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▶ ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-15
(45)【発行日】2022-11-24
(54)【発明の名称】流体吐出デバイスのレジスタにアクセス
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/015 20060101AFI20221116BHJP
【FI】
B41J2/015 101
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021544738
(86)(22)【出願日】2019-02-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-24
(86)【国際出願番号】 US2019016729
(87)【国際公開番号】W WO2020162890
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2021-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】511076424
【氏名又は名称】ヒューレット-パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.
【氏名又は名称原語表記】Hewlett‐Packard Development Company, L.P.
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】リン,スコット,エイ
(72)【発明者】
【氏名】ガードナー,ジェイムズ,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】カンビー,マイケル,ダブリュー
【審査官】中村 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-341063(JP,A)
【文献】特開2005-131875(JP,A)
【文献】特開2001-063056(JP,A)
【文献】特開平06-037811(JP,A)
【文献】特開2000-238247(JP,A)
【文献】特開2016-016660(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0050901(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の流体付勢デバイス用の集積回路であって、
構成レジスタと、
モードインターフェース及びデータインターフェースを含む複数のインターフェースと、
前記データインターフェース上の論理ハイ信号と共に、論理ハイに遷移する前記モードインターフェース上の信号に応答して、前記構成レジスタに対する書き込みをイネーブルにし、前記モードインターフェース上の論理ロー信号に応答して、前記構成レジスタに対する書き込みをディスエーブルにするための制御ロジックとを含む、集積回路。
【請求項2】
複数の流体付勢デバイス用の集積回路であって、
構成レジスタと、
モードインターフェース、データインターフェース及び噴射インターフェースを含む複数のインターフェースと、
前記データインターフェース上の論理ハイ信号および前記噴射インターフェース上の論理ロー信号と共に、論理ハイに遷移する前記モードインターフェース上の信号に応答して、前記構成レジスタに対する書き込みをイネーブルにするための制御ロジックとを含む、集積回路。
【請求項3】
前記複数のインターフェースは、噴射インターフェースを含み、
前記制御ロジックは、前記データインターフェース上の論理ハイ信号および前記噴射インターフェース上の論理ロー信号と共に、論理ハイに遷移する前記モードインターフェース上の信号に応答して、前記構成レジスタに対する書き込みをイネーブルにすることができる、請求項1に記載の集積回路。
【請求項4】
前記構成レジスタは、構成レジスタが書き込みのためにイネーブルにされた状態で、前記データインターフェースからシリアルデータを受け取ることができる、請求項1~3の何れか1項に記載の集積回路。
【請求項5】
前記複数のインターフェースは、クロックインターフェースを含み、
前記構成レジスタは、前記クロックインターフェースからのクロック信号と同調して前記データインターフェースからシリアルデータを受け取ることができる、請求項4に記載の集積回路。
【請求項6】
複数の流体付勢デバイス用の集積回路であって、
ステータスレジスタと、
モードインターフェース、噴射インターフェース、及びデータインターフェースを含む複数のインターフェースと、
前記データインターフェース上の論理ハイ信号と共に、論理ハイに遷移する前記モードインターフェース上の信号、及び前記データインターフェース上の信号が浮遊している状態で、前記噴射インターフェース上の信号を論理ハイに遷移させることに応答して、前記ステータスレジスタの読み出しをイネーブルにするための制御ロジックとを含む、集積回路。
【請求項7】
前記制御ロジックは、前記モードインターフェース上の論理ロー信号に応答して、前記ステータスレジスタの読み出しをディスエーブルにすることができる、請求項に記載の集積回路。
【請求項8】
前記制御ロジックは、前記噴射インターフェース上の論理ロー信号に応答して、ステータスレジスタの読み出しをディスエーブルにすることができる、請求項又はに記載の集積回路。
【請求項9】
前記ステータスレジスタは、前記ステータスレジスタが読み出しのためにイネーブルにされた状態で、前記データインターフェースにシリアルデータを出力することができる、請求項の何れか1項に記載の集積回路。
【請求項10】
前記複数のインターフェースは、クロックインターフェースを含み、
前記ステータスレジスタは、前記クロックインターフェース上のクロック信号と同調して前記データインターフェースにシリアルデータを出力することができる、請求項に記載の集積回路。
【請求項11】
前記集積回路は、流体吐出ダイの一部である、請求項1~10の何れか1項に記載の集積回路。
【請求項12】
流体吐出ダイにアクセスするための方法であって、
前記流体吐出ダイのデータコンタクトパッド上の信号を論理ハイに設定し、
前記流体吐出ダイのモードコンタクトパッド上の信号を論理ハイに遷移させ、
前記データコンタクトパッド上の信号が論理ハイである状態で、前記モードコンタクトパッド上の信号を論理ハイに遷移させることに応答して、前記流体吐出ダイの構成レジスタに対する書き込みをイネーブルにすることを含む、方法。
【請求項13】
前記モードコンタクトパッド上の信号を論理ローに遷移させ、
前記モードコンタクトパッド上の論理ロー信号に応答して前記構成レジスタに対する書き込みをディスエーブルにすることを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記構成レジスタが書き込みのためにイネーブルにされた状態で、前記構成レジスタにシリアルデータを書き込むために、前記データコンタクトパッドにシリアルデータを加えることを更に含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記構成レジスタが書き込みのためにイネーブルにされた状態で、前記流体吐出ダイのクロックコンタクトパッド上のクロック信号と同調して前記データコンタクトパッドにシリアルデータを加えることを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
流体吐出ダイにアクセスするための方法であって、
前記流体吐出ダイのデータコンタクトパッド上の信号を論理ハイに設定し、
前記流体吐出ダイのモードコンタクトパッド上の信号を論理ハイに遷移させ、
前記モードコンタクトパッド上の信号が論理ハイである状態で、前記データコンタクトパッド上の信号を浮遊させ、
前記データコンタクトパッド上の信号が浮遊している状態で、前記流体吐出ダイの噴射コンタクトパッド上の信号を論理ハイに遷移させ、
前記データコンタクトパッド上の信号が浮遊している状態で、前記噴射コンタクトパッド上の信号を論理ハイに遷移させることに応答して、前記流体吐出ダイのステータスレジスタの読み出しをイネーブルにすることを含む、方法。
【請求項17】
前記モードコンタクトパッド上の信号を論理ローに遷移させ、
前記モードコンタクトパッド上の論理ロー信号に応答して、前記ステータスレジスタの読み出しをディスエーブルにすることを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記噴射コンタクトパッド上の信号を論理ローに遷移させ、
前記噴射コンタクトパッド上の論理ロー信号に応答して、前記ステータスレジスタの読み出しをディスエーブルにすることを更に含む、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記ステータスレジスタが読み出しのためにイネーブルにされた状態で、前記ステータスレジスタからシリアルデータを前記データコンタクトパッドに出力することを更に含む、請求項16~18の何れか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記ステータスレジスタが読み出しのためにイネーブルにされた状態で、前記流体吐出ダイのクロック信号パッド上のクロック信号と同調して、前記ステータスレジスタからシリアルデータを前記データコンタクトパッドに出力することを更に含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
流体吐出システムの一例としてのインクジェット印刷システムは、プリントヘッド、液体インクをプリントヘッドに供給するインク供給部、及びプリントヘッドを制御する電子コントローラを含むことができる。流体吐出デバイスの一例としてのプリントヘッドは、印刷媒体上に印刷するように、複数のノズル又はオリフィスを介して、1枚の用紙のような印刷媒体に向けてインク滴を吐出する。幾つかの例において、プリントヘッド及び印刷媒体が互いに対して移動する際に、オリフィスからの適切に順序付けられたインクの吐出により、文字または他のイメージが印刷媒体上に印刷されるように、オリフィスは、少なくとも1つの列またはアレイに配列される。
【図面の簡単な説明】
【0002】
図1A】複数の流体付勢デバイスを駆動するための集積回路の一例を示すブロック図である。
図1B】複数の流体付勢デバイスを駆動するための集積回路の別の例を示すブロック図である。
図2】集積回路の構成レジスタにアクセスするための一例を示すタイミング図である。
図3A】複数の流体付勢デバイスを駆動するための集積回路の別の例を示すブロック図である。
図3B】複数の流体付勢デバイスを駆動するための集積回路の別の例を示すブロック図である。
図4】集積回路のステータスレジスタにアクセスするための一例を示すタイミング図である。
図5】複数の流体付勢デバイスを駆動するための集積回路の別の例を示すブロック図である。
図6A】流体吐出ダイの一例を示す図である。
図6B】流体吐出ダイの一例を示す図である。
図7A】流体吐出ダイにアクセスするための方法の一例を示す流れ図である。
図7B】流体吐出ダイにアクセスするための方法の一例を示す流れ図である。
図7C】流体吐出ダイにアクセスするための方法の一例を示す流れ図である。
図7D】流体吐出ダイにアクセスするための方法の一例を示す流れ図である。
図8A】流体吐出ダイにアクセスするための方法の別の例を示す流れ図である。
図8B】流体吐出ダイにアクセスするための方法の別の例を示す流れ図である。
図8C】流体吐出ダイにアクセスするための方法の別の例を示す流れ図である。
図8D】流体吐出ダイにアクセスするための方法の別の例を示す流れ図である。
図8E】流体吐出ダイにアクセスするための方法の別の例を示す流れ図である。
図9】流体吐出システムの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0003】
詳細な説明
以下の詳細な説明において、その一部を形成する添付図面が参照され、添付図面には、本開示が実施され得る特定の例が実例として示される。理解されるべきは、他の例が利用されることができ、構造的または論理的変更が本開示の範囲から逸脱せずに行われ得る。従って、以下の詳細な説明は、制限の意味で解釈されるべきではなく、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲により定義される。理解されるべきは、本明細書で説明される様々な例の特徴要素は、特に断りのない限り、部分的に又は全体的に互いに組み合わされ得る。
【0004】
特定の例において、コストを低減し且つ製造性を改善するために、流体付勢デバイス(例えば、流体吐出ダイ)を含む半導体ダイ又はデバイスの幅を低減することが望ましい場合がある。流体吐出ダイの幅が低減される際、回路に利用可能なダイ面積はより少なくなる。従って、本明細書に開示される、流体吐出を可能(イネーブル)にするためのデバイスは、構成レジスタ(例えば、書き込み専用構成レジスタ)及び/又はステータスレジスタ(例えば、読み出し専用ステータスレジスタ)を含むことができる。構成レジスタは、データコンタクトパッド上の論理ハイ信号と共に、論理ハイに遷移するモードコンタクトパッド上の信号に応答して、書き込むためにイネーブルにされ得る。構成レジスタがイネーブルにされた状態で、データが、データコンタクトパッドを介して構成レジスタに書き込まれ得る。ステータスレジスタは、データコンタクトパッド上の論理ハイ信号と共に、論理ハイに遷移するモードコンタクトパッド上の信号、及びデータコンタクトパッド上の信号が浮遊(フローティング)している状態で、噴射コンタクトパッド上の信号を論理ハイに遷移させることに応答して、読み出しに関してイネーブルにされ得る。ステータスレジスタが読み出しに関してイネーブルにされた状態で、データは、データコンタクトパッドを介してステータスレジスタから読み出され得る。
【0005】
本明細書で使用される限り、「論理ハイ」信号は、論理「1」信号または「オン」信号、或いは集積回路に供給される論理電力(例えば、約1.8V~15V、例えば5.6V)にほぼ等しい電圧を有する信号である。本明細書で使用される限り、「論理ロー」信号は、論理「0」又は「オフ」信号、或いは集積回路に供給される論理電力のための論理電力地帰路(例えば、約0V)にほぼ等しい電圧を有する信号である。
【0006】
図1Aは、複数の流体付勢デバイスを駆動するための集積回路100aの一例を示すブロック図である。一例において、集積回路100aは、図6A及び図6Bに関連して後述される流体吐出ダイの一部である。集積回路100aは、制御ロジック102a、構成レジスタ104、及び複数のインターフェースを含み、当該複数のインターフェースは、データインターフェース110とモードインターフェース112を含む。データインターフェース110とモードインターフェース112は、制御ロジック102aに電気結合される。制御ロジック102aは、構成レジスタ104に電気結合される。制御ロジック102aは、データインターフェース110上の論理ハイ信号と共に、論理ハイに遷移するモードインターフェース112上の信号に応答して、構成レジスタ104に対する書き込みをイネーブルにする。一例において、制御ロジック102aは、モードインターフェース112上の論理ロー信号に応答して、構成レジスタ104に対する書き込みをディスエーブルにする。構成レジスタ104は、構成レジスタ104が書き込みのためにイネーブルにされた状態で、データインターフェース110からシリアルデータを受け取ることができる。
【0007】
制御ロジック102aは、集積回路100aの動作を制御するための、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は他の適切な論理回路を含むことができる。構成レジスタ104は、メモリデバイス(例えば、不揮発性メモリ、シフトレジスタなど)であることができ、任意の適切な数のビット(例えば、4ビット~24ビット、例えば12ビット)を含むことができる。構成レジスタ104は、集積回路100aをテストするための、集積回路100aの基板内の亀裂を検出するための、集積回路100aのウォッチドッグをイネーブルにするための、集積回路100aのアナログ遅延を設定するための、集積回路100aのメモリに対するアクセスをイネーブルにするための、集積回路100aの動作を妥当性検査するための、又は集積回路100aの他の機能を構成するための構成データを格納することができる。データインターフェース110とモードインターフェース112を含む複数のインターフェースのそれぞれは、制御ロジック102aに信号を伝達するための及び/又は制御ロジック102aから信号を受け取るための、コンタクトパッド、ピン、バンプ、ワイヤ、又は別の適切な電気インターフェースであることができる。複数のインターフェースのそれぞれは、流体吐出システム(例えば、プリンタ)に電気結合され得る。
【0008】
図1Bは、複数の流体付勢デバイスを駆動するための集積回路100bの別の例を示すブロック図である。一例において、集積回路100bは、図6A及び図6Bに関連して後述される流体吐出ダイの一部である。集積回路100bは、図1Aに関連して前述および図示された集積回路100aに類似し、制御ロジック102b、構成レジスタ104、及び複数のインターフェースを含み、当該複数のインターフェースは、データインターフェース110、モードインターフェース112、噴射インターフェース114及びクロックインターフェース116を含む。データインターフェース110、モードインターフェース112、噴射インターフェース114及びクロックインターフェース116は、制御ロジック102bに電気結合される。制御ロジック102bは、構成レジスタ104に電気結合される。
【0009】
制御ロジック102bは、データインターフェース110上の論理ハイ信号および噴射インターフェース114上の論理ロー信号と共に、論理ハイに遷移するモードインターフェース112上の信号に応答して、構成レジスタ104に対する書き込みをイネーブルにする。一例において、制御ロジック102bは、モードインターフェース112上の論理ロー信号に応答して、構成レジスタ104に対する書き込みをディスエーブルにする。構成レジスタ104は、構成レジスタ104が書き込みのためにイネーブルにされた状態で、データインターフェース110からシリアルデータを受け取ることができる。一例において、構成レジスタ104は、クロックインターフェース116からのクロック信号と同調してデータインターフェース110からシリアルデータを受け取ることができる。
【0010】
制御ロジック102bは、集積回路100bの動作を制御するための、マイクロプロセッサ、ASIC、又は他の適切な論理回路を含むことができる。構成レジスタ104は、集積回路100bをテストするための、集積回路100bの基板内の亀裂を検出するための、集積回路100bのウォッチドッグをイネーブルにするための、集積回路100bのアナログ遅延を設定するための、集積回路100bのメモリに対するアクセスをイネーブルにするための、集積回路100bの動作を妥当性検査するための、又は集積回路100bの他の機能を構成するための構成データを格納することができる。データインターフェース110、モードインターフェース112、噴射インターフェース114及びクロックインターフェース116を含む複数のインターフェースのそれぞれは、制御ロジック102bに信号を伝達するための及び/又は制御ロジック102bから信号を受け取るための、コンタクトパッド、ピン、バンプ、ワイヤ、又は別の適切な電気インターフェースであることができる。複数のインターフェースのそれぞれは、流体吐出システム(例えば、プリンタ)に電気結合され得る。
【0011】
図2は、図1Bの集積回路100bの構成レジスタ104のような、集積回路の構成レジスタにアクセスするための一例を示すタイミング図200である。タイミング図200は、モードインターフェース(例えば、モードインターフェース112)上のモード信号、噴射インターフェース(例えば、噴射インターフェース114)上の噴射信号、クロックインターフェース(例えば、クロックインターフェース116)上のクロック信号、データインターフェース(例えば、データインターフェース110)上のデータ信号を含む。202で示されたような論理ローの噴射信号、及び204で示されたような論理ハイのデータ信号と共に、構成レジスタは、206で示されたような論理ローから論理ハイへ遷移するモード信号に応答して、書き込みのためにイネーブルにされる。
【0012】
構成レジスタが書き込みのためにイネーブルにされた状態で、データ信号により供給されるデータストリームは、構成レジスタに書き込まれ得る。この例において、4個のビットデータストリーム(即ち、ビットB3、B2、B1及びB0)が構成レジスタに書き込まれる。他の例において、任意の適切な数のビットが構成レジスタに書き込まれ得る。データストリームの各ビットは、クロック信号に応答して構成レジスタに書き込まれ得る。例えば、208で示されたようなクロック信号の立ち上がりエッジが、B3ビットを構成レジスタへ書き込む(例えば、ラッチする)ことができる。同様に、210、212及び214で示されたようなクロック信号の立ち上がりエッジが、ビットB2、B1及びB0をそれぞれ、構成レジスタへ書き込む(例えば、ラッチする)ことができる。他の例において、データストリームの各ビットは、クロック信号の対応する立ち下がりエッジのそれぞれに応答して、又はクロック信号の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジに応答して、構成レジスタに書き込まれ得る。一例において、構成レジスタがシフトレジスタである場合、データストリームは、構成レジスタへデータストリームをシフトすることにより、構成レジスタに書き込まれることができ、その結果、以前の及び/又は余分なビットは、構成レジスタからシフトアウトされる。構成レジスタに書き込むことは、216で示されるように、モード信号を論理ローに戻すように遷移させることにより、ディスエーブルにされ得る。
【0013】
図3Aは、複数の流体付勢デバイスを駆動するための集積回路300aの別の例を示すブロック図である。一例において、集積回路300aは、図6A及び図6Bに関連して後述される流体吐出ダイの一部である。集積回路300aは、制御ロジック302a、ステータスレジスタ304、及び複数のインターフェースを含み、当該複数のインターフェースは、データインターフェース310、モードインターフェース312及び噴射インターフェース314を含む。データインターフェース310、モードインターフェース312及び噴射インターフェース314は、制御ロジック302aに電気結合される。制御ロジック302aは、ステータスレジスタ304に電気結合される。
【0014】
制御ロジック302aは、データインターフェース310上の論理ハイ信号と共に論理ハイに遷移するモードインターフェース312上の信号、及びデータインターフェース310上の信号が浮遊(フローティング)している状態で、噴射インターフェース314上の信号を論理ハイに遷移させることに応答して、ステータスレジスタ304の読み出しをイネーブルにする。一例において、制御ロジック302aは、モードインターフェース312上の論理ロー信号に応答して、ステータスレジスタ304の読み出しをディスエーブルにする。別の例において、制御ロジック302aは、噴射インターフェース314上の論理ロー信号に応答して、ステータスレジスタ304の読み出しをディスエーブルにする。ステータスレジスタ304は、ステータスレジスタ304が読み出しのためにイネーブルにされた状態で、シリアルデータをデータインターフェース310に出力することができる。
【0015】
制御ロジック302aは、集積回路300aの動作を制御するための、マイクロプロセッサ、ASIC、又は他の適切な論理回路を含むことができる。ステータスレジスタ304は、メモリデバイス(例えば、不揮発性メモリ、シフトレジスタなど)であることができ、任意の適切な数のビット(例えば、1ビット~12ビット、例えば5ビット)を含むことができる。ステータスレジスタ304は、集積回路300aの改訂ステータス、集積回路300aのウォッチドッグステータスのようなステータスデータ、又は集積回路300aの他の適切なステータスデータを格納することができる。データインターフェース310、モードインターフェース312、及び噴射インターフェース314を含む複数のインターフェースのそれぞれは、制御ロジック302aに信号を伝達するための及び/又は制御ロジック302aから信号を受け取るための、コンタクトパッド、ピン、バンプ、ワイヤ、又は別の適切な電気インターフェースであることができる。複数のインターフェースのそれぞれは、流体吐出システム(例えば、プリンタ)に電気結合され得る。
【0016】
図3Bは、複数の流体付勢デバイスを駆動するための集積回路300bの別の例を示すブロック図である。一例において、集積回路300bは、図6A及び図6Bに関連して後述される流体吐出ダイの一部である。集積回路300bは、図3Aに関連して前述および図示された集積回路300aに類似し、制御ロジック302b、ステータスレジスタ304、及び複数のインターフェースを含み、当該複数のインターフェースは、データインターフェース310、モードインターフェース312、噴射インターフェース314及びクロックインターフェース316を含む。データインターフェース310、モードインターフェース312、噴射インターフェース314及びクロックインターフェース316は、制御ロジック302bに電気結合される。制御ロジック302bは、ステータスレジスタ304に電気結合される。
【0017】
制御ロジック302bは、データインターフェース310上の論理ハイ信号と共に、論理ハイに遷移するモードインターフェース312上の信号、及びデータインターフェース310上の信号が浮遊(フローティング)している状態で、噴射インターフェース314上の信号を論理ハイに遷移させることに応答して、ステータスレジスタ304の読み出しをイネーブルにする。一例において、制御ロジック302bは、モードインターフェース312上の論理ロー信号に応答して、ステータスレジスタ304の読み出しをディスエーブルにする。別の例において、制御ロジック302bは、噴射インターフェース314上の論理ロー信号に応答して、ステータスレジスタ304の読み出しをディスエーブルにする。ステータスレジスタ304は、ステータスレジスタ304が読み出しのためにイネーブルにされた状態で、シリアルデータをデータインターフェース310に出力することができる。一例において、ステータスレジスタ304は、クロックインターフェース316上のクロック信号と同調して、データインターフェース310にシリアルデータを出力する。
【0018】
制御ロジック302bは、集積回路300bの動作を制御するための、マイクロプロセッサ、ASIC、又は他の適切な論理回路を含むことができる。ステータスレジスタ304は、集積回路300bの改訂ステータス、集積回路300bのウォッチドッグステータスのようなステータスデータ、又は集積回路300bの他の適切なステータスデータを格納することができる。データインターフェース310、モードインターフェース312、噴射インターフェース314及びクロックインターフェース316を含む複数のインターフェースのそれぞれは、制御ロジック302bに信号を伝達するための及び/又は制御ロジック302bから信号を受け取るための、コンタクトパッド、ピン、バンプ、ワイヤ、又は別の適切な電気インターフェースであることができる。複数のインターフェースのそれぞれは、流体吐出システム(例えば、プリンタ)に電気結合され得る。
【0019】
図4は、図3Bの集積回路300bのステータスレジスタ304のような、集積回路のステータスレジスタにアクセスするための一例を示すタイミング図400である。タイミング図400は、モードインターフェース(例えば、モードインターフェース312)上のモード信号、噴射インターフェース(例えば、噴射インターフェース314)上の噴射信号、クロックインターフェース(例えば、クロックインターフェース316)上のクロック信号、及びデータインターフェース(例えば、データインターフェース310)上のデータ信号を含む。402で示されるように論理ハイのデータ信号と共に、404で示されるようにモード信号が論理ローから論理ハイへ遷移する。データ信号は次いで、406で示されるように浮遊(フローティング)へ遷移する。浮遊しているデータ信号と共に、噴射信号が、408で示されるように、論理ローから論理ハイへ遷移し、ステータスレジスタの読み出しをイネーブルにする。
【0020】
ステータスレジスタが読み出しのためにイネーブルにされた状態で、ステータスレジスタは、データ信号を介してデータストリームを出力することができる。この例において、データストリーム(即ち、ビットMSB、MSB-1、MSB-2、MSB-3など)は、ステータスレジスタから読み出される。任意の適切な数のビットがステータスレジスタから読み出され得る。データストリームの各ビットは、クロック信号に応答して、ステータスレジスタから読み出され得る。例えば、MSBビットは、読み出しのためにステータスレジスタをイネーブルにすることに応答して、ステータスレジスタから読み出され得る。410で示されたようなクロック信号の立ち上がりエッジは、データ信号を介して、MSB-1ビットを出力することができる。同様に、412、414などで示されたようなクロック信号立ち上がりエッジは、データ信号を介して、ビットMSB-2、MSB-3などをそれぞれ出力することができる。他の例において、データストリームの各ビットは、それぞれ対応するクロック信号の立ち下がりエッジに応答して、又はクロック信号の立ち上がりエッジと立ち下がりエッジに応答して、ステータスレジスタから出力され得る。ステータスレジスタの読み出しは、416で示されたように噴射信号を論理ローに戻すように遷移させることにより、及び/又は418で示されるようにモード信号を論理ローに戻すように遷移させることにより、ディスエーブルにされ得る。
【0021】
図5は、複数の流体付勢デバイスを駆動するための集積回路500の別の例を示すブロック図である。一例において、集積回路500は、図6A及び図6Bに関連して後述される流体吐出ダイの一部である。集積回路500は、集積回路100a(図1A)又は100b(図1B)の特徴要素、及び集積回路300a(図3A)又は300b(図3B)の特徴要素を含むことができる。集積回路500は、制御ロジック502、構成レジスタ104、ステータスレジスタ304、及び複数のインターフェースを含み、当該複数のインターフェースは、データインターフェース510、モードインターフェース512、噴射インターフェース514及びクロックインターフェース516を含む。データインターフェース510、モードインターフェース512、噴射インターフェース514及びクロックインターフェース516は、制御ロジック502に電気結合される。制御ロジック502は、構成レジスタ104及びステータスレジスタ304に電気結合される。
【0022】
制御ロジック502は、データインターフェース510上の論理ハイ信号および噴射インターフェース514上の論理ロー信号と共に、論理ハイに遷移するモードインターフェース512上の信号に応答して、構成レジスタ104に対する書き込みをイネーブルにする。一例において、制御ロジック502は、モードインターフェース512上の論理ロー信号に応答して構成レジスタ104に対する書き込みをディスエーブルにする。構成レジスタ104は、構成レジスタ104が書き込みのためにイネーブルにされた状態で、データインターフェース510からシリアルデータを受け取ることができる。一例において、構成レジスタ104は、クロックインターフェース516からのクロック信号と同調してデータインターフェース510からシリアルデータを受け取ることができる。
【0023】
更に、制御ロジック502は、データインターフェース510上の論理ハイ信号と共に論理ハイに遷移するモードインターフェース512上の信号、及びデータインターフェース510上の信号が浮遊(フローティング)している状態で、噴射インターフェース514上の信号を論理ハイに遷移させることに応答して、ステータスレジスタ304の読み出しをイネーブルにする。一例において、制御ロジック502は、モードインターフェース512上の論理ロー信号に応答して、ステータスレジスタ304の読み出しをディスエーブルにする。別の例において、制御ロジック502は、噴射インターフェース514上の論理ロー信号に応答して、ステータスレジスタ304の読み出しをディスエーブルにする。ステータスレジスタ304は、ステータスレジスタ304が読み出しのためにイネーブルにされた状態で、シリアルデータをデータインターフェース510に出力することができる。一例において、ステータスレジスタ304は、クロックインターフェース516上のクロック信号と同調して、データインターフェース510にシリアルデータを出力する。
【0024】
制御ロジック502は、集積回路500の動作を制御するための、マイクロプロセッサ、ASIC、又は他の適切な論理回路を含むことができる。構成レジスタ104及びステータスレジスタ304は、図1A図1B図3A及び図3Bのそれぞれに関連して既に上述された。データインターフェース510、モードインターフェース512、噴射インターフェース514及びクロックインターフェース516を含む複数のインターフェースのそれぞれは、制御ロジック502に信号を伝達するための及び/又は制御ロジック502から信号を受け取るための、コンタクトパッド、ピン、バンプ、ワイヤ、又は別の適切な電気インターフェースであることができる。複数のインターフェースのそれぞれは、流体吐出システム(例えば、プリンタ)に電気結合され得る。
【0025】
図6Aは、流体吐出ダイ600の一例を示し、図6Bは、流体吐出ダイ600の両端部の拡大図を示す。ダイ600は、コンタクトパッドの第1の列602、コンタクトパッドの第2の列604、及び流体付勢デバイス608の列606を含む。コンタクトパッドの第2の列604は、コンタクトパッドの第1の列602と整列され且つコンタクトパッドの第1の列602から少し離れている(即ち、Y軸に沿って)。流体付勢デバイス608の列606は、コンタクトパッドの第1の列602及びコンタクトパッドの第2の列604に対して長手方向に配置される。また、流体付勢デバイス608の列606は、コンタクトパッドの第1の列602とコンタクトパッドの第2の列604との間にも配列される。一例において、流体付勢デバイス608は、流体滴を吐出するためのノズル又は流体ポンプである。
【0026】
一例において、コンタクトパッドの第1の列602は、6個のコンタクトパッドを含む。コンタクトパッドの第1の列602は、順番に以下のコンタクトパッド、即ちデータコンタクトパッド610、クロックコンタクトパッド612、論理電力地帰路(グランドリターン)コンタクトパッド614、多目的入力/出力コンタクトパッド616、第1の高電圧電力供給コンタクトパッド618、及び第1の高電圧電力地帰路コンタクトパッド620を含むことができる。従って、コンタクトパッドの第1の列602は、第1の列602の頂部においてデータコンタクトパッド610、第1の列602の底部において第1の高電圧電力地帰路コンタクトパッド620、及び第1の高電圧電力地帰路コンタクトパッド620の直上に第1の高電圧電力供給コンタクトパッド618を含む。コンタクトパッド610、612、614、616、618及び620が特定の順序で示されているが、他の例において、コンタクトパッドは、異なる順序で配列され得る。
【0027】
一例において、コンタクトパッドの第2の列604は、6個のコンタクトパッドを含む。コンタクトパッドの第2の列604は、順番に以下のコンタクトパッド、即ち第2の高電圧電力地帰路コンタクトパッド622、第2の高電圧電力供給コンタクトパッド624、論理リセットコンタクトパッド626、論理電力供給コンタクトパッド628、モードコンタクトパッド630、及び噴射コンタクトパッド632を含むことができる。従って、コンタクトパッドの第2の列604は、第2の列604の頂部において第2の高電圧電力地帰路コンタクトパッド622、第2の高電圧電力地帰路コンタクトパッド622の直下に第2の高電圧電力供給コンタクトパッド624、及び第2の列604の底部において噴射コンタクトパッド632を含む。コンタクトパッド622、624、626、628、630及び632が特定の順序で示されているが、他の例において、コンタクトパッドは、異なる順序で配列され得る。
【0028】
一例において、データコンタクトパッド610は、図1A又は図1Bのデータインターフェース110、図3A又は図3Bのデータインターフェース310、又は図5のデータインターフェース510を提供することができる。モードコンタクトパッド630は、図1A又は図1Bのモードインターフェース112、図3A又は図3Bのモードインターフェース312、又は図5のモードインターフェース512を提供することができる。噴射コンタクトパッド632は、図1Bの噴射インターフェース114、図3A又は図3Bの噴射インターフェース314、又は図5の噴射インターフェース514を提供することができる。クロックコンタクトパッド612は、図1Bのクロックインターフェース116、図3Bのクロックインターフェース316、又は図5のクロックインターフェース516を提供することができる。
【0029】
データコンタクトパッド610は、流体付勢デバイス、メモリビット、熱センサ、構成モード(例えば、構成レジスタ104を介して)などを選択するために、ダイ600にシリアルデータを入力するために使用され得る。また、データコンタクトパッド610は、メモリビット、構成モード、ステータス情報(例えば、ステータスレジスタ304を介して)など読み出すために、ダイ600からシリアルデータを出力するためにも使用され得る。クロックコンタクトパッド612は、データコンタクトパッド610上のシリアルデータをダイへシフトインするために、又はダイからデータコンタクトパッド610へシリアルデータをシフトアウトするためにダイ600にクロック信号を入力するために使用され得る。論理電力地帰路コンタクトパッド614は、ダイ600に供給された論理電力(例えば、約0V)の地帰路経路を提供する。一例において、論理電力地帰路コンタクトパッド614は、ダイ600の半導体(例えば、シリコン)基板640に電気結合される。多目的入力/出力コンタクトパッド616は、ダイ600のアナログ検出モード及び/又はデジタルテストモードに使用され得る。
【0030】
第1の高電圧電力供給コンタクトパッド618及び第2の高電圧電力供給コンタクトパッド624は、ダイ600に高電圧(例えば、約32V)を供給するために使用され得る。第1の高電圧電力地帰路コンタクトパッド620及び第2の高電圧電力地帰路コンタクトパッド622は、高電圧電源に電力地帰路(例えば、約0V)を提供するために使用され得る。高電圧電力地帰路コンタクトパッド620及び622は、ダイ600の半導体基板640に直接的に電気接続されない。最内部のコンタクトパッドとしての高電圧電力供給コンタクトパッド618及び624並びに高電圧電力地帰路コンタクトパッド620及び622に関する特定のコンタクトパッドの順序は、ダイ600に対する電力供給を改善することができる。第1の列602の底部および第2の列604の頂部に高電圧電力地帰路コンタクトパッド620及び622をそれぞれ有することは、製造の信頼性を改善することができ、インク短絡保護を改善することができる。
【0031】
論理リセットコンタクトパッド626は、ダイ600の動作状態を制御するための論理リセット入力として使用され得る。論理電力供給コンタクトパッド628は、ダイ600に論理電力(例えば、約1.8V~15V、例えば5.6V)を供給するために使用され得る。モードコンタクトパッド630は、ダイ600の構成モード(即ち、機能モード)をイネーブル/ディスエーブルにするためのアクセスを制御するための論理入力として使用され得る。噴射コンタクトパッド632は、データコンタクトパッド610からロードされたデータをラッチするための及びダイ600の流体付勢デバイス又はメモリ素子をイネーブルにするための論理入力として使用され得る。
【0032】
ダイ600は、長さ642(Y軸に沿った)、厚さ644(Z軸に沿った)、及び幅646(X軸に沿った)を有する細長い基板640を含む。一例において、長さ642は、幅646の少なくとも20倍である。幅646は、1mm以下であることができ、厚さ644は、500μm(ミクロン)未満であることができる。流体付勢デバイス608(例えば、流体付勢ロジック)及びコンタクトパッド610~632は、細長い基板640上に設けられ、細長い基板の長さ642に沿って配列される。流体付勢デバイス608は、細長い基板640の長さ642を下回るスワス(幅帯状区画)長さ652を有する。一例において、スワス長さ652は、少なくとも1.2cmである。コンタクトパッド610~632は、流体付勢ロジックに電気結合され得る。コンタクトパッドの第1の列602は、細長い基板640の第1の長手方向端部648の近くに配列され得る。コンタクトパッドの第2の列604は、第1の長手方向端部648の反対側の、細長い基板640の第2の長手方向端部650の近くに配列され得る。
【0033】
図7A図7Dは、流体吐出ダイにアクセスするための方法700の一例を示す流れ図である。図7Aに示されたように、702において、方法700は、流体吐出ダイのデータコンタクトパッド上の信号を論理ハイに設定することを含む。704において、方法700は、流体吐出ダイのモードコンタクトパッド上の信号を論理ハイに遷移させることを含む。706において、方法700は、データコンタクトパッド上の信号が論理ハイである状態で、モードコンタクトパッド上の信号を論理ハイに遷移させることに応答して、流体吐出ダイの構成レジスタに対する書き込みをイネーブルにすることを含む。
【0034】
図7Bに示されたように、708において、方法700は、モードコンタクトパッド上の信号を論理ローに遷移させることも含むことができる。710において、方法700は、モードコンタクトパッド上の論理ロー信号に応答して構成レジスタに対する書き込みをディスエーブルにすることを含むことができる。図7Cに示されたように、712において、方法700は、構成レジスタが書き込みのためにイネーブルにされた状態で、シリアルデータを構成レジスタに書き込むためにシリアルデータ信号をデータコンタクトパッドに加えることも含むことができる。図7Dに示されたように、714において、方法700は、構成レジスタが書き込みのためにイネーブルにされた状態で、流体吐出ダイのクロックコンタクトパッド上のクロック信号と同調してデータコンタクトパッドにシリアルデータ信号を加えることも含むことができる。
【0035】
図8A図8Eは、流体吐出ダイにアクセスするための方法800の別の例を示す流れ図である。図8Aに示されたように、802において、方法800は、流体吐出ダイのデータコンタクトパッド上の信号を論理ハイに設定することを含む。804において、方法800は、流体吐出ダイのモードコンタクトパッド上の信号を論理ハイに遷移させることを含む。806において、方法800は、モードコンタクトパッド上の信号が論理ハイである状態で、データコンタクトパッド上の信号を浮遊(浮動、フローティング)させることを含む。808において、方法800は、データコンタクトパッド上の信号が浮遊している状態で、流体吐出ダイの噴射コンタクトパッド上の信号を論理ハイに遷移させることを含む。810において、方法800は、データコンタクトパッド上の信号が浮遊している状態で、噴射コンタクトパッド上の信号を論理ハイに遷移させることに応答して、流体吐出ダイのステータスレジスタの読み出しをイネーブルにすることを含む。
【0036】
図8Bに示されたように、812において、方法800は、モードコンタクトパッド上の信号を論理ローに遷移させることも含むことができる。814において、方法800は、モードコンタクトパッド上の論理ロー信号に応答して、ステータスレジスタの読み出しをディスエーブルにすることを含むことができる。図8Cに示されたように、816において、方法800は、噴射コンタクトパッド上の信号を論理ローに遷移させることも含むことができる。818において、方法800は、噴射コンタクトパッド上の論理ロー信号に応答して、ステータスレジスタの読み出しをディスエーブルにすることを含むことができる。図8Dに示されたように、820において、方法800は、ステータスレジスタが読み出しのためにイネーブルにされた状態で、ステータスレジスタからデータコンタクトパッドにシリアルデータを出力することも含むことができる。図8Eに示されたように、822において、方法800は、ステータスレジスタが読み出しのためにイネーブルにされた状態で、流体吐出ダイのクロック信号パッド上のクロック信号と同調して、ステータスレジスタからデータコンタクトパッドにシリアルデータを出力することも含むことができる。
【0037】
図9は、流体吐出システム900の一例を示すブロック図である。流体吐出システム900は、プリントヘッドアセンブリ902のような流体吐出アセンブリ、及びインク供給アセンブリ910のような流体供給アセンブリを含む。図示され例において、流体吐出システム900は、サービスステーションアセンブリ904、キャリッジアセンブリ916、印刷媒体搬送アセンブリ918、及び電子コントローラ920も含む。以下の説明はインクに関して取り扱う流体に対するシステム及びアセンブリの例を提供するが、開示されたシステム及びアセンブリは、インク以外の流体の取り扱いにも適用可能である。
【0038】
プリントヘッドアセンブリ902は、複数のオリフィス又はノズル608を介してインク又は流体の小滴を吐出する、図6A及び図6Bに関連して前述および図示された少なくとも1つのプリントヘッド又は流体吐出ダイ600を含む。一例において、小滴は、印刷媒体924上へ印刷するように、印刷媒体924のような媒体へ向けて送られる。一例において、印刷媒体924は、用紙、カード用紙、透明媒体、マイラー(登録商標)、生地、及び同類のもののような、任意のタイプの適切なシート材料を含む。別の例において、印刷媒体924は、粉末ベッドのような三次元(3D)印刷用の媒体、或いはリザーバ又は容器のようなバイオプリンティング及び/又は創薬試験用の媒体を含む。一例において、プリントヘッドアセンブリ902及び印刷媒体924が互いに対して移動する際に、ノズル608からの適切に順序付けられたインクの吐出により、文字、記号および/または他のグラフィックス又はイメージが印刷媒体924上に印刷されるように、ノズル608は、少なくとも1つの列またはアレイに配列される。
【0039】
インク供給アセンブリ910は、インクをプリントヘッドアセンブリ902に供給し、インクを貯蔵するためのリザーバ912を含む。そのため、一例において、インクはリザーバ912からプリントヘッドアセンブリ902に流れる。一例において、プリントヘッドアセンブリ902及びインク供給アセンブリ910は、インクジェット又は流体ジェット印刷カートリッジ又はペンに一緒になるように収容される。別の例において、インク供給アセンブリ910は、プリントヘッドアセンブリ902から分離し、供給管および/またはバルブのようなインターフェース接続913を介して、インクをプリントヘッドアセンブリ902に供給する。
【0040】
キャリッジアセンブリ916は、プリントヘッドアセンブリ902を印刷媒体搬送アセンブリ918に対して位置決めし、印刷媒体搬送アセンブリ918は、印刷媒体924をプリントヘッドアセンブリ902に対して位置決めする。かくして、印刷区域926が、プリントヘッドアセンブリ902と印刷媒体924との間の領域において、ノズル608に隣接して画定される。一例において、プリントヘッドアセンブリ902は、キャリッジアセンブリ916が印刷媒体搬送アセンブリ918に対してプリントヘッドアセンブリ902を移動させるような、走査型プリントヘッドアセンブリである。別の例において、プリントヘッドアセンブリ902は、キャリッジアセンブリ916が印刷媒体搬送アセンブリ918に対して所定の位置にプリントヘッドアセンブリ902を固定するような、非走査型プリントヘッドアセンブリである。
【0041】
サービスステーションアセンブリ904は、プリントヘッドアセンブリ902、より具体的にはノズル608の機能性を維持するために、プリントヘッドアセンブリ902のスピッティング(吐き出し)、ワイピング、キャッピング及び/又はプライミングを行う。例えば、サービスステーションアセンブリ904は、ノズル608から余分なインクを拭き取る又は取り除くためにプリントヘッドアセンブリ902上を周期的に通過するゴム製ブレード又はワイパを含むことができる。更に、サービスステーションアセンブリ904は、使用していない期間中にノズル608を乾燥から保護するためにプリントヘッドアセンブリ902を覆うキャップを含むことができる。更に、サービスステーションアセンブリ904は、リザーバ912が適切なレベルの圧力および流動性を確実に維持するために且つノズル608が詰まっていない又は垂らさないことを保証するために、プリントヘッドアセンブリ902がスピッティング中にインクを吐出するインク壺を含むことができる。サービスステーションアセンブリ904の機能は、サービスステーションアセンブリ904とプリントヘッドアセンブリ902との間の相対運動を含むことができる。
【0042】
電子コントローラ920は、通信経路903を介してプリントヘッドアセンブリ902と通信し、通信経路905を介してサービスステーションアセンブリ904と通信し、通信経路917を介してキャリッジアセンブリ916と通信し、及び通信経路919を介して印刷媒体搬送アセンブリ918と通信する。一例において、プリントヘッドアセンブリ902がキャリッジアセンブリ916に取り付けられる場合、電子コントローラ920とプリントヘッドアセンブリ902は、通信経路901を介してキャリッジアセンブリ916を経由して通信することができる。また、電子コントローラ920は、一具現化形態において、新たな(又は使用済み)インク供給品が検出され得るように、インク供給アセンブリ910と通信することもできる。
【0043】
電子コントローラ920は、コンピュータのようなホストシステムからデータ928を受け取り、一時的にデータ928を格納するためのメモリを含むことができる。データ928は、電子経路、赤外線経路、光学的経路または他の情報伝達経路に沿って、流体吐出システム900に送信され得る。データ928は例えば、印刷されるべき文章(書類)及び/又はファイルを表す。そのため、データ928は、流体吐出システム900用の印刷ジョブを形成し、少なくとも1つの印刷ジョブコマンド及び/又はコマンドパラメータを含む。
【0044】
一例において、電子コントローラ920は、プリントヘッドアセンブリ902の制御を行い、当該制御には、ノズル608からのインク滴の吐出に関するタイミング制御が含まれる。そのため、電子コントローラ920は、文字、記号および/または他のグラフィックス又はイメージを印刷媒体924上に形成する、吐出されるインク滴のパターンを定義する。タイミング制御、それ故に吐出されるインク滴のパターンは、印刷ジョブコマンド及び/又はコマンドパラメータにより決定される。一例において、電子コントローラ920の一部を形成する論理回路および駆動回路は、プリントヘッドアセンブリ902上に位置する。別の例において、電子コントローラ920の一部を形成する論理回路および駆動回路は、プリントヘッドアセンブリ902から離れて位置する。
【0045】
本明細書において、特定の例が図示および説明されたが、様々な代替および/または等価な具現化形態が、本開示の範囲から逸脱せずに、図示および説明された特定の例と置き換えられ得る。本明細書は、本明細書で説明された特定の例の任意の改作物または変化形態を網羅することが意図されている。従って、本開示は、特許請求の範囲およびその等価物によってのみ制限されることが意図されている。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A-6B】
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9