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特許7177841狭い同時レーザプラスチック溶接のための導波路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】狭い同時レーザプラスチック溶接のための導波路
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/16 20060101AFI20221116BHJP
【FI】
B29C65/16
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020540497
(86)(22)【出願日】2019-01-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 US2019014303
(87)【国際公開番号】W WO2019144011
(87)【国際公開日】2019-07-25
【審査請求日】2021-12-15
(31)【優先権主張番号】62/620,168
(32)【優先日】2018-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501410126
【氏名又は名称】ブランソン・ウルトラソニックス・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コールドウェル,スコット
【審査官】神田 和輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-307839(JP,A)
【文献】特表2009-500174(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0219675(US,A1)
【文献】米国特許第4143660(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00-26/70
B29C 65/00-65/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同時レーザ溶接システムの溶接経路に沿って複数のワークピースを一緒に溶接するための方法であって、同時レーザ溶接システムは、複数のレーザ送出バンドルを有し、各レーザ送出バンドルは、少なくとも1つの光ファイババンドル脚部と、光ファイババンドル脚部と複数のワークピースとの間に配置される導波路とを含み、方法は、
少なくとも1つのレーザ光源からのレーザ光を、各光ファイババンドル脚部を通して、その光ファイババンドル脚部に関連付けられる導波路の部分に方向付けることと、
導波路の各部分に、導波路のその部分が関連付けられる光ファイババンドル脚部の幅よりも狭い幅を提供することと、
光ファイババンドル脚部の出口で各光ファイババンドル脚部に反射バウンス平面を提供し、各光ファイババンドル脚部の反射バウンス平面で、その光ファイババンドル脚部からのレーザ光の第1の部分を反射し、その光ファイババンドル脚部からのレーザ光の第2の部分を、その光ファイババンドル脚部に関連付けられる導波路の部分を通って溶接経路に進ませて、レーザ光の第2の部分が溶接経路に当たる溶接部に、その光ファイババンドル脚部の幅より狭い幅を提供することと
を含む方法。
【請求項2】
各光ファイババンドル脚部からのレーザ光の第2の部分を、導波路の関連付けられる部分を通って進ませることは、導波路を通って進むレーザ光を導波路の関連付けられる部分により均質化することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
複数のワークピースを溶接経路に沿って一緒に溶接するように光ファイババンドル脚部および導波路を位置付けることを含み、溶接部は溶接線に沿って連続である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
複数のワークピースを溶接経路に沿って一緒に溶接するように光ファイババンドル脚部および導波路を位置付けることを含み、溶接部は直線の溶接線を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
複数のワークピースを溶接経路に沿って一緒に溶接するように光ファイババンドル脚部および導波路を位置付けることを含み、溶接部は曲線の溶接線を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
複数のワークピースを溶接経路に沿って一緒に溶接するように光ファイババンドル脚部および導波路を位置付けることを含み、溶接部は溶接線に沿って不連続である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
レーザ光の第1の部分を各反射バウンス平面によって反射することは、レーザ光源から離れるようにレーザ光の第1の部分を反射することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
溶接経路に沿って複数のワークピースを一緒に溶接するための同時レーザ溶接システムであって、
レーザ光源を有するレーザバンク、
各レーザ送出バンドルが少なくとも光ファイババンドル脚部を含む、複数のレーザ送出バンドル、
各光ファイババンドル脚部に関連付けられる部分を有する導波路であって、導波路の各部分は、導波路のその部分が関連付けられる光ファイババンドル脚部の幅よりも狭い幅を有し、複数のワークピースと光ファイババンドル脚部との間に配置される、導波路、
レーザバンクと導波路との間で延在し、レーザバンクのレーザ光源からのレーザ光が光ファイババンドル脚部を通して導波路に方向付けられる、光ファイババンドル脚部、
各光ファイババンドル脚部に関連付けられ、その光ファイババンドル脚部の出口に配置される反射バウンス平面であって、各反射バウンス平面が、その反射バウンス平面が関連付けられている光ファイババンドル脚部からのレーザ光の第1の部分を反射するように構成されている、反射バウンス平面
を備え、
導波路の各部分は、その部分に関連付けられる光ファイババンドル脚部からのレーザ光が進む経路を提供し、そのレーザ光を溶接経路に方向付けるよう構成されており、レーザ光の第2の部分が溶接経路に当たる溶接部の幅が、その光ファイババンドル脚部の幅より狭い、
同時レーザ溶接システム。
【請求項9】
導波路の各部分が、その部分を通って進むレーザ光を均質化する、請求項8に記載の同時レーザ溶接システム。
【請求項10】
溶接経路に沿った溶接部が連続な溶接線である、請求項8に記載の同時レーザ溶接システム。
【請求項11】
溶接経路に沿った溶接部が直線の溶接線である、請求項8に記載の同時レーザ溶接システム。
【請求項12】
溶接経路に沿った溶接部が曲線の溶接線である、請求項8に記載の同時レーザ溶接システム。
【請求項13】
溶接経路に沿った溶接部が不連続な溶接線である、請求項8に記載の同時レーザ溶接システム。
【請求項14】
各反射バウンス平面は、レーザ光源から離れるようにレーザ光を反射する、請求項8に記載の同時レーザ溶接システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年1月22日に提出された米国仮出願第62/620,168号明細書の利益を主張する。上記の出願の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、プラスチック溶接に関し、より具体的には、プラスチック溶接用途において溶接線に沿って狭い溶接幅を提供することに関する。
【背景技術】
【0003】
このセクションでは、必ずしも先行技術ではない、本開示に関する背景情報を提供する。
【0004】
レーザ溶接は、溶接部で熱可塑性部品などのプラスチックまたは樹脂部品を接合するために一般的に使用される。
【0005】
よく知られているように、レーザは、特定の周波数で電磁放射の半集束ビーム(semi-focused beam)(すなわちコヒーレント単色放射)を提供する。利用可能な放射源にはいくつかのタイプがある。レーザ溶接の1つの例は、プラスチックまたは樹脂部品を溶接するための好ましい技術である、透過型赤外線(Through Transmission Infrared)(TTIr)溶接である。TTIr溶接は、第1のプラスチック部品を通過して第2のプラスチック部品に入る赤外線を使用する。多くの態様では、TTIrアセンブリのツールは、溶接するプラスチック部品に光源からの赤外線を方向付けるための光ファイババンドルおよび導波路を含む。多くのTTIr溶接方法やその他のレーザ溶接方法では、導波路の使用が広く行き渡っている。公知のように、導波路は赤外線を均質にする。溶接部の幅は、特に、光ファイババンドルの端部の直径、導波路の内部特性(導波路の角度勾配など)、光ファイバからのレーザ光の角度広がり、および溶接される透過性部品の厚さに依存する。
【0006】
TTIrの1つのタイプは、同時透過性赤外線溶接(simultaneous through transmissive infrared welding)であり、本明細書ではSTTIrと称される。STTIrでは、全溶接経路またはエリア(本明細書では溶接経路と称される)は、例えば、レーザダイオードなどの複数のレーザ光源の調整されたアライメントを通じて、同時にレーザ放射に曝される。STTIrの例は、「レーザ溶接用のレーザ光ガイド」として米国特許第6,528,755号明細書に説明されており、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。STTIrでは、レーザ照射は通常、1つ以上のレーザ光源から、溶接経路に沿って接合される部品の表面の輪郭に従う1つ以上の光導波路を通して、溶接される部品へ伝送される。
【0007】
図1は、先行技術のSTTIrレーザ溶接システム100の例を示す。STTIrレーザ溶接システム100は、1つ以上のコントローラ104と、インターフェース110と、1つ以上の電源106と、1つ以上のチラー108とを含むレーザ支持ユニット102を含む。STTIrレーザ溶接システム100はまた、アクチュエータと、1つ以上のレーザバンク112と、支持テーブル上に固定された上部工具/導波路アセンブリ35および下部工具20とを含み得る。各レーザバンク112は、1つ以上のレーザチャネル113を含み、各レーザチャネル113は、レーザ光源122を有する。レーザ支持ユニット102は、アクチュエータおよび各レーザバンク112に結合され、電源(複数可)106およびチラー(複数可)108を介して、レーザバンク(複数可)112に電力および冷却を提供し、コントローラ104を介してアクチュエータおよびレーザバンク(複数可)112を制御する。アクチュエータは、上部工具/導波路アセンブリ35に結合されており、コントローラ104の制御下でそれを下部工具20への往復で移動させる。動作中、レーザバンク112は、レーザ放射源を介して複数のレーザ送出バンドル10を通じてレーザエネルギーを方向付ける。各レーザ送出バンドル10はさらに、脚部に分割されてもよく、各脚部は少なくともレーザ送出光ファイバから構成される。レーザ送出バンドル10が脚部に分割されない場合、各レーザ送出バンドル10は、少なくともレーザ送出光ファイバから構成される。各レーザ送出光ファイバは、レーザバンク112のレーザ放射源から導波路30を通して、一緒に溶接される複数のワークピース60にレーザエネルギーを送出する。導波路30は、各レーザ送出光ファイバを通じてワークピース60に送出されるレーザエネルギーを均質化する。
【0008】
いくつかのレーザ溶接用途では、列に並んだ一連の光ファイババンドルから分配されたレーザ光を受けるように、導波路は直線状に成形され得る。いくつかのレーザ溶接用途では、例えば、より広い導波路を妨害するような形に成形されたワークピースに適応するため、またはより狭い溶接部を提供するために、導波路の幅がスリムであることが望ましい。光ファイババンドルの直径には実際的な下限がある。また、導波路には実用的な最小サイズがある;すなわち、導波路のサイズは、光ファイババンドルによって放射されたレーザ光が導波路からスピルオーバしないように、光ファイババンドルによって放射されるレーザ光経路の幅以上のサイズにすべきである。さらに、溶接部の幅は光ファイバの角度広がりにも依存するため、導波路を先細りにしても、結果として得られる溶接部の幅がすべての場合に狭くなるわけではない。
【0009】
むしろ、レーザ光の角度広がりが溶接部の有効幅を増加させる前に、導波路がどれだけ狭く先細になり得るかには実際的な下限がある。エタンデュの原理によると、導波路が先細りになるほど、レーザ光の出射角度の広がりが大きくなる。したがって、溶接部の幅(例えば、溶接スポット、または複数のワークピースが溶接される経路によって画定される溶接部の長さの幅)には、実際的な下限がある。一例として、図2を参照する。左側には、溶接スポット202が示されており、レーザ光は、光ファイババンドル脚部204を通り、先細の導波路206を通り、溶接される透過性プラスチック部品208を通り、溶接される吸収性部品210に進む。右側には、溶接スポット202’が示されており、レーザ光は、光ファイババンドル脚部204’を通り、より先細の導波路206’を通り、溶接される透過性プラスチック部品208’を通り、溶接される吸収性部品210’に進む。注目すべきことに、先細の導波路206を使用するのではなく、右側に示すように、より先細の導波路206’を使用しても、溶接スポット202および溶接スポット202’は、概して大きさが等しい。これは、エタンデュの性質に起因して、溶接部の幅に実際的な下限があるためである。換言すれば、導波路を先細にすることによって達成され得る溶接部の幅には実際的な下限がある。しかしながら、特定の用途では、従来の光ファイババンドルおよび先細の導波路を使用して達成され得るものよりもさらに狭い溶接幅を有する溶接部を提供することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】米国特許第6,528,755号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
このセクションは、本開示の一般的な概要を提供し、その全範囲またはそのすべての特徴の包括的な開示ではない。
【0012】
本技術は、複数のレーザ送出バンドルを有する同時レーザ溶接システムにおいて、複数のワークピースを溶接経路に沿って一緒に溶接するための方法を提供し、各レーザ送出バンドルは、少なくとも1つの光ファイババンドル脚部、および光ファイババンドル脚部と複数のワークピースとの間に配置された導波路を含む。この方法は、少なくとも1つのレーザ光源からのレーザ光を、各光ファイババンドル脚部を通して、その光ファイババンドル脚部に関連付けられる導波路の部分に方向付けることと、光ファイババンドル脚部が関連付けられる導波路の部分の幅より狭い幅を導波路の各部分に提供することとを含む。この方法はさらに、光ファイババンドル脚部の出口で各光ファイババンドル脚部に反射バウンス平面を提供し、各光ファイババンドル脚部の反射バウンス平面で、その光ファイババンドル脚部からのレーザ光の第1部分を反射し、その光ファイババンドル脚部からのレーザ光の第2の部分を、その光ファイババンドル脚部に関連付けられる導波路の部分を通って溶接経路に進ませて、レーザ光の第2の部分が溶接経路に当たる溶接部に、その光ファイババンドル脚部の幅よりも狭い幅を提供することを含む。
【0013】
一態様では、導波路の関連付けられる部分を通って進む各光ファイババンドル脚部からのレーザ光の第2の部分が均質化される。
【0014】
一態様では、光ファイババンドル脚部および導波路を位置付けることが、連続な溶接線を提供する。
【0015】
一態様では、光ファイババンドル脚部および導波路を位置付けることが、直線の溶接線を提供する。
【0016】
一態様では、光ファイババンドル脚部および導波路を位置付けることが、曲線の溶接線を提供する。
【0017】
一態様では、光ファイババンドル脚部および導波路を位置付けることが、不連続な溶接線を提供する。
【0018】
一態様では、各反射バウンド平面によってレーザ光の第1の部分を反射することが、レーザ光源から離れるようにレーザ光の第1の部分を反射することを含む。
【0019】
本技術はまた、溶接経路に沿って複数のワークピースを一緒に溶接するための同時レーザ溶接システムも提供する。同時レーザ溶接システムは、光源を有するレーザバンクと、複数のレーザ送出バンドルとを含み、各レーザ送出バンドルは、少なくとも光ファイババンドル脚部と、光ファイババンドル脚部と複数のワークピースとの間に配置された導波路とを含む。導波路は、各光ファイババンドル脚部に関連付けられた部分を有し、導波路の各部分は、導波路のその部分が関連付けられる光ファイババンドル脚部の幅よりも狭い幅を有する。光ファイババンドル脚部は、レーザバンクと導波路との間に延在し、レーザバンクのレーザ光源からのレーザ光は、光ファイババンドル脚部を通して導波路に方向付けられる。反射バウンス平面は、各光ファイババンドル脚部に関連付けられ、その光ファイババンドル脚部の出口に配置され、その反射バウンス平面が関連付けられる光ファイババンドル脚部からのレーザ光の第1の部分を反射するように構成される。導波路の各部分は、その部分に関連付けられた光ファイババンドル脚部からのレーザ光が通って進む経路を提供して、そのレーザ光を溶接経路に方向付けるように構成され、レーザ光の第2の部分が溶接経路に当たる溶接部の幅は、その光ファイババンドル脚部の幅より狭い。
【0020】
一態様では、導波路の各部分は、その部分を通って進むレーザ光を均質化する。
【0021】
一態様では、溶接経路に沿った溶接部は、連続な溶接線である。
【0022】
一態様では、溶接経路に沿った溶接部は、直線の溶接線である。
【0023】
一態様では、溶接経路に沿った溶接部は、曲線の溶接線である。
【0024】
一態様では、溶接経路に沿った溶接部は、不連続な溶接線である。
【0025】
一態様では、各反射バウンス平面は、レーザ光源から離れるようにレーザ光を反射する。
【0026】
さらなる適用範囲は、本明細書に提供される説明から明らかになるであろう。この概要の説明および特定の例は、例示のみを目的として意図されており、本開示の範囲を限定することを意図されていない。
【0027】
本明細書で説明される図面は、すべての可能な実装ではなく、選択された実施形態の例示のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】先行技術のレーザ溶接システムを示す概略図である。
図2】導波路を先細にすることによって達成され得る溶接部の幅の実際的な下限を示す拡大概略図である。
図3】本開示による実施形態を示す概略図である。
図4】本開示による実施形態を示す拡大等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図面のいくつかの図を通して、対応する参照番号は対応する部分を示す。
【0030】
次に、添付の図面を参照して、例示的な実施形態がより詳細に説明される。
【0031】
例示的な実施形態は、この開示が徹底的になるように、当業者に範囲を完全に伝えるように提供される。本開示の実施形態の徹底的な理解を提供するために、特定の組成物、構成要素、デバイス、および方法の例などの多数の特定の詳細が示される。特定の詳細が使用される必要はないこと、例示的な実施形態が多くの異なる形態で具現化され得ること、また本開示の範囲を限定すると解釈されるべきでないことは当業者には明らかであろう。いくつかの例示的な実施形態では、周知のプロセス、周知のデバイス構造、および周知の技術は、詳細には説明されない。
【0032】
本明細書で使用される用語は、特定の例示的な実施形態を説明することのみを目的としており、限定することは意図されていない。本明細書で使用される単数形「1つの」(a)、「1つの」(an)、および「この」(the)は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形も含むことが意図され得る。「備える」(comprise)、「備えている」(comprising)、「含む」(including)、および「有する」(having)という用語は包含的であり、したがって、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の機能、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではない。本明細書で議論される方法のステップ、プロセス、および動作は、実施の順序として具体的に識別されない限り、議論されたまたは図示された特定の順序でそれらを実施することが必ず必要であると解釈されるべきではない。また、別段の指示がない限り、追加的または代替的なステップが使用され得ることも理解されたい。
【0033】
構成要素、要素、または層が、別の要素または層について「上に」(on)、「係合されて」(engaged to)、「接続されて」(connected to)、または「結合されて」(coupled to)いると称される場合、それらは他の構成要素、要素、または層に直接、上に、係合されて、接続されて、または結合されていてよい、または介在する要素または層が存在してもよい。対照的に、ある要素が別の要素または層に「直接上に」(directly on)、「直接係合されて」(directly engaged to)、「直接接続されて」(directly connected to)、または「直接結合されて」(directly coupled to)いると称される場合、介在する要素または層が存在し得ない。要素間の関係を説明するために使用される他の単語は、同様に解釈されるものとする(例えば、「間に」(between)と「直接間に」(directly between)、「隣接する」(adjacent)と「直接隣接する」(directly adjacent)など)。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連付けられる列挙された項目の1つ以上の任意のあらゆる組み合わせを含む。
【0034】
本明細書では、第1、第2、第3などの用語が使用されて、様々なステップ、要素、構成要素、領域、層、および/またはセクションを説明するが、これらのステップ、要素、構成要素、領域、層、および/またはセクションは、別段の指示がない限り、これらの用語によって限定されるものではない。これらの用語は、1つのステップ、要素、構成要素、領域、層、またはセクションを別のステップ、要素、構成要素、領域、層、またはセクションと区別するためにのみ使用され得る。本明細書で使用される際、「第1」(first)、「第2」(second)、および他の数値の用語は、文脈によって明確に指示されない限り、シーケンスまたは順序を意味するものではない。したがって、以下で議論される第1のステップ、要素、構成要素、領域、層、またはセクションは、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、第2のステップ、要素、構成要素、領域、層、またはセクションと呼ばれ得る。
【0035】
「前」(before)、「後」(after)、「内側」(inner)、「外側」(outer)、「真下」(beneath)、「下」(below)、「下部」(lower)、「上」(above)、「上部」(upper)などの空間的または時間的に相対的な用語は、本明細書では、説明を容易にするために、図に示すように、1つの要素または特徴と別の要素または特徴との関係を説明するために使用され得る。空間的または時間的に相対的な用語は、図に示されている向きに加えて、使用中または動作中のデバイスまたはシステムの様々な向きを包含することが意図され得る。
【0036】
特定のステップ、成分、または特徴を「含む」(comprise)方法、組成物、デバイス、またはシステムの任意の列挙について、特定の代替変形形態では、そのような方法、組成物、デバイス、またはシステムは、列挙されるステップ、成分、または特徴から「から本質的になる」(consist essentially of)場合もあり、その場合、本発明の基本的かつ新規な特性を実質的に変更する他のステップ、成分、または特徴はそこから除外されることが考慮されていることも理解されたい。
【0037】
本開示による技術は、同時レーザ溶接用途で使用するための方法および装置を提供する。
【0038】
多くの態様の下で、本開示に従って説明される実施形態は、図1に従って説明されるSTTIrレーザ溶接システム100などのSTTIrレーザ溶接システムの一部として使用され得る。
【0039】
次に図3を参照すると、本開示による実施形態が示されている。この実施形態では、各光ファイババンドル脚部304は、レーザ光源(レーザ光源122など)からのレーザ光を、導波路306を通して、溶接される透過性プラスチック部品308を通して方向付けて、そこでそれは溶接される吸収性プラスチック部品310によって吸収されて、溶接スポット302を形成し、溶接経路に沿った点でプラスチック部品が一緒に溶接される。溶接スポット302は、個々の光ファイババンドル脚部304からのレーザ光が導波路を通って進んだ後に溶接経路に衝突する、溶接経路に沿った各点に形成されることを理解されたい。溶接スポット302は、集合的に溶接部の溶接線314を画定する(図4に仮想線で示されている)。本明細書で使用する際、溶接部に言及するときの「幅」または「溶接幅」という用語は、任意の適用可能な点での溶接線に沿った溶接部の幅、つまり、任意の適用可能な点での溶接線を横切る溶接部の幅を意味する。
【0040】
本明細書で使用される場合、「光ファイババンドル脚部」という用語は、複数のレーザ送出光ファイバを意味し、複数のレーザ送出光ファイバからなる脚部(レーザ送出バンドルの脚部など)および/または複数の脚部からなる、および/もしくは複数のレーザ送出光ファイバからなるレーザ送出バンドルを含むことができる。これに関連して、各光ファイババンドル脚部304に関連付けられる導波路306の部分316(その部分は、導波路の形状に応じて、円、楕円、または他の形状として現れる場合があるとはいえ、部分316は図4では反対に仮想線で示されていることに注意されたい)があり、これは、その光ファイババンドル脚部304からのレーザ光が、導波路306を通って進む所である。以下の説明が導波路306および関連付けられるレーザ送出光ファイバ304に言及するとき、これは、そのレーザ送出光ファイバ304からのレーザ光が導波路306を通って進む導波路306の部分316に言及する。導波路306の部分316は、代替として、個々の導波路によって提供され得ることもまた理解されるべきである。
【0041】
注目すべきことに、各溶接スポット302は、その溶接スポット302を形成するレーザ光を提供した光ファイババンドル脚部304の幅よりも大幅に小さい幅を有する。この大幅に狭められた溶接スポット302は、図3および4の例のように、光ファイババンドル脚部304が円形の断面を有する場合の光ファイババンドル脚部304の直径のように、関連付けられる光ファイババンドル脚部304の幅322より大幅に狭い幅320を持つ導波路306の部分316によって実現される。光ファイババンドル脚部304は、導波路306の関連付けられる部分316よりも広いため、光ファイババンドル脚部を出るレーザ光の第1の部分のみが導波路306の関連付けられる部分316に入り、残りの第2の部分は、導波路306の関連付けられる部分316の外縁からスピルオーバし、関連付けられる部分316に入らない。各光ファイババンドル脚部304に関連付けられる反射バウンス平面312は、レーザ光の第1の部分を反射し、レーザ光の第2の部分は、導波路306の関連付けられる部分316を通って溶接経路上の点へ進み、溶接経路に沿って、部品308、310が一緒に溶接され溶接スポット302を形成する。一態様では、少なくとも1つの反射バウンス平面が、各光ファイババンドル脚部304の出口318に配置される。一態様では、導波路306の各部分316の対向する側部324に配置された反射バウンス平面312があり、これによりこれらの反射バウンス平面312が溶接線314の対向する側部でレーザ光を反射する。一態様では、反射バウンス平面312は、導波路306の一部である。対向する側部324は、部分316の幅320にわたって互いに対向している。
【0042】
反射バウンス平面312は、好ましくは、STTIr用途で使用されるレーザ光を吸収するのではなく反射する材料を含む。したがって、反射バウンス平面は、レーザミラー、研磨された金属面、および内部全反射面を含む。反射バウンス平面312は、溶接される部品308、312から離れるようにレーザ光を方向付けし直し、それらの望ましくない溶接を防ぎ、レーザ光源122または光ファイババンドル脚部304から離れるようにして、レーザシステムの損傷を回避する。典型的には、反射バウンス平面312は、各光ファイババンドル脚部304の端部(例えば出口318)および導波路306の各部分316の入口に置かれる。
【0043】
本開示による適切な導波路は、2つの主要な属性を共有する。第1に、導波路306の各部分316は、関連付けられる光ファイババンドル脚部304の幅より狭い幅を有する。第2に、導波路306の各部分316は、導波路306の部分316を通って進むレーザ光を均質化するために十分な長さでなければならず、それにより均一な溶接を可能にする。一例では、導波路306の各部分316は、その長さに沿って均一の幅を有する。
【0044】
図4を参照すると、図3に開示された実施形態の別の図が示されている。理解されるように、STTIr用途では、複数の光ファイババンドル脚部304は、レーザ光源からレーザ光を、導波路306の関連付けられる部分316を通して、溶接される部品308、310まで通して同時に伝送し、その結果、一般に導波路306の出口側により画定される溶接エリアが生じ、出口側は、溶接される部品308、312に最も近く面する側部によって画定される。導波路306の各部分316は、溶接される部品308、310へと通過するレーザ光を均質化するために、垂直方向に十分に延在していなければならない。
【0045】
さらに、STTIr用途では、任意の望ましいまたは所定の形状の溶接長さを提供するように導波路が形作られ得る。したがって、導波路306はその長さに沿って真っ直ぐに見えるように図4に示されているが、導波路306は曲線であってもよいことを理解されたい。同様に、導波路306は平面に見えるように図4に示されているが、導波路306は、平面基準に沿って任意の向き、三次元性、または他のねじれを有することができることを理解されたい。さらに、導波路306は、導波路全体にわたって固定幅を有する必要がなく、導波路306の1つ以上の部分316は、他の部分316のうちの1つ以上とは異なる幅を有することが想定される。したがって、結果として生じる溶接線は一定の幅を有する必要はなく、溶接線に沿った所与の点における幅は、溶接線に沿ったその所与の点に隣接する導波路306の部分316の幅、結果として生じる角度広がり、およびその特定の点で反射バウンス平面312によって方向付けし直されない光ファイバ脚部バンドル304の幅に依存し得ることが想定される。さらに、導波路出力形状は、三角形、ドット、またはブロブなどの溶接パラメータまたはプリファレンスによって保証されるように形作られ得る。
【0046】
導波路は、正または負、あるいはこの2つの任意の組み合わせであることができる。正の(positive)導波路は、レーザ光を伝送し、内部全反射によって光を導く固体媒体を使用する。負の(negative)導波路は、真空、気体、液体、または固体を通して伝送するが、レーザ光を導くために反射壁に依存する。
【0047】
上述のように、上で説明された技術は、図1に示されるSTTIrレーザ溶接システム100などのSTTIrレーザ溶接システムの一部としての使用に適している。そのような変更されたSTTIrシステムでは、光ファイババンドル脚部304がレーザ送出バンドル10の脚部に取って代わり、反射バウンス平面312とともに導波路306が導波路30に取って代わることが考えられる。このような変更されたSTTIrシステムは、同様のサイズの光ファイババンドル脚部を使用する従来のSTTIrシステムで可能なものよりも大幅に狭い溶接幅を提供する。さらに、溶接される部品に照射されるレーザ光が、従来のSTTIrシステムで可能な溶接幅よりも大幅に狭い溶接幅を有する溶接長さを形成するようなシステムが考えられる。そして上で議論されたように、導波路306のパラメータに応じて、結果として生じる溶接線は、直線、曲線、連続、不連続である、ねじれを有する、および三次元溶接長さを呈することを含む、多くの形であることができる。別の態様によると、そのような溶接線は、三角形、ドット、またはブロブなどの所望の形状を生成するように成形された導波路を用いて生成されることができる。さらに別の態様によると、溶接線の幅は、導波路および/または対応する反射バウンス平面の幅が導波路に沿って変わる範囲まで、溶接線の経路に沿って変化することができる。
【0048】
実施形態の前述の説明は、例示および説明の目的で提供された。網羅的であること、または開示を限定することは意図されていない。特定の実施形態の個々の要素または特徴は、一般に、その特定の実施形態に限定されないが、適用可能な場合、交換可能であり、特に図示または説明されていなくても、選択された実施形態で使用されることができる。同じことが様々な形で変更され得る。そのような変形は、本開示からの逸脱と見なされるべきではなく、そのようなすべての修正は、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。
図1
図2
図3
図4