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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/338 20060101AFI20221116BHJP
   H01L 29/812 20060101ALI20221116BHJP
   H01L 29/778 20060101ALI20221116BHJP
   H01L 29/41 20060101ALI20221116BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20221116BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
H01L29/80 L
H01L29/80 H
H01L29/44 Y
H01L29/78 301B
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2018201521
(22)【出願日】2018-10-26
(65)【公開番号】P2020068343
(43)【公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-08-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157901
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 功
(72)【発明者】
【氏名】梶原 瑛祐
(72)【発明者】
【氏名】新留 彩
(72)【発明者】
【氏名】蔵口 雅彦
【審査官】岩本 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-032600(JP,A)
【文献】特開2016-063167(JP,A)
【文献】国際公開第2019/142529(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0035080(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0087052(US,A1)
【文献】特開2016-139718(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0218189(US,A1)
【文献】特開2010-278280(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/812
H01L 29/778
H01L 29/78
H01L 21/338
H01L 29/41
H01L 21/336
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1半導体領域及び第2半導体領域を含む半導体部材と、
前記第1半導体領域に設けられ、第1方向に沿って延びる複数のドレイン電極であって、前記複数のドレイン電極は、前記第1方向と交差する第2方向に並び、前記第1半導体領域から前記第2半導体領域への方向は、前記第1方向に沿う、前記複数のドレイン電極と、
前記複数のドレイン電極と電気的に接続され前記第2方向に沿って延びるドレイン配線部と、
前記ドレイン配線部と電気的に接続されたドレイン導電部であって、前記ドレイン導電部は、第1導電領域及び第2導電領域を含み、前記第1方向及び前記第2方向を含む平面と交差する第3方向において、前記ドレイン配線部の一部は、前記第1導電領域と前記第1半導体領域との間にあり、前記第2半導体領域から前記第2導電領域への方向は、前記第3方向に沿う、前記ドレイン導電部と、
を備え、
前記ドレイン導電部の前記第2方向に沿う長さは、前記ドレイン配線部の前記第2方向に沿う長さよりも短い、半導体装置。
【請求項2】
複数の前記ドレイン導電部が設けられ、
複数の前記ドレイン導電部のそれぞれ前記第2方向に沿う長さの合計は、前記ドレイン配線部の前記第2方向に沿う前記長さよりも短い、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記複数のドレイン電極の端部は、前記第3方向において、前記ドレイン配線部と前記第1半導体領域との間にある、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第3方向において前記第2半導体領域と前記第2導電領域との間に設けられた絶縁領域を含む絶縁部をさらに備え、
前記絶縁領域は、前記第2半導体領域及び前記第2導電領域と接する、請求項1~3のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項5】
前記ドレイン導電部は、第3導電領域をさらに含み、
前記第3導電領域は、前記第1導電領域と前記ドレイン配線部との間に設けられ、前記第1導電領域を前記ドレイン配線部と電気的に接続する、請求項1~のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1半導体領域に設けられ前記第1方向に沿って延びる複数のソース電極をさらに備え、
前記ドレイン導電部は、前記第3方向において、前記複数のソース電極と重ならない、請求項1~5のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項7】
前記ドレイン配線部は、
前記第2方向に沿って延びる第2方向延在部と、
前記第2方向延在部と、前記複数のドレイン電極の1つと、を電気的に接続する接続部と、
を含む、請求項1~のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項8】
前記半導体部材と前記第2導電領域との間の前記第3方向に沿う距離は、前記半導体部材と前記第2方向延在部との間の前記第3方向に沿う距離よりも長い、請求項記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1半導体領域に設けられ前記第1方向に沿って延びる複数のソース電極と、
前記複数のソース電極と電気的に接続され前記第2方向に沿って延びるソース配線部と、
数のゲート電極の1つと電気的に接続されたゲート導電部材と、
をさらに備え、
前記複数のゲート電極の前記1つは、前記複数のソース電極の1つと、前記複数のドレイン電極の前記1つと、の間にあり、
前記ゲート導電部材の端部の前記第2方向における位置は、前記複数のゲート電極の前記1つの前記第2方向における位置と、前記複数のドレイン電極の前記1つの前記第2方向における位置と、の間にあり、
前記半導体部材と前記ドレイン配線部との間の前記第3方向に沿う距離は、前記半導体部材と前記ゲート導電部材との間の前記第3方向に沿う距離と実質的に同じである、請求項またはに記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1半導体領域に設けられ前記第1方向に沿って延びる複数のゲート電極と、
前記複数のゲート電極と電気的に接続され前記第2方向に沿って延びるゲート配線部と、
をさらに備え、
前記複数のゲート電極の1つは、前記複数のドレイン電極の1つと、前記複数のドレイン電極の別の1つと、の間にあり、
前記半導体部材と前記第2導電領域との間の前記第3方向に沿う距離は、前記半導体部材と前記ゲート配線部との間の前記第3方向に沿う距離よりも長い、請求項1~のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項11】
前記半導体部材は、第3半導体領域をさらに含み、
前記第3半導体領域と前記第2半導体領域との間に前記第1半導体領域が設けられ、
前記第3半導体領域から前記ゲート配線部への方向は、前記第3方向に沿う、請求項10記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第1半導体領域に設けられ前記第1方向に沿って延びる複数のソース電極と、
前記複数のソース電極と電気的に接続され前記第2方向に沿って延びるソース配線部と、
をさらに備え、
前記複数のゲート電極の前記1つは、前記複数のソース電極の1つと、前記複数のドレイン電極の前記1つと、の間にあり、
前記ソース配線部から前記ドレイン導電部への方向は、前記第1方向に沿う、請求項10または11に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1半導体領域に設けられ前記第1方向に沿って延びる複数のソース電極と、
前記複数のソース電極と電気的に接続され前記第2方向に沿って延びるソース配線部と、
をさらに備え、
前記複数のソース電極の1つは、前記複数のドレイン電極の1つと、前記複数のドレイン電極の別の1つと、の間にあり、
前記半導体部材と前記第2導電領域との間の前記第3方向に沿う距離は、前記半導体部材と前記ソース配線部との間の前記第3方向に沿う距離よりも長い、請求項1~のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項14】
前記半導体部材は、第3半導体領域をさらに含み、
前記第3半導体領域と前記第2半導体領域との間に前記第1半導体領域が設けられ、
前記第3半導体領域から前記ソース配線部への方向は、前記第3方向に沿う、請求項1記載の半導体装置。
【請求項15】
第1半導体領域及び第2半導体領域を含む半導体部材と、
前記第1半導体領域に設けられ、第1方向に沿って延びる複数のドレイン電極であって、前記複数のドレイン電極は、前記第1方向と交差する第2方向に並び、前記第1半導体領域から前記第2半導体領域への方向は、前記第1方向に沿う、前記複数のドレイン電極と、
ドレイン配線部及びドレイン導電部を含むドレイン導電部材であって、前記ドレイン配線部は、前記複数のドレイン電極と電気的に接続され前記第2方向に沿って延び、前記複数のドレイン電極の一部から前記ドレイン配線部への方向は、前記第1方向及び前記第2方向を含む平面と交差する第3方向に沿い、前記ドレイン導電部は、前記ドレイン配線部と連続し、前記第2半導体領域から前記ドレイン導電部への方向は、前記第3方向に沿う、前記ドレイン導電部材と、
を備え、
前記ドレイン導電部の前記第2方向に沿う長さは、前記ドレイン配線部の前記第2方向に沿う長さよりも短い、半導体装置。
【請求項16】
複数の前記ドレイン導電部が設けられ、
複数の前記ドレイン導電部のそれぞれ前記第2方向に沿う長さの合計は、前記ドレイン配線部の前記第2方向に沿う前記長さよりも短い、請求項15に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記ドレイン導電部は、第1部分と、第2部分と、を含み、
前記第2部分は、前記第1方向において、前記第1部分と前記ドレイン配線部との間にあり、
前記第2部分の前記第2方向に沿う長さは、前記第1部分の前記第2方向に沿う長さよりも長い、請求項1または1に記載の半導体装置。
【請求項18】
前記ドレイン導電部は、第1部分と、第2部分と、を含み、
前記第2部分は、前記第1方向において、前記第1部分と前記ドレイン配線部との間にあり、
前記ドレイン導電部の前記第2方向に沿う長さは、前記第1部分から前記ドレイン配線部への向きにおいて増大する、請求項1~1のいずれか1つに記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば窒化物半導体を用いた半導体装置がある。半導体装置において、損失の抑制が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-245351号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、損失を抑制できる半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、半導体装置は、半導体部材、複数のドレイン電極、ドレイン配線部、及び、ドレイン導電部を含む。前記半導体部材は、第1半導体領域及び第2半導体領域を含む。前記複数のドレイン電極は、前記第1半導体領域に設けられ、第1方向に沿って延びる。前記複数のドレイン電極は、前記第1方向と交差する第2方向に並ぶ。前記第1半導体領域から前記第2半導体領域への方向は、前記第1方向に沿う。前記ドレイン配線部は、前記複数のドレイン電極と電気的に接続され前記第2方向に沿って延びる。前記ドレイン導電部は、前記ドレイン配線部と電気的に接続される。前記ドレイン導電部は、第1導電領域及び第2導電領域を含む。前記第1方向及び前記第2方向を含む平面と交差する第3方向において、前記ドレイン配線部の一部は、前記第1導電領域と前記第1半導体領域との間にある。前記第2半導体領域から前記第2導電領域への方向は、前記第3方向に沿う。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1(a)~図1(c)は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図2図2は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的平面図である。
図3図3は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的平面図である。
図4図4は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する透過側面図である。
図5図5は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図6図6は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図7図7(a)~図7(c)は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図8図8は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式的平面図である。
図9図9は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図10図10(a)~図10(d)は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1(a)~図1(c)は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図2は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的平面図である。
図1(a)は、図2のA1-A2線断面図である。図1(b)は、図2のB1-B2線断面図である。図1(c)は、半導体装置の透過側面図である。
【0009】
図1(a)及び図2に示すように、第1実施形態に係る半導体装置110は、半導体部材10、複数のドレイン電極21、ドレイン配線部21L、及び、ドレイン導電部21Cを含む。この他、半導体装置110は、複数のゲート電極22、ゲート配線部22L、複数のソース電極23、及び、ソース配線部23Lを含む。
【0010】
半導体部材10は、第1半導体領域R1及び第2半導体領域R2を含む。
【0011】
複数のドレイン電極21は、第1半導体領域R1に設けられる。複数のドレイン電極21は、第1方向に沿って延びる。複数のドレイン電極21は、第2方向に並ぶ。第2方向は、第1方向と交差する。複数のドレイン電極21は、実質的に互い平行である。
【0012】
第1方向をY軸方向とする。第2方向は、例えば、X軸方向である。第1方向及び第2方向を含む平面と交差する方向を第3方向とする。第3方向は、例えば、Z軸方向である。
【0013】
図2に示すように、第1半導体領域R1から第2半導体領域R2への方向は、第1方向(Y軸方向)に沿う。
【0014】
この例では、半導体部材10は、第3半導体領域R3をさらに含む。第3半導体領域R3と第2半導体領域R2との間に、第1半導体領域R1が設けられる。
【0015】
第1半導体領域R1は、素子領域である。第2半導体領域R2は、ドレイン側の周辺領域(または接続領域)である。第3半導体領域R3は、例えば、ソース側またはゲート側の周辺領域(または接続領域)である。
【0016】
図1(a)に示すように、例えば、半導体部材10は、基体10sの上に設けられる。基体10sは、例えば、シリコン基板である。基体10sは、例えば、サファイア基板でも良い。
【0017】
半導体部材10は、例えばガリウム及び窒素を含む。1つの例において、半導体部材10は、第1半導体層11及び第2半導体層12を含む。第1半導体層11と複数のドレイン電極21との間に、第2半導体層12の少なくとも一部が設けられる。
【0018】
第1半導体層11は、例えば、Alx1Ga1-x1N(0≦x1<1)を含む。組成比x1は、例えば、0以上0.2以下でも良い。第1半導体層11は、例えば、GaN層でも良い。
【0019】
第2半導体層12は、例えば、Alx2Ga1-x2N(0<x2≦1、x1<x2)を含む。組成比x1は、例えば、0.15以上0.35以下でも良い。第2半導体層12は、例えば、AlGaN層である。
【0020】
このような半導体部材10の上に、複数のドレイン電極21が設けられる。半導体装置110は、例えば、HEMT(High Electron Mobility Transistor)である。
【0021】
図2に示すように、複数のゲート電極22も、第1半導体領域R1に設けられる。複数のゲート電極22も、第1方向(Y軸方向)に沿って延びる。複数のゲート電極22は、実質的に互い平行である。
【0022】
複数のソース電極23も、第1半導体領域R1に設けられる。複数のソース電極23も、第1方向(Y軸方向)に沿って延びる。複数のソース電極23は、実質的に互い平行である。
【0023】
例えば、複数のゲート電極22の1つは、複数のドレイン電極21の1つと、複数のドレイン電極21の別の1つと、の間にある。
【0024】
例えば、複数のソース電極23の1つは、複数のドレイン電極21の1つと、複数のドレイン電極21の別の1つと、の間にある。
【0025】
例えば、複数のゲート電極22の1つは、複数のソース電極23の1つと、複数のドレイン電極21の1つと、の間にある。
【0026】
図2に示すように、ゲート配線部22Lは、複数のゲート電極22と電気的に接続される。ゲート配線部22Lは、第2方向(例えばX軸方向)に沿って延びる。第3半導体領域R3からゲート配線部22Lへの方向は、Z軸方向(例えば、第3方向)に沿う。例えば、第3半導体領域R3の上方に、ゲート配線部22Lが設けられる。
【0027】
図2に示すように、ソース配線部23Lは、複数のソース電極23と電気的に接続される。ソース配線部23Lは、第2方向(例えばX軸方向)に沿って延びる。第3半導体領域R3からソース配線部23Lへの方向は、Z軸方向(例えば、第3方向)に沿う。例えば、第3半導体領域R3の上方に、ソース配線部23Lが設けられる。
【0028】
図2に示すように、ゲート配線部22L及びソース配線部23Lは、X軸方向に沿って延びるストライプ状である。
【0029】
半導体装置110において、例えば、ゲート配線部22Lと繋がるゲート用パッド電極が設けられても良い。例えば、ソース配線部23Lと繋がるソース用パッド電極が設けられても良い。
【0030】
図2に示すように、ドレイン配線部21Lは、複数のドレイン電極21と電気的に接続される。ドレイン配線部21Lは、第2方向(例えばX軸方向)に沿って延びる。ドレイン配線部21Lは、例えば、第2方向に沿って延びるストライプ状である。
【0031】
ドレイン導電部21Cは、ドレイン配線部21Lと電気的に接続される。
【0032】
図1(a)に示すように、ドレイン導電部21Cは、第1導電領域21p及び第2導電領域21qを含む。第2導電領域21qは、第1導電領域21pと連続する。この例では、ドレイン導電部21Cは、第3導電領域21rをさらに含む。第3導電領域21rは、第1導電領域21pと連続する。
【0033】
第3方向(第1方向及び第2方向を含む平面と交差する方向であり、例えばZ軸方向)において、ドレイン配線部21Lの一部は、第1導電領域21pと第1半導体領域R1との間にある。
【0034】
一方、第2半導体領域R2から第2導電領域21qへの方向は、第3方向(例えばZ軸方向)に沿う。ドレイン配線部21Lは、第3方向(例えばZ軸方向)において、第2半導体領域R2と第2導電領域21qとの間には設けられない。
【0035】
図1(a)及び図2に示すように、ドレイン導電部21Cは、第3方向(例えばZ軸方向)において、ドレイン配線部21Lの一部と重なる。
【0036】
ドレイン導電部21Cの第3導電領域21rは、第1導電領域21pとドレイン配線部21Lとの間に設けられる。第3導電領域21rは、第1導電領域21pをドレイン配線部21Lと電気的に接続する。第3導電領域21rは、例えば、ビア導電部である。
【0037】
図1(c)は、半導体装置110を第1方向(Y軸方向、(図1(a)の右側、図2の上側))から見た透過側面図である。図1(a)及び図1(c)に示すように、例えば、ドレイン配線部21Lは、第2方向延在部21La及び接続部21nを含む。第2方向延在部21Laは、第2方向(X軸方向)に沿って延びる。接続部21nは、第2方向延在部21Laと、複数のドレイン電極の1つと、を電気的に接続する。接続部21nは、例えば、Z軸方向に沿って延びる。接続部21nは、例えば、ビア導電部である。
【0038】
ドレイン配線部21Lは、例えば、複数のドレイン電極21を電気的に接続する接続配線である。一方、ドレイン導電部21Cは、例えば、パッド電極である。
【0039】
パッド電極として機能するために、ドレイン導電部21CのY軸方向の長さ(幅)が、ある程度以上に設定される。このとき、ドレイン配線部21Lに沿ってドレイン配線部21Lの全体にドレイン導電部21Cが設けられる参考例が考えられる。この参考例においては、ドレイン導電部21Cと、第2半導体領域R2と、の間の静電容量が大きくなる。この静電容量は、例えば、ドレイン-ソース間容量Cdsである。ドレイン-ソース間容量Cdsが大きいと、スイッチング損失が大きくなる。
【0040】
これに対して、実施形態においては、ドレイン導電部21Cは、ドレイン配線部21Lの一部に設けられる。このため、ドレイン-ソース間容量Cdsが小さい。これにより、例えば、スイッチング損失を抑制できる。実施形態によれば、損失を抑制できる半導体装置を提供できる。
【0041】
図2に示すように、ドレイン導電部21Cの第2方向(例えば、X軸方向)に沿う長さ21Cxは、ドレイン配線部21Lの第2方向に沿う長さ21Lxよりも短い。
【0042】
図2に示すように、複数のドレイン導電部21Cが設けられても良い。複数のドレイン導電部21Cの1つの第2方向(例えばX軸方向)に沿う長さは、長さ21Cxである。複数のドレイン導電部21Cに関しての、長さ21Cxの合計(複数のドレイン導電部21Cの数Nと、長さ21Cxと、の積)は、ドレイン配線部21Lの第2方向に沿う長さ21Lxよりも短い。長さ21Cxの合計は、例えば、長さ21Lxの1/2以下でも良い。長さ21Cxは、例えば、長さ21Lxの1/5以下でも良い。ドレイン導電部21Cが小さいことで、ドレイン-ソース間容量Cdsを小さくできる。長さ21Cxは、0よりも大きい。
【0043】
図1(a)に示すように、半導体部材10と第2導電領域21qとの間の第3方向(例えばZ軸方向)に沿う距離dCzとする。一方、半導体部材10と第2方向延在部21Laとの間の第3方向に沿う距離を距離dLzとする。距離dCzは、距離dLzよりも長い。距離dCzが長いことで、ドレイン-ソース間容量Cdsを小さくできる。
【0044】
距離dCzは、半導体部材10と複数のドレイン電極21との間の第3方向に沿う距離(例えば実質的に0でも良い)よりも、長い。
【0045】
図1(a)に示すように、複数のドレイン電極21の端部21eは、第3方向(例えばZ軸方向)において、ドレイン配線部21Lと第1半導体領域R1との間にあっても良い。
【0046】
図1(a)に示すように、半導体装置110は、絶縁部40をさらに含んでも良い。この例では、絶縁部40は、絶縁領域40a、40b及び40cを含む。これらの絶縁領域の境界は不明確でも良い。絶縁部40は、絶縁領域41を含む。絶縁領域41は、第3方向(Z軸方向)において、第2半導体領域R2と第2導電領域21qとの間にある。絶縁領域41は、第2半導体領域R2及び第2導電領域21qと接する。上記の距離dCzは、絶縁領域41のZ軸方向に沿う厚さに対応する。
【0047】
図1(b)に示すように、半導体部材10と第2導電領域21qとの間の第3方向(例えばZ軸方向)に沿う距離dCzは、半導体部材10とゲート配線部22Lとの間の第3方向に沿う距離dLgzよりも長い。例えば、半導体部材10を規準にした第2導電領域21qの高さは、半導体部材10を規準にしたゲート配線部22Lの高さよりも高い。
【0048】
この例では、ゲート配線部22L及びドレイン配線部21Lは、実質的に同層である。例えば、ゲート配線部22Lからドレイン配線部21Lへの方向は、第1方向(Y軸方向)に沿う。ソース配線部23L及びドレイン導電部21Cは、実質的に同層である。例えば、ソース配線部23Lからドレイン導電部21Cへの方向は、第1方向(Y軸方向)に沿う。
【0049】
後述するように、ソース配線部23L及びドレイン配線部21Lが、同層でも良い。
【0050】
図2に示すように、ドレイン導電部21Cは、複数設けられても良い。複数のドレイン導電部21Cの数を数Nとする。複数のドレイン電極21の数を数nとする。数nは、数Nよりも大きい。例えば、数nは、数Nの4倍以上20倍以下である。
【0051】
図1(a)に示すように、ドレイン導電部21Cの第2導電領域21qの第3方向(例えばZ軸方向)に沿う長さを長さ21Czとする。長さ21Czは、第2導電領域21qの厚さに対応する。1つの例において、長さ21Czは、例えば、500nm以上3000nm以下である。
【0052】
複数のドレイン電極21の1つの第3方向(例えばZ軸方向)に沿う長さを長さ21zとする。長さ21zは、複数のドレイン電極21の1つの厚さに対応する。1つの例において、長さ21zは、例えば、200nm以上500nm以下である。
【0053】
図3は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的平面図である。
図3に示すように、複数のドレイン電極21の1つの第2方向(例えばX軸方向)に沿う長さを長さ21xとする。長さ21xは、複数のドレイン電極21の1つの幅に対応する。複数のドレイン電極21の1つの第1方向(例えばY軸方向)に沿う長さを長さ21yとする。長さ21yは、長さ21xよりも長い。
【0054】
ドレイン配線部21Lの第1方向(Y軸方向)に沿う長さを長さ21Lyとする。長さ21Lyは、ドレイン配線部21Lの幅に対応する。長さ21Lyは、長さ21x(複数のドレイン電極21の1つの第2方向(X軸方向)に沿う長さ)よりも長い。
【0055】
長さ21Lyは、例えば、実質的に、長さ21xと比(n/N)との積でも良い。例えば、長さ21Lyは、例えば、長さ21xと比(n/N)との積の0.5倍以上2倍以下でも良い。
【0056】
例えば、ドレイン配線部21Lにおける電流密度は、ドレイン電極21における電流密度と実質的に同じになる。局所的に電流密度が高くなることが抑制される。例えば、温度上昇が抑制できる。例えば、より高い信頼性が得やすくなる。
【0057】
複数のドレイン導電部21Cの数(数N)と、第2導電領域21qの第3方向(例えばZ軸方向)に沿う長さ21Cz(厚さ、図1(a)参照)と、複数のドレイン導電部21Cの1つの第2方向(例えばX軸方向)に沿う長さ21Cx(幅、図3参照)と、の積を第1積とする。複数のドレイン電極21の数nと、複数のドレイン電極21の1つの第3方向に沿う長さ21z(厚さ、図1(a)参照)と、複数のドレイン電極21の1つの第2方向(例えばX軸方向)に沿う長さ21(幅、図3参照)と、の積を第2積とする。第1積は、第2積と実質的に同じである。例えば、第1積は、第2積の0.5倍以上2倍以下でも良い。
【0058】
例えば、複数のドレイン導電部21Cにおける電流密度は、ドレイン電極21における電流密度と実質的に同じになる。局所的に電流密度が高くなることが抑制される。例えば、温度上昇が抑制できる。例えば、より高い信頼性が得やすくなる。
【0059】
図1(a)及び図1(c)に示すように、半導体装置110においては、複数のドレイン電極21の1つは、Z軸方向において、ドレイン導電部21Cの第3導電領域21rと、半導体部材10と、の間にある。
【0060】
図4は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する透過側面図である。
図4に示すように、半導体装置111も、半導体部材10、複数のドレイン電極21、ドレイン配線部21L、及び、ドレイン導電部21Cを含む。半導体装置111も、複数のゲート電極22、ゲート配線部22L、複数のソース電極23、及び、ソース配線部23Lなど(図4では描かれていない)を含んでも良い。半導体装置111における複数のドレイン電極21の位置と、ドレイン導電部21Cの第3導電領域21rの位置と、の関係が、半導体装置110におけるそれとは異なる。これを除いた半導体装置111の構成は、半導体装置110の構成と同様である。
【0061】
半導体装置111においては、複数のドレイン電極21の1つは、Z軸方向において、ドレイン導電部21Cの第3導電領域21rと、半導体部材10と、の間にない。複数のドレイン電極21の1つは、Z軸方向において、ドレイン配線部21Lと、半導体部材10と、の間にある。半導体装置111において、複数のドレイン電極21の1つは、Z軸方向において、ドレイン導電部21Cの一部と重なっても良い。
【0062】
半導体装置111においても、ドレイン-ソース間容量Cdsが小さくできる。これにより、例えば、スイッチング損失を抑制できる。例えば、損失を抑制できる半導体装置を提供できる。
【0063】
図5は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図5は、図1(b)に対応する模式的断面図である。図5に示すように、半導体装置112においては、ソース配線部23Lの高さと、ゲート配線部22Lの高さと、の関係が、半導体装置110(図1(b)参照)におけるそれとは、異なる。これを除いた半導体装置112の構成は、半導体装置110の構成と同様である。
【0064】
半導体装置112において、ソース配線部23Lが設けられる。既に説明したように、ソース配線部23Lは、複数のソース電極23と電気的に接続され、第2方向(例えばX軸方向)に沿って延びる(図2参照)。既に説明したように、複数のソース電極23は、第1半導体領域R1に設けられ、第1方向(Y軸方向)に沿って延びる。複数のソース電極23の1つは、複数のドレイン電極21の1つと、複数のドレイン電極21の別の1つと、の間にある。
【0065】
図5に示すように、例えば、半導体部材10を規準にした第2導電領域21qの高さは、半導体部材10を規準にしたソース配線部23Lの高さよりも高い。
【0066】
例えば、既に説明したように、半導体部材10と第2導電領域21qとの間の第3方向(例えばZ軸方向)に沿う距離は、距離dCzである。半導体部材10とソース配線部23Lとの間の第3方向に沿う距離を距離dLszとする。距離dCzは、距離dLszよりも長い。ドレイン-ソース間容量Cdsが小さくできる。
【0067】
この例では、ソース配線部23L及びドレイン配線部21Lは、同層である。例えば、ソース配線部23Lからドレイン配線部21Lへの方向は、第1方向(Y軸方向)に沿う。この例では、ゲート配線部22L及びドレイン導電部21Cは、同層である。例えば、ゲート配線部22Lからドレイン導電部21Cへの方向は、第1方向(Y軸方向)に沿う。
【0068】
図6は、第1実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図6に示すように、半導体装置113においては、ゲート導電部材22FPがさらに設けられる。半導体装置113においては、ソース導電部材23FPがさらに設けられている。これらを除いた半導体装置113の構成は、半導体装置110の構成と同様である。
【0069】
以下、ゲート導電部材22FP及びソース導電部材23FPの例について、説明する。
【0070】
半導体装置113においても、複数のドレイン電極21、ドレイン配線部21L、ドレイン導電部21C、複数のソース電極23、ソース配線部23L、複数のゲート電極22、及び、ゲート配線部22Lが設けられる(図2参照)。既に説明したように、複数のソース電極23は、第1半導体領域R1に設けられ、第1方向(Y軸方向)に沿って延びる。ソース配線部23Lは、複数のソース電極23と電気的に接続され、第2方向(例えばX軸方向)に沿って延びる。複数のゲート電極22は、第1半導体領域R1に設けられ、第1方向に沿って延びる。ゲート配線部22Lは、複数のゲート電極22と電気的に接続され、第2方向に沿って延びる。
【0071】
図6に示すように、ゲート導電部材22FPは、複数のゲート電極22の1つと電気的に接続される。図6においては、ゲート導電部材22FPと、複数のゲート電極22の1つ、との電気的な接続が、破線22C(導電部材)により示されている。この導電部材は、図6の断面図では表示されない。実施形態において、ゲート導電部材22FPは、複数のゲート電極22の1つと電気的に接続されず、複数のソース電極23の1つと電気的に接続されていても良い。
【0072】
図6に示すように、複数のゲート電極22の1つは、複数のソース電極23の1つと、複数のドレイン電極21の1つと、の間にある。
【0073】
ゲート導電部材22FPの端部22FPeの第2方向(X軸方向)における位置は、複数のゲート電極22の上記の1つの第2方向(X軸方向)における位置と、複数のドレイン電極21の上記の1つの第2方向(X軸方向)における位置と、の間にある。ゲート導電部材22FPは、例えば、ゲート用フィールドプレートである。
【0074】
既に説明したように、半導体部材10とドレイン配線部21Lとの間の第3方向(例えばZ軸方向)に沿う距離を距離dLzとする(図1(a)及び図6参照)。半導体部材10とゲート導電部材22FPとの間の第3方向に沿う距離を距離dFgzとする(図6参照)。距離dLzは、距離dFgzと実質的に同じである。例えば、ドレイン配線部21L及びゲート導電部材22FPは、実質的に同層である。
【0075】
例えば、ドレイン配線部21Lの材料は、ゲート導電部材22FPの材料と同じでも良い。
【0076】
図6に示すように、ソース導電部材23FPは、複数のソース電極23の1つと電気的に接続される。例えば、複数のドレイン導電部21Cは、X軸方向において、ソース導電部材23FPと重ならない。
【0077】
例えば、ソース導電部材23FPの端部23FPeの第2方向(X軸方向)における位置は、複数のゲート電極22の上記の1つの第2方向における位置と、複数のドレイン電極21の上記の1つの第2方向における位置と、の間にある。ソース導電部材23FPは、例えば、ソース用フィールドプレートである。
【0078】
既に説明したように、半導体部材10と第2導電領域21qとの間の第3方向(例えばZ軸方向)に沿う距離を距離dCzとする(図1(a)及び図6参照)。半導体部材10とソース導電部材23FPとの間の第3方向に沿う距離を距離dFszとする(図6参照)。距離dCzは、距離dFszと実質的に同じである。例えば、第2導電領域21q及びソース導電部材23FPは、実質的に同層である。
【0079】
実施形態において、例えば、第2導電領域21q(ドレイン導電部21C)の材料は、ソース導電部材23FPの材料と同じでも良い。
【0080】
図6に示すように、この例では、絶縁膜40aa及び40abが設けられている。絶縁膜40aaは、例えば保護膜である。絶縁膜40abは、例えばゲート絶縁膜である。絶縁膜40aaは、例えば、シリコン及び窒素を含む。絶縁膜40abは、例えば、シリコン及び酸素を含む。
【0081】
(第2実施形態)
図7(a)~図7(c)は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図8は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式的平面図である。
図7(a)は、図8のA1-A2線断面図である。図7(b)は、図8のB1-B2線断面図である。図7(c)は、半導体装置の透過側面図である。
【0082】
図7(a)及び図8に示すように、第2実施形態に係る半導体装置120は、半導体部材10、複数のドレイン電極21、及び、ドレイン導電部材21Mを含む。この他、半導体装置120は、複数のゲート電極22、ゲート配線部22L、複数のソース電極23、及び、ソース配線部23Lを含む。半導体装置120における、半導体部材10、複数のゲート電極22、ゲート配線部22L、複数のソース電極23、及び、ソース配線部23Lは、半導体装置110におけるそれらと同様であるので、説明を省略する。
【0083】
半導体装置120においても、半導体部材10は、第1半導体領域R1及び第2半導体領域R2を含む。この例では、半導体部材10は、第3半導体領域R3をさらに含む。
【0084】
図8に示すように、半導体装置120においても、複数のドレイン電極21は、第1半導体領域R1に設けられる。複数のドレイン電極21は、第1方向(Y軸方向)に沿って延びる。複数のドレイン電極21は、第1方向と交差する第2方向(例えばX軸方向)に並ぶ。既に説明したように、第1半導体領域R1から第2半導体領域R2への方向は、第1方向に沿う。
【0085】
ドレイン導電部材21Mは、複数のドレイン電極21と電気的に接続される。ドレイン導電部材21Mは、ドレイン配線部21L及びドレイン導電部21Cを含む。
【0086】
ドレイン配線部21Lは、複数のドレイン電極21と電気的に接続される。ドレイン配線部21Lは、第2方向(例えばX軸方向)に沿って延びる。
【0087】
複数のドレイン電極21の一部(例えば端部21e)からドレイン配線部21Lへの方向は、第3方向に沿う。第3方向は、第1方向及び第2方向を含む平面と交差する。第3方向は、例えば、Z軸方向である。
【0088】
ドレイン導電部21Cは、ドレイン配線部21Lと連続する。第2半導体領域R2からドレイン導電部21Cへの方向は、第3方向(例えばZ軸方向)に沿う。
【0089】
この例では、ドレイン導電部材21Mは、接続部21nを含む。接続部21nは、ドレイン配線部21Lを複数のドレイン電極21のそれぞれと電気的に接続する。接続部21nは、例えば、ビア導電部である。
【0090】
例えば、ドレイン配線部21Lからドレイン導電部21Cへの方向は、第1方向(Y軸方向)に沿う。ドレイン導電部21Cは、ドレイン配線部21Lの一部に設けられる。
【0091】
半導体装置120においても、ドレイン導電部21Cと半導体部材10との間の距離(距離dCz1、図7(a)参照)は、長い。ドレイン-ソース間容量Cdsが小さくできる。これにより、例えば、スイッチング損失を抑制できる。実施形態によれば、損失を抑制できる半導体装置を提供できる。
【0092】
図8に示すように、ドレイン導電部21Cの第2方向(例えば、X軸方向)に沿う長さ21Cxは、ドレイン配線部21Lの第2方向に沿う長さ21Lxよりも短い。
【0093】
図8に示すように、複数のドレイン導電部21Cが設けられても良い。複数のドレイン導電部21Cの1つの第2方向(X軸方向)に沿う長さは、長さ21Cxである。複数のドレイン導電部21Cに関しての、長さ21Cxの合計(複数のドレイン導電部21Cの数Nと、長さ21Cxと、の積)は、ドレイン配線部21Lの第2方向に沿う長さ21Lxよりも短い。ドレイン導電部21Cのサイズが小さいことにより、ドレイン-ソース間容量Cdsが小さくでき、スイッチング損失を抑制できる。
【0094】
1つの例において、複数のドレイン導電部21Cの数Nと、長さ21Cxと、の積は、例えば、長さ21Lxの1/2以下である。この積は、例えば、長さ21Lxの1/5以下でも良い。
【0095】
ドレイン導電部21Cの第2方向(X軸方向)に沿う長さ21Cxは、Y軸方向において変化しても良い。この場合、長さ21Cxとして、例えば、変化する長さの平均値を用いることができる。
【0096】
ドレイン導電部材21Mにおいて、ドレイン配線部21LのY軸方向の幅は、実質的に一定である。例えば、ドレイン導電部材21MにおいてY軸方向の幅が急激に変化する位置(変曲点)を、ドレイン配線部21Lとドレイン導電部21Cとの境界と定義できる。
【0097】
半導体装置120に係る1つの例において、ドレイン導電部21Cの第1方向(Y軸方向)に沿う長さ21Cyは、ドレイン配線部21Lの第1方向(Y軸方向)に沿う長さ21Lyよりも長い(図8参照)。長さ21Cy(幅)が、長さ21Ly(幅)よりも長いことで、例えば、ドレイン導電部21Cをパッド電極で用いる際に、電気的な接続が容易になる。一方、長さ21Lyが短いことで、ドレイン-ソース間容量Cdsを小さくできる。
【0098】
図7(a)に示すように、半導体装置120は、絶縁部40を含む。絶縁部40は、絶縁領域41を含む。絶縁領域41は、第3方向(例えば、Z軸方向)において、第2半導体領域R2とドレイン導電部21Cとの間に設けられる。絶縁領域41は、第2半導体領域R2及びドレイン導電部21Cと接する。
【0099】
図7(b)に示すように、半導体部材10とドレイン導電部21Cとの間の第3方向(例えばZ軸方向)に沿う距離dCz1は、半導体部材10とゲート配線部22Lとの間の第3方向に沿う距離dLgzよりも長くても良い。例えば、半導体部材10を規準にしたドレイン導電部21Cの高さは、半導体部材10を規準にしたゲート配線部22Lの高さよりも高い。
【0100】
図7(b)に示すように、この例では、ソース配線部23L及びドレイン配線部21L(またはドレイン導電部21C)は、実質的に同層である。例えば、ソース配線部23Lからドレイン配線部21L(またはドレイン導電部21C)への方向は、第1方向(Y軸方向)に沿う。ゲート配線部22L及びドレイン配線部21L(またはドレイン導電部21C)が、同層でも良い(例えば、図5参照)。
【0101】
図7(c)に示すように、半導体装置120においては、複数のドレイン電極21の1つは、Z軸方向において、ドレイン導電部21Cと、半導体部材10と、の間にある。複数のドレイン電極21の1つは、Z軸方向において、ドレイン導電部21Cと半導体部材10との間になくても良い。複数のドレイン電極21の1つは、Z軸方向において、ドレイン配線部21Lと、半導体部材10と、の間にある。
【0102】
図8に示すように、ドレイン導電部21Cは、複数設けられても良い。例えば、複数のドレイン電極21の数nは、複数のドレイン導電部21Cの数Nの4倍以上20倍以下である。
【0103】
例えば、複数のドレイン導電部21Cの数(数N)と、第2導電領域21qの第3方向(例えばZ軸方向)に沿う長さ21Cz(厚さ、図7(a)参照)と、複数のドレイン導電部21Cの1つの第2方向(例えばX軸方向)に沿う長さ21Cx(幅、図3参照)と、の積を第1積とする。複数のドレイン電極21の数nと、複数のドレイン電極21の1つの第3方向に沿う長さ21z(厚さ、図7(a)参照)と、複数のドレイン電極21の1つの第2方向(例えばX軸方向)に沿う長さ21(幅、図3参照)と、の積を第2積とする。第1積は、第2積と実質的に同じである。例えば、第1積は、第2積の0.5倍以上2倍以下でも良い。局所的に電流密度が高くなることが抑制される。例えば、温度上昇が抑制できる。例えば、より高い信頼性が得やすくなる。
【0104】
図8に示すように、複数のドレイン電極21の1つの第2方向(X軸方向)に沿う長さを長さ21xとする。一方、ドレイン配線部21Lの第1方向(Y軸方向)に沿う長さを長さ21Lyとする。長さ21Lyは、ドレイン配線部21Lの幅に対応する。長さ21Lyは、長さ21xよりも長い。例えば、ドレイン配線部21Lにおける電流密度は、ドレイン電極21における電流密度と実質的に同じになる。局所的に電流密度が高くなることが抑制される。例えば、温度上昇が抑制できる。例えば、より高い信頼性が得やすくなる。
【0105】
図9は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式的断面図である。
図9は、図7(b)に対応する模式的断面図である。図9に示すように、半導体装置121においては、ソース配線部23Lの高さと、ゲート配線部22Lの高さと、の関係が、半導体装置120(図7(b)参照)におけるそれとは、異なる。これを除いた半導体装置121の構成は、半導体装置110の構成と同様である。
【0106】
半導体部材10とドレイン導電部21Cとの間の第3方向(例えばZ軸方向)に沿う距離は、距離dCz1である。半導体部材10とソース配線部23Lとの間の第3方向に沿う距離を距離dLszとする。距離dCz1は、距離dLszよりも長い。ドレイン-ソース間容量Cdsが小さくできる。
【0107】
この例では、ゲート配線部22L及びドレイン配線部21L(またはドレイン導電部21C)は、同層である。例えば、ゲート配線部22Lからドレイン配線部21L(またはドレイン導電部21C)への方向は、第1方向(Y軸方向)に沿う。
【0108】
図10(a)~図10(d)は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する模式的平面図である。
これらの図は、ドレイン導電部21Cの平面形状を例示している。
【0109】
図10(a)に例示する半導体装置122aにおいては、ドレイン導電部21Cの平面形状は、実質的に矩形である。
【0110】
図10(b)に例示する半導体装置122bにおいては、ドレイン導電部21Cの平面形状は、実質的に台形である。
【0111】
図10(c)に例示する半導体装置122cにおいては、ドレイン導電部21Cの平面形状は、実質的に扁平円の一部である。
【0112】
図10(d)に例示する半導体装置122dにおいては、ドレイン導電部21Cの平面形状は、矩形及び台形の組み合わせである。
【0113】
例えば、図10(b)に示すように、ドレイン導電部21Cは、第1部分21Ceと、第2部分21Cfと、を含む。第2部分21Cfは、第1方向(Y軸方向)において、第1部分21Ceとドレイン配線部21Lとの間にある。第1部分21Ceは、端部である。
【0114】
ドレイン導電部21Cの第2方向(例えばX軸方向)に沿う長さwx(幅)は、第1部分21Ceからドレイン配線部21Lへの向きにおいて増大する。
【0115】
例えば、第2部分21Cfの第2方向(例えばX軸方向)に沿う長さw2(幅)は、第1部分21Ceの第2方向に沿う長さw1(幅)よりも長い。第2部分21Cfの幅が広いことで、電流の集中が抑制できる。例えば、温度上昇が抑制できる。例えば、端部での破壊が生じ難くなる。例えば、より高い信頼性が得やすくなる。
【0116】
ドレイン導電部21CのX軸方向の長さは、50μm以上であることが好ましい。ドレイン導電部21CのY軸方向の長さは、50μm以上であることが好ましい。ドレイン導電部21Cのサイズが大きいことで、ドレイン導電部21Cをパッド電極として用いたときに、接続が容易になる。ドレイン導電部21CのX軸方向の長さは、150μm以下であることが好ましい。ドレイン導電部21CのY軸方向の長さは、150μm以下であることが好ましい。ドレイン導電部21Cのサイズが小さいことで、例えば、ドレイン-ソース間容量Cdsを小さくできる。
【0117】
実施形態によれば、損失を抑制できる半導体装置が提供できる。
【0118】
本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれば良い。
【0119】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、半導体装置に含まれる半導体部材、電極、配線部、導電部、絶縁部及び基板などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0120】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0121】
その他、本発明の実施の形態として上述した半導体装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての半導体装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0122】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと解される。
【0123】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0124】
10…半導体部材、 10s…基体、 11…第1半導体層、 12…第2半導体層、 21…ドレイン電極、 21C…ドレイン導電部、 21Ce、21Cf…第1、第2部分、 21Cx、21Cy、21Cz…長さ、 21L…ドレイン配線部、 21La…第2方向延在部、 21Lx、21Ly…長さ、 21M…ドレイン導電部材、 21e…端部、 21n…接続部、 21p…第1導電領域、 21q…第2導電領域、 21r…第3導電領域、 21x、21y、21z…長さ、 22…ゲート電極、 22C…破線、 22FP…ゲート導電部材、 22FPe…端部、 22L…ゲート配線部、 23…ソース電極、 23FP…ソース導電部材、 23FPe…端部、 23L…ソース配線部、 40…絶縁部、 40a、40b、40c…絶縁領域、 40aa、40ab…絶縁膜、 41…絶縁領域、 110~113、120、121、122a~122d…半導体装置、 R1~R3…第1~第3半導体領域、 dCz、dCz1、dFgz、dFsz、dLgz、dLsz、dLz…距離、 w1、w2、wx…長さ
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