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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】調理器用トッププレート
(51)【国際特許分類】
   C03C 17/34 20060101AFI20221116BHJP
   H05B 6/12 20060101ALN20221116BHJP
   F24C 15/10 20060101ALN20221116BHJP
【FI】
C03C17/34 A
H05B6/12 305
F24C15/10 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018236924
(22)【出願日】2018-12-19
(65)【公開番号】P2020097505
(43)【公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-08-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000232243
【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】593046429
【氏名又は名称】日電硝子加工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】弁理士法人大阪フロント特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土谷 武史
【審査官】大塚 晴彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/141519(WO,A1)
【文献】国際公開第2008/069186(WO,A1)
【文献】特開2014-001106(JP,A)
【文献】特開2008-016318(JP,A)
【文献】特開2005-302633(JP,A)
【文献】特開2008-226608(JP,A)
【文献】特開2004-342609(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 17/34
H05B 6/12
F24C 15/10
B32B 1/00 -43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向している第1の主面及び第2の主面を有する、透明ガラス基板と、
前記透明ガラス基板の前記第1の主面上に設けられている、第1の層と、
前記透明ガラス基板の前記第1の主面上において、前記第1の層を覆うように設けられている、第2の層と、
を備え、
前記第1の層及び前記第2の層が、それぞれ、透明な耐熱樹脂及び着色顔料により構成されており、
前記第1の層及び前記第2の層により、前記透明ガラス基板の前記第2の主面側から視認可能な模様を有する意匠層が構成されており、
前記第1の層が、
密な領域と、
疎な領域と、
前記密な領域よりも疎であり、前記疎な領域よりも密である中間領域と、
を有し、
前記中間領域が、前記密な領域及び前記疎な領域の境界部分に設けられており、
前記密な領域が、前記第1の層を構成する膜が設けられている領域であり、
前記疎な領域が、前記第1の層を構成する膜が設けられていない領域であり、
前記中間領域が、前記第1の層を構成する膜が部分的に設けられることにより、前記密な領域よりも色目が薄くされている領域であり、前記密な領域、前記疎な領域、及び前記中間領域が、前記模様に対応して構成されている調理器用トッププレート
【請求項2】
表色系において、前記第2の層のL値が、前記第1の層のL値よりも大きい、請求項1に記載の調理器用トッププレート
【請求項3】
表色系において、前記第2の層のL値と前記第1の層のL値との差の絶対値が、2以上、99以下である、請求項1又は2に記載の調理器用トッププレート
【請求項4】
表色系において、前記第1の層及び前記第2の層の色差ΔEが、2以上、100以下である、請求項1~のいずれか1項に記載の調理器用トッププレート
【請求項5】
前記透明ガラス基板の前記第1の主面において、前記密な領域及び前記中間領域の面積の和と、前記疎な領域の面積との面積比((密な領域+中間領域)/疎な領域)が、1以上、10以下である、請求項1~のいずれか1項に記載の調理器用トッププレート
【請求項6】
前記模様が、ヘアライン模様である、請求項1~のいずれか1項に記載の調理器用トッププレート
【請求項7】
前記模様が、木目模様である、請求項1~のいずれか1項に記載の調理器用トッププレート
【請求項8】
前記第2の層上に設けられている、塗膜をさらに備える、請求項1~のいずれか1項に記載の調理器用トッププレート
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理器用トッププレートや燃焼装置用窓ガラスなどに用いられる、耐熱ガラスに関する。
【背景技術】
【0002】
電磁気調理器、ラジアントヒーター調理器、ガス調理器などの調理器のトッププレートには、低い熱膨張係数を有する結晶化ガラスや硼珪酸ガラスなどからなる耐熱性を有するガラス基板が用いられている。ガラス基板として、透明なガラス基板を用いる場合には、一般に、意匠性を向上させたり調理器内部の構造を隠蔽したりすることを目的として、調理器内部側に位置する裏面に、装飾層や遮光層が設けられている。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、透明ガラス基板と、透明ガラス基板の一方主面側に設けられる意匠層と備える、耐熱ガラスが開示されている。上記意匠層の模様は、透明ガラス基板の他方主面側から視認可能な模様である。上記意匠層は、疎な領域と密な領域が上記模様に対応して形成されている第1の層を有する。また、上記意匠層は、第1の層を覆うように均一に設けられた第2の層を有する。また、特許文献1では、第1の層と第2の層とが、同一系統の色調を有することが好ましい旨が記載されている。具体的に、第1の層と第2の層との色差ΔEは、2~20の範囲内であることが好ましい旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2017/141519号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、調理器用トッププレートにおいて、色彩やデザインの多様化が進んでいる。しかしながら、特許文献1の耐熱ガラスを調理器用トッププレートに用いた場合、耐熱性を高めることができる一方、形成された模様は意匠性の面でなお十分ではなかった。
【0006】
本発明の目的は、調理器のトッププレートなどに用いることが可能な耐熱性を有し、意匠性に優れる、耐熱ガラスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る耐熱ガラスは、対向している第1の主面及び第2の主面を有する、透明ガラス基板と、前記透明ガラス基板の前記第1の主面上に設けられている、第1の層と、前記透明ガラス基板の前記第1の主面上において、前記第1の層を覆うように設けられている、第2の層と、を備え、前記第1の層及び前記第2の層により、前記透明ガラス基板の前記第2の主面側から視認可能な模様を有する意匠層が構成されており、前記第1の層が、密な領域と、疎な領域と、前記密な領域よりも疎であり、前記疎な領域よりも密である中間領域と、を有することを特徴としている。
【0008】
本発明においては、前記中間領域が、前記密な領域及び前記疎な領域の境界部分に設けられていることが好ましい。
【0009】
本発明においては、前記密な領域が、前記第1の層を構成する膜が設けられている領域であり、前記疎な領域が、前記第1の層を構成する膜が設けられていない領域であり、前記中間領域が、前記第1の層を構成する膜が部分的に設けられることにより、前記密な領域よりも色目が薄くされている領域であり、前記密な領域、前記疎な領域、及び前記中間領域が、前記模様に対応して構成されていることが好ましい。
【0010】
本発明においては、L表色系において、前記第2の層のL値が、前記第1の層のL値よりも大きいことが好ましい。
【0011】
本発明においては、L表色系において、前記第2の層のL値と前記第1の層のL値との差の絶対値が、2以上、99以下であることが好ましい。
【0012】
本発明においては、L表色系において、前記第1の層及び前記第2の層の色差ΔEが、2以上、100以下であることが好ましい。
【0013】
本発明においては、前記透明ガラス基板の前記第1の主面において、前記密な領域及び前記中間領域の面積の和と、前記疎な領域の面積との面積比((密な領域+中間領域)/疎な領域)が、1以上、10以下であることが好ましい。
【0014】
本発明においては、前記模様が、ヘアライン模様であってもよい。
【0015】
本発明においては、前記模様が、木目模様であってもよい。
【0016】
本発明においては、前記第2の層上に設けられている、塗膜をさらに備えることが好ましい。
【0017】
本発明に係る調理器用トッププレートは、本発明に従って構成される耐熱ガラスにより構成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、調理器のトッププレートなどに用いることが可能な耐熱性を有し、意匠性に優れる、耐熱ガラスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1の実施形態に係る耐熱ガラスを示す模式的断面図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る耐熱ガラスにおける第1の層を示す模式的平面図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る耐熱ガラスにおける第1の層を拡大して示す模式的平面図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る耐熱ガラスにおける第1の層の変形例を示す模式的平面図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る耐熱ガラスにおける第1の層の中間領域を形成する際に用いられるスクリーンメッシュを示す模式的平面図である。
図6】本発明の第2の実施形態に係る耐熱ガラスを示す模式的断面図である。
図7】本発明の第3の実施形態に係る耐熱ガラスを示す模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、好ましい実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は単なる例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照する場合がある。
【0021】
(耐熱ガラスの第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る耐熱ガラスを示す模式的断面図である。図1に示すように、耐熱ガラス1は、透明なガラス基板2(以下、「透明ガラス基板2」とする)を備える。本実施形態において、透明ガラス基板2は、無色透明である。もっとも、透明ガラス基板2は、有色透明であってもよいが、耐熱ガラス1の美観性をより一層高める観点からは、無色透明であることが好ましい。なお、本明細書において、「透明」であるとは、波長450nm~700nmにおける可視波長域の光透過率が70%以上であることをいう。
【0022】
耐熱ガラス1は、例えば、調理器のトッププレートに用いた場合、加熱及び冷却が繰り返しなされることがある。そのため、透明ガラス基板2は、高い耐熱性及び低い熱膨張係数を有するものであることが好ましい。具体的には、透明ガラス基板2の軟化温度は、700℃以上であることが好ましく、750℃以上であることがより好ましい。また、透明ガラス基板2の30℃~750℃における平均線熱膨張係数は、-10×10-7/℃~+60×10-7/℃の範囲内であることが好ましく、-10×10-7/℃~+50×10-7/℃の範囲内であることがより好ましく、-10×10-7/℃~+40×10-7/℃の範囲内であることがさらに好ましい。従って、透明ガラス基板2は、ガラス転移温度が高く、低膨張なガラスや、低膨張の結晶化ガラスからなるものであることが好ましい。低膨張の結晶化ガラスの具体例としては、例えば、日本電気硝子社製の「N-0」が挙げられる。なお、透明ガラス基板2としては、ホウケイ酸ガラスなどを用いてもよい。
【0023】
透明ガラス基板2の厚みは、特に限定されない。透明ガラス基板2の厚みは、光透過率などに応じて適宜設定することができる。透明ガラス基板2の厚みは、例えば、2mm~6mm程度とすることができる。
【0024】
透明ガラス基板2は、対向している第1の主面2a及び第2の主面2bを有する。透明ガラス基板2の第1の主面2a上には、意匠層3が設けられている。意匠層3は、第1の層4及び第2の層5を有する。より具体的には、透明ガラス基板2の第1の主面2a上に、第1の層4が設けられている。透明ガラス基板2の第1の主面2a上において、第1の層4を覆うように、第2の層5が設けられている。それによって、透明ガラス基板2上に、意匠層3が構成されている。
【0025】
意匠層3の模様は、透明ガラス基板2の第2の主面2b側から視認可能な模様とされている。本実施形態において、意匠層3の模様は、ヘアライン模様である。ヘアライン模様は、ステンレス(SUS)板の表面において、観察されるような模様である。なお、意匠層3の模様は、木目模様であってもよく、特に限定されない。
【0026】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る耐熱ガラスにおける第1の層を示す模式的平面図である。また、図3は、本発明の第1の実施形態に係る耐熱ガラスにおける第1の層を拡大して示す模式的平面図である。なお、図2及び図3は、透明ガラス基板2の第2の主面2b側から視た第1の層4の模式的平面図である。
【0027】
図3に示すように、第1の層4では、密な領域4aと、疎な領域4bと、中間領域4cとが、意匠層3のヘアライン模様に対応して構成されている。
【0028】
密な領域4aは、第1の層4を構成する膜が設けられている領域である。密な領域4aにおいて、膜の厚みは、ほぼ均一な厚みでもあってもよいし、意匠層3の模様に応じて変化していてもよい。密な領域4aにおける膜の厚みは、特に限定されないが、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上であり、好ましくは10μm以下、より好ましくは7μm以下である。密な領域4aにおける膜の厚みが上記範囲内にある場合、意匠性により一層優れた模様とすることができる。また、ヘアラインの延びる方向及び厚み方向に直交する方向を幅方向としたときに、密な領域4aの幅は、特に限定されないが、好ましくは0.001mm以上、より好ましくは0.15mm以上であり、好ましくは5mm以下、より好ましくは2.5mm以下である。密な領域4aの幅が上記範囲内にある場合、意匠性により一層優れた膜とすることができる。
【0029】
一方、疎な領域4bは、第1の層4を構成する膜が実質的に設けられていない領域である。なお、本明細書において、「実質的に設けられていない」とは、疎な領域4b全体の面積に対して第1の層4を構成する膜の面積割合が、10%未満のことをいう。
【0030】
中間領域4cは、密な領域4aと疎な領域4bとの境界部分に設けられている領域である。中間領域4cは、密な領域4aと疎な領域4bとの全ての境界部分を含むように設けられていてもよく、一部の境界部分を含むように設けられていてもよい。また、中間領域4cにおいては、第1の層4を構成する膜が部分的に設けられている。中間領域4cでは、第1の層4を構成する膜が部分的に設けられることにより、密な領域4aよりも疎となり、疎な領域4bよりも密となる。その結果、中間領域4cでは、密な領域4aよりも色目(色調)が薄くされている。
【0031】
中間領域4cにおいて、第1の層4を構成する膜が設けられている部分の面積割合は、好ましくは10%以上、より好ましくは60%以上であり、好ましくは90%以下、より好ましくは85%以下である。第1の層4を構成する膜が設けられている部分の面積割合が、上記範囲内にある場合、意匠性により一層優れた模様とすることができる。
【0032】
中間領域4cにおける膜の厚みは、密な領域4aと同じであってもよく、異なっていてもよい。中間領域4cにおいて、膜の厚みは、ほぼ均一な厚みでもあってもよいし、意匠層3の模様に応じて変化していてもよい。また、中間領域4cでは、密な領域4aより膜の厚みを薄くすることにより、密な領域4aよりも疎とし、疎な領域4bよりも密として、色目を薄くしてもよい。中間領域4cにおける膜の厚みは、特に限定されないが、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上であり、好ましくは7μm以下、より好ましくは5μm以下である。中間領域4cにおける膜の厚みが上記範囲内にある場合、意匠性により一層優れた模様とすることができる。また、ヘアラインの延びる方向及び厚み方向に直交する方向を幅方向としたときに、中間領域4cの幅は、特に限定されないが、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.3mm以上であり、好ましくは5mm以下、より好ましくは2.5mm以下である。中間領域4cの幅が上記範囲内にある場合、意匠性により一層優れた模様とすることができる。
【0033】
透明ガラス基板2の第1の主面2aにおいて、密な領域4a及び中間領域4cの面積の和と、疎な領域4bの面積との面積比((密な領域4a+中間領域4c)/疎な領域4b)は、特に限定されないが、好ましくは1以上、より好ましくは2以上であり、好ましくは10以下、より好ましくは9以下である。上記面積比が上記範囲内にある場合、意匠性により一層優れた模様とすることができる。
【0034】
また、図1に示すように、第2の層5は、第1の層4の全体を覆うように、連続的かつ均一に設けられている。第2の層5は、例えば、ベタ塗りの塗膜により構成することができる。なお、第1の層4の疎な領域4bには、上述したように第1の層4を構成する膜が設けられていない。そのため、この領域においては、透明ガラス基板2の第2の主面2b側から視たときに、第2の層5が視認されることになる。
【0035】
第2の層5の厚みは、特に限定されないが、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上であり、好ましくは10μm以下、より好ましくは7μm以下である。第2の層5の厚みが上記範囲内にある場合、意匠性により一層優れた模様とすることができる。
【0036】
このように、本実施形態においては、第1の層4が、密な領域4aと、疎な領域4bと、中間領域4cとを有しており、その第1の層4を覆うように第2の層5が設けられることによって、意匠層3が構成されている。意匠層3においては、特に、第1の層4を構成する密な領域4aと疎な領域4bとの境界部分に、密な領域4aよりも疎となり、疎な領域4bよりも密であり、色目が薄い中間領域4cが設けられている。そのため、密な領域4aにより描かれるヘアライン模様を立体的に見せることができ、意匠性に優れた模様とすることができる。
【0037】
本実施形態において、第1の層4を構成する塗膜の色は、特に限定されないが、黒色やグレー色であることが好ましい。また、密な領域4a及び中間領域4cは、同色の塗膜により構成されることが好ましい。一方、第2の層5を構成する塗膜の色は、第1の層4よりも淡く明るい色であることが好ましい。この場合、意匠性により一層優れた模様とすることができる。なお、第2の層5を構成する塗膜の色は、例えば、白色やクリーム色とすることができる。
【0038】
また、L表色系において、第1の層4のL値をLαとし、第2の層5のL値をLβとしたときに、LβとLαとの差の絶対値|Lβ-Lα|が、2以上、99以下であることが好ましく、10以上、90以下であることがより好ましい。差の絶対値|Lβ-Lα|が上記範囲内にある場合、第2の層5を第1の層4よりもより一層明るくすることができ、意匠性により一層優れた模様とすることができる。なお、Lβは、50以上であることが好ましく、Lαは、50以下であることが好ましい。また、Lαは、透明ガラス基板2の第1の主面2a上に第1の層4のベタ塗りの塗膜のみを形成し、第1の層4側から色差計により測定したL値である。Lβは、透明ガラス基板2の第1の主面2a上に第2の層5のベタ塗りの塗膜のみを形成し、第2の層5側から色差計により測定したL値である。
【0039】
また、L表色系において、第1の層4及び第2の層5の色差ΔEが、2以上、100以下であることが好ましく、10以上、90以下であることがより好ましい。色差ΔEが上記範囲内にある場合、意匠性により一層優れた模様とすることができる。
【0040】
上記の色差ΔEは、L表色系における色差であり、下記式(1)から求めることができる。
【0041】
ΔE=((Lα-Lβ+(aα-aβ+(bα-bβ0.5 …式(1)
【0042】
α、α、αは、透明ガラス基板2の第1の主面2a上に第1の層4のベタ塗りの塗膜のみを形成し、第1の層4側から色差計により測定したL値である。Lβ、β、βは、透明ガラス基板2の第1の主面2a上に第2の層5のベタ塗りの塗膜のみを形成し、第2の層5側から色差計により測定したL値である。
【0043】
なお、Lは「明度指数」(L軸=0~100)、aとbは「クロマティクネク指数」(a軸=-60~+60、b軸=-60~+60)を意味する。
【0044】
本実施形態においては、意匠層3の模様は、ヘアライン模様であるが、木目模様であってもよく、特に限定されない。図4に変形例で示すように、文字や図形などの模様であってもよい。図4の変形例では、文字や図形が密な領域4aによって描かれており、その影が密な領域4aよりも色目が薄い中間領域4cにより描かれている。それによって、意匠層3の模様を立体的に見せることができ、意匠性に優れた模様とすることができる。
【0045】
第1の層4及び第2の層5は、例えば、透明な耐熱樹脂及び着色顔料により構成することができる。もっとも、第1の層4及び第2の層5は、ガラスフリット等のガラス及び着色顔料により構成されていてもよい。第1の層4及び第2の層5の双方が透明な耐熱樹脂及び着色顔料により構成されていてもよく、第1の層4及び第2の層5の双方がガラス及び着色顔料により構成されていてもよい。また、第1の層4が透明な耐熱樹脂及び着色顔料により構成されており、第2の層5がガラス及び着色顔料により構成されていてもよい。第1の層4がガラス及び着色顔料により構成されており、第2の層5が透明な耐熱樹脂及び着色顔料により構成されていてもよい。なお、特に意匠層3の模様がヘアライン模様である場合は、意匠性により一層優れた模様とする観点から、第1の層4及び第2の層5の双方が透明な耐熱樹脂及び着色顔料により構成されていることが好ましい。また、上述したように、第2の層5は第1の層4よりも淡く明るい色であることが好ましいので、第1の層4及び第2の層5に含まれる着色顔料は、異なる着色顔料であることが好ましい。
【0046】
第1の層4及び第2の層5に用いられる着色顔料は、有色の無機物である限りにおいて特に限定されない。着色顔料としては、例えば、TiO粉末、ZrO粉末若しくはZrSiO粉末などの白色の顔料粉末、Coを含む青色の無機顔料粉末、Coを含む緑色の無機顔料粉末、Ti-Sb-Cr系若しくはTi-Ni系の黄色の無機顔料粉末、Co-Si系の赤色の無機顔料粉末、Feを含む茶色の無機顔料粉末、又はCuを含む黒色の無機顔料粉末などが挙げられる。
【0047】
Coを含む青色の無機顔料粉末の具体例としては、例えば、Co-Al系又はCo-Al-Ti系の無機顔料粉末が挙げられる。Co-Al系の無機顔料粉末の具体例としては、CoAl粉末などが挙げられる。Co-Al-Ti系の無機顔料粉末の具体例としては、CoAl-TiO-LiO粉末などが挙げられる。
【0048】
Coを含む緑色の無機顔料粉末の具体例としては、例えば、Co-Al-Cr系又はCo-Ni-Ti-Zn系の無機顔料粉末が挙げられる。Co-Al-Cr系の無機顔料粉末の具体例としては、Co(Al,Cr)粉末などが挙げられる。Co-Ni-Ti-Zn系の無機顔料粉末の具体例としては、(Co,Ni,Zn)TiO粉末などが挙げられる。
【0049】
Feを含む茶色の無機顔料粉末の具体例としては、例えば、Fe-Zn系の無機顔料粉末が挙げられる。Fe-Zn系の無機顔料粉末の具体例としては、(Zn,Fe)Fe粉末などが挙げられる。
【0050】
Cuを含む黒色の無機顔料粉末の具体例としては、例えば、Cu-Cr系の無機顔料粉末やCu-Fe系の無機顔料粉末が挙げられる。Cu-Cr系の無機顔料粉末の具体例としては、Cu(Cr,Mn)粉末や、Cu-Cr-Mn粉末などが挙げられる。また、Cu-Fe系の無機顔料粉末の具体例としては、Cu-Fe-Mn粉末などが挙げられる。
【0051】
これらの着色顔料は、1種を単独で用いてもよく、複数種を併用してもよい。
【0052】
第1の層4及び第2の層5に用いられる耐熱樹脂は、透明な樹脂であることが好ましい。特に、波長450nm~700nmにおける可視波長域の光透過率が80%以上であることが好ましい。第1の層4及び第2の層5に用いられる耐熱樹脂は、特に限定されず、例えば、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などを用いることができる。なかでも、シリコン原子に直接結合した官能基が、メチル基及びフェニル基のうち少なくとも一方であるシリコーン樹脂であることが好ましい。この場合、耐熱ガラス1の耐熱性をより一層高めることができる。
【0053】
これらの耐熱樹脂は、1種を単独で用いてもよく、複数種を併用してもよい。また、上記以外の他の樹脂を含んでいてもよい。
【0054】
なお、第1の層4及び第2の層5が耐熱樹脂により構成される場合は、生産性をより一層高める観点から同じ樹脂が用いられることが望ましいが、異なる樹脂であってもよい。
【0055】
また、第1の層4及び第2の層5がガラスにより構成される場合、ガラス成分としては、例えば、ホウケイ酸塩系ガラス、アルカリ金属成分及びアルカリ土類金属成分のうちの少なくとも一方を含む珪酸塩系ガラス、亜鉛及びアルミニウムを含むリン酸塩系ガラス等を用いることができる。また、ガラスの形態としては、鱗片状、粉状等であることが好ましい。
【0056】
本実施形態において、第1の層4中に含まれる着色顔料の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。第1の層4に含まれる着色顔料の含有量が、上記下限値以上である場合、意匠性により一層優れた模様とすることができる。また、着色顔料の含有量が上記上限値以下である場合、耐熱ガラス1の耐熱性や耐衝撃性をより一層高めることができる。なお、第1の層4中に含まれる着色顔料の含有量は、第1の層4を構成する材料全体を100質量%としたときの含有量である。
【0057】
第2の層5中に含まれる着色顔料の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。第2の層5中に含まれる着色顔料の含有量が、上記下限値以上である場合、意匠性により一層優れた模様とすることができる。また、第2の層5中の着色顔料の含有量が上記上限値以下である場合、耐熱ガラス1の耐熱性や耐衝撃性をより一層高めることができる。なお、着色顔料の含有量は、第2の層5を構成する材料全体を100質量%としたときの含有量である。
【0058】
第1の層4及び第2の層5中における耐熱樹脂やガラスの含有量は、特に限定されないが、それぞれ、好ましくは65質量%以上、より好ましくは70質量%以上であり、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。耐熱樹脂やガラスの含有量が、上記下限値以上である場合、耐熱ガラス1の耐熱性や耐衝撃性をより一層高めることができる。また、耐熱樹脂やガラスの含有量が上記上限値以下である場合、耐熱ガラス1の機械的強度をより一層高めることができる。なお、耐熱樹脂やガラスの含有量は、第1の層4及び第2の層5を構成する材料全体をそれぞれ100質量%としたときの含有量である。
【0059】
第1の層4及び第2の層5には、それぞれ、さらに体質顔料が含まれていてもよい。体質顔料は、着色顔料とは異なる無機顔料粉末である。体質顔料としては、特に限定されないが、例えば、タルク、マイカなどを用いることができる。これらの体質顔料は、1種を単独で用いてもよく、複数種を併用してもよい。第1の層4及び第2の層5に体質顔料が含まれている場合、耐熱ガラス1の機械的強度をより一層高めることができる。
【0060】
第1の層4及び第2の層5における体質顔料の含有量は、特に限定されないが、それぞれ、好ましくは1質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、好ましくは35質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。体質顔料の含有量が、上記下限値以上である場合、耐熱ガラス1の機械的強度をより一層高めることができる。また、体質顔料の含有量が上記上限値以下である場合、耐熱ガラス1の耐熱性や耐衝撃性をより一層高めることができる。なお、体質顔料の含有量は、第1の層4及び第2の層5を構成する材料全体をそれぞれ100質量%としたときの含有量である。
【0061】
図1に示すように、第2の層5上には、ベタ塗りの第1の塗膜6が設けられている。また、第1の塗膜6上に、ベタ塗りの第2の塗膜7が設けられている。本実施形態においては、第1の塗膜6が白色の塗膜であり、第2の塗膜7がグレー色の塗膜である。第1の塗膜6及び第2の塗膜7を設けることにより、例えば、耐熱ガラス1を調理器用トッププレートに用いたときに、調理器の内部構造の隠蔽性をより一層高めることができる。
【0062】
第1の塗膜6及び第2の塗膜7の厚みは、それぞれ、好ましくは2μm以上、より好ましくは3μm以上であり、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下である。第1の塗膜6及び第2の塗膜7の厚みがそれぞれ上記下限値以上である場合、調理器の内部構造の隠蔽性をより一層高めることができる。一方、第1の塗膜6及び第2の塗膜7の厚みがそれぞれ上記上限値以下である場合、意匠層3との熱膨張係数の差により生じる塗膜の剥離をより一層生じ難くすることができる。
【0063】
第1の塗膜6及び第2の塗膜7は、耐熱ガラス1を例えば調理器用トッププレートに用いたときに、調理器の内部構造の隠蔽性をより高めるために設けられる塗膜である。従って、第1の塗膜6及び第2の塗膜7は、例えば、遮光膜とすることができる。第1の塗膜6及び第2の塗膜7も有色の着色顔料を含んでいることが好ましい。第1の塗膜6及び第2の塗膜7には、同じ着色顔料が含まれていてもよく、異なる着色顔料が含まれていてもよい。着色顔料は、調理器の内部構造の隠蔽性を考慮して、第1の層4及び第2の層5の欄で説明した着色顔料を適宜用いることができる。
【0064】
第1の塗膜6及び第2の塗膜7は、例えば、耐熱樹脂により構成されていてもよいし、ガラスにより構成されていてもよい。第1の塗膜6及び第2の塗膜7は、双方が耐熱樹脂により構成されていてもよく、双方がガラスにより構成されていてもよい。第1の塗膜6及び第2の塗膜7のうち一方が耐熱樹脂に構成されており、他方がガラスにより構成されていてもよい。耐熱樹脂やガラスとしては、第1の層4及び第2の層5の欄で説明したものを適宜用いることができる。
【0065】
第1の塗膜6及び第2の塗膜7に用いられる着色顔料の含有量は、それぞれ、好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上であり、好ましくは80重量%以下、より好ましくは70重量%以下である。第1の塗膜6及び第2の塗膜7に用いられる着色顔料の含有量がそれぞれ上記下限値以上である場合、調理器の内部構造の隠蔽性をより一層高めることができる。また、第1の塗膜6及び第2の塗膜7に用いられる着色顔料の含有量がそれぞれ上記上限値以下である場合、意匠層3との密着性をより一層高めることができる。また、第1の塗膜6及び第2の塗膜7は、さらに体質顔料を含んでいてもよい。体質顔料は、第1の層4及び第2の層5の欄で説明したものを適宜用いることができる。
【0066】
(耐熱ガラスの製造方法)
耐熱ガラス1は、例えば、以下の製造方法により製造することができる。
【0067】
まず、透明な耐熱樹脂と、着色顔料粉末と、溶剤とを含む第1の層形成用ペーストを用意する。用意した第1の層形成用ペーストを透明ガラス基板2の第1の主面2a上に塗布し、乾燥させることにより、第1の層4を形成する。ペーストの塗布方法としては、特に限定されず、例えば、スクリーン印刷法を用いることができる。
【0068】
スクリーン印刷において、第1の層4を構成する密な領域4a及び中間領域4cは、例えば、1インチ当たり180本の線が形成された印刷パターンを用いて形成することができる。なお、中間領域4cは、例えば、図5に示すスクリーンメッシュ8を用いて、印刷することにより形成することができる。
【0069】
スクリーンメッシュ8では、感光材9により網目が部分的にマスクされることにより、第1の層形成部分4Aと、第1の層非形成部分4Bが構成されている。第1の層形成部分4Aは、感光材9により網目がマスクされていない部分に対応する。第1の層非形成部分4Bは、感光材9により網目がマスクされている部分に対応する。
【0070】
本実施形態では、スクリーンメッシュ8において、網目の隣り合う開口部が交互にマスクされることにより、第1の層形成部分4A及び第1の層非形成部分4Bが形成されている。そのため、このスクリーンメッシュ8を用いて、スクリーン印刷することにより、第1の層4が形成されている部分と、形成されていない部分を均等に配置することができる。第1の層4が形成されている部分と、形成されていない部分を均等に配置することにより、中間領域4cにおける色ムラをより一層抑制することができる。従って、本実施形態のように、第1の層4が形成されている部分と、形成されていない部分を可能な限り均等に配置することのできるスクリーンメッシュ8を用いることが好ましい。
【0071】
なお、中間領域4c全体の面積に対する第1の層4が形成されている部分の比率が、10%以上、90%以下となるように、印刷されることが好ましい。この場合、意匠層3の模様をより一層立体的に見せることができ、意匠性により一層優れた模様とすることができる。
【0072】
次に、透明な耐熱樹脂と、着色顔料粉末と、溶剤とを含む第2の層形成用ペーストを用意する。用意した第2の層形成用ペーストを第1の層4を覆うように塗布し、乾燥させることにより、第2の層5を形成する。ペーストの塗布方法としては、特に限定されず、例えば、スクリーン印刷法を用いることができる。第2の層5は、第1の層4とは異なり、連続的かつ均一に塗布し、ベタ塗りの塗膜を形成するものとする。
【0073】
第1の層4及び第2の層5を形成する際のペーストの塗布スピード及び粘度は、各層における着色顔料の含有量に応じて適宜設定することができる。例えば、各層における着色顔料の含有量が多い場合は、耐熱樹脂の粘度を低くし、耐熱樹脂の塗布スピードを遅くすることが好ましい。
【0074】
第1の層4及び第2の層5を形成する際のペーストの乾燥温度としては、例えば、50℃以上、100℃以下の温度とすることができる。乾燥時間としては、例えば、10分以上、10時間以下とすることができる。
【0075】
なお、第1の層4及び第2の層5が形成された積層体をさらに焼成してもよい。もっとも、第1の層4及び第2の層5は、別々に焼成してもよい。
【0076】
第1の塗膜6及び第2の塗膜7を形成する方法としても、特に限定されず、例えば、耐熱樹脂と、着色顔料粉末と、溶剤とを含むペーストを塗布し、乾燥することにより得ることができる。この場合においても、ペーストの塗布方法としては、スクリーン印刷を用いることができる。また、調理器の内部構造の隠蔽性をより一層高める観点から、第1の塗膜6及び第2の塗膜7も、連続的にかつ均一に塗布し、ベタ塗りの塗膜とすることが好ましい。
【0077】
なお、第1の塗膜6及び第2の塗膜7が形成された積層体をさらに焼成してもよい。第1の塗膜6及び第2の塗膜7は、別々に焼成してもよい。また、第1の層4及び第2の層5と同時に焼成してもよい。なお、各工程における焼成温度は、特に限定されるものではないが、それぞれ、700℃以上であることが好ましく、800℃以上であることがより好ましい。また、焼成温度は、900℃以下であることが好ましく、850℃以下であることがより好ましい。
【0078】
以上のようにして、耐熱ガラス1を製造することができる。
【0079】
[第2の実施形態及び第3の実施形態]
図6は、本発明の第2の実施形態に係る耐熱ガラスを示す模式的断面図である。第2の実施形態では、耐熱ガラス1のヘアライン模様よりも濃い色目のヘアライン模様が構成されている。そのため、図6に示すように、耐熱ガラス21では、第1の塗膜6及び第2の塗膜7が設けられておらず、意匠層3の上に塗膜10のみが設けられている。それによって、耐熱ガラス21を製造する際における作業性を、第1の塗膜6及び第2の塗膜7を形成する場合と比較して、より一層良好にすることができる。なお、意匠層3の上に1層の塗膜10のみを設ける場合、黒色のような濃色の塗膜とすることが好ましい。もっとも、塗膜10の色は特に限定されず、調理器内部の隠蔽性等を考慮して適宜選定することができる。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
【0080】
また、図7は、本発明の第3の実施形態に係る耐熱ガラスを示す模式的断面図である。第3の実施形態では、耐熱ガラス21のヘアライン模様よりもさらに濃い色目のヘアライン模様が設けられている。そのため、図7に示すように、耐熱ガラス31では、意匠層3の上に塗膜が設けられておらず、意匠層3の表面が外気に曝されている。その他の点は、第1の実施形態と同様である。
【0081】
第2の実施形態及び第3の実施形態で示したように、意匠層3の上には、塗膜が1層のみ設けられていてもよく、塗膜が設けられていなくてもよい。例えば、耐熱ガラス1が調理器用トッププレートに用いられる場合は、調理器内部の隠蔽性を考慮して適宜選定することができる。
【0082】
第2の実施形態及び第3の実施形態においても、第1の層4が、密な領域4aと、疎な領域4bと、中間領域4cとを有しており、その第1の層4を覆うように第2の層5が設けられることによって、意匠層3が構成されている。意匠層3においては、特に、第1の層4を構成する密な領域4aと疎な領域4bとの境界部分に、密な領域4aよりも疎となり、疎な領域4bよりも密であり、色目が薄い中間領域4cが設けられている。そのため、密な領域4aにより描かれるヘアライン模様を立体的に見せることができ、意匠性により一層優れた模様とすることができる。
【0083】
第1~第3の実施形態で説明した耐熱ガラスは、調理器のトッププレートなどに用いることが可能な耐熱性を有し、しかも意匠性にも優れている。従って、本発明の耐熱ガラスは、調理器のトッププレートに好適に用いることができる。もっとも、本発明の耐熱ガラスは、このような用途に限定されるものではなく、例えば、ストーブや暖炉等の燃焼装置用窓ガラス等にも用いることができる。
【符号の説明】
【0084】
1,21,31…耐熱ガラス
2…透明ガラス基板
2a…第1の主面
2b…第2の主面
3…意匠層
4…第1の層
4a…密な領域
4b…疎な領域
4c…中間領域
4A…第1の層形成部分
4B…第1の層非形成部分
5…第2の層
6…第1の塗膜
7…第2の塗膜
8…スクリーンメッシュ
9…感光材
10…塗膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7