(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】光ガイド素子を製造するために角度付けられたフォトリソグラフィを利用するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20221116BHJP
G02B 5/04 20060101ALN20221116BHJP
【FI】
G03F7/20 501
G02B5/04
(21)【出願番号】P 2021523072
(86)(22)【出願日】2019-10-24
(86)【国際出願番号】 US2019057858
(87)【国際公開番号】W WO2020096781
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2021-06-22
(32)【優先日】2018-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】ダンフィ,ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ハチソン,デイビッド
【審査官】田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-026554(JP,A)
【文献】特開2011-253150(JP,A)
【文献】特開平05-226225(JP,A)
【文献】特開2012-068297(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/20
G02B 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
光源と基板との間に配置されたアパーチャマスクであって、1つ以上の開口部を備えるアパーチャマスクと、
前記光源によって放出された光を方向付けて、フォトレジスト材料を所望の角度で照射し、前記フォトレジスト材料内の角度付けられた構造を露光するように構成された光学構成要素であって、前記フォトレジスト材料が
前記基板の上面の少なくとも一部に重なっている光学構成要素を備え、前記光学構成要素が、
前記所望の角度に部分的に基づいて選択される光結合材料を収容する容器と、
前記放出された光の少なくとも第1の部分を反射して、前記フォトレジスト材料を所望の角度で照射するように
前記容器内に配置されたミラーと、を備え
、
前記アパーチャマスクの各開口部は、前記フォトレジスト材料のそれぞれの所望の構造に対応し、前記角度付けられた構造に対応する第1の開口部は、前記放出された光の第1の部分を前記ミラーに方向付ける、システム。
【請求項2】
各開口部を通り抜ける前記放出された光の少なくとも一部は、前記開口部が対応するそれぞれの所望の構造を露光させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記それぞれの所望の構造が、垂直構造および角度付けられた構造のうちの1つである、請求項
1に記載のシステム。
【請求項4】
前記光学構成要素が、前記光源から放出された光を方向付けて、前記フォトレジスト材料を実質的に垂直な角度で照射し、前記フォトレジスト材料の垂直構造を露光するようにさらに構成されており、前記垂直構造に対応する第
2の開口部が、前記放出された光の第2の部分を前記フォトレジスト材料に方向付ける、請求項
1に記載のシステム。
【請求項5】
前記容器の上面の少なくとも一部および底面の少なくとも一部が、透明であり、前記放出された光が、前記上面の前記透明部分を通って前記容器に進入し、前記放出された光が、前記底面の前記透明部分を通して前記フォトレジスト材料を照射する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記フォトレジストの近くに配置されたフォトマスクをさらに備え、前記フォトマスクが、前記フォトレジスト内の個々の所望の構造を画定するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記基板の前記上面に造形されたフォトマスクをさらに備え、前記フォトレジストが前記フォトマスクに重なっており、前記放出された光が、前記基板の底面を通して前記フォトレジストを照射する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記光源が、偏光フィルタを備え、前記放出された光が、p偏光であり、前記p偏光が、(i)前記基板と前記フォトレジストとの間の界面、および(ii)前記基板の底面のうちの少なくとも一方からの光反射を低減する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記光学構成要素が、前記光学構成要素内の迷光を除去するように構成されたデバイスをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記光源が、
コリメートされた光を放出することを可能にする1つまたは複数の構成要素を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記光学構成要素が、
前記光の少なくとも第2の部分を反射して、前記フォトレジスト材料を第2の所望の角度で照射するように配置された第2のミラーをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記光結合材料が、水、グリコール、およびグリセロールのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記フォトレジスト材料が前記容器の底面に面するように前記基板が前記光結合材料に浸漬され、前記容器の前記底面の少なくとも一部が透明であり、前記光源からの前記放出された光が、前記容器の前記底面の前記透明な部分を通って前記容器に進入する、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記光結合材料が、第1の光結合材料であり、前記容器が、第1の容器であり、前記基板が、前記第1の容器の上に配置された第2の容器内の第2の光結合材料に浸漬されており、前記第1および第2の容器の底面のそれぞれの部分が、透明であり、前記放出された光が、前記第1の容器の前記底面の前記透明部分を通って前記第1の容器に進入し、次に前記第2の容器の前記底面の前記透明部分を通って前記第2の容器に進入する、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
方法であって、
基板を光学構成要素の一方の端部の近くに配置することであって、フォトレジスト材料が前記基板の上面の少なくとも一部に重なっており、前記光学構成要素が、(i)光結合材料を収容する容器と、(ii)
前記容器内に配置されたミラーと、を備える、配置することと、
前記光学構成要素の表面近くにアパーチャマスクを重ねることであって、前記アパーチャマスクは1つ以上の開口部を備え、各開口部は、前記フォトレジスト材料のそれぞれの所望の構造に対応する、ことと、
光源によって光を前記光学構成要素内へ放出することであって、
角度付けられた構造に対応する第1の開口部は、前記放出された光の第1の部分を前記ミラーに方向付け、前記ミラーが、前記放出された光の少なくとも一部を反射し、前記フォトレジスト材料を所望の角度で照射し、それによって前記フォトレジスト材料内の
前記角度付けられた構造の少なくとも一部を露光する、放出することと、を含む、方法。
【請求項16】
前記所望の角度に基づいて、前記ミラーの配向角度を決定することと、
前記ミラーを前記配向角度に配向させることと、をさらに含む、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
各開口部を通り抜ける前記放出された光の少なくとも一部が、前記開口部が対応する前記それぞれの所望の構造を露光する、請求項
15に記載の方法。
【請求項18】
前記方法が、
前記フォトレジストの近くにフォトマスクを重ねることをさらに含み、前記フォトマスクが、前記フォトレジスト内の個々の所望の構造を画定するように構成されている、請求項
15に記載の方法。
【請求項19】
前記フォトレジスト材料を現像して前記フォトレジスト材料の細長い部分を前記基板上に保持することをさらに含み、前記細長い部分の第1の端部が、前記角度付けられた構造を備え、前記角度付けられた構造が、前記基板の前記上面に対してある角度で傾斜している、請求項
15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年11月7日に出願された米国特許出願第US16/183,728号の利益を主張し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本明細書に別段の指示がない限り、本項に記載の資料は、本出願の特許請求の範囲に対する先行技術ではなく、本項に含めることよって先行技術であると認められるものではない。
【0003】
光ガイドデバイスは、光ファイバ、導波路、および他の光学素子(例えば、レンズ、ミラー、プリズムなど)を含むことができる。このような光ガイドデバイスは、光を入力ファセットから出力ファセットに、全反射または部分内部反射により送光することができる。さらに、光ガイドデバイスは、光スイッチ、結合器、およびスプリッタのような能動光学構成要素および受動光学構成要素を含み得る。
【0004】
光学系は、様々な目的に光ガイドデバイスを利用することができる。例えば、光ファイバは、光信号を光源から所望の場所に送信するために実装することができる。光検出測距(LIDAR)デバイスの場合、複数の光源が光を放出することができ、光は、光ガイドデバイスに光結合されて所定の環境に方向付けられ得る。環境に放出された光は、LIDARデバイスの受信機により検出されて、環境内の物体までの推定距離を提供することができる。
【発明の概要】
【0005】
本明細書において説明されるシステムおよび方法は、光学系の製造に適用可能である。例えば、本開示は、特定の光学素子(例えば、光ガイドデバイス)およびそれらの製造方法を説明する。光学素子は、垂直および/または角度付けられた構造などの1つ以上の構造を含み得る。
【0006】
第1の態様では、システムが提供される。システムは、光源によって放出された光を方向付けて、フォトレジスト材料を所望の角度で照射し、フォトレジスト材料における角度付けられた構造の少なくとも一部を露光させるように構成された光学構成要素を含み得、ここで、フォトレジスト材料は、基板の上面の少なくとも一部に重なっている。光学構成要素は、部分的に所望の角度に基づいて選択される光結合材料を収容する容器を含む。光学構成要素はまた、光の少なくとも一部を反射して、フォトレジスト材料を所望の角度で照射するように配置されたミラーを含む。
【0007】
第2の態様では、方法が提供される。この方法は、光学構成要素の一端の近くに基板を配置することを含み、フォトレジスト材料が基板の上面の少なくとも一部に重なっており、光学構成要素が(i)光結合材料を収容する容器、および(ii)ミラーを備える。この方法はまた、光源によって光学構成要素に光を放出することを含み、ミラーは、光の少なくとも一部を反射して、フォトレジスト材料を所望の角度で照射し、それによって、フォトレジスト材料内の角度付けられた構造の少なくとも一部を露光する。
【0008】
第3の態様では、光学素子を造形する方法が提供され、この方法は、光学構成要素の一端の近くに基板を配置するステップであって、フォトレジスト材料が基板の上面の少なくとも一部に重なっており、光学構成要素は、(i)光結合材料を収容する容器、および(ii)ミラーを備える、配置するステップと、光源によって光を光学構成要素へ放出するステップであって、ミラーは、放出された光の少なくとも一部を反射して、フォトレジスト材料を所望の角度で照射し、それによって、フォトレジスト材料の角度付けられた構造の少なくとも一部を露光する、放出するステップと、を含む。
【0009】
本明細書に記載される、量または測定値に関する、「約」または「実質的に」という用語は、列挙された特性、パラメータ、または値が、正確に達成される必要はないが、例えば、許容誤差、測定誤差、測定精度の制限、および当業者に既知の他の要因を含む、偏差または変動が、特性が提供することが意図された効果を排除しない量で起き得ることを意味する。
【0010】
他の態様、実施形態、および実装形態は、添付図面を適宜参照して、以下の詳細な説明を読み取ることによって、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】例示的な実施形態例による光学素子を示す。
【
図1B】例示的な実施形態による、光を反射する
図1Aの光学素子を示す。
【
図2A】例示的な実施形態による、光学構成要素の側面図を示す。
【
図2B】例示的な実施形態による、アパーチャマスクの上面図を示す。
【
図2C】例示的な実施形態による、
図2Aの光学構成要素の上面図を示す。
【
図2D】例示的な実施形態による、
図2Bの光学構成要素の底面図を示す。
【
図3A】例示的な実施形態による、製造方法のブロックを示す。
【
図3B】例示的な実施形態による、製造方法のブロックを示す。
【
図3C】例示的な実施形態による、製造方法のブロックを示す。
【
図5A】例示的な実施形態による、造形システムを示す。
【
図5B】例示的な実施形態による、別の造形システムを示す。
【
図5C】例示的な実施形態による、別の造形システムを示す。
【
図5D】例示的な実施形態による、別の造形システムを示す。
【
図5E】例示的な実施形態による、別の造形システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
例示的な方法、デバイス、およびシステムが、本明細書に記載されている。「例」および「例示的」という語は、本明細書においては、「例、事例、または例示としての役割を果たす」ことを意味するために使用されることを理解されたい。本明細書において「例」または「例示的」であるとして説明されるいずれの実施形態または特徴も、他の実施形態または特徴よりも好ましい、または有利であると必ずしも解釈されるべきではない。本明細書に提示される主題の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更を行うことができる。
【0013】
したがって、本明細書に記載される例示的な実施形態は、限定的であることを意味するものではない。本明細書において概して説明され、図に示される本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置、置換、組み合わせ、分離、および設計されることが可能であり、これらの構成の全てが、本明細で想定されている。
【0014】
さらに、文脈で特に示唆しない限り、各図に示された特徴を、互いに組み合わせて使用することができる。このように、図は概して、図示される全ての特徴が実施形態ごとに必要である訳ではないという理解の下に、1つ以上の実施形態全体の構成態様として考えられるべきである。
【0015】
I.概要
光ガイドは、光ガイド内で光を導くように構成され得る光学素子を含み得る。これらの光学素子は、光ガイドの入力ファセットから出力ファセットに光を透過させるために、光を(全体的または部分的に)反射し得る構造を含み得る。例えば、光学素子は、光を導き得る垂直および/または角度付けられた構造であり得る。より具体的には、垂直構造は、構造の長さに沿って光を導き得る。角度付けられた構造は、光学的に反射する金属でコーティングされ得、それにより、特定の方向に入射光を反射し得るミラーとして効果的に機能する。
【0016】
例示的な実施形態では、光ガイドは、フォトレジスト材料から形成され得、赤外光を導くように構成され得る。
【0017】
実際には、光ガイドは、基板に重なったフォトレジスト材料内の光学素子の構造を露光するために光源を使用するフォトリソグラフィを使用して造形され得る。所望の構造は、特定のパターンでフォトレジストを照射する露光光によって露光され得る。特に、垂直構造は、フォトレジストを垂直の角度で露光するように、フォトレジスト材料に垂直に入射する露光光によって露光される。
【0018】
他方、角度付けられた構造は、非垂直の角度でフォトレジスト材料に入射する露光光によって露光される。例えば、角度付けられた構造を露光するためには、フォトレジスト材料内の光の屈折角は、角度付けられた構造の所望の角度でなければならない。ただし、フォトレジスト材料でいくつかの屈折角を達成することは困難な場合がある。例えば、光源とフォトレジスト材料との間の媒体が空気である場合、いくつかの角度付けられた構造を露光するために必要なフォトレジスト材料の屈折率は、スネルの法則に従って達成できない場合がある。
【0019】
現在の解決策の1つは、液浸フォトリソグラフィを使用して、フォトレジスト材料において所望の屈折角を達成することである。この解決策では、基板は、中程度の屈折率を有する媒体に浸漬され得る。スネルの法則に従ってフォトレジスト材料で設計された角度に屈折する光を透過するのに十分高い屈折率を有する材料が選択される。浸漬されたフォトレジスト材料内の角度付けられた構造を露光するために、ロボットデバイスは、フォトレジスト材料に対して特定の角度で光源を動かして、フォトレジスト材料を所望の角度で露光する。この解決策は、角度付けられた構造を造形するために使用され得るが、非効率的で時間がかかる。実際には、そのような技術を使用して光学素子を造形することは、数時間かかり得る。
【0020】
本明細書に開示されるのは、光学素子を効率的に造形するための方法およびシステムである。本明細書に開示される方法およびシステムは、現在の造形方法およびシステムに対する改良を提供し得る。例えば、本明細書に開示される方法およびシステムは、上記のシステムよりも迅速かつ効率的に光学素子を造形し得る。
【0021】
一実施形態では、造形システムは、光源と、光源の近くに置かれる光学構成要素と、を含み得る。造形システムは、光学構成要素の近くに提供された基板を露光するように構成され得る。そうするために、造形システムは、光源によって光を光学構成要素に向かって放出し得る。光学構成要素は、特定のパターンおよび/または角度を有する露光光にフォトレジスト材料を露光するために、放出された光を操作し得る。例えば、露光光は、特定のパターンを有し得、ならびに/またはフォトレジスト材料の垂直および/もしくは角度付けられた構造を露光し得る角度で入射し得る。
【0022】
一実施形態では、光学構成要素は、放出された光がフォトレジスト材料を露光するために通過し得る光結合材料を収容する容器を含み得る。光結合材料は、露光光がフォトレジスト材料内で所望の屈折角で屈折することを可能にする屈折率を有するように選択され得る。
【0023】
光学系はまた、光をフォトレジスト材料に向かって所望の角度で反射するように配置され得る1つ以上のミラーを含み得る。反射光は光結合材料を通って進むので、フォトレジスト材料への入射光は、フォトレジスト材料内である角度で屈折し、それによってフォトレジスト材料内の角度付けられた構造を露光する。したがって、光学構成要素内の1つ以上のミラーで反射された光は、フォトレジスト材料内の角度付けられた構造を露光し得る。
【0024】
一実施形態では、造形システムは、放出された光の一部を選択して光学構成要素に進入させるために、1つ以上の開口部を備えたアパーチャマスクを使用し得る。特に、アパーチャマスクは、放出された光の一部を1つ以上のミラーに方向付け得、ミラーは、放出された光の一部を反射して、フォトレジストを角度付けられた露光光で照射し得る。さらに、アパーチャマスクは、光の一部が光結合材料を通って垂直の角度で進むように、放出された光の一部を選択し得る。光のこの部分は、垂直の角度でフォトレジスト材料に入射し、それにより、フォトレジスト材料の垂直構造を露光し得る。
【0025】
II.例示的な光学素子および光学系
図1Aは、例示的な実施形態による光学素子100を示している。本明細書において説明される光学系および製造方法は、光学素子100を含み得る。場合によっては、光学素子100は、フォトレジストのようなポリマー材料から形成することができる。例えば、ポリマー材料は、SU-8ポリマー、Kloe K-CLネガフォトレジスト、Dow PHOTOPOSITネガフォトレジスト、またはJSRネガ型THBフォトレジストを含むことができる。光学素子100は、他のフォトパターン化可能なポリマー材料から形成することができることが理解されよう。
【0026】
いくつかの実施形態では、光学素子100は細長い構造102を含み得る。加えて、光学素子100は角度付けられた部分104を含み得る。角度付けられた部分104は、光学素子100の第1の端部ファセットであり得る。光学素子100はまた、第2の端部ファセット106を含み得る。
図1Aは、光学素子100を特定の形状を有するものとして示しているが、本明細書においては、他の形状も可能であり、想到される。
【0027】
例示的な実施形態では、光学素子100は、光を導くように構成することができる。例えば、光学素子100は、光源からの光を、第2の端部ファセット106を介して結合させるように構成され得る。このような光は、光学素子100の少なくとも一部内で、全内部反射により導かれ得る。いくつかの実施形態では、光の少なくとも一部は、光学素子から、角度付けられた部分104を介して結合され得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、光学素子100の角度付けられた部分104は、金属コーティングなどの反射材料を含み得る。いくつかの実施形態では、金属コーティングは、チタン、白金、金、銀、アルミニウム、および/または別のタイプの金属のような1種類以上の金属を含むことができる。他の実施形態では、角度付けられた部分104は、誘電体コーティングおよび/または誘電体積層物を含み得る。
【0029】
図1Bは、例示的な実施形態による、光を反射する光学素子100を示している。例示的な実施形態では、光源112は、第2の端部ファセット106を介して光ガイド部分102内へ、結合された放出光114として結合され得る光を放出し得る。結合された放出光114は、第1の端部ファセット104を介して環境へ外部結合され得る。外部結合された光は、(例えば、反射、吸収、および/または屈折により)環境内の物体と相互作用し得る透過光116を含み得る。
【0030】
図1Cは、光学系140を示しており、これは、光学光ガイド素子を組み込んだコンパクトなLIDARシステムを説明し得る。このようなLIDARシステムは、所与の環境内の1つ以上の対象(例えば、場所、形状など)についての情報(例えば、点群データ)を提供するように構成され得る。例示的な実施形態では、LIDARシステムは、点群情報、対象情報、地図情報、または他の情報を車両に提供することができる。車両は、半自動または完全自動車両であり得る。例えば、車両は、自動運転車、自律型ドローン航空機、自律型トラック、または自律型ロボットであり得る。本明細書では、他のタイプの車両およびLIDARシステムが想定されている。
【0031】
光学系140は、
図1Aを参照して図示および説明される光学素子100のような光ガイドを含むことができる様々な異なる光学系のうちの1つである。例示的な実施形態では、光学素子100は、透明基板142に結合され得る。光学素子100は、光接着剤146を介してさらなる透明基板144に結合され得る。さらに、透明基板144は、エポキシ材料148を介して透明基板142に結合され得る。
【0032】
光学系140は、レーザアセンブリを含み得、レーザアセンブリは、透明基板144と、1つ以上のレーザバー150と、を含み、各レーザバー150は、それぞれの細長い構造に結合されている。エポキシ材料148を使用するなど、1つ以上のレーザバー150を透明基板144に固定する他の方法が本明細書において可能であり、想定されている。
【0033】
1つ以上のレーザバー150は、光を円筒レンズ152に向かって放出するように構成され得、円筒レンズは、光学素子100内に、放出光を収束させ、拡散させ、方向付け、および/または他の方法で結合させることに役立ち得る。
図1Cに示されるように、レーザバー150は、光156を放出し得、光156は、第2の端部ファセット106を介して光学素子100内に結合され得る。結合された放出光156は、角度付けられた部分104を介して環境へ外部結合され得る。外部結合された光は、(例えば、反射、吸収、および/または屈折により)環境内の物体と相互作用し得る透過光158を含み得る。
【0034】
光学系140は、追加的に、または代替的に、さらなる基板166を含むことができる。いくつかの実施形態では、コントローラ168および少なくとも1つの光検出器167は、さらなる基板166に結合させることができる。さらに、さらなる基板166は、1つ以上の遮光板164を介して基板154に結合することができる。例示的な実施形態では、遮光板164は、「ハニカム」タイプの光バッフルまたは別のタイプの不透明材料とすることができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの光検出器167は、シリコン光電子増倍管(SiPM)、アバランシェフォトダイオード(APD)、または直線アレイもしくは平面アレイで配置され得る別のタイプの光センサを含むことができる。
【0035】
さらに、
図1Cは、単一のレーザバー150、単一の光学素子100、および単一の光検出器167を示しているが、複数のこのような素子が本明細書において可能であり、想定されていることが理解されよう。例えば、いくつかの実施形態は、256個のレーザバー、256個の光学素子、および対応する数の光検出器を含むことができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、光検出器167は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサを含むことができる。追加的に、または代替的に、光検出器167は、シリコン光電子増倍管(SiPM)、直線モードアバランシェフォトダイオード(LMAPD)、PINダイオード、ボロメータ、および/またはフォトコンダクタのうちの少なくとも1つを含むことができる。他のタイプの光検出器(および、光検出器の構成)が本明細書において可能であり、想定されることが理解されよう。
【0037】
光学系140のコントローラ168は、メモリおよび少なくとも1つのプロセッサを含む。少なくとも1つのプロセッサは、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含むことができる。ソフトウェア命令を実行するように構成される他のタイプのプロセッサ、コンピュータ、またはデバイスが本明細書において想定される。メモリは、これらには限定されないが、リードオンリーメモリ(ROM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(例えば、フラッシュメモリ)、固体ドライブ(SSD)、ハードディスクドライブ(HDD)、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、リード/ライト(R/W)CD、R/W DVDなどのような非一時的なコンピュータ可読媒体を含むことができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、光学系140は、光学系の環境内の物体を示す情報を提供するように構成されたLIDARシステムであり得る。そのため、場合によっては、光学系140は、自動運転車、自動運転トラック、ドローン航空機、および/またはドローン船舶のような車両に配置され得る。他のタイプの車両が本明細書において可能であり、想定される。
【0039】
III.光学素子を造形するための例示的なシステムおよび方法
a.光学素子を造形するための例示的なシステム
上記の考察に沿って、いくつかの所望の構造は、現在のフォトリソグラフィシステムを使用して造形するのが難しい可能性がある。例えば、光源とフォトレジスト材料との間の媒体が空気である場合、いくつかの角度付けられた構造を造形することは実行可能でない場合がある。具体的には、スネルの法則によれば、光源とフォトレジスト材料との間の媒体が空気である場合、角度付けられた構造を露光するために必要なフォトレジスト材料の屈折角は達成できない場合がある。
【0040】
本明細書に開示されるのは、
図1Aを参照して図示および説明されるような、光学素子100などの光学素子を造形するための方法およびシステムである。特に、この方法およびシステムは、所望の構造(例えば、所望の角度付けられた構造および/または垂直構造)を含む光学素子を造形するために使用され得る。さらに、本明細書に開示される方法およびシステムは、現在実際に使用されている造形システムよりも迅速かつ効率的に光学素子を造形し得る。
【0041】
図2Aは、例示的な実施形態による、光学素子を造形するための造形システム200の側面図を示している。
図2Aに示されるように、造形システム200は、光源202および光学構成要素204を含み得る。ここで、造形システム200は、フォトパターン化可能な材料内の所望の構造を露光することによって光学素子を造形するように構成され得るフォトリソグラフィシステムであり得る。本明細書で説明するように、光学構成要素204は、光学構成要素204に光学的に結合された基板に重なったフォトパターン化可能な材料内の所望の構造を露光するために、光源202によって放出された光を操作するように構成され得る。
【0042】
例として、基板214は、光学構成要素204に光学的に結合され得る。基板214は、ガラスおよび/または別の透明材料を含み得る透明基板であり得る。さらに、基板214は、光吸収体材料を含み得る不透明な材料216に結合され得る。
図2Aに示されるように、フォトパターン化可能な材料212は、基板214に重なっている。フォトパターン化可能な材料212は、フォトレジストまたは本明細書に記載の他の任意のフォトパターン化可能な材料(例えば、SU-8ポリマー、Kloe K-CLネガフォトレジスト、Dow PHOTOPOSITネガフォトレジスト、またはJSRネガ型THBフォトレジスト)を含み得る。そのようなシナリオでは、フォトパターン化可能な材料212は、フォトレジストを基板214上に堆積させ、続いてフォトレジストをベーキングすることによって調製され得る。
【0043】
一実施形態では、光源202は、フォトパターン化可能な材料212を露光するために使用される光を放出するように構成され得る。光源202は、1つ以上の波長の光を放出するように構成され得る。例えば、光源202は、可視光および/または紫外線(UV)光を放出するように構成され得る。さらに、光源202は、光源202がコリメートされた光または実質的にコリメートされた光を放出することを可能にする1つまたは複数の構成要素(例えば、コリメータ)を含み得る。例えば、光は異方性コリメーションを使用してコリメートされ得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、光源202は、基板とレジストの界面および基板214の裏側からの反射を低減するために、p偏光を放出し得る。したがって、光源202は、光源202がp偏光を放出することを可能にする偏光子(例えば、偏光フィルタ)を含み得る。追加的および/または代替的に、光源202は、造形システム200が露光時間を制御することを可能にし得る統合されたタイマを含み得る。例示的な実装形態では、光源202は、500WのUVランプ源であり得る。別の例示的な実装形態では、光源202は、500WのコリメートされたUVランプ源であり得る。
【0045】
一実施形態では、光学構成要素204は、フォトパターン化可能な材料212を露光するために、放出された光を操作するように構成され得る。放出された光を操作するために、光学構成要素204は、光源202の近くに置かれ、光源202に光学的に結合され得る。一実施形態では、光学構成要素204は、光源202の下に置かれ得る。
【0046】
図2Aに示されるように、光学構成要素204は、容器218を含み得る。容器218は、アルミニウムおよび/または他のタイプの金属などの1つ以上の材料から作製され得る。容器218の1つの表面の一部は、放出された光が容器218に進入し得るように透明であり得る。光が容器218を出てフォトパターン化可能な材料212を露光するように、容器の別の表面の一部も透明であり得る。例えば、容器218の上面224および底面226の一部は、光が容器218に出入りするために透明であり得る。特に、透明部分は、放出される光のタイプに対して透明であり得る。例えば、放出される光がUV光である場合、透明部分はUV光に対して透明であり得る。透明部分の例示的な材料は、ガラスおよび/または放出された光に対して透明である他の任意の材料を含み得る。
【0047】
図2Aにも示されているように、光学構成要素204は、容器218の内部に配置されたミラー206a、206bを含み得る。ミラー206a、206bは、光学構成要素204に進入する放出された光の少なくとも一部を反射するように配置され得る。ミラー206a、206bは各々、フォトパターン化可能な材料212を角度付けられた露光光で露光するために、フォトパターン化可能な材料212に向かってある角度で、放出された光の一部を反射し得る。反射光がフォトパターン化可能な材料212を露光し得る特定の角度は、ミラー206a、206bが配置され得る配向角θ
a、θ
bに依存し得る。そのため、ミラー配向角θ
a、θ
bは、フォトパターン化可能な材料212を露光する所望の露光角に基づいて決定され得る。
【0048】
例の中で、ミラー206a、206aは、表面鏡、凹面鏡、凸面鏡、プリズム、および/または回折ミラーであり得る。いくつかの例では、ミラー206a、206bは同一のミラーであり得る。さらに、ミラー206a、206bは、光学構成要素204の表面に堅固に結合され得、したがって、角度θa、θbは固定され得る。代替的に、結合構成要素220a、220bは、調整可能であり得、ミラー配向角θa、θbを調整するために調整され得る。例の中で、調整可能な結合構成要素220a、220bは、手動で調整され得、および/または自動的に調整され得る電動構成要素を含み得る。
【0049】
さらに、容器218またはその一部は、光結合材料208で満たされ得る。光結合材料208は、容器218の内部の少なくとも一部を満たす固体(例えば、透明なアクリルおよび硬化したシリコーンまたはエポキシ)、液体、接着剤、またはゲルであり得る。一例では、光結合材料208は、屈折後、フォトレジスト内で所望の角度を有する光線の透過をサポートするのに十分な屈折率を有する任意の材料であり得る。例えば、光結合材料208は、他の例の中でもとりわけ、精製水(屈折率約1.33)、グリコール(屈折率約1.43)、およびグリセロール(屈折率約1.47)であり得る。
【0050】
一実施形態では、造形システム200はまた、放出された光の一部を選択するために使用され得るアパーチャマスク210を含み得る。一実装形態では、アパーチャマスク210は、放出された光が光学構成要素204に進入する表面に光学的に結合され得る。この実装形態では、アパーチャマスク210は、光学構成要素204に進入する光の一部を選択し得る。例えば、
図2Aに示されるように、アパーチャマスク210は、4つの開口部222a、222b、222c、222dを含み得、放出された光の一部は、これらの開口部を通って光学構成要素204に進入し得る。
【0051】
一実施形態では、アパーチャマスク210の各開口部は、フォトパターン化可能な材料212における露光のためのそれぞれの所望の特徴に対応し得る。アパーチャマスク210は、光をマスクの開口部に選択的に通過させることによって、異なる角度の露光光のおおよそのフィールドを画定するために使用され得る。各開口部は、光のそれぞれの部分を通過させ得、それを(直接的または間接的に)使用して、フォトパターン化可能な材料212の特定の特徴を露光し得る。
【0052】
例えば、アパーチャマスク210は、4つの開口部を含み得、したがって、フォトパターン化可能な材料212における4つの所望の特徴を露光するために使用され得る。
図2Aでは、4つの特徴は、2つの垂直に入射する領域、+45度の角度付けられた領域、および-45度の角度付けられた領域であり得る。本明細書で説明するように、垂直入射領域は、フォトパターン化可能な材料212に対して垂直な露光光によって露光され得、角度付けられた領域は、フォトパターン化可能な材料212に対して非垂直角度を有する露光光によって露光され得る。したがって、角度付けられた構造の領域に対応する開口部は、開口部を通過する光が、フォトパターン化可能な材料212に向かってある角度で反射されるように、容器218内の1つ以上のミラーに方向付けられるように位置付けられ得る。
【0053】
造形システム200はまた、フォトマスク228を含み得る。
図2Aに示されるように、一実施形態では、フォトマスク228は、おそらくフォトパターン化可能な材料212の上に配置された、基板214の近くに置かれ得る。一実施形態では、フォトマスク228を使用して、フォトパターン化可能な材料212内の個々の光ガイド構造を画定し得る。特に、フォトマスク228は、露光光が通り抜けることを可能にする開口部または透明度のパターンを含み得る。一実施形態では、パターンは、基板214上の光ガイド構造の所望の配置に対応し得る。すなわち、フォトマスク228は、垂直構造および/または角度付けられた構造に対応する開口部を含み得る。基板214が露光されると、垂直構造に対応する開口部を通り抜ける光は、フォトパターン化可能な材料212に垂直構造を作成し、角度付けられた構造に対応する開口部を通り抜ける光は、フォトパターン化可能な材料212に角度の付いた構造を作成し得る。本明細書で説明するように、ミラー220a、220bから反射された光は、角度付けられた構造に対応するフォトマスク228の開口部を通り抜け得る。
【0054】
図2Aにも示されているように、光結合材料230は、容器の底面226とフォトマスク228との間に配置され得る。一実施形態では、光結合材料230は、基板214の上に注入される純水であり得る。光結合材料230は、底面226を通り抜ける光が、反射して戻るのではなく、フォトパターン化可能な材料212に結合することを可能にし得る。例の中で、造形システム200は、おそらくフォトパターン化可能な材料212と基板214との間、および/または基板214と不透明な材料216との間に、他の光結合材料を含み得る。
【0055】
図2Bは、例示的な実施形態によるアパーチャマスク210の上面図を示す。アパーチャマスク210は、光を通過させる不透明な特徴および透明な特徴を含み得る。不透明な特徴と透明な特徴の組み合わせは、開口部222a、222b、222c、および222dを含むアパーチャマスク210における様々な開口部を画定し得る。一例では、開口部222a、222dは角度付けられた構造に対応し得、開口部222c、222dは垂直構造に対応し得る。
【0056】
図2Cおよび
図2Dは、例示的な実施形態による、光学構成要素204の上面図および底面図をそれぞれ示す。
図2Bに示されるように、光学構成要素204の上面224は、放出された光がそれを通って光学構成要素204に進入し得る透明部分を含み得る。光学構成要素204に進入する光の少なくとも一部は、ミラー206aから光学構成要素204の底面226の透明部分に向かって反射され得る。
【0057】
図2A、
図2C、および
図2Dに提供される例示的な造形システム、および本明細書に付随する説明は、例示のみを目的としており、限定的であると見なされるべきではない。一例として、光学構成要素204はまた、迷光を除去するための構造および/またはデバイスを含み得る。構造は、迷光(例えば、反射して光学構成要素204に戻される光)を除去するために光学構成要素204に配置される暗いバッフルであり得る。別の例として、容器218の外部は、容器218に光結合材料208を充填し、そこから排出するための配管フィッティングを含み得る。さらに別の例として、容器218の外部は、気泡を除去するための構成要素のためのフィッティングを含み得る。さらに別の例として、ミラー206a、206bの各々の少なくとも一部は、ミラー206a、206bから反射された光の指向性を改善するためにマスキングされ得る。
【0058】
他の実施形態では、造形システム200はまた、基板214を光学構成要素204および/または光源202に位置合わせするための機械的および/または光学的特徴を含み得る。一例では、造形システム200は、基板214を位置合わせするために使用され得るステージ、固定具、光学デバイス(例えば、拡大デバイス)、および/または画像キャプチャデバイス(例えば、カメラ)を含み得る。一実施形態では、造形システム200は、基板214を出口表面(例えば、底面226)と接触させるために使用され得る線形ステージを含み得、光結合材料は、出口表面と基板214との間のギャップを満たしている。さらに、出口表面は、基板214を位置合わせするために使用することができる基準を含み得る。例えば、面内および回転の位置合わせは、出口表面上の基準をアパーチャマスク210上の特徴と位置合わせすることによって達成され得る。一実装形態では、ボックス上のマークとフォトマスク228上のマークを見抜くデジタルカメラで、2対の特徴が同時に観察され得る。
【0059】
b.光学素子を造形する例示的な方法
図3Aは、例示的な実施形態による、光学素子を造形または製造する方法300を示している。一実施形態では、方法300は、
図1Aを参照して図示および説明されるように、光学素子100を提供するために、
図2A~
図2Dに記載される造形システム200を使用することを含み得る。
図3Aは、
図4に関連して図示および説明される方法400に関連して説明されるブロックまたはステップのうち少なくともいくつかに関する例示的な図として役立ち得る。
【0060】
一実施形態では、方法300は、垂直構造および/または角度付けられた構造など、造形する所望の構造を決定することを伴い得る。さらに、方法300は、所望の構造のパラメータを決定することを伴い得る。例えば、方法300は、所望の構造の寸法を決定することを伴い得る。さらに、所望の角度付けられた構造の場合、方法300は、所望の傾斜角を決定することを伴い得る。例えば、所望の傾斜角は±45度であり得る。
【0061】
上で説明したように、角度付けられた構造の所望の傾斜角は、ミラー配向角度を決定し得る。したがって、方法300はまた、スネルの法則を用いて決定され得るミラー配向角度θ
a、θ
bを決定することを伴い得る。スネルの法則によれば、入射角と屈折角の正弦の比率は、屈折率の比率の逆数に相当し、これは、次の式で表される:
【数1】
【0062】
フォトパターン化可能な材料212における屈折の所望の角度(θ2)、光結合材料208の屈折率(n1)、およびフォトパターン化可能な材料212の屈折率(n2)は公知であり、所望の入射角を計算するために使用され得る。例えば、入射角は、垂直入射から15~45度(これらを含む)の角度範囲内であり得る。他の角度が可能であり、動的に変化する入射角も同様に可能であることが理解されよう。
【0063】
入射角に基づいて、ミラー配向角θa、θbが計算され得る。特に、角度θa、θbは、ミラー206a、206bによって反射された光が所望の入射角でフォトパターン化可能な材料212に入射し得るように計算され得る。角度θa、θbが計算されると、方法300はまた、ミラー206a、206bが角度θa、θbに位置付けられるように、調整可能な結合構成要素220a、220bを調整することを伴い得る。
【0064】
方法300はまた、フォトパターン化可能な材料212が重ねられた基板214を含むウェーハを提供することを伴い得る。そのようなシナリオでは、基板214を提供することは、フォトレジストを基板214上に堆積させ、続いてフォトレジストをベーキングすることによって、フォトパターン化可能な材料212を調製することを伴い得る。さらに、ウェーハを提供することは、光結合材料230をウェーハ上に配設することを含み得る。さらに、ウェーハを提供することは、ウェーハを光学構成要素204と位置合わせすることを伴い得る。本明細書で説明するように、ウェーハを位置合わせすることは、出口表面226上の基準をフォトマスク228上の特徴と位置合わせすることを伴い得る。
【0065】
方法300はまた、光源202に光学構成要素204に方向付けられる光を放出させることを伴い得る。例えば、光源202は、光学構成要素204の上面224全体にわたって実質的に均一な照射強度として、光学構成要素204に向かって光を放出し得る。光源202が光学構成要素204の上に位置付けられていない例示的なシステムでは、光源202からの光は、1つ以上の光学素子(例えば、ミラー、光ガイドなど)を介して光学構成要素204に方向転換され得る。
【0066】
一実施形態では、放出された光は、上面に対して垂直または実質的に垂直である光で上面を照射することができるp偏光された高度にコリメートされた光であり得る。
図3Aでは、放出された光は、光線302a、304a、306a、308aなどの光線によって表されている。
図3Aに示されるように、光線302a、304a、306a、308aは、光学構成要素204の上面224に対して垂直または実質的に垂直であり得る。
【0067】
放出された光は、上面224の透明部分を通って光学構成要素204に進入し得る。この例では、アパーチャマスク210が上面224に結合され得る。したがって、アパーチャマスク210は、放出された光の一部を光学構成要素204に選択的に進入させ得る。例えば、アパーチャマスク210は、放出された光の特定の部分を、開口部222a~222dを通して進入させ得る。
図3Aに示されるように、光308aは、開口部222aを通って進入し得、光306aは、開口部222bを通って進入し得、光302aは、開口部222cを通って進入し得、光304aは、開口部222dを通って進入し得る。
【0068】
上で説明したように、開口部222a~222dの各々は、フォトパターン化可能な材料212における露光のためのそれぞれの所望の構造に対応し得る。したがって、各開口部を通過するそれぞれの光は、開口部に対応するそれぞれの所望の構造に対応し得る。例として、開口部222bおよび222cは、フォトパターン化可能な材料212において造形するための垂直構造に対応し得る。したがって、開口部222b、222cを通過する光の部分は、フォトパターン化可能な材料212における垂直構造を露光し得る。
【0069】
説明のために、開口部222bを検討する。
図3Aに示されるように、光306aは、開口部222bを通過して、光学構成要素204に進入し得る。光306aは、光結合材料208を通過し得、光306bとして底面226を通って光学構成要素204を出得る。光306bは、光結合材料230を介して結合されて、底部または出口表面226を出得る。光306bは、フォトマスク228の開口部を垂直に通過し得る。光306bは、フォトパターン化可能な材料212に対して垂直または実質的に垂直であり得る。したがって、光306bによって露光される特徴316は、フォトパターン化可能な材料212の垂直または実質的に垂直な領域である。
【0070】
同様に、光302aは、開口部222cを通過して、フォトパターン化可能な材料212の垂直または実質的に垂直な領域310を露光し得る。特徴310を露光する光は、
図3Aに光302bとして示されている。例の中で、特徴310および316の寸法は、他の要因の中でもとりわけ、露光時間、ランプの電力、および/または開口部222b、222cの寸法を含むいくつかの要因に依存し得る。
【0071】
他方、開口部222aおよび222dは、フォトパターン化可能な材料212における露光のための角度付けられた構造に対応し得る。したがって、開口部222a、222dを通過する光は、フォトパターン化可能な材料212内の角度付けられた構造を露光し得る。
【0072】
これを説明するために、開口部222aを検討する。光308aは、開口部222aを通過して、光学構成要素204に進入し得る。光308aは、光結合材料208を通って進み、光308bとしてミラー206aを照射し得る。光308bの部分308cは、ミラー206aで反射され得る。反射光308cは、光308dとして光学構成要素204を出る前に、光結合材料208を通って進み得る。特に、光308dは、光結合材料230に結合することによって光学構成要素204を出得る。次に、光308dは、フォトパターン化可能な材料212を照射するために、フォトマスク228を通り抜け得る。
【0073】
図3Aに示されるように、光308dは、フォトパターン化可能な材料212の一部をある角度で照射し得る。上で説明したように、入射角は、所望の構造の所望の傾斜角に基づいて計算され得る。したがって、光308dは、フォトパターン化可能な材料212において、所望の屈折角で屈折され得る。フォトパターン化可能な材料212内の屈折光は、フォトパターン化可能な材料212の角度付けられた領域312を露光し得る。角度付けられた領域の傾斜角は、所望の傾斜角または実質的に所望の傾斜角であり得る。
【0074】
同様に、光304aは、開口部222cを通過して、フォトパターン化可能な材料212の角度付けられた領域314を露光し得る。特に、光304aの一部304bは、ミラー206bに入射し得、光304bの部分304cは、ミラー206bで反射され得る。光304cの部分304dは、フォトマスク228を通り抜けて、計算された入射角でフォトパターン化可能な材料212を照射し、それによって、角度付けられた領域314を露光し得る。例の中で、特徴312および314の寸法は、他の要因の中でもとりわけ、露光時間、ランプの電力、および/または開口部222a、222cの寸法を含むいくつかの要因に依存し得る。
【0075】
図3Bは、例示的な実施形態による、方法300の斜視図を示している。特に、方法300は、ウェーハ320上の1つ以上のダイを露光することを伴い得る。例えば、方法300は、ウェーハ320上の2つのダイを露光することを伴い得る。特に、垂直構造および角度付けられた構造は、各ダイにおいて露光され得る。一実施形態では、一方のダイは、垂直構造および第1の角度(例えば、+45度)の角度付けられた構造を含み得、他方のダイは、垂直構造および第2の角度(例えば、-45度)の角度付けられた構造を含み得る。別の実施形態では、方法300は、垂直構造の2つの領域および角度付けられた構造の2つの領域を有する単一のダイを露光することを伴い得る。
【0076】
図3Bに示されるように、放出された光308a、306a、304a、および302aは、光学構成要素204に進入し得る。
図3Bにも示されるように、光306a、302aの一部は、光学構成要素204を垂直に進み得、ウェーハに対して垂直な角度でウェーハ320を露光し得、それにより、ウェーハ320の両方のダイの垂直構造を露光する。また、光308a、304aは、ウェーハ320に対して非垂直角度でウェーハ320を露光するために、それぞれミラー206a、206bで反射され得、それにより、ウェーハ320の両方のダイにおいて角度付けられた構造を露光する。より具体的には、光308aおよび光304aは、90度だけオフセットされた角度でウェーハ320を露光するので、それぞれの角度付けられた構造の傾斜角もまた、90度だけオフセットされ得る。例えば、一方のダイは、ウェーハ320の表面に対して+45度の傾斜角を有する角度付けられた構造を含み得、他方のダイは、ウェーハ320の表面に対して-45度の傾斜角を有する角度付けられた構造を含み得る。他の角度も可能である。
【0077】
図3Bに示されるように、ミラー206aおよび206bで反射された光は、重なり合い得る。ギザギザの構造を作り出す可能性のある、ウェーハ320を露光するときに光が重なり合うのを回避するために、光学構成要素204は、ウェーハ320の中心に影を落とす、光学構成要素204の中心近く位置付けられたバーを含み得る。ウェーハ320の中心に影を落とすことは、ウェーハ320上の領域が2つの異なる非垂直角度によって露光されるのを回避することに役立つ。
【0078】
図3Cは、フォトパターン化可能な材料212の現像時の断面プロファイルを示すブロック340を示している。特に、特徴310、312、314、316の露光およびフォトパターン化可能な材料212の現像後、特徴310、312、314、316を除去して、基板214の表面を露出させ得る。さらに、レジスト特徴242は、レジスト現像後に残り得る。
【0079】
図4は、例示的な実施形態による、方法400を示す。方法400は、
図3A~
図3Cを参照して図示および説明される製造ステップもしくはブロックのうちのいくつかまたは全てとして、少なくとも部分的に実行され得る。方法400は、本明細書において明示的に開示されたものよりも少ないまたは多いステップまたはブロックを含み得ることが理解されよう。さらに、方法400のそれぞれのステップまたはブロックは、任意の順序で実行され得、各ステップまたはブロックは、1回以上実行され得る。
【0080】
ブロック402は、基板を光学構成要素の一方の端部の近くに配置することを含み、それらの間に光結合材料(例えば、液体またはゲル)配置され、フォトレジスト材料が基板の上面の少なくとも一部に重なっており、光学構成要素は、(i)光結合材料を収容する容器、および(ii)ミラーを備える。
【0081】
ブロック404は、光源によって光を光学構成要素内へ放出することを含み、ミラーは、光の少なくとも一部を反射して、フォトレジスト材料を所望の角度で照射し、それによって、フォトレジスト材料内の角度付けられた構造の少なくとも一部を露光する。例示的な実施形態では、光源は、コリメートレンズに光学的に結合させることができる。さらに、光源は、紫外線(UV)光源であり得る。さらにまた、光源は、フォトリソグラフィステッパまたはコンタクトリソグラフィシステムの一部であり得る。他のタイプのフォトリソグラフィシステムが想定され、可能である。
【0082】
さらに、方法400は、光学構成要素の表面にアパーチャマスクを重ねることを伴い得、アパーチャマスクは、1つ以上の開口部を含み、各開口部は、フォトレジスト材料のそれぞれの所望の構造に対応する。
【0083】
さらに、方法400は、基板の表面の近くにフォトマスクを重ね合わせることを伴い得る。特に、フォトマスクは、基板の上面を覆うフォトレジスト材料の上に位置付けられ得る。一実施形態では、フォトマスクを使用して、フォトレジスト材料内の所望の光ガイド構造を画定し得る。
【0084】
さらに、方法400は、フォトレジスト材料を現像してフォトレジスト材料の細長い部分を基板上に保持することを伴い得、細長い部分の第1の端部は角度付けられた構造を備え、角度付けられた構造は、基板の上面に対して所定の角度で傾斜している。
【0085】
さらに、方法400は、基板の上面が容器の底面に面するように、基板を光結合材料に浸漬することを伴い得る。このような浴は、水のような液体、または別のタイプの流体を含むことができる。このようなシナリオでは、光源をフォトレジスト材料に照射することは、光源をフォトレジスト材料に、液体の少なくとも一部を介して照射することを含むことができる。様々な異なる液浸リソグラフィ技術が、本開示の文脈内で可能であることが理解されよう。全ての他のこのような液浸リソグラフィ技術が本明細書において想定される。
【0086】
本明細書における実施形態は、大面積露光によるフォトリソグラフィを参照して説明されているが、本明細書における光学素子、角度付けられた部分、および他の構造の定義は、数ある技術の中でも、レーザ直接描画リソグラフィおよび/または電子ビームリソグラフィのような直接描画リソグラフィ技術を使用して提供され得ることが理解されよう。全てのこのような他の技術が、本明細書において可能であり、想定される。
【0087】
c.追加の実施形態
図5A~
図5Eは、例示的な実施形態による、光学素子を造形するための造形システムの追加の例示的な実施形態を示す。特に、各実施形態は、垂直および/または角度付けられた構造を含む光学素子を造形するように構成され得る。
【0088】
図5Aは、例示的な実施形態による、造形システム500を示す。造形システム500は、光源502、光学構成要素504、および基板512を含み得る。
図5Aに示されるように、基板512は、フォトマスク520を含み得る。フォトマスク520は、基板512上に直接造形されるフォトマスク(例えば、クロムフォトマスク)であり得る。フォトパターン化可能な材料514は、基板512の上面に堆積され得る。さらに、光結合材料524は、基板512と光学構成要素504の出口面との間に配設され得る。光学構成要素504は、光結合材料544およびミラー506a、506bを収容する容器を含み得る。さらに、造形システム500は、光源502に近接する光学構成要素504の表面の近くに配置されるアパーチャマスク518を含み得る。
【0089】
この実施形態では、所望の光ガイド構造を造形するために、基板512は、その裏面(すなわち、フォトパターン化可能な材料514が重ねられた表面とは反対側の表面)を通して露光され得る。特に、光源502は、アパーチャマスク518を通過する光を放出し得る。アパーチャマスク518は、光をマスクの開口部に選択的に通過させることによって、異なる角度の光のおおよそのフィールドを画定し得る。特に、一部の光は、ミラー506a、506bで反射されて、光結合材料544を通ってある角度で進み得、他の光は、光結合材料544を通って垂直に進み得る。
【0090】
角度付けられた光と垂直な光の両方が、光学構成要素504の出口面を通って出て、基板512の裏面を通って基板512に進入し得る。光は、基板512を通って進み、基板512の上面(すなわち、フォトパターン化可能な材料514が重ねられた表面)を通って出得る。フォトマスク520は、光を基板512から選択的に出させ得る。上で説明したように、フォトマスク520の開口部は、垂直構造または角度付けられた構造に対応し得る。したがって、フォトマスク520を通り抜ける光は、フォトパターン化可能な材料514内の光ガイド構造を露光し得る。
【0091】
図5Bは、例示的な実施形態による、光学素子を造形するための造形システム530を示している。この実施形態では、基板512は、光結合材料544に浸漬されている。例の中で、光学構成要素504は、基板512を浸漬するための1つ以上の機械的構成要素を含み得る。さらに、基板512の上面が光学素子の入光面(すなわち、その近くにアパーチャマスク518が配設される表面)に面するように、基板が浸漬される。
図5Bに示されるように、フォトマスク516は、フォトパターン化可能な材料514の近くに配置され得る。さらに、不透明な材料519が基板512の裏面に配置され得る。
【0092】
この実施形態では、フォトパターン化可能な材料514は、光源502から放出された光によって露光され得る。特に、放出された光は、アパーチャマスク518を通過することによって光学構成要素504に進入し得、アパーチャマスク518は、一部の光を光結合材料544に垂直に進ませるように方向付ける一方、他の光をミラー506a、506bで反射させることによってある角度で進むように方向付けることによって、露光光の角度をおおまかに画定する。次に、露光光は、フォトパターン化可能な材料514内の個々の光ガイド構造を画定するフォトマスク516の開口部を通り抜けさせることによって、フォトパターン化可能な材料514を露光し得る。
【0093】
図5Cは、例示的な実施形態による、光学素子を造形するための造形システム571を示している。
図5Bの実施形態のように、光源502は、光学構成要素504の下に配置されている。しかしながら、ここでは、基板512は、光結合流体544に浸漬されるのではなく、光学構成要素504の上に配置されている。一実施形態では、基板512は、光結合材料(例えば、純水)で満たされた第2の容器内に配置され得る。第2の容器は、光学構成要素504の容器の上に配置され得る。さらに、アパーチャマスク518は、光学構成要素504の入光面またはその近くに配置され得る。この実施形態は、光学構成要素504に不純物を導入することなく、造形システムの使用を容易にし得る。
【0094】
図5Dは、例示的な実施形態による、造形システム571の異なる図を示している。
図5Dに示されるように、造形システム571は、光学構成要素504の容器の上に配置された第2の容器582を含み得る。第2の容器582は、上側から開放され得る。反対側は、光学構成要素504の上に直接配置され得る。さらに、この実施形態では、基板512は、光学構成要素504の光出口面の上に配置され得る。さらに、一実装形態では、アパーチャマスク518は、光学構成要素504の出口面として機能し得る。
【0095】
図5Eは、例示的な実施形態による造形システム560を示す。一実施形態では、造形システム560は、単一のウェーハ上に複数のダイを露光するように構成され得る。一例では、造形システム560は、200mm基板上の2つのダイを同時に露光するように構成され得る。別の例では、造形システム560は、200mm基板上の4つのダイを同時に露光するように構成され得る。
【0096】
図5Eに示されるように、造形システム560は、アパーチャマスク578と、(i)光結合材料(図示せず)、および(ii)4つのミラー570、572、574、576を含む光学素子と、を含み得る。一例では、造形システム560は、ウェーハ562上の4つのダイの各々において垂直構造および角度付けられた構造を露光するように構成され得る。したがって、アパーチャマスク578は、各ダイ上の垂直構造および角度付けられた構造のためのそれぞれの開口部を含み得る。すなわち、各ダイは、ウェーハ562に対して垂直な露光光によって露光され得る。さらに、各ダイは、ミラー570、572、574、または576のそれぞれで反射される光によって露光され得る。
【0097】
IV.結論
本開示は、本出願に記載の特定の実施形態に関して限定されるものではなく、特定の実施形態は、様々な態様の例証として意図される。当業者には明らかなことであるが、多くの変形および変更を本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく行うことができる。本明細書において列挙される方法および装置に加えて、本開示の範囲内の機能的に同等の方法および装置は当業者には、これまでの説明から明らかであろう。このような変形および変更は、添付の特許請求の範囲内にあることが意図されている。
【0098】
上記の詳細な説明は、添付の図面を参照して、開示されたシステム、デバイス、および方法の様々な特徴および機能を説明している。図では、特に文脈で記載しない限り、同様の記号は通常、同様の構成要素を指している。本明細書および図に記載されている例示的な実施形態は、限定することを意図していない。本明細書において提示される主題の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更を行うことができる。本明細書で概して説明され、かつ図に例証されている、本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置、置換、組み合わせ、分離、および設計することができ、その全てが、本明細書において明示的に想定されていることが容易に理解されよう。
【0099】
上に説明した方法のブロックのような情報の処理を表すブロックは、本明細書で説明される方法または技術の特定の論理機能を実行するように構成することができる回路に対応することができる。代替的に、または追加的に、情報の処理を表すブロックは、モジュール、セグメント、またはプログラムコード(関連データを含む)の一部に対応することができる。プログラムコードは、特定の論理機能または動作を方法または技術において実行するプロセッサにより実行可能な1つ以上の命令を含むことができる。プログラムコードおよび/または関連データは、ディスクまたはハードドライブまたは他の記憶媒体を含む記憶デバイスのような任意のタイプのコンピュータ可読媒体に格納することができる。
【0100】
コンピュータ可読媒体は、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびランダムアクセスメモリ(RAM)のような、データを短期間にわたって格納するコンピュータ可読媒体のような非一時的なコンピュータ可読媒体を含むこともできる。コンピュータ可読媒体は、例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、光ディスクもしくは磁気ディスク、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)のような補助ストレージまたは永続長期ストレージのような、プログラムコードおよび/またはデータを長期間にわたって格納する非一時的なコンピュータ可読媒体を含むこともできる。コンピュータ可読媒体は、任意の他の揮発性または不揮発性記憶システムとすることもできる。コンピュータ可読媒体は、例えば、コンピュータ可読記憶媒体、または有形の記憶デバイスであると考えることができる。
【0101】
さらに、1つ以上の情報送信を表すブロックは、同じ物理デバイス内のソフトウェアモジュールおよび/またはハードウェアモジュールの間の情報送信に対応することができる。しかしながら、他の情報送信は、異なる物理デバイス内のソフトウェアモジュールおよび/またはハードウェアモジュールの間で行うことができる。
【0102】
図に示す特定の配置は、限定としてみなされるべきではない。他の実施形態が、所与の図に示される各要素をそれより多く、またはそれより少なく含み得ることを理解されたい。さらに、図示の要素のうちのいくつかを組み合わせることも、または省略することもできる。またさらに、例示的な実施形態が、図に示されていない要素を含むこともできる。
【0103】
様々な態様および実施形態が本明細書において開示されているが、当業者には、他の態様および実施形態が明らかとなるであろう。本明細書に開示される様々な態様および実施形態は、例証を目的とするものであり、限定することを意図するものではなく、真の範囲は、以下の特許請求の範囲によって示される。