積載可能な荷台を備え、
前記運行管理装置は、
前記移動体に積載すべき貨物の量または前記移動体に積載された貨物の量に基づいて、前記貨物を輸送させる前記自動走行車両を決定する車両決定部
を備える請求項7に記載の運行システム。
【請求項9】
車両の走行を制御する走行制御方法であって、
前記車両に搭載されるたコンピュータが、移動体の停留基準位置の近傍の目的地へ向かう経路である走行経路に沿って前記車両を走行させるステップと、
前記コンピュータが、前記停留基準位置と前記移動体とが写る画像を取得するステップと、
前記コンピュータが、前記画像に基づいて前記停留基準位置と前記移動体の停留位置との誤差を特定するステップと、
前記コンピュータが、前記目的地および前記走行経路を前記誤差に対応する距離の分ずらすステップと
を備える走行制御方法。
【請求項10】
車両に搭載されるコンピュータに、
移動体の停留基準位置の近傍の目的地へ向かう経路である走行経路に沿って前記車両を走行させるステップと、
前記停留基準位置と前記移動体とが写る画像を取得するステップと、
前記画像に基づいて前記停留基準位置と前記移動体の停留位置との誤差を特定するステップと、
前記目的地および前記走行経路を前記誤差に対応する距離の分ずらすステップと
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行制御装置、自動走行車両、運行システム、走行制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、地上に設けられたガイド線に沿ってトーイングトラクタを自動走行させる技術が開示されている。トーイングトラクタは、光学的にガイド線を検出する検出器を備え、検出されたガイド線に基づいて走行する。特許文献2には、GPSによってトーイングトラクタにけん引されるコンテナドーリーの位置を管理する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-321699号公報
【文献】特開2017-133933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のように、車両がガイド線を光学的に検出して自動走行を行う場合、路面の状況によってはガイド線が適切に読み取ることができない可能性がある。例えば、雨により路面が濡れている場合、路面における光の反射率が高くなり、ガイド線が適切に読み取ることができない可能性がある。
また、車両を自動走行させる方法として、GNSS(Global Navigation Satellite System)を利用した衛星航法によって車両を自動走行させる方法が挙げられる。しかしながら、屋内など、衛星からの電波が遮蔽される環境においては、測位情報の精度が低くなる可能性がある。
本発明の目的は、環境に応じて適切に車両を自動走行させることができる走行制御装置、自動走行車両、運行システム、走行制御方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、走行制御装置は、車両の走行を制御する走行制御装置であって、衛星航法による測位情報に基づいて、規定された走行経路に沿って前記車両を走行させる第1走行制御を行う第1走行制御部と、規定された通路に沿って設けられた経路案内識別子の検出結果に基づいて、前記走行経路に沿って前記車両を走行させる第2走行制御を行う第2走行制御部と、前記通路上に規定された切替区間において、前記第1走行制御と前記第2走行制御とを切り替える走行制御切替部と、を備える。
これにより、車両は、衛星航法により所望の精度の測位情報で走行可能な屋外などにおいては第1走行制御によって走行し、衛星航法による測位情報の精度が低下する屋内などにおいては第2走行制御によって走行することができる。つまり、走行制御装置は、環境に応じて適切に車両を走行させることができる。
【0006】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様に係る走行制御装置において、前記走行制御切替部は、前記経路案内識別子が設けられた屋外の前記切替区間において、前記第1走行制御と前記第2走行制御とを切り替えるものであってよい。
これにより、走行制御装置は、第1走行制御と第2走行制御の両方での走行が可能な区間において走行制御方式を切り替えることができる。
【0007】
本発明の第3の態様によれば、第2の態様に係る走行制御装置において、前記走行制御切替部は、前記第1走行制御によって前記車両が前記切替区間に到達した場合において、前記経路案内識別子が検出された場合に、前記第1走行制御から前記第2走行制御に切り替えるものであってよい。
これにより、走行制御装置は、第2走行制御による走行が可能である場合に、走行制御方式を第2走行制御に切り替えることができる。
【0008】
本発明の第4の態様によれば、第2または第3の態様に係る走行制御装置において、前記走行制御切替部は、前記第2走行制御によって前記車両が前記切替区間に到達した場合において、所定の精度以上の前記測位情報が取得された場合に、前記第2走行制御から前記第1走行制御に切り替えるものであってよい。
これにより、走行制御装置は、第1走行制御による走行が可能である場合に、走行制御方式を第1走行制御に切り替えることができる。
【0009】
本発明の第5の態様によれば、第1から第4の何れかの態様において、前記走行経路は、前記車両と異なる移動体の停留の目標となる予め規定された位置である停留基準位置に基づいて規定された目的地へ向かう経路であって、第1から第4の何れかの態様に係る走行制御装置が、前記停留基準位置と前記移動体とが写る画像を取得する画像取得部と、前記画像に基づいて前記停留基準位置と前記移動体が停留した実際の位置である停留位置との誤差を特定する誤差特定部と、前記誤差に基づいて前記走行経路を補正する経路補正部とを備えるものであってよい。
これにより、走行制御装置は、移動体を基準とした経路に車両を走行させることができる。
【0010】
本発明の第6の態様によれば、走行制御装置は、車両の走行を制御する走行制御装置であって、移動体の停留基準位置に基づいて規定された走行経路に沿って前記車両を走行させる走行制御部と、前記停留基準位置と前記移動体とが写る画像を取得する画像取得部と、前記画像に基づいて前記停留基準位置と前記移動体の停留位置との誤差を特定する誤差特定部と、前記誤差に基づいて前記走行経路を補正する経路補正部とを備える。
これにより、走行制御装置は、移動体を基準とした経路に車両を走行させることができる。
【0011】
本発明の第7の態様によれば、自動走行車両は、通路に沿って設けられた経路案内識別子を検出する検出装置と、第1から第6の何れかの態様に係る走行制御装置とを備える。
これにより、自動走行車両は、環境に応じた適切な走行制御によって走行することができる。
【0012】
本発明の第8の態様によれば、運行システムは、第7の態様に係る自動走行車両と、前記自動走行車両の運行を管理する運行管理装置とを備え、前記運行管理装置は、前記自動走行車両と異なる移動体が停留可能な複数の区画のうち、前記移動体が停留する予定の区画である停留予定区画に基づいて前記自動走行車両の走行経路を決定する経路決定部と、前記走行経路を前記自動走行車両の前記走行制御装置に送信する経路送信部とを備える。
これにより、運行管理装置は、自動走行車両を適切な経路に沿って走行させることができる。
【0013】
本発明の第9の態様によれば、第8の態様に係る運行システムの前記自動走行車両は、貨物を積載可能な荷台を備え、前記運行管理装置は、前記移動体に積載すべき貨物の量または前記移動体に積載された貨物の量に基づいて、前記貨物を輸送させる前記自動走行車両を決定する車両決定部を備えるものであってよい。
これにより、運行管理装置は、貨物の量に応じた適切な自動走行車両を移動体へ向かわせることができる。
【0014】
本発明の第10の態様によれば、走行制御方法は、車両の走行を制御する走行制御方法であって、衛星航法による測位情報に基づいて、規定された走行経路に沿って前記車両を走行させる第1走行制御を行うステップと、規定された通路に沿って設けられた経路案内識別子の検出結果に基づいて、前記走行経路に沿って前記車両を走行させる第2走行制御を行うステップと、前記通路上に規定された切替区間において、前記第1走行制御と前記第2走行制御とを切り替えるステップと、を備える。
【0015】
本発明の第11の態様によれば、プログラムは、車両に搭載されるコンピュータに、衛星航法による測位情報に基づいて、規定された走行経路に沿って前記車両を走行させる第1走行制御を行うステップと、規定された通路に沿って設けられた経路案内識別子の検出結果に基づいて、前記走行経路に沿って前記車両を走行させる第2走行制御を行うステップと、前記通路上に規定された切替区間において、前記第1走行制御と前記第2走行制御とを切り替えるステップと、を実行させる。
【0016】
本発明の第12の態様によれば、走行制御方法は、車両の走行を制御する走行制御方法であって、移動体の停留基準位置に基づいて規定された走行経路に沿って前記車両を走行させるステップと、前記停留基準位置と前記移動体とが写る画像を取得するステップと、前記画像に基づいて前記停留基準位置と前記移動体の停留位置との誤差を特定するステップと、前記誤差に基づいて前記走行経路を補正するステップとを備える。
【0017】
本発明の第13の態様によれば、プログラムは、車両に搭載されるコンピュータに、移動体の停留基準位置に基づいて規定された走行経路に沿って前記車両を走行させるステップと、前記停留基準位置と前記移動体とが写る画像を取得するステップと、前記画像に基づいて前記停留基準位置と前記移動体の停留位置との誤差を特定するステップと、前記誤差に基づいて前記走行経路を補正するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0018】
上記態様のうち少なくとも1つの態様によれば、走行制御装置は、環境に応じて適切に車両を自動走行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】一実施形態に係る輸送システムの構成を示す概略図である。
図2】一実施形態に係る自動走行車両の構成を示す外観図である。
図3】一実施形態に係る走行制御装置の構成を示す概略ブロック図である。
図4】一実施形態に係る運行管理装置の構成を示す概略ブロック図である。
図5】一実施形態に係る運行管理装置の動作を示すフローチャートである。
図6】一実施形態に係る走行制御装置の動作を示すフローチャートである。
図7】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
図1は、一実施形態に係る輸送システムの構成を示す概略図である。
第1の実施形態に係る輸送システム1は、空港Aにおいて、自動走行車両100によって建屋A1と飛行機Pとの間で貨物を輸送するシステムである。空港Aには、建屋A1、エプロンA2、待機区画A3、経路案内識別子A4が設けられる。
【0021】
建屋A1は、屋根を有する建築物である。建屋A1の内部には、飛行機Pに積み込むべき貨物が集められる貨物発送場A11と、飛行機Pから積み下ろした貨物が集められる貨物受取場A12とが設けられる。
【0022】
エプロンA2は、貨物の積み下ろし等のために飛行機Pを停留する屋外のエリアである。エプロンA2には、飛行機Pの前輪の停止位置を示す前輪停止線A5が引かれている。なお、飛行機Pは、前輪停止線A5に前輪が位置するように停留するが、停留位置は飛行機Pの幅方向にずれる可能性がある。停留位置とは、飛行機Pが停留した実際の位置である。
待機区画A3は、輸送すべき貨物がない自動走行車両100が待機するために規定されたエリアである。
【0023】
経路案内識別子A4は、自動走行車両100が走行する通路Wに沿って配置される。自動走行車両100は、経路案内識別子A4を検出することで、通路Wに沿って走行することができる。第1の実施形態に係る経路案内識別子A4は、地上に引かれた白線である。経路案内識別子A4は、少なくとも建屋A1の内部および切替区間A6に配置される。切替区間A6は、建屋A1の外であって、建屋A1の出入口近傍の区間である。なお、他の実施形態に係る経路案内識別子A4は、建屋A1の外であって切替区間A6以外の場所にも配置されてよい。例えば、経路案内識別子A4は、すべての通路Wに沿って配置されるものであってもよい。
【0024】
輸送システム1は、複数の自動走行車両100および運行管理装置200を備える。
【0025】
図2は、一実施形態に係る自動走行車両の構成を示す外観図である。
自動走行車両100は、トーイングトラクタ110と、1つまたは複数のコンテナドーリー120とを備える。トーイングトラクタ110は自動走行し、コンテナドーリー120を牽引する牽引車である。コンテナドーリー120は、コンテナCを積載可能な荷台と車輪とを備える被牽引車である。
【0026】
トーイングトラクタ110は、車体111、車輪112、駆動装置113、操舵装置114、測位装置115、識別子検出装置116、前方カメラ117、障害物検出装置118、および走行制御装置119を備える。
車体111は、トーイングトラクタ110の外殻をなす筐体である。車体111は、車輪112によって走行可能に支持される。駆動装置113は、車体111を回転させることで車体111を走行させる動力源である。操舵装置114は、車輪112の角度を変化させる。測位装置115は、GNSSを構成する航法衛星から電波信号を受信し、衛星航法によって車体111の位置を示す測位情報を取得する。識別子検出装置116は、車体111の底部に設けられ、地表の経路案内識別子A4を検出する。第1の実施形態に係る識別子検出装置116は、例えばカメラである。前方カメラ117は、車体111の前方を撮像するカメラである。障害物検出装置118は、車体111の周囲に存在する障害物を検出する。障害物検出装置118は、例えばレーダーまたはLiDARである。走行制御装置119は、測位装置115、識別子検出装置116、前方カメラ117、および障害物検出装置118が取得した情報に基づいて、駆動装置113および操舵装置114を制御する。
【0027】
図3は、一実施形態に係る走行制御装置の構成を示す概略ブロック図である。
走行制御装置119は、経路受信部1001、経路記憶部1002、検出情報取得部1003、第1走行制御部1004、第2走行制御部1005、走行制御切替部1006、走行制御記憶部1007、制御信号出力部1008、誤差特定部1009、経路補正部1010を備える。
【0028】
経路受信部1001は、運行管理装置200から自動走行車両100を走行させる走行経路を示す経路情報を受信する。走行経路は、通路Wに沿って所定の目的地へ向かって伸びる経路である。目的地は、エプロンA2における積み下ろし場A21、建屋A1における貨物発送場A11または貨物受取場A12である。積み下ろし場A21は、前輪停止線A5の位置に基づいて予め規定された区画である。すなわち、積み下ろし場A21は、飛行機Pの前輪が前輪停止線A5の中央に位置するときにおける飛行機Pのコンテナハッチ位置の近傍の区画である。前輪停止線A5は、飛行機Pの停留基準位置を規定する線である。停留基準位置とは、飛行機Pなどの移動体の停留の目標となる予め規定された位置である。
経路記憶部1002は、経路受信部1001が受信した経路情報を記憶する。
【0029】
検出情報取得部1003は、測位装置115が取得した測位情報、識別子検出装置116が取得した経路案内識別子A4の検出情報、前方カメラ117が撮像した画像、障害物検出装置118が検出した障害物の位置情報を、それぞれ取得する。
【0030】
第1走行制御部1004は、経路記憶部1002が記憶する経路情報と、検出情報取得部1003が取得した測位情報とに基づいて、駆動装置113および操舵装置114の操作量を算出する。以下、第1走行制御部1004が算出した操作量によって自動走行車両100を走行させる制御を、第1走行制御という。
第2走行制御部1005は、経路記憶部1002が記憶する経路情報と、検出情報取得部1003が取得した経路案内識別子A4の検出情報とに基づいて、駆動装置113および操舵装置114の操作量を算出する。以下、第2走行制御部1005が算出した操作量によって自動走行車両100を走行させる制御を、第2走行制御という。
【0031】
走行制御切替部1006は、自動走行車両100が切替区間A6に位置する場合に、自動走行車両100の走行制御方式を切り替える。具体的には、走行制御切替部1006は、自動走行車両100が第1走行制御によって切替区間A6に到達した場合、自動走行車両100の走行制御方式を第1走行制御から第2走行制御に切り替える。また、走行制御切替部1006は、自動走行車両100が第2走行制御によって切替区間A6に到達した場合、自動走行車両100の走行制御方式を第2走行制御から第1走行制御に切り替える。
走行制御記憶部1007は、現行の自動走行車両100の走行制御方式を記憶する。
制御信号出力部1008は、走行制御記憶部1007が記憶する走行制御方式によって生成された操作量に基づいて、駆動装置113および操舵装置114に制御信号を出力する。また、制御信号出力部1008は、障害物検出装置118が障害物を検出した場合、駆動装置113を制動する制御信号を出力する。
【0032】
誤差特定部1009は、前方カメラ117が撮像した画像に基づいて、飛行機Pの停留位置の誤差を特定する。すなわち、誤差特定部1009は、飛行機Pの前輪の前輪停止線A5の中央からのずれ量を特定する。
経路補正部1010は、誤差特定部1009が特定した誤差に基づいて経路情報が示す走行経路を補正する。具体的には、経路補正部1010は、走行経路を誤差特定部1009が特定した誤差だけ通路Wの幅方向へずらす。
【0033】
図4は、一実施形態に係る運行管理装置の構成を示す概略ブロック図である。
運行管理装置200は、貨物情報受信部201、車両決定部202、地図記憶部203、経路決定部204、経路送信部205を備える。
【0034】
貨物情報受信部201は、空港Aの貨物管理システムSから、飛行機Pの着時刻、当該飛行機Pが停留する予定のエプロンA2の識別情報、および当該飛行機Pに積載すべき貨物または当該飛行機Pから貨物受取場A12へ輸送すべき貨物の量を示す貨物情報を受信する。
【0035】
車両決定部202は、貨物情報受信部201が受信した貨物情報に含まれる貨物の量に基づいて、必要となるコンテナドーリー120の数を特定する。車両決定部202は、特定したコンテナドーリー120の数に基づいて、貨物を輸送させる自動走行車両100を決定する。具体的には、車両決定部202は、待機区画A3で待機している自動走行車両100の中から、牽引するコンテナドーリー120の総数が必要となるコンテナドーリー120の数以上となるように、貨物を輸送させる自動走行車両100を決定する。
【0036】
地図記憶部203は、空港Aの通路Wの配置を示す地図情報を記憶する。
経路決定部204は、貨物情報受信部201が受信した貨物情報と地図記憶部203が記憶する地図情報とに基づいて、待機区画A3から飛行機Pが停留する予定のエプロンA2へ向かう走行経路を決定する。走行経路は、地図情報が示す通路Wに沿った経路である。飛行機Pが停留する予定のエプロンA2は、停留予定区画の一例である。
経路送信部205は、車両決定部202が決定した自動走行車両100の走行制御装置119に、経路決定部204が決定した走行経路を示す経路情報を送信する。
【0037】
また、運行管理装置200は、管理者の操作に基づいて、各自動走行車両100に経路変更指示および緊急停止指示を送信することができる。管理者は、監視カメラや目視によって自動走行車両100の運行状況を確認する。
【0038】
以下、第1の実施形態に係る輸送システム1の動作について説明する。
図5は、一実施形態に係る運行管理装置の動作を示すフローチャートである。
貨物管理システムSは、貨物を積載すべき飛行機Pまたは貨物を積載した飛行機Pの着陸情報に基づいて貨物情報を生成すると、貨物情報を運行管理装置200に送信する。
【0039】
運行管理装置200の貨物情報受信部201が貨物情報を受信すると(ステップS1)、車両決定部202は、受信した貨物情報に基づいて必要なコンテナドーリー120の数を特定する(ステップS2)。次に、車両決定部202は、待機区画A3に待機している自動走行車両100それぞれが牽引するコンテナドーリー120の数を特定する(ステップS3)。車両決定部202は、待機区画A3で待機している自動走行車両100の中から、牽引するコンテナドーリー120の総数が必要となるコンテナドーリー120の数以上となるように、貨物を輸送させる自動走行車両100を決定する(ステップS4)。
【0040】
次に、経路決定部204は、地図記憶部203が記憶する地図情報に基づいて、待機区画A3を出発地とし、貨物情報受信部201が受信した貨物情報が示すエプロンA2の積み下ろし場A21を目的地とする走行経路を生成する(ステップS5)。このとき、貨物を飛行機Pに積載する必要がある場合、経路決定部204は、貨物発送場A11を第一の目的地とし、積み下ろし場A21を第二の目的地とする走行経路を生成する。他方、貨物を飛行機Pから下ろす必要がある場合、経路決定部204は、積み下ろし場A21を第一の目的地とし、貨物受取場A12を第二の目的地とする走行経路を生成する。
経路送信部205は、車両決定部202が決定した自動走行車両100の走行制御装置119に、経路決定部204が決定した走行経路を示す経路情報を送信する(ステップS6)。
【0041】
図6は、一実施形態に係る走行制御装置の動作を示すフローチャートである。
走行制御装置119の経路受信部1001が運行管理装置200から経路情報を受信すると(ステップS11)、経路受信部1001は、経路情報を経路記憶部1002に記録する(ステップS12)。これにより、走行制御装置119は、自動走行車両100の走行制御を開始する。
【0042】
検出情報取得部1003は、測位装置115が取得した測位情報、識別子検出装置116が取得した経路案内識別子A4の検出情報、前方カメラ117が撮像した画像、障害物検出装置118が検出した障害物の位置情報を、それぞれ取得する(ステップS13)。誤差特定部1009は、前方カメラ117が撮像した画像に、目的地に係るエプロンA2の前輪停止線A5および飛行機Pが写っているか否かを判定する(ステップS14)。
【0043】
画像に前輪停止線A5および飛行機Pが写っている場合(ステップS14:YES)、誤差特定部1009は、測位装置115が取得した測位情報と、画像における前輪停止線A5および飛行機Pの複数の特定箇所(例えば両翼の先端部)が写る座標とに基づいて、飛行機Pの停留基準位置と飛行機Pの実際の停留位置との誤差を特定する(ステップS15)。例えば、誤差特定部1009は、写真測量法に基づいて、停留基準位置と飛行機Pの実際の停留位置との誤差を特定する。具体的には、誤差特定部1009は、既知の飛行機Pの寸法と、画像における飛行機Pの複数の特定箇所の間の距離とに基づいて画像における縮尺を特定する。誤差特定部1009は、特定した縮尺と、画像における前輪停止線A5と飛行機Pの前輪との間の長さとに基づいて、飛行機Pの停留基準位置と飛行機Pの実際の停留位置との誤差を特定する。経路補正部1010は、経路記憶部1002から経路情報を読み出し、誤差に基づいて走行経路を補正する(ステップS16)。例えば、経路補正部1010は、走行経路を誤差特定部1009が特定した誤差だけ通路Wの幅方向へずらす。
画像に前輪停止線A5および飛行機Pが写っていない場合(ステップS14:NO)、経路補正部1010は、走行経路を補正しない。
【0044】
制御信号出力部1008は、走行制御記憶部1007が記憶する現行の走行制御方式が、第1走行制御であるか第2走行制御であるかを判定する(ステップS17)。なお、待機区画A3が屋外にある場合、走行制御の開始時点において、走行制御記憶部1007は、現行の走行制御方式として第1走行制御を記憶する。他方、待機区画A3が屋内にある場合、走行制御の開始時点において、走行制御記憶部1007は、現行の走行制御方式として第2走行制御を記憶する。
【0045】
現行の走行制御方式が第1走行制御である場合(ステップS17:第1走行制御)、第1走行制御部1004は、経路情報と検出情報取得部1003が取得した測位情報とに基づいて、駆動装置113および操舵装置114の操作量を算出する(ステップS18)。次に、走行制御切替部1006は、測位情報に基づいて、自動走行車両100が切替区間A6内にあるか否かを判定する(ステップS19)。自動走行車両100が切替区間A6内にある場合(ステップS19:YES)、走行制御切替部1006は、検出情報取得部1003が取得した経路案内識別子A4の検出情報に基づいて経路案内識別子A4が検出されているか否かを判定する(ステップS20)。切替区間A6において経路案内識別子A4が検出されている場合(ステップS20:YES)、走行制御切替部1006は、走行制御記憶部1007が記憶する走行制御方式を、第2走行制御に書き換える(ステップS21)。つまり、第1走行制御によって切替区間A6に到達した場合において経路案内識別子A4が検出されている場合(ステップS20:YES)、走行制御切替部1006は、走行制御方式を、第1走行制御から第2走行制御に切り替える。
自動走行車両100が切替区間A6内にない場合(ステップS19:NO)、または切替区間A6において経路案内識別子A4が検出されていない場合(ステップS20:NO)、走行制御切替部1006は、走行制御方式を切り替えない。
【0046】
他方、現行の走行制御方式が第2走行制御である場合(ステップS17:第2走行制御)、第2走行制御部1005は、経路情報と経路案内識別子A4の検出情報とに基づいて、駆動装置113および操舵装置114の操作量を算出する(ステップS22)。次に、走行制御切替部1006は、経路案内識別子A4の検出情報に基づいて、自動走行車両100が切替区間A6内にあるか否かを判定する(ステップS23)。自動走行車両100が切替区間A6内にある場合(ステップS23:YES)、走行制御切替部1006は、検出情報取得部1003が取得した測位情報の精度が所定精度以上であるか否かを判定する(ステップS24)。例えば、走行制御切替部1006は、測位情報の決定に用いられた衛星数が所定数以上である場合に、測位情報の精度が所定精度以上であると判定する。切替区間A6において所定精度以上の測位情報が検出されている場合(ステップS24:YES)、走行制御切替部1006は、走行制御記憶部1007が記憶する走行制御方式を、第1走行制御に書き換える(ステップS25)。つまり、第2走行制御によって切替区間A6に到達した場合において測位情報の精度が所定精度以上である場合(ステップS24:YES)、走行制御切替部1006は、走行制御方式を、第2走行制御から第1走行制御に切り替える。
自動走行車両100が切替区間A6内にない場合(ステップS23:NO)、または切替区間A6において経路案内識別子A4が検出されていない場合(ステップS24:NO)、走行制御切替部1006は、走行制御方式を切り替えない。
【0047】
第1走行制御部1004または第2走行制御部1005によって操作量が算出されると、制御信号出力部1008は、検出情報取得部1003が取得した障害物の位置情報に基づいて、自動走行車両100の所定時間内における走行範囲に障害物が存在するか否かを判定する(ステップS26)。制御信号出力部1008は、自動走行車両100の走行範囲に障害物が存在しないと判定した場合(ステップS26:NO)、第1走行制御部1004または第2走行制御部1005によって操作量を示す制御信号を駆動装置113および操舵装置114に出力する(ステップS27)。他方、制御信号出力部1008は、自動走行車両100の走行範囲に障害物が存在すると判定した場合(ステップS26:NO)、停止を指示する制御信号を、駆動装置113および操舵装置114に出力する(ステップS28)。
【0048】
次に、制御信号出力部1008は、自動走行車両100が目的地に到達したか否かを判定する(ステップS29)。自動走行車両100が目的地に到達した場合、走行制御装置119は、走行制御を終了する。他方、自動走行車両100が目的地に到達していない場合、走行制御装置119は、処理をステップS13に戻し、走行制御を継続する。
【0049】
このように、第1の実施形態によれば、走行制御装置119は、衛星航法による測位情報に基づいて走行経路に沿って自動走行車両100を走行させる第1走行制御と、経路案内識別子A4の検出結果に基づいて走行経路に沿って自動走行車両100を走行させる第2走行制御とを、通路W上に規定された切替区間A6において切り替える。これにより、自動走行車両100は、天候によって精度が変化する屋外などにおいては第1走行制御によって走行し、衛星航法による測位情報の精度が低下する屋内などにおいては第2走行制御によって走行することができる。つまり、走行制御装置119は、環境に応じて適切に自動走行車両100を走行させることができる。
【0050】
また、第1の実施形態に係る切替区間A6には、経路案内識別子A4が設けられ、また切替区間A6は屋外に設けられる。これにより、走行制御装置119は、第1走行制御と第2走行制御の両方での走行が可能な区間において走行制御方式を切り替えることができる。
【0051】
また、第1の実施形態に係る走行制御装置119は、第1走行制御によって切替区間A6に到達した場合において、経路案内識別子A4が検出された場合に、走行制御方式を第1走行制御から第2走行制御に切り替える。これにより、走行制御装置119は、第2走行制御による走行が可能である場合に、走行制御方式を第2走行制御に切り替えることができる。
【0052】
また、第1の実施形態に係る走行制御装置119は、第2走行制御によって切替区間A6に到達した場合において、所定の精度以上の測位情報が取得された場合に、走行制御方式を第2走行制御から前記第1走行制御に切り替える。これにより、走行制御装置119は、第1走行制御による走行が可能である場合に、走行制御方式を第1走行制御に切り替えることができる。
【0053】
また、第1の実施形態に係る走行制御装置119は、停留基準位置である前輪停止線A5と飛行機Pとが写る画像に基づいて、前輪停止線A5と飛行機Pの停留位置との誤差を特定し、当該誤差に基づいて走行経路を補正する。これにより、走行制御装置119は、飛行機Pを基準とした停車位置に停車することができる。
【0054】
以上、図面を参照して一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、様々な設計変更等をすることが可能である。
上述の実施形態に係る経路案内識別子A4は白線であり、識別子検出装置116はカメラである場合について説明したが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係る経路案内識別子A4は、RFID(radio frequency identifier)タグなどによって実現され、識別子検出装置116はRFIDリーダによって実現されてもよい。この場合、経路案内識別子A4はIDを読み取り可能に保持することができるため、走行制御装置119は識別子検出装置116が読み取ったIDに基づいて走行順路を特定することもできる。
また、他の実施形態に係る経路案内識別子A4は、磁気マーカなどによって実現されてもよい。
【0055】
上述した実施形態に係る走行制御装置119は、第1走行制御と第2走行制御とを切り替えるが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係る走行制御装置119は、第1走行制御によって走行し、前輪停止線A5と飛行機Pとが写る画像に基づいて前輪停止線A5と飛行機Pの停留位置との誤差を特定し、当該誤差に基づいて走行経路を補正するものであってもよい。また他の実施形態に係る走行制御装置119は、第2走行制御によって走行し、前輪停止線A5と飛行機Pとが写る画像に基づいて前輪停止線A5と飛行機Pの停留位置との誤差を特定し、当該誤差に基づいて走行経路を補正するものであってもよい。また、他の実施形態において、エプロンA2ごとに停留する飛行機Pの機体形状が既知である場合、前輪停止線A5付近より前方カメラ117で撮像した画像における、飛行機Pの一部の形状(例えばエンジン形状や翼の形状)の位置に基づいて、走行経路誤差を補正してもよい。
【0056】
また、上述した実施形態に係る自動走行車両100は、1つまたは複数のコンテナドーリー120を備える。なお、他の実施形態においては、すべての自動走行車両100がコンテナドーリー120を1つだけ備えるものであってもよい。この場合、運行管理装置200は、複数の自動走行車両100をショットガン方式で運行させることで、各自動走行車両100の積載待ち時間を低下させることができる。
【0057】
また、上述した実施形態に係る自動走行車両100は、第1の走行制御または第2の走行制御のうち、現行の走行制御方式に係るものに基づいて操作量を算出し、これを出力するが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係る自動走行車両100は、第1の走行制御および第2の走行制御のそれぞれに係る操作量を算出し、現行の走行制御方式に基づいて一方の操作量を出力するものであってもよい。
【0058】
図7は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ90は、プロセッサ91、メインメモリ92、ストレージ93、インタフェース94を備える。
上述の運行管理装置200および走行制御装置119は、それぞれコンピュータ90に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ93に記憶されている。プロセッサ91は、プログラムをストレージ93から読み出してメインメモリ92に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、プロセッサ91は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ92に確保する。
【0059】
ストレージ93の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ93は、コンピュータ90のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インタフェース94または通信回線を介してコンピュータ90に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ90に配信される場合、配信を受けたコンピュータ90が当該プログラムをメインメモリ92に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ93は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0060】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、当該プログラムは、前述した機能をストレージ93に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0061】
1…輸送システム
100…自動走行車両
110…トーイングトラクタ
111…車体
112…車輪
113…駆動装置
114…操舵装置
115…測位装置
116…識別子検出装置
117…前方カメラ
118…障害物検出装置
119…走行制御装置
120…コンテナドーリー
1001…経路受信部
1002…経路記憶部
1003…検出情報取得部
1004…第1走行制御部
1005…第2走行制御部
1006…走行制御切替部
1007…走行制御記憶部
1008…制御信号出力部
1009…誤差特定部
1010…経路補正部
200…運行管理装置
201…貨物情報受信部
202…車両決定部
203…地図記憶部
204…経路決定部
205…経路送信部
90…コンピュータ
91…プロセッサ
92…メインメモリ
93…ストレージ
94…インタフェース
A…空港
A1…建屋
A11…貨物発送場
A12…貨物受取場
A2…エプロン
A21…積み下ろし場
A3…待機区画
A4…経路案内識別子
A5…前輪停止線
A6…切替区間
S…貨物管理システム
P…飛行機
W…通路
C…コンテナ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7