(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】モレキュラーシーブSSZ-63を調製する方法
(51)【国際特許分類】
C01B 39/48 20060101AFI20221116BHJP
【FI】
C01B39/48
(21)【出願番号】P 2021529836
(86)(22)【出願日】2019-11-27
(86)【国際出願番号】 IB2019060209
(87)【国際公開番号】W WO2020110014
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-11-19
(32)【優先日】2018-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503148834
【氏名又は名称】シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シエ、ダン
【審査官】田口 裕健
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-512273(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0341947(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0291822(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 39/20-39/54
B29J 29/00-29/90
JSTPlus/JST7580/JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
SSZ-63の構造を有するモレキュラーシーブを合成する方法であって、
(a)
(1)酸化ケイ素源;
(2)酸化アルミニウム源;
(3)第1族または第2族金属(M)源;
(4)ジ(シクロペンチルメチル)ジメチルアンモニウムカチオンを含む構造指向剤(Q);
(5)水酸化物イオン源;および
(6)水
を含む反応混合物を用意するステップと;
(b)前記反応混合物を、前記モレキュラーシーブの結晶を形成するのに十分な結晶化条件に供するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記反応混合物が、モル比に関して、以下の通りの組成を有する、請求項1に記載の方法。
【表1】
【請求項3】
前記反応混合物が、モル比に関して、以下の通りの組成を有する、請求項1に記載の方法。
【表2】
【請求項4】
前記結晶化条件が125℃~200℃の温度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
SSZ-63の構造を有するモレキュラーシーブであって、その合成されたままの形態で、その細孔にジ(シクロペンチルメチル)ジメチルアンモニウムカチオンを含
み、
10~200の範囲のSiO
2
/Al
2
O
3
のモル比を有する、モレキュラーシーブ。
【請求項6】
15~100の範囲のSiO
2
/Al
2
O
3
のモル比を有する、請求項5に記載のモレキュラーシーブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モレキュラーシーブSSZ-63の合成、ならびに吸着および触媒プロセスにおけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ゼオライト材料は、吸着剤としての有用性を有し、様々なタイプの有機変換反応のための触媒特性を有することが知られている。ある特定のゼオライト材料は、X線回折によって決定される明確な結晶構造を有する規則正しい多孔質結晶性材料である。ゼオライト結晶材料内には、いくつかのより小さいチャネルまたは細孔によって相互接続され得る多数の空洞が存在する。これらの空洞および細孔は、特定のゼオライト材料内でサイズが均一である。これらの細孔の寸法は、より大きな寸法のものを排除しながらある特定の寸法の収着分子を受け入れるようなものであるため、これらの材料は「モレキュラーシーブ」として知られるようになり、これらの特性の利点を活かすために様々な方法で利用されている。
【0003】
モレキュラーシーブSSZ-63の組成および特徴的な粉末X線回折パターンは、米国特許第6,733,742号明細書に開示されており、これはまた、構造指向剤としてN-シクロデシル-N-メチルピロリジニウムカチオンを使用するモレキュラーシーブの合成も記載している。
【0004】
A.W.Burtonら(J.Phys.Chem.B 2005、109、20266~20275)によると、SSZ-63は構造的にゼオライトベータに関連している。ゼオライトベータは、12員環の窓によって区切られた細孔の三次元系を有する。従来のゼオライトベータは、ほぼ等しい割合の2つのポリタイプ、ポリタイプAとポリタイプBのランダムな連晶として記載され得るが、SSZ-63は、約60~70%のポリタイプCH特性を有するベータポリタイプBとCHのランダムな連晶として記載され得る。ポリタイプCHは、J.B.Higginsら(Zeolites 1988、8、446~452およびZeolites 1989、9、358)によって提案された仮説上のポリタイプCであり、本質的にポリタイプAとポリタイプBの規則正しい連晶である。
【0005】
米国特許第9,878,916号明細書は、構造指向剤として1-(デカヒドロナフタレン-2-イル)-1-メチルピロリジニウムカチオンを使用するSSZ-63の合成を開示している。
【0006】
本開示によると、ジ(シクロペンチルメチル)ジメチルアンモニウムカチオンが、SSZ-63の合成における構造指向剤として有効であり得ることがここで見出された。
【発明の概要】
【0007】
一態様では、SSZ-63の構造を有するモレキュラーシーブを合成する方法であって、(a)(1)酸化ケイ素源;(2)酸化アルミニウム源;(3)第1族または第2族金属(M)源;(4)ジ(シクロペンチルメチル)ジメチルアンモニウムカチオンを含む構造指向剤(Q);(5)水酸化物イオン源;および(6)水を含む反応混合物を用意するステップと;(b)その反応混合物を、モレキュラーシーブの結晶を形成するのに十分な結晶化条件に供するステップとを含む方法が提供される。
【0008】
別の態様では、SSZ-63の構造を有し、その合成されたままの形態で、その細孔にジ(シクロペンチルメチル)ジメチルアンモニウムカチオンを含むモレキュラーシーブが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】例1の合成されたままの生成物の粉末X線回折(XRD)パターンを示す図である。
【0010】
【
図2】例1の合成されたままの生成物の走査型電子顕微鏡写真(SEM))像を示す図である。
【0011】
【
図3】例3の合成されたままのモレキュラーシーブ生成物のSEM像を示す図である。
【0012】
【
図4】例7の焼成生成物の粉末XRDパターンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
導入
「合成されたままの(as-synthesized)」という用語は、本明細書では、結晶化後、構造指向剤を除去する前の形態のモレキュラーシーブを指すために使用される。
【0014】
「無水」という用語は、本明細書では、物理的に吸着された水と化学的に吸着された水の両方を実質的に含まないモレキュラーシーブを指すために使用される。
【0015】
本明細書で使用される場合、周期表の族の番号付けスキームは、Chem.Eng.News 1985、63(5)、26~27に開示される通りである。
【0016】
反応混合物
一般に、SSZ-63のフレームワーク構造を有するモレキュラーシーブは、(a)(1)酸化ケイ素源;(2)酸化アルミニウム源;(3)第1族または第2族金属(M)源;(4)ジ(シクロペンチルメチル)ジメチルアンモニウムカチオンを含む構造指向剤(Q);(5)水酸化物イオン源;および(6)水を含む反応混合物を用意するステップと;(b)反応混合物を、モレキュラーシーブの結晶を形成するのに十分な結晶化条件に供するステップとによって合成され得る。
【0017】
モレキュラーシーブが形成され得る反応混合物の組成は、モル比に関して、以下の表1で特定される:
【表1】
【0018】
適切な酸化ケイ素源には、コロイドシリカ、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、アルカリ金属ケイ酸塩およびテトラアルキルオルトケイ酸塩が含まれる。
【0019】
適切な酸化アルミニウム源には、水和アルミナおよび水溶性アルミニウム塩(例えば、硝酸アルミニウム)が含まれる。
【0020】
追加的または代替的に、組み合わせた酸化ケイ素源と酸化アルミニウム源を使用することができ、これには、アルミノシリケートゼオライト(例えば、ゼオライトY)および粘土または処理粘土(例えば、メタカオリン)が含まれ得る。
【0021】
適切な第1族または第2族金属(M)の例には、ナトリウム、カリウムおよびカルシウムが含まれる。金属は、一般に、水酸化物として反応混合物中に存在する。
【0022】
有機構造指向剤(Q)は、以下の構造(1)によって表されるジ(シクロペンチルメチル)ジメチルアンモニウムカチオンを含む:
【化1】
【0023】
適切なQ源は、第四級アンモニウム化合物の水酸化物および/または他の塩である。
【0024】
反応混合物は、反応混合物の0.01~10,000重量ppm(例えば、100~5000重量ppm)の量の、前の合成からのSSZ-63などのモレキュラーシーブ材料の種を含有し得る。シーディングは、完全な結晶化が起こるのに必要な時間量を短縮するのに有利であり得る。さらに、シーディングは、望ましくない相にわたるSSZ-63の核形成および/または形成を促進することによって得られる生成物の純度の増加をもたらし得る。
【0025】
本明細書に記載される各実施形態について、モレキュラーシーブ反応混合物は、2つ以上の供給源によって供給することができる。また、2つ以上の反応成分を1つの供給源によって提供することができる。
【0026】
反応混合物は、バッチ式または連続式のいずれかで調製することができる。本明細書に記載されるモレキュラーシーブの結晶サイズ、形態および結晶化時間は、反応混合物の性質および結晶化条件によって変化し得る。
【0027】
結晶化および合成後処理
上記反応混合物からのモレキュラーシーブの結晶化は、使用される温度で結晶化が起こるのに十分な時間、例えば50~500時間、125℃~200℃の温度で、ポリプロピレンジャーまたはテフロン(登録商標)ライニングもしくはステンレス鋼オートクレーブなどの適切な反応容器中で、静的、タンブリングまたは撹拌条件下で行うことができる。結晶化は通常、反応混合物が自生圧力を受けるようにオートクレーブ中で行う。
【0028】
モレキュラーシーブ結晶が形成したら、固体生成物を、遠心分離または濾過などの標準的な機械的分離技術によって反応混合物から回収する。結晶を水洗し、次いで、乾燥させて、合成されたままのモレキュラーシーブ結晶を得る。乾燥ステップは、典型的には200℃未満の温度で実施する。
【0029】
結晶化プロセスの結果として、回収された結晶性モレキュラーシーブ生成物は、その細孔構造内に、合成に使用された構造指向剤の少なくとも一部を含有する。
【0030】
所望の程度まで、合成されたままのモレキュラーシーブ中のカチオンを、他のカチオンとのイオン交換によって当技術分野で周知の技術に従って置き換えることができる。好ましい置換カチオンには、金属イオン、水素イオン、水素前駆体(例えば、アンモニウム)イオンおよびそれらの混合物が含まれる。特に好ましい置換カチオンは、ある特定の有機変換反応のために触媒活性を適合させるものである。これらには、水素、希土類金属、および元素周期表の第2族~第15族の金属が含まれる。
【0031】
本明細書に記載されるモレキュラーシーブは、その合成に使用された構造指向剤の一部または全部を除去するためのその後の処理に供され得る。これは、合成されたままの材料を少なくとも370℃の温度で少なくとも1分間および24時間以下加熱することができる熱処理によって好都合に行うことができる。熱処理は、最大925℃の温度で実施することができる。亜大気圧および/または超大気圧を熱処理に使用することができるが、典型的には、便宜上大気圧が望ましくなり得る。追加的または代替的に、構造指向剤を、オゾンによる処理によって除去することができる(例えば、A.N.Parikhら、Micropor.Mesopor.Mater.2004、76、17~22参照)。
【0032】
モレキュラーシーブの特性評価
その合成されたままの無水形態では、本モレキュラーシーブは、表2に記載される以下のモル関係を含む化学組成を有し得る:
【表2】
ここで、組成可変要素QおよびMは、本明細書で上記の通りである。
【0033】
本モレキュラーシーブの合成されたままの形態は、合成されたままの形態を調製するために使用された反応混合物の反応物のモル比とは異なるモル比を有し得ることに留意すべきである。この結果は、(反応混合物から)形成された結晶への反応混合物の反応物の100%の不完全な組み込みにより起こり得る。
【0034】
米国特許第6,733,742号明細書によって教示されるように、モレキュラーシーブSSZ-63は、その合成されたままの形態では、少なくとも以下の表3に示されるピークを含み、その焼成形態では、少なくとも表4に示されるピークを含む粉末X線回折パターンを有する。
【表3】
【表4】
【0035】
本明細書で提示される粉末X線回折パターンは、標準的な技術によって収集した。放射線はCuKα線とした。2θ(θはブラッグ角である)の関数としてのピーク高さおよび位置をピークの相対強度(バックグラウンドについて調整)から読み取り、記録された線に対応する面間隔dを計算することができる。
【0036】
回折パターンのわずかな変動は、格子定数の変化によるサンプルのフレームワーク種のモル比の変動から生じ得る。さらに、不規則な材料および/または十分に小さい結晶は、ピークの形状および強度に影響を及ぼし、有意なピークの広がりをもたらす。回折パターンのわずかな変動はまた、調製に使用される有機化合物の変動からも生じ得る。焼成もまた、XRDパターンのわずかなシフトを引き起こす可能性がある。これらのわずかな摂動にもかかわらず、基本的な結晶格子構造は変化しないままである。
【0037】
吸着および触媒
本明細書に記載される方法に従って調製された結晶性モレキュラーシーブは、現在の商業的/工業的重要性の多くを含む多種多様な有機変換プロセスを触媒するための吸着剤または触媒として使用され得る。SSZ-63によって単独で、または他の結晶性触媒を含む1種もしくは複数の他の触媒活性物質と組み合わせて有効に触媒される化学変換プロセスの例には、酸活性を有する触媒を必要とするものが含まれる。SSZ-63によって触媒され得る有機変換プロセスの例には、アルキル化、クラッキング、水素化分解、不均化、オリゴマー化および異性化が含まれ得る。
【0038】
本明細書に記載される方法に従って調製されるSSZ-63は、自動車のコールドスタート排出用の炭化水素トラップ(例えば、プレ触媒コンバータ吸着剤)として使用され得る。
【0039】
多くの触媒の場合のように、SSZ-63を、有機変換プロセスで使用される温度および他の条件に耐性のある別の材料と組み込むことが望ましい場合がある。そのような材料には、活性材料および不活性材料ならびに合成ゼオライトまたは天然に存在するゼオライト、ならびに粘土、シリカおよび/またはアルミナなどの金属酸化物などの無機材料が含まれ得る。後者は、天然に存在するか、またはシリカと金属酸化物の混合物を含むゼラチン状沈殿物もしくはゲルの形態であり得る。活性であるSSZ-63(すなわち、新しい材料と組み合わされるか、または新しい材料の合成中に存在する)と合わせた材料の使用は、ある特定の有機変換プロセスにおける触媒の変換および/または選択性を変化させる傾向がある。不活性材料は、反応速度を制御するための他の手段を使用することなく経済的かつ規則的な方法で生成物を得ることができるように、所与のプロセスにおける変換量を制御するための希釈剤として適切に働くことができる。これらの材料は、商業的操作条件下での触媒の圧壊強度を改善するために、天然に存在する粘土(例えば、ベントナイトおよびカオリン)に組み込まれ得る。これらの材料(すなわち、粘土、酸化物など)は、触媒の結合剤として機能することができる。商業用途では、触媒が粉末状材料に分解するのを防ぐことが望ましくなり得るため、良好な圧壊強度を有する触媒を提供することが望ましくなり得る。これらの粘土および/または酸化物結合剤は、通常、触媒の圧壊強度を改善する目的でのみ使用されてきた。
【0040】
SSZ-63と複合化することができる天然に存在する粘土には、モンモリロナイトおよびカオリンファミリーが含まれ、これらのファミリーには、サブベントナイト(sub-bentonite)、ならびにDixie、McNamee、GeorgiaおよびFlorida粘土として一般に知られているカオリン、または主鉱物成分がハロイサイト、カオリナイト、ディッカイト、ナクライトもしくはアナウキサイトである他のものが含まれる。そのような粘土は、当初採鉱されたままの未加工状態で使用することができる、または最初に焼成、酸処理もしくは化学修飾に供することができる。SSZ-63との複合化に有用な結合剤には、追加的または代替的に、シリカ、ジルコニア、チタニア、マグネシア、ベリリア、アルミナおよびそれらの混合物などの無機酸化物が含まれ得る。
【0041】
前記材料に加えて、SSZ-63は、シリカ-アルミナ、シリカ-マグネシア、シリカ-ジルコニア、シリカ-トリア、シリカ-ベリリア、シリカ-チタニア、ならびにシリカ-アルミナ-トリア、シリカ-アルミナ-ジルコニア、シリカ-アルミナ-マグネシアおよびシリカ-マグネシア-ジルコニアなどの三元組成物などの多孔質マトリックス材料と複合化することができる。
【0042】
SSZ-63と無機酸化物マトリックスの相対的割合は大きく異なり得、SSZ-63含有量は複合体の1~90重量%(例えば、2~80重量%)の範囲である。代表的なマトリックス含有量は、複合体の10~50重量%の範囲であり得る。
【0043】
例
以下の例示的な例は、非限定的であることを意図している。
【0044】
例1
脱イオン水1.21g、50%NaOH水溶液0.26g、27.24%ジ(シクロペンチルメチル)ジメチルアンモニウムヒドロキシド溶液1.34gおよびCBV720 Y-ゼオライト粉末1.00g(Zeolyst International、SiO2/Al2O3モル比=30)をテフロン(登録商標)ライナー内で合わせて混合した。得られたゲルを均質になるまで撹拌した。次いで、ライナーに蓋をし、Parr社の鋼オートクレーブ反応器内に配置した。次いで、オートクレーブをオーブンに入れ、静的条件下、160℃で6日間加熱した。固体生成物を遠心分離によって回収し、脱イオン水で洗浄し、95℃で乾燥させた。
【0045】
合成されたままの生成物の粉末XRDパターンは
図1に示されており、生成物がSSZ-63であることと一致する。合成されたままの生成物のSEM像は
図2に示されており、均一な結晶場を示している。
【0046】
生成物は、ICP元素分析によって決定されるように、SiO2/Al2O3モル比26.1を有していた。
【0047】
例2
脱イオン水18.44g、50%NaOH水溶液0.77g、27.24%ジ(シクロペンチルメチル)ジメチルアンモニウムヒドロキシド溶液4.03gおよびCBV720 Y-ゼオライト粉末3.00g(Zeolyst International、SiO2/Al2O3モル比=30)をテフロン(登録商標)ライナー内で合わせて混合した。得られたゲルを均質になるまで撹拌した。次いで、ライナーに蓋をし、Parr社の鋼オートクレーブ反応器内に配置した。次いで、オートクレーブをオーブンに入れ、静的条件下、160℃で9日間加熱した。固体生成物を遠心分離によって回収し、脱イオン水で洗浄し、95℃で乾燥させた。
【0048】
粉末XRDは、生成物が純粋なSSZ-63であることを示した。
【0049】
生成物は、ICP元素分析によって決定されるように、SiO2/Al2O3モル比24.7を有していた。
【0050】
例3
脱イオン水2.43g、50%NaOH水溶液0.51g、27.24%ジ(シクロペンチルメチル)ジメチルアンモニウムヒドロキシド溶液2.69gおよびCBV760 Y-ゼオライト2.00(Zeolyst International、SiO2/Al2O3モル比=60)をテフロン(登録商標)ライナー内で合わせて混合した。得られたゲルを均質になるまで撹拌した。次いで、ライナーに蓋をし、Parr社の鋼オートクレーブ反応器内に配置した。次いで、オートクレーブをオーブンに入れ、静的条件下、160℃で6日間加熱した。固体生成物を遠心分離によって回収し、脱イオン水で洗浄し、95℃で乾燥させた。
【0051】
粉末XRDは、生成物が純粋なSSZ-63であることを示した。生成物のSEM像を
図3に示す。生成物の結晶サイズは、例1の生成物の結晶サイズと比較してはるかに小さい。
【0052】
生成物は、ICP元素分析によって決定されるように、SiO2/Al2O3モル比36.0を有していた。
【0053】
例4
脱イオン水5.08g、45%KOH水溶液0.40g、27.24%ジ(シクロペンチルメチル)ジメチルアンモニウムヒドロキシド溶液2.69gおよびCBV760 Y-ゼオライト1.00g(Zeolyst International、SiO2/Al2O3モル比=60)をテフロン(登録商標)ライナー内で合わせて混合した。得られたゲルを均質になるまで撹拌した。次いで、ライナーに蓋をし、Parr社の鋼オートクレーブ反応器内に配置した。次いで、オートクレーブをオーブンに入れ、静的条件下、160℃で8日間加熱した。固体生成物を遠心分離によって回収し、脱イオン水で洗浄し、95℃で乾燥させた。
【0054】
粉末XRDは、生成物が純粋なSSZ-63であることを示した。
【0055】
生成物は、ICP元素分析によって決定されるように、SiO2/Al2O3モル比37.7を有していた。
【0056】
例5
脱イオン水4.25g、45%KOH水溶液0.25g、27.24%ジ(シクロペンチルメチル)ジメチルアンモニウムヒドロキシド溶液0.83g、水和アルミナ0.08g(Reheis F-2000)、およびコロイドシリカ2.00g(LUDOX(登録商標)AS-30)をテフロン(登録商標)ライナー内で合わせて混合した。得られたゲルを均質になるまで撹拌した。次いで、ライナーに蓋をし、Parr社の鋼オートクレーブ反応器内に配置した。次いで、オートクレーブをオーブンに入れ、43rpmでタンブリングさせながら160℃で7日間加熱した。固体生成物を遠心分離によって回収し、脱イオン水で洗浄し、95℃で乾燥させた。
【0057】
粉末XRDは、生成物が純粋なSSZ-63であることを示した。
【0058】
生成物は、ICP元素分析によって決定されるように、SiO2/Al2O3モル比24.6を有していた。
【0059】
例6
脱イオン水6.40g、45%KOH水溶液0.37g、27.24%ジ(シクロペンチルメチル)ジメチルアンモニウムヒドロキシド溶液1.25g、水和アルミナ0.06g(Reheis F-2000)、およびコロイドシリカ3.00g(LUDOX(登録商標)AS-30)をテフロン(登録商標)ライナー内で合わせて混合した。得られたゲルを均質になるまで撹拌した。次いで、ライナーに蓋をし、Parr社の鋼オートクレーブ反応器内に配置した。次いで、オートクレーブをオーブンに入れ、43rpmでタンブリングさせながら160℃で7日間加熱した。固体生成物を遠心分離によって回収し、脱イオン水で洗浄し、95℃で乾燥させた。
【0060】
粉末XRDは、生成物が純粋なSSZ-63であることを示した。
【0061】
生成物は、ICP元素分析によって決定されるように、SiO2/Al2O3モル比48.8を有していた。
【0062】
例7
例1の合成されたままのモレキュラーシーブを、1℃/分の速度で540℃に加熱された空気流の下、マッフル炉内で焼成し、540℃で5時間保持し、冷却し、次いで、粉末XRDによって分析した。
【0063】
焼成生成物の粉末XRDは、
図4に示されるパターンを与え、構造指向剤を除去するための焼成後に材料が安定であることを示した。
【0064】
焼成モレキュラーシーブを、吸着質としてアルゴンを使用し、密度汎関数法によってミクロ細孔容積分析に供した。焼成モレキュラーシーブは、0.23cm3/gのミクロ細孔容積を示した。