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特許7177710航空機用プライバシードア、及びドアフレームアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】航空機用プライバシードア、及びドアフレームアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B64D 11/00 20060101AFI20221116BHJP
【FI】
B64D11/00
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019008975
(22)【出願日】2019-01-23
(65)【公開番号】P2019167085
(43)【公開日】2019-10-03
【審査請求日】2022-01-19
(31)【優先権主張番号】62/628,254
(32)【優先日】2018-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/935,318
(32)【優先日】2018-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】モヴセシアン, サミ
(72)【発明者】
【氏名】ザウアー, スティーヴン エイチ.
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0052227(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0092951(US,A1)
【文献】特表2008-509039(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0346091(US,A1)
【文献】特開2003-137190(JP,A)
【文献】特開2010-215095(JP,A)
【文献】特表2005-503288(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0066930(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 11/00
B64C 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機(400)のフライトデッキドア(104)に対してプライバシードア(101)を設置する方法(600)であって、前記フライトデッキドア(104)は、前記フライトデッキドア(104)が閉鎖位置(106)にあるとき、前記航空機(400)のフライトデッキ領域(200)を、前記航空機(400)の客室領域(300)から分離するものであり、当該方法(600)は、
ドアフレーム(107)を前記客室領域(300)に前記フライトデッキドア(104)の後方で配置することであって、該ドアフレーム(107)は、第一の支柱(108)及び第二の支柱(109)を備え、該第二の支柱(109)は、ラッチ凹部(111)を有し、前記ドアフレーム(107)は、前記ドアフレーム(107)を前記航空機(400)の隣接構造(120)に結合するための接続部(119)を備える、ドアフレーム(107)を前記客室領域(300)に前記フライトデッキドア(104)の後方で配置すること、
前記ドアフレーム(107)を前記航空機(400)に結合すること、及び
前記プライバシードア(101)が前記閉鎖位置(103)にあるとき、前記プライバシードア(101)が前記客室領域(300)を前記プライバシードア(101)と前記フライトデッキドア(104)との間にある中間客室領域(301)と、前記プライバシードア(101)の後方にある主客室領域(302)と分離するように、一組のヒンジ(124)によって前記プライバシードア(101)を前記第一の支柱(108)に結合させることであって、該プライバシードア(101)は、前記一組のヒンジ(124)によって前記中間客室領域(301)内に開放位置(102)へと回転可能であり、前記プライバシードア(101)は、該プライバシードア(101)が前記閉鎖位置(103)にあるとき、前記ラッチ凹部(111)を係合させるために配設された減圧ラッチ(112)を備え、該減圧ラッチ(112)は、前記プライバシードア(101)の前方で検知された前記航空機(400)の減圧に応じて、前記ラッチ凹部(111)から解除されるように構成されており、前記ドアフレーム(107)を前記航空機(400)に結合させることは、前記ドアフレーム(107)が、前記隣接構造(120)に対して少なくとも1の動き自由度を保つように、前記接続部(119)を前記隣接構造(120)に結合させることを含む、一組のヒンジ(124)によって前記プライバシードア(101)を前記第一の支柱(108)に結合させること、
を含む、方法(600)。
【請求項2】
前記第二の支柱(109)が、開放位置(114)と、前記減圧ラッチ(112)を前記ラッチ凹部(111)内に保持するように構成された閉鎖位置(115)との間で動かすことができる、ゲート(113)を備え、
前記方法はさらに、
前記ゲート(113)を前記開放位置(114)へと動かすことにより、前記ゲート(113)が前記減圧ラッチ(112)を前記ラッチ凹部(111)に保持しないようにするため、フライトデッキケーブル(117)が前記フライトデッキ領域(200)から操作可能であるように、前記フライトデッキケーブル(117)を前記ゲート(113)から前記フライトデッキ領域(200)へと延ばすこと
を含む、請求項1に記載の方法(600)。
【請求項3】
主客室ケーブル(118)を、ゲート(113)から前記第二の支柱(109)を通じて前記主客室領域(302)へと延ばすことであって、該主客室ケーブル(118)は、前記ゲート(113)を閉鎖位置(115)から開放位置(114)へと移動させるために前記主客室領域(302)から操作可能であり、これによって前記ゲート(113)は、前記減圧ラッチ(112)を前記ラッチ凹部(111)に保持しなくなり、前記プライバシードア(101)が前記主客室領域(302)から開けられるようになる、主客室ケーブル(118)を、ゲート(113)から前記第二の支柱(109)を通じて前記主客室領域(302)へと延ばすこと、
をさらに含む、請求項1又は2に記載の方法(600)。
【請求項4】
前記接続部(119)が、前記第一の支柱(108)の上端(122)に配置されたスリップピン(121)を備え、前記隣接構造(120)が、シーリングブラケット(123)を備え、前記接続部(119)を前記隣接構造(120)に結合することは、前記ドアフレーム(107)が前記シーリングブラケット(123)に対して少なくとも2の動き自由度を保つように、前記スリップピン(121)を前記シーリングブラケット(123)に結合させることを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法(600)。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法(600)であって、
前記プライバシードア(101)は、前記プライバシードア(101)が開放位置(102)にあるとき、及びスラムラッチ(130)が第一の位置(135)にあるとき、前記ドアフレーム(107)の前記第一の支柱(108)にあるスロット(131)と係合するように配置されたスラムラッチ(130)を有し、
さらに、
前記一組のヒンジ(124)によって前記プライバシードア(101)を前記第一の支柱(108)に結合させた後、前記プライバシードア(101)を前記開放位置(102)へと回転させること、及び
前記スラムラッチ(130)を前記スロット(131)内に係合させること
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法(600)。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法(600)であって、
スラムラッチ(130)が、プライバシードア(101)の前方側(133)に配置されたレバー(132)に結合されており、
さらに、
前記スラムラッチ(130)を前記第一の支柱(108)から離れて第二の位置(136)へと動かすために前記レバー(132)を操作することを含み、前記スラムラッチ(130)を前記第二の位置(136)へと動かすことにより前記スラムラッチ(130)がスロット(131)から解除される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法(600)。
【請求項7】
航空機(400)のフライトデッキドア(104)に対して航空機(400)に組み込むためのプライバシードアアセンブリ(150)であって、
第一の支柱(108)及び第二の支柱(109)を備えるドアフレーム(107)であって、前記第二の支柱(109)がラッチ凹部(111)を有する、ドアフレーム(107)、
前記ドアフレーム(107)を前記航空機(400)の隣接構造(120)に結合するための接続部(119)であって、該接続部(119)は、前記航空機(400)の前記隣接構造(120)に結合されると、ドアフレーム(107)について、前記隣接構造(120)に対する少なくとも1の動き自由度をもたらす、接続部(119)、及び
一組のヒンジ(124)により前記第一の支柱(108)に対して回転式に結合可能なプライバシードア(101)であって、該プライバシードア(101)は、該プライバシードア(101)が前記ドアフレーム(107)内で閉鎖位置(103)にあるとき、ラッチ凹部(111)を係合させるために配設された減圧ラッチ(112)を有し、該減圧ラッチ(112)は、前記プライバシードア(101)の前方側(133)で検知された減圧に応じて前記ラッチ凹部(111)から解除されるように構成されている、プライバシードア(101)
を備え、
前記ドアフレーム(107)及び前記プライバシードア(101)は、前記フライトデッキドア(104)が前記閉鎖位置(106)にあるとき、前記航空機(400)のフライトデッキ領域(200)を前記航空機(400)の客室領域(300)から分離するように、前記航空機(400)内において客室領域(300)に前記フライトデッキドア(104)の後方で配置可能である、プライバシードアアセンブリ(150)。
【請求項8】
前記一組のヒンジ(124)が、前記減圧ラッチ(112)及び前記ラッチ凹部(111)が解除されたときに前記プライバシードア(101)を前記閉鎖位置(103)から開放位置(102)へと付勢するために配置されたヒンジばね(125)を備える、請求項7に記載のプライバシードアアセンブリ(150)。
【請求項9】
前記プライバシードア(101)は、該プライバシードア(101)が開放位置(102)にあるとき、及びスラムラッチ(130)が第一の位置(135)にあるとき、前記ドアフレーム(107)の前記第一の支柱(108)にあるスロット(131)と係合するように配置されたスラムラッチ(130)を備え、該スラムラッチ(130)は、前記プライバシードア(101)の前方側(133)に配置されたレバー(132)に結合されており、該レバー(132)は、前記スラムラッチ(130)を前記第一の支柱(108)から離れて第二の位置(136)へと動かすために操作可能であり、これによって、前記スラムラッチ(130)が前記スロット(131)から解除される、請求項7又は8に記載のプライバシードアアセンブリ(150)。
【請求項10】
前記プライバシードア(101)がさらに、スラムラッチ(130)を前記第一の支柱(108)へと付勢するために配置されたスラムラッチばね(137)を備え、前記第一の支柱(108)は円筒形ストライカ(138)を備え、該円筒形ストライカ(138)はスロット(131)を備える、請求項7から9のいずれか一項に記載のプライバシードアアセンブリ(150)。
【請求項11】
前記プライバシードア(101)がさらに、前記減圧ラッチ(112)を前記第一の支柱(108)へと付勢するために配置された減圧ばね(126)を備え、これによって、前記プライバシードア(101)の前方側(133)で検知された減圧に応じて、前記減圧ラッチ(112)が前記ラッチ凹部(111)から解除される、請求項7から10のいずれか一項に記載のプライバシードアアセンブリ(150)。
【請求項12】
前記第二の支柱(109)が、開放位置(114)と、前記減圧ラッチ(112)を前記ラッチ凹部(111)内に保持するように構成された閉鎖位置(115)との間で動かすことができる、ゲート(113)を有し、該ゲート(113)は、前記第二の支柱(109)の前方側(110)に配置されたノブ(127)に結合されており、該ノブ(127)は、前記ゲート(113)を前記開放位置(114)へと動かすために操作可能であり、これによって、前記ゲート(113)が前記減圧ラッチ(112)を前記ラッチ凹部(111)内に保持しなくなる、請求項7から11のいずれか一項に記載のプライバシードアアセンブリ(150)。
【請求項13】
さらに、前記ゲート(113)へと結合可能な、前記第二の支柱(109)から前記プライバシードア(101)前方のフライトデッキへと延ばすことができるフライトデッキケーブル(117)を備え、該フライトデッキケーブル(117)は、前記ゲート(113)を前記閉鎖位置(115)から前記開放位置(114)へと移動させるために操作可能であり、これによって前記ゲート(113)が前記減圧ラッチ(112)を前記ラッチ凹部(111)に保持しなくなる、請求項12に記載のプライバシードアアセンブリ(150)。
【請求項14】
前記ゲート(113)に結合可能な、前記プライバシードア(101)後方の前記第二の支柱(109)から延ばすことができる主客室ケーブル(118)を備え、該主客室ケーブル(118)は、前記ゲート(113)を前記閉鎖位置(115)から前記開放位置(114)へと動かすために操作可能であり、これによって、前記ゲート(113)が前記減圧ラッチ(112)を前記ラッチ凹部(111)内に保持しなくなる、請求項12に記載のプライバシードアアセンブリ(150)。
【請求項15】
前記プライバシードア(101)がさらに、
隙間(142)、及び
前記プライバシードア(101)に対して回転式に結合されているパネル(143)であって、該パネル(143)は、前記プライバシードア(101)を係合するとともに前記パネル(143)を前記閉鎖位置(145)に維持するように構成されたパネル減圧ラッチ(146)を備え、これによって前記パネル(143)が前記隙間(142)を覆い、該パネル(143)は、前記閉鎖位置(145)から開放位置(144)へと前記プライバシードア(101)の後方側(134)で回転可能であり、前記パネル減圧ラッチ(146)はさらに、前記プライバシードア(101)の後方側(134)で検知された減圧に応じて、前記プライバシードア(101)から解除されるように構成されている、パネル(143)、
を備える、請求項7から14のいずれか一項に記載のプライバシードアアセンブリ(150)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般的に、航空機用プライバシードア、及びこれに関連するフレームアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機が地上にある間、また飛行中の双方において、フライトデッキ又はコクピットを航空機の客室から分離するフライトデッキドアを開けることが、必要になり得る。例えば、地上で搭乗員を入れ替えるときには、一人の搭乗員がフライトデッキから出て、別の搭乗員がフライトデッキに入ることになる。旅客機の場合、このようなことは、乗客が降機及び搭乗している間にしばしば起こり、これはよく、フライトデッキに隣接した航空機前部の近くで発生する。このような状況では、フライトデッキと航空機の客室との間に分離をもたらすことが望ましいだろう。時には、搭乗員が航空機に出入りする間、単純にカーテンを引いて、フライトデッキを客室領域から分離する。
【0003】
同様に、飛行中では、搭乗員のうちの一人が一時的にフライトデッキを出る必要に迫られることがあり、フライトデッキドアを開けたままにしておく必要がある。これらの状況ではまた、飛行中にフライトデッキドアを開けたままにしておかなければならない場合、必要となり得るプライバシー若しくは安全面、又はこれらの双方のために、客室領域をフライトデッキから分離することが望ましいだろう。
【0004】
飛行中、及び地上にあるときの双方で航空機の異なる領域を分離するための改善されたやり方が、必要とされる。
【発明の概要】
【0005】
1つの例では、航空機のフライトデッキに対してプライバシードアを設置する方法が記載され、このフライトデッキドアは、閉鎖位置にあるとき、航空機のフライトデッキ領域を、航空機の客室領域から分離するものである。この方法は、ドアフレームを客室領域にフライトデッキドアの後方で配置することを含み、このドアフレームは、第一の支柱及び第二の支柱を備え、この第二の支柱は、ラッチ凹部を有するものである。この方法はまた、ドアフレームを航空機に結合させることを含む。この方法はまた、プライバシードアが閉鎖位置にあるとき、客室領域をプライバシードアとフライトデッキドアとの間にある中間客室領域と、プライバシードアの後方にある主客室領域と分離するように、プライバシードアを一組のヒンジによって第一の支柱に結合させることを含み、このプライバシードアは、プライバシードアが閉鎖位置にあるとき、ラッチ凹部を係合させるために配設された減圧ラッチを備え、この減圧ラッチは、プライバシードアの前方で検知された航空機の減圧に応じて、ラッチ凹部から解除されるように構成されている。
【0006】
別の例では、フライトデッキドアを含むプライバシードアシステムが記載され、このフライトデッキドアは、閉鎖位置にあるとき、航空機のフライトデッキ領域を航空機の客室領域から分離するものである。プライバシードアシステムはまた、プライバシードアが閉鎖位置にあるとき、客室領域を、プライバシードアとフライトデッキドアとの間にある中間客室領域と、プライバシードアの後方にある主客室領域とに分離するように、航空機の客室領域内に、かつフライトデッキドアの後方に設けられたプライバシードアを備え、このプライバシードアはさらに、減圧ラッチを備える。プライバシードアシステムはまた、第一の支柱及び第二の支柱を備えるドアフレームを有し、このプライバシードアは、プライバシードアが中間客室領域内へと開放位置に回転可能であるように、一組のヒンジにより第一の支柱に回転式に結合されている。このプライバシードアシステムはまた、第二の支柱内に配置されたラッチ凹部を備え、このラッチ凹部は、プライバシードアが閉鎖位置にあるとき、プライバシードアの減圧ラッチと係合するように配設されており、この減圧ラッチは、プライバシードアの前方で検知された航空機の減圧に応じて、ラッチ凹部から解除されるように構成されている。
【0007】
別の例では、航空機のフライトデッキドアに関連して航空機に組み込むためのプライバシードアアセンブリが、記載される。プライバシードアアセンブリは、第一の支柱及び第二の支柱を有するドアフレームを備え、第二の支柱は、ラッチ凹部を有する。プライバシードアアセンブリはまた、一組のヒンジにより第一の支柱に対して回転式に結合可能なプライバシードアを備え、このプライバシードアは、プライバシードアがドアフレーム内で閉鎖位置にあるとき、ラッチ凹部を係合させるために配設された減圧ラッチを有し、この減圧ラッチは、プライバシードアの前方で検知された減圧に応じて、ラッチ凹部から解除されるように構成されている。
【0008】
別の例では、フライトデッキドアを備える航空機が記載され、このフライトデッキドアは、閉鎖位置にあるとき、航空機のフライトデッキ領域を航空機の客室領域から分離するものである。この航空機はまた、プライバシードアが閉鎖位置にあるとき、客室領域を、プライバシードアとフライトデッキドアとの間にある中間客室領域と、プライバシードアの後方にある主客室領域とに分離するように、航空機の客室領域内に、かつフライトデッキドアの後方に設けられたプライバシードアを備え、このプライバシードアはさらに、減圧ラッチを備える。この航空機はまた、第一の支柱及び第二の支柱を備えるドアフレームを有し、プライバシードアは、プライバシードアが中間客室領域内へと開放位置に回転可能であるように、一組のヒンジにより第一の支柱に回転式に結合されている。この航空機はまた、第二の支柱内に配置されたラッチ凹部を備え、このラッチ凹部は、プライバシードアが閉鎖位置にあるとき、プライバシードアの減圧ラッチと係合するように配設されており、この減圧ラッチは、プライバシードアの前方で検知された航空機の減圧に応じて、ラッチ凹部から解除されるように構成されている。
【0009】
別の例では、航空機におけるプライバシードアを操作するための方法が記載され、この航空機は、フライトデッキドアが閉鎖位置にあるとき、航空機のフライトデッキ領域を航空機の客室領域から分離するフライトデッキドアを備えるものである。この方法は、フライトデッキドアを閉鎖位置から開放する前にプライバシードアを閉じ、フライトデッキドアが開いているときにはプライバシードアが閉じているようにすることを含み、このプライバシードアは、プライバシードアが閉鎖位置にあるとき、プライバシードアが客室領域を、プライバシードアとフライトデッキドアとの間にある客室中間領域と、プライバシードアの後方にある主客室領域とに分離するように、航空機の客室領域内に、かつフライトデッキドアの後方に配置されており、このプライバシードアは、一組のヒンジによってドアフレームの第一の支柱に回転式に結合されており、プライバシードアを閉じることはさらに、プライバシードアの減圧ラッチを、ドアフレームの第二の支柱内に配置されたラッチ凹部と係合させることを含む。この方法は、フライトデッキドアを開けることを含む。この方法はまた、プライバシードアを開ける前にフライトデッキドアを閉じ、プライバシードアが開いているときにはフライトデッキが閉じているようにすることを含む。この方法はまた、プライバシードアを閉鎖位置から開放位置へと手動で開けることを含み、プライバシードアを手動で開けることは、減圧ラッチをラッチ凹部から解除することを含む。
【0010】
論じてきた特徴、機能及び利点は、様々な例において独立して達成できるか、又はさらに別の例において組み合わせることができ、その詳細については、以下の説明及び図面を参照することにより分かる。
【0011】
説明的な例に特徴的だと考えられる新規特徴は、添付の特許請求の範囲に規定した通りである。しかしながら説明的な例、また好ましい使用形態、さらなる対象及びその描写は、本開示の説明的な例の以下の詳細な説明を、添付図面との関連で読みながら参照することによって、最もよく理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】例示的な実施形態に従った、航空機のフライトデッキドアに対するプライバシードアの透視図を示す。
図2】例示的な実施形態に従った、航空機のフライトデッキドアに対するプライバシードアの平面図を示す。
図3】例示的な実施形態に従った、プライバシードアアセンブリの分解図を示す。
図4】例示的な実施形態に従った、図2に示した閉鎖位置にあるプライバシードアを後方に向かって見た図を示す。
図5】例示的な実施形態に従った、図4に示したパネルの断面図を、閉鎖位置及び開放位置の双方で示す。
図6】例示的な実施形態に従った、図2に示した開放位置にあるプライバシードアを機外側に向かって見た図を示す。
図7】例示的な実施形態に従った、図6に示したプライバシードアを機外側に向かって見た別の図を示す。
図8】例示的な実施形態に従った、閉鎖位置にあるプライバシードアを後方に向かって見た図を示す。
図9】例示的な実施形態に従った、閉鎖位置にあるプライバシードアを後方に向かって見た別の図を示す。
図10】A及びBは、例示的な実施形態に従った、減圧ラッチ及び第二の支柱についての内部部材を示す。
図11】例示的な実施形態に従った、航空機のシーリングブラケットに結合されたドアフレームのスリップピンを示す。
図12】例示的な実施形態に従った、航空機におけるプライバシードアを操作するための例示的な方法のフローチャートを示す。
図13】例示的な実施形態に従った、航空機のフライトデッキドアに対してプライバシードアを設置するための例示的なフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
開示した例について、これより添付図面を参照しながらより詳細に説明するが、図面には開示された例の幾つかが示されているに過ぎず、全ての例が示されているわけではない。実際に、いくつかの異なる例を説明することができ、ここに規定された例に限定されるとみなされるべきではない。これらの例はむしろ、本開示が当業者に、包括的かつ完全に本開示の範囲を伝えるように、説明される。
【0014】
ここで論じる例は、航空機のフライトデッキに対して航空機内にプライバシードアを設置及び操作するためのシステム及び方法を含む。プライバシードアは、フライトデッキドアの後方に位置付けられていてよく、フライトデッキを開けておかねばならない場合にはいつでも、閉じることができる。
【0015】
「約」、又は「実質的な」及び「実質的に」及び「ほぼ」という用語は、述べられた特徴、パラメータ又は値が、厳密に達成されなくてもよいことを意味する。むしろ、偏差又は変位(例えば許容差、測定誤差、測定精度の限界など、当業者に知られたその他要因が含まれる)は、意図された特性がもたらす効果を排除しない程度で生じ得る。
【0016】
図1及び2を参照すると、フライトデッキ200又はコクピットのすぐ後方にある、航空機400の一部が示されている。航空機400は例えば、旅客機であってよく、この航空機は、フライトデッキドア104を備えていてよい。図1及び2に示すように、フライトデッキドア104は、閉鎖位置106にあるとき、航空機400のフライトデッキ領域200を、航空機400の客室領域300から分離する。同様に、図1及び2に示され、以下で詳細に論じる前方バルクヘッド201は、フライトデッキ領域200を、航空機400の客室領域300から分離する。
【0017】
前述のように、幾つかの状況(例えば、フライトデッキドア104を開放位置105に動かすことが必要な場合の間)では、航空機400におけるフライトデッキ領域200及び/又は搭乗員のプライバシー及び/又は安全を維持することが、望ましいことがあり得る。従って、航空機400は、航空機400の客室領域300内に、かつフライトデッキドア104の後方に設けられたプライバシードア101を備える。プライバシードア101は、閉鎖位置103にあるとき、客室領域300を、プライバシードア101とフライトデッキドア104との間にある中間客室領域301と、プライバシードア101の後方にある主客室領域302とに分離する。この構成において、プライバシードア101は、フライトデッキドア104を開けたままにしておく必要があるとき、閉じることができる。フライトデッキドア104及びプライバシードア101はともに、図1の透視図で示したように、プライバシードアシステム100の一部であると考えることができる。
【0018】
図2は、フライトデッキドア104及びプライバシードア101について閉鎖位置と開放位置の双方を破線で表した平面図である。図2は、中間客室領域301を示し、これには例えば、化粧室303が含まれる。図2はまた、プライバシードア101の2つの断面図を示している。4-4で示した第一の断面図は、プライバシードア101が閉鎖位置103にあるとき、後方に面しており、図4にその詳細が示されている。プライバシードアの第二の断面図は、6-6で示されており、プライバシードア101が開放位置102にあるとき、航空機400の右側に向かう機外方向に面しており、図6にその詳細が示されている。
【0019】
航空機400のプライバシードアシステム100はさらに、ドアフレーム107を備え、これはプライバシードア101との関連では、図3の分解図に示した通り、プライバシードアアセンブリ150と考えることもできる。図3に示したように、ドアフレーム107は、第一の支柱108及び第二の支柱109を備えることができる。プライバシードア101は、図2からも分かるように、プライバシードア101が、中間客室領域301へと開放位置102に回転可能なように、一組のヒンジ124により第一の支柱108に回転式に結合可能である。
【0020】
図3に示したように、ラッチ凹部111は、ドアフレーム107の第二の支柱109内に配置されていてよい。ラッチ凹部111は、プライバシードア101が閉鎖位置103にあるとき、プライバシードア101の減圧ラッチ112と係合するように配設されている。さらに、減圧ラッチ112は、プライバシードア101の前方で検知された航空機400の減圧に応じて、ラッチ凹部111から解除されるように構成されていてよい。
【0021】
幾つかの実施形態において、プライバシードア101は一般的に、航空機の稼働中には、搭乗員(例えばフライトアテンダント)が中間客室領域301と主客室領域302との間を移動するので、開いたままであり、その一方でフライトデッキドア104は一般的に、閉じたままである。従って、幾つかの実施形態において、一組のヒンジ124は、減圧ラッチ112及びラッチ凹部111が解除されたときに、プライバシードア101を閉鎖位置103から開放位置102へと付勢するために配置されたヒンジばね125を備えることができる。図3に示したように、一組のヒンジ124は、複数のヒンジのうちのそれぞれに、ヒンジばね125を備えることができるか、又は代替的に1つのヒンジばね125であり得る。さらに、プライバシードア101又はドアフレーム107は、減圧ラッチ112及びラッチ凹部111が解除されたときにプライバシードア101を開放位置102へと付勢するためのその他のばね又は類似の部材を、備えることができる。
【0022】
前述のように減圧ラッチ112は、プライバシードア101の前方で検知された航空機400の減圧に応じて、ラッチ凹部111から解除され得る。例えば、航空機400の減圧は、フライトデッキ領域200で検知されることがあり、これによって主客室領域302から、フライトデッキ領域200に向かって前方に引かれる高圧の空気が生じることがある。主客室領域302の空気体積は、フライトデッキ領域200における空気体積よりもずっと大きいことがあり得るため、前方方向への空気流量は、極めて大きいものになり得る。この状況では、減圧ラッチ112がラッチ凹部111から解除され、以下で詳細に論じるように、プライバシードア101が開けられるようにする。フライトデッキドア104も、同様に構成されていてよい。これにより、フライトデッキ領域200における減圧の間、双方のドアを完全に開けることが可能になり、これによって減圧の結果としてバルクヘッド201前方へと作用する力を減少させるのに役立ち得る。
【0023】
あるいは、航空機400の減圧は、プライバシードア101の後方で検知され得る。この状況では、フライトデッキ領域200からの高圧空気について相対的に少ない体積が、主客室領域302の相対的に大きな体積へと移動することになるため、プライバシードア101又はフライトデッキドア104を完全に開ける必要はないかもしれない。従って図3に示したように、プライバシードア101は、ベント140を図3に示したように有することができる。ベント140は、プライバシードア101が閉鎖位置103にあるとき、中間客室領域301と主客室領域302との間に流体接続を形成する複数の開口部141を備えることができる。さらに、複数の開口部141は、プライバシードアの後方で検知された航空機400の減圧に応じて、中間客室領域301から主客室領域302へと空気流量を伝えるのに充分な開放領域を有することができる。例えば、開放領域は、プライバシードア101、ドアフレーム107及び航空機400の隣接構造に過剰な構造的負荷をかけることなく、高圧空気を低圧領域に伝えるのに充分な大きさであり得る。このようにして、プライバシードア101は、客室領域302の減圧に応じて開けなくてもよいことがある。
【0024】
その他の配置構成も可能である。例えば、プライバシードア101は、図4及び5に示したように、パネル143によって覆われる隙間142を有することができる。図4は、閉鎖位置103にあるプライバシードア101を後方から見た図であり、よってプライバシードア101の前方側133を示す。図5は、隙間142及び図4に示したパネル143の断面図を示す。隙間142は前述のように、プライバシードアが閉鎖位置103にあるとき、主客室領域302の減圧に応じて、中間客室領域301から主客室領域302へと空気流量を伝えるために充分な開放領域を有することができる。パネル143は、プライバシードア101に対して回転式に結合されていてよく、このパネルは、プライバシードア101と係合して、パネル143を閉鎖位置145に保つことによってパネル143が隙間142を覆うように構成されたパネル減圧ラッチ146を、さらに備えることができる。パネル減圧ラッチ146はさらに、プライバシードア101の後方で検知された航空機400の減圧に応じて、プライバシードア101から解除されるように構成されており、パネル143は、主客室領域302へと、閉鎖位置145から開放位置144へと回転可能であり得る。
【0025】
例えば、図4及び5は、パネルの底部端に沿ってプライバシードア101に回転式に結合されたパネル143を示しており、このパネルは、その上端に沿ってパネル減圧ラッチ146を備える。従って、図5から分かるように、パネル減圧ラッチ146が、プライバシードア101から解除されるとき、パネル143は、後方へと下側に、主客室領域302内へと回転する。幾つかの実施形態において、パネル143は、プライバシードアが閉鎖されているとき、中間客室領域301と主客室領域302との間で通常の空気流を容易にするために、複数の開口部141を有することができる。しかしながら、複数の開口部141は、減圧現象から生じる空気流量を伝えるのに充分な開放領域でなくてもよく、よってパネル143は、開放位置144へと回転する。別の実施形態では、パネル143が、何ら開口部を有さない中実であり得る。その他の配置構成も可能である。
【0026】
図4は、プライバシードア101に含まれ得るスラムラッチ130を示し、このスラムラッチには、破線で示された第二の位置136及び第一の位置135を有するレバー132が含まれる。スラムラッチ130及びレバー132については、これより図6との関連で、より詳細に論じる。
【0027】
前述のように、図6に示した図は、プライバシードア101が開放位置102にあるとき、航空機400の右側に向かう機外方向を向いている。明確性を担保するため、幾つかの要素、例えば一組のヒンジ124及び第二の支柱109は、図6には示されていない。前述のように、プライバシードア101は一般的に、航空機400の稼働中には開放位置102に留まり得る。従って、プライバシードア101は、プライバシードア101が開放位置102にあるとき、及びスラムラッチ130が第一の位置135にあるとき、ドアフレーム107の第一の支柱108にあるスロット131と係合するように配置されたスラムラッチ130を有することができる。スラムラッチ130は、プライバシードア101の内部に位置付けられていてよく、このため図6では破線で示されている。
【0028】
プライバシードア101はさらに、スラムラッチ130を第一の支柱108へと付勢するために配置されたスラムラッチばね137を備えることができる。スラムラッチ130と同様、スラムラッチバネ137は、プライバシードア101内に収容されていてよい。その他の配置構成も可能である。
【0029】
さらに、スラムラッチ130は、プライバシードア101の前方側133に配置されたレバー132に結合されていてよい。図6に示された見方では、開放位置102にあるプライバシードア101が示されているため、プライバシードア101の後方側134が提示されている。よってレバー132は、プライバシードア101の反対側にあるので、図6で破線として示されている。
【0030】
レバー132は、スラムラッチ130を第一の支柱108から離れて第二の位置136へと動かすために操作可能であり、これよって、スラムラッチ130がスロット131から解除される。このことは、図6に示したのと同様にプライバシードア101を見た図7に示されている。図7から分かるように、レバー132が第一の位置135から第二の位置136へと動くにつれて、スラムラッチばね137は、縮められる。スラムラッチ130がスロット131から解除されると、プライバシードア101は、例えば開放位置102から閉鎖位置103へと回転することができる。
【0031】
スラムラッチ130をスロット131から解除した後、レバー132を解放することができ、スラムラッチばね137は、スラムラッチを第一の支柱108へと戻すように付勢することができる。これにより、プライバシードアが開放位置102から閉鎖位置103へと回転する間、スラムラッチ130を、第一の支柱108に当接させることができる。よって幾つかの実施形態では、第一の支柱108は、円筒形ストライカ138を備えることができ、この円筒形ストライカ138は、図6及び7に示したようにスロット131を備えることができる。円筒形ストライカ138は一般的に、プライバシードア101が開閉する間、第一の支柱108をスラムラッチ130による打撃から保護することができる。さらに、第一の支柱108が断面で正方形又は長方形である実施形態では、円筒形ストライカ138によって、第一の支柱108の角に結合されたスラムラッチ130の先端部無しで、プライバシードア101をより滑らかに回転させることができる。
【0032】
図8及び9では、閉鎖位置103にあるプライバシードア101を後方に向かって見た図が示されている。よって、プライバシードア101の前方側133が描写されており、レバー132が見える。さらに、レバー132は、スラムラッチ130がスロット131から解除されているので、第二の位置136にある。スラムラッチばね137は縮められており、スラムラッチ130を、第一の支柱108へと付勢し、この際にスラムラッチ130は、円筒形ストライカ138に当接している。
【0033】
幾つかの実施形態において第二の支柱109は、開放位置114と閉鎖位置115との間で動かすことができるゲート113を有する。ゲート113の閉鎖位置115は図8に示されており、その開放位置114は、図9に見て取れる。ゲート113は、減圧ラッチ112を、ラッチ凹部111内に保持するように構成されていてよい。さらに、ゲート113は、第二の支柱109の前方側110に配置されたノブ127に結合されていてよく、このノブ127は、ゲート113を開放位置114へと動かして、ゲート113が減圧ラッチ112をラッチ凹部111に保持しないように、操作可能であってよい。図9に示されたように、ゲート113及びノブ127は、上方に動かされており、これによって減圧ラッチは、ラッチ凹部111から自由に動いて出ることができる。
【0034】
この配置構成では、第二の支柱109の前方側110に配置されたノブ127により、プライバシードア101を中間客室領域301から開けることが、可能になり得る。逆に言えば、第二の支柱109の後方側には、ノブ127又はゲート113を操作するための何らかの部材がなくてもよい。よって、プライバシードア101は、ゲート113が閉鎖位置115にあるとき、取っ手又はノブによって主客室領域302から操作可能でなくてもよく、これによってプライバシードア101のプライバシー及び/又は安全性を強化することができる。
【0035】
それにも拘わらず、必要であれば、プライバシードア101を主客室領域302から開けられるようにすることが、望ましいこともあり得る。こうするための手段は、目立たないようになっていてよいが、客室乗務員、搭乗員その他にとっては分かるようになっていてよい。ゲート113は例えば、第二の支柱109から航空機400の主客室領域302に延びる主客室ケーブル118に、結合されていてよい。主客室ケーブル118は、ゲート113を閉鎖位置115から開放位置114へと動かしてゲート113が減圧ラッチ112をラッチ凹部111に保持しなくなるように、主客室領域302から操作可能であり得る。例えば、主客室ケーブル118の操作可能部分は、主客室領域302へと延びていてよく、すぐには見えない場所、多くの可能性があるが例えばパネルの裏、又はクローゼット内などに位置付けられていてよい。
【0036】
ゲート113を開放位置114へと動かしたら、プライバシードア101を主客室領域302から押し開けることができる。幾つかの実施形態では、ゲート113を開放位置114へと動かして減圧ラッチ112がラッチ凹部111に係合しなくなると、ヒンジばね125が、プライバシードア101を開放位置102へと付勢することができる。
【0037】
幾つかの実施形態では、プライバシードア101をフライトデッキ領域200から開けられるようにすることが、好ましいこともある。1つの例では、プライバシードア101を、航空機400の飛行中に閉じることができる。例えば、客室乗務員は、自分達が主客室領域302へと入って飛行中の手順を進めるときには、スラムラッチ130を解除して、自分達の背後にあるプライバシードア101を閉じることができる。これによってフライトデッキドア104を開けることが可能になり、その結果、例えばパイロットが、中間客室領域301に入ることができ、化粧室303を使用することができる。パイロットがフライトデッキ領域200に戻り、フライトデッキドア104を閉じると、ノブ127によりプライバシードア101を再度開ける乗組員は、中間客室領域301には誰もいなくてよい。よってゲート113は、第二の支柱109から航空機400のフライトデッキ領域200に延びるフライトデッキケーブル117に、結合されていてよい。フライトデッキケーブル117は、ゲート113を閉鎖位置115から開放位置114へと動かしてゲート113が減圧ラッチ112をラッチ凹部111に保持しなくなるように、フライトデッキ領域200から操作可能であり得る。
【0038】
ここで論じるプライバシードアシステム100は、主客室ケーブル118及びフライトデッキケーブル117のいずれか、又はこれらの双方を備えることができる。先に論じた主客室ケーブル118の操作と同様に、ゲート113をフライトデッキケーブル117によって開放位置114に動かすことにより、プライバシードア101を主客室領域302から押し開けることが可能になり得る。さらに又は代替的に、ゲート113を開放位置114へと動かして減圧ラッチ112がラッチ凹部111に係合しなくなると、ヒンジばね125が、プライバシードア101を開放位置102へと付勢することができる。
【0039】
幾つかの実施形態では、プライバシードア101を閉鎖位置103へと回転させることができるが、ゲート113は、開放位置114のままであってよい。これによって、フライトデッキドア104が開かない状況では、プライバシードア101を閉じることができる。このような実施形態において、一組のヒンジ124は、プライバシードア101を開放位置102へと付勢するためのヒンジばね125を備えなくてもよい。或いは、ラッチ凹部111は、減圧ラッチ112と軽く係合してヒンジばね125がプライバシードア101を回転させないようにしながらも、乗組員がプライバシードア101を押して減圧ラッチ112を戻り止めから解除できるようにするための、小さな戻り止めを備えることができる。
【0040】
これらの実施態様において、フライトデッキケーブル117は、ゲート113を閉鎖位置115へと動かして減圧ラッチ112をラッチ凹部111内に保持するとともにプライバシードア101を閉鎖位置103でロックして、中間客室領域301を主客室領域302から確保するように、フライトデッキ領域200から操作可能であってよい。こうするとパイロットは、フライトデッキドア104を開けることができる。
【0041】
図10Aに示された例示的な実施形態では、減圧ラッチ112及び第二の支柱109について幾つかの内部部材が見られる。ゲート113は例えば、フライトデッキケーブル117により開放位置114と閉鎖位置115との間で動かすことができる。ゲート113が開放位置114にあるとき、プライバシードア101は、減圧ラッチ112がラッチ凹部111にある小さな戻り止めと係合するように、閉鎖されていてよく、この位置ではプライバシードア101が閉鎖されているものの、ゲート113によってロックされていない。プライバシードア101が閉鎖されている間、フライトデッキケーブル117は、ゲート113を開放位置114から閉鎖位置115へと動かして減圧ラッチ112をラッチ凹部111に保持するとともに、プライバシードア101を閉鎖位置103でロックするために、フライトデッキ領域200から操作可能である。ゲート113が閉鎖されており、プライバシードア101が閉鎖されている場合、プライバシードア101は、中間客室領域301を主客室領域302から確保するために、ロックされている。同様に、プライバシードア101が開いている間、フライトデッキケーブル117は、ゲート113を閉鎖位置115へと動かすためにフライトデッキ領域200から操作可能であり、主客室領域302にいる乗組員は、プライバシードア101を閉めることができ、その際に減圧ラッチ112を引っ込めて、ゲート113を通過させ、減圧ラッチ112が保持されるラッチ凹部111内にスライドさせてプライバシードア101をロックするとともに、中間客室領域301を主客室領域302から確保することができる。プライバシードア101がロックされると、搭乗員はフライトデッキ領域200から中間客室領域301へと出ることができる。この場合、プライバシードア101のロックを解除するためには、ゲート113を、減圧ラッチ112がラッチ凹部111内に保持されない開放位置114へと動かして、プライバシードア101のロックが解除され、中間客室領域301から引いて開けることができるか、又は主客室領域302から押し開けることができ、減圧ラッチ112がラッチ凹部111で小さな戻り止めから解除されるように、フライトデッキケーブル117が、フライトデッキ領域200から操作可能である。
【0042】
図10Bは、減圧ラッチ112及び閉鎖位置115にあるゲート113についての代替的な実施態様を示しており、減圧ラッチ112及び第二の支柱109についての幾つかの内部部材も示されている。例えば、ゲート113はさらに、ゲート113を閉鎖位置115へと付勢して減圧ラッチ112をラッチ凹部111に保持するために配置された、ゲートばね116を備えることができる。幾つかの実施態様では、搭乗員がフライトデッキ領域200を出ようとしており、かつプライバシードア101が開いている場合、主客室領域302にいる乗組員は、プライバシードア101を閉じることができ、この際に減圧ラッチ112が引っ込んでゲート113を通過しラッチ凹部111へとスライドし、この減圧ラッチ112は、プライバシードア101をロックするために保持される。ゲート113が閉鎖位置115へと付勢され、かつプライバシードア101が閉じている場合、プライバシードア101は、中間客室領域301を主客室領域302から確保するためにロックされたままになっており、これによって搭乗員は、フライトデッキ領域200を出て中間客室領域301へと行くことができる。搭乗員がフライトデッキ領域200に戻ったら、ゲート113を開放位置114へと動かしてゲートばね116を縮め、ゲート113が減圧ラッチ112をラッチ凹部111内に保持しないように、フライトデッキケーブル117を、フライトデッキ領域200から操作可能である。その後、先の例でも述べたように、ドアを開けるように付勢するヒンジばね125によってプライバシードア101を開放位置102へと動かすことができる(減圧ラッチ112と係合させるためのラッチ凹部111に戻り止めは存在しない)。同様に、先の例でも論じたようにノブ127の操作によって、又は主客室ケーブル118の操作によって、ゲート113を開放位置114へと動かすことは、ゲートばね116を縮めることを伴ってもよい。
【0043】
前述のように減圧ラッチ112は、プライバシードア101の前方で検知された航空機400の減圧に応じて、ラッチ凹部111から解除されるように構成されていてよい。幾つかの実施形態では、図10A及び10Bに示したように、プライバシードア101が、減圧ラッチ112を第一の支柱108へと付勢して減圧ラッチ112をラッチ凹部111から解除するように配置された減圧ばね126を備えることができる。減圧ばね126は例えば、前方で減圧が検知された場合に解除されるピン又はピン類似構造によって保持されていてよく、これによって減圧ばね126は、減圧ラッチ112がラッチ凹部111から出るよう付勢することができる。
【0044】
プライバシードアアセンブリ150の1つの有用な特徴は、ドアフレーム107及びプライバシードア101を既存の航空機400に組み込み可能なことである。しかしながらこのような状況では、プライバシードアアセンブリ150によって航空機400にかかり得るさらなる構造的負荷を最小限にすることが、望ましいこともある。例えば、ドアフレーム107が航空機400の床及び天井の双方と、固定接続部によって接続されている場合、例えば航空機400の床構造で接続されていない場合に予測される歪みが、ドアフレーム107により伝達され、接続されていない場合には存在しなかったであろうさらなる負荷を、天井構造でもたらすことがあり得る。
【0045】
よってドアフレーム107は、航空機400に対する1つ以上の接続部が少なくとも1の動き自由度を保ち、ドアフレーム107に沿った負荷の移動を減少させるように、設置することができる。例えば図11のように、ドアフレーム107は、ドアフレーム107を航空機400の隣接構造120に結合させるための接続部119を備えることができる。接続部119は、航空機400の隣接構造120に結合されると、ドアフレーム107について隣接構造120に対して少なくとも1の動き自由度をもたらすことができる。
【0046】
例えば、図11の例に示したように、接続部119は、第一の支柱108の上端122に配置されたスリップピン121を備えることができ、隣接構造120は、航空機400の天井ブラケット123を有することができる。スリップピン121は、天井ブラケット123に結合されると、ドアフレーム107について天井ブラケット123に対して少なくとも2の動き自由度をもたらすことができる。図11に示した例では、スリップピン121が、天井ブラケット123において垂直に、また左から右へと自由に動く。このように、ドアフレーム107が固定され得る航空機400の床に僅かな歪みがある場合であっても、ドアフレーム107によって、天井ブラケット123におけるさらなる構造的な負荷にはつながらない。
【0047】
図12は、例示的な実施態様に従った、航空機におけるプライバシードアを操作するための方法500のフローチャートを示す。図12に示された方法500は例えば、前述のように、また図1~11に示された、航空機400におけるプライバシードア101により使用可能な方法の例を示している。ここに開示されるこのプロセス及びその他のプロセスに関して、フローチャートは本実施例について1つのあり得る機能及び動作を示していることが、理解されるべきである。代替的な実施態様は、本開示の例の範囲に含まれ、その機能は、関連する機能に応じて、示された又は論じられた順序以外で行うこともでき(実質的に同時に行われる場合も含む)、このことは当業者に合理的に理解されるであろう。
【0048】
ブロック502において、方法500は、フライトデッキドア104を閉鎖位置106から開ける前にプライバシードア101を閉じ、フライトデッキドア104が開いているときにはプライバシードア101が閉じているようにすることを含む。前述のように航空機400は、フライトデッキドア104が閉鎖位置106にあるとき、航空機400のフライトデッキ領域200を航空機400の客室領域300から分離する、フライトデッキドア104を備える。プライバシードア101は、閉鎖位置103にあるとき、客室領域300を、プライバシードア101とフライトデッキドア104との間にある中間客室領域301と、プライバシードア101の後方にある主客室領域302とに分離するように、航空機400の客室領域300内に、かつフライトデッキドア104の後方に配置されている。前述のように、プライバシードア101は、一組のヒンジ124によって、ドアフレーム107の第一の支柱108に回転式に結合されていてよい。さらに、プライバシードア101を閉じることは、プライバシードア101の減圧ラッチ112を、ドアフレーム107の第二の支柱109内に配置されたラッチ凹部111と係合させることを含み得る。
【0049】
例えば、駐機中に搭乗員が航空機400に最初に入るとき、搭乗員は中間客室領域301に入ることができ、それから、フライトデッキドア104を開けてフライトデッキドア200に入る前に、自分達の後方にあるプライバシードア101を閉めることができる。別の例として、飛行中に航空機400のパイロットは、フライトデッキ領域200からインターコム又は類似のコミュニケーション装置を介して客室乗務員と接触を取ることができ、客室乗務員に対して、フライトデッキドア104を開けておく必要があることを知らせることができる。客室乗務員はその後、先の例で論じたように、プライバシードア101を閉めることができる。
【0050】
さらに、プライバシードア101を閉めることは、スラムラッチ130を第一の支柱108から離れて第一の位置135から第二の位置136へと動かすために、レバー132を最初に操作することを含み得る。これにより、図8に示したようにプライバシードア101を閉鎖位置103へと回転させる前に、スラムラッチ130をスロット131から解除することができる。
【0051】
ブロック504において、方法500は、フライトデッキドア104を開けることを含む。搭乗員は例えば、前述の理由(フライト間での搭乗員交代を含む)のために、又は飛行中に搭乗員がフライトデッキ領域200を出る必要がある場合に、フライトデッキドア104を開けることができる。
【0052】
ブロック506において、方法500はまた、プライバシードア101を開ける前にフライトデッキドア104を閉じ、プライバシードア101が開いているときにはフライトデッキ104が閉じているようにすることを含む。このようにして、もう一方のドアが開いている間にフライトデッキドア104又はプライバシードア101のいずれかを閉鎖位置に保つことにより、搭乗員及び客室乗務員はプライバシーを保つことができ、主客室領域302とフライトデッキ領域200との間にセキュリティーバリアを保つことができる。
【0053】
ブロック508において方法500は、プライバシードア101を閉鎖位置103から解放位置102へと手動で開けることを含む。前述のように、プライバシードア101を手動で開けることは、減圧ラッチ112をラッチ凹部111から解除することを含み得る。幾つかの実施態様において、一組のヒンジ124は、ヒンジばね125を有することができ、これによって、減圧ラッチ112がラッチ凹部111から解除された後に、プライバシードア101を開放位置へと付勢することができる。
【0054】
前述のように、また図6~8に示したように、プライバシードア101は、プライバシードア101が開放位置102にあるとき、及びスラムラッチ130が第一の位置135にあるとき、ドアフレーム107の第一の支柱108にあるスロット131と係合するように配置されたスラムラッチ130を有することができる。よってプライバシードア101を閉鎖位置103から開放位置102へと手動で開けることは、スラムラッチ130をスロット131内に係合させることを含み得る。
【0055】
さらに、スラムラッチ130は、スラムラッチばね137を備えていてよく、スラムラッチ130をスロット131内に係合させることは、スラムラッチ130を第一の支柱108に向かってスロット131内へとスラムラッチばね137によって付勢することを含み得る。幾つかの実施態様において、スラムラッチばね137は、プライバシードア101に含まれていなくてよく、スラムラッチ130をスロット131内に係合させることは代替的に、レバー132を操作してスラムラッチを第一の位置135へと動かして、スラムラッチ130をスロット131内に係合させることを含み得る。
【0056】
幾つかの実施形態において、第一の支柱108は、円筒形ストライカ138を備えることができ、このストライカは、スロット131を備えていてよい。このような実施形態において、プライバシードア101を閉じることは、前述のようにスラムラッチ130が円筒形ストライカ138に当接するように、スラムラッチばね137によってスラムラッチ130を第一の支柱108に向かって付勢することを含み得る。
【0057】
プライバシードア101を手動で開けるのを容易にするために、第二の支柱109は、前述のように、また図8~9に示したように、開放位置114と、減圧ラッチ112をラッチ凹部111内に保持するように構成された閉鎖位置115との間で動かすことができるゲート113を備えることができる。さらにゲート113は、第二の支柱109の前方側110に配置されたノブ127に結合されていてよい。よって幾つかの実施形態では、方法500のブロック508でプライバシードア101を手動で開けることは、ノブ127を操作して、ゲート113を閉鎖位置115から開放位置114へと動かし、ゲート113が減圧ラッチ112をラッチ凹部111に保持しないようにすることを含み得る。この場合、プライバシードア101は例えば、ノブ127を用いて中間客室領域301内部から引いて開けることができる。代替的に、ヒンジばね125は、減圧ラッチ112がラッチ凹部111内に保持されていなければ、プライバシードア101を開放位置102へと付勢することができる。
【0058】
さらに、プライバシードア101の通常操作の一部ではないものの、前述の例に従って、プライバシードア101を主客室領域302からも手動で開けることを可能にすることができる。ゲート113は特に、図8~9に示したように、第二の支柱109から航空機400の主客室領域302に延びる主客室ケーブル118に、結合されていてよい。よって幾つかの実施形態では、方法500のブロック508でプライバシードア101を手動で開けることは、主客室ケーブル118を主客室領域302から操作して、ゲート113を閉鎖位置115から、ゲート113が減圧ラッチ112をラッチ凹部111に保持しない開放位置114へと動かすことを含み得る。前述のように、主客室ケーブル118の操作可能な一部は、主客室領域302内に目立たないように位置付けられていてよい。
【0059】
幾つかの実施態様では、プライバシードア101はまた前述のように、フライトデッキ領域200から手動で操作可能であり得る。ゲート113は例えば、図8~9に示したように、第二の支柱109から航空機400のフライトデッキ領域200に延びるフライトデッキケーブル117に、結合されていてよい。よって幾つかの例では、方法500のブロック508でプライバシードア101を手動で開けることは、フライトデッキケーブル117をフライトデッキ領域200から操作し、ゲート113を開放位置114へと動かして、ゲート113が減圧ラッチ112をラッチ凹部111に保持しないようにすることを含み得る。前述のように、プライバシードア101はこの場合、ヒンジばね125によって開放位置102へと付勢することができるか、又は客室乗務員がプライバシードア101を押し開ける、若しくは引いて開けることができる。さらにゲート113は、図10Bに示したように、ゲート113を閉鎖位置115へと付勢するためのゲートばね116を備えることができる。よって、先の例においてゲート113を開放位置114へと動かすことは、ゲートばね116を縮めることを伴い得る。
【0060】
さらに、フライトデッキケーブル117はまた、先の例で記載したように、ゲート113を閉鎖位置115へと動かすために操作することができる。よって、方法500のブロック502でプライバシードア101を閉じることは、フライトデッキケーブル117をフライトデッキ領域200から操作し、ゲート113を閉鎖位置115へと動かして、ゲート113が減圧ラッチ112をラッチ凹部111に保持し、これによってプライバシードア101を閉鎖位置103でロックし、中間客室領域301を主客室領域302から確保することを伴い得る。
【0061】
前述のようにプライバシードア101は、飛行中の航空機400における減圧現象に応じるように構成されていてもよい。例えば、プライバシードア101を操作するための方法500はさらに、プライバシードア101が閉鎖位置103にあるとき、プライバシードア101の前方で航空機400の減圧を検知する工程を含むことができる。さらに、プライバシードア101の前方で航空機400の検知された減圧に応じて、方法500は、減圧ラッチ112をラッチ凹部111から自動的に解除することを含むことができる。
【0062】
幾つかの実施形態において、図10A及び10Bに示されたように、プライバシードア101は、減圧ばね126を備えることができる。このような実施態様において、減圧ラッチ112をラッチ凹部111から解除することは、減圧ばね126によって減圧ラッチ112を第一の支柱108に向かって付勢して、減圧ラッチ112をラッチ凹部111から解除することを含み得る。
【0063】
先の例で言及したように、プライバシードア101はまた、プライバシードア101の後方での減圧に応じるように構成されていてよい。例えば図4~5に示したように、プライバシードア101は、パネル減圧ラッチ146を有するパネル143を備えることができ、このパネル減圧ラッチ146は、プライバシードア101と係合するとともに、パネル143を閉鎖位置145に保持することによって、パネル143が、プライバシードア101における隙間142を覆うように構成されている。
【0064】
この配置構成において、プライバシードア101を操作するための方法500はさらに、プライバシードア101が閉鎖位置103にあるとき、プライバシードア101の後方で航空機400の減圧を検知することを含むことができる。プライバシードア101の後方で航空機400の検知された減圧に応じて、方法500は、パネル減圧ラッチ146をプライバシードア101から解除することを含むことができる。例えば、パネル減圧ラッチ146は、前述のように減圧ラッチ112と同様のやり方で、プライバシードア101から解除することができる。
【0065】
さらに幾つかの実施形態において、パネル143は、プライバシードア101に回転式に結合されていてよい。このような実施形態において、またプライバシードア101の後方で航空機400について検知された減圧に応じて、方法500はさらに、パネル143を主客室領域302内へと開放位置144に回転させることを含むことができ、これによって隙間142は、図5に示したように、また先の例で論じたように、空気流量を中間客室領域301から主客室領域302へと伝える。
【0066】
図13は、例示的な実施態様に従った、航空機のフライトデッキドアに対してプライバシードアを設置するための方法600のフローチャートを示す。図13に示された方法600は例えば、図1~11に示されたように、また先に論じたように、プライバシードアシステム100により実施可能な方法の例を示している。ここに開示されるこのプロセス及びその他のプロセスに関して、フローチャートは本実施例について1つのあり得る実施の機能及び動作を示していることが、理解されるべきである。これに関して、フローチャート中の各ブロックは、モジュール、セグメント、又はプログラムコードの一部を示すことができ、これには特定の論理機能又はプロセスにおける工程を実施する又はもたらすためにプロセッサにより実行可能な1つ以上の指示が含まれる。方法600は例えば、ロボットアセンブリシステムの1つ以上のコンピュータデバイスによって実施することができる。代替的な実施態様は、本開示の例の範囲に含まれ、その機能は、関連する機能に応じて、示された又は論じられた順序以外で行うこともでき(実質的に同時に行われる場合も含む)、このことは当業者に合理的に理解されるであろう。
【0067】
ブロック602において方法600は、ドアフレーム、例えば図1及び3に示したドアフレーム107を、航空機400の客室領域300に、フライトデッキドア104の後方で配置することを含む。ドアフレーム107は、図1に示した通りプライバシードアシステム100の一部であり、このシステムは、フライトデッキドア104及びプライバシードア101も、先の例に記載したさらなる特徴の一部又は全てとともに備える。
【0068】
前述のようにフライトデッキドア104は、閉鎖位置106にあるとき、航空機400のフライトデッキ領域200を、航空機400の客室領域300から分離する。さらに、ドアフレーム107は、第一の支柱108及び第二の支柱109を備えることができ、第二の支柱109は、図3に示したようにラッチ凹部111を有することができる。
【0069】
ブロック604において方法600は、ドアフレーム107を航空機400に結合させることを含む。これを容易にするために、ドアフレーム107は、ドアフレーム107を航空機400の隣接構造120に結合させるための接続部119を備えることができる。前述のように、ドアフレーム107が航空機400に対してさらなる構造的負荷をかける可能性を減少させるように、ドアフレーム107を航空機400に結合するのが望ましいこともある。従って、ドアフレーム107を航空機400に結合することは、ドアフレーム107が、隣接構造120に対して少なくとも1の動き自由度を保つように、接続部119を隣接構造120に結合させることを含み得る。
【0070】
幾つかの実施態様では、図11に示したように、接続部119は、第一の支柱108の上端122に配置されたスリップピン121を備えることができ、隣接構造120は、天井ブラケット123を備えることができる。従って、接続部119を隣接構造120に結合することは、ドアフレーム107が、前述のように天井ブラケット123に対して少なくとも2の動き自由度を保つように、スリップピン121を天井ブラケット123に結合することを含み得る。
【0071】
ブロック606において方法600は、プライバシードア101が閉鎖位置103にあるとき、プライバシードア101が、客室領域300をプライバシードア101とフライトデッキドア104との間にある中間客室領域301と、プライバシードア101の後方にある主客室領域302とに分けるように、一組のヒンジ124によってプライバシードア101を第一の支柱108に結合させることを含む。プライバシードア101は、一組のヒンジ124によって、中間客室領域301内に開放位置102へと回転可能である。さらに、先の例のようにプライバシードア101は、プライバシードア101の前方で検知された航空機400の減圧に応じて第一の支柱108にあるラッチ凹部111から解除されるように構成された、減圧ラッチ112を備えることができる。
【0072】
前述のように、また図8~9で示したように、第二の支柱109は、開放位置114と、減圧ラッチ112をラッチ凹部111内に保持するように構成された閉鎖位置115との間で動かすことができる、ゲート113を備えることができる。第二の支柱109はさらに、ゲート113を開放位置114に動かすための、それからプライバシードア101を中間客室領域301から開けるためのノブ127を備えることができる。幾つかの実施形態では、主客室領域302からゲート113を開放位置へと動かすことができるのが望ましいこともある。従って、方法600はさらに、ゲート113が減圧ラッチ112をラッチ凹部111に保持しないようにゲート113を閉鎖位置115から開放位置114へと動かすため、主客室ケーブル118が主客室領域302から操作可能であるように、主客室ケーブル118をゲート113から第二の支柱109を通じて主客室領域302へと伸ばすことを含み得る。前述のように、主客室ケーブル118は、主客室領域302内の目立たない場所に延びていてよい。
【0073】
同様に方法600は、ゲート113を開放位置114へと動かすために、フライトデッキケーブル117がフライトデッキ領域200から操作可能であるように、またゲート113が減圧ラッチ112をラッチ凹部111に保持しないように、フライトデッキケーブル117をゲート113からフライトデッキ領域200へと伸ばすことを含むことができる。
【0074】
幾つかの実施形態において、フライトデッキケーブル117は、ゲート113を閉鎖位置115へと動かすために、フライトデッキケーブル117がフライトデッキ領域200から操作可能であるように、また減圧ラッチ112をラッチ凹部111に保持して、プライバシードア101を閉鎖位置103にロックし、中間客室領域301をプライバシードア101の後方にある主客室領域302から確保するように、フライトデッキ領域200へと延びていてよい。この機能は、ゲート113を開放位置114へと動かすために、フライトデッキケーブル117の操作に加えて、又はこれに代えて備えられていてよい。
【0075】
先の幾つかの実施態様で論じた通り、プライバシードア101は、図6~8に示したようにスラムラッチ130を備えることができる。スラムラッチ130は、プライバシードア101が開放位置102にあり、スラムラッチ130が第一の位置135にあるとき、スロット131をドアフレーム107の第一の支柱108に係合させるために配置されていてよい。従って、一組のヒンジ124によってプライバシードア101を第一の支柱108に結合させた後、方法600は、プライバシードア101を開放位置102へと回転させること、及びスラムラッチ130をスロット131内に係合させることを含むことができる。
【0076】
幾つかの実施形態では、前述のように、スラムラッチ130が、プライバシードア101の前方側133に配置されたレバー132に結合されていてよい。このような実施形態において方法600はさらに、スラムラッチ130を第一の支柱108から離れて第二の位置136へと動かすために、レバー132を操作することを含むことができる。前述のように、また図6~7に示されたように、スラムラッチ130を第二の位置136へと動かすことにより、スラムラッチ130がスロット131から解除される。
【0077】
前述のように方法600は、プライバシードアシステム100によって実施できる。方法600の実施について述べた特徴に加えて、プライバシードアシステム100は、先にその他の例で論じたさらなる特徴を備えることができる。例えばプライバシードア101は、一組のヒンジ124によって、ドアフレーム107に回転式に結合されていてよい。幾つかの実施形態において、一組のヒンジ124は、減圧ラッチ112及びラッチ凹部111が解除されたときに、プライバシードア101を閉鎖位置103から開放位置102へと付勢するために配置されたヒンジばね125を備える。
【0078】
方法600について前述のスラムラッチ130はさらに、スラムラッチ130を第一の支柱108へと付勢するために配置されたスラムラッチばね137を備えることができる。さらに、第一の支柱108は、円筒形ストライカ138を備えることができ、このストライカは、スロット131を備えていてよい。
【0079】
先の例で論じたように、プライバシードアシステム100は、航空機400に減圧が生じた場合に、高圧領域から低圧領域へと空気を流せるという特徴を備えることができる。例えば、プライバシードア101は、図10A及び10Bに示したように、減圧ばね126を備えることができ、この減圧ばねは、減圧ラッチ112を第一の支柱108へと付勢して、プライバシードア101の前方で検知された航空機400の減圧に応じて、減圧ラッチ112がラッチ凹部111から解除されるように、配置されている。
【0080】
プライバシードアシステム100はまた、後方で減圧が生じた場合に空気流をもたらすこともできる。例えば、プライバシードア101は、ベント140を図3に示したように有することができる。ベント140は、プライバシードア101が閉鎖位置103にあるとき、中間客室領域301と主客室領域302との間に流体接続を形成する複数の開口部141を備えることができる。複数の開口部141は、前述のように、プライバシードア101の後方で検知された航空機400の減圧に応じて、中間客室領域301から主客室領域302へと空気流量を伝えるのに充分な開放領域を有することができる。
【0081】
或いは、プライバシードア101は、プライバシードア101が閉鎖位置103にあるとき、主客室領域302の減圧に応じて、中間客室領域301から主客室領域302へと空気流量を伝えるために充分な開放領域を有する隙間142を有することができる。図4~5に示したように、また前述のように、パネル143は、プライバシードア101に対して回転式に結合されていてよく、このパネル143は、プライバシードア101と係合して、パネル143を閉鎖位置145に保つように構成されたパネル減圧ラッチ146を備えることができ、これによってパネル143が隙間142を覆う。
【0082】
パネル減圧ラッチ146は、前述のように、プライバシードア101の後方で検知された航空機400の減圧に応じて、プライバシードア101から解除されるように構成されていてよい。さらに、パネル143は、主客室領域302内へと、閉鎖位置145から開放位置144に回転可能であり得る。
【0083】
前述のように、プライバシードア100は、図3に示したようにプライバシードアアセンブリ150を事後的に組み込むことによって、既存の航空機400に設置することができる。このようにして、プライバシードアアセンブリ150は、所定の編隊の航空機400の複数のモデルに適合した標準的な寸法を有することができる組み込みキットとして考えることができる。
【0084】
プライバシードアアセンブリ150は、ドアフレーム107、例えば図3に示したドアフレーム107を備えることができ、このドアフレームは、第一の支柱108及び第二の支柱109を備え、ここで第二の支柱109は、ラッチ凹部111を備える。プライバシードアアセンブリ150はまた、一組のヒンジ124によって第一の支柱108に回転式に結合可能なプライバシードア101を備える。プライバシードア101はさらに、プライバシードア101がドアフレーム107内で閉鎖位置103にあるときに、ラッチ凹部111と係合するように配設された減圧ラッチ112を備える。さらに、減圧ラッチ112は、先の例と同様に、プライバシードア101の前方側133で検知された減圧に応じて、ラッチ凹部111から解除されるように構成されていてよい。
【0085】
前述のように、プライバシードアアセンブリ150における一組のヒンジ124は、減圧ラッチ112及びラッチ凹部111が解除されたときに、プライバシードア101を閉鎖位置103から開放位置102へと付勢するために配置されたヒンジばね125を備えることができる。
【0086】
さらに、プライバシードアアセンブリ150は、前述のように、また図6~8に一般的に示したように、スラムラッチ130を備えることができる。スラムラッチ130は、プライバシードア101が開放位置102にあり、かつスラムラッチ130が第一の位置135にあるとき、スロット131をドアフレーム107の第一の支柱108に係合させるために、プライバシードア101に配置されていてよい。スラムラッチ130は、プライバシードア101の前方側133に配置されたレバー132に結合されていてよい。先の例のように、レバー132は、スラムラッチ130を第一の支柱108から離れて第二の位置136へと動かすことによりスラムラッチ130がスロット131から解除されるように、操作可能である。
【0087】
プライバシードアアセンブリ150のプライバシードア101はさらに、スラムラッチ130を第一の支柱108へと付勢するために配置されたスラムラッチばね137を備えることができる。先の例のように、第一の支柱108は、円筒形ストライカ138を備えることができ、この円筒形ストライカ138は、スロット131を備えることができる。
【0088】
プライバシードアアセンブリ150はまた、図8~9に示したように、また前述のように、第二の支柱109の一部として、開放位置114と閉鎖位置115との間で動かすことができるゲート113であって、減圧ラッチ112をラッチ凹部111に保持するように構成されたゲート113を備えることができる。ゲート113は、第二の支柱109の前方側110に配置されたノブ127に結合されていてよく、このノブ127は、ゲート113を開放位置114へと動かして、ゲート113が減圧ラッチ112をラッチ凹部111内に保持しなくなるように、操作可能であってよい。
【0089】
さらに、プライバシードアアセンブリ150は、ゲート113に結合可能な、プライバシードア101の前方にある第二の支柱109から延びていてよいフライトデッキケーブル117を、備えることができる。フライトデッキケーブル117は、ゲート113を開放位置114から閉鎖位置115へと動かして減圧ラッチ112をラッチ凹部111内に保持するとともに、プライバシードア101を閉鎖位置103でロックするために、操作可能であり得る。さらに又は代替的に、フライトデッキケーブル117は、ゲート113を閉鎖位置115から開放位置114へと動かしてゲート113が減圧ラッチ112をラッチ凹部111に保持しなくなるように、操作可能であり得る。
【0090】
幾つかの実施態様において、プライバシードアアセンブリ150は、ゲート113に結合可能な、プライバシードア101の後方にある第二の支柱109から延びていてよい主客室ケーブル118を、備えることができる。主客室ケーブル118は、ゲート113を閉鎖位置115から開放位置114へと動かしてゲート113が減圧ラッチ112をラッチ凹部111内に保持しなくなるように、操作可能であり得る。さらにゲート113は、ゲート113を閉鎖位置115へと付勢するためのゲートばね116を備えることができる。よって、先の例で論じたように、ゲート113を開放位置114へと動かすことは、ゲートばね116を縮めることを含み得る。
【0091】
プライバシードアアセンブリ150はまた、前述のように減圧を考慮したものを備えることができる。例えば、プライバシードアアセンブリ150のプライバシードア101は、図10A及び10Bに示したように減圧ばね126を備えることができる。減圧ばね126は、減圧ラッチ112を第一の支柱108へと付勢するために配置されていてよく、これにより、プライバシードア101の前方側133で検知された減圧に応じて、減圧ラッチ112がラッチ凹部111から解除される。
【0092】
プライバシードアアセンブリ150のプライバシードア101は、図3に示したように、また前述のように、複数の開口部141を有するベント140を備えることもできる。その他の幾つかの実施形態において、プライバシードア101は、図4~5に示したように、隙間142と、プライバシードア101に回転式に結合されたパネル143とを備えることができる。パネル143は、プライバシードア101と係合して、パネル143を閉鎖位置145に保つように構成されたパネル減圧ラッチ146を備えることができ、これによってパネル143が隙間142を覆う。パネル143はさらに、閉鎖位置145から開放位置144へと、プライバシードア101の後方側134で回転可能であり得る。さらに、パネル減圧ラッチ146は、プライバシードア101の後方側134で検知された減圧に応じて、プライバシードア101から解除されるように構成されていてよい。
【0093】
さらに、本開示は、以下の条項に従った実施形態を含む:
【0094】
条項1
航空機(400)のフライトデッキドア(104)に対してプライバシードア(101)を設置する方法(600)であって、フライトデッキドア(104)は、該フライトデッキドア(104)が閉鎖位置(106)にあるとき、航空機(400)のフライトデッキ領域(200)を航空機(400)の客室領域(300)から分離するものであり、当該方法(600)は、
ドアフレーム(107)を客室領域(300)にフライトデッキドア(104)の後方で配置することであって、該ドアフレーム(107)は、第一の支柱(108)及び第二の支柱(109)を備え、該第二の支柱(109)は、ラッチ凹部(111)を有する、ドアフレーム(107)を客室領域(300)にフライトデッキドア(104)の後方で配置すること、
ドアフレーム(107)を航空機(400)に結合すること、及び
プライバシードア(101)が閉鎖位置(103)にあるとき、プライバシードア(101)が客室領域(300)をプライバシードア(101)とフライトデッキドア(104)との間にある中間客室領域(301)と、プライバシードア(101)の後方にある主客室領域(302)とに分離するように、一組のヒンジ(124)によってプライバシードア(101)を第一の支柱(108)に結合させることであって、該プライバシードア(101)は、一組のヒンジ(124)によって中間客室領域(301)内に開放位置(102)へと回転可能であり、プライバシードア(101)は、プライバシードア(101)が閉鎖位置(103)にあるとき、ラッチ凹部(111)を係合させるために配設された減圧ラッチ(112)を備え、該減圧ラッチ(112)は、プライバシードア(101)の前方で検知された航空機(400)の減圧に応じて、ラッチ凹部(111)から解除されるように構成されている、一組のヒンジ(124)によってプライバシードア(101)を第一の支柱(108)に結合させること、
を含む、方法(600)。
【0095】
条項2
第二の支柱(109)が、開放位置(114)と、減圧ラッチ(112)をラッチ凹部(111)内に保持するように構成された閉鎖位置(115)との間で動かすことができる、ゲート(113)を備え、
当該方法がさらに、
ゲート(113)を閉鎖位置(115)へと動かすことによって、減圧ラッチ(112)をラッチ凹部(111)に保持するとともに、プライバシードア(101)を閉鎖位置(103)にロックして、中間客室領域(301)をプライバシードア(101)の後方にある主客室領域(302)から確保するため、フライトデッキケーブル(117)がフライトデッキ領域(200)から操作可能であるように、フライトデッキケーブル(117)をゲート(113)からフライトデッキ領域(200)へと延ばすこと、
を含む、条項1に記載の方法(600)。
【0096】
条項3
第二の支柱(109)が、開放位置(114)と、減圧ラッチ(112)をラッチ凹部(111)内に保持するように構成された閉鎖位置(115)との間で動かすことができる、ゲート(113)を備え、
当該方法がさらに、
ゲート(113)を開放位置(114)へと動かすことによって、ゲート(113)が減圧ラッチ(112)をラッチ凹部(111)に保持しないようにするため、フライトデッキケーブル(117)がフライトデッキ領域(200)から操作可能であるように、フライトデッキケーブル(117)をゲート(113)からフライトデッキ領域(200)へと延ばすこと
を含む、条項1に記載の方法(600)。
【0097】
条項4
主客室ケーブル(118)を、ゲート(113)から第二の支柱(109)を通じて主客室領域(302)へと延ばすことであって、該主客室ケーブル(118)は、ゲート(113)を閉鎖位置(115)から開放位置(114)へと移動させるために主客室領域(302)から操作可能であり、これによってゲート(113)は、減圧ラッチ(112)をラッチ凹部(111)に保持しなくなり、プライバシードア(101)が主客室領域(302)から開けられるようになる、主客室ケーブル(118)を、ゲート(113)から第二の支柱(109)を通じて主客室領域(302)へと延ばすこと、
をさらに含む、条項3に記載の方法(600)。
【0098】
条項5
ドアフレーム(107)が、ドアフレーム(107)を航空機(400)の隣接構造(120)に結合するための接続部(119)を備え、ドアフレーム(107)を航空機(400)に結合することは、ドアフレーム(107)が隣接構造(120)に対して少なくとも1の動き自由度を保つように、接続部(119)を隣接構造(120)に結合させることを含む、条項1に記載の方法(600)。
【0099】
条項6
接続部(119)が、第一の支柱(108)の上端(122)に配置されたスリップピン(121)を備え、隣接構造(120)が、シーリングブラケット(123)を備え、接続部(119)を隣接構造(120)に結合することは、ドアフレーム(107)がシーリングブラケット(123)に対して少なくとも2の動き自由度を保つように、スリップピン(121)をシーリングブラケット(123)に結合させることを含む、条項5に記載の方法(600)。
【0100】
条項7
プライバシードア(101)は、プライバシードア(101)が開放位置(102にあるとき、及びスラムラッチ(130)が第一の位置(135)にあるとき、ドアフレーム(107)の第一の支柱(108)にあるスロット(131)と係合するように配置されたスラムラッチ(130)を有し、
当該方法がさらに、
一組のヒンジ(124)によってプライバシードア(101)を第一の支柱(108)に結合させた後、プライバシードア(101)を開放位置(102)へと回転させること、及び
スラムラッチ(130)をスロット(131)内に係合させること
を含む、条項1に記載の方法(600)。
【0101】
条項8
スラムラッチ(130)が、プライバシードア(101)の前方側(133)に配置されたレバー(132)に結合されており、
当該方法がさらに、
スラムラッチ(130)を第一の支柱(108)から離れて第二の位置(136)へと動かすためにレバー(132)を操作することを含み、スラムラッチ(130)を第二の位置(136)へと動かすことによりスラムラッチ(130)がスロット(131)から解除される、条項7に記載の方法(600)。
【0102】
条項9
航空機(400)のためのプライバシードアシステム(100)であって、
航空機(400)内において客室領域(300)にフライトデッキドア(104)の後方で設けられた、ドアフレーム(107)及びプライバシードア(101)を有するプライバシードアアセンブリ(150)であって、フライトデッキドア(104)が閉鎖位置(106)にあるとき、フライトデッキドア(104)は、航空機(400)のフライトデッキ領域(200)を航空機(400)の客室領域(300)から分離する、プライバシードアアセンブリ(150)、
プライバシードア(101)が閉鎖位置(103)にあるとき、プライバシードア(101)が客室領域(300)を、プライバシードア(101)とフライトデッキドア(104)との間にある中間客室領域(301)と、プライバシードア(101)の後方にある主客室領域(302)とに分離するように、航空機(400)の客室領域(300)内に、かつフライトデッキドア(104)の後方に設けられたドアフレーム(107)及びプライバシードア(101)であって、プライバシードア(101)がさらに減圧ラッチ(112)を備える、ドアフレーム(107)及びプライバシードア(101)、
航空機(400)の客室領域(300)における垂直構造に対して設けられた、第一の支柱(108)及び第二の支柱(109)を備えるドアフレーム(107)であって、プライバシードア(101)が中間客室領域(301)内へと開放位置(102)に回転可能なように、プライバシードア(101)が、一組のヒンジ(124)によって第一の支柱(108)に回転式に結合されている、ドアフレーム(107)、並びに
第二の支柱(109)内に配置されたラッチ凹部(111)であって、該ラッチ凹部(111)は、プライバシードア(101)が閉鎖位置(103)にあるとき、プライバシードア(101)の減圧ラッチ(112)と係合するように配設されており、減圧ラッチ(112)は、プライバシードア(101)の前方で検知された航空機(400)の減圧に応じて、ラッチ凹部(111)から解除されるように構成されている、ラッチ凹部(111)
を備える、航空機(400)のためのプライバシードアシステム(100)。
【0103】
条項10
一組のヒンジ(124)が、減圧ラッチ(112)及びラッチ凹部(111)が解除されたときにプライバシードア(101)を閉鎖位置(103)から開放位置(102)へと付勢するために配置されたヒンジばね(125)を備える、条項9に記載のプライバシードアシステム(100)。
【0104】
条項11
プライバシードア(101)は、プライバシードア(101)が開放位置(102)にあるとき、及びスラムラッチ(130)が第一の位置(135)にあるとき、ドアフレーム(107)の第一の支柱(108)にあるスロット(131)と係合するように配置されたスラムラッチ(130)を備え、該スラムラッチ(130)は、プライバシードア(101)の前方側(133)に配置されたレバー(132)に結合されており、該レバー(132)は、スラムラッチ(130)を第一の支柱(108)から離れて第二の位置(136)へと動かすために操作可能であり、これによって、スラムラッチ(130)がスロット(131)から解除される、条項9に記載のプライバシードアシステム(100)。
【0105】
条項12
プライバシードア(101)がさらに、スラムラッチ(130)を第一の支柱(108)へと付勢するために配置されたスラムラッチばね(137)を備え、第一の支柱(108)は円筒形ストライカ(138)を備え、該円筒形ストライカ(138)はスロット(131)を備える、条項11に記載のプライバシードアシステム(100)。
【0106】
条項13
プライバシードア(101)がさらに、減圧ラッチ(112)を第一の支柱(108)へと付勢するために配置された減圧ばね(126)を備え、これによって、プライバシードア(101)の前方で検知された航空機(400)の減圧に応じて、減圧ラッチ(112)がラッチ凹部(111)から解除される、条項9に記載のプライバシードアシステム(100)。
【0107】
条項14
第二の支柱(109)は、ゲート(113)が閉鎖位置(115)にあるとき、減圧ラッチ(112)をラッチ凹部(111)内に保持するとともにプライバシードア(101)を閉鎖位置(103)でロックして、中間客室領域(301)を主客室領域(302)から確保するように構成された、開放位置(114)と閉鎖位置(115)との間で動かすことができるゲート(113)を有し、該ゲート(113)は、第二の支柱(109)の前方側(110)に配置された、中間客室領域(301)からアクセス可能なノブ(127)に結合されており、該ノブ(127)は、ゲート(113)を開放位置(114)へと動かすために操作可能であり、これによって、ゲート(113)が減圧ラッチ(112)をラッチ凹部(111)に保持しなくなる、条項9に記載のプライバシードアシステム(100)。
【0108】
条項15
ゲート(113)は、第二の支柱(109)から航空機(400)のフライトデッキ領域(200)へと延びるフライトデッキケーブル(117)に結合されており、該フライトデッキケーブル(117)は、ゲート(113)を開放位置(114)から閉鎖位置(115)へと動かすためにフライトデッキ領域(200)から操作可能であり、これによって、減圧ラッチ(112)をラッチ凹部(111)に保持するとともにプライバシードア(101)を閉鎖位置(103)でロックし、中間客室領域(301)が主客室領域(302)から確保される、条項14に記載のプライバシードアシステム(100)。
【0109】
条項16
ゲート(113)は、第二の支柱(109)から航空機(400)のフライトデッキ領域(200)へと延びるフライトデッキケーブル(117)に結合されており、該フライトデッキケーブル(117)は、ゲート(113)を閉鎖位置(115)から開放位置(114)へと動かすためにフライトデッキ領域(200)から操作可能であり、これによって、ゲート(113)が減圧ラッチ(112)をラッチ凹部(111)に保持しなくなる、条項14に記載のプライバシードアシステム(100)。
【0110】
条項17
ゲート(113)は、第二の支柱(109)から航空機(400)の主客室領域(302)へと延びる主客室ケーブル(118)に結合されており、該主客室ケーブル(118)は、ゲート(113)を閉鎖位置(115)から開放位置(114)へと動かすために主客室領域(302)から操作可能であり、これによって、ゲート(113)が減圧ラッチ(112)をラッチ凹部(111)に保持しなくなる、条項14に記載のプライバシードアシステム(100)。
【0111】
条項18
プライバシードア(101)はさらに、プライバシードア(101)が閉鎖位置(103)にあるとき、中間客室領域(301)と主客室領域(302)との間に流体接続を形成する複数の開口部(141)を有するベント(140)を備え、該複数の開口部(141)は、プライバシードア(101)の後方で検知された航空機(400)の減圧に応じて、中間客室領域(301)から主客室領域(302)へと空気流量を伝えるのに充分な開放領域を有する、条項9に記載のプライバシードアシステム(100)。
【0112】
条項19
プライバシードア(101)がさらに、
プライバシードア(101)が閉鎖位置(103)にあるとき、主客室領域(302)の減圧に応じて、中間客室領域(301)から主客室領域(302)へと空気流量を伝えるために充分な開放領域を有する隙間(142)、及び
プライバシードア(101)に対して回転式に結合されているパネル(143)であって、該パネル(143)は、プライバシードア(101)を係合するとともにパネル(143)を閉鎖位置(145)に維持するように構成されたパネル減圧ラッチ(146)を備え、これによってパネル(143)が隙間(142)を覆い、パネル(143)は、主客室領域(302)内へと、閉鎖位置(145)から開放位置(144)に回転可能であり、パネル減圧ラッチ(146)はさらに、プライバシードア(101)の後方で検知された航空機(400)の減圧に応じて、プライバシードア(101)から解除されるように構成されている、パネル(143)、
を備える、条項9に記載のプライバシードアシステム(100)。
【0113】
条項20
ドアフレーム(107)が、ドアフレーム(107)を航空機(400)の隣接構造(120)に結合するための接続部(119)を備え、該接続部(119)は、航空機(400)の隣接構造(120)に結合されると、ドアフレーム(107)について、隣接構造(120)に対する少なくとも1の動き自由度をもたらす、条項9に記載のプライバシードアシステム(100)。
【0114】
条項21
航空機(400)のフライトデッキドア(104)に対して航空機(400)に組み込むためのプライバシードアアセンブリ(150)であって、
第一の支柱(108)及び第二の支柱(109)を備えるドアフレーム(107)であって、第二の支柱(109)がラッチ凹部(111)を有する、ドアフレーム(107)、
一組のヒンジ(124)により第一の支柱(108)に対して回転式に結合可能なプライバシードア(101)であって、該プライバシードア(101)は、プライバシードア(101)がドアフレーム(107)内で閉鎖位置(103)にあるとき、ラッチ凹部(111)を係合させるために配設された減圧ラッチ(112)を有し、該減圧ラッチ(112)は、プライバシードア(101)の前方側(133)で検知された減圧に応じてラッチ凹部(111)から解除されるように構成されている、プライバシードア(101)
を備える、プライバシードアアセンブリ(150)。
【0115】
条項22
一組のヒンジ(124)が、減圧ラッチ(112)及びラッチ凹部部(111)が解除されたときにプライバシードア(101)を閉鎖位置(103)から開放位置(102)へと付勢するために配置されたヒンジばね(125)を備える、条項21に記載のプライバシードアアセンブリ(150)。
【0116】
条項23
プライバシードア(101)は、プライバシードア(101)が開放位置(102)にあるとき、及びスラムラッチ(130)が第一の位置(135)にあるとき、ドアフレーム(107)の第一の支柱(108)にあるスロット(131)と係合するように配置されたスラムラッチ(130)を備え、該スラムラッチ(130)は、プライバシードア(101)の前方側(133)に配置されたレバー(132)に結合されており、該レバー(132)は、スラムラッチ(130)を第一の支柱(108)から離れて第二の位置(136)へと動かすために操作可能であり、これによって、スラムラッチ(130)がスロット(131)から解除される、条項21に記載のプライバシードアアセンブリ(150)。
【0117】
条項24
プライバシードア(101)がさらに、スラムラッチ(130)を第一の支柱(108)へと付勢するために配置されたスラムラッチばね(137)を備え、第一の支柱(108)は円筒形ストライカ(138)を備え、該円筒形ストライカ(138)はスロット(131)を備える、条項23に記載のプライバシードアアセンブリ(150)。
【0118】
条項25
プライバシードア(101)がさらに、減圧ラッチ(112)を第一の支柱(108)へと付勢するために配置された減圧ばね(126)を備え、これによって、プライバシードア(101)の前方側(133)で検知された減圧に応じて、減圧ラッチ(112)がラッチ凹部(111)から解除される、条項21に記載のプライバシードアアセンブリ(150)。
【0119】
条項26
第二の支柱(109)が、開放位置(114)と、減圧ラッチ(112)をラッチ凹部(111)内に保持するように構成された閉鎖位置(115)との間で動かすことができる、ゲート(113)を有し、該ゲート(113)は、第二の支柱(109)の前方側(110)に配置されたノブ(127)に結合されており、該ノブ(127)は、ゲート(113)を開放位置(114)へと動かすために操作可能であり、これによって、ゲート(113)が減圧ラッチ(112)をラッチ凹部(111)内に保持しなくなる、条項21に記載の航空機(150)。
【0120】
条項27
さらに、ゲート(113)に結合可能な、プライバシードア(101)前方の第二の支柱(109)から延ばすことができるフライトデッキケーブル(117)を備え、該フライトデッキケーブル(117)は、ゲート(113)を開放位置(114)から閉鎖位置(115)へと動かすために操作可能であり、これによって、減圧ラッチ(112)がラッチ凹部(111)内に保持され、プライバシードア(101)が閉鎖位置(103)でロックされる、条項26に記載のプライバシードアアセンブリ(150)。
【0121】
条項28
さらに、ゲート(113)へと結合可能な、プライバシードア(101)前方の第二の支柱(109)から延ばすことができるフライトデッキケーブル(117)を備え、該フライトデッキケーブル(117)は、ゲート(113)を閉鎖位置(115)から開放位置(114)へと移動させるために操作可能であり、これによってゲート(113)が減圧ラッチ(112)をラッチ凹部(111)に保持しなくなる、条項26に記載のプライバシードアアセンブリ(150)。
【0122】
条項29
ゲート(113)に結合可能な、プライバシードア(101)後方の第二の支柱(109)から延ばすことができる主客室ケーブル(118)を備え、該主客室ケーブル(118)は、ゲート(113)を閉鎖位置(115)から開放位置(114)へと動かすために操作可能であり、これによって、ゲート(113)が減圧ラッチ(112)をラッチ凹部(111)に保持しなくなる、条項26に記載のプライバシードアアセンブリ(150)。
【0123】
条項30
プライバシードア(101)がさらに、
隙間(142)、及び
プライバシードア(101)に対して回転式に結合されているパネル(143)であって、該パネル(143)は、プライバシードア(101)を係合するとともにパネル(143)を閉鎖位置(145)に維持するように構成されたパネル減圧ラッチ(146)を備え、これによってパネル(143)が隙間(142)を覆い、該パネル(143)は、閉鎖位置(145)から開放位置(144)へとプライバシードア(101)の後方側(134)で回転可能であり、パネル減圧ラッチ(146)はさらに、プライバシードア(101)の後方側(134)で検知された減圧に応じて、プライバシードア(101)から解除されるように構成されている、パネル(143)、
を備える、条項21に記載のプライバシードアアセンブリ(150)。
【0124】
様々な有利な配置構成の記載は、説明及び記載という目的のために提示されたに過ぎず、実施例が開示された形態について網羅的であること、又は実施例を開示された形態に制限することを意図したわけではない。多くの修正例及び変形例が、当業者にとっては明らかであろう。さらに様々な有利な実施例が、その他の有利な実施例と比較して異なる利点を記載することができる。1つ又は複数の実施例は、実施例の原則、実際の用途を説明するために、また当業者が、考えられる特定の使用に適するような様々な変形例を有する様々な実施例に関する開示を理解するように、選択され、記載されている。
図1
図2
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図10
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