IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ネオザイム インターナショナル,インコーポレイテッドの特許一覧

特許7177697無毒性植物用薬剤組成物ならびにその方法および使用
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】無毒性植物用薬剤組成物ならびにその方法および使用
(51)【国際特許分類】
   A01N 63/32 20200101AFI20221116BHJP
   A01N 25/30 20060101ALI20221116BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20221116BHJP
   A01P 21/00 20060101ALI20221116BHJP
   A01G 7/06 20060101ALN20221116BHJP
【FI】
A01N63/32
A01N25/30
A01P3/00
A01P21/00
A01G7/06 Z
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2018528938
(86)(22)【出願日】2016-08-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-09-06
(86)【国際出願番号】 US2016048094
(87)【国際公開番号】W WO2017035101
(87)【国際公開日】2017-03-02
【審査請求日】2019-08-21
(31)【優先権主張番号】62/208,662
(32)【優先日】2015-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514301521
【氏名又は名称】ネオザイム インターナショナル,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】デール,パーカー
(72)【発明者】
【氏名】デール,パーカー,デイビッド
【審査官】阿久津 江梨子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/180756(WO,A1)
【文献】森 治彦,最近の酵母の分類法,日本醸造協会雑誌,1985年,Vol. 80, No. 8,pp. 519-529,ISSN 2186-4004
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 63/32
A01N 25/30
A01P 3/00
A01P 21/00
A01G 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物病害の病原体を防除する方法であって、
前記方法は、病原体が寄生した1つもしくは複数の植物に有効量の植物用薬剤組成物を適用すること、および/または前記病原体が前記植物用薬剤組成物に曝露されるように1つもしくは複数の場所に有効量の植物用薬剤組成物を適用すること、を含み、
前記植物用薬剤組成物の有効量は、前記植物および/または前記場所における前記植物用薬剤組成物の濃度が0.001%から10%である量であり、
前記病原体が感染性病原体であり、
前記植物用薬剤組成物の適用により、防除しようとする前記病原体に有害作用がもたらされ、
前記植物用薬剤組成物は、酵母サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)から得られる処理済み発酵酵母上清と1種以上の非イオン界面活性剤とを含み、活性酵素を含まず、5.0未満のpHを有し、
前記処理済み発酵酵母上清は、発酵酵母上清中に存在する、残存する生存酵母、酵母および麦芽ならびに他の任意の微生物による活性酵素、あるいは別の供給源による酵素を、変性、死滅、あるいは別の方法で破壊する処理工程を経て処理される、方法。
【請求項2】
前記植物用薬剤組成物の有効量は、前記植物および/または前記場所における前記植物用薬剤組成物の濃度が0.001%から1%である量である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記植物用薬剤組成物の有効量は、前記植物および/または前記場所における前記植物用薬剤組成物の濃度が0.01%から10%である量である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記処理工程は、煮沸工程、オートクレーブ工程、電離放射線工程、あるいは発酵酵母上清中に存在する、残存する生存酵母、酵母および麦芽ならびに他の任意の微生物による活性酵素あるいは別の供給源による酵素を、変性、死滅、あるいは別の方法で破壊する他の任意の滅菌工程である、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記植物用薬剤組成物は、5重量%~95重量%の処理済み発酵酵母上清を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記植物用薬剤組成物は、前記処理済み発酵酵母上清を少なくとも35重量%含む、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記植物用薬剤組成物は、前記処理済み発酵酵母上清を最大90重量%含む、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記非イオン界面活性剤が、ポリエーテル系非イオン界面活性剤、ポリヒドロキシル系非イオン界面活性剤および/またはバイオ界面活性剤を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記ポリヒドロキシル系非イオン界面活性剤が、スクロースエステル、エトキシ化スクロースエステル、ソルビタールエステル、エトキシ化ソルビタールエステル、アルキルグルコシド、エトキシ化アルキルグルコシド、ポリグリセロールエステルまたはエトキシ化ポリグリセロールエステルを含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記非イオン界面活性剤が、アミンオキシド、エトキシ化アルコール、エトキシ化脂肪族アルコール、アルキルアミン、エトキシ化アルキルアミン、エトキシ化アルキルフェノール、アルキルポリサッカライド、エトキシ化アルキルポリサッカライド、エトキシ化脂肪酸、エトキシ化脂肪アルコールまたはエトキシ化脂肪アミン、あるいは一般式H(OCHCHOC、H(OCHCHORまたはH(OCHCHOC(O)Rを有する非イオン界面活性剤であって、式中、xが、アルキルフェノールおよび/または脂肪アルコールもしくは脂肪酸に付加されたエチレンオキシドのモル数を表し、Rが長鎖アルキル基を表し、Rが長鎖脂肪族基を表す非イオン界面活性剤、を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
がC~C10ノルマルアルキル基である、および/またはRがC12~C20脂肪族基である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記非イオン界面活性剤が、エトキシ化ノニルフェノール、エトキシ化オクチルフェノール、エトキシ化セト-オレイルアルコール、エトキシ化セト-ステアリルアルコール、エトキシ化デシルアルコール、エトキシ化ドデシルアルコール、エトキシ化トリデシルアルコールまたはエトキシ化ヒマシ油である、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記植物用薬剤組成物は、前記1種以上の非イオン界面活性剤を1重量%~15重量%含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記植物用薬剤組成物は、前記1種以上の非イオン界面活性剤を5重量%~13重量%含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記植物用薬剤組成物は、前記1種以上の非イオン界面活性剤を7重量%~11重量%含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記植物用薬剤組成物は、1種以上の陰イオン界面活性剤をさらに含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記植物用薬剤組成物は、前記1種以上の陰イオン界面活性剤を0.5重量%~10重量%含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記植物用薬剤組成物は、前記1種以上の陰イオン界面活性剤を1重量%~8重量%含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記植物用薬剤組成物は、前記1種以上の陰イオン界面活性剤を2重量%~6重量%含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記pHが最大4.5である、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記pHが3.7~4.2である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記植物用薬剤組成物は、抗菌剤をさらに含む、請求項1~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記植物用薬剤組成物は、ヒト、哺乳動物、植物および環境に対して無毒性である成分のみで構成されている、請求項1~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記植物用薬剤組成物は、生分解性である成分のみで構成されている、請求項1~23のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2015年8月22日に出願された米国仮特許出願第62/208,662号の優先権の利益および出願日を主張するものであり、上記出願の内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
農業は世界にとって最も重要なものである。農業は世界に食糧を供給するのに不可欠な存在であるのみならず、すべての国とは言わないまでも、ほとんどの国の経済にとって経済的に極めて重要なものである。農作物の収量に影響を与え得る3つの要因が、植物病害、好ましくない成長条件および非効率的な栽培である。
【0003】
感染性植物病害による損失が壊滅的な人道的影響を及ぼすことがあり、その場合、作物の損失によって飢餓、飢饉および餓死がもたらされる。さらに、植物病害による損失が重大な経済的影響をもたらし、作物の生産者および販売者の収入が減少し、消費者への価格が上昇することもある。感染性植物病害の防除方法が全くないしほとんどない状況では、主要作物の年間損失率が30%~50%となるのはよくあることである。農薬を主体とする従来の植物用薬剤技術により農業生産性が向上した。しかし、農薬の使用は、例えば消費者への負担が増大し、作物の生産者および販売者の収入が減少するなど、負の影響をもたらすことから、不利な状況に陥っている。さらに、農薬が環境に及ぼす悪影響に関して社会的関心が高まりつつある。このため、農業上重要な作物の植物病害を防ぐことが作物収量を向上させるうえで極めて重要である。
【0004】
このほか、世界中の様々な生態系に組み込まれている作物植物が、植物の健康および活力に悪影響を及ぼす好ましくない成長条件に曝されている。このような理想的とは言えない条件は通常、土壌条件もしくは気候条件または極端な温度、水分と酸素との間の不利な関係、土壌もしくは大気中の毒性物質および必須ミネラルの過剰もしくは欠乏を含めた様々なストレスに起因する。良好な成長条件下であっても、程度の差はあれ、このような因子が作物の生産性を低下させることがある。このため、農業上重要な作物の成長条件を改善することが作物収量を向上させるうえで極めて重要である。
【0005】
最後に、世界人口の増加に伴う農業用地の減少により、作物生産性を最適化するだけでなく、栽培効率も高めるよう圧力が高まっている。さらに、世界的な人口増加の加速と農業用地の減少がともに続けば、作物収量を増大させることの必要性は増大する一方である。このため、農業上重要な作物の生産性を高めることが作物収量を向上させるうえで不可欠である。
【0006】
したがって、植物が植物病害、成長条件の不良によるストレスを受けているのか、あるいは植物が健康であり、かつ/または好ましい条件下で成長していてもなお、栽培効率および生産性の向上が必要とされるのかに関係なく、植物の健康および活力を増進し環境に害のない処置方法が大いに必要とされる。このような処置方法は、ヒトの福祉および環境を保護するため、農薬を完全になくすとは言わないまでも、その量を減らすものでもあるべきである。
【発明の概要】
【0007】
本明細書の態様は植物用薬剤組成物を開示する。本開示の植物用薬剤組成物は、処理済み発酵微生物上清と1つまたは複数の非イオン界面活性剤とを含む。本開示の植物用薬剤組成物は、1つまたは複数の陰イオン界面活性剤をさらに含み得る。本開示の植物用薬剤組成物は、生分解性であり、ヒト、哺乳動物、植物および環境に対して無毒性である。
【0008】
本明細書の諸態様は植物用薬剤キットを開示する。本開示の植物用薬剤キットは、本明細書に開示される植物用薬剤組成物と、同組成物を用いて植物の健康および/または活力を改善または最適化する方法に関する指示書とを含む。
【0009】
本明細書の諸態様は、植物病害を防除する方法を開示する。本開示の方法は、1つもしくは複数の植物および/または植物病害の防除が望まれる1つもしくは複数の場所に有効量の本明細書に開示される植物用薬剤組成物を適用することを含む。
【0010】
本明細書の諸態様は、植物の成長および/または果実の生産を増大させる方法を開示する。本開示の方法は、1つまたは複数の植物ならびに/あるいは植物の成長および/または果実の生産の増大が望まれる1つまたは複数の場所に有効量の本明細書に開示される植物用薬剤組成物を適用することを含む。
【0011】
本明細書の諸態様は、植物病害の防除への植物用薬剤組成物の使用を開示する。本開示の使用は、1つもしくは複数の植物および/または植物病害の防除が望まれる1つもしくは複数の場所に本明細書に開示される植物用薬剤組成物を適用することを含む。
【0012】
本明細書の諸態様は、植物の成長および/または果実の生産の増大への植物用薬剤組成物の使用を開示する。本開示の使用は、1つまたは複数の植物ならびに/あるいは植物の成長および/または果実の生産の増大が望まれる1つまたは複数の場所に有効量の本明細書に開示される植物用薬剤組成物を適用することを含む。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(詳細な説明)
植物が、その正常な構造、成長、機能または他の活動を妨げる異常な生理的過程をもたらす何らかの病原体によって絶えず妨害されると、病気になる。植物に不可欠な生理的システムまたは生化学的システムのうち1つまたは複数のものがこのような干渉を受けると、特徴的な病態または症状が誘発される。植物病害は、病原性生物、例えば真菌、細菌、マイコプラズマ、ウイルス、ウイロイド、センチュウなどが原因である。感染性病原体は、伝染性であり、その宿主内で繁殖し、ある感受性宿主から別の宿主に拡散することが可能である。植物病害は、その一次病原体の性質によって大別することができる。このような一次病原体としては、ウイルスのほか、真菌および細菌などの微生物ならびにセンチュウなどの動物が挙げられる。ただ、このような一次病原体を原因とする植物病害を処置するうえで厄介なことの1つに、上記の病原体は通常、何らかの構造によって環境から保護されている点がある。このような防御構造は、その病原体の健康を維持するのに不可欠であるのみならず、病原体を破壊するよう設計された化合物からそれを遮蔽する役割もある。
【0014】
ビリオンとして知られる完全ウイルス粒子は、キャプシドと呼ばれる保護作用のあるタンパク質の被覆に取り囲まれた核酸からなる。キャプシドは、ウイルスの遺伝物質を取り囲み、タンパク質からなりプロトマーと呼ばれる複数のオリゴマー構造のサブユニットで構成されている。一部のウイルスは、外被で覆われている、つまり、キャプシドがウイルス外被として知られる脂質膜で覆われている。この外被は、キャプシドがウイルス宿主の細胞内膜から確保するものであり、このような細胞内膜の例としては、核内膜、ゴルジ膜および細胞の外膜が挙げられる。
【0015】
微生物、例えば細菌、マイコプラズマ(細菌壁のない細菌)および特定の真菌などは、一般に細胞外核酸、タンパク質および多糖からなる生体高分子のポリマー集塊を分泌し、これが細胞外ポリマー物質(EPS)のマトリックスを形成する。このEPSマトリックスに細胞が埋め込まれ、細胞同士が接着するほか、細胞が任意の生存(生体)表面または非生存(非生体)表面に接着して、バイオフィルムまたは粘液層と呼ばれる固着性の微生物集団を形成する。バイオフィルムコロニーは、水溶液に浸漬または曝露される固体基質上に形成されたり、液体表面に浮遊するマットになったりすることもある。
【0016】
バイオフィルムの発達段階には、初期付着、不可逆的付着、成熟I、成熟IIおよび分散の5段階がある。バイオフィルム形成は最初、浮遊性の浮遊微生物が表面に付着することから始まる。この最初の定着物は最初、ファンデルワールス力による弱い可逆的接着力を介して表面に接着する。この定着物は、短時間で表面から分離することがなければ、EPSマトリックスの分泌および線毛などの細胞接着構造物の形成によって恒久的に固定される(不可逆的付着)。コロニー形成が始まると、埋め込まれた微生物の細胞分裂と新たな動員の組合せによりバイオフィルムが成長する(成熟IおよびII)。微生物が分泌する細胞外生体高分子に加えて、バイオフィルムは周囲の環境から、特に限定されないがミネラル、土壌粒子および生体構成成分を含めた材料も取り込むことができる。成熟IおよびIIは、バイオフィルムが確立され、形状および大きさのみが変化し得る段階である。バイオフィルム形成の最終段階は分散として知られ、この段階では、微生物がバイオフィルムから放出され、分散して新たな表面に定着する浮遊増殖相に入る。
【0017】
バイオフィルム内に生息する微生物は、同じ種の浮遊性の浮遊微生物とは生理学的に異なり、特性も大きく異なっている。このような差が生じる理由の1つとして、バイオフィルムによって微生物が環境から保護され、様々な方法で協同および相互作用することが可能になるということがある。例えば、バイオフィルムによって微生物の界面活性剤および抗生物質に対する耐性が高まることがわかっている。さらに、バイオフィルム内では水平遺伝子伝達が極めて容易になり、バイオフィルム構造の安定性が増大する。このほか、バイオフィルム内の微生物は、N-アシルホモセリンラクトン(AHL)などの産物を用いるクオラムセンシング(QS)を介して互いにコミュニケーションを取ることができる。したがって、バイオフィルムは、環境との危険を孕む相互作用から微生物を遮断することによって、これを保護するのに不可欠かつ極めて重要な役割を担っている。
【0018】
微生物より大きい生物も何らかの構造によって環境から保護されている。センチュウには、重合体のタンパク質性細胞外マトリックスであるクチクラを有する。センチュウのクチクラは、大部分が多核体の下皮と呼ばれる上皮細胞層がその頂端膜から様々なタンパク質を分泌し、次いで、これが下皮の外表面でペルオキシダーゼにより広範囲にわたって架橋されてクチクラが形成されたとき形成される。この柔軟なクチクラの主成分は、コラーゲンスーパーファミリーのメンバーおよび高度に架橋された不溶性のタンパク質であるクチクリンである。クチクラを覆っているのが脂質に富む三層のエピクチクラであり、エピクチクラそのものは、緩く結合した糖タンパク質に富む負荷電外被(またはグリコカリックス)に覆われている。この多機能性の細胞外構造は、不浸透性の高いバリアとなってセンチュウを乾燥および病原性感染から保護するほか、構造的枠組みとなってセンチュウの体の形態および完全性を維持し、環境からの侵襲による機械的損傷を防ぎ、体壁筋への付着を介して移動運動を可能にする。したがって、センチュウのクチクラは、センチュウの完全性および環境との相互作用を保持するのに不可欠かつ極めて重要な役割を担っている。
【0019】
このように、植物病害の一次病原体、例えばウイルス、細菌、真菌およびセンチュウなどにみられる防御構造は、これらの病原体の生存に不可欠なものであるばかりでなく、環境から病原体を保護するものでもある。したがって、植物病害の一次病原体の防御構造を妨害するか、または破壊する処置方法があれば極めて有益なものとなる。
【0020】
植物または緑色植物は、植物界に属し緑色植物門を形成する多細胞真核生物である。緑色植物には、顕花植物、針葉樹および他の裸子植物、シダ植物、ヒカゲノカズラ類、ツノゴケ類、苔類、蘚類および緑藻類が含まれるが、紅藻類類、褐藻類、真菌、古細菌、細菌および動物は含まれない。植物は、そのエネルギーの大部分を葉緑体を用いる光合成により日光から得ることを特徴とする。葉緑体にはクロロフィルaおよびクロロフィルbが含まれており、このため緑色を呈する。植物はほかにも、セルロースの厚い細胞壁、貯蔵のための中心液胞、色素を貯蔵する色素体、有性生殖、モジュールおよび無限成長ならびに世代交代がみられることを特徴とするが、無性生殖もよくみられる。
【0021】
典型的な植物は構造上、根系およびシュート系の2つの主要な区画で構成されている。根系は通常、地中にあり、主根と側根のほか、茎の構造が変形してできた塊茎および根茎などがこれに含まれる。この系は、植物を土壌に固定し、地中から水および栄養素を吸収し、植物体全体に水および栄養素を輸送し、食物を貯蔵し、特定のホルモンを分泌するよう機能する。シュート系は通常、地上にあり、茎、葉および生殖器官がこれに含まれる。この系は、植物を土壌よりも高い位置に持ち上げ、光合成を行い、繁殖を行い、植物体全体に水および栄養素を輸送し、食物を貯蔵し、特定のホルモンを分泌するよう機能する。
【0022】
植物体全体に資源を分配する維管束組織を持つ植物は維管束植物と呼ばれる。維管束植物は管束植物としても知られ、植物体全体に水およびミネラルを通導するリグニン化した維管束組織(木部)と光合成産物を通導する特殊なリグニン化していない維管束組織(師部)とを有する陸生植物と定義される。維管束植物には、ヒカゲノカズラ類、トクサ類、シダ植物、裸子植物(針葉樹を含む)および被子植物(顕花植物)が含まれる。このグループの学名にはTracheophytaおよびTracheobiontaがある。
【0023】
木部は、成熟時に死細胞からなる維管束組織である。木部は、根から植物体全体に木部樹液を一方向に輸送する。木部樹液には水、可溶性無機栄養素および無機イオンが含まれているが、ほかにも数種類の有機化学物質が含まれていることがある。木部内での木部樹液の移動は受動的なものであり、重力に対抗する平衡配置を確立する力を生じる毛管作用に依存する。この毛管作用は主に、蒸散作用による吸引力および根圧という2つの機序を介して起こる。蒸散作用による吸引力は、葉の細胞表面から水が蒸発することによって表面張力が発生して木部内に陰圧が生じ、この陰圧が根および土壌から木部樹液を吸い上げるのに十分な力を発生させることによるものである。根圧は、土壌よりも根細胞の方が溶質濃度が高く負の水ポテンシャルが高いことによって浸透作用が生じて陽圧が発生することによるものであり、この陽圧により、木部樹液が葉に向かって木部を昇る。
【0024】
師部には、1)管を形成し師要素と呼ばれる通導細胞;2)特殊化した伴細胞またはタンパク細胞および非特殊化細胞の両方を含む実質細胞;ならびに3)機械的な支持を担う繊維および厚膜細胞などの支持細胞からなる、生きた維管束組織が含まれる。師要素には核がなく、細胞小器官もほとんどないため、代謝に必要なものの大部分を伴細胞またはタンパク細胞に依存する。師部は、植物の光合成領域(主として葉)で作られた光合成産物(または樹液)を、それを必要とする他のあらゆる植物体部位、特に植物体の根などの非光合成部位または塊茎もしくは球根などの貯蔵構造物に多方向に輸送する。光合成産物は、光合成過程で作られた糖および他の可溶性有機栄養素に富む水溶液である。師部内での光合成産物の移動は、正の静水圧を原動力とするものである。この過程は転流と呼ばれ、師部積み降ろしと呼ばれる過程によって行われる。糖源中の細胞が、溶質分子を師管要素内に能動的に輸送することによって師管要素に「荷を積み込む」。これにより水が浸透作用によって師管要素内に移動し、管内の樹液を押し下げる圧力が生じる。糖受容部では、細胞が師管要素から溶質を能動的に輸送して逆の作用を生じさせる。
【0025】
根系は植物の器官であり、通常、土壌の表面よりも下にある。構造的には、根は表皮、皮層、内皮、内鞘および維管束系で構成されている。表皮は外側の細胞層である。皮層は根の主要な構造組織であり、外側に表皮が隣接し内側に内皮が隣接している。内皮は皮層と内鞘とを隔てる組織であり、ここから側根(または岐根)が生じる。根の中心部は、木部と師部とからなる維管束組織である。根系は主根、側根および根毛を含み、3つの成長領域に分けられる。成熟帯は根系の一部分であり、土壌から水および栄養素を吸収し木部を通してシュート系内に輸送する主根、側根および根毛の成熟部分を含む。伸長帯は、新たに分裂した細胞が大きくなる場所である。分裂帯は、根端分裂組織と根冠とからなり、細胞分裂および新たな細胞増殖が起こる領域である。
【0026】
根毛は、根の表皮細胞が伸長した吸収能をもつ単一の細胞である。この極めて小さい毛様構造物は、水およびミネラルを取り込む主要な部位として機能する。根毛に付随し植物と有益な共生関係を築く有益な微生物が存在する。菌根は土壌真菌であり、根と土壌面との接触面積を大きくして水および栄養素の取込みを増大させると考えられる。根粒菌は土壌細菌の一種であり、通常、植物の根に根粒を形成することにより、大気中の窒素を植物が利用できる形にする。
【0027】
木部樹液と光合成産物がともに適切に輸送されることは、植物の生存に不可欠なものである。したがって、この輸送過程の促進が植物の健康に利益をもたらすことになる。例えば、根毛での吸収が向上すると、植物の成長に必要な水、ミネラルおよびその他の栄養素の量が増大する。これと同じように、維管束組織内での木部樹液および光合成産物の流れが改善されると、植物の成長の維持および継続に必要な化合物およびエネルギーの合成が効果的かつ効率的になる。
【0028】
それに対し、木部樹液および光合成産物の移動を妨害したり中断させたりする障害があると、植物の健康状態に影響を及ぼす。例えば、高温、高湿度、暗黒または渇水によって蒸散作用による吸引が妨害されると、木部の負の水圧が大幅に低下し、木部樹液の流れに支障を来たす。これと同じように、好ましくない環境条件によって根毛による水および栄養素の吸収に支障を来たし根圧が妨害されると、木部の正の水圧が大幅に低下し、木部樹液の流れに支障を来たし得る。また別の例として、師部での光合成産物流が妨害されると、栄養素の分配に支障を来たす。上記のいずれの場合も、そのような流れの妨害が原因となって、萎れ、枯れ、成長不全および繁殖力低下につながるほか、植物病害および好ましくない環境条件に対する感受性が高くなることがある。農業に関して言えば、そのような流れの妨害が最終的には作物の収量低下につながる。したがって、木部および師部のそれぞれ木部樹液および光合成産物流を促進、維持または増進する処置方法があれば極めて有益なものとなる。
【0029】
灌漑とは、土地または土壌に人為的に水を散布することである。灌漑は、乾燥地域で降水量が不十分な時期に農作物の栽培、景観の維持および荒れた土壌の植生回復を促すために用いられる。このほか作物生産への用途もいくつかあり、このようなものとして、植物の霜からの保護、雑草成長の抑制および土壌固化の防止が挙げられる。これに対し、直接的な降雨にのみ依存する農業は天水栽培または乾燥地農業と呼ばれる。
【0030】
灌漑の目的は、それぞれの植物に水が多過ぎず少な過ぎず必要な量だけ行き渡るよう田畑全体に水を均一に供給することである。頭上灌漑またはスプリンクラー灌漑は、水を高圧下で配管網を通して田畑内の1つまたは複数の中心部まで分配し、オーバーヘッドスプリンクラーまたはスプレーガンによって散布する方式である。このほか、手動または自動で田畑の異なる領域まで移動させることが可能なプラットフォームにスプリンクラーを取り付けることができる。頭上灌漑法の種類としては、センターピボット灌漑、移動式スプリンクラー灌漑、側方移動灌漑およびホイールライン灌漑がある。局所灌漑は、水を低圧下で配管網を通して所定のパターンで分配し、それぞれの植物またはそれに隣接する植物に少量放出する形で散布する方式である。局所灌漑法の種類としては、点滴灌漑、スプレーまたはマイクロスプリンクラーによる灌漑およびバブラー灌漑がある。局所灌漑法は、水を必要量のみ供給し、蒸発および流出が最小限に抑えられることから、水を最も効率的に利用できる灌漑法であると言える。
【0031】
市販されている住宅用の灌漑システムは、大部分が「地中式」のシステム、つまり、あらゆるものが地中に埋まっているものである。パイプ、スプリンクラー、エミッタ(ドリッパ)および灌水バルブが隠れているため、手で移動させなければならない水撒き用ホースまたは他の道具がなくなり、景観がすっきりした体裁の良いものとなる。しかし、これにより、完全に埋まったシステムを管理するうえで不利な点がいくつか生じる。
【0032】
灌漑ではいくつか問題が起こり得る。例えば、オーバーヘッド灌漑システムおよび局所灌漑システムの配管網は、藻および他の微生物が増殖してバイオフィルムを形成することによって詰まりを起こし、配水に異常を来たす。このような配水不良により、好ましくない成長条件が生じ、植物の健康および活力に悪影響を及ぼすことがある。例えば、配水に一貫性がなくなると、均一であった分配に不均衡が生じることにより田畑の一部に灌漑不足または過剰灌漑が起こり、灌漑不足により土壌塩度が増大して土壌表面に有害な塩が堆積し、灌漑不足または過剰灌漑による作物の不作が起こり、植物病害が蔓延する。したがって、局所灌漑システムおよび頭上灌漑システムの水の流れを促進、維持または増進する処置方法があれば極めて有益なものとなる。
【0033】
理論に制約されるのを望むわけではないが、本開示の植物用薬剤組成物は、ウイルス、細菌、真菌およびセンチュウなどの植物病害の病原体に存在する防御構造の1つまたは複数の成分を溶解させるか、分散させるか、または別の方法で破壊し、それにより1つまたは複数の不可欠な生理的過程が破壊されることによって病原体の死滅がもたらされる。この作用機序は、本明細書に開示される植物用薬剤組成物がウイルスのキャプシド、微生物のバイオフィルムおよびセンチュウのクチクラの脂質系膜エピクチクラ層を破るなどして破裂させることが可能であることと関係がある。開示される植物用薬剤組成物を適用する方法は、病原体に存在する防御構造の1つまたは複数の成分が十分に破壊され、次いで、不可欠な生理的過程の破壊によって病原体が死滅するように、病原体への直接的適用によって、病原体が開示の植物用薬剤組成物に曝露される場所を処置することによって間接的に、あるいは病原体を本開示の植物用薬剤組成物に曝露する他の任意の方法によって、外部曝露により実施される。
【0034】
さらに、理論に制約されるのを望むわけではないが、本開示の植物用薬剤組成物は、根毛による吸収を改善し、木部を通る木部樹液流を改善し、師部での光合成産物流を改善し、それにより植物の健康および活力を維持および/または増進する水および栄養素の輸送の改善がもたらされる。この作用機序は、本明細書に開示される植物用薬剤組成物が土壌からの水、ミネラルおよびその他の栄養素の吸収を増大させ、木部での毛管作用および/または静水圧を増大させ、かつ/あるいは化合物およびエネルギーの合成を増大させ、それにより植物の成長を維持および継続させ、かつ/あるいは植物の健康および活力を増進することが可能であることと関係がある。開示される植物用薬剤組成物を適用する方法は、水、ミネラルおよびその他の栄養素の吸収が改善され、植物体全体の上記原料の輸送が改善され、かつ/または植物の成長の維持および継続に必要な化合物およびエネルギーの合成が改善されるように、植物への直接的適用によって、植物が開示の植物用薬剤組成物に曝露される場所を処置することによって間接的に、あるいは植物を本開示の植物用薬剤組成物に曝露する他の任意の方法によって、外部曝露により実施される。
【0035】
同様に、理論に制約されるのを望むわけではないが、本開示の植物用薬剤組成物は、木部での木部樹液流および/または師部での光合成産物流を阻害する1つまたは複数の成分を溶解させるか、分散させるか、または別の方法で除去し、それにより植物の健康および活力を維持および/または増進する水および栄養素の輸送の改善がもたらされる。この作用機序は、本明細書に開示される植物用薬剤組成物が、木部および師部の流路を阻害する1つまたは複数の成分を溶解させるか、または別の方法で除去することが可能であることと関係がある。開示される植物用薬剤組成物を適用する方法は、木部樹液流および/または光合成産物流を阻害する1つまたは複数の成分が十分に破壊され、次いで植物体全体の水および栄養素の輸送が改善されるように、植物への直接的適用によって、植物が開示の植物用薬剤組成物に曝露される場所を処置することによって間接的に、あるいは植物を本開示の植物用薬剤組成物に曝露する他の任意の方法によって、外部曝露により実施される。一実施形態では、木部樹液流および/または光合成産物流を阻害する1つまたは複数の成分にはバイオフィルムが含まれる。
【0036】
さらに、理論に制約されるのを望むわけではないが、本開示の植物用薬剤組成物は、灌流システムのパイプライン網内の水流を阻害する1つまたは複数の成分を溶解させるか、分散させるか、または別の方法で除去し、それにより植物の健康および活力を維持および/または増進する配水の改善がもたらされる。この作用機序は、本明細書に開示される植物用薬剤組成物が、パイプライン網を阻害する1つまたは複数の成分を溶解させるか、または別の方法で除去することが可能であることと関係がある。開示される植物用薬剤組成物を適用する方法は、パイプライン網を阻害する1つまたは複数の成分が十分に除去され、次いでパイプライン網全体の水輸送が改善されるように、灌漑システムのパイプライン網への直接的適用によって、あるいはパイプライン網を本開示の植物用薬剤組成物に曝露する他の任意の方法によって、外部曝露により実施される。一実施形態では、パイプライン網を阻害する1つまたは複数の成分にはバイオフィルムが含まれる。
【0037】
動作理論に関係なく、本開示の植物用薬剤組成物ならびに方法および使用は、ヒトや環境に有毒な化学薬品に依存しない代替手段となる。それどころか、本明細書に開示される植物用薬剤組成物ならびに方法および使用は、生得的な過程を利用することによって、原料の吸収および輸送を改善するほか、成長を維持するための化合物およびエネルギーの合成を改善するように作用する。これと同様に、本明細書に開示される植物用薬剤組成物ならびに方法および使用は、病原体そのものの脆弱性を利用することによって、その環境、植物の木部樹液流および/または光合成産物流を阻害する1つまたは複数の成分あるいは灌漑システムの水流を阻害する1つまたは複数の成分に作用する。さらに、本開示の植物用薬剤組成物の成分は、ヒトおよび家畜に対して実質的に無毒性であり、野生動物および環境に対する有害作用が最小限のものであることが明らかになっている。
【0038】
本明細書の諸態様は、部分的には植物用薬剤組成物を開示する。本明細書に開示される植物用薬剤組成物は、処理済み発酵微生物上清と1つまたは複数の非イオン界面活性剤とを含む。処理済み発酵微生物上清中には、酵母または細菌などの生きた微生物が一切存在せず、さらには、活性な酵素も活性化可能なプロ酵素も一切存在せず、酵素活性も一切みられない。さらに、植物用薬剤組成物そのものには、酵母または細菌などの生きた微生物が一切存在せず、さらには、活性な酵素も活性化可能なプロ酵素も一切存在せず、酵素活性も一切みられない。
【0039】
この実施形態の一態様では、本明細書に開示される植物用薬剤組成物は、例えば、約75%~約99%の処理済み発酵微生物上清と、約1%~25%の1つまたは複数の非イオン界面活性剤とを含む。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示される植物用薬剤組成物は、例えば、約80%~約97%の処理済み発酵微生物上清と、約3%~20%の1つまたは複数の非イオン界面活性剤とを含む。この実施形態のさらに別の態様では、本明細書に開示される植物用薬剤組成物は、例えば、約85%~約95%の処理済み発酵微生物上清と、約5%~15%の1つまたは複数の非イオン界面活性剤とを含む。この実施形態のさらに別の態様では、本明細書に開示される植物用薬剤組成物は、例えば、約87%~約93%の処理済み発酵微生物上清と、約7%~13%の1つまたは複数の非イオン界面活性剤とを含む。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示される植物用薬剤組成物は、例えば、約88%~約92%の処理済み発酵微生物上清と、約8%~12%の1つまたは複数の非イオン界面活性剤とを含む。この実施形態の別の態様では、本明細書に開示される植物用薬剤組成物は、例えば、約89%~約91%の処理済み発酵微生物上清と、約9%~11%の1つまたは複数の非イオン界面活性剤とを含む。
【0040】
本明細書の諸態様は、部分的には発酵微生物上清を開示する。本明細書に開示される発酵微生物上清は、糖供給源と麦芽とマグネシウム塩とを含む発酵培地で酵母菌株、細菌株または酵母菌株と細菌株の両方の組合せを培養することによって調製することができる。この実施形態の一態様では、発酵培地で単一の酵母菌株のみを用いる。この実施形態の別の態様では、発酵培地で2種類以上の異なる酵母菌株を用いる。この実施形態のさらに別の態様では、発酵培地で単一の細菌株のみを用いる。この実施形態のさらに別の態様では、発酵培地で2種類以上の異なる細菌株を用いる。この実施形態の別の態様では、発酵培地で1種または複数種の異なる酵母菌株を1種または複数種の異なる細菌とともに用いる。この実施形態のさらに別の態様では、発酵培地で2種類、3種類、4種類、5種類またはそれ以上の異なる酵母菌株を2種類、3種類、4種類、5種類またはそれ以上の異なる細菌とともに用いる。
【0041】
糖供給源としては、特に限定されないが、糖蜜由来のスクロース、甘蔗原料糖、ダイズまたはその混合物が挙げられる。糖蜜には一般に、グルコースなどの還元糖に加えて、最大約50%のスクロースのほか、マルターゼならびに灰分、有機非糖類および少量の水が含まれる。糖蜜中に存在する種類の糖の存在は、酵素およびそれを産生する酵母菌の活性を促進するのに重要である。酵素発酵に必要な原料の天然源としては未処理の甘蔗廃糖蜜が好ましいが、これ以外にテンサイ糖蜜、バレルモラセス(barrel molasses)などの糖蜜を用いてもよい。本明細書に開示される発酵培地の調製に有用な糖蜜の量は、約40重量%~約80重量%、好ましくは約55重量%~約75重量%である。所望の最適な組成物を得るため、用いる糖蜜の具体的な量を変化させ得ることが理解されよう。
【0042】
甘蔗原料糖とは、精製されておらず、残留糖蜜ならびに他の天然の不純物を含有する糖製品のことである。明確に理解されているわけではないが、発酵反応物中に原料糖が存在すると、脱色ならびに最後の純化および精製に使用され酵母酵素および麦芽酵素に何らかの悪影響を及ぼし得る残留化学薬品を含有する精製糖を使用した場合と比較して、諸特性が大幅に向上することがわかっている。混合物中に存在する発酵原料の一部に原料糖が含まれる場合、本開示の発酵培地の最適な生物学的特性および酵素的特性が向上することがわかっている。本明細書に開示される発酵培地の調製に有用な甘蔗原料糖の量は、約10重量%~約40重量%、好ましくは約10重量%~約30重量%であり得る。所望の最適な組成物を得るため、用いる甘蔗原料糖の具体的な量を変化させ得ることが理解されよう。
【0043】
発酵反応に有利に寄与する不可欠な酵素は、麦芽ならびに酵母および/または細菌によって得られる。用いる具体的な麦芽は、好ましくは、ジアスターゼ、マルターゼおよびアミラーゼを含めた酵素を含有する糖化性麦芽である。麦芽はほかにも、最終産物混合物中の酵素組成物全体の効力および活性に寄与することに加えて、酵母および/または細菌の活性を向上させると考えられる。本明細書に開示される発酵培地の調製に有用な麦芽の量は、約3重量%~約15重量%、好ましくは約7重量%~約12重量%であり得る。所望の最適な組成物を得るため、用いる麦芽の具体的な量を変化させ得ることが理解されよう。
【0044】
発酵とは、炭水化物および他の複雑な有機物質を糖、酸、気体またはアルコールなどの単純な物質に分解する代謝過程のことである。発酵は酵母、細菌およびカビにみられる。発酵にはエタノール発酵および乳酸発酵がある。乳酸発酵にはホモ乳酸発酵とヘテロ乳酸発酵がある。
【0045】
酵母は、例えば炭水化物を二酸化炭素とアルコールに変換する発酵反応に必要な酵素を産生することが可能なあらゆる発酵真菌を指す。発酵反応の過程で活性酵母が産生する酵素にはいくつかあり、加水分解酵素および酸化酵素の両方、例えばインベルターゼ、カタラーゼ、ラクターゼ、マルターゼ、カルボキシラーゼなどがこれに含まれる。酵母には、食物加工の発酵、例えば、大豆の発酵、生地の発酵、穀物の発酵、野菜の発酵、果物の発酵、蜂蜜の発酵、乳製品の発酵、魚の発酵、肉の発酵および茶の発酵などに有用な酵母菌株がある。本明細書に開示される発酵反応に有用な特定の酵母属の非網羅的リストには、特に限定されないが、ブレタノミセス属(Brettanomyces)、カンジダ属(Candida)、シバーリンドネラ属(Cyberlindnera)、シストフィロバシディウム属(Cystofilobasidium)、デバリオミセス属(Debaryomyces)、デッケラ属(Dekkera)、フサリウム属(Fusarium)、ゲオトリクム属(Geotrichum)、イサチェンキア属(Issatchenkia)、カザクスタニア属(Kazachstania)、クロエケラ属(Kloeckera)、クリベロミセス属(Kluyveromyces)、レカニシリウム属(Lecanicillium)、ムコール属(Mucor)、ニューロスポラ属(Neurospora)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、ペニシリウム属(Penicillium)、ピキア属(Pichia)、リゾプス属(Rhizopus)、ロドスポリディウム属(Rhodosporidium)、ロドトルラ属(Rhodotorula)、サッカロミセス属(Saccharomyces)、シゾサッカロミセス属(Schizosaccharomyces)、スリコスポロン属(Thrichosporon)、トルラスポラ属(Torulaspora)、トルロプシス属(Torulopsis)、バーティシリウム属(Verticillium)、ヤロウイア属(Yarrowia)、ザイゴサッカロミセス属(Zygosaccharomyces)およびジゴサッカロミセス属(Zygotorulaspora)が含まれる。本明細書に開示される発酵反応に有用な特定の酵母種の非網羅的リストには、特に限定されないが、B.アノマルス(B.anomalus)、B.ブルクセレンシス(B.bruxellensis)、B.クラウセニイ(B.claussenii)、B.クステルシアヌス(B.custersianus)、B.ナールデネンシス(B.naardenensis)、B.ナヌス(B.nanus)、C.コリクローサ(C.colliculosa)、C.エキシグアス(C.exiguous)、C.フミコラ(C.humicola)、C.ケフィール(C.kefyr)、C.クルセイ(C.krusei)、C.ミレリ(C.milleri)、C.ミコデルマ(C.mycoderma)、C.ペリクロサ(C.pelliculosa)、C.ルゴセ(C.rugose)、C.ステラーテ(C.stellate)、C.トロピカリス(C.tropicalis)、C.ユチリス(C.utilis)、C.バリダ(C.valida)、C.ビニ(C.vini)、C.ゼイラノイデス(C.zeylanoides)、Cb.ムラキィ(Cb.mrakii)、Cs.インフィルモミニアタム(Cs.infirmominiatum)、D.ハンセニイ(D.hansenii)、D.クロエケリ(D.kloeckeri)、Dk.アノマラ(Dk.anomala)、Dk.ブルクセレンシス(Dk.bruxellensis)、F.ドメスティカム(F.domesticum)、G.カンジドゥム(G.candidum)、I.オリエンタリス(I.orientalis)、K.エクシグア(K.exigua)、K.ユニスポラ(K.unispora)、Kl.アフリカナ(Kl.africana)、Kl.アピス(Kl.apis)、Kl.ジャバニカ(Kl.javanica)、Ku.ラクティス(Ku.lactis)、Ku.マルキシアヌス(Ku.marxianus)、Ku.マルキシアヌス(Ku.marxianus)、L.レカニイ(L.lecanii)、M.ヒエマリス(M.hiemalis)、M.プルムベウス(M.plumbeus)、M.ラセモサス(M.racemosus)、M.ラセモサス(M.racemosus)、N.インテルメディア(N.intermedia)、P.セレビシエ(P.cerevisiae)、Pn.アルブム(Pn.album)、Pn.カメンベルティ(Pn.camemberti)、Pn.カゼイフルバム(Pn.caseifulvum)、Pn.クリソゲナム(Pn.chrysogenum)、Pn.コムーネ(Pn.commune)、Pn.ナルギオベンス(Pn.nalgiovense)、Pn.ロッケフォルティ(Pn.roqueforti)、Pn.ソリタム(Pn.solitum)、Pi.ファーメンタンス(Pi.fermentans)、R.ミクロスポレス(R.microspores)、Rs.インフィルモミニアタム(Rs.infirmominiatum)、Rt.グルチニス(Rt.glutinis)、Rt.ミヌータ(Rt.minuta)、Rt.ルブラ(Rt.rubra)、S.バヤヌス(S.bayanus)、S.ブラウディ(S.boulardii)、S.カールスベルゲンシス(S.carlsbergensis)、S.セレビシエ(S.cerevisiae)、S.ユーバヤヌス(S.eubayanus)、S.パラドクサス(S.paradoxus)、S.パストリアヌス(S.pastorianus)、S.ロウジィ(S.rouzii)、S.ウバルム(S.uvarum)、Sc.ポンベ(Sc.pombe)、Th.ベイゲリィ(Th.beigelii)、T.デルブリュッキィ(T.delbrueckii)、T.フランシスカ(T.franciscae)、T.プレトリエンシス(T.pretoriensis)、T.ミクロエリプソイデス(T.microellipsoides)、T.グロボーサ(T.globosa)、T.インディカ(T.indica)、T.メライーア(T.maleeae)、T.クエルクーム(T.quercuum)、To.バーサチリス(To.versatilis)、V.レカニイ(V.lecanii)、Y.リポリティカ(Y.lipolytica)、Z.バイリィ(Z.bailii)、Z.ビスポラス(Z.bisporus)、Z.シドリ(Z.cidri)、Z.ファーメンタチ(Z.fermentati)、Z.フロレンティヌス(Z.florentinus)、Z.コンブチャエンシス(Z.kombuchaensis)、Z.レンタス(Z.lentus)、Z.メリス(Z.mellis)、Z.ミクロエリプソイデス(Z.microellipsoides)、Z.ムラキィ(Z.mrakii)、Z.シュードルーキシィ(Z.pseudorouxii)およびZ.ルーキシィ(Z.rouxii)およびZt.フロレンティナ(Zt.florentina)が含まれる。好ましい酵母は、パン酵母として一般に入手可能なサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)である。
【0046】
細菌は、例えばエタノールなどのアルコールあるいは酢酸、乳酸および/またはコハク酸などの酸が産生される発酵反応に必要な酵素を産生することが可能なあらゆる発酵細菌を指す。本明細書に開示される発酵反応に有用な特定の細菌属の非網羅的リストには、特に限定されないが、アセトバクター属(Acetobacter)、アルスロバクター属(Arthrobacter)、アエロコッカス属(Aerococcus)、バチルス属(Bacillus)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、ブラキバクテリウム属(Brachybacterium)、ブレビバクテリウム属(Brevibacterium)、バルノバクテリウム属(Barnobacterium)、カルノバクテリウム属(Carnobacterium)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、エシェリキア属(Escherichia)、グルコンアセトバクター属(Gluconacetobacter)、グルコノバクター属(Gluconobacter)、ハフニア属(Hafnia)、ハロモナス属(Halomonas)、コクリア属(Kocuria)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、マクロコッカス属(Macrococcus)、ミクロバクテリウム属(Microbacterium)、ミクロコッカス属(Micrococcus)、ナイセリア属(Neisseria)、オエノコッカス属(Oenococcus)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、プロピオニバクテリウム属(Propionibacterium)、プロテウス属(Proteus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、サイクロバクター属(Psychrobacter)、サルモネラ属(Salmonella)、スポロラクトバチルス属(Sporolactobacillus)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、ストレプトミセス属(Streptomyces)、テトラジェノコッカス属(Tetragenococcus)、バゴコッカス属(Vagococcus)、ワイセルス属(Weissells)およびザイモモナス属(Zymomonas)が含まれる。本明細書に開示される発酵反応に有用な特定の細菌種の非網羅的リストには、特に限定されないが、A.アセチ(A.aceti)、A.ファバルム(A.fabarum)、A.ロバニエンシス(A.lovaniensis)、A.マロールム(A.malorum)、A.オリエンタリス(A.orientalis)、A.パスツーリアヌス(A.pasteurianus)、A.パスツーリアヌス(A.pasteurianus)、A.ポモルム(A.pomorum)、A.シジギィ(A.syzygii)、A.トリピカリス(A.tropicalis)、Ar.アリライテンシス(Ar.arilaitensis)、Ar.ベルゲレイ(Ar.bergerei)、Ar.グロビフォルミス(Ar.globiformis)、Ar.ニコチアナエ(Ar.nicotianae)、Ar.バリアビリス(Ar.variabilis)、B.セレウス(B.cereus)、B.コアグランス(B.coagulans)、B.licheniformis(B.licheniformis)、B.プミルス(B.pumilus)、B.スファエリカス(B.sphaericus)、B.ステアロサーモフィラス(B.stearothermophilus)、B.スブチリス(B.subtilis)、B.アドレスセンティス(B.adolescentis)、B.アニマリス(B.animalis)、B.ビフィダム(B.bifidum)、B.ブレーベ(B.breve)、B.インファンティス(B.infantis)、B.ラクティス(B.lactis)、B.ロングム(B.longum)、B.シュードロングム(B.pseudolongum)、B.サーモフィラム(B.thermophilum)、Br.アリメンタリウム(Br.alimentarium)、Br.アリメンタリウム(Br.alimentarium)、Br.チロフェルメンタンス(Br.tyrofermentans)、Br.チロフェルメンタンス(Br.tyrofermentans)、Bv.アウランティアカム(Bv.aurantiacum)、Bv.カゼイ(Bv.casei)、Bv.リネンス(Bv.linens)、C.ディバーゲンス(C.divergens)、C.マルタロマティカム(C.maltaromaticum)、C.ピスチコラ(C.piscicola)、C.アンモニアゲネス(C.ammoniagenes)、Co.カゼイ(Co.casei)、Co.フラベッセンス(Co.flavescens)、Co.ムーアパルケンス(Co.mooreparkense)、Co.バリアビレ(Co.variabile)、E.フェカリス(E.faecalis)、E.フェシウム(E.faecium)、G.アゾトカプタンス(G.azotocaptans)、G.ディアゾトロフィカス(G.diazotrophicus)、G.エンタニイ(G.entanii)、G.ユーロパエウス(G.europaeus)、G.ハンセニイ(G.hansenii)、G.ジョハンナエ(G.johannae)、G.オボエディエンス(G.oboediens)、G.キシリヌス(G.xylinus)、Gl.オキシダンス(Gl.oxydans)、H.アルベイ(H.alvei)、Hl.エロンガーテ(Hl.elongate)、K.リゾフィラ(K.rhizophila)、K.リゾフィラ(K.rhizophila)、K.バリアンス(K.varians)、K.バリアンス(K.varians)、L.アセトトレランス(L.acetotolerans)、L.アシディファリナエ(L.acidifarinae)、L.アシディピスチス(L.acidipiscis)、L.アリメンタリウス(L.alimentarius)、L.ブレビス(L.brevis)、L.ブケリ(L.bucheri)、L.カカオヌム(L.cacaonum)、L.カゼイ(L.casei)、L.セロビオスス(L.cellobiosus)、L.コリノイデス(L.collinoides)、L.コンポスチ(L.composti)、L.コリニフォルミス(L.coryniformis)、L.クリスパータス(L.crispatus)、L.クルバタス(L.curvatus)、L.デルブレッキイ(L.delbrueckii)、L.デキストリニカス(L.dextrinicus)、L.ディオリボランス(L.diolivorans)、L.ファビファーメンタンス(L.fabifermentans)、L.ファルシミニス(L.farciminis)、L.ファーメンタム(L.fermentum)、L.ガセリ(L.gasseri)、L.ガーネンシス(L.ghanensis)、L.ハメシイ(L.hammesii)、L.ハービネンシス(L.harbinensis)、L.ヘルベティカス(L.helveticus)、L.ヒルガルディイ(L.hilgardii)、L.ホモヒオチイ(L.homohiochii)、L.ジェンセニイ(L.jensenii)、L.ジョンソニイ(L.johnsonii)、L.ケフィラノファシエンス(L.kefiranofaciens)、L.ケフィリ(L.kefiri)、L.キムチイ(L.kimchi)、L.キソネンシス(L.kisonensis)、L.クンケエイ属(L.kunkeei)、L.マリ(L.mali)、L.マニホティボランス(L.manihotivorans)、L.ミンデンシス(L.mindensis)、L.ムコーサエ(L.mucosae)、L.ナジェリイ(L.nagelii)、L.ナムレシス(L.namuresis)、L.ナンテシス(L.nantesis)、L.ノデンシス(L.nodensis)、L.オエニー(L.oeni)、L.オータキエンシス(L.otakiensis)、L.パニス(L.panis)、L.パラブレービス(L.parabrevis)、L.パラブフネリー(L.parabuchneri)、L.パラカゼイ(L.paracasei)、L.パラケフィリー(L.parakefiri)、L.パラリメンタリウス(L.paralimentarius)、L.パラプランタラム(L.paraplantarum)、L.ペントーサス(L.pentosus)、L.ペロレンス(L.perolens)、L.プランタルム(L.plantarum)、L.ポブジヒイ(L.pobuzihii)、L.ポンティス(L.pontis)、L.ラピ(L.rapi)、L.ロイテリー(L.reuteri)、L.ラムノーサス(L.rhamnosus)、L.ロシアエ(L.rossiae)、L.サケイ(L.sakei)、L.サリバリウス(L.salivarius)、L.サンフランシセンシス(L.sanfranciscensis)、L.サツメンシス(L.satsumensis)、L.セカリフィラス(L.secaliphilus)、L.センマイズケイ(L.senmaizukei)、L.シリギニス(L.siliginis)、L.シミリス(L.similis)、L.スピチェリー(L.spicheri)、L.スエビカス(L.suebicus)、L.スンキイ(sunkii)、L.ツケチー(L.tucceti)、L.ワクチノステルカス(L.vaccinostercus)、L.バースモルデシス(L.versmoldesis)、L.ヤマナシエンシス(L.yamanashiensis)、Lc.ラクティス(Lc.lactis)、Lc.ラフィノラクティス(Lc.raffinolactis)、Le.カーノサム(Le.carnosum)、Le.シトレウム(Le.citreum)、Le.ファラクス(Le.fallax)、Le.ホルザプフェリイ(Le.holzapfelii)、Le.インハーエ(Le.inhae)、Le.キムチイ(Le.kimchi)、Le.ラクティス(Le.lactis)、Le.メセンテロイデス(Le.mesenteroides)、Le.パルマエ(Le.palmae)、Le.シュードメセンテロイデス(Le.pseudomesenteroides)、M.カセオリティカス(M.caseolyticus)、Mb.フォリオーラム(Mb.foliorum)、Mb.グビーネンス(Mb.gubbeenense)、Mc.ルテウス(Mc.luteus)、Mc.ライラエ(Mc.lylae)、P.アシディラクティシ(P.acidilactici)、P.ペントサセウス(P.pentosaceus)、P.アシディプロピオニッチ(P.acidipropionici)、P.フリューデンレイッヒイ(freudenreichii)、P.ジェンセニイ(P.jensenii)、P.ソエニイ(P.thoenii)、Pr.ブルガリス(Pr.vulgaris)、Ps.フルオレッセンス(Ps.fluorescens)、Py.セレー(Py.celer)、S.カルノーサス(S.carnosus)、S.コンディメント(S.condiment)、S.エクオルム(S.equorum)、S.フレウレッティイ(S.fleurettii)、S.ピスシフェルメンタンス(S.piscifermentans)、S.サフロフィティカス(S.saphrophyticus)、S.シウリ(S.sciuri)、S.シミュランス(S.simulans)、S.サクシヌス(S.succinus)、S.ビツリヌス(S.vitulinus)、S.ワーネリ(S.warneri)、S.キシローサス(S.xylosus)、St.クレモリス
(St.cremoris)、St.ガロリティカス(St.gallolyticus)、St.サリバリウス(St.salivarius)、St.サーモフィルス(St.thermophiles)、St.グリセウス(St.griseus)、T.ハロフィルス(T.halophilus)、T.コーリエンシス(T.koreensis)、W.ベニネンシス(W.beninensis)、W.シバリア(W.cibaria)、W.ファバリア(W.fabaria)、W.ガーネシス(W.ghanesis)、W.コーリエンシス(W.koreensis)、W.パラメセンテロイデス(W.paramesenteroides)、W.タイランデンシス(W.thailandensis)およびZ.モビリス(Z.mobilis)が含まれる。
【0047】
カビは、例えばエタノールなどのアルコールあるいは酢酸、乳酸および/またはコハク酸などの酸が産生される発酵反応に必要な酵素を産生することが可能なあらゆる発酵カビを指す。本明細書に開示される発酵反応に有用な特定のカビ属の非網羅的リストには、特に限定されないが、アスペルギルス属(Aspergillus)が含まれる。本明細書に開示される発酵反応に有用な特定のカビ種の非網羅的リストには、特に限定されないが、A.アシダス(A.acidus)、A.フミガーツス(A.fumigatus)、A.ニガー(A.niger)、A.オリザエ(A.oryzae)およびA.ソーヤ(A.sojae)が含まれる。
【0048】
産生される様々な種類の酵素の実際の量は、発酵混合物の調製に使用する糖蜜および糖の種類を含めたいくつかの因子に左右されることが理解されよう。しかし、ここでも同じく、糖蜜および原料糖を用いると最適な酵素の産生量および活性が得られると考えられる。一実施形態では、本明細書に開示される発酵培地の調製に有用な酵母の量は、約0.2重量%~約5重量%、好ましくは約1重量%~約3重量%であり得る。所望の最適な組成物を得るため、用いる酵母の具体的な量を変化させ得ることが理解されよう。
【0049】
マグネシウム塩などの無機触媒が少量存在すると、発酵反応中のみならず、その後の生成組成物中で酵素が有機廃棄物を攻撃および分解する活性が増強される。好ましいマグネシウ塩は硫酸マグネシウムである。本明細書に開示される発酵培地の調製に有用なマグネシウム塩の量は、約0.1重量%~約5重量%、好ましくは約1重量%~約3重量%であり得る。所望の最適な組成物を得るため、用いるマグネシウム塩の具体的な量を変化させ得ることが理解されよう。
【0050】
発酵微生物上清の調製には、適切な量の温水に糖蜜、スクロースおよびマグネシウム塩を加える。使用する水の具体的な量は特に重要なものではないが、適切な水の量は通常、発酵反応に使用する発酵培地の他の成分の総重量の約2倍~約20倍である。混合を容易にし、酵母、細菌および/またはカビを活性化させ、他の原料を溶解させるには、この水量で十分である。さらに、熱は発酵に必要な麦芽酵素および酵母酵素を不活化するため、水温が高過ぎてはいけない。このため、例えば約65℃を超える水温は避けなければならず、好ましい温度は約25℃~約45℃である。冷水の使用は発酵反応速度を過度に低下させ得るため、速い反応速度を望む場合は避けるべきである。糖蜜、糖およびマグネシウム塩を効率的に混合し溶解させた後、麦芽および酵母を加え、混合物を攪拌し、発酵が実質的に完了するまでねかせる。反応時間は、約20℃~約45℃の温度で約2日~約5日であり得る。反応混合物の発泡が実質的になくなったことを確認することにより、完了を容易に確認し得る。発酵反応終了時、発酵微生物培養物を遠心分離して、発酵過程で形成された「スラッジ」を除去する。得られた発酵上清(通常、約90重量%~約98重量%)を収集し、次の処理に供する。
【0051】
発酵微生物上清には生物栄養素、ミネラルおよびアミノ酸が含まれている。生物栄養素は通常、発酵微生物上清の総重量の約0.01%~約1%の量で存在する。個々の生物栄養素は通常、発酵微生物上清の総重量の約0.00001%~約0.01%の量で存在する。生物栄養素の例としては、特に限定されないが、ビオチン、葉酸、α-グルカンおよびβ-グルカンなどのグルカン、ナイアシン、インソチル(insotil)、パントテン酸、ピリドキシン、リボフラビンおよびチアミンが挙げられる。この実施形態の諸態様では、本明細書に開示される発酵微生物上清は、例えば、約0.00001%~約0.0011%のビオチン、約0.0006%~約0.016%の葉酸、約0.005%~約15%のナイアシン、約0.01%~約1%のインソチル(insotil)、約0.00017%~約0.017%のパントテン酸、約0.0006%~約0.016%のピロドキシン(pyrodoxine)、約0.002%~約0.023%のリボフラビンおよび約0.001%~約0.02%のチアミンを含む。この実施形態の他の態様では、本明細書に開示される発酵微生物上清は、例えば、約0.00006%~約0.0006%のビオチン、約0.001%~約0.011%の葉酸、約0.01%~約0.1%のナイアシン、約0.08%~約0.18%のインソチル(insotil)、約0.002%~約0.012%のパントテン酸、約0.001%~約0.011%のピロドキシン(pyrodoxine)、約0.007%~約0.017%のリボフラビン、約0.003%~約0.013%のチアミンを含む。この実施形態のまた別の態様では、本明細書に開示される発酵微生物上清は、例えば、約0.00012%~約0.0006%のビオチン、約0.001%~約0.011%の葉酸、約0.01%~約0.1%のナイアシン、約0.08%~約0.18%のインソチル(insotil)、約0.003%~約0.013%のパントテン酸、約0.001%~約0.011%のピロドキシン(pyrodoxine)、約0.008%~約0.017%のリボフラビン、約0.003%~約0.013%のチアミンを含む。この実施形態のさらに別の態様では、本明細書に開示される発酵微生物上清は、例えば、約0.00009%~約0.0003%のビオチン、約0.004%~約0.008%の葉酸、約0.03%~約0.07%のナイアシン、約0.11%~約0.15%のインソチル(insotil)、約0.006%~約0.01%のパントテン酸、約0.004%~約0.008%のピロドキシン(pyrodoxine)、約0.01%~約0.014%のリボフラビン、約0.006%~約0.010%のチアミンを含む。
【0052】
ミネラルは通常、発酵微生物上清の総重量の約0.1%~約20%の量で存在する。個々のミネラルは通常、発酵微生物上清の総重量の約0.0001%~約5%の量で存在する。ミネラルの例としては、特に限定されないが、カルシウム、クロム、銅、鉄、マグネシウム、リン酸塩、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛が挙げられる。この実施形態の諸態様では、本明細書に開示される発酵微生物上清は、例えば、約0.02%~約0.3%のカルシウム、約0.000002%~約0.0016%のクロム、約0.000009%~約0.0014%の銅、約0.00005%~約0.02%の鉄、約0.001%~約1.3%のマグネシウム、約0.2%~約14%のリン酸塩、約0.4%~約16%のカリウム、約0.2%~約15%のナトリウムおよび約0.08%~約13%の亜鉛を含む。この実施形態の他の態様では、本明細書に開示される発酵微生物上清は、例えば、約0.07%~約0.21%のカルシウム、約0.000007%~約0.0011%のクロム、約0.00004%~約0.0009%の銅、約0.0001%~約0.015%の鉄、約0.005%~約0.9%のマグネシウム、約0.7%~約9%のリン酸塩、約0.9%~約11%のカリウム、約0.7%~約10%のナトリウムおよび約0.3%~約8%の亜鉛を含む。この実施形態のまた別の態様では、本明細書に開示される発酵微生物上清は、例えば、約0.05%~約1%のカルシウム、約0.0001%~約0.0009%のクロム、約0.00006%~約0.0007%の銅、約0.0001%~約0.013%の鉄、約0.005%~約1%のマグネシウム、約0.1%~約7%のリン酸塩、約0.5%~約9%のカリウム、約0.5%~約8%のナトリウムおよび約0.5%~約6%の亜鉛を含む。この実施形態のさらに別の態様では、本明細書に開示される発酵微生物上清は、例えば、約0.12%~約0.16%のカルシウム、約0.0002%~約0.0006%のクロム、約0.00009%~約0.0004%の銅、約0.0006%~約0.01%の鉄、約0.01%~約0.4%のマグネシウム、約1%~約4%のリン酸塩、約2%~約6%のカリウム、約1%~約5%のナトリウムおよび約0.8%~約3%の亜鉛を含む。
【0053】
アミノ酸は通常、発酵微生物上清の総重量の約20%~約60%の量で存在する。個々のアミノ酸は通常、発酵微生物上清の総重量の約0.1%~約15%の量で存在する。ミネラルの例としては、特に限定されないが、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グリシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリンおよびトレオニンが挙げられる。この実施形態の諸態様では、本明細書に開示される発酵微生物上清は、例えば、約0.2%~約16%のアラニン、約0.09%~約15%のアルギニン、約0.4%~約18%のアスパラギン酸、約0.003%~約5%のシステイン、約0.5%~約20%のグルタミン酸、約0.09%~約15%のグリシン、約0.09%~約15%のリジン、約0.002%~約5%のメチオニン、約0.09%~約15%のフェニルアラニン、約0.09%~約15%のプロリン、約0.09%~約15%のセリンおよび約0.09%~約15%のトレオニンを含む。この実施形態の他の態様では、本明細書に開示される発酵微生物上清は、例えば、約0.7%~約11%のアラニン、約0.5%~約10%のアルギニン、約0.9%~約13%のアスパラギン酸、約0.008%~約1.2%のシステイン、約1%~約15%のグルタミン酸、約0.5%~約10%のグリシン、約0.8%~約12%のリジン、約0.2%~約1.6%のメチオニン、約0.5%~約10%のフェニルアラニン、約0.5%~約10%のプロリン、約0.5%~約10%のセリンおよび約0.5%~約10%のトレオニンを含む。この実施形態のまた別の態様では、本明細書に開示される発酵微生物上清は、例えば、約0.5%~約9%のアラニン、約0.5%~約8%のアルギニン、約1%~約11%のアスパラギン酸、約0.01%~約2%のシステイン、約3%~約13%のグルタミン酸、約0.5%~約8%のグリシン、約1%~約10%のリジン、約0.3%~約3%のメチオニン、約0.5%~約7%のフェニルアラニン、約0.5%~約7%のプロリン、約0.5%~約7%のセリンおよび約0.5%~約7%のトレオニンを含む。この実施形態のさらに別の態様では、本明細書に開示される発酵微生物上清は、例えば、約2%~約6%のアラニン、約1%~約5%のアルギニン、約4%~約8%のアスパラギン酸、約0.03%~約0.7%のシステイン、約6%~約10%のグルタミン酸、約1%~約5%のグリシン、約3%~約7%のリジン、約0.7%~約1.1%のメチオニン、約1%~約5%のフェニルアラニン、約1%~約5%のプロリン、約1%~約5%のセリンおよび約1%~約5%のトレオニンを含む。
【0054】
本明細書の諸態様は、部分的には処理済み発酵微生物上清を開示する。処理済み発酵微生物上清とは、本明細書に開示される発酵微生物上清中に存在する、残存する生存酵母、酵母および麦芽ならびに他の任意の微生物による活性酵素あるいは別の供給源による酵素を変性させたり、死滅させたり、あるいは別の方法で破壊したりするよう処理した発酵微生物上清のことである。有用な処理方法の非限定的な例としては、高温を用いる煮沸工程、高温および高圧を用いるオートクレーブ工程、上清を電離放射線に曝露することによる照射工程、あるいは本明細書に開示される発酵微生物上清中に存在する、残存する生存酵母、酵母および麦芽ならびに他の任意の微生物による活性酵素あるいは別の供給源による酵素を変性させたり、死滅させたり、あるいは別の方法で破壊したりする他の任意の滅菌工程が挙げられる。さらに、上記の処理工程は、単独で、または互いに組み合わせて用いることも、あるいは低温殺菌工程、化学滅菌工程のほか、本明細書に開示される発酵上清中に存在する酵素などのタンパク質ならびに酵母、細菌および/またはカビなどの微生物を変性させたり、死滅させたり、あるいは別の方法で破壊する滅菌ろ過工程と組み合わせて用いることも可能である。上記の方法はいずれも、食品調製および/または滅菌の分野で日常的に用いられているため、当業者には公知の工程である。
【0055】
次いで、処理済み発酵微生物上清を液体形態で保管して、のちに使用することができる。あるいは、処理済み発酵微生物上清を当該技術分野で公知の方法により噴霧乾燥させて乾燥粉末を作製することができる。乾燥粉末形態も、保管してのちに使用することができる。
【0056】
本明細書に開示される処理済み発酵微生物上清の量については、それが本明細書に開示される方法および使用を実施するのに有用なものである限り、任意の量を開示の植物用薬剤組成物に用い得る。しかるべき量を決定するのに用いる因子としては、例えば、処理済み発酵微生物上清が液体形態であるのか粉末形態であるのかということ、処理済み発酵微生物上清の具体的な商業的供給源、処理済み発酵微生物上清の作製に用いる具体的な方法、植物用薬剤組成物を濃縮物として製造するのか、そのまま使用可能な製品として製造するのかということのほか、植物用薬剤組成物を濃縮物から調製する場合に所望する希釈倍数が挙げられる。通常、乾燥粉末形態よりも液体形態の処理済み発酵微生物上清の方が必要量が多くなる。
【0057】
この実施形態の諸態様では、使用する処理済み発酵微生物上清の量は、例えば、約0.5重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約6.0重量%、約7.0重量%、約7.5重量%、約8.0重量%、約9.0重量%または約10.0重量%である。この実施形態の他の態様では、使用する処理済み発酵微生物上清の量は、例えば、少なくとも0.5重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも7.5重量%、少なくとも8.0重量%、少なくとも9.0重量%または少なくとも10.0重量%である。この実施形態のまた別の態様では、使用する処理済み発酵微生物上清の量は、例えば、最大0.5重量%、最大1.0重量%、最大1.5重量%、最大2.0重量%、最大2.5重量%、最大3.0重量%、最大3.5重量%、最大4.0重量%、最大4.5重量%、最大5.0重量%、最大6.0重量%、最大7.0重量%、最大7.5重量%、最大8.0重量%、最大9.0重量%または最大10.0重量%である。この実施形態のさらに別の態様では、使用する処理済み発酵微生物上清の量は、例えば、約0.1重量%~約2.5重量%、約0.1重量%~約3.0重量%、約0.1重量%~約3.5重量%、約0.1重量%~約4.0重量%、約0.1重量%~約5.0重量%、約0.5重量%~約2.5重量%、約0.5重量%~約3.0重量%、約0.5重量%~約3.5重量%、約0.5重量%~約4.0重量%、約0.5重量%~約5.0重量%、約1重量%~約2.5重量%、約1重量%~約3.0重量%、約1重量%~約3.5重量%、約1重量%~約4.0重量%、約1重量%~約5.0重量%、約1重量%~約6.0重量%、約1重量%~約7.0重量%、約1重量%~約8.0重量%、約1重量%~約9.0重量%または約1重量%~約10.0重量%である。
【0058】
この実施形態の他の態様では、使用する処理済み発酵微生物上清の量は、例えば、約15.0重量%、約20.0重量%、約25.0重量%、約30.0重量%、約35.0重量%、約40.0重量%、約45.0重量%、約50.0重量%、約55.0重量%、約60.0重量%、約65.0重量%、約70.0重量%、約75.0重量%、約80.0重量%、約85.0重量%または約90.0重量%である。この実施形態のまた別の態様では、使用する処理済み発酵微生物上清の量は、例えば、少なくとも15.0重量%、少なくとも20.0重量%、少なくとも25.0重量%、少なくとも30.0重量%、少なくとも35.0重量%、少なくとも40.0重量%、少なくとも45.0重量%、少なくとも50.0重量%、少なくとも55.0重量%、少なくとも60.0重量%、少なくとも65.0重量%、少なくとも70.0重量%、少なくとも75.0重量%、少なくとも80.0重量%、少なくとも85.0重量%または少なくとも90.0重量%である。この実施形態のさらに別の態様では、使用する処理済み発酵微生物上清の量は、例えば、最大15.0重量%、最大20.0重量%、最大25.0重量%、最大30.0重量%、最大35.0重量%、最大40.0重量%、最大45.0重量%、最大50.0重量%、最大55.0重量%、最大60.0重量%、最大65.0重量%、最大70.0重量%、最大75.0重量%、最大80.0重量%、最大85.0重量%または最大90.0重量%である。
【0059】
この実施形態の他の態様では、使用する処理済み発酵微生物上清の量は、例えば、約5重量%~約7.5重量%、約5重量%~約10重量%、約5重量%~約15重量%、約5重量%~約20重量%、約5重量%~約25重量%、約5重量%~約30重量%、約5重量%~約35重量%、約5重量%~約40重量%、約5重量%~約45重量%、約5重量%~約50重量%、約5重量%~約55重量%、約5重量%~約60重量%、約5重量%~約65重量%、約5重量%~約70重量%、約5重量%~約75重量%、約5重量%~約80重量%、約5重量%~約85重量%、約5重量%~約90重量%、約5重量%~約95重量%、約10重量%~約15重量%、約10重量%~約20重量%、約10重量%~約25重量%、約10重量%~約30重量%、約10重量%~約35重量%、約10重量%~約40重量%、約10重量%~約45重量%、約10重量%~約50重量%、約10重量%~約55重量%、約10重量%~約60重量%、約10重量%~約65重量%、約10重量%~約70重量%、約10重量%~約75重量%、約10重量%~約80重量%、約10重量%~約85重量%、約10重量%~約90重量%、約10重量%~約95重量%、約15重量%~約20重量%、約15重量%~約25重量%、約15重量%~約30重量%、約15重量%~約35重量%、約15重量%~約40重量%、約15重量%~約45重量%、約15重量%~約50重量%、約15重量%~約55重量%、約15重量%~約60重量%、約15重量%~約65重量%、約15重量%~約70重量%、約15重量%~約75重量%、約15重量%~約80重量%、約15重量%~約85重量%、約15重量%~約90重量%、約15重量%~約95重量%、約25重量%~約25重量%、約25重量%~約30重量%、約25重量%~約35重量%、約25重量%~約40重量%、約25重量%~約45重量%、約25重量%~約50重量%、約25重量%~約55重量%、約25重量%~約60重量%、約25重量%~約65重量%、約25重量%~約70重量%、約25重量%~約75重量%、約25重量%~約80重量%、約25重量%~約85重量%、約25重量%~約90重量%、約25重量%~約95重量%、約25重量%~約30重量%、約25重量%~約35重量%、約25重量%~約40重量%、約25重量%~約45重量%、約25重量%~約50重量%、約25重量%~約55重量%、約25重量%~約60重量%、約25重量%~約65重量%、約25重量%~約70重量%、約25重量%~約75重量%、約25重量%~約80重量%、約25重量%~約85重量%、約25重量%~約90重量%、約25重量%~約95重量%、約30重量%~約35重量%、約30重量%~約40重量%、約30重量%~約45重量%、約30重量%~約50重量%、約30重量%~約55重量%、約30重量%~約60重量%、約30重量%~約65重量%、約30重量%~約70重量%、約30重量%~約75重量%、約30重量%~約80重量%、約30重量%~約85重量%、約30重量%~約90重量%、約30重量%~約95重量%、約35重量%~約40重量%、約35重量%~約45重量%、約35重量%~約50重量%、約35重量%~約55重量%、約35重量%~約60重量%、約35重量%~約65重量%、約35重量%~約70重量%、約35重量%~約75重量%、約35重量%~約80重量%、約35重量%~約85重量%、約35重量%~約90重量%、約35重量%~約95重量%、約40重量%~約45重量%、約40重量%~約50重量%、約40重量%~約55重量%、約40重量%~約60重量%、約40重量%~約65重量%、約40重量%~約70重量%、約40重量%~約75重量%、約40重量%~約80重量%、約40重量%~約85重量%、約40重量%~約90重量%、約40重量%~約95重量%、約45重量%~約50重量%、約45重量%~約55重量%、約45重量%~約60重量%、約45重量%~約65重量%、約45重量%~約70重量%、約45重量%~約75重量%、約45重量%~約80重量%、約45重量%~約85重量%、約45重量%~約90重量%、約45重量%~約95重量%、約50重量%~約55重量%、約50重量%~約60重量%、約50重量%~約65重量%、約50重量%~約70重量%、約50重量%~約75重量%、約50重量%~約80重量%、約50重量%~約85重量%、約50重量%~約90重量%、約50重量%~約95重量%、約55重量%~約60重量%、約55重量%~約65重量%、約55重量%~約70重量%、約55重量%~約75重量%、約55重量%~約80重量%、約55重量%~約85重量%、約55重量%~約90重量%、約55重量%~約95重量%、約60重量%~約65重量%、約60重量%~約70重量%、約60重量%~約75重量%、約60重量%~約80重量%、約60重量%~約85重量%、約60重量%~約90重量%、約60重量%~約95重量%、約65重量%~約70重量%、約65重量%~約75重量%、約65重量%~約80重量%、約65重量%~約85重量%、約65重量%~約90重量%、約65重量%~約95重量%、約70重量%~約75重量%、約70重量%~約80重量%、約70重量%~約85重量%、約70重量%~約90重量%、約70重量%~約95重量%、約75重量%~約80重量%、約75重量%~約85重量%、約75重量%~約90重量%、約75重量%~約95重量%、約80重量%~約85重量%、約80重量%~約90重量%、約80重量%~約95重量%、約85重量%~約90重量%、約85重量%~約95重量%または約90重量%~約95重量%である。
【0060】
本明細書の諸態様は、部分的には界面活性剤を開示する。界面活性剤とは、液体の表面張力を低下させて拡散しやすくするほか、2液体間または液体と固体との間の界面張力を低下させる化合物のことである。単一の界面活性剤を本明細書に開示される緩衝溶液と混合してもよく、あるいは複数の界面活性剤を本明細書に開示される緩衝溶液と混合してもよい。有用な界面活性剤としては、特に限定されないが、イオン界面活性剤、双性イオン(両性)界面活性剤、非イオン界面活性剤またはその任意の組合せが挙げられる。本明細書に開示される方法に使用する界面活性剤は、当業者が必要に応じて変化させることができ、一般に、使用する具体的な緩衝液、溶離させるタンパク質および用いる伝導率の値に部分的に左右される。
【0061】
イオン界面活性剤には陰イオン界面活性剤がある。陰イオン界面活性剤には、頭部に結合した耐久性官能基、例えば硫酸基、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基などに基づくもの、またはpH依存性陰イオン界面活性剤がある。陰イオン界面活性剤としては、特に限定されないが、ラウリル硫酸アンモニウムおよびラウリル硫酸ナトリウム(SDS)などの硫酸アルキル;ラウレス硫酸ナトリウムおよびミレス硫酸ナトリウムなどの硫酸アルキルエーテル;スルホコハク酸ジオクチルナトリウムなどのドクサート;ペルフルオロオクタンスルホナート(PFOS)およびペルフルオロブタンスルホナートなどのスルホン酸フッ素系界面活性剤;DOWFAX(商標)2A1(ラウリルフェニルエーテルジスルホン酸二ナトリウム)、DOWFAX(商標)3B2(デシルフェニルエーテルジスルホン酸二ナトリウム)、DOWFAX(商標)C10L(デシルフェニルエーテルジスルホン酸二ナトリウム)、DOWFAX(商標)2EPおよびDOWFAX(商標)8390(セチルフェニルエーテルジスルホン酸二ナトリウム)などのアルキルジフェニルオキシドジスルホナート;TRITON(商標)H-55およびTRITON(商標)H-66などのリン酸カリウムポリエーテルエステル;アルキルベンゼンスルホン酸塩;アルキルアリールエーテルリン酸塩;アルキルエーテルリン酸塩;脂肪酸塩およびステアリン酸ナトリウムなどのアルキルカルボン酸塩;ラウロイルサルコシンナトリウム;ペルフルオロノナノアートおよびペルフルオロオクタノアートなどのカルボン酸フッ素系界面活性剤;ならびにヘキシルジフェニルエーテルスルホン酸ナトリウム(DOWFAX(商標)C6L)が挙げられる。
【0062】
イオン界面活性剤にはこのほか、陽イオン界面活性剤がある。陽イオン界面活性剤には、耐久性またはpH依存性の陽イオン界面活性剤に基づくもの、例えば第一級アミン、第二級アミンまたは第三級アミンなどがある。陽イオン界面活性剤としては、特に限定されないが、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)およびセチルトリメチルアンモニウムクロリド(CTAC)などのアルキルトリメチルアンモニウム塩;塩化セチルピリジニウム(CPC);ポリエトキシ化牛脂アミン(POEA);塩化ベンザルコニウム(BAC);塩化ベンゼトニウム(BZT);5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン;ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロリド;ならびにジオクタデシルジメチルアンモニウムブロミド(DODAB)のほかにも、オクテニジンジヒドロクロリドなど、pH10超で第一級アミンが正に帯電するかpH4未満で第二級アミンが帯電する界面活性剤などのpH依存性の第一級アミン、第二級アミンまたは第三級アミンが挙げられる。その他の有用な陰イオン界面活性剤としてはバイオ陰イオン界面活性剤が挙げられ、特に限定されないが、ラウリル硫酸アンモニウムのSTEPONOL(登録商標)AM30-KEおよび2-エチルヘキシル硫酸ナトリウムのSTEPONOL(登録商標)EHSがこれに含まれる。このようなバイオ界面活性剤は合成分子ではなく、植物などの有機物に由来する陰イオン界面活性剤である。
【0063】
双性イオン界面活性剤は、スルホン酸塩、カルボン酸塩またはリン酸塩を有する第一級アミン、第二級アミンもしくは第三級アミンまたは第四級アンモニウム陽イオンに基づくものである。双性イオン界面活性剤としては、特に限定されないが、3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホナート(CHAPS);コカミドプロピルヒドロキシスルタインなどのスルタイン;コカミドプロピルベタインなどのベタイン;またはレシチンが挙げられる。
【0064】
非イオン界面活性剤は他のものより変性作用が少ないため、タンパク質間相互作用を保持しながら膜タンパク質および脂質を可溶化するのに有用である。非イオン界面活性剤には、ポリエーテル系非イオン界面活性剤、ポリヒドロキシル系非イオン界面活性剤およびバイオ界面活性剤がある。非イオン界面活性剤としては、アルコールエトキシラート、アルキルフェノールエトキシラート、フェノールエトキシラート、アミドエトキシラート、グリセリドエトキシラート、脂肪酸エトキシラートおよび脂肪アミンエトキシラートが挙げられる。本明細書に開示される非イオン界面活性剤は、一般式H(OCHCHOC(OCHCHORまたはH(OCHCHOC(O)Rを有し得るものであり、式中、xはアルキルフェノールおよび/または脂肪アルコールもしくは脂肪酸に付加したエチレンオキシドのモル数を表し、Rは長鎖アルキル基を表し、Rは長鎖脂肪族基を表す。この実施形態の諸態様では、RがC~C10アルキル基であり、かつ/またはRがC12~C20脂肪族基である。その他の有用な非イオン界面活性剤としては、特に限定されないが、STEPOSOL(登録商標)MET-10U、メタセシスによって得られ不飽和短鎖アミドである非イオン界面活性剤を含めたバイオ非イオン界面活性剤が挙げられる。このようなバイオ界面活性剤は合成分子ではなく、植物などの有機物に由来する非イオン性のバイオ界面活性剤である。
【0065】
界面活性剤の非限定的な例としては、ポリソルベート20ソルビタンモノオレアート(TWEEN(登録商標)20)、ポリソルベート40ソルビタンモノオレアート(TWEEN(登録商標)40)、ポリソルベート60ソルビタンモノオレアート(TWEEN(登録商標)60)、ポリソルベート61ソルビタンモノオレアート(TWEEN(登録商標)61)、ポリソルベート65ソルビタンモノオレアート(TWEEN(登録商標)65)、ポリソルベート80ソルビタンモノオレアート(TWEEN(登録商標)80)、ポリソルベート81ソルビタンモノオレアート(TWEEN(登録商標)81)およびポリソルベート85ソルビタンモノオレアート(TWEEN(登録商標)85)などのポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル(またはエトキシ化ソルビタールエステル);ソルビタンモノオレアート、ソルビタンモノラウラート、ソルビタンモノパルミタート、モソルビタンモノステアラートおよびソルビタントリステアラートなどのソルビタールエステル;グリセロールモノオレアート、グリセロールモノラウラート、グリセロールモノパルミタート、グリセロールモノステアラート、グリセロールトリオレアート、グリセロールリシノレアート、グリセロールトリステアラート、モノジグリセリドおよびグリセロールトリアセタートなどのポリグリセロールエステル;エトキシ化ポリグリセロールエステル;アラキジルグルコシド、C12~20アルキルグルコシド、カプリリル/カプリルグルコシド、セテアリルグルコシド、ココ-グルコシド、エチルグルコシドおよびラウリルグルコシド、デシルグルコシドなどのアルキルグルコシド;エトキシ化アルキルグルコシド;スクロースモノオレアート、スクロースモノラウラート、スクロースモノパルミタート、スクロースモノステアラート、スクローストリオレアート、スクロースリシノレアート、スクローストリステアラート、スクロースジグリセリドおよびスクローストリアセタートなどのスクロースエステル;エトキシ化スクロースエステル;アミンオキシド;エトキシ化アルコール;エトキシ化脂肪族アルコール;アルキルアミン;エトキシ化アルキルアミン;エトキシ化ノニルフェノールおよびエトキシ化オクチルフェノールなどのエトキシ化アルキルフェノール;アルキルポリサッカライド;エトキシ化アルキルポリサッカライド;エトキシ化ヒマシ油などのエトキシ化脂肪酸;エトキシ化セト-オレイルアルコール、エトキシ化セト-ステアリルアルコール、エトキシ化デシルアルコール、エトキシ化ドデシルアルコールおよびエトキシ化トリデシルアルコールなどのエトキシ化脂肪アルコール;エトキシ化脂肪アミン;ポロキサマー124(プルロニック(登録商標)L44)、ポロキサマー181(プルロニック(登録商標)L61)、ポロキサマー182(プルロニック(登録商標)L62)、ポロキサマー184(プルロニック(登録商標)L64)、ポロキサマー188(プルロニック(登録商標)F68)、ポロキサマー237(プルロニック(登録商標)F87)、ポロキサマー338(プルロニック(登録商標)L108)およびポロキサマー407(プルロニック(登録商標)F127)などのポロキサマー(ポリエチレン-ポリプロピレンコポリマー);TERGITOL(商標)15-S-5、TERGITOL(商標)15-S-7、TERGITOL(商標)15-S-9、TERGITOL(商標)15-S-12、TERGITOL(商標)15-S-15、TERGITOL(商標)15-S-20、TERGITOL(商標)15-S-30およびTERGITOL(商標)15-S-40などの直鎖第二級アルコールエトキシラート;アルキルフェノールポリグリコールエーテル;ポリエチレングリコールアルキルアリールエーテル;オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル、BRIJ(登録商標)30およびBRIJ(登録商標)35などのポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル;2-ドデコキシエタノール(LUBROL(登録商標)-PX);ポリオキシエチレン(4-5)p-t-オクチルフェノール(TRITON(登録商標)X-45)およびポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(TRITON(登録商標)X-100)などのポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル;ノノキシノール-9などのポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル;ノニルフェノキシポリエトキシエタノールおよびオクチルフェノキシポリエトキシエタノール(IGEPAL(登録商標)CA-630またはNONIDET(商標)P-40)などのフェノキシポリエトキシエタノール;オクチルグルコピラノシドなどのグルコシドアルキルエーテル;ドデシルマルトピラノシドなどのマルトシドアルキルエーテル;ヘプチルチオグルコピラノシドなどのチオグルコシドアルキルエーテル;ジギトニン;ラウリン酸グリセリルなどのグリセロールアルキルエステル;硫酸アルキルアリールポリエーテル;スルホン酸アルコール;ソルビタンアルキルエステル;コカミドモノエタノールアミンおよびコカミドジエタノールアミンなどのコカミドエタノールアミン;スクロースモノラウラート;ドデシルジメチルアミンオキシドならびにコール酸ナトリウムが挙げられる。本明細書に開示される方法に有用な界面活性剤の他の例は、例えば、Winslowら,Methods and Compositions for Simultaneously Isolating Hemoglobin from Red Blood Cells and Inactivating Viruses,米国特許出願公開第2008/0138790号;Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Drug Delivery Systems(Howard C.Anselら編,Lippincott Williams & Wilkins Publishers,第7版,1999);Remington:The Science and Practice of Pharmacy(Alfonso R.Gennaroら,Lippincott,Williams & Wilkins,第20版,2000);Goodman & Gilman’s The Pharmaceutical Basis of Therapeutics(Joel G.Hardmanら編,McGraw-Hill Professional,第10版,2001);およびHandbook of Pharmaceutical Excepients(Raymond C.Roweら,APhA Publications,第4版,2003)(それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれる)にみることができる。
【0066】
非イオン界面活性剤は、相乗的に作用して発酵微生物上清の作用を増強する。さらに、本明細書に開示される植物用薬剤組成物に使用する非イオン界面活性剤は、化学反応の促進に適合性があることが確認されている。したがって、一実施形態では、本明細書に開示される植物用薬剤組成物は、1つのみまたは複数の非イオン界面活性剤を含有する。別の実施形態では、本明細書に開示される植物用薬剤組成物は、1つのみまたは複数の非イオン界面活性剤と1つまたは複数の陰イオン界面活性剤とを含有する。別の実施形態では、本明細書に開示される植物用薬剤組成物は、陽イオン界面活性剤を一切含有しない。別の実施形態では、本明細書に開示される植物用薬剤組成物は、陽イオン界面活性剤も双性イオン界面活性剤も含有しない。別の実施形態では、本明細書に開示される植物用薬剤組成物は、イオン界面活性剤を一切含有しない。別の実施形態では、本明細書に開示される植物用薬剤組成物は、イオン界面活性剤も双性イオン界面活性剤も一切含有しない。
【0067】
本明細書に開示される界面活性剤の量については、それが本明細書に開示される方法を実施するのに有用なものである限り、任意の量を用い得る。この実施形態の諸態様では、使用する界面活性剤の量は、例えば、約0.01重量%、約0.05重量%、約0.075重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約4.0重量%、約5.0重量%、約6.0重量%、約7.0重量%、約7.5重量%、約8.0重量%、約9.0重量%または約10.0重量%である。この実施形態の他の態様では、使用する界面活性剤の量は、例えば、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.075重量%、少なくとも0.1重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.5重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも7.5重量%、少なくとも8.0重量%、少なくとも9.0重量%または少なくとも10.0重量%である。この実施形態のまた別の態様では、使用する界面活性剤の量は、例えば、最大0.01重量%、最大0.05重量%、最大0.075重量%、最大0.1重量%、最大0.25重量%、最大0.5重量%、最大0.75重量%、最大1.0重量%、最大1.5重量%、最大2.0重量%、最大2.5重量%、最大3.0重量%、最大4.0重量%、最大5.0重量%、最大6.0重量%、最大7.5重量%、最大8.0重量%、最大9.0重量%または最大10.0重量%である。
【0068】
この実施形態のさらに別の態様では、使用する界面活性剤の量は、例えば、約0.1重量%~約0.5重量%、約0.1重量%~約0.75重量%、約0.1重量%~約1.0重量%、約0.1重量%~約1.5重量%、約0.1重量%~約2.0重量%、約0.1重量%~約2.5重量%、約0.2重量%~約0.5重量%、約0.2重量%~約0.75重量%、約0.2重量%~約1.0重量%、約0.2重量%~約1.5重量%、約0.2重量%~約2.0重量%、約0.2重量%~約2.5重量%、約0.5重量%~約1.0重量%、約0.5重量%~約1.5重量%、約0.5重量%~約2.0重量%、約0.5重量%~約2.5重量%、約0.5重量%~約3.0重量%、約0.5重量%~約4.0重量%、約0.5重量%~約5.0重量%、約1.0重量%~約2.5重量%、約1.0重量%~約3.0重量%、約1.0重量%~約4.0重量%、約1.0重量%~約5.0重量%、約1.0重量%~約6.0重量%、約1.0重量%~約7.0重量%、約1.0重量%~約7.5重量%、約1.0重量%~約8.0重量%、約1.0重量%~約9.0重量%、約1.0重量%~約10.0重量%、約2.0重量%~約2.5重量%、約2.0重量%~約3.0重量%、約2.0重量%~約4.0重量%、約2.0重量%~約5.0重量%、約2.0重量%~約6.0重量%、約2.0重量%~約7.0重量%、約2.0重量%~約7.5重量%、約2.0重量%~約8.0重量%、約2.0重量%~約9.0重量%、約2.0重量%~約10.0重量%、約5.0重量%~約6.0重量%、約5.0重量%~約7.0重量%、約5.0重量%~約7.5重量%、約5.0重量%~約8.0重量%、約5.0重量%~約9.0重量%、約5.0重量%~約10.0重量%、約5.0重量%~約11.0重量%、約5.0重量%~約12.0重量%、約5.0重量%~約13.0重量%、約5.0重量%~約14.0重量%または約5.0重量%~約15.0重量%である。
【0069】
本明細書の諸態様は、部分的には本明細書に開示される植物用薬剤組成物のpHを開示する。植物用薬剤組成物の最終pHは通常、組成物の有効期間の延長に寄与することから酸性である。この実施形態の諸態様では、本明細書に開示される植物用薬剤組成物のpHは、例えば、約2、約2.5、約3、約3.5、約4、約4.5、約5、約5.5または約6である。この実施形態の他の態様では、本明細書に開示される植物用薬剤組成物のpHは、例えば、少なくとも2、少なくとも2.5、少なくとも3、少なくとも3.5、少なくとも4、少なくとも4.5、少なくとも5、少なくとも5.5または少なくとも6である。この実施形態のまた別の態様では、本明細書に開示される植物用薬剤組成物のpHは、例えば、最大2、最大2.5、最大3、最大3.5、最大4、最大4.5、最大5、最大5.5または最大6である。この実施形態のさらに別の態様では、本明細書に開示される植物用薬剤組成物のpHは、例えば、約2~約3、約2~約3.5、約2~約4、約2~約4.5、約2~約5、約2~約5.5、約2~約6、約2.5~約3、約2.5~約3.5、約2.5~約4、約2.5~約4.5、約2.5~約5、約2.5~約5.5、約2.5~約6、約3~約3.5、約3~約4、約3~約4.2、約3~約4.5、約3~約4.7、約3~約5、約3~約5.2、約3~約5.5、約3~約6、約3.5~約4、約3.5~約4.2、約3.5~約4.5、約3.5~約4.7、約3.5~約5、約3.5~約5.2、約3.5~約5.5、約3.5~約6、約3.7~約4.0、約3.7~約4.2、約3.7~約4.5、約3.7~約5.2、約3.7~約5.5または約3.7~約6.0である。
【0070】
本明細書に開示される植物用薬剤組成物は、ヒト、家畜を含めた哺乳動物、植物および環境に対する有害作用が最小限のものである。この実施形態の一態様では、本明細書に開示される植物用薬剤組成物は、ヒト、哺乳動物、植物および環境に対して実質的に無毒性である。この実施例の他の態様では、本明細書に開示される植物用薬剤組成物は、ヒト、哺乳動物、植物および環境に対して基本的に無毒性である。
【0071】
本明細書の諸態様は、部分的には生分解性の植物用薬剤組成物を開示する。本明細書に開示される生分解性植物用薬剤組成物とは、本明細書に開示される方法および使用に従って用いた後、相当程度の分解、腐食、吸収、腐敗または破壊を受ける傾向がある組成物のことである。この実施形態の諸態様では、本明細書に開示される植物用薬剤組成物の少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%が、例えば、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日または約7日で生分解する。この実施形態の他の態様では、本明細書に開示される植物用薬剤組成物の少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%が、例えば、約1~約2日、約1~約3日、約1~約4日、約1~約5日、約1~約6日、約1~約7日、約2~約3日、約2~約4日、約2~約5日、約2~約6日、約2~約7日、約3~約4日、約3~約5日、約3~約6日、約3~約7日、約4~約5日、約4~約6日、約4~約7日、約5~約6日、約5~約7日または約6~約7日で生分解する。
【0072】
この実施形態の諸態様では、本明細書に開示される植物用薬剤組成物の少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%が、例えば、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日または約14日で生分解する。この実施形態の他の態様では、本明細書に開示される植物用薬剤組成物の少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%が、例えば、約7~約8日、約7~約9日、約7~約10日、約7~約11日、約7~約12日、約7~約13日、約7~約14日、約8~約9日、約8~約10日、約8~約11日、約8~約12日、約8~約13日、約8~約14日、約9~約10日、約9~約11日、約9~約12日、約9~約13日、約9~約14日、約9~約11日、約9~約12日、約9~約13日、約9~約14日、約10~約11日、約10~約12日、約10~約13日、約10~約14日、約11~約12日、約11~約13日、約11~約14日、約12~約13日、約12~約14日または約13~約14日で生分解する。
【0073】
この実施形態の諸態様では、本明細書に開示される植物用薬剤組成物の少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%が、例えば、約15日、約16日、約17日、約18日、約19日、約20日または約21日で生分解する。この実施形態の他の態様では、本明細書に開示される植物用薬剤組成物の少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%が、例えば、約15~約16日、約15~約17日、約15~約18日、約15~約19日、約15~約20日、約15~約21日、約16~約17日、約16~約18日、約16~約19日、約16~約20日、約16~約21日、約17~約18日、約17~約19日、約17~約20日、約17~約21日、約18~約19日、約18~約20日、約18~約21日、約19~約20日、約19~約21日または約20~約21日で生分解する。
【0074】
本明細書の諸態様は、部分的には、本明細書に開示される方法または使用を実施するのに有用な1つまたは複数の構成要素を含む、キットを開示する。キットは、本明細書に開示される方法または使用を実施するのに有用な構成要素を、商業的販売を容易にしたり、促進したりするのに便利なように収納したものを提供する。例えば、キットは、本明細書に開示される植物用薬剤組成物と、本明細書に開示される方法または使用を実施するのに有用な1つまたは複数の他の試薬、例えば1つもしくは複数の希釈剤および/または1つもしくは複数の担体などとを含み得る。
【0075】
キットは通常、本明細書に開示される方法または使用を実施するのに有用な1つまたは複数の構成要素を適切な容器、例えば、箱または他の密閉された運搬容器に入れたものを提供する。さらに、本明細書に開示されるキットは通常、1つまたは複数の構成要素を入れた別個の容器、例えばボトル、バイアル、フラスコまたは他の密閉された運搬容器を含む。例えば、キットには、本明細書に開示される植物用薬剤組成物用の容器および1つまたは複数の他の試薬用の別個の容器が含まれる。キットは携帯可能なもの、例えば、商工業施設または農地などの遠隔地まで運搬して使用することが可能なものであり得る。これ以外にも、キットは居住用建物で用いられるものであり得る。
【0076】
本明細書に開示されるキットは、ラベルまたは挿入物を含み得る。ラベルまたは挿入物は、別個の材料、包装材料(例えば、箱)として提供し得るか、キット構成要素の入った容器に取り付けたり、貼り付けたりし得る、「印刷物」を含む。ラベルまたは挿入物は、コンピュータで読取り可能な媒体、例えばディスク(例えば、ハードディスク、フラッシュメモリ)、CD-ROM/RAMもしくはDVD-ROM/RAMなどの光ディスク、DVD、MP3、磁気テープまたはRAMおよびROMなどの蓄電媒体あるいはこれらのハイブリッド、例えば磁気/光学記憶媒体、フラッシュ媒体またはメモリ型カードなどをさらに含み得る。ラベルまたは挿入物は、中の1つまたは複数の構成要素の識別情報、投入量、投入の頻度またはタイミング、個々の構成要素に関する情報を含み得る。ラベルまたは挿入物は、製造業者情報、ロット番号、製造業者の所在地および日付を示す情報を含み得る。ラベルまたは挿入物は、キット構成要素を使用し得る条件または状況に関する情報を含み得る。ラベルまたは挿入物は、本明細書に開示される方法または使用においてキット構成要素のうちの1つまたは複数のものを用いるための指示を含み得る。指示には、投入の量、頻度または継続時間および本明細書に記載される方法、使用または処理プロトコルのいずれかを実施するための指示のほかにも、潜在的危険性またはキットの構成要素を使用するのに適さない状況に関する警告が含まれ得る。
【0077】
本明細書の諸態様は、部分的には植物病害の病原体を防除する方法を開示する。開示される植物病害の病原体を防除する方法は、病原体が寄生した1つもしくは複数の植物に有効量の本明細書に開示される植物用薬剤組成物を適用する段階および/または病原体が植物用薬剤組成物に曝露されるように1つもしくは複数の場所に有効量の本明細書に開示される植物用薬剤組成物を適用する段階を含む。本明細書に開示される植物用薬剤組成物の適用により、例えば、防除しようとする植物病害の病原体に有害作用がもたらされる。
【0078】
本明細書の諸態様は、部分的には、植物病害の病原体の防除への本明細書に開示される植物用薬剤組成物の使用を開示する。開示される植物用薬剤組成物の使用は、病原体が寄生した1つもしくは複数の植物に有効量の本明細書に開示される植物用薬剤組成物を適用することおよび/または病原体が植物用薬剤組成物に曝露されるように1つもしくは複数の場所に有効量の本明細書に開示される植物用薬剤組成物を適用することを含む。本明細書に開示される植物用薬剤組成物の適用により、例えば、防除しようとする植物病害の病原体に有害作用がもたらされる。
【0079】
本明細書の諸態様は、部分的には、植物の成長および/または作物の生産を増大させる方法を開示する。開示される植物の成長および/または作物の生産を増大させる方法は、1つもしくは複数の植物に有効量の本明細書に開示される植物用薬剤組成物を適用する段階および/または植物用薬剤組成物に1つもしくは複数の植物を曝露するように1つもしくは複数の場所に有効量の本明細書に開示される植物用薬剤組成物を適用する段階を含む。本明細書に開示される植物用薬剤組成物の適用により、例えば、根毛による吸収の改善、木部を通る木部樹液流の改善および師部での光合成産物流の改善、土壌からの水、ミネラルおよびその他の栄養素の吸収の増大、木部での毛管作用および/または静水圧の増大ならびに/あるいは化合物およびエネルギーの合成の増大ならびに/あるいは木部樹液流および/または光合成産物流を阻害する1つまたは複数の成分の破壊がもたらされる。一実施形態では、木部樹液流および/または光合成産物流を阻害する1つまたは複数の成分にはバイオフィルムが含まれる。
【0080】
本明細書の諸態様は、部分的には、植物の成長および/または作物の生産の増大への本明細書に開示される植物用薬剤組成物の使用を開示する。開示される植物用薬剤組成物の使用は、1つもしくは複数の植物に有効量の本明細書に開示される植物用薬剤組成物を適用することおよび/または植物用薬剤組成物に1つもしくは複数の植物を曝露する1つもしくは複数の場所に有効量の本明細書に開示される植物用薬剤組成物を適用することを含む。本明細書に開示される植物用薬剤組成物により、例えば、根毛による吸収の改善、木部を通る木部樹液流の改善および師部での光合成産物流の改善、土壌からの水、ミネラルおよびその他の栄養素の吸収の増大、木部での毛管作用および/または静水圧の増大ならびに/あるいは化合物およびエネルギーの合成の増大ならびに/あるいは木部樹液流および/または光合成産物流を阻害する1つまたは複数の成分の破壊がもたらされる。一実施形態では、木部樹液流および/または光合成産物流を阻害する1つまたは複数の成分にはバイオフィルムが含まれる。
【0081】
本明細書の諸態様は、部分的には灌漑システムの効率を維持または改善する方法を開示する。開示される灌漑システムの効率を維持または改善する方法は、灌漑システムのパイプライン網内の1つまたは複数のパイプに有効量の本明細書に開示される植物用薬剤組成物を適用する段階を含む。本明細書に開示される植物用薬剤組成物の適用により、例えば、灌漑システムの1つまたは複数のパイプライン網を阻害する1つまたは複数の成分が十分に除去される。一実施形態では、1つまたは複数のパイプライン網を阻害する1つまたは複数の成分にはバイオフィルムが含まれる。
【0082】
本明細書の諸態様は、部分的には、灌漑システムの効率の維持または改善への本明細書に開示される植物用薬剤組成物の使用を開示する。開示される植物用薬剤組成物の使用は、灌漑システムのパイプライン網内の1つまたは複数のパイプに有効量の本明細書に開示される植物用薬剤組成物を適用することを含む。本明細書に開示される植物用薬剤組成物の適用により、例えば、灌漑システムの1つまたは複数のパイプライン網を阻害する1つまたは複数の成分が十分に除去される。一実施形態では、1つまたは複数のパイプライン網を阻害する1つまたは複数の成分にはバイオフィルムが含まれる。
【0083】
本明細書に開示される植物用薬剤組成物に含まれる非イオン界面活性剤と処理済み発酵微生物上清との組合せにより、1)植物病害の病原体の防御構造中に存在する1つまたは複数の成分;2)植物の木部樹液流および/または光合成産物流を阻害する1つまたは複数の成分;あるいは3)灌漑システムの水流を阻害する1つまたは複数の成分の多糖ならびに脂質系成分中に存在する分子構造、特に化学結合のin situ化学反応が促進される。これらのin situ化学反応が、1)病原体の防御構造の1つまたは複数の成分を溶解させるか、分散させるか、または別の方法で破壊し、1つまたは複数の不可欠な生理的過程を破壊することによって病原体を死滅させる;2)木部での木部樹液流および/または師部での光合成産物流を阻害する1つまたは複数の成分を溶解させるか、分散させるか、または別の方法で破壊し、植物の健康および活力を維持および/または増進する水および栄養素の輸送を改善する;あるいは3)灌流システムのパイプライン網内の水流を阻害する1つまたは複数の成分を溶解させるか、分散させるか、または別の方法で破壊し、植物の健康および活力を維持および/または増進する配水を改善する。
【0084】
いかなる理論にも限定されることを望むものではないが、水溶液環境中に植物用薬剤組成物を適用すると、高反応性で固有の構造をもつ超微細マイクロバブルが自然に形成される。この「機能化された」マイクロバブルは、1つまたは複数の非イオン界面活性剤と処理済み発酵微生物上清由来の成分とからなる外側の「高反応性」の殻および空気を含んだ内部核を含む。「高反応性」の殻により、水溶液環境中の酸素の物質移動の大幅な増大および化合物の分子構造の生体触媒作用の促進が起こり、この両者が組み合わさって相乗的機能性がもたらされる。酸素の物質移動に関して言えば、この機能性により酸素の移動速度が増大し、水溶液環境中の溶存酸素レベルが、ヘンリーの法則により予想される溶解度限界をはるかに超えて上昇し、機械的曝気システムでは容易に達成できないレベルに達する。処理済み発酵微生物上清由来の成分が、非イオン界面活性剤が十分に組織化されたミセル殻を生じさせる能力に干渉するものと思われる。その結果、殻を「機能化」して気体透過性を高めていたこれらの発酵成分と界面活性剤の分子充填が緩み、それによりガス塊の移動にとってさらに好ましい条件が生じる。したがって、この酸素移動機能は、水溶液環境中での酸素の利用率を増大させる。生体触媒作用の促進に関して言えば、この機能性が、反応物質の局所濃度を増大させる反応プラットフォームをもたらすことにより、触媒反応が起こるのに必要なエネルギーの遷移を低く抑え、電子の供与を可能にし、電子不足の部位での化学反応を促進する。したがって、この生体触媒作用機能は、化合物中に存在するグリコシド結合およびエステル結合を含めた化学結合の切断を媒介する。したがって、マイクロバブルの「機能化された」殻は、従来の酵素系のような触媒活性を有するが、いかなる酵素も必要としない。このため、本明細書に開示される植物用薬剤組成物を適用すると、酸素の分散を促進する「機能化された」マイクロバブルが生じ、それにより溶存酸素レベルが上昇し、分子間の相互作用が促進されて、化合物の触媒的分解が起こる。
【0085】
「機能化された」マイクロバブルは、病原体の防御構造と接触すると、電子不足の部位で電子の供与または反応が起こるようにその防御構造の1つまたは複数の成分と化学的に相互作用し、その1つまたは複数の成分中に存在するグリコシド結合およびエステル結合を含めた化学結合の切断を媒介する。これと同様に、「機能化された」マイクロバブルが、植物の木部樹液および/または光合成産物流を阻害する1つまたは複数の成分と接触すると、電子不足の部位で電子の供与または反応が起こるように1つまたは複数の成分と化学的に相互作用し、その1つまたは複数の成分中に存在するグリコシド結合およびエステル結合を含めた化学結合の切断を媒介する。同様に、「機能化された」マイクロバブルが、灌漑システムの水流を阻害する1つまたは複数の成分と接触すると、電子不足の部位で電子の供与または反応が起こるように1つまたは複数の成分と化学的に相互作用し、その1つまたは複数の成分中に存在するグリコシド結合およびエステル結合を含めた化学結合の切断を媒介する。上記の相互作用は、「高反応性」の殻に依存することに加えて、マイクロバブルの核に存在する酸素も利用する、ベータ酸化を用いた加水分解の一形態であると思われる。このように、「機能化された」マイクロバブルにみられる諸特性が核の酸素移動能と相乗的に作用して、1)植物病害の病原体の防御構造中に存在する1つまたは複数の成分;2)植物の木部樹液および/または光合成産物流を阻害する1つまたは複数の成分;ならびに/あるいは3)灌漑システムの水流を阻害する1つまたは複数の成分中に存在するグリコシド結合ならびにエステル結合を含めた化学結合のin situ分解を促進する。
【0086】
さらに、「機能化された」マイクロバブルが根毛と接触すると、根毛の膜の水輸送に対する透過性を増大させ、共生生物にとってより良好な微生物環境を提供して根毛機能を増強することにより、水吸収を増大させ、窒素固定を増大させ、ガス交換を増大させ、維管束組織の毛管作用および静水圧を増大させる。このような相互作用により、根毛による吸収が改善され、木部を通る木部樹液流が改善され、師部での光合成産物流が改善されて、植物の健康および活力の維持および/または増進に用いられる原料、成長成分およびエネルギーの輸送の改善がもたらされる。
【0087】
本明細書に開示される植物用薬剤組成物の適用は、植物病害の病原体の防御構造中に存在する1つまたは複数の成分が十分に破壊され、次いで1つまたは複数の不可欠な生理的過程が崩壊して死滅が起こるように、その防御構造の1つまたは複数の成分を本開示の植物用薬剤組成物に曝露する、任意の方法によるものであり得る。例えば、曝露は、病原体への直接的適用または病原体が植物用薬剤組成物に曝露される場所への間接的適用によるものであり得る。
【0088】
同様に、本明細書に開示される植物用薬剤組成物の適用は、土壌からの水、ミネラルおよびその他の栄養素の吸収の増大、木部での毛管作用および/または静水圧の増大ならびに/あるいは化合物およびエネルギーの合成の増大、次いで根毛での吸収、木部を通る木部樹液流および師部での光合成産物流の改善がもたらされるように、根毛を本開示の植物用薬剤組成物に曝露する、任意の方法によるものであり得る。例えば、曝露は、1つもしくは複数の植物への直接的適用または1つもしくは複数の植物が植物用薬剤組成物に曝露される場所への間接的適用によるものであり得る。
【0089】
同様に、本明細書に開示される植物用薬剤組成物の適用は、防御構造の1つまたは複数の成分が十分に破壊され、次いで植物の健康および活力を維持および/または増進する水および栄養素の輸送が改善されるように、木部での木部樹液流および/または師部での光合成産物流を阻害する1つまたは複数の成分を本開示の植物用薬剤組成物に曝露する、任意の方法によるものであり得る。例えば、曝露は、1つもしくは複数の植物への直接的適用または1つもしくは複数の植物が植物用薬剤組成物に曝露される場所への間接的適用によるものであり得る。
【0090】
さらに、本明細書に開示される植物用薬剤組成物の適用は、防御構造の1つまたは複数の成分が十分に破壊され、次いで植物の健康および活力を維持および/または増進する灌漑システムの配水が改善されるように、灌流システムのパイプライン網内の水流を阻害する1つまたは複数の成分を本開示の植物用薬剤組成物に曝露する、任意の方法によるものであり得る。例えば、曝露は、灌漑システムの1つもしくは複数のパイプライン網への直接的適用または灌漑システムの1つもしくは複数のパイプライン網が植物用薬剤組成物に曝露される場所への間接的適用によるものであり得る。
【0091】
本明細書に開示される方法および使用には、未希釈形態の本明細書に開示される植物用薬剤組成物を使用することができる。あるいは、本明細書に開示される植物用薬剤組成物を希釈するのが望ましい場合もあり、当業者には、そのような組成物の希釈物を使用し得ることがわかる。本明細書に開示される植物用薬剤組成物は通常、水を用いて実施するが、本明細書に開示されるマイクロバブルの形成に適合性のあるものである限り、これ以外のしかるべき希釈剤を用いてもよい。この実施形態の諸態様では、植物用薬剤組成物を、例えば、1:10、1:25、1:50、1:75、1:100、1:200、1:300、1:400、1:500、1:600、1:700、1:800、1:900、1:1000、1:2000、1:3000、1:4000、1:5000、1:6000、1:7000、1:8000、1:9000、1:10000、1:20000、1:30000、1:40000、1:50000、1:60000、1:70000、1:80000、1:90000または1:100000の比に希釈する。この実施形態の他の態様では、植物用薬剤組成物を、例えば、少なくとも1:10、少なくとも1:25、少なくとも1:50、少なくとも1:75、少なくとも1:100、少なくとも1:200、少なくとも1:300、少なくとも1:400、少なくとも1:500、少なくとも1:600、少なくとも1:700、少なくとも1:800、少なくとも1:900、少なくとも1:1000、少なくとも1:2000、少なくとも1:3000、少なくとも1:4000、少なくとも1:5000、少なくとも1:6000、少なくとも1:7000、少なくとも1:8000、少なくとも1:9000、少なくとも1:10000、少なくとも1:20000、少なくとも1:30000、少なくとも1:40000、少なくとも1:50000、少なくとも1:60000、少なくとも1:70000、少なくとも1:80000、少なくとも1:90000または少なくとも1:100000の比に希釈する。この実施形態のまた別の態様では、植物用薬剤組成物を、例えば、最大1:10、最大1:25、最大1:50、最大1:75、最大1:100、最大1:200、最大1:300、最大1:400、最大1:500、最大1:600、最大1:700、最大1:800、最大1:900、最大1:1000、最大1:2000、最大1:3000、最大1:4000、最大1:5000、最大1:6000、最大1:7000、最大1:8000、最大1:9000、最大1:10000、最大1:20000、最大1:30000、最大1:40000、最大1:50000、最大1:60000、最大1:70000、最大1:80000、最大1:90000または最大1:100000の比に希釈する。
【0092】
この実施形態のさらに別の態様では、植物用薬剤組成物を、例えば、約1:1~約1:10、約1:1~約1:25、約1:1~約1:50、約1:1~約1:75、約1:1~約1:100、約1:2~約1:10、約1:2~約1:25、約1:2~約1:50、約1:2~約1:75、約1:2~約1:100、約1:10~約1:25、約1:10~約1:50、約1:10~約1:75、約1:10~約1:100、約1:10~約1:125、約1:10~約1:150、約1:10~約1:175、約1:10~約1:200、約1:10~約1:225、約1:10~約1:250、約1:50~約1:100、約1:50~約1:200、約1:50~約1:300、約1:50~約1:400、約1:50~約1:500、約1:50~約1:600、約1:50~約1:700、約1:50~約1:800、約1:50~約1:900、約1:50~約1:1000、約1:100~約1:200、約1:100~約1:300、約1:100~約1:400、約1:100~約1:500、約1:100~約1:600、約1:100~約1:700、約1:100~約1:800、約1:100~約1:900、約1:100~約1:1000、約1:500~約1:1000、約1:500~約1:2000、約1:500~約1:3000、約1:500~約1:4000、約1:500~約1:5000、約1:500~約1:6000、約1:500~約1:7000、約1:500~約1:8000、約1:500~約1:9000、約1:500~約1:10000、約1:1000~約1:2000、約1:1000~約1:3000、約1:1000~約1:4000、約1:1000~約1:5000、約1:1000~約1:6000、約1:1000~約1:7000、約1:1000~約1:8000、約1:1000~約1:9000、約1:1000~約1:10000、約1:5000~約1:10000、約1:5000~約1:20000、約1:5000~約1:30000、約1:5000~約1:40000、約1:5000~約1:50000、約1:5000~約1:60000、約1:5000~約1:70000、約1:5000~約1:80000、約1:5000~約1:90000、約1:5000~約1:100000、約1:10000~約1:20000、約1:10000~約1:30000、約1:10000~約1:40000、約1:10000~約1:50000、約1:10000~約1:60000、約1:10000~約1:70000、約1:10000~約1:80000、約1:10000~約1:90000、約1:10000~約1:100000の比に希釈する。
【0093】
本明細書に開示される植物用薬剤組成物の適用は、有効量で実施されるものである。開示される植物用薬剤組成物の有効量は、1)防除しようとする植物病害の病原体の集団に有害作用を引き起こすのに十分な量;2)根毛による吸収を改善し、木部を通る木部樹液流を改善し、師部での光合成産物流を改善するのに十分な量;3)土壌からの水、ミネラルおよびその他の栄養素の吸収を増大させ、木部での毛管作用および/または静水圧を増大させ、かつ/あるいは化合物およびエネルギーの合成を増大させるのに十分な量;4)木部樹液および/または光合成産物流を阻害する1つまたは複数の成分の十分な破壊を引き起こすのに十分な量;ならびに/あるいは5)灌漑システムの1つまたは複数のパイプライン網を阻害する1つまたは複数の成分の十分な除去を引き起こすのに十分な量であり得る。開示される植物用薬剤組成物の実際の有効量は、本明細書に開示される植物用薬剤組成物の防除活性および効果を評価するのに用いる日常的なスクリーニング方法によって決定される。このようなスクリーニング方法は当業者に周知である。本明細書に開示される植物用薬剤組成物は、同じ防除効果を得るのに、活性レベルの高いものほど少量および低濃度で使用することが可能であり、活性レベルの低いものほど必要な量または濃度が大きくなり得ることが予想される。
【0094】
本明細書に開示される植物用薬剤組成物の適用は、有効量で実施されるものである。開示される植物用薬剤組成物の有効量は、所望の効果をもたらすのに十分な量であり得る。開示される植物用薬剤組成物の実際の有効量は、本明細書に開示される植物用薬剤組成物の防除活性および効果を評価するのに用いる日常的なスクリーニング方法によって決定される。このようなスクリーニング方法は当業者に周知である。本明細書に開示される植物用薬剤組成物は、同じ防除効果を得るのに、活性レベルの高いものほど少量および低濃度で使用することが可能であり、活性レベルの低いものほど必要な量または濃度が大きくなり得ることが予想される。
【0095】
開示される植物用薬剤組成物の有効量は、防除しようとする病原体に有害作用を引き起こすのに十分な量であり得る。この実施形態の諸態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、例えば、植物に感染する集団の病原体の約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%に有害作用を引き起こすのに十分な量である。この実施例の他の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、例えば、植物に感染する集団の病原体の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%に有害作用を引き起こすのに十分な量である。この実施形態のまた別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、植物に感染する集団の病原体の例えば、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大90%または最大95%に有害作用を引き起こすのに十分な量である。この実施形態のさらに別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、例えば、植物に感染する集団の病原体の約10%~約20%、約10%~約30%、約10%~約40%、約10%~約50%、約10%~約60%、約10%~約70%、約10%~約80%、約10%~約90%、約10%~約95%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約20%~約60%、約20%~約70%、約20%~約80%、約20%~約90%、約20%~約95%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約30%~約70%、約30%~約80%、約30%~約90%、約30%~約95%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約40%~約80%、約40%~約90%、約40%~約95%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約50%~約90%、約50%~約95%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約60%~約95%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約95%、約80%~約90%、約80%~約95%または約90%~約95%に有害作用を引き起こすのに十分な量である。
【0096】
この実施形態の諸態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、例えば、植物に感染する集団の病原体の約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%を死滅させるのに十分な量である。この実施例の他の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、例えば、植物に感染する集団の病原体の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%を死滅させるのに十分な量である。この実施形態のさらに別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、例えば、植物に感染する集団の病原体の最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大90%または最大95%を死滅させるのに十分な量である。この実施形態のまた別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、例えば、植物に感染する集団の病原体の約10%~約20%、約10%~約30%、約10%~約40%、約10%~約50%、約10%~約60%、約10%~約70%、約10%~約80%、約10%~約90%、約10%~約95%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約20%~約60%、約20%~約70%、約20%~約80%、約20%~約90%、約20%~約95%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約30%~約70%、約30%~約80%、約30%~約90%、約30%~約95%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約40%~約80%、約40%~約90%、約40%~約95%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約50%~約90%、約50%~約95%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約60%~約95%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約95%、約80%~約90%、約80%~約95%または約90%~約95%を死滅させるのに十分な量である。
【0097】
開示される植物用薬剤組成物の有効量は、防除しようとする病原体の集団の大きさを縮小させるのに十分な量であり得る。この実施形態の諸態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、防除しようとする病原体の集団の大きさを例えば、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%縮小させるのに十分な量である。この実施例の他の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、防除しようとする病原体の集団の大きさを例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%縮小させるのに十分な量である。この実施形態のさらに別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、防除しようとする病原体の集団の大きさを例えば、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大90%または最大95%縮小させるのに十分な量である。この実施形態のまた別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、防除しようとする病原体を例えば、約10%~約20%、約10%~約30%、約10%~約40%、約10%~約50%、約10%~約60%、約10%~約70%、約10%~約80%、約10%~約90%、約10%~約95%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約20%~約60%、約20%~約70%、約20%~約80%、約20%~約90%、約20%~約95%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約30%~約70%、約30%~約80%、約30%~約90%、約30%~約95%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約40%~約80%、約40%~約90%、約40%~約95%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約50%~約90%、約50%~約95%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約60%~約95%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約95%、約80%~約90%、約80%~約95%または約90%~約95%縮小させるのに十分な量である。
【0098】
開示される植物用薬剤組成物の有効量は、防除しようとする病原体の集団が1つまたは複数の場所に侵入または寄生するのを阻止するのに十分な量であり得る。この実施形態の諸態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、例えば、病原体の集団の約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%が1つまたは複数の場所に侵入または寄生するのを阻止するのに十分な量である。この実施例の他の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、例えば、病原体の集団の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%が1つまたは複数の場所に侵入または寄生するのを阻止するのに十分な量である。この実施形態のさらに別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、例えば、病原体の集団の最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大90%または最大95%が1つまたは複数の場所に侵入または寄生するのを阻止するのに十分な量である。この実施形態のまた別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、例えば、病原体の集団の約10%~約20%、約10%~約30%、約10%~約40%、約10%~約50%、約10%~約60%、約10%~約70%、約10%~約80%、約10%~約90%、約10%~約95%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約20%~約60%、約20%~約70%、約20%~約80%、約20%~約90%、約20%~約95%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約30%~約70%、約30%~約80%、約30%~約90%、約30%~約95%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約40%~約80%、約40%~約90%、約40%~約95%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約50%~約90%、約50%~約95%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約60%~約95%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約95%、約80%~約90%、約80%~約95%または約90%~約95%が1つまたは複数の場所に侵入または寄生するのを阻止するのに十分な量である。
【0099】
開示される植物用薬剤組成物の有効量は、根毛による土壌からの水、ミネラルおよびその他の栄養素の吸収を改善するのに十分な量であり得る。この実施形態の諸態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、根毛による土壌からの水、ミネラルおよびその他の栄養素の吸収を例えば、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%改善するのに十分な量である。この実施例の他の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、根毛による土壌からの水、ミネラルおよびその他の栄養素の吸収を例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%改善するのに十分な量である。この実施形態のまた別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、根毛による土壌からの水、ミネラルおよびその他の栄養素の吸収を例えば、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大90%または最大95%改善するのに十分な量である。この実施形態のさらに別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、根毛による土壌からの水、ミネラルおよびその他の栄養素の吸収を例えば、約10%~約20%、約10%~約30%、約10%~約40%、約10%~約50%、約10%~約60%、約10%~約70%、約10%~約80%、約10%~約90%、約10%~約95%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約20%~約60%、約20%~約70%、約20%~約80%、約20%~約90%、約20%~約95%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約30%~約70%、約30%~約80%、約30%~約90%、約30%~約95%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約40%~約80%、約40%~約90%、約40%~約95%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約50%~約90%、約50%~約95%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約60%~約95%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約95%、約80%~約90%、約80%~約95%または約90%~約95%改善するのに十分な量である。
【0100】
開示される植物用薬剤組成物の有効量は、木部を通る木部樹液流を改善するのに十分な量であり得る。この実施形態の諸態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、木部を通る木部樹液流を例えば、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%改善するのに十分な量である。この実施例の他の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、木部を通る木部樹液流を例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%改善するのに十分な量である。この実施形態のまた別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、木部を通る木部樹液流と例えば、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大90%または最大95%改善するのに十分な量である。この実施形態のさらに別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、木部を通る木部樹液流を例えば、約10%~約20%、約10%~約30%、約10%~約40%、約10%~約50%、約10%~約60%、約10%~約70%、約10%~約80%、約10%~約90%、約10%~約95%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約20%~約60%、約20%~約70%、約20%~約80%、約20%~約90%、約20%~約95%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約30%~約70%、約30%~約80%、約30%~約90%、約30%~約95%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約40%~約80%、約40%~約90%、約40%~約95%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約50%~約90%、約50%~約95%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約60%~約95%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約95%、約80%~約90%、約80%~約95%または約90%~約95%改善するのに十分な量である。
【0101】
開示される植物用薬剤組成物の有効量は、師部での光合成産物流を改善するのに十分な量であり得る。この実施形態の諸態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、師部での光合成産物流を例えば、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%改善するのに十分な量である。この実施例の他の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、師部での光合成産物流を例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%改善するのに十分な量である。この実施形態のまた別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、師部での光合成産物流を例えば、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大90%または最大95%改善するのに十分な量である。この実施形態のさらに別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、師部での光合成産物流を例えば、約10%~約20%、約10%~約30%、約10%~約40%、約10%~約50%、約10%~約60%、約10%~約70%、約10%~約80%、約10%~約90%、約10%~約95%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約20%~約60%、約20%~約70%、約20%~約80%、約20%~約90%、約20%~約95%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約30%~約70%、約30%~約80%、約30%~約90%、約30%~約95%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約40%~約80%、約40%~約90%、約40%~約95%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約50%~約90%、約50%~約95%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約60%~約95%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約95%、約80%~約90%、約80%~約95%または約90%~約95%改善するのに十分な量である。
【0102】
開示される植物用薬剤組成物の有効量は、土壌からの水、ミネラルおよびその他の栄養素の吸収を増大させるのに十分な量であり得る。この実施形態の諸態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、土壌からの水、ミネラルおよびその他の栄養素の吸収を例えば、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%増大させるのに十分な量である。この実施例の他の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、土壌からの水、ミネラルおよびその他の栄養素の吸収を例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%増大させるのに十分な量である。この実施形態のまた別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、土壌からの水、ミネラルおよびその他の栄養素の吸収を例えば、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大90%または最大95%増大させるのに十分な量である。この実施形態のさらに別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、土壌からの水、ミネラルおよびその他の栄養素の吸収を例えば、約10%~約20%、約10%~約30%、約10%~約40%、約10%~約50%、約10%~約60%、約10%~約70%、約10%~約80%、約10%~約90%、約10%~約95%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約20%~約60%、約20%~約70%、約20%~約80%、約20%~約90%、約20%~約95%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約30%~約70%、約30%~約80%、約30%~約90%、約30%~約95%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約40%~約80%、約40%~約90%、約40%~約95%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約50%~約90%、約50%~約95%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約60%~約95%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約95%、約80%~約90%、約80%~約95%または約90%~約95%増大させるのに十分な量である。
【0103】
開示される植物用薬剤組成物の有効量は、木部での毛管作用および/または静水圧を増大させるのに十分な量であり得る。この実施形態の諸態様では、開示される植物用薬剤組成物有効量は、木部での毛管作用および/または静水圧を例えば、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%増大させるのに十分な量である。この実施例の他の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、木部での毛管作用および/または静水圧を例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%増大させるのに十分な量である。この実施形態のまた別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、木部での毛管作用および/または静水圧を例えば、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大90%または最大95%増大させるのに十分な量である。この実施形態のさらに別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、木部での毛管作用および/または静水圧を例えば、約10%~約20%、約10%~約30%、約10%~約40%、約10%~約50%、約10%~約60%、約10%~約70%、約10%~約80%、約10%~約90%、約10%~約95%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約20%~約60%、約20%~約70%、約20%~約80%、約20%~約90%、約20%~約95%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約30%~約70%、約30%~約80%、約30%~約90%、約30%~約95%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約40%~約80%、約40%~約90%、約40%~約95%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約50%~約90%、約50%~約95%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約60%~約95%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約95%、約80%~約90%、約80%~約95%または約90%~約95%増大させるのに十分な量である。
【0104】
開示される植物用薬剤組成物の有効量は、植物体を通る原料の輸送を改善するのに十分な量であり得る。この実施形態の諸態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、植物体を通る原料の輸送を例えば、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%改善するのに十分な量である。この実施例の他の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、植物体を通る原料の輸送を例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%改善するのに十分な量である。この実施形態のまた別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、植物体を通る原料の輸送を例えば、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大90%または最大95%改善するのに十分な量である。この実施形態のさらに別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、植物体を通る原料の輸送を例えば、約10%~約20%、約10%~約30%、約10%~約40%、約10%~約50%、約10%~約60%、約10%~約70%、約10%~約80%、約10%~約90%、約10%~約95%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約20%~約60%、約20%~約70%、約20%~約80%、約20%~約90%、約20%~約95%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約30%~約70%、約30%~約80%、約30%~約90%、約30%~約95%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約40%~約80%、約40%~約90%、約40%~約95%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約50%~約90%、約50%~約95%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約60%~約95%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約95%、約80%~約90%、約80%~約95%または約90%~約95%改善するのに十分な量である。
【0105】
開示される植物用薬剤組成物の有効量は、植物体内での化合物およびエネルギーの合成を増大させるのに十分な量であり得る。この実施形態の諸態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、植物体内での化合物およびエネルギーの合成を例えば、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%増大させるのに十分な量である。この実施例の他の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、植物体内での化合物およびエネルギーの合成を例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%増大させるのに十分な量である。この実施形態のまた別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、植物体内での化合物およびエネルギーの合成を例えば、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大90%または最大95%増大させるのに十分な量である。この実施形態のさらに別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、植物体内での化合物およびエネルギーの合成を例えば、約10%~約20%、約10%~約30%、約10%~約40%、約10%~約50%、約10%~約60%、約10%~約70%、約10%~約80%、約10%~約90%、約10%~約95%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約20%~約60%、約20%~約70%、約20%~約80%、約20%~約90%、約20%~約95%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約30%~約70%、約30%~約80%、約30%~約90%、約30%~約95%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約40%~約80%、約40%~約90%、約40%~約95%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約50%~約90%、約50%~約95%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約60%~約95%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約95%、約80%~約90%、約80%~約95%または約90%~約95%増大させるのに十分な量である。
【0106】
開示される植物用薬剤組成物の有効量は、植物の成長の維持および継続に必要な化合物およびエネルギーの合成を改善するのに十分な量であり得る。この実施形態の諸態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、植物の成長の維持および継続に必要な化合物およびエネルギーの合成を例えば、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%改善するのに十分な量である。この実施例の他の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、植物の成長の維持および継続に必要な化合物およびエネルギーの合成を例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%改善するのに十分な量である。この実施形態のまた別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、植物の成長の維持および継続に必要な化合物およびエネルギーの合成を例えば、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大90%または最大95%改善するのに十分な量である。この実施形態のさらに別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、植物の成長の維持および継続に必要な化合物およびエネルギーの合成を例えば、約10%~約20%、約10%~約30%、約10%~約40%、約10%~約50%、約10%~約60%、約10%~約70%、約10%~約80%、約10%~約90%、約10%~約95%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約20%~約60%、約20%~約70%、約20%~約80%、約20%~約90%、約20%~約95%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約30%~約70%、約30%~約80%、約30%~約90%、約30%~約95%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約40%~約80%、約40%~約90%、約40%~約95%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約50%~約90%、約50%~約95%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約60%~約95%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約95%、約80%~約90%、約80%~約95%または約90%~約95%改善するのに十分な量である。
【0107】
開示される植物用薬剤組成物の有効量は、木部での木部樹液流を阻害する1つまたは複数の成分を溶解させるか、分散させるか、または別の方法で除去するのに十分な量であり得る。この実施形態の諸態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、木部での木部樹液流を阻害する1つまたは複数の成分を例えば、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%溶解させるか、分散させるか、または別の方法で除去するのに十分な量である。この実施例の他の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、木部での木部樹液流を阻害する1つまたは複数の成分を例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%溶解させるか、分散させるか、または別の方法で除去するのに十分な量である。この実施形態のまた別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、木部での木部樹液流を阻害する1つまたは複数の成分を例えば、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大90%または最大95%溶解させるか、分散させるか、または別の方法で除去するのに十分な量である。この実施形態のさらに別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、木部での木部樹液流を阻害する1つまたは複数の成分を例えば、約10%~約20%、約10%~約30%、約10%~約40%、約10%~約50%、約10%~約60%、約10%~約70%、約10%~約80%、約10%~約90%、約10%~約95%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約20%~約60%、約20%~約70%、約20%~約80%、約20%~約90%、約20%~約95%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約30%~約70%、約30%~約80%、約30%~約90%、約30%~約95%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約40%~約80%、約40%~約90%、約40%~約95%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約50%~約90%、約50%~約95%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約60%~約95%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約95%、約80%~約90%、約80%~約95%または約90%~約95%溶解させるか、分散させるか、または別の方法で除去するのに十分な量である。
【0108】
開示される植物用薬剤組成物の有効量は、師部での光合成産物流を阻害する1つまたは複数の成分を溶解させるか、分散させるか、または別の方法で除去するのに十分な量であり得る。この実施形態の諸態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、師部での光合成産物流を阻害する1つまたは複数の成分を例えば、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%溶解させるか、分散させるか、または別の方法で除去するのに十分な量である。この実施例の他の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、師部での光合成産物流を阻害する1つまたは複数の成分を例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%溶解させるか、分散させるか、または別の方法で除去するのに十分な量である。この実施形態のまた別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、師部での光合成産物流を阻害する1つまたは複数の成分を例えば、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大90%または最大95%溶解させるか、分散させるか、または別の方法で除去するのに十分な量である。この実施形態のさらに別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、師部での光合成産物流を阻害する1つまたは複数の成分を例えば、約10%~約20%、約10%~約30%、約10%~約40%、約10%~約50%、約10%~約60%、約10%~約70%、約10%~約80%、約10%~約90%、約10%~約95%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約20%~約60%、約20%~約70%、約20%~約80%、約20%~約90%、約20%~約95%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約30%~約70%、約30%~約80%、約30%~約90%、約30%~約95%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約40%~約80%、約40%~約90%、約40%~約95%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約50%~約90%、約50%~約95%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約60%~約95%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約95%、約80%~約90%、約80%~約95%または約90%~約95%溶解させるか、分散させるか、または別の方法で除去するのに十分な量である。
【0109】
開示される植物用薬剤組成物の有効量は、灌流システムのパイプライン網内の水流を阻害する1つまたは複数の成分を溶解させるか、分散させるか、または別の方法で除去するのに十分な量であり得る。この実施形態の諸態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、灌流システムのパイプライン網内の水流を阻害する1つまたは複数の成分を例えば、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%溶解させるか、分散させるか、または別の方法で除去するのに十分な量である。この実施例の他の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、灌流システムのパイプライン網内の水流を阻害する1つまたは複数の成分を例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%溶解させるか、分散させるか、または別の方法で除去するのに十分な量である。この実施形態のまた別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、灌流システムのパイプライン網内の水流を阻害する1つまたは複数の成分を例えば、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大90%または最大95%溶解させるか、分散させるか、または別の方法で除去するのに十分な量である。この実施形態のさらに別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、灌流システムのパイプライン網内の水流を阻害する1つまたは複数の成分を例えば、約10%~約20%、約10%~約30%、約10%~約40%、約10%~約50%、約10%~約60%、約10%~約70%、約10%~約80%、約10%~約90%、約10%~約95%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約20%~約60%、約20%~約70%、約20%~約80%、約20%~約90%、約20%~約95%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約30%~約70%、約30%~約80%、約30%~約90%、約30%~約95%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約40%~約80%、約40%~約90%、約40%~約95%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約50%~約90%、約50%~約95%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約60%~約95%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約95%、約80%~約90%、約80%~約95%または約90%~約95%溶解させるか、分散させるか、または別の方法で除去するのに十分な量である。
【0110】
開示される植物用薬剤組成物の有効量は、パイプライン網全体の水輸送を改善するのに十分な量であり得る。この実施形態の諸態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、パイプライン網全体の水輸送を例えば、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%改善するのに十分な量である。この実施例の他の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、パイプライン網全体の水輸送を例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%改善するのに十分な量である。この実施形態のまた別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、パイプライン網全体の水輸送を例えば、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大90%または最大95%改善するのに十分な量である。この実施形態のさらに別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、パイプライン網全体の水輸送を例えば、約10%~約20%、約10%~約30%、約10%~約40%、約10%~約50%、約10%~約60%、約10%~約70%、約10%~約80%、約10%~約90%、約10%~約95%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約20%~約60%、約20%~約70%、約20%~約80%、約20%~約90%、約20%~約95%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約30%~約70%、約30%~約80%、約30%~約90%、約30%~約95%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約40%~約80%、約40%~約90%、約40%~約95%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約50%~約90%、約50%~約95%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約60%~約95%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約95%、約80%~約90%、約80%~約95%または約90%~約95%改善するのに十分な量である。
【0111】
開示される植物用薬剤組成物の有効量は、植物の健康および活力を維持および/または増進するのに十分な量であり得る。この実施形態の諸態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、植物の健康および活力を維持および/または例えば、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%もしくは約95%増進するのに十分な量である。この実施例の他の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、植物の健康および活力を維持および/または例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%もしくは少なくとも95%増進するのに十分な量である。この実施形態のまた別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、植物の健康および活力を維持および/または例えば、最大10%、最大15%、最大20%、最大25%、最大30%、最大35%、最大40%、最大45%、最大50%、最大55%、最大60%、最大65%、最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大90%もしくは最大95%増進するのに十分な量である。この実施形態のさらに別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、植物の健康および活力を維持および/または例えば、約10%~約20%、約10%~約30%、約10%~約40%、約10%~約50%、約10%~約60%、約10%~約70%、約10%~約80%、約10%~約90%、約10%~約95%、約20%~約30%、約20%~約40%、約20%~約50%、約20%~約60%、約20%~約70%、約20%~約80%、約20%~約90%、約20%~約95%、約30%~約40%、約30%~約50%、約30%~約60%、約30%~約70%、約30%~約80%、約30%~約90%、約30%~約95%、約40%~約50%、約40%~約60%、約40%~約70%、約40%~約80%、約40%~約90%、約40%~約95%、約50%~約60%、約50%~約70%、約50%~約80%、約50%~約90%、約50%~約95%、約60%~約70%、約60%~約80%、約60%~約90%、約60%~約95%、約70%~約80%、約70%~約90%、約70%~約95%、約80%~約90%、約80%~約95%もしくは約90%~約95%増進するのに十分な量である。
【0112】
開示される植物用薬剤組成物の有効量は、本明細書に開示される植物用薬剤組成物の希釈比であり得る。この実施形態の諸態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、例えば、約1:50、約1:75、約1:100、約1:125、約1:150、約1:175、約1:200、約1:225、約1:250、約1:275、約1:300、約1:325、約1:350、約1:375、約1:400、約1:425、約1:450、約1:475、約1:500、約1:525、約1:550、約1:575または約1:600の植物用薬剤組成物と希釈剤の比である。この実施形態の他の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、例えば、少なくとも1:50、少なくとも1:75、少なくとも1:100、少なくとも1:125、少なくとも1:150、少なくとも1:175、少なくとも1:200、少なくとも1:225、少なくとも1:250、少なくとも1:275、少なくとも1:300、少なくとも1:325、少なくとも1:350、少なくとも1:375、少なくとも1:400、少なくとも1:425、少なくとも1:450、少なくとも1:475、少なくとも1:500、少なくとも1:525、少なくとも1:550、少なくとも1:575または少なくとも1:600の植物用薬剤組成物と希釈剤の比である。この実施形態のまた別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、例えば、最大1:50、最大1:75、最大1:100、最大1:125、最大1:150、最大1:175、最大1:200、最大1:225、最大1:250、最大1:275、最大1:300、最大1:325、最大1:350、最大1:375、最大1:400、最大1:425、最大1:450、最大1:475、最大1:500、最大1:525、最大1:550、最大1:575または最大1:600の植物用薬剤組成物と希釈剤の比である。この実施形態の他の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、例えば、約1:50~約1:100、約1:50~約1:200、約1:50~約1:300、約1:50~約1:400、約1:50~約1:500、約1:50~約1:600、約1:100~約1:200、約1:100~約1:300、約1:100~約1:400、約1:100~約1:500、約1:100~約1:600、約1:200~約1:300、約1:200~約1:400、約1:200~約1:500、約1:200~約1:600、約1:300~約1:400、約1:300~約1:500、約1:300~約1:600、約1:400~約1:500、約1:400~約1:600または約1:500~約1:600の植物用薬剤組成物と希釈剤の比である。上記の植物用薬剤組成物と希釈剤の比は通常、本開示の植物病害の病原体を防除する方法、使用、本開示の植物の成長および/または作物の生産を増大させる方法および使用ならびに植物病害の病原体を防除する使用のほか、本開示の灌漑システムの効率を維持または改善する方法および使用に有効な量となる濃度である。
【0113】
この実施形態の諸態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、例えば、約1:500、約1:750、約1:1000、約1:1250、約1:1500、約1:1750、約1:2000、約1:2250、約1:2500、約1:2750、約1:3000、約1:3250、約1:3500、約1:3750、約1:4000、約1:4250、約1:4500、約1:4750、約1:5000、約1:5250、約1:5500、約1:5750、約1:6000、約1:7000、約1:8000、約1:9000または約1:10000の植物用薬剤組成物と希釈剤の比である。この実施形態の他の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、例えば、少なくとも1:500、少なくとも1:750、少なくとも1:1000、少なくとも1:1250、少なくとも1:1500、少なくとも1:1750、少なくとも1:2000、少なくとも1:2250、少なくとも1:2500、少なくとも1:2750、少なくとも1:3000、少なくとも1:3250、少なくとも1:3500、少なくとも1:3750、少なくとも1:4000、少なくとも1:4250、少なくとも1:4500、少なくとも1:4750、少なくとも1:5000、少なくとも1:5250、少なくとも1:5500、少なくとも1:5750、少なくとも1:6000、少なくとも1:7000、少なくとも1:8000、少なくとも1:9000または少なくとも1:10000の植物用薬剤組成物と希釈剤の比である。この実施形態のまた別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、例えば、最大1:500、最大1:750、最大1:1000、最大1:1250、最大1:1500、最大1:1750、最大1:2000、最大1:2250、最大1:2500、最大1:2750、最大1:3000、最大1:3250、最大1:3500、最大1:3750、最大1:4000、最大1:4250、最大1:4500、最大1:4750、最大1:5000、最大1:5250、最大1:5500、最大1:5750、最大1:6000、最大1:7000、最大1:8000、最大1:9000または最大1:10000の植物用薬剤組成物と希釈剤の比である。この実施形態の他の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、例えば、約1:500~約1:1000、約1:500~約1:2000、約1:500~約1:3000、約1:500~約1:4000、約1:500~約1:5000、約1:500~約1:6000、約1:500~約1:7000、約1:500~約1:8000、約1:500~約1:9000、約1:500~約1:10000、約1:1000~約1:2000、約1:1000~約1:3000、約1:1000~約1:4000、約1:1000~約1:5000、約1:1000~約1:6000、約1:1000~約1:7000、約1:1000~約1:8000、約1:1000~約1:9000、約1:1000~約1:10000、約1:2000~約1:3000、約1:2000~約1:4000、約1:2000~約1:5000、約1:2000~約1:6000、約1:2000~約1:7000、約1:2000~約1:8000、約1:2000~約1:9000、約1:2000~約1:10000、約1:3000~約1:4000、約1:3000~約1:5000、約1:3000~約1:6000、約1:3000~約1:7000、約1:3000~約1:8000、約1:3000~約1:9000、約1:3000~約1:10000、約1:4000~約1:5000、約1:4000~約1:6000、約1:4000~約1:7000、約1:4000~約1:8000、約1:4000~約1:9000、約1:4000~約1:10000、約1:5000~約1:6000、約1:5000~約1:7000、約1:5000~約1:8000、約1:5000~約1:9000、約1:5000~約1:10000、約1:6000~約1:7000、約1:6000~約1:8000、約1:6000~約1:9000、約1:6000~約1:10000、約1:7000~約1:8000、約1:7000~約1:9000、約1:7000~約1:10000、約1:8000~約1:9000、約1:8000~約1:10000または約1:9000~約1:10000の植物用薬剤組成物と希釈剤の比である。上記の植物用薬剤組成物と希釈剤の比は通常、本開示の植物病害の病原体を防除する方法、使用、本開示の植物の成長および/または作物の生産を増大させる方法および使用ならびに植物病害の病原体を防除する使用のほか、本開示の灌漑システムの効率を維持または改善する方法および使用に有効な量となる濃度である。
【0114】
この実施形態の諸態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、例えば、約0.0001%、約0.0002%、約0.0003%、約0.0004%、約0.0005%、約0.0006%、約0.0007%、約0.0008%、約0.0009%、約0.001%、約0.002%、約0.003%、約0.004%、約0.005%、約0.006%、約0.007%、約0.008%、約0.009%、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%または約10%の最終濃度である。この実施形態の他の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、例えば、少なくとも0.0001%、少なくとも0.0002%、少なくとも0.0003%、少なくとも0.0004%、少なくとも0.0005%、少なくとも0.0006%、少なくとも0.0007%、少なくとも0.0008%、少なくとも0.0009%、少なくとも0.001%、少なくとも0.002%、少なくとも0.003%、少なくとも0.004%、少なくとも0.005%、少なくとも0.006%、少なくとも0.007%、少なくとも0.008%、少なくとも0.009%、少なくとも0.01%、少なくとも0.02%、少なくとも0.03%、少なくとも0.04%、少なくとも0.05%、少なくとも0.06%、少なくとも0.07%、少なくとも0.08%、少なくとも0.09%、少なくとも0.1%、少なくとも0.2%、少なくとも0.3%、少なくとも0.4%、少なくとも0.5%、少なくとも0.6%、少なくとも0.7%、少なくとも0.8%、少なくとも0.9%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%または少なくとも10%の最終濃度である。この実施形態のまた別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、例えば、最大0.0001%、最大0.0002%、最大0.0003%、最大0.0004%、最大0.0005%、最大0.0006%、最大0.0007%、最大0.0008%、最大0.0009%、最大0.001%、最大0.002%、最大0.003%、最大0.004%、最大0.005%、最大0.006%、最大0.007%、最大0.008%、最大0.009%、最大0.01%、最大0.02%、最大0.03%、最大0.04%、最大0.05%、最大0.06%、最大0.07%、最大0.08%、最大0.09%、最大0.1%、最大0.2%、最大0.3%、最大0.4%、最大0.5%、最大0.6%、最大0.7%、最大0.8%、最大0.9%、最大1%、最大2%、最大3%、最大4%、最大5%、最大6%、最大7%、最大8%、最大9%または最大10%の最終濃度である。この実施形態のさらに別の態様では、開示される植物用薬剤組成物の有効量は、例えば、約0.0001%~約0.0005%、約0.0001%~約0.001%、約0.0001%~約0.005%、約0.0001%~約0.01%、約0.0001%~約0.05%、約0.0001%~約0.1%、約0.0001%~約0.5%、約0.0001%~約1%、約0.0001%~約5%、約0.0001%~約10%、約0.0005%~約0.001%、約0.0005%~約0.005%、約0.0005%~約0.01%、約0.0005%~約0.05%、約0.0005%~約0.1%、約0.0005%~約0.5%、約0.0005%~約1%、約0.0005%~約5%、約0.0005%~約10%、約0.001%~約0.005%、約0.001%~約0.01%、0.001%~約0.05%、約0.001%~約0.1%、0.001%~約0.5%、0.001%~約1%、0.001%~約5%、約0.001%~約10%、約0.005%~約0.01%、約0.005%~約0.05%、約0.005%~約0.1%、約0.005%~約0.5%、約0.005%~約1%、約0.005%~約5%、約0.005%~約10%、約0.01%~約0.05%、約0.01%~約0.1%、約0.01%~約0.5%、約0.01%~約1%、約0.01%~約5%、約0.01%~約10%、約0.05%~約0.1%、約0.05%~約0.5%、約0.05%~約1%、約0.05%~約5%、約0.05%~約10%、約0.1%~約0.5%、約0.1%~約1%、約0.1%~約5%、約0.1%~約10%、約0.5%~約1%、約0.5%~約5%、約0.5%~約10%、約1%~約5%、約1%~約10%または約5%~約10%の最終濃度である。
【0115】
本明細書に開示される植物用薬剤組成物の効果は、有害作用、死亡率、病原体集団の縮小、1つまたは複数の部位への侵入または寄生の減少あるいは特に限定されないが、病原体の成長の阻害、停止もしくは遅延、病原体の繁殖の阻害、停止もしくは遅延または病原体の発生の阻害、停止もしくは遅延を含めた病原体集団に対する損傷に関する他の任意の評価を明らかにすることによってモニターされ得るものであり、上に挙げた項目はいずれも、「防除」という用語に包含される。このほか、病原体集団に寄生された植物への植物毒性、病原体集団に感染した宿主植物に対する組織損傷のほか、寄生された植物または本明細書に開示される植物用薬剤組成物に曝露される植物に開示の植物用薬剤組成物を適用するヒトによって経験され得る任意の有害作用によって効果がモニターされる。したがって、本開示の方法または使用に用いる本明細書に開示される植物用薬剤組成物の量は、上記の有効量の基準を満たすものであり、好ましくは、観賞植物および農作植物(植物毒性など)、そのような組成物に接触し得る野生動物およびヒトに対する有害作用が最小限に抑えられているか、そのような有害作用を全く示さないものである。
【0116】
本明細書に開示される植物用薬剤組成物の適用は、本明細書に開示されるマイクロバブルを効率的に発生させ、防除しようとする病原体を効率的に曝露させる任意の過程によって実施することができる。例えば、適用時に植物用薬剤組成物内に高濃度のガスを導入することが可能な方法はいずれも、そのようなガスの導入によってマイクロバブルが自然に形成されるため適切なものである。適切な適用過程としては、特に限定されないが、吹付け、燻煙、噴霧、気化、散布、灌水、噴出、散水などが挙げられる。好ましい適用方法の1つに、灌漑、吹付け、燻煙、噴霧または気化による手作業または機械による適用がある。このような適用では、その過程で十分に曝気される微細なミストが形成され、本明細書に開示されるマイクロバブルが発生する。液体中に分散したガスに曝露されたマイクロバブルは、コロイド特性を示し、コロイドガスアフロン(CGA)と呼ばれる。CGAは、低濃度の界面活性剤を含有する特有の殻層があるという点で通常の気泡とは異なる。
【0117】
本明細書に開示される植物用薬剤組成物により形成されるマイクロバブルは、液体中での酸素の物質移動を増大させるものと思われる。科学的理論に束縛されるものではないが、この差には理由がいくつか考えられる。第一に、本明細書に開示される植物用薬剤組成物に調合する界面活性剤には非イオン界面活性剤および/またはバイオ界面活性剤が含まれ、これが気泡挙動の特性を大幅に変化させる。第二に、本明細書に開示される植物用薬剤組成物は、マイクロバブル形成に必要な界面活性剤の濃度がはるかに少なくて済む。界面活性剤の濃度は界面活性剤系の臨界ミセル濃度(CMS)にほぼ等しいものでなければならないことが示唆されている。本明細書に開示される植物用薬剤組成物では、使用する界面活性剤の推定CMC未満でマイクロバブルが形成される。このことは、マイクロバブルが、気体の物質移動特性にとってより好ましい緩い分子充填で界面活性剤の分子が凝集した結果であることを示唆している。表面に含まれる界面活性剤の分子が少なくなると、気体を含み十分に組織化されたミセルよりも気体透過性が大きくなるものと考えられる。機序に関係なく、本明細書に開示される植物用薬剤組成物がまとまってクラスター、凝集体または気体が充満した気泡を形成するという傾向は、反応物の局所濃度を増大させること、触媒反応が起こるのに必要なエネルギーの遷移を低く抑えること、または未だ記載されていないほかの何らかの機序によって、反応が起こるプラットフォームをもたらす。
【0118】
この実施形態の諸態様では、本明細書に開示されるマイクロバブルは、平均直径が、例えば、約5μm、約10μm、約15μm、約20μm、約25μm、約30μm、約40μm、約50μm、約75μm、約100μm、約150μm、約200μm、約250μm、約300μm、約350μm、約400μm、約450μm、約500μm、約550μm、約600μm、約650μm、約700μm、約750μm、約800μm、約850μm、約900μm、約950μmまたは約1000μmである。この実施形態の他の態様では、本明細書に開示されるマイクロバブルは、平均直径が、例えば、少なくとも5μm、少なくとも10μm、少なくとも15μm、少なくとも20μm、少なくとも25μm、少なくとも30μm、少なくとも40μm、少なくとも50μm、少なくとも100μm、少なくとも150μm、少なくとも200μm、少なくとも250μm、少なくとも300μm、少なくとも350μm、少なくとも400μm、少なくとも450μm、少なくとも500μm、少なくとも550μm、少なくとも600μm、少なくとも650μm、少なくとも700μm、少なくとも750μm、少なくとも800μm、少なくとも850μm、少なくとも900μm、少なくとも950μmまたは少なくとも1000μmである。この実施形態の他の態様では、本明細書に開示されるマイクロバブルは、平均直径が、例えば、最大5μm、最大10μm、最大15μm、最大20μm、最大25μm、最大30μm、最大40μm、最大50μm、最大100μm、最大150μm、最大200μm、最大250μm、最大300μm、最大350μm、最大400μm、最大450μm、最大500μm、最大550μm、最大600μm、最大650μm、最大700μm、最大750μm、最大800μm、最大850μm、最大900μm、最大950μmまたは最大1000μmである。
【0119】
この実施形態の諸態様では、本明細書に開示されるマイクロバブルは、平均直径が、例えば、約5μm~約10μm、約5μm~約15μm、約5μm~約20μm、約5μm~約25μm、約5μm~約30μm、約5μm~約40μm、約5μm~約50μm、約5μm~約75μm、約5μm~約100μm、約10μm~約15μm、約10μm~約20μm、約10μm~約25μm、約10μm~約30μm、約10μm~約40μm、約10μm~約50μm、約10μm~約75μm、約10μm~約100μm、約15μm~約20μm、約15μm~約25μm、約15μm~約30μm、約15μm~約40μm、約15μm~約50μm、約15μm~約75μm、約15μm~約100μm、約20μm~約25μm、約20μm~約30μm、約20μm~約40μm、約20μm~約50μm、約20μm~約75μm、約20μm~約100μm、約25μm~約30μm、約25μm~約40μm、約25μm~約50μm、約25μm~約75μm、約25μm~約100μm、約30μm~約40μm、約30μm~約50μm、約30μm~約75μm、約30μm~約100μm、約40μm~約50μm、約40μm~約75μm、約40μm~約100μm、約50μm~約75μm、約50μm~約100μm、約50μm~約150μm、約50μm~約200μm、約50μm~約250μm、約50μm~約300μm、約50μm~約350μm、約50μm~約400μm、約50μm~約450μm、約50μm~約500μm、約50μm~約550μm、約50μm~約600μm、約50μm~約650μm、約50μm~約700μm、約50μm~約750μm、約50μm~約800μm、約50μm~約850μm、約50μm~約900μm、約50μm~約950μm、約50μm~約1000μm、約100μm~約150μm、約100μm~約200μm、約100μm~約250μm、約100μm~約300μm、約100μm~約350μm、約100μm~約400μm、約100μm~約450μm、約100μm~約500μm、約100μm~約550μm、約100μm~約600μm、約100μm~約650μm、約100μm~約700μm、約100μm~約750μm、約100μm~約800μm、約100μm~約850μm、約100μm~約900μm、約100μm~約950μm、約100μm~約1000μm、約150μm~約200μm、約150μm~約250μm、約150μm~約300μm、約150μm~約350μm、約150μm~約400μm、約150μm~約450μm、約150μm~約500μm、約150μm~約550μm、約150μm~約600μm、約150μm~約650μm、約150μm~約700μm、約150μm~約750μm、約150μm~約800μm、約150μm~約850μm、約150μm~約900μm、約150μm~約950μm、約150μm~約1000μm、約200μm~約250μm、約200μm~約300μm、約200μm~約350μm、約200μm~約400μm、約200μm~約450μm、約200μm~約500μm、約200μm~約550μm、約200μm~約600μm、約200μm~約650μm、約200μm~約700μm、約200μm~約750μm、約200μm~約800μm、約200μm~約850μm、約200μm~約900μm、約200μm~約950μm、約200μm~約1000μm、約250μm~約300μm、約250μm~約350μm、約250μm~約400μm、約250μm~約450μm、約250μm~約500μm、約250μm~約550μm、約250μm~約600μm、約250μm~約650μm、約250μm~約700μm、約250μm~約750μm、約250μm~約800μm、約250μm~約850μm、約250μm~約900μm、約250μm~約950μm、約250μm~約1000μm、約300μm~約350μm、約300μm~約400μm、約300μm~約450μm、約300μm~約500μm、約300μm~約550μm、約300μm~約600μm、約300μm~約650μm、約300μm~約700μm、約300μm~約750μm、約300μm~約800μm、約300μm~約850μm、約300μm~約900μm、約300μm~約950μm、約300μm~約1000μm、約350μm~約400μm、約350μm~約450μm、約350μm~約500μm、約350μm~約550μm、約350μm~約600μm、約350μm~約650μm、約350μm~約700μm、約350μm~約750μm、約350μm~約800μm、約350μm~約850μm、約350μm~約900μm、約350μm~約950μm、約350μm~約1000μm、約400μm~約450μm、約400μm~約500μm、約400μm~約550μm、約400μm~約600μm、約400μm~約650μm、約400μm~約700μm、約400μm~約750μm、約400μm~約800μm、約400μm~約850μm、約400μm~約900μm、約400μm~約950μm、約400μm~約1000μm、約450μm~約500μm、約450μm~約550μm、約450μm~約600μm、約450μm~約650μm、約450μm~約700μm、約450μm~約750μm、約450μm~約800μm、約450μm~約850μm、約450μm~約900μm、約450μm~約950μm、約450μm~約1000μm、約500μm~約550μm、約500μm~約600μm、約500μm~約650μm、約500μm~約700μm、約500μm~約750μm、約500μm~約800μm、約500μm~約850μm、約500μm~約900μm、約500μm~約950μm、約500μm~約1000μm、約550μm~約600μm、約550μm~約650μm、約550μm~約700μm、約550μm~約750μm、約550μm~約800μm、約550μm~約850μm、約550μm~約900μm、約550μm~約950μm、約550μm~約1000μm、約600μm~約650μm、約600μm~約700μm、約600μm~約750μm、約600μm~約800μm、約600μm~約850μm、約600μm~約900μm、約600μm~約950μm、約600μm~約1000μm、約650μm~約700μm、約650μm~約750μm、約650μm~約800μm、約650μm~約850μm、約650μm~約900μm、約650μm~約950μm、約650μm~約1000μm、約700μm~約750μm、約700μm~約800μm、約700μm~約850μm、約700μm~約900μm、約700μm~約950μm、約700μm~約1000μm、約750μm~約800μm、約750μm~約850μm、約750μm~約900μm、約750μm~約950μm、約750μm~約1000μm、約800μm~約850μm、約800μm~約900μm、約800μm~約950μm、約800μm~約1000μm、約850μm~約900μm、約850μm~約950μm、約850μm~約1000μm、約900μm~約950μm、約900μm~約1000μmまたは約950μm~約1000μmである。
【0120】
本明細書の諸態様は、部分的には植物を開示する。植物としては、植物、植物群または植物の一部分のほか、芝生、庭または農地などの特定の土地領域が例として挙げられる。本明細書で使用される「植物」という用語は、植物界に属し緑色植物門を形成するあらゆる生物体を指す。非限定的な例としては、顕花植物、針葉樹および他の裸子植物、シダ植物、ヒカゲノカズラ類、ツノゴケ類、苔類、蘚類および緑藻類が挙げられるが、紅藻類、褐藻類、真菌、古細菌、細菌および動物はこれに含まれない。維管束植物としては、ヒカゲノカズラ類、トクサ類、シダ植物、裸子植物(針葉樹を含む)および被子植物(顕花植物)が挙げられる。このグループの学名としては、TracheophytaおよびTracheobiontaが挙げられる。本明細書で使用される「flower(花)」という用語は、「bloom」または「blossom」と同義であり、被子植物にみられる生殖構造を指す。本明細書で使用される「作物植物」という用語は、作物が得られる植物を指す。非限定的な例としては、果実、種子、木の実、穀粒、油、木材および繊維が得られる植物が挙げられる。本明細書で使用される「作物」という用語は、経済的価値のある植物産物を指す。非限定的な例としては、果実、種子、木の実、穀粒、油、木材および繊維が挙げられる。
【0121】
本明細書の諸態様は、部分的には場所を開示する。したがって、本明細書に開示される植物用薬剤組成物は、特に限定されないが、家庭、芝生および庭、農業、有機農業、温室および苗床、貯蔵産物、専門の植物業者、葉群、水中または水面下、土壌混和、育苗箱の処理、茎内注入および栽植処理への適用を含め、多種多様な場所に用いられる点で有利である。
【0122】
本明細書に開示される植物用薬剤組成物、方法および/または使用によって処置することができる植物病害としては、特に限定されないが、炭疽病、胴枯病、潰瘍病、根瘤病、立ち枯病、ゴール、平もち病、斑点病、うどんこ病、かび病、モザイクウイルス病、腐敗病、さび病、黒星病、黒穂病および萎凋病が挙げられる。
【0123】
炭疽病または鳥の目病は、コレトトリクム属(Colletotrichum)、グレオスポリウム属(Gloeosporium)、グロメレラ属(Glomerella)およびエルシノ属(Elsinoe)に属する多種の真菌を原因とし、温暖多湿地域の様々な植物が罹患する植物病害群を指す。炭疽病真菌は通常、生育中のシュートおよび葉に感染し、細かいくぼんだ皿型の分生子堆として知られる胞子嚢の中に胞子を産生する。症状としては、葉、茎、果実または花に様々な色の境界が隆起した小さいくぼんだ壊死斑または病斑がみられ、一部の感染では小枝および枝に潰瘍ができる。炭疽病は組織の萎れ、枯れおよび壊死を引き起こすが、感染の重症度は病原体および感染植物種の両方に左右され、その範囲は単なる見苦しさから壊死に及び得る。セイヨウカジカエデ、セイヨウトネリコ、オークおよびカエデなどの陰樹が特に感受性が高く、この病害は、草および一年生植物を含めたいくつかの植物にみられる。炭疽病の例としては、特に限定されないが、ブドウ炭疽病(エルシノエ・アンペリナ(Elsinoe ampelina))、カキ炭疽病(グレオスポリウム・カキ(Gloeosporium kaki))、イチゴ炭疽病(グロメレラ・シングラータ(Glomerella cingulata))、ウリ炭疽病(コレトトリクム・ラゲナリウム(Colletotrichum lagenarium))、インゲンマメ炭疽病(コレトトリクム・リンデムチアヌム(Colletotrichum lindemthianum))、チャ炭疽病(コレトトリクム・テアエシネンシス(Colletotrichum theaesinensis))およびタバコ炭疽病(コレトトリクム・タバクム(Colletotrichum tabacum))が挙げられる。
【0124】
胴枯病は、多種の真菌および細菌を原因とし、葉、枝、小枝または花器などの植物組織の急激で重度の白化、黄変、褐変、斑点形成、枯れおよびその後の壊死といった症状を特徴とする植物病害群を指す。胴枯病は真菌性のもの、細菌性のものともに、寒冷多湿条件下でみられる頻度が最も高く、通常、植物のシュートおよび他の若く成長の速い組織を冒す。トマト、ジャガイモおよびリンゴならびに多くの観賞植物種を含めた経済的に重要な植物の大部分が1つまたは複数の胴枯病に対して感受性を示す。胴枯病は、その原因病原菌にちなんで命名されることが多く、例えば、コレトトリクム胴枯病は真菌のコレトトリクム・カプシキ(Colletotrichum capsici)にちなんで命名されたものであり、フィトフトラ胴枯病は水生菌のフィトフトラ・パラシティカ(Phytophthora parasitica)にちなんで命名されたものである。胴枯病の例としては、特に限定されないが、アルテルナリア胴枯病(夏疫病)(アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani))、フサリウム胴枯病(フサリウム・ガミネアルム(Fusarium gaminearum)、F.アベナセウム(F.avenaceum)、F.クルモルム(F.culmorum)、ミクロドキウム・ニバレ(Microdochium nivale))、フィトフトラ胴枯病(葉枯病)(フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans))、リゾクトニア苗立ち枯病(リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani));リゾクトニア葉枯病(リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani))、雪腐褐色小粒菌核病(ティフラ(Typhula)菌種)、リンゴモニリア病(モニリニア・マリ(Monilinia mali))、イネ白葉枯病(キサントモナス・オリザエ(Xanthomonas oryzae))、クリ胴枯病(クリフォネクトリア・パラシティカ(Cryphonectria parasitica))、ナシ状果の火傷病(エルウィニア・アミロボーラ(Erwinia amylovora))、輪斑病(ペスタロチオプシス(Pestalotiopsis)菌種)、葉枯病(セプトリア・クリサンテミ-インディシ(Septoria chrysanthemi-indici))、タナテフォルス・ククメリス(Thanatephorus cucumeris))、網もち病(エクソバシディウム・レティキュラートゥム(Exobasidium reticulatum))、紋枯病(リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani))、ラッカセイ白絹病(スクレロティウム・ロルフシィ(Sclerotium rolfsii))、トウモロコシごま葉枯病(コクリオボルス・ヘテロストロフス(Cochliobolus heterostrophus)、ビポラリス・メイディス(Bipolaris maydis))、ダイズ黒点病(ディアポルテ・ファセオロルム変種ソジャエ(Diaporthe phaseolorum var.sojae))およびつる枯病(ミコスフェレラ・メロニス(Mycosphaerella melonis))が挙げられる。
【0125】
潰瘍病は、多種の真菌および細菌を原因とし、主として様々な木本植物にみられる一般的で広範囲な植物病害群を指す。症状としては、茎(甘蔗)、小枝、大枝または幹に円形ないし不定形の、くぼんだ、膨らんだ、扁平な、またはひび割れた、変色し、胴枯れし、壊死した領域がみられる。潰瘍病は小枝または枝を肥大させて取り囲み、その先にある葉群を枯れさせ得る。潰瘍病により植物が風や着氷性悪天で折れる程度まで構造的に脆弱化することがある。潰瘍病によりほかにも、創傷の正常な治癒が遅くなり、木材腐朽または萎れを発生させる真菌および他の微生物が侵入する。これらは、低温または乾燥によるストレス、昆虫による損傷、栄養の不均衡、センチュウまたは根腐れによって衰弱した植物に最もよくみられるものである。潰瘍病は、一年生植物潰瘍病(フサリウム潰瘍病)、多年生植物潰瘍病(ネクトリア潰瘍病、エウティペラ潰瘍病)および広汎性潰瘍病(ボトリオスフェリア潰瘍病、フィトフトラ胴枯れ、キトスポラ潰瘍病)に分類することができる。潰瘍病の例としては、特に限定されないが、リンゴ潰瘍病(バルサ・ケラトスペルマ(Valsa ceratosperma))、ボトリオスフェリア潰瘍病、キトスポラ潰瘍病、エウティペラ(カエデ)潰瘍病、ネクトリア潰瘍病、フィトフトラ胴枯れ、ウルヌラ(オーク)潰瘍病などの真菌性の潰瘍病ならびにエルウィニア潰瘍病、シュードモナス潰瘍病(シュードモナス・シリンガエ(Pseudomonas syringae))およびキサントモナス潰瘍病などの細菌性の潰瘍病が挙げられる。
【0126】
根瘤病は、土壌真菌のプラスモディオフォラ・ブラシカエ(Plasmodiophora brassicae)を原因とし、キャベツ科のメンバーが罹病する植物病害群を指し、根がいびつになり(棍棒状に)変形し、多くの場合、ひび割れおよび腐朽を起こすといった症状を特徴とする。その結果、植物が水および栄養素を適切に吸収することが困難になる。植物の成長が遅くなるほか、植物は温度の低い夜間に回復するため、温度の高い日中に萎れることがある。最終的には外側の葉が黄色または褐色になる。根瘤病によって収量が低下するほか、植物全体が損なわれることもある。
【0127】
立ち枯病は、種子および新苗が罹病し、フサリウム属(Fusarium)、フィトフトラ属(Phytophthora)、フィチウム属(Pythium)およびR.ソラニ(R.solani)を含めたリゾクトニア属(Rhizoctonia)に属する種を含めたいくつかの真菌を原因とする植物病害群を指し、土壌表面から下の茎および根の組織の腐朽といった症状を特徴とする。ほとんどの場合、感染した植物は発芽して出芽し始めるが、数日以内に水浸しになって形が崩れ、根元から倒れて枯れる。
【0128】
ゴールは、真菌、細菌、ウイルスおよびセンチュウならびに特定の昆虫を原因とし、植物組織の異常で局所的な増生または肥大といった症状を特徴とする植物病害群を指す。ゴールはつる植物、観賞花、果樹、イバラ、陰樹および野菜に感染して枯れさせる。これ以外にも、ヒマラヤスギ-リンゴさび病;根瘤病およびトウモロコシ黒穂病を含めた植物病害に感染の二次的結果としてゴールが発生する。ゴールの例としては、特に限定されないが、黒瘤病(ディボトリオン・モルボスム(Dibotryon morbosum))およびクラウンゴール(アグロバクテリウム・ツメファシェンス(Agrobacterium tumefaciens))が挙げられる。
【0129】
縮葉病とも呼ばれる平もち病は、世界の多くの木本植物およびシダ植物が罹病する植物病害群を指し、タフリナ属(Taphrina)の真菌を原因とし、葉がよじれて丸くなるといった症状を特徴とする。発芽時の気候が寒冷湿潤であると、葉が膨らみ、よじれ、ゆがみ、葉の上面に黄色、赤色、紫色、褐色、白色または灰色の発疹がみられ、葉の下面に灰色のくぼみがみられる。このような葉は通常、早期に枯れて落ち、植物を衰弱させる。平もち病の落葉によって果実生産量が大幅に減少することがあり、木さえ枯れることもある。平もち病には、モモ、ネクタリン、プラム、アーモンド、ザイフリボク、アンズ、カバノキ、サクランボ、セイヨウバクチノキ、カリフォルニアトチノキ、ハンノキ、オークおよびポプラが罹病する。糸状菌の例としては、特に限定されないが、縮葉病(タフリナ・デフォルマンス(Taphrina deformans))が挙げられる。
【0130】
斑点病は、多数の真菌および細菌を原因とし、植物の葉に斑点がみられるといった症状を特徴とする植物病害群を指す。感染した植物は、葉群に褐色または黒色で通常一様な大きさの水浸しの斑点がみられ、この斑点に黄色いハローを伴うこともある。斑点は、湿潤条件下では大きくなって混ざる。乾燥条件下では、斑点は小さい染みのような外観を呈する。斑点の数が増えるとともに、葉全体が黄色になり、枯れて落ち得る。真菌性の斑点病には、アルテルナリア属(Alternaria)、アステリナ属(Asterina)、アステリネラ属(Asterinella)、セルコスポラ属(Cercospora)、セルコスポレラ属(Cercosporella)、コクリオボルス属(Cochliobolus)、コリネスポラ属(Corynespora)、ディプロカルポン属(Diplocarpon)、ディプロテカ属(Diplotheca)、グレオセルコスポラ属(Gloeocercospora)、グロメレラ属(Glomerella)、グノモニア属(Gnomonia)、フォモプシス属(Phomopsis)、ラコスフェリア属(Placosphaeria)、ピレノフォラ属(Pyrenophora)、シゾチリウム属(Schizothyrium)、スクレロティニア属(Sclerotinia)、セプトリア属(Septoria)およびスティグメア属(Stigmea)の種が含まれる。真菌性の斑点病はレタスを冒すほか、キャベツ、カリフラワー、ハクサイ、ブロッコリ、芽キャベツ、コールラビ、ケール、カブおよびルタバガなどを含めたアブラナ科のものおよび他の野菜にもみられることがある。真菌性の斑点病はこのほか、イチゴ類ならびにアスペンおよびポプラに感染する。斑点病はほかにも、いくつかの問題を引き起こす。真菌性の斑点病には、シュードモナス属(Pseudomonas)の種が含まれる。細菌性の斑点病は、特にサクラ属(サクランボ、プラム、アーモンド、アンズおよびモモを含めた核果)のメンバーを冒し、これらは細菌性の斑点病に対して特に感受性が高い。果実には、斑点が見られたり、褐色のくぼんだ部分が現れたりし得る。細菌性の斑点病はこのほか、トマト作物およびコショウ作物ならびにバラ、ゼラニウム、ヒャクニチソウ、ムラサキバレンギクおよびアラゲハンゴンソウを含めた一部の一年生および多年生の顕花植物に感染する。萎凋病斑点病の例としては、特に限定されないが、アルテルナリア斑点病(アルテルナリア・アルテルナータ(Alternaria alternata)、アルテルナリア・ブラッシシコーラ(Alternaria brassicicola)、アルテルナリア・ジャポニカ(Alternaria japonica))、黒斑病(アルテルナリア・アルテルナータ(Alternaria alternata)、ディプロカルポン・ロザエ(Diplocarpon rosae))、褐斑病(アルテルナリア・ロンギペス(Alternaria longipes)、コクリオボルス・ミヤベアヌス(Cochliobolus miyabeanus)、フォモプシス・ベクサンス(Phomopsis vexans)、セプトリア・グリシネス(Septoria glycines))、セルコスポラ斑点病(セルコスポラ・ベティコラ(Cercospora beticola))、ダラースポット病(スクレロティニア・ホメオカルパ(Sclerotinia homeocarpa))、早期斑点病(セルコスポラ・ペルソナータ(Cercospora personata))、ダイズ斑点病(セルコスポラ・ソジナ(Cercospora sojina))、灰斑病(セルコスポラ・ゼアエ-メイディス(Cercospora zeae-maydis))、黒渋病(セルコスポラ・アラキディコラ(Cercospora arachidicola))、斑点病(セルコスポラ・カキ(Cercospora kaki)、ミコスフェレラ・ナワエ(Mycosphaerella nawae))、黄斑病(ピレノフォラ・トリティキ-レペンティス(Pyrenophora tritici-repentis))、白斑病(セルコスポレラ・ブラシカエ(Cercosporella brassicae))、褐色輪紋病(コリネスポラ・カッシィコラ(Corynespora cassiicola))および環紋葉枯病(グレオセルコスポラ・ソルギー(Gloeocercospora sorghi))が挙げられる。
【0131】
うどんこ病は、多数の真菌を原因とし、通常葉の上面または下面に、白色、灰色、青みがかった色または紫色の粉末が増殖するといった症状を特徴とする植物病害群を指す。小さい黒点が現れて胞子を産生し、それが風に飛ばされて新たな植物に感染する。うどんこ病が広範囲に及ぶ場合、葉が茶色になり、多くの場合、早期に萎れ、枯死し、果実が早期に熟し、歯ごたえおよび風味が劣るものとなる。苗が萎れ、倒れることがある。何百種もの樹木、低木、つる植物、花、野菜、果実、草、農作物、園芸植物、灌木になる果実および雑草がうどんこ病に罹病する可能性がある。うどんこ病の例としては、特に限定されないが、べと病(バシジオホラ(Basidiophora)菌種、ブレミア・ラクツカエ(Bremia lactucae)および他のブレミア(Bremia)菌種、エリシフェ・グラミニス(Erysiphe graminis)、プラスモパラ・ビティコラ(Plasmopara viticola)、ポドスフェラ属(Podosphaera)、ペロノスポラ・デストラクター(Peronospora destructor)、ペロノスポラ・パラシチカ(Peronospora parasitica)、ペロノスポラ・スパルサ(Peronospora sparsa)、ペロノスポラ・タバシナ(Peronospora tabacina)および他のペロノスポラ(Peronospora)菌種、フィトフトラ(Phytophthora)菌種、プラスモパラ(Plasmopara)菌種、シュードペロノスポラ・キュベンシス(Pseudoperonospora cubensis)および他のシュードペロノスポラ(Pseudoperonospora)菌種およびスクレロスポラ(Sclerospora)菌種)およびうどんこ病(エリシフェ・シコラセアルム(Erysiphe cichoracearum)、エリシフェ・グラミニス(Erysiphe graminis)、エリシフェ・ピシ(Erysiphe pisi)および他のエリシフェ(Erysiphe)菌種、ミコスフェレラ属(Microsphaera)、フィラクチニア属(Phyllactinia)、ポドスフェラ・リューコトリカ(Podosphaera leucotricha)および他のポドスフェラ(Podosphaera)菌種、スフェロセーカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)、スフェロセーカ・フムリ(Sphaerotheca humuli)、スフェロセーカ・パンノサ(Sphaerotheca pannosa)および他のスフェロセーカ(Sphaerotheca)菌種およびウンキヌラ・ネカトル(Uncinula necator)および他のウンキヌラ(Uncinula)菌種)が挙げられる。
【0132】
かび病は、いくつかの真菌を原因とし、感染した植物部位の表面が粉末様または羊毛様の外観を呈するといった症状を特徴とする植物病害群を指す。かび病は、特に湿度が高く寒冷ないし温暖な気候の時期に、穀類、飼料草および芝草を含めた様々な植物を冒す。かび病の例としては、特に限定されないが、灰色かび病(Botrytis cinerea)、葉かび病(クラドスポリウム・フルブム(Cladosporium fulvum))、紅色雪腐病(フサリウム・ニバレ(Fusarium nivale))および雪腐病(ティフラ・イトアナ(Typhula itoana))が挙げられる。
【0133】
モザイクウイルス病は、植物ウイルスを原因とし、いくつかの栄養素欠乏症が現れるといった症状を特徴とする植物病害群を指す。葉群に黄色の縞または斑点がみられ、葉がしわだらけになって丸くなり、成長が阻害され、収量が減少する。感染した果実は斑状の外観を呈し、隆起した「いぼ状の」領域が現れる。モザイクウイルスには、バラ、マメ、タバコ、トマト、ジャガイモおよびコショウを含めた多岐にわたる植物が罹病する。モザイクウイルス種の例としては、特に限定されないが、ビートモザイクウイルス、プラムポックスウイルス(ポティウイルス種)、タバコモザイクウイルス(トバモウイルス種)、キャッサバモザイクウイルス(ベゴモウイルス種)、ササゲモザイクウイルス、キュウリモザイクウイルス、アルファルファモザイクウイルス、キビモザイクサテライトウイルス、カボチャモザイクウイルス、チューリップモザイクウイルスおよびズッキーニ黄斑モザイクウイルスが挙げられる。
【0134】
腐朽とも呼ばれる腐敗病は、何百種類もの土壌真菌および土壌細菌のうちのいずれかを原因とし、植物の分解および腐敗といった症状を特徴とする植物病害群を指す。分解および腐敗は、根、茎、木、花および/または果実の腐朽によるものである。腐朽は、硬く乾燥したもの、柔らかくぐにゃぐにゃのもの、水っぽいもの、形が崩れたもの、またはぬるぬるしたものであり得、いずれの植物部位も罹病し得る。腐敗病の多くは、貯蔵されている果実、根、球根または塊茎で極めて活発である。一部の腐敗病では葉が腐朽するが、その症状は斑点病および胴枯病とされる傾向がある。腐敗病の例としては、特に限定されないが、アファノミセス根腐病(アファノミセス・コクリオイデス(Aphanomyces cochlioides))、フォモプシス腐敗病(フォモプシス(Phomopsis)菌種)、疫病(フィトフトラ・カクトルム(Phytophtora cactorum)、フィトフトラ・ソジャエ(Phytophthora sojae)、その他のフィトフトラ(Phytophthora)菌種)、菌核病(スクレロティニア・スクレロティオルム(Sclerotinia sclerotiorum))、苦腐病(コレトトリクム・アクタートゥム(Colletotrichum acutatum))、黒腐病(ギグナルディア・ビドウェリィ(Guignardia bidwellii))、褐色腐敗病(モニリニア・フルクチコラ(Monilinia fructicola))、根頭腐敗病(フィトフトラ・カクトルム(Phytophtora cactorum))、果実腐敗病(ペニシリウム・ジギタタム(Penicillium digitatum)、P.イタリクム(P.italicum))、キノコ腐敗病、緋色腐敗病(フィトフトラ・エリスロセプチカ(Phytophthora erythroseptica))、晩腐病(グロメレラ・シングラータ(Glomerella cingulata))、根腐病(アファノミセス(Aphanomyces)菌種、アルミラリア・メレア(Armillaria mellea)、クリトシベ・タベセンス(Clitocybe tabescens)、フサリウム(Fusarium)菌種、フィチウム(Pythium)菌種、フィトフトラ(Phytophthora)菌種、タナテフォルス・ククメリス(Thanatephorus cucumeris))、茎腐病および木材腐朽病が挙げられる。
【0135】
さび病は、5,000種超の真菌を原因とし、数千種類の経済的に重要な植物の葉、若いシュートおよび果実を覆う形で黄色、オレンジ色、赤色、赤褐色、褐色または黒色のいぼ状の隆起が現れるといった症状を特徴とする植物病害群を指す。通常、植物の成長力および繁殖力が低下し、一部の植物は次第に枯れて根だけが残る。さび病菌は、その生活環で1種類の植物(同種寄生さび病または雌雄同株さび病)または2種類の異なる植物(異種寄生さび病)に寄生する。同種寄生さび病としては、アスパラガス、マメ、キク、コーヒー、タチアオイ、キンギョソウおよびサトウキビを冒すものが挙げられる。異種寄生さび病としては、穀類、草、ビャクシン、モミ、ポプラ、リンゴ、ボケ、サンザシ、バラ、スグリおよびセイヨウスグリを冒すものが挙げられる。さび病の例としては、特に限定されないが、アスパラガスさび病、オオムギさび病(プクキニア・ストリイフォルミス(Puccinia striiformis)、P.グラミニス(P.graminis)、P.ホルデイ(P.hordei))、黒さび病(プクキニア・グラミニス(Puccinia graminis))、ヒマラヤスギ-リンゴさび病、さび病(フラグミディウム(Phragmidium)菌種)、ブドウさび病(ファコプソラ・アンペロプシディス(Phakopsora ampelopsidis))、赤さび病(プクキニア・トリチシナ・トリチシア(Puccinia triticina triticia))、ナシさび病(ギムノスポランギウム・ハラエアヌム(Gymnosporangium haraeanum))、南方さび病(プクキニア・ポルブソラ(Puccinia polvsora))、ダイズさび病(ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi))、黄さび病(プクキニア・ストリイフォルミス・トリチシ(Puccinia striiformis tritici))、ネギさび病(プクキニア・アーリー(Puccinia allii))、コムギさび病(プクキニア・ストリイフォルミス(Puccinia striiformis)、P.グラミニス(P.graminis)、P.レコンディタ(P.recondita))、白さび病(アルブゴ(Albugo)菌種、プクキニア・ホリアナ(Puccinia horiana))およびストローブマツさび病(クロナルチウム・リビコラ(Cronartium ribicola))が挙げられる。
【0136】
黒星病は、いくつかの真菌および細菌を原因とし、果実、塊茎、葉または茎の組織が硬化し、生育過剰となり、時に亀裂が入る(殻皮状の病斑)といった症状を特徴とする植物病害群を指す。罹病した植物の葉は、早期に枯れて落ち得る。黒星病は、リンゴ、クラブアップル、穀類、キュウリ、モモ、ペカン、カナメモチ、ジャガイモおよびピラカンサといった樹木または植物を冒す。果実黒星病はリンゴおよびモモに対して大きな問題となることがあり、ジャガイモは特に瘡痂病に対する感受性が高い。黒星病の例としては、特に限定されないが、リンゴ黒星病(ベンチュリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis))、シトリス(citris)黒星病(エルシノエ・ファウケッティ(Elsinoe fawcetti))、瘡痂病(ストレプトミセス・スカビエス(Streptomyces scabies))、モモ黒星病(クラドスポリウム・カルポフィルム(Cladosporium carpophilum))、黒星病(ベンチュリア・ナシコラ(Venturia nashicola)、V.ピリナ(V.pirina)、ジャガイモ粉状瘡痂病(スポンゴスポラ・サブテラネアン分化型サブテラネア(Spongospora subterranean f.sp.subterranea))および白星病(エルシノエ・リューコスピラ(Elsinoe leucospila))が挙げられる。
【0137】
黒穂病は、真菌を原因とし、種子、葉、茎、花部および球根の発疹の中に形成され胞子嚢と呼ばれるすすのような塊の中に真菌胞子が蓄積するといった症状を特徴とする植物病害群を指す。胞子嚢は通常、風によって容易に拡散する黒い粉末に砕ける。黒穂病真菌の多くは植物の胚または苗に侵入し、全身に広がり、植物が成熟に近づいて初めて外部に現れる。これ以外にも、局在し、成長中の組織に積極的に感染する黒穂病がある。黒穂病は草、穀類およびコーン(トウモロコシ)、サトウキビのほかソルガムに最もよくみられる。黒穂病の例としては、特に限定されないが、オオムギ黒穂病(ウスチラゴ・ヌダ(Ustilago nuda))、コーン黒穂病(ウスチラゴ・メイディス(Ustilago maydis)、U.ゼアエ(U.zeae))、裸黒穂病(ウスチラゴ・トリティキ(Ustilago tritici))およびなまぐさ黒穂病(ティレティア・カリエス(Tilletia caries))が挙げられる。
【0138】
萎凋病は、多数の真菌および細菌を原因とし、恒久的な成長阻害、萎れおよび枯れがみられ、多くの場合、のちに植物の全体または一部が死ぬといった症状を特徴とする植物病害群を指す。萎凋病の原因となる真菌としては、フサリウム属(Fusarium)およびバーティシリウム属(Verticillium)の種が挙げられ、萎凋病の原因となる細菌としては、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、エルウィニア属(Erwinia)、シュードモナス属(Pseudomonas)およびキサントモナス属(Xanthomonas)の種が挙げられる。萎凋病には、500種を超える樹木、低木、つる植物、花、観葉植物、野菜、果実、農作物および雑草が罹病する。萎凋病の例としては、特に限定されないが、フサリウム萎凋病(フサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum))、オーク萎凋病(セラトシスティス・ファガケアルム(Ceratocystis fagacearum))、スチュワート萎凋病およびバーティシリウム萎凋病(バーティシリウム・アルボアトルム(Verticillium alboatrum)、V.ダーリア(V.dahliae))が挙げられる。
【0139】
本明細書に開示される植物用薬剤組成物、方法および/または使用によって集団が防除され得る病原体としては、特に限定されないが、ウイルス、細菌、真菌およびセンチュウが挙げられる。さらに、本明細書に開示される植物用薬剤組成物、方法および/または使用によってあらゆる発生段階を防除することが可能であり、このような発生段階としては、特に限定されないが、卵、幼生、幼虫、幼若体、蛹および生体が挙げられる。
【0140】
本明細書に開示される植物用薬剤組成物、方法および/または使用によって、モネラ界、真菌界および線形動物門に属する病原体の集団を防除することができる。一実施形態では、本明細書に開示される植物用薬剤組成物、方法および/または使用によって、真正細菌ドメインおよび藍藻類に属する病原体(細菌病原体と呼ぶ)の集団を防除することができる。この実施形態の諸態様では、本明細書に開示される植物用薬剤組成物、方法および/または使用によって、アシドバクテリウム門、放線菌門、アクウィフェクス門、アルマティモナス門、バクテロイデス門、カルディセリクム門、クラミジア門、緑色硫黄細菌門、緑色非硫黄細菌門、クリシオゲネス門、シアノバクテリア門、デフェリバクター門、デイノコッカス-サーマス門(サーマス門)、ディクチオグロムス門、エルシミクロビア門、フィブロバクター門、ファーミキューテス門、フソバクテリウム門、ゲマティモナス門、レンティスファエラ門、ニトロスピラ門、プランクトミセス門、プロテオバクテリア門、スピロヘータ門、シネルギステス門、テネリクテス門、サーモデスルフォバクテリア門、サーモミクロビア門、サーモトガ門またはベルコミクロビア門に属する病原体の集団を防除することができる。細菌病原体の特定の属の非網羅的リストには、特に限定されないが、アグロバクテリウム属(Agrobacterium)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、クリフォネクトリア属(Cryphonectria)、エルウィニア属(Erwinia)、ペニシリウム属(Penicillium)、シュードモナス属(Pseudomonas)、ストレプトミセス属(Streptomyces)およびキサントモナス属(Xanthomonas)に属が含まれる。細菌病原体の特定の種の非網羅的リストには、特に限定されないが、アグロバクテリウム・ツメファシェンス(Agrobacterium tumefaciens)、クリフォネクトリア・パラシティカ(Cryphonectria parasitica)、エルウィニア・アミロボーラ(Erwinia amylovora)、ペニシリウム・ジギタタム(Penicillium digitatum)、P.イタリクム(P.italicum)、シュードモナス・シリンガエ(Pseudomonas syringae)、ストレプトミセス・スカビエス(Streptomyces scabies)およびキサントモナス・オリザエ(Xanthomonas oryzae)が含まれる。
【0141】
別の実施形態では、本明細書に開示される植物用薬剤組成物、方法および/または使用によって、ウイルス目に属する病原体の集団を防除することができる。ウイルス病原体と呼ぶ特定の属の非網羅的リストには、特に限定されないが、ベゴモウイルス属(Begomovirus)、ポティウイルス属(Potyvirus)およびトバモウイルス属(Tobamovirus)が含まれる。
【0142】
別の実施形態では、本明細書に開示される植物用薬剤組成物、方法および/または使用によって、子嚢菌門、担子菌門、不完全菌門または接合菌門に属する病原体の集団を防除することができる。真菌病原体と呼ぶ特定の属の非網羅的リストには、特に限定されないが、アルブゴ属(Albugo)、アルテルナリア属(Alternaria)、アファノミセス属(Aphanomyces)、アルミラリア属(Armillaria)、アステリナ属(Asterina)、アステリネラ属(Asterinella)、バシジオホラ属(Basidiophora)、ビポラリス属(Bipolaris)、ボトリオスフェリア属(Botryosphaeria)、ボトリチス属(Botrytis)、ブレミア属(Bremia)、セラトシスティス属(Ceratocystis)、セルコスポラ属(Cercospora)、セルコスポレラ属(Cercosporella)、クラドスポリウム属(Cladosporium)、クリトシベ属(Clitocybe)、コクリオボルス属(Cochliobolus)、コレトトリクム属(Colletotrichum)、コリネスポラ属(Corynespora)、クロナルチウム属(Cronartium)、キトスポラ属(Cytospora)、ディアポルテ属(Diaporthe)、ディボトリオン属(Dibotryon)、ディプロカルポン属(Diplocarpon)、ディプロテカ属(Diplotheca)、エルシノエ属(Elsinoe)、エリシフェ属(Erysiphe)、エウティペラ属(Eutypella)、エクソバシディウム属(Exobasidium)、フサリウム属(Fusarium)、グレオセルコスポラ属(Gloeocercospora)、グレオスポリウム属(Gloeosporium)、グロメレラ属(Glomerella)、グノモニア属(Gnomonia)、ギグナルディア属(Guignardia)、ギムノスポランギウム属(Gymnosporangium)、ミクロドキウム属(Microdochium)、ミクロスファエラ属(Microsphaera)、モニリニア属(Monilinia)、ミコスフェレラ属(Mycosphaerella)、ネクトリア属(Nectria)、ペロノスポラ属(Peronospora)、ペスタロチオプシス属(Pestalotiopsis)、ファコプソラ属(Phakopsora)、フォモプシス属(Phomopsis)、フラグミディウム属(Phragmidium)、フィラクチニア属(Phyllactinia)、フィトフトラ属(Phytophthora)、プラコスフェリア属(Placosphaeria)、プラスモディオフォラ属(Plasmodiophora)、プラスモパラ属(Plasmopara)、ポドスフェラ属(Podosphaera)、シュードペロノスポラ属(Pseudoperonospora)、プクキニア属(Puccinia)、ピレノフォラ属(Pyrenophora)、フィチウム属(Pythium)、リゾクトニア属(Rhizoctonia)、シゾチリウム属(Schizothyrium)、スクレロスポラ属(Sclerospora)、スクレロティニア属(Sclerotinia)、セプトリア属(Septoria)、スフェロセーカ属(Sphaerotheca)、スポンゴスポラ属(Spongospora)、スティグメア属(Stigmea)、タフリナ属(Taphrina)、タナテフォルス属(Thanatephorus)、ティレティア属(Tilletia)、ティフラ属(Typhula)、ウンキヌラ属(Uncinula)、ウルヌラ属(Urnula)、ウスチラゴ属(Ustilago)、バルサ属(Valsa)、ベンチュリア属(Venturia)およびバーティシリウム属(Verticillium)が含まれる。真菌病原体の特定の種の非網羅的リストには、特に限定されないが、アルテルナリア・アルテルナータ(Alternaria alternata)、アルテルナリア・ブラッシシコーラ(Alternaria brassicicola)、アルテルナリア・ジャポニカ(Alternaria japonica)、アルテルナリア・ロンギペス(Alternaria longipes)、アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani)、アファノミセス・コクリオイデス(Aphanomyces cochlioides)、アルミラリア・メレア(Armillaria mellea)、ビポラリス・メイディス(Bipolaris maydis)、ボトリチス・キネラエ(Botrytis cinerea)、ブレミア・ラクツカエ(Bremia lactucae)、セラトシスティス・ファガケアルム(Ceratocystis fagacearum)、セルコスポラ・アラキディコラ(Cercospora arachidicola)、C.ベティコラ(C.beticola)、C.カキ(C.kaki)、C.ペルソナータ(C.personata)、C.ソジナ(C.sojina)、C.ゼアエ-メイディス(C.zeae-maydis)、セルコスポレラ・ブラシカエ(Cercosporella brassicae)、クラドスポリウム・カルポフィルム(Cladosporium carpophilum)、C.フルブム(C.fulvum)、クリトシベ・タベセンス(Clitocybe tabescens)、コクリオボルス・ヘテロストロフス(Cochliobolus heterostrophus)、C.ミヤベアヌス(C.miyabeanus)、コレトトリクム・アクタートゥム(Colletotrichum acutatum)、C.カプシキ(C.capsici)、C.ラゲナリウム(C.lagenarium)、C.リンデムチアヌム(C.lindemthianum)、C.テアエシネンシス(C.theaesinensis)、C.タバクム(C.tabacum)、コリネスポラ・カッシィコラ(Corynespora cassiicola)、クロナルチウム・リビコラ(Cronartium ribicola)、ディアポルテ・ファセオロルム(Diaporthe phaseolorum)、ディボトリオン・モルボスム(Dibotryon morbosum)、ディプロカルポン・ロザエ(Diplocarpon rosae)、エルシノエ・アンペリナ(Elsinoe ampelina)、E.ファウケッティ(E.fawcetti)、E.リューコスピラ(E.leucospila)、エリシフェ・シコラセアルム(Erysiphe cichoracearum)、E.グラミニス(E.graminis)、E.ピシ(E.pisi)、エクソバシディウム・レティキュラートゥム(Exobasidium reticulatum)、フサリウム・アベナセウム(Fusarium avenaceum)、F.クルモルム(F.culmorum)、F.ガミネアルム(F.gaminearum)、F.オキシスポルム(F.oxysporum)、F.ニバレ(F.nivale)、グレオセルコスポラ・ソルギー(Gloeocercospora sorghi)、グレオスポリウム・カキ(Gloeosporium kaki)、グロメレラ・シングラータ(Glomerella cingulata)、ギグナルディア・ビドウェリィ(Guignardia bidwellii)、ギムノスポランギウム・ハラエアヌム(Gymnosporangium haraeanum)、ミクロドキウム・ニバレ(Microdochium nivale)、モニリニア・ラクサ(Monilinia laxa)、M.フルクチゲナ(M.fructigena)、M.フルクチコラ(M.fructicola)、M.マリ(M.mali)、ミコスフェレラ・メロニス(Mycosphaerella melonis)、M.ナワエ(M.nawae)、ペロノスポラ・デストラクター(Peronospora destructor)、P.パラシチカ(P.parasitica)、P.スパルサ(P.sparsa)、P.タバシナ(P.tabacina)、ファコプソラ・アンペロプシディス(Phakopsora ampelopsidis)、P.パキリジ(P.pachyrhizi)、フォモプシス・ジュニペロボラ(Phomopsis juniperovora)、P.ベクサンス(P.vexans)、フィトフトラ・カクトルム(Phytophtora cactorum)、P.エリスロセプチカ(P.erythroseptica)、P.インフェスタンス(P.infestans)、P.パラシチカ(P.parasitica)、P.ソジャエ(P.sojae)、プラスモディオフォラ・ブラシカエ(Plasmodiophora brassicae)、プラスモパラ・ビティコラ(Plasmopara viticola)、ポドスフェラ・リューコトリカ(Podosphaera leucotricha)、ピレノフォラ・トリティキ-レペンティス(Pyrenophora tritici-repentis)、シュードペロノスポラ・キュベンシス(Pseudoperonospora cubensis)、プクキニア・アーリー(Puccinia allii)、P.グラミニス(P.graminis)、P.ホルデイ(P.hordei)、P.ホリアナ(P.horiana)、P.ポルブソラ(P.polvsora)、P.レコンディタ(P.recondita)、P.ストリイフォルミス(P.striiformis)、P.トリチシナ・トリチシア(P.triticina triticia)、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)、スクレロティニア・ホメオカルパ(Sclerotinia homeocarpa)、S.ロルフシィ(S.rolfsii)、S.スクレロティオルム(S.sclerotiorum)、セプトリア・クリサンテミ-インディシ(Septoria chrysanthemi-indici)、S.グリシネス(S.glycines)、S.リコペルシキ(S.lycopersici)、スフェロセーカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)、S.フムリ(S.humuli)、S.パンノサ(S.pannosa)、スポンゴスポラ・サブテラネアン(Spongospora subterranean)、タフリナ・デフォルマンス(Taphrina deformans)、タナテフォルス・ククメリス(Thanatephorus cucumeris)、ティレティア・カリエス(Tilletia caries)、ティフラ・イトアナ(Typhula itoana)、ウンキヌラ・ネカトル(Uncinula necator)、ウスチラゴ・メイディス(Ustilago maydis)、U.ヌダ(U.nuda)、U.トリティキ(U.tritici)、U.ゼアエ(U.zeae)、バルサ・ケラトスペルマ(Valsa ceratosperma)、ベンチュリア・イナエクアリス(Venturia inaequalis)、V.ナシコラ(V.nashicola)、V.ピリナ(V.pirina)、バーティシリウム・アルボアトルム(Verticillium alboatrum)およびV.ダーリア(V.dahlia)が含まれる。
【0143】
別の実施形態では、本明細書に開示される植物用薬剤組成物、方法および/または使用によって、線形動物門(円虫類)に属する病原体の集団を防除することができる。センチュウ病原体と呼ぶ特定の属の非網羅的リストには、特に限定されないが、アフェレンコイデス属(Aphelenchoides)、ベロノライムス属(Belonolaimus)、クリコネメラ属(Criconemella)、ディロフィラリア属(Dirofilaria)、ディティレンカス属(Ditylenchus)、ヘテロデラ属(Heterodera)、ヒルシュマニエラ属(Hirschmanniella)、ホプロライムス属(Hoplolaimus)、メロイドギネ属(Meloidogyne)、オンコセルカ属(Onchocerca)、プラティレンクス属(Pratylenchus)、ラドフォルス属(Radopholus)およびロチレンクルス属(Rotylenchulus)が含まれる。センチュウ病原体特定の種の非網羅的リストには、特に限定されないが、イヌシジョウチュウ(Dirofilaria immitis)、トウモロコシシストセンチュウ(Heterodera zeae)、サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)、ジャワネコブセンチュウ(Meloidogyne javanica)、カイセンシジョウチュウ(Onchocerca volvulus)、バナナネモグリセンチュウ(Radopholus similis)およびニセフクロセンチュウ(Rotylenchulus reniformis)が含まれる。
【0144】
本明細書に記載される植物用薬剤組成物、方法および使用は、哺乳動物にも環境にも害を与える可能性はほとんどなく、非植物毒性であり、経済価値の高い植物または作物に安全に適用することができる。さらに、本明細書に記載される植物用薬剤組成物、方法および使用は屋内および屋外で用いることができ、処置する表面を軟化させたり、溶解させたり、あるいは別の方法で悪影響を及ぼしたりすることはない。最後に、病原体が本明細書に記載される植物用薬剤組成物、方法および使用に対して抵抗性をもつことはない。
【0145】
本明細書の諸態様はほかにも、以下のように記載することができる:
1.植物病害の病原体を防除する方法であって、病原体が寄生した1つもしくは複数の植物に有効量の植物用薬剤組成物を適用することおよび/または病原体が植物用薬剤組成物に曝露されるように1つもしくは複数の場所に有効量の植物用薬剤組成物を適用することを含むか、実質的にこれよりなるか、これよりなり、植物用薬剤組成物の適用により、防除しようとする植物病害の病原体に有害作用がもたらされ、組成物が、処理済み発酵微生物上清と1つまたは複数の非イオン界面活性剤とを含むか、実質的にこれよりなるか、これよりなり、かつ活性酵素も生存細菌も一切含まず、かつpHが最大5.0である、方法。
2.植物の成長および/または作物の生産を増大させる方法であって、1つもしくは複数の植物に有効量の植物用薬剤組成物を適用することおよび/または植物用薬剤組成物に1つもしくは複数の植物を曝露する1つもしくは複数の場所に有効量の植物用薬剤組成物を適用することを含むか、実質的にこれよりなるか、これよりなり、植物用薬剤組成物の適用により、根毛による吸収の改善、木部を通る木部樹液流の改善および師部での光合成産物流の改善、土壌からの水、ミネラルおよびその他の栄養素の吸収の増大、木部での毛管作用および/または静水圧の増大ならびに/あるいは化合物およびエネルギーの合成の増大ならびに/あるいは木部樹液流および/または光合成産物流を阻害する1つまたは複数の成分の破壊がもたらされ、組成物が、処理済み発酵微生物上清と1つまたは複数の非イオン界面活性剤とを含むか、実質的にこれよりなるか、これよりなり、かつ活性酵素も生存細菌も一切含まず、かつpHが最大5.0である、方法。
3.灌漑システムの効率を維持または改善する方法であって、灌漑システムのパイプライン網内の1つまたは複数のパイプに有効量の植物用薬剤組成物を適用することを含むか、実質的にこれよりなるか、これよりなり、植物用薬剤組成物の適用により、灌漑システムの1つまたは複数のパイプライン網を阻害する1つまたは複数の成分が十分に除去され、組成物が、処理済み発酵微生物上清と1つまたは複数の非イオン界面活性剤とを含むか、実質的にこれよりなるか、これよりなり、かつ活性酵素も生存細菌も一切含まず、かつpHが最大5.0である、方法。
4.植物病害の防除への有効量の植物用薬剤組成物の使用であって、組成物が、処理済み発酵微生物上清と1つまたは複数の非イオン界面活性剤とを含むか、実質的にこれよりなるか、これよりなり、かつ活性酵素も生存細菌も一切含まず、かつpHが最大5.0である、使用。
5.植物の成長および/または作物の生産の増大への有効量の植物用薬剤組成物の使用であって、組成物が、処理済み発酵微生物上清と1つまたは複数の非イオン界面活性剤とを含むか、実質的にこれよりなるか、これよりなり、かつ活性酵素も生存細菌も一切含まず、かつpHが最大5.0である、使用。
6.灌漑システムの効率の維持または改善への有効量の植物用薬剤組成物の使用であって、組成物が、処理済み発酵微生物上清と1つまたは複数の非イオン界面活性剤とを含むか、実質的にこれよりなるか、これよりなり、かつ活性酵素も生存細菌も一切含まず、かつpHが最大5.0である、使用。
7.処理済み発酵微生物上清が、発酵酵母上清、発酵細菌上清、発酵カビ上清またはその任意の組合せに由来するものである、実施形態1~3に記載の方法または実施形態4~6に記載の使用。
8.発酵酵母上清が、ブレタノミセス属(Brettanomyces)、カンジダ属(Candida)、シバーリンドネラ属(Cyberlindnera)、シストフィロバシディウム属(Cystofilobasidium)、デバリオミセス属(Debaryomyces)、デッケラ属(Dekkera)、フサリウム属(Fusarium)、ゲオトリクム属(Geotrichum)、イサチェンキア属(Issatchenkia)、カザクスタニア属(Kazachstania)、クロエケラ属(Kloeckera)、クリベロミセス属(Kluyveromyces)、レカニシリウム属(Lecanicillium)、ムコール属(Mucor)、ニューロスポラ属(Neurospora)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、ペニシリウム属(Penicillium)、ピキア属(Pichia)、リゾプス属(Rhizopus)、ロドスポリディウム属(Rhodosporidium)、ロドトルラ属(Rhodotorula)、サッカロミセス属(Saccharomyces)、シゾサッカロミセス属(Schizosaccharomyces)、スリコスポロン属(Thrichosporon)、トルラスポラ属(Torulaspora)、トルロプシス属(Torulopsis)、バーティシリウム属(Verticillium)、ヤロウイア属(Yarrowia)、ザイゴサッカロミセス属(Zygosaccharomyces)またはジゴサッカロミセス属(Zygotorulaspora)に属する酵母種から得られるものである、実施形態6に記載の方法または使用。
9.発酵酵母上清が、酵母サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)から作製されるものである、実施形態6に記載の方法または使用。
10.発酵細菌上清が、アセトバクター属(Acetobacter)、アルスロバクター属(Arthrobacter)、アエロコッカス属(Aerococcus)、バチルス属(Bacillus)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、ブラキバクテリウム属(Brachybacterium)、ブレビバクテリウム属(Brevibacterium)、バルノバクテリウム属(Barnobacterium)、カルノバクテリウム属(Carnobacterium)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、エシェリキア属(Escherichia)、グルコンアセトバクター属(Gluconacetobacter)、グルコノバクター属(Gluconobacter)、ハフニア属(Hafnia)、ハロモナス属(Halomonas)、コクリア属(Kocuria)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、マクロコッカス属(Macrococcus)、ミクロバクテリウム属(Microbacterium)、ミクロコッカス属(Micrococcus)、ナイセリア属(Neisseria)、オエノコッカス属(Oenococcus)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、プロピオニバクテリウム属(Propionibacterium)、プロテウス属(Proteus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、サイクロバクター属(Psychrobacter)、サルモネラ属(Salmonella)、スポロラクトバチルス属(Sporolactobacillus)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、ストレプトミセス属(Streptomyces)、テトラジェノコッカス属(Tetragenococcus)、バゴコッカス属(Vagococcus)、ワイセルス属(Weissells)またはザイモモナス属(Zymomonas)に属する細菌種から得られるものである、実施形態6に記載の方法または使用。
11.発酵細菌上清が、アスペルギルス属(Aspergillus)に属するカビ種から得られるものである、実施形態6に記載の方法または使用。
12.植物用薬剤組成物が、処理済み発酵微生物上清を少なくとも35重量%含む、実施形態1~3もしくは7~11に記載の方法または実施形態4~11に記載の使用。
13.植物用薬剤組成物が、処理済み発酵微生物上清を最大95重量%含む、実施形態1~3もしくは7~12に記載の方法または実施形態4~12に記載の使用。
14.非イオン界面活性剤が、ポリエーテル系非イオン界面活性剤、ポリヒドロキシル系非イオン界面活性剤および/または非イオン性のバイオ界面活性剤を含むか、実質的にこれよりなるか、これよりなる、実施形態1~3もしくは7~13に記載の方法または実施形態4~13に記載の使用。
15.ポリヒドロキシル系非イオン界面活性剤が、スクロースエステル、エトキシ化スクロースエステル、ソルビタールエステル、エトキシ化ソルビタールエステル、アルキルグルコシド、エトキシ化アルキルグルコシド、ポリグリセロールエステルまたはエトキシ化ポリグリセロールエステルを含むか、実質的にこれよりなるか、これよりなる、実施形態14に記載の方法または使用。
16.非イオン界面活性剤が、アミンオキシド、エトキシ化アルコール、エトキシ化脂肪族アルコール、アルキルアミン、エトキシ化アルキルアミン、エトキシ化アルキルフェノール、アルキルポリサッカライド、エトキシ化アルキルポリサッカライド、エトキシ化脂肪酸、エトキシ化脂肪アルコールまたはエトキシ化脂肪アミンあるいは一般式H(OCHCHOC、(OCHCHORまたはH(OCHCHOC(O)Rを有し、式中、xが、アルキルフェノールおよび/または脂肪アルコールもしくは脂肪酸に付加されたエチレンオキシドのモル数を表し、Rが長鎖アルキル基を表し、Rが長鎖脂肪族基を表す非イオン界面活性剤を含むか、実質的にこれよりなるか、これよりなる、実施形態1~3もしくは7~15に記載の方法または実施形態4~15に記載の使用。
17.RがC~C10ノルマルアルキル基であり、かつ/またはRがC12~C20脂肪族基である、実施形態16に記載の方法または使用。
18.非イオン界面活性剤が、エトキシ化ノニルフェノール、エトキシ化オクチルフェノール、エトキシ化セト-オレイルアルコール、エトキシ化セト-ステアリルアルコール、エトキシ化デシルアルコール、エトキシ化ドデシルアルコール、エトキシ化トリデシルアルコールまたはエトキシ化ヒマシ油である、実施形態1~3もしくは7~17に記載の方法または実施形態4~17に記載の使用。
19.植物用薬剤組成物が、1つまたは複数の非イオン界面活性剤を約1重量%~約15重量%含む、実施形態1~3もしくは7~18に記載の方法または実施形態4~18に記載の使用。
20.植物用薬剤組成物が、1つまたは複数の非イオン界面活性剤を約5重量%~約13重量%含む、実施形態19に記載の方法。
21.植物用薬剤組成物が、1つまたは複数の非イオン界面活性剤を約7重量%~約11重量%含む、実施形態20に記載の方法。
22.植物用薬剤組成物が1つまたは複数の陰イオン界面活性剤をさらに含むか、実質的にこれよりなるか、これよりなる、実施形態1~3もしくは7~21に記載の方法または実施形態4~21に記載の使用。
23.植物用薬剤組成物が、1つまたは複数の陰イオン界面活性剤を約0.5重量%~約10重量%含む、実施形態22に記載の方法または使用。
24.植物用薬剤組成物が、1つまたは複数の陰イオン界面活性剤を約1重量%~約8重量%含む、実施形態23に記載の方法または使用。
25.植物用薬剤組成物が、1つまたは複数の陰イオン界面活性剤を約2重量%~約6重量%含む、実施形態24に記載の方法または使用。
26.pHが最大4.5である、実施形態1~3もしくは7~25に記載の方法または実施形態4~25に記載の使用。
27.pHが約3.7~約4.2である、実施形態26に記載の方法または使用。
28.植物用薬剤組成物が、ヒト、哺乳動物、植物および環境に対して実質的に無毒性である、実施形態1~3もしくは7~27に記載の方法または実施形態4~27に記載の使用。
29.植物用薬剤組成物が生分解性である、実施形態1~3もしくは7~28に記載の方法または実施形態4~28に記載の使用。
30.植物用薬剤組成物の有効量が、防除しようとする病原体に有害作用をもたらすものである、実施形態1もしくは7~29に記載の方法または実施形態4もしくは7~29に記載の使用。
31.植物用薬剤組成物の有効量が、防除しようとする病原体の約70%、約75%、約80%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%;または少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%;または最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大86%、最大87%、最大88%、最大89%、最大90%、最大91%、最大92%、最大93%、最大94%、最大95%、最大96%、最大97%、最大98%もしくは最大99%;または約70%~約80%、約70%~約85%、約70%~約90%、約70%~約95%、約70%~約99%、約75%~約85%、約75%~約90%、約75%~約95%、約75%~約99%、約80%~約90%、約80%~約95%、約80%~約99%、約85%~約93%、約85%~約95%、約85%~約97%、約85%~約99%、約90%~約93%、約90%~約95%、約90%~約97%、約90%~約99%、約93%~約95%、約93%~約97%、約93%~約99%、約95%~約97%もしくは約95%~約99%に有害に作用するものである、実施形態30に記載の方法または使用。
32.植物用薬剤組成物の有効量が、防除しようとする病原体を死滅させるものである、実施形態1もしくは7~31に記載の方法または実施形態4もしくは7~31に記載の使用。
33.植物用薬剤組成物の有効量が、防除しようとする病原体の約70%、約75%、約80%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%;または少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%;または最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大86%、最大87%、最大88%、最大89%、最大90%、最大91%、最大92%、最大93%、最大94%、最大95%、最大96%、最大97%、最大98%もしくは最大99%;または約70%~約80%、約70%~約85%、約70%~約90%、約70%~約95%、約70%~約99%、約75%~約85%、約75%~約90%、約75%~約95%、約75%~約99%、約80%~約90%、約80%~約95%、約80%~約99%、約85%~約93%、約85%~約95%、約85%~約97%、約85%~約99%、約90%~約93%、約90%~約95%、約90%~約97%、約90%~約99%、約93%~約95%、約93%~約97%、約93%~約99%、約95%~約97%もしくは約95%~約99%を死滅させるものである、実施形態32に記載の方法または使用。
34.植物用薬剤組成物の有効量が、防除しようとする病原体の集団の大きさを縮小させるものである、実施形態1もしくは7~33に記載の方法または実施形態4もしくは7~33に記載の使用。
35.植物用薬剤組成物の有効量が、防除しようとする病原体の集団の大きさを約70%、約75%、約80%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%;または少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%;または最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大86%、最大87%、最大88%、最大89%、最大90%、最大91%、最大92%、最大93%、最大94%、最大95%、最大96%、最大97%、最大98%もしくは最大99%;または約70%~約80%、約70%~約85%、約70%~約90%、約70%~約95%、約70%~約99%、約75%~約85%、約75%~約90%、約75%~約95%、約75%~約99%、約80%~約90%、約80%~約95%、約80%~約99%、約85%~約93%、約85%~約95%、約85%~約97%、約85%~約99%、約90%~約93%、約90%~約95%、約90%~約97%、約90%~約99%、約93%~約95%、約93%~約97%、約93%~約99%、約95%~約97%もしくは約95%~約99%縮小させるものである、実施形態34に記載の方法または使用。
36.植物用薬剤組成物の有効量が、防除しようとする病原体が1つまたは複数の場所に侵入または寄生するのを阻止するものである、実施形態1もしくは7~35に記載の方法または実施形態4もしくは7~35に記載の使用。
37.植物用薬剤組成物の有効量が、病原体の集団の約70%、約75%、約80%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%;または少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%;または最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大86%、最大87%、最大88%、最大89%、最大90%、最大91%、最大92%、最大93%、最大94%、最大95%、最大96%、最大97%、最大98%もしくは最大99%;または約70%~約80%、約70%~約85%、約70%~約90%、約70%~約95%、約70%~約99%、約75%~約85%、約75%~約90%、約75%~約95%、約75%~約99%、約80%~約90%、約80%~約95%、約80%~約99%、約85%~約93%、約85%~約95%、約85%~約97%、約85%~約99%、約90%~約93%、約90%~約95%、約90%~約97%、約90%~約99%、約93%~約95%、約93%~約97%、約93%~約99%、約95%~約97%もしくは約95%~約99%が1つまたは複数の場所に侵入または寄生するのを阻止するものである、実施形態36に記載の方法または使用。
38.植物用薬剤組成物の有効量が、根毛による土壌からの水、ミネラルおよびその他の栄養素の吸収を改善するものである、実施形態2もしくは7~29に記載の方法または実施形態5もしくは7~29に記載の使用。
39.植物用薬剤組成物の有効量が、根毛による土壌からの水、ミネラルおよびその他の栄養素の吸収を約70%、約75%、約80%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%;または少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%;または最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大86%、最大87%、最大88%、最大89%、最大90%、最大91%、最大92%、最大93%、最大94%、最大95%、最大96%、最大97%、最大98%もしくは最大99%;または約70%~約80%、約70%~約85%、約70%~約90%、約70%~約95%、約70%~約99%、約75%~約85%、約75%~約90%、約75%~約95%、約75%~約99%、約80%~約90%、約80%~約95%、約80%~約99%、約85%~約93%、約85%~約95%、約85%~約97%、約85%~約99%、約90%~約93%、約90%~約95%、約90%~約97%、約90%~約99%、約93%~約95%、約93%~約97%、約93%~約99%、約95%~約97%もしくは約95%~約99%改善するものである、実施形態38に記載の方法または使用。
40.植物用薬剤組成物の有効量が、木部を通る木部樹液流を改善するものである、実施形態2、7~29もしくは38~39に記載の方法または実施形態5、7~29もしくは38~39に記載の使用。
41.植物用薬剤組成物の有効量が、木部を通る木部樹液流を約70%、約75%、約80%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%;または少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%;または最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大86%、最大87%、最大88%、最大89%、最大90%、最大91%、最大92%、最大93%、最大94%、最大95%、最大96%、最大97%、最大98%もしくは最大99%;または約70%~約80%、約70%~約85%、約70%~約90%、約70%~約95%、約70%~約99%、約75%~約85%、約75%~約90%、約75%~約95%、約75%~約99%、約80%~約90%、約80%~約95%、約80%~約99%、約85%~約93%、約85%~約95%、約85%~約97%、約85%~約99%、約90%~約93%、約90%~約95%、約90%~約97%、約90%~約99%、約93%~約95%、約93%~約97%、約93%~約99%、約95%~約97%もしくは約95%~約99%改善するものである、実施形態40に記載の方法または使用。
42.植物用薬剤組成物の有効量が、師部での光合成産物流を改善するものである、実施形態2、7~29もしくは38~41に記載の方法または実施形態5、7~29もしくは38~41に記載の使用。
43.植物用薬剤組成物の有効量が、師部での光合成産物流を約70%、約75%、約80%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%;または少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%;または最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大86%、最大87%、最大88%、最大89%、最大90%、最大91%、最大92%、最大93%、最大94%、最大95%、最大96%、最大97%、最大98%もしくは最大99%;または約70%~約80%、約70%~約85%、約70%~約90%、約70%~約95%、約70%~約99%、約75%~約85%、約75%~約90%、約75%~約95%、約75%~約99%、約80%~約90%、約80%~約95%、約80%~約99%、約85%~約93%、約85%~約95%、約85%~約97%、約85%~約99%、約90%~約93%、約90%~約95%、約90%~約97%、約90%~約99%、約93%~約95%、約93%~約97%、約93%~約99%、約95%~約97%または約95%~約99%改善するものである、実施形態42に記載の方法または使用。
44.植物用薬剤組成物の有効量が、土壌からの水、ミネラルおよびその他の栄養素の吸収を増大させるものである、実施形態2、7~29もしくは38~43に記載の方法または実施形態5、7~29もしくは38~43に記載の使用。
45.植物用薬剤組成物の有効量が、土壌からの水、ミネラルおよびその他の栄養素の吸収を約70%、約75%、約80%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%;または少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%;または最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大86%、最大87%、最大88%、最大89%、最大90%、最大91%、最大92%、最大93%、最大94%、最大95%、最大96%、最大97%、最大98%もしくは最大99%;または約70%~約80%、約70%~約85%、約70%~約90%、約70%~約95%、約70%~約99%、約75%~約85%、約75%~約90%、約75%~約95%、約75%~約99%、約80%~約90%、約80%~約95%、約80%~約99%、約85%~約93%、約85%~約95%、約85%~約97%、約85%~約99%、約90%~約93%、約90%~約95%、約90%~約97%、約90%~約99%、約93%~約95%、約93%~約97%、約93%~約99%、約95%~約97%もしくは約95%~約99%増大させるものである、実施形態44に記載の方法または使用。
46.植物用薬剤組成物の有効量が、木部での毛管作用および/または静水圧を増大させるものである、実施形態2、7~29もしくは38~45に記載の方法または実施形態5、7~29もしくは38~45に記載の使用。
47.植物用薬剤組成物の有効量が、木部での毛管作用および/または静水圧を約70%、約75%、約80%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%;または少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%;または最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大86%、最大87%、最大88%、最大89%、最大90%、最大91%、最大92%、最大93%、最大94%、最大95%、最大96%、最大97%、最大98%もしくは最大99%;または約70%~約80%、約70%~約85%、約70%~約90%、約70%~約95%、約70%~約99%、約75%~約85%、約75%~約90%、約75%~約95%、約75%~約99%、約80%~約90%、約80%~約95%、約80%~約99%、約85%~約93%、約85%~約95%、約85%~約97%、約85%~約99%、約90%~約93%、約90%~約95%、約90%~約97%、約90%~約99%、約93%~約95%、約93%~約97%、約93%~約99%、約95%~約97%もしくは約95%~約99%増大させるものである、実施形態46に記載の方法または使用。
48.植物用薬剤組成物の有効量が、植物体を通る原料の輸送を改善するものである、実施形態2、7~29もしくは38~47に記載の方法または実施形態5、7~29もしくは38~47に記載の使用。
49.植物用薬剤組成物の有効量が、植物体を通る原料の輸送を約70%、約75%、約80%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%;または少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%;または最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大86%、最大87%、最大88%、最大89%、最大90%、最大91%、最大92%、最大93%、最大94%、最大95%、最大96%、最大97%、最大98%もしくは最大99%;または約70%~約80%、約70%~約85%、約70%~約90%、約70%~約95%、約70%~約99%、約75%~約85%、約75%~約90%、約75%~約95%、約75%~約99%、約80%~約90%、約80%~約95%、約80%~約99%、約85%~約93%、約85%~約95%、約85%~約97%、約85%~約99%、約90%~約93%、約90%~約95%、約90%~約97%、約90%~約99%、約93%~約95%、約93%~約97%、約93%~約99%、約95%~約97%もしくは約95%~約99%改善するものである、実施形態48に記載の方法または使用。
50.植物用薬剤組成物の有効量が、植物体内での化合物およびエネルギーの合成を増大させるものである、実施形態2、7~29もしくは38~49に記載の方法または実施形態5、7~29もしくは38~49に記載の使用。
51.植物用薬剤組成物の有効量が、植物体内での化合物およびエネルギーの合成を約70%、約75%、約80%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%;または少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%;または最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大86%、最大87%、最大88%、最大89%、最大90%、最大91%、最大92%、最大93%、最大94%、最大95%、最大96%、最大97%、最大98%もしくは最大99%;または約70%~約80%、約70%~約85%、約70%~約90%、約70%~約95%、約70%~約99%、約75%~約85%、約75%~約90%、約75%~約95%、約75%~約99%、約80%~約90%、約80%~約95%、約80%~約99%、約85%~約93%、約85%~約95%、約85%~約97%、約85%~約99%、約90%~約93%、約90%~約95%、約90%~約97%、約90%~約99%、約93%~約95%、約93%~約97%、約93%~約99%、約95%~約97%もしくは約95%~約99%増大させるものである、実施形態50に記載の方法または使用。
52.植物用薬剤組成物の有効量が、植物の成長の維持および継続に必要な化合物およびエネルギーの合成を改善するものである、実施形態2、7~29もしくは38~51に記載の方法または実施形態5、7~29もしくは38~51に記載の使用。
53.植物用薬剤組成物の有効量が、植物の成長の維持および継続に必要な化合物およびエネルギーの合成を約70%、約75%、約80%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%;または少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%;または最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大86%、最大87%、最大88%、最大89%、最大90%、最大91%、最大92%、最大93%、最大94%、最大95%、最大96%、最大97%、最大98%もしくは最大99%;または約70%~約80%、約70%~約85%、約70%~約90%、約70%~約95%、約70%~約99%、約75%~約85%、約75%~約90%、約75%~約95%、約75%~約99%、約80%~約90%、約80%~約95%、約80%~約99%、約85%~約93%、約85%~約95%、約85%~約97%、約85%~約99%、約90%~約93%、約90%~約95%、約90%~約97%、約90%~約99%、約93%~約95%、約93%~約97%、約93%~約99%、約95%~約97%もしくは約95%~約99%改善するものである、実施形態52に記載の方法または使用。
54.植物用薬剤組成物の有効量が、木部での木部樹液流を阻害する1つまたは複数の成分を溶解させるか、分散させるか、または別の方法で除去するものである、実施形態2、7~29もしくは38~53に記載の方法または実施形態5、7~29もしくは38~53に記載の使用。
55.植物用薬剤組成物の有効量が、木部での木部樹液流を阻害する1つまたは複数の成分を約70%、約75%、約80%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%;または少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%;または最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大86%、最大87%、最大88%、最大89%、最大90%、最大91%、最大92%、最大93%、最大94%、最大95%、最大96%、最大97%、最大98%もしくは最大99%;または約70%~約80%、約70%~約85%、約70%~約90%、約70%~約95%、約70%~約99%、約75%~約85%、約75%~約90%、約75%~約95%、約75%~約99%、約80%~約90%、約80%~約95%、約80%~約99%、約85%~約93%、約85%~約95%、約85%~約97%、約85%~約99%、約90%~約93%、約90%~約95%、約90%~約97%、約90%~約99%、約93%~約95%、約93%~約97%、約93%~約99%、約95%~約97%もしくは約95%~約99%溶解させるか、分散させるか、または別の方法で除去するものである、実施形態54に記載の方法または使用。
56.植物用薬剤組成物の有効量が、師部での光合成産物流を阻害する1つまたは複数の成分を溶解させるか、分散させるか、または別の方法で除去するものである、実施形態2、7~29もしくは38~55に記載の方法または実施形態5、7~29もしくは38~55に記載の使用。
57.植物用薬剤組成物の有効量が、師部での光合成産物流を阻害する1つまたは複数の成分を約70%、約75%、約80%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%;または少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%;または最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大86%、最大87%、最大88%、最大89%、最大90%、最大91%、最大92%、最大93%、最大94%、最大95%、最大96%、最大97%、最大98%もしくは最大99%;または約70%~約80%、約70%~約85%、約70%~約90%、約70%~約95%、約70%~約99%、約75%~約85%、約75%~約90%、約75%~約95%、約75%~約99%、約80%~約90%、約80%~約95%、約80%~約99%、約85%~約93%、約85%~約95%、約85%~約97%、約85%~約99%、約90%~約93%、約90%~約95%、約90%~約97%、約90%~約99%、約93%~約95%、約93%~約97%、約93%~約99%、約95%~約97%もしくは約95%~約99%溶解させるか、分散させるか、または別の方法で除去するものである、実施形態56に記載の方法または使用。
58.植物用薬剤組成物の有効量が、灌流システムのパイプライン網内の水流を阻害する1つまたは複数の成分を溶解させるか、分散させるか、または別の方法で除去するものである、実施形態3もしくは7~29に記載の方法または実施形態6~29に記載の使用。
59.植物用薬剤組成物の有効量が、灌流システムのパイプライン網内の水流を阻害する1つまたは複数の成分を約70%、約75%、約80%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%;または少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%;または最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大86%、最大87%、最大88%、最大89%、最大90%、最大91%、最大92%、最大93%、最大94%、最大95%、最大96%、最大97%、最大98%もしくは最大99%;または約70%~約80%、約70%~約85%、約70%~約90%、約70%~約95%、約70%~約99%、約75%~約85%、約75%~約90%、約75%~約95%、約75%~約99%、約80%~約90%、約80%~約95%、約80%~約99%、約85%~約93%、約85%~約95%、約85%~約97%、約85%~約99%、約90%~約93%、約90%~約95%、約90%~約97%、約90%~約99%、約93%~約95%、約93%~約97%、約93%~約99%、約95%~約97%もしくは約95%~約99%溶解させるか、分散させるか、または別の方法で除去するものである、実施形態58に記載の方法または使用。
60.植物用薬剤組成物の有効量が、灌漑システムのパイプライン網全体の水輸送を改善するものである、実施形態3、7~29もしくは58~59に記載の方法または実施形態6~29もしくは58~59に記載の使用。
61.植物用薬剤組成物の有効量が、灌漑システムのパイプライン網全体の水輸送を約70%、約75%、約80%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%;または少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%;または最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大86%、最大87%、最大88%、最大89%、最大90%、最大91%、最大92%、最大93%、最大94%、最大95%、最大96%、最大97%、最大98%もしくは最大99%;または約70%~約80%、約70%~約85%、約70%~約90%、約70%~約95%、約70%~約99%、約75%~約85%、約75%~約90%、約75%~約95%、約75%~約99%、約80%~約90%、約80%~約95%、約80%~約99%、約85%~約93%、約85%~約95%、約85%~約97%、約85%~約99%、約90%~約93%、約90%~約95%、約90%~約97%、約90%~約99%、約93%~約95%、約93%~約97%、約93%~約99%、約95%~約97%もしくは約95%~約99%改善するものである、実施形態60に記載の方法または使用。
62.植物用薬剤組成物の有効量が、植物の健康および活力を維持および/または増進するものである、実施形態1~3もしくは7~61に記載の方法または実施形態4~61に記載の使用。
63.植物用薬剤組成物の有効量が、植物の健康および活力を維持ならびに/あるいは約70%、約75%、約80%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%;または少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%もしくは少なくとも99%;または最大70%、最大75%、最大80%、最大85%、最大86%、最大87%、最大88%、最大89%、最大90%、最大91%、最大92%、最大93%、最大94%、最大95%、最大96%、最大97%、最大98%もしくは最大99%;または約70%~約80%、約70%~約85%、約70%~約90%、約70%~約95%、約70%~約99%、約75%~約85%、約75%~約90%、約75%~約95%、約75%~約99%、約80%~約90%、約80%~約95%、約80%~約99%、約85%~約93%、約85%~約95%、約85%~約97%、約85%~約99%、約90%~約93%、約90%~約95%、約90%~約97%、約90%~約99%、約93%~約95%、約93%~約97%、約93%~約99%、約95%~約97%もしくは約95%~約99%増進するものである、実施形態62に記載の方法または使用。
64.植物用薬剤組成物の有効量が、約1:50、約1:75、約1:100、約1:125、約1:150、約1:175、約1:200、約1:225、約1:250、約1:275、約1:300、約1:325、約1:350、約1:375、約1:400、約1:425、約1:450、約1:475、約1:500、約1:525、約1:550、約1:575もしくは約1:600;または少なくとも1:50、少なくとも1:75、少なくとも1:100、少なくとも1:125、少なくとも1:150、少なくとも1:175、少なくとも1:200、少なくとも1:225、少なくとも1:250、少なくとも1:275、少なくとも1:300、少なくとも1:325、少なくとも1:350、少なくとも1:375、少なくとも1:400、少なくとも1:425、少なくとも1:450、少なくとも1:475、少なくとも1:500、少なくとも1:525、少なくとも1:550、少なくとも1:575もしくは少なくとも1:600;または最大1:50、最大1:75、最大1:100、最大1:125、最大1:150、最大1:175、最大1:200、最大1:225、最大1:250、最大1:275、最大1:300、最大1:325、最大1:350、最大1:375、最大1:400、最大1:425、最大1:450、最大1:475、最大1:500、最大1:525、最大1:550、最大1:575もしくは最大1:600;または約1:50~約1:100、約1:50~約1:200、約1:50~約1:300、約1:50~約1:400、約1:50~約1:500、約1:50~約1:600、約1:100~約1:200、約1:100~約1:300、約1:100~約1:400、約1:100~約1:500、約1:100~約1:600、約1:200~約1:300、約1:200~約1:400、約1:200~約1:500、約1:200~約1:600、約1:300~約1:400、約1:300~約1:500、約1:300~約1:600、約1:400~約1:500、約1:400~約1:600もしくは約1:500~約1:600の植物用薬剤組成物と希釈剤の比である、実施形態1~3もしくは7~63に記載の方法または実施形態4~63に記載の使用。
65.植物用薬剤組成物の有効量が、約1:500、約1:750、約1:1000、約1:1250、約1:1500、約1:1750、約1:2000、約1:2250、約1:2500、約1:2750、約1:3000、約1:3250、約1:3500、約1:3750、約1:4000、約1:4250、約1:4500、約1:4750、約1:5000、約1:5250、約1:5500、約1:5750、約1:6000、約1:7000、約1:8000、約1:9000もしくは約1:10000;または少なくとも1:500、少なくとも1:750、少なくとも1:1000、少なくとも1:1250、少なくとも1:1500、少なくとも1:1750、少なくとも1:2000、少なくとも1:2250、少なくとも1:2500、少なくとも1:2750、少なくとも1:3000、少なくとも1:3250、少なくとも1:3500、少なくとも1:3750、少なくとも1:4000、少なくとも1:4250、少なくとも1:4500、少なくとも1:4750、少なくとも1:5000、少なくとも1:5250、少なくとも1:5500、少なくとも1:5750、少なくとも1:6000、少なくとも1:7000、少なくとも1:8000、少なくとも1:9000もしくは少なくとも1:10000;または最大1:500、最大1:750、最大1:1000、最大1:1250、最大1:1500、最大1:1750、最大1:2000、最大1:2250、最大1:2500、最大1:2750、最大1:3000、最大1:3250、最大1:3500、最大1:3750、最大1:4000、最大1:4250、最大1:4500、最大1:4750、最大1:5000、最大1:5250、最大1:5500、最大1:5750、最大1:6000、最大1:7000、最大1:8000、最大1:9000もしくは最大1:10000;または約1:500~約1:1000、約1:500~約1:2000、約1:500~約1:3000、約1:500~約1:4000、約1:500~約1:5000、約1:500~約1:6000、約1:500~約1:7000、約1:500~約1:8000、約1:500~約1:9000、約1:500~約1:10000、約1:1000~約1:2000、約1:1000~約1:3000、約1:1000~約1:4000、約1:1000~約1:5000、約1:1000~約1:6000、約1:1000~約1:7000、約1:1000~約1:8000、約1:1000~約1:9000、約1:1000~約1:10000、約1:2000~約1:3000、約1:2000~約1:4000、約1:2000~約1:5000、約1:2000~約1:6000、約1:2000~約1:7000、約1:2000~約1:8000、約1:2000~約1:9000、約1:2000~約1:10000、約1:3000~約1:4000、約1:3000~約1:5000、約1:3000~約1:6000、約1:3000~約1:7000、約1:3000~約1:8000、約1:3000~約1:9000、約1:3000~約1:10000、約1:4000~約1:5000、約1:4000~約1:6000、約1:4000~約1:7000、約1:4000~約1:8000、約1:4000~約1:9000、約1:4000~約1:10000、約1:5000~約1:6000、約1:5000~約1:7000、約1:5000~約1:8000、約1:5000~約1:9000、約1:5000~約1:10000、約1:6000~約1:7000、約1:6000~約1:8000、約1:6000~約1:9000、約1:6000~約1:10000、約1:7000~約1:8000、約1:7000~約1:9000、約1:7000~約1:10000、約1:8000~約1:9000、約1:8000~約1:10000もしくは約1:9000~約1:10000の植物用薬剤組成物と希釈剤の比である、実施形態1~3もしくは7~63に記載の方法または実施形態4~63に記載の使用。
66.植物用薬剤組成物の有効量が、約0.0001%、約0.0002%、約0.0003%、約0.0004%、約0.0005%、約0.0006%、約0.0007%、約0.0008%、約0.0009%、約0.001%、約0.002%、約0.003%、約0.004%、約0.005%、約0.006%、約0.007%、約0.008%、約0.009%、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%もしくは約10%;または少なくとも0.0001%、少なくとも0.0002%、少なくとも0.0003%、少なくとも0.0004%、少なくとも0.0005%、少なくとも0.0006%、少なくとも0.0007%、少なくとも0.0008%、少なくとも0.0009%、少なくとも0.001%、少なくとも0.002%、少なくとも0.003%、少なくとも0.004%、少なくとも0.005%、少なくとも0.006%、少なくとも0.007%、少なくとも0.008%、少なくとも0.009%、少なくとも0.01%、少なくとも0.02%、少なくとも0.03%、少なくとも0.04%、少なくとも0.05%、少なくとも0.06%、少なくとも0.07%、少なくとも0.08%、少なくとも0.09%、少なくとも0.1%、少なくとも0.2%、少なくとも0.3%、少なくとも0.4%、少なくとも0.5%、少なくとも0.6%、少なくとも0.7%、少なくとも0.8%、少なくとも0.9%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%もしくは少なくとも10%;または最大0.0001%、最大0.0002%、最大0.0003%、最大0.0004%、最大0.0005%、最大0.0006%、最大0.0007%、最大0.0008%、最大0.0009%、最大0.001%、最大0.002%、最大0.003%、最大0.004%、最大0.005%、最大0.006%、最大0.007%、最大0.008%、最大0.009%、最大0.01%、最大0.02%、最大0.03%、最大0.04%、最大0.05%、最大0.06%、最大0.07%、最大0.08%、最大0.09%、最大0.1%、最大0.2%、最大0.3%、最大0.4%、最大0.5%、最大0.6%、最大0.7%、最大0.8%、最大0.9%、最大1%、最大2%、最大3%、最大4%、最大5%、最大6%、最大7%、最大8%、最大9%もしくは最大10%;または約0.0001%~約0.0005%、約0.0001%~約0.001%、約0.0001%~約0.005%、約0.0001%~約0.01%、約0.0001%~約0.05%、約0.0001%~約0.1%、約0.0001%~約0.5%、約0.0001%~約1%、約0.0001%~約5%、約0.0001%~約10%、約0.0005%~約0.001%、約0.0005%~約0.005%、約0.0005%~約0.01%、約0.0005%~約0.05%、約0.0005%~約0.1%、約0.0005%~約0.5%、約0.0005%~約1%、約0.0005%~約5%、約0.0005%~約10%、約0.001%~約0.005%、約0.001%~約0.01%、0.001%~約0.05%、約0.001%~約0.1%、0.001%~約0.5%、0.001%~約1%、0.001%~約5%、約0.001%~約10%、約0.005%~約0.01%、約0.005%~約0.05%、約0.005%~約0.1%、約0.005%~約0.5%、約0.005%~約1%、約0.005%~約5%、約0.005%~約10%、約0.01%~約0.05%、約0.01%~約0.1%、約0.01%~約0.5%、約0.01%~約1%、約0.01%~約5%、約0.01%~約10%、約0.05%~約0.1%、約0.05%~約0.5%、約0.05%~約1%、約0.05%~約5%、約0.05%~約10%、約0.1%~約0.5%、約0.1%~約1%、約0.1%~約5%、約0.1%~約10%、約0.5%~約1%、約0.5%~約5%、約0.5%~約10%、約1%~約5%、約1%~約10%もしくは約5%~約10%の最終濃度である、実施形態1~3もしくは7~65に記載の方法または実施形態4~65に記載の使用。
67.処理済み発酵微生物上清と1つまたは複数の非イオン界面活性剤とを含むか、実質的にこれよりなるか、これよりなるものであり、活性酵素も生存細菌も一切含まず、pHが5.0未満である、植物用薬剤組成物。
68.処理済み発酵微生物上清が、発酵酵母上清,発酵細菌上清,発酵カビ上清またはその任意の組合せに由来するものである、実施形態67に記載の植物用薬剤組成物。
69.発酵酵母上清が、ブレタノミセス属(Brettanomyces)、カンジダ属(Candida)、シバーリンドネラ属(Cyberlindnera)、シストフィロバシディウム属(Cystofilobasidium)、デバリオミセス属(Debaryomyces)、デッケラ属(Dekkera)、フサリウム属(Fusarium)、ゲオトリクム属(Geotrichum)、イサチェンキア属(Issatchenkia)、カザクスタニア属(Kazachstania)、クロエケラ属(Kloeckera)、クリベロミセス属(Kluyveromyces)、レカニシリウム属(Lecanicillium)、ムコール属(Mucor)、ニューロスポラ属(Neurospora)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、ペニシリウム属(Penicillium)、ピキア属(Pichia)、リゾプス属(Rhizopus)、ロドスポリディウム属(Rhodosporidium)、ロドトルラ属(Rhodotorula)、サッカロミセス属(Saccharomyces)、シゾサッカロミセス属(Schizosaccharomyces)、スリコスポロン属(Thrichosporon)、トルラスポラ属(Torulaspora)、トルロプシス属(Torulopsis)、バーティシリウム属(Verticillium)、ヤロウイア属(Yarrowia)、ザイゴサッカロミセス属(Zygosaccharomyces)またはジゴサッカロミセス属(Zygotorulaspora)に属する酵母種から得られるものである、実施形態68に記載の植物用薬剤組成物。
70.発酵酵母上清が、酵母サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)から得られるものである、実施形態69に記載の植物用薬剤組成物。
71.発酵細菌上清が、アセトバクター属(Acetobacter)、アルスロバクター属(Arthrobacter)、アエロコッカス属(Aerococcus)、バチルス属(Bacillus)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、ブラキバクテリウム属(Brachybacterium)、ブレビバクテリウム属(Brevibacterium)、バルノバクテリウム属(Barnobacterium)、カルノバクテリウム属(Carnobacterium)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、エシェリキア属(Escherichia)、グルコンアセトバクター属(Gluconacetobacter)、グルコノバクター属(Gluconobacter)、ハフニア属(Hafnia)、ハロモナス属(Halomonas)、コクリア属(Kocuria)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、マクロコッカス属(Macrococcus)、ミクロバクテリウム属(Microbacterium)、ミクロコッカス属(Micrococcus)、ナイセリア属(Neisseria)、オエノコッカス属(Oenococcus)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、プロピオニバクテリウム属(Propionibacterium)、プロテウス属(Proteus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、サイクロバクター属(Psychrobacter)、サルモネラ属(Salmonella)、スポロラクトバチルス属(Sporolactobacillus)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、ストレプトミセス属(Streptomyces)、テトラジェノコッカス属(Tetragenococcus)、バゴコッカス属(Vagococcus)、ワイセルス属(Weissells)またはザイモモナス属(Zymomonas)に属する細菌種から得られるものである、実施形態68に記載の植物用薬剤組成物。
72.発酵細菌上清が、アスペルギルス(Aspergillus)属に属する細菌種から得られるものである、実施形態71に記載の植物用薬剤組成物。
73.処理済み発酵微生物上清を少なくとも35重量%含む、実施形態67~72のいずれか1つに記載の植物用薬剤組成物。
74.処理済み発酵微生物上清を最大50重量%含む、実施形態67~73のいずれか1つに記載の植物用薬剤組成物。
75.非イオン界面活性剤が、ポリエーテル系非イオン界面活性剤、ポリヒドロキシル系非イオン界面活性剤および/またはバイオ界面活性剤を含むか、実質的にこれよりなるか、これよりなるものである、実施形態67~74のいずれか1つに記載の植物用薬剤組成物。
76.ポリヒドロキシル系非イオン界面活性剤が、スクロースエステル、エトキシ化スクロースエステル、ソルビタールエステル、エトキシ化ソルビタールエステル、アルキルグルコシド、エトキシ化アルキルグルコシド、ポリグリセロールエステルまたはエトキシ化ポリグリセロールエステルを含むか、実質的にこれよりなるか、これよりなるものである、実施形態75に記載の植物用薬剤組成物。
77.非イオン界面活性剤が、アミンオキシド、エトキシ化アルコール、エトキシ化脂肪族アルコール、アルキルアミン、エトキシ化アルキルアミン、エトキシ化アルキルフェノール、アルキルポリサッカライド、エトキシ化アルキルポリサッカライド、エトキシ化脂肪酸、エトキシ化脂肪アルコールもしくはエトキシ化脂肪アミンあるいは一般式H(OCHCHOC、(OCHCHORまたはH(OCHCHOC(O)Rを有し、式中、xが、アルキルフェノールおよび/または脂肪アルコールもしくは脂肪酸に付加されたエチレンオキシドのモル数を表し、Rが長鎖アルキル基を表し、Rが長鎖脂肪族基を表す非イオン界面活性剤を含むか、実質的にこれよりなるか、これよりなるものである、実施形態67~76のいずれか1つに記載の植物用薬剤組成物。
78.RがC~C10ノルマルアルキル基であり、かつ/またはRがC12~C20脂肪族基である、実施形態77に記載の植物用薬剤組成物。
79.非イオン界面活性剤が、エトキシ化ノニルフェノール、エトキシ化オクチルフェノール、エトキシ化セト-オレイルアルコール、エトキシ化セト-ステアリルアルコール、エトキシ化デシルアルコール、エトキシ化ドデシルアルコール、エトキシ化トリデシルアルコールまたはエトキシ化ヒマシ油である、実施形態67~78のいずれか1つに記載の植物用薬剤組成物。
80.1つまたは複数の非イオン界面活性剤を約1重量%~約15重量%含む、実施形態67~79のいずれか1つに記載の植物用薬剤組成物。
82.1つまたは複数の非イオン界面活性剤を約5重量%~約13重量%含む、実施形態80に記載の植物用薬剤組成物。
83.1つまたは複数の非イオン界面活性剤を約7重量%~約11重量%含む、実施形態81に記載の植物用薬剤組成物。
84.1つまたは複数の陰イオン界面活性剤をさらに含むか、実質的にこれよりなるか、これよりなるものである、実施形態67~83のいずれか1つに記載の植物用薬剤組成物。
85.1つまたは複数の陰イオン界面活性剤を約0.5重量%~約10重量%含む、実施形態84に記載の植物用薬剤組成物。
86.1つまたは複数の陰イオン界面活性剤を約1重量%~約8重量%含む、実施形態85に記載の植物用薬剤組成物。
87.1つまたは複数の陰イオン界面活性剤を約2重量%~約6重量%含む、実施形態86に記載の植物用薬剤組成物。
88.pHが最大4.5である、実施形態67~87のいずれか1つに記載の植物用薬剤組成物。
89.pHが約3.7~約4.2である、実施形態88に記載の植物用薬剤組成物。
90.ヒト、哺乳動物、植物および環境に対して実質的に無毒性である、実施形態67~89のいずれか1つに記載の植物用薬剤組成物。
91.生分解性である、実施形態67~90のいずれか1つに記載の植物用薬剤組成物。
92.植物病害の病原体を防除する方法であって、病原体が寄生した1つもしくは複数の植物に有効量の実施形態67~91のいずれか1つで定められる植物用薬剤組成物を適用することおよび/または病原体が植物用薬剤組成物に曝露されるように1つもしくは複数の場所に有効量の植物用薬剤組成物を適用することを含むか、実質的にこれよりなるか、これよりなり、植物用薬剤組成物の適用により、防除しようとする植物病害の病原体に有害作用がもたらされる、方法。
93.植物の成長および/または作物の生産を増大させる方法であって、有効量の実施形態67~91のいずれか1つで定められる植物用薬剤組成物を適用することおよび/または植物用薬剤組成物に1つもしくは複数の植物を曝露する1つもしくは複数の場所に有効量の実施形態67~91のいずれか1つで定められる植物用薬剤組成物を適用することを含むか、実質的にこれよりなるか、これよりなり、植物用薬剤組成物の適用により、根毛による吸収の改善、木部を通る木部樹液流の改善および師部での光合成産物流の改善、土壌からの水、ミネラルおよびその他の栄養素の吸収の増大、木部での毛管作用および/または静水圧の増大ならびに/あるいは化合物およびエネルギーの合成の増大ならびに/あるいは木部樹液流および/または光合成産物流を阻害する1つまたは複数の成分の破壊がもたらされる、方法。
94.灌漑システムの効率を維持または改善する方法であって、灌漑システムのパイプライン網内の1つまたは複数のパイプに有効量の実施形態67~91のいずれか1つで定められる植物用薬剤組成物を適用することを含むか、実質的にこれよりなるか、これよりなり、植物用薬剤組成物の適用により、灌漑システムの1つまたは複数のパイプライン網を阻害する1つまたは複数の成分が十分に除去される、方法。
95.植物病害の防除への有効量の実施形態67~91のいずれか1つで定められる植物用薬剤組成物の使用。
96.植物の成長および/または作物の生産の増大への有効量の実施形態67~91のいずれか1つで定められる植物用薬剤組成物の使用。
97.灌漑システムの効率の維持または改善への有効量の実施形態67~91のいずれか1つで定められる植物用薬剤組成物の使用。
98.植物病害が、炭疽病、胴枯病、潰瘍病、根瘤病、立ち枯病、ゴール、平もち病、斑点病、うどんこ病、かび病、モザイクウイルス病、腐敗病、さび病、黒星病、黒穂病、萎凋病またはその任意の組合せである、実施形態1、7~36もしくは62~66に記載の方法または実施形態4、7~36もしくは62~66に記載の使用。
99.病原体が、ウイルス病原体、細菌病原体、真菌病原体、センチュウ病原体またはその任意の組合せである、実施形態1、7~36、62~66もしくは98に記載の方法または実施形態4、7~36、62~66もしくは98に記載の使用。
【0146】
(実施例)
以下の非限定的な実施例は、現時点で企図される代表的な実施形態をさらに十全に理解できるよう単に例示を目的として記載するものである。これらの実施例は、本明細書に開示される植物用薬剤組成物または方法もしくは使用に関するものを含め、本明細書に記載されるいずれの実施形態も制限するものではないと解釈されるべきである。
【0147】
実施例1
処理済み発酵酵母上清の調製1
処理済み発酵酵母上清を調製するため、大型のジャケット付混合釜に温度が約29℃~約38℃の温水約1,000Lを入れた発酵反応を仕込む。この水に黒い未処理甘蔗糖蜜約84.9kg、甘蔗原料糖約25.2kgおよび硫酸マグネシウム約1.2kgを加えた。混合物を十分に混ぜ合わせた後、糖化性麦芽約11.4kgおよびパン酵母約1.2kgを加え、少し攪拌した。混合物を約26℃~約42℃で約3日間インキュベートすると、実質的に発酵が完了したことを示す発泡反応の消失がみられる。発酵終了時、酵母発酵組成物を遠心分離して、発酵過程で形成された「スラッジ」を除去する。得られた発酵上清(約98.59重量%)を収集し、オートクレーブ処理により滅菌した。次いで、処理済み発酵酵母上清を液体形態で保管して、のちに使用することができる。あるいは、処理済み発酵酵母上清を当該技術分野で公知の方法により噴霧乾燥させて乾燥粉末を作製することができる。乾燥粉末形態も、保管してのちに使用することができる。
【0148】
実施例2
処理済み酵母上清の調製2
処理済み発酵酵母上清を調製するため、大型のジャケット付混合釜に温度が約29℃~約38℃の温水約1,000Lを入れた発酵反応を仕込む。この水に黒い未処理甘蔗糖蜜約42.5kg、甘蔗原料糖約12.6kgおよび硫酸マグネシウム約1.2kgを加えた。混合物を十分に混ぜ合わせた後、糖化性麦芽約10.3kgおよびパン酵母約1.2kgを加え、少し攪拌した。混合物を約26℃~約42℃で約3日間インキュベートすると、実質的に発酵が完了したことを示す発泡反応の消失がみられる。発酵終了時、酵母発酵培養物を遠心分離して、発酵過程で形成された「スラッジ」を除去する。得られた発酵上清(約98.59重量%)を収集し、オートクレーブにより処理した。次いで、処理済み発酵酵母上清を液体形態で保管して、のちに使用することができる。あるいは、処理済み発酵酵母上清を当該技術分野で公知の方法により噴霧乾燥させて乾燥粉末を作製することができる。乾燥粉末形態も、保管してのちに使用することができる。
【0149】
実施例3
処理済み酵母上清の調製3
処理済み発酵酵母上清を調製するため、大型のジャケット付混合釜に温度が約29℃~約38℃の温水約1,000Lを入れた発酵反応を仕込む。この水に黒い未処理甘蔗糖蜜約21.3kg、甘蔗原料糖約6.3kgおよび硫酸マグネシウム約1.2kgを加えた。混合物を十分に混ぜ合わせた後、糖化性麦芽約9.3kgおよびパン酵母約1.2kgを加え、少し攪拌した。混合物を約26℃~約42℃で約3日間インキュベートすると、実質的に発酵が完了したことを示す発泡反応の消失がみられる。発酵終了時、酵母発酵培養物を遠心分離して、発酵過程で形成された「スラッジ」を除去する。得られた発酵上清(約98.59重量%)を収集し、オートクレーブにより処理した。次いで、処理済み発酵酵母上清を液体形態で保管して、のちに使用することができる。あるいは、処理済み発酵酵母上清を当該技術分野で公知の方法により噴霧乾燥させて乾燥粉末を作製することができる。乾燥粉末形態も、保管してのちに使用することができる。
【0150】
実施例4
植物用薬剤組成物の調製
植物用薬剤組成物を調整するため、大型のジャケット付混合釜に入った処理済み発酵酵母上清1,000Lに高温の滅菌水(約60℃~約65℃)1,000Lを加えた。この混合物に直鎖第二級アルコールエトキシラートのTERGITOL(商標)15-S-7約168.8kg、直鎖第二級アルコールエトキシラートのTERGITOL(商標)15-S-5約168.8kg、アルキルジフェニルオキシド二硫酸塩のDOWFAX(商標)2A1約67.5kgおよびリン酸ポリエーテルエステルのTRITON(商標)H-66約67.5kgを加えた。この混合物を溶液になるまで十分に混ぜ合わせた。次いで、水を加えて体積を約4,500Lとし、完全に混ざり合うまで攪拌した。得られた植物用薬剤組成物のpHをリン酸で約3.7~約4.2に調整した。次いで、pH調整済み植物用薬剤組成物をろ過滅菌して、あらゆる微生物汚染を除去した。
【0151】
この組成物は、皮膚組織に対して刺激性がなく無毒性であることが明らかになり、数か月間にわたって、認識可能な効果の減少も劣化も一切なく冷所保管が可能であった。
【0152】
DOWFAX(商標)2A1は、陰イオン性のバイオ界面活性剤、例えばラウリル硫酸アンモニウムのSTEPONOL(登録商標)AM30-KE、2-エチルヘキシル硫酸ナトリウムのSTEPONOL(登録商標)EHSまたはその組合せなどに置き換えることができる。
【0153】
任意選択で、得られた植物用薬剤組成物を次いで約1重量%の安息香酸ナトリウム、約0.01重量%のイミダゾリジニル尿素、約0.15重量%のジアゾリジニル尿素、約0.25重量%の塩化カルシウムなどの保存剤または安定剤と混合してもよい。継続的に攪拌しながら、安息香酸ナトリウム、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素および塩化カルシウムを加える。次いで、混合物の温度を40℃まで徐々に上昇させ、混合物を継続的に攪拌する。混合物の全成分が確実に溶解するよう温度を約1時間、約40℃に維持する。次いで、混合物を約20℃~約25℃に冷却する。得られた植物用薬剤組成物のpHをリン酸で約3.7~約4.2に調整した。次いで、pH調整済みの植物用薬剤組成物をろ過滅菌して、あらゆる微生物汚染を除去した。
【0154】
実施例5
植物用薬剤組成物の調製
植物用薬剤組成物を調製するため、大型のジャケット付混合釜に高温の滅菌水(約60℃~約65℃)850Lを入れた。この水に処理済み発酵酵母上清の乾燥粉末約7.62g、直鎖第二級アルコールエトキシラートのTERGITOL(商標)15-S-7約37.5kg、直鎖第二級アルコールエトキシラートのTERGITOL(商標)15-S-5約37.5kg、アルキルジフェニルオキシド二硫酸塩のDOWFAX(商標)2A1約15.0kgおよびリン酸ポリエーテルエステルのTRITON(商標)H-66約25.0kgを加えた。この混合物を溶液になるまで十分に混ぜ合わせた。次いで、水を加えて体積を約1,000Lとし、完全に混ざり合うまで攪拌した。得られた植物用薬剤組成物のpHをリン酸で約3.7~約4.2に調整した。次いで、pH調整済み植物用薬剤組成物をろ過滅菌して、あらゆる微生物汚染を除去した。
【0155】
任意選択で、得られた植物用薬剤組成物を次いで約1重量%の安息香酸ナトリウム、約0.01重量%のイミダゾリジニル尿素、約0.15重量%のジアゾリジニル尿素、約0.25重量%の塩化カルシウムなどの保存剤または安定剤と混合してもよい。継続的に攪拌しながら、安息香酸ナトリウム、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素および塩化カルシウムを加える。次いで、混合物の温度を40℃まで徐々に上昇させ、混合物を継続的に攪拌する。混合物の全成分が確実に溶解するよう温度を約1時間、約40℃に維持する。次いで、混合物を約20℃~約25℃に冷却する。得られた植物用薬剤組成物のpHをリン酸で約3.7~約4.2に調整した。次いで、pH調整済みの植物用薬剤組成物をろ過滅菌して、あらゆる微生物汚染を除去した。
【0156】
この組成物は、皮膚組織に対して刺激性がなく無毒性であることが明らかになり、数か月間にわたって、認識可能な効果の減少も劣化も一切なく冷所保管が可能であった。
【0157】
DOWFAX(商標)2A1は、陰イオン性のバイオ界面活性剤、例えばラウリル硫酸アンモニウムのSTEPONOL(登録商標)AM30-KE、2-エチルヘキシル硫酸ナトリウムのSTEPONOL(登録商標)EHSまたはその組合せなどに置き換えることができる。
【0158】
実施例1~3に開示した処理済み発酵酵母上清の乾燥粉末に代えて、例えばTASTONE(登録商標)154、TASTONE(登録商標)210またはTASTONE(登録商標)900を含めた市販の処理済み発酵酵母上清の乾燥粉末を使用することができる。
【0159】
実施例6
イネを用いた試験
この実施例は、イネの植物体成長および穀粒生産に対する本明細書に開示される植物用薬剤組成物の効果を示すものである。
【0160】
1つの試験では、イネの種子発芽、苗丈および根長に対する本明細書に開示される植物用薬剤組成物の効果を評価した。イネ品種Oryzica 1の種子を種子100個からなる3つのグループに分け、袋に入れ、袋を以下の溶液:1)蒸留水(対照);2)本明細書に開示される植物用薬剤組成物(処理済み発酵上清92%と界面活性剤8%)の2%溶液;および3)本明細書に開示される植物用薬剤組成物(処理済み発酵上清90%と界面活性剤10%)の2%溶液のうちの1つに浸漬することによって各グループを2分間前処理した。処理済み種子を無菌砂に播き、次いでソイルグローワ―(soil grower)に7~10日間置き、発芽させた。発芽率、苗丈および根長を求めることにより発芽効果を評価した。この試験を4回実施した。その結果から、イネ種子品種Oryzica 1の種子を処理しても、測定した変数、すなわち発芽率、苗丈および根長に差はみられないことがわかった。
【0161】
別の試験では、イネ苗の成長に対する本明細書に開示される植物用薬剤組成物の効果を評価した。イネ品種Oryzica 1の苗を苗20本からなるグループに分け、予め滅菌しイネの良好な発育に必要な栄養量を満たすよう適切に施肥した土壌を入れたプランターに移植した。苗を5つのプランターからなる3つのグループに分けた。苗を20日間、3種類のうちの1つの溶液2mLで連日処理した。グループ1を蒸留水(対照)で処理し;グループ2を本明細書に開示される植物用薬剤組成物(処理済み発酵上清92%と界面活性剤8%)の2%溶液で処理し;グループ3を本明細書に開示される植物用薬剤組成物(処理済み発酵上清90%と界面活性剤10%)の2%溶液で処理した。20日にわたる期間の終了時、苗丈、茎生産量および穀粒収量に関するデータを得た。
【0162】
結果から、処理群1および2に対照群1と比較して有意な改善がみられることがわかった。例えば、1つの評価I、円錐花序(ばらけて枝分かれした花の房)成長に対する茎成長の比。対照群1は、茎/円錐花序比(15.4/12.2)が大きく、極めて短い円錐花序を有する長い茎が多く、穀粒生産量が少ないことがわかった。処理群1および処理群2はこれよりも茎/円錐花序比が好ましいものであり(それぞれ10.4/7.4および12.2/10.2)、高い穀粒収量が得られる。処理群2は処理群1よりも茎/円錐花序比が優れており、十分な円錐花序を有する長い茎が得られることがわかった。さらに、得られた円錐花序のうち、対照群1には空の穀粒(米粒で埋まっていない)が13.5%含まれており、このことは不稔であることを示している。処理群2には空の穀粒が6.4%であり、処理群3は空の穀粒が3.9%であった。このように、本明細書に開示される植物用薬剤組成物で処理することにより植物の不稔性が減少した。さらに、1植物体当たりの穀粒については、処理群2では対照群1と比較して14%多く生産され、処理群3では対照群1と比較して64%多く生産された。さらに、根の成長については、処理群2では対照群1と比較して55%の増大がみられ、処理群3では対照群1と比較して104%の増大がみられた。以上をまとめると、本明細書に開示される植物用薬剤組成物の2%溶液でイネ植物を処理したところ、有意な利益が観察された。
【0163】
実施例7
トマトを用いた試験
この実施例は、トマトの植物体成長および果実生産に対する本明細書に開示される植物用薬剤組成物の効果を示すものである。
【0164】
トマト苗を温室にて砂40%と有機堆肥60%とからなる土壌で栽培した。化学肥料も尿素も使用しなかったが、ウシ堆厩肥を適用した。トマト苗を2つのグループに分けた。対照群には、蒸留水(対照)を6か月間、連日点滴灌漑する苗を含めた。処理群には、本明細書に開示される植物用薬剤組成物(処理済み発酵上清90%と界面活性剤10%)の1:400希釈物を点滴灌漑する苗を含めた。6か月間にわたり月1回、植物を評価した。植物体成長および果実生産を評価した。
【0165】
結果から、処理群に対照群と比較して有意な改善がみられることがわかった。例えば、処理群の植物は、6か月の期間全体を通じて対照群よりも強く頑丈であった。さらに、この試験での対照群の死亡率は30%であったが、処理群は100%の生存率を示した。さらに、処理群の植物では5か月間、なおも開花および結実が見られたが、対照群では3か月後に開花および結実が停止した。最後に、処理群の最終作物収量は対照群の収量の2倍を上回った。例えば、対照群ではトマトが720Kg得られたが、処理群ではトマトが1,715Kg得られた。以上をまとめると、本明細書に開示される植物用薬剤組成物の2%溶液でトマト植物を処理したところ、有意な利益が観察された。
【0166】
同様の試験をパセリで実施した。結果は、本明細書に開示される植物用薬剤組成物の2%溶液で処理した処理群から、蒸留水で処理した対照群の5倍のパセリが収穫できることを示していた。
【0167】
同様の試験をナスで実施した。結果は、本明細書に開示される植物用薬剤組成物の2%溶液で処理した処理群から、蒸留水で処理した対照群よりも28%多くナスが収穫できることを示していた。
【0168】
実施例8
オリーブ樹を用いた試験
この実施例は、オリーブ樹の成長および果実生産に対する本明細書に開示される植物用薬剤組成物の効果を示すものである。
【0169】
果樹園で栽培しているオリーブ樹を2つのグループに分けた。対照群の樹には、蒸留水(対照)を2シーズンにわたって点滴灌漑した。処理群には、本明細書に開示される植物用薬剤組成物(処理済み発酵上清90%と界面活性剤10%)の1:400希釈物を2シーズンにわたって点滴灌漑した。試験期間中、植物を月1回評価した。植物体成長および果実生産を評価した。
【0170】
結果から、処理群に対照群と比較して有意な改善がみられることがわかった。例えば、処理群では、対照群よりも約35%~約40%多くオリーブが得られた。さらに驚くべきことに、対照群が1年置きに結実したのに対し、処理群のオリーブ樹は毎年結実した。最後に、油、特にフェノール類の風味が増強され、したがって、処理群ではオリーブ樹の油の風味または品質が対照群と比較して改善されていた。
【0171】
本明細書に開示される植物用薬剤組成物の1:1000希釈物を用いてさらに試験を実施したところ、ほぼ同じ結果が得られた。
【0172】
クルミ樹およびアーモンド樹でもほぼ同じ結果が観察された。
【0173】
実施例9
タバコを用いた試験
この実施例は、タバコの成長および果実生産に対する本明細書に開示される植物用薬剤組成物の効果を示すものである。
【0174】
タバコ苗を畑で栽培した。タバコ苗を2つのグループに分けた。対照群には、蒸留水(対照)を6か月間にわたって連日点滴灌漑する苗を含めた。処理群には、本明細書に開示される植物用薬剤組成物(処理済み発酵上清90%と界面活性剤10%)の1:400希釈物を点滴灌漑する苗を含めた。畑に移植した後、処理群には、本明細書に開示される植物用薬剤組成物の1:800希釈物を点滴灌漑する苗を含めた。6か月間にわたり月1回、植物を評価した。植物体成長および果実生産を評価した。
【0175】
結果から、処理群に対照群と比較して有意な改善がみられることがわかった。例えば、処理群のタバコ作物は、対照群と比較して成長量が約40%~約50%多かった。さらに、処理群のタバコ作物の方が、根の成長量が大きく、苗の生存率が高かった。
【0176】
温室内で試験を実施したものの、大麻でもほぼ同じ結果が観察された。
【0177】
実施例10
植物病害に関する試験
この実施例は、本明細書に開示される病原体を原因とする植物病害の処置に対する本明細書に開示される植物用薬剤組成物の効果を示すものである。
【0178】
噴霧ボトルを用いて、真菌の寄生を原因とする斑点病を有するバラを本明細書に開示される植物用薬剤組成物の1:200希釈物で処置した。1~2週間後、真菌の寄生はみられなくなった。
【0179】
点滴灌漑システムを用いて、真菌の寄生を原因とする胴枯病を有するオリーブ樹を本明細書に開示される植物用薬剤組成物の1:1000希釈物で処置した。1~2週間後、真菌の寄生はみられなくなった。
【0180】
点滴灌漑システムを用いて、細菌の寄生を原因とする胴枯病を有するオリーブ樹を本明細書に開示される植物用薬剤組成物の1:1000希釈物で処置した。1~2週間後、細菌の寄生はみられなくなった。
【0181】
最後に、本明細書の諸態様は具体的な実施形態を参照することにより明らかにされているが、当業者にはこれらの開示される実施形態が本明細書に開示される主題の原理を単に例示したものにすぎないことが理解されることを理解するべきである。したがって、本開示の主題は、特に明記されない限り、本明細書に記載される特定の化合物、組成物、物品、装置、方法論、プロトコルおよび/または試薬などに決して限定されるわけではないことを理解するべきである。さらに、当業者には、本明細書の教示に従って、本明細書の趣旨に逸脱することなく特定の変更、修正、並べ替え、改変、追加、控除およびそのサブコンビネーションを施し得ることが理解されよう。したがって、のちの添付の「特許請求の範囲」およびそれ以降に挿入される請求項には、そのような変更、修正、並べ替え、改変、追加、控除およびサブコンビネーションがいずれもその真の趣旨および範囲内にあるものとして含まれるものと解釈されるものとする。
【0182】
本明細書には、本発明を実施するうえで本発明者らの知る最良の形態を含めた本発明の特定の実施形態が記載されている。当然のことながら、当業者が上記の記載を読めば、これらの記載されている実施形態に対する変形形態が明らかになるであろう。本発明者は、当業者が必要に応じてそのような変形形態を用いることを予想するほか、本発明が本明細書に具体的に記載されるもの以外の方法で実施されることを意図する。したがって、本発明には、本明細書に添付される「特許請求の範囲」に記載される主題に関して準拠法によって認められる修正形態および均等物がすべて含まれる。さらに、本明細書に別途明示されるか、文脈に矛盾することが明らかである場合を除き、上記の実施形態を考え得る様々な形で任意に組み合わせたものが本発明に包含される。
【0183】
本発明の代替的な実施形態、要素または段階のグループ分けは限定的なものとして解釈されるべきではない。グループのメンバーはそれぞれ、個別に、または本明細書に開示される他のグループのメンバーと任意に組み合わさって、言及または特許請求され得る。利便性および/または特許性を理由に、あるグループの1つまたは複数のメンバーがグループに包含されるか、グループから削除され得ることが予想される。このような包含または削除がある場合、本明細書は、そのグループを修正されたものとして、したがって、添付の「特許請求の範囲」に用いられるあらゆるマーカッシュ群の記載を満たすものとして含むと見なされる。
【0184】
特に明示されない限り、本明細書および請求項で使用され、特徴、項目、量、パラメータ、特性、期間などを表す数値はいずれも、すべての場合において「約」という用語によって修正されるものと理解されるべきである。本明細書で使用される「約」という用語は、そのように修飾された特徴、項目、量、パラメータ、特性または期間が、記載される特徴、項目、量、パラメータ、特性または期間の数値の上下10パーセントの範囲までを包含することを意味する。したがって、別途明示されない限り、本明細書および添付の「特許請求の範囲」に記載される数値パラメータは、変化し得る近似値である。例えば、質量分析機器では、所与の分析物の質量を決定する際にごくわずかな差がみられることがあるため、イオンの質量またはイオンの質量/電荷比と関連して用いられる「約」という用語は、+/-0.50原子質量単位を指す。少なくとも、また請求項の範囲への均等論の適用を制限することを試みるものではないが、各記載数値は少なくとも、報告される有効桁数を考慮に入れ、通常の丸め法を適用することによって解釈されるべきである。
【0185】
実施形態または実施形態の態様に関連して「may(~し得る、~であってよい)」または「can(~し得る、~することができる、~であってよい)」という用語が使用される場合、「may not」または「cannot」というもう1つの意味もそれに付随する。したがって、本明細書が、ある実施形態または実施形態の態様が本発明の主題の一部として含まれ得ることを開示する場合、同時に、消極的限定または排他的条件も明確に意味し、ある実施形態または実施形態の態様が本発明の主題の一部としては含まれ得ないことを意味する。同様に、実施形態または実施形態の態様に関連して「任意選択で」という用語は使用される場合、そのような実施形態または実施形態の態様が、本発明の主題の一部として含まれ得るか、本発明の主題の一部としては含まれ得ないことを意味する。このような消極的限定または排他的条件が適用されるかどうかは、特許請求される主題にその消極的限定または排他的条件が記載されるかどうかに基づく。
【0186】
本発明の広い範囲を記載する数値範囲および数値は近似値であるが、具体例に記載される数値範囲および数値は、可能な限り正確に報告したものである。しかし、いかなる数値範囲または数値にも本来、それぞれの試験測定にみられる標準偏差から必然的に生じる何らかの誤差が含まれる。本明細書に数値の範囲が記載される場合、それは、その範囲内に収まる別個の数値に個別に言及するのを省略する方法の1つとしての役割を果たしているにすぎない。本明細書に特に明示されない限り、数値範囲の個々の数値は、それが個別に本明細書に記載された場合と同様に本明細書に組み込まれる。
【0187】
本発明の記載に関連して(特に、のちの請求項に関連して)使用される「a」、「an」および「the」という用語ならびにこれと同様の指示語は、本明細書に別途明示されるか、文脈に矛盾することが明らかである場合を除き、単数および複数をともに包含するものとして解釈されるべきである。さらに、記載される要素の順序を示す語、例えば「第一」、「第二」、「第三」などは、特に明記されない限り、要素同士を区別するために使用されるものであって、その数の要素が必要とされる、またはそれに限定されることを明示するものでも暗示するものでもなく、また、そのような要素の特定の位置も順序も示すものではない。本明細書に記載される方法はいずれも、本明細書に別途明示されるか、文脈に矛盾することが明らかである場合を除き、任意の適切な順序で実施することができる。本明細書に記載されるあらゆる例または例示的語句(例えば、「など」)の使用は、単に本発明の理解を容易にすることを意図するものであって、別途特許請求される本発明の範囲を限定するものではない。本明細書で用いられる語句はいずれも、本発明の実施に不可欠であり特許請求されない何らかの要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0188】
オープンエンドな移行語「comprising(~を含む)」(ならびにincluding(含む)、containing(含む)およびhaving(有する)など、これに相当するオープンエンドな移行句)が、出願されたものであるか補正により追加されたものであるかを問わず請求項で使用される場合、それには、明記されるあらゆる要素、限定、段階および/または特徴が単独で、または未記載の主題と組み合わさって包含され、その指定の要素、限定および/または特徴は不可欠なものであるが、それ以外の指定されない要素、限定および/または特徴は、それを加えてもなお、請求項の範囲内の構築物を形成し得るものである。本明細書に開示される特定の実施形態は、請求項において「comprising」の代わりにまたはその補正としてクローズドエンドな移行句「consisting of(~からなる)」または「consisting essentially of(~から実質的になる)」を使用することによって、さらに限定され得る。クローズドエンドな移行句「consisting of」が、出願されたものであるか補正により追加されたものであるかを問わず請求項で使用される場合、それは、請求項に明記されない要素、限定、段階または特徴を一切除外するものである。クローズドエンドな移行句「consisting essentially of」は、請求項の範囲を、明記される要素、限定、段階および/または特徴のほか、特許請求される主題の基礎をなす新規な特徴(1つまたは複数)に実質的に影響を及ぼさない他の任意の要素、限定、段階および/または特徴に限定するものである。したがって、オープンエンドな移行句「comprising」の意味は、具体的に記載される要素、限定、段階および/または特徴のほかにも、明記されない任意選択の追加の要素、限定、段階および/または特徴をすべて包含するものと定義される。クローズドエンドな移行句「consisting of」の意味は、請求項に具体的に記載される要素、限定、段階および/または特徴のみを含むものと定義されるのに対し、クローズドエンドな移行句「consisting essentially of」の意味は、請求項に具体的に記載される要素、限定、段階および/または特徴ならびに特許請求される主題の基礎となる新規な特徴(1つまたは複数)に実質的に影響を及ぼさない要素、限定、段階および/または特徴のみを含むものと定義される。したがって、オープンエンドな移行句「comprising」(およびこれに相当するオープンエンドな移行句)の意味には、限定する場合として、クローズドエンドな移行句「consisting of」または「consisting essentially of」によって明記され特許請求される主題が含まれる。したがって、語句「comprising」を用いて本明細書に記載されるか、そのように特許請求される実施形態は、明示的にまたは本質的に、句「consisting essentially of」および「consisting of」に関して明確に記載され、効力を有し、支持されるものである。
【0189】
本明細書で参照および確認される特許、特許公開および他の刊行物はいずれも、例えば、そのような刊行物に記載され本発明と関連して用いられ得る組成物および方法論を記載および開示する目的で、個別にかつ明示的にその全体が参照により本明細書に組み込まれる。これらの刊行物は、単に本願の出願日よりも前に開示されたという理由で記載されるものである。これに関して、いかなる点においても、先行発明であることなどを理由に本発明者らがそのような開示に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。これらの文献の日付に関する記載または内容に関する説明はいずれも、本出願者らに入手可能な情報に基づくものであり、これらの文献の日付または内容の正確さに関する承認となるものではない。
【0190】
最後に、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態の記載のみを目的とするものであり、請求項によってのみ定められる本発明の範囲を限定することを意図するものではない。したがって、本発明は、図示および記載される通りのものに正確に限定されるわけではない。