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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】ゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/323 20140101AFI20221116BHJP
   A63F 13/33 20140101ALI20221116BHJP
   A63F 13/31 20140101ALI20221116BHJP
   A63F 13/825 20140101ALI20221116BHJP
【FI】
A63F13/323
A63F13/33
A63F13/31
A63F13/825
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019192121
(22)【出願日】2019-10-21
(62)【分割の表示】P 2018131907の分割
【原出願日】2018-07-11
(65)【公開番号】P2020006264
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(72)【発明者】
【氏名】木次 佳織
(72)【発明者】
【氏名】田畑 彩香
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 聡
(72)【発明者】
【氏名】岡本 有莉
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-102398(JP,A)
【文献】特開2016-013158(JP,A)
【文献】ワンダーライフスペシャル バンダイ公式たまごっちBOOK たまごっちみくす パーフェクトおせわブック,初版,株式会社小学館 松井 聡,2016年08月31日,第16-20、24-26、98-110頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム要素が登場する第1のゲームのプレイ体験を提供するゲーム装置と、サーバに接続して前記ゲーム要素を使用した第2のゲームのプレイ体験を提供する通信端末とで構成されるゲームシステムであって、
前記ゲーム装置は、
前記第1のゲームに係る処理を実行する第1の実行手段と、
前記第1のゲームに登場する操作対象のゲーム要素に対して、操作入力を受け付ける第1の操作手段と、
前記ゲーム装置と前記通信端末との間で、前記操作対象のゲーム要素に係る情報の送受信が可能に構成された第1の通信手段と、
を備え、
前記通信端末は、
前記ゲーム装置との間で、前記操作対象のゲーム要素に係る情報の送受信が可能に構成された第2の通信手段と、
前記第2の通信手段により受信された前記操作対象のゲーム要素に係る情報に基づいて、前記第2のゲームに係る処理を実行する第2の実行手段と、
前記操作対象のゲーム要素に対して、前記第2のゲームに係る操作入力を受け付ける第2の操作手段と、
を備え、
前記第2のゲームは、
複数のゲーム要素であって、同時間帯に前記サーバに接続してゲームプレイが行われている複数の前記通信端末のそれぞれに対応した前記複数のゲーム要素が登場し、
前記操作対象のゲーム要素と所定の関係が構築されるゲーム要素が、前記複数のゲーム要素のうちの前記操作対象のゲーム要素を除いた他のゲーム要素から選択され得るゲームであり、
前記第1の実行手段は、前記操作対象のゲーム要素といずれかのゲーム要素との間に前記所定の関係が構築されたことに応じて、前記第1のゲームの進行を異ならせるゲームシステム。
【請求項2】
前記第1の通信手段はさらに、同一の種別の他のゲーム装置との間で、前記操作対象のゲーム要素に係る情報の送受信が可能に構成され、
前記第1のゲームは、前記他のゲーム装置に対応するゲーム要素が、前記操作対象のゲーム装置と前記所定の関係が構築されるゲーム要素として選択され得るゲームである請求項1に記載のゲームシステム
【請求項3】
前記第1の通信手段は、前記通信端末との間で情報の送受信を行う場合と前記他のゲーム装置との間で情報の送受信を行う場合とで、通信方式を異ならせる請求項2に記載のゲームシステム
【請求項4】
前記ゲーム装置は、前記所定の関係が構築されるゲーム要素が選択された場合に、当該ゲーム要素と前記操作対象のゲーム要素とについて前記所定の関係を構築させるか否かの入力を受け付ける受付手段をさらに備え、
前記受付手段により前記所定の関係を構築させる入力が受け付けられた場合に、前記選択されたゲーム要素と前記操作対象のゲーム要素とについて前記所定の関係が構築される請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゲームシステム
【請求項5】
前記所定の関係は、ゲーム要素間の婚姻関係を含む請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゲームシステム
【請求項6】
前記第1の実行手段は、前記操作対象のゲーム要素といずれかのゲーム要素との間に婚姻関係が構築されたことを条件として、前記第1のゲームに、前記操作対象のゲーム要素とともに新たなゲーム要素を登場させる請求項5に記載のゲームシステム
【請求項7】
前記第1のゲームは、前記操作対象のゲーム要素に代えて、前記新たなゲーム要素を操作対象に変更することが可能に構成される請求項6に記載のゲームシステム
【請求項8】
前記新たなゲーム要素の外観は、前記操作対象のゲーム要素及び当該操作対象のゲーム要素と婚姻関係が構築されたゲーム要素の外観の少なくとも一部を含む請求項6または7に記載のゲームシステム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、プログラム及びゲームシステムに関し、特にキャラクタの育成を行う電子ゲームのプレイ体験を提供するゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの操作入力に応じてキャラクタを成長させる育成要素を有するゲーム(育成ゲーム)を提供するゲーム装置がある。特許文献1には、育成ゲームを提供する小型玩具体であるゲーム装置に通信機能を持たせ、同種のゲーム装置との間で通信させることで、育成ゲームの興趣性を向上させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-189476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のゲーム装置では、ゲーム装置間の通信に近距離無線通信が採用されており、物理的に近い距離にゲーム装置が存在する必要があるとの制約があった。また、友人や知人等、周囲に同一の種別のゲーム装置を所有しているユーザが存在しなければ、興趣性の高いプレイ体験の提供自体ができない可能性があった。
【0005】
本発明は、興趣性の高いプレイ体験の提供を容易に実現せしめるゲーム装置、プログラム及びゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲーム装置は、第1の種別のゲーム要素が登場する第1のゲームのプレイ体験を提供するゲーム装置であって、第1のゲームに係る処理を実行する実行手段と、第1のゲームに登場する第1の種別のゲーム要素である操作対象のゲーム要素に対して、操作入力を受け付ける操作手段と、操作対象のゲーム要素の第1のゲームにおける状態を判定する判定手段と、ゲーム装置と同一の種別のゲーム装置との間、及び第1の種別のゲーム要素を使用した第2のゲームのプレイ体験を提供可能な第1の通信端末との間で、操作対象のゲーム要素に係る情報の送受信が可能に構成された通信手段と、通信手段を制御する制御手段と、を備え、操作対象のゲーム要素に係る情報の送受信がなされた際の、ゲーム装置または同一の種別のゲーム装置においてプレイ体験が提供される第1のゲーム、及び第1の通信端末においてプレイ体験が提供される第2のゲームは、該送受信が行われる前の第1のゲームにおける操作対象のゲーム要素が、第1の状態で登場するゲームであり、制御手段は、第1のゲームにおける操作対象のゲーム要素の状態が第1の状態である場合に、通信手段を通信可能な状態に制御し、第1のゲームにおける操作対象のゲーム要素の状態が第1の状態とは異なる第2の状態である場合に、通信手段を通信不可能な状態に制御する。
また本発明の別の態様に係るゲームシステムは、ゲーム要素が登場する第1のゲームのプレイ体験を提供するゲーム装置と、サーバに接続してゲーム要素を使用した第2のゲームのプレイ体験を提供する通信端末とで構成されるゲームシステムであって、ゲーム装置は、第1のゲームに係る処理を実行する第1の実行手段と、第1のゲームに登場する操作対象のゲーム要素に対して、操作入力を受け付ける第1の操作手段と、ゲーム装置と通信端末との間で、操作対象のゲーム要素に係る情報の送受信が可能に構成された第1の通信手段と、を備え、通信端末は、ゲーム装置との間で、操作対象のゲーム要素に係る情報の送受信が可能に構成された第2の通信手段と、第2の通信手段により受信された操作対象のゲーム要素に係る情報に基づいて、第2のゲームに係る処理を実行する第2の実行手段と、操作対象のゲーム要素に対して、第2のゲームに係る操作入力を受け付ける第2の操作手段と、を備え、第2のゲームは、複数のゲーム要素であって、同時間帯にサーバに接続してゲームプレイが行われている複数の通信端末のそれぞれに対応した複数のゲーム要素が登場し、操作対象のゲーム要素と所定の関係が構築されるゲーム要素が、複数のゲーム要素のうちの操作対象のゲーム要素を除いた他のゲーム要素から選択され得るゲームであり、第1の実行手段は、操作対象のゲーム要素といずれかのゲーム要素との間に所定の関係が構築されたことに応じて、第1のゲームの進行を異ならせる。
【発明の効果】
【0007】
このような構成により本発明によれば、興趣性の高いプレイ体験の提供を容易に実現せしめることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係るゲームシステムの構成を示した図
図2】本発明の実施形態に係るゲーム装置100の機能構成を示したブロック図
図3】本発明の実施形態に係るスマートフォン200の機能構成を示したブロック図
図4】本発明の実施形態に係るネットワーク300の機能構成を示したブロック図
図5】本発明の実施形態に係るゲーム装置100における対象キャラクタの表示態様を説明するための図
図6】本発明の実施形態に係るゲーム装置100同士間で通信を使用して提供される興趣要素に係る処理を例示したシーケンスチャート
図7】本発明の実施形態に係るゲーム装置100とスマートフォン200との間で通信を使用して提供される興趣要素に係る処理を例示したシーケンスチャート
図8】本発明の実施形態に係るゲーム装置100とスマートフォン200との間で通信を使用して提供される興趣要素に係る別の処理を例示したシーケンスチャート
図9】本発明の実施形態に係るゲーム装置100において行われる通信制御処理を例示したフローチャート
図10】本発明の実施形態2に係る配信ステーション1000の機能構成を示したブロック図
図11】本発明の実施形態2に係る配信ステーション1000からの情報受信時の対象キャラクタの表示態様を例示した図
図12】本発明の実施形態に係るゲームシステムで使用される各種情報のデータ構成を例示した図
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態1]
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、育成対象(操作対象)である1体のキャラクタ(対象キャラクタ)を登場させた、本発明に係る第1のゲームとしての育成ゲームのプレイ体験をユーザに提供可能なゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、育成ゲームに限らず、他の装置との通信を興趣要素として含むゲームのプレイ体験を、提供可能に構成された任意の機器に適用可能である。なお、本実施形態では、本発明に係る第1の種別のゲーム要素としての、ゲームに登場するゲーム要素はキャラクタであるものとして説明するが、本発明の実施において、第1の種別のゲーム要素はキャラクタとの概念に制限されるものではない。
【0010】
《ゲームシステムの構成》
ここで、本発明の実施形態に係るゲームシステムのシステム構成について、図1を用いて説明する。図示されるように、ゲームシステムにおいて、ゲーム装置100は、他のゲーム装置100、及び本発明に係る第1の通信端末としてのスマートフォン200と通信可能に構成され、スマートフォン200はゲーム装置100だけでなく、ネットワーク300を介して管理サーバ400と接続することで、他のスマートフォン200との情報のやり取り(各スマートフォン200に係る情報の送受信)が可能に構成される。
【0011】
本実施形態では簡単のため、ゲーム装置100同士により行われる通信は、これら装置が、同一のゲームコンテンツに係るゲームのプレイ体験を提供可能に構成された同一製品であることを前提として説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。通信する2つのゲーム装置は、互換性を有するゲームコンテンツに係るゲームのプレイ体験を提供し、このうちの少なくとも一部の機能に係る情報の送受信の通信仕様が共通する、旧型製品と後継製品の関係を有するものであってもよい。
【0012】
また本実施形態では、第1の通信端末がスマートフォン200であるものとして説明するが、第1の通信端末は、本発明に係る第2のゲームとしての交流ゲームのプレイ体験が提供可能に構成される装置であればスマートフォン200に限られる必要はない。詳細は後述するが、交流ゲームは、育成ゲームに登場可能に構成されるキャラクタを使用してのゲームプレイが可能なゲームであり、同様に交流ゲームを実行する他のスマートフォン200との間で、ユーザ間の交流を含む種々の興趣要素の提供が可能なゲームであるものとする。
【0013】
また、ネットワーク300は、インターネット等の公衆通信網やローカルエリアネットワーク等の装置間の情報通信を実現するものであってよい。本実施形態では、スマートフォン200間の通信距離は、ネットワーク300及び管理サーバ400を介して通信が行われるため、ゲーム装置100同士の間、及びゲーム装置100とスマートフォン200との間での通信可能な通信距離よりも長くすることが可能に構成される。即ち、本実施形態のゲームシステムによれば、ゲーム装置100を用いて育成ゲームをプレイするユーザは、所定の距離範囲に存在するゲーム装置100同士間での通信を行うことで、育成ゲームの興趣要素の提供を受けることが可能なだけでなく、ネットワーク300に接続可能なスマートフォン200とゲーム装置100とを通信させることで、所定の距離範囲に存在することを要件とせずに、交流ゲームの興趣要素の提供を受けることができる。
【0014】
なお、以下の説明では、ゲーム装置100、スマートフォン200、管理サーバ400において同様の機能を実現する構成要素については、スマートフォン200に含まれる構成には「端末」の接頭文字を、管理サーバ400に含まれる構成には「管理」の接頭文字を付して峻別する。
【0015】
〈ゲーム装置100の構成〉
まず、ゲーム装置100の機能構成について、図2のブロック図を用いて説明する。
【0016】
制御部101は、例えばCPUであり、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作を制御する。具体的には制御部101は、例えば記録媒体102に記録されている各ブロックの動作プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
【0017】
記録媒体102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の恒久的にデータを保持可能な記録装置である。記録媒体102は、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータ等や、本実施形態の育成ゲームに使用される各種のGUIや背景画像、または行動決定プログラム等の情報を記録する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0018】
要素DB104は、本実施形態のゲーム装置100においてプレイ体験が提供される育成ゲームの、対象キャラクタを含む種々のキャラクタの外観を形成する各種パーツについて、グラフィックスデータを含む各種情報を管理するデータベースである。本実施形態の育成ゲームでは、ゲームに登場するキャラクタの外観は、ユーザ間で育成するキャラクタに個体差が生じることを興趣要素として提供すべく、ユーザによるプレイ内容、親や祖父母等のキャラクタからの継承、無作為に確定される要素に応じて確定するものとする。例えば、キャラクタの色、頭部形状、目、口、胴体、体型がこれらの要素に応じて確定されるものとし、要素DB104には各要素の情報が管理されているものとする。
【0019】
提示制御部105は、ゲーム装置100におけるユーザへの各種情報提示の制御を司る。本実施形態のゲーム装置100では、ユーザへの各種情報提示の手段として、画像(ゲーム画面、メニュー画面等)表示を行う表示部110、音声出力を行う音声出力部120を有するものとして説明するが、情報提示の手段はこれらに限られるものではなく、振動、照明、情報送信等、代替あるいは追加が可能であることは言うまでもない。
【0020】
提示制御部105は、例えば描画チップ等の描画装置を含み、表示部110に表示させるゲーム画面を生成する際には所定の描画処理を行う。具体的には提示制御部105は、ゲーム装置100がスリープ状態となっていない期間、ゲームの進行状況に応じたゲーム画面を生成し、表示部110の表示を所定の頻度で更新させることで育成ゲームに係る各種の情報提示を行う。本実施形態のゲーム装置100においてプレイ体験が提供される育成ゲームでは、対象キャラクタの様子をユーザに把握可能にせしめるべく、基本的には対象キャラクタが配置されたゲーム画面が提示される。このため提示制御部105は、対象キャラクタの外観について定められた情報に基づき、対応するパーツのグラフィックスデータを要素DB104から読み出してメモリ103に展開し、これを用いて対象キャラクタの描画を行う。またゲーム画面には、ゲームの進行状況に応じて、適宜適切な背景やアイテムが配置されるよう、あるいはGUIが表示されるよう、提示制御部105は描画制御を行うものとする。
【0021】
本実施形態では、ゲーム装置100がユーザの携行しやすい玩具体である態様を想定するため、表示部110は、ゲーム装置100に内蔵され、一体型となって構成される、LCD等の表示装置であるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、表示部110は、ゲーム装置100の外部に着脱可能に接続された表示装置であってもよいことは言うまでもない。
【0022】
また提示制御部105は、例えばサウンドチップ等の音声信号の出力を行う回路を含み、音声出力部120から出力させる音声を生成する際には所定の処理を行う。具体的には提示制御部105は、例えばゲームの進行状況に応じて、予め記録媒体102に記録された音声データのうちから出力を行う音声データを確定し、これを電気的な音声信号に変換(D/A変換)して音声出力部120に出力することで、育成ゲームに係る音声提示を行う。音声出力部120は、所定のスピーカ等であってよく、入力された音声信号に基づく音波を出力する。本実施形態では、音声出力部120も表示部110と同様に、ゲーム装置100に内蔵されているものとして説明するが、ゲーム装置100の外部に着脱可能に接続されるものであってもよい。
【0023】
操作入力部106は、操作ボタン等のゲーム装置100が有するユーザインタフェースである。操作入力部106は、ユーザにより操作入力がなされたことを検出すると、操作内容に対応する制御信号を制御部101に伝送する。
【0024】
第1通信部107及び第2通信部108は、ゲーム装置100が有する情報送受信用の通信インタフェースである。本実施形態ではゲーム装置100は、いずれも近距離無線通信である2種類の通信方式を備え、用途に応じて、より詳しくは通信により伝送する情報量や必要な接続確立状態の保持期間の長さ等に応じて、これらの通信方式を使い分けるものとする。故に、第1通信部107と第2通信部108とは、各々異なる通信方式で他の装置と通信し、情報の送受信が可能に構成される。
【0025】
本実施形態では、第1通信部107は、ゲーム装置100同士間での通信を行う際に用いられる通信方式での情報の送受信が可能に構成される。玩具体たり得るゲーム装置100が児童にも使用されることを考慮し、通信に係る煩雑な設定を不要にする、また所望の通信相手との通信が行われていることを明確に把握させるとの観点から、第1通信部107は、例えば赤外線通信方式(IrDA方式)での情報送受信が可能に構成されるものであってよい。
【0026】
一方で、第2通信部108は、ゲーム装置100とスマートフォン200との間での通信を行う際に用いられる通信方式での情報の送受信が可能に構成される。本実施形態のスマートフォン200においてプレイ体験が提供される交流ゲームは、ゲーム装置100の育成ゲームの対象キャラクタを使用することが可能に構成されるものの、操作入力の大半はスマートフォン200においてなされることが前提となるが、必要に応じてゲーム装置100での操作入力を要件としている。従って、ゲーム装置100とスマートフォン200との通信接続は、所定の期間保持された状態とされることが好ましく、また赤外線通信方式のようにスマートフォン200とゲーム装置100との空間的な位置関係を制限しないことが望まれる。このため、第2通信部108は、消費電力を抑えつつ、赤外線通信方式よりは容量の大きい情報を短時間で送信可能なよう、例えば近距離無線通信方式(BLE方式)での情報送受信が可能に構成されるものであってよい。
【0027】
なお、本実施形態では、第1通信部107及び第2通信部108の通信方式が、それぞれIrDA方式、BLE方式であるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。これらの通信方式は、近距離無線通信であって異なる通信方式を採用するのであれば、いずれであってもよいことは言うまでもない。
【0028】
〈スマートフォン200の構成〉
次に、スマートフォン200の機能構成について、図3のブロック図を用いて説明する。
【0029】
端末制御部201は、例えばCPUであり、スマートフォン200が有する各ブロックの動作を制御する。具体的には端末制御部201は、例えば端末記録媒体202に記録されている各ブロックの動作プログラムや交流ゲームに係るアプリケーションプログラムを読み出し、端末メモリ203に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
【0030】
端末記録媒体202は、例えば不揮発性メモリやHDD等の恒久的にデータを保持可能な記録装置である。端末記録媒体202は、スマートフォン200が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータ等や、本実施形態の交流ゲームに係るアプリケーションプログラム及び交流ゲームに使用される各種のGUIや背景画像等の情報を記録する。端末メモリ203は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。端末メモリ203は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0031】
端末要素DB204は、本実施形態のスマートフォン200においてプレイ体験が提供される交流ゲームに係る種々のキャラクタの外観を形成する各種パーツについて、グラフィックスデータを含む各種情報を管理するデータベースである。端末要素DB204で情報管理されるパーツの種類は、基本的にはゲーム装置100の要素DB104において管理されるものと同一であり、ゲーム装置100からの情報に基づいて、育成ゲームの対象キャラクタと同一のキャラクタの外観を、交流ゲームにおいても再現可能に構成されるものとして説明する。
【0032】
なお、上述したようにゲーム装置100が玩具体として構成される態様では、表示部110の大きさや性能は玩具体の携帯性及び製造コストを考慮して決定されるため、表示部110の解像度(画素数)は必然的に低くなり得る。特に、育成ゲームにおいて背景画像や必要な情報とともに対象キャラクタを表示する際には、対象キャラクタの外観は表示部110の一部の表示領域に表示されなければならないため、より少ない画素数で表現できるよう、各パーツのグラフィックスデータが構成されている必要がある。一方で、スマートフォン200のような通信端末は、写真閲覧、メール、Webブラウジング等の機能を提供するため、スマートフォン200が備える後述の端末表示部210は、表示部110よりも高い解像度を有して構成される。このため、育成ゲームに係るキャラクタの外観もより高分解能で表示することが可能であるため、同一のパーツに係るグラフィックスデータであっても、ゲーム装置100用とスマートフォン200用とで表示解像度が異なって構成されていてよい。
【0033】
端末提示制御部205は、スマートフォン200におけるユーザへの各種情報提示の制御を司る。本実施形態のスマートフォン200では、ユーザへの各種情報提示の手段として、画像(ゲーム画面、メニュー画面等)表示を行う端末表示部210、音声出力を行う端末音声出力部220を有するものとして説明するが、情報提示の手段はこれらに限られるものではなく、振動、照明、情報送信等、代替あるいは追加が可能であることは言うまでもない。
【0034】
端末提示制御部205は、例えばGPU等の描画装置を含み、端末表示部210に表示させる各種画面を生成する際には所定の描画処理を行う。具体的には端末提示制御部205は、交流ゲームにアプリケーションプログラムが実行されている際には、交流ゲームの進行状況に応じたゲーム画面を生成し、端末表示部210の表示を所定の頻度で更新させることで交流ゲームに係る各種の情報提示を行う。本実施形態のスマートフォン200においてプレイ体験が提供される交流ゲームでは、ゲーム装置100と同様に、通信接続した(ユーザが所有する)ゲーム装置100における育成ゲームの対象キャラクタに加え、他のユーザに係る育成ゲームの育成対象のキャラクタ、さらにはNPC(Non-Player Character)が配置されたゲーム画面が提示される。このため、端末提示制御部205は、各キャラクタの外観について定められた情報に基づき、対応するパーツのグラフィックスデータを端末要素DB204から読み出して端末メモリ203に展開し、これを用いてキャラクタ群の描画を行う。またゲーム画面には、ゲームの進行状況に応じて、適宜適切な背景やアイテムが配置されるよう、あるいはGUIが表示されるよう、端末提示制御部205は描画制御を行うものとする。
【0035】
本実施形態では、スマートフォン200は、ゲーム装置100と同様に、携帯しやすい情報通信端末である態様を想定するため、表示部110は、スマートフォン200に内蔵され、一体型となって構成される、LCD等の表示装置であるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、端末表示部210は、スマートフォン200の外部に着脱可能に接続された表示装置であってもよいことは言うまでもない。
【0036】
また端末提示制御部205は、例えばサウンドチップ等の音声信号の出力を行う回路を含み、端末音声出力部220から出力させる音声を生成する際には所定の処理を行う。具体的には端末提示制御部205は、例えばゲームの進行状況に応じて、予め端末記録媒体202に記録された音声データのうちから出力を行う音声データを確定し、これを電気的な音声信号に変換(D/A変換)して端末音声出力部220に出力することで、交流ゲームに係る音声提示を行う。音声出力部120は、所定のスピーカ等であってよく、入力された音声信号に基づく音波を出力する。本実施形態では、端末音声出力部220も端末表示部210と同様に、スマートフォン200に内蔵されているものとして説明するが、スマートフォン200の外部に着脱可能に接続されるものであってもよい。
【0037】
端末操作入力部206は、操作ボタンや端末表示部210の画面上になされたタッチ操作を検出するタッチパネル等のスマートフォン200が有するユーザインタフェースである。端末操作入力部206は、ユーザにより操作入力がなされたことを検出すると、操作内容に対応する制御信号を端末制御部201に伝送する。
【0038】
第1端末通信部207及び第2端末通信部208は、スマートフォン200が有する情報送受信用の通信インタフェースである。本実施形態ではスマートフォン200は、ゲーム装置100との直接的な通信、及びネットワーク300を介した管理サーバ400、他のスマートフォン200の間接的な通信を実現すべく、2種類の通信方式での通信が可能に構成される。故に、第1端末通信部207と第2端末通信部208とは、各々異なる通信方式で他の装置と通信し、情報の送受信が可能に構成される。
【0039】
本実施形態では、第1端末通信部207は、ゲーム装置100とスマートフォン200との間での通信を行う際に用いられる通信方式での情報の送受信が可能に構成される。上述したように、スマートフォン200においてプレイ体験が提供される交流ゲームのゲームプレイ中のスマートフォン200とゲーム装置100との通信は、通信接続中の消費電力を抑えつつ、赤外線通信方式よりは容量の大きい情報を短時間で送信可能なよう、例えば近距離無線通信方式(BLE方式)での情報送受信が可能に構成されるものであってよい。
【0040】
一方で、第2端末通信部208は、スマートフォン200と他のスマートフォン200との間での情報のやり取りを可能ならしめるべく、ネットワーク300及び管理サーバ400を介した通信を行う際に用いられる通信方式での情報の送受信が可能に構成される。上述したように、スマートフォン200においてプレイ体験が提供される交流ゲームでは、ゲーム装置100同士が所定の距離範囲に存在することなく、育成ゲームに係るキャラクタを用いた興趣要素の提供を可能なよう、また、1対1のキャラクタ間のコミュニケーションに係る興趣要素に限らず、多数のキャラクタ間でのコミュニケーションに係る興趣要素の提供が可能なよう、ネットワーク300及び管理サーバ400を介する通信は実現される。
【0041】
〈管理サーバ400〉
次に、管理サーバ400の機能構成について、図4のブロック図を用いて説明する。
【0042】
管理制御部401は、例えばCPUであり、管理サーバ400が有する各ブロックの動作を制御する。具体的には管理制御部401は、例えば管理制御部401に記録されている各ブロックの動作プログラムを読み出し、管理メモリ403に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
【0043】
管理記録媒体402は、例えば不揮発性メモリやHDD等の恒久的にデータを保持可能な記録装置である。管理記録媒体402は、管理サーバ400が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータ等の情報を記録する。管理メモリ403は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。管理メモリ403は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0044】
管理ユーザDB404は、本実施形態のゲームシステムにおいて、スマートフォン200でプレイ体験が提供される交流ゲームについて、各ユーザに対応付けられたキャラクタの情報(ユーザ情報)を管理するデータベースである。換言すれば、管理ユーザDB404において管理される情報は、スマートフォン200と接続することで交流ゲームのゲームプレイが可能となる、ゲーム装置100の対象キャラクタを示す情報を含む。本実施形態ではユーザ情報は、例えば図12(a)に示されるように、現在ゲーム装置100において育成対象である対象キャラクタについて情報管理をするため、該ゲーム装置100を識別する装置ID1201に関連付けて、対象キャラクタを識別するキャラクタID1202、対象キャラクタの外観を構成するパーツ群を特定する構成パーツ情報1203、対象キャラクタに係る各種情報を示すキャラクタ情報1204、後述するように対象キャラクタの出生に至るまでに関係したキャラクタを示した家系図情報1205、交流ゲームにおいてフレンド関係が構築されたユーザ(ゲーム装置)を示すフレンド情報1206、及び交流ゲームにおいて対象キャラクタに付与されたアイテム(キャラクタとは異なる種別のゲーム要素)の情報を示すアイテム情報1207を含むものであってよい。ここで、キャラクタ情報1204は、例えば1つのキャラクタについて設定されたキャラクタ名1211、育成状況等に応じて変化し得るゲームに係る各種パラメータやキャラクタの性別等の固定のパラメータを示すステータス情報1212、該キャラクタの出生に関与したキャラクタから引き継がれる情報を示す遺伝情報1213、及び家系図において該キャラクタが何代目にあたるかを示す世代情報1214を含むものであってよい。
【0045】
管理通信部405は、管理サーバ400が有する情報送受信用の通信インタフェースである。本実施形態では管理サーバ400は、交流ゲームに係るアプリケーションプログラムが実行されている1以上のスマートフォン200と、ネットワーク300を介して通信可能に構成されており、ゲーム装置100やスマートフォン200とは異なり、情報送受信の通信方式は1種類だけ使用可能として設けられているものであってよい。
【0046】
《ゲームコンテンツ》
このような構成を有する本実施形態のゲームシステムの各装置で提供されるゲームコンテンツについて、説明する。
【0047】
上述したように、ゲーム装置100においてプレイ体験が提供される育成ゲームと、スマートフォン200においてプレイ体験が提供される交流ゲームとは、ユーザが同一の対象キャラクタを使用してゲームプレイが可能であるよう構成されており、これらのゲームコンテンツは関連性を有している。本実施形態では、交流ゲームは、ゲーム装置100のみで体験可能な育成ゲームの一部の興趣要素を拡張するように構成されるゲームであるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、交流ゲームと育成ゲームとは、提供可能な興趣要素の少なくとも一部が共通のものであってもよいし、全く異なる興趣要素を提供するゲームであってもよい。
【0048】
〈育成要素〉
ゲーム装置100においてプレイ体験が提供される育成ゲームは、主として対象キャラクタの育成に係る興趣要素を提供する。
【0049】
1つの対象キャラクタについては、時間経過に応じて遷移する複数の育成段階が定められており、各段階において対象キャラクタの態様(外観や振る舞い)はゲームの進行内容に応じて変化する。対象キャラクタは、育成ゲームの開始段階では卵の状態であり、卵から孵化し、幼児期を経て成体となるまで、ユーザは対象キャラクタを育成することができる。
【0050】
ゲーム装置100において実行される育成ゲームについては、対象キャラクタについて、例えば図12(b)に示すような育成情報が管理され、ゲームの進行制御や描画制御に用いられるものであってよい。図示されるように、育成情報は、例えばゲーム装置100において対象キャラクタを識別するキャラクタID1221に関連付けて、現在の育成段階における対象キャラクタの外観を構成するパーツ群を特定する構成パーツ情報1222、対象キャラクタに係るキャラクタ情報1223、育成ゲームのプレイにおいて取得されたアイテムを示す所有アイテム情報1224、及び家系図情報1225を含むものであってよい。ここで、キャラクタ情報1223の構成は、図12(a)を用いて説明した、管理ユーザDB404で同様に管理されるキャラクタ情報1204と同様の構成であってよい。
【0051】
卵の状態では発生しないが、孵化後の育成の過程では、対象キャラクタに対するユーザ操作(お世話)が必要となるイベントが設けられている。該お世話イベントは、ランダムに発生するよう制御され、発生時には、イベントが発生したことの通知、またはユーザ操作が必要である旨の通知が、例えば音声出力部120を介してなされるものとする。お世話イベントには、それぞれ固有の操作入力が適切な操作入力として定められており、ユーザは、イベントの発生から所定の時間が経過するまでに該当の操作入力を行うことで、該イベントに係る達成条件を満たすことができる。
【0052】
お世話イベントに対する達成条件が満たされた場合には、例えば対象キャラクタについて定められた愛情度のパラメータが増加する等、該キャラクタに関連付けられた少なくとも一部のステータスが変化するものとする。一方、通知に対する操作入力がなされず、お世話イベントに対する達成条件が満たされなかった場合には、例えば対象キャラクタに対する愛情度のパラメータが減少する等、達成条件とは反対の、基本的にはマイナス方向のステータス変化が生じるものとする。
【0053】
またお世話イベントの種類によって、あるいは達成条件が満たされない回数(総数または連続して未達成の数)によっては、達成条件が満たされなかったことをもって、対象キャラクタの状態が、正常状態から病気状態に移行するものとする。対象キャラクタが病気状態となった場合には、育成ゲームは対象キャラクタの治療に係る操作入力しかできないように制御されるものとする。治療の開始後は、対象キャラクタの治療が完了するまでは、所定の遊戯を行う等、育成ゲームの興趣要素を提供する種々の機能の実行は制限され、基本的にはユーザによる操作入力を受け付けないよう制御されるものとする。
【0054】
また対象キャラクタに係るステータス情報1232には、例えば愛情度に応じて決定するランクが含まれるものであってよく、本実施形態の育成ゲームでは、表示部110における対象キャラクタの通常の表示位置は、該ランクに応じて異なるように制御される。ランクは、例えば愛情度の数値が閾値を越えるか否かに応じて分類される「なつき状態」、「反抗状態」の2種類であってよい。該態様において、キャラクタがなつき状態にある場合には、図5(a)に示されるように、表示部110の中央領域に対象キャラクタが表示されるよう表示制御は行われるものであってよい。またキャラクタが反抗状態にある場合には、図5(b)に示されるように、表示部110の周辺領域に対象キャラクタが表示されるよう表示制御は行われるものであってよい。
【0055】
〈通信要素〉
本実施形態の育成ゲームは、1台のゲーム装置100単体でも、育成に係る基本的なゲームプレイが可能に構成されている。ユーザは、対象キャラクタを該ゲーム装置100について構築された部屋やロケーションに移動させながら、種々のイベントをこなしつつ、育成を行うことができる。一方で、上述したようにゲーム装置100は他のゲーム装置100やスマートフォン200とも通信可能に構成されており、通信を利用したさらなる興趣要素の提供を行う。より詳しくは、ユーザは、ゲーム装置100同士で通信することによって、あるいはスマートフォン200と通信して交流ゲームをプレイすることによって、各ゲーム装置100の育成ゲームの対象キャラクタを交流させる興趣要素を提供可能である。
【0056】
(ゲーム装置間での通信要素)
2台のゲーム装置100間の通信により提供される興趣要素は、例えば一方のゲーム装置100について構築された対象キャラクタの部屋に、他方のゲーム装置100の対象キャラクタが訪問する演出を伴い、複数のキャラクタが参加し、該キャラクタ間の交流が行われる「お出かけイベント」として構成されるものであってよい。「お出かけイベント」については、訪問して、キャラクタ同士が所定の遊戯を行うもの、アイテム交換を行うもの、後述のキャラクタ同士の婚姻のための行動を行うもの等、複数種類の行動が行動リストとして設けられるものであってよい。
【0057】
ここで、訪問する演出とは、訪れる側のゲーム装置100で実行される育成ゲームの対象キャラクタが、該ゲーム装置100の表示部110に表示されない状態となってから、訪れられる側(通信相手)のゲーム装置100の表示部110に表示される状態を指すものとする。換言すれば、2台のゲーム装置100間で通信を行って「お出かけイベント」を発生させる場合には、訪れる側のゲーム装置100に係る対象キャラクタは、キャラクタを送出(移動)する演出(他のゲームに登場させることを示す演出)を経て該装置の表示部110に一時的に表示されない状態となり、他方、訪れられる側のゲーム装置100の表示部110に表示される状態となる。このとき、訪れられる側のゲーム装置100の表示部110には、該装置に係る対象キャラクタと、「お出かけイベント」にて訪れたキャラクタとが同時表示され、イベントに係る各種演出表示がなされる。また、対象キャラクタが一時的に表示されない状態となった際には、提示制御部105は、該ゲーム装置100の表示部110には、対象キャラクタの画像に代えて、現在対象キャラクタがお出かけ中で不在である旨を示す表示を行うものとする。「お出かけイベント」の終了時(訪れられる側のゲーム装置100における所定のイベント関連表示終了時)には、訪れる側のゲーム装置100の表示部110には、お出かけ中であった対象キャラクタが通信相手のゲーム装置100から帰還する演出が表示され、訪れられる側のゲーム装置100の表示部110には、訪問中であったキャラクタが元のゲーム装置100に戻る演出が表示されるものとする。
【0058】
なお、「お出かけイベント」とは、実際にキャラクタがゲーム装置100間を移動することにより実現されるものである必要はない。即ち、訪れる側のゲーム装置100の制御部101は、通信相手のゲーム装置100に対して、対象キャラクタの表示に必要な情報を送信さえすれば、その後は、例えば送信を行ったことを契機として、対象キャラクタを表示部110に一時的に表示しないように提示制御部105を制御させればよい。
【0059】
また、本実施形態のゲームシステムでは、ゲーム装置100同士の通信には赤外線通信を採用するが、該通信方式は送信される信号の指向性が高く、各ゲーム装置100の第1通信部107に含まれる受発光部を正対させる必要がある。即ち、「お出かけイベント」に係る情報の送受信が必要となるタイミングにおいて、互いのゲーム装置100の受発光部を正対させる必要があるため、ユーザは都度、ゲームプレイを停め、情報の送受信が正常になされるよう、2つのゲーム装置100の位置関係を調整する必要がある。このため、本実施形態のゲーム装置100では、ゲーム装置100間の通信を要件とする「お出かけイベント」については、必要な通信回数を最小で済ますことが可能なよう制御するものとする。
【0060】
基本的には、行動リストのうちの選択された行動についてのイベント結果は、通信時に確定されて共有され、再度の通信接続を要さずとも、移動する(送出、訪問)演出及び移動から戻る(帰還、戻り)演出を含むイベント結果の提示がなされるよう構成されるものとする。
【0061】
具体的には、他のゲーム装置100からキャラクタに訪れられる(招待する)行動が選択された場合には、例えば通信確立がされている期間に、該訪れられる側のゲーム装置100の制御部101が、訪れる側のゲーム装置100から受信した情報、及びメモリ103に管理される自身の対象キャラクタの情報に基づいて、発生させるイベントの結果を決定する演算を行い、該イベントの結果及び訪れる側のゲーム装置100において該結果を表示するタイミングの情報を送信する。一方、他のゲーム装置100にキャラクタを訪れる(送出する)行動が選択された場合には、例えば通信確立がされている期間に、該訪れる側のゲーム装置100の制御部101は、対象キャラクタの伝送用の情報(育成情報の少なくとも一部等)を構成して送信し、その後、訪れられる側のゲーム装置100からイベント結果の情報を受信する。これらの情報送受信は、例えば図6の「お出かけイベント」に係るシーケンスチャートに従って行われるものであってよい。
【0062】
図6のシーケンスチャートは、簡単のため、訪問して所定の遊戯を行う行動が選択された際のシーケンスチャートを示しており、該シーケンスチャートは、訪問で訪れる側のゲーム装置100(送出側ゲーム装置)と訪れられる側のゲーム装置100(招待側ゲーム装置)のそれぞれで、「お出かけイベント」の行動リストのうちの対応する行動(送出する/招待する)が選択され、これらゲーム装置が通信待機状態となっている場合に開始されるものとする。
【0063】
図示されるように、送出側ゲーム装置の制御部101と招待側ゲーム装置の制御部101は、装置間の通信接続が確立すると、「お出かけイベント」に係る各処理を開始する。まず、招待側ゲーム装置の制御部101は、受信待機状態に第1通信部107を制御し、同装置の提示制御部105に通信中であることを示す画像を表示部110に表示させる。一方、送出側ゲーム装置の制御部101は、第1通信部107を介して招待側ゲーム装置に育成情報を送信し、同装置の提示制御部105に通信中であることを示す画像を表示部110に表示させる。また送出側ゲーム装置の制御部101は、育成情報の送信に成功すると、受信待機状態に第1通信部107を制御する。
【0064】
招待側ゲーム装置の制御部101は、送出側ゲーム装置の育成情報を受信すると、招待側ゲーム装置で管理している対象キャラクタの育成情報とに基づいて、行動に対応するイベントの結果演算を行う。そして招待側ゲーム装置の制御部101は、第1通信部107を介して送出側ゲーム装置にイベント結果の情報及び該イベント結果を提示するタイミングの情報を送信する。送信された情報が送出側ゲーム装置の第1通信部107により受信されると、制御部101のそれぞれは通信を切断し、「お出かけイベント」に係る演出表示が表示部110になされるよう、対応する提示制御部105の制御を開始する。ここで、それぞれの「お出かけイベント」に係る演出表示は、送出側ゲーム装置では、対象キャラクタが招待側ゲーム装置に送出される演出表示と対象キャラクタが不在である旨の表示を含み、招待側ゲーム装置では、送出側ゲーム装置からキャラクタが訪問してくる演出表示を含むものであってよい。
【0065】
通信切断後、招待側ゲーム装置の制御部101は、受信した育成情報に係るキャラクタと、育成中の対象キャラクタとが登場する所定の遊戯に係る演出表示を表示部110に行うよう、同装置の提示制御部105を制御する。また該演出表示の後は、提示制御部105は、受信した育成情報に係るキャラクタが送出側ゲーム装置に戻る演出表示を表示部110に表示させる。招待側ゲーム装置の制御部101は、キャラクタの戻りに係る演出表示の後、該シーケンスに係る処理を終了し、該装置の状態を通常時の状態(通常の育成ゲームに係る制御を行う状態)に遷移させる。
【0066】
一方、送出側ゲーム装置の制御部101は、通信切断後、受信したイベント結果を提示するタイミングの情報に従い、該提示のタイミングとなるまで待機する。ここで、イベント結果を提示するタイミングの情報は、招待側ゲーム装置と送出側ゲーム装置とで表示部110の表示内容に矛盾が生じないよう、即ち、同一のキャラクタが両ゲーム装置の表示部110に同時に表示されないよう、例えば招待側ゲーム装置において、通信切断後からキャラクタの戻りに係る演出表示が終了するまでの時間であってよい。送出側ゲーム装置の制御部101は、通信切断から提示のタイミングまで待機した後、不在である旨を示す表示に代えて、対象キャラクタの帰還に係る演出表示を表示部110に表示するよう、提示制御部105を制御する。また送出側ゲーム装置の制御部101は、対象キャラクタの帰還に係る演出表示の後、該シーケンスに係る処理を終了し、該装置の状態を通常時の状態に遷移させる。このとき、招待側ゲーム装置において行われた所定の遊戯等によってアイテム等を得ている場合は、対象キャラクタは送出側ゲーム装置の表示部110に、該アイテムとともに表示されるものとする。
【0067】
このようにすることで、送出側ゲーム装置に係る対象キャラクタは、招待側ゲーム装置の表示部110において表示されている期間は、送出側ゲーム装置の表示部110に表示されず、ゲーム装置100間での通信を伴う興趣要素に係るプレイ体験を好適に提示することができる。なお、図6のシーケンスチャートに示した例は、一時の通信接続で「お出かけイベント」に係る情報の送受信が完了するものとして説明するが、例えば送出側ゲーム装置におけるユーザ入力を必要とするようなイベント(後述するプロポーズ受信時イベント等)については、再度の通信接続を要求し、該ユーザ入力の情報の受信時にイベント結果の演算が行われ、送信される態様であってもよい。
【0068】
(ゲーム装置とスマートフォン間での通信要素)
一方、ゲーム装置100とスマートフォン200との間の通信により提供される興趣要素は、交流ゲームを介して提供される。
【0069】
上述したように、本実施形態のゲームシステムでは、ゲーム装置100とスマートフォン200とを通信させることで、該ゲーム装置100を用いて育成中の対象キャラクタを操作対象とする交流ゲームが、スマートフォン200においてプレイ可能となる。より詳しくは、本実施形態の交流ゲームでは、ゲーム装置100を所有するユーザ同士が、ゲーム装置100を持ち寄れる環境になくとも交流できるように、仮想的にキャラクタが集合できる広場(ゲームフィールド)が設けられ、該広場において、イベントキャラクタのようなNPCに加え、現在同様にスマートフォン200に送出されているキャラクタが配置されて表示される。
【0070】
なお、上述したゲーム装置100同士間の通信は、1対1の通信を想定しており、通信機能の利用時に表示部110に表示されるキャラクタは、基本的には、通信を行っている両ゲーム装置100において育成されている対象キャラクタの2体に留まるものであった。一方で、上述したようにスマートフォン200が有する端末表示部210は表示部110よりも画素数が多いものが採用されるものであるため、交流ゲームにおいて広場に表示されるキャラクタ数は、ゲーム装置100同士間の通信時に、何れか一方のゲーム装置100の表示部110に表示されるキャラクタ数よりも多く表示可能であるものとする。
【0071】
交流ゲームは、上述した通りゲーム装置100の装置ID1201に関連付けてユーザ情報が管理され、SNSのようなユーザ間の交流機能が設けられる構成であってもよく、例えば広場に表示される他のユーザに係るキャラクタを介して所定の操作を行うことで、該他のユーザとの間にフレンド関係を構築することができるものとする。フレンド関係が構築されたユーザの情報については、ユーザ情報のフレンド情報1206に格納され、広場に優先的に表示されるように、あるいは広場の目につきやすい位置に優先的に配置されるよう制御されればよい。しかし、広場に表示されるキャラクタは、フレンドとして登録されたユーザのキャラクタに限られるものではなく、後述のように同時間帯にゲーム装置100とスマートフォン200とを通信させ、スマートフォン200において交流ゲームをプレイ中のユーザに係るキャラクタが表示されるものであってよい。
【0072】
本実施形態の交流ゲームは、ゲーム装置100が提供する「お出かけイベント」に含まれる行動のうちの、キャラクタ同士の婚姻のための行動に係る機能を拡張する要素をさらに含んでおり、対象キャラクタを育成ゲームのゲームフィールドから交流ゲームの広場に送出することでこれらの機能を利用でき、また機能の利用後に、育成ゲームのゲームフィールドに帰還させることで、育成ゲームでのゲームプレイを再開することができる。これにより、ユーザはゲーム装置100とスマートフォン200とを通信させることで、交流ゲームのプレイ内容に応じた対象キャラクタのステータスの更新や所定の条件開放を、育成ゲームに反映させることができる。
【0073】
ここで、本実施形態のゲームシステムにおいて通信を介することで提供される興趣要素の1つである、キャラクタ同士の婚姻について説明する。
【0074】
本実施形態に係る育成ゲームでは、対象キャラクタは、所定の育成段階に至った場合に、他の異性のキャラクタと婚姻を結ぶことが可能に構成されており、婚姻関係となることで該異性のキャラクタとの間に次の世代である新たなキャラクタ(子キャラクタ)を誕生させることができる。このとき、対象キャラクタ(もしくは異性キャラクタ)と子キャラクタとの間には「親子関係」が構築され、対象キャラクタは子キャラクタにとっての親キャラクタとなる。
【0075】
婚姻関係を結ぶことが可能な異性キャラクタは、育成ゲームのプレイ内容に応じてゲーム中に登場するキャラクタ(NPCキャラクタ)、第1通信部107を介して他のユーザの所有する同ゲーム装置と通信することで登場する、該他のユーザのゲーム装置100で育成されている同育成段階のキャラクタ、さらにスマートフォン200の交流ゲームを介してコンタクトが可能な同育成段階のキャラクタのうちから選択することができる。より詳細には、育成ゲームのみの態様では、NPCキャラクタ、または通信中の他のゲーム装置100で育成されているキャラクタのいずれかと婚姻関係を結ぶことができ、交流ゲームをさらに利用する態様では、ネットワーク300及び管理サーバ400を介して通信することが可能なスマートフォン200にて、同ゲームの操作対象となっているキャラクタとも婚姻関係を結ぶことができる。
【0076】
本実施形態の交流ゲームは、上述したように多数のキャラクタ間でのコミュニケーションが可能に構成されており、ユーザは、同時間帯に管理サーバ400に接続して交流ゲームを行っているスマートフォン200をしているユーザの育成したキャラクタ、即ち、同時間帯にゲーム装置100とスマートフォン200とを通信させて交流ゲームのゲームプレイが行われているキャラクタと、婚姻を含む種々の交流をもつことができる。交流ゲームにおいて提供される要素は、例えば他のユーザの育成したキャラクタの情報を参照可能にするものや、キャラクタを育てたユーザとフレンド関係を構築することで、その他のコミュニケーション機能を提供するものを含んでいてもよい。
【0077】
交流ゲームにおいて対象キャラクタと他の異性キャラクタとの間に婚姻関係を結ぶためには、スマートフォン200において、交流ゲーム中に登場する他の異性キャラクタに対して婚姻を申し込む(プロポーズ)操作を行い、該他の異性キャラクタを育成しているユーザがプロポーズを受諾することを条件とする方法と、他の異性キャラクタから対象キャラクタに対して同様にプロポーズがなされ、これをユーザが受諾したことを条件とする方法が設けられている。これは育成ゲームにおいても共通であり、キャラクタ間の婚姻関係は、該キャラクタを育成したユーザ双方の合意が必要となる。即ち、プロポーズが受諾されなければ、婚姻関係が結ばれないよう構成されるため、交流ゲームにおける意図しない婚姻関係の成立等は回避される。
【0078】
婚姻関係が結ばれると、キャラクタ間には子キャラクタが卵状態で少なくとも2体誕生し、親キャラクタの双方に子キャラクタが提供されることになる(各親キャラクタに卵が少なくとも1つずつ提供される)。従って、交流ゲームにおいて、婚姻関係の成立及び卵の提供がなされた後、ユーザは、対象キャラクタを育成ゲームに帰還させる操作を行うことで、育成ゲームにおいて、子キャラクタの卵を保持した状態(子キャラクタを連れた状態)で対象キャラクタを登場させることができる。卵状態の子キャラクタは、対象キャラクタの育成ゲームへの帰還後、所定のタイミングで卵状態から孵化し、親キャラクタである対象キャラクタとともに成長する。なお、婚姻関係が結ばれなかった場合には、対象キャラクタを育成ゲームに帰還させる操作を行ったとしても、対象キャラクタはいずれのキャラクタも連れていない状態で育成ゲームに登場する。
【0079】
ところで、本実施形態の育成ゲームは、子キャラクタを連れた状態である場合、対象キャラクタが所定の成長段階に移行した後、対象キャラクタに係る予め定められたゲームイベント(寿命を迎える、引退する等)の発生後、あるいはユーザの操作入力に応じて、当該子キャラクタは、育成ゲームの新たな育成対象とすることが可能に構成されている。このように構成されることで、ユーザは育成ゲームの育成対象を代替わりさせて、ゲームプレイを継続することができる。代替わりでは、それまでの対象キャラクタが育成に係る操作入力が不可能な状態(対象キャラクタに係る育成ゲームの終了)となり、子キャラクタが新たな対象キャラクタとして育成に係る操作入力が可能な状態(子キャラクタを新たな対象キャラクタとする育成ゲームの開始)となる世代交代が実現される。このような世代交代を可能ならしめることで、育成ゲームに対するユーザの関心を持続させることができる。換言すれば、対象キャラクタの代替わりが行われる際には、メモリ103に保持される育成情報は、親キャラクタのものから子キャラクタのものに変更される。このとき、キャラクタ情報1223に含まれる世代情報1234は、親キャラクタについて付されたものに対して1を加算した、次世代を示す値となる。世代を示す値は、例えば親キャラクタが不存在の状態で卵から育成ゲームを開始する場合(ゲーム装置100の初期化状態から育成ゲームを最初に行う場合)には1(1代目)であり、以降子キャラクタを対象キャラクタとするたびに2代目、3代目、…、N代目(Nは自然数)と、対応する数値が割り当てられるものであってよい。本実施形態では世代情報1234は、対象キャラクタの代替わりが行われた際に新たに育成情報として設定されるものとして説明するが、親キャラクタの婚姻が成立した時点で、子キャラクタについて世代情報は関連付けられているものであってもよい。
【0080】
また子キャラクタの外観については、親キャラクタとなった2体のキャラクタ、及びこれら2体のキャラクタそれぞれの誕生に携わったキャラクタ群(家系図情報にて、子キャラクタと結びつく、該子キャラクタよりも古い世代のキャラクタ群)を構成する構成パーツの少なくとも一部を継承して決定されるものとする。即ち、代替わり前の対象キャラクタ等、ユーザに馴染みのあるキャラクタの外観要素を遺伝的に継承することで、子キャラクタに対する愛着が増すような演出要素を提供する。当該外観要素の継承に係る遺伝演出は、育成情報の遺伝情報1233に、育成段階ごとに上記キャラクタ群から継承した構成パーツの情報を格納しておき、各育成段階において、該遺伝情報1233と育成ゲームのプレイ内容とを参照して、構成パーツ情報1222が決定されることにより実現される。
【0081】
換言すれば、ユーザは所望の外観を有する対象キャラクタを用いて育成ゲームをプレイするためには、該所望の外観の構成パーツを有するキャラクタと婚姻関係を結んで子キャラクタを誕生させればよい。この観点からすると、該当の構成パーツを有するキャラクタを育成しているユーザを周囲に見つけ、ゲーム装置100同士で通信させることでプロポーズ操作を行うよりも、交流ゲームの広場において該当の構成パーツを有するキャラクタを発見してプロポーズを行う方が、ユーザにとっての選択肢や所望の子キャラクタ入手の可能性が広がることになる。
【0082】
なお、ユーザの育成ゲームへの関心をより長期的に持続させるべく、婚姻に関する興趣要素として、対象キャラクタの世代情報により示される数値が所定の閾値以上となった場合には、複数の子キャラクタがランダムで提供される構成としてもよい。即ち、長くゲーム装置100を利用して育成ゲームをプレイしているユーザに対する特典として、例えば双子のキャラクタの育成が可能なように制御されるものであってもよい。代替わりして双子のキャラクタを育成対象とする場合、ユーザは同様に育成ゲームをプレイすることができるが、通信で送出する場合にはいずれを送出するかを選択可能に構成されるものとする。このように構成することで、単に対象キャラクタが増加することによる育成ゲームの興趣性だけでなく、双子の対象キャラクタのうちから、所望の外観を有する方のキャラクタを選択して婚姻関係を結ばせることにより、所望のキャラクタをより登場させやすくすることができる。
【0083】
ところで、上述したようにゲーム装置100が玩具体であり、児童がユーザとして使用する態様では、該児童がスマートフォン200を所有していないことも当然あり得る。このような態様では、該児童の親や親族等が所有しているスマートフォン200を利用することで、交流ゲームの利用を行うことが想定される。即ち、育成ゲームについては児童が主体的にゲームプレイを行うが、交流ゲームについては、例えば該児童の親が所有するスマートフォン200を利用して、親子でゲームプレイを行う(親がスマートフォン200を操作し、児童が交流ゲームについて提示されるゲーム画面を傍で鑑賞する)ことが想定される。一方で、このようなプレイスタイルを想定すると、スマートフォン200を操作する親が誤って操作をすることで、例えば児童のユーザが所望しないプロポーズの受諾がなされてしまう可能性もある。換言すれば、対象キャラクタの育成を行っているユーザにプロポーズ受諾の決定権が与えられない可能性もあり、このような場合、ユーザの育成ゲームや交流ゲームに対する関心が低減する。
【0084】
従って、本実施形態のゲームシステムでは、交流ゲームにおいて対象キャラクタに対するプロポーズがなされた際には、該プロポーズについての受諾/拒否の決定は、スマートフォン200に接続中のゲーム装置100(対象キャラクタの育成が行われていたゲーム装置100)における操作入力を要するよう構成されるものとする。即ち、交流ゲームにおいて他のスマートフォン200からのプロポーズを受け取った場合には、端末制御部201は該情報を第1端末通信部207を介してゲーム装置100に伝送し、ゲーム装置100はこれを受けてプロポーズの受諾または拒否を選択する画面を表示部110に表示させ、ユーザによる操作入力を待機する。該画面に対する操作入力がなされると、制御部101はこれを第2通信部108を介してスマートフォン200に送信し、端末制御部201は該情報をもって、プロポーズに対する返答をネットワーク300及び管理サーバ400を介して、プロポーズを行ったキャラクタに係るスマートフォン200に返送し、結果、双方の端末表示部210に結果表示を同様に行うよう制御する。
【0085】
このような構成によれば、上述のような使用態様においても、婚姻関係の成立に対して児童に最終的な決定権が担保されるため、児童であるユーザの積極的な交流ゲームの利用を促し、ゲームに対する関心を持続させることに貢献する。また、このような仕様態様でなくとも、ゲーム装置100が玩具体のように製造コストや筐体サイズの関係から記録媒体102に十分な記録容量の確保は困難であるため、プロポーズ受諾周りの通信仕様を、ゲーム装置100同士での通信と、ゲーム装置100とスマートフォン200での通信とで異ならせることは好適ではない(育成ゲームに係るアプリケーションプログラムのデータ量増加を招く)。故に、プロポーズの受諾または拒否の操作は、いずれの態様であっても、スマートフォン200と通信するゲーム装置100において操作入力を行うことを要件とするものであってよい。
【0086】
このほか、本実施形態の交流ゲームは、キャラクタ同士の婚姻のための行動に係る機能以外にも、育成ゲームの興趣性を高める機能を含むものであってよい。交流ゲームには、例えばキャラクタを参加させて所定の遊戯が可能なイベントが設けられており、該イベントに参加することで、本発明に係る第2の種別のゲーム要素の一態様としてのアイテムが、入手可能に構成されていてもよい。この場合、交流ゲームにおいてアイテムを獲得した後、ユーザは、対象キャラクタを育成ゲームに帰還させる操作を行うことで、育成ゲームにおいて、アイテムを所持した状態で対象キャラクタを登場させることができる。このとき、交流ゲームにおいて獲得したアイテムを明示すべく、提示制御部105は、対象キャラクタを該アイテムとともに表示部110に提示するよう制御すればよい。なお、入手したアイテムは、制御部101が育成情報の所有アイテム情報1224を更新することで、育成ゲームにおいて使用可能になるものとする。
【0087】
このように、交流ゲームでは様々な興趣要素を体験可能に構成されるため、事前に通信で行う行動を確定するゲーム装置100同士での通信とは異なり、通信接続が確立した際に、行動に係るイベントの結果演算を行うことはできない。即ち、ゲーム装置100とスマートフォン200とを通信させる場合には、交流ゲームにおいて対象キャラクタを利用したゲームプレイが可能であることが確定するのみであり、通信接続確立後に行われる行動は、交流ゲームのプレイ状況に応じて動的に定まる。つまり、対象キャラクタを使用した交流ゲームのプレイ中は、ユーザが行った操作(対象キャラクタを育成ゲームに帰還させる操作)に限られず、他のスマートフォン200を利用するユーザによる操作(対象キャラクタへのプロポーズに係る操作)に応じて、ゲーム装置100とスマートフォン200との間での情報のやり取りが発生し得る。
【0088】
故に、その都度、ゲーム装置100とスマートフォン200とを通信接続させるよう要求する通信仕様とすると煩雑な印象をユーザに与え得るため、本実施形態のゲームシステムでは、上述したようにゲーム装置100とスマートフォン200との通信接続は第2通信部108を介して行われ、何らの通信も行われず所定のタイムアウト時間に至る、あるいはゲーム装置100とスマートフォン200が通信不可能な程度に離間される等がない限りは、保持されるものとする。換言すれば、交流ゲームのプレイ中は、基本的には交流ゲームにおける対象キャラクタの帰還に係る操作がなされるまで、ゲーム装置100とスマートフォン200とは通信接続した状態となっているものとする。
【0089】
以下、ゲーム装置100とスマートフォン200間での通信を利用して提供される興趣要素について、情報の送受信を図7及び図8のシーケンスチャートを用いて説明する。
【0090】
図7のシーケンスチャートは、対象キャラクタを使用した交流ゲームの開始及び終了に係るシーケンスチャートを示しており、該シーケンスチャートは、ゲーム装置100及びスマートフォン200のそれぞれで、交流ゲームの開始に係る操作がなされ、これらの装置が通信待機状態となっている場合に開始されるものとする。
【0091】
図示されるように、ゲーム装置100の制御部101とスマートフォン200の端末制御部201は、装置間の通信接続が確立すると、交流ゲーム実行に係る各処理を開始する。まず端末制御部201は、第1端末通信部207を介してゲーム装置100に交流ゲーム開始に係るユーザログイン用情報の送信要求を送信する。一方、制御部101は、該送信要求を受信すると、提示制御部105に通信中であることを示す画像を表示部110に表示させ、ユーザログイン用情報として装置IDを第2通信部108を介してスマートフォン200に返送する。
【0092】
端末制御部201は、装置IDを受信すると、第2端末通信部208を介して管理サーバ400に対して交流ゲームのサービス利用に係るログイン処理を行う。ログインが完了すると、端末制御部201は、対象キャラクタの現在の育成状態を示す情報の送信要求をゲーム装置100に送信する。一方、制御部101は、該送信要求を受信すると、育成情報に基づいてユーザ情報に相当する情報を構成し、対象キャラクタの現在の育成状態を示す情報として第2通信部108を介してスマートフォン200に返送する。また制御部101は、「お出かけイベント」と同様に、対象キャラクタがスマートフォン200に送出される演出表示と対象キャラクタが不在である旨を示す表示が表示部110になされるよう、提示制御部105を制御する。
【0093】
端末制御部201は、対象キャラクタの現在の育成状態を示す情報を受信すると、第2端末通信部208を介して該情報を管理サーバ400に送信し、サービス利用中のユーザに係るユーザ情報を更新させる。また端末制御部201は、ゲーム装置100から対象キャラクタが訪問してくる演出表示が端末表示部210になされるよう、端末提示制御部205の制御を行う。そして端末制御部201は、対象キャラクタを使用した交流ゲームのゲームプレイに係る各種処理を開始する。このようにすることで、ゲーム装置100同士間の通信が行われる場合と同様に、対象キャラクタは、交流ゲームを行う場合にはスマートフォン200の端末表示部210にのみ表示され、ゲーム装置100の表示部110には表示されないよう制御される。
【0094】
このようにすることで、ユーザは対象キャラクタを使用した交流ゲームを、スマートフォン200においてプレイすることが可能になる。また端末制御部201は、交流ゲームのゲームプレイに係る処理が開始された後、交流ゲームの終了、即ち対象キャラクタを育成ゲームに帰還させる操作がなされた場合には、図7のシーケンスチャートの以降に示されるシーケンスに係る処理を実行する。なお、このとき通信接続が切断されているようであれば、再度通信接続を確立させるよう制御が行われるものとする。
【0095】
端末制御部201は、交流ゲームにおいて対象キャラクタに生じた変化(子キャラクタ(卵)の誕生、アイテムの獲得、ステータスの変化等)の情報を、通信切断要求とともに第2端末通信部208を介してゲーム装置100に送信する。制御部101は、通信切断要求を受信すると、所定の応答を第2通信部108を介してスマートフォン200に返送する。その後、制御部101と端末制御部201は、それぞれ第2通信部108及び第1端末通信部207を制御し、通信切断に係る処理を行う。
【0096】
通信切断後、端末制御部201は、対象キャラクタがゲーム装置100に戻る演出表示を端末表示部210に行うよう、端末提示制御部205を制御する。そして端末制御部201は、キャラクタの戻りに係る演出表示の後、該シーケンスに係る処理を終了し、対象キャラクタを使用した交流ゲームがプレイ不可能なよう、交流ゲームの状態を制御する。
【0097】
また通信切断後、制御部101は、不在である旨を示す表示に代えて、対象キャラクタの帰還に係る演出表示を表示部110に表示するよう、提示制御部105を制御する。該演出表示は、対象キャラクタに子キャラクタの誕生したことを示す情報が関連付けられている場合には、子キャラクタとともに対象キャラクタを表示するものを含むものであってよい。また対象キャラクタにアイテムを獲得したことを示す情報が関連付けられている場合には、対象キャラクタとともに該アイテムを表示するものを含むものであってよい。また制御部101は、対象キャラクタの帰還に係る演出表示の後、該シーケンスに係る処理を終了し、該装置の状態を通常時の状態に遷移させる。
【0098】
このようにすることで、ゲーム装置100とスマートフォン200とを通信させた状態で提供される交流ゲームの開始や終了に係る、各種演出表示を行い、ゲーム装置100間の通信による興趣要素と同様のプレイ体験を提供することができる。
【0099】
また図8のシーケンスチャートは、対象キャラクタを使用した交流ゲームのプレイ体験の提供中に係る、対象キャラクタへのプロポーズがなされた場合に係るシーケンスチャートを示している。該シーケンスチャートは、交流ゲームのプレイ中において、対象キャラクタへのプロポーズがなされたことを示す通知を、端末制御部201が管理サーバ400から受信した場合に開始されるものとする。なお、本シーケンスチャートの実行にあたり、ゲーム装置100とスマートフォン200との通信接続は確立されており、表示部110には対象キャラクタが不在である旨を示す表示がなされているものとするが、通信接続が切断されているようであれば、再度通信接続を確立させるよう制御が行われ、同様の表示制御がなされることは言うまでもない。
【0100】
対象キャラクタへのプロポーズがなされたことを示す通知を受信すると、まず端末制御部201は、通知とともに受信した該プロポーズを行った相手の情報を端末表示部210に表示するよう、端末提示制御部205を制御する。ここで、本実施形態ではプロポーズを行った相手の情報は、スマートフォン200において表示されるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではなく、該相手の情報は、受諾または拒否に係る操作を行うゲーム装置100において表示されるものであってもよいし、ゲーム装置100とスマートフォン200の双方において表示されるものであってもよい。
【0101】
そして端末制御部201は、第1端末通信部207を介してゲーム装置100にプロポーズに対する応答要求を送信する。制御部101は、該応答要求を受信すると、プロポーズを受諾するか拒否するかを選択するGUIを含む画面を表示部110に表示させるよう、提示制御部105を制御する。そして該画面についての選択操作がなされると、制御部101は選択結果(応答結果)の情報を、第2通信部108を介してスマートフォン200に送信する。制御部101は、該選択結果の情報の送信後、表示部110に再度対象キャラクタが不在である旨を示す表示がなされるよう、提示制御部105を制御する。
【0102】
端末制御部201は、受信したプロポーズに対する応答結果の情報を、第2端末通信部208を介して管理サーバ400に送信する。なお、該応答結果の情報は、該プロポーズを行ったキャラクタに対応付けられたスマートフォン200にも結果表示用に伝達されるため、本シーケンスにおいて送信された応答結果の情報は、大局的には管理サーバ400を介して接続される該プロポーズを行ったキャラクタに対応付けられたスマートフォン200に送信されたことになる。また端末制御部201は、応答結果の情報に基づいて、婚姻に係る演出表示を端末表示部210に行うよう、端末提示制御部205を制御する。
【0103】
このようにすることで、上述したようなユーザの意図しない婚姻関係の成立を回避し、好適なゲームのプレイ体験を提供することができる。
【0104】
〈通信の例外〉
ところで、ユーザの育成ゲームへの関心を高めるべく、またゲームの進行上の破綻する状況が生じないように、本実施形態の育成ゲームでは、通信を用いる機能(通信機能)の利用については、育成ゲームにおける対象キャラクタの状態が、本発明に係る第1の状態としての、通信に係るゲームプレイを許可する状態(通信許可状態)に該当することを条件とする。換言すれば、対象キャラクタの状態が、本発明に係る第2の状態としての通信に係るゲームプレイを許可しない状態(通信不許可状態)に該当する場合には、通信機能を利用できないように制限される。
【0105】
上述したような、対象キャラクタの育成段階が、該キャラクタへの操作が不可能な卵の状態である場合に限られず、操作入力を認めないことが好ましい状態において、通信機能を利用すれば操作入力が可能な態様で表示されるような状況は、ゲーム上の破綻を生じうる。例えば、必要なお世話がなされず病気状態となった対象キャラクタは、治療が必要な状態であり、他の行動をさせない状態に制御されるものであるため、これを通信機能を利用すれば所定の遊戯等が可能な状態とすることは好適ではない。
【0106】
また児童のようなユーザが際限なく育成ゲームをプレイできてしまう状況を回避するとの観点では、育成ゲームは、夜の時間帯には対象キャラクタが就寝状態となり、翌日の朝までこれ以上のお世話が必要なく、いずれの操作も受け付けない状態とするよう構成される態様が好ましい。故に、例えば対象キャラクタが就寝状態となるよう定められている時間帯においても、通信機能を利用すれば所定の遊戯等が可能な状態とすることも、好適ではない。
【0107】
本実施形態の育成ゲームでは、このように通信機能を利用した場合にあるべき対象キャラクタの状態(所定の遊戯や通信に係る機能の演出表示において提示されるべき状態)と、現在の育成ゲーム中の対象キャラクタの状態とが乖離するような場合には、通信機能の利用を不可能とするよう制御する。換言すれば、対象キャラクタの状態が、操作入力に応じた対象キャラクタの行動制御を可能とする状態にある場合には、対象キャラクタが通信許可状態にあるものと判定し、通信機能の利用を可能とする制御がなされ、操作入力に応じた対象キャラクタの行動制御を不可能とする状態にある場合には、対象キャラクタが通信不許可状態にあるものと判定し、通信機能の利用を不可能とする制御がなされる。
【0108】
なお、本実施形態の育成ゲームでは、ゲームの内蔵時計がゲーム装置100の存在するタイムゾーンの時刻に設定されているものとし、現在時刻が予め定めた就寝状態となる時間帯に含まれる場合には、就寝状態とするよう制御が行われるものとして説明する。しかしながら、ユーザの生活リズムや活動時間帯によっては、内蔵時計を現実の時刻に合わせてしまえば、ゲームプレイできる時間が著しく制限されてしまう可能性がある。このため、ゲーム装置100の内蔵時計は現実の時刻と異なる時刻に変更設定可能に構成され、対象キャラクタの就寝状態に該当するか否かの判断は、当該変更設定された内蔵時計により示される時刻を基準に行われるものであってよい。これにより、ユーザの活動時間帯に、対象キャラクタが活動状態となるようにすることが可能になる。
【0109】
《通信制御処理》
このような本実施形態の育成ゲームにおける、通信機能に係る処理の利用を制御する通信制御処理について、図9のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記録媒体102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本通信制御処理は、例えばゲーム装置100同士間またはゲーム装置100とスマートフォン200間の通信を使用した機能の利用に係る操作入力が検出された際に開始されるものとして説明する。
【0110】
S901で、制御部101は、対象キャラクタの育成段階が通信機能の利用が可能な育成段階にあるか否かを判断する。制御部101は、対象キャラクタの育成段階が通信機能の利用が可能な育成段階であると判断した場合は処理をS902に移す。また制御部101は、対象キャラクタの育成段階が通信機能をまだ利用できない育成段階であると判断した場合、対象キャラクタが通信不許可状態にあるものと判定し、処理をS905に移す。
【0111】
S902で、制御部101は、対象キャラクタが就寝状態にあるか否かを判断する。より詳しくは制御部101は、ゲーム装置100の内蔵時計により示される現在時刻が、就寝状態とする時間帯に含まれるか否かにより、本ステップの判断を行う。制御部101は、対象キャラクタが就寝状態にあると判断した場合、対象キャラクタが通信不許可状態にあるものと判定し、処理をS905に移す。また制御部101は、対象キャラクタが就寝状態にないと判断した場合は処理をS903に移す。
【0112】
S903で、制御部101は、対象キャラクタがその他操作不可能な状態にあるか否かを判断する。制御部101は、対象キャラクタがその他操作不可能な状態にあると判断した場合、対象キャラクタが通信不許可状態にあるものと判定し、処理をS905に移す。また制御部101は、対象キャラクタがその他操作不可能な状態にはないと判断した場合、対象キャラクタが通信許可状態にあるものと判定し、処理をS904に移す。
【0113】
S904で、制御部101は、通信機能の利用を可能ならしめるよう、第1通信部107または第2通信部108の状態を制御し、本通信制御処理を完了する。
【0114】
一方、S901~S903において対象キャラクタが通信不許可状態にあると判定した場合、制御部101はS905で、通信機能の利用を不可能にするよう、第1通信部107または第2通信部108の状態を制御し、本通信制御処理を完了する。
【0115】
このようにすることで、本実施形態のゲームシステムによれば、興趣性の高いプレイ体験の提供を容易に実現せしめることが可能となる。
【0116】
《実施形態2》
上述した実施形態1では、ゲーム装置100は、同種の育成ゲームを実行可能に構成された他のゲーム装置100、及び交流ゲームを実行可能に構成されたスマートフォン200と通信することで、通信に係る興趣要素の提供が可能であるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。ゲーム装置100が通信可能な装置は、ゲームの実行機能を備えない、例えば店頭や展示会場等の任意の場所に設置可能に構成された、配信機能を有する端末であってもよい。
【0117】
《配信ステーションの構成》
以下、本実施形態のゲームシステムにおいてゲーム装置100と通信可能に構成される、本発明に係る第2の通信端末としての配信ステーション1000の機能構成について、図10のブロック図を用いて説明する。なお、以下の説明では、配信ステーション1000において、ゲーム装置100、スマートフォン200、管理サーバ400と同様の機能を実現する構成要素については、「ステーション」の接頭文字を付して峻別する。
【0118】
ステーション制御部1001は、例えばCPUであり、配信ステーション1000が有する各ブロックの動作を制御する。具体的にはステーション制御部1001は、例えばステーション記録部1002に記録されている各ブロックの動作プログラムを読み出し、ステーションメモリ1003に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
【0119】
ステーション記録部1002は、例えば不揮発性メモリやHDD等の恒久的にデータを保持可能な記録装置である。ステーション記録部1002は、配信ステーション1000が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータ等の情報を記録する。ステーションメモリ1003は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。ステーションメモリ1003は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0120】
ステーション通信部1004は、配信ステーション1000が有する情報送受信用の通信インタフェースである。本実施形態では配信ステーション1000は、育成ゲームに係るアプリケーションプログラムが実行されている1以上のゲーム装置100と、ネットワーク300を介することなく通信可能に構成されている。また、情報送受信の通信方式は、ゲーム装置100の第2通信部108と同一の、1種類の通信方式だけ使用可能として設けられているものであってよい。
【0121】
《ゲーム装置と端末ステーション間での通信要素》
上述した実施形態では、ゲーム装置同士の通信や交流ゲームにおけるプレイ内容に応じて、対象キャラクタにアイテムが付与されるものとして説明したが、アイテムの付与は、ゲームのプレイ体験を提供可能に構成されていない装置から取得可能に構成されるものであってもよい。例えば、ゲーム装置100を携行して外出した際に提供される興趣要素を拡張するべく、各ロケーションに設置された配信ステーション1000の通信可能圏内に入った場合に、該配信ステーション1000と通信することで、そのロケーションにちなんだゲーム要素を入手可能なように、育成ゲームは構成されていてよい。
【0122】
上述したように、本実施形態では、ゲーム装置100と配信ステーション1000との通信は、ユーザにわざわざ通信に係る操作を行わせる状況を回避するため、ゲーム装置100と配信ステーション1000との間の情報送受信は、BLE方式を採用して行われるものとする。該態様においてで、配信ステーション1000はステーション通信部1004を介して一方的にデータ送信を行うブロードキャスタとして機能し、ゲーム装置100は、このように送信されたデータを第2通信部108を介して受信するオブザーバとして機能する。
【0123】
配信ステーション1000からゲーム装置100に対して提供される、ロケーションにちなんだデータは、例えば、配信ステーション1000が設置されるロケーションの風景に対応させて構成された背景画像等であってよい。該背景画像が受信された場合には提示制御部105は、例えば図11のように該背景画像に対象キャラクタを重畳させた画像を表示部110において表示するよう制御を行うものとする。このようにすることで、ユーザがゲーム装置100を携行することで、さらなる興趣要素を提供することができ、結果、ユーザの育成ゲームに対する関心をより高めることができる。ここで、背景画像は、本発明に係る第2の種別のゲーム要素の一態様として扱われるものであってよい。
【0124】
なお、ゲーム装置100をオブザーバとして機能させ、配信ステーション1000との通信可能圏内に入った場合に情報取得が可能なようにしている状態は、第2通信部108を通信待機状態に制御しておくことになる。即ち、ゲーム装置100同士間やゲーム装置100とスマートフォン200間のように、ユーザが意識して通信を開始させる態様とは異なり、常時通信待機状態に制御することは、ゲーム装置100のバッテリー消耗を早めることにもなる。このため、当該配信ステーション1000からの情報受信機能は、ユーザ設定によって実行/不実行が変更可能に構成されるものであってよい。
【0125】
[その他の実施形態]
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。また本発明に係るゲーム装置は、1以上のコンピュータを該ゲーム装置として機能させるプログラムによっても実現可能である。該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されることにより、あるいは電気通信回線を通じて、提供/配布することができる。
【符号の説明】
【0126】
100:ゲーム装置、101:制御部、102:記録媒体、103:メモリ、104:要素DB、105:提示制御部、106:操作入力部、107:第1通信部、108:第2通信部、110:表示部、120:音声出力部、200:スマートフォン、201:端末制御部、202:端末記録媒体、203:端末メモリ、204:端末要素DB、205:端末提示制御部、206:端末操作入力部、207:第1端末通信部、208:第2端末通信部、210:端末表示部、220:端末音声出力部、300:ネットワーク、400:管理サーバ、401:管理制御部、402:管理記録媒体、403:管理メモリ、404:管理ユーザDB、405:管理通信部、1000:配信ステーション、1001:ステーション制御部、1002:ステーション記録部、1003:ステーションメモリ、1004:ステーション通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12