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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】機器、及び、方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 17/23 20150101AFI20221116BHJP
   H04B 17/318 20150101ALI20221116BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20221116BHJP
【FI】
H04B17/23
H04B17/318
H04M1/00 R
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020504953
(86)(22)【出願日】2019-02-27
(86)【国際出願番号】 JP2019007577
(87)【国際公開番号】W WO2019172045
(87)【国際公開日】2019-09-12
【審査請求日】2022-02-01
(31)【優先権主張番号】62/640,758
(32)【優先日】2018-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】小川 智輝
(72)【発明者】
【氏名】山田 美季
(72)【発明者】
【氏名】小塚 雅之
(72)【発明者】
【氏名】郷原 邦男
(72)【発明者】
【氏名】吉川 嘉茂
(72)【発明者】
【氏名】中井 慎也
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 淳也
【審査官】浦口 幸宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0099405(US,A1)
【文献】特開2007-259039(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0200050(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0111526(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 17/23
H04B 17/318
H04M 1/00
H04W 88/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器であって、
互いに通信速度が異なる無線通信をするN個(N≧2)の通信モジュールと、
前記N個の通信モジュールのうち前記機器による通信に使用される一の通信モジュールを選択する選択部と、
前記一の通信モジュールが基地局から受信する電波の受信強度を取得する取得部と、
基準位置から一の向きに並んでいる少なくとも2N個の表示領域であって、前記少なくとも2N個の表示領域のうちの前記基準位置から前記一の向きに数えて少なくとも2個ずつの表示領域が、前記N個の通信モジュールに、通信速度が遅い方から順に対応付けられている、少なくとも2N個の表示領域を有する画像を生成する生成部と、
前記生成部が生成した前記画像を表示する表示部を備え、
前記生成部は、前記画像として、
(a)前記一の通信モジュールに対応付けられた少なくとも2個の表示領域のうち、前記一の通信モジュールの受信強度が大きいほど、前記基準位置に近い方から前記一の向きに数えてより多くの表示領域に第一種の図形が表示されていて、
(b)前記一の通信モジュールより通信速度が遅い通信モジュールに対応付けられた少なくとも2個の表示領域それぞれに前記第一種の図形が表示されている、画像を生成する
機器。
【請求項2】
前記生成部は、
前記少なくとも2N個の表示領域それぞれと、当該表示領域に表示する図形の寸法として、前記一の向きに進むほどより大きな寸法を予め対応付けて保有していて、
前記画像として、前記画像に含まれる1以上の前記第一種の図形のそれぞれが、当該第一種の図形が表示されている表示領域に予め対応付けられた寸法を有する、画像を生成する
請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記生成部は、前記画像として、
前記少なくとも2N個の表示領域のうち、前記第一種の図形が表示されていない表示領域に第二種の図形が表示されている、画像を生成する
請求項1又は2に記載の機器。
【請求項4】
前記生成部は、前記画像として、
前記N個の通信モジュールそれぞれに関する文字が、当該通信モジュールに対応付けられている表示領域の近傍に表示されていて、
前記一の通信モジュールに関する文字が、前記N個の通信モジュールのうちの他の通信モジュールに関する文字とは異なる態様で表示されている、画像を生成する
請求項1~3のいずれか1項に記載の機器。
【請求項5】
前記生成部は、前記画像として、
前記一の通信モジュールの名称を示す文字が、前記N個の通信モジュールのうちの他の通信モジュールの名称を示す文字の色より濃い色で表示されている、画像を生成する
請求項4に記載の機器。
【請求項6】
互いに通信速度が異なるN個(N≧2)の通信モジュールを備える機器が実行する方法であって、
前記N個の通信モジュールのうち前記機器による通信に使用される一の通信モジュールを選択する選択ステップと、
前記一の通信モジュールが基地局から受信する電波の受信強度を取得する取得ステップと、
基準位置から一の向きに並んでいる少なくとも2N個の表示領域であって、前記少なくとも2N個の表示領域のうちの前記基準位置から前記一の向きに数えて少なくとも2個ずつの表示領域が、前記N個の通信モジュールに、通信速度が遅い方から順に対応付けられている表示領域を有する画像を生成する生成ステップと、
前記生成ステップで生成した前記画像を表示する表示ステップとを含み、
前記生成ステップでは、前記画像として、
(a)前記一の通信モジュールに対応付けられた少なくとも2個の表示領域のうち、前記一の通信モジュールの受信強度が大きいほど、前記基準位置に近い方から前記一の向きに数えてより多くの表示領域に図形が表示されていて、
(b)前記一の通信モジュールより通信速度が遅い通信モジュールに対応付けられた少なくとも2個の表示領域それぞれに図形が表示されている、画像を生成する
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、機器、及び、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生活家電(機器ともいう)が、当該機器を制御するクラウドである家電制御クラウド(制御クラウドともいう)にネットワークを介して接続され、制御クラウドによる制御の下で動作する形態がある(特許文献1参照)。
【0003】
一方、携帯電話端末又はスマートフォンなどの情報端末では、複数の無線通信モジュール(単に通信モジュールともいう)を備える製品がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-63520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
機器が複数の通信モジュールを備える場合、各通信モジュールの電波状況を示す表示を単に並べて表示するだけでは、機器がどの通信モジュールを使用して通信するのが適切であるのか、ユーザにわかりにくいという問題がある。ユーザが適切な通信モジュールを選択できなければ、適切な通信モジュールを選択した場合より電波の送信時間が長くなったり、消費電力が大きくなったりするという問題がある。
【0006】
そこで、本開示は、複数の無線通信モジュールのうちの通信に適切な無線通信モジュールを表示し得る機器などを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示における機器は、機器であって、互いに通信速度が異なる無線通信をするN個(N≧2)の通信モジュールと、前記N個の通信モジュールのうち前記機器による通信に使用される一の通信モジュールを選択する選択部と、前記一の通信モジュールが基地局から受信する電波の受信強度を取得する取得部と、基準位置から一の向きに並んでいる少なくとも2N個の表示領域であって、前記少なくとも2N個の表示領域のうちの前記基準位置から前記一の向きに数えて少なくとも2個ずつの表示領域が、前記N個の通信モジュールに、通信速度が遅い方から順に対応付けられている、少なくとも2N個の表示領域を有する画像を生成する生成部と、前記生成部が生成した前記画像を表示する表示部を備え、前記生成部は、前記画像として、(a)前記一の通信モジュールに対応付けられた少なくとも2個の表示領域のうち、前記一の通信モジュールの受信強度が大きいほど、前記基準位置に近い方から前記一の向きに数えてより多くの表示領域に第一種の図形が表示されていて、(b)前記一の通信モジュールより通信速度が遅い通信モジュールに対応付けられた少なくとも2個の表示領域それぞれに前記第一種の図形が表示されている、画像を生成する。
【0008】
これによれば、機器は、複数の通信モジュールの通信速度をユーザに直感的に理解され得る態様で示し、かつ、機器が無線通信に現在使用している通信モジュールの電波の受信強度を示す画像を表示する。また、この画像において、複数の図形(第一種の図形)が並んで表示されているので、ユーザは、これらの複数の図形をひとまとまりの図形と認識し得る。ユーザは、機器に表示されたひとまとまりの図形を視認し、視認した図形に基づいて、複数の通信モジュールの通信速度と、現在使用している通信モジュールとを直感的に理解することができる。このようにして、機器は、複数の無線通信モジュールのうちの通信に適切な無線通信モジュールを表示し得る。そして、ユーザによる操作などに基づいて適切な通信モジュールが選択されれば、電波の送信時間の短縮化、又は、消費電力の低減の効果をも奏し得る。
【0009】
また、前記生成部は、前記少なくとも2N個の表示領域それぞれと、当該表示領域に表示する図形の寸法として、前記一の向きに進むほどより大きな寸法を予め対応付けて保有していて、前記画像として、前記画像に含まれる1以上の前記第一種の図形のそれぞれが、当該第一種の図形が表示されている表示領域に予め対応付けられた寸法を有する、画像を生成してもよい。
【0010】
これによれば、機器は、通信速度が速い通信モジュールほど、大きな寸法の図形により通信速度が示される。ユーザは、より大きな寸法の図形が、より通信速度が速い通信モジュールを示していると自然に認識することができる。このようにして、機器は、複数の無線通信モジュールのうちの通信に適切な無線通信モジュールを表示し得る。
【0011】
また、前記生成部は、前記画像として、前記少なくとも2N個の表示領域のうち、前記第一種の図形が表示されていない表示領域に第二種の図形が表示されている、画像を生成してもよい。
【0012】
これによれば、機器は、少なくとも2N個の表示領域に第一種の図形か、第二種の図形かのどちらかが表示された画像を表示する。ユーザは、使用中の通信モジュールがどれであるかによらずに、又は、使用中の通信モジュールの受信強度の大きさによらずに、表示された画像をひとまとまりの図形であると、より一層容易に認識できる。このようにして、機器は、複数の無線通信モジュールのうちの通信に適切な無線通信モジュールを表示し得る。
【0013】
また、前記生成部は、前記画像として、前記N個の通信モジュールそれぞれに関する文字が、当該通信モジュールに対応付けられている表示領域の近傍に表示されていて、前記一の通信モジュールに関する文字が、前記N個の通信モジュールのうちの他の通信モジュールに関する文字とは異なる態様で表示されている、画像を生成してもよい。
【0014】
これによれば、機器は、使用している通信モジュールの名称など、当該通信モジュールに関する情報を、それ以外の通信モジュールに関する情報と異なる態様で表示する。これにより、ユーザは、機器が表示する図形から、通信モジュールに関する情報を容易に認識することができる。このようにして、機器は、複数の無線通信モジュールのうちの通信に適切な無線通信モジュールを表示し得る。
【0015】
また、前記生成部は、前記画像として、前記一の通信モジュールの名称を示す文字が、前記N個の通信モジュールのうちの他の通信モジュールの名称を示す文字の色より濃い色で表示されている、画像を生成してもよい。
【0016】
これによれば、機器は、使用している通信モジュールの名称を、それ以外の通信モジュールの名称と異なる態様で表示する。これにより、ユーザは、機器が現在使用している通信モジュールを他と区別して、より一層容易に、認識することができる。このようにして、機器は、複数の無線通信モジュールのうちの通信に適切な無線通信モジュールを表示し得る。
【0017】
また、本開示における制御方法は、互いに通信速度が異なるN個(N≧2)の通信モジュールを備える機器が実行する方法であって、前記N個の通信モジュールのうち前記機器による通信に使用される一の通信モジュールを選択する選択ステップと、前記一の通信モジュールが基地局から受信する電波の受信強度を取得する取得ステップと、基準位置から一の向きに並んでいる少なくとも2N個の表示領域であって、前記少なくとも2N個の表示領域のうちの前記基準位置から前記一の向きに数えて少なくとも2個ずつの表示領域が、前記N個の通信モジュールに、通信速度が遅い方から順に対応付けられている表示領域を有する画像を生成する生成ステップと、前記生成ステップで生成した前記画像を表示する表示ステップとを含み、前記生成ステップでは、前記画像として、(a)前記一の通信モジュールに対応付けられた少なくとも2個の表示領域のうち、前記一の通信モジュールの受信強度が大きいほど、前記基準位置に近い方から前記一の向きに数えてより多くの表示領域に図形が表示されていて、(b)前記一の通信モジュールより通信速度が遅い通信モジュールに対応付けられた少なくとも2個の表示領域それぞれに図形が表示されている、画像を生成する。
【0018】
これにより、上記機器と同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0019】
本開示の機器は、複数の無線通信モジュールのうちの通信に適切な無線通信モジュールを表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、複数の無線通信モジュールを備える機器を含む通信システムを示す説明図である。
図2図2は、実施の形態に係る機器の機能を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態に係る機器が表示する画像の一例を示す説明図である。
図4図4は、実施の形態に係る機器が表示する、受信強度を示す画像の第一例を示す説明図である。
図5図5は、実施の形態に係る機器が表示する、受信強度を示す画像の第二例を示す説明図である。
図6図6は、実施の形態に係る機器が表示する、受信強度を示す画像の第三例を示す説明図である。
図7図7は、実施の形態に係る機器が表示する、受信強度を示す画像の第四例を示す説明図である。
図8図8は、実施の形態に係る機器が表示する、受信強度を示す画像の第四例を示す説明図である。
図9図9は、比較例に係る機器が表示する、受信強度を示す画像を示す説明図である。
図10図10は、本実施の形態に係る機器が実行する処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0022】
なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0023】
(実施の形態)
本実施の形態において、複数の無線通信モジュールのうちの通信に適切な無線通信モジュールを表示し得る機器について説明する。
【0024】
図1は、複数の無線通信モジュールを備える機器10を含む通信システムを示す説明図である。
【0025】
図1に示される通信システムは、機器10と、機器10を制御するサーバ20とを備える。機器10は、ネットワークMを介してサーバ20と通信可能である。機器10は、ネットワークMを介してサーバから通信パケットを受信し、受信した通信パケットに含まれる制御情報に係る制御を受けて動作する。
【0026】
機器10は、複数の通信モジュールとして3つの通信モジュールを備える。なお、複数の通信モジュールは、2以上であればいくつであってもよい。
【0027】
機器10が備える3つの通信モジュールは、例えば、Wi-Fi(登録商標)、キャリア系LPWA(Low Power, Wide Area)、及び、ノンキャリア系LPWAそれぞれの通信モジュールであり、この場合を例として説明するが、これに限定されない。これらの通信モジュールの通信速度および通信帯域については、ノンキャリア系LPWA、キャリア系LPWA、Wi-Fiの順に大きくなる。
【0028】
Wi-Fiの通信モジュールは、Wi-Fi基地局に接続されていて、Wi-Fi基地局及び通信事業者のアクセスネットワークを介してサーバ20に接続されている。通信事業者のアクセスネットワークは、ネットワークMに含まれている。なお、図面上、Wi-APは、宅内に配置されているが、宅外に配置されてもよい。
【0029】
キャリア系LPWAの通信モジュールは、キャリア系LPWA基地局に接続されていて、キャリア系LPWA基地局、及び、キャリアのアクセスネットワークを介してサーバ20に接続されている。キャリアのアクセスネットワークは、ネットワークMに含まれている。
【0030】
ノンキャリア系LPWAの通信モジュールは、ノンキャリア系LPWA基地局に接続されていて、ノンキャリア系LPWA基地局、及び、ノンキャリア系LPWA基地局を提供する事業者のアクセスネットワークを介してサーバ20に接続されている。上記事業者のアクセスネットワークは、ネットワークMに含まれている。
【0031】
図2は、本実施の形態に係る機器10の機能を示すブロック図である。
【0032】
図2に示されるように、機器10は、複数の通信モジュール101A、101B及び101Cと、制御部102と、表示部106と、機能部107とを備える。
【0033】
複数の通信モジュール101A、101B及び101C(通信モジュール101A等ともいう)は、それぞれ、ネットワークMを介してサーバ20と通信可能に接続され得る通信モジュールである。ここでは、複数の通信モジュールが3つの通信モジュールである場合を例として説明するが、通信モジュールの個数は3に限られず、2以上であればいくつであってもよい。通信モジュールの個数をNともいう(ただしNは2以上の整数)。ここでは、複数の通信モジュール101A、101B及び101Cがそれぞれ、Wi-Fi、キャリア系LPWA、及び、ノンキャリア系LPWAの通信モジュールであるとする。
【0034】
制御部102は、通信モジュール101A等が基地局から受信する電波の受信強度(一般に電波強度ともいう)を示す画像を生成する処理部である。制御部102による処理は、プロセッサが所定のプログラムを実行することでなされ得る。
【0035】
制御部102は、詳細な要素として、選択部103と、取得部104と、生成部105とを有する。
【0036】
選択部103は、N個の通信モジュールのうち機器10による通信に使用される一の通信モジュールを選択する。原則として、機器10は、N個の通信モジュールのうちの一の通信モジュールを用いてサーバ20と通信する。機器10がサーバ20との通信に用いる一の通信モジュールは、例えば、当該通信モジュールからサーバ20までの通信路の通信品質が比較的良い通信路、又は、通信路の通信帯域が比較的大きな通信路などが選択される。なお、N個の通信モジュールから一の通信モジュールを選択する選択方法は、通信品質又は通信帯域などに基づくさまざまな選択方法があり得る。この選択方法には、公知の技術が採用され得る。
【0037】
取得部104は、選択部103が選択した一の通信モジュールが基地局から受信する電波の受信強度を取得する。なお、取得部104は、上記の取得の際に、上記一の通信モジュールを含む2以上の通信モジュールの受信強度を取得してもよいし、複数の通信モジュール101A等のすべてについて受信強度を取得してもよい。
【0038】
生成部105は、受信強度を表現する画像を生成する。具体的には、生成部105は、基準位置から一の向きに並んでいる少なくとも2N個の表示領域であって、少なくとも2N個の表示領域のうちの基準位置から上記一の向きに数えて少なくとも2個ずつの表示領域が、N個の通信モジュールに、通信速度が遅い方から順に対応付けられている、少なくとも2N個の表示領域を有する画像を生成する。そして、生成部105は、上記画像として、(a)上記一の通信モジュールに対応付けられた少なくとも2個の表示領域のうち、上記一の通信モジュールの受信強度が大きいほど、基準位置に近い方から上記一の向きに数えてより多くの表示領域に第一種の図形が表示されていて、(b)上記一の通信モジュールより通信速度が遅い通信モジュールに対応付けられた少なくとも2個の表示領域それぞれに第一種の図形が表示されている、画像を生成する。ここで、第一種の図形は、当該第一種の図形が表示される位置に表現すべき受信強度があることを意味している。なお、上記の「表示領域」、「基準位置」及び「一の向き」は、実際に画像に表示されていてもよいし、表示されていなくてもよい。
【0039】
また、生成部105は、上記画像として、少なくとも2N個の表示領域のうち、第一種の図形が表示されていない表示領域に第二種の図形が表示されている、画像を生成してもよい。ここで、第二種の図形は、当該第二種の図形が表示される位置に表現すべき受信強度がないことを意味している。なお第二種の図形を表示することは必須ではない。
【0040】
第一種の図形と第二種の図形とは、その態様が互いに異なるものであればどのようなものであってもよい。例えば、第一種の図形が、内部を塗りつぶした多角形であり、第二種の図形が、内部を塗りつぶさない多角形であるとしてもよい。また、例えば、第一種の図形が、内部を比較的濃い色で塗りつぶした多角形であり、第二種の図形が、内部を比較的薄い色で塗りつぶした多角形であるとしてもよい。また、例えば、第一種の図形が、実線である多角形であり、第二種の図形が、破線又は点線である多角形であるとしてもよい。
【0041】
また、生成部105は、機能部107の動作に関するさまざまな情報を示す画像を生成する。上記画像は、例えば、機能部107の動作の状態を示す画像、又は、機能部107に対する設定又は指示などをユーザから受け付けるためのアイコンの画像などを含む。
【0042】
表示部106は、生成部105が生成した画像を表示画面に表示する処理部である。表示画面は、機器10が備える表示画面である場合を例として説明するが、機器10とは異なる他の機器が備える表示画面であってもよい。
【0043】
表示部106は、生成部105が生成した画像を取得し、その画像を構成する画素を表示画面に表示させることによって画像を表示する。表示部106が他の機器が備える表示画面に画像を表示する場合、表示部106は、通信によって他の機器に画像を送信して表示させる。
【0044】
機能部107は、機器10が有する機能を発揮するモジュールである。例えば、機器10が冷蔵庫である場合には、冷蔵機能を発揮するモジュールであり、より具体的には、冷却モジュール及びファンなどを含む。
【0045】
図3は、本実施の形態に係る機器10が表示する画像30の一例を示す説明図である。
【0046】
図3に示される画像30は、メイン画像31と、状態画像32とを含む。
【0047】
メイン画像31は、機能部107の動作に関するさまざまな情報を示す画像である。
【0048】
状態画像32は、機器10の状態などを示す画像である。状態画像32は、複数の通信モジュールの受信強度を示す画像33を含む。なお、状態画像32は、上記の他にも、現在時刻を示す画像34、及び、機器10がバッテリを備えている場合にはバッテリ残量を示す画像(不図示)等を含んでもよい。
【0049】
以降において、画像33について、より詳しく説明する。
【0050】
図4は、本実施の形態に係る機器10が表示する、受信強度を示す画像33の第一例を示す説明図である。図4に示される画像33は、生成部105が生成し、また、表示部106が表示する画像の一例であり、3つの通信モジュール101A等それぞれの受信強度を示す画像である。
【0051】
図4に示されるように、画像33は、3つの通信モジュール101A等の受信強度を、ひとまとまりの図形として示す画像である。ひとまとまりの図形とは、当該図形を人間が視認した場合に1つのまとまった図形と認識し得る図形をいい、例えば隣接する図形とある程度の隙間を隔てている図形をいう。
【0052】
画像33に含まれている、並んでいる6本のバーを含む画像33Aは、通信モジュールの通信速度の目安を示している。なお、バーは、上記の図形に相当する。なお、図4に示されている矩形のバーの代わりに任意の図形を使用することも可能である。具体的には、任意の多角形又は円形の図形を使用してもよい。
【0053】
また、各バーは、3つの通信モジュールそれぞれと対応づけられている。具体的には、各バーは、左から右に向かって、通信モジュールの通信速度が遅い方から順に対応付けられている。
【0054】
例えば、左から1番目と2番目とのバーは、ノンキャリア系LPWAに対応付けられている。また、左から3番目と4番目とのバーは、キャリア系LPWAに対応付けられている。左から5番目と6番目とのバーは、Wi-Fiに対応付けられている。
【0055】
これにより、機器10は、ノンキャリア系LPWA、キャリア系LPWA、及び、Wi-Fiの通信速度がこの順で大きくなることを示すことができる。より具体的には、Wi-Fi接続を行えば速い通信速度が得られ、これにより、ユーザが機器10を快適に使えることを示すことができる。
【0056】
また、各バーの近傍には、各通信モジュールに関する文字を含む画像33Bが示されている。機器10は、画像33Bによってさまざまな事柄を表現できる。
【0057】
例えば、機器10は、画像33Bにおいて、機器10の通信に現在使用されている通信モジュールがどれであるかを表現できる。具体的には、機器10は、各通信モジュールに関する文字として、各通信モジュールの通信方式を示す文字を使用し得る。この場合、現在使用されている通信モジュールに関する文字が、その他の通信モジュールに関する文字と異なる態様で表示される。
【0058】
より具体的には、現在の通信速度を実現している通信モジュール、つまり、機器10による通信に使用している通信モジュールの通信方式に関する文字を比較的濃い色で示し、使用していない通信モジュールに関する文字を比較的薄い色(例えば白抜き又は薄消しなど)で表示する。これにより、機器10が現在使用している通信方式(例えば、Wi-Fi又はキャリア系LPWAなど)としてどれが選択されているかを表現できる。
【0059】
以降、図5図8を参照しながら、画像33についてさらに詳しく説明する。図5図7及び図8に示される画像33は、生成部105が生成し、また、表示部106が表示する画像の一例であり、3つの通信モジュール101A等それぞれの受信強度を示す画像である。
【0060】
図5及び図6は、それぞれ、本実施の形態に係る機器10が表示する、受信強度を示す画像の第二例及び第三例を示す説明図である。図6は、図5における表示領域45及び46だけを抜き出して示した図である。
【0061】
図5は、第一種の図形に相当する5本のバー51、52、53、54及び55と、第二種の図形に相当する1本のバー56Aとを含む画像33を示している。図5において、バー51等が表示されている位置を含む領域が、それぞれ、表示領域41、42、43、44、45及び46として示されている。また、図5において、基準位置aと、一の向きbとが示されている。なお、基準位置aと、一の向きbとは、実際に画像として表現されていてもよいし、表現されていなくてもよい。
【0062】
また、6本のバーそれぞれの寸法は、予め定められており、左から右へ進むほど、寸法がより大きい。このとき、右方向(右向き)が「一の向き」に相当する。機器10は、表示領域41等のそれぞれと、当該表示領域に表示するバーの寸法を予め対応づけて保有している。生成部105は、画像33に含まれるバーのそれぞれが、当該バーに予め対応付けられた寸法を有するような画像33を生成する。
【0063】
例えば、機器10のWi-Fiの通信モジュール101Aが、Wi-Fi基地局に繋がっている場合には、図5に示されるように、左から5番目と6番目とのバー(バー55と56A)で、Wi-Fiの電波状態つまり受信強度を提示する(図6参照)。電波状態が比較的悪いとき、つまり受信強度が比較的大きいときは、図6の(a)に示されるように、表示領域45及び46に第二種の図形であるバー55A及び56Aが表示される。電波状態が比較的良いとき、つまり受信強度が比較的小さいときは、図6の(b)に示されるように、表示領域45及び46に第一種の図形であるバー55及び56が表示される。そして、電波状態が中程度であるときは、図5に示されるように、表示領域45に第一種の図形であるバー55が表示され、表示領域46に第二種の図形であるバー56Aが表示される。
【0064】
また、このとき、キャリア系LPWAと、ノンキャリア系LPWAとの接続状態に関わらず、左から1番目から4番目までのバー(バー51~54)は、第一種の図形であり、具体的には塗りつぶされた図形が示されている。
【0065】
また、このとき、現在通信に使用しているWi-Fiの通信モジュールを示す文字63が比較的濃い色で表示され、キャリア系LPWA及びノンキャリア系LPWAの各通信モジュールを示す文字61及び62が比較的薄い色で表示されている。これにより、機器10が現在使用している通信方式としてWi-Fiが選択されていることが示されている。
【0066】
図7は、第一種の図形に相当する3本のバー51、52及び53と、第二種の図形に相当する3本のバー54A、55A及び56Aとを含む画像33を示している。
【0067】
例えば、機器10のキャリア系LPWAの通信モジュール101Bが、キャリア系LPWA基地局に繋がっている場合には、図7に示されるように、左から3番目と4番目とのバー(バー53と54A)で、キャリア系LPWAの電波状態を提示する。電波状態の提示の仕方は、図6と同様である。このとき、ノンキャリア系LPWAの接続状態に関わらず、左から1番目と2番目とのバー(バー51と52)は、第一種の図形であり、具体的には塗りつぶされた図形が示されている。また、左から5番目と6番目とのバー(バー55Aと56A)は、第二種の図形であり、具体的には破線で表現された図形が示されている。
【0068】
また、このとき、現在通信に使用しているキャリア系LPWAの通信モジュールを示す文字62が比較的濃い色で表示され、Wi-Fi及びノンキャリア系LPWAの各通信モジュールを示す文字61及び63が比較的薄い色で表示されている。これにより、機器10が現在使用している通信方式としてキャリア系LPWAが選択されていることが示されている。
【0069】
図8は、第一種の図形に相当する1本のバー51と、第二種の図形に相当する5本のバー52A、53A、54A、55A及び56Aとを含む画像33を示している。
【0070】
例えば、図8に示されるように、ノンキャリア系LPWAしか繋がっていないケースでは左から1番目と2番目とのバー(バー51と52A)で、ノンキャリア系LPWAの電波状態を提示する。電波状態の提示の仕方は、図6と同様である。このとき、キャリア系LPWAと、Wi-Fiとの接続状態に関わらず、左から3番目から6番目までのバー(バー53A~56A)は、第二種の図形であり、具体的には破線で表現された図形が示されている。
【0071】
また、このとき、現在通信に使用しているノンキャリア系LPWAの通信モジュールを示す文字61が比較的濃い色で表示され、キャリア系LPWA及びWi-Fiの各通信モジュールを示す文字62及び63が比較的薄い色で表示されている。これにより、機器10が現在使用している通信方式としてノンキャリア系LPWAが選択されていることが示されている。
【0072】
このような表示とすることにより、例えば、ノンキャリア系LPWA、またはキャリア系LPWAで繋がっていて、ユーザが何らかの操作を行った時にレスポンスが悪いと実感した時に、Wi-Fiへ移行することで通信速度が速くなることを知らしめることができる。
【0073】
図9は、比較例に係る機器が表示する、受信強度を示す画像70を示す説明図である。
【0074】
図9に示される画像70は、図4から図8に示されるひとまとまりの図形を示す画像ではなく、各通信モジュールの受信強度を示す画像を並べて表示する例である。
【0075】
図9に示されるように、キャリア系LPWAの受信強度を示す画像71、ノンキャリア系LPWAの受信強度を示す画像72、及び、Wi-Fiの受信強度を示す画像73を並べた画像70が表示された場合、一般のユーザに、期待される通信速度が分かりづらい。
【0076】
例えば、図9ではノンキャリア系LPWAの電波状況が非常に良い。そのため、それぞれの通信方式の特徴を知らないユーザからすると、ノンキャリア系LPWAを使って、高速通信が可能、つまりIoT家電のすべての機能が快適に使えるように誤解しかねない。
【0077】
言い換えれば、ユーザにとって、一見、Wi-Fiの通信強度が一番遅いように見え、また、ノンキャリア系LPWAの通信速度が速いように見えてしまう。このように、どの通信モジュールの通信速度が速いのか、ユーザに分かりづらい。
【0078】
これに対して、本実施の形態に係る機器10が表示する画像(図4から図8参照)では、ユーザが、各通信方式で期待される通信速度を直感的に理解しながら、使用中の通信方式の受信強度を知ることができる。このようにして、機器10は、複数の無線通信モジュールのうちの通信に適切な無線通信モジュールを表示し得る。
【0079】
図10は、本実施の形態に係る機器10が実行する処理を示すフロー図である。
【0080】
図10に示されるように、ステップS101(選択ステップ)において、機器10は、N個の通信モジュールのうち機器10による通信に使用される一の通信モジュールを選択する。
【0081】
ステップS102(取得ステップ)において、機器10は、上記一の通信モジュールが基地局から受信する電波の受信強度を取得する。
【0082】
ステップS103(生成ステップ)において、機器10は、基準位置から一の向きに並んでいる少なくとも2N個の表示領域であって、上記少なくとも2N個の表示領域のうちの上記基準位置から上記一の向きに数えて少なくとも2個ずつの表示領域が、N個の通信モジュールに、通信速度が遅い方から順に対応付けられている表示領域を有する画像を生成する。また、機器10は、上記画像として、(a)上記一の通信モジュールに対応付けられた少なくとも2個の表示領域のうち、上記一の通信モジュールの受信強度が大きいほど、上記基準位置に近い方から上記一の向きに数えてより多くの表示領域に図形が表示されていて、(b)上記一の通信モジュールより通信速度が遅い通信モジュールに対応付けられた少なくとも2個の表示領域それぞれに図形が表示されている、画像を生成する。
【0083】
ステップS104(表示ステップ)において、機器10は、生成ステップで生成した画像を表示する。
【0084】
これにより、機器10は、複数の無線通信モジュールのうちの通信に適切な無線通信モジュールを表示し得る。
【0085】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
【0086】
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記実装を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0087】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本開示は、複数の通信モジュールを備える機器に適用可能である。具体的には、冷蔵庫などの家電機器、又は、通信機器などに、本開示は適用可能である。
【符号の説明】
【0089】
10 機器
20 サーバ
30、31、32、33、33A、33B、34、70、71、72、73 画像
41、42、43、44、45、46 表示領域
51、52、52A、53、53A、54、54A、55、55A、56、56A バー
61、62、63 文字
101、101A、101B、101C 通信モジュール
102 制御部
103 選択部
104 取得部
105 生成部
106 表示部
107 機能部
a 基準位置
b 一の向き
M ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10