(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】災害情報収集システム、災害情報収集方法及び災害情報収集プログラム
(51)【国際特許分類】
B64C 39/02 20060101AFI20221116BHJP
G01V 1/00 20060101ALI20221116BHJP
G08G 5/00 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
B64C39/02
G01V1/00 D
G08G5/00 A
(21)【出願番号】P 2019067778
(22)【出願日】2019-03-29
【審査請求日】2021-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人エビス国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100168907
【氏名又は名称】本田 太久
(72)【発明者】
【氏名】今野 実
【審査官】長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-082260(JP,A)
【文献】国際公開第2019/059394(WO,A1)
【文献】特開2018-077760(JP,A)
【文献】特開2005-099490(JP,A)
【文献】特開2004-125501(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0292286(US,A1)
【文献】特開2018-147424(JP,A)
【文献】特開2013-134663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 39/02
G01V 1/00
G08G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
需要家に対して流体を供給する流体供給網に設置され、前記流体供給網を有するエリアでの災害の発生を検知する検知装置と、
前記流体供給網に設置され、前記検知装置の検知結果に基づいて前記流体の供給を停止する遮断装置と、
前記エリアを飛行して前記エリアの被害状況を監視する飛行体と、
前記遮断装置における前記流体の供給停止状況、及び、前記飛行体により取得された前記被害状況を収集する管理装置と、
を備え、
前記遮断装置は、前記流体供給網の複数地点に設置された複数の前記遮断装置により構成され、
前記管理装置は、
収集された前記供給停止状況に基づいて、前記複数の遮断装置を、前記流体の供給が停止済でない第1遮断装置と、前記流体の供給が停止済である第2遮断装置とに判別し、
隣り合う前記遮断装置の一方が前記第1遮断装置であり他方が前記第2遮断装置であると、前記飛行体が前記第2遮断装置の設置地点よりも優先して前記第1遮断装置の設置地点を
経由地点と決定して飛行するよう、前記飛行体の飛行ルートを決定し、
決定された前記飛行ルートに応じて前記飛行体を飛行させる、
災害情報収集システム。
【請求項2】
前記エリアは、前記遮断装置の設置地点に基づいて複数のブロックに区分けされており、
前記管理装置は、
前記複数のブロックを、前記第1遮断装置が属する前記ブロックである第1ブロックと、前記第2遮断装置のみが属する前記ブロックである第2ブロックとに判別し、
隣り合う前記ブロックの一方が前記第1ブロックであり他方が前記第2ブロックであると、前記飛行体が前記第2ブロックよりも優先して前記第1ブロックを
経由地域と決定して飛行するよう、前記飛行ルートを決定する、
請求項1に記載の災害情報収集システム。
【請求項3】
需要家ごとに設置され、前記災害の発生を検知するセンサを更に備え、
前記管理装置は、
前記センサの検知結果と前記センサの設置位置とに基づいて、前記飛行ルートを決定する、
請求項1又は2に記載の災害情報収集システム。
【請求項4】
前記流体は、ガスであり、
前記流体供給網は、前記ガスの圧力を調整するガバナが設置されたガス供給網であり、
前記災害は、地震であり、
前記検知装置は、前記ガバナに設置され、地震動の強さを計測可能な地震計であり、
前記遮断装置は、前記ガバナに設置され、前記検知装置の計測データに基づいて前記ガバナにおける前記ガスの供給を停止する遮断弁であり、
前記管理装置は、前記流体供給網を管理する管理センタに設置された制御装置である、
請求項1~3の何れか1項に記載の災害情報収集システム。
【請求項5】
需要家に対して流体を供給する流体供給網に設置され、前記流体供給網を有するエリアでの災害の発生を検知する検知装置と、
前記流体供給網に設置され、前記検知装置の検知結果に基づいて前記流体の供給を停止する遮断装置と、
前記エリアを飛行して前記エリアの被害状況を監視する飛行体と、
前記遮断装置における前記流体の供給停止状況、及び、前記飛行体により取得された前記被害状況を収集する管理装置と、
を備え、
前記エリアは、前記遮断装置の設置地点に基づいて複数のブロックに区分けされており、
前記管理装置は、
収集された前記供給停止状況に基づいて、前記複数のブロックを、前記流体の供給が停止済でない第1遮断装置が属する前記ブロックである第1ブロックと、前記流体の供給が停止済である第2遮断装置のみが属する前記ブロックである第2ブロックとに判別し、
隣り合う前記ブロックの一方が前記第1ブロックであり他方が前記第2ブロックであると、前記飛行体が前記第2ブロックよりも優先して前記第1ブロックを
経由地域と決定して飛行するよう、前記飛行体の飛行ルートを決定し、
決定された前記飛行ルートに応じて前記飛行体を飛行させる、
災害情報収集システム。
【請求項6】
需要家に対して流体を供給する流体供給網に設置され、前記流体供給網を有するエリアでの災害の発生を検知する検知装置と、
前記流体供給網に設置され、前記検知装置の検知結果に基づいて前記流体の供給を停止する遮断装置と、
前記エリアを飛行して前記エリアの被害状況を監視する飛行体と、
を備えるシステムを用いて、前記エリアで発生した災害の情報を収集する災害情報収集方法であって、
前記流体供給網の複数地点に設置された複数の前記遮断装置のそれぞれにおける前記流体の供給停止状況を収集する第1収集工程と、
収集された前記供給停止状況に基づいて、前記複数の遮断装置を、前記流体の供給が停止済でない第1遮断装置と、前記流体の供給が停止済である第2遮断装置とに判別する判別工程と、
隣り合う前記遮断装置の一方が前記第1遮断装置であり他方が前記第2遮断装置であると、前記飛行体が前記第2遮断装置の設置地点よりも優先して前記第1遮断装置の設置地点を
経由地点と決定して飛行するよう、前記飛行体の飛行ルートを決定する決定工程と、
決定された前記飛行ルートに応じて前記飛行体を飛行させる飛行工程と、
飛行した前記飛行体により取得された前記被害状況を収集する第2収集工程と、
を備える、
災害情報収集方法。
【請求項7】
需要家に対して流体を供給する流体供給網に設置され、前記流体供給網を有するエリアでの災害の発生を検知する検知装置と、
前記流体供給網に設置され、前記検知装置の検知結果に基づいて前記流体の供給を停止する遮断装置と、
前記エリアを飛行して前記エリアの被害状況を監視する飛行体と、
前記遮断装置における前記流体の供給停止状況、及び、前記飛行体により取得された前記被害状況を収集する管理装置と、
を備えるシステムを用いて、前記遮断装置の設置地点に基づいて複数のブロックに区分けされた前記エリアで発生した災害の情報を収集する災害情報収集方法であって、
前記遮断装置における前記流体の供給停止状況を収集する第1収集工程と、
収集された前記供給停止状況に基づいて、前記複数のブロックを、前記流体の供給が停止済でない第1遮断装置が属する前記ブロックである第1ブロックと、前記流体の供給が停止済である第2遮断装置のみが属する前記ブロックである第2ブロックとに判別するブロック判別工程と、
隣り合う前記ブロックの一方が前記第1ブロックであり他方が前記第2ブロックであると、前記飛行体が前記第2ブロックよりも優先して前記第1ブロックを
経由地域と決定して飛行するよう、前記飛行体の飛行ルートを決定する決定工程と、
決定された前記飛行ルートに応じて前記飛行体を飛行させる飛行工程と、
飛行した前記飛行体により取得された前記被害状況を収集する第2収集工程と、
を備える、
災害情報収集方法。
【請求項8】
需要家に対して流体を供給する流体供給網に設置され、前記流体供給網を有するエリアでの災害の発生を検知する検知装置と、
前記流体供給網に設置され、前記検知装置の検知結果に基づいて前記流体の供給を停止する遮断装置と、
前記エリアを飛行して前記エリアの被害状況を監視する飛行体と、
を備えるシステムを用いて、前記エリアで発生した災害の情報をコンピュータに収集させる災害情報収集プログラムであって、
前記流体供給網の複数地点に設置された複数の前記遮断装置のそれぞれにおける前記流体の供給停止状況を収集する第1収集ステップと、
収集された前記供給停止状況に基づいて、前記複数の遮断装置を、前記流体の供給が停止済でない第1遮断装置と、前記流体の供給が停止済である第2遮断装置とに判別する判別ステップと、
隣り合う前記遮断装置の一方が前記第1遮断装置であり他方が前記第2遮断装置であると、前記飛行体が前記第2遮断装置の設置地点よりも優先して前記第1遮断装置の設置地点を
経由地点と決定して飛行するよう、前記飛行体の飛行ルートを決定する決定ステップと、
決定された前記飛行ルートに応じて前記飛行体を飛行させる飛行ステップと、
飛行した前記飛行体により取得された前記被害状況を収集する第2収集ステップと、
を備える、
災害情報収集プログラム。
【請求項9】
需要家に対して流体を供給する流体供給網に設置され、前記流体供給網を有するエリアでの災害の発生を検知する検知装置と、
前記流体供給網に設置され、前記検知装置の検知結果に基づいて前記流体の供給を停止する遮断装置と、
前記エリアを飛行して前記エリアの被害状況を監視する飛行体と、
前記遮断装置における前記流体の供給停止状況、及び、前記飛行体により取得された前記被害状況を収集する管理装置と、
を備えるシステムを用いて、前記遮断装置の設置地点に基づいて複数のブロックに区分けされた前記エリアで発生した災害の情報を、コンピュータに収集させる災害情報収集プログラムであって、
前記遮断装置における前記流体の供給停止状況を収集する第1収集ステップと、
収集された前記供給停止状況に基づいて、前記複数のブロックを、前記流体の供給が停止済でない第1遮断装置が属する前記ブロックである第1ブロックと、前記流体の供給が停止済である第2遮断装置のみが属する前記ブロックである第2ブロックとに判別するブロック判別ステップと、
隣り合う前記ブロックの一方が前記第1ブロックであり他方が前記第2ブロックであると、前記飛行体が前記第2ブロックよりも優先して前記第1ブロックを
経由地域と決定して飛行するよう、前記飛行体の飛行ルートを決定する決定ステップと、
決定された前記飛行ルートに応じて前記飛行体を飛行させる飛行ステップと、
飛行した前記飛行体により取得された前記被害状況を収集する第2収集ステップと、
を備える、
災害情報収集プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害情報収集システム、災害情報収集方法及び災害情報収集プログラムに関する。特に、本発明は、飛行体を用いて情報収集を行う災害情報収集システム、災害情報収集方法及び災害情報プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
地震等の災害が発生した場合、人命救助及び二次災害抑制等の観点から、災害の規模及び被害状況等の災害情報を、迅速且つ的確に収集することが重要である。近年、災害情報を迅速且つ的確に収集するための様々な技術が開発されている。
【0003】
特許文献1には、ドローン等の飛行体が、地理情報記憶手段に記憶されている地理情報に従って飛行して監視対象を上空から撮影すると共に、撮影した映像信号を所定場所に送信した後、基地に帰還することによって、災害情報を収集する技術が記載されている。特許文献1の飛行体は、災害が発生した場合、予め定められた飛行ルートに従って飛行して、災害情報を収集する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、巨大地震等の大規模災害が発生した場合、その影響範囲は広範に亘るため、火災等の二次災害を抑制する観点から、災害情報を効率的に収集する必要がある。例えば、二次災害が発生し易い場所から順に飛行体を飛行させて情報収集を行うことによって、災害情報を効率的に収集することが考えられる。
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術では、飛行体を如何なる飛行ルートで飛行させるかという点が何ら考慮されていない。このため、特許文献1の技術では、災害情報を効率的に収集することができず、二次災害を効果的に抑制することができない可能性が有る。
【0007】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、上述のような問題点を解決することを課題の一例とする。すなわち、本発明の課題の一例は、迅速且つ効率的に災害情報を収集することによって、二次災害を効果的に抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る災害情報収集システムは、需要家に対して流体を供給する流体供給網に設置され、前記流体供給網を有するエリアでの災害の発生を検知する検知装置と、前記流体供給網に設置され、前記検知装置の検知結果に基づいて前記流体の供給を停止する遮断装置と、前記エリアを飛行して前記エリアの被害状況を監視する飛行体と、前記遮断装置における前記流体の供給停止状況、及び、前記飛行体により取得された前記被害状況を収集する管理装置と、を備え、前記遮断装置は、前記流体供給網の複数地点に設置された複数の前記遮断装置により構成され、前記管理装置は、収集された前記供給停止状況に基づいて、前記複数の遮断装置を、前記流体の供給が停止済でない第1遮断装置と、前記流体の供給が停止済である第2遮断装置とに判別し、隣り合う前記遮断装置の一方が前記第1遮断装置であり他方が前記第2遮断装置であると、前記飛行体が前記第2遮断装置の設置地点よりも優先して前記第1遮断装置の設置地点を飛行するよう、前記飛行体の飛行ルートを決定し、決定された前記飛行ルートに応じて前記飛行体を飛行させる。
【0009】
好適には、前記災害情報収集システムにおいて、前記エリアは、前記遮断装置の設置地点に基づいて複数のブロックに区分けされており、前記管理装置は、前記複数のブロックを、前記第1遮断装置が属する前記ブロックである第1ブロックと、前記第2遮断装置のみが属する前記ブロックである第2ブロックとに判別し、隣り合う前記ブロックの一方が前記第1ブロックであり他方が前記第2ブロックであると、前記飛行体が前記第2ブロックよりも優先して前記第1ブロックを飛行するよう、前記飛行ルートを決定する。
【0010】
好適には、前記災害情報収集システムは、需要家ごとに設置され、前記災害の発生を検知するセンサを更に備え、前記管理装置は、前記センサの検知結果と前記センサの設置位置とに基づいて、前記飛行ルートを決定する。
【0011】
好適には、前記災害情報収集システムにおいて、前記流体は、ガスであり、前記流体供給網は、前記ガスの圧力を調整するガバナが設置されたガス供給網であり、前記災害は、地震であり、前記検知装置は、前記ガバナに設置され、地震動の強さを計測可能な地震計であり、前記遮断装置は、前記ガバナに設置され、前記検知装置の計測データに基づいて前記ガバナにおける前記ガスの供給を停止する遮断弁であり、前記管理装置は、前記流体供給網を管理する管理センタに設置された制御装置である。
【0012】
本発明に係る災害情報収集システムは、需要家に対して流体を供給する流体供給網に設置され、前記流体供給網を有するエリアでの災害の発生を検知する検知装置と、前記流体供給網に設置され、前記検知装置の検知結果に基づいて前記流体の供給を停止する遮断装置と、前記エリアを飛行して前記エリアの被害状況を監視する飛行体と、前記遮断装置における前記流体の供給停止状況、及び、前記飛行体により取得された前記被害状況を収集する管理装置と、を備え、前記エリアは、前記遮断装置の設置地点に基づいて複数のブロックに区分けされており、前記管理装置は、収集された前記供給停止状況に基づいて、前記複数のブロックを、前記流体の供給が停止済でない第1遮断装置が属する前記ブロックである第1ブロックと、前記流体の供給が停止済である第2遮断装置のみが属する前記ブロックである第2ブロックとに判別し、隣り合う前記ブロックの一方が前記第1ブロックであり他方が前記第2ブロックであると、前記飛行体が前記第2ブロックよりも優先して前記第1ブロックを飛行するよう、前記飛行体の飛行ルートを決定し、決定された前記飛行ルートに応じて前記飛行体を飛行させる。
【0013】
本発明に係る災害情報収集方法は、需要家に対して流体を供給する流体供給網に設置され、前記流体供給網を有するエリアでの災害の発生を検知する検知装置と、前記流体供給網に設置され、前記検知装置の検知結果に基づいて前記流体の供給を停止する遮断装置と、前記エリアを飛行して前記エリアの被害状況を監視する飛行体と、を備えるシステムを用いて、前記エリアで発生した災害の情報を収集する災害情報収集方法であって、前記流体供給網の複数地点に設置された複数の前記遮断装置のそれぞれにおける前記流体の供給停止状況を収集する第1収集工程と、収集された前記供給停止状況に基づいて、前記複数の遮断装置を、前記流体の供給が停止済でない第1遮断装置と、前記流体の供給が停止済である第2遮断装置とに判別する判別工程と、隣り合う前記遮断装置の一方が前記第1遮断装置であり他方が前記第2遮断装置であると、前記飛行体が前記第2遮断装置の設置地点よりも優先して前記第1遮断装置の設置地点を飛行するよう、前記飛行体の飛行ルートを決定する決定工程と、決定された前記飛行ルートに応じて前記飛行体を飛行させる飛行工程と、飛行した前記飛行体により取得された前記被害状況を収集する第2収集工程と、を備える。
【0014】
本発明に係る災害情報収集方法は、需要家に対して流体を供給する流体供給網に設置され、前記流体供給網を有するエリアでの災害の発生を検知する検知装置と、前記流体供給網に設置され、前記検知装置の検知結果に基づいて前記流体の供給を停止する遮断装置と、前記エリアを飛行して前記エリアの被害状況を監視する飛行体と、前記遮断装置における前記流体の供給停止状況、及び、前記飛行体により取得された前記被害状況を収集する管理装置と、を備えるシステムを用いて、前記遮断装置の設置地点に基づいて複数のブロックに区分けされた前記エリアで発生した災害の情報を収集する災害情報収集方法であって、前記遮断装置における前記流体の供給停止状況を収集する第1収集工程と、収集された前記供給停止状況に基づいて、前記複数のブロックを、前記流体の供給が停止済でない第1遮断装置が属する前記ブロックである第1ブロックと、前記流体の供給が停止済である第2遮断装置のみが属する前記ブロックである第2ブロックとに判別するブロック判別工程と、隣り合う前記ブロックの一方が前記第1ブロックであり他方が前記第2ブロックであると、前記飛行体が前記第2ブロックよりも優先して前記第1ブロックを飛行するよう、前記飛行体の飛行ルートを決定する決定工程と、決定された前記飛行ルートに応じて前記飛行体を飛行させる飛行工程と、飛行した前記飛行体により取得された前記被害状況を収集する第2収集工程と、を備える。
【0015】
本発明に係る災害情報収集プログラムは、需要家に対して流体を供給する流体供給網に設置され、前記流体供給網を有するエリアでの災害の発生を検知する検知装置と、前記流体供給網に設置され、前記検知装置の検知結果に基づいて前記流体の供給を停止する遮断装置と、前記エリアを飛行して前記エリアの被害状況を監視する飛行体と、を備えるシステムを用いて、前記エリアで発生した災害の情報をコンピュータに収集させる災害情報収集プログラムであって、前記流体供給網の複数地点に設置された複数の前記遮断装置のそれぞれにおける前記流体の供給停止状況を収集する第1収集ステップと、収集された前記供給停止状況に基づいて、前記複数の遮断装置を、前記流体の供給が停止済でない第1遮断装置と、前記流体の供給が停止済である第2遮断装置とに判別する判別ステップと、隣り合う前記遮断装置の一方が前記第1遮断装置であり他方が前記第2遮断装置であると、前記飛行体が前記第2遮断装置の設置地点よりも優先して前記第1遮断装置の設置地点を飛行するよう、前記飛行体の飛行ルートを決定する決定ステップと、決定された前記飛行ルートに応じて前記飛行体を飛行させる飛行ステップと、飛行した前記飛行体により取得された前記被害状況を収集する第2収集ステップと、を備える。
【0016】
本発明に係る災害情報収集プログラムは、需要家に対して流体を供給する流体供給網に設置され、前記流体供給網を有するエリアでの災害の発生を検知する検知装置と、前記流体供給網に設置され、前記検知装置の検知結果に基づいて前記流体の供給を停止する遮断装置と、前記エリアを飛行して前記エリアの被害状況を監視する飛行体と、前記遮断装置における前記流体の供給停止状況、及び、前記飛行体により取得された前記被害状況を収集する管理装置と、を備えるシステムを用いて、前記遮断装置の設置地点に基づいて複数のブロックに区分けされた前記エリアで発生した災害の情報を、コンピュータに収集させる災害情報収集プログラムであって、前記遮断装置における前記流体の供給停止状況を収集する第1収集ステップと、収集された前記供給停止状況に基づいて、前記複数のブロックを、前記流体の供給が停止済でない第1遮断装置が属する前記ブロックである第1ブロックと、前記流体の供給が停止済である第2遮断装置のみが属する前記ブロックである第2ブロックとに判別するブロック判別ステップと、隣り合う前記ブロックの一方が前記第1ブロックであり他方が前記第2ブロックであると、前記飛行体が前記第2ブロックよりも優先して前記第1ブロックを飛行するよう、前記飛行体の飛行ルートを決定する決定ステップと、決定された前記飛行ルートに応じて前記飛行体を飛行させる飛行ステップと、飛行した前記飛行体により取得された前記被害状況を収集する第2収集ステップと、を備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、迅速且つ効率的に災害情報を収集することができ、二次災害を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施形態1に係る災害情報収集システムが導入されるエリアを模式的に示す図である。
【
図2】
図1に示された一のブロック内の流体供給網を模式的に示す図である。
【
図3】実施形態1に係る災害情報収集システムの構成を示す図である。
【
図4】実施形態1に係る災害情報収集処理の流れを示す図である。
【
図5】実施形態1に係る飛行ルート決定処理の流れを示す図である。
【
図6】
図5に示された処理にて決定される飛行ルートを説明するための図である。
【
図7】実施形態2に係る飛行ルート決定処理の流れを示す図である。
【
図8】
図7に示された処理にて決定される飛行ルートを説明するための図である。
【
図9】実施形態3に係る飛行ルート決定処理にて決定される飛行ルートを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[実施形態1:災害情報収集システムの構成]
図1は、実施形態1に係る災害情報収集システム1が導入されるエリアAを模式的に示す図である。
図2は、
図1に示された一のブロックB内の流体供給網を模式的に示す図である。
【0020】
災害情報収集システム1が導入されるエリアAは、需要家に対して流体を供給する流体供給網を有する流体供給エリアである。流体は、ガス又は水道水等である。流体供給網は、ガスの導管が張り巡らされたガス供給網、又は、水道水の導管が張り巡らされた水道水供給網等である。本実施形態では、災害情報収集システム1が導入されるエリアAとして、都市ガスを供給するガス供給網を有するガス供給エリアを例に挙げて説明する。
【0021】
図1には、都市ガスのガス供給エリアが示されている。
図1に示されたエリアAのガス供給網は、ガス製造基地で製造された高圧ガスを減圧調整して得られた中低圧ガスの導管網である。
図1に示されたエリアAのガス供給網には、中圧ガスの圧力を調整して低圧ガスを供給するガバナGが設置されている。このガバナGは、いわゆる地区ガバナとも称される。
【0022】
図1に示されたエリアAは、複数のブロックBに区分けされている。複数のブロックBのそれぞれは、
図2に示されるように、各ブロックB内に張り巡らされたガス管Pと、このガス管Pに設置された複数のガバナGとを含む。隣り合うブロックB同士は、ガバナGによって区分けされる。すなわち、エリアAは、ガバナGの設置地点に基づいて複数のブロックBに区分けされる。なお、
図1には、エリアA内に複数のブロックB(1)~B(14)が存在する例が示されている。
図2には、一のブロックB内に複数のガバナG(1)~G(7)が存在する例が示されている。
【0023】
エリアAには、
図1に示されるように、エリアAのガス供給網全体を集中的に管理する管理センタCと、管理センタCから離れた地点に位置する遠隔基地Dとが設置されている。管理センタCは、ガバナG及びガス管P並びにこれらの周辺設備をカメラ等で監視し、不測の事態が発生した際にはガバナG等の遠隔制御等を行う。更に、管理センタCは、遠隔基地Dに装備された飛行体5の遠隔制御等を行う。
【0024】
図3は、実施形態1に係る災害情報収集システム1の構成を示す図である。
【0025】
災害情報収集システム1は、エリアAで災害が発生した際に、災害の規模及び被害状況等の災害情報を収集するシステムである。災害情報収集システム1が地震発生時の災害情報を収集するシステムに適用される場合、災害情報収集システム1は、超高密度リアルタイム地震防災システム(SUPREME:登録商標)に組み込まれたシステムであってよい。
【0026】
災害情報収集システム1は、
図3に示されるように、検知装置2と、遮断装置3と、飛行体5と、管理装置10とを備える。
【0027】
検知装置2は、ガス供給網の複数地点に設置され、エリアAでの災害の発生を検知する装置である。災害情報収集システム1が地震発生時の災害情報を収集するシステムに適用される場合、検知装置2は、ガス供給網を構成するガバナGに設置され、地震動の強さ又は地震の規模等を計測可能な地震計であってよい。この場合、検知装置2は、SI(Spectral Intensity)センサにより構成され、計測データとしてSI値を取得する地震計であると好適である。
【0028】
SIセンサにより構成された検知装置2は、計測データとして取得されたSI値に基づいて、地震の発生を検知する。例えば、この検知装置2は、取得されたSI値が所定の閾値以上であれば、所定震度以上の地震が発生したことを検知する。そして、検知装置2は、所定震度以上の地震が発生したことを示す検知結果を、遮断装置3へ送信する。更に、検知装置2は、計測データとして取得されたSI値を、管理装置10へ送信する。なお、検知装置2は、遮断装置3に対してSI値を送信してもよい。
【0029】
遮断装置3は、ガス供給網の複数地点に設置され、検知装置2の検知結果に基づいてガスの供給を停止する装置である。具体的には、遮断装置3は、ガス供給網を構成するガバナGに設置され、検知装置2の計測データに基づいてガバナGにおけるガスの供給を停止する遮断弁により構成される。遮断装置3は、管理センタCからの指令を受けずに、検知装置2の計測データに基づいてガスの供給を自動的に停止する自動遮断部4を備える。災害情報収集システム1が地震発生時の災害情報を収集するシステムに適用される場合、自動遮断部4は、検知装置2の計測データとして取得されたSI値が所定の閾値以上であれば、所定震度以上の地震が発生したとして、ガバナGにおけるガスの供給を停止する。また、遮断装置3は、ガスの供給停止状況をリアルタイムで管理装置10へ送信する。ガスの供給停止状況は、ガスの供給を停止済であるか否かを示す情報である。
【0030】
飛行体5は、エリアAを飛行して、エリアAの被害状況を監視する飛行体である。飛行体5は、ドローン等の無人飛行体、又は、ヘリコプタ等の有人飛行体により構成される。飛行体5は、遠隔基地Dに装備され、管理センタCからの指令に基づいて、エリアAの監視飛行を行う。飛行体5は、光学カメラ及び赤外線カメラにより構成されたカメラ6を備える。飛行体5は、カメラ6により光学画像及び赤外線画像を取得することによってエリアAを監視する。災害が発生した際にカメラ6により取得された光学画像及び赤外線画像は、エリアAの被害状況を示し得る。飛行体5は、取得された光学画像及び赤外線画像をリアルタイムで管理装置10へ送信する。
【0031】
管理装置10は、ガス供給網を管理する管理センタCに設置され、災害情報収集システム1の各構成要素を統括的に制御する制御装置である。管理装置10は、プロセッサ及び記憶装置を含むと共に、災害情報収集システム1の機能を実装したプログラムを含む制御ユニットにより構成される。
【0032】
具体的には、管理装置10は、遮断装置3を遠隔制御する遮断装置制御部11と、飛行体5を遠隔制御する飛行体制御部12と、災害情報を含むエリアAの各種情報を収集する情報収集部13と、情報収集部13により収集された情報を分析する情報分析部14とを備える。
【0033】
情報収集部13は、検知装置2の計測データ、遮断装置3におけるガスの供給停止状況、及び、カメラ6により取得された光学画像及び赤外線画像を収集する。災害情報収集システム1が地震発生時の災害情報を収集するシステムに適用される場合、情報分析部14は、計測データとして取得されたSI値が所定の閾値以上であれば、所定震度以上の地震が発生したと判断し、エリアA全体での地震規模の分布を明らかにする。更に、情報分析部14は、取得された光学画像及び赤外線画像に基づいて、ガス漏洩等の設備異常の有無、及び、火災等の二次災害の発生有無等を分析し、エリアA全体での被害状況の分布を明らかにする。
【0034】
また、管理装置10は、情報収集部13により収集された遮断装置3におけるガスの供給停止状況に基づいて、エリアAに存在する複数の遮断装置3を、「第1遮断装置」と「第2遮断装置」とに判別する遮断装置判別部15を備える。第1遮断装置は、ガスの供給が停止済でない遮断装置3である。第2遮断装置は、ガスの供給が停止済である遮断装置3である。遮断装置判別部15は、エリアA全体での第1遮断装置及び第2遮断装置の分布を明らかにする。
【0035】
更に、管理装置10は、遮断装置判別部15による第1遮断装置及び第2遮断装置の判別結果に基づいて、エリアAを区分した複数のブロックBを、「第1ブロック」と「第2ブロック」とに判別するブロック判別部16を備える。第1ブロックは、ブロックBに属する複数の遮断装置3に第1遮断装置が含まれるブロックBである。第2ブロックは、ブロックBに属する複数の遮断装置3の中に、第1遮断装置が含まれないブロックBである。すなわち、第1ブロックは、第1遮断装置が属するブロックBであり、第2ブロックは、第2遮断装置のみが属するブロックBである。ブロック判別部16は、エリアA全体での第1ブロック及び第2ブロックの分布を明らかにする。
【0036】
更に、管理装置10は、遮断装置判別部15による第1遮断装置及び第2遮断装置の判別結果に基づいて、飛行体5の飛行ルートRを決定する飛行ルート決定部17を備える。飛行ルート決定部17は、隣り合う遮断装置3の一方が第1遮断装置であり他方が第2遮断装置であると、飛行体5が第2遮断装置の設置地点よりも優先して第1遮断装置の設置地点を飛行するよう、飛行ルートRを決定する。飛行ルートの決定については、
図5及び
図6を用いて後述する。管理装置10は、飛行体制御部12を用いて、飛行ルート決定部17により決定された飛行ルートRに応じて飛行体5を飛行させる。
【0037】
[実施形態1:災害情報収集処理]
図4は、実施形態1に係る災害情報収集処理の流れを示す図である。
【0038】
管理装置10は、災害が発生した際、災害情報を収集するための「災害情報収集処理」を実行する。本実施形態では、災害情報収集処理によって災害情報を収集する方法を、「災害情報収集方法」とも称し、コンピュータに災害情報収集処理を実行させるためのプログラムを、「災害情報収集プログラム」とも称する。
【0039】
ステップ401において、管理装置10は、検知装置2の計測データを収集する。
【0040】
ステップ402において、管理装置10は、遮断装置3におけるガスの供給停止状況を収集する。
【0041】
ステップ403において、管理装置10は、ステップ402により収集された遮断装置3におけるガスの供給停止状況に基づいて、エリアAに存在する複数の遮断装置3を第1遮断装置と第2遮断装置とに判別する。
【0042】
ステップ404において、管理装置10は、ステップ403による第1遮断装置及び第2遮断装置の判別結果に基づいて、複数のブロックBを第1ブロックと第2ブロックとに判別する。
【0043】
ステップ405において、管理装置10は、ステップ403による第1遮断装置及び第2遮断装置の判別結果に基づいて、飛行体5の飛行ルートRを決定する飛行ルート決定処理を実行する。飛行ルート決定処理の詳細については、
図5及び
図6を用いて後述する。
【0044】
ステップ406において、管理装置10は、ステップ405により決定された飛行ルートRで飛行体5を飛行させる。
【0045】
ステップ407において、管理装置10は、ステップ406により飛行する飛行体5により取得された光学画像及び赤外線画像を分析し、エリアAの被害状況を収集する。
【0046】
ステップ408において、管理装置10は、ステップ401~404及びステップ407により収集された各種情報に基づいて、必要な保安措置を実行する。例えば、管理装置10は、遮断装置3におけるガスの供給停止状況と、飛行体5により取得された被害状況とに基づいて、ガスの供給を停止済でない遮断装置3を遠隔制御し、ガスの供給を停止させる保安措置を実行する。ステップ408の後、管理装置10は、本処理を終了する。
【0047】
図5は、実施形態1に係る飛行ルート決定処理の流れを示す図である。
図6は、
図5に示された処理にて決定される飛行ルートRを説明するための図である。
【0048】
飛行ルート決定処理は、エリアA全体における飛行体5の飛行ルートRを決定するための処理である。しかし、
図6を用いた説明では、飛行ルート決定処理の理解を容易にするため、エリアAに含まれる一のブロックB内での飛行ルートRが如何にして決定されるかを例にとって説明する。
【0049】
図6には、一のブロックB内に複数のガバナG(1)~G(7)が存在し、複数のガバナG(1)~G(7)のそれぞれに1つの遮断装置3が設置されている例が示されている。
図6において、「開」と記載されたガバナGは、このガバナGに設置された遮断装置3が、ガスの供給を停止済でなく第1遮断装置に相当することを示す。
図6において、「閉」と記載されたガバナGは、このガバナGに設置された遮断装置3が、ガスの供給を停止済であり第2遮断装置に相当することを示す。
【0050】
ステップ501において、管理装置10は、
図4のステップ403において第1遮断装置と第2遮断装置とに判別した結果、第1遮断装置が存在するか否かを判断する。管理装置10は、第1遮断装置が存在しない場合、ステップ513へ移行する。一方、管理装置10は、第1遮断装置が存在する場合、ステップ502へ移行する。
【0051】
図6の例では、ガバナG(1)~G(3)に設置された遮断装置3は、第1遮断装置として存在する。
【0052】
ステップ502において、管理装置10は、飛行体5が装備された遠隔基地Dに最も近い第1遮断装置を、飛行体5の飛行ルートRにおける第1経由地点に決定する。本実施形態では、遠隔基地Dから出発した飛行体5が、第x番目に経由する地点を、「第x経由地点」とも称する。xは、自然数の値をとる引数である。xの下限値は1であり、xの上限値はエリアAに存在する遮断装置3の総数である。すなわち、第1経由地点は、遠隔基地Dから出発した飛行体5が、最初に経由する地点である。
【0053】
図6の例では、ガバナG(1)に設置された遮断装置3が、遠隔基地Dに最も近い第1遮断装置に相当する。このため、管理装置10は、ガバナG(1)に設置された遮断装置3を、第1経由地点に決定する。
【0054】
ステップ503において、管理装置10は、第m経由地点に隣り合う遮断装置3の中に、第1遮断装置が存在するか否かを判断する。この第m経由地点は、ステップ503を実行する直前に決定された経由地点である。mは、自然数の値をとる引数である。管理装置10は、第m経由地点に隣り合う遮断装置3の中に、第1遮断装置が存在しない場合、ステップ505へ移行する。一方、管理装置10は、第m経由地点に隣り合う遮断装置3の中に、第1遮断装置が存在する場合、ステップ504へ移行する。
【0055】
ステップ504において、管理装置10は、第m経由地点に隣り合う第1遮断装置を、第(m+1)経由地点に決定する。第(m+1)経由地点は、飛行体5が第m経由地点の次に経由する地点である。第m経由地点に隣り合う第1遮断装置が複数存在する場合には、第m経由地点に隣り合う複数の第1遮断装置の中で、第m経由地点に最も近い第1遮断装置を、第(m+1)経由地点に決定する。ステップ504の後、管理装置10は、ステップ506へ移行する。
【0056】
図6の例では、ガバナG(1)に設置された遮断装置3は、第1経由地点であるが、ガバナG(2)に設置された遮断装置3は、第1経由地点に隣り合う第1遮断装置に相当する。このため、管理装置10は、ガバナG(2)に設置された遮断装置3を、第2経由地点に決定する。同様に、ガバナG(3)に設置された遮断装置3が第2経由地点に隣り合う第1遮断装置に相当するため、管理装置10は、ガバナG(3)に設置された遮断装置3を、第3経由地点に決定する。
【0057】
ステップ505において、管理装置10は、第m経由地点に隣り合う第2遮断装置を、第(m+1)経由地点に決定する。第m経由地点に隣り合う第2遮断装置が複数存在する場合には、第m経由地点に隣り合う複数の第2遮断装置の中で、第m経由地点に最も近い第1遮断装置へ向かうルート付近に存在する第2遮断装置を、第(m+1)経由地点に決定する。ステップ505の後、管理装置10は、ステップ506へ移行する。
【0058】
ステップ506において、管理装置10は、第1遮断装置に判別された結果に含まれる全ての第1遮断装置を経由地点に決定したか否かを判断する。管理装置10は、全ての第1遮断装置を経由地点に決定していない場合、ステップ503へ移行する。一方、管理装置10は、全ての第1遮断装置を経由地点に決定した場合、ステップ507へ移行する。なお、ステップ506からステップ503へ移行した際に、第m経由地点に隣り合う遮断装置3の中に、第1遮断装置及び第2遮断装置の何れもが存在しない場合は、第m経由地点から最も近い第1遮断装置を、第(m+1)経由地点に決定すればよい。
【0059】
図6の例では、ガバナG(3)に設置された遮断装置3が第3経由地点に決定されると、全ての第1遮断装置が経由地点に決定されたことになる。
【0060】
ステップ507において、管理装置10は、ステップ502~506で決定された経由地点を経由するルートから外れた第2遮断装置の中に、飛行ルートRに加える第2遮断装置が有るか否かを判断する。管理装置10は、決定された経由地点を経由するルートから外れた第2遮断装置の中に、例えば、保安上重要な設備の周辺に存在したり軟弱な地盤に存在したりする第2遮断装置が有る場合、これらの第2遮断装置を、飛行ルートRに加えることができる。管理装置10は、決定された経由地点を経由するルートから外れた第2遮断装置の中に、飛行ルートRに加える第2遮断装置が無い場合、ステップ512へ移行する。一方、管理装置10は、決定された経由地点を経由するルートから外れた第2遮断装置の中に、飛行ルートRに加える第2遮断装置が有る場合、ステップ508へ移行する。
【0061】
ステップ508において、管理装置10は、ステップ502~506で決定された経由地点を経由するルートから外れた第2遮断装置の中から、飛行ルートRに加える第2遮断装置を選定する。
【0062】
図6の例では、ガバナG(1)~G(3)を経由するルートから外れた第2遮断装置は、ガバナG(4)~G(7)に設置された遮断装置3である。ガバナG(4)~G(7)に設置された遮断装置3の中で、飛行ルートRに加えるべき第2遮断装置が、ガバナG(5)及びG(7)に設置された遮断装置3である場合、管理装置10は、ガバナG(5)及びG(7)に設置された遮断装置3を選定する。
【0063】
ステップ509において、管理装置10は、ステップ508で選定された第2遮断装置の中で、第1遮断装置の最後の経由地点である第n経由地点に最も近い第2遮断装置を、第(n+1)経由地点に決定する。nは、自然数の値をとる引数である。第(n+1)経由地点は、飛行体5が第n経由地点の次に経由する地点である。
【0064】
図6の例では、第1遮断装置の最後の経由地点は、第3経由地点に決定されたガバナG(3)に設置された遮断装置3である。ガバナG(5)に設置された遮断装置3は、選定された第2遮断装置の中で、第1遮断装置の最後の経由地点に最も近い第2遮断装置に相当する。このため、管理装置10は、ガバナG(5)に設置された遮断装置3を、第4経由地点に決定する。
【0065】
ステップ510において、管理装置10は、ステップ508で選定された第2遮断装置の中で、第p経由地点に最も近い第2遮断装置を、第(p+1)経由地点に決定する。この第p経由地点は、ステップ510を実行する直前に決定された経由地点である。pは、自然数の値をとる引数である。第(p+1)経由地点は、飛行体5が第p経由地点の次に経由する地点である。なお、ステップ508で選定された第2遮断装置の中で、第(p+1)経由地点に決定するべき第2遮断装置が無い場合、管理装置10は、ステップ510を省略してステップ511へ移行する。
【0066】
図6の例では、ガバナG(5)に設置された遮断装置3は、第4経由地点であるが、ガバナG(7)に設置された遮断装置3は、選定された第2遮断装置の中で、第4経由地点に最も近い第2遮断装置に相当する。このため、管理装置10は、ガバナG(7)に設置された遮断装置3を、第5経由地点に決定する。
【0067】
ステップ511において、管理装置10は、ステップ508で選定された全ての第2遮断装置を経由地点に決定したか否かを判断する。管理装置10は、選定された全ての第2遮断装置を経由地点に決定していない場合、ステップ510へ移行する。一方、管理装置10は、選定された全ての第2遮断装置を経由地点に決定した場合、ステップ512へ移行する。
【0068】
図6の例では、ガバナG(7)に設置された遮断装置3が第5経由地点に決定されると、選定された全ての第2遮断装置が経由地点に決定されたことになる。
【0069】
ステップ512において、管理装置10は、ステップ502~511で決定された第1~第x経由地点の決定順に第1~第x経由地点を経由するルートを、飛行体5の飛行ルートRに決定する。ステップ512の後、管理装置10は、本処理を終了する。
【0070】
図6の例では、ガバナG(1)、G(2)、G(3)、G(5)及びG(7)のそれぞれに設置された遮断装置3は、第1~第5経由地点である。管理装置10は、ガバナG(1)、G(2)、G(3)、G(5)及びG(7)に設置された遮断装置3の順に経由するルートを、飛行体5の飛行ルートRに決定する。
【0071】
ステップ513において、管理装置10は、予め定められたルートを、飛行体5の飛行ルートRに決定する。ステップ513の後、管理装置10は、本処理を終了する。
【0072】
[実施形態1:作用効果]
以上のように、実施形態1に係る管理装置10は、飛行体5の飛行ルートRを、
図5に示されるような手順で決定する。このため、管理装置10は、隣り合う遮断装置3の一方が第1遮断装置であり他方が第2遮断装置であると、ガスの供給を停止済でない第1遮断装置の設置地点を、停止済である第2遮断装置の設置地点よりも優先して、飛行体5に飛行させ得る。それにより、実施形態1に係る災害情報収集システム1は、二次災害が発生し易い第1遮断装置の設置地点における災害情報を、優先的に収集することができる。加えて、実施形態1に係る災害情報収集システム1では、保安上重要な設備の周辺に存在する第2遮断装置等以外の第2遮断装置の設置地点は比較的安全な地点と見做し、この第2遮断装置の設置地点における災害情報の収集を、切り分けることができる。よって、実施形態1に係る災害情報収集システム1は、迅速且つ効率的に災害情報を収集することができ、二次災害を効果的に抑制することができる。
【0073】
一般に、強固な地盤等の地盤の良い地点は、地震が起きても比較的揺れ難く、震度6弱以上の大きな地震が起きても、遮断装置3によってはガスの供給が停止されない可能性がある。この場合、ガスが漏洩した状態でエリアAに火災が発生すると、漏洩したガスに引火して、二次災害が発生する可能性が有る。実施形態1に係る災害情報収集システム1は、ガスの供給を停止済でない第1遮断装置の設置地点から優先的に災害情報を収集することができるため、火災等が発生した際には、この第1遮断装置を遠隔制御してガスの供給を即座に停止させることができる。よって、実施形態1に係る災害情報収集システム1は、二次災害の発生を効果的に抑制することができる。
【0074】
[他の実施形態]
実施形態2及び3に係る災害情報収集システム1について説明する。実施形態2及び3に係る災害情報収集システム1の説明において、実施形態1に係る災害情報収集システム1と同様の構成及び動作に係る説明については、重複する説明となるため省略する。
【0075】
図4のステップ405及び
図5に示されるように、実施形態1に係る管理装置10は、ステップ403における第1遮断装置及び第2遮断装置の判別結果に基づいて、飛行体5の飛行ルートRを決定する。
【0076】
これに対し、実施形態2に係る管理装置10は、ステップ404における第1ブロック及び第2ブロックの判別結果に基づいて、飛行体5の飛行ルートRを決定する。すなわち、実施形態2に係る管理装置10は、飛行体5の飛行ルートRをブロックB単位で決定する。
【0077】
図7は、実施形態2に係る飛行ルート決定処理の流れを示す図である。
図8は、
図7に示された処理にて決定される飛行ルートRを説明するための図である。
【0078】
図8には、エリアA内に複数のブロックB(1)~B(14)が存在する例が示されている。
図8において、ハッチングされたブロックBは、このブロックBに属する複数の遮断装置3の中に第1遮断装置を含む、第1ブロックに相当することを示す。
図8において、ハッチングされていないブロックBは、このブロックBに属する複数の遮断装置3の中に第1遮断装置を含まない、第2ブロックに相当することを示す。
【0079】
ステップ701において、管理装置10は、
図4のステップ404において第1ブロックと第2ブロックとに判別した結果、エリアA内に第1ブロックが存在するか否かを判断する。管理装置10は、第1ブロックが存在しない場合、ステップ713へ移行する。一方、管理装置10は、第1ブロックが存在する場合、ステップ702へ移行する。
【0080】
図8の例では、ブロックB(2)、B(6)、B(11)、B(12)及びB(14)は、第1ブロックとして存在する。
【0081】
ステップ702において、管理装置10は、飛行体5が装備された遠隔基地Dに最も近い第1ブロックを、飛行体5の飛行ルートRにおける第1経由地域に決定する。本実施形態では、遠隔基地Dから出発した飛行体5が、第x番目に経由する地域を、「第x経由地域」とも称する。xは、自然数の値をとる引数である。xの下限値は1であり、xの上限値はエリアAに存在するブロックBの総数である。すなわち、第1経由地域は、遠隔基地Dから出発した飛行体5が、最初に経由する地域である。
【0082】
図8の例では、ブロックB(2)が、遠隔基地Dに最も近い第1ブロックに相当する。このため、管理装置10は、ブロックB(2)を、第1経由地域に決定する。
【0083】
ステップ703において、管理装置10は、第m経由地域に隣り合うブロックBの中に、第1ブロックが存在するか否かを判断する。この第m経由地域は、ステップ703を実行する直前に決定された経由地域である。mは、自然数の値をとる引数である。管理装置10は、第m経由地域に隣り合うブロックBの中に、第1ブロックが存在しない場合、ステップ705へ移行する。一方、管理装置10は、第m経由地域に隣り合うブロックBの中に、第1ブロックが存在する場合、ステップ704へ移行する。
【0084】
ステップ704において、管理装置10は、第m経由地域に隣り合う第1ブロックを、第(m+1)経由地域に決定する。第(m+1)経由地域は、飛行体5が第m経由地域の次に経由する地域である。第m経由地域に隣り合う第1ブロックが複数存在する場合には、第m経由地域に隣り合う複数の第1ブロックの中で、第m経由地域に最も近い第1ブロックを、第(m+1)経由地域に決定する。ステップ704の後、管理装置10は、ステップ706へ移行する。
【0085】
図8の例では、ブロックB(2)は、第1経由地域であるが、ブロックB(6)は、第1経由地域に隣り合う第1ブロックに相当する。このため、管理装置10は、ブロックB(6)を、第2経由地域に決定する。同様に、ブロックB(11)が第2経由地域に隣り合う第1ブロックに相当するため、管理装置10は、ブロックB(11)を、第3経由地域に決定する。同様に、ブロックB(14)が第3経由地域に隣り合う第1ブロックに相当するため、管理装置10は、ブロックB(14)を、第4経由地域に決定する。
【0086】
ステップ705において、管理装置10は、第m経由地域に隣り合う第2ブロックを、第(m+1)経由地域に決定する。第m経由地域に隣り合う第2ブロックが複数存在する場合には、第m経由地域に隣り合う複数の第2ブロックの中で、第m経由地域に最も近い第1ブロックへ向かうルート付近に存在する第2ブロックを、第(m+1)経由地域に決定する。ステップ705の後、管理装置10は、ステップ706へ移行する。
【0087】
図8の例では、ブロックB(14)は、第4経由地域であるが、ブロックB(13)は、第4経由地域に隣り合う複数の第2ブロックの中で、第4経由地域に最も近い第1ブロック(すなわちブロックB(12)である)へ向かうルート付近に存在する第2ブロックに相当する。このため、管理装置10は、ブロックB(13)を、第5経由地域に決定する。
【0088】
ステップ706において、管理装置10は、第1ブロックに判別された結果に含まれる全ての第1ブロックを経由地域に決定したか否かを判断する。管理装置10は、全ての第1ブロックを経由地域に決定していない場合、ステップ703へ移行する。一方、管理装置10は、全ての第1ブロックを経由地域に決定した場合、ステップ707へ移行する。なお、ステップ706からステップ703へ移行した際に、第m経由地域に隣り合うブロックの中に、第1ブロック及び第2ブロックの何れもが存在しない場合は、第m経由地域から最も近い第1ブロックを、第(m+1)経由地域に決定すればよい。
【0089】
図8の例では、ブロックB(12)は、第5経由地域に隣り合う第1ブロックに相当するため、管理装置10は、ブロックB(12)を、第6経由地域に決定する。
図8の例では、ブロックB(12)が第6経由地域に決定されると、全ての第1ブロックが経由地域に決定されたことになる。
【0090】
ステップ707において、管理装置10は、ステップ702~706で決定された経由地域を経由するルートから外れた第2ブロックの中に、飛行ルートRに加える第2ブロックが有るか否かを判断する。管理装置10は、決定された経由地域を経由するルートから外れた第2ブロックの中に、例えば、保安上重要な設備が存在したり軟弱な地盤に存在したりする第2ブロックが有る場合、これらの第2ブロックを、飛行ルートRに加えることができる。管理装置10は、決定された経由地域を経由するルートから外れた第2ブロックの中に、飛行ルートRに加える第2ブロックが無い場合、ステップ712へ移行する。一方、管理装置10は、決定された経由地域を経由するルートから外れた第2ブロックの中に、飛行ルートRに加える第2ブロックが有る場合、ステップ708へ移行する。
【0091】
ステップ708において、管理装置10は、ステップ702~706で決定された経由地域を経由するルートから外れた第2ブロックの中から、飛行ルートRに加える第2ブロックを選定する。
【0092】
図8の例では、ブロックB(2)、B(6)、B(11)、B(14)、B(13)及びB(12)を経由するルートから外れた第2ブロックは、ブロックB(1)、B(3)~B(5)及びB(7)~B(10)である。ブロックB(1)、B(3)~B(5)及びB(7)~B(10)の中で、飛行ルートRに加えるべき第2ブロックが、ブロックB(1)及びB(4)である場合、管理装置10は、ブロックB(1)及びB(4)を選定する。
【0093】
ステップ709において、管理装置10は、ステップ708で選定された第2ブロックの中で、第1ブロックの最後の経由地域である第n経由地域に最も近い第2ブロックを、第(n+1)経由地域に決定する。nは、自然数の値をとる引数である。第(n+1)経由地域は、飛行体5が第n経由地域の次に経由する地域である。
【0094】
図8の例では、第1ブロックの最後の経由地域は、第6経由地域に決定されたブロックB(12)である。ブロックB(4)は、選定された第2ブロックの中で、第1ブロックの最後の経由地域に最も近い第2ブロックに相当する。このため、管理装置10は、ブロックB(4)を、第7経由地域に決定する。
【0095】
ステップ710において、管理装置10は、ステップ708で選定された第2ブロックの中で、第p経由地域に最も近い第2ブロックを、第(p+1)経由地域に決定する。この第p経由地域は、ステップ710を実行する直前に決定された経由地域である。pは、自然数の値をとる引数である。第(p+1)経由地域は、飛行体5が第p経由地域の次に経由する地域である。なお、ステップ708で選定された第2ブロックの中で、第(p+1)経由地域に決定するべき第2ブロックが無い場合、管理装置10は、ステップ710を省略してステップ711へ移行する。
【0096】
図8の例では、ブロックB(4)は、第7経由地域であるが、ブロックB(1)は、選定された第2ブロックの中で、第7経由地域に最も近い第2ブロックに相当する。このため、管理装置10は、ブロックB(1)を、第8経由地域に決定する。
【0097】
ステップ711において、管理装置10は、ステップ708で選定された全ての第2ブロックを経由地域に決定したか否かを判断する。管理装置10は、選定された全ての第2ブロックを経由地域に決定していない場合、ステップ710へ移行する。一方、管理装置10は、選定された全ての第2ブロックを経由地域に決定した場合、ステップ712へ移行する。
【0098】
図8の例では、ブロックB(1)が第8経由地域に決定されると、選定された全ての第2ブロックが経由地域に決定されたことになる。
【0099】
ステップ712において、管理装置10は、ステップ702~711で決定された第1~第x経由地域の決定順に第1~第x経由地域を経由するルートを、飛行体5の飛行ルートRに決定する。ステップ712の後、管理装置10は、本処理を終了する。
【0100】
図8の例では、ブロックB(2)、B(6)、B(11)、B(14)、B(13)、B(12)、B(4)及びB(1)は、第1~第8経由地域である。管理装置10は、ブロックB(2)、B(6)、B(11)、B(14)、B(13)、B(12)、B(4)及びB(1)の順に経由するルートを、飛行体5の飛行ルートRに決定する。
【0101】
ステップ713において、管理装置10は、予め定められたルートを、飛行体5の飛行ルートRに決定する。ステップ713の後、管理装置10は、本処理を終了する。
【0102】
以上のように、実施形態2に係る管理装置10は、飛行体5の飛行ルートRを、
図7に示されるような手順で決定する。このため、管理装置10は、隣り合うブロックBの一方が第1ブロックであり他方が第2ブロックであると、ガスの供給を停止済でない第1遮断装置が属する第1ブロックを、停止済である第2遮断装置のみが属する第2ブロックよりも優先して、飛行体5に飛行させ得る。それにより、実施形態2に係る災害情報収集システム1は、二次災害が発生し易い第1遮断装置が属する第1ブロックにおける災害情報を、優先的に収集することができる。加えて、実施形態2に係る災害情報収集システム1では、軟弱な地盤に存在する第2ブロック等以外の第2ブロックは比較的安全な地域と見做し、この第2ブロックにおける災害情報の収集を、切り分けることができる。よって、実施形態2に係る災害情報収集システム1は、迅速且つ効率的に災害情報を収集することができ、二次災害を効果的に抑制することができる。
【0103】
図9は、実施形態3に係る飛行ルート決定処理にて決定される飛行ルートRを説明するための図である。
【0104】
実施形態1に係る災害情報収集システム1では、第s経由地点から第(s+1)経由地点へ飛行する際の詳細な飛行ルートRfについては、管理装置10が特に決定せず飛行体5の自律的な飛行に任せることができる。例えば、実施形態1に係る災害情報収集システム1では、第s経由地点から第(s+1)経由地点へ飛行する際の詳細な飛行ルートRfは、
図9の破線の矢印で示されるように、第s経由地点から第(s+1)経由地点へ最短距離で向かうようなルートであってよい。
【0105】
これに対し、実施形態3に係る災害情報収集システム1では、第s経由地点から第(s+1)経由地点へ飛行する際の詳細な飛行ルートRfについても、管理装置10が決定することができる。
【0106】
第s経由地点と第(s+1)経由地点との間に需要家が存在する場合、第s経由地点と第(s+1)経由地点との間には、需要家ごとに設置されたガスメータが存在する。ガスメータは、圧力センサ、流量計及び感震器等のセンサ7を備え、センサ7の検知結果及びガスメータの識別情報を、管理装置10へ送信することができる。管理装置10は、ガスメータにより送信された識別情報に基づいて、ガスメータの設置位置、すなわち、センサ7の設置位置を特定することができる。管理装置10は、ガスメータにより送信されたセンサ7の検知結果から、センサ7の設置位置付近において局所的に災害が発生したか否かを判断することができる。
【0107】
そこで、実施形態3に係る管理装置10は、ガスメータに備えらえたセンサ7の検知結果と設置位置とに基づいて、第s経由地点から第(s+1)経由地点へ飛行する際の詳細な飛行ルートRfを決定する。例えば、
図9に示されるように、第s経由地点と第(s+1)経由地点との間において、災害の発生を検知したセンサ7と災害の発生を検知していないセンサ7とが、偏在して分布する場合が考えらえる。
図9の黒丸は、災害の発生を検知したセンサ7の設置位置を示し、
図9の白丸は、災害の発生を検知していないセンサ7の設置位置を示す。この場合、第3実施形態に係る管理装置10は、飛行ルートRfを、
図9の実線の矢印で示されるように、災害の発生を検知したセンサ7が多く存在する場所を経由して飛行体5を飛行させるようなルートに決定する。それにより、実施形態3に係る災害情報収集システム1は、二次災害が発生し易い地点の災害情報を、詳細に収集することができるため、二次災害を更に効果的に抑制することができる。
【0108】
[その他]
上述の実施形態において、災害情報収集システム1は、特許請求の範囲に記載された「災害情報収集システム」の一例に該当する。エリアAは、特許請求の範囲に記載された「エリア」の一例に該当する。検知装置2は、特許請求の範囲に記載された「検知装置」の一例に該当する。遮断装置3は、特許請求の範囲に記載された「遮断装置」の一例に該当する。飛行体5は、特許請求の範囲に記載された「飛行体」の一例に該当する。管理装置10は、特許請求の範囲に記載された「管理装置」の一例に該当する。センサ7は、特許請求の範囲に記載された「センサ」の一例に該当する。ステップ402は、特許請求の範囲に記載された「第1収集工程」及び「第1収集ステップ」の一例に該当する。ステップ403は、特許請求の範囲に記載された「判別工程」及び「判別ステップ」の一例に該当する。ステップ404は、特許請求の範囲に記載された「ブロック判別工程」及び「ブロック判別ステップ」の一例に該当する。ステップ405は、特許請求の範囲に記載された「決定工程」及び「決定ステップ」の一例に該当する。ステップ406は、特許請求の範囲に記載された「飛行工程」及び「飛行ステップ」の一例に該当する。ステップ407は、特許請求の範囲に記載された「第2収集工程」及び「第2収集ステップ」の一例に該当する。
【0109】
上述の実施形態は、変形例を含めて各実施形態同士で互いの技術を適用することができる。上述の実施形態は、本発明の内容を限定するものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない程度に変更を加えることができる。
【0110】
上述の実施形態及び特許請求の範囲で使用される用語は、限定的でない用語として解釈されるべきである。例えば、「含む」という用語は、「含むものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「含有する」という用語は、「含有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「備える」という用語は、「備えるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0111】
1 災害情報収集システム
2 検知装置
3 遮断装置
4 自動遮断部
5 飛行体
6 カメラ
7 センサ
10 管理装置
11 遮断装置制御部
12 飛行体制御部
13 情報収集部
14 情報分析部
15 遮断装置判別部
16 ブロック判別部
17 飛行ルート決定部
A エリア
B ブロック
C 管理センタ
D 遠隔基地
G ガバナ
P ガス管
R 飛行ルート
Rf 飛行ルート