(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】櫛アタッチメント及び毛切断器具
(51)【国際特許分類】
B26B 19/20 20060101AFI20221116BHJP
【FI】
B26B19/20
(21)【出願番号】P 2021541458
(86)(22)【出願日】2020-01-16
(86)【国際出願番号】 EP2020050977
(87)【国際公開番号】W WO2020152016
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2021-07-16
(32)【優先日】2019-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】ラッカリーノ ルカ
(72)【発明者】
【氏名】ヒン テオドール レネ マリア
【審査官】山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/150151(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0345510(US,A1)
【文献】国際公開第2018/210766(WO,A1)
【文献】特許第6188959(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 19/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛切断器具のための櫛アタッチメントであって、
前記毛切断器具の切断ユニットを少なくとも部分的に受容するよう構成された切断領域を囲むフレーム部と、
前記切断領域から離れる方向に前記フレーム部から延在する装着手段であって、前記櫛アタッチメントを前記毛切断器具に装着するよう構成された少なくとも1つの装着点を持つ、装着手段と、
前記装着手段と共通の方向に前記フレーム部から延在する側壁と、
毛切断の間、
前記毛切断器具が移動される方向である切断方向に少なくとも部分的に対応する第1の歯の延在方向に前記フレーム部から前記切断領域に沿って少なくとも部分的に延在する第1の歯のセットであって、前記第1の歯は、前記第1の歯の延在方向に垂直な歯離隔方向において互いから離隔されて、個々の前記第1の歯の間にそれぞれの間隙を形成する、第1の歯のセットと、
前記側壁からの区間において延在し、前記櫛アタッチメントが前記装着手段を介して装着されたときに前記第1の歯のそれぞれの間隙の少なくとも一部をカバーするよう構成された、間隙カバーであって、前記側壁と前記間隙カバーとが、毛切断の間の切断された毛屑を少なくとも一時的に集めるよう構成された空間を形成する、間隙カバーと、
を有し、
前記側壁は、前記装着手段の少なくとも1つの装着点と重なる高さに亘って延在し、前記少なくとも1つの装着点は、前記櫛アタッチメントが、前記装着手段を介して装着されたときに、前記側壁が、前記毛切断器具の一部と重なるよう構成され、
前記間隙カバー及び前記側壁は、前記切断方向に関して、前記フレーム部の前記切断領域とは反対側に配置された、
櫛アタッチメント。
【請求項2】
前記側壁は、少なくとも部分的に、前記フレーム部の少なくとも1つの横壁に沿って、前記切断方向に対して延在するよう、前記切断方向に存する平面を囲む、請求項1に記載の櫛アタッチメント。
【請求項3】
前記間隙カバーは、前記第1の歯の第1の側面から、前記切断領域に対して、それぞれの間隙をカバーするよう構成された、第1の間隙カバーと、前記第1の側面の反対側の、前記第1の歯の第2の側面から、前記切断領域に対して、それぞれの間隙をカバーするよう構成された、第2の間隙カバーと、を有する、請求項1又は2に記載の櫛アタッチメント。
【請求項4】
前記第1の歯は、前記フレーム部の後方部から離隔された自由端を持つ、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の櫛アタッチメント。
【請求項5】
前記フレーム部の後方部から離隔された前記間隙カバーの端は、面取り部を有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の櫛アタッチメント。
【請求項6】
前記面取り部は、前記第1の歯の滑動面と少なくとも略同一平面上にあり、前記滑動面は、前記切断領域から離れる方向に面し、毛切断の間に皮膚表面接触を持つよう構成された、請求項5に記載の櫛アタッチメント。
【請求項7】
前記第1の歯は、前記フレーム部の後方部から、第1の長さに亘って延在し、前記間隙カバーは、前記フレーム部の後方部から、前記第1の長さより短い第2の長さに亘って延在する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の櫛アタッチメント。
【請求項8】
前記装着手段は、それぞれが前記毛切断器具に対する個々の装着位置に割り当てられた複数の装着点を有し、前記側壁は、前記櫛アタッチメントが前記装着手段を介して装着されたときに、前記複数の装着点のそれぞれ1つと及び前記毛切断器具の一部と重なる高さに亘って延在する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の櫛アタッチメント。
【請求項9】
前記フレーム部から前記フレーム部の後方部に向けて前記切断領域に沿って少なくとも部分的に延在する第2の歯のセットを更に有し、前記第2の歯の自由端は、前記第1の歯の自由端から離隔された、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の櫛アタッチメント。
【請求項10】
毛切断器具であって、
筐体と、
前記毛切断器具が移動される方向である切断方向に延在する少なくとも1つの切断要素を有する切断ユニットと、
前記筐体に装着されるよう構成された櫛アタッチメントと、
を有
し、前記櫛アタッチメントは、
前記毛切断器具の切断ユニットを少なくとも部分的に受容するよう構成された切断領域を囲むフレーム部と、
前記切断領域から離れる方向に前記フレーム部から延在する装着手段であって、前記櫛アタッチメントを前記毛切断器具に装着するよう構成された少なくとも1つの装着点を持つ、装着手段と、
前記装着手段と共通の方向に前記フレーム部から延在する側壁と、
毛切断の間、切断方向に少なくとも部分的に対応する第1の歯の延在方向に前記フレーム部から前記切断領域に沿って少なくとも部分的に延在する第1の歯のセットであって、前記第1の歯は、前記第1の歯の延在方向に垂直な歯離隔方向において互いから離隔されて、個々の前記第1の歯の間にそれぞれの間隙を形成する、第1の歯のセットと、
前記側壁からの区間において延在し、前記櫛アタッチメントが前記装着手段を介して装着されたときに前記第1の歯のそれぞれの間隙の少なくとも一部をカバーするよう構成された、間隙カバーであって、前記側壁と前記間隙カバーとが、毛切断の間の切断された毛屑を少なくとも一時的に集めるよう構成された空間を形成する、間隙カバーと、
を有し、
前記側壁は、前記装着手段の少なくとも1つの装着点と重なる高さに亘って延在し、前記少なくとも1つの装着点は、前記櫛アタッチメントが、前記装着手段を介して装着されたときに、前記側壁が、前記毛切断器具の一部と重なるよう構成され、
前記間隙カバー及び前記側壁は、前記切断方向に関して、前記フレーム部の前記切断領域とは反対側に配置された、
毛切断器具。
【請求項11】
前記空間は、前記切断方向に関して、前記切断要素の切断端の背後に配置された、請求項10に記載の毛切断器具。
【請求項12】
前記櫛アタッチメントの間隙カバーは、前記切断方向において、切断要素延在長よりも短い長さに亘って前記側壁から延在する、請求項10又は11に記載の毛切断器具。
【請求項13】
前記櫛アタッチメントの間隙カバーは、前記切断要素に平行に少なくとも一部延在する、請求項10乃至12のいずれか一項に記載の毛切断器具。
【請求項14】
前記空間は更に、前記筐体及び/又は前記切断ユニットにより囲まれた、
請求項10乃至13のいずれか一項に記載の毛切断器具。
【請求項15】
前記櫛アタッチメントの側壁は、前記櫛アタッチメントが前記装着手段を介して装着されたときに、前記筐体と重なる、請求項10乃至14のいずれか一項に記載の毛切断器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、毛切断器具に関する。特に、毛切断器具に取り付けるための櫛アタッチメント、並びに毛切断器具に取り外し可能に取り付け可能な櫛アタッチメントを含む毛切断器具が議論される。
【背景技術】
【0002】
毛切断器具は、一般に、毛切断、毛トリミング、シェービング等のための手段として知られている。従って、斯かる毛切断器具は、例えば、毛トリマ、毛クリッパ、シェーバ等として提供されても良い。純粋に機械的な毛切断器具に加えて、それぞれ電動又は駆動される毛切断器具もある。斯かる毛切断器具を使用する場合、毛切断中及び/又は後の毛収集が重要な問題となり得る。典型的には、毛がトリミング又は剃られるとき、切断された毛片(毛屑とも呼ばれ得る)は、様々な方向に、例えば、周囲の床、対象者(例えば、対象者が毛を切断するヒト)の衣服上で、直接的な毛切断部位から落下する。これにより、毛の破片は、対象者、例えば、その衣服又は皮膚に付着することさえある。従って、落下する及び/又は広がる毛の破片は、床の清掃、毛の洗浄、衣類のブラッシング等の追加の清掃手段を必要とすることがある。
【0003】
米国特許公開US2010/0011586Alは、ブレード上方のトリミングユニット上に集まる可能性のある切った毛の除去を容易にするために、ハンドルに対してトリミングユニットを上方に開くために、ユーザの指を回動させるために適用することができる指パッドを有するプラスチック筐体を有する毛トリミングユニットを論じている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、毛切断中に毛切断片を収集するために適用可能な櫛アタッチメントを改善する必要がある。本発明の目的は、添付の独立請求項の主題によって解決され、更なる実施例が従属請求項に組み込まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、毛切断器具のための櫛アタッチメントが提供される。該櫛アタッチメントは、
前記毛切断器具の切断ユニットを少なくとも部分的に受容するよう構成された切断領域を囲むフレーム部と、
前記切断領域から離れる方向に前記フレーム部から延在する装着手段であって、前記櫛アタッチメントを前記毛切断器具に装着するよう構成された少なくとも1つの装着点を持つ、装着手段と、
前記装着手段と共通の方向に前記フレーム部から延在する側壁と、
毛切断の間、切断方向に少なくとも部分的に対応する第1の歯の延在方向に前記フレーム部から前記切断領域に沿って少なくとも部分的に延在する第1の歯のセットであって、前記第1の歯は、前記第1の歯の延在方向に垂直な歯離隔方向において互いから離隔されて、個々の前記第1の歯の間にそれぞれの間隙を形成する、第1の歯のセットと、
前記側壁からの区間において延在し、前記第1の歯のそれぞれの間隙をカバーするよう構成された、間隙カバーであって、前記側壁と前記間隙カバーとが、毛切断の間の切断された毛屑を少なくとも一時的に集めるよう構成された囲まれた空間を形成する、間隙カバーと、
を有し、
前記側壁は、前記装着手段の少なくとも1つの装着点と重なる高さに亘って延在し、前記少なくとも1つの装着点は、前記櫛アタッチメントが、前記装着手段を介して装着されたときに、前記側壁が、前記毛切断器具の一部と重なるよう構成され、
前記間隙カバー及び前記側壁は、前記切断方向に関して、前記フレーム部の後方に配置される。
【0006】
任意に、間隙カバーは、第1の歯の部分的な厚さ又は厚さ全体に亘って延在する充填材料として提供されても良く、充填材料は、個々の歯の間に配置されるか、又は第1の歯を少なくとも一方の側で覆うシートとして提供されても良く、側部は、切断領域に面しても良く、又は切断領域から離れて、対象者の毛を切断したい皮膚表面に面しても良い、等である。
【0007】
該櫛アタッチメントの効果は、第1の歯、特にそれらの間の間隙が、櫛アタッチメント及び/又はそのフレーム部の後側で、切断方向に対して、部分的に少なくとも閉じられ、及び/又は覆われることである。更に、櫛アタッチメントが毛切断器具に取り付けられる動作条件では、櫛アタッチメントと毛切断器具との間の更なる間隙、又はその一部は、それぞれ、側壁によって架橋又は閉鎖される。前記間隙カバー及び前記側壁は、前記第1の歯の延在方向に対して、前記フレーム部の後部に配置されていても良い。第1の歯の延在方向は、毛切断中の櫛及び/又は毛切断器具の切断方向又は案内方向に少なくとも大部分が対応し、その結果、囲まれた空間は、櫛及び/又はそのフレーム部の後側で切断された毛屑を収集するように適合される。歯又はそれらの間の間隙を、それぞれ、セクションで少なくとも閉鎖することによって、並びに櫛アタッチメントと毛切断器具との間の更なる間隙を橋渡し又は閉鎖することによって、結果として得られる閉鎖空間は、切断された毛片又は毛屑をそれぞれ収集するように適合される後部収集室として使用されても良い。以下では、切断された毛破片及び毛屑は、一般に毛屑と呼ばれることがある。また、以下では、閉鎖空間を収集室、特に後部収集室と呼ぶことがある。櫛アタッチメントにおいて、間隙カバー及び/又は第1の歯は、後部収集室内に毛屑を収集するためのショベル状機能を有しても良い。従って、毛切断中に、毛屑は櫛の後部に向かって押され、後部収集室内に収集され得る。従って、櫛及び毛切断器具の性能は、櫛アタッチメントから落ちる切断された毛屑に関して特に改善され得る。
【0008】
一実施例によれば、側壁は、切断領域内に90°以上存在する平面を囲む。フレーム部は、長方形、楕円形等の様々な断面形状を有することができ、側壁は、長方形断面におけるように、切断領域の1つの辺だけでなく、2つ以上の辺が側壁によって取り囲まれるまで、断面形状の円周に沿って延在することができる。同様に、例えば切断領域を囲む枠部の断面形状が長円形状で側壁が90°を超える円弧部に沿って延びても良い。これにより、後方回収室の体積を増大させることができ、切断方向に対して側方の毛屑の脱落を防止することができる。
【0009】
別の実施例では、間隙カバー及び第1の歯は、 囲まれた空間のセクションにおいて、一体成形されても良い。換言すれば、第1の歯及び間隙カバーは、一体化された一部品を形成しても良い。櫛アタッチメントは、例えば、適切なプラスチック材料を用いた射出成形によって製造することができる。このように、櫛アタッチメントは、特に容易に製造することができ、後部収集室を形成するための緩んだ部分がないので、容易に取り扱うことができる。
【0010】
代替としては、間隙カバーは、別々の部品として提供されても良い。該間隙カバーは、既存の櫛アタッチメントに任意に取り付けられるように適合されても良い。この場合、間隙カバーは、側壁と一体的に形成されても良く、間隙カバーと側壁の両方は、既存の櫛アタッチメントに任意に取り付けられるようになっている。
【0011】
一実施例では、間隙カバーは、切削領域に対して第1の歯の第1の側からそれぞれの間隙を覆うように適合された第1の間隙カバー(部分)と、切削領域に対して第1の歯の第2の側からそれぞれの間隙を覆うように適合された第2の間隙カバー(部分)とを含むことができ、第2の側は第1の側に対向する。なお、第1及び第2の間隙カバーは、必ずしも別々の部品として設けられる必要はない。むしろ、少なくとも幾つかの実施例では、間隙カバーは、その寸法、厚さ、長さ等に関して、第1の歯の異なる側で異なって設計されても良い。
【0012】
一実施例によれば、第1の歯は、フレーム部の後部から離間した側に自由端を有することができる。フレーム部の後部は、毛切断中の櫛及び/又は毛切断器具の切断方向又は案内方向に少なくとも大部分が対応する第1の歯の延在方向を指すことができることに留意されたい。この文脈において、自由端は、第1の歯が、2つの対向する側面のうちの1つのみにヒンジ留めされ、自由端が、フレーム部等の別の構成要素にヒンジ留めされないように理解され得る。従って、第1の歯は、個別に、又は一般に、少なくとも限度内で自由に移動することができ、その限度は、例えば、第1の歯の製造に使用される材料の弾性、間隙カバーの延長の長さ等によって決定することができる。
【0013】
別の実施例によれば、フレーム部の後部から離間された間隙カバーの端部は、面取り部を有することができる。間隙カバーの端部又は面取り部は、それぞれ、収集室の入口に配置されても良く、この入口は、第1の歯の延在方向においてフレーム部の後部から離れて配置され、ショベル状に作用する。
【0014】
一実施例では、面取り部は、第1の歯の摺動面と少なくとも実質的に面一であっても良く、摺動面は、切断領域から離れて面し、毛切断中に皮膚接触を有するように適合される。換言すれば、摺動面は、切断領域及び/又は収集室に対して、櫛アタッチメントの外側に配置されても良い。それ故、間隙カバー、従って収集室の入口は、対象者の皮膚の更に近くにくっつき、毛屑を後部収集室内に特に効率的に輸送することができる。
【0015】
一実施例によれば、第1の歯は、フレーム部の後部から、第1の長さ及び間隙カバーに亘って延在しても良く、フレーム部の後部から、第1の長さよりもより短い第2の長さに亘って延在しても良い。換言すれば、間隙カバーは、好適には、第1の歯の延在方向の部分的な部分に亘ってのみ延在し、その全長に亘って延在しない。これは、毛屑の良好な収集を可能にし、第1の歯の良好な可動性、例えば揺動を、互いに、並びに側壁及び/又はフレーム部に対して共通に、依然として保証する。
【0016】
別の実施例では、装着手段は、複数の装着点を含むことができ、その各々は、毛切断器具に対する個々の装着位置に割り当てられる。装着点は、装着方向に対して互いに間隔を置いて配置されても良い。側壁は、櫛アタッチメントが装着手段を介してそれに取り付けられる場合に、複数のアタッチメント点の各々と、毛切断器具の一部と重なる高さに亘って延在することができる。換言すれば、櫛アタッチメントは、毛切断中に所望の切断長さを設定するように適合された、いわゆる離隔櫛として構成されても良い。従って、切断長さは、複数の装着点のうちの1つの装着点にそれぞれ割り当てられる固定値に設定されても良い。例えば、斯かる装着点は、6mm (ミリメートル)、9mm、10mm、12mm等の切断長さに割り当てられる。櫛アタッチメントは、例えば、毛切断器具の長手方向軸に沿った並進運動又は摺動運動によって、少なくとも2つの異なる装着点に調整可能なであっても良く、その長手方向軸は、櫛アタッチメントの装着方向に対応しても良い。例えば、側壁の外側端は、側壁の外側に配置されても良く、その外側端は、所望の切断長さに割り当てられた個々の装着点によって規定される各装着位置において、毛切断器具、例えば、その筐体と重なり合っても良い。従って、収集室は、毛切断器具に対して一貫して閉鎖され、その結果、毛屑は、設定された切断長さとは無関係に、その中に確実に収集される。
【0017】
一実施例によれば、櫛アタッチメントは更に、フレーム部からフレーム部の後部に向かって切断領域に沿って少なくとも部分的に延在する一組の第2の歯を更に含むことができ、第2の歯の自由端は、第1の歯の自由端から離間される。従って、切断される毛は、毛切断器具の切断ユニットに向かって配置されても良い。これに加えて、又はこれに代えて、第2の歯は、後部収集室の入口に毛屑を導くことを支持することができる。
【0018】
任意に、第1の歯及び第2の歯は、互いに或る角度で配置されても良い。これにより、毛切断中に、第1の歯が対象者の皮膚及び/又は毛と接触する前に、第2の歯を最初に対象者の皮膚及び/又は毛と接触させることができる。従って、第2の歯は、毛切断器具の切断ユニットに向かって毛をセットアップするためのガイダンスとして働くことができる。その結果、毛切断中の毛切断器具の典型的な姿勢では、切断された毛屑は、収集室内に落下することができ、及び/又は重力によって毛屑が落下するときに収集室内に捕捉されることができる。
【0019】
第2の態様では、毛切断器具が提供される。該毛切断器具は、
筐体と、
切断方向に延在する少なくとも1つの切断要素を有する切断ユニットと、
前記筐体に装着されるよう構成された櫛アタッチメントと、
を有する毛切断器具であって、前記櫛アタッチメントは、
前記毛切断器具の切断ユニットを少なくとも部分的に受容するよう構成された切断領域を囲むフレーム部と、
前記切断領域から離れる方向に前記フレーム部から延在する装着手段であって、前記櫛アタッチメントを前記毛切断器具に装着するよう構成された少なくとも1つの装着点を持つ、装着手段と、
前記装着手段と共通の方向に前記フレーム部から延在する側壁と、
毛切断の間、切断方向に少なくとも部分的に対応する第1の歯の延在方向に前記フレーム部から前記切断領域に沿って少なくとも部分的に延在する第1の歯のセットであって、前記第1の歯は、前記第1の歯の延在方向に垂直な歯離隔方向において互いから離隔されて、個々の前記第1の歯の間にそれぞれの間隙を形成する、第1の歯のセットと、
前記側壁からの区間において延在し、前記第1の歯のそれぞれの間隙をカバーするよう構成された、間隙カバーであって、前記側壁と前記間隙カバーとが、毛切断の間の切断された毛屑を少なくとも一時的に集めるよう構成された囲まれた空間を形成する、間隙カバーと、
を有し、
前記側壁は、前記装着手段の少なくとも1つの装着点と重なる高さに亘って延在し、前記少なくとも1つの装着点は、前記櫛アタッチメントが、前記装着手段を介して装着されたときに、前記側壁が、前記毛切断器具の一部と重なるよう構成され、
前記間隙カバー及び前記側壁は、前記切断方向に関して、前記フレーム部の後方に配置される。
【0020】
この毛切断器具の効果は、切断方向に関して、櫛アタッチメントの後側に収集室が形成されることである。従って、毛切断中に生じる毛屑は、収集室内に効果的に収集することができ、従って、毛屑は、毛切断部位から落下することが防止される。櫛アタッチメントの側壁と毛切断器具の筐体との間の重なりのために、収集室は、外側に対して少なくとも実質的に閉鎖される。
【0021】
一般的に、毛切断器具は、専門家の使用及び家庭の使用の両方に適していても良い。更に、毛切断器具は、顔の毛及び頭毛等の体毛を剃毛及び/又はトリミングするように適合されても良い。また、毛切断器具は、例えば、有線電気供給手段及び/又はエネルギー貯蔵装置によって電力供給される電気毛切断器具として提供されても良い。従って、切断ユニットは、電気的に動力が供給される電気モータを有することができる。好適には、毛切断器具は、任意選択的に、櫛アタッチメントを、装着点によって設定され得る異なるアタッチメント位置にロック及びアンロックするように適合される。これらの装着点は、対応する取り付け位置に割り当てられて、調整可能な間隔櫛を提供し、6mm、8mm、9mm、10mm、12mm等の所望の毛切断長さを設定することを可能にし得る。従って、櫛アタッチメントの装着手段は、スナップロック等の形状ロック及び/又は力ロック装着手段を含むことができる。同様に、毛切断器具の筐体は、櫛アタッチメントの装着手段と相互作用するように適合されたカウンタ装着手段を含むことができる。筐体は、適切なプラスチック材料等から作製され得、カウンタ装着手段を形成することを可能にする。
【0022】
一実施例では、後部収集室と呼ぶことができる閉鎖空間は、切断方向に関して、切断要素の切断縁部の後方に配置することができる。従って、収集室は、間隙カバー及び/又は第1の歯のエッジ等が切断された毛屑ショベルのようなものを収集することができるように、櫛アタッチメントの後側に配置することができる。その結果、特に毛切断中に、切断された毛屑は、櫛アタッチメントの後側に押され、櫛アタッチメント及び/又はそのフレーム部の後側に形成された閉じた後部収集室に収集される。
【0023】
一実施例によれば、櫛アタッチメントの間隙カバーは、切断方向に長さが延びる切断素子よりもより短い長さに亘ってフレーム部の後部から延びている。従って、後部収集室のショベル状入口は、切断要素又はその切断縁部の背後に配置され、その結果、切断された毛屑は、収集室内に効果的に輸送される。
【0024】
一実施例においては、少なくともセクション内の櫛形アタッチメントの間隙カバーは、切断要素に平行に延びる。毛切断中の毛切断器具の典型的な姿勢では、切断された毛屑は、収集室内に落下することができ、及び/又は重力によって毛屑が落下するときに収集室内に捕捉されることができる。
【0025】
一実施例によれば、囲まれた空間は、筐体及び/又は切断ユニットによって更に囲まれる。従って、結果として得られる収集室は、切断された毛屑がその中に特に確実に収集され得るように、外側に対して完全に閉鎖され得る。
【0026】
一実施例では、櫛アタッチメントの側壁は、装着手段を介して毛切断器具に取り付けられたときに、毛切断器具の一部、特にその筐体と重なる。側壁と毛切断器具のセクションとの重複は、それぞれ、装着手段又はカウンタ装着手段の各単一の装着点に対して提供されても良い。従って、結果として得られる後部収集室は、切断された毛屑がその中に特に確実に収集され得るように、外側に対して完全に閉鎖され得る。
【0027】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施例から明らかになり、それを参照して説明される。
【0028】
本発明の実施例は、以下の概略図を参照して以下に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の実施例による、櫛アタッチメントが取り付けられた毛切断器具の斜視図を示す。
【
図2】本発明の実施例による櫛アタッチメントの斜視上面図を示す。
【
図3】本発明の実施例による櫛アタッチメントの斜視底面図を示す。
【
図4】本発明の実施例による櫛アタッチメントの斜視断面図を示す。
【
図5】本発明の実施例による、櫛アタッチメントが取り付けられた毛切断器具の斜視断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、少なくとも幾つかの実施例では、毛クリッパ等として提供されても良い例示的な毛切断器具100を斜視図で概略的に示す。特に、
図1は、毛トリミング、即ち、所望の長さに毛を切断することを可能にしても良い、動作状態にある毛切断器具100を示す。毛切断器具100は、適切なプラスチック材料から形成され得る筐体110を有する。少なくとも幾つかの実施例では、筐体110は、電気モータ及び/又は駆動機構を収容する(
図1では、特に指定されていないが、筐体110内のその構成の一般的な理解については、例えば、
図5を参照されたい)。電気モータは、電気エネルギー貯蔵装置、例えば、交換可能又は再充電可能なバッテリ等の電力供給装置、及び/又は有線電気供給手段を介した電力接続によって電力供給されても良い。電力をオン及びオフにするために、筐体110は、電気モータ及び/又は電源に電気的に接続されたスイッチング手段111を有する。
【0031】
更に、1つの長手方向端部において、毛切断器具110は、少なくとも幾つかの実施例において、切断運動を可能にするために駆動機構を介して電気モータによって駆動される、1つ以上の可動ブレード等の少なくとも1つの切断要素121を有する切断ユニット120を有する。切断要素121、又は1つ以上のブレードの各々は、切断エッジ122を有しても良い。
図1において、切断ユニット120及び切断要素121は、以下により詳細に説明される櫛形アタッチメント130によって部分的に覆われていることに留意されたい。その結果、切断ユニット120及び/又は切断要素121の配置は、
図5に最も良く見ることができる。幾つかの実施例では、櫛アタッチメント130は、毛切断器具100に取り外し可能に取り付けることができる。
【0032】
なお、
図1を参照すると、X軸、Y軸、及びZ軸を有する直交座標系X-Y-Zが、図面の幾つかにおいて、より良好な図示のために、及び延長等の特定の方向を示すために使用されることに留意されたい。以下で使用されるように、Z軸は、切断器具100の長さ延長に対応し得るように、毛切断器具100の長手方向軸Lに対応し得るか、又はそれと整列され得る。X軸は、毛切断中にX軸に沿って誘導される毛切断器具100を用いて、毛切断中に切断方向の基準として使用されても良い。Y軸は、切断装置100の幅延長部、特に櫛形アタッチメント130の領域内の幅に対応することができる。従って、以下で切断方向に関して櫛アタッチメント130の後部、後側、又は後部を参照するとき、対応する切断方向Cは、少なくとも実質的にX軸と整列され得ることが理解され得る。それによって、
図1のデカルト座標系X?Y?Zに関して、前記後部、後部又は後部は、図示されたX軸の矢尻の反対側に面する。
【0033】
図1に示されるように、櫛アタッチメント130は、切断ユニット120が配置される毛切断器具100の筐体110の長手方向端部に取り付けられ、櫛アタッチメント130は、切断ユニット120及び/又は切断要素121を少なくとも部分的に受容する。機能的には、切断要素121は、櫛アタッチメント130の内側を移動し、デカルト座標系のX?Yが及ぶ平面は、毛が切断されるように突出する切断領域Aを画定する。一般に、櫛アタッチメント130は、筐体110に取り付けられると、対象者S(
図5参照)、例えば、毛を切断したい人間の皮膚表面から切断要素121を離間させる。以下でより詳細に説明するように、櫛アタッチメント130は、筐体110に対して、即ち、並進運動又は摺動運動によって、
図1のZ軸に沿って意味する毛切断器具100の長手方向軸Lに沿って、調整可能である。櫛アタッチメント130を長手方向軸L又はZ軸に沿ってそれぞれ移動させることによって、対象者Sの皮膚表面と切断要素121との間の間隔を調節して、残りの毛の所望の長さを得ることができる。櫛形アタッチメント130を毛切断器具100に取り付けるために、筐体110は、カウンタ装着手段112を備え、カウンタ装着手段は、残りの毛の間隔又は所望の長さをそれぞれ調整するようにガイダンスされ、その調整に割り当てられた特定のアタッチメント点で櫛形アタッチメント130を筐体110に相対的に固定することを可能にするように更に適合されても良い。櫛アタッチメント130の筐体110への固定は、形状ロック及び/又は力ロック方式で行うことができる。
【0034】
図2は、櫛アタッチメント130の斜視上面図を概略的に示す。少なくとも幾つかの実施例では、櫛アタッチメント130は、適切なプラスチック材料を使用して射出成形によって製造されても良く、一体化された一部分として提供されても良い。
【0035】
櫛アタッチメント130は、フレーム部131を含み、少なくとも幾つかの実施例では、例えば矩形形状、楕円形状等の円周方向に閉じた断面を有することができる。一例として、
図2において、フレーム部131は、丸い角を有する略矩形の断面を有する。直交座標系X-Y-Zを参照すると、X-Yによって張られた平面は、上述したように、切削領域Aに対応するか、又はその中に存在する。このことは、櫛アタッチメント130が毛切断器具100に取り付けられる場合、切断ユニット120及び/又は切断要素121が、フレーム部131内に少なくとも部分的に配置されることを意味する。上述したように、毛切断中に毛切断器具100がそれに沿って移動される、
図2(並びに
図1)に示されるようなX軸は、より良く理解するために
図2にも示される切断方向Cと整列される。
【0036】
フレーム部131からは、装着手段132が、毛切断器具100のZ軸又は長手方向軸Lに沿ってそれぞれ離れるように延びている。一例として、櫛アタッチメント130は、2つの装着手段132を備え、切断方向C又はX軸に対してそれぞれフレーム部131の左右側に1つずつ配置されている。それぞれの装着手段132は、ビームとして形成され、筐体110のカウンタ装着手段112に適合するように設計され寸法決めされている。装着手段132及び/又はカウンタ装着手段112は、Z軸に沿って分布して配置され、残りの毛の所望の長さ、例えば、6mm、8mm、9mm、10mm、12mm等に関連する1つ以上の装着点を有する。
【0037】
更に、フレーム部131から、側壁133は、装着手段132と実質的に共通の方向、即ちZ軸に沿って、その高さ延長に関して延びる。寸法的には、側壁133は、装着手段132のそれぞれのビームに沿って配置された装着点のそれぞれと重なる高さに亘って延在しており、その結果、
図1に示されるような毛切断器具100の作動状態において、櫛形取り付け具130が装着手段132を介して切断器具100の長手方向端部に取り付けられている場合、側壁133は、特にその筐体110と常に毛切断器具100のセクションと重なる。従って、櫛アタッチメント130が筐体100に取り付けられ、及び/又は固定される設定された装着点にかかわらず、筐体100と櫛アタッチメント130の側壁133との間に間隙又は開口部は存在しない。
【0038】
図2に示すように、側壁133は、主に櫛形アタッチメント130の後部に配置されたX軸に沿った切断方向Cに対して、側壁133の内側、即ち切断領域Aに対向する側によって切断された毛屑が引っ掛かることがあるように、櫛形アタッチメント130及び/又は毛切断器具100がX軸に沿ったその方向に移動される場合には、切断された毛屑が引っ掛かることがある。しかしながら、少なくとも幾つかの実施例では、側壁133は、X軸に対して、フレーム部131の1つ又は複数の横方向側面に延びる長さだけ、切断領域A内に横たわるX-Yによって張られる平面を囲むフレーム部131とともに延びる。フレーム部131が丸みを帯びた角等を含むことができる実施例では、フレーム部131に沿った側壁133の前記延長長さは、切断領域A内に位置するX-Yによって架け渡された平面を90°以上包囲することが理解され得る。一例を挙げると、
図2において、側壁133は、それぞれX-Yによって張られた切削領域A又は平面を実質的に完全に取り囲み、ここで、櫛アタッチメント130の後部における約100°乃至180°(又はそれ以上)の長さセクションにおいて、側壁133の高さ延長は、残りの長さセクションにおけるよりも大きい。
【0039】
図2に更に示されるように、櫛アタッチメント130は、毛切断中に切断方向Cに少なくとも部分的に対応する第1の歯延長方向にフレーム部131の一方の側から切断領域Aに沿って少なくとも部分的に延在する一組の第1の歯134を更に有する。換言すれば、第1の歯134は、少なくとも部分的に切削領域Aを外側に完成させる。櫛アタッチメント130の幅延長部において、即ち、
図2(又は
図1)に示すようにY軸に沿って、第1の歯134は、第1の歯延長方向又は切断方向Cにそれぞれ実質的に垂直な歯間隔方向に互いに間隔を置いて配置され、それによって、個々の第1の歯134の間にそれぞれの間隙Gを形成する。第1の歯134は、枠部131の全幅(Y軸に沿った直交X-Y-Z座標系を参照する場合)に亘って複数に分布して配置されても良い。
上述のように、第1の歯134は、フレーム部131及び/又は側壁133と同じプラスチック材料から形成されても良い。
【0040】
更に、
図2に示されるように、櫛アタッチメント130は、側壁133から部分的に延在し、個々の第1の歯134の間のそれぞれの間隙Gを覆うように適合された間隙カバー135を更に有する。
図2(及び
図3又は
図5で更によく分かるように)では、側壁133及び間隙カバー135は、一緒になって、毛切断中に切断された毛屑を少なくとも一時的に収集するように適合され、切断方向C又はX軸の矢印方向に関して、櫛アタッチメント130及び/又はフレーム部131の後部にそれぞれ配置される閉鎖空間136を形成する。従って、その高さ伸長により筐体110と重なり、フレーム部131と共に切断領域Aを少なくとも部分的に円周方向に囲む側壁133と、間隙カバー135とが一緒になって、切断方向Cに関して櫛形アタッチメント130及び/又はフレーム部131の後部(図示のX軸の矢頭から離れる方向を向く)に配置された、後方回収室が、切断された毛屑のための後方回収室を形成する。
図2に見られるように、間隙カバー135は、フレーム部131の全長に亘って延在せず、その一部分(切断方向Cに関して)に亘ってのみ延在し、その結果、個々の第1の歯134のそれぞれの自由端は、覆われていないか、又は充填されていない等のままである。換言すれば、第1ティース134は、フレーム部131の後方から、切断方向Cにおける第1の長さに亘って延びているのに対し、間隙カバー135は、フレーム部131の後方から、切断方向Cにおける第2の長さに亘って延びているだけであり、第2の長さは、第1の長さよりもより短い。これにより、間隙カバー135の長さ延長部が切断方向Cで終了する箇所には、後部回収室(特に 囲まれた空間136)に切断された毛の毛屑を回収するショベル状の入口が形成される。幾つかの実施例では、フレーム部131の後部から離間した間隙カバー135の端部は、面取り部137を備え、その結果、対象者Sの皮膚表面への付着を改善することができる。更に、幾つかの実施例では、面取り部137は、第1の歯134の摺動面と少なくとも実質的に面一であり、摺動面は、切断領域Aから離れて面し、毛切断中に対象者Sの皮膚表面と接触するように適合された個々の第1の歯134のそれぞれの表面として理解されても良い。
【0041】
幾つかの実施例では、間隙カバー135は、充填材料、充填材によって第1の歯134の間のそれぞれの間隙Gを充填することによって、又は第1の歯134の片側又は両側に配置されても良いシート等の平坦な延在材料によってそれぞれの間隙Gを覆うことによって提供されても良く、その結果、間隙カバー135は、櫛アタッチメント130又はその少なくとも幾つかの部分と一体成形されても良い。しかしながら、間隙カバー135は、例えばクリップ装着手段等を使用して、既存の櫛アタッチメントに任意に取り付けることができる別々の部品として設けることも考えられる。同様に、間隙カバー135は、側壁133と共に、既存の櫛アタッチメントに任意に取り付けることができる別々の部品として設けることができることが考えられる。
【0042】
更に
図2を参照すると、櫛アタッチメント130は、フレーム部131から切断領域Aに沿って少なくとも部分的に延びる一組の第2の歯138を含む。
図2に見られるように、第2の歯138は、第1の歯134と略反対側にあり、その結果、第2の歯138は、フレーム部131の後方に向けられ、第2の歯138の自由端は、第1の歯134の自由端から離間している。つまり、第1の歯134が切断方向Cに対して蝶着される一方、フレーム部131の後部には、第2歯が、切断方向Cに対して、フレーム部131の前部にヒンジ接続される。これにより、第1の歯134及び第2の歯138のそれぞれの自由端は、互いに離間される。従って、個々の歯134、138は、それらの弾性の限界内で独立して動くことができ、その結果、切断領域Aは、対象者Sの皮膚表面により良好に密着することができる。
【0043】
図3は、櫛アタッチメント130の斜視底面図を模式的に示す。従って、基本的には、櫛アタッチメント130の内側を示している。図から分かるように、例示的なフレーム部131は、切削領域A又はX-Yによってそれぞれ張られる平面を囲む丸い角を有する実質的に長方形の断面を有する。上述のように、2つの装着手段132は、切断方向Cに関して、Z軸に沿ってフレーム部131の対向する2つの側面上に延在し、これは、(
図1に示されるように)毛切断器具100に向かうことを意味する。装着手段132と一緒に、側壁133は、フレーム部131から略同じ方向、即ちZ軸に沿って延在しており、脱毛器具100に向かうことを意味する(
図1に示すように)。上述のように、フレーム部131に沿って、第1の歯134は切断方向Cに延び、第1の歯の個々の間隙は、間隙カバー135によってそれぞれ閉じられるか、又は覆われる。また、
図3によるこの図では、櫛アタッチメント130の後部に配置された切断方向Cに対する 囲まれた空間136が、後部回収室として明確に認識可能となっている。
【0044】
図3に示すような実施例のような幾つかの実施例では、間隙カバー135は、第1の間隙カバー135A及び第2の間隙カバー135Bを有する。第1の間隙カバー135Aは、
図2で見られる間隙カバー135の部分とみなすことができる。従って、第1の間隙カバー135Aは第1の歯134の外側に配置され、第2の間隙カバー135Bは第1の歯134の内側に配置される。
図3に示すように、第2の間隙カバー135Bは、切断方向Cに対して、第1の歯134の第1の長さと第1の間隙カバー135Aの第2の長さとよりもより短い第3の長さに亘って延在しても良い。このようにして、第1の歯134は、少なくともそれらの自由端の領域において、第2の間隙カバー135Bに対して移動可能であり得る。第1の歯134は、第1の間隙カバー135Aと第2の間隙カバー135Bとの間に配置又は挟まれても良く、間隙カバー135A、135Bの一方又は両方は、個々の第1の歯134が配置される溝等の幾つかの凹部を含んでも良い。
図3に更に示されるように、第2の間隙カバー135Bは、切断された毛の屑を 囲まれた空間136に向かってすくい取ることを更に容易にするように、面取りを有していても良い。
【0045】
更に、幾つかの実施例では、
図3に示す実施例のように、間隙カバー135は、個々の第1の歯134の間のそれぞれの間隙Gを満たすだけでなく、第1の歯134にまたがるように、シート状に提供されても良い。この場合、間隙カバー135は、必ずしも第1及び第2の間隙カバー135A、135Bを有するとは限らず、それらのうちの1つのみから構成されても良い。
【0046】
図4は、櫛アタッチメント130の斜視断面図を模式的に示す。装着手段132及び側壁133は、共通の方向に、即ちZ軸に沿った方向に(
図1又は
図2に示すように)延在することが分かる。また、 囲まれた空間136又は後方収集室のそれぞれの空間的延在が分かる。
【0047】
動作状態(
図1に示されるような)における、取り付けられた櫛アタッチメント130を有する毛切断器具100の断面図を示す
図5を参照して、基本的な機能を以下に説明する。左側には、発毛した皮膚表面を有する被検体Sの部分が示されている。毛切断器具100は、櫛アタッチメント130の外側が対象者Sの皮膚表面と接触した状態で切断方向Cに沿って(それぞれの矢印によって示されているように)案内され、それによって、第2の歯138は、切断要素121に向かって、特にその切断端122に向かって切断される毛をセットアップし、その結果、毛は切断され、櫛アタッチメント130の調整に応じて毛の一部が残り、切断された毛の破片が生じることがある。なお、刃先122は、切断方向Cを基準として、囲まれた空間136の入口の前方に配置されており、この入口は、枠部131の後部から離間した端部によって形成される(切断方向Cも参照して)。つまり、切断方向Cにおいて、 囲まれた空間136によって形成された回収室は、切断端122の後方に配置されている。
【0048】
図5に見られるように、側壁133は、少なくとも櫛アタッチメント130の後部と毛切断器具100の筐体110と重なり、上述のように、後部の指標は切断方向Cを指す。
図5では、図示を容易にするために、重なりは、丸括弧によって示され、参照符号Oによって示される。第1の歯134は、それぞれ、間隙カバー135によって閉じられるか、又は覆われるので、切断された毛屑は、後部収集室を形成する密閉された間隔136内にショベル状に輸送される。このように、側壁133が毛切断器具100の筐体110及び間隙カバー135と重なることにより、切断後に切断された毛の破片が落下したり広がったりすることが防止される。
【0049】
本発明は、図面及び前述の説明において詳細に図示及び説明されてきたが、斯かる図示及び説明は、例示的又は例示的であり、限定的ではないと考えられるべきである。本発明は、開示された実施例に限定されない。開示された実施例に対する他の変形は、図面、開示、及び従属請求項の研究から、請求された発明を実施する際に当業者によって理解され、達成されることができる。
【0050】
全ての特徴を組み合わせて、特徴の単純な総和よりも大きい相乗効果を提供することができる。
【0051】
特許請求の範囲において、単語「有する(comprising)」は、他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「1つの(a又はan)」は、複数を排除するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、特許請求の範囲において再引用される幾つかの項目の機能を満たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項において再引用されるという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0052】
100 毛切断器具
110 筐体
111 スイッチング手段
112 カウンタ装着手段
120 切断ユニット
121 切断要素
122 切断端
130 櫛アタッチメント
131 フレーム部
132 装着手段
133 側壁
134 第1の歯のセット
135 間隙カバー
136 囲まれた空間/後部収集室
137 面取り部
138 第2歯のセット
A 切断領域
G 間隙
O 重なり
X 切断方向に対応する軸
Y 幅方向に対応する軸
Z 長手方向に対応する軸