(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】乗客コンベアの開口部検出装置
(51)【国際特許分類】
B66B 31/00 20060101AFI20221116BHJP
【FI】
B66B31/00 D
(21)【出願番号】P 2019214303
(22)【出願日】2019-11-27
【審査請求日】2022-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】西迫 竜一
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-205547(JP,A)
【文献】特開2014-118286(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 21/00-31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステップを備えた乗客コンベアの開口部検出装置において、
磁気を検出する磁気センサと、
前記磁気センサが検出した前記磁気の変化から前記ステップの移動を検出するステップ検出部と、
前記ステップ検出部による前記ステップの移動の検出結果を用いて、前記ステップが取り外されて形成された開口部を検出する開口部検出部と、
前記ステップ検出部が検出した前記ステップの数と、前記開口部検出部による前記開口部の検出結果を用いて、前記開口部の
前記開口部検出装置への接近を検出する開口部接近判定部と、
前記開口部接近判定部が前記開口部の前記接近を検出した場合に、前記開口部の前記接近を報知する報知部と、
を備え
、
前記開口部接近判定部は、前記開口部検出部が前回に前記開口部を検出したときから前記ステップ検出部が現在までに検出した前記ステップの数が、予め定めた閾値よりも大きい場合には、前記開口部が前記開口部検出装置に接近していると判断する、
ことを特徴とする、乗客コンベアの開口部検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の乗客コンベアの開口部検出装置において、
前記ステップ検出部は、前記磁気センサが検出した前記磁気の変化から、隣り合う2つの前記ステップが前記磁気センサを通過する時間間隔を求め、
前記開口部検出部は、前記時間間隔を用いて前記開口部を検出する、乗客コンベアの開口部検出装置。
【請求項3】
請求項1に記載の乗客コンベアの開口部検出装置において、
前記報知部は、前記開口部検出部が前記開口部を初めて検出したときに、前記開口部の前記接近を報知する、乗客コンベアの開口部検出装置。
【請求項4】
請求項1または
3に記載の乗客コンベアの開口部検出装置において、
前記報知部は、音、光、及び振動のうち少なくとも1つを出力することによって、前記開口部の前記接近を報知する、乗客コンベアの開口部検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗客コンベアの、ステップが取り外されて形成された開口部を検出する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エスカレーターや動く歩道などの乗客コンベアでは、保守作業時にステップを取り外して作業をすることがある。ステップが外されて開口部が形成された状態で乗客コンベアを駆動すると、保守員または保守具などが開口部に落下してしまう恐れがある。
【0003】
特許文献1には、乗客及び作業者の安全を確保するために、開口部の現在位置を報知する運転制御システムが記載されている。この運転制御システムは、乗客コンベアの起動時の駆動トルクを算出する起動トルク算出部と、開口検知センサを備え、駆動トルクの値を用いて開口部の有無を判断し、開口検知センサが開口部の通過を検知したら乗客コンベアの速度情報と運転方向情報などを用いて開口部の位置を算出し、開口部の現在位置を報知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の運転制御システムでは、開口検知センサが上部乗降口と下部乗降口の2箇所に配置されているとともに、乗客コンベアの起動時の駆動トルクと、乗客コンベアの速度と運転方向などを制御盤から取得する必要がある。このため、特許文献1の運転制御システムは、複数のセンサの設置と、制御盤とセンサとの連携が必要であり、構成が大規模で複雑である。より簡便に保守作業を行うためには、簡易な構成の開口部検出装置が望まれている。
【0006】
本発明の目的は、乗客コンベアの制御情報を用いずに開口部を検出し、開口部の接近を作業者に報知することができる開口部検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による、乗客コンベアの開口部検出装置は、ステップを備えた乗客コンベアの開口部検出装置において、磁気を検出する磁気センサと、前記磁気センサが検出した前記磁気の変化から前記ステップの移動を検出するステップ検出部と、前記ステップ検出部による前記ステップの移動の検出結果を用いて、前記ステップが取り外されて形成された開口部を検出する開口部検出部と、前記ステップ検出部が検出した前記ステップの数と、前記開口部検出部による前記開口部の検出結果を用いて、前記開口部の開口部検出装置への接近を検出する開口部接近判定部と、前記開口部接近判定部が前記開口部の前記接近を検出した場合に、前記開口部の前記接近を報知する報知部を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、乗客コンベアの制御情報を用いずに開口部を検出し、開口部の接近を作業者に報知することができる開口部検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施例による開口部検出装置が設置されたエスカレーターの構成を示す図である。
【
図2】本発明の実施例による開口部検出装置の構成を示す図である。
【
図3】本発明の実施例による開口部検出装置が実行する処理の全体を示すフローチャートである。
【
図8】開口部初回検出時の報知処理のフローチャートである。
【
図9】エスカレーターの保守用装置と連動した、開口部検出装置の報知処理のフローチャートである。
【
図10】圧力センサとエスカレーターの保守用装置と連動した、開口部検出装置の報知処理のフローチャートである。
【
図11】エスカレーターの制御部とエスカレーターの保守用装置と連動した、開口部検出装置の報知処理のフローチャートである。
【
図12】磁気センサの出力値の一例を示す図である。
【
図13】開口部が無い場合のステップの移動に伴う磁気センサの出力値の一例を示す図である。
【
図14】開口部がある場合のステップの移動に伴う磁気センサの出力値の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明による、乗客コンベアの開口部検出装置は、エスカレーターや動く歩道などの乗客コンベアの制御情報を用いずに、ステップの接近による磁気の変化を用いて、ステップが取り外されて形成された開口部を検出し、開口部の接近を作業者に報知することができる。
【0011】
以下、本発明の実施例による、乗客コンベアの開口部検出装置を、図面を用いて説明する。以下の実施例では、乗客コンベアとしてエスカレーターを例示する。
【実施例】
【0012】
図1は、本実施例による開口部検出装置106が設置されたエスカレーター101の構成を示す図である。
【0013】
エスカレーター101は、駆動装置102と複数のステップ103とコームプレート105を備える。ステップ103は、金属製であり、作業者104の操作によって駆動装置102に駆動され、上昇方向または下降方向に移動する。コームプレート105は、エスカレーター101の乗降口で、ステップ103の出入口に設置されている。
【0014】
作業者104は、エスカレーター101の保守作業や点検作業のために、ステップ103を取り外して作業をすることがある。エスカレーター101からステップ103が取り外されると、そこには開口部107が形成される。
【0015】
以下では、作業者104が、ステップ103のうち1つを取り外して開口部107が形成された状態で、下部乗場で作業をする場合を例に説明する。作業者104が上部乗場で作業をする場合には、エスカレーター101の運転方向の上昇方向と下降方向を入れ替えるなど、以下の説明を適宜読み替えることで、本実施例の構成を適用できる。
【0016】
作業者104は、作業を実施する際に、エスカレーター101の下部乗場のコームプレート105の上に、本実施例による開口部検出装置106を設置する。作業者104は、開口部検出装置106を起動させて、開口部107のあるエスカレーター101の保守作業や点検作業を開始する。エスカレーター101が運転を開始すると、ステップ103は、開口部検出装置106の近傍を通過する。作業者104は、開口部検出装置106の近くで保守作業や点検作業を実施する。
【0017】
図2は、本実施例による開口部検出装置106の構成を示す図である。
【0018】
開口部検出装置106は、磁気センサ201と、センサ受信部202と、判定部203と、報知部204と、通信部211と、入力部212と、出力部213を備える。
【0019】
磁気センサ201は、エスカレーター101の設置面に対して垂直方向の磁気を検出し、検出した磁気を出力値としてセンサ受信部202に出力する。磁気センサ201は、地磁気を検出する。エスカレーター101が運転を開始すると、ステップ103は、磁気センサ201の近傍を通過する。
【0020】
センサ受信部202は、磁気センサ201の出力値を磁気センサ201から取得して判定部203に出力する。
【0021】
判定部203は、開口部107を検出するとともに、開口部107が開口部検出装置106に、すなわち作業者104に接近していることを検出する。
【0022】
報知部204は、判定部203からの情報を基に、開口部107が作業者104に接近していることを作業者104に報知する。報知部204は、ブザーや音声などの音、点灯または点滅した光、及び振動のうち少なくとも1つを出力することによって、開口部107の接近や開口部107が存在する可能性があることを作業者104に報知する。報知部204は、例えば開口部検出装置106が画面を備える場合にはこの画面にメッセージを表示するなど、これ以外の構成で作業者104に報知してもよい。
【0023】
通信部211は、エスカレーター101の保守用装置(例えば、パソコン)などの外部装置と通信する。開口部検出装置106は、通信部211により、外部装置に対して情報を送受信することができる。
【0024】
入力部212は、作業者104が開口部検出装置106に情報を入力するために用いられ、例えばタッチパネル、ボタン、またはキーボードなどで構成することができる。
【0025】
出力部213は、開口部検出装置106が作業者104に情報を出力するために用いられ、例えば画面、スピーカーなどで構成することができる。
【0026】
判定部203を詳しく説明する。判定部203は、ステップ検出部206と、開口部検出部205と、運転方向取得部207と、開口部位置登録部208と、開口部接近判定部209と、タイマ210を備える。
【0027】
ステップ検出部206は、センサ受信部202から取得した磁気センサ201の出力値を用いて、ステップ103を検出するとともにステップ103の移動を検出する。
【0028】
開口部検出部205は、ステップ検出部206によるステップ103の移動の検出結果を用いて、開口部107を検出する。
【0029】
運転方向取得部207は、エスカレーター101の運転方向を取得する。
【0030】
開口部位置登録部208は、開口部検出部205とステップ検出部206からの情報を用いて、エスカレーター101の1周分のステップ103のうち、開口部107となっている位置を記録する。
【0031】
開口部接近判定部209は、ステップ検出部206が検出したステップ103の数と、開口部検出部205による開口部107の検出結果を用いて、開口部107の位置が作業者104に(すなわち、開口部検出装置106に)接近していることを検出する。
【0032】
タイマ210は、開口部検出装置106が起動してからの時間を、開口部検出部205とステップ検出部206と運転方向取得部207に伝える。
【0033】
図3は、本実施例による開口部検出装置106が実行する処理の全体を示すフローチャートである。
【0034】
S301で、開口部検出装置106は、開口部検出装置106が起動するためのイニシャル処理を実施する。このイニシャル処理により、タイマ210が起動する。
【0035】
S302で、運転方向取得部207は、運転方向取得処理を実施し、エスカレーター101の運転方向(上昇方向または下降方向)を取得する。
【0036】
S303で、ステップ検出部206は、ステップ検出処理を実施し、ステップ103の移動を検出するとともに、ステップ103が磁気センサ201(または開口部検出装置106)を通過する時間間隔Δtを求めて記録する。
【0037】
S304で、開口部検出部205は、開口部検出処理を実施し、開口部107を検出する。検出された開口部107の位置は、開口部位置登録部208が記録する。
【0038】
S305で、報知部204は、報知処理を実施し、開口部107が接近していることを作業者104に報知する。開口部107が作業者104に接近していることは、開口部接近判定部209が検出する。
【0039】
開口部検出装置106は、S305を実行した後、S302からの処理を繰り返す。
【0040】
図4は、運転方向取得部207が実施する運転方向取得処理(
図3のS302)のフローチャートである。運転方向取得部207は、エスカレーター101が稼働しているか否かを判定するとともに、エスカレーター101の運転方向(上昇方向または下降方向)を取得する。
【0041】
S401で、運転方向取得部207は、センサ受信部202から、磁気センサ201の出力値(エスカレーター101の設置面に対して垂直方向の地磁気)を取得する。
【0042】
S402で、運転方向取得部207は、磁気センサ201の出力値の変化の大きさが閾値以上か判定する。この閾値は、任意の値に予め定めることができる。磁気センサ201の出力値は、計測誤差を含み、ステップ103を検出していなくてもノイズなどの外乱により変化する。このため、ステップ103の動きによる磁気の変化を捉えることのできる値を閾値に設定し、外乱の影響を排除する。なお、ノイズフィルタにより磁気センサ201の出力値を補正することで、外乱の影響を排除してもよい。
【0043】
S403は、磁気センサ201の出力値の変化の大きさが、閾値未満の場合の処理である。運転方向取得部207は、予め定めた所定時間(例えば1秒)が経過したかを、タイマ210から取得した時間を利用して判定する。
【0044】
S404は、S403で所定時間が経過した場合の処理である。この所定時間の間、磁気センサ201の出力値の変化の大きさが閾値未満の場合は、磁気センサ201が磁気の変化を検出しておらず、金属製のステップ103が動いていないと判断できる。そこで、運転方向取得部207は、エスカレーター101が停止状態であると判断する。
【0045】
S403で所定時間が経過していない場合は、
図4のフローチャートを終了し、センサ受信部202が、磁気センサ201の出力値を次に取得するまで待機する。
【0046】
S405は、S402で磁気センサ201の出力値の変化の大きさが閾値以上の場合の処理、すなわち、磁気センサ201が磁気の変化を検出した場合の処理である。この磁気の変化は、金属製のステップ103が動いたことにより生じたと解釈できる。そこで、運転方向取得部207は、エスカレーター101が稼働状態であると判断する。
【0047】
S406で、運転方向取得部207は、タイマ210から取得した時間を利用して、エスカレーター101の稼働開始時間T0を記録する。この処理は、今までに稼働開始時間T0が記録されていない場合に実施する。稼働開始時間T0は、開口部検出装置106が起動してから、エスカレーター101が稼働を開始するまでの時間である。例えば、開口部検出装置106が起動してから10秒後にエスカレーター101の稼働が検出された場合には、T0は10秒である。
【0048】
S407で、運転方向取得部207は、エスカレーター101の運転方向を取得し、エスカレーター101の運転方向が上昇方向か否かを判定する。作業者104は、開口部検出装置106を起動させた後、入力部212を用いてエスカレーター101の運転方向を開口部検出装置106に入力する。運転方向取得部207は、作業者104が入力したエスカレーター101の運転方向に従い、エスカレーター101の運転方向が上昇方向か否かを判定する。
【0049】
S408は、エスカレーター101の運転方向が上昇方向の場合の処理である。運転方向取得部207は、エスカレーター101の運転方向が上昇方向であると記憶する。
【0050】
S409は、エスカレーター101の運転方向が下降方向の場合の処理である。運転方向取得部207は、エスカレーター101の運転方向が下降方向であると記憶する。
【0051】
図5は、ステップ検出部206が実施するステップ検出処理(
図3のS303)のフローチャートである。ステップ検出部206は、センサ受信部202から取得した磁気センサ201の出力値を用いて、ステップ103の移動を検出するとともに、ステップ103が磁気センサ201を通過する時間間隔Δtを求めて記録する。
【0052】
S501で、ステップ検出部206は、エスカレーター101が稼働状態であるか否かを判定する。ステップ検出部206は、運転方向取得処理でエスカレーター101が稼働状態であると判定された場合(
図4のS405)には、エスカレーター101が稼働状態であると判定する。
【0053】
S502は、エスカレーター101が稼働状態の場合の処理である。ステップ検出部206は、センサ受信部202から磁気センサ201の出力値を取得し、dxとして記録する。xは、エスカレーター101の稼働開始時からの、磁気センサ201の出力値の番号を示す添え字である。例えば、エスカレーター101の稼働開始を検出した直後における磁気センサ201の出力値は、d1であり、次に取得した磁気センサ201の出力値は、d2である。ステップ検出部206は、今までにx個の出力値を取得したことになる。なお、記録容量を節約するために、後で説明するステップ103の検出後にxをリセットしてもよい。
【0054】
S503で、ステップ検出部206は、ステップ1枚が磁気センサ201の周辺を移動する際の磁気の変化を検出する。ここでは、取得した磁気センサ201の出力値(dx)のピークを検出する。ピークを検出する方法は、任意である。例えば、ステップ検出部206は、dx-1<dxかつdx>dx+1のとき、dxをピークとしてもよく、最小二乗法などの解析手法や近似曲線を用いてピークを検出してもよい。
【0055】
S504は、磁気センサ201の出力値(dx)にピークが検出された場合の処理である。磁気センサ201の出力値(dx)にピークが検出されたということは、1つのステップ103が磁気センサ201に近づいてから離れたことを意味している。すなわち、ステップ検出部206は、1つのステップ103を検出し、このステップ103の移動(通過)を検出したことになる。ステップ検出部206は、タイマ210から取得した時間を利用して、ピークを検出した時間であるピーク時間T(n)を記録する。nは、検出したピークの番号を示す。ステップ検出部206は、今までにn個のピークを検出したことになる。
【0056】
S505で、ステップ検出部206は、前回ピークを検出したときからの経過時間Δt(n-1)を求めて記録する。Δt(n-1)は、前回ピークを検出した時間(ピーク時間T(n-1))と今回ピークを検出した時間(ピーク時間T(n))の間隔であり、ステップ検出部206が、隣り合う2つのステップ103が磁気センサ201(または開口部検出装置106)を通過したのを検出した時間間隔である。
【0057】
S506で、ステップ検出部206は、今までに検出したステップ103の数を記録する。今までに検出したステップ103の数は、今までに検出したピークの数nと等しい。
【0058】
S507で、ステップ検出部206は、nを1つ増やし(すなわち、n=n+1とし)、次のステップ103の検出に備える。
【0059】
図13は、開口部が無い場合のステップ103の移動に伴う磁気センサ201の出力値の一例を示す図である。例えば、ステップ検出部206が、起動後に初めて、磁気センサ201の出力値のピークを、時間T(1)の出力値d
3で検出したとする。ステップ検出部206は、ピーク時間T(1)で1つ目のステップ103を検出したことになる。次に、ステップ検出部206が、磁気センサ201の出力値のピークを、時間T(2)の出力値d
11で検出したとする。ステップ検出部206は、ピーク時間T(2)で2つ目のステップ103を検出したことになる。1つ目のステップ103の検出から2つ目のステップ103の検出までに要した時間(T(2)-T(1))がΔt(1)である。すなわち、ステップ検出部206が、隣り合う2つのステップ103が磁気センサ201(または開口部検出装置106)を通過したのを検出した時間間隔は、Δt(1)である。
【0060】
エスカレーター101の運転速度が一定の場合には、ステップ103の通過を検出した時間間隔Δt(n-1)は、全てが互いに等しい値(Δt)である。以下では、説明を簡単にするために、ステップ103が磁気センサ201を通過したのを検出した時間間隔(磁気センサ201の出力値のピーク間の時間間隔)をΔtで表す。Δtは、隣り合う2つのステップ103が磁気センサ201(または開口部検出装置106)を通過する時間間隔とみなすことができる。
【0061】
図6は、ステップ103が1枚取り外されている場合の、開口部検出部205と開口部位置登録部208が実施する開口部検出処理(
図3のS304)のフローチャートである。開口部検出部205は、開口部107を検出する。開口部位置登録部208は、検出された開口部107の位置を記録する。
【0062】
図14は、開口部がある場合のステップ103の移動に伴う磁気センサ201の出力値の一例を示す図である。
【0063】
S601で、開口部検出部205は、ピークを検出した時間であるピーク時間T(n)から時間間隔Δtが経過したか否かを、タイマ210から取得した時間を利用して判定する。ピーク時間T(n)から時間間隔Δtが経過した場合には、S602に進む。
【0064】
S602で、開口部検出部205は、ステップ検出処理(
図3のS303)にてステップ103がまだ検出されていないか否かを判定する。ステップ103がまだ検出されていない場合は、S603に進む。
【0065】
S603で、開口部検出部205は、開口部107が存在する可能性があると判定する。前回ピークを検出した時間(ピーク時間T(n))から時間間隔Δtが経過した、すなわち、前回にステップ103が検出されてから、ステップ103が通過する時間間隔Δtが経過したのにもかかわらず、ステップ103が検出されていないので、開口部検出部205は、開口部107が存在する可能性があると判断する。
【0066】
S604で、開口部検出部205は、ピーク時間T(n)から時間間隔Δtが経過した時間から、さらに時間tm以上が経過したか否かを、タイマ210から取得した時間を利用して判定する。時間tmは、Δt以下の時間となるような任意の値に定めることができる。
【0067】
S605で、開口部検出部205は、ステップ検出処理(
図3のS303)にてステップ103がまだ検出されていないか否かを判定する。ステップ103がまだ検出されていない場合は、S606に進む。
【0068】
S606で、開口部検出部205は、エスカレーター101からステップ103が取り外されて形成された開口部107が存在すると判断する。開口部検出部205は、開口部107が存在すると判断したときに、開口部107が検出されたとする。
【0069】
開口部検出部205は、開口部107が存在せずステップ103が連続してある場合には、時間間隔Δtごとにステップ103を検出する。しかし、開口部107が存在する場合には、開口部検出部205は、開口部107を挟む2つのステップ103をΔtの2倍の時間間隔で検出する。
【0070】
S607で、開口部位置登録部208は、開口部検出装置106が起動してから(すなわち、初めにステップ103を検出してから)開口部107を検出するまでの間のステップ103の数を、開口部107の位置として記録する。
【0071】
S608で、開口部検出部205は、開口部107が起動後に初めて検出されたか否かを判定する。開口部107が初めて検出された場合は、開口部検出処理を終了する。
【0072】
S609は、開口部107が複数回目(例えば、2回目)に検出された場合の処理である。開口部検出部205は、開口部107が複数回目に検出された場合には、前回(例えば、1回目)に開口部107が検出されてから今回(2回目)に開口部107が検出されるまでの間のステップ103の数を、Nとして記録する。例えば、エスカレーター101の1周分のステップ103の数が40であり、1つのステップ103が取り外されて開口部107が形成されている場合には、1回目に開口部107が検出されてから2回目に開口部107が検出されるまでの間のステップ103の数Nは、39である。Nは、開口部107が形成されている場合における1周分のステップ103の数である。
【0073】
また、開口部検出処理では、作業者104は、S607において、開口部107の位置を開口部検出装置106に入力することもできる。すなわち、作業者104は、入力部212を用いて、開口部107の位置を開口部位置登録部208に入力してもよい。開口部位置登録部208は、S607で、作業者104が入力した開口部107の位置を記録する。
【0074】
作業者104が入力する開口部107の位置は、開口部検出装置106が起動してから開口部107を検出するまでの間のステップ103の数である。このステップ103の数は、ステップ検出処理(
図5)のS506で取得することができる。開口部検出装置106の出力部213は、このステップ103の数を出力する。作業者104は、出力部213に出力されたこのステップ103の数を用いて、開口部107の位置を開口部位置登録部208に入力する。
【0075】
なお、作業者104が入力した開口部107の位置と、開口部検出部205が検出した開口部107の位置とが異なる場合には、開口部位置登録部208は、いずれか一方を開口部107の位置として記録する。開口部検出部205が開口部107の位置を正確に検出するのが難しい場合には、作業者104が開口部107の位置を入力し、開口部位置登録部208が作業者104の入力した開口部107の位置を記録するのが好ましい。
【0076】
また、開口部検出処理では、作業者104は、開口部107が形成されている場合における1周分のステップ103の数Nを知っている場合には、S609でまたはエスカレーター101の運転を開始する前に、入力部212を用いて、数Nを開口部検出部205に入力してもよい。
【0077】
図12は、磁気センサ201の出力値の一例を示す図である。磁気センサ201は、エスカレーター101の設置面に対して垂直方向の磁気(地磁気)がステップ103の移動によって変化するのを検出し、センサ受信部202に出力する。
【0078】
開口部検出装置106は、
図12に示すような磁気センサ201の出力値から、ステップ103と開口部107を検出することができる。ステップ検出処理(
図5)のS503でステップ検出部206が検出した磁気センサ201の出力値のピークは、
図12においてPi(i=1~6)で示している。このピークPiのそれぞれは、1つのステップ103に対応する(S504)。また、開口部検出処理(
図6)のS605でステップ103が検出されなかったとき、すなわちピークが検出されなかったときの磁気センサ201の出力値は、
図12においてQで示している。この出力値Qは、開口部107に対応する(S606)。
【0079】
図7は、開口部接近判定部209と報知部204が実施する報知処理(
図3のS305)のフローチャートである。開口部接近判定部209は、開口部107が作業者104に(すなわち、開口部検出装置106に)接近していることを検出する。報知部204は、開口部接近判定部209が開口部107の作業者104への接近を検出した場合に、開口部107が接近していることを作業者104に報知する。
【0080】
S701で、開口部初回検出時の報知処理を実施する。開口部初回検出時の報知処理の詳細は、後述する。
【0081】
S702で、開口部接近判定部209は、開口部検出部205が前回に開口部107を検出したときからステップ検出部206が現在までに検出したステップ103の数をmとし、mが予め定めた第1閾値Aよりも大きいか否かを判定する。第1閾値Aは、開口部107が形成されている場合における1周分のステップ103の数Nを用いて、任意に定めることができる。本実施例では、第1閾値Aを(N-10)とする。開口部接近判定部209は、mが第1閾値Aよりも大きいと、開口部107の位置が作業者104に接近していると判断する。
【0082】
S703は、mがAより大きい場合の処理である。この場合は、ステップ103があと(N-m)個通過すると、開口部107が作業者104の作業場所に到達することになる。そこで、報知部204は、開口部107が接近していることを作業者104に通知して作業者104に注意を促す第1報知を実施する。例えば、報知部204は、「開口部が接近しています」という音声を出力して、作業者104に注意を促すことができる。本実施例では、N=39でA=29(=N-10)であるので、mが30であれば、ステップ103があと9個通過すると、開口部107が作業者104の作業場所に到達する。
【0083】
その後、エスカレーター101の稼働が継続すると、前回に開口部107が検出されたときから現在までに検出されたステップ103の数mが増えていく。
【0084】
S704で、開口部接近判定部209は、前回に開口部107が検出されたときから現在までに検出されたステップ103の数mが、予め定めた第2閾値Bよりも大きいか否かを判定する。第2閾値Bは、第1閾値Aより大きな値であり、開口部107が形成されている場合における1周分のステップ103の数Nを用いて、任意に定めることができる。本実施例では、第2閾値Bを(N-3)とする。開口部接近判定部209は、mが第2閾値Bよりも大きいと、開口部107の位置が作業者104にさらに接近していると判断する。
【0085】
S705は、mがBより大きい場合の処理である。この場合は、ステップ103があと(N-m)個通過すると、開口部107が作業者104の作業場所に到達することになる。そこで、報知部204は、開口部107が接近していることを作業者104に通知して作業者104に警告を発する第2報知を実施する。例えば、報知部204は、「開口部に注意」という音声を出力して、作業者104に警告を発することができる。本実施例では、N=39でB=36(=N-3)であるので、mが37であれば、ステップ103があと2個通過すると、開口部107が作業者104の作業場所に到達する。
【0086】
図8は、
図7のS701で実施する開口部初回検出時の報知処理のフローチャートである。開口部初回検出時の報知処理は、開口部検出部205が開口部107を初めて検出したときに(開口部107が存在すると初めて判断したとき、または開口部107が存在する可能性があると初めて判断したときに)、報知部204が開口部107の接近を報知する処理である。
【0087】
作業者104が下部乗場で作業をしている場合に、エスカレーター101の運転方向が上昇方向のときには、下部乗場では開口部107がエスカレーター101の内部から外部に出てくるため、作業者104は、開口部107の出現に気づきにくい。開口部107がまだ検出されていない場合には、開口部107がいつ作業者104の作業場所に到達するか(ステップ103が何個通過したら開口部107が作業者104の作業場所に到達するか)が不明である。そこで、開口部初回検出時の報知処理を実施し、開口部検出部205が開口部107を初めて検出した時点(開口部107が存在すると判断した時点、または開口部107が存在する可能性があると判断した時点)で作業者104に報知する。
【0088】
S801で、報知部204は、開口部検出処理(
図6)によって開口部107が既に検出されているか否かを判定する。報知部204は、開口部検出処理のS607で開口部107の位置が記録されていれば、開口部107が既に検出されていると判断する。開口部107がまだ検出されていない場合は、S803に進む。
【0089】
S803で、報知部204は、開口部検出処理(
図6)のS606で開口部107が存在すると判断されたか否かを判定する。開口部107が存在すると判断された場合は、S804に進み、開口部107が存在すると判断されていない場合は、S805に進む。
【0090】
S804で、報知部204は、開口部107が接近していることを作業者104に通知して作業者104に警告を発する第2報知を実施する。例えば、報知部204は、「開口部に注意」という音声を出力して、作業者104に警告を発することができる。
【0091】
S805で、報知部204は、開口部検出処理(
図6)のS603で開口部107が存在する可能性があると判定されたか否かを判定する。開口部107が存在する可能性があると判定された場合は、S806に進み、
S806で、報知部204は、存在の可能性がある開口部107が接近していることを作業者104に通知して作業者104に勧告をする第3報知を実施する。例えば、報知部204は、「開口部を確認してください」という音声を出力して、作業者104に注意を勧める勧告を発することができる。
【0092】
なお、
図8に示した開口部初回検出時の報知処理は、エスカレーター101の運転方向が下降方向の場合には、開口部107を検出した時点で開口部107が作業者104の位置(下部乗場)を通過しているため、実施しなくてもよい。
【0093】
また、エスカレーター101のステップ103が逆方向に移動し、エスカレーター101の運転方向が入れ替わった場合にも、本実施例による開口部検出装置106は、開口部検出部205が前回に開口部107を検出したときからステップ検出部206が現在までに検出したステップ103の数mと、開口部検出部205が記録したステップ103の数Nなどを用いて、上述した説明と同様にして、開口部107の接近を作業者104に報知することができる。
【0094】
本実施例による開口部検出装置106は、他の装置と組み合わせることにより、作業状況にさらに合わせた報知を実施することができる。
【0095】
図9は、エスカレーター101の保守用装置(例えば、パソコン)と連動した、開口部検出装置106の報知処理のフローチャートである。開口部検出装置106は、通信部211により、保守用装置に対して情報を送受信することができる。
【0096】
SA01で、保守用装置は、作業者104の作業位置を取得する。作業者104の作業位置は、例えば、保守用装置に保存されている作業者104の作業計画情報から取得できる。
【0097】
SA02で、保守用装置は、作業者104の作業位置におけるステップ103の方向を取得する。作業者104の作業位置におけるステップ103の方向は、例えば、作業者104の作業位置と、保守用装置に保存されているエスカレーター101の設置向きから取得できる。エスカレーター101の設置向きとは、エスカレーター101の設置面におけるステップ103の動く方向である。
【0098】
SA03で、保守用装置は、作業者104の向きを検出する。作業者104は、方位センサが設置されたヘルメットを着用しているとする。方位センサは、作業者104の顔が向いている方向を検出することができる。保守用装置は、方位センサから作業者104の顔が向いている方向を取得することにより、作業者104の向きを検出する。
【0099】
SA04で、開口部検出装置106の判定部203は、開口部検出処理(
図6)によって開口部107が検出されているか否かを判定する。開口部107が検出されている場合には、開口部検出装置106は、保守用装置に信号を送信する。
【0100】
SA05で、保守用装置は、開口部107が検出されている場合には、作業者104がステップ103の方向を向いているかを判定する。保守用装置は、ステップ103の方向と作業者104の向きが同じであるとみなすことができれば、作業者104がステップ103の方向を向いていると判定する。保守用装置は、この判定の結果を開口部検出装置106に送信する。作業者104がステップ103の方向を向いていないと判定した場合は、SA06に進み、作業者104がステップ103の方向を向いていると判定した場合は、SA07に進む。
【0101】
SA06で、開口部検出装置106の報知部204は、作業者104の危険性が高いので、開口部107が接近していることを作業者104に通知して作業者104に大音量で警告を発する第4報知を実施する。例えば、報知部204は、「開口部に注意」という音声を大音量で出力して、作業者104に警告を発することができる。
【0102】
SA07で、報知部204は、開口部107が接近していることを作業者104に通知して作業者104に警告を発する第2報知を実施する。例えば、報知部204は、「開口部に注意」という音声を出力して、作業者104に警告を発することができる。
【0103】
図10は、コームプレート105に設置された圧力センサとエスカレーター101の保守用装置と連動した、開口部検出装置106の報知処理のフローチャートである。開口部検出装置106は、通信部211により、保守用装置に対して情報を送受信することができる。コームプレート105には、圧力センサが設置されているとする。保守用装置は、圧力センサが検出した圧力の値を取得することができる。
【0104】
SB01で、保守用装置は、コームプレート105に圧力が加わっているか否かを判定する。保守用装置は、圧力センサが検出した圧力の値を取得することで、コームプレート105に圧力が加わっているか否かを判定することができる。保守用装置は、この判定の結果を開口部検出装置106に送信する。
【0105】
SB02で、開口部検出装置106の判定部203は、コームプレート105に圧力が加わっている場合には、開口部検出処理(
図6)によって開口部107が検出されているか否かを判定する。コームプレート105に圧力が加わっている場合は、作業者104がコームプレート105の上に手を置いて作業している可能性がある。
【0106】
SB03で、判定部203は、運転方向取得処理(
図4)の結果を利用して、エスカレーター101の運転方向が下降方向か否かを判定する。エスカレーター101の運転方向が下降方向の場合は、SB04に進み、エスカレーター101の運転方向が上昇方向の場合には、SB05に進む。
【0107】
SB04で、開口部検出装置106の報知部204は、作業者104が開口部107とコームプレート105の間に手を挟む可能性があるため、開口部107が接近していることを作業者104に通知して作業者104に大音量で警告を発する第4報知を実施する。例えば、報知部204は、「開口部に注意」という音声を大音量で出力して、作業者104に警告を発することができる。
【0108】
SB05で、報知部204は、開口部107が接近していることを作業者104に通知して作業者104に警告を発する第2報知を実施する。例えば、報知部204は、「開口部に注意」という音声を出力して、作業者104に警告を発することができる。
【0109】
図11は、エスカレーター101の制御部とエスカレーター101の保守用装置と連動した、開口部検出装置106の報知処理のフローチャートである。開口部検出装置106は、通信部211により、保守用装置に対して情報を送受信することができる。保守用装置は、エスカレーター101の制御部と通信することができ、例えば、エスカレーター101の制御部に指令を送信することができる。エスカレーター101の制御部は、保守用装置から受信した指令に従ってエスカレーター101を制御することができる。
【0110】
SC01で、開口部検出装置106の開口部接近判定部209は、開口部107の位置が作業者104に接近しているか否かを判定する。開口部接近判定部209は、
図7のS702と同様に、前回に開口部107が検出されたときから現在までに検出されたステップ103の数mが第1閾値Aよりも大きいと、開口部107の位置が作業者104に接近していると判断する。開口部検出装置106は、この判定の結果を保守用装置に送信する。
【0111】
SC02で、保守用装置は、開口部107が作業者104に接近している場合には、エスカレーター101の運転速度を低速にする指令をエスカレーター101の制御部に送信する。エスカレーター101の制御部は、この指令を受信したら、エスカレーター101の運転速度を低速にする制御を行う。このとき、開口部検出装置106の報知部204は、
図7のS703と同様に、開口部107が接近していることを作業者104に通知して作業者104に注意を促す第1報知を実施してもよい。
【0112】
SC03で、開口部接近判定部209は、開口部107の位置が作業者104の付近にあるか否かを判定する。開口部接近判定部209は、
図7のS704と同様に、前回に開口部107が検出されたときから現在までに検出されたステップ103の数mが第2閾値Bよりも大きいと、開口部107の位置が作業者104の付近にあると判断する。開口部検出装置106は、この判定の結果を保守用装置に送信する。
【0113】
SC04で、保守用装置は、開口部107が作業者104の付近にある場合には、エスカレーター101を停止させる指令をエスカレーター101の制御部に送信する。エスカレーター101の制御部は、この指令を受信したら、エスカレーター101を停止させる制御を行い、作業者104が開口部107とエスカレーター101との間に挟まれるのを防止する。
【0114】
SC05で、作業者104は、開口部107の位置を確認し、安全に作業を行えるようになったら、エスカレーター101を起動させる。エスカレーター101が起動したという情報は、エスカレーター101の制御部から保守用装置に送信される。
【0115】
SC06で、作業者104により起動させられたエスカレーター101は、運転を再開する。
【0116】
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記の実施例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、本発明は、必ずしも説明した全ての構成を備える態様に限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、削除したり、他の構成を追加・置換したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0117】
101…エスカレーター、102…駆動装置、103…ステップ、104…作業者、105…コームプレート、106…開口部検出装置、107…開口部、201…磁気センサ、202…センサ受信部、203…判定部、204…報知部、205…開口部検出部、206…ステップ検出部、207…運転方向取得部、208…開口部位置登録部、209…開口部接近判定部、210…タイマ、211…通信部、212…入力部。