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特許7177785ブラシレス直流モータによって駆動されるトレイコンベヤ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】ブラシレス直流モータによって駆動されるトレイコンベヤ
(51)【国際特許分類】
   H02K 41/02 20060101AFI20221116BHJP
   H02K 41/03 20060101ALI20221116BHJP
   B65G 54/02 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
H02K41/02 B
H02K41/02 C
H02K41/03 A
B65G54/02
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019555181
(86)(22)【出願日】2018-04-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-25
(86)【国際出願番号】 US2018025779
(87)【国際公開番号】W WO2018204006
(87)【国際公開日】2018-11-08
【審査請求日】2020-05-12
(31)【優先権主張番号】62/500,267
(32)【優先日】2017-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508181663
【氏名又は名称】レイトラム,エル.エル.シー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ラガン,ブライアント ジー.
【審査官】島倉 理
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-098786(JP,A)
【文献】特開2014-171281(JP,A)
【文献】特開平11-127569(JP,A)
【文献】国際公開第2007/063693(WO,A1)
【文献】特開2004-015894(JP,A)
【文献】実開平04-032478(JP,U)
【文献】特表2016-531534(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 41/02
H02K 41/03
B65G 54/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部から第2の端部まで搬送方向に伸長するトレイコンベヤセグメントであって、スロットによって近接した間隔で分離され、頂部及び永久磁石の第1及び第2のアレイを有する第1のレール及び第2のレールを含み、前記第1のアレイは前記第1のレールに埋め込まれ前記第1のレールの長さに沿って伸長し、前記第2のアレイは前記第2のレールに埋め込まれ前記第2のレールの長さに沿って伸長し、前記スロットにわたる磁場を発生させる永久磁石ステータを形成し、前記レールの前記頂部は凸状に湾曲する、トレイコンベヤセグメントと、
前記第1及び第2のレールに支持され、物品支持上面と、前記第1及び第2のレールに沿ってトレイを進ませるブラシレスリニア直流モータを形成するように前記永久磁石ステータと協働するフォーサとしての一連の駆動コイルとを有する前記トレイと
を備え、前記トレイは、
前記物品支持上面および前記レールの前記頂部に支持された底面を形成するプラットフォームと、
前記スロット内に乗り入れるように前記底面から下向きかつ前記搬送方向に伸長し、前記一連の駆動コイルを収容するブレードと、
前記ブレードに沿って周期的に位置する一連の磁場センサであって、前記ステータによって生成される磁場の正および負のピークに対する前記駆動コイルの位置を示すセンサ信号を生成する磁場センサと、
前記センサ信号を受信し、前記センサ信号に基づいて前記駆動コイルの電流を整流して、前記トレイを前記搬送方向に進ませるために前記スロットの前記磁場と相互作用する電磁場を生成するトレイコントローラと、
を含む、コンベヤ。
【請求項2】
前記駆動コイルは三相コイルである、請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項3】
前記トレイの外側に設けられ、前記レールの長さに沿って前記搬送方向に伸長する一次導体ループを更に備え、前記トレイは更に、前記レールの前記長さの途中にある間、前記トレイに電力を供給するために前記一次導体ループに誘導結合された二次コイルを含む、請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項4】
前記トレイは、前記トレイコントローラおよび前記一連の駆動コイルに給電するバッテリを含み、前記バッテリは、前記二次コイルによって再充電される、請求項3に記載のコンベヤ。
【請求項5】
前記スロットは、前記レールの前記頂部において広がる、請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項6】
前記レールを接合し前記スロットの閉端を形成するレール基部と、前記コンベヤを床に載せるために前記基部から下向きに伸長する一連の単一脚部とを更に備える、請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項7】
第1の端部から第2の端部まで搬送方向に伸長するキャリッジコンベヤセグメントであって、スロットによって近接した間隔で分離され、頂部を有し、各々が、前記スロットにわたる磁場を生成する永久磁石のアレイを含む前記レールのペアを含み、請求項1に記載の前記トレイコンベヤセグメントの前記レールおよびスロットに垂直であり、その下で斜行するキャリッジレールおよびキャリッジスロットを有して構成されたキャリッジコンベヤセグメントと、
前記キャリッジレールの頂部で支持されたキャリッジプラットフォームと、
前記キャリッジスロットに乗り入れるように前記キャリッジプラットフォームから下向きに伸長するキャリッジブレードと、
前記キャリッジブレード内の一連のキャリッジ駆動コイルと、
移転スロットによって分離され、前記トレイコンベヤセグメントからトレイを受け取り、または前記トレイコンベヤセグメントへトレイを送出するために、前記キャリッジプラットフォームから、前記トレイコンベヤセグメントにおける前記レールの前記頂部と同じ高さの頂部まで上に伸長する、近接した間隔の移転レールのペアと、
前記移転レールが前記トレイコンベヤセグメントの前記レールと位置合わせされた第1の位置から、前記移転レールが前記トレイコンベヤセグメントの前記レールから横にずれた第2の位置へ、前記キャリッジコンベヤセグメントに沿って前記キャリッジを横方向に進ませるために前記キャリッジスロット内の前記磁場と相互作用する電磁場を生成するように前記キャリッジ駆動コイルを駆動するキャリッジコントローラと
を含むキャリッジと
を更に備える請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項8】
前記トレイコンベヤセグメントの第1の1つが、間隙を跨いで前記トレイコンベヤセグメントの第2の1つの前記第1の端部から斜めに伸長する、複数の前記トレイコンベヤセグメントと、
周縁に磁場を生成する永久磁石のリングを収容する円筒形ダイバータ基部を有するダイバータキャリッジセグメントと、
前記ダイバータ基部に支持され、前記ダイバータ基部の前記周縁に沿って下向きに伸長するサイドスカートを有するダイバータキャリッジプラットフォームと、
前記サイドスカートの各々における一連のダイバータキャリッジ駆動コイルと、
ダイバータスロットによって分離され、前記トレイコンベヤセグメントからトレイを受け取り、または前記トレイコンベヤセグメントへトレイを送出するために、前記ダイバータキャリッジプラットフォームから、前記第1および第2のトレイコンベヤセグメントにおける前記レールの前記頂部と同じ高さの頂部まで上向きに伸長する、近接した間隔のダイバータレールのペアと、
前記ダイバータレールが前記トレイコンベヤセグメントの前記第1の1つの前記レールと位置合わせされた第1の位置から、前記ダイバータレールが前記トレイコンベヤセグメントの前記第2の1つの前記レールと位置合わせされた第2の位置へ前記ダイバータを回転させるために、前記ダイバータ基部の周囲の前記磁場と相互作用する電磁場を生成するように前記ダイバータキャリッジ駆動コイルを駆動するダイバータキャリッジコントローラと
を含むダイバータキャリッジと
を更に備える、請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項9】
前記スロットに乗り入れるブレードと、
前記ブレード内に収容された一連のスクラバコイルと、
前記トレイコンベヤセグメントに沿って前記トレイを進ませるために前記磁場と相互作用する電磁場を生成するように前記スクラバコイルを駆動するスクラバコントローラと、
洗浄液の供給源と、
前記洗浄液を前記レールに噴霧するスプレーノズルと
を含むスクラバを更に備える、請求項1に記載のコンベヤ。
【請求項10】
前記スクラバは更に、前記レールを洗うために、前記レールの外側に沿って前記スロットに乗り入れる回転スクラブブラシを含む、請求項9に記載のコンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に動力駆動コンベヤに関し、より具体的には、ブラシレス直流モータによってトレイが独立に駆動されるコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば平坦ベルト、モジュラーベルトまたはチェーン、および動力式または重力ローラにおいて物品を搬送するような従来の搬送システムは、病原体および他の汚染物質の潜伏箇所を多数もたらす。モータ、ギヤボックス、ローラ軸受、軸、滑車、および鎖歯車は全て、食品の粒子および脂を集め、定期的な清掃を必要とする。食品への適用において、コンベヤ部品は全て、厳しい食品用途規格に準拠する必要がある。また、従来のコンベヤは、電力および制御のために大幅な電気インフラを必要とする。ケーブル配策および接続は、汚染物質の更なる潜伏箇所をもたらす。
【発明の概要】
【0003】
本発明の特徴を具体化するコンベヤの1つのバージョンは、永久磁石ステータを形成するようにレールの長さに沿って伸長する永久磁石のアレイを有するレールと、レールに支持されたトレイとを備える。レールは、物品支持上面と、トレイをレールに沿って進ませるブラシレスリニア直流モータを形成するために永久磁石ステータと協働するフォーサとしての一連の整流型駆動コイルとを有する。
【0004】
本発明の特徴を具体化するコンベヤの他のバージョンは、レールに支持されたトレイを備える。トレイは、物品支持上面と、一連の駆動コイルと、トレイコントローラと、一連の駆動コイル内の電流を整流するためにトレイコントローラに電力を供給する電源とを有する。レールは、自身の長さに沿って伸長する永久磁石のアレイを有する。永久磁石のアレイおよびトレイ内の駆動コイルは、ブラシレスリニア直流モータを形成し、レールに沿ってトレイを進ませる。
【0005】
他の態様において、本発明の特徴を具体化するコンベヤトレイは、トレイの長さを画定する第1の端部および第2の端部と、第1の端部から第2の端部まで伸長する物品支持上面および底面とを有するプラットフォームを備える。ブレードは、第1の端部から第2の端部まで底面から下向きに伸長し、一連の駆動コイルを収容する。トレイコントローラは駆動コイルを駆動し、電源は、トレイコントローラおよび駆動コイルに電力を供給する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本発明の特徴を具体化するトレイコンベヤの一部の等角図である。
図2図2は、図1の直線II~IIに沿って示されたトレイコンベヤの拡大断面図である。
図3図3は、永久磁石アレイが見えるように切断された支持レールの内壁を示す、図1の直線III~IIIに沿って示されたトレイコンベヤの拡大断面図である。
図4図4は、トレイ本体が仮想線で示された、図1のコンベヤにおいて使用可能なトレイの等角図である。
図5図5は、トレイに電力を誘導結合するための導体ループを両側に有する、図1に示すようなコンベヤの他のバージョンの一部の等角図である。
図6図6は、図5の直線VI~VIに沿って示された図5のコンベヤの拡大断面図である。
図7図7は、図5または図1に示すようなコンベヤのための電気システムの1つのバージョンの略ブロック図である。
図8図8は、図1または図5に示すようなコンベヤにおいて使用可能なトレイキャリッジの等角図である。
図9図9A図9Cは、無端コンベヤを形成するために図8に示すようなトレイキャリッジを用いる、図5に示すようなコンベヤの一端の一連の等角図である。
図10図10は、図1または図5に示すようなコンベヤのためのトレイ洗浄器の等角図である。
図11図11は、1つのコンベヤセグメントから他のコンベヤセグメントへトレイを搬送するために用いられる、図8に示すようなトレイキャリッジの等角図である。
図12図12A~12Cは、図1または図5に示すようなコンベヤのためのトレイダイバータ部の一連の等角図である。
図13図13は、図1に示すようなコンベヤにおけるレールスクラバの等角図である。
図14図14は、トレイ内の単一の二次コイルを介してトレイに電力を誘導結合するための両側で共有された導体ループを有する、図1に示すようなコンベヤの他のバージョンの一部の等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の特徴を具体化するコンベヤの1つのバージョンの一部が図1に示される。コンベヤ部20は、滑らかな移行のために接合継手24に端と端を連結された一連のトレイコンベヤセグメント22から構成される。図2にも示すように、トレイコンベヤセグメント22の各々は、凸状に丸みを帯びた頂部28、29と、単一の脚部32が床に載るように下向きに伸長するレール基部30によって接合された底部と、を有する近接した間隔のレール26、27のペアを備える。2本のレール26、27は、細いスロット34によって分離される。トレイ36は、物品支持上面40と、レール26、27の頂部28、29に支持された対向底面41とを備えたプラットフォーム38を有する。ブレード42は、トレイ36の底面41からスロット34内へ下向きに伸長する。この例に示される、中央に位置するブレード42を有するトレイ36は、垂直断面においてT字形を成す。各レール26、27における永久磁石44のリニアアレイは、スロット34およびトレイブレード42を通る磁場を生成する。静磁場の大きさおよび方向は、スロット34の長さに沿って周期的に変化する。トレイブレード42内のフォーサコイル(図1には不図示)は、コンベヤに沿ってトレイ36を搬送方向46に進ませる力を生じるために、レール内のリニア永久磁石アレイによって生成された磁場と相互作用する変動電磁場を生成する。
【0008】
図2に示すように、脚部32の上方のスロット34は、レール基部30によって形成された下側盲端48から、レール26、27の上部28、29において広がる上部開口部50へ上向きに伸長する。他の場所では、スロット34は上部および底部の両方で開口する。図3に示すように、永久磁石44のリニアアレイは、スロット34の境界を定めるレールの内壁52に近接してレール27に埋め込まれる。スロット34内の磁場の強度を高めるために、永久磁石44は、ハルバッハアレイを形成するように配置される。スロット34を横断する静磁場は、搬送方向46における振幅および方向において空間的に変化する。
【0009】
図4に示すように、一連のフォーサ駆動コイル54は、トレイブレード42内に収容される。コイル54は、ブレード42の長さに沿って交流三相パターンに配置される。トレイ36内に収容されたトレイコントローラ56は、ブレード42に沿って移動しスロット内の静磁場と相互作用する電磁場を生成するために、三相コイル54を流れる電流を電子的に整流する。コントローラ56および補助部品は、回路基板57に搭載される。コイル54のコアは、レール磁石への引付けおよび摩擦の増加を防ぐために鉄不使用である。このように駆動コイル54は、レール内に永久磁石アレイを有するブラシレスリニア直流モータを形成する。永久磁石アレイは、モータのステータを形成し、協働するトレイコイル54は、モータのフォーサを形成する。
【0010】
1または複数のセル60から構成されるバッテリ58は、コントローラ56に給電し、整流された電流をコイル54へ提供する。永久磁石がレール内にあり、トレイがバッテリ式であるため、トレイコンベヤセグメントに配線は必要ない。トレイセグメントは完全パッシブである。バッテリ58を再充電するために、トレイ36の片面または両面における任意選択的な充電コイル62が利用可能である。あるいは充電コイル62は、コントローラ56およびフォーサコイル54に給電するためにトレイ36に電力を結合するために用いられ得る。一次電力が充電コイル62を通してトレイ36に誘導結合される、この代替動作モードにおいて、バッテリ58は、充電コイルに外部電力が利用不可能である場合に二次電源として用いられ得る。よって、バッテリ58または充電コイル62のいずれかがトレイ内電源として機能し得る。一次外部電源がアクティブである場合、充電コイル62は、バッテリ58をトリクル充電することができる。充電コイル62に並列に接続された同調コンデンサ64は、トレイ36への誘導電力伝達の効率を高めるために充電コイルおよびコンデンサ回路を外部充電波形の共振周波数に同調させるために利用可能である。第3の代替例として、バッテリ58は再充電可能ではなく、専用電源として機能してもよい。この場合、充電コイル62および同調コンデンサ64は必要ではない。バッテリ58が再充電可能でない場合、バッテリ58は、エンドキャップ(66、図2)を通して交換可能であってよく、あるいはトレイ全体が使い捨てであってよい。
【0011】
充電コイル62がバッテリ58を再充電するため、または主電源の一部として用いられる場合、図5および図6に示すような1または複数のアクティブコンベヤセグメント68が用いられる。2本の近接した間隔のレール70、71は、トレイ36のブレード42を受け入れてガイドする細いスロット72を画定する。レール70、71の各々は、トレイ36を支持する平坦上面76、77を有する側方延長部74、75を有する。交流電源(不図示)によって給電される一次導体ループ78は、各レール延長部74、75においてアクティブコンベヤ部68の長さに沿って伸長する。一次導体ループ78はE型コア80に搭載される。導体ループはたとえば、リッツ線などの低損失ワイヤである。一次同調コンデンサ(不図示)は、トレイ36内の二次充電コイル62へ高効率の高Q誘導電力伝達を提供するために、レール70、71の長さに沿ってループにわたり分散される。コンベヤの大部分は、図5に示すようなアクティブセグメント68から、あるいはアクティブセグメントおよび図1に示すようなパッシブセグメント22の組み合わせから構成され得る。たとえば、物品が搬送される主要搬送路および復路を有するコンベヤは、搬送路にパッシブセグメントを有し、バッテリを再充電するために復路にアクティブ誘導電力伝達セグメントを有してよい。他の代替例において、アクティブトレイセグメントは、片面のみに一次導体ループを有する。この場合、トレイは、片面のみに二次充電コイルおよび同調コンデンサを有して製作され得る。
【0012】
また他のトレイ充電または給電構成が図14に示される。このバージョンにおいて、トレイ180は、2つの同調コンデンサ64に並列に接続された、単一の中央に位置する充電コイル62を有する。2つの同調コンデンサ64が示されるが、代わりに単一の同調コンデンサが用いられてもよい。このバージョンにおいて、一次導体ループは、右側レール185内の右側導体セグメント183に接続された左側レール184内の左側導体セグメント182によって形成される。無限一次導体ループは、1または複数の同調コンデンサ(不図示)と共振するように同調され、交流電源(不図示)によって給電される。このバージョンは、側方レール延長部がないレールとともに用いられ得る。
【0013】
図1または図5に示すようなコンベヤの電気略ブロック図の1つのバージョンが図7に示される。この例におけるトレイコントローラ56は、外部交流電源82またはバッテリ58のいずれかによって給電される。外部電源82が利用可能である場合、その電力は、一次導体ループ78から二次充電コイル62までトレイに誘導結合される。ループ78の長さに沿って分散する同調コンデンサ84、およびトレイ同調コンデンサ64は、電力伝達を最大にするために一次および二次回路を交流電源82の周波数で共振するように同調させる。二次交流電圧は、整流器または交流直流変換器86によって直流に変換され、その出力は、トレイに給電する直流供給電圧88を生成するためにダイオード94によってバッテリ電圧92とダイオード論理和される。通常、外部を供給源とする電圧は、バッテリ電圧92を上回り、トレイコントローラ56およびトレイ内の他のアクティブデバイスに給電する。外部を供給源とする電圧がバッテリ電圧92より下まで下降すると、バッテリ58がトレイに給電するように切り換わる。外部電圧がバッテリ電圧92を上回ると、外部電圧は、充電素子96を通してバッテリ58を充電する。ダイオード論理和構成は、トレイのために外部電力とバッテリ電力との間で切り換わる基礎的スイッチを構成する。外部電力からバッテリ電力への切換えに有用な代替スイッチの一例は、外部電力が極端に低い場合に、外部を供給源とする直流電圧からバッテリ電圧92へトレイの直流供給電圧88を接続する電気機械式または電子式スイッチを含む。入来する交流電圧またはその整流された直流電圧を感知する低電圧検出器は、バッテリ電力へ切り換えるために低電圧信号をスイッチへ送信する。
【0014】
トレイブレード42(図4)の長さに沿って周期的に位置する、たとえばホール効果センサなどの一連の磁場センサ98は、磁場の正および負のピークに対するトレイコイル54の位置を決定する。センサ信号99は、整流子100を含むコントローラ56へ送信される。整流子100は、たとえばマイクロコンピュータまたはマイクロコントローラなどのコントローラ56のプログラムメモリ内で実行するソフトウェアルーチンである。整流子100は、三相フォーサコイル54を流れる電流を制御するために、センサ信号99によって決定されたように適切にフェーズされた3つの出力信号104を生成する。3つの出力信号104は、トレイを駆動するためにフォーサコイル54へ整流された電流波形を供給する増幅器102によって増幅される。
【0015】
各トレイ内のトレイコントローラ56は、トレイに外付けのコンベヤコントローラ106と通信する。トレイ回路基板57における送信器受信器108は、システムコントローラ106に接続された外部送信器受信器109にアンテナ110、111を介して無線でリンクされる。システムコントローラ106は、無線リンクを介してコマンドおよびデータ要求をトレイコントローラ56へ送信し、トレイコントローラからのデータを受信する。トレイアンテナ110は、一例として、トレイ36の一端に沿ってトレイプラットフォーム38内に埋め込まれた双極子として図4に示される。
【0016】
1つのコンベヤセグメントから他のコンベヤセグメントへトレイを移転するために用いられるトレイキャリッジ112が図8に示される。キャッリッジ112は、上述したトレイと同じであるが、上面116に搭載されたパッシブ移転レール114、115のペアを有する。図2におけるトレイレール26、27と同様に、移転レール114、115は、それらの長さに沿って配置された永久磁石アレイを有する。移転レール114、115間の細いスロット118は、キャリッジブレード120の平面に垂直な長さに伸長する。
【0017】
図9A~9Cは、キャリッジ112が1つのコンベヤセグメント68から他のコンベヤセグメント68’へトレイをどのように移転するかを示す。第1のコンベヤランの端部において第1のコンベヤセグメント68に沿って前進するトレイ36は、キャリッジ112の移転レール114、115に受け取られる。キャリッジ112は、第1および第2のコンベヤセグメント68、68’におけるスロット72の平面に垂直に伸長するキャリッジコンベヤセグメント122に支持される。キャリッジコンベヤセグメント122は、移転レール114、115がトレイコンベヤレール70、71と同じ高さにあるように、トレイコンベヤセグメント68、68’の高さより下にある。このようにして、移転レール114、115および移転スロット118は、図9Aに示すように、トレイ36を滑らかに受け取るように、第1のトレイコンベヤセグメント68におけるトレイコイル70、71およびトレイスロット72と位置合わせされ得る。トレイ36は、キャリッジ112に完全に載ると、自身を停止させる。キャリッジ112は、自身の駆動コイルを励起し、自身とトレイ36とをキャリッジコンベヤセグメント122に沿って図9Bに示すように横方向116に側方に進ませる。キャリッジコンベヤセグメント122は、トレイコンベヤセグメントと同様に永久磁石キャリッジレール124、125およびキャリッジスロット126を有する。キャリッジコンベヤセグメント122は、キャリッジセグメント122の上面128をコンベヤセグメント68、68’の上面76、77より下でこれと垂直に斜行して位置付けるようにトレイコンベヤセグメントよりも短い脚部118を有する。キャリッジ112が、図9Cに示すように自身の移転レール114、115が第2のトレイコンベヤセグメント68’のトレイレール70、71と位置合わせされた位置に到達すると、キャリッジ112は停止し、トレイ36は自身を励起し、移転レール114、115から第2のコンベヤセグメント68’上の位置合わせされたコンベヤセグメントレール70、71へ前進する。2つのトレイコンベヤ部の両端に同じキャリッジコンベヤセグメントを有することにより、無端トレイコンベヤが形成される。キャリッジ112はその後、次のトレイを受け取るために第1のコンベヤセグメント68へ並進して戻る。
【0018】
無端コンベヤ構成134における復路132の一部を覆うトレイ洗浄器130が図10に示される。無端コンベヤ134の一端に、搬送路133から復路132へトレイ36を移転するためのキャリッジコンベヤセグメント122が示される。トレイ洗浄器130は、トレイ36を清掃し、すすぎ、消毒し、乾燥するためのスプレーノズルおよびブラシを含む。
【0019】
図11に示すように、キャリッジコンベヤセグメント122は、多数のコンベヤ部136A、136B、136C、136D間でトレイ36を移転するために用いられ得る。4つのトレイコンベヤ部は、間隙138の両側に2つずつ互いに平行に配置され、間隙138を跨いでキャリッジ112はトレイコンベヤ部136A~Dに垂直に並進する。
【0020】
図12A~12Cのコンベヤ構成は、間隙142を跨いで直線上に2つのトレイコンベヤセグメント140A、140Bを有する。第3のトレイコンベヤセグメント140Cは、間隙142から斜め向こうへ伸長する。斜めに配向されたコンベヤセグメント140Cは、直線上のコンベヤセグメント140Bにおけるまっすぐな経路からトレイ36を逸らすための転換経路を構成する。ダイバータキャリッジセグメント141は、間隙142内にあるダイバータキャリッジ144を含む。埋込み永久磁石アレイを有するダイバータレール146、147は、直線上トレイコンベヤセグメント140A、140Bのレールのいずれかと、または斜めのトレイコンベヤセグメント140Cと選択的に位置合わせされる。ダイバータキャリッジ144は、レール146、147から、円筒形ダイバータ基部152に支持されたダイバータキャリッジプラットフォーム150まで下向きに伸長する支柱148を含む。基部152は、基部の周縁から径方向に向けられた磁場を生成する永久磁石のリングを収容する。ダイバータキャリッジプラットフォーム150は、ダイバータ基部152の周縁に沿って下向きに伸長するサイドスカート154を有する。ダイバータキャリッジ144内のダイバータコントローラ(不図示)によって駆動されるスカート内のダイバータキャリッジ駆動コイル(不図示)は、図12Aおよび図12Bに示すような直線上トレイ通過位置と図12Cに示すような斜めトレイ転換位置との間でダイバータキャリッジ144を回転させるために基部152の永久磁石磁場と相互作用する電磁場を生成する。ダイバータキャリッジセグメント141は、トレイ36が図12Cの矢印の方向と反対に進行した場合、トレイセグメント140B、140Cからの製品をトレイセグメント140Aに合流させるために用いられ得る。
【0021】
トレイコンベヤ部162を清掃するためのレールスクラバ160が図13に示される。スクラバ160は、水、洗剤、および消毒液のタンク(不図示)を被覆する筐体164を有する。筐体164は、たとえば2本のレール168、169間のスロット166に嵌合し、コンベヤ部162に沿ってスクラバ160を進ませる駆動コイルブレードを有するコンベヤトレイなどの基部(不図示)に載せられる。1または複数のノズル170は、水、洗剤、または消毒液をレール168、169に噴霧する。外側回転ブラシ172および内側回転ブラシ173は、スクラバ筐体164に取り付けられたアーム176によって両端を保持された軸174に搭載される。外側回転ブラシ172は、レール168、169の外側を洗うために少なくとも内側に毛を有する。内側ブラシ173は、スロット166内に乗り入れ、レール168、169の内壁を洗うために両面に毛を有する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図13
図14